名簿/468166
- ただいま -- シィラ
- 学校から帰ると、家の雰囲気が変だった
言い争いの声が聞こえる。もう一度、ただいま、と声をかけながら家に入るとどこかで見た記憶のある男と、両親が何時になくコワイ顔で話していた 男が、「ああ、この娘が」といいながら、じろじろと無遠慮に見る -- シィラ
- とち…ころがし?
「そうなの。パパが土地ころがしに手を出したんだけど、買った土地が転がりすぎて海におちてしまったの…。」 「パパとママは、破産したんだよ…」 「ママはパパと夜逃げすることになったから、シィラはこのおじさんの言うことをよく聞くのよ」 -- シィラ
- それを理解するのには、まだしばらくの時間がかかりそうだった
おじさんは、家のものは全部取り上げるけれど、一つだけもっていっていいと言ってくれた -- シィラ
- わ、わたしは…(少し考える。焦った頭では考えがまとまらない。頭に結んだ、先日の誕生日にもらったリボンに手が触れた)
わ、わたしは…こ、このリボンが -- シィラ
- 「そんなものでいいのかよ」と、おじさんはいやな笑い方をした
「じゃあ、そのリボン以外。服を脱げ。その服も借金の支払いに当てるからな」 -- シィラ
- おじさんの言っている事がよくわからなかった
ただ、怖かった -- シィラ
- 今日は私の誕生日
ママがケーキとニシンのパイを焼いてくれた お台所にいってクリームを舐めていい?ってきいたら、普段はおこるけど、今日は仕方ないわねって笑ってへらを顔の前に出すものだから、私の鼻の頭にクリームが付いて、パパが大笑い ひどいわ、もう -- シィラ
- パパが、綺麗な紙で包んだプレゼントをくれたの
あんまり綺麗な紙だから破くのがもったいなくて一生懸命綺麗にはがそうとしたら、パパがその紙はプレゼントじゃないから綺麗に開けなくてもいいんだよっていったけど、私は綺麗にあけたかったのでしくはっく やっとあけられたので紙は綺麗にたたんで、中の箱をあけたら、ピンクのリボン すごくさらさらして去年もらった白いドレスにぴったり! ママにむすんでもらったら、パパも似合うよっていった あたりまえじゃない、私はママのこどもだものっていったら、パパもママより綺麗かもねっていうから、ママがパパのニシンのパイを食べちゃった -- シィラ
- 今日は学校で男の子がけんかをしていました
なんで男の子ってけんかをするんだろう? たたかれたらいたいし、先生にもおこられるし、しあわせなことなんてないのにな -- シィラ
- ただいまって言ったら、パパはいつもよりうれしそうにおかえりって言った
何かいいことでもあったの?って聞いたらパパはシィラに綺麗なドレスをいっぱい買ってあげられるよっていうから、ママがあたしにはないの?って聞きました そしたらパパがシィラはどう思う?とわたしに聞くものだから、わたしはわたしのおふるならって言いました ママはちょっと怒ったみたいだけど、わたしには妹がいないんですもの わたしも、妹におふるをあげてみたいな -- シィラ
- 今日はおうちにお客様がいらっしゃいました
パパは、大事なお話があるからシイラはお外で遊んでおいでと言いました きっと、大事なお仕事のお話なのだと思います わたしはパパのお話が終わるまで、お庭で遊んでいようと思いましたが、夕方になるまでパパは応接室でお客様とお話をしていました -- シィラ
- お夕飯のとき、パパはとてもうれしそうでした
きっとお仕事の話が上手くいったのね -- シィラ
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