名簿/456110

  • ――prologue -- 2011-11-07 (月) 04:14:06
    • 扉の前で、少し怯む。

      話には、聞いている。この大学には、破天荒なゼミ生ばかりを集めている教室があるということを。
      何人もの天才と変人を生み出したその教室は、悪名も、奇名も、清濁飲み込んで荒れ狂い、今もなおその伝説を重ねていると。
      だから、迷っている。この扉をくぐるような資格が、自分にあるのかと。

      それでも、勇気を出して一歩を踏み出すことが、何かを変えられるかもしれない。
      変わらないといけない。
      自分の問題は、一人じゃけして解決できないことだから。
      変人や奇人と呼ばれても、いや、そう呼ばれるからこそ、自分には仲間が欲しい。
      ――共に笑い、泣く、仲間が欲しい。 -- ？ 2011-11-07 (月) 04:18:34
      • 人は一人じゃ生きていけないわけではない。
        でも、一人で生きていくことは、とても悲しいことだから。寂しいことだから。

        だから、一歩を踏み出す勇気だけを胸に、そのドアを――開けた。 -- ？ 2011-11-07 (月) 04:19:55
      • 教室の中にいた教授は、私の姿を見て、小さく微笑んだ。
        フードを被った先輩は、嬉しそうに笑い、手を叩く。
        最後に、女性の先輩が、今一人いないけれど、と念を押した上で手を差し伸べてくる。
        そして、三人は声を合わせて言った。 -- ？ 2011-11-07 (月) 04:21:44


      • 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　回答・終了 -- 2011-11-07 (月) 04:27:04
  • 　
  • ――Epilogue -- 2011-11-07 (月) 01:31:02
    • （一人、大学の校門で喧騒の中、煙草を吸う。この大学、呆れたことに建物ではなく校門を最初に造ったらしい噂を聞いた）
      （門戸を開く、そんな言葉遊びではないが、皮肉で冗句が利いている逸話だなと思う。それ以上に、自分の人生における「門」という単語の登場回数が笑えるじゃないか）
      （空は、青く、高い。大学生活最後の日を祝う盛大な声が、そこかしこで聞こえる。それぞれの道に進む者、大学に留まる者、様々ではあるが、卒業という一つの節目を迎えたことには皆違いない）
      （自分のときはどうだったか思い出して、すぐに吐き気を催した。そういえば、グレナデン姉に腕を折られて、一年留年したから卒業式で素直に喜べなかったんだった）
      ……なんだよこの人生。（苦虫を噛み潰したような顔で、口から紫煙を漏らした）       -- シークエンス 2011-11-07 (月) 01:35:00
      • （駆け寄ってくる足音を聞き、小さく苦笑しながら、煙草を灰皿で消す。もうすでにこの大学の関係者でない自分は、ここから先に入れないのでその場でそいつらを待った）
        （バカ面が四人、楽しそうな顔で手を振りながら、まあ、テレシアは嫌々、ホイムは相変わらずの無表情だが肩を組んで歩いてくる）
        （手にはそれぞれの卒業証書。まあ、格好も馬子にも衣装でそれなりにフォーマルな服着てると、それぞれの風貌もあいまって中々様になっていて悔しい）
        （大学祭から半年、謹慎が解けたあとに単位取り返すのも難しかったろうに、よくもまあ卒業にこぎつけたもんだと肩を竦めて笑った）         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 01:38:38
      • いや、マジ来てくれるとかぶっちゃけツンデレっぽいコトいいますけど、マジ嬉しいわ先生。
        （言いながら卒業証書を広げる。同時に広げたバージルと肘があたり、お互いに蹴りあう）         -- ランド 2011-11-07 (月) 01:40:55
      • 卒業式自体は見てたんですか、教授。もしかしたらと思って探してたんだけど見つからなくてさ。
        （ランドと蹴り合いながら久々に会う恩師に尋ねる）         -- バージル 2011-11-07 (月) 01:42:10
      • 入校許可書の申請がめんどくてな。それに、テレシアとしたのは式が終わったら会う約束だったから、式自体には参加してない。
        正直、僕に見せたい何かがあったわけじゃないんだろう、お前らは。式みたいなの、キライなんだよ、堅苦しいし。         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 01:43:50
      • ええ、目開けて寝てましたからね、ボクなんか。普段からボーっとしているので、誰も気づかないのが滑稽でした。
        偶然隣がテレシアだったので、起立と着席のタイミングだけは教えてもらえましたし（大あくび）         -- ホイム 2011-11-07 (月) 01:44:54
      • なんで卒業式まで私が三バカの介護しなきゃなんないのよ。ホント今日で縁切れると思うと清々するわ……。
        教授、良かったです、ちゃんと伝書、届いていたみたいで、どうですか、この袴、綺麗ですか？　綺麗ですよね？　やだ、綺麗だなんて。（やんやん）         -- テレシア 2011-11-07 (月) 01:46:26
      • お前の性別を考えない、もしくは袴単体の感想を聞かれてるなら最高に綺麗だわ……。 -- シークエンス 2011-11-07 (月) 01:47:12
      • こいつ、教授がいなくなって安定したツッコミ入れられる人がいなくなったら自分で完結する技編み出しやがったんですよ。うぜえ……四割り増しうぜえ。 -- ランド 2011-11-07 (月) 01:48:26
      • レネスさんたちのこと聞いてます？　もうすぐ来られると思うんですけど。
        ホント、マジすげー色々変わったんですよ、第八。ネタバレになりそうなんで本人来るまで黙りますけど。         -- バージル 2011-11-07 (月) 01:49:50
      • まあ、大体はな。（肩を竦める）一週間に10通送ってくる恐怖の伝書マシーンが教え子にいるせいでな……（思い出して眩暈を起こす）
        っていうか、僕はランドがこの半年で何人の女に振られたかとかまで知ってる、正直、もう勘弁して欲しい。         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 01:51:14
      • テメエ -- ランド 2011-11-07 (月) 01:51:38
      • あっ、それさっき卒業したらもう先生と生徒じゃないですよね、って告白してフラれてたので、カウント＋１しておいてください。 -- テレシア 2011-11-07 (月) 01:52:27
      • ていうか、日数より多いってもうすでにスパムか何かですよねそれ。
        ……ああ、噂をすれば、先輩方。（特に大声を上げるではなく、手を振って注意を引く）         -- ホイム 2011-11-07 (月) 01:53:36
      • ……教室で迎えたかったんですが、入校許可証の申請、そんなに面倒だったんですか？
        （呆れたように笑い、歩いてくる）         -- レネス 2011-11-07 (月) 01:54:23
      • なぜ、そんな独善的な理由を完璧に読めるのかが理解できない。 -- ホイム 2011-11-07 (月) 01:55:06
      • お前らより付き合いが長いからだな、イエーイ教授、元気ー。
        っていうか無職元気ー。（教授とハイタッチ）         -- シロマル 2011-11-07 (月) 01:58:59
      • （ハイタッチしたあとシロマルをぶん殴る）お前のせいだろうが。お前のせいだろうが。
        変わった変わったとは言うが、パッと見何が変わったか僕には分からないな。僕が去ったときの第八と、同じに見える。         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 02:00:18
      • む……それなりに変わったつもりではあるんだがな……
        俺など……体重が0.5kg増えた。(頷く）         -- ギア 2011-11-07 (月) 02:01:27
      • 女子高生かい？（ツッコム）　というか、ギアくんがボケたよ。思わず突っ込んでしまったじゃないか。
        いや、元気そうで何より、まあ、顔色とかは分からないので適当に言ってるんだけどね。教授（？）         -- エクア 2011-11-07 (月) 02:02:53
      • お前ら最高にブラックなジョークだなおい……思わず驚いて目が飛び出そうだよ。あとエクア不確定名で呼ぶな二重の意味で胃が痛い。
        ……レネス、教授昇格おめでとう。悪いが、先にどこかのお節介のせいで知ってしまった。
        これで教授格のいない空白の第八教室返上、ってところか……しばらくは安泰だな。         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 02:05:26
      • まあ、そんでも実質ギアが根無し草だから教室の人数はほぼ半分以下になるんで、また色々揶揄されるだろうけどね。
        今年はゼミ生勧誘しないとな、レネス。めんどい……。         -- シロマル 2011-11-07 (月) 02:08:14
      • 私は勧誘しませんよ？　するのはゼミ生、とりわけ室長のお仕事ですから。
        ねえ、シロマル・ルーデンス新室長。（怖い笑み）         -- レネス 2011-11-07 (月) 02:09:16
      • あー……くすぐったいなそれ。お前もこんな感じだったの、シークエンス教授から引き継いだとき。
        まあ、ギアも長期大学離れるんだろうし、勧誘はどうせ俺の仕事かよ、辛え。……エッちゃんさ、バニーとか着て勧誘してみない？         -- シロマル 2011-11-07 (月) 02:11:03
      • ふむ？　今年で26になるのだけれど、そのバニーでもいいのかい？
        しかも言っておくけれど、ボクのスリーサイズは上から72・62・75というかなり貧相な寸胴体型なのだけれど、それでちゃんと劣情を催してもらえるんだろうか？
        それよりはシロくん、キミのバニー姿のほうが集客力あるのではないかな。         -- エクア 2011-11-07 (月) 02:13:19
      • 万が一シークエンス教授の言いつけ守って、今も続けてる冒険で引退でもするようなことがあったらいくらでも着てやるよ。 -- シロマル 2011-11-07 (月) 02:14:47
      • ボクはいま、その言葉を深く心に刻み込んだ。 -- エクア 2011-11-07 (月) 02:15:20
      • しかし……これだけ粒ぞろいのゼミ生がいて、一人も院上がりがいないというのは、
        やはり分かっていたことながら……少し、寂しくはなるだろうな……うむ……。         -- ギア 2011-11-07 (月) 02:16:27
      • （ギアの言葉に片方の眉を上げ）……なんだ、ランド、結局院行かないのか。
        他の三人はともかく、僕は……お前は残るもんだと思ってたんだが。         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 02:18:05
      • それがコイツ聞いてくださいよ教授、マジ気持ち悪いんですけど。
        本気で生理的に受け付けない冗談言い始めて、クソうぜえことこの上ないんスけど。         -- バージル 2011-11-07 (月) 02:19:34
      • 何を言ってるんだい、バージルくん。僕らはそう、親友じゃないか。
        ふふ、照れなくてもいいんだよ、君の旅の安全は、この紳士たる俺が保障してやろうじゃないか。ははは。         -- ランド 2011-11-07 (月) 02:20:27
      • ……まあ、そういう方向らしいです。 -- ホイム 2011-11-07 (月) 02:21:02
      • ごめんけど、本気で理解できないから一から説明してくれ -- シークエンス 2011-11-07 (月) 02:21:34
      • うぜえ離れろ気色わりぃ！！（肩を組んでくるランドを思い切り引き剥がし、尻に容赦ない蹴りを入れる）
        着いてくるとか言い出して、オレの、その……バージェスへの旅に。
        まあ、別に、いいんですけど、正直大学卒業してから一人で色々やろうと思ってたことが台無しになりそうで、ぶっちゃけ疲れました。ランドうぜえし。         -- バージル 2011-11-07 (月) 02:23:31
      • （蹴り飛ばされた先で起き上がり、胡坐をかいて地面に座りなおす）まあ、そういうわけだわ。
        ……俺もバージルも、起源があそこにあるなら、もう一度過去と向き合うべきなのかと思った。ただ、そんだけ。
        それにまあ、当時敵対関係にあった国の生き残りがなんか仲良く旅とか最高に戦争をバカにしてて楽しいんじゃねえかって。
        あ、あと俺らまだ冒険してるしな。行けるとこまでやってみようかとも思ってたりして。教授あれ！？教授上級者でしたっけ！？　かーっ！魔術師とってごめんなさいかーっ！         -- ランド 2011-11-07 (月) 02:26:23
      • つーわけです。……正直オレの方は、自分の罪を何らかの形で償えたら、そう思ってるだけなんですけど、
        まあ、ランド見てるとそう深刻になる必要ねーかなとか、ちょっと気楽になるのは気楽ですけど。（苦笑した）         -- バージル 2011-11-07 (月) 02:28:01
      • （悪友、か、と小さく笑う。自分が失ってしまったものを、誰かが手に入れる瞬間は、少しの羨ましさと、自分のやってきたことが間違いではなかった確信で、面映い）
        いいコンビだよ、お前らは。僕とレオの小さい頃を思い出す。あと次炎魔術上級者って言ったらランドは殺す。         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 02:30:30
      • シロマル先輩を相手にしたとき並の怒り方だこれ！！ -- ランド 2011-11-07 (月) 02:31:13
      • ホイム。お前は……。
        まあ、お前が決めたことに僕はもう口出しは出来ない、二重の意味でな。         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 02:33:36
      • 口出しをしたいと暗にほのめかすのは卑怯ではないですかね、シークエンス教授。
        まあこればかりはボクの選択ですからね、本人の意思を尊重してあげてください。         -- ホイム 2011-11-07 (月) 02:34:28
      • それは普通他人に言ってもらうことです、ホイムさん。 -- レネス 2011-11-07 (月) 02:34:54
      • ボクがこの四年間で学んだことは、この教室の人は基本的に気が利かないという真理ですので、自分で言ってみました。
        ……それほど悲観することでもないでしょう。以前、我武者羅に、いや、やけくそになってここを飛び出そうとしたボクでは、もうないんですから。
        第八教室の卒業生ですよ……？　英雄候補生制度如き、内側から砕いてもっとよりよい制度に変えてみますよ。
        それに、無駄に命を散らそうと思っているわけじゃない。今のうちにサイン受け付けて起きますけど、いかがでしょう、将来英雄になるかもしれない者のサインなど。         -- ホイム 2011-11-07 (月) 02:38:16
      • ……一個だけ約束しろ、ホイム。
        一個でいい。……死なずに、もう一度会え。僕と出会うたびに、それを約束しろ。（右手を差し出す）         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 02:39:27
      • （肩を竦める）約束としては、最高にバカらしく、気持ちの問題では、と問い返したくなるほど無意味な約束ですが。
        たまには……そういうセンチメンタリズムにすがってみるのも、いいかと思いますよ、教授（手を握り返した）         -- ホイム 2011-11-07 (月) 02:40:45
      • 私たちからもお願いしたいところですが、まあ、約束はする必要ないかもしれませんね。
        何せ、四年間私たちと切磋琢磨してきた、第八教室の立派な卒業生なわけですから。（視線だけで笑う）         -- レネス 2011-11-07 (月) 02:42:01
      • まあ、戦場にはレネス先輩いませんしね。レネス先輩さえいなければボクは無敵ですから。畜生！ -- ホイム 2011-11-07 (月) 02:42:40
      • おおすげえ。悔しそうなホイム初めて見た。畜生とか言いやがった。 -- ランド 2011-11-07 (月) 02:43:13
      • まあ、結局シロマル先輩とすらいい勝負してたにもかかわらず、ホイム、レネス先輩相手には一度も勝ってないわけだしな……。
        相性の問題っていうか完全に苦手意識ついてんだろーさ。         -- バージル 2011-11-07 (月) 02:44:14
      • 実際ホイムに関して僕が心配できるようなこと、何一つないしな。お前はただ生きてればきっと楽しくやってるんだろうなとそう思うことにしてるし。
        あれだ、早めにお前は彼女作れ。ぶっちゃけ僕に似てどこかひねくれてるところあるから、40越えて独身だったらもう一生独身だ多分。         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 02:48:18
      • こんなに最悪な贈る言葉初めて聞きましたよ -- ホイム 2011-11-07 (月) 02:48:53
      • （肩を竦め）はいはい、まあその辺で。
        ぶっちゃけ、さっきからすっげー静かな人がいて不自然に感じてる人がいるかもしれないですけど、それが最後の一人です。
        なんで黙ってんだよ、テレシア。         -- ランド 2011-11-07 (月) 02:50:27
      • ひぎ。
        う、うるさいわね。タイミング見計らってたのに、余計なこと言わないでよ、変態。         -- テレシア 2011-11-07 (月) 02:51:13
      • まあ、オレには正直理解できんけど、頑張れ、とだけ。
        一応もなにも、お前もオレらの教室の仲間だしな。         -- バージル 2011-11-07 (月) 02:52:12
      • （余計なことを、とバージルを睨む）
        （少し俯きがちに、シークエンス教授の元に歩いていく）         -- テレシア 2011-11-07 (月) 02:53:15
      • お疲れ、テレシア。まあ、お前も、祖国帰るのは手紙で聞いてたし、テオドールからも聞いてたからな。
        あいつの喜びよう、ちょっと僕には面白かった。あいつ通信で「ヒャッホウ！」っていいやがったんだぞ、あの天才が。「ヒャッホウ！」って。         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 02:54:36

      • ……好、き、です。

        （何度も、何度も練習したはずなのに、声は掠れた）
        （耳まで、赤くなる。心臓の鼓動は痛いほどで）
        （今までの好きとは違う好きが……こんなに重く、苦しいものだなんて、知らなかったから。俯き、囁くように告げた）         -- テレシア 2011-11-07 (月) 03:01:56

      • （音が消えうせる。ああ、これは……これは、違う。今までの好きとは違う、自分でもそれだけは理解できた）         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 03:02:54

      • （息が、続かない。ちゃんと、ちゃんと説明しないといけないのに）
        （ちゃんと、気持ちを伝えないといけないのに。真っ直ぐ、相手を見ないといけないのに）
        （破裂しそうな心臓を、ぎゅっと押さえて、勇気を、最後の一滴まで、振り絞る）

        好き、なん、です……シークエンス、教授。

        （涙が、こぼれそうになる。どうして、自分はこんな歪な愛を持ってしまったんだろう。どうして、愛するだけで辛い気持ちを胸に抱いてしまったんだろう）
        （なんで、男として生まれて来てしまったんだろう。胸を張って、相手を好きと言えない世界に、生まれてきてしまったんだろう）

        ご、めん、なさい……好き、なんです、どう、しても……。         -- テレシア 2011-11-07 (月) 03:06:00
      • （誰も茶化さず、急かさない。深とした沈黙が、何より胸に痛かった）
        （涙がこぼれるか、と見ていたテレシアの瞳が、こちらを見る。息が出来ない）         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 03:07:43
      • あこ、がれでした。……そして、私の、私を、認めてくれたから、こんな私を迎えてくれたから、その気持ちを、勘違いしていた、だけ、なのかも、って、思ってました。
        でも、違った……胸が、苦しくて、ずっと、好き、だったんです。本当に、シ、シークエンス教授が好きで。私は。

        （ダメだ、違う、こんな言葉を伝えたいんじゃない）
        （説明をしないと、論理立てて、シロ先輩のときの教授のように、毅然と）

        私と、来て、もらえませんか。
        イヴラスカヤの、家に。
        ――私の、傍に、いてください。
        付き合って、ほしいとか、結婚したいとか、そんなんじゃ、なくて。
        ずっと、傍にいたいんです……。

        きょ、教授はお隣の国に、好きな人が、いるんでしょう……。
        それでも、構いません……その人と上手くいったら、それでも、いいんです。
        私は、教授の、奥さんになりたいんじゃなくて……好き、なだけだから。

        傍に、いて欲しい、だけだから……だから……。         -- テレシア 2011-11-07 (月) 03:12:42
      • （因果な人生だ、そう改めて思う）
        ……テレシア。
        その問いに答える前に、一つだけ……お前の勇気に答える形で、一つだけ、僕の話を聞いて欲しい。
        （テレシアの頭を撫で、その目を見る）         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 03:14:19
      • ……昔な。
        僕は、同じことを言われたことがあるんだ。
        自慢じゃないぞ。いや、自慢かもしれないけど。……好きだって、言われたことがあるんだ。
        ――お前と同じ、男に。         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 03:15:37
      • （断られる、その怖さで、心が軋む）
        （それでも、見つめ返したシークエンス教授の目が、自分と同じくらい泣きそうだったから）
        （その言葉を一語一語、心に刻むように聞く）         -- テレシア 2011-11-07 (月) 03:16:53
      • ……正直、怖かったんだ。
        そいつの告白の、全てが。
        僕はそのとき、いや……今でも……誰かに自分を好きになってもらえるような資格、ないって思ってるから。
        だからその好意が、怖かった。
        なんでそんな風に、人に好きって言えるのか、僕には分からなかったから。         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 03:18:47
      • （それは。言い表せない、感情）
        （ずっと言語化してこなかった、20年近く心の中に秘めていた、自分の最大の楔）
        ……流されて、しまうって思った。
        そんな強い気持ちを押し付けられたことがなかったから。
        僕はその時……そいつのこと、好きだって、思ってしまったから。
        自分に好意を向けてくれたことだけで、そいつのことを好きだって、思ってしまいそうになった。
        最悪の好意だよ。相手が好きだから自分も好きになる、なんていうのは……ただの取引だ。

        そのときは、僕はそう思ったんだ。
        それに……お前が感じている通り、その感情は生物的に自然なものじゃない。
        まだ僕も若かったし、それを許容する心は持ってなかった。
        だから僕は怖くなって……そいつをフッた。
        大好きな……友人だったからな。
        （アキ。アキ・フォーセット・サン＝ローラン）
        （僕の――親友）         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 03:23:51

      • でも、今でも考えるんだ。
        本当に、僕は、あいつに好きって言ってもらったから、あいつのことを一瞬でも好きになったのかって。
        本当に――その気持ちは、後付のものだったのかって。

        （俯く）
        （心が、痛い）
        （激痛で、苦しい）
        （一生、この傷だけは……誰にも見せないつもりだったから）
        （苦しい。生きるのって、苦しいよ……アキ）

        僕はもしかしたら――あいつのこと愛せたかもしれないって。
        ずっと……後悔してるんだ。
        ……今も。
        多分……これからも、ずっと。         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 03:27:10

      • 全部、疑念でしかない。
        もう何かを選択するには、絶望的に遅くて……。確かめる術なんて、一つもない。
        だから、これは……もう、何もかも終わった話で……確かめようもない。
        そのとき、なんで僕がそれを選んだか、自分に問うても答えなんか、返ってこない。
        ……だから、どうしようもないから……どうしようもないんだ。

        ごめん、テレシア。
        男の「一番好き」も。お前には、やれないんだ。
        （真っ直ぐ、唇を噛んだ、苦しい表情だっただろうけど……それでも、相手に伝える）
        （今度は、傷にしない。ちゃんと向き合い、ちゃんと断る）
        （もう二度と、この気持ちだけは――誰にも殺させない）
        （自分の手で、殺してやらないといけない、そんな気持ちだから）         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 03:31:35
      • （好きという感情でもなく。ただ、その顔が……本当に苦しそうで）
        （思わず、その頭を胸にかき抱いていた）
        （その表情は、教授としてでも、男としてでもなく……ただ一人の少年の顔で）
        （自分のために、傷つくことをいとわないこと優しい人を好きになれて――本当に良かったと思えたから）
        フラれ、ちゃいましたね。（その恋は、終わりを告げた）         -- テレシア 2011-11-07 (月) 03:34:36
      • 誰にも言うなよ……？　とっておきの滑らない話なんだから、な。
        （涙を流すには、歳を重ねすぎた）
        （だから、冗談にして、小さく笑う。悲しい生き方だが、そうやって生きていくしかないんだ）
        （たくさんの物を失ってきたけれど、でも……そういう人生も悪くないと、そう思えてきたから）

        ……テオドールによろしく、テレシア。         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 03:36:56
      • 失恋おめでとう、テレシアくん。
        我々フラレーズはキミを歓迎しよう（うむ、と声を発してテレシアと肩を組む）         -- ランド 2011-11-07 (月) 03:38:26
      • フザケろ、お前だけじゃねーか、なんでオレらまでそれに加入させられてんだよ。
        （ランドの反対側からテレシアと肩を組み、頭をがしがしと撫でた）         -- バージル 2011-11-07 (月) 03:39:27
      • ぎにゃー！セットして結わえた髪が！！
        ほんと……バカどもが。死ねばいいのに……（泣きながら、二人の足を蹴り、無理やりにでも笑った）         -- テレシア 2011-11-07 (月) 03:40:23
      • 第一回会合は、大学の外でパーっとやりますか、フラレーズ。卒業祝いも兼ねて。
        まあ、フラれる気も40まで独身でいる気も更々ないですけど。更々ないですけど。         -- ホイム 2011-11-07 (月) 03:41:47
      • 安心しろよ。僕だって40まで独身でいる気はない。
        これから、出会うだろ、こう、茶色の髪でポニーテールが似合って明るい快活な僕のこと大好きな女性とかが何かと甲斐甲斐しく世話してくれるんだよ。
        メール交換とかしちゃってな。……端末買いなおしておくかな。         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 03:43:39
      • 35の男がしていい妄想じゃないですね。異世界に飛ばされて女の子とラブコメと同じくらいありえないですよそれ。
        ……って、教授、今、宿を借りているって聞いていましたけど実家に帰られるんですか？         -- ホイム 2011-11-07 (月) 03:44:50
      • 人生何が起こるかわからない希望だけを胸に生きていこうと思う。お前、今度会うとき茶色の髪のその綺麗な女性が隣にいても腰抜かすなよ。
        ……少しな、姉に頼まれごとをされていて、姪の家に世話になろうと思ってる。年頃なんで気が引けるんだが……姉怖いし。
        それに、色々と気になる噂もあるからな……丁度いいんだよ、あの戦争が起こるのは（こちらは口内で言葉を濁らせる）         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 03:47:21
      • 仮にその女性が存在してもなんらかの罠が待ってると思うのは、教授の人生にオチをつけたい俺の妄想だろうか。
        実はそれも男とか。         -- ランド 2011-11-07 (月) 03:48:22
      • そ、それは精神的にきついです教授！！ -- テレシア 2011-11-07 (月) 03:48:51
      • 今にも死にそうな老婆とかな。 -- バージル 2011-11-07 (月) 03:49:20
      • 逆に幼女とかでも面白いと思いますね。ホモでロリコンって二重苦で、人生デッドエンドですから。 -- ホイム 2011-11-07 (月) 03:50:16
      • ホモでもロリコンでもないわ！！　幼女とメールとか業が深すぎてその場で豚箱に入って社会を守る必要があるレベルだろ！！
        よし、分かった、死にたいならお前らマジ一列に並べ、ブッ殺してやるわ。
        （手に炎を生み出す）         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 03:52:26
      • （蜘蛛の子を散らすように逃げる） -- 四人 2011-11-07 (月) 03:53:52


      • （その背は追わず）
        （その場で立ち止まった）

        ランド。         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 03:55:12
      • ――はい

        （最悪だ。声が、震えやがった。ふざけんなよ、ラウドバンド・射ノ原だぞ？　軽薄で、バカで、適当で、それが売りのナイスガイが俺だろ？）

        （それでも……その四年間が、俺は……本当に楽しかったから）         -- ランド 2011-11-07 (月) 03:57:16

      • バージル。         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 03:57:50
      • オ、ス……

        （涙が、堪えきれない。拭っても、拭っても溢れてくる。もう多分、会おうと思わなければ二度と会えない。それが辛い。昨日のことすら確かに覚えていないはずなのに）

        （それでも……その四年間が、オレは……本当に楽しかったから）         -- バージル 2011-11-07 (月) 03:59:19

      • ホイム。         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 03:59:53
      • ……ん

        （唇を噛む。四年間の思い出が、蘇ってくる。馬鹿馬鹿しくも楽しかった。辛いことも、苦しいこともあったはずなのに。一度は去ろうと思った、そんな大学なのに）

        （それでも……その四年間が、ボクは……本当に楽しかったから）         -- ホイム 2011-11-07 (月) 04:01:37

      • テレシア。         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 04:02:33
      • はいっ……！

        （全てが思い通りにいったわけじゃない。何かを得た分何かをなくして、今また私は一歩目を踏み出していく。今度は……紛れもない一人だけど）

        （それでも……その四年間が、私は……本当に楽しかったから）         -- テレシア 2011-11-07 (月) 04:04:10


      • （笑う。笑うべきだよな。僕くらいは）

        ――卒業おめでとう。         -- シークエンス 2011-11-07 (月) 04:05:16


      • （――涙をボロボロ零しながら、全力で高らかに叫ぶ）
        （――拭っても拭っても溢れてくる涙を堪えながら叫ぶ）
        （――流れてくる涙をそのままに、今まで上げたことのない大声で叫ぶ）
        （――初恋よ、さようならと、涙まみれの笑顔で叫ぶ）

        四年間！！ありがとうございましたっ！！
        四年間！！ありがとーございましたっ！！
        四年間！！ありがとうございましたっ……！！
        四年間！！ありがとうございましたぁっ！！ -- 2011-11-07 (月) 04:11:16
  • 　 -- 2011-11-07 (月) 01:25:28
  • 　 -- 2011-11-07 (月) 01:25:24
  • 　 -- 2011-11-07 (月) 01:25:19
  • シロマル・ルーデンスの問題・７ -- 2011-11-06 (日) 04:13:04
    • （評議会室。国側の大学運営と直接通信が繋がっているそこに、四日ぶりにセータ・シークエンスは召集された）
      （ランド他三人の生徒の評議会室襲撃、及びセータ・シークエンスによるEAT組織への排斥活動より一日が経過している――これはセータ・シークエンスの療養のため、大学祭の中止をしないためという二つの理由で一日先延ばしになった）
      （だが、今回は立場が違う。目の前の紺色の髪を持った童顔の男は、弁護人ではなく被告人となっている。腕に三重の魔道手錠が巻かれ、血が足りないのか少し青い顔で被告人席に立っている）
      （滔々と陳述を述べるのにも、飽きてきた、ターンをまわすことにする）――陳述は、以上。
      何か、抗弁はあるか、セータ・シークエンス。 -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 04:18:49
      • 一つ。
        （澄んだ声で、言う。自分でも驚く。まあ、それくらいの演技ができるくらいには、自分も歳を重ねたのだろう）
        ……一つだけ（書類を、被告人席の前に備え付けられている机に、投げる。全207Pの大学憲章より厚いそれが、ばふんと音を立てた）
        手短に言います。シロマル・ルーデンスの退学処分についてです。         -- シークエンス 2011-11-06 (日) 04:23:43
      • 却下だ。
        （嘆息する）……本件に関係ない抗弁は認められていない。それを理解しての発言であれば、評議会への反抗と看做すが。
        加えて、その件についてはすでに評議は終了している、納得してもらえたものと理解していたんだが。 -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 04:29:28
      • 関係はある。これが自身の抗弁にもなる、いや、なりえる可能性がある。
        そういえば、貴方たち評議会は、僕の言い分を聞かねばならない義務が発生する。
        抗弁の自由も、大学憲章の114Pで保障されているからな。         -- シークエンス 2011-11-06 (日) 04:31:14
      • ……調べてくるだけの、冷静さは取り戻したか。だが、その抗弁が自身の罪状と無関係なものである場合、罰則を科すことも可能だという同項二条についても当然理解が及んでいるんだろうな。
        そこまでの覚悟があるなら、自由に話してみろ。……自由が許可する範囲でな。 -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 04:33:53
      • この207P分の資料。（手錠のついた両手で持ち上げる。恐らく、画面を通じてこちらを見ている、国側の上層部に対してよく見えるように）
        これには、シロマル＝ルーデンスが、六年間研究を重ねてきた、彼自身の才覚『シロマルエフェクト』についての論理が記されている。
        写本ではなく、原本。そして唯一の論文原稿だ。……これを読み、僕は確信している。
        シロマルエフェクトの汎用化、志向化は、可能であると。         -- シークエンス 2011-11-06 (日) 04:37:57
      • それが……それが、お前の罪状への抗弁の何に繋がっているか、全く理解できないな。
        ……お前は、何が言いたい。その唯一の武器を、どう使い、何を手に入れようとしているんだ。 -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 04:39:01
      • シロマル＝ルーデンスは、この大学に必要な『人間』だ。違う、もっと分かりやすく言おう。あいつは、この国に必要な人材になる。必ず。
        これは僕が、あいつの担当教諭だったから言っているわけではないです。この論文を読み、あいつの論理がこの国を救う日が必ず来ると、そう確信しての発言です。
        この国の魔法技術の遅れを、このたった一つのあいつの才覚から生み出された「魔術拡充技術」によって――一気にその水準を上げることができる。
        だから……その退学を、僕が認めるわけにはいかないんです。         -- シークエンス 2011-11-06 (日) 04:42:01
      • （苛立ちを乗せた言葉で、返す）……だからな。それはお前が決めることじゃねえ、っつってんだろ。
        必要か、必要でないかは、オレや評議会の連中、そしてもっと上の人間が決めることだ。
        テメエが判断して、それに納得して、はいで済ますわけには、いかねえだろうがよ。何なんだそれは、本気で――ガッカリさせるな、セータ。 -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 04:44:57
      • 認められないなら、論理ごと破壊します。
        永遠に、シロマルエフェクトが、誰の手にも入らないよう。念入りに。（ゼンアードに、真っ直ぐ目を向ける）
        （指先に、炎が灯る）         -- シークエンス 2011-11-06 (日) 04:46:22
      • ……それは、脅迫か、シークエンス元教授。（敵を見る目で、セータを見る）
        ……テメエ、自分が何をしようとしているのか、理解しているのか。
        それは、脅迫にすらなってねえよ……最初から、大学でシロマルが研究をしていたのなら、それは大学の資産だ、シロマルの物でも、ましてやテメエのものでもねえはずだ。 -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 04:48:12
      • （笑う。それは、敵意のある笑みでも、何かをあざ笑う笑みでもなく……軽薄な、ただ面白かったから笑う、軽い笑い）
        まさか。これは、取引だよ。ゼンアード。
        ……この理論は、まだ完成を見ていない。単純な論理化に三年、完成に五年、汎用化には、最短でも六年は掛かるとみている。
        現行の論理だけでは完成しないが、新しく論理を組直せば、シロマルの脳なら僕の演算より早く実用化することができるだろうな。
        現状だから、この207Pの論文なんて、ただのゴミでしかない。ここで燃やしてしまっても、何一つ困らない代物だ、だから僕はこれを以って脅迫しようだなんて、そんな大それたことは思っていない。         -- シークエンス 2011-11-06 (日) 04:52:24
      • ハッ、尚更だな、国がその空論を取引する理由と義理が見あたらねえ。
        今すぐにでもテメエをしょっ引くことができるのに、なぜテメエとその取引をしなきゃなんねえんだ。
        大体、そんな確信のないフワフワした利益をちらつかせて、この国の何を変えたいんだよ、またご高説賜れるのか？ -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 04:54:12
      • 冗談。（肩を竦める）
        お前に言われて気づいただけだ、ゼンアード。僕は最初から国自体のシステムが云々とか、そういうことを引き合いに出すべきではなかったんだってな。
        違うんだ。本当に天秤にかけないといけないのは、この国のシステムなんかじゃなく――シロマル・ルーデンス、そのものだっていうのにな。

        僕がこの理論と取引したいのは、「シロマルを見逃してやってくれないか」ってことですよ。国のお偉いさん。
        一人くらい、いいじゃないか。見てみぬ振りしても。国が、遺伝子検査が間違いでしたって言ってしまえば、それで済むんだ。
        そうすれば、あるいは何倍の国益を生み出す怪物を手中に入れられる。悪い取引じゃないだろう。         -- シークエンス 2011-11-06 (日) 04:57:18
      • （口を開いたまま、固まる）……あ？
        いや、ちょっと、待てお前……？ -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 04:58:23
      • ……お前に言われて目が覚めたよ。僕はな、種族差別なんてどうでもいいんだよ。
        そんなものを引き合いに出すべきじゃなかったんだ。そんな問題、僕にとってはどうでもいいんだから。
        火の粉が降りかかったから、対岸の火事に水を掛けにいく、それは無責任以外のなんでもない、そう言ったな、ゼンアード。まさしくその通りだよ。僕は火の粉が降りかかることだけを嫌がれば、それでよかったんだ。
        地球の裏側で何人種族差別で虐殺が起ころうが知ったことじゃない。自分の生徒一人助けられないほうが、僕にとってはよっぽど大事件だった。
        問題点がずれていたんだな。難しく考えすぎた。僕はシロマルさえ退学にならなければ、EATも、何もかも、どうでも良かったんだ。
        例外を作れとも、規則を変えろとも言わない。ただ、シロマルについては見逃して欲しい。それが、僕の取引の目的だ。         -- シークエンス 2011-11-06 (日) 05:02:40
      • （二の句が次げずに、口を開閉させている） -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 05:03:57
      • ……僕は、この大学に大した功績を残せた魔術師じゃない。だから、退学自体に対して、何一つ対価を支払うことは出来ない。
        今まで籍を置かせてもらっていたことに、感謝してしかるべきだ。だから……何一つ抗弁する気はない。
        ただ、よく、考えて欲しい。……シロマル・ルーデンスが齎す国益は、一つの目に見えない例外を生み出すに値するものなんです。
        無茶なことを願っていることも、重々承知している。だが、その上で……魔法的に鎖国状態にあったこの国を開き、ここまでの組織と施設を作り上げた智恵の持ち主なら、理解してもらえると信じて発言する。
        ……お願いします。……あの正しき才能を、見逃してやってください。         -- シークエンス 2011-11-06 (日) 05:10:29
      • ……駄目だ。お話になんねえよ。
        そんな論理、論理ですらねえ、ただの、我侭だ。
        その我侭を、オレや、この国が聞く理由がない。
        例外は例外を生み、悪用を育てる。この情報を元に、お前が国を、オレたちを脅かす可能性があるだけで、それこそがこの国にとっての脅威になりえんだよ。
        だから、駄目だ。国が、そんなもの認めるわけがねえんだよ。
        理解しろ、セータ。お前は―― -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 05:13:07
      • セータ・シークエンス。
        （合成音声が響く） -- 2011-11-06 (日) 05:14:24
      • （驚き、振り返る。音声の出所を探る） -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 05:14:50
      • はい。（真っ直ぐ、言葉を返す）
        （姿勢を正し、一人の男として。一人の教師として）         -- シークエンス 2011-11-06 (日) 05:15:45
      • 協議の結果、追って連絡をする。一日の猶予を与える。
        ゼンアード・ギュスネイブル評議長。一旦閉会とする。定時より、報告を
        （ぶつんと、通信は途切れる） -- 2011-11-06 (日) 05:17:09
      • ………（長い、長い沈黙）
        （すでに通信は切れている、それを知っていて、返事を返す）……了解いたしました。
        （嘆息は、大きく、深く） -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 05:18:14
      • （終わった。懐刀は、相手の胸まで届いたか否かは、まだ分からない）
        （ただ、自分の出来ることは全て終わり、この大学での最期の仕事は、終わりを告げた）
        （評議会室の電気は、無常にも中に二人の人間を残した状態で、もう既に用はないとばかりに落ちる）

        （暗闇の中、小さなゼンアードの嘆息が聞こえてきて、小さく笑う）……だってよ。         -- シークエンス 2011-11-06 (日) 05:20:09
      • ……納得いかねえな、おい。（口調は、砕ける。口元も、既に笑みを零していた）
        ……仕事増やすんじゃねえよ、テメエはよ（嬉しそうに笑った） -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 05:21:12
      • （ゼンアードが煙草を取り出したのを見て、自分も煙草を取り出す。ヴァージニア・S・ライト・メンソール）
        ……ちょっとばかり、疲れた。
        僕ですら、な。
        だったら、もっと疲れたろ、ゼンアード。（かつての恩師に、笑いかける）         -- シークエンス 2011-11-06 (日) 05:24:30
      • （相変わらず軽いの吸ってやがるな、と一本セータに煙草を投げると、かつての担当生徒は付き合うようにそちらに火をつけた）
        悪かねえよ？　それなりに、この配役をオレも楽しんだからな。 -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 05:26:06
      • （重いニコチンが、肺に心地いい）……理論に理論をぶつけると、そこには議論が生まれる。議論が生まれれば、第三者はそれを外から見ることが出来る。
        白熱した議論の中にいれば、どうしても自分の理論に酔い、興奮し、冷静に客観視できなくなる。         -- シークエンス 2011-11-06 (日) 05:28:16
      • 最初の、お前みてーにな。未だにあんな熱いモン、胸の中に秘めてやがったのかと内心で爆笑してたわ。
        同時に、お前成長してねーなーとか呆れて見てたんだぜ、オレ。 -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 05:29:14
      • 比熱が低いのは昔からの生き方のせいだよ。こればっかりは、歳を重ねてもどうにもならなかったからな（それでも羞恥に顔を染めた）
        ……冷静な客観視は、損得や利害の計算を正確にさせる。勝算はあったわけじゃなく、作り上げたっていうのが正しいのか。
        悪いな……きっとランドや、シロは、あんたを恨んでる。悪役を買って出たあんたを、恨んでるだろう。
        一時でもその感情に晒させたことを……今謝っておく。……悪い、ゼンアード。僕の、力不足だった。         -- シークエンス 2011-11-06 (日) 05:32:18
      • いいんだよ。お前がそうとしか生きられねーように、オレだってこうとしか生きられねえんだ。
        十年待ってみろ。……自分が成したい何かのために、誰かにとっての悪役を演じることも、それなりに苦い楽しみ方ができるようになる。
        ……何の打ち合わせもなく、お前がオレを悪役にできるか、それだけが心配だったんだがな（苦笑して煙草で相手を指す） -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 05:34:11
      • それこそバカ言えよ。あそこまでヒント与えておいて、分からなかったら……それこそ僕は人として以前に、お前の生徒として終わってる。
        あんなに露骨なヒント、気づいたときに一気に国に対する怒りも議論への情熱も冷めて消し飛んだよ。         -- シークエンス 2011-11-06 (日) 05:36:00
      • ふと、気づくと、壁の中に閉じ込められていた。
        見渡す限り一面壁で、出入り口は一切ない。周囲には自分と同じように気絶した人間が何人もいる。
        壁を押してみる。叩いて、引いて、どうにか壊して外に出ようとする。
        でもダメだ、一人じゃどうにもならない。
        だからお前は寝ている人間を起こし、二人で、三人で壁を壊そうとする。
        でも、それでも壁は壊れない。壁だから。

        ――あの話、僕が現役だったときにした話は、それより先があったはずなんだ。         -- シークエンス 2011-11-06 (日) 05:39:03
      • でも。
        その声で起きた人間が十人だったら？
        二十人だったら？
        百人だったら……？

        ――それでも、壁は絶対に壊れないなんて、誰もいえないのも、確かだ。         -- シークエンス 2011-11-06 (日) 05:40:40

      • （小さく、笑う）……よく、覚えてやがんな。
        ホントに、お前は。
        ……そんなくだらねえことまで、な。 -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 05:41:36
      • 僕は、大した人間じゃない。大した生徒でも、大した魔術師でもない。結果的にどこにでもいる、凡俗の魔法使いでしかない。
        でもな……第八教室のドアを叩いて、室長になり、教授になり、今ここにいるまでの十年間。
        それは、誰にも凡俗だったなんていわせない。
        僕自身に価値がなかったとしても、その十年間には、僕の全てが詰まっている。
        スアルーガの門、なんて当時は眉唾で鼻で笑われる限定的でなおかつ空論を主専攻にしている凡人を、どこかのバカが拾い、
        室長、教授になるまで育て、今やこうやって生徒を守ることが出来る立場まで押し上げてくれた。その十年間の、ゼンアードの努力は、誰かにバカにされれば、僕は怒っていいと思ってる。         -- シークエンス 2011-11-06 (日) 05:45:37
      • 感謝しろよ。敬えよ。奉っていいぜ。（肩を竦めて紫煙を吐く）
        ……ただし、オレの努力を、ではなく、それすらも楽しんだオレの貪欲さをだがな。 -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 05:47:25
      • また一つ、借りができたしな。……テレシアには、生徒には大見得切ったんだが、未だにこうやって何かの世話にならないと僕は生きていけない。
        業の深い人生だよ、本当に。少しでもその分を誰かに返そうとするたびに、また世話になって雪達磨式に膨れ上がる。
        だから、多分死ぬまで、こういう生き方しかできないんだろうな、僕は。         -- シークエンス 2011-11-06 (日) 05:49:26
      • いいんでない。
        オレならその人生、『可』つけてやるよ。 -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 05:50:01
      • 採点厳しいなおい。『優』とは言わないけど、せめて世辞で『良』くらいつけて欲しいんだが。
        仮にも、まあ、もうあと少しの命だけどお前の下で育った一人の魔術師なんだからさ。         -- シークエンス 2011-11-06 (日) 05:51:44
      • バカ言え。
        オレは『優』やら『秀』やらつけてやることが楽しくて教師やってるわけじゃねえんだよ。
        お前みたいに、不器用で、失敗して、それでも努力してやっぱりダメだったどうしようもないバカに、
        しょうがねえなあ、次がんばれよ、って『可』つけて、尻叩いてやるために、教師やってんだよ。
        だから、お前は『可』だ。……いつまで経とうが、室長になろうが、教師になろうが、どこまで偉くなろうが、オレの可愛い可愛い、『可』なんだよ。（笑った） -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 05:54:25
      • （額を押さえる）
        （――勝てない。久しぶりに、そう思ってしまった）
        （多分、自分が自分である限り、永遠に）
        ……どうなるかは、箱を開けてみるまで分からないが……とりあえず、あとの処理は任せるよ、ゼンアード。（携帯灰皿で火を消す）
        ……色々。ありがとうございました。ゼンアード教師（せんせい）。         -- シークエンス 2011-11-06 (日) 05:56:48
      • うわ、キモッ！！歳が35の男のデレって思ったよりキモッ！！（鳥肌をさする）
        任せておけよ、仕事だから。（机で煙草の火を消し、吸殻をポケットに入れる）

        セータ。
        分かってると思うが、本当に難しいのはこれからだぞ。 -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 05:58:37
      • （部屋を出ようとしたところに声が掛かり、振り返る）
        ……シロマルのことか。         -- シークエンス 2011-11-06 (日) 05:59:17
      • 仮に、国がこの例外を認めたとして、認めたほうが辛いことになるかもしれねえ。
        噂は飛び交う。ご丁寧なことに尾ひれをつけてな。
        どこかしらからは漏れるんだ、真相だったり、流言蜚語だったりするものは。
        だから、シロマルは真実と嘘の狭間で、これから一人で生きていかないといけない。
        EATもアプローチを掛けてくるだろうし、研究もしづらくなる。ある意味、あいつにとってはこれからの方が過酷だ。
        ……それを分かっていて、この道を選ばせたんだろうな、お前は。 -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 06:01:35
      • ……あー、多分大丈夫だろ。 -- シークエンス 2011-11-06 (日) 06:02:39
      • なんだそのクソ適当な返事はおい。
        ちゃんと根拠を示せよ。 -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 06:03:08

      • あいつは、第八教室の生徒で、僕の自慢の生徒だからだ。
        以上。
        （笑い、手を振って、評議会室を去った）         -- シークエンス 2011-11-06 (日) 06:04:38
    • セータ・シークエンスの問題 -- 2011-11-06 (日) 06:05:24
      • （セータが去った後、電気の消えた部屋、二本目の煙草を吸おうと口に咥え）
        （マイクに向かって喋る）
        ……どうでしょうかね。 -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 06:07:05
      • 彼は、面白いな。俗っぽく言えば、非常に興味深い。
        ……なるべくなら、近くにおいておきたいタイプの屈折のしかたをした人間だ。
        実に楽しいひと時だったよ、ありがとう、ゼンアード         -- 2011-11-06 (日) 06:08:10
      • でしょう？　オレが自分の教室にあいつを連れてきた当時の気持ちも分かりますか、国王。
        正直、あれを手放すのはちと惜しいですが、まあ規則は規則ですからねぇ。
        ま、あいつのことだ、これからも上手くやるだろうし、心配はしてないんですがね。（肩を竦めた） -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 06:09:54
      • ふむ。意外と子煩悩なんだな、評議長。
        しかし、心配をしていないというのは、キミの性格を考えるとどうにも違和感がある。
        根拠を示してもらえるかな。         -- 2011-11-06 (日) 06:11:19
      • （最高に笑えた。この人は、王でありながら）
        （どれだけわきまえてる人間なんだろうか。いや、その柔軟さこそが、この国の基盤を作っているのだとしたら）
        （もう少しこの船に乗っていてもいいかと、そんな気分にすらさせる）

        そうですね。強いて言うなら。

        あいつは、「第八教室」の生徒で、オレの自慢の生徒だから、ですかね。 -- ゼンアード 2011-11-06 (日) 06:14:00

      • 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　シロマル・ルーデンスの問題・了 -- 2011-11-06 (日) 06:15:05
  • セータ・シークエンス――最期の授業 -- 2011-11-04 (金) 21:09:15
    • （――瞬間、見えたのは、靴裏。反射的に避ける。反射的に、避けてしまう）
      （あまりにも定石を逸した初撃。魔術師の一撃でも、戦士の一撃でもない、ただ脱いだ靴を相手に向けて蹴り上げただけの初撃）
      （それは避ける必要などなく、動く必要もなく、緊張状態になければ巫戯けていると思われても仕方のない、一撃）
      （その一撃の牽制が、自分に回避を取らせたことで――最悪の隙を生み出したことに気づいたのは、既に距離を零に詰められているのを視認してからだった）       -- シロマル 2011-11-04 (金) 21:12:35
      • （炎の軌跡を残した斬撃は、完璧なタイミングで振られたにも関わらず、回避の上に回避を重ねたシロマルの常軌を逸した運動能力によって回避される）
        （流石天才、などとは思わない。思うことすらできない。お前、それは偶然だ。見えても、知覚してもいない攻撃を避けることができたのは、ただの偶然だ――そうだろう）
        （でも、その偶然が命を長柄背させたのも事実、偶然すら利用しなければ生きられないこの炎の欠片を呼吸するような一秒以下の世界に、頬が持ち上がる）
        （上半身を逸らせたシロマルが放ってくる右足での蹴りを膝で押さえ込みながら、炎剣を左手に持ち替え、更に振る）
        （狙うは胸――殺さば殺す。殺すと思う前に殺す）         -- シークエンス 2011-11-04 (金) 21:16:10
      • （必殺を目的としたことが仇になったと、彼は思っているわけはあるまい。あくまで狙うは俺の命―ーそれ以外が必要ないのだとしたら、詰め将棋において王手を重ね続ける必要があるように、全攻撃を奪命に注ぐも道理）
        （だが、甘すぎる。絶望的に甘すぎる。何のつもりかは知らないが、貴方が相手しているのは他でもないシロマル＝ルーデンスだ）
        炎よ(v@al*.)（短縮竜言語。人間の舌で発音できないそれを、空気の振動で誤魔化して詠唱を結ぶ。相手の炎に呼びかける魔術。炎は色を失い、霧散する）
        （同時に放った下半身を捻っての左足がシークエンス教授の左のこめかみを強打する。首の骨を折る勢いの一撃は、シークエンス教授の左手によって受けとめられ）
        （――そのまま手のひらの骨を粉砕しながら顔の側面に突き刺さり、その身体を弾き飛ばす。左足に込めた『倍速のルーン』が役目を終えて霧散する）)         -- シロマル 2011-11-04 (金) 21:25:45
      • （左手の骨が砕ける音。今の攻撃に対してクッションを作っていなければ即死だったか、いや、ギリギリ生きられたかと地面に一度バウンドする前に思考し、地面の方向を確認する）
        （即死？　バカな。自分と相手の目的は違う。僕を殺す気になれば、例えシロマルエフェクトで強化されていようが、アグニの力を借りていようが、シロマルの前に一秒たりとも存在できるわけがない）
        （なあ、シロマル。地面に剣を突き立てて急制動を掛けて顔を上げた瞬間、すでに僕の目の前まで近寄り、右足で直突き蹴りを放っているくらいだもんな。お前の体術はすでに凶器に等しい）
        ――万物の開闢、塵を塵へと、灰を灰へと孵せ(Dust the dust.Ash the ash.)。（短縮詠唱。構成力は落ちるが頭に浮かんだ24通りの防御方法のうち、22通りまでが時間切れという切迫した状況で、魔術を放つ）
        （――空間に開く、門。生み出されたのは石の塊、それをへし割りつつ、右足が肋骨に突き刺さる）
        （内臓まで届いていない。威力は殺した。だったら今度は僕の間合いだな、シロマル。――殺してやる）
        （血反吐を撒き散らしながら、更にその右足を身体に食い込ませながら、さらに一歩近寄り、砕けた右手を前に突き出す）         -- シークエンス 2011-11-04 (金) 21:41:22
      • 雷よ(vrlt@n)（直突きは布石、内臓までを傷つけるつもりはない、ただ、蘇生可能な状態ギリギリまで追い詰めなければ、この狂人は止まらないと踏んだ）
        （何らかの防御魔術は組んでくるだろうという予測は、ある意味で外された。致命傷だけを避ければいいと思うギリギリの、防御ともいえない方策を採ってくるとは、それだけは予想外だった）
        （――そして、予想外は重なる、つま先から流した電流は、シークエンス教授の身体の方向に流れず、右足によって砕かれた石の方に向かう。磁界石）
        （読まれていた。のならば更に読み返す。空中で帯電する磁界石の一つを、左足で蹴り上げる。切断力すら兼ね備えた左足の足刀は大きく石礫を跳ね上げ、連鎖的にぶち当たったシークエンス教授の右手を思い切り上方に弾き飛ばす）
        （腕の付け根を中心に大きく回転した教授の腕は、肩関節がおよそ人間が単体で放てない盛大な骨折音と共に外れ、殺し切れなかった勢いで大きく後ろに蹈鞴を踏む）
        （視界でそれを捉え、笑おうとした瞬間、胸に衝撃。帯電した磁界石。後方に蹈鞴を踏むついでに、シークエンス教授が左足で自分の胸めがけて蹴ったものだと悟った瞬間、口腔に血が溢れる）
        （地面に手をついて後方にバク転の要領で距離を置き、口の中の血を吐き出す。胸骨が折れた。二本か、まだいける）         -- シロマル 2011-11-04 (金) 21:49:25
      • （右手がねじ切れなかったのは、ギリギリで後方に飛んで、遠心力を殺したからに過ぎない。つまりは退いたのだ。退いたんだ。この僕が、これだけ狂気に陥っても、まだ自分の身体が大事か）
        （笑う。どうしようもなく笑えてくる。喉の奥から、純粋な愉悦の笑いが、クツクツと漏れ出す。ああそうか、僕は楽しいのか）
        （右肩を振り、肩を入れる。とはいうが、痛みでしばらくは動くまい。関係ない、右手も存在するという可能性を相手に見せていることが重要であって、右手でシロマルを殺せる必要はないから）
        ゅぅ……（口から、ようやく呼吸が漏れる。そういえば意気をすることも忘れていた。シロマル＝ルーデンスと相対するということは、そういうことだ。目の前の男は掛け値なしの天才、凡人の自分が相手をするには、自分の全てを使い切らなければならない）
        （六年間、退屈させたな。悪い。本当はいつでもお前を殺せたんだ、僕は。お前を殺しうる存在になれたんだ。僕は――人の殺し方を知っているから）
        （お前にも、レネスにも、ギアにも、エクアにも、それを教えてやることはできたんだよ）
        （妹を殺したのは、目の前で死んでいく妹を助けられなかったのは、僕なんだから。いつだって悪役になれたんだ）
        （だけど、お前らと一緒にいる時間も、掛け替えのない物であったことも確かなんだ。だから謝ろう。誤りを、謝ろう）
        （お前の障害になってやることができなかった、六年間を僕は謝ろう――そして僕を殺してみろよ、ただのどこにでもいる天才）
        ……楽しいなあ、おい。（本音が漏れた）         -- シークエンス 2011-11-04 (金) 21:58:20
      • （息が弾む。何年ぶりだ、こんなの。胸が高鳴る。こっちは何年ぶりどころか十何年ぶりだ）
        （楽しいわけないだろう。本来戦いなんて好きじゃないんだ。人の血を見るのも真っ平ごめんだし、鍛錬なんかにも興味ない。自分の居場所さえ守れればどうでもよかった俺を、自由にしなかったのは才能という鎖だろ）
        （だから、今だって楽しいわけじゃない。ただ、死にたくないだけだ。加えて、相手を殺したくもない。ただそれだけの条件が、ここまで自分を追い詰める）
        （道理だ、自分は、自分の命を狙ってくる人間に対して容赦ができるほど優しい人間じゃないが、相手が自分の恩師、自分の知り合いであるなら別の話になってしまう）
        （だからこそ、目の前の狂人は俺に教えようとしている。殺したくない相手が自分を殺しに来たときの辛さを。シロマル＝ルーデンスが歩む道の険しさを）
        （そんな物を認められるほど、自分は強くはないという嫉妬と憤怒の入り混じった感情を、直接ぶつけてくることで）
        （化け物が。あんたは化け物だよ、教授。イカれてる。俺なんかよりよっぽど頭がおかしい、ただの魔術師(キチガイ)だよ）
        ……楽しくねえよ、変態。（本音が漏れた。同時に、ギリギリまでたわめていた自分の身体を解き放つ。緊張は弓となり、身体は矢となり――光となった）         -- シロマル 2011-11-04 (金) 22:06:17
      • （その攻撃が、動きが視界で、目で捉えられないなら、殺意で捉えるしかない。任せる、僕の中で長年育て上げた他者への害意に身を任す）
        （自分は元来攻撃性の塊だったように思える。そんな中、よく我慢し続けてきたもんだ。誰かの気持ちに答えられないのも、この本質があったからに過ぎない）
        （自分は近くに誰かを寄せれば、必ずその相手を傷つける。だから寄らず、でも離れることができず、自分の心地いい距離を模索してきたんだ）
        （でもな、シロマル。お前に寄り添ってやるよ。お前の心臓の鼓動は耳障りで、お前の存在は目障りだ）

        （動きは最小限に。シロマルの動きに合わせる様に、炎の小刀をその光の如き速さで迫る軌道に添える）
        （瞬間、視界が回転する。魔力で周囲をソナーしたところ、俄かに信じがたい事実を知覚する）
        （剣魔を――それを上回る魔力を放ちながら殴ることで――素手で殴り消した）
        化けも。（同時に頬を殴られたのか、上手く発音は出来なかったが、神速で殴られた衝撃で空中で横回転しながら、視界の端に捉えたシロマルに向けて、そう言い、哂った）         -- シークエンス 2011-11-04 (金) 22:16:26
      • （理解できない。右手が潰されている。神速の一撃に尾を引くように、大流血が赤い線を空中に描く）
        （掛け値なしに全力で魔力を放ったんだ、刃が刃の意味を、炎が炎の意味を成すような状況になかったはずだ）
        （だとしたら、あの交錯の中で自分の手を捉えた何かは、別に存在したということで）
        （詠唱はなかった。ルーンもなかった。剣魔は布石。だとしたら、もう思念を直接魔法化する、思念魔法しか存在しない）
        （12階梯以上でなければ使えないはずの、思念魔法。）
        （８階梯のシークエンス教授が使用できる可能性を計算しようとしたところで、視界に低空から奇襲を掛けて来る化け物の姿を見て、現実に引き戻される）
        （ああ――そうか、これは殺し合いだ。バカだ、俺は。右手が反射的に相手の心臓を貫こうと凶器と化す）
        （見えてはいないだろう。ただその攻撃は六年前から予測していたかのように、シークエンスという名の化け物は腕を犠牲にすることで避ける。舞う赤。目もくらむような凄惨な赤）
        （一手遅れていても、その一手に追いつけばいい。音声魔術を放とうとして、声が出ないことに気づく。いや、違う、呼吸すら出来ない）
        （――まるで周囲の空間が掌握されているかのように）         -- シロマル 2011-11-04 (金) 22:24:07
      • （一度見ただけで全てをコピーできるような天才性が自分にもあれば、もう少し人生は楽だっただろう）
        （だが、生憎これは泥臭い研鑽と35年積み重ねてきた努力の結晶だ。輝きは天才のそれと比べれば余りにも鈍いが、手持ちの財産がこれしかないんでな）
        （そして、感謝する、バージル。お前の暗黒の歴史すら踏みにじって、僕は目の前のシロマルを殺して(とめて)やる）
        （『空間掌握』もはやこれは切り札だが、切れないうちに幕切れが起こる可能性を考えれば、ここで切れたことは単純な幸運に過ぎない）
        （手のひらで空気を掴み、引き寄せるだけの思念魔法。脳が焼き切れそうな負荷が掛かり、鼻腔に鉄の匂いが満ちる）
        （腕を抉られ、代わりに手に入れたのは必殺の間合い。唇同士が触れ合いそうなほどの近い距離、心臓すらも抉り出せそうなほどの、その距離に、哂う）
        （――殺す。殺してやる。お前の驕りも、才能も、覚悟も、尊厳も、誇りも、信念も。死んでしまえば全てゴミだ）
        （高潔な魂など存在しない、それは外側から観測したときに初めて意味を持つ代物だ。どんなに綺麗な宝石だって、盲目の人間にとっては路傍の石なんだ）
        （だから、殺せるときには殺し、殺さぬときには死ぬ。そんな瞬間の存在を。お前は）
        お前という名の天才は――知るべきなんだよ。
        ……シロマル。（炎を纏う、必殺の左手が、シロマルの心臓に向けて――放たれた）         -- シークエンス 2011-11-04 (金) 22:35:42




      •  -- シロマル 2011-11-04 (金) 22:38:43




      • -- シークエンス 2011-11-04 (金) 22:39:03


      • （呆然と。突き刺さった手を見た）
        （血の感触。胸の奥からこみ上げてくる吐き気。死に触れている、その感触）

        （自分の右腕が、シークエンス教授を、貫いていた）         -- シロマル 2011-11-04 (金) 22:40:56

      • （口腔を、血が満たす。本当に、こんな方法でしか、誰かに何かを教えられないのだとしたら……僕は、教師に向いていない）
        （でも、悪いな、シロマル。僕は凡人だから。……こんな方法でしか、天才に何かを残してやることは出来ないんだ）
        （赤く濁った視界の中、髪の色が戻る。力が失せる。さよなら、アグニ。ごめん、イヴミア）

        ……シロマル。（抱き合った姿勢で、シロマルの耳に、教師として、最期の言葉を囁く）
        （閉鎖空間が割れ、遠くからいくつもの足音が聞こえてくる。たくさんの悲鳴と、怒号。ああ、これは学園祭中止かもしれんと、場違いな感想が浮かんだところで）

        （視界は闇に落ちた）         -- シークエンス 2011-11-04 (金) 22:45:52


      • （真っ先にそのセータの身体に近寄り）
        っぜあー！（交通事故の二つ名に恥じぬ勢いで）
        （その身体を蹴り飛ばした）
        （無防備に廊下に寝転がっていたのですげえ飛距離が出た） -- ゼンアード 2011-11-04 (金) 23:10:54
      • ええーーっ！！！？ -- ランド 2011-11-04 (金) 23:11:26
      • はぁーーー！！？ -- バージル 2011-11-04 (金) 23:11:46
      • ……あ、ありえない。 -- ホイム 2011-11-04 (金) 23:12:13
      • （信じられないものを見るような目でゼンアードを見上げる）
        いや、俺も、その、空気読める方とは言わないけど、あんた凄いな。本気で……。         -- シロマル 2011-11-04 (金) 23:13:16
      • ……やべえ、めっちゃ気持ちよかった今。
        もう一回やりてえくらいだ……。（最高にいい笑顔） -- ゼンアード 2011-11-04 (金) 23:14:10
      • （ごぶ、と血を吐きながらゼンアードを見上げる）殺す…… -- シークエンス 2011-11-04 (金) 23:15:12
      • ！！？？
        えっ！！？　なんで生きてんだよ！？（血塗れの右腕を見ながら）
        腹貫通したら普通は死ぬだろ！！？（純粋な恐怖で顔が青くなる）         -- シロマル 2011-11-04 (金) 23:16:25
      • 普通じゃねえだけだろ。
        知らなかったのか。（セータの服を捲り上げる）……こいつの腹には、穴が空いてるんだよ、腹と背にな。
        それを見越して、お前に殺させたんだろ。どうだよ、人を殺してみた感想は。まあ、そりゃオレはどうでもいいんだけどな（頭を掻き）
        （セータをゴミを見る目で見下し）一個聞かせろ。この騒動の主犯はお前、そうだな。 -- ゼンアード 2011-11-04 (金) 23:18:55
      • （違う！！全部俺が！！と声を出そうとして、声が出ないことに気づく）
        （後ろからレネス先輩に触れられているらしく、動くことが出来なかった）         -- ランド 2011-11-04 (金) 23:20:10
      • （この、クソ教師が、と思いながら、肺腑から声を絞り出す）そうだよ。
        だったら、どうする。         -- シークエンス 2011-11-04 (金) 23:21:14
      • ……決まってるだろ。退学だ。シロマル共々な。
        全部無駄になったな、ランド。本当にご苦労様。第八教室の面子は本気でいい生徒ばっかりだな。
        連れて行け。（背後に侍らせていた評議会が、セータの手に三重に手錠を掛け、無理やりその身体を立たせる） -- ゼンアード 2011-11-04 (金) 23:22:56
      • （何も言わずに、その姿を見送る）
        （悔しげに、唇を噛んだまま）         -- シロマル 2011-11-04 (金) 23:24:28
      • （数法停止のせいで、動けない。動けていたら、目の前のゼンアードを殺していたかもしれない。殺されていたかもしれない）
        （怒りで脳が沸騰する。生まれて初めて、誰かを本気で殺してやりたいと、そう思った）         -- ランド 2011-11-04 (金) 23:25:53
      • （極められた腕が、ギリギリと痛む。分かってる。ここで襲い掛かったとしても勝てないことくらい）
        （でも、それでも、何もかもが無駄で、何もかもが徒労に終わったなんて結末、認めるわけにはいかなくて、かみ締めた歯の間から、血が垂れる）         -- バージル 2011-11-04 (金) 23:27:07
      • （虚脱感。全てが終わった。何一つ成せず、ただ状況だけを悪化させて）
        （自分たちの限界を知り、今まで生きてきた中でも最悪の気分になった。外の喧騒は、いまだに続いている。その音がどこか遠い）         -- ホイム 2011-11-04 (金) 23:28:45
      • （絶望の表情の中を横切り、評議会室へと向かう）
        （お前らに恨みはない。だが、お前らは間違っていた。ただそれだけだ）
        （それが分かるまで、しばらくオレを恨めばいいさ。それが――大人の生き方、レゾンテートルだからな）

        （答えはなく、怨嗟の瞳だけを背後に受けながら、その夏の祭りは終わりを告げた） -- ゼンアード 2011-11-04 (金) 23:31:22
  • シロマル・ルーデンスの問題・６ -- 2011-11-04 (金) 04:02:29
    • （結果的に、ランドの作戦は成功している。自分の身を、仲間の身すら危険に晒すことで、EAT集会長を狙うという本当の目的から目線を逸らさせた）
      （後は、私が目標を捕獲、大学から排斥されるべきはこの異種族弾圧思想なのだということを力と、そして言論によって知らしめる）
      （同時に、大学の暗部であるEAT自体の長を人質に取ることによって、評議会自体への牽制、取引材料にもなる）
      （全てが合致すれば、強力な手札になるはずだったそれは――たった一つの誤算によって、瓦解しかけていた）       -- テレシア 2011-11-04 (金) 04:05:34
      • （杖を、握りなおす）
        （目線だけは、まっすぐにテレシアを捉えたまま）         -- シロマル 2011-11-04 (金) 04:06:16
      • 何故、ですか。……シロマル先輩。
        何故貴方が、ここに……そして、どうして貴方は、自身を弾圧し、退学に追い込もうという思想を持つ者を、背に守るんです。
        （声に緊張が乗らぬように、静かに、シロマルに向けて言葉をぶつける）         -- テレシア 2011-11-04 (金) 04:07:54
      • 俺のやることに理由を求めるっていうのは、ある意味で愚考だよ。テレシア。
        分かってるんだろう。俺が気分屋だって。やろうと思ったことしかやらない人間だって。
        いや……まあ、1/4はエルフらしいけどさ。（ぽりぽりと頬を掻く）         -- シロマル 2011-11-04 (金) 04:09:23
      • ふざけ、ないでください。ランドは、あの三バカは、貴方のために命と大学生命を同時に賭けている……！
        シークエンス教授だって、貴方のために東奔西走しているっていうのに、なんでそう飄々としていられるんですかっ！！
        相応の理由もないのに、何故気分で、私の前に立ちはだかることができるんです！！         -- テレシア 2011-11-04 (金) 04:11:20
      • （嘆息し）……ゼンアード評議長に言われたからだよ。ここにいるのは。知ってたんだよ、あの教授はこっちが本命だってな。
        悪いね、テレシア、そしてランド。あの教授は、俺らの時代の『第八教室の教授』なんだよ。
        お前の敬愛するシークエンス教授が一生徒だったころからずっとな。……それを、さらに下の世代のお前らが上回ろうとするには、ちょっと盤を囲むの早かったんじゃないかな。
        ま、今更だけどね。
        んで、ここで何故EATを守っているかの理由の半分がそれなわけだけど、もう半分は――。         -- シロマル 2011-11-04 (金) 04:13:50
      • ――守ってるのが、EATじゃないから、だろ。
        （テレシアの頭に手を置きながら現れる）         -- シークエンス 2011-11-04 (金) 04:15:21
      • シークエンス教授！？ -- テレシア 2011-11-04 (金) 04:15:45
      • ひでえ、決め台詞奪われた。まあ、大体そんな感じですけどね。
        ……ま、灰を被るのは一人でいいんじゃないかってそう思うだけだよ。テレシア。
        お前らの気持ちは嬉しいけどさ、世の中にはどうしようもないことっていうのはあるんだよ。
        だから、お前らの計画は頓挫させなけりゃならない。他でもない俺がな。
        それでもまかり通りたいって言うなら、『シロマルエフェクト』を越えて行けよ。
        （普段、何重にも押さえている彼の魔力が、一気に溢れ出す。魔力に質量はないはずだが、目に見えないそれに押されて、テレシアが怯んだのが見えた）         -- シロマル 2011-11-04 (金) 04:18:15
      • それが必要なら――超えて行きます。
        私は、もう一人でここに立っているわけじゃない。
        あの三人は、底抜けのバカで、間抜けで、とんでもないバカで、バカだけど。
        貴方への気持ちは、本物だから。私も、第八教室のテレシアではなく、テレシア・レヴ・イヴラスカヤとして。
        15階梯の精霊魔道士として――貴方の相手をします（怯んだ分、さらに飲み込むかのごとき大きな魔力がうねり、大学の空間に張った魔術網にヒビを入れる）
        （空間が、魔力の拮抗に悲鳴を上げ、ギチギチと歪な音を立てた）         -- テレシア 2011-11-04 (金) 04:21:45
      • 待て。その前に、一つ作戦がある、テレシア。
        （言いながらテレシアの肩を叩く）         -- シークエンス 2011-11-04 (金) 04:23:11
      • ……？　作――。

        （それは、驚きより、幸福感の勝る瞬間。柔らかな、感触が、唇を塞いだ。と同時に――）
        （視界が闇に落ちた。吸い返すような、僅かな時間もなく）         -- テレシア 2011-11-04 (金) 04:24:46
      • （色んな意味で驚いて舌を出す）よくやるわこの色男……
        なんていうか、捨てるもんがない中年って強いですね。         -- シロマル 2011-11-04 (金) 04:26:28
      • （口を念入りに拭い、青い顔）誰に説明しているのかは分からんけど、内部の魔力障壁ない部分からじゃないと、
        15階梯の化け物魔術師に「強制睡眠」なんて魔法利くわけないからな。……最悪だよ、今必死に記憶掘り起こしてるけど、これもしかしてファーストか何かかもしれん。死にたい。

        （テレシアの身体をその場に横たえ、息を吸い込み、嘆息した）
        久しぶりだな、シロマル。もう会えないかと思ったがな。         -- シークエンス 2011-11-04 (金) 04:28:51
      • 俺は会う気なかったですけどね。面会も拒否してやったってのに、律儀な教授だ。
        ……分かったでしょう、どうしようもないって。諦めの悪い貴方でも、どうしようもないって。         -- シロマル 2011-11-04 (金) 04:30:40
      • 何のことかさっぱり分からんが、諦めが悪いっていうのは褒め言葉として受け取っておこう。僕は、今まで何一つ諦めたことがないのが唯一の誇りでな。
        ……シロマル。お前は大学に必要な人間だ。残れ。
        誰にもいていいと言われないなら、僕が言う。お前は、必要な人間だ。（真っ直ぐシロマルを見て言う）         -- シークエンス 2011-11-04 (金) 04:33:05
      • それこそ、気休めだ。何の役にも立たないじゃないですか、そんなの。
        俺は、納得してます。それどころか、自分の能力の異質な部分に説明がついて清々しましたよ。
        シロマルエフェクトだなんだの言われてチヤホヤされてた結果がここだと思うと、もう乾いた笑いしか出ないくらいには。
        ……もう、いいんです、室長。……俺の決心を、鈍らせないでください。         -- シロマル 2011-11-04 (金) 04:35:11
      • そうか、了解。
        んじゃ、仕方ないな。
        ここまでが僕の流儀だ。それが押し通せないなら、今度はお前の流儀に則る必要がある。
        テレシアに言った台詞、僕にももう一回言えよ、締まらないから。         -- シークエンス 2011-11-04 (金) 04:36:31
      • あー……？（イマイチ状況が飲み込めてない空気読み人知らず）
        なんか言いましたっけ俺。         -- シロマル 2011-11-04 (金) 04:37:24
      • お前昔から思ってたけど、僕を格好いいキャラにしようとしてるようで全部台無しにしようとしてるよな。
        現役時代もやたら持ち上げて、持ち上げて、川に落とすみたいなことしかされてなかった気がする。あれわざとか？おい、わざとか？
        言えよ、ほら、今度は決め台詞取らないから。――『シロマルエフェクト』を越えて行けよってな。
        （――赤い両目が、射抜くようにシロマルを見る）         -- シークエンス 2011-11-04 (金) 04:39:29
      • ……本気で言ってますか？　いや、無茶だ……無謀ですよ。
        けしてシークエンス教授をバカにして言うことじゃないことは留意しておいて欲しいけど、あえて言うよ。
        絶対に貴方は俺には勝てないでしょう。
        （それは、事実を淡々と述べるような、残酷な口調）         -- シロマル 2011-11-04 (金) 04:41:19
      • （指を弾くことを答えとして返す。空間の位相がズレ、大学内に設置してある決闘空間魔法が展開される）
        （外界と隔絶され、被害が大学自体に及ばない閉鎖空間。範囲にいる者の中で同意したものだけが入りうる、決闘用の空間）
        ……まあ、そうだな、現役時代も僕はシロマルに一度も勝てなかったどころか、一度も触れられなかったし。
        せいぜい８階梯止まりだからな、僕は。正直、テレシアにも勝てないだろうな。（肩を竦める）         -- シークエンス 2011-11-04 (金) 04:44:19
      • 前々から破天荒だと思ってたけど、今回は本気で教授の言ってることわけわかめだわ。
        ……いや、ちょっと本気で、勝てるとでも思ってるの、教授。
        そういう形で、ハッピーエンドが訪れるとでも思ってるの？
        だったら、ちょっと俺怒るわ。
        （フードが、捲れる。魔力の奔流はもはや色を成し、立ち上るほどになっている）
        （並みの魔法生物ならば、その姿を視界に捉えただけで蒸発しそうなほどの魔力が、視界を埋め尽くす）
        ……悪い教授、その態度は、久々にキレた。         -- シロマル 2011-11-04 (金) 04:47:15
      • （煙草を咥える。流石にここは大学内ではないはずだ、だったら禁煙ではない＝吸っていい）
        ……凄いな。お前は、凄い男だよ。
        正直、僕がお前と同じ体質なら、全てを呪ってただろうな。
        自分以外の人間をベストコンディションにする、なんてエフェクトを常に周囲に発し続けていれば……周りは味方か敵の二択になってしまう。
        それは曖昧を愛する人間にとっては、とても辛い事だって、僕にすら想像できるくらいだからな。
        そんな中、お前がその力を育ててきたのは、悲しい必然であり、同時に優しい偶然でもあったはずだ。

        シロマル。
        お前は、僕が受け持った全ての生徒の中でも、最高に優秀な生徒だったよ。         -- シークエンス 2011-11-04 (金) 04:53:07
      • 一つだけ。それでも一つだけ、お前に教えていないことがある。
        凡人の僕は知っていて、天才のお前が知らない、たった一つのことだ。
        お前が身に着けてきたその力のせいで、お前はそれを知ることができなかった。
        いや、違うな――お前は、それを知りたくなかったから、力をつけてきたんだろう。
        シロマルエフェクトの影響下では、誰もがベストコンディションになる。
        そんな状況下で、それを知らずに生きてくるためには、それは必死に強くなる必要はあったよな。
        だからそれは必然なんだ。そして、お前がそれを知りたがらなかったのは、単なる偶然で――たった一つの矛盾だったんだな、シロマル。         -- シークエンス 2011-11-04 (金) 04:55:48

      • また、テレシアには、怒られるんだろうな。
        と、思うと若干憂鬱ではあるが……これが、僕の生き方でもある。
        だから、まあ、誰に対しても許せなんて言わないが――何かを残したいと思う、僕の意思を汲んでくれ、シロマル。         -- シークエンス 2011-11-04 (金) 04:57:16
      • ……嘘、だろ。
        やめろよ……なんで、そこまでする必要ないだろ！！
        俺が賭けてるのは、精々自分の居場所くらいなのに、なんであんたは――！！         -- シロマル 2011-11-04 (金) 04:58:24
      • （テレシア。今分かった。――こんな気持ちなんだな）
        悪いな。僕はな――お前ら第八教室の生徒のことが、大好きなんだよ。

        だから、頼む。――本気の僕に、殺されるな。

        （『シロマルエフェクト』は、ベストコンディションの状態を再現する）
        （自分にとってのベストコンディション、最高に魔力を備えていた時代）
        （それは再会ではない。再び出会うと決めたその日まで、向き合うことはない）
        （だけれど。――そこに並び立つ姿に、心も、身体も震えた）

        （炎の少女は笑い、濁流となって右手に集まる）
        （髪の色が、視界の先で金色に染まる。同化。懐かしい、この感触）
        『アグニ＝シークエンス』……この姿では、始めましてだな。
        始めよう。シロマル――最後の授業だ。         -- シークエンス 2011-11-04 (金) 05:03:18
      • （普段出せない全力で向かってくる相手は、いつだって自分の力に酔う）
        （普段起こせない破壊に、普段起こせない規模に、普段起こせない現象に、酔いしれる）
        （だから自分のこのエフェクトは――誰よりも『殺人』に近かった。人を殺してしまうという故意に近い場所にあった）
        （だから、強くなる必要があった。それを上手く包み込むように。全力で向かってくる相手を、殺さないように）

        （これを、シークエンス教授は最後の授業と言った）
        （だから、それは――その真意は、ただ一つ）

        （最後の授業の名前は――『正しい人の殺し方』）         -- シロマル 2011-11-04 (金) 05:08:00
  • シロマル・ルーデンスの問題・５ -- 2011-11-04 (金) 00:59:05
    • さあ。 -- ゼンアード 2011-11-04 (金) 00:59:59
      • さあ。始まった。 -- ゼンアード 2011-11-04 (金) 01:00:25
      • いつ来るかと、心待ちにしていた、これこそが反撃だと、胸が躍る。
        ああそうだよな、そういうタマじゃないよな、セータ。お前はそんな聞き分けのいい人間じゃない
        だからこそ、ここでオレはお前の壁として立ちはだかっておかないといけない。
        お前の前に、評議長として立ちはだかっておかないといけない。静かに笑いをこぼす。 -- ゼンアード 2011-11-04 (金) 01:00:51
      • ランドのばら撒いたチラシが手元に届く。よくもまあこれだけの面子を用意し、声をかけたなと思う。
        第四教室の四天王に、EAT集会長、果ては副学務長まで名を連ねてやがる。賞金の額も相当なもので、よくこの案を通したものだと肩を竦めた。
        抗議の通信は鳴りっ放しだ。うるさいので回線を閉じておく。
        評議会の連中も先ほどから何の鳴き声の真似か分からないがぎゃあぎゃあと小五月蝿い。
        放っておいていいのか。いいわけない。制裁が必要なのでは。そうだな。だとしたらオレの判断を待てと何百回言えばいい。
        そしてそれを決定するのが評議長であるオレの仕事だと分かっているのなら、その口をしばらく閉じていろと言いたい。
        思考の邪魔になるだろう。――相手が一手を打ってきたんだ、今度はこちらの手番、誤れば盤上の戦局に関わる大事な一手なんだからよ。 -- ゼンアード 2011-11-04 (金) 01:01:16

      • 世界から音は消えうせる。盤面を挟んで相手。手にはチラシという名の手札。あちらが晒してきた情報。
        僅かな違和感。ここで、こういう手を打ってくることについて、盤面を挟んだ相手の像がブレる。
        （違うな、これは……セータじゃ、ない。いや、正確に言えば……セータ・シークエンス元教授の手筋じゃない）
        だが、匂いを感じるのは確かだ。目の前にいる顔の見えない打ち手からは、微かにかつての教え子の香りがする。
        だとしたら――相手は。
        （あいつ……いい教師してんじゃねえか）
        笑いが出る。
        そうか、これは。
        若い、ただ一人の生徒であったときのあいつの打ちまわし、荒削りで、でもまっすぐ向かってくる、そんな一手。俯瞰で見れば全くお話にもなっていないのに、自信満々に打ってくる、手筋。
        恐らく――ラウドバンド・射ノ原が考えた一手だろう。目の前の相手が、暗く笑ったような気がした。 -- ゼンアード 2011-11-04 (金) 01:06:12
      • あいつらの目的はシロマル・ルーデンスの退学の撤回
        その目的を達成するための一手だとしたら、これにどんな理由が必要だ。
        この混乱した状態、状況、万人が万人を甘く傷つけることのできる環境を作り出すことに何の意味がある？
        それとも、この状況自体も布石で、本当の狙いは別にあるのか？　面白い。荒削りであるからこそ、読めない
        定石を知らない人間と盤を囲むのは、最高に楽しい。
        （ランド。……来いよ、この状況を作り出して、お前はどうやってオレの手から目的の品をもぎ取っていくんだ）
        （少なくとも、セータより、あのひねくれ小僧よりはまっすぐで、面白いじゃねェか）
        （そうだよな。手に入れたいものがあるなら、理論を重ねるんじゃなく、足を動かすべきなんだ）
        （お前は正しいよ、ランド。十年経ったら、対等な盤面の上で勝負してやってもいいくらいにな）
        立ち上がる。評議会室を横切り、出口へ。

        思考の時間は終わりだ。目的は、はっきりした。この読みが当たれば。
        「――オレの勝ちだな。ランド」

        ドアを開ける。三つの影が、同時に襲い掛かってきた。
        バージル。
        ホイム。
        ――ランド。
        やっぱりな、狙いは――
        「オレか」 -- ゼンアード 2011-11-04 (金) 01:12:50
      • （殺す気で、殺す気で掛からねばならない）
        （だからこその奇襲、チャンスは一回。この為に他の教師に声をかけ、百の本当の中に嘘を忍ばせたのだ）
        （ゼンアード評議長のような人間に対して攻撃を仕掛けうる状況、この一手を仕損じればもう後はない）
        （文字通り木刀による捨て身の一撃は振りかぶられ、ゼンアード評議長の頭に向けて振り下ろされる）         -- ランド 2011-11-04 (金) 01:20:33
      • （ランドと全く同じタイミングで木刀を振り上げ、振り下ろしたところに飛び込んできたのは、他でもないランドの木刀）
        （一瞬事態が理解できない。ランドの作戦か！？という余計な思考にまで思考が飛ぶ。そんなわけないことは、ランドの驚愕の表情を見れば分かる）
        （あろうことか、ゼンアード評議長は右足を高く上げ、振り下ろす前のランドの木刀を絡めとり、そのまま振り回すようにこちらに向けてランドの身体を誘導してきたのだと、視覚情報から気づく）         -- バージル 2011-11-04 (金) 01:23:12
      • （人間40を越えれば靴先に鉄くらい仕込む。それとオレの足の長さを甘くみたのがお前らの敗因だ）
        （加えて、奇襲をかけるならば同タイミングではなく、せめて数瞬タイミングをずらすべきだったなと口の端で哂う）
        （それじゃあ数の利を最大に利用できていない。せいぜい広い面での攻撃でしかないんだ）
        （完璧な連携が仇になったな、と皮肉をこぼそうとしたところで、身体が動かないことに気づく） -- ゼンアード 2011-11-04 (金) 01:25:36
      • ――『数法拘束』
        （全ては、このための布石。もとより実力でゼンアード評議長を制圧できると思っているほど、僕らは甘くはない）
        （動作の概念に零を付与する、僕の間合いにさえ入ってしまえばよかったんだ。そのために、バージルとランドの魔力で偽者のホイム・ヒューイットまで作る小細工までしたのだから）
        （集中が途切れたのか、偽者のボクが掻き消える。派手な奇襲こそがブラフ、ただ、王手の一撃を加えるための、布石）         -- ホイム 2011-11-04 (金) 01:29:42
      • ……甘いんだよ。（残念ながら、口はそれだけしか動かなかったが）
        （皮肉にしては上出来で最小の文字数に抑えられたと、自画自賛した） -- ゼンアード 2011-11-04 (金) 01:34:47
      • （負け惜しみにしか聞こえないその台詞に、総毛立つ）
        （それは確信に似た悪寒――自分のこの一手が、王手であって王を取ったわけではないという、可能性が脳裏に閃き）
        （次の瞬間、腕を極められながら思い切り地面に叩きつけられた）――っガ…！
        （反射的にゼンアード評議長に伸ばしていた右手を、背中に膝を乗せてきた新しい参入者に向け――更なる絶望を味わう）
        レネス――先輩っ……！！         -- ホイム 2011-11-04 (金) 01:37:28
      • ――『数法停止』。
        （自分に向けられた零の概念の変化を停止させる。いつか行ったそれを再び行うのは、なんという皮肉だと思ったが、笑えなかった）
        ……残念でしたね。相性の問題で、私には絶対勝てませんから。         -- レネス 2011-11-04 (金) 01:39:24
      • ――ンでだよ！！先輩ッ！！
        シロマ――（抗議の声は、喉に走る衝撃で後方に飛んでいった）
        （意識が飛びかける。廊下を長く長く転がり、痛む身体を無視して無理やり顔を上げる）
        （廊下の先、片腕をだらりと垂らした男が、フードの隙間からこちらを睨み付けている）
        ……ギ、ア、先輩。……ん、でだよ。
        （なんでよりによって、アンタ達が、ゼンアードに、評議長に味方している。――他ならぬシロマル先輩の危機に）         -- ランド 2011-11-04 (金) 01:42:23
      • （黙し、何も語らずにランドに近づいていく）
        （目深に被ったフードからは、表情が読み取れない）         -- ギア 2011-11-04 (金) 01:43:19
      • （その無防備な後頭部に、木刀を振り上げたところで、影が割って入る）
        （ギア・ハークマンがその背中を任せられる人間は、この大学に少ない）
        （そして、その背を任せられる人間のどれにも、自分は勝つすべを持たないことも、知っていた）
        ……エクア、先輩。（からん、と木刀が地面に落ちる）         -- バージル 2011-11-04 (金) 01:55:29
      • （悲しそうな目で、魔術構成を解く）……すまないね、バージル君。（目を伏せる）
        悪いが、これがボクたちの選択なんだ。         -- エクア 2011-11-04 (金) 01:59:20
      • （ギアに上から押さえつけられた状態で呻く）……なんでだよ。
        あんたら、シロさんがどうなってもいいのかよっ……！！
        こんなの、おかしいじゃねえか……あの先輩、何にも悪いことしてねえのに！！         -- ランド 2011-11-04 (金) 02:01:22
      • ……あいつは、あいつなりの覚悟を以って自分の問題と向き合っている。
        ……ランド。お前の気持ちは正しい。だが、方法と状況が、間違っているだけだ。         -- ギア 2011-11-04 (金) 02:02:44
      • キミたちがね、何かがあったときに互いを無償で助け合う友情という名の同盟を組んでいるようにね。
        ボクたちも決めていたんだ――互いの自身の問題が生じたとき、もし、独力で乗り越えられるものなら……助けを求めることはしないと。
        そういう盟約がなければ、いつか誰かの問題で、互いを潰しあってしまう可能性があるから。
        レネス君がギア君の顔を焼き、シロ君が自らの名前を背負ったとき……その可能性がボクには……他人が誰かも分からない欠陥製品の目でもわかってしまったんだ。
        だから、これは、キミたちが悪いんじゃない。ボクらの、不器用な生き方を、悪者にしてくれていい。         -- エクア 2011-11-04 (金) 02:05:18
      • （無理やりに動くと、ギリギリと骨と肉が擦れる音がする。かまわない、今言わなければ全てが無駄になる）
        それでもっ……！今のこの状況を見過ごしていれば、シロマル先輩は大学を去ることになります。
        いえ、リベラリズムの発達の遅れているこの国に彼の居場所はない……！！
        排斥されてきた人間だから、分かるんです、ここは、彼にとって最後の城だ。ここを失えばきっと、もう二度と僕らがシロマル先輩に会うことはない……！！
        レネス先輩、先輩たちは分かっているんでしょう……！！　僕らが分かることを、先輩たちが分からないはずがないのですから……！！         -- ホイム 2011-11-04 (金) 02:08:35
      • 何が、友情スか、何が本人のやりたいように、スか。そんなの……助けることができねー自分への言い訳だろ！！
        助けて欲しいって言わねーから助けねー！？　当たり前じゃねースか！！　助けてって言えばあんたらが傷つくから、そんなこと言えるはずがねーんだ！！
        助けて欲しくないわけねーのに、それを飲み込んで我慢して、それで一生シロさんに会えなくなって、それまで納得できるんですか！！         -- バージル 2011-11-04 (金) 02:15:02
      • ……ええ。それが、私たちの選んだ、強さですから。
        一生共に暮らすこと、生きること、そんなことはできないんですよ、バージル。
        いつか私たちは離れ、互いに違う道を行く。それがいつになるかは、分からないんです。
        突然の死別があるかもしれない。突然の別離があるかもしれない。
        それでも――互いに違う空の下で笑っていることを約束していれば。……私たちはそれだけで幸せなんですよ。         -- レネス 2011-11-04 (金) 02:17:30

      • ……わりぃ、ちょいいい話してるけど、待て
        （言葉を遮って、ランドに近寄る）

        （その顔を、見下ろし、数秒待つ） -- ゼンアード 2011-11-04 (金) 02:18:40
      • （レネスの論理に、苦々しい顔をして、ギアに押さえつけられている）
        （肩は怒りに震え、両手はきつく握られ、頬は持ち上がっている）

        （愉悦が、隠し切れないように）         -- ランド 2011-11-04 (金) 02:19:57
      • やりやがったな、テメエ……
        （そう。全ては茶番）
        （狙いは――別にある。この状況全てが策略だとするなら、布石であるのだとしたら）
        （それは荒削りではあるが、間違いなくセータ・シークエンスの策略）
        こいつらの狙いは――別だ……！！ -- ゼンアード 2011-11-04 (金) 02:21:47
      • ざまぁみろ…（小さく肩を竦めて笑う） -- バージル 2011-11-04 (金) 02:22:37
      • ……計画通り、とでも言いますかね。（暗く笑う） -- ホイム 2011-11-04 (金) 02:23:15
      • ……これで全部なら、俺らの勝ちだな。
        頼んだぜ、テレシア。（それは、勝利を確信した、全てを読みきった男の会心の笑み）

        （ランドが、バージルが、ホイムがこの場に揃っていれば）
        （こここそが目標だと、相手に思わせることができる。全ての防衛策をここに注ぎ込む一手を打ってくるはず）
        （全力でブラフを打った一撃が、今敵陣に食い込む）         -- ランド 2011-11-04 (金) 02:25:35
      • 評議会相手に交渉を持ちかけるなら、人質は俺でなくてもいいもんな……！！
        やられた、テメエ、考えやがったな。
        目標は――。EAT集会長だ。
        （異種族弾圧組織の長。ここを〆ることは、ランドたちにとって余りに大きい影響となる）
        （そう、チラシに紛れ込ませた嘘は一つではなかった。思い直せば、バトルロワイヤルのチラシにEAT集会長の名前が載っている時点で、おかしいと思うべきだったんだ）
        （ランドの押さえきれない哄笑を背に――２Fへと走り出す） -- ゼンアード 2011-11-04 (金) 02:29:47
  • シロマル・ルーデンスの問題・４ -- 2011-10-21 (金) 20:02:36
    • 学園祭。
      この大学の学園祭は、八月の終わりに行われる。
      修士課程の一ヶ月余りの休みの〆を飾り、学園に出向くことへの軟着陸として存在しているという説が実しやかに囁かれるが、
      実際のところ、娯楽に乏しい大学という閉鎖空間内で「本気」で遊ぶためには、それだけの準備期間が必要であるというだけの話で。
      つまりは学園祭前の一ヶ月という休みは、全てこの三日間に全てを発揮するために宛てられているといっても過言ではない。
      人間は退屈で死ぬことはないが、魔術師は退屈に殺されることがある。
      ましてや、閉鎖された大学という空間の中でいかに飽かず、充足し続けるかという永遠のテーマに肖り、
      その祭りは大学の規模に比例して、盛大で、華やかであることが義務付けられていた。 -- 2011-10-21 (金) 20:10:40
      • 魔術強化有りの腕相撲大会では、合計六十二人の猛者が利き腕を折って医務室へと運ばれた。
        大食い競争では胃の大きさを身体強化で四倍にした者、変化形の魔法で胃の空間を誤魔化す者、果ては新陳代謝を爆発的に高めることで消化を促した上で排泄物を便所へと転移させる者まで出た。
        この戦いは、調理者が「胃の中で64倍に膨れ上がるホットドック」を作ったことで軍配は調理者である第二教室のベルマール・錦戸（東洋系二世）に上がることとなった。
        中庭にはロープが張られ、その空間の中二時間逃げ続けられたら賞金10000Gという賭け鬼ごっこが行われている。
        空間跳躍で逃げようとした者を、オニが分身して体積で押しつぶす。しかしその空間跳躍はブラフで、実は変化したオニの中に隠れていることが判明し、実況者が囃し立てることで中庭が熱気に包まれる。
        と、屋台の並びのほうで大きな悲鳴と歓声が上がる。人の輪の中心で、一人の男子生徒が口から炎を吐いてのた打ち回っている。
        どうやら当たりを引いたらしい。屋台の看板には「本気辛フライドポテト　1/65565で君も漫画のような辛さを」とある。ご丁寧に漫画表現のために炎の魔法まで付与したフライドポテトが混ぜてあるらしい。 -- 2011-10-21 (金) 20:19:29
      • 例年通りの盛り上がりを見せる中、ラウドバンド・射ノ原は、いつか自分が飛び降りた屋上で、その眼下の景色を見下ろしていた。
        あまりにも、あまりにもいつもどおりのその学園祭の光景に、思わず失笑が漏れた。 -- 2011-10-21 (金) 20:21:42
      • （そう。こんなもんじゃないよな）
        （四年前、それこそ自分たちが入学した年、第三教室の「演劇」や第七教室の「催し」はこんなもんじゃなかった）
        （何せ、第三教室の「演劇」では劇中でイグノーベル賞授与が起こり、監督が逮捕されたという真逆のダブルインパクトを残し、その裁判の最中にオチが判明するという前代未聞の脚本だった）
        （第七教室の「催し」は、さらに語るに及ばない、大陸の七賢人の一人が、未だに牢獄に繋がれている理由の発端となったくらいだ）

        （そう、だから飽いている。いつもどおりのこの祭りに、皆は飽いているんだ。知ってる。俺は、知ってるぞ）
        （つまらないもんだよな、予定調和な祭りっていうのはな）ははは。         -- ランド 2011-10-21 (金) 20:28:18
      • そう、祭りなんだよ。
        派手に、やろうじゃねえか。

        （静かに立ち上がると、拡声器を片手に、満面の笑みを浮かべて――）         -- ランド 2011-10-21 (金) 20:30:20
      • 学園祭、楽しんでるか、お前らァ！！
        最初に名乗ってやるよ、第八教室、ラウドバンド・射ノ原だ、今日は俺のために集まってくれてアリガトサンキュー！！
        （ざわめき、指をさしてくる者たち、苦笑する者たち、何かを投げてくる者たち。馬鹿め、流石にこの高さじゃ魔術でブーストかけても命中しねーよ）
        （耳を澄ますに、罵声やブーイングが６割、囃し立てるのが４割ってところか、と眼下を見下ろして笑う）
        （なんだよ、皆ノリいいじゃねえか）         -- ランド 2011-10-21 (金) 20:35:36
      • はいはい声援アリガトーアリガトー！！
        ファンレターは第八教室まで直接持ってきてくれりゃ可愛い女の子はハグくらいはしちゃうぜ？
        つーか、お前らこんな学園祭でいいのかよ、こんなオマツリでいいのかよ。
        行儀よく収まっちゃってくれてんじゃねえかこの野郎ども。一人残らず愛してやるよ！！
        ハッハー、小さく纏まっちまって、それでもこの国の誇る魔術師の最高峰たる学園生かっての！！
        発想が貧困な魔術師とか、朝しか元気じゃない何かより役に立たねーよ。
        二つの意味でな！！
        （上手いこと言ってねーよ、帰れ！！と空き缶を投げてくる第七教室の鬼塚が目に入る）
        （つか、テメエ７割二年の頃目つけてた教室生寝取られた私怨だろうが、お前のとこの教室の女に手出されたくなかったら首輪でもつけとけってんだよ）
        （お、すげえ、ここまで飛んできた。あいつも四年間で面白れー魔術師になってんな）
        （気にせず続ける）         -- ランド 2011-10-21 (金) 20:42:17

      • （指を一本立て、宣言する）
        一つ。
        面白い催しを用意した。学園祭、一日目を飾るに相応しい催しをな。
        立案は第八教室ってだけで、お前らワクワクしてくるだろ。
        今すぐ俺をここから引きずり下ろして締め上げてえだろ。
        OK。そういう暴力性を遺憾なく発揮できる催しを、今日俺は持ってきた！！
        （抱えていたチラシを、ばら撒く）
        （まるで紙ふぶきのようにチラシが宙を舞う。視覚的な支配はすでにこれで終わったようなものだ）
        （たまにはホイムのやつも役に立つな、と立案者に心の中だけで感謝した）         -- ランド 2011-10-21 (金) 20:47:51

      • 簡単に説明するぜ、今バラまいたチラシには、ターゲットの顔と名前が書いてある。
        そいつらが「賞金首」だ！！　掴まえりゃそこに書いてある金額がそのまま懐に入ってくる！！
        手段は問わないが、魔術的な制限は掛けさせて貰うぜ、言っておく、これは「公認」のイベントだ！！
        大学全体にレベル２の魔術網を張った、これで第三階梯以上の魔術は一部を除いて使えねえ。
        大惨事にならねえための事前策だ。
        期限は今日の19時まで、それまでにチラシの人間から魔石を奪い、破壊したやつに賞金が入る！！
        （チラシに描かれているのは、協力者の顔。教師、外来、そして一部生徒にも協力して貰った）
        （土下座し、拝み倒し、時には強請り、賄賂をばら撒いた結果が、総勢124名のツワモノとして写真を連ねている）
        （その多くが教師であり、本来祭りの主体となれない者たちであることも、これだけの面子をそろえることが出来た）
        （この一週間、本当に地獄のような毎日だったが、それも今日で全てが終わる）         -- ランド 2011-10-21 (金) 20:56:53

      • ……おいぼんやりしてんなよ鬼塚、あぶねえぞそんなとこにいたら。
        もう――始まってんだから。
        （言うが早いか、その級友の首に肘が掛かり、周りの生徒を巻き込むようにしてラリアットが繰り出された）
        （流石、体育会の教授は話が早いというか、話くらい聞けというか）
        （『煉獄の体育教師』シルマール・エピデラ・ルーイック教授は自慢の筋肉を誇示するようにポーズをとり、こちらに向けて歯を光らせた）
        （正直に言おう、ありがたいけどキモい）
        勘違いさせたら悪いが、これは狩りなんかじゃねえぜ。
        賞金首とは言うが、お前らを制圧する一つの勢力だと思え。
        いいか、これは自分たちが主役の学園祭を守るっていう意味もあるんだ
        （にやりと笑う。もうすでに、何人もの生徒が現状を把握し始めている）

        （これは、フェスティバルではない……カーニバルだということに）         -- ランド 2011-10-21 (金) 21:03:11
      • さあ、おあつらえ向きの混沌だ、優等生な仮面なんか脱ぎ捨てて、祭りを始めようぜ。
        行くぞ――『第一回、学園バトルロワイヤル』開催だァー！！

        （その俺の叫びには返事はなく、あちこちで上がる怒号や悲鳴を心地よく感じながら）
        （俺はタクトを大きく振り――壇上から降りる）

        ――ミッションスタート。         -- ランド 2011-10-21 (金) 21:07:30
  • シロマル・ルーデンスの問題・３ -- 2011-10-11 (火) 03:06:17
    • （教室の扉を開け、中に。ふと、視界に飛び込んでくる足の裏）
      （シークエンス教授が、その両足を机の上に投げた状態で、天井を向き、瞳の上に濡れタオルを置いている）
      （失明隠しのバンダナが置いてあるところを見ると、やはり夏場は蒸れるらしい。私は起こさないように自分の席に着く）       -- テレシア 2011-10-11 (火) 03:08:25
      • （椅子の動く音に、濡れタオルをどけ、左しかない視界を向ける。テレシアの姿。気まずいことに、視線が合う。
        義眼を勧められているがどうしても一度捨てた眼窩の中身をもう一度埋めるという行為に生理的な嫌悪が抜けず、空洞の右目まで晒してしまったことに気づき、嘆息する）
        （それでも、それに気づかない、驚かない演技ができるテレシアに、このときばかりは感謝した）……戻ったか。
        悪いな、自主課外活動にしてしまって。         -- シークエンス 2011-10-11 (火) 03:11:05
      • （集めてきた資料を纏め、いくつかのレポートにしてしまおうと思っていたので、バインダーに挟む）いえ。……私たちも、理解はしていますから。
        （理解できているからこそ、首尾や、結果を……その憔悴したシークエンスに尋ねることはできなかった）
        （いつもならば益体のない会話が続く教室に、不自然な沈黙が横たわった）         -- テレシア 2011-10-11 (火) 03:13:21
      • （その優しさは、とても残酷だった。嗚呼、そうか、自分は……こんなにも誰かに守られていたんだなと、立ち止まると思う）

        正直……手詰まりだ。……悪い、これは、完全に泣き言だけどな。
        流石に……問題の規模が、でかすぎるんだ。……僕の能力から、逸脱するくらいに。         -- シークエンス 2011-10-11 (火) 03:15:42
      • （ほかならぬ教授が言うのだ。本当に、そうなのだろう）……そう、ですか。
        ……一つ、聞いていいですか、教授。
        何故、教授は……そこまで必死に、私たちの問題に、向き合ってくれるんですか。
        いえ……正確に言えば、シークエンス教授はもう、教授ですらない……私たちと同じ、ゼミ生なのに。
        （それは、自己犠牲といっていいほどの行動。瞳を失い、これだけの憔悴をする理由は……教授にはないはずなのに）
        （ずっと思っていて、でも聞けなかった質問だった）         -- テレシア 2011-10-11 (火) 03:18:18

      • （心に広がる空虚。腹の空洞よりも、もっと深いそれに、自分は無力感という名前をつけた）
        （何のために生き、何のために他人を救うのか。……そんなことは、ずっと前から気づいている）

        悪い、テレシア。
        今から話すことは、忘れて欲しい。
        今、僕は今までにないくらい追い詰められていて、その追い詰められた状態から、さらに何かを注いだのは、お前だから。
        これは、教授として、シークエンス教授として、お前に言う言葉じゃない。
        一人の……もう30台も半ばを過ぎようかって男が漏らす、弱音だ。         -- シークエンス 2011-10-11 (火) 03:21:39
      • 煙草を吸うことを覚えて、一服することを覚えたらな、僕は今までの人生を振り返る余裕ができてしまったんだ。
        今までがむしゃらに、ただ『スアルーガの門』についての研究を続けてきていたから、気づかなかったんだ。
        自分がいかに他人に依存して、他人の努力の上に成り立ち、他人の好意を踏みにじって生きてきたかを。
        そいつらはきっと優しいから、僕を責めたりなんかはしないだろうけど、それでも……僕はその恩の何分の一も報いてやれなかった。（過去形で、呟く）

        だから、そのとき思ったんだ。もう、残りの人生は、他人のために使おうって。
        今まで誰かに貰ってきたものを、返すために生きようって。         -- シークエンス 2011-10-11 (火) 03:25:15
      • ……笑える話でな、この歳で独身でいると、呑みの席なんかでは「生きてて楽しいか」なんて残酷な質問を笑いながらしてくるやつもいるんだ。
        家庭を持って、人並みの幸せを得ることが、人生の至上命題と思う層っていうのは、いつだって一定以上存在する。
        何より、僕がそうだからな。幸福そうにしている幼馴染を見ると、笑えるくらい羨ましいと思う時だってある。
        でも、そんな残酷な質問をされたとき、必ず心の中で答えるんだ。

        「今の人生は、楽しくなんかありません」って。
        この歳になると、身体にもがたは来る。昔みたいに無茶は出来ないし、日に日に増えていく白髪や抜け毛に悩まされる。
        老いが生きてる限り、何かの手段で止めない限り必ず訪れることは、今若いお前らにも理解でき、確たる恐怖として存在することだろう。
        ……僕も、だから老いるのは怖い。昨日できたことが、今日できなくなるのは、怖い。
        昨日好きだと言ってくれた誰かが、今日も一日分老いた自分を好きでいてくれるかは、怖いんだ。         -- シークエンス 2011-10-11 (火) 03:30:01
      • でもな。
        それでいいと思うんだ。
        僕の人生は、20歳まで、色んな人間に、色んなものを貰いすぎた。
        この先、何年生きるかは知らないが……僕はもう人生が楽しかったんだよ。
        キエルドがいて、アキがいて、レオンがいて……本当に、楽しかったんだ。

        だから、その楽しさを……僕以外のやつにも、知って欲しいだけなんだ。
        何かの問題で、先に進めなかったら。
        たった一つの障害で、躓いてしまったら。
        僕にキエルドやアキがいなかった人生が存在したら。
        それだけは――どうしても、僕には許せないんだよ。
        ただ、それだけの、我侭なんだ、テレ――。         -- シークエンス 2011-10-11 (火) 03:33:52
      • （いつの間にか、自分は立ち上がり、シークエンス教授の横まで、歩いていっていた）
        （堪えられない。涙を、怒りを、感情を。全てぶちまけてしまいたくなる）
        （いくつかの複雑な感情に苛まれながら、震える手を握り締め、言う）ふざけ、ないでください、教授         -- テレシア 2011-10-11 (火) 03:35:50
      • （涙は、苦手だった。でも、理由の分からない涙は、ただ困惑だけを齎して）
        （小さく、この歳にして狼狽してしまう）……テレシア。         -- シークエンス 2011-10-11 (火) 03:36:46
      • （涙で、視界が歪む）じゃあ……今の貴方が好きな私が、馬鹿みたいじゃないですか。
        今の貴方が好きな、他のゼミ生が、研究生が……馬鹿みたいじゃないですか。
        そんな理由で、助けて貰って、身を犠牲にして、本当に嬉しいと思っているんですか……？
        私たちが貴方の幸せを望むことが、それじゃあただの徒労になってしまうっ……！
        教授、貴方の右目を見て、バージルがどんな目をしているか、見たことありますか。
        私たちの問題にだけ向き合って、私たち自身を見ていないのなら、私は教授のそんな生き方は許せないっ！！（大声で、恫喝するように叫んだ）         -- テレシア 2011-10-11 (火) 03:40:25
      • （その詰問を受け。何も返せない）
        （自分の行為が、自己犠牲による自分の精神への慰めであることも、否定できないから）
        （助けられなかったという自責を、他人への奉仕精神で慰めていることも、また否定できない）
        （結局、自分の世界に自分しかいないから――今に至っても孤独であるという現実が、何よりそれを裏付けているような心地さえした）         -- シークエンス 2011-10-11 (火) 03:43:42
      • ランドの事件のとき、教授は言いましたよね。屋上から飛び降りたバージルを助ける方法は、百通り以上浮かんだってっ！
        その中に、一つでも私たちに助力を願った方法がありましたかっ！？
        私たちを頼るという選択肢が、一つでもありましたかっ！！
        バージルの事件だってそうです、少なくとも、私やレネスさんを同行させていれば、もしかしたら教授は右目を失わずに済んだかもしれないっ！！
        誰も、何も失うことなく、誰かに何かを背負わせることなく、幸福な結末を迎えられたかもしれない！！
        なんで……なんで、私たちを、もっと頼ってくれないんですか。
        なんで、自分が犠牲になって、全てのことを回そうとするんです。
        私たちは――誰かの不幸の上でしか得られない幸福を、笑い合えるほどもう子供じゃないんですっ！！         -- テレシア 2011-10-11 (火) 03:47:14
      • ……テレシア。
        ………（唇を、噛む）
        （辛い。自分が守ろうとした生徒に、逆に守られ、諭されている）
        （大人になったはずなのに。誰かを助けることができる力を――持ったはずなのに）         -- シークエンス 2011-10-11 (火) 03:49:25
      • 教授……もっと私たちを見てください。
        目の前に落ちてる石を、全て取ってくれなくても、私たちは歩けますっ！！
        コケて初めて知ることだってあるかもしれないっ！！
        私たちが子だとしたら、教授は親なんでしょう。だったら、親が傷つくことで傷つかない子がいないことだって、教授なら分かるはずですっ！！

        教授。怖いんですか。誰かに頼ることが。
        今まで必要以上に、他人に助けられた過去があるから。
        もうこれ以上他人に迷惑が掛けられないなんて思ってるんでしょう！！
        そんなの、私は許さない、そんな生き方、私はシークエンス教授が好きだから、許せないっ！！         -- テレシア 2011-10-11 (火) 03:52:27
      • （その姿は、激情は――本当に、誰かと重なる）
        （あいつが生き、僕に本音を零す強さを持っていたら――きっと、今の僕にはそう糾弾していたのだろう）
        （まだ、自分は他人の善意や助力の中で、泳いでいただけにすぎないのか）
        （35にもなって――本当に、僕は）         -- シークエンス 2011-10-11 (火) 03:54:53
      • 伝わってないなら何度でも言います、私はシークエンス教授のことが好きですっ！！
        私は男です、この愛が異常なことも、何かの代替であることすら知っているっ！！
        それでもっ！！その上でこうやって相手に伝えられることから、どれだけ好きかだけは伝わって欲しいと、ずっと思ってますっ！！
        振り向いてくれなくてもいい、この気持ちに応えてくれなくてもいい、私は、そこまで望んでるから貴方を好きなわけじゃないっ！！

        でも、そんな好きな貴方が、例えそれが自分でも「嫌い」だなんて、言われたら私は。本当に――辛いから。
        だから、私に好かれてる分くらいは、代わりに誰かを好きになれるくらい、人生を楽しんでほしいんですよっ！！

        （顔は、真っ赤だったろう。メイクも全て落ちていることを覚悟した）
        （今まで曖昧だった自分の気持ちを、全力で目の前の教授に向けて、叩きつける）
        （清々しかった。誰かを好きになれることが、こんなに誇らしいと思えることを、誰よりも目の前の教授に、知って欲しかった）

        （鼻を啜り、胸を張る。誰にそしられても、変態とさげすまれても――これが、私、テレシア・レヴ・イヴラスカヤの生き方だから）         -- テレシア 2011-10-11 (火) 04:01:02

      • （生まれて初めて。――本当に誰かを羨ましいと思えるほど、テレシアのその姿は堂々としていて、美しく）
        （初恋も、性別も、過去も……何も気にしないのだとしたら、きっと、その瞬間自分は恋に落ちていただろうなと、冷静な自分がそう思った）
        （笑う。笑顔を作ると、涙が零れた）……テレシア。お前は……本当にいい女になったな。
        （くつくつと笑うたび、涙が零れる。本当に申し訳ないが、笑いも、涙も止まらなかった）         -- シークエンス 2011-10-11 (火) 04:05:05
      • （叶わない思いは、冗談に。どうしようもなく辛い現実は、笑いに）
        （それが大人の生き方で、小器用な私たちの処世術だから）

        ――そうですよ？　知らなかったんですか？

        （だから、いい女な私は、シークエンス教授の言葉に、言葉を冗談に包んで笑い返すのだった）         -- テレシア 2011-10-11 (火) 04:07:45
    • （テレシアと教授のいる廊下で、腕組みをして天井を見上げている）
      ………。       -- ランド 2011-10-11 (火) 04:10:00
      • （ランドの横、バツが悪そうに頬を掻き、俯いている）
        ………。         -- バージル 2011-10-11 (火) 04:10:48
      • （いつも通り、何を考えているかいまいち分からない顔で、虚空を眺めている）
        ………。         -- ホイム 2011-10-11 (火) 04:11:39
      • （三人は、顔を見合わせると、コクンと頷く）
        （ランドの右手とバージルの左手、バージルの右手とホイムの左手、ホイムの右手とバージルの左手が、拳の形になってとんっと打ち付けあう）
        （再度頷き、教室の中の二人を邪魔せぬよう、三人は行動を開始する）

        （その瞳に迷いはなく）
        （その瞳に憂いはない）
        （第八教室の三馬鹿トリオは、だからそのとき、静かにその作戦を始めたのである） -- 2011-10-11 (火) 04:15:25
  • シロマル・ルーデンスの問題２ -- 2011-10-09 (日) 05:36:44
    • 以上。大学憲章第二十五号・及び四十二号規定を以って、シロマル・ルーデンスを三日間の拘留、後退学処分とする。
      大学の規定に従えば、こんなところだ。……何か反証はあるか、シークエンス元教授殿。
      （諮問室。黒幕の引かれ、人の姿のない小部屋。目の前のスクリーンに、大学の校証――剣と杖を持つ二人が、互いにその武器を打ち合っている図をモチーフにしたマークが映っている）
      （ゼンアード・ギュスネイブル評議長は、シロマル・ルーデンスの資料を自分の評議長席に投げ、スクリーンの右側でシークエンスに視線を投げた） -- ゼンアード 2011-10-09 (日) 05:41:58
      • いくらでも。（その挑発に、真っ向から乗る。抗弁の機会が与えられたということは、それだけ自分の発した叩き潰しておかねばならない意見だということ）
        （逆に厳重にそこまでを禁忌として忌避するなら、それこそが大学が突かれたくない穴にしか、どうしても思えない）
        （諮問機関――評議会の決定は絶対であることは、大学に長く在籍した自分は知っている）
        （だからこそ、この決定を決定にしてしまうわけには、いかない）
        そもそも憲章自体が違憲であるという解釈は主張として通りますか、評議長。         -- シークエンス 2011-10-09 (日) 05:44:57
      • 主張だけならな。ここで口にしちゃなんねーのは煙草くらいのもんだ。
        ……評議会、つまり国の大学運営機関の御前であることを考慮した上での発言ならば、いくらでも許可する。
        ただし、一応この部屋の番人を言い遣ってんだ……それなりにオレの方からも口出させてもらうけどな -- ゼンアード 2011-10-09 (日) 05:47:18
      • （目の前のスクリーン。これが、かつてバージルの事件のときに僕がテオドールと話したあの通信装置なのだとしたら）
        （この校証の先にいるのは、国そのもの――国営の大学の意思を、最終的に決定し、評議長に実行させる本当の意思決定機関）
        （つまり、敵は、国であるということだ。……なんだ、この人生。本当に……難易度が、高い）
        そもそも、この大学は隣国などに比べて著しく発展が遅れている魔法についての見識や研究を、広く、深くしていくためのものであるはずです。
        それが、何故ここまで人間以外の存在に対して排他的になったのか、そこから僕の意見を述べさせて貰います。         -- シークエンス 2011-10-09 (日) 05:50:57
      • 発言を許可する。（言いながら煙草に火をつける）
        （繋がっているのは音声だけなのでバレないと思っているのか、シークエンスに皮肉げな笑みを向ける） -- ゼンアード 2011-10-09 (日) 05:51:52
      • （こいつ……）この地域が開国された理由は、そもそもがエストナという国からの開国命令があったから、というのは義務教育でも教える歴史です。
        その際、この地を牛耳っていたのは、人間以外の種族――もっと詳しく言うなら、魔の血族だった。
        初代の王は人を使い、人の手と剣でこの国を開国した。その際、魔法によって多くの人間が死亡したというのも、表の歴史として記されています。
        そんな経緯を以って生まれた国がこの国であったから、魔法の発展については非常に排他的でした。
        エストナから完全独立した後も我が国は一部個人取引では行われていたようですが、国単位で魔道具を買い付ける、魔法技術を移入してくるといった取り組みは、開国後もしばらく行われなかった。
        これが王の方針なのか、国の方針なのかは知りませんが、その鎖国の状態を以って、この国は魔法の後発国となった。
        エストナがこの国を開国しようとしたのは、この国の土地が豊富な魔道資源を持っていたからという理由があるにもかかわらず、
        その魔道資源を地産地消できないようにしたのは、もしかしたらエストナがその資源を独占したかったからかもしれませんね。
        そうして、この国は魔術的に孤立した。先代の王の時代まで。         -- シークエンス 2011-10-09 (日) 06:01:42
      • そして王の世代交代が行われる。王の七人の息子のうち、最もリベラリズムに知識のある王子が王権を継いだのは、この国に取ってはいいことだったと個人としても思います。
        結果、魔術的な鎖国は解除され、これだけの大きい大学を以って研究と発展に取り組み、魔術産業の底上げを行うに至った。
        僕の位置からは何も見えませんが、それだけこの国が危機的状態にあったということは、大学設立までの歴史と、各地から奨学生を招く早急のやり方を以って、理解することは出来ます。
        そしてこの新王、二世と呼ぶべきでしょうか、この国の古くからの因習を踏まえたうえで、最も反感の少ない前提条件を付与する先見性も持ち合わせていた。
        この大学の中でもEATと呼ばれる異種族排他主義学科すら存在するわけですから、大学の入学条件を人間に限定することは、ある程度魔法の流入で嫌悪感を抱くであろう民に安心感を与えるのに十分な条件だった。
        名目上は拓かれた大学、開かれた国の新しい出発ということから、現在他種族の来国に関しては一切の制限がないですが、制限がないというだけで、年間数百人の異種族が行方不明になっていることも事実だ。

        それは、この国が抱える一つの歪みになりつつある。
        是正が必要であるという自覚があるからこそ、徐々に規制を緩和しているのでしょう、国は。         -- シークエンス 2011-10-09 (日) 06:09:32
      • ちょっといいか。（煙草を咥えたまま手を上げる）
        長々と講義ありがとうシークエンス教授。頭の悪いオレらにも建国の理由はよーく分かったし、それ以上にオメーがそれをちゃんと理解しているっつーのはよーく分かった。
        んじゃ、逆に聞くが、なんでオメーそこまで分かってて異議なんか唱えてんだよ。 -- ゼンアード 2011-10-09 (日) 06:11:58
      • さらに逆に聞きますが、ゼンアード評議長。今の問題を正しく理解しているということは、その問題が間違っていることもご理解いただけているんでしょう？
        だとしたら、この退学処分、ひいては異種族の入学が違憲であるという大学憲章自体がおかしいと、そういう発想はないのか？
        （多少イライラした様子でたずね返す）         -- シークエンス 2011-10-09 (日) 06:13:39
      • ワリーな。質問に質問で返すバカには、さらに質問で返すようにしてんだよ。
        じゃあ、何か？　オメーはそういうこの国の抱える問題の是正の一貫として、シロマル・ルーデンスの退学処分は不当だと、そう主張したいわけか？
        異種族排他主義はいけません、だからシロマルの退学は不当ですと。
        いやあ、立派な心がけだ。ぶっちゃけ今も街角で共同募金も行われてるしな、異種族排他主義への弾圧募金。本当に立派な人間だよオメーは（肩を竦めて拍手をする） -- ゼンアード 2011-10-09 (日) 06:16:30
      • 少なくとも、再考の余地はあるんじゃないかって言ってるんだ。
        ルールブックが間違ってるような状態でルールを守れといわれても、僕は納得できない。
        （射殺すような視線をゼンアードに向ける）         -- シークエンス 2011-10-09 (日) 06:17:40
      • んじゃ、聞くがよ（それは、明らかに声質の違う声。本物の怒りを内包した、相手を切り殺すための言葉）
        オメー……一回でもそういう募金に募金したことあんのか。
        常日頃からこういう問題に取り組んできて、粉骨砕身してんのか……？
        オメーな……あんまりオレを舐めんなよ、セータ。 -- ゼンアード 2011-10-09 (日) 06:19:29
      • お前こそ論点をズラすな、ゼンアード（怒りには怒りで、激怒には激怒で返す）
        （自分の主張は、何一つ間違っていない。勢いだけで押されるわけにはいかない）
        常日頃から問題視していなければ、間違ったルールに口出ししてはいけないのなら、そもそも王権民主主義自体が崩壊する。
        お前こそ何が言いたいんだ、はっきり言え、ゼンアード         -- シークエンス 2011-10-09 (日) 06:22:10
      • 昨日今日この問題を改めて考えてみたようなやつが知ったような口利いてんじゃねーっつってんだよ。
        普段何一つ興味なく、のうのうと生きてたやつが、いざ自分の身内に火の子が降りかかってきたから、対岸の火事に水撒きにいってるだけだろーが、テメーはよ。
        そんな物見遊山な気分で問題意識持ち出して、国になんか言えば通るとか思ってるなら、ちっと頭冷やせオメー。
        オレには、今のお前はルールを押し付けられて駄々こねてるバカにしか見えねーんだよ。         -- ゼンアード 2011-10-09 (日) 06:25:02
      • お前にそんなこと言われる筋合いはないって返していいかこのクソバカ。
        何度も言わせるな、僕が普段から問題意識を持っているかどうかなんて二の次なんだよ。
        主張の正しさを崩せないからって問題点を摩り替えるやり方で、何か解決するならいくらででも問答に付き合ってやるよ。
        ただ、もう少し理論的な反証――。         -- シークエンス 2011-10-09 (日) 06:27:17
      • （シークエンスの足元に、大学憲章を放る）――大学憲章に載っている。
        ……それで十分なんだよ。理解できるか？
        お前もこの憲章の庇護下にあり、その憲章に守られて大学生活を送ってきたんだ。
        なのに、都合のいいときだけ社会や規範と切り離された考え方で利益を得ようとするのは、大人のやり方じゃないだろうが。 -- ゼンアード 2011-10-09 (日) 06:29:49
      • いつから。僕らはルールに守られるのではなく、ルールを守るために身を犠牲にするようになった。
        それがルールだから、なんていう前提条件自体を飲み込むのが大人なんだとしたら、僕は子供でいい。
        間違っていることに間違っているといえなかった結果が、この魔術的鎖国状態に陥ったこの国の最初の間違いだったろ！！         -- シークエンス 2011-10-09 (日) 06:31:29
      • 子供には意見を言う自由も、参政権もない。お前が子供でいいというなら、今すぐこの部屋から出てけよ、セータ。
        （目を伏せ、煙草を吸う）……だったら、お前はどうしたいんだ。
        一体どうすりゃお前は納得して、笑顔でハッピーエンド迎えられるんだよ
        お前の世界のために、何を犠牲にすりゃいいんだ、オレらは。
        この国の成り立ちにまで話を飛躍させてよ？　昨日今日これを問題視したような人間にな？
        ルールや規範を変えるような力はねーんだよ！！ -- ゼンアード 2011-10-09 (日) 06:33:40
      • （独善的、利己的な理由からの、抗弁だということが、自分の主張の穴になることを、ゼンアードは知っている）
        （徹底的にそこを突く姿勢は――恩師だった頃と同じ、だからこその交通事故で、第八教室の教授だったんだから）
        ……僕は、そこまでの力を持っているとうぬぼれてるわけじゃない。         -- シークエンス 2011-10-09 (日) 06:35:33
      • だったら無理だっつーんだよ！！
        シロマルを退学にしないために、ルールを変えりゃいいのか？オレらは。
        お前が昨日今日調べたような、その問題について、何年も何十年も考えて、最適な緩やかさで着陸しようとしてるときに、お前は一人で飛び降りようとしてるだけだろうが。
        なんでそんな奴にパラシュート出さなきゃいけねーんだよ、なんでそんなやつに手厚い保護加えて特別扱いしてやんなきゃなんねーんだよ。
        だから言ってるだろ、オレを、この国を舐めるなって。 -- ゼンアード 2011-10-09 (日) 06:37:52
      • でも、これは誰かが主張しなければ、一生変わらないはずだ。
        この大学の設立だって、魔術方針の転換だって、そうやって出てきた意見なんだろ！！
        だったら、何の問題でも、どんな理由でも、誰かが火を起こさなければ、それが大きな炎となることはない！！         -- シークエンス 2011-10-09 (日) 06:39:48
      • （肩を竦め、ため息を吐く）
        （少しだけ距離を置き、紫煙を吐く）……なあ、セータ。
        昔話した、壁の中の人々の話、覚えてるか。
        覚えてなくていい。今改めてしてやるよ。

        ふと、お前が気づくと、お前は壁の中に閉じ込められていました。
        見渡す限り一面壁で、出入り口は一切ありません。周囲には自分と同じように気絶した人間が何人もいました。
        お前は壁を押してみる。叩いて、引いて、どうにか壊して外に出ようとする。
        でもダメだ、一人じゃどうにもならない。
        だからお前は寝ている人間を起こし、二人で、三人で壁を壊そうとする。
        でも、それでも壁は壊れない。壁だからな。……そして、へとへとになったお前に、同じくへとへとになった起こされた民は言うんだ。 -- ゼンアード 2011-10-09 (日) 06:43:48


      • 　　　　　　　　何で我々を起こしたんだ。
        　　――こんなことなら、眠りの中にいるほうが良かった。         -- 2011-10-09 (日) 06:44:40

      • ……お前がしようとしてる、無責任な行動の末路だよ。
        いいか、主義や主張って言うのは、外側に出しただけで、かなりのベクトルの力を持つんだ。
        自分以外の誰かが壁を壊してくれる、なんて……そんな甘いことを考えてるなら、そのカードは仕舞っておけ。
        ……永遠にな。 -- ゼンアード 2011-10-09 (日) 06:46:13
      • （覚えている。その話は。昔、ゼンアードが自分の恩師だったときにされた話だ）
        （そして、今ここで、それをもう一度聞くことになるのは……かなりの想定外だった）
        （心を、強く抉られたような気がして、開いた口から言葉が出なくなった）         -- シークエンス 2011-10-09 (日) 06:48:13
      • （無線通信を切り替える）オレだ。
        そうか。
        ……わりぃな、セータ。時間切れだ。……シロマルが、退学処分に納得したらしい。
        拘留期間中は主張が認められているが、本人がそれに納得したなら話は別だ。
        つっても、多分大学祭と被るから、あと四日は在籍させねーといけねーけどな、あいつ。
        ……その後、あいつが異種族であったことを発表し、正式に退学処分となる。

        セータ。……これが現実だ。 -- ゼンアード 2011-10-09 (日) 06:51:12
      • （奥歯を噛む）
        （あのプライドの高いシロマルが、どういう経緯で自分の退学を納得したか。それを考えるだけで胸が張り裂けそうになる）
        （自分の力に、才能に、明確な理由がついてしまったと、そう思っていないだろうか）
        ……面会は、できるのか。         -- シークエンス 2011-10-09 (日) 06:52:48
      • 本人が拒否している。
        （俯き）汲んでやれ、セータ。
        いや、シークエンス元教授。……あいつの、教師だろうが。 -- ゼンアード 2011-10-09 (日) 06:53:42
      • （無力感。全てに見放されたような喪失感に、全身に倦怠感が纏わりつく）
        （自分では。どうしようもできないことが、この世にあるのだと……事実を突きつけられたような気分になる）
        また……抗弁の機会が与えられるなら、四日後……大学祭後に。
        （それだけを言ったところまでは覚えている。ただ、その後どうやって自分の研究室に戻ったかは……全く覚えていない）         -- シークエンス 2011-10-09 (日) 06:56:27
  • シロマル・ルーデンスの問題 -- 2011-10-03 (月) 21:44:16
    • （外の様子を見ながら、欠伸を噛み殺す）
      暇だわ。暇っつーか、俺だけ世間から取り残されてるような気分になってる。
      なんでこんな大学祭シーズンになると気ぃ抜けるんだろうな。       -- ランド 2011-10-03 (月) 21:47:14
      • 申し訳ないですが、はっきりと断言しましょう。
        その学園祭に二日前まで超乗り気で、物凄い精力的な活動をされていたのに、
        付き合ってる彼女から三下り半をつきつけられたせいで、大学祭への興味が一緒に消し飛んだからでしょう。         -- ホイム 2011-10-03 (月) 21:48:54
      • つーか、オメー呪いの有無関係なしに普通にフラれてんじゃねーか。
        お前あの設定後付だったんじゃねーの。お前がモテないことへの。         -- バージル 2011-10-03 (月) 21:49:56
      • るせえ今死ね。すぐ死ね。すぐ死ぬと見せかけてからのフェイントを失敗してやっぱり今死ね。
        何もこの時期に別れ話持ってこねえでもいいよなあ、あいつも。少なくとも大学祭までは安パイだと思うじゃん？
        クリスマスを前に分かれるカップルっていないと思うじゃん？　だっていないと思うもの。         -- ランド 2011-10-03 (月) 21:51:47
      • あんたキモいもん。
        いつ何時、何をしていても息をしてる限りキモいもん。いつでも別れ話は飛んでくるに決まってるじゃない？         -- テレシア 2011-10-03 (月) 21:52:44
      • ランドはキモくないと死ぬんですよ。 -- ホイム 2011-10-03 (月) 21:53:40
      • そうだったの……ごめんなさい、冷たいことを、言ってしまって。
        私、ランドのことを誤解してた……生きるためにキモくないといけないなんて、そんな辛い呪いがあっただなんて、大丈夫、貴方は十分キモいから。早く死んでほしいくらいに。         -- テレシア 2011-10-03 (月) 21:54:52
      • 立ち上がってー、テレシアの手を引っ張ってリングロープに飛ばしてからのー
        （ぐいっとテレシアの腕を引くとつんのめりながらテレシアが引っ張られる）         -- ランド 2011-10-03 (月) 21:56:04
      • アックスボンバー！
        （アックスボンバー）         -- バージル 2011-10-03 (月) 21:56:35
      • （バージルの二の腕に顔面を打ち付けて倒れる）ふぎゃ！！
        って、あんた関係ないのになんで連携完璧に取ってるのよ！？　私何かした！？（鼻を押さえながら）         -- テレシア 2011-10-03 (月) 21:57:27
      • すまん。完璧にノリだった。
        （無表情でランドとハイタッチしながら）         -- バージル 2011-10-03 (月) 21:58:19
      • （満足げ）っつーかな、俺でキモいんだったら、多分40歳くらいまで独身であることが確定してそうな教授とか自害するレベルだぞ？
        多分あれはその内登場回数が減っていって、最終的にああ、そんなキャラもいたね、ポジションに収まる顔と見てる。
        多分五年後にはもう皆それぞれ落ち着いてしまって新しいジェネレーションが始動したことで完全に蚊帳の外に追いやられると思う。         -- ランド 2011-10-03 (月) 22:00:20
      • 何を以ってそこまで確信して言えるのかは分かりませんけれど、犯罪に走らないで欲しいというのは僕の意見でもありますね。
        まあ、男って多分死ぬまで性欲って衰えないでしょうし。10歳くらいの子供に手出さなきゃいいですけど。         -- ホイム 2011-10-03 (月) 22:01:31
      • 言ってくれればどうにかするのに……♥ -- テレシア 2011-10-03 (月) 22:02:13
      • もうどうにかしてんだろーがオメーはよ。 -- バージル 2011-10-03 (月) 22:02:45
      • （ドアを開けて）ネタバレ・ランドは死ぬ -- シークエンス 2011-10-03 (月) 22:04:30
      • この先どんな展開が！？ -- ランド 2011-10-03 (月) 22:04:57
      • ああ、お帰りなさい、教授、先輩がた。
        どうでした？　合訓。結構早かったんスね？（時計を見る）         -- バージル 2011-10-03 (月) 22:06:33
      • ……中止になりましたよ。正直、なんでああなるかは私にも説明できませんけれど。（メガネを直しながら自分の席につく）
        （多少不機嫌）         -- レネス 2011-10-03 (月) 22:07:43
      • （かなりボロボロの服装で現れ、席につく）俺悪くねーし。悪くねーし。
        喧嘩売ってきたの第六だし。っていうか、本当に俺悪くないだろ！！（珍しく荒ぶるシロマル）         -- シロマル 2011-10-03 (月) 22:08:59
      • （同じくボロボロの服で）うむ。そうだな。
        最初の一人までは正当防衛で片がつくが、20人以上となると正当でも防衛でもないだろう……がな。（どすんと自分の席に座る）         -- ギア 2011-10-03 (月) 22:10:14
      • （ボロボロの服で）あっはっは、若ければこういうこともあるのだと思えば、自分が若いと錯覚できるじゃないか。
        いやあ、久しぶりだよ、泥遊びなんて。結局のところボクは誰と戦ってたのかは分からずじまいだったけれど、やたら強かったな。         -- エクア 2011-10-03 (月) 22:11:39
      • 視聴者や私たちにも分かりやすいダイジェスト、ありがとうございます。
        ……まあ、私、第六第七と合同訓練って聞いた時点で、何割かこうなるとは思っていましたけど。個人的に。         -- テレシア 2011-10-03 (月) 22:12:36
      • シロマル。始末書な。
        あと謝罪文書け、報告書は僕が持っていくから、ついでにそのとき渡してきてやる。お前本人が行くと角が立つからな。（ため息と共に書類に取り掛かる）         -- シークエンス 2011-10-03 (月) 22:13:49
      • 嫌だね -- シロマル 2011-10-03 (月) 22:14:13
      • 書け。 -- シークエンス 2011-10-03 (月) 22:14:33
      • い　や　だ。 -- シロマル 2011-10-03 (月) 22:14:59
      • 書　け　っ　つ　っ　て　ん　だ　ろ　？ -- シークエンス 2011-10-03 (月) 22:15:33
      • 教授がテレシアと付き合ったら書く。 -- シロマル 2011-10-03 (月) 22:17:37
      • 私が書きます！！ -- テレシア 2011-10-03 (月) 22:17:58
      • ややこしくなるから座ってろテレシア！
        ほう、いい度胸だなシロ。（立ち上がり手を鳴らす）現役のとき思い出すわ。お前僕が知ってる中でも最高に態度悪い後輩だったな、そういや。         -- シークエンス 2011-10-03 (月) 22:19:18
      • そりゃ、素行が悪いことで有名なシークエンス先輩の教育の賜物では？（立ち上がって肩を竦めて笑う）
        俺が悪いことしてないのに謝るっていうのは、論理的におかしいよね？　あっちが謝ってくるならまだしも。         -- シロマル 2011-10-03 (月) 22:21:02
      • シロマル。（ぴしゃりと名前を呼ぶ）
        シークエンス教授も。苛立つのは分かりますが、それをそのままにするのは如何かと箴言します。         -- レネス 2011-10-03 (月) 22:22:04
      • レネスも来いよ。昔みたいに一人で俺を止めれると思ったら大間違いだぞ？
        生きることがすでに修行な僕が四年で全く進歩がないなんて思ってないだろうけどな。（くいくい、と手招きする）         -- シロマル 2011-10-04 (火) 03:22:03
      • ……貴方半ばこの状況が面白くて煽ってるんでしょう。
        付き合いませんよ、貴方のそういう稚気には。そろそろ落ち着いたらどうです。論文の一つも書くとか。
        大体貴方はそれだけの有り余る才能を持っていながら、学会での知名度が少なすぎではないですか？今や自画自賛になってしまいますけれど私の名のほうが良く通る。
        これは、旧友、そして学友としては非常に悲しい事態なんですよ、分かっているんですか、シロマル。         -- レネス 2011-10-04 (火) 03:26:21
      • （お母さんだ……） -- ランド 2011-10-04 (火) 03:27:24
      • （お母さんだ……） -- バージル 2011-10-04 (火) 03:27:47
      • （お母さんだ……） -- ホイム 2011-10-04 (火) 03:28:12
      • （お母さんだ……） -- テレシア 2011-10-04 (火) 03:28:29
      • 何度も言わせるなよ。論文っていうのは条件を決定して、その上での試行によって出た結果を基にしたものだ。
        俺の周囲でしか成立しない数値と結果で、誰がそんな論文評価してくれると思ってるんだ。
        シロマルエフェクトがある限り、論文とは縁がない大学生活送るよ、俺は。         -- シロマル 2011-10-04 (火) 03:30:50
      • 本当に貴方生来のこと何も考えていないんですね。頭が痛いですよ同教室生として。
        私は六年前に宮廷出向しました。エクアも相貌失認のハンデがありながら出向していた。
        ギアだって長期エーテル採掘で研修を経てきているのに、貴方だけが何もしていない。
        ……別に小言を言いたいわけじゃないんです。貴方、この大学にいて、楽しいですか。
        明確な目的もない者にまで、ここは門戸を広げる場所ではないはずです。         -- レネス 2011-10-04 (火) 03:37:37
      • レネスくん。
        それもまた、言いすぎだ。シロくんには、シロくんなりの考えがあるのかもしれない。
        それを否定しての発言は、君のもっとも嫌う苛立ちを載せた言葉だとボクは思うね。それに、ボクたちを引き合いに出すのもまた卑怯だ。         -- エクア 2011-10-04 (火) 03:39:01
      • （エクアに言われ、知覚眼鏡を持ち上げる）……そうですね。すみません。失言ではありませんでしたが、言い方に問題がありました。
        ただ、本心ではあるんです。……貴方、大学にいて、飽いてるんじゃないですか。
        残念ながら、貴方の魔力はズバ抜けている。正直なところ、この大学でも比肩できる人間は軒並み肩書きに大教師がついているくらい、にです。
        本来、比肩する対象としては私たちが適切なのだとしたら……貴方のその飽きは、悔しいじゃないですか。         -- レネス 2011-10-04 (火) 03:41:59
      • ……真面目に分析されると、居心地悪いって。やめてよ。
        俺がこういう性格なのは生まれつきだし、誰かのせいにするつもりはない。
        レネスたちは確かに全力出せないけど、だからって常に全力で戦い続けることが楽しいっていうような戦闘狂いじゃないよ、俺は。
        ……そんな風に、真面目に俺のこと考えられても、居心地悪いわ。         -- シロマル 2011-10-04 (火) 03:47:04
      • ツンデレ激萌えだね（おや、照れているようだ、ははは、レネスくん美しい友情じゃないか） -- エクア 2011-10-04 (火) 03:47:59
      • うむ……思考が口から漏れてるだけならまだしも、声に出てる部分と出ていない部分も、大差ないな、エクア。 -- ギア 2011-10-04 (火) 03:48:58
      • おや、ギアくんにはボクの考えてることまで分かるのかい？ -- エクア 2011-10-04 (火) 03:49:34
      • ああ。読んで欲しくなければ、よだれを拭け。 -- ギア 2011-10-04 (火) 03:50:15
      • （どうでもいいけど教室うるさいし、いつの間にか話の主軸レネスに移ってるし）
        （もう20行分くらい自分話してないわでイライライライラしながら机を指で叩いている）

        （ただ、蚊帳の外だったからこそ、ふとドアのガラスに動く影を見つけて）
        （それが開く瞬間までを見て、いられた）

        （次の瞬間、白装束に身を包んだ男たちが、一気に雪崩れ込んできた）         -- シークエンス 2011-10-04 (火) 03:54:22
      • （入り口に最も近い場所に移動していたので、反応もできずに刺す又状の捕獲棒で押さえ込まれる）
        ――なっ！？         -- ランド 2011-10-04 (火) 03:55:51
      • なっ！ランッ…！！（叫ぼうとして、同じように捕獲棒が身体を押さえ込む）
        （壁の本棚に叩きつけられ、参考書の束がばさばさと落ちる）         -- バージル 2011-10-04 (火) 03:57:28
      • （この場で、対集団戦制圧力があるのは、自分であると判断していた）
        （レネスの能力は何人までを、そしてどこまでを『停止』させることが可能か分からず、ホイムのものは対象が一つと決まっている）
        （エクアの能力は室内では圧倒的に不利だし、ギアに関してもそうだ。だとしたら、シロマルは自分を援護するはず、と四階梯上の詠唱を短縮詠唱を交えて行う）         -- テレシア 2011-10-04 (火) 04:00:00
      • （テレシアの読みは当たっていた）
        （もしランドが無事ならば、ランドのほうが対集団魔法の発動は早い。自分が援護してやれば催促の拘束手段だったのだろうが、すでに相手の手に落ちているのなら、ここはテレシアだと判断した）
        （この四年で、シロマルエフェクト自体を治めることはできなかったが、その強弱を誰かに向けることが出来るようになっていた）
        （テレシアも、他の第八教室の面々もそれを知っている。だからこそ、最速の連携で、外部からの闖入者を拘束しようと――）         -- シロマル 2011-10-04 (火) 04:03:00
      • やめろ。手を出すな！！

        （魔法の集中を乱す目的もあったが、思ったよりも大きな声になってしまった）
        （反射的にテレシアが魔術の構築を解く。解けていった精霊魔法が八階梯のそれとしり、めまいが起こる）
        （もう少し穏便に解決しようとは思わないのか。それでも、僕の一声で魔術を解くのは、可愛い限りだが）
        やめろ。
        敵じゃない。
        （今度は落ち着かせることを目的に、静かな、努めて冷静な声で、言う）         -- シークエンス 2011-10-04 (火) 04:05:52
      • （白装束の面々が、号令によって捕獲棒を掲げる）
        （ただ、ランドとバージルを押さえ込んでいる者だけは、そのまま押さえ込み続ける）
        （見れば、その二人の手から魔術の構築が解けていく）
        （異常な事態に最初に気づき、対処しようとした二人を、白装束は押さえ込もうとしたらしい）

        （白い人垣が、割れる）
        （真ん中から、一人の白衣を着た男が現れる） -- 2011-10-04 (火) 04:10:15
      • これは。どういうことですか。
        何故……こんな。         -- レネス 2011-10-04 (火) 04:11:06
      • 緊急を要したもので、無礼を許していただきたい。
        抵抗がないのならば、伝えるべき事実を伝え、その身柄を一時預からせていただくだけで済む。
        ご協力、感謝いたします、シークエンス第八教室長、いえ、今はレネス・ファイルカスタム氏が室長でしたかな。 -- 評議長 2011-10-04 (火) 04:13:31
      • 随分と、荒々しい登場に、僕も正直驚いたがな……評議会だ。こいつらは。（教室生に向けて言う）
        大学の、意思決定機関だ。抵抗すれば、立場は不利になる。でしょう、評議長。
        しかし、身に覚えがないことも事実だ。……何故、こんな強行に出た。         -- シークエンス 2011-10-04 (火) 04:15:24
      • ご協力いただき、感謝します。
        書状を。（言うと、一人の白装束が前に出て、書状を開く）
        ……シロマル・ルーデンス君。

        血液検査の結果。……あることが判明した。
        …………君は、クォーターエルフだ。身柄を預からせて貰う。 -- 評議長 2011-10-04 (火) 04:17:52
      • （その言葉は。シロマルの身体を貫き）
        （いとも簡単に、地面に縫い付けた）
        （崩れ落ちそうな衝撃を受けながら、口を開閉させる）         -- シロマル 2011-10-04 (火) 04:18:56
      • ゼンアードッッ！！！
        （激昂し、その名を呼ぶ）
        （視界の先……ゼンアード・ギュスネイブル評議長が）
        （まっすぐ、僕を向く）……ふざけるな。それを今ここで、こいつらの前で言う意図は何だぁ！         -- シークエンス 2011-10-04 (火) 04:21:14
      • （シークエンスの激昂もどこ吹く風で、目配せをし）事実だ。証明書も出ている。
        そして、この大学は……異種族の外来は受け付けていても、異種族の入学は受け付けていない。
        ……明確なルール違反は、取り締まらなくちゃなんねーんだよ。その程度のこと、分かっていただきたいものですね。シークエンス教授。 -- ゼンアード 2011-10-04 (火) 04:23:31
      • 教授。……いいです、行きます。
        ……諮問に掛けられるなら、真実を知れるなら、俺行きますよ。
        （どこか憑き物が落ちたような顔で）         -- シロマル 2011-10-04 (火) 04:33:37
      • ………（苛立たしげに机を蹴る。白装束たちが音に反応して捕獲棒を構える姿がさらに苛立つ）
        ……だそうだ。ゼンアード。僕も同行する。
        それについての異論も、大学憲章には載ってないはずだな。（敵意と悪意を込めて言う）         -- シークエンス 2011-10-04 (火) 04:35:13
      • ええ。問題ありません。
        参りましょう、諮問室へ。ご同行願います。
        二人の拘束は解いていいぞ、用は済んだ。
        （ゼンアードが言うと、評議会の白装束がようやく捕獲棒をどけた）
        （その場に他のゼミ生を残し、白装束たちに連れられ、シロマルとシークエンスは教室から出て行った） -- ゼンアード 2011-10-04 (火) 04:37:12
      • ゼンアード、教授……。
        貴方は、何を……。         -- レネス 2011-10-04 (火) 04:37:48
      • （そのレネスの言葉に振り返り）その質問じゃ、10点だな。
        ……ゼンアード、評議長、だよ。
        （元第八研究室教師、ゼンアード・ギュスネイブルは……決別の言葉のようにきっぱりとそう言い）
        （白装束の最後尾から教室を出て行った） -- ゼンアード 2011-10-04 (火) 04:39:26
  • 　
  • 　
  • 　
  • バージル・イレーリオの手記 -- 2011-10-02 (日) 21:34:20


    • 　　　　　　　　今日も、いい一日だった。


       -- 2011-10-02 (日) 21:35:48


      • 　　　　　　　だから、明日のオレも、頑張ってくれ。


         -- バージル 2011-10-02 (日) 21:36:35


      • （日記を、閉じる）


        「ああ……任せとけ」


         -- バージル 2011-10-02 (日) 21:37:38
      • 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　バージル・イレーリオの問題・了 -- 2011-10-02 (日) 21:38:27
  • バージル・イレーリオの問題・７ -- 2011-10-02 (日) 02:47:52
    • （夢を――見た）
      （見覚えのない場所の、夢を）
      （前を歩く、少女。笑顔で何かを話しかけてくる）
      （楽しげに、くるくると変わる表情）
      （跳ね、跳び、また笑う。そうだ……オレは、いや、違う。僕か？　僕は、こいつのことが好きで）
      （――大好きで）       -- バージル 2011-10-02 (日) 02:50:12
      • （大好きだったのに。助けられなくて）
        （僕の目の前で、あいつは、僕に助けを求めながら、その身体を……化け物に）
        （違う）
        （これは、オレの記憶じゃない）
        （感応反応。強い魔力の反応で起こった、記憶の共有現象）
        （だったら、この記憶は――）

        （オレは、僅かな揺れで、目を覚ました）         -- バージル 2011-10-02 (日) 02:52:19
      • （背負っていたバージルが身じろぎした。どうやら、起きたらしい）
        （いい加減、細身とはいえ、自分より背の高い男を背負い引きずりながら歩くのにも疲れてきたところだったので、正直ありがたかった）
        起きたか、バージル。
        歩けるか？　……歩いて貰わないと、僕はそろそろ限界だけどな。         -- シークエンス 2011-10-02 (日) 02:54:18
      • （引きずっていた足で、地面に立ち、肩を貸してもらう形になりながら、歩く）
        （全身が痛い。シークエンス教授。何か聞きたいことがあったはずだ。だけど、オレの口から出たのは、全く関係ない一言だった）
        ……女の子の、夢を見ました。
        ……金色の髪の。女の子。……名前は。         -- バージル 2011-10-02 (日) 02:56:30
      • （そうか。アグニの再召喚で、感応反応が起きていたか）
        （ため息を吐く。よりにもよって、見られたくない記憶をチョイスして流れ出したものだ）
        （だが、それはお互い様か、と歩を止め、バージルを縁石に座らせる）

        イグナイト。
        ……イグナイト・ヴィシュヌヴァルナ・ミトラローカパーラ・アータルアーリア。
        （その名前を言う。今も、片時も忘れたことのない、その名前を）         -- シークエンス 2011-10-02 (日) 02:59:55
      • （縁石に座らされ、対面の縁石に、シークエンス教授が座る）
        （その長い名前に、聞き覚えはなかった）
        いえ、違います……オレが見たのは、もっと……短い。         -- バージル 2011-10-02 (日) 03:01:16
      • ……そうだな。（左手で、煙草を出す、一本咥える。右目はその場で簡易包帯で巻いたが、流石に砕かれた眼球を戻す力はなかったので、未だに痛む）
        これだけで、気づけって言うほうが、普通は無理なんだよ。
        （自分に聞かせるように呟く）もう一度言うぞ、バージル。
        イグナイト・ヴィシュヌヴァルナ・ミトラローカパーラ・アータルアーリア。
        ……気づくわけ、ないんだよ。偏屈な僕でなかったら。

        頭文字をとったら、あいつの名前になるなんて。（火のついた煙草を、一度だけ吸った）         -- シークエンス 2011-10-02 (日) 03:04:15
      • （その、強調された一語ずつを、拾い上げる）
        （頭の中で組みあがる、一つの名前）……イヴミア。（思わず、名前を呟く）         -- バージル 2011-10-02 (日) 03:11:20
      • イヴミア・シークエンス。
        ……僕の、実の妹だ。

        聞かせてやるよ、いい機会だ。
        多分、お前みたいな若者にとっては……こういう年長の失敗談のほうが、元気になるだろうしな……。         -- シークエンス 2011-10-02 (日) 03:12:55
      • ……僕の本当の初恋はな、実の妹だったんだ。
        僕は妹のイヴミアが好きで、イヴミアも僕のことが好きだった。
        もしかしたらそれは家族愛の延長にあった、ただの庇護欲と保護欲だったのかもしれないけどな。
        でも、あの日、僕と共に遊んでいたイヴミアは、唐突に開いた門から出てきた化け物に食われて死んだ。
        それが、お前の見たらしき映像なんだろう。……今でも、目をつぶると思い出すからな、あの日の光景は。         -- シークエンス 2011-10-02 (日) 03:21:03
      • 結果……僕は家族から見放された。両親が隣国に行くときも、姉だけを連れて行くくらいにな。
        妹は、特に優秀で、両親から可愛がられてたからな。……明確な拒絶があったわけじゃないけど、僕の居場所はあの家庭になかったんだ。
        だから、この町で冒険者を始めるときも、何の迷いもなかったし、一人で暮らすことにも慣れてたんだ。
        幸い、キー……幼馴染と言えるやつらも、多かったしな。         -- シークエンス 2011-10-02 (日) 03:23:58
      • ただ。
        恋はできなくなってた。
        僕は……ずっと、イヴミアを奪われたことは、妹への後ろめたい恋愛感情を抱いていたことへの、罰だと思ってたんだ。
        だから……明確に、自分の家族愛の延長線上に恋愛感情が存在するという疑惑が払拭できない限り、踏み出せずに居た。
        好きになった相手は、いたんだよ。
        でも、ダメだった。
        家族みたいな連中だったからさ。
        ……また、イヴミアの二の舞になるなら、僕は一生独りでも、いいと思ったんだ。         -- シークエンス 2011-10-02 (日) 03:26:12

      • （顔を、押さえる）でもな。
        あいつは、また僕の前に現れた。
        イグナイト・ヴィシュヌヴァルナ・ミトラローカパーラ・アータルアーリア。そんな名前を名乗りながら。
        僕を恨んでいてもいいのに。
        僕を憎んでいてしかるべきなのに。
        ……僕を、助けるために。
        そして今日、また。僕は……あいつに、頼ってしまった。
        今度こそ、僕があいつを……助ける番だったのにな。         -- シークエンス 2011-10-02 (日) 03:29:10
      • ……お前が、ランドの問題に、あんなに肩入れしてたのは、
        頭の片隅でランドがどういう状況に置かれていたか、知ってたからなんだろ。
        同じように……ろくに調べもせずに、この村の場所が分かったのは、
        やっぱり、心のどこかで……ずっとお前は妹を思ってたんだ。
        ……僕は、お前を慰めるとしたらそう慰める。         -- シークエンス 2011-10-02 (日) 03:32:12
      • （ボタボタと、涙が、滴る）
        オレは……でも、許されるとは、思いません。
        辛いじゃないですか。……苦しいんすよ。
        教授なら、分かるでしょう……自分が、自分さえ、もっと上手く生きていたら。
        死ななくていい人間が、大勢いたのに……。
        なんで、教授は、こんな気持ちを抱いたまま、生きていけるんですか……。         -- バージル 2011-10-02 (日) 03:35:54
      • ……そうだな。
        許しなんか、ない。
        物語なら、区切りがある。
        小説なら、終わりがある。
        でも、人生は、終わりはない。
        失敗しても、致命的な間違いを犯しても……続いていくんだ。
        ……それでも、続けていくんだよ。
        辛く苦しいからこそ、その辛さや苦しさすら背負うことが出来なかった誰かのために。
        ……辛いだけの次の一歩を踏み出すんだ。         -- シークエンス 2011-10-02 (日) 03:38:38
      • （涙をこぼしたまま笑い）……今日は、厳しいんですね、教授。
        （鼻を啜り、歯を食いしばる）
        （辛い。耐え難いほどの苦しさが、胸の中で蟠る）
        （こんな苦しみを持ったまま、自分は明日からもいきていかないといけない）
        （自分のために……命を投げ打ってくれた、誰かのために）         -- バージル 2011-10-02 (日) 03:40:28
      • 今日は教授と生徒でなく。
        ……一人の男と、一人の男だからな。
        （どこか掠れたような笑顔で、小さく笑った）         -- シークエンス 2011-10-02 (日) 03:43:11
      • （涙の溜まる笑顔で）……そんなに、上手くいくんですかね。
        こんなに辛い辛さを乗り越えて。
        明日、新しい一歩を……オレは、本当に踏み出せるんスか。         -- バージル 2011-10-02 (日) 21:26:00
      • 安心しろ。
        （紫煙を、一度だけ吐き出す）
        お前より先に歩き出して、30年間誤魔化し続けた先輩が、お前の目の前に居る。

        そう、悪くない人生だったよ。
        ……今に至って、そう思う。
        本当に……そう、思うんだ。         -- シークエンス 2011-10-02 (日) 21:27:40
      • それは。何より。
        今の俺には、何より嬉しい、言葉ですよ。教授……。

        明日のオレに、伝えたいくらいの。
        （こぼれる涙は、止め処がない）
        （明確な終わりも、エンドロールも、幕引きさえなく、人生は終わらず、続いていく）
        （それでも、生きていかなければならない）
        （辛さも、苦しさも――傷だらけの両手で、引きずりながら）         -- バージル 2011-10-02 (日) 21:30:50
  • セータ・シークエンスの問題 -- 2011-10-01 (土) 22:06:17
    • 鈍痛。
      覚醒し、痛みを自覚すると、すぐに激痛へと変わる。
      記憶が混濁している。自分は、どうなったんだ。
      目を片方ずつ開くと、どろりとした血液が右の目を犯す。
      左手を瓦礫の中から引き抜き、指先で瞼を拭い、視界を確保する。
      元は建物であったろう礫が身体からカラカラと落ち、乾いた音を立てた。

      霞む視界で、蠢く竜の肢体。
      そうか、僕は……殺されて、ない。まだ、生きている。何故。 -- 2011-10-01 (土) 22:13:10
      • 砂礫を払い、立ち上がる。
        殴られた衝撃で身体は軋んだが、なんとか立ち上がれた。
        吐き気がないのが幸いだが、体中に擦過傷が出来、身体がぎしぎしと軋む。
        古傷も開いたらしく、ぱっくりと裂けた額傷から、真っ赤な血が流れ出して、右目の視界を塞いでいる。
        ……自己分析は、こんなところでいい。
        状況分析のほうが、先だ。よろめく身体で指先で魔方陣を描き、ソナーを飛ばす。 -- 2011-10-01 (土) 22:16:51
      • 同時に、見上げる。
        その、竜の巨躯を。
        当然の疑問だが、何故この化け物が自分を殺さなかった。
        ソナーが返ってくる。生体反応は二つ、目の前の竜と、瓦礫の向こうに、人が倒れている気配。
        呼吸はしている。バージルは生きているらしい。ただ、今さっきまでの自分と同じように、気を失っているか。
        もしくはどこか怪我をして立ち上がれないか、どちらかだろう。
        視線で少しだけ確認すると、どうやら前者らしく、一つだけ懸念事項が消えた。 -- 2011-10-01 (土) 22:18:53
      • 「……目覚めたか、人の子」

        声ではない。
        竜が爬虫類と同じ生態をしているのだとしたら、彼らに声帯はない。
        なので、その声らしきものは、直接脳に伝えられる、情報そのものだ。
        しかし。
        それは、異常だ。余りに、異常すぎる。

        理性を失い、感情を失わせた末の化け物（アンチェイン）化なのだとしたら、そもそも人語を介せるわけがないのだ。
        意思の疎通が出来るのなら、そしてこの状況において対話を望むのならばと、
        僕はその竜を見上げる。 -- 2011-10-01 (土) 22:23:40
      • 「解せぬ、といった顔だな、人の子よ」
        「ああ、生憎と。僕の思考論理の上で、僕をこの状況で生かしておく選択肢は、一つもない。
        　こうやって、対話を望むっていうことは、何かを要求するためだ、くらいしか推測できないね」
        言葉が通じるのならば、弄せるはず。こと、言葉に関してはこちらも専門職だ。
        その、自分のはるか頭上にある顔に向かうと、その竜の瞳に確たる意思が宿っていることに気がつく。
        同時に、その頭に取り付けられた何らかの装置が、自分の予測した「アンチェイン」という存在である何よりの裏づけであることも、確認する。

        「状況は、大体つかめたと見ていいようだな」
        「勝手に、納得するな。
        　今さっきまで、脳震盪で倒れてたんだ。何一つ理解できない、この状況を」 -- 2011-10-01 (土) 22:40:18
      • 片手で、煙草を咥える。打てる布石は、全て打っておいた方がいい。
        煙を媒介にした魔術が、この相手にどれほど通じるかは知らないが、音声では届ききれない場所に魔法を撃つのに、役立つだろう。

        「……「アンチェイン」、僕らはそう呼んでいるが、そう呼ばれることで気分を害すなら、
        　名を教えてくれ、巨竜」
        「不要。我の目的に固体認識は不要也。
        　……望むことは一つ、日々の暇を埋めることのみ        」
        「芸でもすれば見逃してくれるのか。
        　初撃は、戯れの一撃では合ったけれど、一発殴っておいて友好関係を築こう、なんて条件を出してくると思うほど博愛主義じゃない。
        　それに、予測した貴方の出自を考えれば、友好的な関係をこれから築ける相手には、思えない」
        「笑止。
        ――言わぬよ、斯様なこと。

        　ただ望むことは、供物。貴様の苦しみだ        」 -- 2011-10-01 (土) 22:53:22
      • 「分かるか。万物の長物となり、君臨する種族であるはずの我らが、
        　その権能どころか理性までを剥奪され、野獣として生きる苦しみが。
        　貴様ら人が我に施したその辱めにより、我の受けた屈辱が。
        　飽いている。ただ、それだけの理由だが、それは我にとって十分足る条件でな。捧げよ。さすれば慈悲深い我は片割れは帰そうぞ        」
        「……成る程な。
        　頭の悪い僕でも、十分に理解できたよ。
        　本当に十分だ。まさか、生まれてきて30年、人間を代表するときが来るなんて、思いもしなかったけどな」
        言葉では虚勢が出た。
        だが、その出された条件は圧倒的に地獄のような様相を呈している。

        バージルを助けるために……死ねと、そう言われているのだ。
        しかも、その取引には圧倒的な有利不利が存在し、反故にされる可能性すらも孕んでいる、最悪の取引だった。 -- 2011-10-01 (土) 22:58:25

      • 煙草を吸い。
        考える。

        思い出していた、今までの人生を。
        そう、悪くない人生だったと思う。
        それなりの波乱はあったが、平凡で、平坦で、愛すべき、自分の人生。
        未練がないかと言われれば、嘘になる。
        ただ……それでも。自分のために命を張ってくれた人が居た。
        苦しみの中で、最後に自分に手を伸ばしてくれた人が居た。

        自分を、好きだと言ってくれた人が居た。
        「……本当、いつまで、引きずってるんだろうな、僕は」

        あいつの匂いのする煙を吐き、小さくつぶやいた。
        僕はでも、そんな自分のために命を、自分を賭けてくれた人たちに報いるためにも。

        賭けるべきときに、自分の命を賭けれない人間には、なりたくないから。

        「分かった。
        　その条件、飲もう……。
        　悪いが、無作法でな、何をしていいかが、全く想像つかない、ご教授もらえれば、嬉しい限――」 -- 2011-10-01 (土) 23:07:34


      • 　　　　　　　　　「――目を抉れ」


        -- 2011-10-01 (土) 23:11:08
      • ………。無言。
        この、突きつけ方を、人間の精神構造を見抜いているのだとしたら。
        この竜は、これが始めてのことではない。
        覚悟していた自分の覚悟を、吹き飛ばすような一撃は……拭おうとしていた恐怖を、胎の底から掬い上げ、塗布してきた。
        冷や汗が、頬を流れる。

        「……分かった」
        承諾の言葉は短く、それ以上の言葉は、紡げなかった。 -- シークエンス 2011-10-01 (土) 23:14:39

      • 喉を、張り付いた喉を生唾がこじ開ける。
        目を抉られるのとは、話が違う。
        これは――自分で始め、自分で終わらせなければならない。開始の合図は、自分で行うのだ。

        方法も、自分で探さなくてはならない。
        何一つ条件が提示されず、ただ目を抉れという指示だけが告げられたのだ、その方法の模索から、すでにやつにとっては苦痛という名の供物なのだろう。

        僕は、震える左手を、持ち上げ。
        ――指先を、目の内側に、沿えた。 -- 2011-10-01 (土) 23:18:24
      • 人差し指が、眼窩に侵入する。震える指が、眼球をわずかに押し込みながら、犯してくるその感触に、猛烈な吐き気が湧き上がってくる。
        余りの恐怖心に、痛みがどこか麻痺しているのが、さらにその不快感に拍車をかける。
        思わず身体を曲げると、人差し指のぬるりとした感触が眼窩を引っかき、さらに苦しみが増す。

        カチカチと震える歯の根。
        一気に。
        一気に、やらねば。
        わざわざ、相手を喜ばせる理由はない。
        出された条件だけを、全うしろ。

        人差し指で掻き出そうとすると、眼球が眼窩を逃げまどう。
        その暴れる視界が、視神経が通っている限り、脳に伝わるという視覚情報ですら、吐き気を催す。
        一本指を足し、眼窩に、深く指を突っ込み、全力で、引き抜くように、
        引き抜くようにして、……あ、ああああああああああああああああああああああっっっ！！！！！！！         -- 2011-10-01 (土) 23:26:24

      • ――右の視界が完全に失われ。
        僕は地面に膝をつき、胃の内容物を全て吐瀉する。
        耐え切れない。
        喪失感が、背中を冷やす。
        歯の根が合わずに、胃液くさい口内で、暴れまわる。

        左手の中、今しがた千切られた眼球が、血の筋生々しく、温度もそのままに、ただの物に成り下がった状態でそこにある。
        主を失い、なくなった眼窩から、涙の代わりに血の筋が一筋流れた。 -- 2011-10-01 (土) 23:28:54
      • 「……こ、れで、いいか。
        ……わる、いな。初めての、経験で、手間、どった」

        合わない歯の根をそのままに、虚勢で笑い、眼球を相手に見せる。

        「――寄越せ」

        言われるままに、差し出された竜の手の上に、自分の眼球を乗せる。
        産地直送、取れたての目だ、大事に扱ってくれよ、と皮肉を言う前に。

        その眼球は、無残にも、竜の足によって踏み潰され、弾けた。
        ――まるで、ただの、ゴミのように         -- 2011-10-01 (土) 23:31:41

      • それは、僕の残った目には。
        今から反故にされる、この約束の末路のように見え。
        絶望を、色濃い絶望を、齎した。
        「――残る目は、自身の壊れ行く身体を確認するために、そのままにしておけ。
        次は、胎に手を入れろ。
        内臓を、かき回せ。程度は我が決める        」

        笑う。
        こいつは。
        本当に、僕を。
        考えうる全ての苦しみを味わわせた上で、殺す気、なんだ。 -- 2011-10-01 (土) 23:35:23
      • はは、はははははは。
        はははははははははははは。
        ハハハハハハハハハハハハハハハ！！
        ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッッ！！！

        　「ハハハハハハハハハハハハハッッッ！！！！」         -- 2011-10-01 (土) 23:37:43
      • 狂ったように、笑い、嘲笑い、哂う。

        殺される。

        僕は、ここで、殺され。

        バージルも殺される。         -- 2011-10-01 (土) 23:39:58
      • 「嫌だ。死にたくない。
        そうか、僕は……死にたくない、のか。
        僕は」

        竜を見る。

        「死にたくない」

        「……それを決めるのは、誰だ？」

        「少なくとも。
        　こんな辺境で、お前を改造した大本も叩けず、
        　通りがかった関係ない人間を苦しめて遊ぶような。
        　糞みたいな大型爬虫類にじゃねえよ」 -- 2011-10-01 (土) 23:43:06

      • 「いい、それ以上必要ない。
        　反論も、反応も、必要ないって言ってるんだ。
        　後は回答編、交通事故の後処理みたいなもんで、もう何一つ楽しい場面なんざ残ってない。
        　いいか、これは事後処理だ。
        　お前が喋る必要はなく、お前が登場する場面もない。後は僕に任せろ、何年こういう後始末をしてきたと思ってるんだ。

        　端的に言ってやる。

        　――お前は、魔術師を、舐めすぎた。

        　魔術師っていうのは職業でも、権能でもない。
        　生き方そのものなんだよ。

        　世の中の、一つを犠牲にして二つの価値を手に入れる者を人間と呼ぶのだとしたら、
        　魔術師というのは、二つを犠牲にして一つの新しいものを手に入れる、頭の螺子の外れた存在なんだ。
        　イコールで繋がっているはずの左右の項にバランスすら取れない、異端の生き方。
        　道理に沿わず、通りにいかず、論理も倫理も駆逐する、人外の存在なんだ。

        　お前はどれだけの長い年月を過ごしてきたかは知らないが、魔術師というイキモノを余りに知らなすぎた。
        　余りに、目の前で自由にさせすぎなんだよ。
        　今だってそうだ、一度でも魔術師という存在に出会っていれば。
        　人間ばかりを食い物にせずに、魔術師という化け物と相対していれば。
        　――少なくとも、こうやってべらべら喋っている僕を自由にするはずがない」         -- シークエンス 2011-10-01 (土) 23:50:12

      • 「もしお前が輪廻転生を信じているなら
        　もう一度命が輪廻することを信じているなら、
        　そのときのために一つだけ助言をやるよ。
        　僕はこう見えて、教師だからな。

        　――魔術師の行動は、全てが布石だ。

        　一つたりとも。
        　一語たりとも。
        　見逃すな、聞き逃すな、自由にさせるな。

        　それが、魔術師というイレギュラーと相対したときの、最低限の礼儀なんだよ

        　分かるか。
        　僕は自分が死ぬ覚悟をしたわけじゃないんだ。

        　お前の出してきた条件を聞き、僕は目を抉ろうと思ったんだよ。
        　バージルと、自分を助けるためなら、右目の一つくらい、お前にくれてやってもいいかと、そう思ったんだ。

        　――右目さえ抉れば

        　――そこは、空洞になり。

        　――僕の腹の傷のように――あの時と同じ、『門』となるからな。

        　お前が今そうやって動けないっていうことは、気づいているんだろう。
        　どうあがいても勝てない存在というものが、存在するっていう事実に。

        　じゃあ、もう、ここまでだな。

        　――ご清聴感謝する。もちろんお前でも、ギャラリー相手に向けたものでもない。

        　喋るのも疲れてきたところだ。

        　自由にしていいぞ。――ア         -- シークエンス 2011-10-01 (土) 23:59:02

      • 名前を最後まで呼ぶことはできず。
        ――僕の意識は、再び暗闇の中へと、落ちていった。 -- 2011-10-02 (日) 00:00:10
  • バージル・イレーリオの問題・６ -- 2011-09-28 (水) 21:46:48
    • ……そこまで、感応反応で知って、見ているなら……オレも、同じ光景を見ました。
      オレは……あの時、自分が助かることしか、生き延びることしか考えていなかった。
      何人もの人間を殺して、自分が生き残るたびに、今日も生き残れたことを、安堵していたんです。
      ……罪悪感で、胸が、痛い……なんでオレは、こんなことを、忘れ……。       -- バージル 2011-09-28 (水) 21:49:12
      • （袖口で、目元を擦り）……オレは、助かりたかった。
        強くなれば、一日を、次の一日を乗り越えられることを知ったから。
        だからオレは、望むままに、こ、殺し……一人ずつ、殺していった。
        泣き叫ぶやつもいた。逃げ惑うやつもいた。……中には、受け入れるやつもいた。
        知った顔も、知らない顔も、皆……皆殺して、オレだけが、助かろうとした。
        オレは……。生きたかった、たとえ、地獄の中ででも……。         -- バージル 2011-09-28 (水) 21:52:37
      • それで、あの日……最後のあの映像の日。
        オレは……オレの前に……あれは。
        そうだ……あれは。
        オレの、妹だった。
        ……今まで、こんなことも忘れていたなんて。
        オレには、イレーリオっていう、妹がいたんだ。
        なんだよ……本当に、オレは、オレは自分の家族名に自分の妹の名前が入っていても、それでも気づけなかったっていうのか！！
        ……く、っそ……クッソッ！！（拳で自分の額を打つ）         -- バージル 2011-09-28 (水) 21:57:30
      • オレは、その妹を、この手で。
        最後の仕上げとして……ただ、掌だけで。
        人体だけで殺せるかっていう……そういう、試験で。

        （記憶の中、目の前に広がる光景。フラッシュバック）

        ……この手で、イレーリオを、殺し、たんだ。

        （苦悶に歪む、妹の顔。うっ血し、赤くなっていく首から上）
        （首の骨が折れる音が、掌に伝わる。でも、それでもまだ、妹は生きていて）
        （だからオレは。あの日）
        （こう、願いながら、妹の首を絞め続けたんだ）         -- バージル 2011-09-29 (木) 04:23:39
      • お願いだから早く死んでくださいお願いだから早く死んでくださいお願いだから早く死んでください
        お願いだから早く死んでくださいお願いだから早く死んでくださいお願いだから早く死んでください
        お願いだから早く死んでくださいお願いだから早く死んでくださいお願いだから早く死んでください
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        お願いだから早く死んでくださいお願いだから早く死んでくださいお願いだから早く死んでください
         -- バージル 2011-09-29 (木) 04:28:43
      • 耳の裏に、その呪いの言葉が、今でも残り続けてる。
        本当に、ただ、何の迷いもなく、妹の死だけを願って。

        オレは、その首を、絞め続けたんだ……。         -- バージル 2011-09-29 (木) 04:29:38
      • （目の前には、白骨の死体）
        （風化し、骨だけとなった、誰かの死体）
        （それが、妹のものであるかは、分からない）
        （生えた苔によって壁に結び付けられたそれに、オレはしゃがみこみ、手を伸ばす）
        （頬の輪郭を、撫でる）         -- バージル 2011-09-29 (木) 04:33:00
      • あのっ、ときっ……オレはっ、確かに、見た、んだ。
        ただ、一心腐乱に……首を絞め続けるオレに、妹が……その手を伸ばし、頬を撫でてくれたことを。

        あいつは、その地獄の苦しみの中で、オレを……こんなオレを、認めてくれたのに……。
        オレは……オレは……っ（ぼたぼたと涙と鼻水が交じり合った液体が、顔から零れ落ちる）
        （それは、自身の忘却に対する悔恨の嗚咽であり……ようやく悼むことの出来た最愛への死の慟哭でもあった）         -- バージル 2011-09-29 (木) 04:36:18
      • （その、全ての悲しみを、理解してやることはできない）
        （その嗚咽の全てを、受け止めてやることもできない）
        (過去は誰のものでもない。自分自身、ただ一人のものだから）
        （人が本質的に他人と完全に理解しあえないことは、人間を40年もやっていれば、自ずとわかる）
        （だから……だからこそ、慰めも、同情も、その背中に必要ないことを、自分は痛いほどに知っていたから）         -- シークエンス 2011-09-29 (木) 04:40:55
      • ごめん……ごめっ、んっ……
        オレは、お前のこと、ずっと……忘れてさえ、いて……！
        なんにも、知らずに、幸せに、なろうとしてた……！！
        （拳で、床を叩く）ごめん……っ！
        イレーリオ……ごめん……。         -- バージル 2011-09-29 (木) 05:05:00

      • ……（ふと。その後ろで、違和感が芽を吹かせる）

        （それは、余りにも大きな違和感）
        （背後から、見るバージルの背中。そして、この周囲の村の風景）
        （何より……自分たちが、こうやって、目的の場所にたどり着けること自体が）
        （改めて考えてみれば、全てがおかしいのだ）         -- シークエンス 2011-09-29 (木) 05:10:16
      • （テオドールは、言った。国は、この事実を、秘匿していると）
        （だとしたら、この現場が……たとえこれが「イレーリオ」というバージルの妹でなかったとしても。
        （この場に、この現場に、そのまま状態を保存されているのは、明らかにおかしい）
        （……加えて、そんな場所に自分たちが立ち入れた理由は、何だ）

        （テオドールの言う、「誰か」の何らかの力が、加わった結果ではないか）         -- シークエンス 2011-09-29 (木) 05:30:32
      • （不味い、と思った瞬間、目の前で）

        （跪くバージルの、その前方で――巨躯が、立ち上がった）
        （咥えていた煙草が、地面に落ちる）
        （罠。全て仕組まれた。罠だった……！）
        （耳を塞ぎながら、まだその巨躯に気づいていないバージルとの距離を詰める）
        （まるで、衝撃波のような咆哮が耳朶を打ち、全身にびりびりと音の波を叩きつけてくる）
        （『アンチェイン』……理性の頚木から放たれた、その竜の……一つの住処だったのだ）         -- シークエンス 2011-10-01 (土) 21:46:59
      • （ようやく気づき、立ち上がり、その咆哮の先を見る、バージル）
        （お前は……実技講義で何を習っていたんだと舌打ちをする）
        （音声は魔術の要、聞きなれない音が聞こえたとき、その音の出所くらいは探れるのが魔術師だ）
        （ただ、それは呆然とその大音量の先を見上げるための技能じゃない。距離を置き、正確に防御を行うための前提行動だろうが……！）         -- シークエンス 2011-10-01 (土) 21:51:28
      • （反射的に、利き手である右手を伸ばそうとして、持ち上がらないことに、気がつく）
        （痺れるような痛み、完全骨折の治療には、魔術を用いても後遺症が残る）
        （ただ、あるいは右手が完全に動いていたとしても、そこで魔術を放ったところで、もうそれは絶望的に遅い）
        （戦闘訓練を行った者が数十人束になってようやく討伐できるモンスターが竜だ、人一人、バージルを入れて二人と数えたとしても、何らかの対処ができるわけじゃない）

        （ただ、それでも。――もう、目の前で、自分の大切な誰かがいなくなるくらいなら）
        （僕は、死んだほうがマシだったから）
        （バージルの横を抜け、急停止し、懐に入り、全力で後ろに突き飛ばす）

        （次いで、衝撃。視界の端で捉えたのは、竜がその腕で思い切り自分の身体を殴りつけている映像。視界が真っ赤に染まるほどの絶望的なダメージを負い、僕は一瞬で意識を失った）         -- シークエンス 2011-10-01 (土) 21:56:43
  • バージル・イレーリオの問題・５ -- 2011-09-28 (水) 20:35:23
    • よう。 -- シークエンス 2011-09-28 (水) 20:36:01
      • （乗り合いの馬車を乗り継ぎ、停馬点まで来たオレを迎えたのは、そんな言葉だった）
        （地面を蹴り、距離を取ろうとして、右足だけが付いてこずに仰向けにすっころぶ）
        （なんとか後頭部だけは守るが、その間にいくつもの魔術連鎖が起こり、右足に纏わり付いていた『重鈍のルーン』が四肢を拘束した）
        ……ひでえ、歓迎、スね。（地面で芋虫のように這いずりながら、シークエンス教授を見上げる）         -- バージル 2011-09-28 (水) 20:38:38
      • ……いい加減僕もキレた。昔からキレやすい人間である自覚はあったけど、今回は本当に天辺来た感じだ。
        （火のついた煙草を口に咥え、ベンチで大股を開いた状態で紫煙を口からこぼす）
        どいつも、こいつも、どいつも、こいつも。喧嘩売ってんのか。
        ふざけんじゃねえぞ、お前。……早く言い訳しろよ、どこかで聞いたことのあるような、そんな言い訳を。         -- シークエンス 2011-09-28 (水) 20:41:37
      • （両手両足をじたばたと動かすが、ルーンでの拘束は解けない）
        （当たり前だ。『魔術の威力は詠唱時間に一次関数比例し、魔術の準備に二次関数比例する。』）
        （マージョリースの第一法則は今や全ての魔術に当てはまるわけではないが、それでも魔術師に待ち伏せをされるのは、暗殺者に奇襲を掛けられるのと同じくらいに現代も危険であるとされている）
        ……いまさら、どの面下げて。どの面下げてあんたに頼ればいいんだよ、オレは。
        何にも、何にも関係ねーじゃねーか、教授は……！ただのオレたちの教室の教師だったってだけで、命やほかのものまで賭ける必要ねーだろうが！！
        オレは教授を尊敬してる、でも、教授はランドたちと違う、オレはランドたちに何かをしてやれても、あんたには何も返せない！！
        そんなオレが、どうやって、あんたにこんな大事に、助けを求めろっつーんだよ……！！         -- バージル 2011-09-28 (水) 20:48:20
      • （ぐしぐしと頭を掻き）……年寄りらしく、昔の失敗談を聞かせてやるよ。
        若者に元気を与えるのは、偉そうな助言でも、格言でもなく、鼻で笑って同じところまで降りてやることだって、僕が一番嫌いな教師が言ってたからな。
        （煙草を吸い、煙を吐く）昔僕には、誰にも助けを求めない知り合いがいたんだ。
        そいつのことを、僕は大好きでな。性別関係なく、友情っていうものは成立するんだなって、そう思ってた。
        でもな。……誰にも助けを求めないことは、イコール平気であるって話じゃないんだ。

        今でも後悔してる。
        し続けている。
        何で気づいてやれなかったのかって。
        みうや、レオと同じくらい、僕だって近い位置にいたはずなんだ。
        ただ、不完全な僕が手を伸ばして、その手が空を掴むことだけが怖くて、僕はその問題を……（俯き、噛んだことで煙草が曲がる）……よりにもよって、同じように助けを求めない友人に、全て丸投げした。
        結果、あいつは昏睡状態に陥って今も僕の祖国で眠ってる……何が、消火器だ。
        いざというときに、助けになるどころか……僕はヒメのために動くことすら、できなかったんだ。

        （顔を掌で覆い。もう一人の、消えた親友を思い出す。こちらは……言葉にすらならなかった）
        （あの日研究室で、縋り、追い、行くな、逝くなと泣き叫ぶことも、できたはずなのに）
        （自分の中のなりたくなかった大人の自分が、収まりのいい形を求めて、無理やりその事実を飲み込ませた）
        （キエルド・グラ・ホームタウン。いなくなってしまった、自分の最愛の友人）

        ――もう、頼むから。
        僕の前から……誰も、黙っていなくならないでくれ。（涙は、ない。ただ、声だけは掠れた）         -- シークエンス 2011-09-28 (水) 21:00:56
      • （這うような姿勢で、見上げる）
        （そこには、教師の威厳も、教授の尊厳もない。ただ一人、シークエンスという男が俯き）
        （涙もなく、亡羊とした表情で、ただ虚空を眺めている姿があった）
        （何も、言えない。何も、返せない）         -- バージル 2011-09-28 (水) 21:03:12
      • 僕はお前らに……奇麗事を言うつもりは、更々ない。
        ただこれは、僕のエゴで……僕が、僕の周りから誰かがいなくなるっていうのが嫌で、辛いから。
        だから僕は誰かの助けになる、ただそれだけの利害関係なんだよ、バージル。

        人がいなくなるのは、辛いんだ。
        二度と会えないことより、少しずつ忘れていってしまうことが。
        大切な時間を過ごしたはずなんだ。
        大好きだったはずなんだ。
        ……でもな、人生が続く限り、その記憶は磨耗して、削れ、輪郭をなくしていく。

        そいつがどんな顔で、どんな匂いで、どんな姿をしていたか。
        何かがないと、忘れてしまうんだ。

        ――自分の顔に残った、醜い傷跡を残して、時々鏡を見なければ忘れてしまう。
        ――掌に残った醜い火傷の跡と、触れたときの痛みがなければ、忘れてしまう。

        ――吸いたくもない煙草を、自分の匂いになるまで、吸い続けなければ……自分のことを好きだと言ってくれた、大切な誰かを……忘れてしまうんだ。

        だから、頼む、バージル。……お前を、僕の傷には、したくない。
        力に……ならせてくれ。（それは、心からの懇願で）         -- シークエンス 2011-09-28 (水) 21:09:42
      • （自然に、魔力による拘束が解かれる）
        （もう、抵抗する意思は、残っていなかった）
        （シークエンスによる助力が、恩仇ではなく、取引だとしたら……それはまさしく、彼の領域で）
        （何かを支払い、何かを手に入れる、召喚術に他ならないから。その分野で、自分が勝てるとは、到底思えなかった）
        ……すいま、せん。オレ。……オレ、先生を、ころっ、殺しっ……。         -- バージル 2011-09-28 (水) 21:18:18
      • いい。……もう、僕に関することはいい。
        若い頃、いろんな相手に迷惑をかけた、その報いだ。
        僕はな、今も生きている親友の一人の胸を、自ら生み出した炎の剣で焼いたことがある。
        ……ギア見るたびなんの嫌がらせかと思ってるのは、あいつには言わないが、とにかく、今でも若干気にしている。
        だから、少しくらい殺されかけたところで、チャラでいい。……その上で気にするなら、勝手にしろ。そこまでは責任持てない。
        ただ、お前は……そんな罪悪感よりも、縛られているものがあるから……それをここに確かめに来たんだろ。
        （後ろを振り返る）
        （バージェス北軍領。今や一つの「国」となり、自治権を認められている元ゼグルーン領）
        ……何を見た、バージル。感応反応はあったが、僕とお前が見ていたものが同じではないはずだ。         -- シークエンス 2011-09-28 (水) 21:22:47
      • （袖で乱暴に涙を拭い）……見えて、見えなかったんです。
        見えたものもあったし、それから先が見えなかったものもあって……。
        もしかしたら、オレは……オレには。
        誰か、大切な人がいて、それを……。（両手で、顔を覆う）         -- バージル 2011-09-28 (水) 21:26:25
      • （立ち上がり、煙草を灰皿に入れる）いい。……追々、思い出そう。
        お前の記憶を封印していたのは、お前への防壁でもあるんだろうからな。
        ……歩きながら、少しずつ思い出せ。行くぞ、バージル。         -- シークエンス 2011-09-28 (水) 21:28:39
      • はい……！（返事は短く）
        （その自分より小さな後姿を追うように、オレは歩き出した）         -- バージル 2011-09-28 (水) 21:29:37
  • バージル・イレーリオの問題・４ -- 2011-09-27 (火) 22:23:44
    • 『……正直に言いますが、恐らく一介の貴族レベルの私では、立ち入れないレベルにある情報だとは思います。
      それなりに人脈を使い、調べてみたのですけれど、叩いてみたところで埃すら出てきませんでしたよ。
      逆に、埃も出ないということが、誰かに「掃除」されたという証拠でもあるわけですけれどね。これは、私の憶測です』       -- テオドール 2011-09-27 (火) 22:27:25
      • （通信機の画面を前に、右腕を吊った状態で苦い顔をうつむかせる）そうか。じゃあ、それ以上調べる必要はない。
        憶測になってしまうが、だとしたらこれはランドと同じように「消された歴史」に関わることなのかもしれない。
        内紛には珍しく、第一戦線の戦争は双方和解という形で幕を閉じた。
        事実上大国が降伏したと言われているが、恐らく、なんらかの取引があったとみてしかるべきだ。
        つまり、ランドや、バージルの存在は、そういう平和的解決の上でアキレス腱の傷となる。……だから、その事実の一切の痕跡を消したんだろうな。         -- シークエンス 2011-09-27 (火) 22:31:32
      • 『そうなってくると、自ずと私には見えてきましたよ、シークエンス教授。
        ……通信、かなり長いですけれど少しお時間大丈夫ですか。
        時期が今でなければ出向くことも考えたのですけれど、流石に時期が悪すぎましたね』         -- テオドール 2011-09-27 (火) 22:33:49
      • （声増幅装置を口の前に引き寄せ）構わんよ、テオドールくん。大学諮問機関長兼評議長、ゼンアード・ギ・ナイブスだ。ギュスネイブルの大陸発音が好きならそっちでもいい。
        少なくとも、この腕折り馬鹿やテオドールくんの頭の中に描いている最悪の図が事実なら、こりゃこっちの機関や立場としても緊急事態でな。
        始末書の一枚や二枚くらい書き慣れてる、できるだけ短く、だが的確にやってくれるなら好きに使ってくれ。 -- ゼンアード 2011-09-27 (火) 22:37:38
      • だそうだ。……聞かせてくれ、テオドール。
        多分、僕の考えとテオドールの考えはお互いの情報を補完しあえば一つの絵になるほど似通っているだろうしな……。         -- シークエンス 2011-09-27 (火) 22:39:09
      • 『ああ、貴方が……お噂はかねがね、と言いたいところですが、私の情報源がシークエンス教授だけであることから、お察しいただけると幸いです。感謝します。ゼンアード評議長。
        ……それほど長くなる憶測ではないのですが、皮肉なことに、全て誰かの掌の上だったのでしょうね。
        でなければ、あるいは神のダイスがそうなるように仕向けたとしか思えません。
        以前、お話しましたよね、私が戦場で一個小隊を大破させ、四年間の空白を味わったことを。
        その相手は――』         -- テオドール 2011-09-27 (火) 22:47:05
      • ――人間じゃなかった。だろ。（机の上に両手を組んで）
        ……もっと、突っ込んで言おう。それは、竜だったんじゃないか。         -- シークエンス 2011-09-27 (火) 22:48:20
      • 『……お察しの通りです。やはり、そこまで察していたのですか、シークエンス教授。
        でしたら話は早いかもしれませんね、これもまた、皮肉なことに。
        このたびテレシアを呼び寄せようとイヴラスカヤが画策したことも……またそれに婉曲に起因したことでした。
        ……その竜の名を「アンチェイン」と私たちは呼んでいます。
        繋がれざる者。理から外れた者。……本来竜は信仰国もあるほどに理知的な生命体です。
        人語を解し、批准された条約を守り、一つの理を形成する。
        しかし「アンチェイン」は竜そのものの力を持ちながら、竜とは認められないただの化け物として扱われています。
        ……その多くは人語を解さず、ただの災害的暴力でしかない。
        そしてその脅威が、再び我々のいる国にも訪れようとしている。
        経済バランスは崩れ、軍事的な物まで動いている気配がある中、磐石な体制をとるには一枚の岩では難しかった。
        お飾りでも、テレシアと私という二つの岩でイヴラスカヤに有利なシナリオを描きたかったというのが、父母や貴族会の意見だったのでしょう。』         -- テオドール 2011-09-27 (火) 22:54:17
      • 嫌な予測ばかり、当たるな。
        うちの研究室に、ホイム・ヒューイットという生徒がいる。
        ……誰がこのシナリオを描いたのかは知らないが、あいつは、第二次英雄候補生なんだ。
        第一次で……お前らの言う「アンチェイン」にその計画を頓挫させられた、小国の政策。
        ……竜に、運命を狂わされた人間の一人なんだ。         -- シークエンス 2011-09-27 (火) 22:56:58
      • 『そして、隠蔽されたはずの「傷だらけの子供たち」の一人が、ラウドバンドさん、ですか。
        本当に、どこをどう組み合わせればこんな形のパズルが組み合わさるんでしょうね……。
        それに、もし私たちの推測が正しいとしたら、バージルさんに記憶の封印を施したのは。』         -- テオドール 2011-09-27 (火) 23:03:16
      • バージェス北軍領が、独立建国を宣言した相手……ゼグルーン皇国ということになる。
        ……国家魔術師クラスの人間が施した術だと、グレナデンは言っていたが、まさか本当に国が出てくるとはな。
        だが、本当に、可能なのか……？　人の精神や記憶、脳を扱う魔法というのは、禁忌の中でも最上級の物だろう。
        隣国の魔法国と違い、魔法に関してはゼグルーンは後進国だ。……そんな魔法を独自に生み出したとは、僕には思えない。         -- シークエンス 2011-09-27 (火) 23:07:15
      • 『それこそ、多分最後のピースなんですよ。
        あえて、そのピースだけは与えず、輪郭を外堀を使って埋めようとしているような、そんな気さえします。
        これは、あくまでまことしやかに囁かれている噂を真に受けた時の憶測になります。

        ……皇国が、竜の研究をしているという話を聞いたことがあるんです。
        そしてその皇国は、古竜クラスの竜の脳を所有していると。』         -- テオドール 2011-09-27 (火) 23:10:41
      • 竜の、脳の、所有……。しかも、古竜クラス、だと。黄金暦以前どころか、大陸がまだ分かれていた頃からの竜を……？
        それは……いくら、なんでも。         -- シークエンス 2011-09-27 (火) 23:12:25
      • 『あくまで噂ですが、この噂を当てはめると……驚くほどにそのピースは嵌りがいいんです。
        ゼグルーンという国は、その竜の脳の一部を使って、様々な実験を行ったと聞いています。
        竜の顕現というものはその一片を以ってしてでも、人の精神を乗っ取る事が出来る。
        だから人が本来持ちえる魔力的な脳への障壁を壊すことも出来る
        ……加えて、その脳の微細な機能を知れば「竜」を「人語を解さない災害的な暴力の化け物」に変えることだってできると、そう思いませんか。』         -- テオドール 2011-09-27 (火) 23:15:50
      • 「アンチェイン」は……ゼグルーン皇国が生み出したと、そう、言いたいのか。
        それは、バージェス北軍領相手でなく……今も続いてる、隣国との二竜間戦争のために。         -- シークエンス 2011-09-27 (火) 23:17:41
      • 『……考えすぎであると、そう思えればよかったんですが、生憎、私もコインの裏表がある賭け事だけは、いつも悪い目を引いてしまう。
        もし、次賭け事で勝負をするのならば、コインで勝負することにしましょう、シークエンス教授。
        ……突拍子もない話に聞こえるかもしれませんが、これは私たちが生まれるずっと前から実しやかに囁かれてる噂なんです。
        バージェス北軍領の人間が、戦争中であるにも関わらず、独立を宣言したのも、その技術の一部が剽窃されたから、という噂もあるくらいですから。
        実際に、悲痛な竜の咆哮を聞いたという証言も、記録として残っています。その村は、もう地図の上からないので、確かめようはないですがね。
        大陸ではめったに見ない、漆黒の竜だったそうです。』         -- テオドール 2011-09-27 (火) 23:22:06
      • （どこか、その話は引っかかったが、論理としてはあり得、あり得すぎるのが頭痛を強くする）
        ……筋は通っている、というより、お前の論調だと通した、といった感じだな。
        だからこそ、積極的な否定の材料が見つからない、けどな。
        ……その竜の話をもうす、いや。……悪い、動き出したみたいだ。通信を切るぞ、ありがとう、テオドール。
        （言葉少なく立ち上がり、忙しそうに諮問室を出て行った）         -- シークエンス 2011-09-27 (火) 23:31:42
      • 『……え、シークエンス教授。
        あの、ゼンアード評議長、彼はどちらへ……？』         -- テオドール 2011-09-27 (火) 23:32:46
      • （ゲートに飛び込んでいくセータを見ながら）いや、聞いてないが、大体分かる。
        あいつの教室の生徒は、なんつーか、こういう状況になると必ず一人でどうにかしようとしやがるんだよ。
        だから、今回バージルには、動き出したらなんらかの反応があるように糸でもつけてたんじゃねーのかな。
        一応、あいつの腕と同じで骨の接合は魔術医療でどうにかなってるしな。
        ただ、あいつが腕吊ってるの見りゃ分かるように、繋げただけで無茶すりゃまたぽっきりいくレベルだけどな。 -- ゼンアード 2011-09-27 (火) 23:35:29

      • （何かを思考し、思考を繋げていくような間）『……ゼンアード、評議長。
        今から、シークエンス教授を止めることは可能ですか！（かなり切羽詰まった声）』         -- テオドール 2011-09-27 (火) 23:39:35
      • 何故だ。
        いや、無理だ。
        あいつは冒険者ゲートでバージルを追った。
        冒険者じゃないオレには、行き先すらわかんねーよ。 （真剣な表情で答える）-- ゼンアード 2011-09-27 (火) 23:40:18
      • 『バージルさんの行き先は、かなりの確率でバージェス北軍領。そして、シークエンス教授は、それを止める気はない。
        私の中のシークエンス教授なら、少なくともそれに同行しようとする。
        彼は、バージルさんに全てを見せ、受け止めさせる気なんですよ……！
        だとしたら、危ない！　何らかの方法で伝えることは、できないんですか……！』         -- テオドール 2011-09-27 (火) 23:43:03
      • （目を閉じ、きっちり10秒だけ思考し）……無理だ。手段はない。
        ……危ない、だと。 -- ゼンアード 2011-09-27 (火) 23:43:54
      • 『今、あの地区は――』
        （ぶつん、と通信が途切れる）         -- テオドール 2011-09-27 (火) 23:45:03
      • （どこから誰が切ったか分からないが、どちらかの通信機への魔力の供給が絶たれたらしい）
        チッ……！（舌打ちすると、背広を羽織りながら諮問室を出て行った） -- ゼンアード 2011-09-27 (火) 23:46:26
  • バージル・イレーリオの問題・３ -- 2011-09-26 (月) 23:58:14
    • （覚醒と同時に、膨れ上がる殺気に中腰で仰け反る）
      （その臆病さが、自分の命をつないだことを知ったのは、右のまぶたに鋭い痛みが走ってからだというのだから暢気なものだと思う）
      （視界の端で、鋭く閃く魔力体を見て、ようやく自分が殺されかけたことを自覚した。悲鳴の代わりに呪文を放とうとして、声が出ないことに気づく）       -- シークエンス 2011-09-27 (火) 00:00:42
      • （右手が何かを掌の中に握りこむような動作を行う） -- バージル 2011-09-27 (火) 00:01:31
      • （何故、バージルが自分を襲い、殺そうとするのか）
        （今感応反応によって見た記憶は、バージルの物なのか）
        （その握りこむような動作で、自分の周囲の空間を掴んで固定しているのだとしたら、どこでそんな技術を身につけたのか）

        （そういった全てが、頭の中から力ずくで払拭された）
        （殺されて、たまるか。どちらの意味でもな）
        （思ったときには既に右手が二重の魔法陣を描いている）
        （破裂音と共に外側の一枚が破られるのを見て、バージルが直接魔力を飛ばして魔法陣の構築を遮ったのだと判断する）
        （再びバージルの右手が閃く。そこに武器はない。ただ、人差し指の爪の先に、わずかな魔力の刃が宿っているのみ）
        （人を殺すことの出来るギリギリの凶器を用意させたら、こんな形になるのかもしれないと舌打ちをする）
        （つまり、やはり今自分はバージル・イレーリオに殺されかけていることは確実らしい）         -- シークエンス 2011-09-27 (火) 00:06:16
      • （握りこんだ拳を引き寄せる）
        （大気ごと掴むといった尋常ではない引き寄せ方で、シークエンスの体を引き寄せる）
        （その瞳に、光は一切ない）         -- バージル 2011-09-27 (火) 00:14:02
      • （そんな技術は教えていない。音声魔術師は呪文に魔力を載せてそれを宣言として魔法を発動させる）
        （つまり大気を掌握されている状態や声を出せない状況にひたすら弱い）
        （この技術は、対魔術師用の戦闘技術だ）
        （いや、違う、正確に言うのならば――対魔術師用の殺人術だ）

        （余計な思考が折角描いた紋章魔術も破壊する。バージルの右手の刺突が放たれる）
        （狙いは右目、ではないと気づいたとき、背筋に冷たいものが走った）

        （狙いは――その右目の奥。脳そのものだ。）
        （だからバージルの右手の武器は、指の長さと魔力の刃を足して、ちょうど眼窩から脳幹に触れられるそんな長さしか必要なくて）
        （それは、攻撃ではなく、トドメだと、圧倒的な遅さで知る）         -- シークエンス 2011-09-27 (火) 00:22:55
      • （横合いから伸びてきた手が、そのバージルの腕を掴む）
        （爪が食い込み、くっきりと掌の形が残るほどに、強く） -- 2011-09-27 (火) 00:30:59
      • 人の獲物に手を出すのは、感心しませ――。 -- グレナデン教師 2011-09-27 (火) 00:31:27
      • （グレナデン姉の言葉は続かなかった）
        （バージルが左手に生み出した魔力の刃が、その喉を一瞬で掻き切ったからだ）
        （余りに速度に、傍から見ていた僕でも、その軌道すら見えなかった）

        （殺人技術よりも、尚恐ろしいのは……その一切の淀みもない殺意）
        （人を殺すための技術を行使することに一切の躊躇いも存在しない、その鉄の思考そのものだった）

        （傍から見ていた僕ですら、何をしたのかが見えなかったのだ。当事者であるグレナデンが何が起こったのかを理解しろというのは酷な話だ）
        （喉に開いた、わずかな切れ込みは的確に重要な血管を分断し、その口腔に血を溢れさせた）
        （血泡となって噴出されるそれが、もう助からない傷だと頭のどこかで冷静な自分が告げていた）

        （だからこそ。――次の一手は早かった）         -- シークエンス 2011-09-27 (火) 00:36:23
      • （皮肉な話だ）
        （結局、右手はくれてやることになったな、と思いながら、全魔力を放出してバージルの体を守る防護壁を、バージルの体を掴みながら放つ！！         -- シークエンス 2011-09-27 (火) 00:40:13
      • （ズンッ！！と擬音にしてしまえばそんな間抜けな擬音で表現するしかない）
        （空気の振動が鼓膜を揺らし、平衡感覚を崩す。右腕に強烈な負荷が掛かる吐き気を催す感触が襲い掛かる）
        （同時に、僕の張った三重の防護壁を軽々と押しつぶす形で、重力付与の魔法陣が八重というとんでもない同時詠唱力を持って開放される）
        （バージルの身体は重力によってたたきつけられるようにして地面をクレーターのように抉る）
        （――それは、グレナデン姉が生命の危機に瀕したときに、目の前の相手を圧殺するための「緊急回避呪文」）
        （詠唱も、紋章も必要のない、思念という形で発現する、高次魔術師しか使えない、上位魔法だった）
        （滅茶苦茶にへし折れた右手を抑え、猛烈に湧き上がってくる吐き気を飲み込み、まずどちらを向くべきか一瞬だけ考え、バージルを見た）
        （全身の骨を適度に砕かれ、地面にたたきつけられてはいるが、かろうじて生きてはいる。……右手を犠牲にした甲斐くらいはあったというか、そうでも思わなければこの吐き気を伴う痛みは）
        （――と考えたところで、猛烈な吐き気に耐え切れず、血の混ざった吐瀉物を地面に吐き散らした。視界が真っ赤に染まる）         -- シークエンス 2011-09-27 (火) 00:47:32
      • えほっ……げほっ……（口元を左手で拭う）
        （だらりと垂れた腕に鎮痛の魔法を打とうとして、その組成すら思い浮かべられないほどに思考が混濁していることに気づく）
        （どの道、バージルを医者に見せなければならない、自分への痛み止めなど後回しでいい）
        （グレナデンを見る）
        （バージルの殺人術が本物である証明であるかのように……その身体からは、すでに温度が失われ始めていた）
        （心を、酷い痛みが襲う。――また、僕は……助けられなかったのか）
        ク……ソっ……！！         -- シークエンス 2011-09-27 (火) 00:54:50
      • ……あら。もしかして悲しんでいただけるのね。
        それにしても、流石は被虐の申し子、素晴らしい吐瀉でしたわ……（どこかから聞こえてくる声） -- グレナデン教師 2011-09-27 (火) 00:57:39
      • （流石にそのグレナデンの声に驚き、顔を上げる）
        （声の出所は……部屋の端にいたカラス）……は？（自分で思う、どんだけ間抜けな声出してるんだ僕は）         -- シークエンス 2011-09-27 (火) 01:00:18
      • ふふ、素晴らしく知性の欠落した驚きの表情にもぞくぞくしますわね（羽で嘴を覆う）
        元々、その身体も寄り代の一つ、黒魔術の最終段階は精神と肉体の分離にあるのですから、これくらいはできて当然なのですわ。
        ……それにしても、見事に殺されてしまいましたわ、お恥ずかしい限り。 -- グレナデン教師 2011-09-27 (火) 01:02:07
      • お前な……人間辞めてたならそう言えよ……。解脱の法って、どんだけの禁呪に手出してるんだ。
        （再び襲い掛かる吐き気にふら付きながら）まあ、それでも咄嗟に最悪の事態は防げたからよしとしよう……。
        よしとしないと、僕の心が、死ぬ。……医務室に連絡入れないと。         -- シークエンス 2011-09-27 (火) 01:12:26
      • 嫌ですわ、辞めてなどおりませんよ？　ただ、教授とお話していたのもワタクシ本人ではなかったというだけのこと。
        最悪の事態だけは回避できたのならば重畳ですが、無力化はできても完殺ができなかったのは、緊急回避魔法としては聊か不安が残る結果ですわね、ワタクシにしてみれば。 -- グレナデン教師 2011-09-27 (火) 01:15:07
      • 遠まわしに僕もバージルも死ねって言われるようなことしたかな……。
        ああ、頼む、グレナデン。このことは内密に、言わなくてもお前なら分かってるだろうけどな。         -- シークエンス 2011-09-27 (火) 01:16:07
      • ワタクシは言っていいことと、言ってはいけないけれど言ったら面白いことの区別くらいはつきますから。
        秘密が一つ増えるたびに、貴方の腕を一本折る権利が発生すると思えば、安いものですわ。 -- グレナデン教師 2011-09-27 (火) 01:17:06
      • それの区別がつくから困ってるんだが。というかよく数えて？今一本折れて僕の残りの腕は何本かな？（配点：五点）
        ……やばい、空気圧で気道も切れてる。……医務半への連絡も、任せて、いいか、グレナデン……。         -- シークエンス 2011-09-27 (火) 01:18:36
      • ふふ、貴方からのお願いを、ワタクシが踏みにじって唾を吐いたことはあっても、断ったことはあったと思いまして？
        では、そのように、ゆっくりとお休みなさいな、シークエンス教授。（黒いカラスが飛び去り、医療班に連絡にいった） -- グレナデン教師 2011-09-27 (火) 01:19:55

      • （顔をしかめながらタバコを取り出す）
        （魔力着火器（ライター）を取り出し、擦る。擦る。擦る）
        （……諦める。相変わらず、不器用な手先）……悪いな。バージル。
        ……僕は、誰一人、助けられないらしい。（無力を嘆くように、天井を仰ぎ、ぽつりとこぼした）         -- シークエンス 2011-09-27 (火) 01:33:18
  • さいしょ　の　もんだい -- 2011-09-26 (月) 22:56:33
    • 水音。
      そこは、牢獄だろうか。
      いくつもの「人間のパーツ」が落ちている。
      素手で引きちぎったような、醜い傷跡から黄色い脂肪と血で染まった肉片が覗いている。 -- 2011-09-26 (月) 23:15:25
      • 酷い腐臭。
        生ゴミをそのまま放置した部屋の匂いを、更に煮詰めたような匂いが充満している。
        色濃い、死の匂いそのものだ。
        沢山人が死んだことを、死ぬ瞬間を見なくても理解できる、そんな匂い。
        ここは戦場だった。
        いや、正確に言うなら戦場ですらない。
        戦争という狭間に産み落とされた、人造の地獄だった。 -- 2011-09-26 (月) 23:17:32
      • それは見世物だった。
        見世物であり、実験場であり、かつ地獄絵図だった。

        人権や平和を唱える思想家がいたら、この光景を見せてやりたいと思う。
        人は、狂って狂気に落ちるのではない。正気のままだからこそ狂うのだ。
        その狂気は更に人へと伝播し、増幅し、止め処もない悪意と化す。
        だからそこに存在しているのは、人の業そのものであり、人が生み出した地獄でしかない。 -- 2011-09-26 (月) 23:23:15
      • 最初は単なる賭け事の一環だった。
        制圧した相手国の村人二人を戦わせてどちらが生き残るか、そんな発想が倫理の存在しない戦場で生まれただけだ。
        その狂気は共振して、いかに残酷な組み合わせを思いつくかという遊びと化した。
        時に親子が、時に兄弟が、時に恋人が殺し合い、許しを請い、泣き叫び、首を跳ねあう。
        人の手で作り上げられた最小の闘技場（コロッセオ）がそこにあった。 -- 2011-09-26 (月) 23:31:19

      • そして、その賭け事を高みから見下ろしていたからこそ、その少年の異常性に気づいた者がいた。
        その少年は、怯え、苦しみ、喘ぎながらも、人を殺す手段を次々と吸収していったのだ。
        言い直せば、一人殺すたびに強くなっていった。
        相手がどうやったら死ぬか、相手がどうなったら死ぬか。
        何通りもの闘いを経て、少年は人を殺すのが上手くなっていった。
        泣き叫びながら頚動脈を素手で千切り、悲鳴を上げながら頚骨を折り、的確に気道を圧迫する様を見て。
        ……その村を占領していた兵士たちに、新しい悪魔が宿った。 -- 2011-09-26 (月) 23:37:18
      • どこまでの化け物を作れるか。
        簡単に言えば、それがテーマだった。
        半数の村人が享楽のために殺されていたので、残りの半数がその少年の供物となった。
        殺人術を、魔術を、剣術を、体術を、杖術を、拳術を。
        ありとあらゆる人を殺すための方法を、彼らはその少年に叩き込んだ。
        少年はスポンジのようにそれを吸収し、貪欲に自分の力に変え、兵士たちを喜ばせた。
        そうしなければ、生き残ることが出来ないと彼は思っていたから。 -- 2011-09-26 (月) 23:44:27

      • そして、その日。
        その化け物の完成の瞬間が訪れた。
        彼らは満面の笑顔で、最後に用意しておいた彼の卒業試験を指差す。

        その、指差された先には。
        ――イヴミア。
        僕が、見殺しにした、幼馴染。目の前で咀嚼されていく、彼女の四肢。泣き叫ぶ声。怖くて一歩も
        違う、これはオレの記憶で。

        　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　イヴミアの首に手が掛かる。

        　　　　　　　　最後に彼女はなんと言った……？

        まずい、これは、感応反応が、強すぎる。
        （思考はあるはずのない右手を振らせ、握っていた短剣を太ももに突き刺した）

        ――そうか。
        じゃあ、オレは。（意識が白濁する）         -- 2011-09-26 (月) 23:55:05
  • バージル・イレーリオの問題・２ -- 2011-09-25 (日) 14:17:15
    • （緊張した面持ちで、魔法陣の中央に正座している）
      （右手にヤモリの尻尾、左手に黒色火薬をまぶした水晶玉を持たされ、頭にはヒキガエルの干物が載っている）
      （助けを求めるような目でシークエンスを見る）       -- バージル 2011-09-25 (日) 14:20:06
      • （沈痛な面持ちで首を振る。第七教室が「伝統黒魔術」の教室だという時点でこうなることはわかっておったろうバジナスという顔）
        （第七教室の課外実験場の一角を借りて、黒魔術の儀式を行うグレナデン姉……イミディアティ・アルトレイヌ・ユミフィ・シルガ・グレナデン第七教室統括教授を見る）
        （現役時代、自分が院生だったころの自分より一年早くこの教師についた二つ名は「断頭台の魔女」。言いえて妙だと思う。ただし、異端審問に掛けられた方が断頭台でギロチンを素手で振り回す絵でならば、だが）         -- シークエンス 2011-09-25 (日) 14:30:12
      • 少し、緊張されておられますね。
        黒魔術の本質は、不在への信仰、秘匿への崇拝ですわ……。そう、硬くならないでいただけると利きが良いのですが。
        要は、この長々とした儀式も、貴方に黒魔術の存在を確信させるために行っているわけで、そう意味があるものではないのです -- グレナデン教師 2011-09-25 (日) 14:33:24
      • あの、グレナデン先生。じゃあ、それをオレに伝えるのは、効果が薄くなって意味ねーんじゃ……。 -- バージル 2011-09-25 (日) 14:34:07
      • （首を振る）いいえ、そのようなことは御座いませんわ。仮令略式で儀式を行ったとしても、確実に貴方を術中に掌握することはできますもの。
        ただ、記憶に関する拘束の解除はそれなりにワタクシとしても興味があり、難度も高い術式なのです。
        然らば、自身に合ったいつものフィールドで魔法を執り行うことも、ワタクシの魔術を安定させることへの一助になるのですわ。 -- グレナデン教師 2011-09-25 (日) 14:36:39
      • （ブラフか。そう思う。理論のすり替えで、儀式の必要性の説明がグレナデン姉の黒魔術の確かさにすりかえられている）
        （バージルは、儀式がなくても魔術は成功するんだという新しい認識と、その上で儀式もこなしているのだから失敗するはずがないという二重の矛盾した印象を同時に植え付けられた）
        （黒魔術の本質が個人への信仰、つまり信頼にあるのならばこの布石は楔としてバージルにはよく「効く」だろう）
        （……今は都合がいいが、この素直さがいつかあいつと黒魔術を戦わせるときあいつの足を引っ張るんじゃなかろうかという余計な心配をする元教授）         -- シークエンス 2011-09-25 (日) 14:39:44
      • （シークエンスの思考を読んだのか、くすりと笑い）……では、始めましょう。
        セーちゃん、感応反応はどういたしましょうか？ -- グレナデン教師 2011-09-25 (日) 14:41:39
      • 二度と昔つけたその渾名で呼ぶな呼んだら殺す。
        いや、そこは僕に聞くところじゃなく、バージルに説明してやってくれないか。召喚術には感応反応はないんだ。         -- シークエンス 2011-09-25 (日) 14:43:18
      • ふふ、その生意気な口に折り曲げた自分の腕の先の拳が入ったとき、貴方はどんな声で啼くんでしょうね……。
        あっ……♥ 　想像しただけで、もう……♥ もう……っ♥♥♥        （上気した顔で仰け反る） -- グレナデン教師 2011-09-25 (日) 14:45:21
      • 残念ながらグレナデン教師が自慰を始めてしまったので、僕が説明する。脳が腐れて死ねクソ魔女。
        ある程度大きな魔力を使うと、波及効果が生まれるのは知っているだろう。魔力というのは変遷を通じて効果を実世界に生み出すためのものだが、そのエネルギーを全て実行した魔法に変換できるわけじゃない。
        これが行動と目的が合致した外部の魔力タンクであるところの召喚魔法ならば、伝導率はほぼ100%なんだが、実際大きな魔法を打つと予期せぬ効果や予期できる効果が生じる。         -- シークエンス 2011-09-25 (日) 14:50:52
      • （ドン引きで半泣き）え、あ、はい。雷系の呪文を使ったときに空気中を這うマイナスの電荷に追い出されたプラスの電荷が地面にたまるとか、そういう……？ -- バージル 2011-09-25 (日) 14:51:57
      • それは実効果に対する副次効果で、また違うんだが……まあいい、ここで講義をするつもりはないから今度までに調べておけ。
        ここで行う記憶への干渉の波及効果は、「記憶が混ざる」ことなんだ。
        魔力という伝導体を通じて、お互いの記憶の一部が、共有されてしまうことがある。
        この場合は、グレナデン、封印を掛けていた記憶ということになるのか？         -- シークエンス 2011-09-25 (日) 14:54:13
      • ふぅ……そうですわね。
        断片的ではありますけれど、少なくともワタクシ、そして何重かの精神障壁を張らない限り、シークエンス教授にも伝わってしまうと思いますわ。 -- グレナデン教師 2011-09-25 (日) 14:55:35
      • （賢者タイムだ……）……つまり、記憶の頚木を取ってしまうと、その記憶が周囲にも漏れてしまうって、そういうことですか？
        そんなら、オレは、別に……。         -- バージル 2011-09-25 (日) 14:56:37
      • お前がどうしても覗かれたくない記憶があるのなら、僕はこの実験場を出て行くっていう選択肢もある。
        ただ、同席は僕の意見じゃなく、グレナデン教師に言われてるんだ。
        黒魔術っていうのは、詠唱と発現の際に完全に詠唱発現者が無力になる魔法の一つでな
        今回は詠唱も発現も特段に長い。その間無防備になるグレナデン姉を、守らないといけない。         -- シークエンス 2011-09-25 (日) 14:59:03
      • 人間、30余年も生きていれば、敵の一人や二人は出来るものですものね。
        お恥ずかしい限りですわ。（ポッと頬を染める） -- グレナデン教師 2011-09-25 (日) 14:59:57
      • お前が折ってみたかったとかそんな理由で、ボキボキ他人の腕を折るからだが。もっと言うならバージルに関係してない儀式だったら僕がお前を刺してるけど？
        （バージルの方を向き）……まあ、そういうわけだ。ちなみにこの感応反応は僕からお前、グレナデン教師からお前にも起こる。
        覗かれたくない記憶があるのはお互い様だからな……納得しろとは言わないが、お互いに大人の対応を望むところだ。         -- シークエンス 2011-09-25 (日) 15:02:58
      • わかりました。……っつーより、オレに判断できるような内容じゃねーし……。
        どんな記憶が封印されてるのかわかるんだったら、わざわざグレナデン教師までご足労願うようなことなかったですし。
        ……お願いします。
        自分の運命に立ち向かうほかの三人見てたら、オレだけおいていかれそうな気ぃして……オレも、あいつらと肩並べて昨日の記憶を語って笑いたいんです。         -- バージル 2011-09-25 (日) 15:09:21
      • ……だそうだ、お前の人間性には本当に同じ人間かどうか懐疑的だが、お前の魔法には一定の信頼を置いている。
        僕からも頼んだ、グレナデン。         -- シークエンス 2011-09-25 (日) 15:10:53
      • ふふふ……重畳。シークエンス教授様とお会いするのがあと十年遅れていたら、今宵腕を折られていたのはバージル様になっていたかもしれませんわね。 -- グレナデン教師 2011-09-25 (日) 15:11:48
      • えっ、嬉しくねぇ！？ -- バージル 2011-09-25 (日) 15:12:15
      • ていうか今晩決行なのか僕の腕折り。聞いてないんだが。 -- シークエンス 2011-09-25 (日) 15:12:44
      • では、早速始めさせていただきますわ。
        気を楽にして、全てをワタクシに預けていただけますでしょうか。
        催眠状態ではなく、信頼状態を以って、ワタクシの術中に落ちていっていただければ、なお重畳です。
        （周囲の魔法陣がぼんやりと光を帯び始める）
        （触れただけで身が竦むほどの魔力の片鱗が漏れ出し、思わずバージルの体に緊張が走った）

        （――ゆっくりと、記憶の扉が開かれる） -- グレナデン教師 2011-09-25 (日) 15:14:40
  • バージル・イレーリオの問題 -- 2011-09-25 (日) 02:01:40
    • これは、手記に残された彼の記憶の断片を、バージル・イレーリオが纏め、編纂した散文である。

      先に結論から述べておこう。
      テレシア・レヴィ・イヴラスカヤの抱える世襲貴族の問題。
      ホイム・ヒューエットの抱える英雄制度の問題。
      ラウドバンド・射ノ原の抱える聖痕の問題。
      その全ての事件の発端は、バージル・イレーリオという少年にあった。
      最初からこの因果律が仕組まれていたのか、仕組まれていたように誰かが仕組んだのかは知らない。
      読み手は推測は出来ても、事実の断定、真実の認定はできないのだ。

      だから、この著書を一人の読み手としてあれやこれやと当て推量してみたところで、益体もない話でしかないのもまた事実である。 -- 2011-09-25 (日) 02:07:04
      • そしてこの事件を以って、セータ・シークエンスはその右目を永久に失うことになる。

        余人には理解できないことだが、彼が70という年齢で逝去するまで、再生の方法が存在するにも関わらず、その右目がついぞ埋まることはなかったという。
        本人に誰かが尋ね、勧めても、曖昧に首を振るだけで、けしてその理由を話すことはなかったらしい。
        彼が一方でベイビースカーフェイスと揶揄されていた事実すら、彼は嚥下し、咀嚼しながら生きていたことが伺える。 -- 2011-09-25 (日) 02:13:00
      • 前置きと魔法の詠唱は短ければ短いほどいい。
        彼が晩年に嘯いていた言葉に倣い、物語を始めよう。
        陰鬱で、陰惨で、救いも落とし所ももない、そんな物語を。 -- 2011-09-25 (日) 02:15:28
    • ああ、そうだよ。記憶をな、長期間に渡って拘束するようなそんな術だ。
      種類は何でもいい。というより、限定しない。……かろうじて五属性以外のだってことは分かってるが、これ言うとトバルも肩身狭くなるだろうからな。
      民間非公式の魔術師のお前に頼むしかないんだよ。……ニルお前最近付き合い悪いな、女でもできたのか？　まさかなははは。
      （ばつんと通信が切れる）………（見れば、ゼンアードが鬼を殺すような形相で通信機の電源を落としていた）……何すんだお前。       -- シークエンス 2011-09-25 (日) 02:22:41
      • テメーが何すんだ。テメーこの通信機一秒通話するごとにいくら掛かると思ってやがんだ、十秒で冒険者の初任給飛ぶんだぞ。
        っつーかその貴重な時間で何女子中学生みてーにぺちゃくちゃぺちゃくちゃ、テメエ切羽詰ってオレに助け求めに来たあの可愛らしさはどこいったんだよ！
        上目遣いしやがって、30過ぎたおっさんにされたら気色悪くて鳥肌立って思わず通信機使用承諾しちまっただろうがよ！死ね！
        ただでさえ公私混同が云々っつって諮問委員が諮問されるっつー前代未聞の懲戒者出た後に、こんな融通バレたら冒険者の初任給どころかオレのクビも飛ぶんだぞ！ -- ゼンアード 2011-09-25 (日) 02:28:59
      • （大体要点は伝わったから大丈夫だろうと考え）……ニルのことだ、全部終わった後に完璧な資料持ってくるレベルの間の悪さとか発揮しそうだけどな。
        そこまで話の内容に突っ込んだところまで聞いてたなら、説明省けるだろ。
        記憶の連続性の欠乏。うちの、第八のバージルがとんでもない爆弾抱えてたみたいでな。         -- シークエンス 2011-09-25 (日) 02:32:25
      • オレんときといい、そういう問題のある生徒が集まるようにできてんのか、あの教室は。（ぐしぐし頭を掻く）
        んで、それと今の話がどう繋がるかはいまいち理解できねーよ。外部からの記憶の操作ってお前国禁呪レベルだぞ。
        その上で、病疾患による連続性欠乏じゃなく、魔法による封印だって思う理由を述べよ（五点） -- ゼンアード 2011-09-25 (日) 02:37:01
      • 一つ。バージルの記憶の連続性疾患を聞いたとき、それがあまりに都合が良すぎることに気づいた。
        あいつ、自分の名前や基本的な人間的生活を送るための記憶は忘れないんだ。ただ、あいつとして日々経験したことを翌日に持ち越せないだけでな。
        最初、この性質からある程度の時期以降の記憶が欠落しているのかと思ってた。歩行や日常生活が可能になった以降の記憶が欠落しているんじゃないかと思った。
        だけど、あいつバージルとしての経験や記憶を一切持たない癖に、複雑な料理ができるんだよ。明らかにこれはおかしいと思った。
        料理なんてのは小さい頃からやってたとしても、少なくとも自我の芽生えと共にすでに完了してる経験じゃない。
        つまり、あいつが記憶の連続性を奪われたのが何時か、その問題文だけでは回答は出せなかったんだ。         -- シークエンス 2011-09-25 (日) 02:43:57
      • （顎鬚を撫で）ははん、んで、問題文自体が間違ってるってなったわけか。
        要はバージルは一日で記憶をリセットされているっていう前提自体に疑問を投げかけたわけだ。
        つまり、バージルは記憶をリセットされてるわけじゃなく。 -- ゼンアード 2011-09-25 (日) 02:50:11
      • 一日ごとの経験を、格納してるだけなんじゃないかって。
        そんなことが可能なのは……今のところ魔術だけだ。

        脳と魔法で、エクアのときの事件を思い出した。正直、思い出したくなかったけどな。
        人の思考や記憶に干渉する術は、この国では禁止されているけど、それこそバージルのいたバージェス北軍領でなんかは無差別に使われてたらしいだろ。         -- シークエンス 2011-09-25 (日) 02:52:40
      • 第一戦線か。……長いこと、この国も戦争の経験はないから、オレも実感ねーけど、一番近い内紛だもんな。
        時期も、距離も。
        バージェス北軍領も今でこそ相互統治の下にあるが……ひでー戦争だったらしいからな。 -- ゼンアード 2011-09-25 (日) 02:55:07
      • 何より。その深い爪痕が教え子にも残されてるのに、他人顔してられるほど人間できてもいない。
        ……ランドの聖痕の件があってなお、バージルの抱える問題にバージェスの戦争が関わっていないなんて楽観視できないからな。         -- シークエンス 2011-09-25 (日) 02:57:08
      • お前のその悲観視がバージルとバージェスを結びつけ、更に魔術的な記憶拘束に結びついたんなら、あながち捨てたもんじゃねーかもな。
        その思考、ぶっちゃけオレの思考法だろ？　やだやだ可愛い教え子みたいなことしちゃってテメエは（首を振る） -- ゼンアード 2011-09-25 (日) 02:59:01
      • 可愛いかはともかくとして、教え子ではあったろうが。
        交通事故(ゼンアード)に巻き込まれた可哀想な元教え子を思うなら、もう少し融通利かせて通信させろよ、まだ宛てはあるんだ。         -- シークエンス 2011-09-25 (日) 03:00:09
      • 玉突き事故ってのはどうだ？ -- ゼンアード 2011-09-25 (日) 03:01:18
      • 二度と今つけたその二つ名で呼ぶな呼んだら殺す。 -- シークエンス 2011-09-25 (日) 03:01:56
      • 人生には二つの大事な玉袋があると言います。 -- ゼンアード 2011-09-25 (日) 03:02:57
      • 玉袋って言っちゃってんじゃねえか。
        気は進まないけど第七教室のグレナデン姉妹の姉の方にも協力依頼してるんだ。
        気は進まないけどな。……多分、そこが本命だと思う。流石に僕の右腕を一回折る権利っていうのは魅力的だったのか、洒落にならない速度で情報収集してるらしい。
        史書室の本の30%が借りられていって、そのうちの50%はすでに返却されたんだってよ（他人事のように）         -- シークエンス 2011-09-25 (日) 03:05:55
      • （絶句）そん　なに　……お前、自己犠牲が過ぎるだろ。あの変態女、折るときゃぜってー二十分くらい掛けてゆっくり素手で折るぞ多分。
        いつかその自己犠牲の精神が、お前を取り返しのつかない方向に進ませる気がしてなんねーよ、オレは。
        まあ、グレナデン姉に頼んでるんなら、多分余裕だろうな。あいつあれでも界隈指折りの教師だし。ああ指折りってそういう。 -- ゼンアード 2011-09-25 (日) 03:14:12
      • 相変わらずお前は心配したいのか茶化したいのか分かんないな。
        安心しろよ、踏み倒すつもりだし。大学が炎に包まれるか僕の右腕が折られるか、選ぶなら僕は前者を選ぶ。         -- シークエンス 2011-09-25 (日) 03:15:59
      • 相変わらず屈折してんなおい……。これからするのは骨折だろうがな。 -- ゼンアード 2011-09-25 (日) 03:16:52
      • その一々上手いこと言ったみたいな顔してこっち見るのやめろ50歳。 -- シークエンス 2011-09-25 (日) 03:17:26
      • ま、ほどほどにしとけよ30歳。
        （ノックの音に適当に返事し、手を裏返す。呼応するように扉が開く）……おーう、待ち人来たれりってやつか。第七の生徒じゃねーか、名前わかんねーけど。 -- ゼンアード 2011-09-25 (日) 03:19:15
      • マフルスか、もしかしてグレナデン教師が？
        （尋ねると若い術士は頷く）……そうか（振り返り）ありがとう、一応礼を言う。徒労に終わったみたいだけど。
        あとは僕の右腕の無事だけを祈っててくれ（立ち上がって手を振る）         -- シークエンス 2011-09-25 (日) 03:21:19
      • まあ、こっちもこっちで調べといてやるよ、最近割りと時間に余裕あるしな。
        記憶封印の解き方と、右腕が折れたときの治療法どっちがいい？ -- ゼンアード 2011-09-25 (日) 03:22:22
      • 娘にパンツを一緒に洗ってもらえなくなったときの自己弁証でも調べてろ。（背中を向けたまま手を振って諮問室を出た） -- シークエンス 2011-09-25 (日) 03:23:24

      • （シークエンスの去った諮問室、一人煙草に火をつける）……気ぃつけろよ、セータ。
        世の中には、どうしようもねーことも、あるんだからな。お前は、それがいまいち分かってねーように見える。
        そのどうしようもねーことまで解決する必要は、本来どこにもねーんだ。それは、どうしようもねーんだから。……娘のパンツが、最初から分けて洗われてるくらいにな。 -- ゼンアード 2011-09-25 (日) 03:27:19
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  • （筆を取り、なにやら認めている）
    （急啓。アデル・ランバート様）
    （そこまで書いて、眉根を寄せる）……アデルって結婚してたっけ。苗字どっちのなんだ、今。
    いや……その知らせは届いてない、けど、僕も転居した家の住所、全員に送ったか微妙だな……。
    （さわやかな五月晴れの日々ですが、いかがお過ごしでしょうか）……さわやかなって。
    僕からの手紙でさわやかなって。あと急啓で書き出してるのに時候の挨拶って入れるべきなのか……？     -- シークエンス 2011-08-22 (月) 23:45:15
    • ……それ以前に、堅苦しいな、これ。（丸めて手紙をゴミ箱に放る）
      （アデル、突然の手紙ごめん。ちょっと、どうしても聞きたいことがあって）
      （実際会って話をするのが一番なんだろうけど、お互い忙しい身だし、こっちの都合で呼び出すわけにもいかないから手紙で送ることも、重ねて先に詫びておく）       -- シークエンス 2011-08-22 (月) 23:47:10
      • （本来ならここで、フェイとはどうなってる、とか、そっちの様子はどう、とか尋ねるべきだっていうのは分かる）
        （この間同窓会に参加できなかった僕にしてみれば、そっちの情報があまりにも）……余計、だな、これ。
        （入ってこないから、その話は今度また時間があるときに手紙でやり取りくらいはしたい）
        （少し横道に逸れたけれど、本題に入る）
        （聞きたいことは……キョヌーのことな）　………。
        （そこまで書いて、筆を止め、難しい顔をする）         -- シークエンス 2011-08-22 (月) 23:50:06
      • （王冠。フラフラという女のこと。キョヌーからの最期の手紙）
        （数年前のキョヌー失踪事件。その現場に立ち会ったわけではないから、これ以上を知るとすれば、実際にその場にいた人間に尋ねるしかない）
        （だが、それがどこから生じた感情なのか、それが脳裏を掠めたとき、ぴたりと筆が止まった）         -- シークエンス 2011-08-22 (月) 23:52:52
      • （聞けば、あの優しい友人は、自分を過大評価して、何かができるのではないかと頼ってくるだろう）
        （だけど、それに対して自分ができることは、理論的にキョヌーの死を説明することだけだ）
        （王冠を見る。あの女悪友は伊達や酔狂や冗談で、危険なものを人に託したり、遺書に似た文面の手紙をよこすはずがない）
        （それは……付き合いが長いから、幼馴染の一人だから、分かってしまう）         -- シークエンス 2011-08-22 (月) 23:55:12

      • （できることはしたい）
        （それは、ヒメカの抱える問題に対しても、レオが抱える問題にしても、同じだ）
        （だが、自分の両手で、それを支えきれるかと言えば、無理と返すしかない）
        （ホイムが一度、レネスを糾弾していたとき、レネスはかわしていたが、あの矛先が自分に向いていたら、ちゃんと言葉を返せただろうか）
        （少年だった自分が大人になり、身の丈の計り方が上手くなったことで、自分の限界も容易に知れるようになってしまった）
        （それはある意味で自身を助け、ある意味で他人を助けなくなっている）         -- シークエンス 2011-08-22 (月) 23:58:20
      • （実際、これ以上の問題を抱えたとき、自分は共倒れになってしまうのは目に見えている）
        （今も昏睡状態にあるヒメカを、感情を失ったレオを、いなくなったキョヌーを、昔消火器になりたいと思っていた頃の自分だったら、どうしていただろう）
        笑わせるよな……。（口から自嘲の笑みが漏れるくらいには、子供の頃に描いていた嫌な大人になっている）         -- シークエンス 2011-08-23 (火) 00:00:42
      • （知らないのなら、知らせる必要はない。シュレディンガーの猫は、蓋を開けなければ半分の確率で生きているというが、そうではないと思う）
        （箱を開けなければ、猫は生きている。それが、人が生きる上での活力に、観測する者の原動力に他ならないからだ）
        （同じように箱に入って送られてきたキョヌーの死の形を……何故、今になって当事者でもない僕が誰かに晒すことができる）
        （それは残酷で、救いようのない、徒に誰かを悲しませるだけの情報の伝達でしかない）
        （多分キョヌーは分かっている。自分がその情報を誰かに送ることが、少なからず郷愁を、悲哀を抱かせるということは、推測できているはずなんだ）         -- シークエンス 2011-08-23 (火) 00:04:54
      • だから、僕か……ホントに、お前は……よく僕のキャラを分かってるよ。（タバコに手が伸びる）
        （残念なことに、空だった）
        （キョヌーが僕を選んだのは、多少傷つけても目減りしないであろうことと、それを受け取った後に自己の中で何らかの処理を行えてしまえるという観測に基づいている）
        （簡単に言えば、今のこうやって思考を行って行動に移れない状態まで、読んで委ねているのだろう）         -- シークエンス 2011-08-23 (火) 00:08:11
      • （それが罪悪と知りながら、アデルへの手紙を丸める）
        （心の中でアデルに謝り、屑篭に手紙を投げ入れる）
        （きっと、葛藤の末、自分が誰かに情報を漏らすようなことになれば、それはそれでキョヌーの思い通りなのだろう）
        （そこまで悩んで人に伝えるのならば、それ相応の理由があるか、僕自身が耐えられなくなったかのどちらかだからだ）
        （そこに至るなら、また王冠は僕の信頼できる人の手に渡る……つまりキョヌーは、僕の信頼まで信頼して送ってきたのだろう）
        （首筋を掻く）もしくは……全くそこまで考えずに、直感でやってるんだとしたら、中々の面白い冗句だよ。（一人ごち、肩を竦めた）         -- シークエンス 2011-08-23 (火) 00:12:27

      • （ふと気づく）
        （いなくなった者を過大評価するのは昔からの癖だが、それでも自分の発想に小さく笑いが出た）
        （もしかして、この状況を……帰るに帰れないこの状況を）
        （自分の遺品という過去の遺物を送ることによって、隣町のあの馴染みと繋げようとした目論見もあったとしたら？）
        （今書いていた手紙のように、何らかの形で、自分と過去を切り離せないようにする意図があるとしたら？）         -- シークエンス 2011-08-23 (火) 00:14:43

      • それこそ……余計な、お世話だ。
        （椅子にもたれ、天井を眺める）
        （30を過ぎると、男は涙もろくなるらしい）
        （指の隙間からこぼれた郷愁が、床に落ちた手紙を滲ませ、言葉を曖昧にした）         -- シークエンス 2011-08-23 (火) 00:16:11
      • （その発想が）
        （開いた距離を戻したいと自分が心の奥底で思っている何よりの証左で）
        （いつかの公園の風景が滲む瞼の裏に浮かぶようで、顔を抑えたまま口元だけで小さく「そうだな……帰りたいな」と呟いて笑った）         -- シークエンス 2011-08-23 (火) 00:18:54
  • 　
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  • 　
  • セータ・シークエンスの副題 -- 2011-08-18 (木) 04:31:53
    • （くたびれた。それが、第一の感想で……目の前の光景には、ある程度の充足感はあるが、流石に30代越えると徹夜が身体に色々と辛い）
      （キャンパス内禁煙だが、多目に見てもらえることを願いながら、タバコを口に咥えて、着火器を指で擦る。擦る。擦る）
      ……（昔から不器用だったことも手伝って、この手の作業が疲れているときは辛い。極力魔法は使わないようにしているのだが、仕方ないと指に火を点そうとした瞬間、隣から火が来た）       -- シークエンス 2011-08-18 (木) 04:34:30
      • お疲れ様、ですね。
        ……色々と、ギリギリでしたけど。         -- テレシア 2011-08-18 (木) 04:35:06
      • （甘んじてテレシアの指の炎にタバコをつけ、吹かす）……全部が思い通りってわけでもないけどな。
        正直、確率は五分以下だった。……お前のときより、だいぶ勝ち目の薄い戦いではあったよ。
        しかも、ベッドしたのは、ランドの命だからな……僕は、何も言う資格はない。         -- シークエンス 2011-08-18 (木) 04:36:39
      • やはり……どの程度ランドに、その呪いが嘘であるかってことを信じ込ませるかが、勝負だったわけですか。
        （ランドと、それに馬乗りになっているバージルには聞こえないように小声で言う）         -- テレシア 2011-08-18 (木) 04:37:38
      • そんなところ、だな……。
        線引きとして、それを幸福と思う前に……幸福に作用して広がる傷口が命に関わらないラインで、それを本当に信じ込めるか否かが問題だった。
        だから、今回止血布とか色々準備していたんだぞ。全部無駄になったがな。（笑いながら言う）
        ……今回は、バージルの勝利でもある。あいつの突拍子もない行動が、ランドを救ったっていうのは、一つの事実だ。         -- シークエンス 2011-08-18 (木) 04:39:22
      • 正直、ノータイムで飛び出すとは思いませんでしたけど。
        ……あいつ、本当に魔術師なのかしら。なんでああも直情的なの……？理論とかどこかに置いてきたの？         -- テレシア 2011-08-18 (木) 04:40:10
      • 僕の台詞だ。……一瞬、血の気が全部引いたわ。
        大学にすらいられなくなるかと思った。……まあ、それでも今から厳罰減棒は免れないだろうけどな。喫煙くらいさせろって話だ。         -- シークエンス 2011-08-18 (木) 04:41:04
      • 改めて、お疲れ様ですね……。 -- テレシア 2011-08-18 (木) 04:41:25
      • 今回は、幼馴染にも色々世話になった。今度、個別に何か礼でも言っておかないとな……。
        あー、テレシア、ちょっとだけ肩借りていいか？         -- シークエンス 2011-08-18 (木) 04:42:08
      • えっ！？
        肩！？ですか！？
        え、えっと、その、はい……。         -- テレシア 2011-08-18 (木) 04:42:42
      • （無言で、その肩に額をつける）
        正直、今回はきつかった。バージル相手には毅然としていたけど、最後まで、これでいいのか迷ってたよ。
        僕は、何度も言うが、それほどすごい人間じゃないんだよ。
        （疲労からか、泣き言のような声が漏れてしまった）         -- シークエンス 2011-08-18 (木) 04:44:53
      • ……シークエンス教授。
        （今まで見たことのないシークエンスの弱った姿に、なんと声をかけていいか分からず、名前を呼んだ）         -- テレシア 2011-08-18 (木) 04:46:03
      • ……どうしようもない泣き言を、一つ言うから、聞き流してくれ……。
        ……バージルがランドを追って、屋上から飛び出した瞬間。
        僕は……何もできなかった。
        咄嗟に何もできなかったんじゃない。
        その状況を、なんとかする方法は、100通り以上頭に浮かんだ。
        ……でも、減衰した僕の魔力では、どれも実現不可能で……結局、僕は何もできなかったんだ。         -- シークエンス 2011-08-18 (木) 04:47:45
      • バージルやお前には、適材適所を謳っている僕が、笑えるよな。
        ……今日ほど、僕は自分の無力を嘆いたことはない。         -- シークエンス 2011-08-18 (木) 04:48:47
      • （無言で、そっとその頭に右手を置いた）
        （プライドに障らない程度に、最小限だけ、その身体に触れた）
        ……いいんですよ、もう。
        終わったことですから。……解決した後は、振り返る必要なんて、ないです。
        でないと……また次の問題が来ちゃいますからね。         -- テレシア 2011-08-18 (木) 04:50:19
      • （小さく、笑う）
        ……テレシア、今気づいた。
        お前って、いい女だったんだな。（冗談めかして、笑って言う）         -- シークエンス 2011-08-18 (木) 04:50:59
      • ……そうですよ？　知らなかったんですか？
        （同じく、冗談にしてしまおうと思った。多分それが、いい女の条件だと、私は思ったから）         -- テレシア 2011-08-18 (木) 04:51:41
      • 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ラウドバンド・射ノ原の問題・了 -- 2011-08-18 (木) 04:53:44
  • 　　　　　　　　　　　　　の難題 -- 2011-08-18 (木) 02:46:02
    • 少しだけありふれた、どこにでもある不幸な話をしよう。 -- 2011-08-18 (木) 02:53:13
      • 生まれたときから、母国と隣国は戦争をしていた。
        戦争の理由は、確か国内の軍事組織が北部と南部の間に「国境」を引き、独立をしたからだとか、そういう話だ。
        詳しくは知らない、というより、すでにその戦争は終結していて、情報の一部が統制の下に置かれているために、詳しく調べることは出来なかった、というのが正しい。         -- 2011-08-18 (木) 02:57:10
      • それすらもこの世界ではよくあることで、よくある不幸話で、
        例えばその国境線上に俺の生まれ故郷の村があったところで、それはどこかありふれた話にしかならない。         -- 2011-08-18 (木) 02:58:03
      • 結果的に俺の村は「第一戦線境」なんて呼ばれるようになり、地図の上からその姿を消した。
        当たり前だろう、母国と独立国の戦場になれば、村程度の自衛手段で自分の身を守れはしないんだから。
        その中でも何の自衛手段も持たなかった子供の俺や、俺以外の18人がある種の人質として捕まることも……ありふれた不幸話にしかならないだろうと思う。         -- 2011-08-18 (木) 03:01:17
      • 『呪われた19人の子供』後にそう呼ばれ、一部の国民の間で失笑混じりに話される都市伝説は、そうやって産声を上げた。

        子供たちはまず名前を奪われた。
        だから俺は、自分の本当の名前を知らない。
        ラウドバンドという名前は……後に出てくるとあるお節介がつけた名前でしかない。         -- 2011-08-18 (木) 03:03:24
      • 次に、少年少女たちは烙印を押された。背中に、腹に、顔に。
        まだ表に出ていない自分は、烙印を押される場所という視点だけで見れば、幸運なほうだったのかもしれない。
        だが、焼けて赤熱した鉄の魔道器を背中に押し付けられる痛み、熱さ。
        ニチ、と肉と皮が溶接され、わき腹の下に自分の焼け焦げた薄い脂肪が脂となって垂れる様。
        肉がこげる匂い。皮膚を剥がされ、乱暴に千切られる痛み。……その全てが、幸運なんて言葉を払拭する程度には、まだ俺の頭の中に残酷な記憶として残っている。
        その烙印を押されるとき、他の18人の少年少女は各々兵士たちに押さえつけられ、耳を塞ぐことも目を塞ぐことも許されなかったから。
        苦悶の声。喉から血が噴出すくらいに切り裂き飛び出る悲鳴。懇願の泣き声。
        それが、まだ耳について離れない。         -- 2011-08-18 (木) 03:08:30
      • 何より恐ろしかったのが。戦争という非日常の中で麻痺していたのだろう……それを施した兵士たちが、一様に耐え切れないような笑顔を零していたことだ。
        人間は、自分以外の不幸でここまで楽しめることが出来るのか。
        子供心に、その人間の性だけが、無性に恐ろしかったのを覚えている。
        彼らには崇高な目的があった。それが、その目的に関係の無いことに対しても、気を大きくしていたのだろうと、他人事のように思った。         -- 2011-08-18 (木) 03:10:44
      • 逆さに押された十字の烙印。
        生まれながらにして十字架を背負わされた子供たち。隣国への見せしめのために作られた、19人の生贄は、互いに震える身を寄り添わせながら長い夜をすごした。         -- 2011-08-18 (木) 03:11:59
      • 逃げようとして、二人が殺された。勇敢に反抗をして、一人が殺された。
        日々の生活に耐え切れず、三人が息絶え、一人が意味も無く殺された。
        そして二人が兵士たち自身の享楽のために殺されたところで、俺たちは誰一人として助からないことを自覚した。
        最初から、その兵士たちは、見せしめとして俺たちを使うことしか考えておらず……烙印を押したことで、同じ人間とは思っていなかったようだ。         -- 2011-08-18 (木) 03:14:57
      • 逃げよう。
        誰かがそう言った。
        ここにいても、ただ殺されるだけだ。だから、逃げよう。
        皆は二人の逃げようとして殺された仲間を思い、渋っていたが、やがてその気持ちは一つになった。
        でも、子供の足で、子供の知恵で、どうやって逃げ切ればいい。逃げたのが分かれば、すぐに追っ手が掛かる。
        どうする。俺たちは考えた。そして、俺たちにしかできないことを、考え付いてしまった。         -- 2011-08-18 (木) 03:17:34

      • 結論を言おう。
        俺だけが、生かされることになった。

        正確に、言おう。
        俺以外が死ぬことによって、俺が生かされることになったのだ。         -- 2011-08-18 (木) 03:18:58
      • 誰一人として、迷いはなかった。
        子供だから生まれた、最悪の発想。極限状態にあったから産み落とされた、悪魔の結論だった。
        詳しくは、言わない。言えばきっと、その全てを伝えたくなってしまう。
        残った十人のうちの九人を、十人分に見せる方法など……そういくつも思いつかないだろうから。         -- 2011-08-18 (木) 03:21:07
      • 泣きながら逃げた。声も上げられなかった。助けすらも呼べなかった。
        意識が途切れるまで走り、俺は隣国へと逃げた。
        国境で保護されたときはもうお終いだ、と絶望したが、恐らくここで俺の運は使い切ってしまったような幸運と不幸が同時に訪れた。
        ……国が、バージェス北軍領の独立自治権を認めたのだ。
        戦争は、終了した。

        もし、この知らせが数日早ければ、あるいは残った十人全員が助かっていたなんて夢物語も考えた。
        だが、恐らくそうなっていても、俺たちは一人残らず殺されていたと思う。         -- 2011-08-18 (木) 03:24:16
      • 逃げ延びた俺を待っていたのは、残酷な現実だった。
        国が独立権を認めたということは、友好条約も同時に締結されるということだ。
        つまり、バージェス北軍領が第一戦線境で行われた残酷な所業は、すぐに闇に葬られた。
        呪われた19人の子供のことなど、一度も紙面や記録に載ったことはない。
        地図に確かに載っていたはずの俺の村は、完全に国境の一部にされていた。

        俺たちは、記録の上でも殺されたのだ。         -- 2011-08-18 (木) 03:28:48
      • 怒りも、悲しみも、何も沸いてこずに。ただ、自分が無力であることを思い知らされた。
        ただの無力な子供であることを、背中に負わされた傷と共に、永遠に心に刻み付けられた。
        俺は、もう、何もしたくなかった。         -- 2011-08-18 (木) 03:30:12
      • 俺は路銀を集め、東方に渡ろうとした。とにかく、この北の穢れた大地から逃げ出したかった。
        ただ、当時は海域も整備されておらず、クラーケンなどの棲家もあり、子供が数年働いただけで海を渡るような旅はできなかっただろう。

        だが、ここでも残酷なことに、俺にはまだ幸運が残っていたらしく、とある夫婦に世話をしてもらった。
        名前は、覚えていない。というより、最後まで名乗らなかったと思う。
        その夫婦は、嘯くように「昔、似たようなことしてもらったからな、お前も大人になったとき、困った誰かを見たら同じことをしてやれよ」と笑っていた。         -- 2011-08-18 (木) 03:32:58
      • その夫婦と、二ヶ月だけ共に海を渡り、町を旅した。
        思えば、あの時に俺を構成する全てが出来上がったといえる。
        その夫婦は色んなことを知っていた。話し方、商売のやり方、他人の信頼の集め方、そして、女の子の扱いに至るまで。
        思えば自分の処世術はその酔狂なバンダナと、車椅子の婦人に教わったようなものだ。

        最後に、その男は俺に名前をつけた。
        「あの人くらい、洒落たのはつけられねーけど、お前にはこれくらいがちょうどいい」
        「お前の名前は、ラウドバンド（迂回）、それくらいの心構えで生きても、いいと思う」

        その日、何もかもを奪われた少年に、名前がついた。         -- 2011-08-18 (木) 03:36:48
      • 東方で呪われた子供は歳を重ね、大人になった。
        背中に負わされた魔道器の呪いには気づいていたが、自分から他人の距離を調整すれば、どうにかなった。
        人と人との出会いが水物だということは、よく分かっていたし、一期一会というくらいだからこの世の人間の数だけ出会いがあると思えば、好かれようが嫌われようが、どちらでもいい気がしていたから。

        そして俺は、長い長い歳月の中で、ようやく自分が得たアイデンティティを引っさげて、大学へと入学した。
        そう、眼下に広がる、この大学に、だ。         -- ランド 2011-08-18 (木) 03:40:35
      • ふと、気づく。
        眼下に広がる景色。
        俯瞰の情景。
        ということは、自分は大学の屋上にいるわけで。
        ……何故、俺はこんなところにいるんだ？　これじゃ、まるで。         -- ランド 2011-08-18 (木) 03:42:02
      • いやいや、ちょっと待てよ。アホか。何でこんなことになってるんだ。
        違うだろ。いや、ありえねえ、記憶に連続性がない。
        足が一歩進む。俺の意思に関係なく。
        あと数歩先にはもちろん何もないわけで、何もなければ、そのまま落ちるわけで。
        ちょっと、待てよ、俺の呪いって……ここまでのものだったのか……？         -- ランド 2011-08-18 (木) 03:44:04

      • 幸福になればなるほど、死に近づく呪い。
        十字架に刻まれた、自傷自殺の呪い。
        幸福になれないことが約束された、オレの19年の人生。

        苦しいときも、辛いときもあったけど、それなりに楽しかった、人生。
        こんなところで終わるんだろうか。嫌だ。俺は、まだ……何も、あいつらに何も言えてない。         -- ランド 2011-08-18 (木) 03:46:10

      • そのとき、追い風が吹いた。
        まるで俺の死を歓迎しているかのようなその風に乗って、俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。
        ふらふらと振り返る。

        そこには。         -- ランド 2011-08-18 (木) 03:47:19
      • 「待て。待てよランド。お前、待てって……！」
        「ようやく、ようやく見つけたんだ、お前に施された呪いの真相……！！         -- バージル 2011-08-18 (木) 03:48:10
      • 「本当に屋上に出ているとはな……お前、何を考えてる」
        「他のゼミ生も、皆……いや、とにかく、まず解呪を……」         -- シークエンス 2011-08-18 (木) 03:49:32
      • バージル・イレーリオ。
        セータ・シークエンス。
        二人ともボロボロの格好で、よれよれのシャツで。
        多分、必死に俺を救う方法を探してたんだろうな。
        誰も頼んでねえのに。
        誰も、期待してねえのに。
        背中が痛む。出血が、一気に背中をぬらし、地面に血溜まりを作る。         -- ランド 2011-08-18 (木) 03:51:05
      • 「……やはり、説得してからの解呪は、無理だな……！」 -- シークエンス 2011-08-18 (木) 03:51:59
      • 「おい、聞け！！ランド！！」
        「お前に掛けられた呪いは――！」         -- バージル 2011-08-18 (木) 03:52:35
      • 傷が。
        背中から内臓に達する。
        バージルが叫んでいるが、聞こえない。
        口の中に血が溜まり、地面にべしゃりと吐き出す。
        意識が遠のく。
        幸福が俺を殺す。

        そう。
        俺はもう、多分疲れていたんだ。
        いつまでも手に入らない幸福と、適度な距離を以って遊ぶのが。

        他の幸福ならば、どうでもよかった。
        でも、俺にとってあそこは。
        あの第八研究室という場所は。
        余りにも居心地がよすぎたから。

        二度と失いたくない、幸福な場所だったから。         -- ランド 2011-08-18 (木) 03:54:32

      • 「わりぃ。バージル」
        「……疲れたわ」         -- ランド 2011-08-18 (木) 03:55:06

      • 遠のく、意識の中。
        ゆっくりと、その歩を後ろに進める。
        その一歩は、落下の一歩。
        踏み出した先に床はない。
        視界に、空が広がる。仰向けに俺の身体が、落下していく。

        そうか。俺は。
        またこんな場所を探すのに疲れてて。

        俺を助けてくれたあいつらには悪いけど。
        あいつらと同じ場所に行きたくて。

        まるで、背中からの出血が、赤い羽のように広がる。
        最期まで、残酷な呪いだ、これは。
        十字架が、天使の羽になるなんてな。         -- ランド 2011-08-18 (木) 03:57:31

      • 十分に、距離はあった。
        手を伸ばしても届かない距離から、俺はステップを切ったはずだ。

        だから、俺の脳は考えることを拒んだ。
        ――その、底抜けのバカは。

        迷うことなく、空に向かって飛び出してきたから。         -- ランド 2011-08-18 (木) 03:59:13
      • ああ、そうだ。
        思い出した。
        あのバンダナの男が、俺に名前をくれた理由。

        「いつか、お前がどんなに不幸な人生を送っていても」
        「……必ず、その名前を呼んで、手を差し伸べてくれる誰かが、現れるからな」
        「だから……そのための名前だ」

        そう、言っていたっけな。         -- ランド 2011-08-18 (木) 04:01:06
      • そいつは。届くわけ無いのに。
        自分も落下しているのに、掴んでどうするつもりなのかすら考えず。
        まっすぐに――俺に向かって手を伸ばし、大声で、叫んだ。         -- ランド 2011-08-18 (木) 04:03:39


      • ――ランドォォオオオオオ！！！！！

        -- バージル 2011-08-18 (木) 04:03:59
      • 「……バカ野郎」

        なあ、18人の同志。
        本当に、不幸続きだった俺の人生で、たった一つだけ、自慢したいことができたんだ。


        ――友達ができたよ。         -- ランド 2011-08-18 (木) 04:06:02
    • （一秒の迷いもなく飛び出していった、バージルの背中を追って走り出し、眼下を見る）
      （最悪の光景が広がっていることすら覚悟したが、一瞬の後に視覚的に安堵の息が漏れた）       -- シークエンス 2011-08-18 (木) 04:11:15
      • （その身体は、地面と衝突したとしても衝撃がゼロになる魔法陣に包まれ、そもそも落下速度はゼロになって空中で停止しており）
        （その効果を最大限に引き出された、クッションの役目を果たす巨大な鳥が召喚され）
        （さらに地面では着地衝撃を吸収する網が、贅沢にも二重に編まれていた）
        （視線を大学の構内に向けると、ギリギリで駆けつけたゼミ生たちが、こちらに向かって手を振っていた）
        ……本当に、優秀な生徒たちだな、お前ら……（苦笑しながら言う）         -- シークエンス 2011-08-18 (木) 04:16:26

      • （ゆっくりと、その身体が地上に降りてくる）
        （空中で静止したせいで、バージルの身体を受け止める形になった体が、ゆっくりと地面に着いた）
        ………。（バージルは、俺の体の上からどかない。俯き、その表情は伺えないが、次の瞬間胸倉を掴まれる）         -- ランド 2011-08-18 (木) 04:18:21
      • ばっ……か、や、ろ……お前……！！
        お前、お前ーっ！！（胸倉を掴み上げて、叫ぶ）
        （涙が止まらない。恐怖と、怒りと、悲しみで感情が制御しきれない）
        何が、幸福で死ぬだ……何が幸せになれねー運命だ。         -- バージル 2011-08-18 (木) 04:20:04
      • ざっけんじゃねえよッ！！！
        こんだけ心配して、こんだけ助けてくれる仲間がいて、それ以上なんの幸福がいるってんだ！！！
        ふざけろ、お前……お前の身に呪いなんか掛かってねーんだよッ！！！         -- バージル 2011-08-18 (木) 04:21:52
      • （その言葉を聞いても）
        （どこか、驚きは遠いところにあった）
        （ただ、親友が、顔をぐちゃぐちゃにして泣き、その涙が俺の顔に降ってくるその時間だけが）
        （俺を責め続けていた）         -- ランド 2011-08-18 (木) 04:23:05
      • （召喚を無駄にしたくはなかったのだろう。屋上に止まったエクアの鳥の背に乗り、地面に降りる）
        ……正確には、お前に掛けられた呪いは暗示のようなものだ。
        お前の、罪悪感に呼応するタイプのものなんだろうな。
        ニル、いや、僕の友人いわく、そんなに長時間身体を苛む類の呪いというものは、それ程の短期間では準備できないようだからな。         -- シークエンス 2011-08-18 (木) 04:24:58
      • だから、お前が生きようと思えば、お前が本当に今を生きようと思えば、
        お前が死ぬことなんてねーんだよ！！バカ野郎！！（地面にランドの身体を叩きつける）         -- バージル 2011-08-18 (木) 04:26:10
      • （ようやく）
        （頭が動き始める）
        そうか。
        ……俺は。

        （手で、目を覆う）
        ……幸せになって、よかったんだな。         -- ランド 2011-08-18 (木) 04:27:11
  • 　
  • 　
  • ラウドバンド・射ノ原の難題 -- 2011-08-17 (水) 22:58:01
    • （まさか、こんな強攻策に出るとはな。口の端で笑いながら、近代歴史書や地図を仕舞う）
      （隠していたわけではない。誰からも聞かれなかったから言わなかっただけだ）
      （言う必要があれば、言えるが、自分から相談なんてできるわけないだろう？）
      （そんなことをすれば、痛い目を見るのは自分、割を食うのは自分自身なんだから）
      ……笑うよな。ホント、今更だぜ。       -- ランド 2011-08-17 (水) 23:00:31
      • （そのとき、ふと扉の開く音がして振り返ると、そこにはバージル・イレーリオがいた）
        （軽口を聞こうとして、やめた）
        （まるでその目は、俺を糾弾するようで……俺の後ろめたさを追及するかのような、そんな目だったからだ）
        おいバカ一号、帰ったんじゃなかったのか？（へらっと笑いながら言う）         -- ランド 2011-08-17 (水) 23:02:11
      • 帰れるかよ。
        ……ちょっとそこまで買い物に出るやつが、「旅行食」なんて買い漁るわけがない。
        お前の買い物袋の中を見たとき、オレはピンときた。……なんでだよ。なんでお前……オレたちの前からいなくなろうとした。         -- バージル 2011-08-17 (水) 23:03:27
      • （バカのくせに、口の中で小さく呟いて、笑う）
        なんのことだ。とか言ってお茶を濁そうかと思ったが、どうもそういう空気じゃねえみたいだな。
        ……ビビったわ。黙っていなくなろうと思った瞬間、お前らいるからよ。
        正直に言うとな、地図忘れていったんだ。……俺にしちゃ、痛恨のミスだった。         -- ランド 2011-08-17 (水) 23:05:36
      • 質問に答えろよッッ！！
        お前は、オレが思ってるより、ずっと深刻なことを隠してる。
        ホイムに言った、救ってやるって言葉や、隠すなって言葉は全部虚勢だったのか！！
        それともなんだ、オレじゃ頼りにならねーから、ってホイムみてーなこと言うつもりかお前！！         -- バージル 2011-08-17 (水) 23:07:00
      • ……言わねえよ。冗談でも言えるか、そんなこと（背中が、痛む。うっすらと血が滲んできたのか、切るような痛みが走る）
        言えない事情があった。ただそれだけだ。
        ホイムに言った言葉も、嘘じゃねえ。つい先日まで、あいつの問題にこの大学にいるうちは付き合ってやろうと思ってた。
        ただ、ちょっと……俺が思って頼り限界が来るのが早かっただけだ。         -- ランド 2011-08-17 (水) 23:09:35
      • わけ、わかんねーよ……。お前、もう身体ヤバいのか……？
        だったら尚更、オレたちや教授に相談してくれてもよかっただろッ！？         -- バージル 2011-08-17 (水) 23:10:34
      • ……だから、言えるかよ。

        俺の『聖痕』は、俺が幸福を感じたときに開くんだから。         -- ランド 2011-08-17 (水) 23:11:42

      • （一瞬、目の前のランドが……仮面を外したかのように見えた）
        （表情は変わらない。いつもの軽薄な顔で、真っ直ぐオレを見ているだけだ）
        ……幸福、って……なん、だよ、それ。         -- バージル 2011-08-17 (水) 23:12:58
      • （背中の痛みは増していく。知るか。もう、零れ落ちた言葉は、撤回できない）
        だから、言えるわけないだろう。……他人に傷を理解されると、それを幸福と感じて傷が開く。
        俺が充足すればするほど、俺の身体は傷ついていく。
        だから、黙って離れるしかなかった。俺のことをお前らが嫌いになるころ、ふらっと戻ってくるつもりだったんだよ。
        ……（じくり、と背中一面に傷が開く音がした）……わりぃな。         -- ランド 2011-08-17 (水) 23:15:07
      • （何も言い返せない）
        （ランドがことあるごとに女にフラれていたのも）
        （他人の感情を逆なでするようなことを呟いていたのも）
        （……人と距離を置くための、こいつなりの手法だったんだとしたら）
        ……ランド。         -- バージル 2011-08-17 (水) 23:16:34
      • 正直な。俺はこのままでもいいと思ってた。適度に自分から距離を置けば、痛み程度で済むんだからな。
        ……皮肉なもんだ、とか言うしかねえ。俺が幸福になればなるほど、身体が傷ついていくんだ。
        多分幸せが過ぎると、調整が入るように、神様がバランス考えたんだろうぜ。
        実際にこれを施したのは人間だったが……こんなもん、人間の精神してりゃ、思いつかねえ残酷な呪いだからな。         -- ランド 2011-08-17 (水) 23:20:00
      • ……『聖痕』。
        （人が施した。悪魔の所業。バージェス北軍領。二国間戦争）
        ……『聖痕の逆十字』。         -- バージル 2011-08-17 (水) 23:21:32
      • （笑う）都市伝説だとか、思ってたかもしんねえな。バージルも北軍領出身なら、噂でくらいなら聞いたことあるとは思ってた。
        だから、まあ、そういうのも含めて、俺は自然に誰かにこの傷を知ってもらいたかったのかもしれねえな。
        ……ベッドの下に隠した本も、お前だけに見せた瑕も……もしかしたら、お前になら理解してもらえるかもとか思ったんだよ。
        それが、このザマだ。（肩口に手をやる。べっとりと血液がつく）
        ……『呪われた19人の子供』。今でもあの国の怪談の一個だよな……その一人が、俺なんだよ。         -- ランド 2011-08-17 (水) 23:24:32
      • ……嘘、だろ。北軍領での拷問は、存在しねーもんだって国が発表して……。
        （でも、それでも目の前にいるのは、その19人の子供の一人で）
        ……お前、だって東方出身って、言ってただろ……。         -- バージル 2011-08-17 (水) 23:26:09
      • 人って言うのは、難儀なもんだよな。……自分で見聞きした情報以外も、真実だと信じ込めてしまう。
        東方では、幼少期を過ごしただけだ。生まれは北軍領なんだよ。
        ……分かったろ。俺はこれ以上、第八研究室にはいられないんだ。
        テレシアのように、ホイムのように外的な要因でいられないわけじゃない。
        ……このままだと。幸福で、俺が死ぬんだ。（血の気の引いた顔で言う）         -- ランド 2011-08-17 (水) 23:28:51
      • （ぐっ、と拳を握る）
        （痛いほどに握られたその手から、赤い雫が零れる）         -- バージル 2011-08-17 (水) 23:30:35
      • 今生の別れってわけじゃねえんだ。また気が向いたら、お前らの愛想が尽きるころにまた来てやるよ。
        だから、お前も――         -- ランド 2011-08-17 (水) 23:31:40
      • 嫌だ。
        オレは、嫌だかんな……。
        お前が死ぬのも、お前がいなくなるのも。
        お前が、幸せになれないのも……！！
        そんなの、絶対許せねえ……許せるわけねえだろ、そんなもん！！         -- バージル 2011-08-17 (水) 23:32:43
      • （その突然の激昂に、思わずきょとんとしてしまった）
        （次いでこみ上げてくるのは、痛みと笑い）……お前な。ホントに、1mmも俺の話聞いて理解してねえだろ。
        ああ、痛ぇ、くそ……死ねよ。二秒で死ね。数え間違えて三秒で死ねよ……（笑いは止まらない）
        （怒りに塗れた男と、その怒りをぶつけられて笑う男は、なんとも滑稽に見えただろう）         -- ランド 2011-08-17 (水) 23:34:49
      • お前がどう思おうが、構わねーよ。
        でもな、どうしてもダメなときは、ちゃんとオレに言ってからいなくなれよ……！
        でねーと、オレは探すからな、絶対に、お前がどこにいたって、探し出して一発ぶんなぐってやるからな！！
        ……ランド、ちょっと待ってろ。待ってろよ。
        オレは。……お前を助けてやるから。
        （台詞だけをそこに残して、家を飛び出す）
        （史書室、情報室、全て回る。絶対になんとかできるはずなんだ。だから、オレは……今は親友のために走らなければならない）         -- バージル 2011-08-17 (水) 23:37:21

      • （勢いよく飛び出していったバージルに、笑いも痛みも深いものになる）
        だから、お前……本気で人の話聞け、っつーの。
        （ぼたぼたと背中から血が流れる）幸福感じたら、傷が開くっつってるだろうが……。（壁に背中を預ける、べちゃりという音）
        例えそう思ってるにしろ、俺にそれを伝えるんじゃねえよ、マジで……バカすぎるわ。

        （壁にもたれたまま、ずるりと背中が滑る。血を流しすぎたのか、意識が遠ざかる）
        （真っ青な顔で、笑顔を作る）……バカすぎて、ちょっと、信じてみようかって気に、なっちまうだろ。
        （今まで、誰かを心から信じたことなんか、一度もなかったのにな）
        （出血による意識の混濁で、視界が闇に落ちていく）
        （幸福の残滓がまだ残る部屋で、静かに俺は目を閉じて、意識を失った）         -- ランド 2011-08-17 (水) 23:41:04

    • （二日が経った）
      （進展があれば、きっと経ったなんて表現は使わないはずだ）
      （だから問題は据え置きで、何一つ解決していなかった）
      （ただ、徒に時間が過ぎていく中、読み漁った文献はすでに100冊を越えている）       -- バージル 2011-08-17 (水) 23:43:16
      • （何度も自分の無力を嘆きそうになった）
        （自分が真面目に魔術師を目指していたら、辞書を引きながら異国語を翻訳するという作業を飛ばせたはずだ）
        （呪術の授業も受けておくべきだった。もっと言えば、その解呪方法も）
        （自国の歴史についても知らないことが多すぎた。バージェス北軍領で行われている戦争は、どこか他人事のようにしか思えなかったから）         -- バージル 2011-08-17 (水) 23:45:17
      • （昨日の日記には、悲痛な筆跡で「悪い…」と書き残されていた）
        （今なら理解できる。深夜を回りそうなこの時間帯、明日の自分に記憶を引き継げない自分が、明日の自分に希望を託すことの無力感は、凄まじい）
        （ちゃんと伝わるのだろうか。ちゃんとこの思いを、無念を文だけで伝えることが可能なのか）
        （心の中にある焦燥が胸を焦がし、全てを投げ出したくなるような無力感へと繋がる）         -- バージル 2011-08-17 (水) 23:47:43
      • （日記に文を残す時間、日記を読む時間として、一日のうちに二時間をとられている自分が、他人を助けるなんてこと、本当にできるのだろうか）
        （オレの記憶は12時に、起きていようが寝ていようが必ずリセットされてしまう）
        （何より胸を焦がすのが、自分は日付をまたいでも覚えていられることがあるはずなのに）
        （例えば日記を見ることや、自分が記憶障害であることは、日記を見ずとも理解できるのだ）
        （なのに、今日の朝日記を開くまで、ランドが危機的状態にあることを、思い出せなかった）
        （そういった細かいことが、自分の胸を締め付けて、苛んでいる）         -- バージル 2011-08-17 (水) 23:50:47

      • （自分一人では、届かないかもしれない。二日目にしてようやく思い至る）
        （そうだ。自分は無力だ）
        （だから、誰かに頼らないといけない）
        （時間はすでに十時半、碌に寝ていたいために目が、頭が痛い）
        （史書室を抜け出して、家に帰ろうと思ったが、思い直す）
        （時間を一秒でも無駄にしたくは無い。明日、教授の助言を仰ぐために……今日は研究室で寝よう）
        （鍵はシークエンス教授の持ち番だから、明日研究室には最初に出てくるはずだ）
        （自分は緊急時だけ使用が許可されている合鍵で入り、そこで教授を待とう）
        （この際、自分の記憶障害がバレても構わない）
        （無力なオレが、ランドを助けるには、それしかないんだ）         -- バージル 2011-08-17 (水) 23:54:33
      • （フラフラとした足取りで、研究室へと向かう）
        （息も絶え絶えに、手すりに掴まりながら階段を上り、４Fへと急ぐ）

        （ふと、そのとき）
        （研究室の中に、明かりがともっているように見えた）

        （そんなわけはない。校門は10時に閉まる）
        （誰もいないはずだ）
        （いない、はずなんだ）         -- バージル 2011-08-17 (水) 23:56:39

      • （いる）
        （誰かが、いる。小さく、明かりがついている）

        （恐る恐る、ドアノブに手を掛ける）
        （鍵は、掛かっていない）

        （扉を押し開く）
        （小さな燭台の明かりが、闇の中に揺らめいていた）         -- バージル 2011-08-17 (水) 23:58:22
      • （いつか、自分は）
        （シロマル・ルーデンスに、こんなことを尋ねた）

        （シロマルエフェクトと類稀なる才能を持つ、大学きっての天才が、第八研究室に在籍しているのは何故か、と）
        （何故、シークエンス教授の下で研究をしているのかと）

        （シロマルは答えた）
        （それは、お前が答えを見つけろと）
        （実際に自分で経験してみなければ、分からないと）         -- バージル 2011-08-18 (木) 00:00:37
      • （だから、オレはそのとき理解した）
        （喉から、声が出てこない）
        （先に出てきたのは、涙だったから）
        （19にもなって、情けないとは思う）

        （だけど、目の前にいる、文献に囲まれたセータ・シークエンスを見て）
        （確実に一睡もしていないその隈だらけの顔を見て）

        （オレは、もう、その一言しかいえなくなっていたから）

        （セータ・シークエンスが、気づいたようにこちらを見る）         -- バージル 2011-08-18 (木) 00:03:06


      • ――助けてください……教授……

         -- バージル 2011-08-18 (木) 00:04:07
      • （何をしていたかは知らないが、思うところがあって、こいつも努力をしていたのだろう、とその目の下の隈を見て思った）
        （研究室の入り口に立ち尽くし、滂沱の涙を流すバージルを、僕は笑えない）
        （まるで何かの堰を切ったかのように涙を零すバージルに、僕は、ただ一言だけを返す）

        （きっとそれは、脂で固まったボサボサの髪と、二日洗濯していないシャツと、汗に塗れた顔）
        （目の下に隈のある疲れきった30代の男が言うには、余りにもしまらなかったとは思うけれど）         -- シークエンス 2011-08-18 (木) 00:07:09


      • ああ。――任せろ。

         -- シークエンス 2011-08-18 (木) 00:08:01
  • ラウドバンド・射ノ原の問題・４ -- 2011-08-17 (水) 00:09:29
    • あー。
      成る程。つまりなんか失踪と勘違いしたコイツが、この三つ編み馬鹿が俺の住居に勝手に不法侵入した挙句、
      家捜しまでしてこの有様と。よし、端的にさわやかに言おう。（バージルにチョークスリーパーをかける）死ねッ！！　マジで死ね！！　第九が流れる中厳かに死ね！！       -- ランド 2011-08-17 (水) 00:17:15
      • ぐえーっ！！　ギブギブ！！　つか、マジで心配したんだっての！！
        お前もお前で紛らわしいときにサボってんじゃねーよ禿げ！！　鍵開いてたじゃねーか！！         -- バージル 2011-08-17 (水) 00:18:06
      • まさか隣町まで買い物に行っていたとは、中々に拍子抜けの結果ですね。
        つまり朝からたたき起こされて色々と面倒なことをさせられたのは全部バージルの勘違いだったと（棒で遠巻きからバージルを突く）         -- ホイム 2011-08-17 (水) 00:19:10
      • いやあ、でも若い男の子の部屋に入るというのは、中々に楽しい催しではあったけれどね。
        うん、わたしは満足した。とても有意義な時間だったよ、ランドくんが帰ってきたときはどこの不審者かと思って驚いたものだけどね。         -- エクア 2011-08-17 (水) 00:20:33
      • ていうか鬼か先輩！！　ベッドの下探すとかやめたげてよぉ！！
        幸いにしてそういう本集める趣味は12で終えたけど、男の聖域に土足で踏み込んでいい道理ねえだろう！！         -- ランド 2011-08-17 (水) 00:22:03
      • キミたち男子は、ベッドの下を探されるとそのリアクションをすると決まっているのかい？
        だが、仕舞われていたのは中々にわたしの興味をそそるものだったよ。もしかして、これは婉曲なアプローチなのかい？　困ったな、わたしは年下には興味ないのだが。         -- エクア 2011-08-17 (水) 00:23:15
      • 今の自身の置かれている状況を分かっていて四角関係にしようとしないでください。
        貴方はこの研究室をハーレムにでもするつもりですか。         -- ホイム 2011-08-17 (水) 00:24:22
      • あこがれるじゃないか。少女漫画でも大体四角関係は出てくるものだろう？ -- エクア 2011-08-17 (水) 00:24:51
      • （ぱらぱらと捲っていた歴史書から顔を上げて）いや、その場合でも男三人っていうのは不純が過ぎないかしら。
        それはもう少女漫画じゃあなくジャンルが違うと思うの。         -- テレシア 2011-08-17 (水) 00:25:52
      • というか、まんまと釣られた僕が言うのもなんだが、お前ら今講義サボっているという自覚は微塵もないのか？
        何事もなかったのならそれでいいだろう。ほら、研究室戻るぞ。         -- シークエンス 2011-08-17 (水) 00:26:47
      • （その言葉に、何かを言おうと口を開きかけたが、すぐに教授と目が合う）
        ……。（目で訴えると、首を縦に振る。ああ、まあ、私が思いつくことを、シークエンス教授が思いつかないわけはないか）
        （一瞬だけランドの買い物袋の中を見てから、アイコンタクトで全てが伝わったのが嬉しくて、笑顔でうなづいた）         -- テレシア 2011-08-17 (水) 00:28:50
      • まあ、ゼミにゃギリギリ間に合わせようと思ってたんですけど、馬車が遅れたんですよ。後で時間が合ったら顔出しますから。（買い物袋をあさる）
        つか、おちおち日用品も買いに行けないとか、どんなプライバシー侵害だよ。         -- ランド 2011-08-17 (水) 00:30:06
      • まあ、なんかもうホイムやテレシアんときみたいに、ゼミ生が欠けるみたいな事件、やめて欲しいからな。
        悪かったよ……（口を尖らせてぶつぶつと謝罪する）         -- バージル 2011-08-17 (水) 00:31:10
      • では、戻りましょう。エクア先輩、先ほどの議論の続きをしましょうか。 -- テレシア 2011-08-17 (水) 00:33:40
      • やめて。 -- シークエンス 2011-08-17 (水) 00:33:58
      • ふむ。では次は教授の男性としての甲斐性のなさについて言及していこうか。
        教授、これでレポートを書いた場合、単位に変えることはできるかな？         -- エクア 2011-08-17 (水) 00:37:20
      • 嘆意に変わるわ。というかお前ら人数揃ったらディベートやるって言ってただろうが。
        真面目にゼミやれよレネスがいないときでも。         -- シークエンス 2011-08-17 (水) 00:38:25
      • もちろん、教授の女性遍歴についてのディベートをする予定だったからね。 -- エクア 2011-08-17 (水) 00:39:09
      • 僕にとっての約束された敗北の話題(エクスカリバー)だろうが！！
        いいから帰るぞ。……ランド。（振り返り名前を呼ぶ）         -- シークエンス 2011-08-17 (水) 00:41:25
      • あ、はい。（間抜けな声が出た。自分に話を振られるとは思っていなかったから） -- ランド 2011-08-17 (水) 00:42:50
      • ……悪かったな。
        （それだけ言い残して、部屋を出る。生徒たちも続くように部屋を出て行った）         -- シークエンス 2011-08-17 (水) 00:43:35
    • ……よろしいのですか？教授。
      （集団から少しはなれた後ろ、大学への帰路を歩きながら、そんなことを尋ねた）
      （教授は振り返らずに、真っ直ぐ前を向いて歩いている）       -- テレシア 2011-08-17 (水) 22:30:04
      • ……あのな。いや……愚痴っぽくなるから言わないで置こうと思ったんだが、
        僕は……欠片も万能じゃない。できることだって限られてる。
        だけど、その限られたことすらできなくなったら、ただの役立たずなんだよ。
        ……あの場にいて、僕ができることは何もない。         -- シークエンス 2011-08-17 (水) 22:31:53
      • ですが、気づいていたのですよね？　ランドの買い物の内容と、バージルの独白で。
        どう考えても、事態はランド本人やバージルが思っているほど楽観視できるものじゃないです。
        出血を伴う傷、というのは聞いたことありませんけれど、何かが引き金になっているのなら、それは。         -- テレシア 2011-08-17 (水) 22:33:41
      • ――呪い。か。
        ……確かに、バージルの得た情報だけで探るのは、かなり難しいとは思っている。
        ただ、それ以上を根掘り葉掘り詮索し、原因を突き止めることを……あいつ自身が望んでいるかといえばそうでもないだろう。
        あいつの問題はきっと、僕が思っているものよりずっと根深い。
        だから、せめてあいつが助けを求めてきたときに……ゼミ生が助けを求めに来たときに、それに応えられるようには準備しておきたいっていうだけだ。         -- シークエンス 2011-08-17 (水) 22:36:28
      • ……男子って、面倒くさいですね。 -- テレシア 2011-08-17 (水) 22:37:04
      • 知らなかったか？　少なくとも女子よりは面倒くさいものだ。多分、一生な。
        (真剣な顔で顎を押さえ）……ただ、あいつがどういう道を採るのかは分からないが、その意見を矯正したくはない。
        僕は誰かの助けにはなってやれるが、標にはなってやれないんだよ、テレシア。
        昔から……そいつがそう決めて動いているのなら、僕はそれを見届けていこうと思ってた。
        今だってそうだ。……ランドも、第八研究室の研究生である以前に、一人の男だからな。         -- シークエンス 2011-08-17 (水) 22:40:46
      • ……結果、その相手が不幸になろうとも、ですか。
        本当に、回りくどくて、面倒くさいですね、男子のプライドって。（言いながらも、小さく笑った）
        これからどうするんです？　調べるにしても、何か当てはあるのかしら。         -- テレシア 2011-08-17 (水) 22:42:00
      • あるよ。（しれっと）
        まあ、それほど強固なコミニュティってわけじゃないから、最終的には自分の足と時間と頭を使うことにはなるだろうけど。
        まず、協会長とトバルだろ。あそこは情報が多すぎるから時間もかかるだろうし、最優先だ。長らく顔出してないけど覚えてるのかな。
        あとは、ニルとカー兄とセレネ、くらいか、魔法に精通してそうなの。サラ、にも送りたいけど、通常のとんかつ屋業務ある中時間とらせるのもな……急ぎだし。
        あとは……ウィノとかいればもう少し早く解決するのかもしれないけど、ないもの強請りするようじゃちょっと追い詰められすぎだろって感じだな……。         -- シークエンス 2011-08-17 (水) 22:45:46
      • ……私の前で私の知らない女性の名前を出すって、喧嘩売ってます？
        いえ、それもですけれど、本格的に調査をするのであれば、まずランドをどうにかしなければならないのではないですか？
        徒労に終わってしまうのは、怖くはないのですか？         -- テレシア 2011-08-17 (水) 22:47:07
      • お前、僕女性の名前出すことにすら気使わなきゃならんのか。
        言ったろ。ランドの思うようにさせるって。だからこれは、僕が勝手にするお節介だからな。
        友情は見返りを求めないもんだ。……これは、僕の友人の受け売りだけどな。
        あと、気づいてないのか？（周囲を目で促す）
        ……僕は、この目に賭けて見るのも、勝率それなりに高いと思ってるんだけど。         -- シークエンス 2011-08-17 (水) 22:49:00
      • （その視線に促されるように、周囲を見回す）……ああ。
        （納得した。一人、着いてきていない。つまりは……）
        そうでしょうか。私は聊か不安ではある、かしら。（小さく笑った）         -- テレシア 2011-08-17 (水) 22:50:15
      • まあ、適材適所だ。
        失敗したら、失敗したで、慰めてやろうと思うしな……。
        僕はできることを、やろう。（心なし足早に、大学へと戻っていった）         -- シークエンス 2011-08-17 (水) 22:51:09
  • ラウドバンド・射ノ原の問題・３ -- 2011-08-16 (火) 04:13:59
    • ……ここ数日、講義にも出てなかったみたいなんだよ……それ自体は別に珍しいことじゃねーけど、それ以前から様子おかしかったっつーか……。
      んで、今日ゼミの日になっても大学で見ねーから、やっぱりこれはおかしいって家の中覗いたら、ランドいねーから……。       -- バージル 2011-08-16 (火) 04:16:29
      • そんなこんなで家で寝ていたボクがたたき起こされて現場の保存と管理人への対応をお願いされたわけです。
        いい迷惑ですが、ただ……数日間も家を開けっ放しにするっていうのは、確かにおかしいですね。
        実は、鍵も管理人に借りた、というわけでなく最初から開いていたんですよ。（ランドの部屋のドアを開閉する）         -- ホイム 2011-08-16 (火) 04:17:59
      • （部屋の中に踏み込む。特に荒らされた形跡はない）
        （男の一人暮らしは簡素なものだ。観葉植物の一つもないこざっぱりとした部屋には生活観がない）
        ……もう少し汚れっぱなしかと思えば、綺麗にしてるんだな、ランド。         -- シークエンス 2011-08-16 (火) 04:19:21
      • 女の子連れ込む用だからでしょ。女の子が見るのは利便性より清潔さなんだから。
        ほとんど匂いがしないのも、念入りに消臭魔法をかけてるからでしょうね。前の女の残り匂や髪の毛を徹底的に掃除してるから部屋も綺麗なんですよ。多分。         -- テレシア 2011-08-16 (火) 04:20:43
      • ふむ。教授単独では至ることのできない結論だったな。
        よかったな、教授、わたしたちが着いてきていて（ぽん、と笑顔でシークエンスの肩を叩く）         -- エクア 2011-08-16 (火) 04:21:29
      • お前いっぺんトラウマになるレベルのキスとかしてやろうか。結局教授には勝てなかったよ系の。 -- シークエンス 2011-08-16 (火) 04:22:22
      • やれるものなら。男性にはそのくらいのワイルドさが必要であると、常々ギアくんやレネスくんにも言ってある。
        ……しかし、本当に飾り気のない部屋だな。隠す場所がないということはベッドの下だろうか……？（しゃがんでベットの下をごそごそ漁りだす）         -- エクア 2011-08-16 (火) 04:24:22
      • やめたげてよぉ！！ -- シークエンス・バージル 2011-08-16 (火) 04:25:28
      • エっちゃん先輩ダメだから！！　男子の部屋のそこは女の子が簡単に手を入れていい場所じゃねーから！！
        何ナチュラルに探し出して机の上に角揃えて並べてあげようとしてるんですか！！         -- バージル 2011-08-16 (火) 04:26:46
      • お前元担当教授として注意するぞ！！　本気でお前やめろ！！
        もしお前、ランドが他人から借りたそういう本が発掘されたとき、あいつの人間性が疑われるだろ！！あいつのいないところで！！
        ていうか万が一妊婦物とか出てきたときの風評被害ってすっげーんだぞお前！！　一、二年に渡ってずーっと言われた僕の苦しみを少しは分かって欲しい！！！         -- シークエンス 2011-08-16 (火) 04:28:54
      • ……そこまで力一杯力説されなくても。というか心当たりあるんですか教授。
        流石に妊婦は引くわ。ドン引きですよ。         -- ホイム 2011-08-16 (火) 04:29:53
      • 僕だって引いたわ！！　あんなものが発掘されるなんてその直前まで思うか阿呆！！
        ……まあ、そんな僕のツッコミを完全に無視してベッドの下にもぐりこみ始めたエクアという悪魔のほうが問題なんだけどな。おい、エクア、おい。         -- シークエンス 2011-08-16 (火) 04:31:06
      • こう、その気はないけどこれだけ無防備にお尻だけ出てると思いっきりひっぱたきたくなるわね。
        パンティーライン透けてるわよ、先輩。         -- テレシア 2011-08-16 (火) 04:32:15
      • えっ、本当かい？　ははは、とんだサービスを、おっと。
        ……やっぱりあったね。（ずりずりと膝で這い出して、その箱を引っ張ってくる）
        どうも中身はやっぱり本みたいだ。……どう思う？　教授。         -- エクア 2011-08-16 (火) 04:33:17
      • ……どうって、どういうことだ。 -- シークエンス 2011-08-16 (火) 04:33:50
      • ああ、そちらか、ごめん。（教授の方向に向き直る）
        この部屋にはそういくつも隠す場所がない。本棚はないし、押入れの中にも見たところ服が１、２着入っているのみだ。
        そんな中、もし彼が見られたくないものを隠すなら、やはりベッドの下だと思うんだよ（箱を開ける。中には、言うとおり本が入っていた）         -- エクア 2011-08-16 (火) 04:35:34
      • （出てきた本を見て、目を細める）
        （本の種類はいくつかあったが、その全てが彼のイメージとは似つかない、そんな書物郡だった）
        ……魔道書、いや……パラケルススの呪術書か、これ。
        それと、医学書と……近代歴史書、なんで、こんなものが。         -- シークエンス 2011-08-16 (火) 04:39:01
      • それと……かなり朽ちてますけれど、これは、地図のようですね。
        かなり限定された地域の地図ですが、どこの地域の物か分かりますか……？（地図を開いて机の上に載せる）         -- ホイム 2011-08-16 (火) 04:40:14
      • ……言語は公用エスト語だから地域としてはこの周辺でしょうね。
        ただ、こんな山脈に囲まれた地域、この国にあったかしら……？         -- テレシア 2011-08-16 (火) 04:41:08
      • 彼は東方の出身だと聞いているが、東方の地図というわけではないのかな。
        用語だけは公用語で書かれた、あちらの地域の地図、というのが考えられる。         -- エクア 2011-08-16 (火) 04:42:16
      • 違うな。（顎に手を当てて地図の端に手をやる）この国のものじゃない。九方位を使う地図は、この国にはないはずだ。（地図の端のマークに指をやる）
        ……この近辺で九方位を使う地域は……バージル。（顔を上げて、バージルを見る）         -- シークエンス 2011-08-16 (火) 04:45:21
      • ……おい、あいつ、なんで……（シークエンスの呼び声に気づかず、焦点の合わない目で地図を見ている）
        ……あ、はい、いや、あの……ええ。そう、です。これ……バージェス北軍領の……オレの生まれ故郷の地図です。
        しかも……これ。第一戦線境の地図ですよ……。         -- バージル 2011-08-16 (火) 04:47:23
      • あいつ……北の戦争に興味でもあったのか？ -- シークエンス 2011-08-16 (火) 04:47:56
      • いえ、そんな素振りは、少なくともボクたちと一緒にいたころはありませんでした。
        それに、バージェス北軍領の知識があるのだとしたら、何故バージルがそれを知らないんです？　バージルにも話してないということは、やはり勘違いなのでは？         -- ホイム 2011-08-16 (火) 04:49:45
      • 知、らねーよ、あいつがバージェスに関係あるとか……そもそも、あいつ東方の生まれって言ってただろ……。
        なんで、あいつバージェスの地図なんて持ってるんだよ……。         -- バージル 2011-08-16 (火) 04:51:27
      • ……あながち、何も関係ないということはないかもしれないわね。
        （地図の上に、近代歴史書を置く）……しおりが挟まっていたわ。バージェス終戦協定のページにね。
        15年以上も前の戦争の欄に、偶然しおりを挟んでいた、なんていうのは出来過ぎだと思わないかしら。         -- テレシア 2011-08-16 (火) 04:54:06
      • バージェスと隣国の戦争か。ここからはかなり距離があるが、その苛烈さは子供心に怖かったよ。
        バージルくんも紛争地域の生まれなんだろう？　……いやな話になってしまったかもしれないね。         -- エクア 2011-08-16 (火) 04:55:31
      • いや！　今はそういうのはいいですよ！！　ただ……だからなんだっつーんですか。
        あいつがいなくなる理由と、繋がらねーよこれ……あいつの背中の傷と何か関係あんのか……？         -- バージル 2011-08-16 (火) 04:56:37
      • 背中の傷……？　詳しく教えてもらおうか、お前……何か知ってるみたいだな。 -- シークエンス 2011-08-16 (火) 04:57:16

      • あ、やべ…。いや、その。
        （バツが悪そうに頭を掻く）いや、いいのか……あいつは勝手にしろって言ってたしな。         -- バージル 2011-08-16 (火) 04:58:11
      • （呆れた顔で）お前な、他人に助け求めるなら、せめて状況を詳らかにしてからにしろよ。
        この期に及んで何を情報小出しにしようとしてるんだお前。         -- シークエンス 2011-08-16 (火) 04:59:51
      • いや……。そういうわけじゃ、普通に忘れてただけですし。

        ……実は――。         -- バージル 2011-08-16 (火) 05:00:39
      • （そのとき）
        （扉が、音を立てて開いた）
        （まるで誰かが蹴破ったような勢いで開いたドアに、五人はそれぞれの臨戦態勢を取る） -- 2011-08-16 (火) 05:01:32
      • （そして、五人は驚く）
        （そこに立っていたのは） -- 2011-08-16 (火) 05:01:59
      • お前ら。
        ……俺の家で何やってんだよ。         -- ランド 2011-08-16 (火) 05:02:26
      • （両手に干し飯や乾パン、氷砂糖等の入ったズタ袋を提げた）

        （どう見ても）
        （今しがた買い物から帰ってきた、ラウドバンド・射ノ原、本人だったからだ） -- 2011-08-16 (火) 05:03:40
  • ラウドバンド・射ノ原の問題・２ -- 2011-08-16 (火) 00:10:21
    • （追い詰められた鼠のような顔） -- シークエンス 2011-08-16 (火) 00:11:17
      • ……大体情報も出揃ったところで、一旦纏めていいかしら。 -- テレシア 2011-08-16 (火) 00:11:48
      • そうだね。渋々、という感じではあったので、情報が小出しだったのもあって、そうしてもらえると嬉しい。
        でなければ、評価・検証のしようがないからね。         -- エクア 2011-08-16 (火) 00:12:43
      • では、僭越ながら私が纏めさせていただきます。
        つまり、生まれたときから一緒にいたせいで、幼馴染に対する性的な衝動を抑圧する必要があった、と。
        ある種の禁忌化することで、周囲、例えばＭさんだったりの誘惑を振り切らなくてはならなかったわけね。
        幼馴染という特異な空間において、そこから一段階突出することは、大人であれば優越になるかもしれないけれど、子供は十分にそれを疎外だと感じるために、半ば恋愛感情が禁忌化していった。ここまではよろしいですか？         -- テレシア 2011-08-16 (火) 00:15:32
      • ……なあ、なんで僕がテレシアと付き合えない理由を説明していたはずが、
        僕の恋愛経験へのダメ出しというか、人生における女性に対する経験のダメ出しになってるのか質問していいか。         -- シークエンス 2011-08-16 (火) 00:16:46
      • （完全無視）それでも募る思いはあった。例えば姉的存在であるＳさんや、自分にはない明朗な性格を持つＨさんに惹かれていた時期もあった。
        はい、非常に健全ですね。禁忌化することで、自己を高めるという意味もあると思います。
        では、それを抑圧し「続けた」理由というのは、何だったのでしたっけ、教授。         -- テレシア 2011-08-16 (火) 00:18:35
      • ……いや、その、な？　僕には友人がいて、まあ、仮にＫとかそんな感じに呼称するとする。
        そのＫが、Ｓのことを好きだと思ってて、まあ、Ｋならいいかな、と思ってた、っていうかだな、そもそも僕が幸せにしなくても幸せそうだったから。         -- シークエンス 2011-08-16 (火) 00:19:54
      • ゴミ虫の発想だね。女性から見ると。 -- エクア 2011-08-16 (火) 00:20:25
      • 生まれてから貰った罵倒の中で一番酷いぞそれ！！
        女性を代表されたら何も意見返せないだろ！！         -- シークエンス 2011-08-16 (火) 00:21:15
      • 続けます。また、そこから紆余曲折あって、Ｓさんへの思いを振り切ろうと努力されたそうですね。
        その感情を「近親愛」と「恋愛感情」のどちらかに分類をしたとき、前者に分類するマザーファッカーぶりには教授が私の恋慕相手だということを差し引いても死んだほうがいいと思いますけれど。
        そこで登場ｊするのがＤさんで、かなり前から他の幼馴染とは違う印象を受けられていたそうですね？　教授。         -- テレシア 2011-08-16 (火) 00:23:29
      • 恋慕相手じゃなかったらどんな罵倒が出るんだよそれ……。あー、いや、なんか、そこに関しては勘弁してもらえないかな。
        （デスクに突っ伏して）なんというか、ぎりぎりで支えてる僕の心が、もっきり行きそうだ、今日この場で。         -- シークエンス 2011-08-16 (火) 00:24:33
      • そうですね。恋愛とは、相互の探索のようなものですからね。一目ぼれは知るたびに距離が離れ、沸く恋は知るたびに距離が縮まる、とよく言いますし。
        新しい印象を受ける相手に、改めて恋愛感情を抱くことは、かなり自然だと思います。
        さて、そこで問題です。教授から伺った話によりますと、かなり同性から見ても憎からず思っていたように思うのですけれど、教授？         -- テレシア 2011-08-16 (火) 00:27:20
      • いや、同性じゃない、とか、そういう、ツッコミは今いらないよね、ごめんね……。
        な、なにかな、何故積極的に行かなかったのか、とか、そういう質問が来るのかな……できればオブラートに包んで言って欲しいな……（逆にタバコを咥えながら）         -- シークエンス 2011-08-16 (火) 00:28:44
      • 10年以上、何していらしたんですか？ -- テレシア 2011-08-16 (火) 00:29:18
      • 直球ーーーッッッッ！！！！！！ -- シークエンス 2011-08-16 (火) 00:29:44
      • 教授は何故生きてるのかな。 -- エクア 2011-08-16 (火) 00:30:19
      • えっ、外野からも投球が！？ルールは！？
        （会話のビーンボールにデスクに崩れ落ちる）         -- シークエンス 2011-08-16 (火) 00:31:07
      • ……正直なところ、多少ではなくだいぶ呆れています。こじらせているとかそういったレベルにないです、教授の恋愛経験は。
        ５段階評価で言ったら死ですよ。         -- テレシア 2011-08-16 (火) 00:32:49
      • せめて五段階で評価するなら、数字で点数くれよ！！
        ……（首筋を掻く）……あのだな、いや、人にはそれぞれの問題があってだな。なんていうか、この辺で勘弁してくれないか。         -- シークエンス 2011-08-16 (火) 00:33:49
      • テレシアくんは男だけれど、同じ空間に女子が二人いて、ほかに逃げ場がない状態でこれだけそわそわする30代も珍しいと思ったけれど、道理でという話だよ。
        正直、30を越えた男というのは、そろそろ身を固める適齢期であると思うのだけれどね。全く女っ気のない教授を見ていると、恩師ながら心配になってくるというものだ。
        性的障害があるのならば、いい医者を紹介しようか？　これでも持病のせいで、医者には詳しいんだ。         -- エクア 2011-08-16 (火) 00:36:30
      • 恩師を不能扱いするな。 -- シークエンス 2011-08-16 (火) 00:37:01
      • セータ・シークエンスの問題 -- テレシア 2011-08-16 (火) 00:37:23
      • だから違うって言ってるだろ！！やめろ！！埋……ぅぉこるぞ！ -- シークエンス 2011-08-16 (火) 00:38:10
      • 今何故怒るが訛りました？ -- エクア 2011-08-16 (火) 00:38:38
      • 気のせいだ。というか、若気の至りだ。
        （とんとん、と机を指で叩きながら）……というか、何故今日はテレシアとエクアしかいないんだ？　レネスとシロマルとギアは聞いてる。合同実験で課外だそうだ。
        上の三馬鹿はまだいいが、下の三馬鹿どうした。ホイムはまあ、分かるにしろなんでバジランまでいないんだ、今日、テレシア聞いてるか？         -- シークエンス 2011-08-16 (火) 00:41:22
      • 何で私が知ってると思われているのか、その理由が非常に不愉快ですが、教授なので愛ゆえに許します。
        さあ、このところ普通の講義もサボってるみたいですけどね、ランドに関しては。         -- テレシア 2011-08-16 (火) 00:42:50
      • 彼のことだ。またフラれでもしたのだろう。
        それでも、告白も、押し倒すこともできない男よりは、だいぶ好感が持てるけれども。         -- エクア 2011-08-16 (火) 00:43:36
      • チクチク僕をいじめないでください。お願いします。
        ……ただ、不可解ではある、あいつ、それこそエクアが言うように、僕より積極性もあって、何故あんなに何度もフラれたフレれたと騒いでるんだ。
        女性陣から見て、ランドっていうのはそんなに問題がある男なのか？　女性じゃないけどっていうのは置いておいて。         -- シークエンス 2011-08-16 (火) 00:46:06
      • 正直、評価に値しないので、私の意見はパスさせてもらうわ。
        一般的な女性としてのエクア先輩から、厳しい評価をどうぞ？         -- テレシア 2011-08-16 (火) 00:47:14
      • （小さく笑い）そうだね。生憎顔については評価ができないので、置いておかせてもらおう。これは、好みの問題もあるだろうからね。
        性格の面でいえば、彼は一緒にいて相手を退屈させないように振舞ってくれるし、自身が道化になることを厭わない。それは、女性にとってはプラスかな。
        男にとって女が娼婦や妹、妻や母であることを求められるように、女にとって男は、道化であり騎士であり、友人であり恋人であることが求めらることは必然だからね。
        総合的に見れば、彼のミステリアスな部分も含めて、かなりいい男なのではないかな？         -- エクア 2011-08-16 (火) 00:50:01
      • まあ、僕に比べれば高評価だろうな、とは思うよ。……別に男として張り合うつもりはないしな、不毛だ（嘆息する）
        ただ、ミステリアス、ねえ……それは、意図的にあいつがああいう仮面を被っているから、という意味でか？（エクアに尋ねる）         -- シークエンス 2011-08-16 (火) 00:51:46
      • 生憎、彼が仮面を被っていたとしてもわたしには、それを見ることはできないけれど……そんなところだね。
        彼には、何か隠し事があるように見えて仕方がないんだ。
        ほら、わたしには「見えない」だろう？だからこそ「見える」のだよ、教授。（シークエンスの顔を見て、笑う）         -- エクア 2011-08-16 (火) 00:53:16
      • （それを笑って冗談にできる強さを持てたことは、五年前、転機となったあの事件が未だにエクアの中で救いとなっている証拠だと思うと、その笑みに苦笑を返した）
        ……そうだな。皆少なからず、何かを抱えてるんだろうからな。
        別に何かの台詞としてではなく、それが当たり前だからだ。あいつも、あいつで――。（瞳を閉じて言おうとしたとこで、扉が唐突に開く）         -- シークエンス 2011-08-16 (火) 00:55:34
      • （開けた扉の向こうを見ながら）……はぁ、はぁ。教授……と、テレシアとエっちゃん先輩。（呟き研究室の中を見回す）
        ……教授、ランドは。         -- バージル 2011-08-16 (火) 00:57:24
      • ……どうした、バージル。
        （その蒼白の顔色から、何かが起こっていることを察し、尋ねる）         -- シークエンス 2011-08-16 (火) 00:58:07
      • 来てないわよ。
        というか、講義もサボってるみたいだし。         -- テレシア 2011-08-16 (火) 00:58:48
      • （拳を握る）……畜生。
        （その視線が、すがる視線になってしまわないことを願いながら、教授に向かって言う）

        ……ランドが、いなくなった。         -- バージル 2011-08-16 (火) 01:00:04
  • ラウドバンド・射ノ原の問題 -- 2011-08-15 (月) 22:23:36
    • （ホイムにえらそうな啖呵を切ったその直後、とりあえず医務室を出たところで、背中に痛みが走った）
      （表情が歪むほどの切断痛が走り、次いで皮膚が剥がされるようなひどい痛みが背中を蹂躙していく）
      ……ん、ぎ。（声を我慢しきれない。廊下の壁にふらふらと手を着き、痛みに耐える）       -- ランド 2011-08-15 (月) 22:25:38
      • （先に医務室を出たはずのランドが、目の前で壁に手を着いていた）
        何やってんだお前？（声をかけながら近寄る。新手の反省のポーズなのだとしたら邪魔しねーけど、と冗談交じりに言おうとして）
        （水音が耳に触れた）

        （ランドの足元を見る）
        （そこには、どこから落ちてきたのか、血液のような赤い雫が垂れていた）         -- バージル 2011-08-15 (月) 22:27:55
      • あー、いや、なんていうかな、壁ってちょっと俺の好みのタイプだなあってな。
        ちっと口説いてみようと思ったら中々上手くいかねえでやんの。一枚岩じゃねえわ。壁だけに。
        （おどけて手を振る。それが拒絶の証だと、伝われ分かれ、アホのバージルよ）         -- ランド 2011-08-15 (月) 22:29:38
      • （視線を徐々に上げる。ランドの背中が、いつもより弱弱しく見えた）
        （再び雫が垂れる音。その出所が、今度ははっきりと見えた。……見えてしまった）
        （赤い液体……血が垂れているのは、黒いランドのジャケットからだった）
        お前、ちょっと、待てお前！！（その肩を掴み、ジャケットを触る）
        （――気づかなかった。黒は、赤を隠すから。……そのジャケットは、ぐっしょりと濡れていた）
        （触れた手を目の前にかざす。血の気の引くような赤が斑の模様を描いていた。ランドは……背中一面が、血に塗れていた）         -- バージル 2011-08-15 (月) 22:32:32
      • いやー、女の子の日始まっちゃったみたいだわ。今晩赤飯用意できっかな。
        ていうか、待て、お前こそ待てな、怖い顔してるから、大丈夫、何かあったら俺ぶっちゃけるだろ？
        付き合いなげーから、分かって、ってお前ちょ、待て！！　ここじゃ不味いから！！         -- ランド 2011-08-15 (月) 22:33:52
      • （静止の声を上げるランドのジャケットのボタンを引きちぎる勢いで外し、強引にそのジャケットを剥ぐ）
        （ランドが普通の状態なら、ランドの方が腕っ節は強いので、オレなんか突き飛ばせたはずだ）
        （だが、普通ではない。普通ではない光景が、目の前に広がっている）

        （ランドは、そのシャツの背を、目が痛くなるような真紅に染めていた）
        ランド！！？         -- バージル 2011-08-15 (月) 22:36:27
      • あー、ホント馬鹿お前底抜けの馬鹿だなクソバージル！！　死ね！！　高らかに死ね！！　思春期の男子くらい面倒くさく死ね！！
        （一応の悪態をついて、壁に背を預けることで背中に注がれる周囲の奇異の視線を防ぐが）
        （その間にも痛みは増すは廊下に血は落ちるわ壁にべっちゃり血がつくわで、もうなんていうかバージルのアホさがここまでとは思わなかった）
        ……あー、うっぜえ！！クソ！！（バージルの腕を掴み、医務室の正面にあった医務準備室に連れ込む。というより半ば叩き込むように突き飛ばして、自分もそこに逃げ込んだ）         -- ランド 2011-08-15 (月) 22:38:55
      • （柔道でいう腕投げのような形で医務準備室に叩き込まれる。幸いにしてリネンの予備らしきものに突っ込んだせいで痛みすらなかったが）
        （ただ医務準備室は準備室というだけあって二人入るには狭すぎ、なおかつ色んな理不尽に猛烈に怒りがこみ上げてくる）
        おっまえ何しやが（言いかけたところでいつのまにかリネンにオレの身体を押し付けるようにしてきたランドの手が、オレの口を塞いだ）         -- バージル 2011-08-15 (月) 22:41:43
      • テメエこそよく考えろ。血まみれの男が廊下にいて、注目集めたら事件になんだろうが……！！（耳に噛み付くような近さで言葉を働きの悪いバージルの脳にねじ込む）
        ちょっと落ち着いて話聞けお前。テメエの疑問には下手に口外しねえって約束すんなら、ある程度答えてやるし。
        つか。なんだ、あー、クソ、お前のせいで傷塞がってきた。本気でもうなんか、皮肉すぎて笑えてきたわ。（乾いた笑いを零す）         -- ランド 2011-08-15 (月) 22:44:14
      • ……（納得はいかないが、説明をするというのなら、これ以上激昂しても仕方がない）
        ……わっけわかんねえ、誰かにやられたのかそれ。いや、ありえねーよ、ホイムの一件のせいで、朝からずっと一緒だったろうが、今日。         -- バージル 2011-08-15 (月) 22:46:23
      • えっとな、説明しづれえとこから聞くなっつうんだよ。（バージルの手を押さえていた手がやつの鼻息でくすぐったかったので離す）
        今だよ。今さっきだ、傷ついたの。（頭を掻く）……正確には古傷が開いたんだよ。         -- ランド 2011-08-15 (月) 22:48:17
      • 古傷ってお前……そんなレベルの出血量じゃねーじゃねーか……。
        見えねーかもしれねーけど、お前……今シャツの後ろ一面真っ赤なんだぞ。         -- バージル 2011-08-15 (月) 22:49:07
      • ったく、いいか、言うなよ、マジで。ぶっちゃけ、女と付き合ったら半分がこれ見て逃げるくらいにひでえ傷なんだからな。
        もう半分は同情してくれて、ああ、ランド君可愛そう、私が一緒にいてあげなきゃ！って思うらしくてまあ一長一短だがな。
        （どの道、血に塗れたシャツは着替えないといけないシャツを脱ぎ、背中を向く）
        古傷なんだよ。これで分かるだろうが。         -- ランド 2011-08-15 (月) 22:52:18
      • （その傷は。語彙の少ないオレには、上手く表現ができなかった）
        （かなり筋肉質な背中に、まるで……焼けた鉄杭で無理やり皮を剥いだような傷が縦横に広がっていた）
        （縦横に、いや、正確には、十字に）
        （その傷は、ところどころが切り裂かれたように出血し、赤い肉を覗かせていた）
        なんだ……それ。         -- バージル 2011-08-15 (月) 22:55:44
      • なんだって言われて古傷以外にどう返事しろってんだテメエ。ちっと頭使えよキウイ頭が。
        （言いながら包帯を背中から胸に、さらしのように巻く。慣れたものだが、今朝ホイムの問題で巻く時間がなかったのが敗因だったとも言える）
        （リネンの隙間から適当なシャツを引っ張り出して着る）……消毒液くせえけど、まあ、しゃあねえわ……（続いてジャケットを乱暴に蛇口の下に投げて水を出す。水道に赤い渦ができていく）
        ……物心ついたときにはもう背負ってたんだよ、この上下逆の十字架をな。
        おかげでシスターとねんごろになろうと思ったら聖水ぶっかけられたことがあったわ。（HAHAHAと笑う）         -- ランド 2011-08-15 (月) 22:59:51
      • ハハハ、ってお前、そんな定期的に開く傷そのままにして、何笑ってんだよ。
        お前がいくら血の気多いからって、血だまりができるほど出血してんだぞ！？　馬鹿か！？
        （自分のジャケットを脱いで、ランドに投げる）         -- バージル 2011-08-15 (月) 23:01:36
      • 気ぃ利くじゃんバージルちゃん。いいお嫁さんになれるわ。（流石にシャツ一枚では寒い。ありがたくその上着を着る）
        ま、悪いが自分の古傷を自慢するほどガキじゃない。傷を勲章とか思ってるうちは一生精神が童貞だからな。
        （ジャケットを水から上げ、絞る）……お前も。
        お前も人に知られたくないことの一つや二つ、あるんだろ。バージル。         -- ランド 2011-08-15 (月) 23:04:44
      • （その真面目な声色で、一瞬どきりとする。見抜かれている、のではないと自分に言い聞かす）
        （記憶障害。明日へと今日の記憶を引き継げない、自分の脳の欠陥を知られているのならば、引き合いに出してくるわけがない）
        （少なくとも、自分が今日まで文字という情報で引き継いできたランドの印象は、そういう内容を駆け引きに使うような人間ではなかったから）
        ……ある。（だが、そこで嘘を吐くことも、できない）……あるよ。そりゃ、今を生きてりゃ、ホイムやテレシアみたいなことだって。オレにもある。         -- バージル 2011-08-15 (月) 23:07:42
      • ……だったら分かんだろ。
        人間、触れられたくねえことの一つや二つ、抱えてるんだよ。
        俺の場合、背負ってるって言うのが正しいのかもしれねえがな。
        出るぞ。いつまでも男二人の空間にいると、俺は吐き気がし始めるんだよ。（ガラッと扉を開ける）         -- ランド 2011-08-15 (月) 23:09:30
      • 奇遇だな。オレもランドと同じ空間に二人きりでいると吐き気がすんだよ。
        （言いながら立ち上がる。まだ、釈然としないものは胸のうちに澱のように溜まっているが）         -- バージル 2011-08-15 (月) 23:11:16
      • 『聖痕』（スティグマ）。
        そういうんだってよ。
        ……聖なる傷が、人を傷つけてんじゃねえよって話だけどな。
        （言いながら手を振り、バージルと別れる）
        （なんにせよ、格好と体裁を整えないといけない）
        （久しぶりのこの規模の出血に、失った血液も……できればどこかで調達しないといけないから）         -- ランド 2011-08-15 (月) 23:13:29
      • ……なあ、ランド。
        （後姿に声をかける）         -- バージル 2011-08-15 (月) 23:14:16
      • なんだようっせーな。
        17.3cmだよ。（振り返りながら言う）         -- ランド 2011-08-15 (月) 23:15:07
      • んな情報知りたくもねーんだよ死ね。
        ……なあ、このこと、教授に相談してもいいのか。
        オレは……お前を心配してもいいのか、それだけは聞かせろ。         -- バージル 2011-08-15 (月) 23:16:03
      • ……んじゃ聞くがな、ここで俺が「頼む、放っておいてくれ…！」って迫真の演技したらあきらめてくれんのかよ。
        ホイムにテメエを助けるとかなんとか抜かしてた口が、自分の問題になったら手出さないでくれ、だ？
        わりぃが、俺はそんなに優しくねえんだよ、テメエの足りない頭でどうにかできるもんならやってみろ。
        心配も勝手にして、そして死ね。寿命で死ね。（中指を立てる）         -- ランド 2011-08-15 (月) 23:18:15
      • （にぃ、とその悪友に笑う）そーだな、お前に聞くことじゃなかったわ。お前が何言ったところでオレの行動に影響の一つもねーしな。
        んじゃ、勝手に当たらせてもらうわ。お前の抱えてる問題くらい鼻くそほじりながら解決して、オレ呼ぶときは様つけて呼ばせるっつーのも面白そうだからな。
        勝手にやらせてもらう。オレの人生の邪魔すんなよ？         -- バージル 2011-08-15 (月) 23:20:27
      • （最後まで聞く義理もなかった）
        （すでに背中を向け、中指を立てた両手を胸の前で交差させて後ろに向けた格好のまま、寮へと歩いていった）         -- ランド 2011-08-15 (月) 23:21:49
      • （笑いながら右手の中指を立て、その後姿に向けて突き出し、左手で肘の内側を叩いた）
        さて。
        ちょっくら、オレも格好いいとこ、見せとかねーと、なっ（足跡をその場に置き去りにして、研究室へと走っていった）         -- バージル 2011-08-15 (月) 23:23:26
  • 　
  • 　
  • と……いうわけで、ただいま戻りましたので、死にます。 -- エクア 2011-08-15 (月) 02:33:26
    • いやいやいや！！
      ちょ、ちょまー！！のでの意味が分からん！！再開したその日にお別れとか嫌過ぎるでしょエっちゃん先輩！！       -- ランド 2011-08-15 (月) 02:34:31
      • まあ、ああやって首つってるロープには切れ目が入れてあって、
        適当なところで切れて落ちるようにできてるんだけどな。……相変わらずだなエクア。         -- シロマル 2011-08-15 (月) 02:35:20
      • ……え、でも何か思ったよりぐったりしてないかしら、あれ。 -- テレシア 2011-08-15 (月) 02:35:50
      • いかん、本気（マジ）だ。
        ……迎えたメンバーが多すぎたか。（ナイフを投擲して、ロープを切る）         -- ギア 2011-08-15 (月) 02:36:48
      • （連携プレイで下でエクアをキャッチする）……と。
        あの、死ぬなら私たちのいないところで死にましょうね、エクアさん。
        後輩に無駄なトラウマ刻むのやめてあげてください。         -- レネス 2011-08-15 (月) 02:37:44
      • どこで死なれても後味わりーよ！！
        どの道トラウマ化するわ！！         -- バージル 2011-08-15 (月) 02:38:28
      • 計算では、レネス辺りがもう少し早く助けてくれたんだけどな……。
        （学生証をちらっと見て）やあ、レネスくん、ただいま。まだ助教授なんだね？         -- エクア 2011-08-15 (月) 02:39:48
      • 一年程度では変わりませんよ、人間も……環境も。
        多少は入れ替わるでしょうけどね（ふう、と嘆息する）         -- レネス 2011-08-15 (月) 02:41:47
      • ははは。ギアくんも健勝そうで。またちょっと大きくなったかい？　成長期、ってやつなのかな。
        一人足りないようだけれど、概ねみんな元気そうで何よりだよ。思わず死にたくなってきた。         -- エクア 2011-08-15 (月) 02:43:40
      • 起承転死ですか。相変わらず凄い思考回路ですね、この人。 -- ホイム 2011-08-15 (月) 02:44:17
      • シークエンス教授は……教授同士の振興会だそうだ。
        師走も過ぎたというのに、忙しいことだ。         -- ギア 2011-08-15 (月) 02:46:20
      • んじゃあ、来月辺りにしとこっか。
        一応今年は俺が幹事やろうと思ってるし、ちょうどエクアも帰ってきたってわけでさ。         -- シロマル 2011-08-15 (月) 02:47:13
      • 何か催しでもやるのかな？　シロちゃん？（きょとんと首を傾げる） -- エクア 2011-08-15 (月) 02:47:50
      • あー、新年会ですよ、新年会。酒場辺りに全員で凱旋して。
        まあ、新年っていっても２月に食い込むでしょうけど、教授もそのくらいになったら暇だと思いますし。         -- ランド 2011-08-15 (月) 02:48:46
      • そういうこと。……まあ、各々色々あったからさ。
        この辺で生き抜きしとくのもいいんじゃないかって。         -- シロマル 2011-08-15 (月) 02:49:23
      • お気遣いなく、と言いたいところですが……まあ、したがっておきますよ。
        焦っても仕方がない、というのは散々教えていただきましたからね。         -- ホイム 2011-08-15 (月) 02:50:53
      • そうね。……たまにはいいんじゃないかしら。 -- テレシア 2011-08-15 (月) 02:51:17
      • んじゃ、そんな感じで。
        予定は後日俺の方から伝えるから、大体の予定は頭に入れておいてね。
        エクアはそれまでなるべく死なないこと。         -- シロマル 2011-08-15 (月) 02:52:29
      • ……信用のなさに絶望して死に（ナイフを叩き落される） -- エクア 2011-08-15 (月) 02:53:04
      • 油断も隙もない日々が帰ってきましたねこれ……（ナイフを叩き落した手刀を振りながら） -- レネス 2011-08-15 (月) 02:53:44
      • まあ、このような日々も……また、楽しからずや、だな。（フードの下で、小さく笑声を零した） -- ギア 2011-08-15 (月) 02:54:23
Last-modified: 2011-11-07 Mon 04:27:04 JST (4547d)