名簿/510597

  • ―エピローグ― -- 2014-04-19 (土) 02:29:28
    • 27X年・初夏 -- 2014-04-19 (土) 22:43:01
      • 湖畔の草原を埋め尽くす白い花

        木陰の下で休息する少年の下へ、幼い少女が駆け寄り

        花輪を見せびらかして、彼の首にそれをかける

        やがて、はしゃぎ疲れたのか

        少年の身体に身を預けて、少女は体を休め始めた

        穏やかな風が吹き、白い花弁を舞い散らせる -- 2014-04-19 (土) 23:10:25
      • ねえ、おにいちゃん

        なにかおはなし、して?

        寝付けぬ夜に、寝物語をせがむ時のように

        安心しきった様子で身を委ねて、彼女は言う -- 2014-04-19 (土) 23:14:25
      • ああ、いいよ

        少女の頭を撫でながら、少年は答え

        しばし、遠くを見るようにしてから、語り始める


        とっておきを話してやろう

        誰よりも勇敢で

        誰よりも強く

        誰よりも気高かった -- 2014-04-19 (土) 23:16:05


      • ―――――――――英雄の物語を

        http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst085252.png
                                                   FIN -- 2014-04-19 (土) 23:16:25
  •   -- 2014-04-19 (土) 02:29:09
  •   -- 2014-04-19 (土) 02:29:05
  • ―終幕― -- 2014-04-18 (金) 23:53:46
    • 石壁に凭れ、次第に熱を取り戻す身体、対して英霊の姿は霞むように薄れつつある
      「すまぬ」
      「余は誓いを果たす事ができなかった」
      謝罪を口にする英霊に対し、首を振る

      「違う……足りなかったのは、僕の力だ…!」
      セイバーは強かった
      もしも、まともな魔術師がマスターであったなら
      きっと聖杯にだって手が届いたはずだ

      「すまない、お前の願いを…叶えてやれなかった」
      英霊は言っていた
      呪いを解きたいのだと
      いつ終えるとも知れぬ彷徨に飽いたのだと -- ラセン 2014-04-18 (金) 23:54:49
      • だが、彼は首を振った
        「よい」
        「どうやら…余の願いは、真に望むものは別にあったようだ」

        「…きっと、余は護りたかったのだ―――“かけがえのないただ一つ”というものを」
        それは、万民を護り、英雄として生き続けた男の抱く
        『人』としての後悔

        だから、重ねた
        病床で死を待つ少年の妹に、亡き妻の姿を
        また、少年自身に、戦場に果てた弟の姿を -- 鎧のセイバー 2014-04-19 (土) 00:07:09
      • 「しかし……余の力では、お前を死なせぬようにするのが精一杯だったらしい…」
        すまぬ、と再び口にした

        「史楼、と言ったな―――狼森閏のマスターよ」
        自らを打ち破った少年へと、顔を上げ
        「お主に一つ、頼みがある」
        「敵であった余が頼めた義理などないと分かっている、だが………もしも、お主がこの戦いを終えることが出来たならば、その時は―――」

        「我が主―――ラセンに、力を貸してやってはくれぬか」

        かつての王は知っている
        この少年の抱く理想が、限りなく遠いものであるということを
        彼の選ぶ道が、果てしなく困難であることを
        護るべき国のため、数多の敵を斬り続けてきた英雄は知っている

        しかし、それでも
        だからこそ
        それを貫こうと立ち続ける少年に

        「頼む」 -- 鎧のセイバー 2014-04-19 (土) 00:42:00
      • 親指で顔の血を拭って、鎧のセイバーの言葉に頷く
        言われなくたって、お節介な俺はもとよりそのつもりで。

        『ん、頼まれた じゃあ…』


        『ラセン』
        『俺と友達にならねえか?』

        見ている前で、ラセンに手を突き出す
        が、先ほど拭った血で手が汚れてるのに気がついて…
        あわててシャツで手を拭い、もう一度 握手を求めて手を前へ -- 史楼 2014-04-19 (土) 01:40:57
      • 「セイ…!」
        声を上げ、何か言おうとして
        そこへと、差し出された手

        「…僕は……僕は……」
        息が詰まる、込み上げる何かを抑えようとして、奥歯を噛み締め
        「すまない………ありがとう」
        震える手を伸ばし、掴んだ -- ラセン 2014-04-19 (土) 02:23:41
      • 見届けて、英霊は静かに頷く
        「――感謝する」
        そして、次第にその姿は光の粒子へと変わり

        「頃合いか―――――さらばだ、ラセン」 -- 鎧のセイバー 2014-04-19 (土) 02:24:14
      • 「セイバー……っ」
        消え行く身体に手を伸ばそうとして、空を掴む

        「っ………ありがとう……」
        最後まで、己のために剣を振るい続けてくれたその存在に
        伝える言葉は他に見つからず

        ありがとう、ディートリッヒ
        涙に歪んだ顔のまま
        それでも眼差しは確かに -- ラセン 2014-04-19 (土) 02:25:06
      • ―――さらばだ、我が友よ

        黄昏の金色の中、その声を最後に
        セイバー、ディートリッッヒ・フォン・ベルンは
        この世から姿を消した -- 2014-04-19 (土) 02:25:35
  • ―郊外・丘陵の砦跡―
    • (暗闇に、微かな光)
      (遠のいた意識が細い糸に引かれるように浮上する)
      ( 瞼を開くと、金の髪を乱した貴人の姿がある)
      セイ…バー……
      (そして、史楼というマスターと、そのサーヴァント)
      (彼らが健在な姿を見ればわかる)
      (自分は)
      (負けたのだ)

      聖杯を手にするまで、と走り続けてきた身体
      目的へとその手が届く前に、あまりにもあっけなく、限界は訪れた -- ラセン 2014-04-18 (金) 03:46:38
      • (少年の背中を支える手より伝わる、体温が抜け落ちていく感覚)
        (考えるまでもなく理解する、これまで幾度となく経験してきた、人の『死』の感覚だ)
        (もはや、猶予は存在しない)
        ―――ラセン
        令呪をもって命じよ

        命を捧げよ、と -- 鎧のセイバー 2014-04-18 (金) 03:55:25
      • (それは、いつかアルヴィンのサーヴァントが話していた)
        (サーヴァントの命を捧げることで得られる奇跡)
        (理解する、自身の命が尽きようとしていることを)
        (理解する、己の命が尽きればセイバーもまた消滅するということを)
        (理解する―――自身が諦めたなら、妹の未来は永久に閉ざされるであろうことを)

        (選択の余地は、なかった)
        (身体を動かすことは敵わず、ただ歯だけを強く、強く食い縛り)

        令呪をもって……命ずる……! -- ラセン 2014-04-18 (金) 04:01:52
      • 丘の上を、光が包んだ -- 2014-04-18 (金) 23:42:02
  • ―第五の夢― -- 2014-04-17 (木) 03:22:02
    • 嵐が来る 嵐が来る

      嵐の夜が訪れる

      蹄の音が空を駆け 猟犬たちが吠え立てる

      それは呪われし狩猟団

      数えきれぬ冬を越え かの王は魔空を彷徨い続ける

      かの栄光は遠く かの記憶は遠く

      いつか 呪いの消え果てる日まで -- 2014-04-17 (木) 04:06:33
      • http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst085250.png
  • ―幕間 第四の夢― -- 2014-04-15 (火) 01:53:36
    • その王の治世は長く続いた

      彼は善政を成し、よく国を護り、栄えさせた

      平和の中で、王は老境を迎えた -- 2014-04-15 (火) 02:23:37
      • 狩りの最中に現れた大鹿

        それを仕留めるべく愛馬を呼ぶ王の下、一頭の黒馬が現れた

        見たこともない見事な黒馬、王は颯爽とそれに飛び乗った

        惹き寄せられるかのように

        誘われるかのように -- 2014-04-15 (火) 02:36:33
      • 駆ける、駆ける、駆ける

        木々を抜け、風を追い越し、果てなく、どこまでも疾走していく

        理解した、これが我が身に科せられた『呪い』であると

        理解した、これが逃れ得ぬ宿命であると

        そして理解した、もはや人の世には戻れぬという事を

        黒き嵐が地上を撫ぜ

        その日を最後に―――――ディートリッヒ・フォン・ベルンは現世より姿を消した -- 2014-04-15 (火) 03:45:08
  • ―某市・魔導図書館― -- 2014-04-10 (木) 23:27:11
    • (燭台の灯りが揺れ、無数の魔導書の山に囲まれた少年の姿を照らす)
      (師匠の書付を使って閲覧の許可を取り、アルヴィンのサーヴァントから伝え聞いた一つの「可能性」、その検証に赴いたのだが―――)
      足りない……
      (どうしても、足りない)
      (サーヴァントの命、それ単体ではただの強力な“力”でしかない。問題はそれをどう利用するかだ)
      (頼ったのは医師や薬だけではない、高名な呪い師も幾人も呼んだ、それでも、彼ら全員がさじを投げてしまった)
      (呪いにも似たその病巣はあまりにも根深く、荒療治に妹の身体が耐えられる望みは薄い。条件を揃える事ができれば、彼女の言ったとおり治癒する可能性はあるかもしれなかった)
      (それでも、それは賭けだった。あまりにも勝算の低い賭けだった)
      (―――そして、賭けられるのは一度きりなのだ)

      ――――ふう…
      (書を閉じて突っ伏す。結局のところ、『聖杯戦争』以上に可能性の高い術を見つけることはできなかったのだ) -- ラセン 2014-04-10 (木) 23:43:17
      • (彼女が嘘を言って撹乱したのだとは思わない、実際、彼女の妹はその奇跡で助かったのだろう)
        (本当なら、誰も犠牲にしたくはない。誰も殺めずに望みが叶うのなら、それがきっと一番いい手段なのだ)
        (ただ一人を除いて――――)
        …セイバー
        (暗闇に投げかける声) -- ラセン 2014-04-10 (木) 23:47:30
      • お前の願いは――― -- ラセン 2014-04-10 (木) 23:47:58
  • (ラセンとすれ違う、道行く若い女性たちが会話をしている)
    (口調自体はありふれた街の噂を交換する過ぎないもの、しかし内容は、気安い言葉と異なり―)

    「えーっ、それホント?」
    「ホントホント! 瓦礫城の方面で、事件があったらしいよー。
     カフェテラスでー、人がたくさん死んでたんだって!」
     失血死でー、死体の傍に指紋のついた刃物が落ちてたからー、自殺だって言われてるんだよ」
    「カフェテラスで集団自殺とかヤバくない?」
    「ヤバいヤバい! でね、事件の日に目撃されたのが、割烹着を着た子!
     髪が長くて目つきが鋭くて怖い子だったって、その子が犯人かもって!」
    「えー嘘ー、私こーわーいー」
    「その子、マスターとかサーヴァントとか口走ってたって。何のことかな」
    「さあ? SMの趣味でもあるのかな? "ご主人様"と"奴隷"なんてね」 -- 2014-04-10 (木) 23:07:12
    • ………聞いたか、セイバー
      (女性たちの方は振り返らず、姿なき従者に問う) -- ラセン 2014-04-10 (木) 23:11:49
      • うむ
        (虚空より返る声)
        少々…足を伸ばしてみる価値はあるかもな -- 鎧のセイバー 2014-04-10 (木) 23:14:44
      • (事件の仔細はともかく、関係者が潜んでいる可能性は高い)
        (一般人の犠牲も顧みないタイプであれば、早めに手を打っておくべきかもしれない)
        (外套翻す少年の姿は街並みに消えた) -- ラセン 2014-04-10 (木) 23:15:15
      • (ラセンとセイバーが雑踏の中に消えた後)
        (会話をしていた女性たちの胸元から、透明な歯車が抜け落ち、消えた)
        (目を瞬かせる女性たちは、驚いたように顔を見合わせて)
        「あれー何の話だったっけ?」
        「瓦礫城に新しいカフェがオープンしたって話でしょ?」
        「そうそう、それでねー……」 -- 2014-04-10 (木) 23:18:35
  • 修道院跡 -- 2014-04-09 (水) 20:39:55
    • 「……すみませーん、どなたかいらっしゃいますでしょうか」

      (町外れの修道院跡に人間の女性らしき影が二つ。髪の隠れる黒いヴェールと同じ色の修道女の服。どうやらシスター二人組み)
      「……やっぱりここに人がいるなんてただの見間違いなんじゃないですかね?」
      「そうですねぇ、でも一応調べないと……中に入ってみましょうか」
      (背の高い、低い声の女と、おっとりとした声のふくよかな女性が修道院だった場所の前で話し合っている) -- ??? 2014-04-09 (水) 20:40:22
      • …何か、御用でしょうか
        (古びた木の扉を開いて一人の少年が現れ、修道服姿の二人を訝しげに見る) -- ラセン 2014-04-09 (水) 20:46:14

      • (少年を見ると背の高い方のシスターがとても驚いた顔をした)
        (硬直したと言ってもいい)
        「あら、子供だわ!」
        (声を上げるふくよかなシスターを振り向いて)
        シスター・マリー、あたしがお話をうかがっておきます。そろそろ炊き出しの準備の時間でしょう?手伝いに帰ってあげてください。
        「あらそう…?」
        (そう言われたシスターは少年に興味津々と言う顔をしていたけれど、にこやかに挨拶すると帰って行く)


        (残ったシスター……と呼ぶには少々化粧がしっかりしていている彼女は、少年にスカートをつまんで挨拶をすると)
        突然すまないね。街の教会の者なんだけど…昔に破棄された修道院跡に人がいるという噂を聞いてきたんだ。
        ……あんたひとりかい?どうしてここにいるのか話を聞かせてもらえないかね。
        ああ、別に追い出そうって言うわけじゃないんだよ。そういう権限はあたし達にはないから。ただ不安がる奴に説明をするために、ね。
        (少しかがんで、微笑んでみせる。ちょっと蓮っ葉なしゃべり方) -- 背の高いシスター 2014-04-09 (水) 21:02:10
      • (なんとなく、修道女らしさから乖離しているような印象は受けたが、理由を問われれば)
        そういう事でしたか……仕事の都合で、少しの間こちらを借り受けています
        権利者の方から許可は得ていますが、そちらには話が通っていなかったのかもしれません、何分急な話でしたから
        どうも…お騒がせしました
        (答える様は明瞭、話しぶりからはどことなく育ちの良さも窺わせる) -- ラセン 2014-04-09 (水) 21:12:38
      • なるほど。誰かが聞いて忘れてるのかもね…あの教会はいつも人手不足だから…。
        (少年の話を聞くと少し考える仕草。主に聞いた所によれば高級住宅地の洋館住まいだ。この物腰。嘘ではないのだろう)
        (シスターとしてはここでもう帰るのが自然なんだろうけど……この少年とは話をしてみたかった)
        (妹を救う。戦いの時そう叫んでいたのが気になって)
        (深く知ると戦いにくくなる事この上なくなる。聞かないほうがいいんだろうけど……)

        (……まあ断られたら帰ろう。そう決めて、一つ嘘をついてみる)
        よかったら中を少しだけ見せてもらえないかね。こう見えてもちょっと長生きでね。
        昔この修道院で妹と世話になったことがあって……思い出があるんだ。
        (ヴェールを少しめくってみせて、自分の尖った耳を見せた) -- 背の高いシスター 2014-04-09 (水) 21:35:05

      • (僅かの間、逡巡する。ルール無用の争いの渦中、当然このシスターが一般人でない可能性も考慮してはいた)
        (本来ならば、自陣に部外者を招き入れることは好ましくないが―――)
        (“妹”という言葉が微かな綻びを作る)
        …ええ、どうぞ
        (――手付かずの本堂の辺りだけなら、問題はないだろう。本陣はもっと奥まったところに構えてある)
        (何より、此処では姿なき最強の護衛が目を光らせている)
        (―――そうして、シスターを本堂へと招き入れた)
        (長椅子の列と埃を被った祭壇が彼らを出迎える) -- ラセン 2014-04-09 (水) 21:50:29
      • (やっぱり駄目かねぇ。そう思った時、扉は開いた。内心ほっとするけれど少し後悔もしている)
        (妹、と言ったからこの少年は招きいれてくれたのではないかと思って)
        (中に足を踏み入れる前にちらりとポケットの中のアミュレットを確認する。魔力を抑え、人と同じように見せるためのもの)
        ……ありがとう。
        (シスターらしく微笑んで、中を進む)
        (……よかった。変な作りとかでは無いわ。下手に動き回らなければぼろが出ないだろう)
        (それっぽい表情と仕草。娼婦なので演技に関しては少々自身ありだった)
        ああ、懐かしい……あの頃より少し小さく見えるな。よくすみに座って妹に本を読んでやったっけ…。
        異国の話、英雄の冒険譚……事情があってあんまり外に出られない子でね、外の事は本で覚えた。
        (長椅子を撫でて語る。妹との想い出は本当だった)
        (少年を振り向いて)
        そういえば、あんたは兄弟とかいるのかい? -- 背の高いシスター 2014-04-09 (水) 22:12:48
      • ……ええ、国に一人、妹が
        (答えて、椅子に座る)
        …似ているかもしれません、あなたの妹と
        体が弱くて、外の話をよく聞かせてやっていた
        (ステンドグラスを見上げ、少しの間、遠い故国に思いを馳せる)
        (無事でいるだろうか、また体調を崩してはいないかと、そんなことが頭をよぎって)
        妹さんは…どちらに? -- ラセン 2014-04-09 (水) 22:20:57
      • (少年の横に立つと、不自然では無い程度に彼を見る。物腰こそ大人びてはいるけれど、妹よりも数年年上といった所)
        (……まだ子供だ。子供が参加者の中にいることは珍しくは無いけれど……。作っていた笑顔が少し沈む)
        そう。ならうちと同じくべったりたったろう?その子にはあんたが世界の全てだったろうから。
        そんな子と離れていたら寂しいだろ……そうでもないかね、男の子は……あたしは寂しいよ。体の半分がないみたいで。

        (体の弱い妹……妹を救いたいと叫んだ少年。誇り高い王が手を貸す彼の「願い」とは、きっと)
        (いつかの自分と同じなんだろう)

        (自分もステンドグラスを見上げる。少し、知っている教会のものに似ていた)
        あたしの妹は今はねぇ、新しい両親の元で元気に暮らしてるよ。何年かに一度会いにきてくれる。
        ……医者にもさじを投げられ、もう死ぬのを誰も止められないと思っていた。
        でもね、奇跡がおこったんだ。

        聖杯の、サーヴァントによる、奇跡。

        ごめんね、あんたの秘密を卑怯な手で暴くような真似をして。

        (シスターはかぶったヴェールを取る。長く鮮やかな赤い髪がさらりと流れた)
        (少年や、傍にいる彼のサーヴァントには見覚えのあるもの。少年を見下ろす金の瞳は悲しげに微笑む) -- キャスター 2014-04-09 (水) 22:48:21
      • いえ……寂しいですよ、近くにいてやれないのは
        (素直に吐露する、彼女の言葉に共感があったからだ)

        ――――――!!
        (赤い花が咲くように現れた、その正体に驚かなかったわけではない)
        (それでも心の備えがあったから、狼狽せずに済んだ)
        (椅子から腰を上げ、身構える少年の前に甲冑の騎士) -- ラセン 2014-04-09 (水) 23:03:09
      • やはり……お主であったか、アルヴィンのサーヴァントよ
        (いつでも「斬れる」用意をしながら、その剣を振るわないのは、彼女に殺意を感じなかった故)
        (あの日あの時、居合わせた四者の内、最後に力を残していたのはこのサーヴァントだけだった)
        (彼女がその気になれば、瀕死の敵に止めを刺すことも或いは可能だったかもしれない)
        (しかし、彼女がそれをしなかった事も知っている) -- 鎧のセイバー 2014-04-09 (水) 23:03:41
      • おっと、一応ほんとに今は修道女でね。神に仕える女斬ったら王の恥になるだろ?ってわけで今日は勘弁してくださいな。
        ……ここに来たのは偶然でね。あんたとはちょっと話をしてみたかったんで、少々嘘はついた。
        ま、ばればれだったみたいだけど……化粧落としときゃよかったですかね。
        (両手を挙げて自分の持っている魔力を抑えるアミュレットを揺らす)

        戦いの時にいっていたことが気になってね……事情を知りたかった。
        あたしが話していた妹の話は本当なんだ。あんたは本当に……良く似ている。あの時のあたしに。

        ……あたしは、今はサーヴァントだけれど聖杯戦争にマスターとして参加した事もあったんだ。
        死ぬ運命だった妹を救うために、戦った。
        でもね、聖杯は手にはいらなかったんだ。だけど妹は助かった。

        (二人を交互に見て、少しだけ笑ってみせる)
        ……なんでか、聞いてみる気は無いかい?ここから無事に出してくれるなら話すよ。 -- キャスター 2014-04-09 (水) 23:21:22
      • 美貌の貴婦人の顔を忘れたとあっては、男が廃るであろう?
        (兜の奥で笑い)

        ―――如何にする、主?
        (背を向けたまま、主に問う) -- 鎧のセイバー 2014-04-09 (水) 23:33:58
      • (語られた事情、奇妙なまでの符合性――――彼女の言う通り、あまりにも似すぎていた)
        (だから無視できない、“助けられた”という話を無視する事はできない)
        ―――いいだろう…話してもらう
        (もう一つ。戦意の無い彼女を斬ったならば、セイバーとアルヴィンの誇りをも汚してしまう気がしたから)
        (再び椅子に座り、腕を組む) -- ラセン 2014-04-09 (水) 23:34:18
      • あら。流石に王は女を褒めるのも上手だね。うちの朴念仁とはおおちがいさ。
        ……ありがとう。
        (ほっと息をつく。それは自分の無事が解ったためか、彼らに信じてもらえた事が嬉しいのか)
        (苦し紛れの嘘と取られる可能性もあったけど……そういうものなら見抜かれていたか、この変装のように)
        (長椅子の間を歩きながら、ステンドグラスを見上げて女は話し始めた)

        何、そう長い話じゃない。とても簡単な事だ。聖杯を手にするよりも。
        ……まあ、たまたまあたし達がうまく行っただけの可能性はある。サーヴァントも少し変り種だった。
        だから確実ではないかもしれないということは覚えておいておくれ。

        (前置き。そして視線を彼らに戻し……)

        ……捧げたんだ、サーヴァントの命を妹に。令呪の力を使ってね。

        消えゆく妹の命を、サーヴァントで補ったんだ。
        あんたの王を犠牲にすれば、あんたの妹は助かるかもしれない。 -- キャスター 2014-04-09 (水) 23:55:54
      • なんだ、そんなことで良いのか?
        (少年が口を開くよりも先に、騎士がそれを言った)
        (何か言おうとする主を気にも止めず、事も無げに)
        既に一度は死んだこの身、今更惜しむことも無い
        それで我が主の望みが叶うのであれば、容易い話ではないか
        (なんとも気軽に、そう言うのだった) -- 鎧のセイバー 2014-04-10 (木) 00:21:53
      • セイ…!
        (言葉が詰まる。なんともあっさりと、このサーヴァントは命を捨てると言ってみせた)
        ……!(息を飲み込み)それで……それで、本当に助かるのか…? あの子の病は治るのか…?
        (全てが嘘、そういう可能性もある。彼女は聖杯を争う“敵”なのだから)
        (それでも、一抹の希望があるのであれば、縋るような眼差しを向けざるを得なかった) -- ラセン 2014-04-10 (木) 00:22:08
      • (セイバーの言葉に瞳を見開いて、噴出す)
        あっはっはっは…!!!王様って言うのは豪気なもんだねぇ。
        あっさりと自分の願いを投げ出そうとするなんて……!
        だからこその英霊なのかね。アルヴィンが憧れるのが、よくわかるよ。

        ……確実ではないって言ったろう。
        あたしのサーヴァントは変り種で、人間のまま力を持ってしまったような感じだった。
        そういうものだから、うまくいったのかもしれない。
        (かつかつと靴を鳴らして、少年の前へ行く)

        あたしの妹は、自分の命がどんな手段で繋がれたのか、よく知っている。
        自分の命がどんな犠牲の上にあるのか、よく知ってる。

        あんたは自分のために命すら惜しまないと言ってくれる人間の命を捧げられるのかい。
        聖杯を手にするのであれば、もっと犠牲は増える。
        ……それを妹に背負わせる気なのかい。
        命を救うために、命を犠牲にするなんておよしよ。

        (初めの時と同じようにかがんで少年に微笑んで)

        ……ま、あたしの言えたことじゃないけどね。

        (ぱっとアミュレットを手に持つと、そのまま地面にたたきつけた)
        (女のキャスターとしての魔力が一瞬で膨れ上がり、目を開けていられないほどの強烈な風が巻き起こる)

        さっきの話、信じるか信じないかは自由だよ。娼婦はうそつきだもの。

        (そして)
        (風が収まるころには、女は姿を消していた) -- キャスター 2014-04-10 (木) 00:55:56
      • (近づいてくるサーヴァントの顔を見る、それは女の顔でなく、娼婦の顔でなく、ただ一人の「姉」の顔で微笑んだ)
        (烈風に目を瞑り、それが消えた時には、彼女の姿はどこにもなく)
        (少年と騎士だけが残される)

        …セイバー…
        (顔を合わせることなく、その名を呼び)
        ……僕は…僕は、それでも助けるよ………あの子の病を治してみせる…必ずだ
        (罪科があるならば自分が背負おう、罰を与えられるなら望んで受けよう)
        (この高潔な騎士さえも、犠牲が必要ならば捧げよう)
        (聖杯を憎む男から、かつて聖杯を望んだ女から、その心を揺さぶられて尚)
        (胸に残るのは小さな約束)
        (たった一つ、願いだけは揺るがない) -- ラセン 2014-04-10 (木) 01:30:23
      • 忘れるな、余は最初に言ったはずだ
        (背を向けて歩む騎士の姿を、ステンドグラスから漏れる光が照らす)
        ―――この剣に誓う、と
        (そして、再び影に溶けた) -- 鎧のセイバー 2014-04-10 (木) 01:30:41
  •   -- 2014-04-09 (水) 19:57:12
  •   -- 2014-04-09 (水) 19:57:07
  •   -- 2014-04-09 (水) 19:57:03
  • ―繁華街― -- 2014-04-08 (火) 23:47:54
    • (繁華街。商店街、買い出し……そう。如何なるものでもマスターは人であるため物が必要になる。)
      (それを見越してほぼ毎日のように街に繰り出していれば……何度も会っているマスター、サーヴァントも出て)
      (逆に、今まで出会わなかったマスターとサーヴァントにも出会うことになる。)
      (それがいかにも悪いやつであればよいが。そういう出会いをするのは大抵)

      ……参ったな
      (子供、少年。であるのだ。昼間から出歩く少年……その力は確かにマスターに相応しいものを察知できる)
      (おそらくサーヴァントも近くにいるのだろうが。だからこそ声をかけなければならない。彼が何者であれ……この戦いが間違っていると伝えるために)

      少年、少し時間はいいか。話がしたい。カフェは好きか
      (そうして左手のグローブを外し、一画になった令呪を見せて己が君も参加している戦いの参加者であることを示す) -- ブレイズ 2014-04-08 (火) 23:53:09
      • ……!
        (男が見せた令呪。先日の襲撃が頭をよぎり、心中で警戒体勢を取る)
        …いいだろう、構わない
        (現界してはいないが、セイバーは近くに付いている。この男に企みがあったとしても、護衛の役目を果たしてみせるだろう)
        (此方の令呪は見せずに男に着いて行く。得体の知れない相手に手の内を晒すほど、純朴でも人が良くもない) -- ラセン 2014-04-09 (水) 00:01:18
      • (もちろん警戒しているのはわかる。だが話をしないことには始まらない)
        (手近なカフェテリアに入り、メニューを渡し自分はコーヒーを頼む)
        (しばし緊張感のある時間が流れ、注文の物が来ると話を始めたのだった)

        知っての通り俺はマスター……名をブレイズと言う。
        君のような未来ある少年だからこそ、対話を望みこうして呼び出した。
        俺の目的を伝えることでこの戦いに対する……いや、願いへの考えを変えてほしいからだ。
        (そう、それがどんな願いであっても……覚悟と、奪うことへの諦めを違うと言わなければならない)
        (咳を一つ、小さくこぼれるように出る)

        ……失礼。最近喉の調子が悪くてな。
        この戦いでの俺の目的を伝えよう。それは、聖杯戦争自体を潰すことだ。
        人々の犠牲の上に願いを叶えることが間違っていると示すために、この戦いを打ち砕き
        聖杯と呼ばれるものも砕くために戦っている。

        (君達が聖杯願いを叶えようと戦うことは間違っていると)
        (そんなことがあってはならないと示すために戦っていると、目の前の少年といるだろうサーヴァントに伝えた) -- ブレイズ 2014-04-09 (水) 00:11:43
      • (努めて表情を動かさないようにしながらも、男の話した内容に正直驚いた)
        (それはこの儀式の参加者としてあり得べからざる願い、前提を根底から覆す願いに他ならない)
        (だから、答える)

        それは困る

        それでは僕の願いが叶わない
        (「ふざけているのか」、そう思った) -- ラセン 2014-04-09 (水) 00:17:28
      • そうだ。
        元々死んだ人間の未練を利用して戦い合わせる邪悪なこの戦い……
        こんなもので叶えていい願いなんてない。
        人の命を踏み台にして、犠牲にして何が叶う。何が開ける。
        (故に戦いに来た、この戦いを終わらせるために。潰すために)
        (だからこそ問わなければならない……目の前の少年に)

        教えてくれ、君の願いは聖杯で……この戦いで叶えていいものなのか。
        教えてくれ……君の願いはなんだ。本当に聖杯じゃなければどうしようもないものなのか。
        (だからこそ聞かなければならない。君の願いは、人ではどうしようもないものなのかと) -- ブレイズ 2014-04-09 (水) 00:24:39
      • (無意識に、奥歯を強く噛んだ)
        (苛立った。この男の吐く、聖職者が垂れるような綺麗事に)
        (邪悪? わかっている)
        (人の命を踏み台にする? わかっている)
        (そんなものは、全て、最初からわかっている)

        その通りだ

        (だから、強く肯定した)
        病気の家族がいる
        彼女の病はどんな名医でも、どんな高価な薬でも癒せない
        手は尽くした、何年もかけた
        そして、もう時間が無い

        だから、聖杯を使わせてもらう
        (肘をついて両手を組み、遥かに体躯で勝る男を射殺すような眼差し)
        (揺るがない、答えに躊躇いは無い) -- ラセン 2014-04-09 (水) 00:38:13
      • なら尚更……
        (こんな戦いで救ってはならない。その人の、愛する人の命を)
        (犠牲の上に立たせてはいけない。命を汚してはいけない。そう伝えなければ)
        (言わなければいけないのに、何か喉に詰まる。呼吸が一瞬苦しい、だが問題ない)
        (今大事なのは目の前の少年の願いを、救いの願いを本当の優しさを残さなければ……だから)

        君は今、ここにいるべきじゃないだろう

        (それは、考えていた言葉とは違う言葉だった。でもどうでもいい。それは関係ない)
        (威圧を向け、信念を曲げることはないと伝える少年を見返す瞳は燃え盛る炎ではなく澄んだ水のように)
        (悠然と、鏡のような目でそこにあった)
        (ただその瞳を持つ男は自分が何を言っているのかわからなかったが) -- ブレイズ 2014-04-09 (水) 00:48:04
      • 何を言っている……?
        (理解をしかねた)
        (ただ、差し向けた意思すらも映し返すような澄んだ眼差しに怒りを覚えた)
        だったら……
        (俯いて、立ち上がる)
        だったら、誰があの子を救えると言うんだ!!
        (激昂、強くテーブルを打つ音がカフェの平穏を乱す) -- ラセン 2014-04-09 (水) 01:04:28
      • 君だけだが

        (何を当然のことを言っているのかというばかりに告げる)
        (その激昂すら悠然と見通していたような瞳と口調で。ただ、少し咳き込んで)
        (何かまた、いや、瞬きをすると瞳はその澄んだまなざしではなく、ただの瞳の気を持ち)

        聖杯勝ち残ってさ、その家族が病から治りました。
        とするじゃないか。

        で、その家族はその次の日に死なないと言い切れるのか?
        そんなの知るかでは済ませるなよ。いや済ませられないんだぞ。お前の救いたい人のことなんだからさ
        (その言葉は今までと打って変わって水が零れ落ちるように)
        (すらすらと、本当にそれが当然のように流れておちる)
        (だが、それもまた話している当人は何を言っているのかわからない)

        人の命っていうのは生まれた時に死ぬのが決まってるんだよ。
        どんなのであれな。ある意味時間制限付きのが人生だ。
        それは確約されてるんだよ。残念なことにな……俺もお前も誰も彼もが

        だからな、その助けた家族に死はまた絶対に近づいてくる。
        どうやってもな。んでその時……優勝して家族救ったお前は
        「また聖杯を使って救おう」って思うよな、きっとさ。
        だって前救えたんだから、今回もできるって思うよな。思わないと言えるか?言えないよな。

        んでだ、またやってお前その家族をどうしたいんだ?
        もっと先に聞こうか。それからも逃れられないとしたら不老不死にでもするか、家族を
        やめとけよ。愛する家族を不老不死の化物にしてどうすんだ。

        お前の死にそうな家族、今そんなこと求めてるのか?
        手尽くしたいのはわかるけどそいつに聞いてこいよ。
        それからでも遅くないだろ。 -- ブレイズ 2014-04-09 (水) 01:25:00
      • ―――――――言いたいことは、それだけか
        (俯く表情は見えない、それでもその怒りだけはくっきりと伝わる筈だ)
        何様だ、貴様は……
        (この男は知らない、妹の苦しみも、家族の苦悩も、未来の無い絶望も、儚い願いも、そんなものは関係なく)
        (“正しい”言葉だけを語り続ける)
        そんなものは望んじゃいない……
        僕は、ただ
        当たり前の未来を!! あの子に与えたいだけだ!!!
        (家族との平穏、友達との触れ合い、いずれは恋だってするだろう、たくさんの楽しいこと、嬉しいこと、時に辛いことがあったとしても――――何も知らぬまま、潰えようとしている命に))
        (――――ただ、可能性を与えることを望む)

        そうだ! これは僕のエゴだ!!
        (認めている、理解している、この儀式に参加すると決めた時から)
        家族は望んじゃいないだと? 知っているよ、そんなことは!!
        (優しいあの子が、そんなことを望むわけがないから)
        だからこれは僕の願いだ、僕自身の身勝手な願いだ!
        (罪を負うのは自分だけでいい)
        誰にもこの願いを譲りはしないし、誰の願いだって砕いて見せる!!
        それが許せないと言うなら――――お前が叩き潰せばいい
        (睨み上げるようにぶつける眼差し、確固たる宣戦布告)
        (エゴとエゴのぶつけ合い、それがこの『聖杯戦争』の本質だったはずだ) -- ラセン 2014-04-09 (水) 02:07:02
      • 他の未来を摘み取り、誰かに与えるのも相当な何様だと思うけどな
        ま……それらもまだ、わからないようだし
        というより君がまだ家族の命と向き合う覚悟決まってないだけだろうな
        聖杯戦争中、君が家族と離れている間にその人が死なないことを祈るよ
        それはどっちも後悔するだろうしな
        (激昂。人が人として当然に想うことを否定されたが故だろう。だが男の語ることもまた当然であり自然なことなのだ)
        (ただただそれは、いやその少年の言うことは人として正しいし、当然だからというような風に聞いていく)
        (そして頷き、『聖杯戦争』の中にいながら外にいる男は微笑み)

        そうだな、君の願いを砕くことになるがしょうがない。
        君の家族の願いを、君に砕かせないために
        君と君の家族を本当に救うために、さ。
        (笑顔で宣戦布告に応えた。目の前の激昂する少年に、優しい少年に)
        (お前のエゴでお前の救いたいものの願いを潰すことになるんだと)
        (優しく告げた) -- ブレイズ 2014-04-09 (水) 02:21:57
      • 同類だろう、お前たちも
        (この儀式に臨むものは、誰もが願いを抱え、誰かの願いを踏み躙るためにいる)
        (目の前の男だって、その例外ではない)
        (だから戦う、願いを砕き砕かれる事を覚悟して戦う)
        ――――――…!
        (思わず、息が詰まる。この男は、そんな考えで戦おうと言うのか)
        (見透かしたような言葉に、内蔵を掴まれるような不快感を覚える)
        ―――――…死んだ人間は、心を痛めることさえできない
        (席に座り直す事はせず、外套を翻しテーブルを離れる)
        (結論。この男とは“相容れない”)
        (彼は“正しく”、“善人”なのかもしれない。しかし、彼が勝てば妹は死ぬ)
        (ならば、そこに歩み寄りは有り得なかった) -- ラセン 2014-04-09 (水) 02:43:10
  • ―幕間 第三の夢― -- 2014-04-08 (火) 20:09:13
    • 遠き異国の宮廷、戦より帰還した指揮官を迎える少年の姿

      「お帰りなさいませ、兄上!」

      真新しい戦装束に身を包んだ若武者、その面立ちには未だ幼さを残している

      手柄話をせがむ眼差しは、戦場の英雄たる兄への尊敬、羨望、そして憧れに満ちていた

      「いずれ私も兄上の様に」

      そう語る彼の頭を、英雄の大きな手が撫でた -- 2014-04-08 (火) 20:19:07
      • 目の前に並ぶ三つの人体

        先刻まで、三人の少年であったもの

        大恩ある異郷の王の子息達、そして我が弟の変わり果てた姿

        故国を取り戻すための戦い

        初めて臨んだ戦場にて

        彼らは敢え無く果てた -- 2014-04-08 (火) 20:23:48
      • 膝を着く英雄の目に映る殺戮の痕跡

        ああ、この鋭利な斬り口は

        これほどまでの技を持つものは、あの男をおいて他にはいない

        「ヴィテゲよ、お前なのか」

        敵と分かたれし、かつての友

        「お前が王子達を、ディートヘルを殺したのか」

        慟哭

        英雄の胸を、漆黒の憎悪が包んだ -- 2014-04-08 (火) 20:30:15
      • http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst085251.png
  •   -- 2014-04-08 (火) 01:07:25
  •   -- 2014-04-08 (火) 01:07:21
  •   -- 2014-04-08 (火) 01:07:17
  • ―旧街道― -- 2014-04-06 (日) 22:38:07
    • (血の様に赤く染まる空、沈みゆく日の方へと鉄の騎馬は走る)
      (後方より迫る追跡者との距離はあえて着かず離れずを保つ。相手は此処で標的を逃し見失うよりも手負いの獲物を狩るが易く、また、こちらも奇襲に備えるよりは待ち受けるが易い)
      (これまでの対サーヴァント戦は二度)
      (アサシンは暗殺者として優れた力を持ちながら、あえて正面からの戦いを望み、そのマスターには幼さ故の脆さがあった)
      (アルヴィンはサーヴァントの協力を得て凄まじい力を発揮したが、それは互いの誇りをかけたものだった)
      (この戦争を純粋に“殺し合い”として、そして、そこで出会う“敵”として見るならば)
      (あの追跡者達は、間違いなく、これまで出会ったどのペアよりも強敵であると言えた)

      まだ戦えるな、主 -- 鎧のセイバー 2014-04-06 (日) 22:38:17
      • ああ……やってやるよ、ここでやらなきゃ此方が狩られるだけだ
        (空になったポーションの瓶を投げ捨てる、呪弾は強引に摘出した、障壁で多少なりとも威力が殺されていたのが不幸中の幸いだろう。傷は未だ疼くが、耐えられないものではない)
        (閃光に紛れて瞬間的に魔導二輪――セイバーが『ファルケ』と名付けたこの乗り物――を転移させ、一時的な離脱を図る。もちろん種々の魔道具を駆使しての事だ)
        (緊急時の打ち合わせはしてあったにせよ、あの状況でよくぞ成功したと思う)
        (魔導二輪のタイヤが蹂躙する荒れた地面。かつて人狼が跋扈し、人々を恐怖させたという旧街道を通る人間は今や少ない、闇に包まれ行く街道を往くものは他になく―――)
        (まもなく日が沈む、そして闘争の夜が来る―――) -- ラセン 2014-04-06 (日) 22:39:31
      • (──そして、夜闇を切り裂き襲撃者は来る。魔導機関の立てる唸りが未舗装の旧街道の小石を跳ね飛ばし、ヘッドライトが明々と暗い道を縫い)
        (運転席で片手をハンドル、もう片手で礼装たるリボルバーを保持したフードの青年は、傍らのサーヴァントへと言葉を飛ばす)
        んじゃ、行くぜ。すり抜けたタイミングで仕掛ける。
        (言って、アクセルを踏み込む。Vow!と吠え立てたエンジンが、前を走る鋼の騎馬へと追いすがり、そして抜き去る為に肉食の四足獣の如く駆け抜ける!)
        (ダッシュボードに預けるように構えた中折れ式リボルバーのシリンダーに込めた刻印弾は、全て同一種。撃鉄を下ろし、引鉄を引き絞りながら詠唱とも言えぬ短い文句を舌に載せ)

        「──停滞に、眠れ!」

        (狙うは敵手前方。魔力の帯を曳いて六連射される魔弾は、外部時間で五秒間の間のみ、半径1mの空間の時間の流れを三分の一まで停滞させるという、出鱈目な代物)
        (アクタにとっては切り札に等しい『停滞の呪印』六発分の遅滞空間へ、地を噛み疾走する”ファルケ”のタイヤが侵入した瞬間こそ、好機。素早くステアリングを切り、大柄な車体を騎士と少年魔術師の駆る魔導二輪へ強引に寄せる!)
        (強烈な横Gとサスペンションで殺し切れない衝撃がアクタとセイバーを襲うが──最早、鋼鉄の魔導機械は止まらない) -- アクタ 2014-04-06 (日) 22:56:01
      • (アクタの呪いが齎したその現象は、恐らくラセンらには信じがたい光景だったであろう)
        (かのセイバーが対魔力に優れているといえど、不意の自体でどれだけ対処できるだろうか)
        (ハンドルを握るのはこちらがマスターに対して、あちらはサーヴァント)
        (騎乗スキルの明確な差はあれど、既に彼我の距離は交叉も間近)
        (彼女は剣を構え跳んだ。後部座席に陣取るラセンへと)
        (研ぎ澄まされた暴力を解き放つために) -- セイバー 2014-04-06 (日) 23:12:13
      • ぬっ!?
        (誤算だった。銃撃は確認した、それが直撃しない事もわかっていた、しかし、この呪いの銃弾は当たらずして周囲に呪いを齎している)
        (急激に速度を落とした車体に反応してハンドルを切るが意味をなさない、その間に敵手との距離は縮まり――)
        猪口才な!!(面頬を上げ放つ炎、鉄をも溶かす猛火は鉛の弾をいとも容易く融解させ、その呪いより車体を解き放つ)
        (同時にフルアクセル、加えて急ハンドル、一瞬の挙動で街道の外へと飛び出した) -- 鎧のセイバー 2014-04-06 (日) 23:41:34
      • (迫る殺意。自身のセイバーをも圧倒する力を持ったサーヴァントが、己に剥き出しの殺意を向けている)
        (横に視線を向ければ、飛び出す女戦士の影)
        (それは恐怖、死線の上に立つ恐怖。心の臓が潰れそうな程の圧迫感に苛まれるが)
        ―――調子に乗るなよ、サーヴァント!!
        (車体の急転換に合わせて放つ手投弾、魔力を用いない科学の暴力を宙空で爆裂させる)
        (―――そんなものは、妹がずっと抱え続けているものだ。彼女を助けたいのなら、その程度の危険に身を晒せなくてどうする)
        (支えるものは生者としての願い。死人に打ちのめされるような願いなど、最初から持ち合わせてはいない)
        (荒れた大地に曲線を刻みつけ、魔導二輪は停止する) -- ラセン 2014-04-06 (日) 23:42:40
      • (火炎に巻かれ、力を失う呪印に臍を噛む。だが既に機先を制するという役目は果たした。発条仕掛けのようにその身を射出したセイバーを確認した直後に響く爆音。そして衝撃)
        (ブレーキで殺しきれぬスピードは運動エネルギーとなってドライブシートのアクタを滅茶苦茶に打ち据え、縦方向のスピンとなって魔道四輪をスクラップにしながら街路の大樹へと激突、停止する)
        (あまりの衝撃に強か頭を打ち付け、頭を振るが……”鬼神の呪印”により強化された身体能力は、此の程度の衝撃で致命傷を負う事を呪われた者には許さない)
        (鎧のセイバーの火炎とラセンの手榴弾、そして破壊された魔道四輪から立ち上る炎で、旧街道の一角は火の海と化しつつある……使い物にならないドアを蹴り飛ばし、四輪から降りた呪術師が歩む)

        セイバーッ!! 平らげろ!!!

        (此の程度で止まる程であれば、己もそのサーヴァントも既に死んでいる。そうでないと言う事はつまり、そういう事であった) -- アクタ 2014-04-06 (日) 23:54:03
      • (爆炎の向こうから現れたのは、黒く煤けた鎧姿の彼女である)
        (変形した肩当から見るに、爆発の衝撃は有効なダメージソース足りえたのだろう)
        (それでもまだその歩みは止まらない。更なるプレッシャーを放ちながら荒れ野を踏み締める)
        (陽炎を纏うその出で立ちはまるで、悪鬼羅刹のようであった) -- セイバー 2014-04-07 (月) 00:04:06
      • (立ちはだかるは鎧の騎士、端正な面立ちは歴戦の戦士としての覇気を纏い、恐るべき女戦士に対し刃を向ける)
        (戦士たる両者の間に言葉は無い、疾風の速さで斬り込んだならば、夜の静寂を劈いて白刃の打ち合いが開始される) -- 鎧のセイバー 2014-04-07 (月) 00:21:04
      • 思い出したよ、師匠から聞いたことがある……呪弾使いの魔術師殺し
        (もしも、相対するこの男がその賞金稼ぎならば、魔術師として己が太刀打ちできる相手ではないだろう)
        (力量、経験、精神力、全てにおいて数段上、その中で光明を見出すならば、持ち得る力の全てを賭す他は無い)
        (両手を外套の内へ差し込み、指の間から立て続けに放つ針の雨、左手は上手く動かないが、制御そのものは魔術で行える)
        (星灯に煌めき舞う銀の針、その影に隠れるように、夜闇に溶ける黒塗りの針を紛れ込ませて) -- ラセン 2014-04-07 (月) 00:21:27
      • 俺も有名になったもんだなあ。ハッ、じゃあ話は早いってもんだ。
        (英霊同士が奏でる颶風の如き剣戟を置いても尚、その声は不思議と耳に届いた。自身の血で染まった頬が皮肉げに吊り上がる)
        (目の前の少年は、死に物狂いでこちらを凌駕しようとして来るだろう。本心で言えば憂鬱極まりない。本来、こんな血腥い闘争に手を染めるべき者では無い歳のものへ、銃口を向ける事に自己嫌悪も在る)
        (だが、それでも尚求める物が在る。故に──今の彼我は対等であった)

        (油断も、手加減も、葛藤も、悲憤も、此の場に挟めば即座に己を殺す)

        (銀閃が飛来する。残り少ない身代わり符を投げ、或いは身を低く躱してそれらを捌く。だが、その最中に迷彩された黒い殺意は夜闇に紛れ、アクタへと突き刺さる)
        ……ッ!!
        (咄嗟に掲げた左腕に深々と突き刺さった針に構う暇は無い。返す刀とばかりに連発射撃(ファニング)。銃火を痛みの返礼と、ラセンへ向けて吠え立てる) -- アクタ 2014-04-07 (月) 00:52:21
      • (本来であれば、アクタとは別にセイバーからの射撃にも曝されていただろう)
        (しかしながらラセンが従える金のセイバーは、その横槍を許す程手緩いサーヴァントではなかった)
        (アクタを以ってして「最上位の戦力」と言わしめた彼女と、熾烈な剣戟争いを繰り広げている)
        (膂力も速度も、彼女が上回ろうと思えば可能だろう。しかしながら先の邂逅において、それは意味合いが薄いと証明されていた)
        (あちらを立てればこちらが立たず。故に彼女は、純粋な技量で彼を上回る他無いのだ)

        (数え切れぬ程の打ち合いを経て、先に動いたのは彼女の側)
        (膂力の差を押し付けるように、剣を強く弾いて更に一歩。間合いを詰めるためまた一歩)
        (強固なガントレットは防具であり鈍器。彼女は振り上げた拳を、力任せに殴り付ける) -- セイバー 2014-04-07 (月) 01:18:42
      • シッ!!
        (横へと駆けつつ宙に投げ放つ4本の短剣は即座にショートソードへと変じ、銃火との射線上に次々刃を挟んで紙一重で凶弾を阻む)
        (森の外れの木立の中、天然の防壁を盾に走りつつ、鉄剣の群れを狂ったように舞い踊らせて殺し屋の命を狙う。全神経を注ぎ、抗う) -- ラセン 2014-04-07 (月) 01:40:02
      • (英霊は気づいていた。風をも抜き去るが如き人外の速さ、破壊的なまでの剛剣、この斬り合いにおいて、それらが振るわれる事の無いことに)
        (常に迷いなく首を取りに来る彼女がそうしないという事は、あの能力にも条件という枷があるという証に他ならない。故に己の技量全てを賭して、この恐るべき戦士を攻め続ける)
        (力に勝る相手、それは実際、魔物狩りの英雄が数多く打ち倒してきた相手でもある)
        (故にその剛力を流し、逸し、間隙に必殺を叩き込む戦い方は体自身が熟知していると言えた)
        (問題は、相手が力のみならず、その技量、速さまでもが最上級の強敵であるという事)
        (故に、絶え間なく刃を交わしながらも殺しきる事ができない)

        ―――やりおるわ!!
        (衝突する拳と拳、砕ける金銅の篭手。貴人の顔が歯を剥き、顕にするは凶暴な笑み)
        (巨人騎士エッケ、ドワーフ王ラウリン、強敵との戦いはいつでも最後は組み打ちだった。いわば得意分野である)
        (力で劣るならば、あえてその一撃はかち上げるように斜めへ流し)
        ――――るぁあああ!!
        (瞬間、勢いを利用して高速の回し蹴りを放った) -- 鎧のセイバー 2014-04-07 (月) 01:40:35
      • (短い呼気と刃鳴りの響き。金属が噛み合う火花と音が最早夜を迎えつつ在る旧街道に刹那を灯すが、それもまた応酬の一幕に過ぎない)
        (即座に舞い来るショートソードを撃ち落とし、掠らせ、躱し、或いは致命に至らぬ肉で受け、子鹿──否、必殺の反撃を繰り出さんとする狼のように森を駆ける少年を追う)

        「──腐壊に狂え」

        (射線を遮る木へと撃ち込むは生きとし生けるを一切合切、弾痕から腐り落ちさせる『腐壊の呪印』。森を文字通り不毛の土地と変えながら、魔術師殺しは獲物を追う) -- アクタ 2014-04-07 (月) 01:51:18
      • (蹴り足に弾かれるまま、野ざらしの岩を砕いて二転三転)
        (体内を駆け巡る酸素が、力任せに排出させられる)
        (昼食がもう少し遅ければ、惨状は更に目を覆いたくなるような代物へと変貌していたことだろう)
        (幸い、胃液が喉を焼き酸味が咥内を満たす程度で済んでいた)

        殴り合いでアドバンテージ取られるとは思わなかったよ。
        さぞ高名な英傑だったのかね。
        ……まあいいさ。そろそろ頃合か?
        私のマスターが、お前のマスターを始末するのは。
        どうする、追うか? 背を見せればバッサリだぞ? -- セイバー 2014-04-07 (月) 02:25:40
      • ……!!
        (銃弾を受けるごとに腐敗し、倒れ朽ちていく木々。それ故に一処に留まる事が適わない、焦燥が追われる側の体力を奪っていく)
        (おぞましく腐敗した森の姿は、狩人が一流の呪い師であることを如実に示していた)
        くそ……っ!!
        (手元に残った数少ない風の玉を投げ放ち、木っ端や石片を弾丸として巻き上げるが、それも必殺にはほど遠い)
        (やがて、操り続けていた剣の一つが斬撃を空振り、地に落ちる。それは少年の精神力が途切れかけていることを意味していた) -- ラセン 2014-04-07 (月) 02:39:39
      • わかっておるさ……
        (長期戦になるほど不利になるのは承知している。乾坤一擲の手を打つならば、と郊外に連れ出したが、この者が相手では文字通り最強最後の一手を打ち込めるかどうか――)
        (――そして、直感が正しければ、彼女は未だ『宝具』を見せていない)

        ―――――征くぞ、主―――――覚悟を決めよ――――
        (背を向けたまま、木立を挟んだ主に向けて投げかける声。冷徹な計算、偏に勝利への道筋を求める)
        (手を打つならば、今がその時に他ならない)
        (大気が、ざわめく) -- 鎧のセイバー 2014-04-07 (月) 02:40:09
      • そう……良い魔術だが、手っ取り早さが仇になる。
        (戦場を移す前に評した言葉の裏。力無く落ちた剣を見やり、そう嘯く)
        (アクタとて、先の盛大な魔道具の連続使用には多数の傷を負わされている。しかし、今尚抵抗の意を示さんとする少年を狩るには十二分)
        (勝負を決めるべく、紅蓮の視線を照星越しに少年へと向け)


        (ぞわり、と)


        (本能的な危機感が項を這い登る。致死の手触りがすぐそこに在るという実感)

        《──セイバー、退避時間を稼げ。……頼む!》

        (戦闘経験が──或いは、背に負った呪いか──故の嗅覚が今この場に留まり手負いの狼を狩るよりも、すぐに此処から離れるべきという判断を後押ししていた) -- アクタ 2014-04-07 (月) 02:57:01
      • ハハハ、来るか?
        まあそうだ。私を粉砕するのが一番確実だ。
        だがそりゃあもう、遠いぞ。確率で言えば、宝くじに思いを馳せた方がまだマシだ。

        (狙いは打撃か逃走か。或いは別の何かか)
        (宝具が必殺の切り札である以上、その性質を見通せぬまま仕掛けるのは悪手も悪手)
        (彼女は宝剣を構え、ただ見据えていた)
        (対処は容易くないだろうが、カードを温存していたのは何も、彼だけではないのだ)
        (あとは互いに開示の時を待つのみである) -- セイバー 2014-04-07 (月) 03:07:56
      • …はぁ……はぁ……!
        (荒く息を吐き、立ち木に背をつける。なおも殺意の気配に抗おうと、神経を尖らせる)
        (―――そこへ、サーヴァントの声が響いた)

        言われなくても…
        (微かに俯いて、呟き)
        構わない
        (顔を上げ、答える)
        やれ、セイバー -- ラセン 2014-04-07 (月) 03:30:21
      • ―――――承知
        (片手で面頬を下ろすと、氷の様な冷たさが英霊を覆う)
        (最後の宝具、最強の武器である『万魔征する黄金竜(エッケザックス)』以上に、少年の魔力を、身体を蝕むであろうことは確実だった)
        (これは“賭け”である、命を賭した“賭け”である)
        (しかし、信じる。少年の言葉と、その覚悟を信じて、騎士は忌まわしき力を開放する―――) -- 鎧のセイバー 2014-04-07 (月) 03:32:19
      • (烈風。夜の森を黒い風が吹き抜ける)

        顕現せよ――――ー
        (騎士の足元、夜闇に溶け込む影より立ち上がるのは異質の存在)
        (黒き悍馬が、騎士をその身に乗せて嘶く)

        ――――――嵐の騎行(ヴィルト・ヤークト)
        http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp028493.png
        (その声に導かれるように、周囲に浮かび上がり集う影、影、影、黒き騎馬の群れ、猟犬の群れ、狩人の群れ、戦士の群れ、或いは角を生やした悪魔、或いは吠え立てる竜)
        (万魔を征した王が率いるは万魔の群れ)
        (魔物達の唸りが嵐となり、森の木々を激しくざわめかせる―――)

        (ここではない世界、欧州に広く伝わる伝説。嵐の空を駆ける魔物の群れ、『ワイルド・ハント』)
        (かのフランシス・ドレイクやアーサー王に並び、魔群の首領とされる英傑の一人が他ならぬディートリッヒ・フォン・ベルンである)
        (それは魂そのものに刻まれた『呪い』であるが故に、剣士のクラスでありながら魔獣への騎乗を可能とする離れ業)
        (輝かしき英雄とは全く異なる、魔群の首領としての姿、その顕現)

        (呪われし王が剣を掲げ、魔物たちの咆哮と共に『狩り』は始まった)
        (魔性の狩人達が牙を剥く、王と対峙するサーヴァント、そして少年を狙う殺し屋を獲物として――) -- 鎧のセイバー 2014-04-07 (月) 03:34:02
      • クク……アハハハハ!
        いいね、最高だ! 師団長か? いいや違うな、もっと規模は大きい。
        戦士で収まる器かよ。……そうか、王か? 一国の王なのか?
        ハハ、ハハハ! いいさ、俄然盛り上がってきたッ!

        (我先にと殺到する猟犬。その悉くを蹴り潰し、或いは切っ先で首を刎ねた)
        (騎兵の群れにしてもそうだ。馬の足を射抜き、突撃する者を片っ端から殺してゆく)
        (否。それは魔力でできていた。死などない。ただ消えていくばかり)
        (だが、彼らは皆、明確な殺意を抱いている。彼女を、彼女のマスターを殺すという確固たる意思を持っていた)

        (幾ら切り伏せようとも、幾ら打ち貫こうとも、黒の波は絶え間なく雪崩れ込む)
        (降り注ぐ矢が銀の鎧を貫通し、悪魔の爪は彼女をいとも簡単に吹き飛ばす)
        (倒れた先に降り注ぐのは、竜が吐き出す灼熱の吐息)
        (彼女は蓄積したダメージに膝を突き倒れても、剣を支えにまた立ち上がり魔を殺す)
        (殺してまた叩き伏せられても、立ち上がりまた魔を殺すのだ)
        (殺戮の果てに見出すものはあるのだろうか)
        (だが少なくとも、彼女はまだ自らを投げ捨ててはいない) -- セイバー 2014-04-07 (月) 04:08:31
      • (影が)
        (湧き出るように、影が形を持つ)

        (マスターである少年と、アクタの間を埋め尽くす実体化した呪い達。黒影は数多並び立ち、猛り狂い、敵対者を攻め滅ぼさんと迫り来る)
        ……ッ、っはは。こりゃあ……どうしたものかね。
        (背筋を冷たい汗が伝う。今や狩猟者と獲物の関係は一八〇度切り替わったと言っても良い。狩られる側に立つ青年は、此の場を凌ぐ手段を思い、しかして絶望の二文字が首を擡げかけ──)

        (──万魔の群れの向こう側、一角を削り飛ばす無骨な力の奔流がその弱気を捨て去らせる)
        (嗚呼、サーヴァント・セイバーよ。魔を殺し、未だ尚折れぬ一本の剣よ)
        (自身にも、オマエにも。此処で終わるなどという選択肢は在りはしないのだ)

        (然るに)


        ────呪の魔術師が令呪を以て命ずる。


        (剣の形の令呪、その切先の一角が赤く、紅く、朱く輝く。それは影の葬列に等しき魔軍に比してはあまりにも小さいが……真実、此の窮地を脱する為の輝き)


        ────”我が命に従い、此の場を切り抜けよ!”


        (絶対的な魔力が、剣のサーヴァントへと流れ込む。今や夜よりも尚暗い森に、閃光が瞬いた) -- アクタ 2014-04-07 (月) 23:55:29
      • (通り過ぎて行く、無数の影が、魔の者達が、獲物を追い立てんと駆けて行く)
        (頭に浮かぶのは、英雄としての自負を胸に、いつでも輝かしいまでに堂々と立っていた王者の姿)
        (その最後の宝具が、ここまで禍々しいものであったとは)
        (魔性の気配に背筋が粟立つ、膨大な魔力が奪われていく感覚で膝の力が抜け、崩れ落ちる)
        (そのまま意識が遠の―――)
        ッ!!
        (左腕に鋭い痛み、自ら突き立てたナイフの先から鮮血が溢れ出る)
        (これでいい、意識を保て、食い殺されるな、抗え、抗え、抗え…!!)
        (腰元から小瓶を引き出して一気に呷り、半透明のタブレットを流し込み噛み砕く)
        (付け焼き刃でも何でもいい)
        (生き延びる、この場を切り抜けてなんとしても生き延びるのだ)
        (死に瀕しながらも、その目から光は消えない) -- ラセン 2014-04-08 (火) 00:25:41
      • (蠢き荒ぶる魔物の群れ、女戦士の闘志が切り開いたその先から迫り来る、一際黒く巨大な影)
        (呪われし王の騎馬が黒き疾風となって駆け、高く夜空に跳ねた)
        オオオオオオオオオ!!
        (振るう大剣は罪人を斬り裂く処刑刀の如く、魔の重圧を伴って女の首目掛け落とされる) -- 鎧のセイバー 2014-04-08 (火) 00:25:53
      • (その一撃が齎したのは水の滴る生々しい音ではなく、剣戟同士の激しい火花であった)
        (互いに放った力が反発し、視界を埋め尽くす程の影たちが一斉に吹き飛び潰えてゆく)
        (疲弊した彼女の何処にこれ程までの力が残されていたのか)
        (剣を交えたならばそれも理解できるだろう。彼女の抱く宝剣には、彼女とは別の魔力が胎動していることに)
        (その源とは……霧散した影そのものであることに)

        私の真名はアルテリーベ。アリィだ。
        ……次はその首、貰っていく。

        (それだけ言い残すと彼女は令呪によって、ディートリッヒの前から姿を消した)
        (次に彼女が出現したのは、アクタの傍。影の軍勢を斬り散らかしての登場である)

        待たせたな。

        (未だ漲る魔力の渦が、その手に握られた宝剣へと集束していく)
        (刹那、斬撃と共に放たれたのは眩い光芒)
        (一撃は虚空を切り裂き、闇そのものを"破壊"する)
        (ついでのように空間そのものを"破壊"し、彼らなりの逃走経路を切り拓いた)
        (《活火激発》)
        (全てを破壊する宝具である)

        (彼女がアクタを放り込んで飛び込んだ門は、世界の理によって瞬時に修復され、追撃を許さない)
        (瞬く間の出来事であった。今この場には、彼女らの姿はない) -- セイバー 2014-04-08 (火) 00:41:54
      • (闇の中に佇む、黒き騎馬の王)
        ……アルテリーベ……
        (その名を刻みつけ、闘争の終焉を感じ取ると、魔物の軍勢は黒い霧となって消え去り、荒れ狂う嵐もその力を失った)
        (闇の気配が去り、騎馬無くして佇む王の鎧は、かつての金銅色) -- 鎧のセイバー 2014-04-08 (火) 00:52:29
      • ……………
        (光を見た。闇を打ち砕く光。それを最後に襲撃者達は姿を消し、やがて周囲を包む闇もまた消え去った)
        (後に残るものは荒れ果てた木立、嵐により消し去られた猛火の跡)
        (体は動かない、動かないが意識はある。手に力が入らず、ポーションの瓶が草地に転がった)
        (生き延びた、あの絶望的な相手から、それは少し前の自分から言えば奇跡に等しい)
        (霞む視界の先に、此方へ歩む騎士の姿が見えた) -- ラセン 2014-04-08 (火) 01:03:52
  • (夕闇の迫る街外れ。不意に人が途切れたタイミング。不自然とは言い難い、偶然と片付けても良い空白地帯)
    (ラセンが根城とする洋館とは少し距離が在る其処で、一発の乾いた銃声が響く)
    (銃声に彼が気付くのが先か、発射された鉛弾が彼の身体に食い込むのが先か。尋常の殺し合いであれば、この段階で不意打ちが成功したと言っても過言ではない、至近距離からの狙撃)

    (……だが。勿論彼も、彼が伴とする者も。尋常の者ではあるまい。この刹那の間で、戦端が開かれる) -- 2014-04-05 (土) 22:19:14
    • (それは銃声が届くのと同時。少年の急所を穿たんとした凶弾が、突如現れた鋼の刃に阻まれ、鋭い金属音を発して宙で割かれ砕ける)
      ――敵襲だ!!決して余の傍を離れるな! -- 鎧のセイバー 2014-04-05 (土) 22:33:16
      • !?
        (発砲音と敵意に気づくより先に、己の守護者である鎧の騎士が剣を抜き姿を現していた)
        ――狙撃…!? どこから…!
        (当初より警戒はしていたが、実際に奇襲を喰らうのは初めての事。戦慄を抱きながらも、騎士の言に従い、周囲に警戒を張り巡らせる) -- ラセン 2014-04-05 (土) 22:33:39
      • ────気付いたな。
        (長身のシルエットは、夜闇に沈みつつある街路から湧き出たかのように。赤々と刻まれた令呪の浮かぶ右腕が手にした銀色の凶器が殺意を孕み、ぎらと光ってラセンと鎧騎士へと向く)
        (フードの青年はそのまま、問答無用とばかりにシリンダーに残った銃弾を連射するが……奇妙な事に、その威力は先の一弾の比ではない。指さされた者に死を齎すという呪い、ガンドを銃弾に付与するが故に魔術的な意味をも与えられた銃撃)
        (魔弾と言って差し支えの無い威力のファニングが、ラセンと鎧のセイバーを襲い──)
        合わせろ、セイバー。
        (傍らで霊体化していたサーヴァントへ、静かに狩りの始まりを告げる) -- アクタ 2014-04-05 (土) 22:45:39
      • ハハハ! 委細承知!

        (鎧姿の戦士が、一目散に駆けてゆく)
        (銃撃に続けと一対のロングソードを構え、重厚な装甲を感じさせない程の速度を以って)
        (その視線は正に狩人。放つ矢は彼女自身である。纏う外套が赤から青へと変貌するのを合図に、更なる爆発的な加速を得てラセンらに迫る) -- セイバー 2014-04-05 (土) 23:29:00
      • (主を背にして放たれる銃弾を盾で弾き、その手応えと禍々しい魔力から、“呪い”の気配を感じ取る)
        呪詛だ、主。当たれば怪我では済まぬぞ!
        (今かけられる言葉はそこまで、これ以上はあのサーヴァントが許しはすまい。視線の先に捉えるは長剣をかざした女戦士の姿)
        (その速さは異常そのもの、瞬きの間に、互いの刃が触れ合う距離にまで迫る)
        はぁあっ!!
        (打ち合う鋼と鋼、夕闇の空に一瞬大きく火花が散る。これが敵との初遭遇であったなら、或いは虚を突かれ討たれていたやもしれぬ)
        (しかし、“最速”のサーヴァントとの戦いが、敵サーヴァントの攻撃に対応する心の備えを与えていた)
        問答無用、それも良し!!
        (襲撃者達の隠しもしない剥き出しの殺意。ならば遠慮は要らぬというもの)
        (鉄をも斬り裂く炎を纏った大剣が、十字の軌跡を描いて女戦士を襲う) -- 鎧のセイバー 2014-04-06 (日) 00:02:36
      • わかった…!
        (サーヴァントを押さえ込めるのはサーヴァントのみ、ならば敵魔術師の攻撃は己自身で防がねばならない)
        (迷いの無い殺意。これまで出会ったマスター達とは明らかにタイプが違う、しかし、これこそが本来あるべき戦争の形なのだろう)
        貫け!!
        (外套の内より引き抜いた数本の銀の針、掌よりも長いそれを投げ放てば、狙い定めた矢の雨のようにフードの男へと迫る) -- ラセン 2014-04-06 (日) 00:03:15
      • ……チッ、矢張りセイバーか。流石の抗魔力だな。
        (防がれ、看破されたとして舌打ち一つで済ませ動じる事は無い。中折れ(ブレイク・オープン)したリボルバーに次弾を装填しつつ既に剣閃を交えつつある二騎のサーヴァントにちらりと視線をやり)
        予定通りだ。最優は誰か、教えてやれ。
        (超高速の背中に一声掛け、自身の仕事へと取り掛かる。先ずは応酬、敵手は魔術師)で、あるなら。
        (空いた左手はジャケットの裡。引き抜いた手には数枚の符が在る。軽く放るように前へと撒けば、術者の髪を形代とした身代わり符を銀針が貫いている)
        良い魔術だ。俺のより手っ取り早い。
        (賞賛と銃火を吠え立たせて牽制とし、鎧のセイバーと外套のセイバーが切り結ぶ交戦領域(キルゾーン)を遮蔽とするように飛び退る) -- アクタ 2014-04-06 (日) 00:15:01
      • (目を引く焔の軌跡はそれだけに、嫌でも警戒心を煽り立てる)
        (とはいえ容易く後退を許す程、相対する金色のセイバーは手ぬるい相手でもなかった)
        (距離を離せば瞬時にして詰め寄られ、致死の一撃を当然のように放ってくる)

        私はね、こういうのを心待ちにしていたんだよ。
        どいつもこいつも舌戦頼みだ。
        戦士として呼ばれたならば、こういうのが本懐だろうにさあ!

        (両の掌に握られていた長剣は、危機を前に素粒子化)
        (四散した魔力は風に浚われるよりも先に、彼女の手に舞い戻る)
        (精製されたのは妖気を放つ、紫陽花色の宝剣であった)
        (それは灼熱の炎を身に受けても折れず、歪まず、傷つかない)
        (質量に圧し負けた彼女が、足裏を地面に擦りながら後退したにも関わらずだ)

        (口笛が鳴る。彼女の中では、リズムを切り替えるスイッチの一つだ)
        (外套は青から赤へ。刹那、怒涛の踏み込みが地面を穿つ。生じた剣風が洋館の窓枠を軋ませる)
        (見舞う一閃は正に破壊的であった。両セイバーに割って入るものがあれば、跡形も無く粉砕されていただろう)
        (事実、グリードを名乗るアサシンの幾らかは、この"ただの一振り"によって消滅している)
        (金色のセイバーも、それら哀れな被害者に名を連ねるか) -- セイバー 2014-04-06 (日) 00:34:45
      • 逸らされた…!
        (直後、火を噴く銃口。左手の指輪に光を灯し翳せば、円状に展開した魔力の障壁がガラスを砕くような音を立てて呪弾を遮る)
        (自前の魔術ではない、守護の呪法を込められた指輪の力である。そしてその効力もまた無限ではない、長期戦になれば確実に不利になるだろう)
        早めに―――片付けさせてもらう!
        (腰元のポケットから引き出す透明な「玉」。一見ビー玉のようなそれを、フードの男へとばら撒いた)
        (その正体は風の呪法が封じられた魔道具、一度弾ければ圧縮された風が小型の爆弾さながらに荒れ狂い、ちょっとした小屋程度ならば容易く砕いて見せるだろう) -- ラセン 2014-04-06 (日) 01:09:44
      • その一点には同意しよう!
        (時間にして僅か数秒、ただそれだけ剣を合わせれば分かる。このサーヴァント、紛うことなき「手練」である)
        (聞こえる口笛、続く、踏み込みを伴う一撃。受けたその手が、震えた)
        !?
        (それまでの攻撃とて、巨人と紛う程の力であったが、今放たれたそれは明らかに段違い)
        (衝突により生じた“圧”が大気を重く震わせ、受けたその身は骨までも軋み、遂には吹き飛ばされて、踵で路面を削りながら主の傍にまで押し戻される)
        なん……たる……!! 巨人の子か?それとも竜の子か!?
        (うら若き婦人に対し、思わずそこまで口にする程の剛力。かつて出会った魔物の中でも、ここまで無茶苦茶な膂力の持ち主は少々覚えが無い)
        (彼が無事であったのは、宝具でもある宝剣でそれを受けたからだろう、盾で受けたのなら一撃のもとに粉砕されていたはずである) -- 鎧のセイバー 2014-04-06 (日) 01:12:02
      • (何を撒いた? そう確認する間もなく、圧が来る。膨大な量の空気の動き、風圧がアクタを叩き据えんと迫る)
        (びょう、と心胆寒からしめる音が息吹となって足元を乱し、砕かれた石畳が礫となって襲う……だが)
        (此の場にはもう一つの暴風圏が在る。即ちそれは、金と銀の剣士の打ち合う最中! 抗魔力についてはお墨付きの二者を、風の呪法が砕き散らす事は決して無く)
        エアポケットと成り得る、というわけだ。
        (敵手と味方を戦場の構成要素とし、叩き付けられた瓦礫で受けた傷から血の糸を曳きながら惑い転ぶように身体を伏せた頃には次弾の装填は完了している。傷は在る。障壁は硬い。だがそれだけで敗北の要素とは成り得ない)
        こっちの台詞だよ、少年。
        (照星の向こうには魔力障壁を展開する金髪の少年。鮫のような笑みで)

        「──落運に嘆け」

        (性懲りもなく、防がれるのを承知で発射された銃弾──だがそれは普通の.45口径の鉛弾などでは決して無い。仄暗い魔力の光を曳いて着弾したソレこそがこの呪術師の礼装であった)
        (着弾した事物に致命的な不運を齎す刻印弾がひとつ『落運の呪印』。この呪いをぶち当てられた障壁は、一体如何な不運に見舞われるのか) -- アクタ 2014-04-06 (日) 01:28:40
      • (生前の彼女は怪力を持ち合わせていた)
        (だがそれも、彼が言うように非常識なものではない)
        (ましてや何者をも破壊する力など、所持した事実はない)
        (力を有効に伝える道具と技術が合わさって初めて様々なものを粉砕せしめてきたのである)
        (しかし人とはよりインパクトがある方へ、事実を歪曲させてしまう)
        (伝承は更なるヒロイズムを求め、その姿を時代により変化させていった)
        (言わばこの場に立つ彼女の力は、後天的に齎された物)
        (英霊は英霊。実在の人物像がそのまま転写されるわけではない)
        (彼女もそうだっただけのこと。そしてそれは、英霊ならば誰しも持ち合わせている側面なのである)

        残念、人の子だ。
        ただし半分だけな……っ!

        (彼女が荒ぶ風に剣を晒すと、剣は益々ギラつくような煌きを放つ)
        (魔力の波を、そのまま己が力に転換しているのだ)
        (対魔力に関する逸話を持ち、対魔力に優れたクラスとして呼び覚まされた彼女にのみ許された暴挙である)

        (交差するアクタとの視線。互いに逆方向へと飛び出しながらの追撃を見舞う)
        (アクタは次なる銃弾を。彼女は切っ先を地面に這わせ、まるでマッチであるかのように剣を擦り上げる)
        (大地は固形物であり大自然の大半を占める。彼女らを構成する魔力を伝えるには、とても都合がよく出来ていた)
        (内燃する力を流し込み、あとはそれに指向性を持たせてやるだけでいい)
        (生み出されたのは瀑布の如き破壊流)
        (地面が爆裂しながら、金色のセイバーを、更には背後の存在、彼を従えるマスターをも呑み込まんと雪崩れ込む) -- セイバー 2014-04-06 (日) 01:55:38
      • …!?
        (やったか?と思うほどの間は無かった。あろうことか二人のサーヴァントを盾にして、あの男は風の爆弾を防いだのだ)
        (明暗を分けたのは魔術師としての技量、そして戦闘経験の差)
        ……!!?
        (放たれた呪弾を受けた指輪が、突如として「なぜか」、「不運にも」、砕けて弾け飛んだ)
        (残されるものは無防備な魔術師の肉体―――思わず庇った腕の中程に、呪いの銃弾が突き刺さる)
        ああ゛あ……っ!! -- ラセン 2014-04-06 (日) 02:31:00
      • ラセン!!
        (主を見る、致命傷ではないが非常に劣勢、目の前のセイバーの実力もさることながら、相手のマスターもまた、相当の手練である)
        (まともにやり合ったのでは、未熟な少年の勝ち目は限りなく薄い)
        やってくれるわ…
        (荒ぶる風に晒され煌めきを増す紫の剣、その様はまるで魔力を喰らっているかの様に見え――)
        (――そして、破壊流が放たれた)

        マスター!
        (主を庇い、破壊流の前に立ちはだかると、主従の姿が一瞬土砂の影に遮られて消える)
        (―――直後、目を焼くような鋭い閃光が周囲に放たれて) -- 鎧のセイバー 2014-04-06 (日) 02:34:59
      • バウウウウウン!!
        http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst085211.png
        (飛び出した、巨大な機影)
        (鉄の騎馬に跨った騎士は、主を後ろに乗せ)
        行くぞファルケ!!
        (フルアクセル、彼方へ向けての疾走を開始した) -- 鎧のセイバー 2014-04-06 (日) 02:35:25
      • (視線を交わしたのみでの連携が上々に行った事に安堵する暇もない。障壁が砕けたのは確認した、だが……!)
        ッ、何だ……!?
        (眩い閃光が視界を奪う。直後響くは雄々しきエグゾースト音。そして見よ、古式ゆかしい鎧騎士が跨るあのシルエット)

        ……おいおいマジかよ。すげー似合ってんじゃないかアレ、確かにフルフェイスだけど。
        (肩を竦めつつもこのまま此処で逃す手は無い。敵手を逃したセイバーに視線を送って……ふと、其処に)
        (先の戦闘の余波でひっくり返ているモノを見つける。ソレは)

        セイバー、アレひっくり返してくれんか?
        持ち主には悪いがね……逃す手は無かろう? 手負いの獲物だ!
        (歯を剥いた、鮫のような笑みの向く先には哀れ天地を逆としてルーフを石畳に虚しく預けている高級四輪車。恐らく此の辺りに住まう富裕層のものであろうが……アクタの頭にはキー無しでエンジンを掛ける為の手順が、既に思い浮かべられていた) -- アクタ 2014-04-06 (日) 02:49:02
  • ―黒塗りの洋館― -- 2014-04-05 (土) 01:11:55
    • (昼下がり、日没を控えて未だ日は高く、柱時計の針の音だけが室内に響く)
      (着替えもせずに寝台に身を預け、天井を見つめながら)
      …セイバー
      (不意に、口を開いた) -- ラセン 2014-04-05 (土) 01:15:00
      • ――――僕は……あいつが生きていたと知った時、正直…安心したんだ
        殺した筈の敵が生きていたというのに、だ
        (少年を殺さずに済んだという安堵、この手は汚れていなかったという安堵、どれがどれだけ大きいか、自分でもよくわからない)
        (覚悟はした筈だった、そう思おうとしていた、しかし) -- ラセン 2014-04-05 (土) 01:19:37
      • (壁に背を預け、腕組みをして騎士は佇む)
        ――良いのではないか、誰も殺めずに済むならば、それに越したことなど無い -- 鎧のセイバー 2014-04-05 (土) 01:21:55
      • 安堵したのは、余も同じだ
        (本音)
        年端もゆかぬ若者が、むざむざ命を散らす事はない
        (このおぞましき殺し合いから、生きて抜け出すことができたのなら、それは間違いなく喜ぶべきことだ) -- 鎧のセイバー 2014-04-05 (土) 01:29:37
      • ――――…そうだな
        (それでも尚、これから先、“それ”が必要とされるならば、自分は“それ”を行うだろう)
        (自分の手が汚れていないとは思わない。あの時、自分は確かに、あの少年に――アドニスに殺意を抱き、それを実行した)
        (その事実は、変わらない) -- ラセン 2014-04-05 (土) 01:32:44
      • ―――主よ
        その感傷は捨て去らずとも構わぬ
        抱いたままで構わぬ
        お主がそれを失くすことは――――恐らく、誰も望んでおるまい
        (覚悟が彼を非情に駆り立てたとて、心まで修羅になる必要は無い)
        (そんなものは、どこにも無いのだ) -- 鎧のセイバー 2014-04-05 (土) 01:37:44
      • ――――――…ああ
        (その答えを最後に、ゆっくり意識を手放した)
        (まどろみの手が瞼を覆い、深く深く沈み込んでいった) -- ラセン 2014-04-05 (土) 01:44:01
  • (少年は街中をふらふらと徘徊する)
    (人の顔が見えた。たくさんの人間が。その顔は千差万別で、その表情も千変万化している)
    (その中に、見知った顔を見つける)おい……そこのお前…あの時の………(アドニスは少年を見つけて話しかけた) -- アドニス 2014-04-04 (金) 23:34:57
    • …(その相手が誰であるか、理解するまで僅かな間があった)
      !?(座っていたベンチから一瞬で立ち上がり、半ば反射的に身構える)
      生きて……いたのか……! -- ラセン 2014-04-04 (金) 23:41:03
      • おお…久しいな、アサシンのマスターよ
        よもや、再びまみえる事があろうとは
        (その傍らに立つ長身の貴人、あの時の鎧姿ではないが、その話しぶりや態度で正体を察することはできるだろう) -- 鎧のセイバー 2014-04-04 (金) 23:41:19
      • 心臓に魔導核が埋め込んである。あの程度じゃ死ねない。(身構える少年に掌を向けて)やめてくれ。オレはもう聖杯戦争から降りたんだ。
        資格を失った、というべきだな……(表情を歪めて)あなたはあの時のセイバーか。
        ……あの時、アサシンは…マユルは強い奴と戦えたことを喜んでいた。オレから礼を言わせてくれ。 -- アドニス 2014-04-04 (金) 23:51:46
      • 魔導核…!?(なんて真似を、と驚きの声をあげ)
        …負けた……という事か(降りた、と聞くと警戒が和らぐ)
        (今の少年から、かつての鬼気迫るような情動は感じない、まるで毒気が抜けてしまったように見える) -- ラセン 2014-04-05 (土) 00:08:49
      • 左様か…
        …礼を言うのは余の方だ、あれほどの達人と刃を交えられた事は、余にとっても誇るべき名誉
        お主のサーヴァントは、真に強き戦士であった
        (戦場を去った戦士に対し、心よりの称賛を贈る)
        (戦いに敗れたとしても、きっと彼女はこの少年を最後まで守り抜いたのだろう) -- 鎧のセイバー 2014-04-05 (土) 00:09:09
      • 珍しいことじゃないさ。魔術回路が未発達な人間は、そういう選択肢をとることがある。インプラントチルドレンって言うんだ。
        ………ああ。アサシンは…マユルはオレを守って死んだよ。あんたたちも気をつけてくれ、ハイエナというサーヴァントは危険だ。
        ……誇るべき、名誉………(表情を歪めて)ああ、ああ。そんなこと言われちゃさ。
        真っ向勝負バカだったマユルが喜んじまうじゃないか。(無理矢理に笑って)ありがとう、誇り高きサーヴァント。 -- アドニス 2014-04-05 (土) 00:21:52
      • ハイエナ…
        (未だ、その名を持つサーヴァントとは出会っていない。だが、あのアサシンがやられたのならば、尋常ならぬ脅威であることは間違いないだろう)
        (「うむ」と、頷きを返すサーヴァントに続いて、もう一度口を開く)
        お前は……どうするんだ、これから…?
        (この問いは戦争とは無関係だ。それでも――願いを奪われた先で、彼がどういう道を選ぶのか)
        (聞いておきたい、聞かねばならないと、そう思った) -- ラセン 2014-04-05 (土) 00:32:18
      • これから……魔術工房を引き払って故郷に帰るよ。アサシンが使ってた料理道具とかいっぱいあるけど。
        オレが持ってても仕方ないしな。思い出だけ持って、戻ることにするよ。
        ……なぁ、それじゃあんたの分も教えてくれよ。もし願いが叶わなかったら。
        あんたはどうするんだ………?(真っ直ぐに少年を見て) -- アドニス 2014-04-05 (土) 00:46:57
      • ………
        (なるべく考えないようにしていた、聖杯を手にするまで勝ち続けるしかない、そう思っていた)
        (もしも願いが失われたなら、果たして自分はどうするのか―――)
        ………足掻く
        (答えは短く)
        …足掻くよ、何度でも、叶えるための手段を探し続ける
        (絶望して足を止めることは許されない、いつかその時を迎えるまで、自分は抗い続ける)
        名前………聞いてなかったな
        (別れの言葉を告げようとして、そんな事に今更気がついた)
        (命のやり取りをして、一度はこの手で殺したとさえ思った相手だというのに) -- ラセン 2014-04-05 (土) 00:55:39
      • 足掻く、か……あんたの願いは、とても大事なものなんだな…
        オレの名前はアドニスだ。あんたは?
        (しばらく話してから)…聖杯戦争、生き残ってくれよな。それじゃお別れだ。
        いつかどこかで。(その言葉を残してアドニスは立ち去っていく)
        (その背中は悲しみを背負いながらも、決して俯くことはなかった) -- アドニス 2014-04-05 (土) 01:03:10
      • (ただ、頷きで返して)
        …ラセン
        (ようやく、互いの名を告げた)

        ああ……生き残るさ、必ず………ありがとう(小さく、感謝を口にする)
        (立ち去る背中は、もうあの時の脅えた子供ではない)
        (彼は願いを叶えることはできなかったが、もっと別の何かを得ることができたのかもしれない)
        (未だ争いの渦中に身を置くこの目には、その姿が少しだけ眩しく見えた) -- ラセン 2014-04-05 (土) 01:08:46
  •   -- 2014-04-03 (木) 21:38:55
  •   -- 2014-04-03 (木) 21:38:50
  •   -- 2014-04-03 (木) 21:38:46
  • ―幕間 第二の夢― -- 2014-04-02 (水) 02:06:48
    • 広く豪奢な王族の居室、白い寝台に静かに横たわるのは美しく高貴な婦人の姿

      宝石に例えられた美貌は、透き通るような儚さに覆われ

      その姿は、今にも消え去りそうな幻のようにも思われる -- 2014-04-02 (水) 02:26:32
      • 痩せ衰えたその手を握ると、彼女は微笑みを返す

        「そのような、悲しい顔をしないでください」

        ああ

        何故に彼女がこのような運命に見舞われたのか -- 2014-04-02 (水) 20:37:10
      • 多くの名医を呼んだ

        手を尽くし薬も探した

        それらは全て徒労に終わった

        巨大な竜を討つ手とて

        今はこうして彼女の手を握ることしかできぬ -- 2014-04-02 (水) 20:39:24
      • ああ

        何たる無力

        何が王か

        何が英雄か

        ただ一人

        愛する妻の命すら救えないではないか -- 2014-04-02 (水) 20:43:27
      • 「私は幸せだったのです」

        頬に添えられる、冷たい妻の手

        「貴方は私の希望でした」 -- 2014-04-02 (水) 20:58:47
  • ―黒塗りの洋館― -- 2014-03-31 (月) 23:30:32
    • (閑静な高級住宅地の一角、聳えるは黒塗りの洋館。ローブを纏った少年が館の大窓を開け、カラスの姿の使い魔を招き入れる)
      (主人の前で机上に舞い降りたカラスは、白紙の上に嘴の先で文字と座標を記し始めた)
      “アタリ”だ、セイバー
      (その文字列は、確かに外敵の居場所を伝えていた。己のサーヴァントにそれを伝える)
      討って出るぞ
      (黄昏時、昼と夜の間の時間) -- ラセン 2014-03-31 (月) 23:30:43
      • (その時である。リン、ゴォーン、と重々しいベルの音が鳴り、正門からの来客を告げる)
        (ちょうど使い魔が戻ったのと同時。偶然にしては少々物騒にも思えるだろう)
        (そして門扉の前に立つのは、黒外套の男)

        ……あのカラス、秘術の使い魔だな。魔術師がペットの散歩目的で使い魔を放すわけもあるまい。
        (それを知ってあえて正面から訪ねる。それは、使い魔の練度からみて、夜襲を仕掛けるほどに対手の腕前が高く無いという見立てがあるゆえだった) -- アルヴィン 2014-03-31 (月) 23:35:45

      • (突然の来訪者。こんな時間に、周囲との交わりが無いこの館に訪れるものなど、普通ならばいるはずが無い)
        (ならばこの音は、“普通でない来訪者”の存在を告げるものに他ならない)
        …セイバー
        (門扉の前には黒い人影、その者の纏う雰囲気は、此方側のものであることを更に強く確信させる) -- ラセン 2014-03-31 (月) 23:48:25
      • せっかく正面から尋ねてきたのだ、迎えてやろうではないか、主
        (主に先立ち、現界して階下に降りていく鎧騎士。重い木の扉を開き、庭先へ歩み出る)

        ようこそ客人、我らが館に如何なる用向きかな?
        (傍らに魔術師の少年、拠点が突き止められている以上、下手に隠れる意味は無い) -- 鎧のセイバー 2014-03-31 (月) 23:49:42
      • …………。
        (ふと。自分のやっていることが甘いにも程が有るのではないか、と自問自答した)
        (屋敷に魔術トラップが有ることは察知している。対策も練れる。時間を置けば隙を突くことも可能だろう)
        (だがなぜだろうか。あえて正面から踏み込むべきだと、彼のなかの何かが告げていた)
        (そうするに値する相手が、ここにはいるのだと)

        (……そして現れた、少年と騎士。迎えられた瞬間、意味を理解した)
        これは……(呻いた。思わず声を漏らさざるを得ないほどの気品。人としての魅力、カリスマと呼ぶべきか? 鎧の騎士からは、一国の賢王が持つような威圧感があった)
        いや、よもやこうして直接招いていただけるとは思わなかった。夕暮れ時の無粋な訪問、失礼する。
        (だが、それだけではない。何かもっと別のものがある……ともあれ、アルヴィンはその場で慇懃に礼をした)
        黒鴉の使い魔を追ってきた。放ったのはそちらの少年か。よい鳥だが、呪文の練度が些か拙いな。他の群れに紛れきれていなかったぞ。 -- アルヴィン 2014-03-31 (月) 23:54:59
      • 構わぬ、楽にせよ
        (片手を上げる所作で応え)
        うむ、やはり全て見通されている様だな、どうするマスター?
        (腕組みをして、少年に顔を向ける。その間も、訪問者に対する警戒は途切れさせない) -- 鎧のセイバー 2014-04-01 (火) 00:12:04
      • (経験は浅く、練度が低いという自覚もある。故に言い返すことはせず)
        ……用件を聞こう、何故わざわざ姿を見せた?
        (相手の持つ雰囲気は熟練の魔術師のそれに他ならない、魔術の実力ならば、おそらく二段三段どころじゃない程に差があるだろう)
        (いつでも攻撃を仕掛けられる圧倒的に有利な立場に立ったのなら、自らそれを捨てる手は無い。或いはこれも企みの一つだろうか、そう少年は考える) -- ラセン 2014-04-01 (火) 00:13:02
      • あえて言うなら、少年。お前のそばに立つ、その騎士に感化されて……というところか。
        正直に言えば、夜襲も考慮した。何らかの手段で忍びこむという手もあっただろう。だが……そうだな。
        (腕を組み、考える)他の甘いマスターたちに感化されたのやもしれん。たまには敵意を向けることもなく、正面から向き合ってみたい。そんな欲求が鎌首をもたげる程度にはな。
        (首元のインナーをぐいと下げ、一画欠けた令呪を曝け出す)アルヴィン・マリナーノだ。まあ、サーヴァントを伴っているのであれば、不意打ちなど何の意味もなさなかったのだろうがな。 -- アルヴィン 2014-04-01 (火) 00:18:06
      • (傍らに立つ騎士を見る。名も知る者もいない異界の英霊、時折夢に見る王の記憶を思い起こす)
        ……ラセン・エルザーブ
        (名乗りを返す。策謀渦巻く戦争の最中、敵である魔術師の言葉を鵜呑みにする事はできない)
        (それでも―――このサーヴァントが戦うのならば、奇襲や騙し討ちなどよりは、堂々たる決闘が相応しいだろうと思えた事は確かだった) -- ラセン 2014-04-01 (火) 00:36:32
      • ほう……魔術師の中にお主のような男もおるか。その言葉、真実であるならば好ましい
        余はこの者のサーヴァント、セイバー。名を明かせぬ事は許せ、魔術師よ
        して、お主のサーヴァントはどうした、丸腰で戦いに来たわけではあるまい
        (アサシン或いはアーチャーなどであるならば、何処かより主を狙っている可能性は高いが――)
        (――この男の言葉に嘘は無い、己の経験と直感がそう告げていた) -- 鎧のセイバー 2014-04-01 (火) 00:36:49
      • いない。
        ……嘘ではない、嘘をついたところで見抜かれるだろう。真実だ、サーヴァントは今ここにはいない。
        あれがいたのなら、そもそも夜襲を仕掛けること自体咎めていただろうからな。俺は単純に一人でここまで来た。
        (無論、マスターである以上サーヴァントとの戦力差は圧倒的だ。こうして堂々と迎え入れる算段とてなかった)
        (つまりそれは。アルヴィンという男の、命をも省みぬ向こう見ずなスタイルを示している。事実、彼は一度や二度の死では死なぬ身体をしているのだから)
        まあ、使い魔の練度から多少甘く見積もっていたのはたしかだがな。ラセン、俺ほど純粋の魔術師ではないようだな。
        (嘲る風もなく淡々と言う。精神拘束術式は真意と悪感情を縛り、除外する効果を持つ)
        (しかし、なんだ? このサーヴァントから感じる妙な気配、威圧感ではない。カリスマとも違う、何か……)
        ……そうか(はっ、と我に返る)セイバー。お前からは俺と同じ、この世界ならざる場所の因子を感じる。それもかなり近いものをだ。
        お前もまた、過去や未来ではなく、他世界から現れたものか。……それが俺をここに招き寄せたようだな。 -- アルヴィン 2014-04-01 (火) 00:45:35
      • ふむ、少々……毛色が違うようだな、お主たちは
        (兜の奥から見定める。嘘偽と策謀の塊のようなキャスターと出会った後では、尚の事そう感じた)

        ほう……? 分かるか、お主には
        (主が口にしていた“異界との接点”、それが思いがけぬ形で目の前に現れた)
        ならば奇縁よな、異なる世界の者同士、斯様な時、斯様な場所で相争う事になろうとは
        もしも同郷ならば、共に酒でも酌み交わしたいところだが…生憎、今はそうは行かぬ -- 鎧のセイバー 2014-04-01 (火) 01:10:34
      • …事情があるんだ(「それでも、負けるつもりはない」と言葉を継いで。その後のアルヴィンの反応に顔を上げる)

        アルヴィン・マリナーノ……お前は異界の…? -- ラセン 2014-04-01 (火) 01:11:53
      • そうだ。俺はここではない世界……ファージアースという場所から来た。隠す必要もないだろう。
        (俺はサーヴァントではないからな、と呟いて)だが、セイバー。お前とはどうにも遠からぬ何かを感じる。……いわば、魔術師のカンだ。
        このまま談笑をして去るというわけには行かないか。だが逆に、この場で争うことも……俺としては思うところがある。
        俺達にも事情がある。誰であれ、誰にであれ。だからこそお前達も、こうしてやってきた俺を正面から出迎えてみせた。違うか?
        (セイバーは無論のこと、この若き魔術師にも正道を歩むだけの正義が有るのだろう。それを好ましく思えた)
        (史楼やブレイズのような、真っ直ぐな者たちを思う。そうありたいと思う己を、想う)
        ……提案がある。改めて時節を整え、対等な場所、対等な条件で争う。闘う理由はあり、我々には戦わない理由がない。
        それが嫌だというなら、この場でも相手になろう。サーヴァントのいないマスター、逃す理由はないだろうからな……(普通ならば。尋常の聖杯参加者ならば、だ) -- アルヴィン 2014-04-01 (火) 01:15:56
      • ファージアース……初めて聞く名だが、ふむ、そうか……魔術師の勘と来たか
        (静かに頷く。或いは、アルヴィンのそれに近い何かを、この英霊も感じているのかもしれなかった)
        ――と、言うことだが……どうする、マスター? -- 鎧のセイバー 2014-04-01 (火) 01:33:53
      • …わかった、その提案飲もう
        (一人で正面から訪ねて来る以上、この男は単体でも相当の戦闘力を持っているはずだ)
        (それでもセイバーの実力であれば勝算は高いが、この場で争えば無用の被害も出かねない)
        (そして、何より)
        ――お前は、その方が強いだろう?
        (憂いや負い目の無い闘いこそが、このサーヴァントの力を最大限に引き出すに違いない、そういう確信があった) -- ラセン 2014-04-01 (火) 01:34:03
      • ――左様
        (兜の内で笑ったように、少年は感じた) -- 鎧のセイバー 2014-04-01 (火) 01:34:33
      • (捨て鉢なものだ、と心のなかで述懐する。ブレイズとの戦い、そして史楼との対話が何かを変えたか?)
        (いや。何よりも彼を変えたのはおそらく、サーヴァントであるキャスターとの触れ合いだろう)
        ("三人"を。背負うというなら、敵に対して背を向けることは……出来ない。まだまだ倒すべき存在は、大量にいるのだ)
        だろうな。名も知らない英雄、俺はなぜだか、あんたの流儀に則ってみたくなった。
        その上で、倒す。……魔術師が騎士道のまね事とは、片腹痛いかもしれんがな。
        (踵を返す。宵の口の闇に黒外套が翻った)
        頃合いが整ったならば使い魔を放て。鴉に委細を伝えよう。……さらばだ。
        (歩き出す。前途の見えない決闘ではあるが……アルヴィンのなかの、本人にも形容しがたい感情が、確かに熱く高ぶり始めていた)
        (それは傲慢か。戦意か、あるいは……正体は、未だ知れない) -- アルヴィン 2014-04-01 (火) 01:38:21
      • よかろう、アルヴィン・マリナーノからの挑戦、このセイバーとラセン・エルザーブが受けて立つ
        (交わされる約定、そして魔術師は立ち去って行った)
        ―――マスターよ

        感謝する
        (門の外を向いたまま、ただ一言呟く) -- 鎧のセイバー 2014-04-01 (火) 01:45:46
      • …僕は、利の多い選択をしただけだ
        (外套を翻し、館へと戻り行く)
        負けるなよ、絶対に
        (背中でそれだけ伝えた) -- ラセン 2014-04-01 (火) 01:47:41
  • ―繁華街・通り隅のオープンカフェ― -- 2014-03-30 (日) 13:17:32
    • (繁華街。通りの角にある、特に往来の多い道に面したオープンカフェ)
      (そこでホットドックをパクつきながらコーヒーを楽しんでいる老人が1人)
      (オープンカフェの常連であるその老人は、隠しもせずにこう名乗っているという)
      (『キャスター』と) -- 眉雪のキャスター 2014-03-30 (日) 13:19:56
      • 相席構わぬかな、ご老体
        (そう声をかけ、金の髪も鮮やかな貴人が老人の向かいに座る)
        いかな企みを巡らせたか、大胆なキャスターもいたものだ
        (真向かいからの視線が、見定めようとしている) -- 鎧のセイバー 2014-03-30 (日) 13:33:10
      • (向かいに座る男を一瞥し、口元についたケチャップを拭いながら老人……キャスターは薄く笑う)
        勿論だとも。同じ聖杯戦争参戦者ともなれば尚の事だ
        まずはお近づきの印にコーヒーでもどうかね? よければ奢るよ
        もっとも……この粗野な味が君の「舌」にあえばだがね
        (深紅の瞳で視線を受け止め、嘯く) -- 眉雪のキャスター 2014-03-30 (日) 13:37:14
      • ご相伴に与ろう
        (魔術師といえど、多少なりとも良識のある人間ならば、一般人を巻き込むことは好まない)
        (それをわかっていて此処に存在を示すこの老人は、実に性格が悪いと言える)
        (逆に言えば、万一の時には「巻き込んでも構わない」、そういう意思ともとれるだろう)
        あまりの苦さに最初は少々面食らったがな、慣れればなかなかどうして味わい深いものだ
        (ウェイトレスに声をかけて注文を伝え、テーブルの上に肘を突く)
        して、幾人ほどが訪ねてきた?
        (「キャスター」の噂はこのカフェだけに留まらない、この老人はあえて方々で餌をばらまいているらしい) -- 鎧のセイバー 2014-03-30 (日) 13:48:45
      • ちょっとすぐには思い出せないな
        見ての通り歳をとっているせいか、3より大きな数は「いっぱい」と数えてしまうのでね
        (最低でも3人は尋ねてきたとそれだけ暗に教え、ついでに自分も追加のフルーツパフェを注文してテーブルの上で指を組む)
        ひとまず、そちらはなんと呼べばいいかな?
        見たところ、高貴な出の方にみえるが -- 眉雪のキャスター 2014-03-30 (日) 13:56:00
      • 『セイバー』と、今は名乗っている、お見知り置き願おう
        ろくに名乗りも上げられぬとは、戦争にしてもいささか無粋が過ぎるとは思わないかね、御老体? -- 鎧のセイバー 2014-03-30 (日) 13:59:25
      • ほう、セイバーか
        なるほど、確かにその立ち居振る舞いなら納得だな、はははは
        (運ばれてきたパフェをたべながら笑う)
        確かに名乗り上げができないのは寂しい限りだねぇ
        まぁ、場次第でもあるけどね

        さて、セイバー君
        私は見ての通り、争うつもりはない
        そちらも姿を現した以上は話をするつもりなのだろう?
        もっと話をしようじゃないか -- 眉雪のキャスター 2014-03-30 (日) 14:26:51
      • ――構わぬ、続けるがよい
        (促して、優雅な所作でコーヒーに砂糖を溶かし、スプーンでかき混ぜる)
        (マスターは魔術師として、また人間として未熟な身であり、己というサーヴァントもまた索敵は不得手である)
        (白兵戦ならば誰にも負けるつもりは無いが、こと情報戦に限っては遅れをとっていることだろう)
        (キャスターの思惑がどうあれ、戦をする上で情報は必要不可欠だ) -- 鎧のセイバー 2014-03-30 (日) 14:35:36
      • (同意を確認してから深く頷き、話を切り出す)
        単刀直入にいえば……手を組みたい
        私は荒事は苦手だが、それなりに情報は握っている
        だが、これを有効活用するための矛が足りていない
        君さえよければ、君にはその矛になってもらいたいのだ
        最優のクラスであるセイバーというのなら、その役割にはまさに相応しいとおもうからね
        この提案、受け入れてもらえるかな? -- 眉雪のキャスター 2014-03-30 (日) 14:42:37
      • …なるほど、合理的な考えだ、充分な情報と余の力があれば勝ち残るのは容易かろう
        して―――お主が余を討つのは、いつになるのだ?
        (勝者は一組。この絶対の掟がある以上、完全な協力関係はあり得ない)
        (仮に盟を結んだとして、必ずや、どこかの段階で、この老人が裏切ることは確約されている。恐らくは、もっとも効果的なタイミングで) -- 鎧のセイバー 2014-03-30 (日) 14:54:11
      • (その答えを聞けば、つい眉根が釣り上がる)
        (この男は良く分かっている。キャスターはそう一言脳裏で呟いて笑った)
        それを聞いてどうする?
        これは殺し合いだ。マスターが最後の1人になるまで終わらない戦争だ
        なら、この戦争における全ての同盟は「裏切ること」が大前提にある
        これは避けようがない、当然の摂理だ
        今更……気に留めるようなことではないだろう?
        故に……君は私をこれ以上利用できないと思ったら、遠慮なく私を斬りにくればいい
        尤も、真面目に勝つつもりがあるのなら……それは当分先の事になるだろうがね
        (うまそうにフルーツパフェのイチゴをたべながら、嘯く) -- 眉雪のキャスター 2014-03-30 (日) 15:07:25
      • 道理だな、まったくもってお主の言う通りだ
        (涼しげに言って、カップを口元へ運び)
        なればこそ―――盟を結ぶ相手は選ぶべきだろうな
        (赤い老人の目、油断のならないその目をしかと捉えた後、瞼を閉じる)
        余はお主に似た男に少々覚えがある、叔父御はその男の口車に乗せられた末に、世継ぎと国を失う羽目になったわ
        (数多の人物を見てきた王の経験と直感が告げる、この男は“食えぬ”)
        悪いが御老体、この話は無かったことにしてもらおう
        (本来ならば、交渉事はマスターの役目。しかし、あえてこの男と主を引き合わせる必要も無いだろう) -- 鎧のセイバー 2014-03-30 (日) 15:23:25
      • そうか……まぁ、そういうならしょうがないな
        (交渉決裂の旨を伝えられて尚微笑み、テーブルに多めに金貨を置いて立ち上がる)
        確かに、国を基準に考えるのなら……王、もしくはそれに類する血族の者は、私と組むのはやめたほうがいいな
        セイバー君、君の直感は正しいよ

        実際、私はそれで3回ほど――国を滅ぼしてしまったからな

        (なんでもないようにそう笑って囁き、テーブルから離れていく)
        それでもまぁ、気が変わったらいつでも打診してくれたまえ
        私はこの街の『どこにでも』いるからね
        (言葉尻が消えると同時に、老人の姿も往来に消える)
        (人込みの彼方。既に姿を見ることは……叶わなかった) -- 眉雪のキャスター 2014-03-30 (日) 15:38:53
      • (老人の姿が消え去り、己のサーヴァントもテーブルを離れた後、歩きながら彼と合流する)
        ――どうだった? -- ラセン 2014-03-30 (日) 15:42:56
      • どうもこうも―――あれはまったく、食えぬ男だ
        これだから口の達者な老人というものは油断ならん
        (もう一人、飄々とした老師の姿をも思い出し、肩を竦めて眉を顰める)
        戦果で言うならば、奴の勝ちだ。余がテーブルに着いた時点で、奴は恐らく目的の半分を果たしている
        (交渉は決裂したが、結果としてあの老人はこちらの情報を手に入れた。対して、最初から晒している側は痛くも痒くもない)
        厄介だぞ、ああいう敵は
        (あの老人が内に隠した牙を剥いたその時、果たしていかなる禍を齎すことになるか)
        (午後の麗らかな日の中に、戦争の行方を知る者はまだいない) -- 鎧のセイバー 2014-03-30 (日) 15:53:58
  • ―プロローグ・2― -- 2014-03-29 (土) 00:34:21
    • 夜中に目が覚める、耳に届くのは屋敷の廊下を使用人達が慌しく駆ける音

      また……妹が発作を起こしたのだろう -- 2014-03-29 (土) 00:38:29
      • 妹のアミアは生まれつき体が弱い

        僕自身丈夫な性質ではないが、あの子に至っては邸から出ることすらままならない

        両親もあの子を案じ、大金を投じて多くの医師や呪い師を呼び集め、高価な薬を方々から取り寄せたが

        それでも妹の病が良くなることはなかった -- 2014-03-29 (土) 01:04:04
      • 発作が一頻り治まり、医師や使用人たちが去った頃、僕は彼女の部屋を訪れる

        ベッドの傍らの椅子に座り、毛布の下の手をそっと握りしめると、小さくか細い指が弱々しく握り返すのだ

        荒く呼吸を繰り返し、その度に体を覆う毛布が緩やかに上下に動く

        くるしい、くるしいよ、おにいちゃん

        切なげに呻く妹の手を握ったまま、彼女が眠りにつくまで傍で過ごす

        そんな夜が、幾度も繰り返された -- 2014-03-29 (土) 01:46:03
      • 彼女の病状は成長するに連れて重くなり、やがて数少ない楽しみであった外出の機会さえ失われるようになった

        医師は告げる、妹の身体は、もう数年と保たないだろう

        屋敷の窓から外を眺め、体調の良い日には偶に庭を散歩する―――今は、それが彼女の世界の全てだった -- 2014-03-29 (土) 01:50:33
      • ――ある日の午後、授業を早く終えた僕は、野の花を手に彼女の部屋を訪れた

        傍らに座り、白く可憐な初夏に咲く花、妹が一番好きな花を、あの子の手に握らせて頭をなでてやる

        今年初めて見るそれを彼女は嬉しそうに受け取り、笑顔を浮かべた

        あの時は楽しかったね

        彼女は言う

        思い出す、数年前の初夏

        まだ病状が重くなる前、家族揃って訪れた湖畔の花畑 -- 2014-03-29 (土) 05:11:33
      • http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst085179.png -- 2014-03-29 (土) 05:13:01
      • あのね、おにいちゃん

        彼女は言う

        もしもね、病気が治ったらね

        また行きたいな、みんなで

        ただそれだけの、小さな願い

        それすらも叶えてやれない

        自分の無力に絶望して

        彼女の手をとり、握りしめた -- 2014-03-29 (土) 05:19:28
      • http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst085180.png -- 2014-03-29 (土) 05:21:45
  • 「わかったよ」

    その手はあまりに細くて

    「もう一度行こう、みんなと一緒に」

    今にも折れそうなほど儚くて

    「僕が連れて行ってやる、約束だ」

    泣いてる僕を、彼女は心配そうに慰めた -- 2014-03-29 (土) 05:27:26
  • 「―――約束したんだ、もう一度、あの花畑へ連れて行くって」

    差し込む月光が、窓辺に佇む騎士の姿を照らす

    「叶えてやりたいじゃないか―――そんな願いの一つくらい……!」

    絞り出す嗚咽、ここまで感情を露わにするつもりなど無かった

    けれど、抑えられなかった

    「だから…だから、セイバー」

    必要だった、運命に抗うための力が

    「僕に、力を貸してくれ」

    求めていた、絶望を斬り裂くための剣を -- 2014-03-29 (土) 05:35:13
  • 「案ずるな」

    騎士は言う

    「余は民の護り手たるベルンの王」

    「必ずや、お前を勝利に導き、聖杯を捧げると約束しよう」

    抜き放った剣が、月光の下で輝いた

    「―――この剣に誓って」 -- 2014-03-29 (土) 05:44:16
  •   -- 2014-03-27 (木) 00:12:41
  •   -- 2014-03-27 (木) 00:12:37
  •   -- 2014-03-27 (木) 00:12:33
  • ―繁華街― -- 2014-03-26 (水) 20:09:21
    • 鮮度は良好、食材の種類や調理法も豊富、この世界の食事もなかなかどうして、美味ではないか
      (むしゃり、とクラブハウスサンドにかぶり付くのは、金髪の巻き毛も鮮やかな長身の貴人)
      (傍目にも目立つのか、付近の女性客などからちらちらと視線を集めている)
      どうしたマスター、食が進んでおらんぞ -- 鎧のセイバー 2014-03-26 (水) 20:14:48
      • うるさい、緊張感とか無いのか、お前には…
        (不機嫌な様子で頬杖を突き、手元のサンドイッチを一口だけ囓る)
        こんなに堂々出歩いて、他の奴らに狙われたらどうするんだよ、だいたいサーヴァントに食事は要らないだろう
        (少しぐらいなら、と現界を許可したが失敗だった。何しろこのサーヴァント、立ち振舞がやたらと目立つのだ) -- ラセン 2014-03-26 (水) 20:19:07
      • お前の魔力がショボいからな、故に余もこうして外界から魔力を補給せざるを得ないのだ
        (もっともらしく口実を述べて、紅茶で喉を潤す)
        それに、これは長い戦いになるのだぞ、四六時中張り詰めておっては心身を消耗するだけだ
        休むべき時に休まずして戦がなるものか、お前もまずは食え、食って少しは体力をつけろ、戦いの度にへろへろになられては適わぬわ
        (そう言って、サンドイッチを少年の口元に押し込む) -- 鎧のセイバー 2014-03-26 (水) 20:29:07
      • そんな事わかって―――んぐっ
        (口を塞がれて目を白黒) -- ラセン 2014-03-26 (水) 20:31:13
      • 心配するな、息抜きをしておっても貴様一人ぐらいは守ってみせるわ
        命を狙われることにかけては、余の方が圧倒的に経験豊富なのだからな
        (冗談めかして笑い、優雅にカップを傾ける) -- 鎧のセイバー 2014-03-26 (水) 20:39:51
      • うぐ……くそっ
        (毒吐いて、やけくそ気味にサンドイッチを平らげにかかる)
        (セイバーの言う通り、緊張感含む色々な事が心体の負荷になっていたことは否めない)
        (この男なりに主人を気遣ったのだろう―――もっとも、自分が息抜きしたかっただけという可能性も否定できないが) -- ラセン 2014-03-26 (水) 20:45:27
      • (軽食店の中を満たしているのは、ごく当たり前の営み)
        (聖杯戦争という狂った論理の渦中に身を置くセイバーとラセンといえど、食事をするこの場では、単なる一般市民に過ぎなかった)

        (そんな平穏も、永くは続かない)
        (本当に、何の前触れもなく、災厄は訪れるもの)
        (突然に店の硝子壁の一画が破壊され、店内にどよめきが起こった)
        (近づいて調べれば、人間が投げ込まれてきたのだ、と分かる)
        (腕はありえない方向に曲がり、口下からは臓器の損傷を示す赤い血液が溢れていた)
        (負傷した男は掠れた声で「ばけもの」「にげろ」と繰り返し、何かの危機が迫っていることを伺わせた) -- 2014-03-26 (水) 21:20:28
      • !?
        (サンドイッチを飲み込んだところで、不意の騒音。危うく喉を詰まらせかけながら、そちらの方向を確認しようとすると、既にセイバーが此方に背を向けて立っていて) -- ラセン 2014-03-26 (水) 21:29:26
      • 出るぞ、マスター
        (混乱して泣き叫ぶ声、助けを呼ぶ声、騒ぎ立てる店内を他所に外へ出て、惨状を作り出した原因を探り始める) -- 鎧のセイバー 2014-03-26 (水) 21:29:48
      • (外に出ればすぐに、地獄を作りだした張本人の正体と相見える)
        (大通りの中心を、巨大な怪生物が大通りを闊歩していた)

        (銀色の体色は生物というより金属を想起させ)
        (本来生物には一つのみ存在する口腔は、頭部らしき突起に存在するものの他、腹に、股に、いくつも存在している)
        (蛸に似た下半身をうねらせ、吸盤を持つ脚部はそれ自体が触手という強力な武器となっている)
        (進行してくる怪物は左右の店舗を無造作に触手で破壊し、甲高い笑い声を上げた)
        (誰が、どうやって、何の目的で。答えてくれるものはいない)
        (後は剣で語るのみ―) -- 2014-03-26 (水) 21:38:37
      • ……!?
        (目の前に現れた、見たことの無い怪物。野生にこんなモンスターがいるなど聞いたことは無い、それならば当然、聖杯戦争に関わるものと確信したが――) -- ラセン 2014-03-26 (水) 21:55:07
      • 主よ、これは何だ?
        (問いかける声は怜悧、怪物を正面に捉え、一歩も引かずにそこに立つ) -- 鎧のセイバー 2014-03-26 (水) 21:55:24
      • わからない…わからないけど…!
        (破壊される街並み、逃げ惑う人々、どう考えても放置していいものじゃない) -- ラセン 2014-03-26 (水) 21:55:43
      • ――よもや、止めはするまいな?
        (手元に現れる剣、一歩一歩進む足元から金銅色の甲冑に包まれていく)
        (民を守るべき王。この世界の人民は関わりは無いとはいえ、無辜の人々が無残な犠牲となることを、英雄は良しとしない) -- 鎧のセイバー 2014-03-26 (水) 21:56:21
      • (立ち向かうサーヴァントの背中、それを止める理由は無かった)
        ああ……頼むセイバー
        その化け物をぶった斬ってやれ!! -- ラセン 2014-03-26 (水) 21:56:43
      • 応!!(駆ける、甲冑の騎士。長剣を振りかざして天高く跳び、鋼の刃を振り下ろす!) -- 鎧のセイバー 2014-03-26 (水) 21:56:55
      • (人々はその目に焼き付けることになる)
        (勇猛な戦士の姿を。牙なき人の牙となり、暴虐を尽くす悪鬼に立ち向かう、輝ける反逆の徒を)
        (「頼む、あんただけが希望だ!」「やっちまえ!」「お願い、騎士様……!」)
        (未来を望む無数の意思は、剣の英雄に託された)

        (セイバーの鋼剣を受け、剣に跳ね返る感触は弾力ではなく、鋼性)
        (怪物はただ単純に、防御力に任せて斬撃を弾いた)
        (巨体の脚部が動くごとに地響きが起こる)
        (眼のない頭部がぐにゃり、と歪に屈折し、セイバーに対して、しなる触手を叩きつけた)
        (鈍重な外見に見合う大仰な動作。速度は今一つでも、その質量は凶器となる) -- 2014-03-26 (水) 22:08:31
      • 鋼の体か!ぬぐっっ!!
        (手応えで見極め、襲い来る触手の一撃を赤き盾で受けとめると、その剛力で路面に叩きつけられ膝を着く)
        なるほど、面倒な化け物だ…だが
        (尋常の剣士ならば天敵と言うに等しき存在、しかしこの英霊は、鋼の表皮を持つ敵手との戦いを“既に心得ている”)
        相手が悪い!!
        (面頬を上げ、吐き出されるは巨大なる紅蓮の炎。かつて鋼の肌の持ち主さえも、この力を前に自慢の鎧を失ったとされる超高熱の炎が、怪物に浴びせられる!) -- 鎧のセイバー 2014-03-26 (水) 22:29:49
      • (にへら。有効打をセイバーに与えたと確信し、感情の失われた怪物の顔が、笑ったように見えた)
        (例え三騎士のようなサーヴァントといえども、現存するどのモンスターにも当て嵌まらない未知の生物との戦いでは防戦を強いられることが多い)
        (しかしながらセイバーは。有象の魔と相対し、その度に窮地を乗り越えた)
        (異界においても例外ではない)
        (返しに放たれた超高音の炎が怪物の前面に直撃した。刃を弾き返す鋼の皮膚は、瞬く間に赤熱を帯びてゆく)
        (悶える怪物。好転した情勢に、背後で一際巨大な住民たちの歓声が上がる)
        (怒りに燃える怪物は再び触手足を振り上げ、足元のセイバーを幾度となく打ちつける) -- 2014-03-26 (水) 22:42:28
      • つぇぇええい!!
        (一撃一撃が致死の威力を持つであろう触手の乱打を掻い潜り、また、その身で受け止めながら、熱した怪物の体を斬り刻んでいく)
        温い温い!余を討ちたくば万の軍勢を用意せよ!!
        (鎧をへこませ盾を歪ませながら高らかに叫ぶ、いつ果てるともしれぬ応酬、怪物と勇士との力と力の殴り合いである) -- 鎧のセイバー 2014-03-26 (水) 22:58:46
      • (セイバーの勇壮さの前に先に根負けしたのは、怪物だった)
        (炎により絶対のはずの皮膚組織が弱化していたのか、触手の一本が剣により跳ね飛んだ)
        (明らかに苦悶の声を上げ痙攣を始めた怪物の、また別の足に有効打が入れられ切断される)


        (そんな怪物と英霊の戦いを、裏で眺める影があった)
        (男か女か、目立った特徴を全て排したどこにでもいるような顔の若者)
        自信満々に造った割にクソの役にも立たねえじゃねえか!
        (劣勢の怪物の姿を見て歯噛みすると、握っていた小型機械に備え付けられたボタンを躊躇なく押した)


        (怪物の挙動が止まる。好機と見たセイバーに腕を裂かれ、腹を裂かれ、ついには頭部を横一文字に切断されて)
        (間もなく訪れた突然の爆発の衝撃が、勝者のはずのセイバーを包んだ)
        (敗色濃厚となった怪物の体内に仕込まれていた自壊の術式が、操者により起動したのだ)
        (黒煙と炎が入り乱れる中、セイバーの身も、灼かれて―)

        ヒャハハハハハハハ! やったか!? -- 偽のキャスター 2014-03-26 (水) 23:16:22
      • これで――――終いだ!!!(気合一閃、血泥に塗れた長き戦いの末、怪物の頭部を一刀の下に斬り捨てた)
        (――その瞬間)

        !!?
        (包まれる閃光、熱風、そして衝撃、騎士の姿が炎の中に飲み込まれる) -- 鎧のセイバー 2014-03-26 (水) 23:31:26
      • セイバー!!!
        (思わず叫びを上げる。己のサーヴァントの勝利を確信し、安堵しようとしていたその時、セイバーの体を突然の爆炎が包み隠した)
        (まさか、あのセイバーが? 未知の怪物すらも地力で斬り伏せて見せたセイバーが、こんな形で―――)
        セイ…バー…(噴き上がる黒煙を前に立ち尽くし、膝を着く)
        (本当に終わったのか? 自分の戦いはこんな形で終わりを告げたのか? セイバーは望みを叶える事なく果て、自分の願いも―――)

        (絶望が視界を塞ごうとした時、煙の彼方に輝く光を見た) -- ラセン 2014-03-26 (水) 23:32:01
      • ふぅ………まったく派手な最後っ屁を仕掛けてくれる…礼を言うぞ、不滅の護光(ヒルデグリム)
        (煙の中より現れた騎士の手元に砕けた兜。致死の傷より身代わりとなって主を護る、それこそが輝ける宝具の力であった)
        どうしたマスター、終わったぞ。よもや腰が抜けたか?
        (あっけらかんと近寄り、主の頭をぽんぽんと叩き笑う) -- 鎧のセイバー 2014-03-26 (水) 23:32:41
      • (英雄の凱旋を迎えようと、固唾を飲んで見守っていた人々が、セイバーに駆け寄る)
        (驚くことに、この事件は負傷者こそ多数あれど、死者は0人だったと)
        (怪物に襲われるも一命を取り留めた男性は語った)

        (その裏で密かに暗躍していた人物がいたことを、知るものはいない)
        (今は、まだ) -- 2014-03-26 (水) 23:45:51
  • ―幕間 第一の夢― -- 2014-03-24 (月) 20:03:45
    • 夢を見ていた

      美しい街、森深き国に生まれた王子の夢

      傍らには、師である長髯の老騎士

      集うは、共に剣を交え轡を並べた勇士たち

      西に恐ろしき巨人あらば、行ってこれを斬り

      東に荒ぶる竜あらば、また行ってこれを斬る

      悪を制し、乙女を救い、民は彼を讃える

      勇気と、名誉と、栄光に満ち溢れた

      まるで絵物語のような、英雄の夢だった -- 2014-03-24 (月) 20:17:23
  • ―町外れの広場― -- 2014-03-23 (日) 22:37:02
    • ほらほら、頑張るでござるよ。武技も魔術の訓練も一日にして成らずでござる。
      (普段は子供たちが遊んでいる広場だが、今は子供は皆帰り)
      (実体化したアサシンがマスターである子供魔術師の魔術の訓練に付き合っている) -- 雪影のアサシン 2014-03-23 (日) 22:39:09
      • くっ……わかってんだよ、いちいち口出ししなくても!! 鬱陶しいんだよ!!
        (杖を構えて詠唱、詠唱キャンセル、また詠唱)
        (それを繰り返しながら父から受け継いだ魔術体系を自分の中に練り上げていく) -- アドニス 2014-03-23 (日) 22:40:25
      • 子供……?
        (広場の木陰、旅人の外套を纏い、手に使い魔を止まらせた少年が、標的の姿を見て小さく声を漏らす)
        (人のことをどうこう言える歳でも無いが、そのマスターは己よりも数歳は幼いように思えた) -- ラセン 2014-03-23 (日) 22:53:07
      • 躊躇うか、マスター?
        (傍らの空間からかけられる声に、少年は“否”と首を振る) -- 鎧のセイバー 2014-03-23 (日) 22:53:29
      • 僕も彼らも条件は同じだ…行くぞ、セイバー(手元から使い魔を消し去り、外套の内側の武器を確認する)
        (奇襲をかけられるならば、それに越したことは無いが、この距離なら相手方もこちらの存在に気づいていておかしくはない) -- ラセン 2014-03-23 (日) 22:53:55
      • (ピク、とやってきた少年たちの方向へ振り向く)
        (アサシンの持つ直感は未来予知に近い。それが敵意を感じて反応しないはずがなかった)
        ……こんにちはでござる。(夕焼けを前に口布を巻いて口元を覆い)いや、こんばんはでござったかな……?
        (達人クラスの格闘家にとって、自分の領域に等しい殺気のフィールドを広げて)
        (相手が一般の人間であればこれに臆するであろう。だが―――聖杯戦争参加者であればこれは宣戦布告に等しい) -- 雪影のアサシン 2014-03-23 (日) 23:01:24
      • (アサシンが気付いた方向へ向き)な、なんだ……?(杖をぎゅっと両手で握ったまま動向を伺い) -- アドニス 2014-03-23 (日) 23:02:12
      • ふっ……やはり、そう上手く事は運ばぬ(木陰を離れた声は、広場にその足を踏み出すと共に徐々に実体を現していく)
        (金銅色の甲冑は沈みゆく日を浴びて赤く輝き、黄昏の空間に鎧騎士の威容を浮かび上がらせて)
        御機嫌よう麗しき淑女よ、本来ならば堂々と名乗りを挙げたいところだが、今は『セイバー』とだけ名乗らせてもらおう。用件は改めて口にするまでもなかろうが―――
        (腰に手を当て、不動の存在感で佇んで)
        余は女子供を手にかけるのは好まぬ、大人しくこの戦を降りるならば良し、さもなくば、その命散らせて貰うことになる
        (単なる脅しや警告ではない、淡々とした事実のみを告げるような口調。人を殺める事に慣れた人間の声) -- 鎧のセイバー 2014-03-23 (日) 23:18:12
      • ……
        (使役者たる魔術師の少年は、騎士の背後に無言で佇む。今から殺し合いを行う、そのプレッシャーを己の内に押し込めて) -- ラセン 2014-03-23 (日) 23:18:51
      • これはどうもご丁寧に。(相手から片時も目を離せない)
        拙者はアサシン、拙者も英霊であり、マスターのシノビであり、武人である者……(真の英雄が持つ威容、それに気圧されているのだ)
        (構えを取り)セイバー殿。貴公の御首もらいうけるでござる。(左手に三枚、右手に四枚の手裏剣)

        (四者の前を夕風が通り抜けた)

        マスター、下がっているでござる!!(今回の敵は危険だと言外に伝えつつ手裏剣七枚を一斉投擲) -- 雪影のアサシン 2014-03-23 (日) 23:24:58
      • あ、ああ!(ビクッと震えながら3歩下がる)
        (セイバーというクラスを初めて見る)
        (だがそれ以上に他の英霊とは違う、人を殺し慣れた気配に怯え、竦んだ) -- アドニス 2014-03-23 (日) 23:26:35
      • 死ぬでないぞ、マスター!
        (背後に声を投げて、即座に長剣を抜き放つ。風を裂くように放たれた手裏剣を黄金に飾られた楯で弾き)
        “シノビ”とやらがどれほどのものか、しかと見せてもらうぞ!(“圧”を持ってアサシンの間合いへ踏み込み、頭蓋を断ち割るように剛剣を振り下ろす) -- 鎧のセイバー 2014-03-23 (日) 23:39:45
      • 抜かるなよ、セイバー!
        (サーヴァントの声に応え、相手方のマスターに視線を注ぐ。相手はアサシン、一対一の状況下なら白兵戦に優れたセイバーに分があると思われる)
        (だがこれは初めて経験する戦い、相手の力は全く未知のものだ、必要とあらば、この手でマスターを討たねばならない)
        (それが可能かどうかは、また別の話だ) -- ラセン 2014-03-23 (日) 23:40:22
      • 盾に剣、オーソドックスな剣士のスタイルでござるな―――――だが。
        (剛剣を紙一重で回避する。肌が浅く切れ、髪の毛が数本夕空に舞い)
        拙者は最速。(相手の懐に飛び込み)この身は影なれば。
        (小柄な身にあって小さく跳躍しながら正中線三連撃)
        (腹部、喉、顔面の中心部を狙った三連殴打が襲い掛かる)
        (そこから先の言葉は告げない。拳が雄弁に語っている。『お前は勝てない』と――――――) -- 雪影のアサシン 2014-03-23 (日) 23:47:01
      • くっ……お前の目的はなんだ!!(杖を敵マスターに向けて)
        お前だって子供じゃないか!! 一体なんのために聖杯を求めやがる!!(それは少年たちの聖杯問答) -- アドニス 2014-03-23 (日) 23:48:13
      • ッ!!(少女の頭蓋を切り裂く筈だった刃が空を切る感触、これほどまでに敏捷な身のこなしを見せる兵を目にした事は無く、素直な驚きが胸中に沸き起こる、直後)
        …っ!!(弾けるようなアサシンの連打が兜を打ち抜き、騎士の巨躯が大きく仰け反る―――が、倒れない)
        (彼の兜は英雄の象徴として輝き続けた世に隠れなき逸品、そして、その身は巨人の剛力に幾度となく晒されたものである)
        …面白い!
        (故に倒れず、無表情な兜の内で笑う)
        つぁああーーー!!(体勢を戻すと同時、楯を掲げた超重量の突進が少女の体を跳ね飛ばさんと迫る) -- 鎧のセイバー 2014-03-24 (月) 00:15:08
      • …大事な家族がいる
        (手は外套の内側に)
        僕は、その命を救いたい、救わなければならない
        例え、誰を犠牲にしたとしても
        (淡々とした、されど明確な答え)
        お前は――――何を望む?(聞いたところで意味は無い、聖杯を手にしなければならない事に変わりはない、それでも、不意にその問いが口をついて出た) -- ラセン 2014-03-24 (月) 00:15:26
      • !!(拳に伝わる感触で知る、防具の靭性により衝撃を大きく減殺された反動)
        なんという防具……!(汗を流しながら次の斬撃を待つ)
        (が、次に来たのは体当たり)
        (超重の体当たりが当たる寸前で、軽気孔を発動)
        (元より身軽な少女の重量がなくなり、まるで一枚の枯葉のようにふわりと突進を受けて後方に跳ぶ)
        (だがそれは下策、着地までに隙がある)……!(咄嗟に手裏剣を鎧のセイバーの影に投げつける)
        (忍法・影縫い。成功すれば相手を一瞬だけその場に縫い付けるはずだ) -- 雪影のアサシン 2014-03-24 (月) 00:23:27
      • 家族………(心が痛んだ。目の前の少年も、この空の下で同じ痛みを抱えている)
        オレは……誰からも愛されなかった…たった一人残った母親は、心を病んでオレを見ようとしない……
        オレは取り戻したいんだ……あったはずの温もりを……与えられたはずの絆を……!!(振り絞るように言うと目尻に涙が滲む)
        誰を殺してでもオレはそれが欲しいんだよォ!!(それは救われぬ魂の発露) -- アドニス 2014-03-24 (月) 00:27:05
      • !?(撥ね飛ばしたと、そう思った筈の手応えの異様な軽さ。それを裏付けるようにアサシンの体は傷一つなく彼方へ降り立つ)
        如何なる魔術を―――!?(続き、追撃を仕掛けようとした身体が傾く、足が大地より離れない事に気づき、またしても魔術かと奥歯を噛み締める)
        ―――くだらぬ!!(気合一声、一息に術を破りにかかるが、恐らくシノビにとってはそれで充分だったろう) -- 鎧のセイバー 2014-03-24 (月) 00:41:34
      • ―――そうか……でも(目の前の少年の叫び、耳に、心に届く感情の発露、彼にとってそれは譲れないものなのだろう、ならば)
        この戦いに勝つのは、僕だ
        (外套を開き、内側から放つは幾本もの銀の針、人を殺めるに充分な大きさと殺傷能力を持つそれは、赤い陽光に輝いてアドニスへと襲いかかる)
        (互いに譲れないのなら、相争う他はない、だからこその『聖杯戦争』なのだ) -- ラセン 2014-03-24 (月) 00:42:05
      • (そう。その一瞬があれば、十分すぎた)
        (相手の懐に飛び込み、胴体に掌底を打ち込む)
        (当たってもその衝撃自体は大したことはない、しかし)浸透剄!!(掌から送り込まれる気の奔流)
        (鎧通しとも呼ばれるそれは鎧の中の人間に大きな衝撃を与えるはずだ) -- 雪影のアサシン 2014-03-24 (月) 00:46:32
      • !!(咄嗟に左手側に転がることで銀の針を回避する)
        セット、C・D・F! 界獣の咆哮よ世に満ち全てを喰らえ!! フレイムブラァスト!!
        (詠唱を済ませると火炎の奔流を敵マスターに向けて放った) -- アドニス 2014-03-24 (月) 00:50:19
      • (その間は一瞬、アサシンの華奢な掌が鎧に当てられ、次の刹那)
        !!?(前代未聞の衝撃、味わった事のない痛みが体内を駆け巡る。まるで腹の中身を巨人に殴りつけられたかのような衝撃が英雄の肉体を襲った)
        (侮りがなかったとは言えない、己には英雄としての自負があり、相手は戦場など似合わぬような少女だ、だが、その認識が間違いであったと思い知らされた)
        …礼を言うぞ、アサシン(上げられる兜の面頬、顕になるのは端正な貴人の素顔)
        お前は、余の目を覚まさせてくれた(湧き上がる感情、熱情、激情、闘争心、それらはセイバーの体内で赤き火種となり、唇の端より火の粉となって溢れ出る)
        丁重に受け取れぃ!!(開かれた口より吐き出されるは、夕日よりも赤く色づいた猛炎。火を噴く山の如き火勢はサーヴァントのみならず、アドニスの炎、そしてアドニス自身をも飲み込もうとする!!) -- 鎧のセイバー 2014-03-24 (月) 01:13:30
      • !?(敵の放つ火炎から逃れようとした瞬間、己のサーヴァントが更なる規模の炎を放つ様を見た。マスターですら、まるで予想していなかった異常な能力の顕現に目を見張る) -- ラセン 2014-03-24 (月) 01:13:45
      • 通った!!(浸透剄がまともに通れば、非力な部類に入る自分でも一撃の威力を高めることができる)
        (しかし相手はそれを受けてなお、片膝すらつかない。同じ英霊とはいえ、ダメージに対する覚悟の量がまるで違っていた)
        ……!!(セイバーの口の端から火の粉が溢れた瞬間、アサシンの直感が未来を浮かび上がらせた)
        (咄嗟にマスターを庇い、跳ぶ)
        (直後に後方から迫る炎の奔流を浴びて)ぐ……うう…!!(背中から左腕に至るまでを広く灼かれ)
        だ、大丈夫でござるか、マスター……(抱きしめていた主君に、温かな言葉を掛けて)
        (その直後に突き飛ばして、自分から遠ざけた)
        (振り返りセイバーに立ち向かうも、火傷は深く思ったように体が動かない)
        う……おおおお…!!(相手の懐に飛び込もうとするが、如何せん精細を欠く動きで) -- 雪影のアサシン 2014-03-24 (月) 01:23:03
      • あ、あああ……!(自分の炎を飲み込むより大きな炎)
        (それから守ってくれたのは―――――自分がヘボ忍者と普段嘲笑ってきたサーヴァントだった)
        ア、アサシ………(歯の根が噛み合わない。ありがとうの言葉が言えない)
        (次の瞬間には、絶望的な状況へアサシンは身を躍らせていた) -- アドニス 2014-03-24 (月) 01:24:47
      • 身を挺して主を護るか、その覚悟、天晴である!
        (剣を手に、夕日を背にした鎧の騎士が重々しく歩みを進める)
        お主が余の軍勢にいなかったことが、つくづく惜しく思われるぞ!
        (迎え撃つ剣、手負いのその身体に先刻までの疾風の冴えは無い、翻る幾筋もの剣閃がアサシンを襲う) -- 鎧のセイバー 2014-03-24 (月) 01:41:06
      • はぁ……はぁ…
        (無意識に荒くなる呼吸、目の前の状況を整理、敵のサーヴァントは深く傷つき、相手のマスターはこちらを見ていない)
        (紛れも無い、好機)
        …やるしかない……!
        (己を鼓舞するように呟き、外套の内側から短剣を引き抜くと、宙に投げ放つ)
        穿て!!
        (短剣が空中で翻ると同時に片手剣の大きさへと変じ、刃を敵マスターへと向けて、空気を切り裂き無防備な背中を狙う――!) -- ラセン 2014-03-24 (月) 01:41:31
      • ……!!(幾筋もの剣閃はアサシンの体を切り刻み)
        (口布に血が滲むとその場で片膝をつく)

        (が、次の瞬間片膝をついていたはずのアサシンの姿が掻き消える)

        (火傷と刃傷を受けてなお、尽きぬ闘志がさらなる力を呼び込む)
        (紫電絶禍。もしアサシンの瞳を覗き込む者がいたならば、紫の電撃が瞳を流れたように見えるかも知れない)
        (姿を現したアサシンは、三体の分身を引き連れてセイバーの周囲を駆け回る)
        (緩急をつけ、相手を幻惑しながら確実に距離を詰めていく)
        四神・鏡花水月!!(四方向から襲い掛かるアサシンの、最速の四連撃)
        (周囲から襲い掛かる拳は全て、乾坤一擲の一撃であった) -- 雪影のアサシン 2014-03-24 (月) 01:50:43
      • (見とれていた。あまりにも強く気高い、セイバーの振る舞いと太刀筋に)
        (そして分身と共に駆ける4つの紫風に)
        (が―――――)……!?(気がつくと自分の腹から刃が突き出ている)
        (背後から放たれた刃は、確実にアドニスの腹を刺し貫いた)
        (魔術回路は乱れ、完璧と思われた宝具である四神・鏡花水月に魔力が行き渡らない)
        (それが最速の拳に一点の曇りを落としていた) -- アドニス 2014-03-24 (月) 01:55:18
      • !!
        (勇士に引導を渡さんと剣を振り上げたその時、眼前より掻き消えるアサシンの姿。次の瞬間、瞳に紫電を宿した四人のアサシンが周囲に現れる)
        (魔術か、否、そうではない。刃を交える中で確信した、これは紛れも無く、彼女が極めた武芸の真髄に他ならない)
        ―――見事!
        (賞賛する、相対する英霊を。忠義の士であり、武練の徒である彼女を)
        (ただ一つ惜しむ―――これが決闘でなく、戦争であるという事実)
        (かの世界、かの時代において無双と謳われた剣士の目は、拳が帯びた曇りを見落としはしなかった。薙ぎ払う必殺の一閃、分身全てを断ち切るように、空間を裂く) -- 鎧のセイバー 2014-03-24 (月) 02:13:36
      • ……!
        (命中した、鋼の剣が確かに少年の身体を貫いた事を、この目で確認した)
        (これでいいのか?良かったはずだ、ここは殺し合いの場で、自分は生き残らねばならないのだ)
        (正しかった、その筈だ。吐き気がこみ上げて今にも倒れそうなのも、きっと気のせいだ) -- ラセン 2014-03-24 (月) 02:14:06
      • (一拍遅れて吹き飛ばされ、地面を転がる)
        う、ああ!?(分身ごと四体すべてを切り裂く見事な剣戟を前に、四神・鏡花水月は完全に敗れ去った)
        (口布を破り捨てると、血をその場で吐く)
        (腹部からは斬撃で刻まれた深手が血を流させていた)
        マスター……(腹部を刺し貫かれ、放心こそしているがマスターは心臓に埋め込まれた魔導核の再生能力により生きている)
        くっ……見事な腕前でござった、セイバー殿…(腹部を手で押さえながら立ち上がり)
        今の拙者らでは勝てぬようでござるなッ!(地面に煙玉を叩きつけて)
        (煙幕が広がる。紫電絶禍モードを保ったままのアサシンは、マスターを連れて高速で立ち去っていった)
        (後に残ったのはアドニスを刺していたはずの刃のみ) -- 雪影のアサシン 2014-03-24 (月) 02:22:02
      • (大きなダメージを受けた痛みと血のショックで放心したままアサシンに連れ去られていった) -- アドニス 2014-03-24 (月) 02:22:54
      • (剣を振りぬき、絡みついた血を拭う)
        賞賛、有り難く受け取ろう。お主の身が十全であったなら、砕かれていたのは我が身だったやも知れぬ
        もし、適うならば――(言い終わらぬ内に湧き上がる煙幕、煙が晴れた時にはアサシンとそのマスターはその場から姿を消していた)
        …適うならば、しがらみなど無い決闘を望みたいところだ
        (ラセンの放った剣は確かにアドニスの身体を貫いていた、仮に命を繋いだとしても、再び戦場に立つことは適うまい。異界の英霊の常識において、そう思えた)
        (存分に戦えはしたが、気分はまったくもって良くはない―――)
        (例え自ら戦場に赴いたとしても、子供が死ぬところなど、二度と見たくはなかった――)

        (出し抜けに、激しく嘔吐する不穏な音が英雄の思考を遮る) -- 鎧のセイバー 2014-03-24 (月) 02:37:34
      • うぁ………あ゛ぁっ…ぇ……!
        (地に四肢を着いて嘔吐する姿、胃の中のものを全て吐き出し、荒く呼吸を整えようとする)
        (これでいい、これでいいんだ、あの傷ならば無事には済まない筈、自分たちはこの戦いに勝利したのだ)
        (憂いを振り払って立ち上がろうとする――が、膝に力が入らない)
        (原因はわかっている、この感覚は以前にも経験したものだ。初めて人を殺めたショックだけではない、セイバーの戦いで大量の魔力を喰われ、魔力が枯渇しているに違いないのだ)
        (体勢を維持できず、、倒れそうな身体を支える手があった) -- ラセン 2014-03-24 (月) 02:46:40
      • しっかりせよ、マスター
        (セイバーの手が、肘を支える)
        お前は勝ったのだ、今はそれだけでいい
        (それは戦場に初めて出た兵士ならば誰もが経験するもの、だからこそ、乗り越えられないものではないと知っている)
        己の足で歩いて帰るのだ、余も長くは持たん。アサシンのおかげで腹の中身がボロボロだ、とんでもなく痛いぞ、こいつは!
        (かろうじて膝を着かずに堪えたものの、実際恐ろしいダメージがその身に蓄積している。しばらくは現界も控えねばならないだろう) -- 鎧のセイバー 2014-03-24 (月) 03:04:23
      • わかってるよ……大丈夫だ
        (外套の下から小瓶を取り出し、青く透き通るタブレットを掌に落として、それを飲み下す)
        行こう……こんなところを他のペアに見つかったら、お終いだ
        (一時的に魔力を補充、サーヴァントの手を離して歩き出す。戦いはまだ、始まったばかりだ) -- ラセン 2014-03-24 (月) 03:09:42
  • ―繁華街― -- 2014-03-23 (日) 08:57:23
    • (冒険者の街の繁華街、行き交う人々の種族は様々、服装も異なる国々のものが混ざり、その風景は文化の交差地たる様を表している)
      (時計台前の広場から雑踏を観察しつつ、手元の串焼きを囓り)
      ――どうだ、セイバー
      (誰もいない空間へと話かける) -- ラセン 2014-03-23 (日) 09:14:14
      • 何も無い、な。他のサーヴァントの気配は何処にも感じられん
        (虚空から答えが帰る。人の目に映らぬ霊体として、マスターの傍らに立つのは彼のサーヴァント、セイバー)
        時に、その『セイバー』という呼び名はどうにかならんか。余の名前は教えた筈だが? -- 鎧のセイバー 2014-03-23 (日) 09:18:08
      • わかっている、念のためだ
        (仏頂面で肉の塊を咀嚼、飲み下す)
        (真名を伏せるのは英霊の弱点等を知られる事を防ぐため。元より異界の存在であるならば、真名など気にする必要は無いのだが)
        ――この土地は少し事情が特殊なんだ、此処は他の土地に比べて異界との接点が異様に多い、お前の事を知っている者がいないとも限らない
        (異界から流された、などという話は滅多に聞くものではないが、ことこの地に限っては「よくあること」とされるらしい
        (ならば、不測の事態に備えて最大限の予防策は張っておくべきだ) -- ラセン 2014-03-23 (日) 09:25:11
      • そんな者がいるならば、むしろ余は大歓迎だ!魔術師の戦いというのはどうにもアレだな、姑息で陰険だな!
        正々堂々、決闘で勝負をつければいいものを。その方が数段分かりやすいぞ! -- 鎧のセイバー 2014-03-23 (日) 09:28:53
      • (歯に衣着せない評価だが、魔術師の立場としても「全くだ」と頷く部分はある)
        仕方ないよ、姑息で陰険な奴らだからな
        (自嘲気味に吐き捨てて最後の肉を噛みちぎり)
        正攻法で得る力が無ければ、搦め手でも何でも使うしかないんだ、例え卑怯と罵られようと、だ
        (傍らの虚空に視線を向ける。自分のやり方は、恐らくこのサーヴァントの好むところではないだろう。しかし、それでも) -- ラセン 2014-03-23 (日) 09:39:24
      • 『負けられぬ理由』――だったな、分かっているとも。余はお主を守り、願いを成就させる、安心して刃を預けよ -- 鎧のセイバー 2014-03-23 (日) 09:42:26
      • (確たる答えに頷きを返し、そのまま、しばし人通りを眺める)
        見上げた時計台の針が示すのは夕刻、間もなく再び夜が来る―――) -- ラセン 2014-03-23 (日) 09:45:40
  • ―プロローグ― -- 2014-03-23 (日) 05:13:12
    • 深夜。人々は皆眠りにつき、蠢くものは夜の獣と梟のみ
      黒い影となって聳える洋館の一室、そこから響くのは木の床を囓るチョークの音、揺らめく灯火が這い蹲る少年の手元を照らす
      彼が描くものは陣、部屋の中央を覆い尽くす巨大な魔法陣である -- 2014-03-23 (日) 05:19:08
      • 「……よし」
        交差する白線の内に最後の文字を描き入れ、体を起こして指先をローブの裾で拭う
        手順は書物通り、日時、条件、全て適切、「儀式」の準備はこれにて完了した
        残るは詠唱、彼方より英霊を招き、器に収め使役するための呪文。
        「サーヴァント」、この争いにおいて、我が楯となり鉾となる者――全ては、この瞬間にかかっていると言っても過言ではない
        負けられない理由がある、必ずや、手に入れねばならない理由がある
        求める者は強力無比なるサーヴァント、果たして如何なる結果が出るか――
        躊躇っていても意味は無い。今ここから始めよう、運命に抗うための戦争を -- ラセン 2014-03-23 (日) 05:32:04
      • 「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公、祖には我が大師アルヴァーラ」
        「降り立つ風には壁を」
        「四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」

        「閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)。閉じよ(みたせ)」
        「繰り返すつどに五度。 ただ、満たされる刻を破却する」 -- ラセン 2014-03-23 (日) 05:38:20
      • 「―――――Anfang(セット)」
        「――――――――告げる」
        「――――告げる」
        「汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に」
        「聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ」
        「誓いを此処に」
        「我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者」
        「汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」 -- ラセン 2014-03-23 (日) 05:41:53
      • 言霊を重ねる度に陣の上を白銀の光が走り、やがて其の輝きは強く大きく、天井を照らす程に噴き上がっていく
        溢れ出す魔力の霧は、陣を中心に渦を巻いて、瞳に光を映す少年の前髪をかき上げる
        瞬間、一際強い閃光。思わず瞼を閉じた少年が、次に目を開くと―― -- 2014-03-23 (日) 05:50:59
      • 「……!」
        がしゃり、金属の擦れる音。室内を照らすものは魔力の残り火と、そして大窓より差し込む月光
        その月光を反射して、全身に甲冑を纏った騎士が佇む。
        「………」
        緊張と興奮が綯い交ぜになり上手く言葉を出せない、それでも思考回路は目まぐるしく駆け巡る
        鎧の騎士?セイバークラスか?「最優」と称され最も強力とされるサーヴァントクラス、だとしたら、ならばこの戦いは―― -- ラセン 2014-03-23 (日) 05:58:33
      • 「……で、ふむ。つまりは…お前が余のマスターで良いのだな?」
        唐突に、会話の口火を切ったのはサーヴァントの方だった
        彼の内に流れこむのは聖杯戦争及び、この時代に纏わる知識、これらは召喚の儀式に付随するものである
        「マスター、サーヴァントか…ふむ、この余を仕えさせるとはな、不敬だが致し方あるまい」
        甲冑を纏った異様な姿で顎に手をやり首を傾げる。怜悧で無感情な兜の表情に反して、その口調は尊大ながらも砕けた調子で妙に親しげだ -- 鎧のセイバー 2014-03-23 (日) 06:04:44
      • 「願いの叶う聖なる器…名のある英霊達との争い…余としても興味を惹かれ――おい、何をしている少年よ、いつまで間抜けた面を晒している気だ?」 -- 鎧のセイバー 2014-03-23 (日) 06:08:20
      • 問いかけられ、はっと表情を引き締める。呼び出された騎士の挙動を眺めている間に、随分と呆けた顔をしていたようだ
        「あ、んっん……そう、僕がお前のマスターだ、セイバー…なのか…?」
        騎士の甲冑、腰に帯びた剣。その姿からは十中八九セイバー、さもなくばライダーのクラスであろうと想像できる -- ラセン 2014-03-23 (日) 06:13:50
      • 「この戦のならわしに則るなら、そのようだな。お前は運が良いぞマスター、何しろ余はすこぶる強い」
        胸を張ってからからと笑うが、ふと、何かを思い出して
        「時に、マスターよ」 -- 鎧のセイバー 2014-03-23 (日) 06:19:28
      • 「…何だ?」 -- ラセン 2014-03-23 (日) 06:20:29
      • 「此処は何処だ?」 -- 鎧のセイバー 2014-03-23 (日) 06:21:06

Last-modified: 2014-04-19 Sat 23:22:50 JST (3659d)