王女の名簿王女:ステ / 戦歴海賊の名簿海賊:ステ / 戦歴お絵描き置き場?


http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst085067.png 二人の紡ぐ物語 …砲術師ペア専用のコメント欄です編集/差分
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  • 王女は聖杯に敗れた
    しかし聖杯から、心奪われた人の、一生分の命を丸ごと奪い取った

    アーナイン・ミレットフィールド 心優しい海賊の、新たな船出がここから始まる―― -- 2014-04-16 (水) 00:00:24
  • 【再会】
    • (一人で帰途をたどるなど、聖杯戦争が始まってから……一度とてあっただろうか。外に出るときには、必ずアーティラリストが一緒だった)
      (ぼーっとしている。泣いたあとで変に詰まったような耳に、自分の足音が篭って聞こえるだけだ。屋敷に戻って何をするとか、この先自分はどうするとか、そんなこと浮かんでもこない)
      (耳慣れない音を聞きながら、足が覚えているままに道を行く。ショックが強すぎた。ドアを開けたのも手が覚えているままに。誰もいなかろうと、こう言ってしまうのも、もはや癖だ)
      (口が小さく動いて呟く)ただいま…… -- ラケシェル
      • 『おかえりなさいませ』
        (たとえずっとそばに付き従っていようとも、ラックのその声には必ずそう返したものだった。その声は返ってこない。屋敷は静まり返っている。物理的には、静まり返っていた。)
        (魔力的には……騒がしいこと、この上なかった。周囲の魔力が渦を巻いて……ラックの魔力さえ一部とられて、収束していく。場所は、召喚の儀を行ったあの広間) -- 2014-04-15 (火) 03:10:19
      • (声が聞こえた、気がした。声は聞こえてこない。胸が鋭く痛む。怪我なんてないのに。守ってもらったんじゃなかったのか、自分は……瀕死もいいところだ)
        (と、ひらけた玄関の異様な光景)……え……? あ……や、魔力取られ…… なんで、なにこれ……? こんな契約、誰ともして……
        (誰とも?魔力が収束していく場所は、あの場所は…… あの場所は!)
        (弾かれたように走り出した。ダイニングから廊下へ、しっぽと手を引っかけて無理やり角を曲がる、急いで、あの場所へ、あの場所へ!)
        (バン!地下の広間の扉を開いた)

        (石造りの床に、涙が落ちた) -- ラケシェル 2014-04-15 (火) 12:50:32
      • (数々散りばめられていた媒体は片付けられていても、魔法陣の跡はまだかすかに残っている。その中心に、まるであの崩壊を撮影したフィルムの逆回しをしているように、光の粒子が集まって人の形を作っている)
        (編み上げブーツ、ロングコート、シャツから覗いた肌は白く、そして銀髪と顔立ちを隠す鱗の仮面……) -- アーティラリスト 2014-04-15 (火) 21:22:30
      • ……なん……で……?
        (信じられない光景に、足が固まって。考えるより、理解するより先に全てを確信した心が、涙を次から次へと押し上げていく) -- ラケシェル 2014-04-15 (火) 21:44:58
      • ……通常、敗退したサーヴァントは力を聖杯に注がれ、そして魂は英霊の座に戻るので御座いますが……そこから、弾き出されたので御座いますよ。(自分でも、どういうことなのか分からない、といった口調)
        通常の次第に則って行われた儀式で御座いましたら、このようなことは起こり得ないので御座いますが…… -- アーティラリスト 2014-04-15 (火) 21:56:25
      • それ、それって…… あたしが、本に書いてないところ、勘でやっちゃったから……?(とんでもないことを言い出す彼に、またとんでもないことを返しながら)
        (ドアの前の踊場から短い階段へと、おぼつかない足取りで近づいていく。彼だ。彼だ……!)キャア!(と、階段から足を踏み外した) -- ラケシェル 2014-04-15 (火) 22:04:54
      • ……恐らくは。(頷いて)
        行き場をなくした魂ははじまりの地、現界を果たした場所に舞い戻って、そこで周囲の魔力を吸って仮初の肉体を作って…それで、今に至るわけで御座いますね。っと!(踏み外すラックのそばに駆け寄って、支え)
        ……サーヴァントの力は恙無く聖杯に座れましたよって、今我が身には特別な力は何も御座いません。せいぜい、本当に人間の駆け出し冒険者程度で御座います。……ミトラ御嬢様にもう一度襲撃をうけらば、とても守りきれませんな。(喉の奥で引きつり笑いを漏らす) -- アーティラリスト 2014-04-15 (火) 22:24:27
      • (支えてくれた、また守ってくれた。泣いたまま、息が詰まって、しゃくりあげて、ぎゅううっと抱きついた)
        要らない! 力なんて要らない!
        おかしくなるかと思ったッ あなたいなくなっちゃって、なんにもわかんなくってッ あなたが、いてくれないと、あたし、ほんと……
        もう守ってくれなくていいから…… お願い そばに、いて…… -- ラケシェル 2014-04-15 (火) 22:31:49
      • ……御嬢様の、仰せのままに。改めて、これからよろしくお願いいたしますね。 -- アーティラリスト 2014-04-15 (火) 22:59:46
      • 本当……! うん、うんっ! よろしくねっ
        (何度も頷いて、いったん体を離すと涙をぬぐった)
        …………(ひょい、と彼の仮面を外した彼女の顔は、涙の跡が残っているが、いつもの、未来の楽しみをいっぱいに映す笑顔)
        おかえりなさい、アーナイン! -- ラケシェル 2014-04-15 (火) 23:23:14
      • (目を細めて仮面を外される。そのまま、さえぎるもののなくなった紫色の瞳に輝くばかりの笑顔を写して微笑んだ)
        ……はい。ただいま戻りまして御座います。 -- アーティラリスト 2014-04-15 (火) 23:49:52
  • 【敗北】
    • ある日。アーティラリストは一人でほかのサーバントと戦っていた。
      ラケシェルは、アーティラリストの外出中は屋敷にいる。今もそうだ。アーティラリストは普段と変わりなく外出し、敵のサーバントに出くわした。
      口で話しても戦いは避けられなかった。
      アーティラリストは防戦し、語りかけるのをやめなかった。しかし、アーティラリストが聖杯戦争の参加者である限り、何を話しても通じない相手だった。
      アーティラリストを生きて帰すつもりはないと言い切った。相手を傷つけずにいても、相手は自分を逃がしてはくれまい。アーティラリストも、攻勢に転じた。
      しのぎを削る戦いは長引いた。夜を回り、射撃される魔砲の美しさは花火のようだった。互いに魔力も集中も限界に近づく中……
      アーティラリストは僅かな隙を精確に打ち抜き、優勢に立った。魔砲を並べて囲む。このまま消滅させるのは造作もなかったが、アーティラリストはそうしなかった。
      相手に語りかけ始める。
      • (……今日はあまりにも帰りが遅かった。お腹も空いたが、それはまぁいいとして。アーティへの心配がつのる。人のいい彼のこと、困りごとに首をつっこんでいないか……)
        よしっ 迎えに行こ!(元気にうなずいて席を立った。うじうじ悩んでいるよりも、行動行動!) -- ラケシェル
      • (彼の身体は自分の魔力でできている。方向を知るのは容易い。夜の中、目立つ服で彼のいる方向を目指していった)
        (それはちょうど、アーティが優勢に立ち、語りかけているときだった。戦闘らしい音はせず、まさかほかのサーバントがいるとは思いもしなかった)
        (この先だ。この角を曲がれば、彼がいる)アーティ!(角を曲がる前に呼んで、ひょいっと姿を現した) -- ラケシェル
      • 一瞬の出来事だった。アーティラリストもまさか、ラケシェルが来るとは思いもしなかったのだ。
        守る者を第一に考える思考が、今ばかりはあだとなった。ラケシェルに気が向いたのを、敵のサーバントは見逃さなかった。
        そして、ラケシェルにありったけの攻撃を飛ばした。
      • (「運の尽き」……などと、頭のどこかが皮肉なことを考えた。何より運がなかったのは、この男がキャスターではなくアーティラリストだったこと。主を守る防御結界術など、使えない。)
        (主を守る方法は、ただひとつ。――我が身を盾にすること、それだけだった。しかしそれでも、それが間に合っただけ幸運だったのかもしれない)
        (時が止まったような永遠の一瞬の中で、自分と言う魔力の肉体を形作る核が綺麗に撃ち抜かれたことを、知る。) -- アーティラリスト 2014-04-15 (火) 02:54:42
      • (サーバントの攻防に、目が追い付いたことはなかった。これまでは、一度も)
        (……時が止まったようだった)
        (音は置き去りに、景色だけが鮮明に感じ取れた。飛んできた攻撃。自分に当たるはずの攻撃の軌道を、全て塞ぐように、アーティが身体を割り込ませるのも)
        (アーティがあんまりにもいい位置にいくから、攻撃がアーティに吸い寄せられるように見えたのも)
        (被弾し、攻撃がめり込み…… 貫いていくそれがアーティの核を、日食のように……蝕むように消していくのも)


        -- ラケシェル 2014-04-15 (火) 20:00:49
      • ぉ、ぐ……(出そうとしたものではない声が漏れて、膝が落ち、ついで腰を折って、そして上体が倒れていく。崩壊の感触にラックが左手を見れば……藍色の令呪が、順序の別なく端からゆっくりと崩れて薄れて消えていく。)
        (聖杯の参加者として健在である限り、決して消えずに使える三つの呪印が消えていく理由は、たった一つしかありえない。) -- アーティラリスト 2014-04-15 (火) 20:33:36
      • (アーティの声が聞こえたのと、自分が叫んだのは同時だった)
        (サーバントの攻防に体が追い付いたときには、すべてが終わっていた)
        嫌あああああああああーーーーーーーーーーー!!!!
        (アーティの核がどこにも無い。左手の甲から、強制力の塊が離れていく)
        嫌ぁッ、やぁぁぁッ! やだ、ダメ、行っちゃダメ!(掴もうとして、吐き気とともに、上下がぐるんと逆さまになるような感覚に襲われた)
        (地に両手をつく。どちらが上かもわからない、でもアーティを…… ……手を伸ばした先、アーティが、いなくなっていく)
        ああ…… あああぁぁ……… あたし そんな や だ …… -- ラケシェル 2014-04-15 (火) 20:55:37

      • (あたしのせいで あーてぃがしんだ)

        -- ラケシェル 2014-04-15 (火) 20:56:08
      • (堰を切ったように、涙と叫びとが溢れた。這いずって、アーティが立っていた場所にすがりついて)
        ごめっごめんなさい!! ごめんなさいぃ、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめ…… やぁ、やぁぁぁぁ……!!
        (今まで出せなかった罪悪感が、ぶちまけられた。アーティが気にしないように、自分がどれだけダメな子だと思っても言わないようにしていた……もうそのアーティがいない)
        あなただって! 生きてたのに! 楽しいって言ってたのに! これから楽しいこと、いっぱいいっぱいあるのに……!
        嫌ッ、笑ってたい、一緒に居たい……よ……うぅっ いかないで、いかないでぇぇ…… あ、あああ……あぁ……
        ……殺しちゃった、殺しちゃった……あたしが、あたしが、いなかったら…… いつもあたし、足引っ張ってばっかで、やだ、こんな
        生きて……死なないで……ごめんなさい、ごめんなさい! ごめんなさいぃぃ……ッ!! -- ラケシェル 2014-04-15 (火) 20:57:23
      • 敵のサーバントは、嘆きに背を向けて遠ざかっていった。アーティラリストとともに消えていった令呪。もう彼女は聖杯参加者ではない、殺す必要もない。
        地面に押し付けられるようにして謝り続ける彼女だけが、夜の中で独り、取り残された。 -- 2014-04-15 (火) 20:57:39
      • なにを、おっしゃいます、ラック、御嬢様……(足元からさらさらと、光の粒子になって消えていく。まだ残っている腕を伸ばして、ラックの頬に触れる。その感触に、もう熱は宿っていない。)
        御嬢様が、アーナイン、めを、召喚してくださったから、我が身は、再び現界できたので、御座いますよ……? それに、御嬢様が主だったから、仮初の生を、アーナインめは目一杯楽しめまして御座います……。
        ああ、そう、だ。……ラック御嬢様に、まだ話していなかったこと……

        我が真名、は、アーナイン……100年ほど前までこの街の、魔術師協会の副議長を務めておりました……アーナイン・ミレットフィールド……それが、本当の、名前…… -- アーティラリスト 2014-04-15 (火) 21:14:39
      • (頬に触れた感触。いつもの優しい声。見上げると、細かな光をたくさん纏った、透明な……)
        (彼の言葉が、暗い罪悪感までも照らして、軽くなっていく。 最後に見た彼は、穏やかで、広くて、澄んで、光できらきらしていて、最初に見た海そのものだった)
        (彼の名は)
        ……アー、ナイン…… アーナイン・ミレットフィールド…… -- ラケシェル 2014-04-15 (火) 21:34:32
  • 【伝えたくないことと、伝えたいこと】
    • あれから、何度かサーバントとの戦いがあった。
      王女はほかのサーバントに会ったときには、何も表出しないようになった。自分が取ることのできる中で、一番いいと思える行動をやり抜いた。
      無力感が襲いくるが、その処理の方法はわかっている。寝て気持ちを切り替えて、気にしない。自分の凹んだ姿はアーティに見せたくない。
      アーティとは笑いあっていたい。戦いのあとは決まって、めいっぱいアーティのすごさを褒めて、感謝するのだった。

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収納

Last-modified: 2014-05-07 Wed 23:14:40 JST (3640d)