名簿/495145

  • よお坊主(出し抜けだった。白昼堂々と、うらぶれた、風采の上がらぬ男が声をかけてきたのである)
    (くたびれたような格好は、一目瞭然で冒険者とわかる。スラムにいてもおかしくはないが、しかしこうして表通りをうろついていても人目を引くほど剣呑ではない)
    (有り体に言えば、馴染み過ぎる背格好であった。猫背の男は笑っているのかへの字なのか、判然とせぬ口元のままジャックに向けて手を振る)
    なあ坊主……人探しをしてんだが、ちょいと手をかしちゃあくれんかね? -- 凶運 2013-03-19 (火) 23:37:37
    • いいよ。(即答した。状況だけみれば子供に人探しの手伝いをさせる大人の図だ)
      (しかし。パブリックエネミーを狩る刺客でもある者が白昼堂々の表通りで気づけなかった)
      (大抵気配を消すアサシンギルドやほこり臭いソーサラーギルドの人間であれば…気配を消しすぎて逆に目立つ。)
      (狩り出すには都合がいいのだが…この男は気配を消さず、また気配を馴染ませて出し抜いてきた)
      (そちらの技術は数歩は上だろう。その相手が接触してきた…自身が探してた気配。忍者と呼ばれるものか?何にせよ…それなりの相手が向こうから接触してきた)
      どういう人を探せばいいかな。(話を聞くには十分すぎる理由だった。) -- ジャック 2013-03-19 (火) 23:48:54
      • 坊主と似たような子供さあ。聴くところによっちゃあ……そう、ちょうど今のお前さんみたいな刃物みてえな目をしてるそうだ。
        (片手のなかでダイスを転がしながら男は言う。よくよく見ればそれはただの骰子ではない、特別製の合金ダイス……それも相当に強固な、兵器として運用可能な小物である)
        そいつもそいつで探し人をしてるらしくてなあ……どんな奴なのか気になって俺のほうから見に来たってわけさなあ。
        ああ、悪い悪い。名前も知らないおっさんの頼みは聞けねえよなあ……(ふ、と男が手を開いた。その中で弄ばれていたダイスは……ない!)
        どォも、ファンブルです。"ご挨拶"は礼儀だ、そうだろ坊主(いよいよ男の口元が笑みに歪んだとわかった時、人混みの中から"カ、カ、カッ"という、金属同士が打ち付け合う微小な音)
        (常人では気付けない速度と角度をもって、ピンボールのようにお互いを衝突させあった二個の六面ダイスがジャックの両こめかみに飛来する!) -- 凶運 2013-03-19 (火) 23:56:37
      • おじさんの子供?(金属音。暗器か…いや、サイコロ。しかし音から聞こえる比重は金属。金属のサイコロとは)
        中々複雑だね。人探ししてる人が探してる人を探しているわけか(と、構える。武器でも体でもない。精神を、より鋭く)
        (精神を掴めない。掴ませようとしていないのか、わざと言葉を混ぜているのか…それだけではない、この男が持っているサイコロは武器であろう)
        (暗器とするならば…と至った時には遅い。そのダイスは冷たい意志を持って消えていた)
        …!(空気に亀裂を入れるような音が一瞬鳴る。身体、神経の電流接続を加速!)
        (先ほどまでいたところよりはじかれたように数歩下がったところにその姿あり!)
        (六面ダイスが打ち付けるのは稲妻の幻影!金属音と電磁震動音が鳴るのは同時!)
        …ライトニングだ。礼儀?昼間から堂々と仕掛けてくるのがそうだというならばとんだ作法だなファンブル
        (そう。まさか公衆の面前で仕掛けてくるとは思ってはいなかった。ここまで堂々としているのならば…周囲の人間を巻き込むことは避けられない)
        ハッ!(打ち合った賽子による第二撃が来る前に跳躍!地面ではなく壁、屋根を蹴り飛ぶ!) -- ジャック 2013-03-20 (水) 00:21:45
      • (カッ!! と強い音を立て、幻影の脳天を両側から貫く形でダイスは衝突。反動で弾かれあった2つは再びカ、カ、カ、と人混みの中で打ち付けあい凶運の手元へ)
        (微細なサイコロを、この複雑な人混みの中にあって対象へと殺意ある速度のまま到達させるコントロール。明らかに尋常な技ではない)
        ははは。安心しろよ坊主……いや、ライトニング。もともと俺の技ぁ気付かれるもんでもないが、"もう心配は無い"。
        (跳躍したジャック……ライトニングを目で追う。少年が見せた異様な跳躍力に対し、周囲の人々は何の意志も返さない)
        (目の次に、その体がライトニングを追う。やはり凶運、ファンブルの人ならざる跳躍を見届けるものはなし。彼らはそれを認識していない!)
        迷宮忍法(ダンジョン・テクニクス)、「戸板隠し」。なあに、《結界術》の初歩も初歩よなァ。
        言っとくがいじったのは認識だけだ、今のところは無差別殺人するつもりもねえさ……今のところはなッ!
        (再び右手を振るう。六面ダイス2つに加え、いつの間に握られていたのか十面ダイス2つが高速で建物の間をバウンドしながらライトニングへ飛来! 上下左右四方向から死のダイスが襲い掛かる!) -- 凶運 2013-03-20 (水) 00:31:20
      • 最初からそのつもりだった、わけか(間抜けな話だがなんとも奇妙な術を使う)
        (なるほどこれなら気づかれずに暗殺も容易だろう…だが、何より気にかかるのはそのやり口である)
        (飛来するダイスは4つ!おそらくまだ隠し持っているに違いない…すなわち、やろうと思えばあの時でもやれたと)
        (屋根を蹴り、建物を間を蹴り飛び抜けた先に四方より死のダイス。ファンブルとはヤツの名前…やつがもたらすものか!)
        妖術使いに暗器、嫌な組み合わせだ!(そして…抜刀!同時に体をひねり、建物の屋上の方向へ…体を左へひねる)
        (無論四【死】のダイスは迫る!全てを払うことも不可能…だが全て払う必要などなし!)
        (抜きざまに一刀!側面の…左のダイスを刀で叩く!ただ叩くのではない、エフェクトによりマグネット反発効果も生み出す!)
        (さらに屋上を転がればダイスがまた打ち合う音が聞こえる…とかく、開けた場所でも閉所でも場所を選ばないこの戦い方…強い)
        (まともに正面から斬りあおうとすれば死は免れない。建物の屋上に出たとしてもそれは変わらないだろう…どうする!) -- ジャック 2013-03-20 (水) 00:51:06
      • (カ、カ、カ、カ! と、弾かれた左のダイスがその左下のダイスへと、さらに両者がそれぞれ別のダイスと打ち付けあい、でたらめな方向に飛び散っていく)
        ほお、軌道をずらすたあなかなか。初歩の骰子忍法じゃあ太刀打ちできねえかい。
        (逆に己を襲うように飛び来たったそれらを両手足で器用に掴み取り、屋上へと着地)
        さて、ここじゃあいかんせん転がし辛い……となれば、こっちを使わせてもらうぜ。
        (ふっと指の間に挟み込みながら取り出したのは一対の二十面ダイス。アンダースローでそれらを投擲すると、まるで地を這う蛇の如くのたうちまわりながら屋上の床面を走る)
        骰子忍法「泥暗」だ。足元には気をつけろよ坊主、そらよォ!
        (ただ地対空で迫るダイスならば跳び上がれば回避できる。それを術者は知る……故にファンブル自身が上空より獲物を襲うのだ)
        (奴が跳躍したと思った次の瞬間には、すでにライトニングの首を周囲の大気ごと刈り取ろうと右足がしなり鎌めいたサイドキックを繰り出している!) -- 凶運 2013-03-20 (水) 01:00:24
      • (単純な刀術や体術では太刀打ちできない。この男も初歩と言っている…即ち)
        (そういった段階より上の技術や力を持ってしなければならない相手というわけだ)
        (なるほどな、と呟く声は空気に消えて…)
        (仕舞い、取り出したダイス。またダイス…取り出したものをころがし、這わせる。このダイスが何をしてくるのかはわからない)
        (しかし受けては良いことなどありはしない。そう考える時間すらもファンブルにとっては動くに十分)
        (封じられた動き。自身の左側面、しして地面…封じられた!  否!)
        (大気ごと切り裂くほどの蹴りの衝撃が空気を炸裂させる。残ったのは両断された血肉か…?否。)
        (稲妻の集合体のような腕が…その足を掴んでいた!ファンブルにとっては利き足の蹴りだろうが、ライトニングにとっては逆手!手は空いてるのだ!)
        (そしてその手は稲妻となり浄なる雷の手と化していた!)
        飛ぶのは気をつけるべきだなファンブル!ハァーッ!(そして掴んだら簡単!先ほどのサイコロ2つ、迫る蛇に向けて投げる!) -- ジャック 2013-03-20 (水) 01:16:48
      • うおッ!?(見た目で侮っていた……というよりは、相手の持つ能力の正体を掴みきれていなかったというところか)
        (電撃そのものと化した腕の力によって小男の体はいとも簡単に振るわれ、屋上の床に背中を……そこにちょうど転がり来るダイス!)
        グワーッ!!(絶叫! ただでさえ全力で叩きつけられ、背中を打ち据えた激痛に、合金製のダイスが肉をえぐってめり込んだのだ)
        うおおおお……ッ!!(ゴロゴロと転がりながら衝撃の勢いを殺し、いまだ肉の中でごりごりと転がるダイスを筋肉の操作で吐き出す。ぼちゅっ、と音を立て血まみれの二十面ダイスが屋上にころんと落ちた)
        なるほどね、慣れねえ《骨法術》に手出すべきじゃなかったか……つつ(ダメージが背中だったのは僥倖か。どう攻めたものかと思案しながら、時間稼ぎのためにも口を開く)
        なァ坊主。なんだってラ・ヴェートを探し求めてる? やられた腹いせを晴らすためか? -- 凶運 2013-03-20 (水) 01:24:02
      • (手ごたえはあった。ラヴェート相手にも通じるかはわからないが…以前よりも十分に信頼できる程度には使えている)
        (また距離を取りながらその左手をしならせる。この男は…油断できない。なんとかダメージを与えたが、これでも現状文字通り奥の手でもある。対策はねられたくないものだが)
        (懐のスローイングダガーも使うべきか、とも思うが…しかし、その中で男が口に出したのは思ってもいない単語)
        …ラヴェートの背後にいる者が別の刺客を寄越す事態になっているのは知らなかったな。
        何故?ラヴェートがどういうものか遭遇すれば誰だってわかる。だから倒すべきものだと思っている。仕返しとか、喧嘩じゃないよこれは
        それに他にも探している人がいる。それを手伝っているのもある…あの人は戦うとか、そういうのじゃないだろうけど。
        (誰とは言わない。しかし腕自慢でもなく、強者でもない。何の因果か巻き込まれた人。)
        (戦いに身を置く人間なら因果応報。そんな怪物に襲われても巡り巡ったこと)
        (しかしあの人は生まれたときから巻き込まれたように思える。彼女が何かしたわけでもない。華やかな世界で、輝く者)
        (彼女は人ではないが。それでも因果と無縁に降る災いはある。それを探して己にある知らぬものを解きたいというなら協力したいと思った)
        最も、そちらから出てきてくれるなら好都合。叩いて潰し、ラヴェートについて吐かせるだけだ。そのメタルダイスがいつまで使えるか試してみればいい。
        (稲妻が、雷光がより激しくなる。しかし暴風のごとく荒れ狂うのではなく…静かに、纏まった。しかし時折跳ねるような稲妻が、左手から迸る) -- ジャック 2013-03-20 (水) 01:49:12
      • 待てよ、待て待て坊主。逆だ逆……俺はあれの手先じゃねえよ……ったく、いでで!
        (呻きながら背筋を伸ばす。傷を無理やり筋肉の緊張で塞ぐと、血が飛沫き、ぱたたっ、と血の跡が屋上に残った)
        なるほどね、パブリック・エネミーの討滅者は噂通りってわけかい……あででで、まあもっとも俺だってお前らの仲間じゃあねえが……。
        まあ、あれだ、坊主。俺も俺で事情があってな、奴さんから引っこ抜けた「モノ」を預かっちまってるわけだ……。
        (モノ。リルから話を聞いているジャックならばわかるだろう……それはつまり、ラ・ヴェートにとらわれていた「何か」を示しているということだ)
        だがまァ、坊主は思ったより骨がありやがる……案外「いける」かもな。気になるなら、"くるとう"っつーガキを探してみりゃいい。ただのバカとしか思わないだろうがね。
        (求められたことを喋り始める。観念したからではない……機をうかがうための時間稼ぎである)
        ラ・ヴェートは……あの「落とし子」は、もともとこの世界の外にいる存在が産み落としたもんだ。すくなくとも、俺が掴んだ情報じゃあそうなってる。
        "横たわるもの"……そう呼ばれてるバケモンだ。ま、このくらいは喋ったところで<船長>もお目こぼししてくれるだろ(と、ひとりごちて)
        お前の言う……あー、なんとかっつう嬢ちゃん、奴さんなら、"横たわるもの"のことが分かる場所も知ってるだろうさ……。
        (クリティカルな情報を差し出し、相手の虚を生み出す。これもまた凶運の忍法「裏取(りどる)」である)
        そいつを聴いてお前さんがどうするか……それも結局、生きて帰られりゃの話だがな!
        (後ろ手に組んでいた印を胸の前で組み直し、素早く結界を完成させる。周囲の風景が変質、石畳の連なる無限の迷宮となった)
        迷宮忍法【奥義】、「致死影牢(デストラップ)」ッ!(頭上から轟音……落ちてきたのは巨大な吊り天井、その先端には針のように鋭利な四面ダイスが敷き詰められている!) -- 凶運 2013-03-20 (水) 02:09:50
      • …(信じられない、と口に出すより早くファンブルの言葉が出される)
        預かっている…?(確かに予想されていた出現時間の変化など…生活環境が変わった一因が)
        (この男なら納得できる。しかも実力からしてラヴェートと戦えるほどの人物だろう)
        (しかしどうもおかしい、決めあぐねる。しかも言い方、リルの存在もしっている…知っていて殺しに来ている)
        (横たわるもの、落とし子…いや、そもそも船長とは誰だ?)
        (中身のくるとうとかいう子供?とどういう関係がある?情報が一気に駆け巡る。欲していた情報の断片、手がかり…)
        (味方か?敵か?中立?そもそもこの情報の信ぴょう性は…?)
        (その一瞬が、隙となる。まさに手のひらに転がされるダイスのごとく!)
        ファンブル…!
        (遅い!いかなる術か、妖術が魔術かはわからないが周囲が迷宮に変わり…死を招く天井が落ちてくる!)
        (どこに逃げる?いや、逃げ場などない!ダイスのような暗器ではない、面での圧倒的な制圧)
        (ならば止めるしかない…だが、半端な止め方では破られる)
        (隙を生んでしまうが…全力でやる。その最中でも、ダイスなら…なんとかなる)
        (ここで死んでは伝えることもできない)
        オォォォォォォ!!!!
        (左手を掲げ、声も、体も雷光を纏い受け止める!)
        (圧倒的な質量、そしてダイスの冷たい殺意を全力で受け止める!雷光のボルテージがさらに上がり…)
        (巨大な雷光の手が天井を押し留める!!)
        (圧倒的不利、片膝をついて押す姿に余裕はない…しかしその目に諦めはない!) -- ジャック 2013-03-20 (水) 02:43:49
      • ほお……こいつを止めるか、なるほどやるもんだな、名前通りの稲光ってわけだ。
        (名前の通り、今まで生き延びた人間のいない【奥義】を防いでみせたライトニングに感嘆の声をあげる)
        (ここで奴の不利を突くことは簡単だ。しかし、これほどの爆発力……まさに電光のごとし)
        (不屈の精神がさらなるブーストを呼び寄せたとしたら? 今自らが踏み込むのは、致命的な誤判断になりかねない)
        ここまでとは思わなかった、あいにく俺ぁ危ない橋を渡るのが好きじゃなくてね。今のうちにとんずらこかせてもらうぜえ。
        (印を結び変える。すると両者の間に挟まれた通路にガシャン! と鉄格子がかかり、ついで壁がズン!! と自動ドアのように閉まり、通路を塞ぐ)
        お達者でなあ坊主、また会おうぜ……お互い、死んでなきゃあなあ……ははははは……。
        (やがて迷宮が消える。そこはもはや先の建物屋上のままだが、いつしか時刻は夜へと変わっていた) -- 凶運 2013-03-20 (水) 02:50:18
      • 待…ッ!(待て。という暇もない。壁も天井も、ファンブルも消えた屋上)
        (汗で湿った頬を冷たい風が撫でる…掲げられた左手は今は床に。両手をついた手を伝って汗が落ちる)
        何者なんだ…あの男(様々な情報が乱れる中…あの男、ある程度ダメージを与えたとはいえ余裕。意図も知れず…そして引いた。)
        (ただラヴェートと、リルの国と他の国との諍い…だけではないのか?進んだ先にはまた新たな疑問が残った)
        (手がかりと共に…) -- ジャック 2013-03-20 (水) 02:58:13
  • 『翌日。オーに報告を終えたジャックは信じられない事実を突き付けられ…昨晩の現場に向かった。』 -- 2013-03-01 (金) 04:34:46
    • (そこには爆心地のような跡と…昨日、崩壊した以上の瓦礫が散乱。周囲の建造物も蹂躙されていたのだ。つまり…) -- 2013-03-01 (金) 04:36:28
      • ヤツは、生きていた…(仕留めそこなった…力が足りなかった。確認を怠った。いくつかの要因がある。)
        (だが確実に言えること、必要なことが一つあった。それはまだあの怪物について何も知らないということだ。)
        (オーが調べた、調べさせたデータにも詳しいものはなかった。一筋縄ではいかない怪物…)
        情報、集めないと(それはオーや仲間らに頼むのではなく。自分の足で。この街にいる人間を当たらなければならないことを意味していた)
        (人と戦うのとはまた別の…情報の必要、収集。それは自分で探さなければ得られないものが多い。とオーの言葉でもある)
        (どこを当たるか。当てもあまりない。とりあえず、詳しそうな人や興味がありそうな人に聞いて回るしかないな…と、現場を後に街へ消えていった) -- ジャック 2013-03-01 (金) 04:41:20
  •   -- 2013-03-01 (金) 04:33:34
  • (夜。それは多くの影に生きるものにとっての活動時間……それはジャックにとっても変わらないだろう)
    (街を睥睨できる塔の頂上。広く縁取られたそこには、ごうごうと風が吹きすさぶ)
    (……と。ジャックの頬を叩く寒風に、背筋をざわつかせるものが混ざった。瘴気、悪意、そして殺意である) -- 怪物 2013-03-01 (金) 01:15:29
    • (漆黒の世界に針を差し込んだような…天も地も星も灯りだけが明滅しているような世界。ターゲットの周辺を嗅ぎまわる暗殺者もまた、この時間こそ生きる時間)
      (気配を、空気を感じるために高所にてその五感を…いや、第六感までも使い探る…それが今の自分には可能だった)
      (人の気配、獣の気配…それらを感じる五つの感覚器官とは別にその第六が。頬をなぞり悪寒を電撃のごとく体内に伝える)
      (よくないものが、近くにいる。いや…なんだこれは、人ではない…!) -- ジャック 2013-03-01 (金) 01:24:52
      • ("それ"は、吹きすさぶ風に乗ってきたかのように現れた。凶兆そのもののように。うっそりと、紫色の焔を双眸に浮かべて)
        SSSSHHHHHHHH……(乱杭歯の隙間から、硫黄のような吐息が漏れ、大気に消えた)
        (右手には、紫色の鬼火を揺らめかせるランタン。西方に伝わる死を告げる妖精のごとき様相)
        (パブリック・エネミーを狩り続ける組織にあって、その存在を知らぬはずはないだろう……"神出鬼没の怪物"。それそのものが眼前にいたのだ) -- 怪物 2013-03-01 (金) 01:28:19
      • (話には聞いていた。もちろん、今までかち合わなかったもともある…いずれ、戦うだろう相手ではある。)
        (人を、社会を揺るがすパブリックエネミーにして人類のアークエネミーと言える怪物存在。その姿はまさしく…死神、いや幽鬼。紫の鬼火の、怪物)
        (航空偵察機であるUAVは出していない…なら実質援護は受けられないも同じ。いや、そもそもやることは一つしかない)
        ふっ!(面頬変りか襟の内側で短く息を吐き、バックステップ。距離を取るように飛び、M27IARを構えずに引き金を引き絞る)
        (怪物に遭遇したら、やることは一つ、見敵必殺。闇夜に乾いた銃声が響く) -- ジャック 2013-03-01 (金) 01:39:21
      • (5.56mmの死神が吼えた。荒ぶ突風さえもメスのように切り裂き、告死の螺旋を刻む弾雨が飛来する)
        (到底見てから避けることなど出来はしない。ゆえに怪物は……避けない)
        (ギギン、バキギン! と、鎧を貫く音が響く。しかしその内部は虚、焔と瘴気によって構成されたがらんどうの肉体は、チーズのように穴だらけになってもそう簡単に止まらない!)
        KKKKKRRRRRRR……(弾丸をその身に受け、たたらを踏みながらも、怪物は右手に持ったランタンを握りしめ、びしり、と潰した)
        (焔が雲散霧消する。再び鈎爪が開かれれば、紫色の焔は鎧を包み込み燃え上がる。飛来した次の弾雨は鬼火に融かされ消えていく)
        GRRRRッッ!!(跳躍―――否、突進。来る死の短槍を尽く焼滅しながら、両鈎爪による頸部を狙った破滅的斬撃が左右から襲いかかる!) -- 怪物 2013-03-01 (金) 01:44:58
      • (だめだ。この相手には効果がない…5.56mmの弾丸を意に介さず…制圧射撃の意味がない!)
        (初めて遭遇する相手、こういう武器では効果がない相手…!そして、敵もエフェクトのようなものを操るのか。そのランタンの焔が燃えれば…炎に包まれた怪物)
        (エンチャント:ファイア?と思ったのもつかの間、空になった弾層を捨て、次の弾層を込めて引き金を絞ればわかる)
        着弾前に…(溶けた、これはもう超常の相手である。拳銃も、このライフルも…この怪物を押しとどめる力はない!)
        (弾層が空になった瞬間、その時はもうあの怪物が炎を纏って目の前に、そして…左右からの死の一閃)
        (だが、しかし。切り裂いたのはM27IARのみ。ではジャックはどこへ?答えは怪物の股下!その小柄な体型を利用し、前へと緊急回避!)
        (ライフルを捨て、回避に専念したのだ。炎の中をくぐり塔の瓦を転がり起き上がる。その目は蒼く、瞬く)
        (炎が移った纏うロングパーカーの頭から裾を稲妻が走り祓う。拳銃も無駄だろう…ならば、これが一番合うはずだと)
        (今や指先から足先まで走る雷光がその身を守り、引き抜いた刀は単分子コーティングを剥がし本来の力を晒す)
        …とんでもない、やつだ(単純な物理的力は相手が上。ではこちらはどうか…図るように足を擦り…怪物へと駆け出す!塔の屋根瓦に雷光が走る!) -- ジャック 2013-03-01 (金) 02:03:50
      • (鎧そのものにはダメージが有る。いくつもの穴が穿たれ、弾丸の衝撃がたんなる穴ぼこではなく亀裂というべきものを生み出している)
        (しかしそれらは轟々と燃え上がる焔、そして吹き出す瘴気によって包まれ塞がっていく。物理だけでこの怪物を止めることは出来ない)
        (必要な物は知恵、そして精神の力。何よりも機転! 今まさにジャックはそれを発現させた)
        GRRRRッ!!(煩わしげに怪物が唸る。「ちょこまかと、鬱陶しいやつめ」 言語化するならばそんなところだろう)
        (振り返りざまの、爪による真空破。それは身を屈めたジャックの髪先をわずかに散らして進み、彼方にそびえる尖塔のてっぺんをずり、と切り裂いて消えた)
        (焔に対する電光は疾風をなお超える。怪物の二撃目は追いつかず、雷光の飛沫がその鎧を打ち据えた!)
        GAAAAWWWッッ!!(超常の力を宿す破邪に悶える。効果あり。直接的にそれを叩き込んだならばさしものやつとて耐えるのは難しいだろう)
        (戦況の立て直しを図ろうと、怪物は跳躍。相手が人類敵を狩るものである以上、自らを追ってくることを本能的に知っているのだ)
        (幾分低い、対面の建物屋上に着地。レンガが爆ぜて巻き上がる)GRRR!!(それらが漆黒の稲妻を纏い、礫のようにジャックを狙う!) -- 怪物 2013-03-01 (金) 02:09:28
      • (苛立っているのがわかる。殺気がより高ぶっているのが感じられるのだ)
        (雷が、今宿る己の力が伝える。己をかすめた疾風よりも、速いと。炎よりも鋭いと!)
        (雷光を感覚の先に延ばした、攻撃。だが致命的とは言えない!しかし戦えると教えるには十分だ)
        逃がさない…(怪物の跳躍、切り裂かれた尖塔が崩れ地面と激突する音を背に再び飛ぶ)
        (今ここで自分の力と、相手の力を図る必要がある。しかしそれ以上にこの内なる存在が訴える。)
        (この怪物を野放しにしてはならない…この邪悪な存在を、倒せと!)
        (怪物の着地。レンガの崩壊、礫が浮かび…漆黒の稲妻が伸びる触覚か、またはエンチャントなのか)
        (散弾のように放たれる!罠、飛び込んだネズミをたたき出し殺す仕掛けのように放たれた礫の雨)
        (しかし、だがしかしこちらも稲妻を纏う者!刀を構え縦一閃!黒い雷光に白い雷光が切り込む!)
        …ッ!(普通の刀ではそのまま飛来する礫を身に受けるだろう、だがこの刀は雷光を纏う稲妻の剣)
        (浄なる稲妻と漆黒の稲妻が反発しあい、海を切り開くかのごとく漆黒の稲妻を纏った礫の雨をを切り裂いた!) -- ジャック 2013-03-01 (金) 02:33:19
      • (爆発。雷と稲妻がぶつかり合い、さながら竜と虎とが咆哮し噛み付き切り裂きあうようにぶつかり、混じり、そして消えた)
        (雨は雷に打たれ霧へと代わり、礫は微塵に還ってやがて風に飛ばされていった)
        SSSSHHHHHWWWWW……
        (油断なく身構える。単なる搦め手、だまし討ではこの子供を殺せない。怪物はそう直感した)
        (となれば求められるものは物量、そして圧倒的なパワー! 怪物の無機物たる全身が異様なことに筋肉のように緊張し、力をみなぎらせる)
        GGGGGRRRRRR……GAAWWWWッッ!!
        (満身のそれを火炎として放つ。吹きすさぶ突風を追い風とし、焔のカーテンと呼ぶべき熱風の壁がジャックを波濤のように飲み込まんと鎌首をもたげた)
        (無論それで終わらない。熱量の向こうへと視界が通るならば、陽炎のようにゆらめく怪物の影が、拳を握りしめ接近することを見きれるだろう!) -- 怪物 2013-03-01 (金) 02:40:14
      • (霧散した礫を乗せた風を身に受けながら、屋上に降り立つ)
        (強い谷間風がごうごうと響きながら己をなでる。刀を構えながら短く考える)
        (率直に言えばこの怪物に対してイニシアチブを取れていない…今まで後手でなんとか追いすがっていると言える)
        (なんとか直接叩き込めれば…自身の力もまた、無限ではない。辛抱強く打ち合えば勝機を見いだせるかもしれないが…)
        (しかし、それはかなわなかった。敵もただの獣ではない…いや、思慮深いと言える)
        …!(一気に決め手にでてきた、そう理解せざる負えない。迫る炎の潮流。いや…それだけではない)
        (その後ろに構える怪物の姿。この怪物は…炎と自身の力。二段構えの強攻策に出てきた。)
        (これは危険だ。小細工程度の作戦ならどうにかなる。だが相手は自身の最も強い部分で押すと決めた)
        (単純な力のぶつかり合いであれば、小柄な自分に分がないのは明瞭。しかし…)

        ((((やらねばならない、邪悪な存在をを倒さねば!))))

        (内なる存在と同調するかのように瞳の輝きは増し、雷光を絞り出すように漲らせる。)
        (一刀の下、炎を切り裂くか?否。その一刀の後にやつは来るだろう。そして稲妻を纏っていても、炎は己を焼くには十分)
        (屋上の煉瓦は雷光に裂かれ、はじける。刀を持つ右手、左手には3本のスローイングダガー…ならば、と…危険な一瞬を通り抜ける糸のように集中する)
        はぁっ!(稲妻を纏う左腕がしなり、スローイングダガーが怪物がいるだろう気配の場所に投げられる)
        (雷の尾を引くスローイングダガーが炎に刺さり、またスローイングダガー同士が稲妻を繋ぎ鋭角的な障壁となった!)
        (炎が竜ならば、稲妻は伏せ食らいつく虎!己の中にある、纏うライトニングの力を全力で叩きつける!)
        (その力を振り絞り…その先にある一瞬を狙う。そう、炎が過ぎ去った後にくる怪物の一撃)
        (そこにいるヤツには炎はない、その一瞬…そこまで稲妻が持つかはわからないが、狙うのならばそこしかない!)
        (全力の炎の竜と雷の虎が相打ち、周囲の煉瓦を破砕していく!) -- ジャック 2013-03-01 (金) 03:10:03
      • (怪物の機械的、そして本能的なものがはじき出した策は、こうである)
        (まず焔が波となって襲い掛かる。これに対し、少年が取れる策は2つ。裂くか、防ぐか)
        (前者ならば、攻撃の予後に生まれる隙に全力の殴打が叩きこまれ、少年は爆発四散)
        (防ごうとしたならば、刀を粉砕破壊。相手の攻撃手段を完全に奪ったのち、無慈悲な暴力がその体を引き裂く)

        (……はず、だった)

        (そこを分けたのは人間の生み出した道具と、それを利用する機転の術理。すなわち知恵と勇気!)
        (バチィ!! と音を立て、竜虎は互いに相食み霧散。がら空きの、あるいは微動だに出来ぬ少年を打ち据えようと、怪物が迫り……)
        GRRRRRRッッ!!
        (気付く。だがもう遅い、こうなれば全力をもって敵を正面から打ち砕くのみ!)
        (追い詰められた獣の如き餓えをもって、怪物の握りしめられた巨岩の如き拳が、大きく上弦を描きながら、破城槌のごとくジャックの脳天へと―――) -- 怪物 2013-03-01 (金) 03:28:34
      • (凌げた・・いや打てた!)
        (谷間風すら、かき消す衝撃波が空間を爆発させる)
        (爆心地は無風。その一瞬だけ空気が消えたような静けさが支配し…)
        (そして動くのは怪物の巨体と…引き絞った弓のごとく刀を構えた自身のみ!)

        ぇいやぁぁぁぁぁっ!!!
        (振りぬく!もちろんほぼ使える、稲妻を全力で放つほど余力はない)
        (先ほどので出し尽くした…といってもいい)
        (しかし一瞬でいい、一瞬その力を籠めさえすればこの一撃に打ち勝てる!)
        (怪物の巨大碗に撃ち当てるように袈裟斬り!当たる一瞬、最後の一撃に残った力を乗せて打ち込む…)
        (それはまさに乾坤一擲!僅かにしか出せぬだろう力を使っての一刀だ!) -- ジャック 2013-03-01 (金) 03:55:52
      • (形容するならば、バターをナイフで切り裂くような)
        (ビィイイイイイッ! と、上質の絹糸を思い切り引き裂くような。そんな音がして、鋼鉄の拳は真っ二つに切り裂かれていく)
        (傍目から見れば、顎(あぎと)を開いた蛇が刀を飲み込むように)
        (しかしその実、泳ぐ魚を名刀で、魚自身も知らぬままに捌いてみせるように)
        (あっけなく、自然に。巨腕は真っ二つにされ、肩口を超え、鎖骨部分を切り裂き袈裟懸けに真っ二つへとせしめた!)
        GAWWWWWWHHHHHHッッ!?
        (苦痛の咆吼! 切り裂かれジャックの後方へと流れていく、かつて一つであるが今は両断された拳が建物の床を叩く)
        (ゴゥンッ!! という破砕音。刀の剣戟を以ってなお相殺しきれぬ衝撃は屋上全体に破砕をもたらし)
        (瓦礫となって建物が崩れ落ちる。両断された怪物の残骸もまたそれらに飲み込まれていく)
        (ジャックの身軽さならば、崩落に巻き込まれる前に跳躍も可能だろう。あるいは、乾坤一擲にすべてを使い自らもまたそこに巻き込まれるか……) -- 怪物 2013-03-01 (金) 04:05:13
      • (やった…やった!打ち勝った…と思うのもつかの間、怪物の叫び声だろうものが聞こえない。音が消えた?いや、自分の耳がおかしくなっているのだ)
        (しかし、大気が震える感覚は伝わってくる…力を使いすぎた?否、わからない。今にも自分が雷として霧散しそうな感覚に襲われる。このような負荷があるとは…)
        (ここまでエフェクトの力を使うほどの相手と戦ったのは初めてであり…自身がここまで力を使えるのはわかった)
        (だが裏を返せばここまでしなければ戦えない相手だった。こうして勝てたにも関わらずである)
        (曖昧な実感と、微妙な手ごたえになりつつある体を押して、隣の塔に飛び移る)
        (へばりつくように登り、崩落を見届ければ…一息つく)
        (瓦礫となった建物を見据え、背を向ける…これで化け物はもう出現しないだろう)
        (今、気配を感じることはできないが墓標となったこの瓦礫の山でヤツは眠ることとなったのだ)

        帰ろう…(刀を仕舞い、ふらつく足取りでホテルへ戻った) -- ジャック 2013-03-01 (金) 04:20:22
  •   -- 2013-02-05 (火) 00:56:26
  •   -- 2013-02-05 (火) 00:18:05
  • 『はじめに』 -- 2013-02-05 (火) 00:56:20
    • 「手を貸そうか」 -- 2013-02-05 (火) 00:57:02
      • 【彼】との待ち合わせが不可能となった。不意だった。まさかあの場にいるとは思わなかった。
        しくじり、逃げ切っただろう路地裏の先で倒れる私を見下ろすのは子供だった。
        その目は原石のように粗野ではあるが素朴な美しさが残る少年だと感じた。
        言われるがままに手を伸ばすほど、私は自分の末路を理解しこの少年に預けることを勝手ながら良しとしたのだろう。
        腹部から流れる体温など構わず彼に手を向けた。
        そして彼は手を取った -- 2013-02-05 (火) 01:02:12
      • 「……?」
        路地裏に一瞬明かりが瞬く。雷光のような瞬き。目の前の男はそれっきり動かなくなった。
        再び雨音が路地裏を支配する。この街では…いや、この世界ではどこでも同じだ。
        なにか死ぬようなことがあったのだろう。ありふれた死。
        墓を作る義務などないだろうが死はまた等しくある。男は細見であるが筋肉がある鍛えられた体だった。
        背負えば、わかる。路地裏の闇から一歩、また一歩と離れ表へ出れば
        待ち受けていたのは一台の馬車 -- 2013-02-05 (火) 01:07:14
      • 「どうぞ。あの方がお待ちです。」
        面倒なことに巻き込まれた。このまま行くのは危うい気配もある。
        しかし、路地を塞ぐ様に止められた馬車を避けるのは難しい。
        引き返すこともできようがこのままは難しく、捨てることもできず。
        やむおえない事情で馬車に乗ることになった。 -- 2013-02-05 (火) 01:10:57
      • そこからしばらくはどこを通ったのか覚えていない。
        馬車の中から外を伺うことはできず。
        寝かせた男性の死体と同伴し、血臭が満ちる車内で少しばかりの時間を過ごした。
        慣れているといっても、常習したい臭いではないことは間違いないのだ。
        馬車が止まれば、扉は開く。そこは街の広場でも屋敷の前でもなんでもない、ただ広い空間がそこにはあった。
        赤く燃える巨大な球体。後で聞いたが太陽だったらしい。
        それを眺めて、安楽椅子にて葉巻の煙を侍らせる男が一人 -- 2013-02-05 (火) 01:14:18

      • 「彼のことは残念だった。彼も自らの子に刃を向けることはできなかった」
        壮年という頃合いか。社会的地位も、それに見合った教養も、知性も、また狡猾さも持ち合わせているだろう男。
        背中越しでもわかるその雰囲気は力を持っていた。
        「だが彼に君のような弟子がいるとは。エフェクトマスターとしてもやはり彼は優秀だった」
        安楽椅子がゆっくりと揺れて、こちらへ体を向けてくる。その顔も想像するに易い。印象の通りであった。
        「我々の理念に賛同する彼の死。そして現れた君。できれば引き続き彼が賛同してくれた理念のために我々と共に…君が受け継いでほしい」 -- 2013-02-05 (火) 01:20:53

      • 「すまないが僕は弟子でもなんでもない。偶然居合わせただけだ。」
         
        短い沈黙がこの空間を支配した。 -- 2013-02-05 (火) 01:24:39

      • 「その手にエフェクトが宿っているというのにか?」
        「話が全く分からない。エフェクトとはなんなんだ。あの男も知らないしあんたも知らない。」
        勝手につれてこられて迷惑している、と最後に足すと男は2,3度葉巻を吹かすと誰かがこの空間に踏み入れてきた。人を呼んだらしいが、便利な場所だ。 -- 2013-02-05 (火) 01:33:12
      • 「あなたは図らずとも、偶然に超常の力(エフェクト)を手に入れたのよ」 -- 2013-02-05 (火) 01:34:38
  • 『続きに』 -- 2013-02-05 (火) 01:34:52
    • 「目標到達」 -- 2013-02-05 (火) 01:35:17
      • 夜風に展開したパーカーの裾がなびく。収束したフード、襟はマスク…面頬と言っていたか
        目元のサイバーサングラスには周辺地図と景色が融合しデジタル表示でデータを知らせる
        背中には単分子ブレード、脇にはスローイングナイフ…そして自身にはエフェクトと呼ばれるものが宿った。
        左手を強く握りこむと蒼い電撃が跳ねる。そしてあの日から。
        特殊な傭兵としてあの男の組織…プロミネンスと契約することとなった。
        表では身辺警護の傭兵として、そして実働としては…要人暗殺。世界に、人類に害をなすものの排除である。
        あの男は、あの日死んだ男にこれをやらせたかったらしい。ようはとぱっちりでその能力を受け継ぐこととなったのだが。 -- &new{2013-
      • そしてあの怪物との戦い…自身のエフェクトとの付き合い。パブリックエネミーとは様々な場所にいるものだ。
        そう、それはこの館に集まっているものたちも同じ… -- ジャック 2013-03-09 (土) 20:44:50
      • ────そして!
        時間は戻る!ジャックの眼下にあった館…そこには隠された場所、地下コロッセオが存在した!!
        この闇コロッセオの観客席で沸くのはいずれも闇の世界の権力者、有力者、金持ちらである!
        そう、まさに邪悪な娯楽場がこの館の地下に建設されていた!
      • 「ハハハ、いかがですかな侯爵。このセレモニーは」
        肥え太った腹を揺らしながら笑うのはこの館の主にしてダーティーな金持ち財閥の当主。その手には最高級葉巻とワイングラスを遊ばせご満悦である!
        「最高ですな、おっとあれが今夜の相手ですかなフハハハハ!」
        隣には某国の軍官僚!両手にバニーガールを侍らせ今夜のショーを待ちわびていた!
        そしてコロッセオ中にナレーションが響き歓声が沸く!ショウダウンだ!
      • 「くっ…!」
        歓声の中を連れてこられたのは屈強な戦士、妙齢だ。古代ローマのコロッセオかのごとく十分な装備を付けられている!
        しかしその顔は蛮勇でも勇敢なるものでもない…苦渋にゆがんだ顔!なぜか?そう、中央の天井を見よ!
        「アァー!パパー!」「アナター!」
        なんたることか!男の妻子が吊られた檻にいるではないか!これは人質!
        彼ほどの戦士がなぜこのような闇舞台に引きずり出されなければなかったのか、そうここは悪趣味なモンスターマッチ!
        今夜の相手が壁を破壊してエントリーをかます!
      • 「GUWAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!」
        「ワアアアアアアアアア!モンスターーーーーーー!」「キャー!」「ワハハハハ!」
        醜い巨体!巨大な腕!従える獰猛な合成獣の猟犬!そうあのダーティーマネーのロンダラーは合成獣、生物兵器のバイヤー!
        今回のコロッセオのショーもこの兵器の実演とオークションを兼ねているのだ!
        獰猛な獣と怪物が吠える!戦士の顔には絶望しかない!
      • 「それでは開始します!700!」
        「800!!」「900!」「1000」「ワー!」「行きますねぇ」
        ゴングの前からこれである!ここでは巨額のダーティーマネーが水の如く垂れ流される!
        闇オークションと娯楽を両立された邪悪なセレモニー!その渦中にある戦士には剣を構える、ゴングが近い!
      • 「すまない…!私がこんな仕事についていたばかりに…!」
        男は傭兵、巨額のマネーが出ると知らされ引き受けたものの気が付けば妻子は拉致され、自身はこの有様。
        大きな渦の中に引きこまれてしまったのである!そして今宵の相手は合成獣…猟犬が5!怪物が1!
        何重もの鎖で拘束された怪物の鎖は猟犬の首。そう怪物の拘束は猟犬が担っている!
        猟犬が倒されれば怪物といくが…そんな時間がないことなどすぐしれた!
        ゴング!猟犬が襲いかかる!
      • 「アーッ!」速い!拘束の首輪をつけられていようとその力は合成獣、キメラ!バイオ生物なのだ!
        相手が5体ではどうしようもない!戦士は無残にも打ちのめされる!武器も防具も壊されてしまった!なんたるパワー!
        「1500!」「ワーッ!」オークションも沸く!
        「ハハハ、最高ですなぁ。いやしかしあの怪物の出番がないとなると残念」
        「ムフフハハ、それはあの猟犬で証明済みでしょう。あの猟犬5体以上の価値はありますよ。お得です」
        壁際に追い詰められ、ひざをつくしかない戦士。すでにその耳には歓声も、妻子の声も届かない!
        「すまない…」顔を垂れ、力なく倒れる戦士。そしてついに猟犬が最後のフィナーレ、襲いかかる!
      • しかし!その牙は届かない!
        猟犬の頭に突き刺さるスローイングダガー、5本!角めいて刺さる刃から流れる電流!
        「GWAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!」猟犬電流即死!怪物に伝線し吠える!
        「なんだ!?」「何が起きている!?」「あれを!」
        一人の金持ちが指差した先…それはあの妻子が吊られた籠!鉄の檻の上!
        その刃がきらめき、吊っていた鎖を断ち切るとコロッセオに落下!
        衝撃で外れた扉から妻子は脱出、戦士に駆け寄る!
      • その青い雷光!手に持つブレード…コロッセオおに降り立ち、拘束から解放された怪物に向かいあう!
        「誰だ貴様は!」「むむっ!あの電流と刀…まさか!」
        「ライトニング、見参」
        フードの億に隠れた少年の声が、コロッセオに鋭く刺さる!
        暴れる怪物!第2ラウンドのゴングがなった!
      • ───つづく
  • 『前回のあらすじ』
    • 『ダーティーマネー渦巻く闇コロッセオ!ライトニング見参!』
      • 「ABAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!」
        観客席に叩きつけられる怪物!怪物をつかむのは巨大な雷光の手!
        そう…謎の怪物との戦いでつかんだエフェクトの力を応用!即座に学習し自身の左手を巨大な雷光の手に変えることに成功したのだ!
        衝撃でコロッセオが崩れ金持ちたちが連鎖的に塵殺!ポイント倍点!
      • 「ラ、ライトニングが復活していたなんて…!」「あの噂は嘘だったのか!?」
        逃げ出すブローカーと官僚!しかし扉は空かない!ほかの客でスシズメ状態だ!
        「そこで待っていろ、すぐ終わる」
        ラヴェートのように底の知れぬ相手ではない…確実に、このエフェクトを試しながらトドメを刺す…!
        暴走機関車のように暴れ狂う怪物!向かうわライトニング!なんたるスピード…しかしライトニングのスピードはそれを上回る!
      • 「一刀!」
        自身のニューロ、生体的な電子パルス信号を加速させ雷光の如くかける…もやは稲妻と同じ速度!自身が稲妻なのだ!
        駆け抜けた先にはブローカーと官僚!無慈悲な目が二人を見つめる!
        その後ろでやや遅れて怪物が真っ二つ!崩れ去った!
      • 「た、頼む金ならいくらでも…!」「…」
        しかし、ライトニングは答えない。そのまま振り返り、戦士と素の妻子の下へ進み戦士に肩を貸した
        「た、たすか…」「アグァー!」その可能性、なし!男らはすでに斬られていたのだから!
        視界がななめに滑り、無残にもその顔は崩れていった
      • ─つづく!
  • 「確かに暗殺を依頼した者…また、それに連なるものは死んだ。しかし、なぜ表だって行動した。君なら誰にも気づかれずにできたはずだ」
    • まるで諮問会のようにジャックへ問うのはオー。この太陽のような明かりが降り注ぐ庭園にて。葉巻をクベらせる男は静かに聞いた。
      • 「あそこで彼を殺させてはいけないと思った。」
        それだけか?と聞くオーに、そうだよ。と答えると。静かな沈黙があった。
        「引き続き頼む。君の思うようにやってくれ。」
        じゃぁね、と振り返り帰ってゆくジャック。それを見つめるのは…オーと、もう一人。
      • 「よろしかったのですか。彼の行動で復活や意図が知られるやもしれません」
        「それこそ必要なことだ。彼にはシンボリックな活躍も期待している…何より」
        「彼を突き動かすものこそが我々の理念に相応する。必要なことだ。そこをなくしてはいけない」
        さようですか。と男が答え、消えてゆく。後に残るのは…静かな庭園

Last-modified: 2013-04-03 Wed 22:54:31 JST (4031d)