名簿/505093
- その中に奴さんの親兄弟の写真があるはずだ 確かめてくれ(そう言って灰色うさぎの写真を一束渡す)
今から10年近く前、黄金歴240〜250年代に流通していた製品群だ いくつかの問屋とコレクターに当たって裏を取ってきた (物寂しい夜だった 人知れず彷徨う奇人怪人たちもこの季節には鳴りを潜め、街は完全なるまどろみに包まれていた) -- マリウス
- こんばんは、マリウスお兄ちゃん。こんな時間までお仕事?
(やや伏せた目にはほんの少しの理知の明かりが見える。しかし目を閉じ、開くと再び普段通りの暗い瞳へと戻る) あんまり遅くまでお仕事してると家族団らんの時間がなくなっちゃうわ?ママがパパが遅く帰ってきた時言ってたの。 -- マーガレット
- 俺に家族はいない 物心つく前に親がくたばっちまって、ずっと叔父貴の世話になってきた 知ってるだろ? 最近やっと独り立ちできたところだ
マギー、お前のためだ 夜なべして探したんだ よく見てくれないか? 無いなら無いで構わない やり口を変えてみるだけだ (少女の手前を意識してか、巻きタバコの代わりに棒付きキャンディを口に含んで)食うか? ストロベリーかレモンしかないが -- マリウス
- (探していると、彼女は実にあっさりと見つかった。何故なら、丁度街と観測所をつなぐ短い道を揺蕩っていたからだ)
(まるで海に浮かぶくらげのようにふらふらと、生気のない足取り。マーガレット・メイスフィールドその人であった) お久しぶりです、マーガレット・メイスフィールド。私を覚えておいででしょうか。 -- ベリエ
- あら、ごきげんようおかわりなく。うふふ、ベリエは相変わらずお人形さんみたいだわ。
ええ、覚えているわ。ビスクで焼いたお人形さんが動いてるみたいだってママが驚いてたわ。 ところで、私のうさぎを知らない?どこかへいっちゃったの。エイミーにいじわるしたから。パパ・ママごめんなさい -- マーガレット
- その発言はあながち間違いでもありませんよ、マーガレット・メイスフィールド。私は自動人形、とも表記されますから。
ええ、実は今日はその件で貴女を探していたのです。イミ・ナシウスが貴女のうさぎを探していると聞きましてね。――さて、では貴女の「うさぎ」がどのようなものであったのか、できるかぎり詳しく教えていただけるでしょうか。 -- ベリエ
- 自動人形?よくわからないわ。お人形といえば、動物のお人形よね。エイミーったら欲張りなのよ?
自分の持ってない動物のぬいぐるみ見るとすぐ欲しがるんだから。もう。困っちゃうわ。 うさぎを探してくれるの?私のうさぎはね、耳が垂れてて、茶色い毛が柔らかくて、目が青いの。名前はトムよ。 (以前マリウスに話した特徴とは全く違う特徴。ただ、マーガレット自身に嘘を付いている素振りや表情はない) ああ、どこへいったのかしら。こんなにも探しているのに。早く見つけないと、エイミーが泣き止まないわ。 -- マーガレット
- 要するに、独りでに動く人形のことです。……なぜ「人形=動物」なのですか? 人を模した人形も多いと思うのですが。
子どもとはそういうものだとされています。自分の持っているものが色褪せて見え、持っていないものが輝いて見える……以前、アルレット・ティーガーデン氏がそう仰っておりました。 耳が垂れていて、体毛は茶色く、目は青ですね。分かりました、該当する人形を発見次第報告しましょう。 (もちろんそれが間違った情報である、などということに気づけるはずもなく、すっかりそういう人形を探す気でいた) エイミー・メイスフィールドはすでに亡くなられています。ですから、泣いている可能性はゼロです。 (機械故に、事実を淡々と述べてしまった。普通の人間なら、誰しもが言うのを躊躇う事実を) -- ベリエ
- 人の形のお人形は高くて買ってもらえなかったんだもの。だからお人形といえば動物よ。ふふ。
そういうものよね、でも、私のうさぎはやっぱり可愛かったんだと思うわ。私もエイミーに渡したくなかったんだもの。ああ、でもごめんねエイミー ええ、よろしく御願いするわ。ああ、早く見つけなきゃ。 ……?なにをいっているの?やめてよ。やめて!ああ。ああああああああああ ごめんなさい、パパママ、行かないで!いや、いやあ!パパ、ママ、エイミーお願い、私を一人にしないで…… ……違うわ、そう、違うわ。うさぎよ、うさぎをみつけるの!そうよ。そうしたら……、全部元に戻るの。みんな帰ってくるのよ。 (涙を流し、髪をかきむしり取り乱したかと思うと、ピタリと動きを止めまた生気のない茫洋とした表情に、張り付いたような笑顔を浮かべ人混みに紛れ姿を消す) -- マーガレット
- なるほど。確かにアンティーク・ドールは値が張りますね。これは失言でした。
共有する、という提案は出なかったのでしょうか。……出なかったのでしょうね、子供はまた、独占もしたい生き物と聞いていますし。 ……!(突然の変貌に目を見張る。しかし、その理由までは分からなかった) (……いや、薄々わかっていたのかもしれない。ベリエは無意識の内に確認をしたかったのだ。受け入れがたい死に直面すると、人はどうなるのかを) (消えたマーガレットの背を、暫く追うように道をさまよった) -- ベリエ
- (あーまたマギーが漂ってら…前から気になってたけど一体誰も無関心なのか? それともまともな人間には理解できない方法で保護されてもすぐ抜け出すのか?)
(女でしかもガキの浮浪者なんて、変な悪戯されてたら後味悪いんだよなぁ…) (別に話しかける気は無かったし、まさかこっちに来るとは思ってなかったのでついじーっと露骨に眺めてしまっていた) -- イミ
- (ゴミ箱や路地裏を覗きこみ、時には周りを見渡しさまよう少女に声をかける人間は見当たらない)
(あらかた今いる場所を探し終え、頬に手を当てあたりを見渡した際に、目と目がかち合い、近寄っていく) ねえ、イミお姉ちゃん、私のうさぎ見なかった?(言い終えたあと、は、と気づいた表情になり一歩引いて礼をする) ご挨拶が先でした。ママに怒られちゃうわ。こんにちは。お元気ですか?ふふっ -- マーガレット
- (気の触れた人間特有のまったく迷いの無い勢いが不意打ちで、たじろぎちょっと上ずる)
ぉ ぁ、うん、ごきげんよう。マギーも元気そう 見なかったよ。おかしいねぇ (会話は適当だ。堂々巡りだし) そうだ、一緒に探してあげようかぁ? (わざとらしくおおげさだけど) (彼女の使い方はもう知っている) -- イミ
- ええ、とっても元気よ。元気ないい子だってパパにも褒められていたんだもの。
本当、どこへ行ってしまったのかしら。もしかしてあとから追いかけてきてたりするのかしら?(悩むように首を傾げる) あら、本当?嬉しいわ。きっとこれでうさぎが見つかりやすくなるわよね! そうだわ、お礼をしなくっちゃ。パパの言いつけなの。何かできることはあるかしら? -- マーガレット
- (適当な相槌を打つ。あの火事の時イミもまだ8才、記憶の中のうさぎはかなりおぼろげだ。見つかるわけねーだろとはさすがに気が触れた相手でも言わなかった)
きっと見つかるよ。そんな、悪いなぁ、いいの? じゃあねぇ こんな話をみんなにしてあげて? 「街のどこかに宝が隠されたよ。それは奇妙な弓矢で、とっても高そうだよ」 (肩に手を置いて「噂」の確認を2、3回繰り返しながら、マーガレットの身体にソフトに触れていく。怪我は無いか、着衣の乱れは無いか) -- イミ
- ええ、そうね。そしたらまたパパとママとエイミーが帰ってきてくれるの!ああ、とっても楽しみだわ!
わかったわ、任せておいて。うさぎ、どこにいったのかしら? (無邪気に笑い、うさぎが見つかったら家族とどうやって過ごすかなどの話を続ける。髪や肌や服はうす汚れているが、それ以外の何かはないようだ) -- マーガレット
- ははは・・・ (大根役者が一人だけの粗末な舞台を見せられてるような気分。同情心はもちろんあるがこれが初めてではないのだ、うんざりもする)
(少しだけ手伝うと振りだけして、後ろを向いてかがんだ隙にスカートの中も確認した。くたびれてるけれど下着にも乱暴の後は無かったので安心する) なかなか出てこないねぇ。俺は別のところを探してみるよ。今日はじゃあね、マギー、気をつけて探すんだよ -- イミ
- (気の迷いかと思って目を瞬いた 少女の幽霊を見たと思った 今は二月の白銀の夜、その佇まいはあまりに幻想じみていたのだ)
(自分は見てはいけないものを見てしまったんだろうか? であればきっと、尚更のこと)おまわりさんの出番、だよな なあ嬢ちゃん 何を探してるのか知らないが、多分ここにはないぞ 何度も見たんだろ? だが見つからなかった 違うか? -- マリウス
- (くすんだ髪の毛にほんの少し、月の光が反射する。声をかけられ振り向いた瞳はただただ空虚で何も見ていない)
お巡りさん?御機嫌よう。ちゃんとご挨拶はするわ、ちゃんと言いつけは守るわ、ママ。 ここに来たのは、何度目かわからないけど、もしかしたら、野良犬がどこへ引っ張っていったのかもしれないもの。 お巡りさんなら知ってるかしら?私のうさぎ、どこへ行ったの? 早く見つけなきゃいけないの。パパもママも怒ってるわ。ごめんねエイミー。 -- マーガレット
- ああ、御機嫌よう ちゃんと挨拶できたな えらいぞ、いい子だ(捨てられた人形の様な姿、浮浪児然とした佇まいを観察して)
マリウスだ いかにも俺はお巡りだが、その前にマリウス・アジャンクールって名前がついてる…何だ、前にどこかで? (金の髪に櫛をいれたらどうなるだろう? 空ろな表情に緩んだ目鼻立ちに、冷たい意志の光が宿ったとしたら?) いや、あいにくテディベアが二匹?届いてるっきりだ これぐらいのやつな 嬢ちゃんが探してるのはもっと耳の長いやつだろ? 大丈夫だ 心配しなくていいぞ、うさぎは俺が見つけてやるさ どんなうさぎだ? 名前は? 最後にどこでみかけた?(真面目くさった顔で手帳を開きつつ) -- マリウス
- マーガレット、マーガレット・メイスフィールドよ。思いだしたわ、お巡りさん。パパが男の子はああでなくっちゃなって言ってたわ。
熊じゃないわ。熊はエイミーが持ってたもの。そういえば、あの熊はどこ行ったのかしら。エイミーが持って歩いてるのかしら? そう、耳が長くて、灰色の毛がふさふさしてて、目は黒いの。どこへいっちゃったのかしらジョージ。エイミーはまだ泣いてるかしら。 本当?最後に見たのは、公園。木陰に隠したの。きっと捨てられたと思ってどこかへ歩いて行っちゃったのね。 親切には親切で返しなさいってパパは言ってたわ。なにかお手伝いできることがあったらお手伝いするわ。 ……マリウスお兄ちゃん。(目を細め、ほほ笑みを浮かべる) -- マーガレット
- (脳裏の奥底で一塊の細胞が違和感を叫んでいた 一目見たときからずっとそうだ 目の前の少女に正常なものを見つける方が難しい)
マーガレット…マギー・メイスフィールドか!(どうして気付けなかったのだろう? 言われて初めて面影が重なった 鳩尾に重たい鈍痛が走り、細い肩を揺さぶって) お前、今何やってるんだ? どこに住んでる? こんな寒い夜になんて格好…風邪引くぞ、ほら(男物のマフラーをかけて) 約束してやるさ マギーのうさぎは俺が見つける(話を聞き届ける端から略式の記号に換え、手帳に書き付けて) 大事な友達だったんだろ 今度会ったら誤解だったんだ、って謝ってやれよ 言い方はお前に任せる 次までに考えといてくれ だから、ここは俺に任せろ 見つけたらお前のとこに連れて行くから、今日の捜査はここまでだ 風邪ひいてぶっ倒れたらこっちの仕事も手伝えなくなるぞ -- マリウス
- 家はずっと変わってないわ。パパとママとエイミーが私がうさぎを見つけてくるのを持ってるの。
今度はもう意地悪なんてしないの。お姉ちゃんなんだからたまには妹のわがままを聞いてあげなきゃダメよね?(巻いてもらったマフラーをなびかせながら一回り) ええ、そうね。ジョージには謝って、エイミーのお友達になってらわなきゃ。そうしたらきっとパパもママも私のこと許してくれるわ。 うふふ、大丈夫。私はパパとママの言いつけ守っているもの。神様が病気から守ってくれてるわ。 じゃあ、私のうさぎ、お願いね。バイバイ。(両手を背中側に回し軽くステップを踏むように路地裏へと紛れ込む) -- マーガレット
- すでにこの世の者でなくなっていそうな雰囲気ックス! --
- まるで都市伝セックス!! --
- ねえ、私のうさぎ、知らない? -- マーガレット
- 楽しいことや、かなしいこのとの向こうで君を待ってるよ
いくつもの出会いと別れを繰りかえして、君が一生懸命生きた先で… いつか会えるんじゃないかな --
- どこに行ったの? 私の、うさぎ -- マーガレット
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