名簿/504144

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    • (―――夢を見た)



      (黄金色に煌く夕焼けの中)
      (とても幸せそうな空気の中、遠くからの声に振り返って)
      (笑顔で手を広げて迎えようとする黒いスーツの初老の男)


      (そして、そこへ力いっぱい)
      (力いっぱい)
      (走って、走って――飛び掛るように、抱きつくエプロンドレスの少女)


      (街に鳴り響く時計の鐘)
      (鳴り響く)
      (黄金の鐘の音)


      (思わず、涙が零れた)


      (その優しげな表情の父親も)

      (その無邪気そうな笑顔の少女も)


      (そして、それを見ている私達も――)




      -- 2014-02-26 (水) 04:26:39
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      • …………

        (いつの間にか、夜を通り過ぎていたのか)
        (夜明けの光が、目に差し込んで 夢から現実に引き戻される)

        ……ここは……

        (ゆっくりと身体を起こし、周囲を見上げる)
        (ここは――そう あの時計搭が出現した場所)
        (そこにはもう何もなく)
        (廃墟のような場所がぽかりとできているだけだった)

        ……そう、か。
        そうだな……
        ……終わった、んだ……

        (意識が――ブラストのものだけになっている)
        (感覚で、クーファの意識が眠っていることが分かった クロスとしての能力の大半は彼女の能力を昇華させたものだ)
        (分担で言うなら頭脳担当がブラスト、能力担当がクーファといったところか)
        (ブラストは勿論だが、クーファの意識への負担は能力の負担も相まって相当なものだったのだろう だから、眠っている)
        (……彼女に、心の底から感謝する)

        ……終わったよ。終わったんだ、クーファ……
        …………ぁ……

        (涙が溢れていた 終わったことへの喜びからか?)
        (いや……目覚めたとき、既に涙は溢れていた)

        (色々な感情が胸の中にたくさん、たくさん溜まっていた)
        (数え切れないほどの辛い思い)
        (数え切れないほどの喜び)

        (いつの日だったか――すべてが始まった日から)
        (せき止めていた)
        (使命感が、責任感が、理性が、強くあろうとする心が、意志が)
        (全て、あふれ出ていた)
        (とめどなく、涙が溢れ続けていた)

        ……全部……
        ……終わっ……た……んだ……

        (なんて)
        (なんて永い戦いだったろう)
        (何百年も戦い続けたような気すらする)

        (護るための、戦い)
        (救うための、戦い)

        ……ぁ……

        う……ぁあ……

        (死んでいった者たち)
        (生き残った者たち)
        (戦ってくれた者たち)
        (護られた、この「界境街」)

        (やっと)

        (全ての「やるべきこと」をやりとげた)

        ぁ……ぁぁぁあ…………あ……

        (4年前のあの日)
        (クーファと出会ったあの日から)
        (いったいどれだけの「境目」を渡ったのだろう)
        (運命を変えていくその線を)
        (どれほど怯えながら)
        (それでも勇気を出しながら)
        (一体、何度と)

        あああ……ぅ……ぅああああ……あ……あああ……

        (どれだけの人々と心を「響」きあわせただろうか)
        (どれだけの人々の「命」の行方を変えてきたのだろうか)
        (どれだけの「友」と出会い)
        (目の前に「召喚」しつづけただろうか)
        (運命の「交差点(クロス)」――分岐点を)

        うぁああああああああああっ……あああああ……ぁああああ……!!

        (怖かった)
        (辛かった)
        (嬉しかった)
        (楽しかった)
        (悲しかった)
        (苦しかった)
        (悩み続けた)
        (迷い続けた)
        (絶望した)
        (希望を見出した)
        (怯えて立ち止まった)
        (勇気を出して立ち向かった)

        (全部)
        (全部が、終わったのだ)
        (これで――終わったのだ 本当に、何もかもが)
        (ブラストがやるべきことは、もう、全て)


        うぁあぁあああああああぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁあああああぁぁぁぁぁあぁぁぁああぁぁぁぁぁぁあああぁっ……!!!


        (抑えられない、叫びが、溢れた)
        (永い、永い夜を戦い)
        (やっと夜明けを迎えた界境街に)
        (無数の感情が嗚咽となって、涙となって、吐き出された)




        -- クロス




      • (黄金暦260年 12月――)

        (黄金の午後団に所属し、町の破壊活動や異人達の迫害、それにより私腹を肥やす活動を行っていた、召喚師協会と、黄衣財団の悪しき幹部達)
        (それらは後に「夜明けの戦争」と呼ばれる戦いによって全てが露になり、協会と財団の上位幹部が殆どそうであった事実を街の者に知らしめた)
        (当然、両方の組織は解体を余儀なくされた)
        (街を統括する組織は無くなり、形だけの行政だけがこの街に残った)

        (今まで碌な活動をしていなかった界境街の行政にこの混沌とした街を治める力など無く)
        (困り果てていたところに、1つの活動団体が現れた)

        「響命党」
        (種族の壁を捨て、全ての住民が絆と平等を掲げ、手を取り合いこの街を治めていくべきだと主張する党だった)
        (党の代表は居ないとのことであった)
        (この街で政治活動をしていた一人の若者の演説に心動かされ、共感した者達が集まった党なのだが)
        (その若者は「夜明けの戦争」を境に消息を絶ってしまったのだという)

        (だが、代表者が居ないにもかかわらず、彼らの理念は驚くほど一致しており また行動力のある者達が集まっていた)
        (さらには、架空の理論として扱われていた「響命召喚術」)
        (それを使いこなす者達が多く存在していたのも特徴だった)
        (揺ぎ無い理念と力を持つ者達の集まりがこの街を治めることに異を唱えるものは殆ど居なかった)

        (代表者が居ないゆえ、各種族の中でも特に理念が強い者達を投票によって決め)
        (各種族につき数人の代表者、そしてその下に党員が実務や関連組織などをつくり、治める)
        (新たな行政が生まれた)

        (ここに、「響融化」によって生まれた界境街の混乱はついに無くなり)
        (多くの者が平和に暮らせる街が新たに生まれたのだ)

        (きっかけとなった「夜明けの戦争」になぞらえて――)

        (黄金暦260年12月 新たな行政が発足した日は)
        Day of『Dawn』(夜明けの記念日)
        (と呼ばれ、夜明けに街一番の時計搭の鐘を鳴らし、祝祭が行われる日となった)





        (それは、この夜明けからほんの数日のちの出来事――)

        (「夜明けの戦争」を終えた響界街に 産声のような泣き声が響く)
        (それを聞く者は、街の者が手を取り合い戦ったことでほぼ沈静化したこの戦いが、完全に終わりを迎えたことを感じ取った)
        (一人の青年と一人の竜人が 最後に 全てに終止符を打ったのだと)
        (眩い 夜明けの光の中で――)




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      • (夜が明けた)
        (<<黄金の午後団>>の人間たちは呆然と座り込み始めた)
        (一人、また一人とその膝を折る)
        (そして、槍を杖のようにして寄りかかっていたトーヤもまた、そのままズルズルと下がり、しゃがみこんだ)
        (誰も彼も動かない)

        (今宵、全てが終わるはずだった)
        (しかしいつもと変わらず朝陽が昇ったということは――そういうことなのだ)
        (終わりを終え、始まりが始まる)

        (街中に響く泣き声はブラストだけのものなのだろうか)
        (それは否である)
        (始まりはたしかにブラストのものだった)
        (今ではそれに団員の悲嘆にくれる慟哭が混じり、)
        (続くように自体の収束を悟った町の人間の歓喜と喜びの涙が混じった)

        (それが、界境街全体が泣いているようにトーヤには思えた)
        (良くも悪くも界境街が初めて一つになったのだ)

        ・・・始まりの産声、か

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        (自分は所詮外様である)
        (だから、涙は出ない)
        (だから、ただただ笑みをこぼした)

        やったね、ブラスト その理想は必ず伝わってる

        (そう呟いて、目を閉じた)
        (心はすでにこの街から動いている)
        (きっとこの街で自分が出来る事はもうほとんど無い)
        (今後のことは街の人がみんなで考え、皆で行っていくだろう)
        (そうして、自分は次の旅のことを考えながら兎に角今は身体を休めることにした) -- トーヤ 2014-02-27 (木) 10:33:40
      • (騒ぎが収まり、平穏を取り戻しつつある街中をひなたが歩く。)
        (深手を負い、彼氏・レンナルトの元へと帰り、そこで一騒動あったため街に出るのが遅くなってしまったのだ。)
        (なので、自分が去った後何がどうなったかは分かっていない。)
        (ただ、世界は終わらなかった。自分もレンナルトも無事である、それだけでブラストが成し遂げた事は分かっていた。)

        (しかし、ただ世界が終わらなかっただけではない。)
        (ひなたが歩く街は、取り巻いていた嫌な雰囲気も共に今は消え失せていた。)
        (もちろん、今後は様々な軋轢や問題が現れていくと思う。)
        (自分とレンナルトでさえ、行き違いで仲たがいしかけたのだから。)
        (だが、きっと人々はなんとかやっていけるだろう、とも楽観的に思っている。)
        (確かに、対立しあう事もあるけれど、分かり合える力を人は持っている。)
        (分かり合うために文字通り命を懸けて奮闘する政治家を、ひなたは知っているからだ。)

        (時間はかかったがようやく目的地へとたどり着いた。)
        (事務所は以前と変わりない匂い、その事に口元が綻ぶ。)
        (もちろん、彼がここにいないのは分かっている。彼自身の匂いがしないからだ。)
        (では、何故ここに来たのか。それは、彼が帰ってきた時のために事務所を維持するためだった。)

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        (いつ帰って来るのか、それとも帰ってこないのか。ひなたには分からない。)
        (ただ、戻ってきた時に誰も待っていないのは寂しいのではないかと思ったからだ。)
        (「党」の仲間として、戻ってきた時に一言言ってあげたいと思っていたからだ。)
        (「…お疲れ様…そして、お帰り…。」と)
        -- ひなた 2014-02-28 (金) 19:24:48
      • 復興し、新たに進んでいく界境街に、一つの本が舞い降りた。
        それはおとぎ話、それは物語。
        『ロステと数の魔法使い』という本が、名もなき世界より、流れてきた。
        読めば、きっとわかる。それがこの世界で起きた「夜明けの戦争」のことを示しているということを。
        それが遥か遠いキャロレ達の世界では、おとぎ話として、残されたことを伝えていた。
        ロステ、キャロレ、ブラスト、デルファーネス、トーヤ、ひなた……彼らのことも、きちんと記されていた。
        二つの世界を繋ぐ本。二つの世界を結ぶ物語。
        それがひっそりと、この世界にも残されたのだった――
        -- 2014-03-03 (月) 04:37:26
  • 少女の活躍により、橋の上に仕掛けられた数式はすべて破壊された。
    赤の女王と白の女王、そして数多の化物たちは雷の前に消え去った。
    未知は既に拓けたのだ。今はアリス、ブラスト、デルファーネス……三人を阻むものはもはやない。
    一人の少女、ひなたの活躍により、ブラスト達は窮地を脱した。時計塔の針はまだ、時刻を指してはいない!

    「――ビッグ・ベンだ!!」
    アリスの声が響く。三人が橋を抜けると、すぐそこにウェストミンスター大聖堂があった。そして、彼らが目指す、異形と化したビッグ・ベン……《時計塔》がそこにあった。
    この世界を贄として新たな世界を作ろうとする数式卿の計画の礎となる《時計塔》はかつてのビッグ・ベンとは大きく姿を変えてしまっていた。
    これ一つが大計算機となる。世界の中心、この世界と、廃都ロンドンを繋ぐ楔となっているのだ。計算は今も続けられている。世界を書きかえるための計算が。

    「……ついに来たわ。ブラストさん、デルちゃん……パパは、この上にいる。この時計塔の果てで待っているわ。……あたしは、行かなきゃ。パパを止めるのは、あたしがしなくちゃいけないこと。
    一緒に……行こう。ブラストさん、デルちゃん! もう、あと少ししか時間がないわ!」

    黄金に輝く少女は二人の手を取り、ビッグベンへと駆け出す。アリスが近づけば、ひとりでにビッグベンの内部へとつながる扉が開く。
    中ではチクタク・チクタクと秒針が時を刻む音が聞こえている。
    長大な螺旋階段がそこにはあった。それが、アリスの目指す“どこか”に続いているのだ。
    ここの果てに――数式卿がいる! -- アリス 2013-12-29 (日) 04:57:36
    • ……これが、ビッグ・ベンか……
      (見上げる なんと荘厳な空気を漂わせる建造物だろうか その荘厳さにはほんの僅かな残り時間のことも一瞬忘れて見惚れるほどだ)
      (だが……それと同時に、この建物がおそらく本来の姿からは剥離しているのも感じ取れた)
      そうか。……「待っている」のだな。数式卿は……
      (決意を新たにし、アリスとクーファに顔を向けて頷く)
      分かっている。限られた時間の中で最善を尽くそう。……さあ、最後の場所だ。
      (アリスに手を引かれ、塔の中へ――)

      この先か……螺旋階段、か。……長いな。
      (登るのが疲れるとかそういう話ではない、単純に時間を食いそうだ、という意味だ)
      クーファに頼んで飛んでいってもいいかもしれないが……それだと、何か条件を満たせないような気もする。
      (ここがただの建物だとは毛頭思っていない 異次元の中に入り込んだようなものだ そこでルールを守らなければ異次元のさらに異次元に迷い込む)
      (よく聞く話だ 急がば廻れ、まさにそのとおりだ)
      登ろう。ただし、駆け足でだ。――行くぞッ!
      (そう言うといち早く階段を駆け上がる 体力はこの三人の中でも最も劣るし移動能力も高くない 長い階段を上りながら息も上がる)
      (だが弱音は吐いていられない これもひとつの正念場なのだ)
      -- ブラスト 2013-12-30 (月) 00:37:13
      • 「この音、どうも苦手だ」急かされている様な秒針の音に眉をひそめる。脈拍まで早まりそうだ
        「そうだなぁ…ある種の儀式とか、パズルみたいなモンなのかもしれねぇな…」
        ”条件”という成年の言葉に壁を数回コツコツしながら返す。壊せるのか確認している様だ
        「ん…? 心配すんな、壊さねーよ。何が出て来るか分かったもんじゃないからな」手をひらひらさせて

        「じゃぁ、誰が一番最初に着けるか競争しようぜ……っておい!フライング!」
        すぐ追いついてやるぜ!とか言いながら後を追って
        -- デルファーネス 2014-01-08 (水) 23:58:09
      • 巨大な時計塔。現実に存在したビッグベンよりもそれは遥かに高いものだ。それはかつてビッグベンであったものだが、今は既に世界の果ての《時計塔》と化しているのだ。
        デルファーネスが壁を叩くと、壁の側面が一斉に青白く発光する。青白く発光するのは数多の数式であった。この《時計塔》が緻密かつ複雑な数式で構成されていることを示すものだった。
        おそらく物理的な破壊は叶わないだろう。チクタク・チクタク。秒針の音は三人をせかすように、無慈悲になりつづける。

        「うん、そうよ、わかるわ。あたし」
        階段を駆け上がりつつ、アリスは言う。
        「あたしたちはここを上らなきゃいけない。この階段を上らなきゃいけない。そうしないと、“どこか”へはいけないの」
        アリスたち三人は上る。アリスは、今度は落ちるのではなく、上るのだ。落ちて死に、ロステとしてこの世界へとやってきた。今度は、アリスの名を取り戻し、上るのだ。
        「……パパがいるところは、“どこか”……それは、ロンドンでもなければ、この界境街でもないところ……うさぎの穴、世界の果てなの」
        つまるところ、それは世界の境界部、世界と世界のつなぎ目にキャロレはいるのだ。この時計塔は、そこに至る道に他ならない。そう、この螺旋階段以外では、そこにたどり着けないのだ。
        ブラストの判断は正しい。歪む次元の中を、正しくキャロレのところまで導いてくれる道はそこしかない。

        「じゃあ負けないわ! デルちゃん! あたし、かけっこは得意……あっ! うさぎだ!」
        無限にも続くと思われる螺旋階段。上るうちに、階段はまっすぐになったり斜めになったり、ある時は上っているはずであるのに降りているときもあり、時空が歪んでいることを示していた。
        時折、破壊の痕と思われる壁の穴を見れば、そこは既にロンドンの灰色の空でも、界境街の青い空でもない。キャロレが支配する数式の世界だった。
        そこに突如、三人を追い抜いていく影があった。それはうさぎ。時計を片手に時間だ時間だと急いでいる。これも、儀式。
        アリスたちが、不思議の国の物語の主人公となるための。キャロレの支配する数式の世界、数式の城へと至るための。
        「……パパはもうすぐそこよ!」
        うさぎを追うようにしてアリスは再び駆けだした。

        ――そして、ついに果てが訪れる。螺旋階段は途切れ、奇怪な数式光に彩られた門があった。アリスは、そこへと飛び入る――

        『ようこそ、アリス。ブラスト君、デルファーネス君』

        『我が超数式演算装置《ビッグ・ベン》を駆け抜け、君達はたどり着いた。世界の果てに』

        『そして、見ると良い。君達の世界が壊れ、滅ぶ様を――』

        『アリス……私たちの世界の、新生だ』


        キャロレの声が響き……三人は、立っていた。キャロレの前に。
        その空間の空には、無数の数式が浮かび上がり、計算が続けられていた。世界を壊し、書き換え、新生するための。世界の方程式が浮かび上がっていた。
        それはビッグ・ベンの内部にして頂上。すでに時空は歪み、数式の空の果てには、廃都ロンドンが召喚された界境街が映りこんでいた。皆、未だ戦っている。
        ここは世界の境界。全ての計算が終わった時、この境界は歪み、キャロレ達が住んでいた世界が、ブラスト達の世界に代入され、新たな世界が創造される。
        キャロレの理想とする、彼が憎むすべてのものが無い世界が。
        キャロレが黄金の数式で生み出した、《解析機関》……アナリティカル・エンジンによって、それは成される。界境街を見上げ、同時に見下ろす歪んだ空間。
        キャロレはそこに立っていた。彼の後ろにある黒板には、黄金の数式そのものが書かれていた。
        数式の城。世界の果て。ある種の舞台じみたこの異空間で、キャロレは三人を、待っていたのだった。

        「……そんなこと、させないわ、パパ。あたしが、あたしたちが、止めて見せる。……パパの、悲しみも、全部!」
        黄金の午後の輝きをもつ少女が叫んだ。世界の命運を賭けた戦いが、幕を開けたのだ―― -- アリス 2014-01-11 (土) 21:35:26

      • (うさぎを追いかけ、不思議の国へ 非現実の世界をひた走る)
        (そして、たどり着く 全ての終わりの場所、全てが始まろうとしている場所に)
        (永い 永い階段だった 息が切れるほどに それは、今まで走り続けた人生そのものを表すかのように)
        (それでも、ついに――たどり着いたのだ)

        ……数式卿……

        (もはや驚きや戸惑いは無い 息を整え、周囲を見回す)
        (見れば、分かった 「世界の果て」 だと まさにその言葉がふさわしい 歪んだ時空と混ざり合う数式 混沌と理論の混濁)
        (この舞台が放つ、世界の変革への威圧感――それに耐えられる精神力をブラストは得たのか?否)
        (ブラストには関係ない できるかできないかの重責など、持つ器では無い ただの人間なのだからこそ、ただの人間にやれることをやるだけ)
        (その覚悟の前には、ただ目の前の破壊者に立ち向かう、それのみしか意志は無く、迷いなどは無い)

        ……新たなものが生まれるとき、戦いがある。暴力によるものでなくても……新たなるものへの意志とそれを望まない意志との戦いは、必ずある。
        私は新たな世界を望まない、ちっぽけな存在だ。だが、どんなにか弱くても……望まない意志がある限り……貴方はそれと戦う。それが、必然のコトワリ。
        本当に……これが、最後の決戦だ、数式卿――ラトウィッジ・キャロレ。
        -- ブラスト 2014-01-12 (日) 03:21:51
      • 「待たせて悪いが、アンタの観客になるつもりはサラサラねぇ」
        呼吸を整えると目を閉じ、拳を胸の前でぶつける。それを合図にする様にして、二本の角に流れる真っ赤に溶けた血は紅く、紅くなり
        「いずれはこの世界も滅ぶかもしれねぇが…」
        竜人の周囲には火の粉がひらひらと舞い始めた。ふぅ、と息を吐けば炎が混じり
        「少なくとも……今じゃない」閉じていた瞼をあげ、炎の揺らめく瞳で数式卿を見据える
        -- デルファーネス 2014-01-20 (月) 20:15:28
      • 「私を阻めるのは君達だけだ。この場所に来れた、君達のみ。故にこそ」

        チク・タク。秒針は刻まれ続ける。世界の境界が歪み続け、空には数式が溢れ、あり得ざる物理法則が渦巻いている。
        「私は君達を滅ぼそう。忌まわしきあり得ざるものども。ブラスト君、デルファーネス君……私は、君達のようなものは認めない。
        ドラゴン、神、悪魔……そのようなものは、必要ない。私たちのような悲劇を生み出すというのならば、ここで消え果るがいい。
        いいや――今だ。今、世界は終わる。デルファーネス君。君の火などでは、止められはしない。私の数式は、黄金の数式に――解けぬものはないのだから」
        数式卿が《黄金の数式》を行使する。彼の脳裏に、一つの数式が導き出される。それと同時に、世界の果てが大きく振動し、空間が裂け、何かが現れる。それは、巨大な騎士。非常に均整な数式によって生み出された、巨大な、白い騎士だった。
        「ブラスト君、もはや、君と戦うことなどない。君の、ちっぽけな意志など、世界の変革の前には、一つの水滴ほどの意味もたない――正々堂々、そのような儀式を行うつもりはない。消え給え。そして、返してもらうぞ。
        ――私たちの世界を! アリスを!」

        数式卿の宣言とともに、巨大な鋼鉄の鎧をまとった白の騎士が動き始める。手に持つのは数多の数式が記された剣。あらゆる物理法則をここに呼び出すための剣。
        それが振るわれる。すると、台風の暴風域の中にいる時のような猛烈な風がブラスト達を襲う。
        雷が三人の回りに連続して落ち、地獄のような怒号が響き渡る。アリスではない。ブラストと、デルファーネス目がけて、何もかもを原子として分解してしまう危険な剣の一撃を、放つ!

        「アリス――邪魔は行けない。……理解、できなくてもいい。ただ、私は君を守りたい……それだけだ」
        数式《黄金の午後》にて、二人に迫る危険を排除しようとしたとき、アリスの数式にキャロレが介入し、それを阻む。
        -- キャロレ 2014-01-21 (火) 21:30:01
      • ――いいや。私一人の意志では無い。

        コォ――――――――  ンッ……

        (甲高く、響くような音がした 驚くべき光景が、そこにあった!)
        (古代の金属すらも解読し分解する剣が ブラストによって受け止められていた)
        (ブラストの剣に?否)
        (ブラストの――緑色に煌く「腕」にだ)
        (この光には見覚えがある 何度か、この一連の戦いの中でブラストが見せていた、ブラストのものとは思えない怪力が発される時にぼんやりと光っていた)
        (しかし今はそれが眩く輝いている!キャロレはそれをおそらく解読しようとするだろう だがそこには、以前にブラストが首輪から見せたあの「変動し続ける数式」が見える)
        ……私一人ならきっと、たった一つの数式が私に現れ、貴方はそれを解読するだけで終わるのだろう。
        だが私は一人ではない。数式も一つではない。
        (いつの間に? ――ブラストのもう片方の手が、クーファの手を握り締めていた)
        (クーファもまた意識せず、ブラストの手を握り締めていた ブラストとクーファの意識の外で、二人の行動が、シンクロしている)
        (首輪が、光を発していた)

        クーファ……今がその時なのだろう。
        人々が本当の危機を知ったとき……私達が真に彼らのことを理解した時に……
        この力は「こうしろ」と囁くものだったのだろう。
        すべては、この時のために……この「響命術」という「意志」が!
        私達に力を与えてくれる、その瞬間が――今だったんだ!

        (さらに、高速で数式がシャッフルされていく 腕だけでなく、ブラストの体と、クーファの体の全身の数式が、壊れたメーターのように変動し続けはじめた!)
        (そして――奇怪な光景がそこにあった 二人の握り締めあった手が、腕が……繋がって……否)
        (「ひとつ」になっていた まるで片方の手の中にもう片方の手が入り込むように 溶け合うように!)
        (ブラストもクーファもそれを恐れる様子は無い 心のどこかで、理解していた これから起きる事柄を)
        (そして、ひときわ強い光が二人の全身を覆い、白騎士の巨剣を弾き飛ばした!)

        exp027730.jpg

        数式卿。初めて出会ったとき、私はこう言った。響融化は神の御業であると。
        貴方はこの世界の数式を網羅した。怪物をも網羅した。だが――神も解読できたのか?
        それとも……いないと思ったのか?
        -- ブラスト 2014-01-23 (木) 01:15:33
      • 手を繋いでいる相棒を横目で見る。ブラストと視線が交差すると同時に、奇妙な感覚に陥った
        「へぇ……なんつーか、自分で自分を観るって妙な感じだな。俺ってこんな風に見えてたのか」
        この視覚情報は恐らくブラストのものだろう。自分はブラストを見ているはずなのに、同時に自分自身の姿も見えるのだ
        黒い肌に硬い鱗をまとい、角を生やした緑色の髪を持つ小柄な少女は、燃える瞳に笑みを浮かべている
        視覚だけではない、聴覚や嗅覚、触覚に至るまで、あらゆるものが混在していた
        今までにも、この感覚に近い体験は何度かあったが、ここまで全てが”一緒に居る”状態は初めてだ

        クーファは、これが二度と元に戻れないかもしれないものだと、ようやく理解した
        「だからお前は、ギリギリまで使いたくなかったんだな」
        そう言い終えると、二人は数式卿に向き直り、繋いだ手を、強く握った

             「「新しき英知の術と、千眼の導きによりて」」
                「「今ここに召喚の扉を開かん!」」

                「「祝福されし誓約の名の下に」」
                「「我、汝が『力』を召喚す!」」

             『『響命召還術――”響勇(クロス)”!!』』

        繋いだ手から、ほのかな光が溢れ、やさしく二人を包む。歩み寄るでもなく、お互いに引き寄せられるように
        二つだった身体が、繋いだ手から少しずつ、ゆっくりとひとつに混ざっていく
        お互いの肩までがひとつになりつつあるときに、クーファが口を開いた

        exp027731.jpg

        「数式卿、アンタの力は確かに凄い。悔しいが、俺の炎じゃ倒すどころか防ぎきれるかも怪しい」
        「…だがな、この世界が消えるのを黙って見ていられるほど、俺はお利口さんでもない。あらゆる手段を使って、全力で止めさせてもらう。アリスのためにも、ブラストのためにも、そして俺自身の為にもだ」

        ――話すうちに、さらに二つの身体が混ざって行く もう、二人の顔が触れ合うほどに
        そして、二人の身体が眩い光を放ちながら宙へと浮き始めた

        「アリス、辛い選択をしたお前を俺は尊敬するよ。きっとすげー女になるぞ? 俺が保証する。…お前とはもう少し話したかったんだが、もう時間みてぇだ」

        「ブラスト、お前はもうあの時のちっぽけな人間じゃない。自分の運命を自分で掴める漢だ」
        「遠慮はいらねぇ。俺の力、存分に使え」ニヤリ、と歯が覗くいつもの笑い方で

        「…後は頼んだぜ、相棒」

        そして光の中のシルエットが”一人の姿”になった瞬間、その身体から一際強い光が放たれ、ブラストとクーファの姿は見えなくなった
        -- 2014-02-09 (日) 13:30:56
      • 「間に、合わないッ――!?」

        数式もキャロレに阻まれる。万事休すか、そう思われた。
        その時である。

        「……えっ!?」
        ブラストとデルファーネスを跡形もなく消してしまうはずの白の騎士の剣は――弾かれた。
        二人から発せられた光によって剣は弾き飛ばされていった。
        ブラストが受け止めていたのだ。存在を消滅させるはずの剣を。
        ありえない。ありえるはずがない。《黄金の数式》は全てを解いてしまうはずなのに。
        しかし、二人はそこに立っていた。

        「これが……響命召喚術!」
        二人の言葉がこの異空に響き渡る。ついに、ついにそれが行使されるときがきたのだ。
        二人が一つに混ざっていく。二人が一つになっていく。
        まるで、魔法のような、不可思議な光景が広がっていく。
        二人が、一つになっていく……。
        そこに、アリスは何か不安のようなものを感じた。龍の少女。それに、もう会えないのではないかという予感。
        「あ、待って……! 待って、デルちゃんっ!!」
        二人の体がまばゆい光とともに宙へと浮き始める。二人の影が一つに重なり始める。
        「私も、私ももっとデルちゃんとお話したいの! もっと世界のお話、したいの! だから、だからいかないで!」
        アリスの声が響き――そして、デルファーネスは最後に言葉を残して……二人の体が一つになったとき、一層強い光が放たれ、アリスの目がくらむ。

        exp027732.jpg

        「デル、ちゃん? ブラスト、さん……?」 -- アリス 2014-02-10 (月) 01:58:56
      • 「――馬鹿なッ!?」

        キャロレの悲鳴にも似た声が響く。白の騎士の一撃はあらゆるものを消滅させるはずだった。
        既にブラストとデルファーネスのそれぞれの数式は完全に解いていた。二人は完全に消えるはずであった。
        しかし、消えていない。あろうことか、その腕で、ブラストは剣を受け止め、弾き返したのだ。
        すぐさま、計算をし直す。数式を解き直す――しかし。

        「“解なし”だと……計算不可能だとでもいうのか、馬鹿なッ!!」
        変動し続ける数式。それは解くことはできない。計算できないのだ。
        キャロレは、今目の前で起こっている現象に介入することができない。
        「これは……!」
        二人の数式が変動しはじめる。シャッフルされていく。その時キャロレは理解した。“響命召喚術”がなんであるかを。
        「神、だと……あり得ない。そんなものは存在しない。してはらない! 絶対の神など、元より存在しない! そのような解は存在しないのだ!
        いるはずが……ないッ!!」
        二人の体から光が放たれていく。二人の意識が、数式が、混在化していくのが見える。
        デルファーネスが、ブラストとひとつなっていく。
        計算のできない力。数式で解き明かせないもの。それが眼前に姿を現してしまった。
        キャロレはこの世の全ては数で構成されていると言った。だが――
        「意志だと……絆の力だとでもいうのか、ふざけるなっ! そんなもので、私の数式が否定されるのか!? 世界をも解き明かす方程式が――!」
        デルファーネスがキャロレへと意志を伝える。何があっても止めて見せると。
        「幻想の存在が、私をとめるだと……! ありえんっ。ここでは、私が世界の理だ! なのに、なのに……」

        exp027733.jpg

        「なんなのだこの力は! 私は、私はこんなものは、“知らない”!!」
        二つの体が光につつまれ、一つになる――
        -- キャロレ 2014-02-10 (月) 02:26:09





      • ―――そう お前には知ることができないもの
            否 知ってはいけないもの
             そして 知ることをさせないもの
              それが 私だ





        (荘厳な声が光の中から響いた ブラストでもなく、クーファでもない 賛美歌のような響きの声が)

        --???
      • 《黄金の数式》では、光の中の存在を解析することができなかった。
        宇宙の森羅万象に“解”を出すはずの方程式が、何も機能しない。
        目の前の存在が、なんであるのかキャロレにはわからないのだ。
        響友であった二人が響命し、現われ出でたものは、何なのか。

        「何だ……こんな、こんなもの、あってなるものか! 不合理、不条理、神話の世界の産物め! 私は、私は、お前達を、否定するために――!!」
        自らの全てを奪ったものへの復讐。魔法も神も何もかも、彼には必要ない。世界には必要ない。そう信じた故に、ここまで来た。
        だが、それが敢え無く否定されようとしている。
        荘厳な声が響く。賛美歌のような響きの。キャロレが否定したもの。“神”のごときものがそこにあった。
        「そんなものが存在するというのならば、何故我々の世界は滅んだ。何故神は姿を現さなかった! そんなもので、この世界が救われてなるものか! 消えろ、消え去れ!」

        「消え去れ、私の世界から! 全ての世界から! 黄金の数式よ、解を導き出せ! この世に、人の手の届かない、奇跡など、あってはならぬのだあ、ああああっ!!」

        キャロレが数式を展開する。世界の崩壊の方程式を紡ぎ、宇宙の因果律を狂わせ、目の前のものを消そうとする。
        だが、それは消えるはずも無い。消せるはずも無い。
        白の騎士が斬撃を放つ。ブラックホールなどの数式が展開され、それらが光の中の存在を襲う。
        しかし、きっとそれらも全て否定去れるに違いない。キャロレには、黄金の数式には、目の前の存在がなんであるか、知ることができないのだから。
        -- キャロレ 2014-02-15 (土) 22:15:24
      • 「デル、ちゃん、ブラスト、さん……。
        すごい、まるで……
        神様、みたい……」
        荘厳な声と光、賛美歌のような響きを耳にし、アリスは涙を流していた。
        この世界に来て、自分の世界にはない不思議なものをたくさん見た。だが、これほどの奇跡、神々しいものを見たのは初めてだった。

        「――今しか、今しかないっ……!」

        アリスは、キャロレの動揺を見て取った。今、彼の数式は、目の前の存在にしか向けられていない。今ならば、アリスでも介入が出来る。
        「お願い、止まって……! 私の、パパを、私達の世界を滅ぼした人たちと、同じに、しないでっ……!」

        アリスの体を黄金の光が包む。キャロレの世界の崩壊、そして新生の方程式に、アリスの数式が介入していく。
        物語っていく。数式は物語る。物語る黄金の数式が、消え去っていくはずのものたちを繋ぎとめていく。
        あと少しである。今や、破滅の方程式の計算が終わる残り少ない時間は、止まろうとしていた。

        「ブラストさん! デルちゃん! パパを、パパを、止めてッ!!」 -- アリス 2014-02-15 (土) 22:16:43


      • 畏れるなかれ 人の子よ 私はお前の敵ではなく その少女の敵でもなく また この二人の味方でもない

        (荘厳な声が響けば、眩い光がブラックホールに吸い取られていく そして騎士の斬撃はその光の中にあった影を通り抜け、混沌とした空を割った)

        強き賢者よ 勇気ある少女よ その手を止め しばし私の言葉に耳を傾けよ
        私はいつもお前達の傍にあった 「お前の世界」にもいた だが決して見えぬもの
        そして今 この世界の人々の 希望を背負った「彼ら」に ほんのちっぽけで些細な加護を与えるもの


           ゴウッ

        exp027775.jpg

        (光が渦巻の様に螺旋を描いて掻き消えた そこに、碧炎を纏う魔人が浮いていた)

        ――我が名は 「クロス」 お前の言うとおり 人々が神と呼ぶものだ
        だが 私は世界を救う神でもなければ 造物主でもない 万物に宿るものでもなく 破壊を司る神でもない
        そんなものは いない

        私は 「神の領域」と人々に呼ばれるもの 全ての事象が交わる時に生まれる 「分岐点」 ――「未来」そのもの
        私を導いたのは 強き賢者よ お前なのだ


        (その声は脳に響くようにして聞こえる ブラストとクーファの意識が混ざったものか?――違う これはブラストが言っていた「別の意志」)
        (その身体には数式が存在しない そしてこの「クロス」と名乗る意識は戦う意志は無いようだ)
        (……どうやら周囲の時が停止しているようだ 数式が一切進まない キャロレ達以外の全てが動きを止めている)
        -- クロス 2014-02-18 (火) 09:19:19

      • 「これは……なん、だ……」

        ブラックホールに光は吸い込まれ、騎士の斬撃は光の中の影を切り裂くことはなかった。
        荘厳な声が響く。ブラストともデルファーネスとも違う声が。
        その声は言う。耳を傾けよ、と。

        轟音とともに光が螺旋を描いて消え去る。そして、光があった場所には、何かがいた。
        碧い炎を纏う魔人。それが、顕現していた。

        「神、だと……お前が、それ、だと……」

        キャロレの目には、目の前の存在の数式は映らない。それがなんであるのか解析できない。
        キャロレは神などは信じない。偶然も運命も直感も、全て信じることはない。全ては計算によって求める事が出来る。それがキャロレの望む世界である。
        しかし、キャロレは直感にて、目の前のそれの言っていることが嘘でないことがわかった。
        人間を越えた、超常の存在。「クロス」と名乗るもの。

        「これが響命召喚なのか……!? 「神の領域」だと……わけの、わからぬことを……!」

        キャロレが力を振るうことはない。それが相手に通じないことはわかっている。

        数式は見えない。ブラストとデルファーネスが一つになったものとも違うように思える。別の意志、別の存在であるのか。
        キャロレには、何一つわからなかった。

        「時が、止まっているだと……!?」

        世界方程式の演算は止まっていた。ビッグベンの針も動かない。動くものは、クロスとキャロレ、そしてアリスのみであった。

        「その神なるものが、クロスとやらが、今更私に何を言うというのか。私は、私は貴様など呼んでいない、道いてはいない――!」

        キャロレの声が響く。その声には恐怖の色が浮かんでいる。
        -- キャロレ 2014-02-18 (火) 18:38:43

      • 「かみ、さま……?」

        少女は呆然として光り輝くそれを、この世界に顕現したそれを見つめていた。
        この世界には、様々な超常の存在たいたことは、アリスも知っている。そう言う話を待ちの人間から聞いたこともある。
        神さえも、この世界ではそう珍しいものではない。だが。

        「デルちゃんじゃない、ブラストさんじゃ、ない……あなたは、何、なの……?」

        目の前のそれは、それらとは一線を画しているように思えた。何かが違う。
        目の前の存在の言葉に嘘はない。きっと、誰の敵でも味方でもないのだ。

        「パパが、導いた……?」 -- アリス 2014-02-18 (火) 18:43:26
      • 「私が、神の領域に到達しただと……」

        「クロス」と名乗る存在がキャロレに語る。
        全ては二つに一つ。コインの表と裏。それはあらゆる世界に存在する自然の摂理。
        キャロレの世界が滅んだことも、そしてその後救われることなく、終わってしまったことも。
        キャロレがこの世界に来たことも。ブラスト達と出会い、そしてこの時を迎えたことも。
        二つに一つ、あらゆる可能性の果てだったのだ。可能性の一つだったのだ。
        響融化が起こり、あらゆる世界が一つと交わったのも、「偶然」だった。

        しかし、キャロレは手に入れた。見つけてしまった。本来ならば、人の手に在るべきものではないものを。
        黄金の数式、世界方程式、神の数式――それらによって、キャロレは神の領域に到達していた。
        故に、未来を知ることができた。未来の可能性を一つに定めることができた。
        分岐点を消し去ってしまったのだ。ブラスト達が消滅したそのとき、可能性の芽が潰え、分岐点は消え去る。世界の摂理が崩壊する。
        それを阻止する為に、あらゆるものに二つに一つを与えるために。神の領域がここに訪れたのだ。

        そう、二つに一つ。コインの表と裏。それは偶然によって定められる。
        故にこそ、クロスは、何者の敵でも味方でもなかった。

        「全ては「偶然」の産物であるとのたまうか! 私の世界が滅んだのも! 私の家族が死んだのも! すべて偶然、運が悪かった、そう思えばいいとでもいうのか!
        ふざけるな……そうだ、私はそのような存在を、運命を、否定するためにここまで来たのだ。
        神の領域など、知ったことではない。私は到達したのだ、宇宙の全てに解を出す数式に! それは運命をも凌駕して、私の世界を再び造りだすものだ!
        この世界の者がこの世界を守るというのならば、私は私の世界を新生するのみだ!
        貴様が私に何をしようと、私は私の世界を創世してみせる。でなければ――
        私は何の為にここいる。何のために、ここまで来たのだ。「偶然」も「宿命」も、私は否定する。
        理不尽極まる世界の可能性など! あってはならない!」

        眩い光と共に、全てを白光に変える光の後に。
        時が動き出した。全ての数式がキャロレの眼前に再び現れる。
        コインの落ちる音がする。コインの回る音がする。
        全てに等しく、二つに一つを与えるために。

        「――いいだろう。ならば行おう。私の思うままに、私の数式のままに、世界を変える。
        私は取り戻すのだ。享受できたはずの幸せを。私の世界全てを。
        神の介入など受けてたまるか――もとより、この世界の崩壊、あらゆる世界の崩壊は、私の求めるところだ。
        宇宙は科学的であればよい。魔術などなくてよい。神などいなくてよい。全てはそれでいい。
        ならば、見ているがいい、「クロス」よ。お前が私に何をしようが――
        私は私の世界を掴んで見せる! 消え去るがいい、幻想なりし世界よ! 不思議の国よ!」

        ブラストとデルファーネスの融合体がそこに倒れていた。
        その能力は強大ではあるらしい。だが、それもまた数式が混ざり合っているだけのこと。
        訳はない。
        ならば、キャロレは数式を解くだけで良い。そうすれば、彼らは宇宙はから消え去る。

        キャロレの願いが果たされるのだ。

        そこに、「偶然」さえなければ。

        そこに、分岐点さえなければ――
        -- キャロレ 2014-02-18 (火) 22:40:50

      • 「――うん、わかったよ、神様。あたしは、あたしのしたいことをするだけ」

        「クロス」が消えていくのを感じて、アリスは呟いた。

        「サイコロがどうころがるかはわからない。でも、パパにはそれが出来てしまったの。きっと、それは触れちゃいけないところ。
        私達の世界は壊されちゃった。私も死んじゃった。それを仕方のないことだったなんて、言うことはできない、けれど。
        この世界の人たちは生きてる! 冒険でたとえ死ぬことがあったって。皆生きているもの!
        パパはそれを否定できないわ! それを否定してしまったら、良い未来だって選択できないもの!
        全てが消えてしまう! 全てが夢になってしまう!
        パパの悲しみは、あたしが受け止める! パパの悲しみは、あたしが一番知ってるの!
        だから、パパ! もうやめて! この世界の皆を滅ぼして得た幸せなんて! あたしはほしくない!
        だから、もどってよ……昔の優しいパパに戻ってよ!
        そうでないなら――あたしがパパを……!」

        「――止める!」

        黄金の午後が訪れる。黄金の午後が訪れる。
        世界が金色の光に包まれていく。キャロレと対峙する少女の“魔法”が、《黄金の数式》という「理不尽」に立ち向かう。
        あらゆるものを思うままに出来てしまう力。神様の力。それは、あってはらない。それは、魔法ではない。
        何が起こるかわからない。何が起こってもそれは、それ。神は平等なのだ。
        だが、未来へと進む可能性を求めることは出来る。キャロレはそれを否定し、アリスはそれを信じた。

        世界の物語を紡ぐ、金色の王女がそこにいた。金色の光に包まれた少女がそこにいた。

        数の魔法使いがそこにいた。哀しみと憎悪を背負った数の魔王がそこにいた。
        大いなる数の魔法を以て、世界を作り変えようとしている。世界の全てを犠牲にして。

        これはおとぎ話。数の王女と数の魔法使いが発端となったおとぎ話。
        そして、それに終止符を打てるのは、王女でも魔王でもない。
        この世界に生きるものだけだ。

        「ブラストさん、デルちゃん! まだ、まだ世界は消えていない! まだ貴方たちは終わってないっ! まだ、どちらも選択されていないんだから! すべては二つに一つなの!
        だから起き上がって! 世界の為に立ちあがって! このコインがどちらになるかは――
        まだ、わからないんだから!」

        神の領域からキャロレは去った。既に、キャロレに運命を決める力はない。否、半分だけしかない。
        確率は50%。半分と半分。その先の未来を、キャロレは見えない。
        アリスも、その先を知ることはできない。
        しかし、明日を望むことはできる。未来を求めることはできる。
        その営みこそが、世界を此処まで作り上げてきたのだから。 -- アリス 2014-02-18 (火) 23:03:26

      • ……ああ。すべて――聞こえてた。

        (キャロレが力を行使した瞬間、パキン、と腕の装飾の棘の一部が消えた だが……それだけだった)
        (計算違いではない キャロレの目には映っているだろう 「失敗」「成功」の文字が無数に)
        (だが融合体を組織する計算式は膨大な数 それらすべてを一纏めに解除するから消滅が可能なのだ だが、すべての計算式に可能性「50%」が付与されたら?)
        (――すべてを消すには天文学的なほどに小さな可能性しか無い!不可能ではないが――一度に消滅させるのはほぼ不可能だ!)

        未来は誰にも分からない。過去は過ぎ去り、もう無い。未来はまだ、来ていない。我々が生きるのは、現在のみ……
        数式卿。お前はほんの少ししか力を削られてはいない。強大な力はいまだ健在だ。世界を変えうる力を持っている。
        だが……「絶対」では無くなった。ただ、それだけだ。ほかの誰とも変わらない。皆、一緒なんだ。

        (ドン と破裂するような音とともに融合体が跳ね上がり、立ち上がってキャロレを見た)
        (姿形は変わらないが――そこには先ほどと違い明確な「意思」と「生命」を感じる 紛れも無く、ブラストと、クーファだ)

        抗えない力なんて無い。立ち向かえない未来なんて無い。
        言っただろう。意思と意思がぶつかる時、争いが起きると。たとえ一瞬だったとしても、一方的だったとしても。
        我々はお前に立ち向かう!!未来はまだ、誰も決めていない!!
        ――我々は「響友(クロス)」!交わりの先に、新たな道を作る者だッ!!

        ウオオオオオオオオオオオオオオオオオアアアァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!


        (咆哮とともに、炎を纏いながら「クロス」がキャロレに向かって走る!)
        (そのまま、キャロレに向けて拳を振りかぶる ――駄目だ!計算式ですべてを無効化に出来ない!)
        (だが冷静に考えれば、確定は出来ないだけで能力が封印されたわけではない 対抗策はあるはずだ)
        -- クロス 2014-02-18 (火) 23:34:44

      • 「――!」

        キャロレの数式が発動した。だが、目の前の融合体は消えていない。服の装飾の一部が消えたのみだ。
        これまでのキャロレならば、この複雑膨大な数式を一気に解き明かすことができただろう。だが、あの「クロス」の介入より、それができなくなったのだ。
        全てが同時に、一気に消える確率は天文学的数字ほどに小さい。これがまさに50%の呪いとでもいうべきものだった。

        「おのれ……! こういうことかッ!」

        キャロレも理解した。黄金の数式はいまだ健在だ。
        だが、世界そのもの、全てを変えてしまう、その「絶対」の力は取り払われた。神の領域から降ろされたのだ。
        強大な力を持つ、世界を構成する一つとなったのだ。

        「……いいだろう。ならば、この力を以て、我が彼岸を成すのみ。
        《黄金の数式》はいまだ健在! 貴様たちに、これが破れるか!
        私が見つけ出した世界の方程式! 降って湧いてきたような力に、負けるものか――!」

        クロスが炎を纏いながらこちらへと向かってくる。だが、クロスの数式は膨大だ。攻撃するという現象自体を止めることはできない。
        だが、それを防ぐ手立てはある。キャロレはこれまで、対象の存在そのものに干渉していた。だが、それならば、それをしなければいいのだ。

        キャロレの指先から青白い光がほとばしり、キャロレの前に巨大な鉄の壁を出現させた。それもすぐに砕かれるかもしれない。
        だがそれでよかった。わずかに時間を稼げればよかったのだ。

        「おおおおおおおおおおおっ!!!」

        キャロレの怒号が木霊して、キャロレは自ら「剣」を抜く。数式によって構成された、「世界で一番強靱な剣」が編み上げられた。
        キャロレは自らの体を数式で強化していく。自ら、戦いを挑むのだ。
        キャロレの剣が鉄の壁を裂き、その中からキャロレが現れ、クロスへと飛び立ち、剣を振るう。
        -- キャロレ 2014-02-19 (水) 03:33:10
      • 時が迫る。時が迫る。
        世界の終わりの方程式の演算が、一つの計算機と化したこのビッグベンで行われている。
        アリスは《黄金の午後》の力で、それに干渉し続けていた。
        世界を壊すという膨大な方程式を、その身一つで妨害し続けるのだ。

        「う、う、うぅぅ……!」
        クロスとキャロレの間で、アリスはアリスの戦いを続ける。
        この方程式に打ち勝ち、父の野望を防ぐのだ。
        そして、父を元の父に戻す。
        黄金の王女の願いは、ただそれだけだった。

        「パパは、こんな計算を、一人で……!」

        およそ信じれない。ビッグベンに一部計算をさせているとはいえ、普通の人間の脳髄が耐えられるようなものではない。

        「ああああああっ!!」

        黄金の光は二人の戦いを包み、クロスに力を与える。それはささやかなもの。世界を守ってほしいという少女の小さな願い。
        だが、それはこの数式の空間において、クロスを後押しする。魔法の力である。

        そして、アリスは顔をしかめながら、計算に介入し続ける。計算が終わらないように。クロスがキャロレに打ち勝つまで。
        そして、最後のときに、自分が成すべきことを思い描きながら。 -- アリス 2014-02-19 (水) 03:42:23
      • メ ギャァッ

        (炎を纏った拳が鉄の壁にめり込む 一瞬だが拳が止まった だが直ぐに分厚い鉄の壁が、氷に熱した金属を押し当てたかのように猛烈な速度で溶け、穴が開く)
        (それと同時だった!鉄の壁が真っ二つに割れたのは!)
        降って沸いてきた力なんかじゃねえっ!!!
        (クーファのような強い口調で、叫ぶ)
        我々の力は、互いの命を差し出しても良いほどに積み重ねた絆が生んだものだッ!!
        (ブラストのような凛とした声が響く)

        オオオオオオオオオアアアアアアアアアアアアッ!!!

        (ガン、と異形なる左腕でその剣を受け止める――ぎり、とクロスが歯を食い縛った 何て力だ!融合体となり並の召喚士では歯が立たないほどの力を得たのに!)
        (それでもこの力は拮抗している!互いの競り合いが偏らず、ぎりぎりと止まっている)
        ぐっ……くっ!!……!!
        (ちら、とアリスを見る 力が流れ込んでるのが分かる……だが、アリスの心に、テレパシーのようなものを送る――「そっちに集中しろ、お前の親父は我々が何とかする!」
        (これで、アリスからの援護は無くなる、だが、その状態でもにや、と笑ってみせる)
        ……ぐ……ヘヘッ。いいじゃあないか。お前は今やっと分岐点の前に立てたんだ。我々と同じ場所にな……
        なあ。必死な顔してるじゃないか、キャロレ。お前、今迄で一番……人間、らしい……ぜッ!!
        確かなものなんて無くても……戦えるんじゃないか……なあ!!!
        我々とお前、どっちが強いか……それとも我々とお前の相打ちで、アリスが破壊の運命を曲げるか……?護るのか、壊すのか!!
        勝負しようぜ、キャロレ……――はあぁッ!!

        (剣を受け止めていた左腕を、裏から右拳で殴りつけ――更に勢いを増して押し返す!)
        -- クロス 2014-02-20 (木) 00:49:43

      • 「黙れッ!」
        異形の左腕が剣の一撃を受け止める。強烈な衝撃がクロスへと走る。
        「黙れッ! 「絆」の力だと、そんなものを認めてなるものか! そんな力などがあっても、世界は変わらぬ。正義感があろうと愛があろうと……抗えぬ理不尽が存在し続けるならば、そのようなものは無意味だ!
        私達の世界にもお前たちのいうようなことを言う者たちはいた。だが、滅んだ! 何の意味もなさなかったのだ! それなのに……!」

        ぎり、とキャロレが唇を噛む。
        「今の貴様らに、その「絆」の力とやらで、世界を救われて、なるものかぁぁぁっ!!}
        怒号が飛ぶ。哀しみ、憎しみという人間的感情の発露。キャロレの研究していたことも、人類が築き上げてきた英知も、彼の災厄の前には何の意味もなさなかった。
        だがキャロレは、それを自らの“科学”で克服しようとしている。数式を用い、全てを計算し、もう二度とあのような事が起こらない世界へ。この世界の全てを滅して、世界の理をも塗り替えて。ゆらぎない世界を作ろうとしているのだ。

        「く、うぅっっ!!」
        クロスの左腕にかかる力が増し、剣が押し返される。
        絆という力は数式で表すことができない。かたちなきもの。実態のないもの。
        それをキャロレは認めるわけにはいかない。それがひとに力を与えて、この数式さえも、押し返してしまうようなことなど。
        「勝負だと……無駄だ。貴様らの終わりは確定している……確定させてやる! ならば、来い。全力で私を滅ぼすつもりで来い!
        私が味わった悲しみの全て、貴様らが背負い、世界を変えてゆけると言うのならば!」
        クロスの前から一瞬にしてキャロレの姿が消える。空間を跳躍したのだ。
        キャロレの姿はクロスの後ろにあった。
        「この世界はチェスの盤上ではない。神の摂理によって動かされる世界は私が破壊する。古き世界の存在の貴様たちを、この手で滅ぼして!」

        「鏡の国よ!」

        刹那、数式の世界が煌めき、大勢のキャロレが姿を現した。それはまるで鏡に覆われた部屋のようであった。
        「お前は一つ、私は全て。絶望に嘆き悲しみながら……滅べ!」
        大勢のキャロレが一斉にしてクロスへと剣を突き立てんと襲ってくる。
        それらは鏡に映る像。実際にクロスに傷を与えられるものではない。
        だが、本物のキャロレもその中にいる。虚像に紛れてクロスを殺さんと迫ってくる。
        一人一人躱して相手をするか。もしくは、全てを一気に払えるほどの力があれば、それらは消えていくだろう。
        今のキャロレに絶対はない。世界方程式を解くためにも力を使っている。この鏡の数式の空間も、破壊することは可能だ。
        -- キャロレ 2014-02-20 (木) 22:06:59
      • 「――わかったわ。クロス……パパを、止めて」
        テレパシーめいたものにアリスは一人頷く。クロスへ注いでいた力を自らに戻す。
        「だからあたしも、全力で戦う! パパの数式を解けるのは――あたしだけ!」
        数式の世界へとアリスは身を投じる。複雑に入り組んだ数式のワンダーランドへと意識を飛びこませ、世界を解こうとしている不遜な方程式に挑む。
        狙うは世界を破壊する方程式を破壊する方程式! 世界を壊す方程式があるなら、その逆の方程式も存在するのだ。
        アリスはそれを見つけて、キャロレの式にそれを代入してしまえば、全ては帰結する。
        そのためには、クロスがキャロレを止めなければならない。キャロレが演算を止めるその一瞬を、アリスが突くのだ。 -- アリス 2014-02-20 (木) 22:12:46
      • 理不尽があるから――絆が必要なんだッ!!
        (キャロレの剣を弾いて、吼える)
        お前だけの世界が理不尽だらけだなんて思うなよ……この世界だって理不尽だらけだ。今のお前も、我々と皆にとっちゃ理不尽の塊だ!
        それこそ、神様すらヤバいって思うくらいにな!!
        だから!だからこそ!!
        たとえ理不尽に立ち向かうための強さが必要だろ!それが絆であれ愛であれなんであれ……たとえ滅びても、心だけは負けちゃならないんだよ!
        絆が意味を成さなかった?……絆があったからこそ、それが強かったからこそ今お前はそんなにも強い憎しみで、その力を手にしたじゃねえか。
        何でお前は生き残った?どうしてこの世界に飛ばされた?どうして黄金の数式を手に入れることができた?……どうして、「世界を復活させる力」を得た!?

        ――その力はお前の世界でお前たちのために使え!!せっかく手に入れた力で復讐なんかしてるから、邪魔ばっかされてるんじゃねえか!!馬鹿野郎が!!

        (碧炎の中から、炎を両手に纏わせて、構える)
        ああ、そうしなきゃならないんだ、そうさせてもらう!だが、そんな悲しみ全部背負い込めるか!
        我々は我々だ!!我々の世界を守るので精一杯だ!!お前のものはお前一人で、元の世界に突っ返せ!

        うっ!?
        (消えた、そう思ったら一瞬で大勢のキャロレに囲まれる)
        チッ……いいや、お前も1つだ!いい気になるなよ、頑固親父!
        (角から走る碧色の光が走る センサーのようなものだ――そう 言葉通り、キャロレは一人しかいない!実体はひとつしか感じない……だが、どれが本物だ?)
        (もっと神経を集中させろ!)
        (更に碧光が走る 歯を食い縛り、全神経を気配探知に集中させる 近づいてくる もう全ての剣がこちらに向かってきている 距離が近づく!)
        (あと50cmほどの距離!まだか?どれだ?分かった瞬間に――叩き込む!)
        (40cm!)
        (30cm!)
        (20!15!10!)
        (9……)

        そこだァァーーーッ!!

        (右斜め後ろ60度の位置の剣先!そこに「殺意」を感じ取った!一点集中の殺意を!)
        (だが振り返って盾となる左腕で受け止める余裕はない ならばどうするか?考える暇は無かったが――思考ではなく、いにしえの竜の本能がそうさせた!)

        ッシャァアァァァァァアアーーーーーーーーーーーッ!!!

        (振り返りざまにあえて右腕で受けた!切っ先が深々と腕に突き刺さるが、激痛をこらえてそれでも回転する!そのままだと心臓を貫くであろう剣の力の方向を変えるためだ!)
        (それと同時に――左の炎の拳をその勢いで、キャロレに振り放つ!)
        -- 2014-02-20 (木) 23:48:02
      • 「言ったはずだ。貴様たちに私の受けた絶望など、理解できるはずもない! 我々は交わることはない、永遠に!
        黙れ、黙れ黙れっ! 私の行動の原理は! 貴様たちの世界への復讐! 我々を滅ぼした幻想なりし者どもの根絶! ――それだけだ! その憎しみの果てに、私は黄金の数式を手に入れた!
        無論、この力は私の世界の為に使う……だが、それは貴様たちを滅ぼしてからだ。貴様たちのような存在が生きている限り、同じことは起きる! 貴様たちのような力はあってはならないのだ! 貴様たちがのうのうと、生きていることなど……許せるものかあああっ!!」

        大勢のキャロレが一斉に襲い掛かる! それらは幻想、幻影、本物のキャロレを隠すもの。
        真のキャロレが迫る。その剣にて、クロスの心の臓腑を貫くために。
        クロスの神経が研ぎ澄まされていく、真実のキャロレを見極めるために。
        そして――

        「ぐ、う、ぅぅぅぅああああああっ!!!」
        凄まじい殺意が仇となった。キャロレの存在は直前、クロスに気づかれ、キャロレの剣は狙いをそれてクロスの腕に突き刺さる。
        直後、キャロレのうめき声が木霊する。黄金の数式を手にして以来、まともに受けたダメージはこれが初めてかもしれない。
        炎の拳がキャロレを撃つ。炎がキャロレを貫く。血こそ出ないものの、そのダメージは大きい。キャロレの体は吹き飛ばされる。
        すぐに重力などを調節し、立ちあがるも、自分の体の修復にすべての数式を回すわけにもいかない。目の前の相手の力は自分と互角。たとえ自分の勝利を確信していても、気を抜くことなどできない。
        剣はクロスに刺さったままだ。キャロレは再び虚空から剣を取り出す。怒号と共に、それを抜こうとする。再び切りかかるつもりなのだ。
        キャロレの顔には苦痛の色が見える。汗も流れている。魔人ではある。絶大な力もある。だが、無敵ではないのだ。キャロレが神ではないのと同じように。
        世界の崩壊と新生の方程式は、キャロレが人の肉体を捨てたからこそ、その脳髄で耐えきれることができる。その分、負荷はかなりのもののようだ。
        -- キャロレ 2014-02-21 (金) 01:09:13
      • (――来た 「声」に呼ばれて、「最後の数式」が!)

        そうか。……お前が……そうなのか。
        お前が、キャロレの憎しみの姿の全てか。

        ……なんて……悲しい顔をしているんだ。

        (破壊だけに特化した、邪神……それを、何だか形容しがたい感情で、クロスは見た)
        (顔は見えないほど遠く、高く それは言い換えれば、誰にも見せられないほどの、キャロレの表情そのものだと感じた)
        (――ここが、分岐点――)
        (コインの裏表が決まる瞬間……「神の領域」である「クロス」の光臨する気配は、今、感じない)
        (つまり、これは神の領域の範囲 分岐点はある 滅ぼされるだけの未来じゃない!)
        (立ち向かうしかない!)
        (予想を上回る強大な邪神に恐怖や驚きが無いわけではない どうすればいい?という思いが激流のように体中を駆け巡る)
        (だが、それでも立ち向かうしかない!)
        (きっと「一人」だったら絶望してたかもしれない)

      • 「――――――――!!」


        ぱりん、と。


        ガラスが割れるように。楔が解き放たれるように。
        剣先にクロスの指が触れ、「悲しみの数式」に「愛情の数式」が代入されたとき。
        偽りの神は、嘆きの神は、音を立てて、ひび割れ、消え去っていく。
        キャロレの哀しみによって築きあげられてきた、破壊の力が、失われていく。

        「あ、あ……」

        キャロレの哀しみの、最後の数式は消えていく。流星も、化け物たちも、白き巨大なる騎士も、夢幻のように、消えていく。

        「アリ、ス――」

        キャロレの頭の中を、数多の記憶が駆け抜けていく。

        まだ若き頃、研究者として駆け出しの頃、恋をして、妻を得た。
        初めての子供が生まれた――一の姫様と、彼は神に感謝した。
        二人目の子供が生まれた――二の姫様と、彼は慈しんだ。
        三人目の子供が生まれた――三の姫様と、彼は愛おしんだ。
        幸せだった日々。彼は科学者であったが、幻想の世界を愛した。数式の中で行きながら、あらゆる幻想を愛した。
        家の小さな庭で、娘たちにおとぎ話を語った。
        「お話を聞かせて!」 小さな姫達は彼に話をせがんだ。
        おとぎ話。童話。昔話。キャロレは知る限りのそれを、娘たちに語った。時には、自ら作ったお話も交えて。
        妻も、娘たちも、そのお話を聞いて喜んだ。一つの話が終わっても、娘たちはお話をねだった。
        『不思議の国のアリス』、『鏡の国のアリス』、彼女たちはそれを特に好んだ。
        次女のアリスは、この物語の主人公が名前の由来だ。故に、父にいつもこの話をねだるのだった。
        黄金の昼下がりに、キャロレは語るのだ。お話を、おとぎ話を、魔法の話を。

        今はもう帰らぬ、黄金の午後の日々に――

        全ては壊されても。
        全ては闇に消えても。
        キャロレの中には在りつづけたのだ。家族への愛が。
        彼を突き動かしていたのは、本当に突き動かしていたのは、魔術や召喚術への怒りではない。科学への信仰のためでもない。
        哀しみだった。愛する全てを、一瞬にして奪われた哀しみだった。
        その現実に、彼は耐えきれなかった。神を呪っても、どうにもならなかった。
        故に、キャロレはこの世界へと飛ばされても、研究を続けた。そして手にしたのだ。《黄金の数式》を。
        全ては悲しみの為に。彼を見舞った理不尽のために。

        あの日々を取り戻したい一心で、キャロレはここまで来たのだった。

        キャロレはどさり、と地面に膝を突き、呆然としていた。
        目からはとめどなく涙があふれている。
        彼の愛した者の声が頭の中で響き続ける。アリスはもちろん、妻や、アリスの姉と妹の声も、響き続ける。
        キャロレの哀しみを、包み込むようにして。

        「何故、こうなってしまった……私はただ、ただ……アリスを、家族を……」

        「取り戻したかっただけなのに……」

        数式空間が大きく揺らぎ始める。キャロレが、世界崩壊の方程式の演算を止めたのだ。
        ビッグベンの針は止まり、この異空間がひび割れを始める。
        世界の境界が、閉じようとしているのだ。

        「アリスを、傷つけるつもりなど、何一つなかったのに、私は――」

        涙をあふれさせるキャロレの目、その色は――アリスと同じ、青だった。
        赫き瞳の魔人はもういないのだ。

        そして、そのキャロレの胸へと、飛び込んでくる影があった――
        -- キャロレ 2014-02-23 (日) 06:42:29

      • ――パパァッ!!

        彼の胸元に飛び込んできたのは、アリスだった。
        キャロレが世界方程式を閉じると同時に、そこに介入し、アリスはそれらすべてを、消し去った。
        もう世界は滅びることもなく、この世界を犠牲にして、キャロレの望んだ世界が新生することもない。
        キャロレの計画の全ては、終わったのだ。

        「パパ、パパ、パパァッ……!」
        アリスは泣きじゃくりながら、父の胸に飛び込み、父に抱きついて泣きじゃくった。過酷な運命に立ち向かい、父を取り戻すために戦い続けた少女は、今、キャロレの娘と戻った。
        父親の真実を知ったとき。父親と戦うと決めたとき、どれほどの哀しみが、不安が、少女にあっただろう。
        それを押し堪えて、ここまで来たのだ。もう、耐えきれなかった。

        「もう、もういいの、もういいの、パパ……! もうこんなことする必要なんて、ないの……! あたしが、パパの数式で蘇ったアリスでも、あたしはここにいるもの!」
        キャロレの青い瞳を見つめながら、少女は叫ぶ。
        「だから、もう、もう……そんな悲しい顔を、しないで。あたしが全部受け止めるから。パパの全部、受け止めるから」
        自らの死の記憶を取り戻しても。父が狂う様を見ても。アリスは立ち止まらなかった。
        この不思議の国を駆け抜け、遂に父のところまでたどり着いた。そして、あの優しい父を取り戻したのだ。
        涙は止まらない。涙は止まらない。
        「もう、どこにもいかないで。あたしの傍にいて。パパ、パパ、大好きな、パパ……!」
        ぎゅっとキャロレを抱きしめて、アリスは言う。崩壊していく数式の世界の中で。
        もう二度と話さぬように。再び与えられたこの命の意味を、しっかりと果たすために。
        アリスの姿は、黄金の王女から、いつものアリスへと戻っていた。
        キャロレの全ては、数式卿としての彼の全ては、ここに終わった。
        勇気ある二人、ブラストとデルファーネスの力によって。
        キャロレの悲しみの数式は、砕かれたのだった――

        そのときである。キャロレとアリスの周りを、青白い光が包み込み始めた。何かの奔流のように。
        それは数、数の奔流が、二人を包み始めていた。 -- アリス 2014-02-23 (日) 06:56:42

      • ……キャロレ……アリス……

        (涙を流しながら、抱き合う二人)
        (やっと……最後の数式が解けたのだ)
        (それを見ながら、クロスは静かに立っていた)
        (言葉を挟む余地もなければ、必要も無い)
        (二人はやっと親子に戻れた)
        (そして、戦いが――終わった)

        ………………

        (嬉しいよ)
        (そう、心の中でつぶやいた)
        (正直、キャロレのことは滅ぼさなければならないと思っていた 少なくとも、無事には済まないと どちらかが死ななければ、終わらないと思っていた)
        (だが――分岐点は、神の領域は……「この世界を救う」の先に、もう1つ 「キャロレを救う」分岐点があったのだ)
        (クロスにとって辛い作戦だった)
        (キャロレの心の傷を抉ることで活路を見出す戦いは、本当に、辛かった)
        (だがそのおかげで、もっと辛い結果への分岐点が切り替わったのだ)

        (――コインは常に弾かれ続ける)
        (道が決まったすぐ先に、分岐点があり)
        (分岐点を目指すとき、分岐点が先に待ち受ける)
        (無限の道の先――誰も知りえない、神の領域 きっと……全員がそこに立ち向かった意味はあった)
        (二人が抱き合い、お互いの愛情をやっと分かち合える)
        (そんな未来は、予想なんてしてなかったから)
        (きっとどんな計算式を使っても――この未来は、見えなかっただろう)

        ……あ……

        (喜びをじん、と噛み締めながら見上げれば、数式の世界が崩れゆく)
        (ずっとここにいては危険か?神聖な時間だが、ここで終わりにさせるわけには行かない)
        (彼らの分岐点はここで終わらせてはならない――そう思い、口を開く)

        すまない、アリス、キャロレ……一旦、外に……
        ……!?
        ――光……?

        (二人を包む光に気づき、思わず駆け寄ろうとする、が)

        ……うぐっ……!!

        (がくん、と膝を付く そう、クロスもまた全力を注ぎ込んで戦ったのだ その疲労が、一気に来た)
        (足に力が入らない まずい――二人を護らなければ なんとかしなくては)

        あ……アリス!キャロレ!何が……これは、数式……か?
        キャロレ、お前が何かしているのか?それとも、アリスか?一体……何が起きている!?
        -- クロス 2014-02-23 (日) 09:48:51

      • 数式の奔流はキャロレへと向かっているようであった。
        世界を破壊し新生するという膨大な数式が、キャロレへと流れ込む。代替計算を行っていたビッグ・ベンは止まった。もうこの空間も維持はできない。

        「……終わりだよ。ブラスト君。デルファーネス君」

        ひしと娘を抱きしめながら、クロスを見て言う。
        その瞳には優しげな光が帯びていた。本来のキャロレその人の光が。

        「世界方程式は中途で終わった。その膨大にして複雑な計算は、ビッグ・ベンに代替させていたとはいえ、私が行ったものだ」
        キャロレが苦痛に顔をしかめる。見ると、アリスの体が、何やら薄れはじめていた。
        「その反動の全ては、私へと返ってくる……君達の世界と、私達の世界は離れ、二つはまた別々の世界となる」
        音を立てて数式の世界が崩れる。世界の境界が閉じはじめる。
        「……私の脳髄は、存在は、それには耐えられないだろう。今、私がこうして喋っているのは、奇蹟と言っていい」
        薄れていくアリスを強く抱きしめながら、キャロレは言葉を続ける。
        「私の罪は大きい。とても償い切れるものではない。その罰を、私は受けなければならない。それが、今来ようとしている」
        キャロレは穏やかな笑みを浮かべ、静かに目を閉じる。
        「……だが、私は救われた。この瞬間、この時、私は救われているのだ。アリスと親子に戻ることが出来た。君達には……感謝している。
        この世界は救われ、私も救われた。もう、十分だ。この分岐点が選択されたことを、神に感謝しよう」

        キャロレはそして、悲しげな表情を浮かべる。
        「アリスは、数式存在だ。私がアリスという数式を演算し続けている故に、存在する。既にアリスは単なる数式存在を越えてはいるが……私が消滅すれば、アリスもまた、消えてしまう」
        また、キャロレは静かに涙を流していく。
        「だが、それは許さない。もう一度この世に蘇ったアリスを……私は消させはしない。私は、もう二度と、アリスを悲しませぬと誓ったのだ」
        キャロレはアリスの顔を撫でると、静かに立ち上がり、アリスとクロスから離れていく。
        「世界方程式の反動は、世界が滅ぶことは無いにせよ、この世界に災厄をもたらすだろう……そして、アリスも消滅してしまう。……そんな未来は、私は選択させない。これ以上、罪を重ねるわけにはいかない」
        決意の表情をキャロレは見せる。長く長く続く数式に、その脳髄を焼かれながら。
        「――だから、私はこうしよう。君達の言うとおり、私の力を、数式を、私の世界のために……この世界の為に……」

        「そして、我が最愛の娘の為に使おう」

        「……アリス、すまない。私はもう、こうするほかない」

        「生まれ変わった私達の世界で、幸せに、暮らしておくれ――」

        キャロレは世界の歪みの頂点へとたった。ビッグベンの中心へと立った。
        そこで、計算を始める。全てに終止符を打つ計算を始める。
        今度こそ、最後の数式。

        「黄金の数式に黄金の数式を代入する。黄金の数式という世界の理を代償として、私の世界を新たに作り上げる」

        「世界方程式もまた、黄金の数式の中に内包されている。全ては、黄金の数式と共に消えるのだ」

        「――アリス、新しい世界で、ロンドンで、皆と、仲良くくらすのだよ」

        「たとえ、そこに私が存在しなくても――」

        キャロレが計算を始める。始めてしまう。
        世界が黄金色に包まれ、アリスもまた、黄金色の光に包まれていく。

        「約束を果たそう。アリス、君に、魔法を見せてあげよう。私は、魔法使いなのだから……
        -- キャロレ 2014-02-23 (日) 19:59:53

      • 「……パパ、一緒に生きよう? もう、もう何も悲しむことなんて……、あ、れ……?」

        二人を数式の光が包み始めたとき、アリスの体が薄れ始めていった。
        存在が消えていくような、夢幻と消えていくような、そのような光景だった。

        「パパ、これは……!」
        涙を噴きながら、アリスは父に尋ねる。そして、父は口を開く。

        キャロレは、アリスを消さないために、二つの世界を守るために、自らと、自ら発見した黄金の数式を代償とするのだ。
        黄金の数式により、キャロレの元いた世界を復活させる。あの召喚師たちが舞い降りることのない、未来を作り上げる。
        ブラストたちに教えられた、愛と、絆の力によって。
        二つの世界は離れ、アリスは元の世界にもどり、アリス・キャロレとして生きることとなる。
        ブラスト達の世界から、廃都ロンドンは消え去り、界境街に戻るのだ。
        キャロレは己を演算のための装置へと変え、この世界の新生の方程式を紡いでいく。
        全てが終わった時には、彼は消滅する。
        天国にも地獄にも、いかない。ただ、消え去るのだ。
        新しいロンドンを見ることなく。

        「待って! 待ってパパ! そんなの、そんなの嫌っ!」

        離れていくキャロレにすがりつくようにして、アリスは駄々っ子のように首を何度も横に振る。
        「折角、折角また優しいパパに戻ったのに……! パパのいない世界なんて……!」
        泣きじゃくりながら、やめてとアリスは叫ぶ。だが、キャロレは穏やかに微笑むだけであった。

        アリスの体が光に包まれていく。消えかけていた体が、再び紡がれていく。

        「待って、パパ、なら、あたしも、あたしも一緒に! 二人なら、きっと、変わることだって……!」
        しかし、キャロレは静かに首を横に振り、アリスから離れていく。

        「パパ、待って、お願い!待って――!!」

        アリスの手は届かない。キャロレが計算を始める。数式の世界の揺らぎが止まり、空の中に、廃都ロンドンの遺跡がつぎつぎに吸い込まれていく。
        ビッグ・ベンが崩壊し始める。アリスもまた、空の穴へと、色を取り戻していくロンドンへと近づいていく。
        クロス達も、徐々にだが、界境街へと引き寄せられ始めている。二つの世界が、分離するのだ。
        キャロレだけは、世界の歪みの、境界線の真ん中にたったまま、動かない。 -- アリス 2014-02-23 (日) 20:17:24

      • 「いい。いいのだ、クロス――私は、それでいい。それで、満足だ」

        「私は罪を犯した――数多の殺戮、破壊、私は結局、彼のもの達と同じになってしまった。ならば、せめてこうするのみだ。私の存在は消えても構わない。アリスが、家族が、幸せに暮らせるならば……」

        クロス達に背を向け、キャロレは計算を続ける。そのあまりの膨大な計算は、キャロレの体を苛んでいく。
        キャロレはそれを受けた。泣き言も言わずに、恨み言も言わずに。それが、自らの定めだと信じて。

        娘と共に平和に暮らしていく資格はない。
        この世界でキャロレが殺した人間の中にも、誰かの父がいただろう、誰かの娘がいただろう。
        その可能性を奪ってしまった。
        自分はもう十分に救われた。
        それ以上望むことはない。
        全て自分一人で背負い、何もかも一人で抑え込む。それがキャロレの最後の責任だと、そう思っていた。
        本当ならば、蘇った家族たちと、もう一度暮らしたい。それがキャロレの、何よりの願いだった。
        それも、もう二度と叶わない。
        キャロレの存在そのものが、宇宙から、消えてしまうのだから――

        そのとき、声が響いた。


        「お前、一人に、全て背負い込まさせるものかァァァァァァーーーーーッ!!!」


        それは、声。世界を守った声。
        凄まじい力でそれは跳躍して、キャロレの腕を掴んだ。

        「――何っ!?」

        キャロレの驚愕の声が響き渡った。
        「馬鹿な、何をしている! 離したまえ……!」
        ブラストの声が響く。その声には苦痛が混じっている。世界を引き離すほどの力に対抗しているのだ。
        「何故だ、何故君がそんなことをする!? もう十二分に戦った! 君は世界を守ったのだ。もう、後は私の責任だ!」
        キャロレは離せと叫ぶ。だが、クロスは、ブラストは、そうしない。キャロレの腕にしがみつく。
        「く、ぅっ、そうだ。私の魂は、それに耐えきれまい! だが、それこそが罰だ! 私の犯した罪、それをせめて償うには、それしかない……わかってくれ! 君の理想に、私は加われない!」
        キャロレの声が響く。ブラストの苦痛の声が響く。キャロレは言う。それこそが罰だと。だがブラストは否定する。
        罪と罰、その因果からは逃れられない。だが、あまりに理不尽に、あまりに悲しい運命を背負った男の魂を、魂だけは。
        滅ぼすまいと、叫ぶのだ。

        「――何をする気だ!? 馬鹿な……響命召喚術だと!? そんなことをすれば、君も……!!」

        ブラストの絶叫、咆哮とともに、クロスの体が碧の光を放ち始める。
        これは、キャロレが一度は目にしたもの。響命召喚術だ。奇跡の業だ。
        ブラストは、クロスは、キャロレにそれを使ったのだ。キャロレとクロスの腕が融合する!

        「く、うぅぅっ!! やめろ! これに、これに付きあうことはない! やめるん、だっ!!」
        キャロレが背負い込んだ業。あまりに膨大な数式がクロスの脳髄にも流れ込んでくる。

        「何故だ……! 何故そこまでする! もう、もう君達には、関係のないことだと、言うのにッ!!」

        キャロレは涙する。何故、そこまで出来るのか。後はキャロレを見送れば、それで全てが終わったというのに。
        キャロレの犠牲とともに。

        膨大な計算が分散されていく。その演算が分散されていく。
        キャロレの肉体を滅ぼそうとする力が、クロスへと別れていく!
        -- キャロレ 2014-02-24 (月) 02:35:30

      • 「ブラストさん、デルちゃん……クロ、スッ!」

        自ら滅びようとするキャロレにクロスが取りついた。
        このような、悲劇の結末を、認めない為に。
        キャロレの存在が宇宙から消え去ることを、阻止する為に。
        味方でもない、家族でもない、敵だった男の為に、クロスが自ら命を賭して、救おうとしているのだ。
        少女は、腕に力を込めた。父が、友が戦っている。
        例えこの身が数式存在であって、人間ではなくとも。
        その魂はアリス・キャロレだ。ラトウィッジ・キャロレの娘だ。
        父だけに、すべてを背負い込ませるわけにはいかない。父だけに、その悲しみを与えてはならない。
        アリスは大きく息を吸い――飛んだ。

        「パパァッ!!」

        融合するクロスとキャロレに向かって、アリスは飛んだ。自らを、元の世界へと戻そうとする力を振り切って。

        「パパの馬鹿っ!! そんなの、そんなのあたし、望んでない! あたしは、パパが永遠に消えちゃうなんて望んでない!
        あたしが、あたしがいるじゃない。パパにはあたしがいるもん! パパの悲しみはあたしが知ってる、パパの痛みは、あたしが知ってる! パパはもう、一人じゃないの!
        だから、だから――あたし、だってぇえぇぇっ!!」


        幼い少女の叫びが木霊し、クロスとキャロレにアリスは触れる。自らの中に、まだ残る黄金の数式の一つを使って、二人の苦痛を、アリスも受ける!

        「く、ぅ、うぅぅぅうっっ!!」
        酷い苦痛だ。泣いてしまいそうなほどに。体が引き裂かれてしまうほどに。キャロレは、このような演算を続けながら、これまでアリスを生かし続けるために、アリスの数式を演算し続けていたのだ。
        その父を、黙って、一人で行かせるわけにはいかない。
        たとえ父の体が今、消え去っても。いつか元の世界で巡り合うために。
        ラトウィッジ・キャロレという男が、父が、存在していたという事実を、消させるわけにはいかないのだ!

        計算を解き続ける。キャロレへの負担を軽減させるために。キャロレの魂が壊れてしまわないように。

        「神様、神様ッ!! パパの、パパの魂を、あたしのパパがいたということを、消さないで――――!!」

        少女の声が、数式空間に響く。キャロレの、クロスを止める声、アリスを止める声も、かき消すようにして。

        ――世界が白光に包まれていく―― -- アリス 2014-02-24 (月) 02:47:47

      • 理由……など……!分かるものか……
        ……一人ぼっちで、戦う者がいる。日々の悩みのように些細なことから……世界を救おうとする者まで……たった一人でやろうとする勇者がいる!
        それ……を……私は見過ごせない……ずっと、そうだった……物心付いたときから……ずっと!理由など……思い出せるわけも無い!

        (激痛が身体を走る 全身にひびがぴきぴきと入る)
        (ぱりん、と顔を覆うような部分が割れ、クーファともブラストとも付かない素顔が露になる その表情は苦悶に満ちつつも、強い意志を目に秘めていた)
        (痛みを意になど介していられない ほんの少しでも ほんの少しでも 魂のひとかけらを遺す為に!)
        (少しでもこの「責務」を分かつ!)

        うううおおおおおおおっ!!!ぐ、ぐううう!!

        (だが、膨大すぎる――数式の魔人キャロレがその全力を使っても魂ごと滅ぼすような数式処理)
        (二人――いや、三人で分担しても、まだ、わずかに足りない)
        (このままでは……互いに崩壊するか?いや、それならまだいい 自分達と彼の魂は残るだろう)
        (それよりもこの響命召喚術が拒否反応を起こしている 当然だ、本来これは響友とのみ力を発揮するもの)
        (互いの自己犠牲と、それでも何かを護りたいという意志が一致したからこそできた荒業――いや、裏技というべきものに近い)
        (融合が……離れそうなのだ)

        頼……む……もう少し……で……計算が……

        (感じ取る 繋いだ腕の組織が、分離していくのを 待て 待ってくれと 声にならない叫びを上げる)
        (もう、ダメなのか…… そう思った瞬間!)
        (自分の外に苦痛が流れ出る感覚が キャロレに戻っていく?違う、キャロレのほうではない これは――)

        ――アリス!!
        やめろ、そんな無茶を………ッ………いや……

        (苦痛の中で、苦笑するような笑みを見せる そうか、我々だけでは足りない アリスもまた、因果から生まれてるのだから)
        (因果は廻って来る 悪因も……善因も 分岐点は、アリスだった キャロレの愛情から生まれた、因果)

        ……フ、フフ……当たり前……か……貴方と血も繋がらない、世界も違う他人が貴方をこんなにも助けたいと思うのに……
        愛する娘が……愛する父を放っておけるわけがない……か……

        (苦痛が分散し、融合がかろうじて保てた 最後だ 正念場だ)
        (数式がもうすぐ終わる キャロレの身体は真っ先に崩壊するだろうが――それでも)
        (これで、きっと)

        また……廻り、逢える……

        (――光の中 計算が終わった瞬間に ぱきん と クロスの繋がった腕が根元から折れ 身体から離れる――)
        -- クロス 2014-02-24 (月) 18:20:27

      • キャロレと、クロスと、アリスの力によって。
        キャロレとクロスの、今にも途切れようとしていた響命召喚術が、再びつなぎとめられた。かろうじて、つなぎとめられた。
        父を思うアリスの思いが、力を与えたのだ。

        「……ありがとう。アリス、ブラスト君、デルファーネス君……」

        「これで、私は……私は……」

        「また、アリスと、家族と、廻り遭える――」

        数式の奔流、光の中、世界を滅ぼし再生する途方もない計算が、今。

        終わった。

        ぱきん、クロスのつながった腕が根元から折れていく。全ての計算が終わり、キャロレとの融合も解けたのだ。
        世界を光が満たしていく。破壊は終わった。新生が始まる。
        黄金の数式という世界の理は消え去る。もう、他の誰かが黄金の数式を見つけることはない。
        それは、おとぎ話の力。神の力。人がきっと、扱ってはならなかったもの。
        それが今、キャロレの世界を新たに物語る。
        物語る黄金の数式が――

        「――ありがとう。君たちのおかげで、私は救われた。……私は、私はようやく、これで……」

        紐がほどけていくように、キャロレの体が足元から消え去っていく。数式の反動が、やってきたのだ。
        だが、魂は壊れない。キャロレの魂は宇宙の虚空には消えず、彼の世界に還るのだ。

        「……君達がいれば、私たちの世界に、再び君達の世界が繋がったときも……きっと、うまくやってくれると、信じられる」

        「もう二度と、私達のような、悲劇を繰り返してはならない……」

        「ありがとう。さようなら。強き者たちよ。その声が、意志が、世界を、紡いでいってくれるだろう――」

        キャロレの体が消えていく。失われていく。かろうじて残った手で、幼い娘の手を取る。

        「私の罪が全て、償われたわけではない。それでも、そうであっても」

        「帰ろう、アリス。私たちの世界へ。ロンドンへ。たとえこの身が消え去ろうとも」

        「また、会える」


        「これが最後の、魔法だ」


        キャロレの声とともに、光が増していく。キャロレの体が、キャロレ達の世界、ロンドンへと引き寄せられていく。
        -- キャロレ 2014-02-24 (月) 19:10:49

      • 「……ブラストさん、デルちゃん、本当に、ありがとう」

        笑顔で涙を零しながら、父親に手を取られた少女が言う。
        髪を光の奔流の中で靡かせながら、クロスを振り返る。元の世界へと引き戻されていくクロスを。

        「私はロステ、迷子のロステ。でももう迷子じゃなくなった。私はアリス、アリス・キャロレ」

        「“どこか”はここだったの。あたしの不思議の国のお話は……」

        「これで、おしまい」

        「元気、でね、クロ、ス……きっと、きっとまた」

        「会えるから」

        「ありがとう。さようなら」

        「みんな、大好き」

        「忘れないから、覚えているから。この不思議の国であったこと、皆が生きてたこと、全部!」

        「ブラストさんなら、きっと、きっと、この街を、世界を、変えていけるから……!」

        「そのときまで――」


        「またね!」


        少女の声が響くと同時に、キャロレの体が光となって消え去った。
        アリスはそれを見届けると、静かに目を閉じた。
        虚空に開いた穴からは、色を取り戻していくロンドンが見える。かつての姿に戻っていくロンドンが見える。
        数式空間が完全に崩壊する。界境街が光を取り戻していく。
        アリスが上っていく。不思議の国から去っていく。
        アリスは、ロンドンへと、消えていった。


        幼き日の、アリス・キャロレの物語は。

        ここで、おしまい。

        黄金の日々よ、さようなら。

        黄金に輝く世界よ、さようなら。

        いつか、また出会うときまで。

        さようなら―― -- アリス 2014-02-24 (月) 19:23:07
    • 黄金の輝きを持つ少女は全てを見届けた。
      ブラストの言葉、デルファーネスの言葉、そして父の言葉。
      父の宣言とともに、かつて自分が暮らしたロンドン……荒廃したロンドンが、世界に召喚されていく。
      黄金に輝く少女は、それを見つめる。奪われた世界、奪った世界。それが今、同時に出現している。
      静かに目を閉じ、決意を固める。覚悟を決める。父を止めなければならない。
      父の哀しみを、共有する者として。幼いアリスは、立ち向かう。父が絶望した現実に。
      yたとえこの体が数式でも。
      たとえ真に、アリス・キャロレと言えない存在であっても。
      父は、自分の事をアリス・キャロレと言ってくれた。ならば。
      「――行こう、ブラストさん、デルちゃん、あたし、わかったの」
      ロステは見上げる。かつて見上げた姿とは大きく変わってしまった時計塔を。
      巨大な塔、世界の果て、うさぎの穴、世界の歪みの中心。

      「“どこか”が、わかったの」

      アリスが探し求めていたもの。“どこか”に行かねばならないという強い思い。その正体が、わかったのだ。
      自分の思いはこの時にあった。この世に蘇った時、父の狂気に沈む姿を見たときから。
      既に決まっていたのだ。自分の思いは。

      「あたしが目指す“どこか”は――あそこ。パパのいる時計塔。ビッグ・ベン」

      「あたしはどこかに行かなくちゃいけない。そのときは今。場所は――」

      「ビッグ・ベン!」

      来たるべき未来に現れるもの。うさぎの穴の上に現れたもの。時計の塔の果て。頂。終末を告げる、故郷の時計――ロステが、アリスが目指していたものが、今そこに現れた。
      世界を壊すためではない。
      全てに復讐するためではない。
      ただ、止めるために。
      ただ、父の嘆きを受け止めるために。
      優しき父を取り戻すために、アリスは――
      時計塔へと駆け出した。物理法則を超え宙を舞うようにして、ブラストとデルファーネスを導くために。
      “数の魔法使いの塔”へ向かうのだ! -- アリス 2013-11-25 (月) 00:34:20
      • (すべての言葉は聞いた)
        (引き返すことの出来ない、哀しみに満ちた数式卿の復讐への誓い)
        (アリスが示した、黄金のように輝く勇気と父への想い)
        (クーファが示した、ただ自分がしたいようにするという迷い無き欲望)
        (そして自分自身が示した、人間として護る事の決意を、反復した)

        そうか……
        世界を滅ぼす、そんな単純なものではなかったのか。
        数式卿が真に求めたのは、この世界での『遺都ロンドン』の復活……その上書き。
        (驚きも見せない 静かに、聳え立つ時計塔『ビッグ・ベン』を見上げていた)
        (崩れ去った数式屋敷 周囲では激しい戦いが繰り広げられている)
        (その中で、ただ静かに見上げていた)
        決意と決意がぶつかる時、避けられない争いがある。
        なんて悲しい話だろうか。……真の決意の先に、間違いなどこの世には無いのに。
        それでも間違いを決めなくてはならない。自分の決意の名の下に……
        この戦いに負けても勝っても私は後悔をし続けるのだろう。懺悔をし続けるのだろう。重い十字架を背負わなくてはならない。
        だがそれが決意をするということなのだな……

        ああ、アリス。行くんだ。行くべき場所が見えたなら、迷わず、行け。
        私も行くべき場所が見えた。君と同じ場所だ。
        (駆けるアリスを少し見送る 急ぐべきなのは分かっていたが、どこか焦りが消えうせた自分を感じていた)
        (争いの最中を、ゆっくりと切り開くように歩く まっすぐに、まっすぐに)
        (目の前にある争いを掻き分けることはしなかった)
        (ただ、表情も変えず――黄金の午後団の者だけを的確に、急所を柄で殴りつけて気絶させる そしてまた進む)
        (まっすぐに、まっすぐに、時計塔を目指して歩いて行く 戦う人々の戸惑いだけを残して)

        クーファ。
        (歩きながら、振り返りもせず呼ぶ)
        道を空けるのを手伝ってくれ。怪物は君がどかせ。
        (目の前には戦い続ける人々と怪物がひしめき合っている それをただ「どかせ」と そう伝える)
        ……クーファ。君はこの戦いに因縁など無い。
        この世界はもともと君の居た世界ではないし、君が護る義理は無い。
        (的確に黄金の午後団を気絶させながら、呟く様に話す)
        だが、君は世界の終わりよりも私の行く末を見たいと言ってくれた。
        ありがとう。そして……私からも言わなくてはならないな。
        (背後から襲い掛かった黄金の午後団に、振り返りざまに肘打ちを顔面に叩き込んで、首を柄で殴りつけて倒す)
        (――振り返ったその表情には、今までに見せた事の無いような静かな感情があった)
        私も君の横顔を見ていたい。私は君よりもずっと早く死を迎えるだろう。だがそれまで、君の横顔を見ていたい。
        君がその龍の瞳で何を見るのか、私はそれを見て生きたい。いつまでも。
        (クーファに感謝の言葉を述べることは初めてではない だがクーファへの「欲望」を見せたのは初めてだった)

        この街を、この世界を護りたい。人々を護りたい。彼らの絆を、愛を護りたい。未来を護りたい。
        そして、私は……君と歩みたい。……さあ、行こう。

        (もう政治家ではないからだ 一人の人間としての意志だけを胸に歩いているからだ)
        (だから、クーファに言葉で初めて伝えた 政治家としてでなく――一人の人間としてのクーファへの想いを)
        (そして踵を返し、ぐんぐんと突き進むアリスを追う 焦ることなく、確実に一歩ずつ)
        -- ブラスト 2013-11-26 (火) 21:06:31
      • 「世界を呼び出す召喚術に、羽なしで空を飛ぶ女の子に、絵本の中の怪物、か…。いやー、長生きしてみるもんだなぁ」
        先ほどまでの緊張した雰囲気は何処へやら、悪ふざけ気味にそんな軽口を叩く竜人
        覚悟を決めたからか、妙な力みは無くなっていた

        進路を妨害しようとする怪物の集団に火球をぶちこみつつ、愛用の短剣で両手首をわざと切りつける
        粘性のある溶岩のような血液が地面に繋がって落ち、手を軽く振ると収束して燃え盛る鞭なった
        「ふぅ…さて、行くとするか」
        ブラストの指示におう、と軽く応えると、両手に生やした火炎の鞭を器用に操り、団員を縛り上げ、後ろに放り投げる

        「ん? あぁそんなことか。礼はいらねぇ。俺は俺のやりたい事をやるだけだ」
        青年のありがとう、という言葉に鞭を握り直し、銃を構えた団員に向きつつ
        「クソつまんねー世界で、クソつまんねー日常を消化するだけだった俺を変えたのはお前だ。これでも、感謝してるんだぜ?」
        弾丸は吐き出した炎で熔かして無力化し、装填中のスキを狙って鞭で縛り上げ、そのまま地面に叩きつける
        「正直、この世界の顛末に興味は無かったが…”お前の住むこの世界”となれば話は別だからな」

        「なななんだよ、こんな時に改まって…最終決戦前の緊張で頭おかしくなったんじゃねーだろうな!? ち、調子狂うぜ全く……」
        意味が分かっているのか、いないのか。恥ずかしさを隠すためか、若干挙動不審になりつつ視線を逸らした
        「ふっ……やっぱ、おもしれー奴だな、お前」くすりと笑って、青年を見返す

        「おう! つっても、俺はちょっとせっかちでな、このままゆっくり歩いてもいいが、時間も残り少ない…ショートカットするぜ」
        地面を蹴って屋根の上に飛び乗ると、ブラストの進路上で戦っている人だかりに叫ぶ
        「味方は左右に避けろよー! じゃねぇと溶けちまうからな!!」
        息をめいっぱい吸い込み、吐き出す。屋根の上から放たれた青い炎は、進路上にある怪物、建物を壊して真っ直ぐに進む
        間に合わなければどうせ世界ごと消えてしまうのだ。建物の1つや2つ、誰も文句は言わないだろう
        「よし……ま、こんなもんか。全部とは言えねぇけど、道は作ったぞー!」少し疲れたのか、肩を上下させながら塔までの1本道を指す
        -- デルファーネス 2013-11-27 (水) 23:44:57
      • ?(少し慌てる様な仕草のクーファにどうした?とでも言いたげな表情をした そして)
        (切り開かれた道を見て、ため息をつく そして一言)
        ……やりすぎだ、クーファ。こんな緊急時でなければ私は丸1日説教して君を方々に謝罪させにいくところだぞ。
        (ほんの少しだけ、軽口を 張り詰めた緊張と据わり切った覚悟の中で、相棒の存在が心の支えになっていることを再実感する)
        ああ。そしてあれが……ロステが前に歌っていた……『ロンドン橋』か……
        -- ブラスト 2013-11-28 (木) 00:13:31
      • まるで何かの妖精のようにアリスは飛ぶように二人を導いていく。
        黄金の数式を持つもの、彼女の黄金の午後の力により、周囲の物理法則を計算し直し、ありえないことを可能にする。
        父がくれた「魔法」の力。父はそれを世界の破滅のために使う。アリスはそれを、父を止めるために使うのだ。
        「わ、わあっ! すごいデルちゃん!!」
        デルファーネスの炎により道は開ける。塔まで一歩の道となる。

        駆ける三人を、街を、世界を守るために戦っている界境街の住人たちが鼓舞する。彼らもわかっているのだ。ブラストたちが世界を守るために戦っていることを。
        混乱はあったが、かつての界境街誕生の時ほどではない。これはもう「二回目」なのだ。

        「そう、あれが……《ロンドン橋》」
        歌のように落ちたはずのロンドン橋。
        「あれ……ロンドン橋は、落ちたはずなのに……!」
        アリスたちはロンドン橋へと入っていく。そこでアリスは驚きの声を上げた。ロンドン橋は落ちたはずだった。召喚獣たちによって。だがロンドン橋はそこにあった。

        「London Bridge is falling down, Falling down, Falling down♪」
        「London Bridge is falling down, My fair lady♪」

        「歌……!?」
        ロンドン橋に入ると歌が聞こえ始めた。ロンドン橋に入ると突如、一つの数式が起動しはじめたのだ。
        ブラスト達を囲むようにして、無数の怪物がロンドン橋へと入ってきていた。
        どれもかなり巨大で、凶暴そうなものばかりであり……三人の行く先には、あのジャバウォックもいた。
        そのジャバウォックの前には二人の少女がいた。冠をつけた赤い服の少女。冠をつけた白い服の少女。
        「赤の女王と白の女王だ……!」
        だが、鏡の国のアリスに登場したような二人ではない。目には邪悪な光を湛え、化け物たちを使役していた。
        二人の女王が杖を三人に向ける。すると、化け物たちがブラスト達へと襲い掛かり始めた! -- アリス 2013-11-29 (金) 23:19:35
      • (自分たちを鼓舞する声が聞こえる 自分が伝えたものは簡単に崩れるようなやわな理想では無いとバーンに言ったことがあったが)
        (それが形となって自分に伝わってくると、勇気がわいてくる)
        元の世界では落ちたのかもしれないが、今のこの世界では……何があってもおかしくない。郷愁の念もあるかもしれないが、アリス。
        あまり深く考えるな。よし……進もう。
        (アリスを追って橋を少し渡れば、なにか唄が聞こえる)
        ……ロンドン橋が落ちた……?なんとも不吉な歌だが……ハッ!!
        (一瞬にして周囲を取り囲まれる 時計塔につながる唯一の橋は、足止めには最適だ だからこそ)
        ここに……罠を配置したか……!!
        (身構えるが、さすがに多勢に無勢 クーファやアリスの力も借りれば突破は可能かもしれないが、大きくタイムロスになるのは目に見えている)
        それに……こいつ……こいつが。ジャバウォック……か。
        数式卿……自身が最も憎むべき者を配下に置く、のか……
        (数式卿の心を想うと胸の奥が痛む だが今はそんな感傷は持つわけには行かない 唇を噛んで気持ちを切り替える)
        そうか、あの少女二人が操っているのだな。人間ではないようだから手加減は無用……だ、が。
        (正直戦いは避けて先に進みたいが、完全に囲まれている 倒さざるを得ない)
        ヤァッ!!(最初に近くに来た魔物の首元を狙ってすばやく突きを放つが、固い感触 その硬い肌を突き抜けて行くことができない)
        くっ……コォォオオッ!!(一瞬その剣を抜き、まったく同じ場所に突くことで肌は通り抜ける だが中の肉でまた剣先が止まる)
        (今の自分の力量では一体を時間をかけて何とか倒すのが精一杯だ)
        クソッ……時間が無いのに!!(周囲に気を払いながら、剣を必死で押し込む)
        (響命術を使うべきか?――否、まだこれは前哨戦 ここで使って数式卿との決戦で使えないとなったら本末転倒だ)
        クーファ!どうだ!?捌き切れるか!?
        -- ブラスト 2013-11-30 (土) 22:18:19
      • 「物騒な歌詞の割には明るい曲調なのが今は逆に怖いぜ」
        敵に囲まれるとブラストの死角をカバーするように立つと、両手から垂らした火炎の鞭を構える
        「へぇ、なかなか骨のありそうな奴らが出てきたじゃねーか…ん? アイツは確か…」
        見覚えがある。あの事件の際に出てきた、ジャバウォックとかいう…怪物だったはずだ
        「いいぜ、ヤってやる」ぺろりと唇を舐めて濡らすと、敵を見据え
        怪物が振り下ろした攻撃を避けると、腕を伝って肩へ移動し、先を鉤爪のように変化させた炎の鞭を首筋に突き刺す
        そのままぐるりと体の周りを一周すると背後に降り立つ。ずしん、と炎で首から焼切られた頭部が落ちた
        「まぁ、ざっとこんなモンだ。楽勝らくしょ……っ!?」
        頭部の無くなった怪物が旋回しながら裏拳を放ってきた。脇腹に衝撃を受け数メートル吹き飛ばされる
        「………いってぇ。首なしでも動けんのかコイツ」ペッと血を地面に吐き出す…といっても人間のそれではなく溶けた鉄のようだ
        直撃こそしなかったが、脇腹が痛む。機動力に影響が出るのは、時間を急ぐ今、致命的だ
        「チッ…!」どうする? どうすればいい…? せめて半分だけでも減らせれば…敵の攻撃を避けつつ、焦りを感じ始める
        -- デルファーネス 2013-12-08 (日) 05:03:37
      • 「ああ、これ、は……」
        女王二人が声を合わせて歌い、化け物を使役する。
        あのジャバウォックが口を広げている。悪夢めいた力で、数式卿のすべてを奪ったそれが、そこにいた。
        アリスは震える。決意した、誓った。しかし、目の前のそれには、死の恐怖を感じる。
        「負け……ないわ。あたし、負けない。怖くない。皆がいるから、だから――!」
        アリスの黄金の輝きが増し、周りの空間が数式によって歪められ、極端に戯画された剣やトランプの兵隊、神話上の動物、玩具の兵隊などが繰り出され、化け物たちと戦っていく。
        だが、ブラストとデルファーネスと同じように、アリスも苦戦していた。彼らの存在を数式で“解いて”しまえばことは終わる。
        だが、数式卿がロンドン橋に仕掛けた数式は非常に高度で複雑なものであった。化物は次々と現れていく。解を出すも、追いつかない。
        「こ、これ、じゃあっ……」!
        アリスの顔にも焦りの色が見える。時計塔の針はいまだ動き続けているのだ。待ってはくれない。

        GYAAAAAAAAA!!!!

        ジャバウォックが咆哮し、炎が吐き出され、三人を取り囲むように燃え広がっていく。他の化物は炎を物ともしないのか、未だ三人に攻撃を繰り出していく。 -- アリス 2013-12-10 (火) 22:51:44
      • …凄い…予想以上、かも…(ブラストたちの奮闘を、双眼鏡で見ていた人影一つ。)
        こんな数で、しかも頭部の狙撃も…あまり、効かないみたい…(双眼鏡をしまいながら笠から出た耳がピクリと動かし、肉眼でははるか遠くを見据える。)
        (それはブラストたちの出立を匂いで知り、恋人に黙ってひそかに村田銃を肩にしょってやってきたひなただった。)

        (とはいえ、その状況は想像以上。生物とは思えぬ生命力の異形たち、さらに数は増え続けている。)
        (自分だけなら、敵わないと逃げていたかもしれない。特にあの男は、危険な匂いしかしないから。)
        (だが、恩があるブラストが戦っている。それに、ブラストが負ければ世界が終わってしまうかもしれない。)
        …それは、させない…ブラストのためにも…私と、レンナルトのためにも(肩にしょっていた村田銃を構え、スコープを覗く。)
        …距離…およそ3000…風…北東に12…普通に撃つと、厳しい…けど(ポシェットから取り出したのは複雑な模様が描かれた弾丸。)
        ……お爺さん…使わせて、貰うね…(形見の弾丸に祈りを込め、ボルトハンドルを起こしながらその弾丸を込める。)

        (まずは狙いを定める、狙いはブラストたちの前方から少し離れた後列の敵、そこを狙えば空隙が生まれてブラストたちも戦いやすくなるだろう、と。)
        …制御術式、解放…魔弾、シナツヒコ…起動(撃つ前に、呪文のような言葉を紡ぐ。)
        (そして薬室が光り輝いたところで、撃ちはなった。)
        (その弾丸は風に遮られることなく、むしろ風を纏い狙った場所へと一直線に突き進む。)

        (その場所にいた化け物たちは何が起こったか理解できなかっただろう。)
        (何匹かは弾丸へと撃ち抜かれた、だがそれだけで止まる彼らではない。)
        (しかし、その弾丸は魔弾。風の神を冠するその銃弾は、一足遅れてカマイタチを巻き起こす。)
        (まるでミキサーにかけられたかのように、化け物たちは突如細切れにされていく。)
        (後に残るは、幾重にも重なった化け物の肉片。それと遅れて聞こえてきた一発の銃声のみ。)
        (ブラストたちは気づくであろうか、この現象が誰によるものなのかを。)
        -- ひなた 2013-12-10 (火) 23:47:56
      • よし、やったか……うっ!?
        クーファッ!!そいつはまだ死んでいなッ……(叫ぶも一手遅れていた 既に衝撃はクーファを貫いていた)
        大丈夫か、クーファ!?……油断するな!!こいつらは普通の怪物じゃない!(ぐぐ、と自身の剣を押し込み、やっとのことで怪物の首を貫く)
        (だが――死んでいない!数式によって生み出された怪物なのだ 頭を潰せば当然死ぬというものではない 「仕組み」を自由に書き換えてしまえばいいのだから)
        く、クソォッ!!(一体を時間をかけて倒せるか それすら怪しくなってきた やはり最後の切り札を使うしかないのか?しかし、ここで使うべきか?決められない)
        アリス!!そうだ、諦めるな……恐れるな!!(勇気を振り絞るアリスを鼓舞しつつ、同じ怪物にもう一撃突きを放つ 今度は脳天だ)
        (刺さった だがやはり、効かない そうするうちに怪物が手を伸ばしてブラストを引っ掻こうとするが、剣で距離を離しているおかげか手が届かずぐるぐると腕を回している)
        ハァ、ハァ……どうすれば……(アリスを見やる 駄目だ――こちらも苦戦している この中では最も効果的に戦えているが、やはり数式卿の数式には及ばない)
        う、おおおぉあぁぁぁあぁあっ!!!(叫ぶ 先ほど数式卿の剣を受け止めた時のようにほのかに緑色の光が腕から放たれ、剣を突き刺した怪物をそのまま橋の下へ投げ落とした)
        (やっと、1匹!そう思い周りを見れば、既に周囲が火の海になっていた さらに追撃が増して行く 秘められた力が少しだけ解放されている今、それを受け止めることは可能だ)
        (だが反撃するほどの余裕は無い!防戦一方だ……これでは急ぐどころか完全にこの場所で拘束されてしまったに等しい どうすれば どうすればいい どうすれば!?)

        ――!?(刹那)
        (突如、怪物たちが何かに「貫かれた」 そして、その場所からカマイタチが発生して怪物が細切れになる)
        (パニックに陥りそうになった思考を切り裂くようなこの光景を見た瞬間までは、何が起きたのか分からなかった だがその数瞬後に聞こえた「銃声」を聞いて、「貫くものが放たれた方向」を見る)
        銃……?まさか……(銃をいつも担ぐ少女の姿が、脳裏に浮かんだ)
        -- ブラスト 2013-12-12 (木) 01:18:01
      • 暗き闇に満ち、地獄と化したこの界境街、そしてロンドン――そこに、一陣の風が舞い降りた。
        科戸の神の名を冠する銃弾が、一人の少女の持つ中から発射されたのだ。
        ――それはまさしく荒ぶる神か。
        ――それはまさしく科戸の風か。
        極東の旧き祝詞に記された、罪を払いやる風が、ロンドン橋へと舞い降りた。
        天の八重雲をかき分けて、風の神が天降ったのだ。

        そう形容してよいほどに、劇的な効果を「それ」はもたらした。
        何匹かは既に弾丸に打ち貫かれていた。だが、全てではない。いきなりの未知の因子の乱入により、数式の計算結果に一時的な狂いが生ずる。
        魔弾がカマイタチを巻き起こし、溢れかえる化物たちを切り刻んでいく。
        これは、何か。
        これは、何だ。
        赤の女王と白の女王は弾丸が飛んできた方向を見る。それは遥か彼方からだった。
        目視は到底できない。だがそこには、銃を担いだ少女が一人いるのであった。

        「すごい……!」
        外からの一撃により、化け物たちの体勢は乱れていく。一気に大量の化物が消え去った。
        だが、彼らを使役するのは女王。赤と白の女王がいる限り、この場に化物は永遠に召喚され続ける。彼らの王国であるがことく。 -- アリス 2013-12-12 (木) 21:50:20
      • …もう、位置がバレた…流石に、早いね…(次弾装填の準備をしながら、二人の女王とブラストが見ている事に気づく。)
        (自分だと分かっただろうか?別に分からなくてもいい、彼らだけでない事を分かってくれれば…。)
        (そう心の中で独白しながら、これ以上は危険だと本能が警鐘を鳴らしている。)
        でも…これじゃ、まだ足りない…(相手のボスらしきものはまだ生きていて、また増え始めている。)
        (ならば、それを倒してからでもきっと遅くはない…そう信じて、次の魔弾を取り出す。)

        …これは、とっておき…お爺さんも、出来れば使うなって言ってたの…だけど、使うならきっと…今だよね(家族だった老人に説明するように呟く。)
        …封印術式、解除…制御術式、解放…臨界術式、始動……魔弾、タケミカヅチ…起動(言った直後、眩い光とともにパチッパチッと電撃が魔弾から迸る。)
        (まだ起動しただけ、放ってないこの状態から既に自身も電撃に流されるような痛みの中、冷静に装填すると静かに構える。)
        …さよなら…村田さん(撃つ前から分かった、これを使えば老人との思い出のこの銃も壊れてしまうことを。)
        (しかし、別れの言葉を口にしながら迷う事なく、電撃をまとうその弾丸を撃ち放つ。)

        (その弾丸は、ただの弾丸にあらず。雷の神の加護を受けた弾は、反粒子と化して目標へと突き進む。)
        (本来減退されるはずの粒子はそのままに、丁度二人の女王の足元へと着弾する。)
        (その瞬間その周囲は突如何事もなかったかのように消し飛ばされた、着弾地点から円を描くように。)
        (数式で表すのは可能な、しかし本来ならありえぬことを実現して見せたのだ。)

        …っ…(ただ、その反動は大きく銃は半分が原型を留めぬほどに壊れ、笠とともに片方の耳も失われた。)
        (構えていた左手もズタズタになった状態で、振り返らずにその場を後にする。)
        (自分のやれることは十分にした、あとは…きっとブラストならやってくれるだろうと信じて。)
        (彼は、きっと最後には有言実行する。自分はそう信じているのだから…。)
        -- ひなた 2013-12-12 (木) 22:37:04
      • ――雷鳴が轟いた。

        そう思われるほどの輝きが、ひなたの村田銃からほとばしった。
        それは、雷。
        それは、剣。
        はるか神代に、荒ぶる神々を鎮め、天孫降臨を成した雷の神の力!

        雷を纏った魔弾が、ありえざる現象を引き起こしながら突き進んでいく。
        宇宙の物理法則を超えた、神の力を宿したそれは、粒子を減退させることなく、まっすぐ二人の女王の足元へと落雷した。
        「――――!」
        女王の歌が止む。マザーグースのひとつの歌が止む。
        宇宙で起こるすべての現象は数式で表すことができる。実際に、橋に組み込まれた数式存在たちはそれを数式で表した。
        だがしかし、敵わない。それは神の力。人は、神の怒りの前にはひれ伏すしかない。
        アリスと違ってただ数式どおりにしか動くことのできない彼らは、何もすることはできなかった。
        偽者の御伽噺は、本物の神話の前には、成す術を持たなかった。

        刹那、その周囲のものが、跡形もなく消え去った。恐るべき雷鳴、神鳴りとともに二人の女王の数式が跡形もなく「消し飛んだ」のだ。
        それと同時に、橋を取り囲んでいた化け物たちが消えていく。常夜往くこの廃都に、まばゆい光が差し込んだ。
        五月蠅なす荒ぶる神たちが、神払いに払われていったように、悪しき化け物たちはロンドン橋から消え去った。

        道は、拓けたのだ。一人の少女の活躍によって。 -- アリス 2013-12-14 (土) 11:24:30
      • う、うおおおおおっ……!!!
        (脳裏に浮かんだ少女の姿が掻き消えるほどにまばゆい閃光と大音響が、目の前を覆った)
        (思わず、目を閉じた ほんの一瞬だったが、とても長く感じた瞬間だった)
        ……ぅ、う……何、が……
        (うっすらと目を開ければ――)

        (暗雲を裂くように開いた雲間 そこから光が差し込んでいた)
        (魔物もいない、女王もいない だが、自分達は生きていた クーファも、アリスも)
        …………あ……
        (一瞬のうちに起きた壮絶な光景に、言葉が浮かばなかった 障害は取り除かれていた しばらく混乱に陥った頭を冷静にさせ)
        (「銃声」のあった方向を振り向く こちらからは、彼女の姿は見えないが――ブラストには覚えがあった)

        ――…みんなが仲良く暮らすために、頑張る政治家…そんなブラストを、応援してるから…。
          そのことは…忘れないでね?…あ、あと…もしかしたら…援護射撃は…飛んでくるかも、来ないかも…。
          …期待は、しないでね?――


        ひなた……君……
        (思わず涙が一筋零れた)
        (正直、この町の混乱の中では誰もが自分の身を守ることで必死だったろう)
        (ましてひなたには恋人がいる それに、恋人のために戦わないと誓いを立てていた それなのに)
        (……彼女の村田銃と呼ばれているものはこんな強大な破壊力を持つ銃ではない ただの猟銃だ であれば何か普段使わないようなものを使った可能性が高い)
        (代償や責任の無い力は無い 大きな力であればあるほどに、何か大事なものを失ったり、覚悟を決めなければいけないものだ ひなたはどんな決意でこの銃を撃ったのか)
        (それを想うと――涙が止まらない)
        (誰もが自分のことで精一杯な中、何かを犠牲にしてまで、彼女は自分達を助けてくれたのだ 誰に礼を言われるわけでもない 誰も彼女がやったなどとは分からないのに!)
        (ここで運命を切り開けたのは彼女ただ一人だけだったと言うのに!誰にも知られず、誰にも褒められず、彼女は自分たちを救った!)

        ……ッ!!あり……がとう……ありがとう!!ひなた君……ッ!!!

        (自分のためだけではなく、誰かを守るために自分の身を危険に晒す それは心ある生き物なら必ず持つ、もっとも気高い魂)
        (姿も見えず声も聞こえないが、それは確かに伝わった)
        (自分達だけではない 皆が戦っていて――それはこの町を護ろうとするブラスト達のための戦いであること ひなたの想いは、伝わったのだ)

        ……行くぞッ!!
        (想いを背負い込み、拳を握り締めて、橋を進み始めた)
        -- ブラスト 2013-12-14 (土) 20:35:05
      • 助かった…とはいえ、一体何が起こったんだ? あの雷のような閃光を放った場所を見ながら、考えを巡らす
        数式卿? いや、女王たちも動揺しながら”その場所”を見ていた。第三者による介入と見るのが自然だろう
        凄まじい威力の2発の弾丸。初めて見たハズなのに、竜人はなぜか既視感を覚えていた
        弾丸…? そう、弾丸だ。2発目はよく見えなかったが、1発目は確かに弾だった
        「そうか、あいつが…」銃を扱う鼻のきく獣人を、デルファーネスは1人だけ、知っている
        「後で、礼をしなきゃな」涙を流すブラストの口からその名前を聴いて、再度彼女が居たであろう場所を観る
        目を閉じて念じる様に感謝の言葉を述べると、ブラストの言葉に応え、跳ぶように駆け出した
        「おう! 目的地までもうすぐだ。気合い入れて行こうぜ相棒!」
        -- デルファーネス 2013-12-21 (土) 00:44:34
  • (数式卿の館、数式屋敷)
    (そのドアの前に立ち並ぶ三人の姿がある)
    (喧騒は遠く、この屋敷だけが静寂を音のように放っているように感じた)
    ……さっき、ロステの声が私に聞こえた。数式卿……この滅びを招く者の娘だ。
    数式卿とは真逆に、彼女はこの街を心から愛し、守ろうとしている。ロステはここに私達を導いたのだ……
    -- ブラスト 2013-10-28 (月) 09:16:57
    • 「空が真っ暗だな。さっきから妙な揺れもあるし、そう時間は無さそうだぜ」
      「さっさと突入…と行きたい所だけどよ、ロステの声はまだ聞こえてんのか?」
      「声じゃなくても、こう、大体この辺から感じるとかそういう……えー……なんだ、アレだアレ。直観ってやつだ」
      「仮に、俺が壁全部ぶち抜いて進むにしても、大体の目星が付いてねぇと辛いぞ」
      「糸目の兄ちゃんはどう思う?」屋敷の壁を手で触って質感を確認しながら
      -- デルファーネス 2013-10-28 (月) 21:25:20
      • うん、俺も闇雲に探すよりもある程度絞っておいた方がいいと思う
        探索時間がかかればそれだけ向こうに余裕ができてしまうわけだし
        ・・・よし、これでも使うか(矢印のマークが両面に刻まれたコインを取り出す)
        探したいモノ、相手を思い描いてはじいて床に落ちた矢印の方向で大体の場所がわかるんだ(そう言ってブラストに渡す)
        俺もついて行きたいところだけど・・・どうやらそうもいかないみたいだ(遠かったはずの喧騒が少しずつ近づいてくる)
        (先ほど倒したはずの団員たちが意識を取り戻し三人を追ってきたのだろう、屋敷前に続々と集まってきている)
        奴らを食い止める!ここは俺に任せて二人は先に行け!(槍を構え団員達の前に立ちはだかる) -- トーヤ 2013-10-28 (月) 22:32:45
      • 数学屋敷は街の混乱の中、恐ろしいまでの静寂を保っていた。そこからは人の気配はしない。黄金の午後団がいるわけではないらしい。
        三人を追ってきた黄金の午後団が続々と屋敷の前に集結しはじめる。団員たちはキャロレの邪魔などをするつもりはないようだ。ただ命令されたままに暴れるのみである。
        それが彼らの理想に繋がると信じて、彼らはトーヤへと襲い掛かった。
        それと同時に、屋敷の正面の扉が勢いよく開いた。まるでブラストとデルファーネスを迎え入れるかのように。
        それはロステの導きによるものなのか、それともキャロレの意思なのか――
        邸の内部は闇である。数式卿はこの屋敷の最奥の数式の間にいる。コインは地下を指し示すはずだ。
        -- 2013-10-29 (火) 02:46:36
      • ム……そうだな。ロステの声はもう聞こえない。直感……んん……(流石に数式屋敷を訪れるのは初めてだ 直感も何もあったものではない)
        確かに見当もつかないと突入はし辛いが、しかし行かなくては……ん?これは?(コインを受け取り 裏表を眺めながら)
        ……これも君が旅で得たものかい?やっぱり君の経験は頼りになるな……(が、追っ手に気づき)くっ、もう追いついてきたか!!
        仕方ない、彼らをもう一度気絶……何だって!?トーヤ君……君一人で……(ここで置いていくわけには、そう言いかけて 口を一度閉じる)
        そうだったな。覚悟はしているんだ……各々が。ありがとう、トーヤ君。ここは任せる……いいか、決して命を捨てるんじゃあない。危険と判断したら逃げたまえ。
        必ず生き延びるんだ、トーヤ君。……!!(開くドアを見て、迷わず踵を返す)行くぞ、クーファ!

        (数式屋敷に入り、闇の中で目を細める)……ふむ。(コインを弾き、指し示した方向を見る)地下への階段……ここか?
        クーファ、炎で明かりを頼む。
        -- ブラスト 2013-10-29 (火) 20:58:06
      • 「マジかよ!? 超便利アイテムじゃん! すげぇ…そうと決まれば急ぐっきゃねーな」
        「チッ…追手か。やっぱ気絶させる程度じゃダメか…!」追手に気付いて構えるが…
        槍を構えたトーヤの背中に固い意志を感じ、構えを解く
        「…わかった。死ぬなよ、糸目の兄ちゃん!」おう!とブラストに返しながらドアをくぐった

        無言で頷くと、ベルトポーチから鉛筆より少し小さい棒の束を取り出す
        ポキッと1本、軽く折ってから床に投げると強い光を発し始めた。かなり遠くの方まで光が届いている
        「ロレイラル製の特注品で、洞窟探索にも使える特殊な照明器具だ。昼間みたいに…とはいかねぇけど、光量最大にして設置すりゃ10m先まで照らせるぜ」
        -- デルファーネス 2013-10-29 (火) 22:47:13
      • 地下へと続く窟が黒々と口を開けていた。松明に照らされた先には長い階段が続いている。
        進んでいけば、その先よりただならぬ気配を感じられることだろう。階段の壁側には無数の数式が描かれており、この屋敷の内部が数学に、数式にあふれていることを示していた。
        二人が階段を降り切れば、そこには一つの扉があった。奇怪な数式によって彩られた扉のその先こそが、数式の間、数式卿の静謐な空間である。

        「――来たまえ。君達がここに来たことなど、とうの昔に私は知っている」

        男の声が扉の向こう側から響く。冷たく、感情のない声。数式卿その人の声である。
        がたがたと音を立てて、ひとりでに扉があき始め――
        目の前に広がった光景は、数、数、数、数……無数の数の式、膨大な量の数式が壁、天井、いたるところに記されていた。

        黄金の数式を導きだすために繰り広げられた幾億とも呼べる計算、その成果が広がっていた。

        「ようこそ、我が“数式の間”へ――ここが始まりであり、終わりの場所となる」

        赫目を光らせる男がいた。椅子に腰かけ、二人を見つめている。
        -- キャロレ 2013-10-29 (火) 23:26:53
      • (壁に書かれた無数の数式に むしろ不気味さは感じなかった 逆に人間味を感じた)
        (彼もここまで数式を駆使しなければ黄金の数式などという強大な力には到達できないのだ 信念とそれに向かおうとする意思こそが人間の最大の武器だとブラストは思っている)
        (だからこれは彼なりの苦しい道のりの証明――それは逆にブラストの恐怖を薄れさせた 彼もまた同じ人間なのだ)
        (しかし部屋に到達した瞬間、周囲の数式には一切目もくれず、光に照らされた輝く宝石のような紅眼でキャロレの目を見据えた)

        数式卿……
        貴方と出会うのはこれでたったの三度目なのだな。もっと何度も対峙した様に思えるのに。いや……常に私の頭には貴方がいた。
        貴方に怯える心と……貴方を止めねばという心……それが私の中には常に渦巻いていたのだ。
        (恐らく気持ちが逸って噛み付きそうなクーファをそっと手で制止しつつ、静かに話しかける)
        「終わり」……そこへ連なる計画は私が阻止する。いや……阻止できるはずなのだ。
        私はどうしてか、貴方と出会った。そして貴方は私に会いに来た。私はロステと出会い、クーファもまたロステと出会った。私とクーファは響命石によって心をつないだ。
        ロステは私やクーファ、そしてこの街の人々と出会い、貴方の考えに背くようになった。貴方は優しくロステを懐柔するつもりだったが、私が現れたことによって貴方は恐ろしい本性をロステに見せた。
        そしてそのロステがこの混乱の最中に私に呼びかけ、貴方の足止めを素早く切り抜けることが出来た。この期に及んで足止めをしなければならないほどこの足止めは重要だったはずだ。
        ――全てはつながっていた。私は貴方を止める為に『運命』によって導かれた!!
        (透き通るような声が数式の間に響き渡る 護ろうとする者にとっては勇気を与えるような、滅ぼそうとする者にとってはあまりにも不快な声だ)
        -- ブラスト 2013-10-30 (水) 19:25:14
      • 異様な空気に自然と戦闘態勢になる。数式の羅列の内容はよく分からなかったが、
        シルターンの昔話に似たような話があったな…と考える余裕はあった。椅子に座った男を見るまでは
        「……っ!」ギリッと噛みしめる音が聞こえるほど険しい表情で、睨みつける
        前置きなんて抜きだ! 隙を見せた瞬間に野郎ぶっ殺してやる…!などと構えていたが、ブラストに制止されると舌打ちしつつも、無言で少し後ろに下がる

        「…なぁ、殺し合う前に1つ聞いていいか?」片手を上げてすたすたとブラストの右前に出る。青い炎が揺らめく瞳でキャロレを見据えて
        あれだけの力を持っていながら、なぜわざわざ団員を武装蜂起させた? アンタがお祭り好きとはとても思えねぇんだが…何を企んでる?」
        -- デルファーネス 2013-10-30 (水) 20:39:26
      • 「『運命』……などと。随分と少女らしいことをいうものだ。そんなものは存在しない」
        椅子に腰かけたまま、キャロレは言う。
        「君達の戯言につき合っている暇はない。既に私の計画は最終段階に入っている。
        ああ……」
        デルファーネスの問いに思い出したかのように。
        「私は彼らの願いを遂行させてやったまでのこと。彼らが街で暴れれば、召喚獣が戦えば――異界の者たちが一斉に戦えば、世界の境界は不安定になる。
        私はその時を待っていた……そして、時は来た。黄金の数式によって、世界を“解く”」

        「絆の力、など。思い、など。運命、など。どこにもないということを知って嘆くがいい。数で構成された世界に、そんなものは存在しない」

        「――おいで、ロステ。私たちの、世界への復讐と、世界の正しき回帰を、今こそ、始めよう」

        数式卿が指を動かすと、彼の隣にロステが現れた。「ブラストさん! デルちゃん!」と叫んでいる。
        「……君達は、私から大事な娘を、またも奪おうとしている……許すことはできない。私を阻むというのなら結構。ここで死にたまえ」
        -- キャロレ 2013-10-30 (水) 22:26:40
      • ……!!まさか……時間稼ぎではない……?……(目を細め、歯をかみ締める)そう、か……ッ!!
        完成した世界を数式で解くことは貴方でも難しいはずだ……だから、混乱によって歪みを生じさせたのか……!!
        召喚術や魔法を使うことによって時空の歪みや精霊の数の変動や移動が行われる……それが一斉に行われることでこの世界そのものが不安定になる……
        だが私達にはそれは殆ど関係ない。だからといって世界の崩壊を招くほどの歪みはまず生じないからだ。……だが……そうか……
        貴方にとってはそれこそ絶好の好機。……くそ……!(自分は住民達の士気を上げた だがそれで住民側も全力で召喚術や魔法を使うだろう――狙いはそれだったのだ)
        ……だが。私達を殺すことは出来ない。そこにロステがいる限りだ。黄金の数式は使い手の魔力や精神に影響はされない、つまり、ロステの数式を押さえ込むのは不可能なはずだ。
        ロステが私達を護ろうとしている限り私たちが数式で瞬間消滅させられることはない。事実、私達はロステによってここに導かれた。ロステの力は封印されてはいない。
        そして貴方もロステを愛する故にロステに何かをすることはできない。……「ズル」は無しだ。お互い対等に戦うことになる。(そう言ってすらりとレイピアを抜く)
        (響命石は――使わない 最後の手段だからだ できることなら使いたくは無いというのも本音だ 何が起きるかあまりにも未知数過ぎるのだ)
        -- ブラスト 2013-10-30 (水) 23:20:32
      • 「あ、あー…俺も調子に乗ってガンガン炎吐いてたしな…知らずに計画の手助けをしちまったってワケか。胸糞わりぃぜ」
        計画が最終段階、ってのが気になるな…準備が整ってるなら、わざわざここに招き入れた理由は何だ…? などという思考はロステの姿を見てかき消えた
        「ロステ…! 待ってろよ、このバカ親父をぶん殴って、さっさとこの戦いを終わらせてやるからな…!」数式卿をビッと指さし
        「ハッ!面白ぇ、殺れるものならヤってみやがれってんだ」右足を力強く床に叩きつけると、ミシリと音がしてヒビが入った
        握った拳を胸の前でぶつけると、2本の角の根本から先端に向かって、熔岩のようなものが駆け上がる。周囲に火の粉が舞い始めるのが分かる
        「なぁ、相棒……獲物はそれでいいのか? 出し惜しみして勝てる相手じゃない事はお前も分かってるハズだろう…?」
        どちらかが死んでしまっては、奥の手を使うチャンスすら失ってしまう。数式卿を警戒しつつ、ブラストを横目で見ながらそう言った
        -- デルファーネス 2013-11-03 (日) 19:21:02
      • 無意味なことだ。ここで君達を殺さずとも、いずれこの世界は消えうせる。
        全てのありえざる事象は姿を消す。世界は正しく数式によって作り変えられる。
        君達、忌まわしいものは全て消え去る。
        君達の言うとおり、今この場で君達をすぐに消すということはできない……いや、しない。その必要がない。
        すでに、世界の崩壊は始まっている。君達に、私達を襲った絶望を、味あわせてあげよう。
        (そういうと、キャロレはロステを自分の方へと引き寄せる。)
        ……この子を、絶対に。絶対に貴様たちに渡してなるものか。私の全てを奪ったお前たちに、渡してなるものか。
        もう二度と、私の大切なものに、恐怖を、与えるような世界を、私は許しはしない!
        消え去るがいい、泡沫の夢の如きものたちよ!
        (ロステを話すと、椅子から立ち上がり、ブラストとデルファーネスの前に立つ。)
        ――我が黄金の数式に解けぬものは、なにもないのだ。
        (青白い光がキャロレの指からほとばしる。そして、地下室の壁面がつぎつぎとはがれ、二人へと向かって壁の破片などが飛び出していく。)
        アリスが受けた苦しみの一片でも、味わってみるがいい!!
        (虚空から取り出した剣を握り、およそ人間のものとは思えないスピードでブラストへと切りかかっていく)
        -- キャロレ 2013-11-06 (水) 00:27:32
      • ブラストさん!! デルちゃん ……パパ! パパの言ってること、全然わかんないよ! 私、私はこの世界に恨みなんてないわ……!
        大好きな人たちがどうして戦うの!? どうしてパパはそんなの怒ってるの!? ねえ……!!
        (キャロレは答えない。答えることができない。それを教えてしまえば、ロステの哀しみ、苦しみを教えてしまう事になるために。)
        だめぇっ……!(二人に向かって飛んでいく壁の一部を数式で弾き飛ばしていく。しかし、全てがロステの思い通りにいくわけでない。キャロレは数式を長く研究してきた。その計算も応用も、いくらでもできる。)
        (しかしロステはそうではない。キャロレに計算を読まれ、黄金の数式を阻まれてしまう。魔力や精神によって数式は左右はされない。だが、その熟練度には当然差が出ていた。)
        あたし、どうすれば……!(キャロレは戦闘しながらも、ロステの事を見守っている。戦いの中に飛び込んでいくのはおそらくは無理である。) -- ロステ 2013-11-06 (水) 00:37:42
      • ……分かっているさ、クーファ。だが、いざという時に切り札が使えないというのもまたのっぴきならない状況を生む。戦いに集中しろ。
        (つまり、今は「いざ」ではないのだろうか?数式卿に気取られてはいけないと、口には出さなかったが)
        (……こんなところで終わるような男ではないという予感があったからだ 本当に本当に、どうしようもなくなった時の「最後の切り札」)
        (それは今ではない)
        護る為に戦いが必要な事がある。だが貴方は戦う必要など無いはずだ……もう護るべき者はそこにいる。その子に危害を加えようとする者はいない。
        貴方はその子を護ろうとするだけで良かったのに……復讐に心を支配されている。一個人の復讐心でこの世界を滅ぼそうとする事を、また私も許す事は出来ない!
        (しゅ、とレイピアをまっすぐに構え、その切っ先をキャロレに向ける)
        解けぬ数式は無いかもしれない。だが、誰にも見ることの出来ない数式もあるのだ!!
        クーファ、壁の破壊を!!援護に回ってくれ!……ム!(一部の壁が何も無いところで弾き飛ばされた ロステの力によるものだ)
        ロステは援護をクーファに任せてくれ!!あれもこれもとやろうとするな、その隙を君のパパは逃さない!私達が消滅させられないことだけに集中して欲しい!!
        (この場にいる抗う者達に素早く指示を飛ばす 早口だったが、透き通るような声とはっきりした発音は淀み無く耳から脳に伝わるだろう)
        (これもまた、政治家という道を選んだブラストの力の一つでもある)
        !!

        ガッキィァッ

        (数式卿の神速の剣を、レイピアの鍔で受け止める ……何という力だ!およそ研究者の細腕から出される力ではない!)
        数……式、卿ッ……私を……見くびりすぎだッ!!
        (コオオ、と響くような音と共に僅かに響命石が光る するとその光が腕に纏わりつき、瞬間的だがこちらもありえないほどの力を発揮する)
        (――これは響命召喚術か?いや、だがクーファの力が干渉した様子はない では内側にクーファの力が何か一部「混ざっている」のか?)
        (ブラスト自身にも分からなかったが、何でもいい 使える力は、全て使う!)
        ハァァッ!!(身体ごと押し返すように、鍔を押し出し)ヤァァァァァッ!!!(教科書のお手本のような、正確で真っ直ぐな突きを数式卿めがけて放つ)
        -- ブラスト 2013-11-06 (水) 19:06:14
      • 「オーケィ…ぶっ壊すのはシンプルで好きだ。任せとけ」
        ブラストに忠告をしたものの、実はデルファーネス自身、迷っている所もあった
        前回の戦いで死にかけただけに、数式卿は憎い…のだが、彼はロステの父親でもある
        どういう形であれ、彼が傷つけば、ロステは悲しむ…えぇいクソ、どうすればいいんだ? そう思うと一瞬だけ闘争心が削がれてしまった
        「っ…!」回避行動が遅れ、飛来してくる壁の一部をまともに受けてしまい、後ろに大きく吹き飛ばされる
        片手をついて立ち上がると、前傾姿勢で前に走る。手をつたう血液は人間のそれではなく、溶けた鉄そのものだ
        「……気にすんな! こっちは大丈夫だ。いい気付けになったぜ」
        ブラストに直撃弾が行かない位置に滑り込むと、両手の指先から落ちる灼熱の血液を鞭のように収束させ、飛んでくる壁のカタマリを引き裂いていく
        -- デルファーネス 2013-11-06 (水) 20:54:51
      • 」アリスに危害を加えようとする者がいない、だと? ……よくもそんなことが言えたものだな。この世界が、この忌まわしき術が存在する限り! それは再び起こりうるのだ……たとえ1%の確率であっても、私はそれを許しはしない!
        この世界の存在そのものが、アリスをむしばむ。私にとっては最早、アリスそのものが、私の全てだ。それを再び害する可能性がある世界など……許すことはない!」

        火花が飛び散る。キャロレの剣とブラストの靈ピアがぶつかる。数式によって、自分自身にかかる物理法則を無視したキャロレの動き、力は、非常識極まるものだ。
        しかし、そのキャロレでさえも、次の出来事には驚愕した。キャロレが押し負けた。ブラストが驚くべき力を発揮したのだ。それも、キャロレが数式で表すことができない力で!

        「馬鹿な!? 何だ、今のは……! それが……響命召喚術の力の一端か? だが……数式の前には、それも無意味だ」
        まっすぐな突きを驚くべき身体能力で交わしながら、こちらも斬撃を繰り返す。
        「絆だのなんだの、そんな力があってなるものか……私たちの全てを奪った世界のお前たちの力が! 私の数式に勝ることなど、ない!」

        以前は周りの空間全てを支配するがごとき数式をキャロレは展開していたが、リーベの血の呪いにより、遍く空間に数式を広げる方法を、キャロレは一時的に失っていた。
        思いもよらないブラストの猛攻に、その意識は防御へと向く。そのため、ロステへの意識が一時的に外れ、ロステを守っていた不可視の数式……ロステの数式を阻むものが消えうせた。今ならばロステに近づくことができる。
        -- キャロレ 2013-11-07 (木) 23:42:23
      • 「――これ……!」
        ロステは感じ取った。自らの数式を阻んでいたものが一時的に途切れたことを。自分を守るように展開された不可視の檻が消え去ったのだ。
        今ならこの場所から動くことができる。今なら飛び出すことができる。
        ロステは飛び出さなければならない。ロステのために狂ってしまった父親を止めるために。
        「パパ……待ってて。あたしが、優しいパパに、戻してあげるから……」
        そしてロステは、その場から勢いよく、跳んだ。そして、手を伸ばした。世界を護らんとする二人に向かって。

        「ブラストさん! デルちゃん!!」 -- ロステ 2013-11-07 (木) 23:45:42
      • ――ロステ!?
        (意外だった 彼女の行動は自分の予想を超えていた 数式卿がそう易々と彼女を自由にさせるつもりがないと踏んでいたからだ)
        (数式卿が世界崩壊のためにリソースをこちらに割ききれないのか?それとも何か別の要因が――そう考えた時、時が止まったような感覚に襲われる)

        ……!?(その止まった時の中で、何故だか分からないが……その時、何かを承った気がした 誰かの、何かの遺志を感じた ここにはいない誰かの……)
           ――あとは人が化物を退治してくれるでしょう
        (伝わった はっきりと その声の主が誰なのか……瞬時に理解した 全てが伝わったのだ)
        ……分かった。ありがとう……この時のために、君はそうしたのか。……本当に……ありがとう。
        君が人に託すなら、私はそれを受け取り、人として化物を打ち倒そう。数式卿の心に根を張る化物を!!

        (虚空に向かって、その「遺志」に応えた瞬間、止まった時が動き出す)
        はああああああああっ!!!!
        (数式卿の斬撃を今一度弾き返し、次の瞬間、迷い無く、吸い寄せられるように数式卿の左の太腿をかすめる様にブラストのレイピアの剣先が放たれた)
        (確実に当たった、そう断言できる ほんの少々かするだけだが、ほんの一瞬数式卿を怯ませるだけの攻撃だが――間違いなく、それは当たったのだ)
        (なぜならそこは、ほんの一瞬だが確実に生まれた隙間だったからだ)
        (――数式卿の脳裏から消え去った数式の壁の「隙間」!)
        (ブラストにそれが知覚できたわけではない だが何かの遺志がそこに剣先を吸い寄せたのだ!)
        ロステーーーーーッ!!!
        (そして数式卿が一瞬怯んだ瞬間、ブラストがロステに手を伸ばす だが――僅かに届かない)
        ……!!クーファ、ロステの後方を爆発させろ!!
        -- ブラスト 2013-11-08 (金) 22:56:33
      • 数式卿が押し負けている…? 何かあったらしい事は、離れて飛来物をひたすら破壊している竜人も感じ取った
        飛んでくる構造物にも、先ほどまでの勢いがない。これはチャンスか? いや…などと逡巡した次の瞬間、ロステが動いたのを視界の端に捉える
        「!? 拘束が外れた…!?」理由は分からなかったが、一時的に数式卿の力が弱まったということが分かればそれで十分だ
        「オーケィ、しっかり受け止めろよ相棒!」
        ロステが火傷をしないギリギリの距離で炎弾を炸裂させると、爆風がロステの背中を強く押し出した
        -- デルファーネス 2013-11-11 (月) 20:22:33
      • 「わわっ!?」
        ロステの後方が突如爆発し、ロステは爆風に強く押される。驚いたようだが物怖じしないロステはそのまま手を伸ばす。
        「ブラスト……さぁん!!」
        爆風に勢いづいたロステがブラストの伸ばされた手を取る。そのまま彼――彼女に抱きつくようにしながら地面へと降り立つ。
        「……パパ! もう、やめて。何があったのかあたし、思い出せないけど……ブラストさんもデルちゃんも……この世界の人は良い人たちだよ! 悪い人もいるけど……でも、パパがそんなに怒るような人じゃないわ!」
        自分の手で、そして助けを借りて、数式卿の手から逃れたロステが叫ぶ。
        「……あたし、パパを止めるわ。そして、また一緒に暮らすの。それじゃ、ダメなの、パパ……!」
        悲痛な少女の叫びが響く。 -- ロステ 2013-11-12 (火) 01:52:44
      • 「アリス――!」

        数式卿が叫ぶ。一瞬、気を反らした隙であった。ロステが自らの足で飛び出し、ブラストの手を取り、彼のもとへと行ったのだ。
        自分の手から再び――彼はそう思っている――娘が奪われたということに、数式卿はひどく狼狽していた。
        「アリス……!! アリス!!」
        少女の真の名を叫ぶ。それが真の名であることを知るのは、この場において数式卿のみであるが。
        「……おのれ、おのれ。また私から、すべてを奪うというのか……何故だ。ロステ、この世界は、その者たちの一部が……君を……私たちの世界を……」
        ロステに攻撃することなどできるはずもない。数式卿はロステに手を伸ばす。
        「……魔法を。君に魔法を見せてあげると、昔約束した。それを今、行うんだ」
        静かにキャロレは天井を仰ぐ。飛び交っていた壁は落ち着き、静寂が場を包んでいる。
        「……この誤った世界を正し、私達の世界を元通りにするのだ。いや……正しく、作り変えるのだ。それを拒む理由は、君にはない、はずだ」
        ロステは静かに首を横に振る。意志を持った瞳で父を見つめている。
        「……私のところに戻る気はないというのか。……君の、記憶の欠落が、そうしているというのなら……」
        数式卿はひどく苦渋に満ちた顔をした。震えてさえもいる。
        「この手は……使いたくなかった。君を、傷つけてしまう。君に、思い出させてしまう。辛い出来事、悲しい出来事、すべてを……」
        本当に悔いているかのように、数式卿は言葉を紡ぐ。
        「ロステ・ストレイ……それは、仮の名に過ぎない。君は、私の実の娘……アリス・キャロレだ。そして……私が封印した君の記憶を今こそ、全て、蘇らせよう」
        数式卿の指から光がほとばしる。
        「……そうすれば、君は、私のところに戻るだろう。私の言葉に、賛成してくれるだろう……余りに残酷な、真実を知れば――」
        刹那、世界が暗転し、あたりの風景が変わっていく。地下にいたはずのブラスト達は、時計塔や橋、王宮を持ったひとつの近代ヨーロッパらしき街並みを見下ろしていた。

        「ブラスト君。君は以前、何故私がこのようなことをするのかと、尋ねたことがあるな。
        ……それに今、答えよう。全てを見せよう。私の絶望の、すべてを」

        「私とアリス……私の家族、そして私の世界全てに起こった惨劇を、今見せようではないか」
        -- キャロレ 2013-11-12 (火) 02:07:53
      • ロステ!!(届いた――抱きついてきたロステを強く抱きしめる)……よく頑張った。君こそ、まさしく……「黄金の魔法使い」……
        ありがとう、クーファ。一旦こっちへ!(戦いの中で離れた距離を戻すよう、クーファに指示を出す)
        ……………………
        (ロステの願いが叫びとなって響く それを聞き届け、改めて数式卿を見る)
        許す事が大切なんだ、そうとは言わない。貴方の憎しみは嘘偽りなき人間の感情だ。哀しみに満ちた貴方の気持ちに軽々しく「割り切れ」等とは私にはとても言えない。
        だが、その気持ちを持ったままでもいいはずだ。彼女の言うとおり、共に静かに暮らす……それでは駄目なのか?
        …………?(封印した記憶を、戻す?)
        (数式卿がロステの記憶を取り戻そうとしなかったのは、ロステにとっては辛い記憶だからのはずだ それを彼は蘇らせようとしている)
        (いや――ロステの「憎しみ」の感情を、蘇らせようとしているのだろう 止めるべきか?否――)
        ……ロステ。今、君にとっておそらく、とても辛い記憶が……君のパパがあのように震えるほどに、辛い記憶が、君の中に眠っていて……
        彼はそれを蘇らせようとしている。……(そっと、ロステの頭を撫でる)
        (風景が変わっていく それにうろたえる事は無い ただ、ほんの少しロステを強く抱きしめ)
        『どんなに辛いときでも……誰かに命令されても……それに流されちゃだめだ。君が決めるんだ。正しい道を……力の使い道を。』
        (かつてロステを抱きしめながら伝えた言葉を、もう一度伝える ロステを……いや、アリスを信じよう)
        (そして、クーファを見る)
        クーファ。君もだ……君はおそらくだが、我々人間の最も醜い部分をこれから共に見るのだろう。
        君がどう思うのも構わない。だが、君の行動は君が決めろ。私と違う考えであったとしても。

        (そして数式卿の言葉を聞き 答える そう 意志を強く持たなければいけないのは、自分自身もまた、絶望に呑み込まれない様に)
        (深遠を覗く時、深遠もまたこちらを見ている 闇の過去を見るということは、立ち向かうこと!)
        分かった。このブラスト・アイディオール。貴方の過去を受け止める覚悟は出来ている。
        教えてくれ。……貴方に何があったのかを……!
        -- ブラスト 2013-11-12 (火) 23:23:56
      • 「おっしゃぁー! 第一目標は達成だな。ロステもよくやった!」ぐっじょぶ!とか言いながら親指を立てて
        一通り周囲を確認してから、頷くとブラストの傍へ駆け寄る。両手の指先から生えていた炎の鞭はいつの間にか消えていた
        「アリス…?」もう一人、招かれざる客でも居るのかと目だけ左右に動かしてみるが、特に何も見えない
        高圧的で、余裕のある態度から一変した数式卿の様子を見る限り、演技とは思えない。竜人は動揺と同時に、何故か少し安心した自分が居る事に驚いた

        「おっ…ォォ!? なんだなんだ」眼下に広がる町並みに驚きつつ
        「ん? あぁ、気にすんな。大抵の事は覚悟した上でここに来てるしな。それに…」
        徹底的に殺し合うつもりではいたが、それを回避できるかもしれない。ここは素直に数式卿が見せるモノを受け入れるべきだ
        -- デルファーネス 2013-11-13 (水) 01:40:09
      • 「我が故郷、我が帝国の首都――ロンドン」

        それはここから遠く離れた世界。《名もなき世界》と呼ばれる世界の内のひとつ。

        「私とアリス……私の家族が生きた場所だ」

        発展した科学文明。そこに魔術などの影はひとつも存在していないようにみえる。洋装を身に包んだ人々が街を歩き、楽しげにしている。
        空はどこか灰色だが、その日はとても穏やかで、平和な日だったようである。

        「魔術も幻想の存在も、何も存在しない、私達の世界だ」

        場面が転換し、一つの屋敷がクローズアップされる。それは、《数学屋敷》とうり二つの屋敷であった。
        そこの庭で子供たちが遊んでいた。大きな樹の下で、一人の男が子供たちに本を読み聞かせていた。
        三人の、その男の娘と思しき少女たちが、嬉しそうにそれを聞いている。少し離れた場所で、男の妻と思しき女がそれを笑顔で見ている。

        その男は――ラトウィッジ・キャロレ。そして、少女の一人は――ロステであった。

        少女たちはお話を聞かせてとねだっている。キャロレは、これまでブラスト達が見たことのないような、穏やかな、幸せそうな表情で、少女たちに本を読み聞かせている。三人の姫様と呼んで大切にしていた娘たちに。

        「――ああ。嗚呼。そうだ。私は、幸せに過ごしていた……娘と妻に囲まれて……暮らしていたのだ」

        「そして、それが――崩れ去ったのだ。世界とともに」

        そんな平和な黄金の午後が破られた。
        帝都ロンドンの上空に、突如巨大な魔法陣いくつもが出現した。赤黒く光るそれから、奇怪な光がほとばしり、その中から奇妙な装束――この世界の人々にとって――を来た者たちが次々と降り立っていく。
        帝都の人々は呆然としていた。キャロレもアリスたちも、それを眺めて呆然としていた。
        魔法陣から現れたものたち、それは――召喚士であった。

        召喚師たちは邪悪な笑みを浮かべていた。異常事態に出動した英国軍が現れた召喚師たちを取り囲んでいく。しかし、召喚師たちは、何も臆した様子もない。
        近代兵器など、彼らの前では何の意味もないのだから。
        さらに無数の魔法陣が出現し、そこから召喚師たちは、召喚術を行使した。
        様々な世界から、この世界の人間が見たこともないような、“化物”が呼び出されていく。
        悪魔、ドラゴン、巨人、巨大な機械……お話の中にしか登場しえないはずのものが次々と現れ――

        ロンドンは、地獄と化した。
        ドラゴンの吐く炎が兵隊を焼き、巨人があらゆる建造物を砕き、名状しがたい怪物が、ロンドンの人々を喰らっている。
        空が赤く光り、爆風が次々と起こり、人々が逃げ惑う。
        邪悪な召喚師たちの哄笑が響く。彼らは、世界を壊していく。
        あり得ない力で。あり得ない技で。
        何もかもを、等しく壊していく――
        -- キャロレ 2013-11-13 (水) 23:29:13
      • うん……わかってる。ブラストさん……あたしは、これから何を見ても、何を思い出しても……。
        世界を、壊すなんてこと、しないわ。
        もう、あたしは小さいロステじゃないから……!!
        (そしてロステは見る。自らが生まれた街を。世界を)
        ここ、は……う、う、うぅぅうっっ……!!
        (ロステを頭痛が襲う。思い出してはならないというように。)
        あっ……! あれ……パパと、あたし!?
        (ロステは見た。自分の父親の姿を。キャロレの目はあの禍々しい赫ではない。ロステと同じ、青い瞳だ。)

        あ。ああ……これ……
        (ロステは震えはじめる。あの魔法陣が出現し、そこから露われる者たちを見て。――そして、世界が壊れる様を、見て)
        いや……いや……

        い、やあ、ああああああっ!!(ロステの叫びが木霊する。身体ががくがくと震え、顔は真っ青になっている。)
        深く深く封じられた記憶が、呼びさまされていく。 -- ロステ 2013-11-13 (水) 23:36:50

      • ………………ぁ………………

        ……(口を押さえ、その恐ろしい様子を見るしかなかった 何故だ?どうしてだ?その思いが頭を駆け巡る)
        (ドラゴンの炎には水の術士が障壁を張るのが定石だ 巨人に対抗する冒険者は居ないのか?どうしてそうも無力なのだ!?)
        (魔法を使っている様子も一切無い 銃……のようなものは使っている しかし銃はいくらでも防御しようがある武器だ なのに彼らは銃ぐらいしか武器らしいものを持っていない)
        (この世界の精霊は何をしている?どうしてこんなにも弱い人々がいるのだ?こんなにも人が居るのに、誰一人として対抗できる者がいない?馬鹿な そんな馬鹿な)
        (魔物の恐ろしさは知っている だがそれに立ち向かう人間の強さも知っている!なのに……こんなにも無力な人間達が……いるのか?それはブラストのまったく知らない常識)
        (それじゃ、勝てるわけがない ……あまりにも惨い蹂躙 鬼が赤子を踏み潰して回るような……どうしようもない状況)
        (逆に……なぜ、こんなか弱い者達をここまで踏みにじる?召喚師と召喚獣が別世界で慈悲の無い略奪をしたという記録は確かに多くある それは事実だ)
        (だがそれは利益を得るためのもの こんな……ただ、ただひたすらに、か弱い人々を破壊をするだけなど 聞いた事は無い)
        (思考がぐるぐると回る)
        (想像をはるかに超える暴虐と残酷な光景に眩暈がする)

        ……何という……ことを……
        (幻達に手を伸ばす 触れることすらできない 空を切る手が、空しくだらりと落ちる)
        な……何故だ。何故逃げるだけなんだ?魔法を……魔法を使ってくれ!!障壁で防いでくれ!!子供が……ああ……焼け死んで……
        誰か……いないのか?なぜ銃しか使わないんだ?それしかないのか?駄目だ、その魔物には銀の剣のほうが効果的なのに……なぜそんなすぐ折れるような剣を使っているんだ!?
        ――数式卿ッ!!
        (地獄の光景を目の当たりにしながら、信じられないものを見るような目で思わず叫ぶ)
        この国は……いったい何をしているんだ?まるで何も知らないのか?結界は?機械は使っているようだが……まるで効いていない。属性付加をしてないんじゃあないのか?
        祝福儀礼は?応急の治癒はしないのか?なんだあのただの鉄の盾は!?衛兵なら多少貧しい国でもミスリル製の盾ぐらいは持っているはずだ!
        そもそもこの国はとても裕福に見える……優秀な人材や豊富な技師がいて当たり前のようにすら見えるのに……何故だ!?
        違う……やめろ!!何故ブラックウーズに銃を撃つ!?そいつには魔法しか効かない、子供だって知っているはずだ!!……何なんだこのどう見てもただの鉄の剣は?
        まるで玩具のように折られるばかりじゃないか……そんな安物しか持っていないのか?誰一人?馬鹿な……あり得ない。こんな国がどうしてここまで繁栄できる?
        (問いかけながら、既に起こった出来事に叫びを放たずにはいられない ブラストにとっては、彼らの行動は理解できないほどに不可解なのだ)

        ……(一方的な虐殺に、おもわず膝を付く 邪悪な召喚師達に怒りも覚える だがそれ以上に――)
        なぜ……なぜこうなるまで放っておいた?誰も、何も……何も出来なかったのか!?何一つ魔物に対する備えがされてない!こんな国は、見たことがないッ!!
        ロレイラルも!シルターンも!サプレスも!メイトルパも!勿論この世界だってこんな無防備な国があったなどという記録は無い!!
        (叫び声を上げるロステを、強く抱きしめることしかできない こんな……理不尽を見せられて、冷静で居られるわけが無かった)
        何故こうなったんだ!?答えろ、数式卿ーーーッ!!!
        -- ブラスト 2013-11-15 (金) 08:34:50
      • どの世界とも合致しない建築物、走る四角い箱、似ている様で異なる銃火器…
        こちらの世界では、一般的に知る者は少ないだろう。しかし、人の寿命を超えて生きている竜人は聞いたことがあった
        《名も無き世界》の中でも、異能の力のない文明を築いている世界のことを。そこから稀に召喚されてくるヒトを
        「そうか…数式卿、アンタは………」
        映し出された光景を、苦虫を噛み潰した様な表情で見ていた
        この《名も無き世界》を侵略しているドラゴンは同族ではないとはいえ、デルファーネス自身も竜族である
        加えて、過去にご先祖がリィンバウムに侵攻していた事もある
        それは結果的に失敗に終わり、返り討ちにあったらしいが……それでも、心臓を掴まれたような気分になるのは言うまでもない
        -- デルファーネス 2013-11-16 (土) 00:11:33
      • 「あ、ああ、ああ……!!」
        街を襲う化物たち。それが、屋敷へと向かって行く。
        「ダメ……だって、そっちは! パパがママが! あたしたちが、いるのに!!」
        悲鳴にも似たロステの叫びが響く。だが、どうにもならない。過去は、変えられない。
        そして、目撃する。母が、姉が、妹が殺されていく。そして、自分自身が――殺されていく様を。
        「そう……思い出した。あたしは、あたしは……殺された。死んじゃった。ここで、あの、化け物に……! 痛い、痛い、痛いッ!! あ、あああ!」
        錯乱したかのようになり、ブラストの体から離れ、地に膝をつく。
        「……じゃあ、今のあたしは、何? あたしは、ここで、死んだのに……どうして今、あたしは生きてるの? あたしは、あたしは……あたしは――」
        アリスは確かに死んだ。だが、今ロステはここにいる。その現実を知り、ロステは――アリスは、呆然とする。ひどい頭痛に襲われながら。 -- ロステ 2013-11-16 (土) 01:18:44
      • 存在……しない……?何も……?
        (ふと、襲われる人々を見て気づく そうだ……獣人や亜人と言ったものも見当たらないのだ 全員、人間だ)
        (この界境街でなくともある程度の別種族は居る それが……まったくいる様子がない じゃあ、この世界は……)
        ……に……
        人間……が……最も強い世界……?
        (それしか考えられなかった 想像する事すら出来ないが ただの人間「だけで」こんなにも繁栄している世界 外敵がいない世界)
        (ブラストにとってはこれは御伽噺ですらない そんな世界は、考えた事すらない 魔物がすべて御伽噺の世界?)
        それじゃあ……我々にとっては……我々の言う御伽噺は……空を覆う巨竜や……全てを食らう暗黒の太陽や……
        (そう 自分たちにとって「ありえない物」 それが御伽噺になる ではこんな当たり前の怪物が御伽噺になる世界は……その世界に自分たちの常識を持ち込むことは)

        ……あっては……ならない……

        (明確な答えだった 決して干渉してはならない世界 だから……だからこそ、ブラスト達には知りえなかったのだ あまりにも違いすぎる世界だったから)
        (『名も無き世界』――それは、名を与えて知らしめてはいけないほどに、か弱い世界だったのだ だから誰も知らないし、関わる事がなかったのだ)

        ……!!やっ……やめ……
        (叫びそうになった もはや変えられない過去に 残酷な運命に キャロレの家族が蹂躙されていく ただただ無力に)
        (そしてそのドラゴンがロステ……いや、アリスに手をかけた時 ついには叫ばずにはいられなかった)
        やめろォォォォォォオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!


        ハァッ、ハァッ、ハァッ……!!!
        (心臓が早鐘のように鳴る それはクーファにも伝わるだろう)
        (――酷い惨状をいくつも想像した 思いつく限り最悪の事態を だがここまでどうしようもない理不尽な出来事だとは思わなかった)
        (どうして数式卿を責められようか?自分だって――こんな惨状を起こした原因が突き止められるなら、地の果てでも復讐をしにいくかもしれない)
        (痛感した 静かにこの世界で暮らす事は……不可能だ)
        (認められるわけがない ここは……彼にとって「御伽噺の世界」なのだ)
        (数式卿もロステも何度も言い続けていた「御伽噺の世界」)
        (その言葉が真に意味するのは 「ありえない世界」ではない――「あってはならない世界」なのだ)
        (どうして世界ごと否定するのか、ずっと判らなかった だが、やっと判った ここは現実なんかじゃない 御伽噺の世界だからだ 数式卿にとって……いや、『名も無き世界』にとって)
        ………………ぁ、あ……
        (自分の身を抱くようにして震える 自分の信念は自分の中での常識から生まれたものでしかない事を痛感した 自らの言葉のおこがましさに罪悪感すら感じた)
        (無責任で、相手を理解せず自分の常識に当てはめようと迫る――呪われるべきはこの私だった)
        ろ……ロ、ス、テ……
        (錯乱するロステにかける言葉が何も思いつかない 思考がぐちゃぐちゃだ 覗き込んだ深遠が、自分を見ていた)
        (魔法も無い世界?そうだ……じゃあ、何故ロステ、いやアリスがここに?蘇生術など、この世界でも稀な部類だ 存在しないわけではないが、殆どそれこそ御伽噺に近い)
        (この世界にその技術があるようにはとても思えない あるとするなら――「なんでもできる魔法」)

        まさ……か……数式卿……まさか。
        黄金の数式は……「命を生み出した」……のか……?
        -- ブラスト 2013-11-16 (土) 02:27:31
      • 世の中は平等であると訴えた所で、所詮は弱肉強食。自分の身を守れない者は奪われ、搾取されて当然だ
        一族を離れ、単独で行動していた以前のデルファーネスならば、そう切り捨てていただろう。だが、今は違った
        ブラストが、ロステが、トーヤが…街のみんながいる。全てを奪われたとしたら…俺はどうするだろうか

        数式卿が泣いている…? そう、この映像はロステだけではなく、数式卿自身も体験しているハズなのだ
        実際にその場に居なかったデルファーネスですら、正視するのは辛い。彼にとってもこの事件は底知れぬ深い傷痕になっているだろう
        それなのに何故…自らの傷をえぐるような事をしてまで、俺たちにこれを見せるんだ…?
        その根拠は分からない。わからないが…一つの光明を見出したかもしれない
        -- デルファーネス 2013-11-17 (日) 09:32:17
      • 「そして、私は直後出現した世界の歪みに飲まれ……君達の世界へと来た。私の世界を滅ぼした何もかもが存在する世界に」

        「そして私は計算し続けた。常に狂いそうになりながら、君達の世界に来るときに垣間見た、“黄金”を追い求めた――」

        「私は全てを否定する為に。ついに導き出したのだ――《黄金の数式》を」

        「……理解したようだな。ブラスト君。そう、甘い考えは捨てるがいい。私が心を改めることなどない。……二つに一つだ」
        ブラストの問いに、数式卿は静かに目を閉じ、押し黙る。それはわずかな時間だったが、とてもとても長い時間に感じられるだろう。
        そして、ようやく数式卿は口を開いた。彼自身が、ロステに明かしたくない、真実を語る。

        数式存在だ――」
        キャロレは静かに語る。
        「命を生み出した。そうとも言えるだろう。だが正確には違う。再びこの世に呼び出したのだ。アリスを、数式存在として」
        ロステの方をキャロレは見る。
        「数式によって構成された存在。私は、黄金の数式の研究の果てに、私は妻を、三人の娘を、蘇らせることにした。だが、ダメだった。何度やっても成功はしなかった。死んだ存在そのものを蘇らせるなどはできなかった。だが――
        私は、成功した。黄金の数式によって、再びアリスをこの世に呼び出したのだ。黄金の数式の一部、黄金の数式“そのもの”で構成された身体に……失われたアリスの魂と、記憶が、宿った」

        「現出したのだ。この世界に。もう一度、アリスとして……いや、理屈など良い。アリスはアリスだ。私には、それだけで十分だった」
        ロステは黄金の数式を与えられた数式存在、いわば、黄金の数式の半身のような存在であった。故に、キャロレの数式はロステを取り戻して初めて完成するのだ。
        「だが、アリスは“落ちた”……この世界に落ちた。そして、迷子となった。私のもとを離れて……私が記憶を封印したそのままの姿で。……私は、再びアリスが君達に奪われることを、認めるわけにはいかない。そんなことは、許さない」
        キャロレは手を伸ばす。狼狽するアリスに向かって。優しい父の顔で。
        「……君が数式存在でなんであれ、私の娘の、かわいいアリスだ。君がいれば、私の数式は完成する。この忌まわしき世界を消し去り、私達の世界を取り戻すことができる……さあ」

        「おいで、アリス」
        -- キャロレ 2013-11-18 (月) 23:13:28
      • 「あたしは……」

        「死んで、蘇った……」

        「――アリス・キャロレ」

        キャロレの話を聞いて、あまりの惨劇を見て、絶望に似た感情を見せるブラストの横で、ロステが、いや……アリスが言う。
        「思い出したわ、パパ。あたしは、アリス。アリス・キャロレ……パパの数式で、また生き返ることができた……」
        アリスは震えていた。自分の死にざまをみて、すべてを思い出して。
        「怖かった……どうして、どうしてなのか、なにもわからなかった。なんで、なんであんなひどいことをするの。どうして、あの魔法使いさんは、皆を殺すの。
        ……あたし、わかるわ。パパの気持ち。どうして、あんなことになったのか、わからないもの……」

        「でも」

        「ダメ……今のパパのところに、あたしは行けない」

        碧い眼を輝かせて、アリスは言い放った。

        「ブラストさん……ダメ。ダメだよ。諦めちゃだめ。だって、ブラストさんは希望だもの。街の皆の希望なんだもの! 今、パパを止められるのはあたしたちしかいない……ブラストさんはいったわ。『どんなに辛いときでも……誰かに命令されても……それに流されちゃだめだ。君が決めるんだ。正しい道を……力の使い道を。』って……だから、あたしはそうする。
        パパを、止めなきゃ。パパは、間違ってるわ!」
        「立ち上がって。ブラストさん。力を貸して、デルちゃん。あたし、怖かったよ。あの悪い召喚師さんたちも、憎いと思ったわ。でも……
        ブラストさんたちが悪いわけじゃないわ。この世界の皆がわるいわけじゃないわ! どうしてあんなことが起こったのかなんて、あたしにもわからない……だけど。今のままじゃ、パパが同じことをしちゃう。あの悪い召喚師と同じことをしちゃう。そんなのダメ! 絶対ダメ!」

        「あたしは、諦めない。あたしは、パパを、助けて見せるわ。ブラストさんはこの街を守るといったわ。きっと、他の皆も今、戦ってる……この世界は悪い人ばっかりじゃない。あたしは、知ってるもの」
        アリスの体から仄かに“黄金”の光が溢れ出していく。
        「この世界を壊して元の世界を戻したって! パパも、ママも、誰も喜ばない! いつもの優しいパパは、そんなことしないはずよ! だから、あたしはパパを止める。今のパパのところには、いかない!」

        「もうあたしはロステ・ストレイ、失われた迷子じゃない――アリス・キャロレだから! もう迷わない。行くべき道は、見つけたわ! パパを止めるために……あたしはもう一度、生まれてきたの!」

        ブラストとデルファーネスの手を取って。幼いアリスは宣言する。高らかに、高らかに。
        眩い黄金の光が満ち満ちていく。煌々と、闇に満ちた数式の間が照らされていく。過去の世界の幻想が消えていく。 -- アリス 2013-11-19 (火) 00:07:18
      • 「なんてこった…ロステは文字通り、アンタの半身ってわけかよ…」
        一度死に、数式卿の力で再び蘇った。少女の不可思議な術、その源が数式卿の一部だとすれば、なるほど辻褄が合う

        竜人は、数式卿が娘を呼んでいる姿を見ながら、ロステはキャロレにつくと、少なからず思っていた
        数式卿がこの状況で、わざわざブラフを使うとも思えない。あの惨劇は紛れもない事実で、ロステは一度死んでいて、彼は実の父親なのだ。無理もない…そう思っていた
        「なっ…! おい!」
        ”パパのところに行けない”という台詞に驚く。考え直せ、と言おうとしてロステを見たが、何かを決意したような表情に口をつぐんだ

        「ふっ…」なぜだか急に笑いたくなった。自分は何を躊躇していたのだ
        愛する人の過ちを止めようと、少女が精一杯の決意をしているのに、
        生まれてきた世界を護るために、青年が拳をにぎり立ち上がろうとしているのに、
        「それなのに俺ときたら…情けねぇな」

        「アンタの考え方、行動原理としてはシンプルで好きだぜ? ただ、こっちも”はいそうですか”で殺されるつもりはねーよ」
        そうだ、相手が誰であろうと、変らない
        竜族としてではなく、トーヤの、ブラストの、ロステの友として、奴は止めなければならない。それに…

        「とある男の顛末を見届けるまでは、死なないと決めてるんだ。カーテンコールにはまだ速い」
        「……あとのコトは、テメェを殴り倒してから考えることにするぜ」
        -- デルファーネス 2013-11-24 (日) 19:08:22
  • -- 2013-10-28 (月) 09:12:20
  • -- 2013-10-28 (月) 09:12:15
  • (あの時と同じく、部屋に霧が入り込んだと思えばそれが形となってリーベとなると、おもむろに緩慢な動きで拍手を)
    お久しぶりでございますね、数式卿…ついに最後のピースも手に入れられたようですね?おめでとうございます、というべきでしょうか
    あぁ、もちろん僕としてはブラストさんが退けてくれるならそれはそれでよろしかったのですが…残念ながら、見つけたのは敗れた後のブラストさんでしてね?
    まぁ、ブラストさんならいずれ貴方の前に戻ってきてくれるでしょう。仲間とともに…それまで待つつもりはありませんかな?(穏やかに微笑み)
    何も焦ることもないでしょう、であればあの者たちの最後の抵抗を見届けてからでも良いではありませんか(そう思いません?と同意を求め) -- リーベ 2013-10-11 (金) 21:06:45
    • 数式の間に霧が入り込む。そして拍手が響く。吸血鬼が再び現れたのだ。
      数式卿は椅子に腰かけながら、ただそれを見つめていた。ロステはここにはいない。別の部屋にいるようだ。
      「私がそのようなことに本当に乗ると思っているならば、お前はまさに愚者と言ったところだろうな」
      彼の問いや提案に答えずに言う。
      「私が彼らの最後の抵抗を見届ける意味などない。私の計画の始まりは私が決める。彼らは来るだろう。だがそれだけだ。意味などない」
      赤く光る瞳がリーベを見据える。リーベの数式が脳内に現れる。
      「どの道君も消える。私こそ言おう、「焦ることもない」 私を阻みに来たのだろうが、来たるべき滅びが早まるだけだ」
      -- キャロレ 2013-10-11 (金) 23:08:49
      • 相変わらず余裕でございますね、僕の知人などはなかなかにいいリアクションをしてくれるのですが…(やれやれ、と残念そうに)
        いえいえ、ただ聞いてみなければ分からないものですからね。貴方のことをよく知ってる訳でもありませんので、もしやということもございましょう
        おや、来るのは予感しているのですね?しかし、それまでに準備が終われば待たずにしまうのでしょう…それでは、「面白くない」
        フフフ、僕を消すのですか…えぇ、阻みに来たのですよ。ついでに言えば殺せれば御の字ですが…(ゆっくりと手を広ければ、普通の爪だったものが硬く長く伸び)
        …あぁ、ついでに言いますと…僕がそれほど簡単に表せるとでも(穏やかな微笑みではなく、口の端を吊り上げるように)
        (キャロレが消そうとしても、頬の一部が削られただけで終わるだろう。何故なら、この吸血鬼は膨大な生命・そして記憶をくらってきた化物)
        (それだけに、数式で表すとしてもそれだけ膨大でなければならず、そう簡単に計算が終わるものでもなく) -- リーベ 2013-10-11 (金) 23:20:21
      • 「私は自分の楽しみなどのためにやっているわけではない……私が成すべきことを成すだけだ」
        興味なさげにキャロレは言う。数多の数式が現れても動じない。こういう化物にはこの世界に来て、慣れたのだ。
        命を喰らい、長く時を生きる。キャロレにとっては吐き気を催すようなものだった。
        「君の命は無限ではない。有限だ。ならば簡単だ。解けばいいだけの話だ」
        凄まじい速さで計算が行われていく。そう、いつかは終わりが見える。永遠の命など存在しない。
        さらに、物理的に数式を「壊す」ことによって計算を加速させることをキャロレは考えた。
        虚空が裂け、対消滅の際に生まれるエネルギーの一部が数式によって表され、次々とリーベへと向かって行く。
        そして、無数の槍や弓などが前触れもなく現れ、リーベへと向かって飛んでいく。
        -- キャロレ 2013-10-11 (金) 23:37:02
      • それはいけませんね…もっと人生楽しむべきですよ?まぁ、失われた貴方には酷な話かもしれませんがね
        おや、僕みたいなものはお嫌いですか?しかしながら、今の貴方も同類かと思うのですがね?
        あぁ…それは全くもって正しいですね、その通り…僕は神などでもなく、ちょっと長生きなだけの生物ですからね…(そう語る間にもエネルギーのうねりがかすめ、耳たぶが、指先が弾け飛び)
        …さて、どれが貴方に通用しますかね…(肉弾戦を、通常魔法を、古代魔法を、様々な攻撃を持って襲いかかり)
        (どれも普通の人間であれば一撃で殺せるものではあるが、どれが通用するかを探ってるようでもあり) -- リーベ 2013-10-11 (金) 23:59:47
      • 「無駄だ。君も理解すると良い」
        肉弾戦、通常魔法、古代魔法……様々な技がキャロレへと放たれていく。
        しかしそれらはキャロレに至る前に阻まれたり、無効化されたりしていく。数式によって解析されていく。
        「この世に存在している限り。この世に現れている物である限り。全ては数式で表すことができる。魔法も、何もかもが。故に、無意味だ」
        キャロレがリーベの心臓目がけて視線を向ける。すると、音速をも超えるようなスピードでどこからともなく射出された鋭い刃がそこ目がけて飛ぶ。
        「黄金の数式に解けぬものはない。君も私も、全ては数で構成されているのだから」
        憎悪の表情をリーベに向けて。
        「お前たち異界の存在も、直に終わる。消えうせるがいい」
        -- キャロレ 2013-10-12 (土) 21:37:53
      • フフフ…元より僕は諦めが悪いものでございましてね…(しかし現実としては、攻撃の全ては阻まれて消え失せてしまい)
        (逆に相手のエネルギーや飛び道具が無数に襲いかかり、すべてを躱しきることなどは出来ずにリーベの血肉が床や壁に撒き散らされ)
        (そしてよけることも出来ない速度で放たれた刃がリーベの心臓を穿ち、リーベが仰向けに倒れそうになった体勢が、そのままピタリと止まり)…なる、ほど…流石は「数式卿」…
        …これは僕では、勝目は少なさそうでございますね(体をゆっくりと起こし、刃をゆっくりと引き抜いて穏やかに微笑むが、ダメージが全くないというわけではなく)
        (リーベ自身の膨大だった数字もまた、随分と目減りしてキャロレの周囲に散らばっており、あともう少しで解ける前に死ぬのではないかというところで)
        …ならば、僕はせいぜい…時間稼ぎをすると、いたしましょう…(ただの血肉であるはずのものが、独りでにキャロレを中心にして線や点を描くように蠢き)
        …さぁ、大して食べたくもありませんが…「食事の時間」だ…(血肉が結界陣を作り上げ、その瞬間逆にキャロレから何かが抜け出ていくのが見えるだろう。見覚えがあるはずなのに、なぜか知らない数式が) -- リーベ 2013-10-12 (土) 22:06:52
      • 「……何だ、これは」
        ただの血肉であったものが蠢き始めた。それはキャロレを中心とした円となる。
        そして瞬時に理解する。何が行われたかを。理解はすれども、既に遅い。
        「……クッ、記憶を食ったというのか!」
        修復は可能だ。しかし時間はかかる。再び記憶の数式を計算し直さなければならない。
        一部の数式の記憶が失われる。計画に必要な計算の一部が。
        「……やってくれたな。忌まわしきものめ!」
        再び高エネルギーをリーベにぶつけようとする。怒号とともに。
        -- キャロレ 2013-10-12 (土) 23:12:56
      • あぁ、やはりこれは貴方にも通用しましたか…いやはや、血肉すら丁寧に消されていればこうは出来なかったのですがね?(疲れた顔で微笑み)
        えぇ、僕は「悪食」なのでね?記憶も食べてしまうのですよ…まぁ、貴方の数字ばかりの記憶など全くもって美味しくはないですが
        おや、そんなに怒られるとは…穴あき問題は数学者ならお好きなのでは…おっとっと…(避けようとするも、血肉を失いすぎた弊害で左目を含む顔面の一部をかき消され)
        フフフ、怒りというのは人間の中で大切な感情の一つ…忘れていなくて何よりですよ…さて、これで僕は退散するといたしましょう(ゆっくりとリーベの体が霧へと変化していき)
        …ただの時間稼ぎ、しかしあとは人が化物を退治してくれるでしょう…その時まで、どうかお元気で(微笑みの顔も霧に変わり、リーベの気配が消え失せ)
        (あとに残されたとは力を使い果たし僅かに蠢く血肉と、記憶の一部が虫食いのように失われたという事実だけで) -- リーベ 2013-10-12 (土) 23:22:41
  • 「わたしは言葉を使うときに」 -- 2013-10-02 (水) 00:47:09
  • ハンプティは、いささか威張りくさった口調で言いました。 -- 2013-10-02 (水) 00:47:00
  • 「自分がえらんだ意味だけで使うのだ――それ以上でも以下でもなく」 -- 2013-10-02 (水) 00:46:50
  • この街には、キャロレに賛同するもの、志を同じくするものは多い。
    ―――未曾有の大災害。
    召喚獣と呼ばれていた来訪者たちは、この街に暮らしていた大多数の者にとって破壊者であり侵略者である。
    召喚士たちもマイノリティであるがゆえに広く正しい知識を浸透させることは出来ず、大災害そのものを引き起こしたのは(一部の、もしくはすべての)召喚士たちが原因であるという印象から来る誤解を信じている者が多い。
    ゆえに、彼らを追い出そうと考える市民は多く、その一部に殺害にいたろうとするものも存在する。
    秘密結社でなければ、それら旧市街市民を取り込み、一大勢力となっていただろう。

    フードを被り、面をつけた少女の目の前で縛り上げられているのも、そうした思想を持ち、思想に賛同した団員である。
    「ええ、そうですわ。せいあついたしました。」
    フードを下げ、面を外してふぅとひとつ、息をつく少女。
    「おとなしくなさってくださいまし。暴れるほど、食い込みましてよ。」
    キャロレにとって幸運だったのは、その拠点の放棄を決定していたこと、重要なものはすべて移動済みであったことだ。つまり縛り上げられている数人のメンバーも、そして縛り上げられている場所に残されたものも、トカゲにとって尻尾程度の重要さであるといったところか。 -- モノ 2013-09-20 (金) 02:52:43
    • 「がああああっ!」
      縛り上げられたメンバーの叫びが響く。《黄金の午後団》の構成員たちである。
      召喚術を厭う者たちの集まりである。キャロレと志を同じくする――と思い込んでいる――者たちが集まる一つの支部が、一人の少女によって壊滅させられていた。
      キャロレが神の御業に近しい力を持っているとはいえ、構成員の多くは人間の者が多い。キャロレも数式の力を彼らに与えようとはしない。そもそも、構成員たちが《黄金の数式》について知っているのかどうか怪しまれるほど、あっけないものであった。
      町はずれの小さな屋敷の中には特に何も残されていなかった。《黄金の午後団》の集会所に過ぎないような場所である。構成員たちはうめき声をあげ、苦しむのみであった。
      《黄金の午後団》がキャロレの計画に如何に関わるのか、そもそも果たしてどのような役目を果たしているのか、わかるものは何一つなかった。

      ――そのときである。縛り上げられていた構成員たちのうめき声がぱたりと消えた。
      見れば、彼ら構成員の体が、ひとりでに分解されていた。肉片一つ残さずに、この世界から消滅した。
      そして、現れた。何の気配もなく。何の前触れもなく。初めからそこにいたようにして。
      男が、ひとり。

      「ようこそ、お嬢さん。聊か訪問には乱暴すぎるきらいがありはしないかね。彼らも、随分と苦しんでいたようだが」
      黒いスーツに赫い瞳の痩身の男であった。
      この男こそ、《数式卿》その人である。《黄金の午後団》の総帥である。それが、わざわざ少女の前に姿を現した。
      -- キャロレ 2013-09-20 (金) 03:34:58
      • 「ああ、もう…。暴れたら食い込むと申しましたのに…」
        諦めが悪いのか聞く耳を持っていないのか、男たちは抜け出そうとして暴れ、そのたびに紐は食い込み、苦しそうな声をあげる。
        「まったく…。」
        ため息一つ。抜け出せない程度に紐を緩めようと手を伸ばしたとき。
        消えた。
        塵のように、団員たちの身体が目の前から消失した。
        太陽を浴びた吸血鬼というのはこのようになるのかしら…。
        異常な事態に一瞬そんなことを思う。
        「な……。」
        手の中で、紐がぶら下がっている。最初からそうであったようにゆらゆらとゆれている。


        不思議そうに首をかしげると、不意に声をかけられた。振り向き。
        「誰…ですの?」
        知らない男だ。右目と同じ赤い目をしているが、特に親近感などはわかない。
        「この手品は、あなたの仕業でして?彼らをどこへやりましたの?」
        彼らと敵対し、計画を阻止したことは何度かあったが、彼に相対したのは初めてだった。
        もう一度、たずねた。 -- モノ 2013-09-21 (土) 04:13:13
      • 「私は今、君が縛り上げていた者たちの首領と言えるものだ」
        禍々しい赫の瞳がモノを射る。紳士的な佇まいだが、瞳の中には狂おしいまでの憎しみが秘められている。
        黒いスーツに身を包んだ男は靴音を響かせながら、モノへ近づいてくる。
        「彼らはどこへいった、か。面白い質問だ。彼らはどこにも行ってはいない、正確にはもうどこにもいない」
        部下であるはずの者たちには何の感情も持ち合わせていないようだ。ただただ事実のみを述べる。
        「我が数式によって彼らはこの宇宙から消え去った。もはや、どこの世界にも存在しない。彼らは私の方程式により“解かれた”……彼が構成される数を入れ替え、消したというだけのこと。簡単なことだ」
        男は無感情な表情でモノの近くまで歩み寄ると、少女を見下ろした。魔人の気配が迫る。
        「別に彼らが捕まって何を話そうが私にとっては何の意味のないことだが、折角だ。君に見せてあげようと思ってね、我が《黄金の数式》の力を」
        キャロレにとってはこの《黄金の午後団》の支部も構成員も、失ったところで何も問題のないものであった。ただ、少女に見せるためだけに、消滅させたと語る。
        「……さて、いつかのことか、君達に計画が阻止されたことがあった。それは過去の事実。そして今は、《黄金の数式》が完成した。最早、君達も止めることは出来まい……さて、名乗るとしよう。私はラトウィッジ・キャロレ……《数式卿》などと、呼ばれている」
        -- キャロレ 2013-09-21 (土) 14:52:51
      • 「しゅ…りょう?」首をかしげると、白と黒がゆれる。
        赤とブラウンの瞳は、近づいてくる男を見据える。そこには強い警戒。
        男の足音が、無人の部屋に響く。ゆっくりと少女に近づいている。
        違和感。
        少女に近づけば近づくほど、その動きが計算されていればされているほど強くなるその少女に対する違和感を感じることになる。
        「けし…た?」
        少女の姿勢はなかなか訓練されている。男が指先にでも攻撃的な動きがあれば、例えこの距離だとしてもきちんと反応するだろう。
        すぅと、月に照らされた少女の顔が青ざめる。
        「殺したと、いうことですの…?」
        声に、強い非難の色が混じる。なぜ殺したのか、わからない。彼らは団員ではないのか?志を同じくするものではないのか?
        「貴方が…!」
        血の気の引いた顔に驚きが混じり、そして男の圧力に負けぬよう唇をきっと結びにらみあげる少女の姿は、違和感を伴いどこか虚ろに見える。
        「そう…貴方が…。やっと会えましたのね…。」
        少女がごくりとつばを飲む音が、目の前にいるはずなのにどこか距離を伴っているようだ。 -- モノ 2013-09-22 (日) 09:05:40
      • 「そういう表現もできなくはないが、正確ではない」
        少女の非難の声にも、何も感じた様子が見られない。
        「殺したのではない。彼らの数式を書き換えたのだ。彼らは人としては消えたが、この世界を構成する要素の一つとしては存在し続けている。……まあ、人としては死んだも同じだ」
        男は薄く笑みを浮かべる。冷酷な笑みである。人としての感情がほとんど垣間見ることのできないような。
        「そう、君は私と遭遇した。私は君に数式を見せた。たとえ愚かなものであっても視覚に訴えるのは非常に効果的だ。君も、私の数式がどのようなものであるのかわかっただろう」
        この男は仲間――少なくとも死んだ者たちはそう思っていた――に関して何の感情も抱いていないのだ。おそらくは、仲間とも同志とも思ってはいない。
        「私のここでの目的は果たした……君が愚かでなければ、私に関して干渉することが無意味であることを知ったはずだ」
        そしてキャロレは「さて」と続ける。
        「私は君が何であるかも解析することができる。我が数式によって――君はどうするのかね。私を今此処で捉えようとするのかね? お勧めはしない。私の計算では、それが成功する確率は――0だ」
        -- キャロレ 2013-09-22 (日) 17:30:12
      • 目の前にいるのは、幾度もその計画を追い潰しながらもその尻尾を捉えることの出来なかった相手だ。
        「彼からの仕事…果たすのなら今ですわね…。」ぼそりと呟く。聞いていたとおり、恐るべき圧力を持った人物だ。力を抜けばへたり込んでしまいそうだ。
        「要りませんわ。私一人で十分…。」厭だ。厭だ。嫌いだ。呟く。
        ぎゅっと紐を握る手に力がこもる。震えは止まらない。ぺろりと唇を舐め、心を落ち着かせようとする。緊張に胸は、どくんどくんと締め付けられるように鳴る。
        「かいせき?やれるものならやってごらんなさい。」
        この男が何をいっているのか、よくわからない。解析とは何のことだろうか?
        「つまり、私も先ほどの男たちのように殺すということでしょう?できるというのなら、やってごらんなさい。」
        何かトリックがある。先ほどの男たちはあらかじめ何か仕掛けられていたのか?だとしたら自分に対し何か仕掛けた様子は無い。
        紐のほうが速い。男が指先を動かすよりもはやく、紐が男を拘束する。
        こんなやせた男なら、拘束してしまえば先ほどの団員たちよりもたやすく動きを封じられる…。
        十分な訓練も、実戦だってしてきた。できる。きっとできる。
        せいいっぱいに心のうちで自分を鼓舞しながら、恐怖に耐え、瞬き一つせずに男の動きを見る。

        完成されたキャロレの黄金の数式は、そういったモノの思考をすら明確な数字として解を出す。
        おろかな少女だ。キャロレがこの少女を生徒として受け持つなら、評価はFだろう。
        それなりの事前知識も持っているようだし実践もして見せたというのに。
        キャロレの数式はレントゲンのように、CTスキャン以上に事細かに少女について解きほぐしてゆく。
        秘そうとしている過去が、成長をはじめた身体のすべてが、RGBが、その着衣にしみた冷や汗の量が、下着の柄や汚れが、そのみずみずしい内臓が、膀胱のサイズもその中がどの程度満たされているかが、月が満ちようとしているその下腹部が男性を知らぬことが、何もかもが数式となってキャロレには理解できている。

        しかし
        わずかに、それはほんのバグのように、完成された数式をもってしても解き明かせない何かが残っている。
        白い布に落ちた一滴の血の様に、並べられた数式を汚していく。美しいピラミットのような数字がずれてゆく。

        少女が何か術を使ったのではない。完璧である数式にそのような解は―
        出ていない。 -- モノ 2013-09-23 (月) 05:28:25
      • 少女の思考すら数式によって読み解く。男はこの宇宙の森羅万象全ては数式によって表すことが出来るという。
        思考を何らかの方法で読まれないようにしているならばまだしも、この少女の思考を読むのは難しいことではなかった。非常にわかりやすいことだ。
        「……意味のないことだ。私は言ったはずだ。君が私を捕縛する可能性は、ゼロだと」
        数式卿は指すら動かさない。ただそこに佇んでいた。もし、紐が飛んだならば、キャロレを捕えるはずだった紐は、まるでそうするのが自然であるかのように解けていくだろう。キャロレを捕縛するという事象が書き換えられていくのだ。

        「……何だ?」
        特にこの少女について深く見るつもりはなかったが、ふと一つの違和感をキャロレは見つけ出した。
        この少女のほぼすべては瞬時に解析が終わった。もっとも、少女の過去や肉体に関してキャロレは何の興味も示さなかった。
        だが、奇妙であった。何か、ひとつ。数式に表せないものがある。――解が、ないのだ。
        「――“解なし”だと?」
        キャロレは再び計算をする。だが結果は同じであった。解がでない。宇宙の森羅万象を解き明かす数式で、解けない。
        「計算の間違い――いや、これは……」
        キャロレは薄く笑った。解けない謎。それを解こうとするのが学者だ。学者の定めだ。
        「……なるほど、実に奇妙で不愉快だ。私の数式を阻むとは……すぐさま消してやろうとも思ったが、興味が湧いた。君に、解を出したくなった」
        キャロレの赫い瞳が輝き、拍手をする。
        「私に謎を与えてくれてありがとう。数式はさらに進化する。――水無森鵐目」
        -- キャロレ 2013-09-23 (月) 22:46:49
      • 「な…!」
        驚きに目を丸くする。実際のところ、変わっているのは色くらいではあるしこの街に生まれ、暮らしてきたのだから知っているものも多いだろう。(見た目の印象は目と色でだいぶ変わるだろうが)
        しかし、精神的に追い詰められたモノはそのようには落ち着いて考えることはできない。
        「ど、どこでその名を…!」
        「      !            っ!」少女が何事か叫ぶ。並べられた代数の様に、消された数式のように耳には届かない。独り言だろうか?少女が強がっているのは理解できるだろう。
        それが引き金となったのか、思わず少女は紐をはじく。
        紐の先端にくくりつけられた根付の重みと指先の精妙無比な操作で、紐は生き物のように瞬時に結び目を描きながらキャロレの周囲を囲む。
        ――やった!
        確かな手ごたえがある。
        だが、紐は
        魔人の書き換えた数式とは違い
        力を失ったようにそのまま床に落ちた。
        「!?」
        確かに手ごたえはあったのに…!少女を構成する数字が、その心の混乱を表している。 -- モノ 2013-09-25 (水) 00:41:08
      • 「言ったはずだ。解析できると……君を構成する数式を読むのは造作もない、だが……」
        奇妙であった。次に少女が叫ぶ声が聞こえない。数式に表されない。こんなことはありえないはずだ。
        紐が飛ぶ。キャロレへと向かって。それはキャロレを捕縛することはない。
        キャロレの数式によって――否、たしかにそれはキャロレを捕縛するという事象を生むことはなかった。
        しかし、紐は地面に落ちた。キャロレが書き換えた数式の通りにいかないのだ。
        少女が混乱している様子はもちろん見えていた。しかしキャロレはそのようなことは気にしなかった。数式が見えない……それがなによりの関心であった。
        「介入か? いや、それは不可能だ。その介入すらも、数式に表すことが出来る……どうなっている?」
        だが見た所、少女が何かをしているわけではない。少女そのものが、あるいは少女に何かしら関与する存在がいるのか。
        「……我が数式で解けぬものがあるというのを許してはおけない。君は、何者だ?」
        地面に落ちた紐がひとりでに動き始める。そしてそれはモノへと向かおうとしていた。キャロレによって、その数式を書き換えられて。
        「さあ、どう出る……?」
        -- キャロレ 2013-09-25 (水) 04:35:20
      • 何かがおかしい…!紐は手足のようなものだ。どう動かせばどうなるか、どこに力を加えればどのような効果があるか、熟知している。

        なにより、この紐の動きは物理法則を無視している!
        腕を、指先を、混乱の中にあるとはいえその動きは芸術のような精緻さを持っていたが、言うことを聞かない紐はモノに迫る。
        所詮、モノの技術は物理法則に則った物であるのだ。
        だが、その紐の動きもキャロレの望み通りには動かない。
        紐は数式の通りに動き、少女の足をくぐりぬけ不完全に身体に巻きついて柔裂を締め上げる。
        「うっ…。」少女が湿ったうめき声をあげる。
        介入を表すような数値は出ていない。
        むしろそれは―
        単純な計算間違いの結果に見える。

        「       わよっ!」
        少女が手で何かを押しのけるようにして首を振る。揺れた髪が汗で上気した頬に張り付く。 -- モノ 2013-09-27 (金) 04:28:09
      • 黄金の数式はいまだ研究は続けられているとはいえ、完全に近いものだ。
        《世界方程式》、《神の数式》などとも呼ばれうるものだ。物質を構成する最小単位をも解析し操ることが可能だ。
        がしかし、紐はキャロレの構成した数式通りには動かない。別の動きをしたのだ。結果としては問題ないが、キャロレにとっては大きな問題であった。
        キャロレは少女の悲鳴を聞こうが意に介さない。興味がないのだ。キャロレの脳内にあるのは、この世界への憎悪と悲しみがほとんどだ。相手がどのような反応を示そうが、それをどうにか思う心はない。彼は魔人なのだ。
        「どうなっている? 何らかの介入を受けた形跡はない……この少女の周りの物理法則が異なっているのか? いや……」
        少女が何かを叫びながら手を押しのけるようにしている。
        「何を、している? 何故、声が聞こえない?」
        何かしら変化を生じさせるために紐の強さを強くする。
        「君は何だ……いいや、この場合、思考は無駄だ。であるならば、実験を行うのが一番いいだろう。解けぬものはない。それを明らかにしよう」
        キャロレの数式が起動する。キャロレの手にはいつのまにか、一つの槍が握られていた。まったくだしぬけにである。キャロレの数式によって構成されたものだ。
        「“計算間違い”だと……それはありえない。君がよほど特殊か、この世界外の存在か……」
        それを不完全に縛られた物へと向け、突く。何か外部からの干渉があり、少女を守ろうとしている意図でもあるのか、それとも少女自体が特殊なのか。
        命の危機を生じさせて、確かめようとした。
        -- キャロレ 2013-09-27 (金) 20:23:26
      • キャロレの問いに少女が首をかしげる。いったいこの男は自分に何を尋ねているのだ?聞きたいのはこっちのほうだ。
        サイコキネシスのような力にみえる。だとすれば、紐などは自由自在…。視界にある以上、その力の前に紐は無力では無いのか?
        心に諦めのかげりが見えた。しかし、少女はささやきに強く首を振る。意地を張っているのは自分でもわかっている。

        一部紐の締め付けが緩んだ。「!?」何のつもりか図りかね、男をにらむとその手にはいつの間にか槍が握られている。
        どこからか引き寄せたように、モノには考えられた。
        つまりこの男は…超能力者なのだとモノは理解する。モノにはそう見えただけでそれははなはだ不正解なのだが…。
        その先端の人を刺し貫くために計算されつくされた鋭角が、ヒュと空気を切り裂く音とともに突きたてられる。
        一流の、千枚通しと呼ばれる達人のような理にかなった動き。
        「きゃあっ!」
        槍の先端は最初からからそこを狙っていたかのように、モノを縛る紐を突き通し、切断する。
        槍の先端はキャロレの導き出した解からずれ、モノを縛る紐を突き通し、切断する。
        よほどコツを掴まないと切れぬ紐である。そのようにキャロレ自身がが数式を書き換えなければ、難しい。
        紐が落下する少女の柔らかい肉にこすれてシュルルルと擦過音をあげる。
        次の瞬間には、どさり、背中を強く床に打ちつけ、落下していた。
        少女はとっさに起き上がり、おびえる赤とブラウンの目がキャロレを見る。
        おぼろげな手が中空の何かを握った。 -- モノ 2013-09-28 (土) 21:09:17
      • 男の行動は全てが計算によってなりたっている。この槍を突き立てるのもそうであった。
        しかし、結果は違っていた。槍はモノを縛る紐を切断した。数式卿が意図した行動の結果ではない。
        「……これはどういうことだ。数式が書き換えられたのか?」
        数式そのものが書き換えられたのかと疑われるほどのことであった。キャロレが狙ったのは「紐」ではないのだ。
        「……自らの周りの確率を変動させるのか?」
        少女はどうにも自分の言っていることも理解できていない。ならば少女は意図したことではないのだ。では、どういうことか。
        キャロレは感情のない瞳で少女を見下ろす。槍は自然と手の中に戻っていた。
        「……何を握った?」
        少女は虚空の何かを握った。しかしキャロレにはわからない。数式が歪められている。
        「まあ、良い……意味のないことだ。たとえ、君がなんであろうとも。私の計画を覆すことは叶わない」
        槍をついと投げる。さほど力などかかっていないはずだが、それは恐るべきスピードでモノへと迫っていく。槍の周りの物理法則が数式によって書き換えられていったのだ。
        -- キャロレ 2013-09-29 (日) 17:26:04
      • 「……?  が…見えませんの?」
        手にした何かをキャロレに向かって掲げ、困惑した表情で少女は首をかしげる。「         ?」傍らをちらと伺い、呟く声。
        槍がキャロレの手に戻るのを見て、その表情に警戒が浮かぶ。時々かすれて見えるその手にもう片方の手を添えて、じっとキャロレをにらむ。

        キャロレにとってこの少女は全く意味の無いことだ。この少女ができるのはせいぜい末端の計画を阻止する程度だ。それは全く意味の無いことである。
        数式は決してたがわない。キャロレの計算ではその数式は計画の完全な成功とこの少女の無力さを予知をも越える正確さであらわしている。

        「一体、何をしようとしていますの…?」
        黄金の午後団の構成員を考えれば、どんな思想を持った集団かの想像はつく。では、具体的に何をしようというのか?
        計画とは何のことなのだろう?

        投げられた槍は物理法則を無視して飛ぶ。槍の、周囲の物質は書き換えられた数式に従っている。計算によれば次の瞬間には少女の胸を貫き、静止する。
        槍は、一瞬のうちにもはや音速へと達し、数式が書き換わった様子は無い。槍は少女の感覚では捉えられないスピードで、書き換えられた数式によって導き出された解の通り、その穂先は最初からキャロレが自身を貫くために数式を書き換えた以外に考えられない軌道でキャロレの眼前に迫る。 -- モノ 2013-10-01 (火) 19:30:46
      • 「……私には認識できないもの。数式を歪めるもの……召喚獣か? 武具、か」
        投擲した槍は空気抵抗や重力など、あらゆる物理法則を無視して突き進む。音速に到達しそれを遥か凌駕する。
        計算ではそれは少女の胸を突き刺していたはずだった。しかしそれは、キャロレの方へと向かってきていた。音速を超えた槍が、キャロレを突き刺そうとしていた。
        「成程。虚数のようなものと言える」
        キャロレの完全に迫った槍はその一寸前で動きを止め、この世から消え去っていく。それそのものが最初からなかったかのように。
        「何を、するか。そんなことは君に話す必要はないことだ」
        キャロレは言う。それと同時に、キャロレの背後にあった黒板にひとりでに、とある《数式》が描かれていく。
        「だが良いだろう。君は私に新たな研究の必要性を感じさせた……褒美をやろう」
        それは簡潔に見えながら非常に難解な数式であった。おそらく普通の人間では理解はできない。超高次方程式である。
        「これは世界を崩壊を表した数式だ。これに正しく解を出せば、世界はその通りになる」
        神の領域を犯す存在が、そこに記されていた。神以外には許されなかったものが。
        「私はこの幻想なりし世界を正しく壊し、正しく、世界を書きかえる。魔法も、化け物も、召喚獣も、何もかもが存在しない、現実の世界を、取り戻すのだ」
        キャロレの目が光る。すると、モノの周囲の空間が著しく変容を始めた。歪み始めた。
        「我が《黄金の数式》に解けぬものはない。君もまた、数で構成された存在だ。私が捉えられぬ、「それ」も」
        モノの周囲の空間が転移しようとしている。この支部から離れたこの街のどこかへ。
        「今はご退場願おう。不確定な存在は揺らぎをもたらす。我々は科学者はそれを嫌うのだ。」
        空間を構成する数が狂ったように暴れだす。ランダムな転移が行われようとしている。
        「神など存在せず、全てが数式と科学によって成り立つ世界。それが私の取り戻すべきものだ……その時が来るまで、しばしの別れだ、忌まわしきものよ」
        -- キャロレ 2013-10-01 (火) 21:58:14
      • キャロレの学者としての能力はまさしく驚嘆に値するものであった。かなり正解に近い答えを、その能力が導き出した。
        しかしそれは正確ではなかった。もしそれを正確に表すならば

        得体の知れないもの

        『それ』は、ずっとキャロレの前にいたのだ。数式は偽らない。正確に物事の事象のその本質を表す。ゆえに、得体の知れないものとして認識していたのだ。
        これが幻や嘘にだまされる人間であれば、その姿を見ていただろう。

        「その数字がどうかしましたの?」
        見せられたものは、外部に脳でも追加しない限りは理解することはできないだろう。よくわからない無数の数字の羅列にしか見えなかった。

        得体の知れないものが数式に混じれば、その解は完全なランダムよりもランダムなものとなり、計算が正確であればあるほど必ず導き出される答えは間違う。
        モノ自身はどうやらなんと言うことは無いふつうの召喚師である。響命術を未だ使ったことは無いが、得体の知れないものと大なり小なり何かしらの関係を持っているがゆえに、モノに対する計算はことごとく間違う。
        計算で行われる以上、望んだ結果はもたらされることは無い。

        「世界を破壊する兵器の、設計図…ですの?」
        せいぜいその程度の認識しかできない。それが人間の限界とは言わない。ただ、それがモノの限界であった。

        キャロレはまだ、間違った認識をしていた。
        『それ』に対する解は、すでに出ていた。最初にキャロレがこの部屋を見たときから、すでにそれはキャロレの前に解としてあったのだ。
        『それ』は、その構成するすべてをそれ以上なく解としてあらわされていたのだ。
        キャロレの数式に解けぬものはないのだ。

        「ま、まちなさいっ!」
        空間の歪みからキャロレが逃げると思ったのだろうか?とっさに左右の手を開き、キャロレであればその動きを見れば判るだろう、刀を抜いた。
        次の瞬間、床が、壁が、崩落し、大量の土砂が3人に降り注ぐ。
        どうやら『それ』がこの場に存在してしまったのが原因らしい。この空間も『それ』と関係を持ってしまっていたようだ。
        モノと『それ』をいずこかに飛ばすはずだった数式には得体の知れないものが混じり、支部を崩壊させ土砂を召喚する数式となってしまったようだ。 -- モノ 2013-10-01 (火) 22:54:29
      • 「素晴らしい。まさに《特異点》か!」
        キャロレの邪悪な哄笑が響き渡る。
        「成る程、囚われていたのは私のようだ。このふざけた世界には、ふざけたものがあるということを知りながら、否定したのだ」
        大量の土砂が舞う。数式が、歪な得体のしれぬものを代入された影響で狂いを見せたのだ。
        「そう、だが認めなければならない。この世界に存在している以上は。だからこそ私は否定する。君達を、その吐き気を催す君達の存在そのものを」

        「かつての数学者の気持ちとはこう言うものか。0や虚数、無限大というものに直面した者たちの!」
        哄笑が続く。支部は崩壊し、土くれと埋もれていく。
        「やはり我が《黄金の数式》に解けぬものはない。既に解いていたのだ……だが、このような解は美しくない。深い極まる……得体の知れぬ解、などと!」

        「やはり、君達という存在は唾棄すべきものだ。故に、君達という幻想の存在を消すことに何ら誤りはなかった。全ては正しく求められた」
        計算が行われる限り。正しく計算が行われる限り。それは狂った解を生み出す。
        「――では、計算をやめよう。既に解は見えていた。ならばもう既に謎などではない。君に、つき合うことも、ない」
        キャロレの指先から不可思議な光がほとばしる。
        「理不尽には、理不尽を。非現実には非現実を。君達に、完成された数式を用いることが間違いだった。……さあ、この茶番劇を一旦終わりとしよう。もはや、この舞台も埋もれる。さらばだ、忌まわしきものよ」

        キャロレは計算をやめた。正しい計算をやめた。そして。“間違った”数式をくみ上げた。虚数、無限大、ゼロ……何もかもを適当に放りこんで、この空間の数式を滅茶苦茶にした。不均衡、歪な数式が展開される。
        『それ』による繋がりを断つ。キャロレが嫌う《偶然》がそこに呼び出された。予測しえない解が導かれる。
        その空間ではあらゆる物理法則が狂い、ブラックホールの特異点めいたあり得ざる世界が吹き出し、弾けた。狂気の世界は終わり、ただ土とモノだけが残される。
        そこにキャロレはもういなかった。《偶然》に導かれて、いずこへと消えたのだった。
        -- キャロレ 2013-10-01 (火) 23:19:41
      • 土砂のあげる轟音の中、ぞっとするような哄笑が聞こえる。
        だが、不思議と恐怖は感じなかった。
        モノを守るこの甲冑が、その心までも優しく守っているようだったからだ。
        数式を放棄したキャロレの目は、土砂の中に見え隠れする幽霊のような半透明の甲冑をまとったモノと、その傍らに浮かぶちいさな人影を見ることが出来た。
        「こ、このっ!」手にした刀を振り回し、キャロレへの道を切り開こうとするが、この刀では土砂を斬ることは出来ないようだった。

        キャロレの行動は"正し"かった。
        それと大なり小なり何かしらの『関係』を持ってしまったものの数式には、得体の知れないものが混入し、その計算は数式どおりの解を導き出すことは無い。
        どんな数式を構築しようと間違ってしまうのなら、最初から間違った数式を構築しても同じである。
        消え行くさなか、自身の哄笑に混じるノイズのようなささやきを、数式卿は聞いただろう。
        感謝の言葉だった。 -- モノ 2013-10-01 (火) 23:52:59
      • 「ぷはっ!」
        土の中から、モノが這い出してくる。
        和風の具足に兜、手にはイノが持っていた刀を抜き身で携えている。
        その甲冑はところどころ肌が露出し、股の分かれていない袴からはクリーム地にパンダの柄が印刷された下着が半分以上覗くほど短かったが、なにかしら加護があるようで、崩落した床の直撃を受けても怪我をした様子は無かった。
        「ち、ちょっとイノ!これはどういう格好ですの!?」
        半分ほどに割れた姿見に映った自分の破廉恥な格好に、思わず傍らの召喚獣に詰め寄る。 -- モノ 2013-10-01 (火) 23:53:18
      • 「おめでとう、やっと抜いてくれたね。それが響命召喚術だよ」
        傍らに漂うちいさな鵺侍は、けらけら笑いながら答えた。
        「気をつけてね。刀をしまえば術は解けるけど、消えた服は戻らないから。」
        召喚獣は楽しそうに召喚師に絶望的な事実を告げるのだった。 -- イノ 2013-10-01 (火) 23:53:34
  • その男は、いつの間にかそこにいた
    そこにいて、キャロレに頭を垂れていた
    その男が何者であるか、問う必要はない
    取るに足らない瑣末事であるが故だ
    少なくとも、キャロレにとっては瑣末事のはずであろう
    何故なら、目前にいる男はキャロレから見れば……人ですらない筈であるから
    『黄金の午後団』の数式外套に身を包んだその男も、その事は重々承知しているらしく、ただただ恭しくキャロレに傅き、諸々の報告を続けている
    まるで装置のように。駒である自分にはそれこそが相応しいと言外に語るかのように -- 2013-09-23 (月) 22:23:45
    • キャロレはイスに腰掛け、足を組んで、男の報告を聞いていた。……否、耳に入れていた。
      キャロレは目の前の数式外套を着こんだ男を全くと良いほど見ていない。まるで目の前の男が空気であるかのように。その男を脳内で数式に表すこともしない。
      諸々の報告、それらはキャロレにとってあまり意味をなさないものだった。何か気になる点がなければ、基本的にキャロレは返事を返すこともなかった。《黄金の午後団》の、当たり前の光景であった。
      キャロレの手はチョークを掴み、黒板に伸びていた。黒板に描かれるのは非常に高度な数式。《黄金の数式》はかなり簡潔な数式だが、それを導き出すには普通の人間では不可能である。キャロレはその導き出すための数式をしるし、研究を続けていた。
      黄金の数式、既に完全に近いものだが、さらなる研究を進めていた。怠ることはない。キャロレは学者であるために。
      -- キャロレ 2013-09-23 (月) 23:01:21
      • 数式を男が見る事もない。見る必要もない。導くのはキャロレであるからだ
        彼らはあくまで駒であり、部品であり、殉教者ではあるが……学者ではない
        科学とは宗教である。殉教者はただ出された数式を信じるのみ
        それを疑い、反駁し、背信する者こそが学者である
        彼らは数式を分解し、読み砕き、新たな数式を生み出す事で既存の科学を打ち捨て、新たな真理へと近付く
        教えを疑う者こそが真理に近付くとは、如何な皮肉であろうか
        黙々と報告を続ける男も、キャロレも恐らく分かりきっているであろう真理
        故に互いに言葉を交わす事も無い。黄金の午後団に不要な言葉は必要ない
        聞かれるはずの無い報告をいつものように、そうであると定められているからこそ続ける
        そして、男はまた最初のように数式外套を翻し、頭を垂れる
        報告はこれで終わりだ
        いつも通り、キャロレにとってはどうでもいい報告
        男にとっても、さほどの意味はない報告 -- 2013-09-24 (火) 11:34:49
      • 宇宙の全てを理解する為に。神の領域と呼ばれた世界の法則を解き明かす。それが科学者であった。
        数式卿はまさにそうであった。そうであったからこそ、《黄金の数式》を手にしたのである。
        自ら考えず盲信するものにキャロレが興味を抱くことはない。キャロレが見つめるものは一つである。数式を。そして、その果ての己が目的のみである。
        非常に機械的な、報告の儀式が終わる。報告を述べていた男は再び頭を垂れた。やはり、特に何か意味のある報告ではなかった。
        そこで、やっとキャロレは男を視界に捉えた。赫い瞳が動く。下がって良いということだ。
        -- キャロレ 2013-09-24 (火) 20:54:08
      • キャロレの意を汲み、音も無く男は退出する
        お互いに用は済んだ。ならもう此処にいる必要もない
        何一つ疑問を抱かず、男は最早礼も無く退出する
        自らの主君に取るような態度とは思えない、不遜とすらとれる足取りの軽快さであるが……それすら黄金の午後団では問題にならない
        それほどまでに、キャロレは己の駒に興味がないのだ
        そして恐らく……今しがた下がった男も、それは同じことなのだ -- 2013-09-24 (火) 21:26:56
      • 男が下がっていくと、再び視線は黒板へと向かった。
        下がる男の立ち振る舞いはおよそ主君に対するそれではない。だが、キャロレがそれをとがめる様子もない。
        科学、数式がキャロレの全て。であるならば、この組織内での地位身分などは最早どうでもよいことだった。
        部下に対して、何の興味もない。
        それが部下で無かったとしても。何であったとしても。
        計算してしまえば分ってしまう。それで充分であった。
        「……好きにしたまえ。意味のないことだ」
        キャロレはそう呟いて、再び計算を始めた。
        -- キャロレ 2013-09-24 (火) 21:41:25
  • (カラスが数羽止まってきょろきょろ)「キレーナ お屋敷ネ」 「デモ ヒトケハ ナイネ」 -- レイヴンス 2013-09-23 (月) 01:44:13
    • (俗称「数式屋敷」には人の気配はない。普通の人間の命の息吹は一切ない。しかし、屋敷は整備されおり、何者かは住んでいるようだ)
      (部屋の明かりもついておらず、扉も空いていないが、カラスのサイズならば煙突などからは中に入れそうである)
      -- 2013-09-23 (月) 02:23:30
      • 「人ンチニ 勝手ニ 入ルノ イクナイ」 「イクナイ」(聞かれてもいない事を応えるカラス達)
        「キレーダケド 人イナイネー」 「他 イコウカ?」(そう言って飛び立つが・・・)「ァ」(一羽が持っていたガラス球を煙突に落してしまう)
        「ナイッシュー」 「アーン・・」 「ホットケ ホットケ」 「ヤーナーノー アレ 綺麗ダッタ モチカエル」(そう言って落とした一羽が煙突にひゅんと入って行ってしまう) -- レイヴンス 2013-09-23 (月) 02:32:14
      • (一羽のカラスが煙突の中へと入っていく。煙突の中には煤すらなく、ほとんど使われていないらしい。)
        (カラスが煙突の中を進むと、落ちていくガラス玉もろとも、いつのまにか数式が無数に書きこまれた部屋の中に「跳躍」していた。)
        (部屋の奥には赫目を光らせる男が椅子に腰かけていた)
        -- 2013-09-23 (月) 02:58:49
      • 「オジャマ シマース アッタ アッタ」(そう言ってガラス球を器用に足で掴み)
        「・・・・・・」(右を見て、左を見て・・・そして落ちてきた筈の上を見る)「キングクリムゾン?」(呟く)
        (男に気づくとぺこりと頭を下げて)「勝手ニ 入ッチャッタ ゴメンネ ・・・数式 タクサンネ」 -- レイヴンス 2013-09-23 (月) 03:15:22
      • 「……喋るカラスとは面妖な。……『不思議の国のアリス』のつもりか」
        男がカラスに向かって声を放つ。男は人の姿をしているが、人の持つ生気などは全く発していない。
        「ようこそ、我が屋敷へ……人はここを《数式屋敷》などと呼ぶがね。ここは静謐なる我が数式の間、だ」
        (カラスが謝っているのを聞くと、特に何か感情を示すわけでもなく、言う。)
        「私がお前を呼んだ。私はここで起きていることは全て把握ができる。……ふむ、数式が理解できるカラス、か。非現実的な」
        -- キャロレ 2013-09-23 (月) 03:22:05
      • 「書き物机に似テルノ ナンデダー?(首を傾げたり) ・・・顔色 ワルイヨ? ダイジョーブ?」
        「(天井を見上げながら話を聞いて)煙突ガ 『門』 ダッタノカナ?(自分たちのゲートに照らし合わせていたりする) ヨロシク 数式屋敷ノ 主サン? ボクハ チャールズ(ぺこり)」
        「理解ハ ムズカシーネ デモ ボクハ ココニ イルヨ? コレハ 現実ヨ(こくこく) 主サンハ ドーシテ ボクヲ 呼ンダノ?」 -- レイヴンス 2013-09-23 (月) 03:41:40
      • 「……さて、どうだろうか。少なくとも、今の私は体に何か異常をきたしはいない」
        名乗るカラスを見ながらキャロレはカラスの質問に耳を傾ける。
        「私はお前がどのような存在であるか理解した。否、解いた。既にお前の数式を私は知っている……まあ、それはいい。意味のないことだ。……お前に聞きたいことがある。この少女を見たことがあるか」
        キャロレが指を動かすと、キャロレの前に突如一つの肖像画が出現した。それはかつてカラスたちの図書館を訪れたロステ・ストレイとそっくりであった。
        「最初は実験のためにお前を呼んだが、気が変わった。お前の存在を知ってな」
        -- キャロレ 2013-09-23 (月) 22:53:24
      • 「ソー? 自覚 ショージョーガ ナイダケカモ ダヨ ビョーイン イットイタラ?」
        「?(「解いた」の言によく解らないといった風に首をかしげる) ボクノ 数式? ・・コーセー ヨーソ トカジャ ナクテ?」
        「ワォ!(突如現れた肖像画にびっくり、がぁがぁと鳴き) ンー・・・・・・ ンン?」
        (じっくり観察して首をひねる・・それもその筈、ロステの主担当はアイザック、副担当はジョンなのだから)
        (それでもこの男が聞いたという事はチャールズもまたあの場を遠目にでも見ていた筈で)「見タ ヨーナー・・・ 見テナイ ヨーナー・・・」
        「モット ヨク ”見”セテ?」(そう言って肖像画に触れるほど近づく・・・否、くちばしの先で触れようとする) -- レイヴンス 2013-09-24 (火) 02:19:09
      • 「この世の全ては数式で表すことができる。あらゆる現象を数式で書き記すことができる……それだけのことだ」
        そっけなく言う。
        「……いいだろう」
        チャールズがくちばしの先で肖像画に触れる。こつん、と音がする。それはまさしく肖像画だった。立体映像や幻覚の類ではない。この瞬間、世界に産み落とされたものだった。
        《黄金の数式》によって世界の一部が書き変わり、肖像画の数式が組まれた。そのために、それはこの場に出現した。
        「……見たことはあるはずだ。お前の記憶の数式の中に、それが垣間見える」
        本来ならばわざわざ聞くことなくキャロレは知ることができるはずだった。しかし、その対象が自らと同じく《黄金の数式》をもつロステであるならば、話は別だった。
        キャロレは他のものと同じように解析することができないのだ。
        -- キャロレ 2013-09-24 (火) 02:34:48
      • 「・・・大統一理論 ダッケ? ヨク 知ラナイケド」
        (ことチャールズはレイヴンスの中で最も素直な者だ・・幻覚などと疑った訳ではない、触れたのは)「■■■・・・」(呪術の為だ)
        (原理は簡便かつ原始的・・・似ている物、一度でも触れ合った物同士には目には見えない関係性・・・縁が結ばれるというものだ・・・呪術師はこの縁を辿って力を伝える)
        (そして縁を辿るには縁を読めなければならない・・所謂サイコメトリーだ・・・使い魔であるチャールズには完全にではないが、この絵が誰を模して作られたのかが見えている)
        (そしてそれは彼らにとって視覚以上に記憶を刺激する)「タシカニ 会ッタ・・ ッテイウカ ニアミスシタ ミタイダネ? デモ ドコデカナ・・・」(どこか遠くを見るようにぼへーっとしている)「タブン 図書館 仲間ニ 聞ケバ ワカルカナ・・・ アナタノ 娘サン?」 -- レイヴンス 2013-09-24 (火) 03:08:20
      • 「数式は宇宙の全てを表すことができる。そう、お前の言うとおり、素粒子の動きまでも、だ。だが、私の数式はそれよりもさらに高い次元のものだ。カラスでは理解できまい」
        チャールズがくちばしを肖像画に触れるのを見て。
        「……魔術の類か」
        キャロレの赤い瞳が“視”る。そして、その魔術を解析し、脳内へと数式へと変換する。
        「下らぬ術だが、この世界では現実のもの……ならば、数式に表現は可能だ。そうか、会ったか……」
        娘かと聞かれると、静かに目を閉じて。
        「……語る必要はない」
        -- キャロレ 2013-09-24 (火) 20:06:31
      • 「イーマーノー ボクーニハ リカイデキナーイー♪(気にした風もなく歌って)」
        「計算デキルノハ ワカルケド 一目デ 分析デキルノハ 不思議ネ(ねぇねぇどうやってるの?っと無邪気に近寄って)」
        「・・・ソウ? ナラ ボクハ ソロソロ 帰リタインダケド(きょろきょろ改めて辺りを見渡して)」 -- レイヴンス 2013-09-24 (火) 21:46:12
      • 「それが黄金の数式というものだ。お前の言うとおり、演算できる力、脳髄がなければ分析は不可能だ。そして」
        「それをお前に教える必要はない。教えたところで理解はできまいよ」
        無邪気に近づく可愛らしいカラスに冷たく言い放つ。
        「……この娘のことを仲間に聞いたら私に教えることだ。探しているのでな。……良いかね。ならば返してやろう」
        指を動かすと、奇妙な光がキャロレの指先からほとばしる。このカラスの情報を数式化して、仲間のところへ戻す。そして再構成するのだ。瞬間移動である。
        -- キャロレ 2013-09-24 (火) 22:02:08
      • 「ケチー イウダケ 言ッテミテモ イージャナーイー」(けちんぼけちんぼと喚く)
        「エ?」(いや無理だよと言う前に返される)「チャーリー? オマエ ドコイタ?」 「・・・(きょろきょろ)」 「マァ イーヤ イコーゼ」
        「・・・残念ダケド ご両親ダト 証明 シナイナラ 教エラレナイヨ・・・(顧客情報は守られるべきなのだ、呟いて飛び去って行った)」 -- レイヴンス 2013-09-24 (火) 22:06:40

  • 黄金歴258年12月某日、「ジャーナルフロムビヨンド」紙――彼方よりという名を冠した新聞――の行方不明欄に、とある召喚師の名前があった。
    行方不明者、死亡者は、残念ながらこの街でそう珍しいことではない。世界転移後の混乱期においては、行方不明者・死亡者などは、記されることすらなかった。
    だが、ようやく世界も安定してきた今となっては、また訃報や行方不明者を記したコーナーが置かれるようになった。世界がある程度、安定した証拠であろう。
    ここしばらくは、行方不明者欄に名前が載ることは少なかった。だが、そんなときに、一つの名前が行方不明者欄に挙がった。
    ――かつての召喚師である。かつて召喚していた召喚獣を己のパートナーとして活動する召喚師であった。
    「キングスポート探偵社」なるものを設立し、この混沌極める界境街の事件を解決するという、探偵社と銘打ってはいるものの、半ば荒事屋のような会社を経営する男だった。
    名を知っている者もいるだろう。そのような男が、ある日、何の前触れもなく、消えた。消失した。探偵社はもぬけのからである。
    消えたのだ。人が一人。しかも、召喚師であったそれなりに力のあるものが。
    疑問に思う者は多くはないだろう。ここは、そういうことがありうる街だ。ここ最近起こっていなかったからといって、起こらないとも限らない。
    そういう事件である。が、しかし。
    男は一つの事件を追っていた。いや、まだ事件にもなっていないものだ。
    《数式卿》なる男の調査をしていた。世間では死んだと思われていた者が生きていた。偶然生き延びていたという可能性も十二分にある。しかし、探偵は物事を斜めから見る男だった。
    近頃、数式卿について調べている者たちがいる。そんな状況に触発されて。彼は、調査を始めた。
    ――それが、彼を不幸にしたのである。

    -- 2013-09-20 (金) 01:55:21

    • 《数学屋敷》と呼ばれる屋敷が中央区にある。ジョージ王朝風の邸宅で、数学者の男が住んでいるために人々からそう名付けられたのである。
      数学屋敷の主は《数式卿》と呼ばれる男である。《数式卿》ラトウィッジ・キャロレは、響融化の際に行方がわからなくなり死んだものとされていたが、しばらくしてのち姿を現し、元のように生活をし始めた。もっとも、かつてのように教鞭を振るうことはなかったが。
      それを疑問に思う者は少なかった。響融化直後の混乱においては自分でいっぱいいっぱいな者がほとんどだった。一人の学者について、わざわざ疑問に思う者はいない。
      ――彼について何かを知る者以外は。
      数学屋敷を取り囲む塀を見上げているかつての召喚師、現在は探偵として活動するキングスポートもその一人だった。
      「――キナ臭いとは思ってたが……あの世界の転移後無傷で現れ、さらにこの屋敷も何の損害も受けてねえ。最近数式卿を調べてるやつらもいる。これは事件の臭いがするぜ」
      探偵キングスポートは一人呟く。この男の推理とはこの程度のものである。要は勘であった。そして、今回はそれが当たってしまっていた。
      「じゃ、頼むぜ、“ミゴーラ”」
      キングスポートは呟く。それは彼がかつて呼び出した召喚獣に対しての言葉だった。
      ミ=ゴと呼ばれる異界の種族の娘が彼の相棒であった。彼の探偵としてのある程度の成功は、彼女の力によるものが大きい。
      異界の技術や写真に写らない己の身を生かし、潜入調査を行うのだ。
      そして、今回も、彼女とともに、キングスポートは調査を開始していた。己の勘によって。
      -- キングスポート? 2013-09-20 (金) 02:42:47

      • 「――本来ならば、特に君のようなものの行動を一々気にかけたりはしないのだがね」
        キングスポートの前に男がいた。痩躯の男である。黒に近い灰色の髪を持ち、闇夜のなかでも赤く光る眼を持った男。
        《数式卿》ラトウィッジ・キャロレがそこにいた。何の前触れもなく。何の気配もなく。キングスポートの目の前に現れた。
        「ようこそ、我が屋敷へ。だが、私に用向きがあるならば、直接訪ねるのが礼儀というものではないかね」
        数式卿はキングスポートを見ながら淡々と言う。礼儀に欠けるなどいいつつも、目の前のキングスポートに興味すら抱いていないような、そのような表情であった。
        「……召喚獣など使って、私の何を知ろうというのかね。どの道、何を知ろうが意味などないが」
        スーツ姿の数式卿は何も動じた様子もなく言う。キングスポートにどのような感情も抱いていないのだ。
        -- キャロレ 2013-09-20 (金) 02:51:20

      • 「……馬鹿な!? い、いつの間に……!」
        《数式卿》のあまりに唐突な登場にキングスポートは驚きを隠せなかった。目の前に突如現れたのだ。歩いてきた様子も、あるいは飛んできた様子も、何もない。
        数式卿は悠然とたたずんでいた。キングスポートはそれを見て構える。何かしら魔術を使ったのは明らかである。これで、数式卿がただの人間でないことは判明したのだ。
        「あんたはなんだか怪しいんだ。最近じゃ妙な噂も立ってる……俺はその調査に来たわけだ。どうもその様子じゃあビンゴらしいな。わざわざ俺たちを止めにきたわけだ」
        ニヤリとキングスポートは笑う。数式卿の言葉はただの負け惜しみ程度にしか思っていないのだ。
        「――よし、行くぞ“ミゴーラ”! 戻ってこい!」
        かつての召喚獣を呼ぶ。今は屋敷の中に潜んで調査をしているはずだが、彼女は彼の言葉を聞けばすぐに片付ける。すぐに、それは現れるはずだった―― -- キングスポート? 2013-09-20 (金) 04:23:26

      • 「その、“ミゴーラ”というのは、これのことかね」
        キャロレはそう言って自らの足元を指さした。そこにはキングスポートの相棒が倒れていた。蟹のような甲羅を体の一部に持ち、褐色の肌で退化した翼をもつ人間の少女の姿をした――ミ=ゴのミゴーラが倒れていた。
        ミ=ゴの少女はうめき声を上げるのみである。その足や腕は半分以上が“消失”してしまっていた。
        「非常に愚かなことだ。そして、意味のないことだ。私が屋敷の中に入ったネズミの一匹程度、知覚できないと思ったかね」
        淡々と、ただただ感情のない声で。赤い瞳が魔物のように闇に輝く。ミゴーラの体は血も何も出てはいない。ただ、だんだんと消滅しているのだ。跡形もなく。
        「これは一つの証明だ。……今更なことではあるが。私は召喚獣にも“解”を出したと言うことだ。君も私も、そしてこれも。全ては数で構成されている。ならば、解けるということだ、我が数式によって」
        -- キャロレ 2013-09-21 (土) 00:39:01

      • 「……ミゴーラ!? て、てめえ、なんてことをッ!」
        キングスポートは絶句した。ミゴーラとはそれなりに長い付き合いで、かなりの実力を秘めた召喚獣であった。だが、ほとんど争った様子もなく、キャロレの足元で呻いているのだ。
        「てめえ、何をしやがった……! 解だの数式だのわけのわからないことを言いやがって! ミゴーラから離れろ」!
        探偵は腰から拳銃を抜いた。召喚術は使えるものの、そのほかの魔術などは一切使えないのがキングスポートであった。
        「これは威嚇じゃねえ。やはりてめえは何か奇妙な力を隠していやがったな。てめえを捕えて警察まで突き出してやる!」
        キングスポートは銃口をキャロレに向ける。ミゴーラがこのような状態であるため、現在武器はこの拳銃しかなかった。
        -- キングスポート? 2013-09-21 (土) 03:04:23
  • 点在 -- 2013-09-15 (日) 20:34:05
  • 偏在 -- 2013-09-15 (日) 20:34:00
  • 非在 -- 2013-09-15 (日) 20:33:55

  • 「おとぎ話をしよう」

    ――おとぎ話? どんなお話?  聞かせて!

    「いいだろう、聞かせてあげよう。昔々のおとぎ話を」

    ――わーい! やったあ! 楽しいお話がいいなあ!

    「さて……それは、どうかな」


      • 「おしまい。これで、おしまいだ。何故なら、おとぎ話は、まだ続いているから。続きは、また、今度だ」

        ――やだ。やだ、やだ!

        「なぜ?」

        ――どうしてそんな悲しいお話なの? どうして皆死んじゃったの? あたし、楽しいお話がいいって言ったよ!?

        「そうだね。だけど、おとぎ話はいつもいつも、ハッピーエンドというわけじゃないのさ。こういうこともある」

        ――悲しいお話はやだよ。だって、そのお話……いや、わかんないけど、嫌、嫌、怖い。嫌。

        「怖がらせてしまったね、でも、もう大丈夫だ。私がいるんだから。涙をお拭き」

        ――どういう、こと?

        「お話は、今もまだ続いている。まだ、バッドエンドと決まったわけじゃない。私は、君に約束しよう。見せてあげるよ」

        「“魔法”を」


        ――パパ、みたいなこと、言うんだ。

        「私が見せてあげよう。お父さんの代わりに。可愛いアリス」

        ――あたし、アリスじゃないよ?

        「……そうだったね、かわいい迷子さん」

        ――ほんと? ほんと? 約束してくれる?

        「ああ」

        「今度こそ、本当に見せてあげよう」

        「アリス――今度こそ、君に、魔法をあげよう」

        「君の怖いものを、全て、私が壊してあげるから」

        「安心してお帰り。可愛いアリス――」


  • -- 2013-09-14 (土) 20:00:42
  • -- 2013-09-14 (土) 20:00:39
  • -- 2013-09-14 (土) 20:00:35

  • 「――さて」

    中央区の外れ、今は使われていない廃屋があった。さる高貴な血筋の家の屋敷であったが、世界の転移のごたごたによりこの地を去り、ここは廃屋となった。
    その廃屋に、深夜集まるものたちがいた。それは様々な人間であった。紳士淑女に冒険者、老若男女、身分も何もかもがばらばらであったが、彼らには一つ共通する点があった。
    彼らは「召喚師と召喚獣を嫌うものたち」だった。無論その程度には差があるものの、その意識は共通していた。
    屋敷の広間に人々は集まる。そう、こここそが、彼の《黄金の午後団》の集会所であった。
    広間の奥には数式が書きこまれた奇怪なマントを羽織った男がいた。薄明りの中では顔も見えない。双眸が赤く輝くのみである。

    「――さて、諸君。今、街は動乱の兆しが見えている。今この時こそ、異物を、異世界なるものを排除する良い機会なのではないか」
    それに賛同するかのように、周りから次々と声が上がる。
    「だが……そのためには数式の効果範囲を大いに広げなければならない……君達の力が必要だ。近づくものは、全て始末をしてくれたまえ――」
    -- キャロレ 2013-09-13 (金) 04:48:52
  • -- 2013-09-12 (木) 23:37:37
  • -- 2013-09-12 (木) 23:37:33
  • -- 2013-09-12 (木) 23:37:29
  • おやおや…良からぬ気配を感じたと思えば…やはり貴方でしたか、数式卿…(キャロレが一人室内にいたところ、突如部屋の中に男が忽然と現れ)
    …相変わらず数式に囲まれて暮らしているようですね?…良からぬ考えはもうお捨てになったのですかな?(穏やかに微笑み)
    あぁ、お忘れですかな?僕ですよ…銀髪の我が主とともに戦った、<<悪食>>のリーベですよ(その姿、以前会った時となんら変わる事はなく)
    (ただ、以前と比べて明らかに弱っていると言えば弱っており、それと共に禍々しさもほぼなくなっており) -- リーベ 2013-09-12 (木) 00:37:37
    • (人々が数式屋敷と呼ぶ屋敷の最奥。そこは静謐な空間、数式の聖域である。いたるところに数式が描かれる異様な空間であった。そこに、足をふみれるものがあった。)
      ……約束もなく夜分の突然の訪問とは聊か礼に欠けるとは思わないかね、お客人。
      (数式の間には男がいた。赫眼の痩躯の男だ。リーベが呼んだように、この屋敷の主――《数式卿》ラトウィッジ・キャロレである。キャロレは安楽椅子からゆらりと立ち上がり、リーベと対峙する。)
      良からぬ考えとは心外だ。私は世界の為を思ってやっている。世界に静謐を、安寧を、安定を――ああ、覚えているとも。《悪食》リーベ殿。今回はお一人かな。忌々しい幻想の産物殿。
      見ない間に随分と萎れてしまったようだが……さて、私に何か御用かな。私も街の復興に助力するのに忙しい身でね、暇ではないのだよ。
      -- キャロレ 2013-09-12 (木) 01:00:29
      • これは失礼いたしました…今度来るときは文書を持って通知いたすとしましょう…(招かれざるものだというのに、気にした様子はなく)
        あぁ、やはり貴方は昔から変わりませんね…せっかく世界が一緒になったのだから少しは変わったのではないかと期待したのですがね…(残念そうに顔を左右に振り)
        えぇ、我が主は静かに眠っておられるのでね…今日は僕一人参上した次第ですよ…
        萎んだなどと言われると少々残念でございますね…僕としてはあの時よりスリムになったと喜んでおるところなのですが…(それは身体のことではなく、悪食と呼ばれたほどの血の欲の事を)
        …つまりは、やはりここでも事を起こす…そういう事で、よろしいかな?数式卿(対峙したまま、微笑んだまま、しかし空気は緊迫の度合いを高め) -- リーベ 2013-09-12 (木) 01:10:34
      • 響融化――忌まわしきことだ。世界が融合し、召喚獣がこの世にあふれるなど……。君は、おかしいとは思わないかね。
        世界が転移して以降、ここは混沌に包まれた。良いことなど何もない……これは災厄だよ、君。放っておけば、世界は混乱に、災厄に、再び見舞われるだろう。
        私はそれを阻止しようとしているだけだ――この世界に安寧を、平穏を。君達はこの世に存在するべきものではない。
        だから、私はそのために行動するのみだ。忌まわしき召喚術なるものをこの世から消し去り、すべてを元に戻すのだよ。転移した世界を消し去り、この場所を元に戻す。……何か、問題があるのかね?
        (薄い笑いを浮かべる。酷薄な笑みだ。男にとっては召喚獣や召喚師などは忌むべき存在でしかない。)
        かつて君に話したかどうかわからないが、私が住んでいた元の世界では、魔法も魔物も、何も存在していなかった。吸血鬼、神、悪魔、すべては架空の存在だった。
        ……私はそれが正しい世界の在り様だと考えている。君達は古き迷信の表れだ。だから、私が正そうというのだ。数式により、科学により、世界を正しき姿へと、ね。
        (数式卿は嗤う。その身にまとった気配はかつてのものとは違っている。人のそれではない――まさしく魔人の気配。黄金の数式により、人ではなくなった男の気配だった)
        -- キャロレ 2013-09-12 (木) 01:20:55
      • …ご高説、大変有り難く拝聴いたしましたよ(無言で聞いていたが、パチッパチッと緩慢な拍手を返し)
        (この男と初めて出会った時から狂っているのは知っている、その以前からそうだったのか、それとも何かのきっかけでこうなったのか多少気になるところではあったが)
        えぇ、問題が大アリですよ数式卿…もちろん、この状況を喜ぶ人もいれば嫌がる人もいて…貴方の思想に賛同する人もいることでしょう
        しかし、そう望まない人がいる…何より、今の世界の方が良いと僕が思っておりますのでね?
        貴方が貴方のしたいようにするように…僕も、貴方の意思にノーを突きつけておこうかと……にしても
        全く…醜い姿になりましたね数式卿、以前の貴方は狂ってはいても人間だった…しかし、今の貴方は僕と同じ醜い化物だ…(その事を、まるで憐れむように語り)
        おかしな話もあったものです…人であり異物を嫌った貴方が怪物となり…怪物であり異物である僕が、人になりたがっているなどとは…(もちろん、純然たる吸血鬼が人になれるはずもないが) -- リーベ 2013-09-12 (木) 01:32:43
      • ハハハ……そんなことを言いに来たのかね、君は。好きにしたまえよ、それで私の計画がどうかなるわけでもない。
        今の世界が良いとはお笑いだよ、リーベ君。世界の転移が何をもたらしたかね? あらゆる問題が現れてきているではないか。世界にとって、この状況は不利益でしかない、自然ではない。
        ならば正すのが科学者の使命だ。数学者の役目だ。……そうだろう、吸血鬼殿。
        (黒板にカツカツと数式を書いていく。それは吸血鬼という存在に“解”を出したもの。男のような数学者でなければ理解できないことではあったが。)
        ――それが、どうかしたかね?(薄く笑う。醜い姿になったという言葉を受けて)
        君はそのようなよくある異形の悲哀でも演出したつもりかね。無意味だ、そのような感情は。
        私が化物になった? 怪物になった? 結構。私を構成する数式の形が変わっただけだ。私は私という数式を改変しただけだ。分子構造が変わっただけだ。君達のような、生まれながらの幻想とは違う。
        お望みとあらば……我が黄金の方程式で君を人間にしてさしあげよう。なりたがっているのだろう?
        黄金の数式に解けぬものはない。私も、君達も、全てが“数”によって構成されているのだから。
        ああ、そうだな、世界そのものを解いて、君達幻想の存在を全てただの人間にしてしまうのも面白い。……それならば、君も幸せだろう?(嘲笑う。嘲笑う。魔人の目が光り、この世界全てを嘲笑っている)
        -- キャロレ 2013-09-12 (木) 20:26:44
      • いいえ、今日は確認をしにきたまでのことですよ?一縷の可能性に期待しただけなので…えぇ、そういたしましょう
        おや、以前の世界が、あるいは召喚術のなかった世界に問題はなかったとでも?どの状況にも問題はあるものですよ
        そもそも自然というなら、今貴方が行おうとしていることが自然であるといえますか?それこそ、「人工」ではないですかな?
        まぁ、ここでこのような論議をしたところで…お互い納得などするはずもないので、意味はないかもしれませんが…
        えぇ、悲哀を演じているのですよ?僕は今は道化ですのでね…そして、貴方が三文芝居で突き動かされるような者でもないことは重々承知ですよ
        (これくらいで揺らぐような者なら、こうもねじ曲がり異物と化すまでにはならぬだろうと)
        僕からすれば…それこそ、自然でもなんでもない存在に思えるのですがね…おや、本当ですか?それは大変興味深い話ですね…
        しかしながら遠慮しておきますよ…何故なら、僕も貴方が嫌いですのでね?(微笑んだ男の足元から霧へと変じ始め)
        まぁ、今日は貴方の今を知れたのでよしとしましょう…それでは、またいずれ…お会いしましょう、数式卿…(そのまま隙間より霧になって消えていき) -- リーベ 2013-09-12 (木) 21:54:19
      • ――そう! 意味はない。君もわかるだろう。私はそのようなことで、考えを改めるつもりはない。
        問題がなかったなど……ハハ、そんな極楽のような世界があるものか。ただ科学によって成り立った論理的な世界だ。それが私の至高とするものだ。
        人工で結構。神が作りたもうた世界を数式によって読み解く……人が生み出した知識だ。だが、私の世界ではそれが当然の成り行きだった。
        私はそれに戻す……いや、世界をそうあらしめたいのだよ。行動の是非など誰が決めるのか。唯一絶対の神が実在するのならば、それもあるだろう。残念ながら、この世界にも唯一絶対の神などは存在しないようだが。
        人工で結構、それは我が人類の文化、知識……だが、この世界が「そう」であると言えるのかね。私にはまさに災厄としか思えない……だから、正すのみだ。異世界のものを呼び出すなど、あきれ果てたこと。
        ……おっと、失礼。君にわかるはずもなかったな……君は、人間であったことなどないのだから。だから意味がない。結果の出ない議論は不毛だ。
        (リーベを嘲笑う。男の召喚獣への憎悪、嫌悪はそれほどはなはだしいものだった。学者らしい理屈をこねるが、その根底にあるのは――憎しみであった)
        おやおや、それは残念だ。せっかく君の願いを叶えてやろうと思ったのだがね。一時の感情で拒否するのはお勧めしないが……ああ、また会おう、幻想なりし吸血鬼殿。(霧になる様を見ながら言った。数式の間には再び静寂が戻った――)

        ……こうも早く嗅ぎ付けられるとは。聊か面倒なことになったものだ。……だが、問題はない。二の姫が彷徨いの果てに私のところに戻れば……すべては成就する。我が黄金の数式によって……。
        (男は研究を再開した。《黄金の数式》の効果範囲を拡大するための研究だ。もちろん目指す効果範囲は――この街、そして世界全体である。)
        -- キャロレ 2013-09-12 (木) 22:27:33

  • 中央区――近隣の人々から数学屋敷と呼ばれる一つの屋敷があった。ジョージ王朝様式の屋敷の中には膨大な数学に関する書物が蓄えられていると噂されている。
    そして、その屋敷の主こそ、《数式卿》という称号を持つ数学者、ラトウィッジ・キャロレである。それゆえに、数学屋敷なるあだ名を頂戴しているのである。

    数学屋敷の最奥、静謐なる空間――数式の間に一人の男がいた。部屋のいたるところには数式があった。黒板に、壁に、地面に、数式が書かれている。そして、それらを囲むように、膨大な蔵書が本棚に収められていた。
    この数式の間こそ、《数式卿》の聖域、宇宙の森羅万象全てを操る《黄金の数式》の研究がつづけられている場所だ。
    その男、《数式卿》ラトウィッジ・キャロレは思考する。己が計画について。己が復讐について。己が最大の目的のために。

    「――一の姫は虚数の中へと消え、三の姫は無限小数の迷宮へと囚われた。最早、私に残されたものは、二の姫のみ」
    -- キャロレ 2013-09-11 (水) 01:40:21

    • 《数式卿》が生み出した数式存在は三つ。一の姫、二の姫、三の姫。それは、今は亡き彼の娘たちの姿を持つ。
      世界が転移するその時、世界の教会が歪むその時、《数式卿》は神の領域へと手を伸ばした。
      黄金なる数式――完全なる世界方程式を彼は手にした。そしてそれゆえに、ありえべからざることを成そうとした。
      今は亡き娘たちをこの現世に再構成する――彼の目的であった。だが、黄金の数式の理解がいまだ完全にはならず、一の姫、三の姫は虚数、無限小数の闇へと消え、この世に現出することは叶わなかった。
      しかし、二の姫は違った。かつての娘の姿のままに、《黄金の数式》さえをも操るようになって、それはこの世に現出したのだった。
      二の姫――キャロレの次女が。

      「……いずこへと消えた。我が二の姫。《黄金の数式》を持つ我が娘」
      《数式卿》は嘆いていた。深い深い嘆きを漏らしていた。
      数式存在、二の姫はこの渾沌たる世界に現出した後に、《迷子》になった。
      創造主たる《数式卿》の下から離れ、この界境街の中へと落ちていった。
      「探さねばならぬ……私の、二の姫。未だ、この街の何処かにいるはずだ」
      黄金の数式では二の姫のありかを突きとめることはできない――なぜならば、二の姫も黄金の数式を持っているから。奇跡の、神の方程式をその中に秘めているから。
      「……探すのだ、我が姫を。そして、我らが悲願を果たすのだ……娘たちよ」

      男の顔は憎悪に燃えていた。何者への憎悪か。それは世界、それは運命、異世界なるもの。この街そのものへの憎悪。
      なによりも、召喚術とそれにまつわるものへの憎悪だった。
      「……邪悪なる召喚術を滅ぼし、異世界をこの世から切り離す。幻想の産物は最早いらぬ。闇へと消えるがいい」
      男の赫眼が光る。もはや人間のものではない瞳が。
      「我らが復讐のためにも――我がもとに帰れ。我が最愛の娘……」

      「―――」

      《数式卿》の計画が進む。召喚術、幻想の産物と彼が叫ぶものへの復讐が始まる。
      彼のすべてを奪ったものに。彼の愛を奪ったものに。
      《黄金の数式》が裁定を下すのだ――
      -- キャロレ 2013-09-11 (水) 01:59:49
  • 数奇…数式卿!? -- 2013-09-10 (火) 17:49:35
    • ほう似たような者がいるものだ……いや、これはなんとなく設定まで私と似ている。面白いことだ…… -- キャロレ 2013-09-10 (火) 17:52:02
  • デジタリアンックス! -- 2013-09-10 (火) 15:46:38
    • そのようなことを言って過ごすのは意味がないと思わないかね? 君は我々人類に与えられた貴重な時間をそうやって浪費しているわけだ -- キャロレ 2013-09-10 (火) 15:54:54
  • セックス! -- 2013-09-10 (火) 07:00:21
    • 品のないことを言うのはやめ給え。そんなことでは異界の者たちに嗤われてしまうだろう -- キャロレ 2013-09-10 (火) 07:42:34
  • -- 2013-09-10 (火) 16:02:29
  • テスト -- キャロレ 2013-09-11 (水) 00:47:38
    • まあこれでいくとしよう -- キャロレ 2013-09-11 (水) 00:51:03
  • 夜分遅くに申し訳ございません、リーベと言うしがない占い師でございます
    今日こちらに相談にまいったのは…既知設定のお願いに参りまして…以前より面識があったことにしてもよろしいでしょうか?
    深いつながりにするのもまた面白そうだとは思いますが、とりあえずはまずはご相談をと -- リーベ 2013-09-12 (木) 00:02:15
    • マ、マジか。いいのですか! はいこちらは悪い学者です。
      既知設定全然大丈夫ですよー、持ちかけられてかなり喜んでおります!
      以前から面識あったということでかまいませんよー -- キャロレ 2013-09-12 (木) 00:10:31
      • おぉ、それはありがとうございます…いえいえ、実はキャロレさんのような方を探しておりましてね
        では、その既知設定の内容なのですが…響融化前に出会い戦闘した感じでもよろしいでしょうかな?
        今回出会う時はすぐには戦いはいたしませんが、警戒と周囲へと注意喚起などで動こうと思いますので… -- リーベ 2013-09-12 (木) 00:15:59
      • その感じで大丈夫ですよー。以前に戦ったことがあるということですね、了解です。
        警戒とか注意喚起されるのはとても嬉しいです、悪役としての華というもの。 -- キャロレ 2013-09-12 (木) 00:28:23
      • 銀髪の召喚士とともに悪食と呼ばれてた頃のリーベが戦った…というところでしょうか
        勝敗はつかないままの方が良いかもしれませんね…そちらで何か組み入れたいのであればしてくだされば
        あと、そちらでこうしてほしいなどありましたら言って下されば応じると思いますので -- リーベ 2013-09-12 (木) 00:39:39
      • 了解でーす。ちなみに今日はもうそろそろ寝るので返事とかは明日になるかもです! すみません! -- キャロレ 2013-09-12 (木) 00:45:00
      • 寝てもいいのですよ…明日またお話出来るのでしょうから…お気にはなさらずに -- リーベ 2013-09-12 (木) 01:11:24
      • それでは就寝いたします。続きはまた明日に書きますので。 -- キャロレ 2013-09-12 (木) 01:22:04
      • 戻りました -- キャロレ 2013-09-12 (木) 21:48:47
      • しかし、このままいてもバトるしかないので今日はこれで帰るしかないのだった…
        しかし痛い、セリフの一部が痛い!文章力の差が…これは強い戦力を連れてこなければ…文章力的に -- リーベ 2013-09-12 (木) 21:56:19
      • 敵対ロール楽しいです! ありがとうございました!
        文章力とかそんなのないです……! キャロレ君は色々理屈こねますが要は家族殺した召喚師と召喚獣絶対に許さないよ!! マンなので簡単だ。 -- キャロレ 2013-09-12 (木) 22:29:22
      • さて、それでは早速周囲にそれとなく、名前と警告を散りばめていくといたしましょう
        数式卿のキャラ的に自分から名を広めることもしないでしょうし、自分はピエロとして皆にチラシを配ることになりそうですね
        その上であえて、自分は娘さんとは絡まぬ方向でいくとしますよ…それではまた、いずれ -- リーベ 2013-09-12 (木) 22:50:48
      • ありがとうございますありあgとうございます! なかなかこのキャラで売り込みというのは難しいものがありましたので。
        了解でーす。それではまた! -- キャロレ 2013-09-12 (木) 23:37:21
  • -- 2013-09-12 (木) 23:46:32
  • 何人かに回って種は撒いてみたものの、果たして敵対するまでいくだろうかと不安になってきましたよ。フフフ…
    それと、もし何組かと共同戦線が可能となったとしても、そちらは多数相手が可能なのでしょうかね? -- リーベ 2013-09-15 (日) 21:21:17
    • 色々キャロレについて言及してくださってるようで嬉しいです!! まだ今のところはでかいことやってませんから変なおじさん扱いなのかもしれない…
      そうですねえ、多数相手で戦闘というのはあまりしたことはありませんが、大丈夫だと思います。 -- キャロレ 2013-09-15 (日) 21:44:00
      • 実験と称してNPCのペアを使い消失などを起こし、それを参加予定の人に見せつけるという流れがいいやも
        そうすれば危機感はさらに上がり、やらねばとなるのではないでしょうかね?
        とりあえず、ブラストペアはやってくれそうではございますが -- リーベ 2013-09-15 (日) 21:50:40
      • そうですねえ、それくらいやったほうがインパクトはあるでしょう。何にせよ、何か動きを見せることは必要でしょうね。
        今のところ伝聞だけですし。
        ブラストさんはとても良い反応をしてくれましたので… -- キャロレ 2013-09-15 (日) 22:24:45
  • -- 2013-09-20 (金) 02:13:54
  • 此度の僕の死亡判定はそちらの黄金の午後団の仕業にしようかと思ったのですがよろしいでしょうか?
    数式卿がわざわざ出向き排除しようとするかは分かりませんし、排除の指示を出すかも少し分かりかねますので
    どちらもしないようでしたら、普通に冒険で死んだことにいたしますが -- リーベ 2013-09-20 (金) 21:16:53
    • 死ぬんですか……!?
      了解です、こちらとしては大丈夫です。そちらの都合のいい方で構いませんよ、黄金の午後団がやったのでも、キャロレ本人でも -- キャロレ 2013-09-20 (金) 22:10:51
      • いえいえ、ガチ死にするにしてもまだ時期尚早でしょう…やるにしても終盤が望ましいですからね
        なので、瀕死にまで追いやられた…というところが妥当ではないかと思っておりました
        なら…キャロレではなく、手下がやったことにいたしましょうか…そういえば、教会財団ともに手の者のがいたりは?
        いや、キャロレが騙して事を進める気があれば元の世界に戻すといいその実力を示せば従うものは多かろうと思いましてね -- リーベ 2013-09-20 (金) 22:43:50
      • よかった、いや早合点してしまいましてすみません。
        了解です、では黄金の午後団がやったということで。そうですね、特に考えてはいませんでしたがそれもいいですね。本意を隠しておけば、元の世界に戻してほしいのは教会もそうでしょうし。
        今考えてるのは、実際には黄金の午後団はキャロレの計画の基幹的なものではなく、それらしいものを作ってそちらに意識を向かせるとかそういうのを考えています。 -- キャロレ 2013-09-20 (金) 23:36:09
      • えぇ、黄金の午後団…特に教会や財団の協力者がキャロレからすればむしろ自分の手で殺したいと思うくらいでしょうし
        あくまでキャロレなら自分の計画の邪魔になるのを排除、あるいは計画の邪魔しにくるものを防ぐために使うのでは?と思っておりました
        今後イベント戦闘があるにしても、まず黄金の午後団って一部はそこに残して…と人数振り分けすれば、キャロレとのラストバトルのしやすいのではと思ったりしましたが
        何分自分もこういうイベントに詳しくないので…誰か、詳しい人にご教授願うのもまた良いかもしれません -- リーベ 2013-09-20 (金) 23:44:05
      • そうです、そんな感じです。実際のところ、娘と自分が基本的な計画で後は予防線とか使い捨てみたいなものになりますね。
        そうですねえ、イベント戦闘はどうしましょうか。これまでの企画のイベントとかみて流れは参考にしてみようとは思います。
        私もこういうことはあまりしたことがないので、何か参考になるものがあればいいですね。分散させるのは良い案だと思います。 -- キャロレ 2013-09-21 (土) 00:28:28
  •   -- 2013-09-21 (土) 14:58:28
  • 今NHKでやってる番組を見ておくべきかもしれないすぎる -- 2013-09-21 (土) 21:08:11
    • 今私もテレビを見て気づいてね、これはどんぴしゃだ。ありがとうこやすくん、見ておこう。これはちょうどいい! -- キャロレ 2013-09-21 (土) 21:21:38
      • 数式の番組とはな… -- キャロレ 2013-09-21 (土) 21:24:18
      • つべにあったら紹介動画として置いておきたいレベルだな…しかもシリーズもの -- 2013-09-21 (土) 21:26:18
      • 明日もやるようだし見ておこう -- キャロレ 2013-09-21 (土) 21:28:04
      • 最初から見れなかったのが残念だ -- キャロレ 2013-09-21 (土) 21:31:17
      • こっちも最初はつけたままなだけだったけど内容とその面白さからこれは勧めなければと思ったよ -- 2013-09-21 (土) 21:36:32
      • そうか…新しい粒子のように組み込んだ数式を使えばある意味世界を操れることになる!って思えてきたよケイタさん -- 2013-09-21 (土) 21:49:23
      • やはり私は正しかったようだな。数式は神の摂理を解明する――もはや、神の領域など存在しえないのだ。
        わかったかねこやすくん、これが「科学」だ -- キャロレ 2013-09-21 (土) 22:06:28
      • まさかキャラの説得力が外部で保管されるなんて想定しとらんよ… -- 2013-09-21 (土) 22:13:17
      • 明日の相対性理論関係はもっと楽しそうだな! -- キャロレ 2013-09-21 (土) 23:45:11
      • 録画してたの見てるけどほんと感激だ。キャロレが思ってることを大体いってくれる。
        すべての物事は数式で表せるとか神の数式とか……本当に考えられてたことなんだな -- キャロレ 2013-09-22 (日) 00:19:50
  • 神の数式面白かったですね、非常に興味深かったです。キャロレが発見したのはまさに神の数式だったのでしょう。
    しかしこれ数学者というか物理学者なのかもしれない…… -- キャロレ 2013-09-22 (日) 23:27:46
  • そろそろ締めに動き出さねば -- キャロレ 2013-09-30 (月) 22:52:37
    • マジか!あのっ色々情報集めとか協力者探しとかしてますけど、コレどうしたもんでしょうか! -- ブラスト 2013-09-30 (月) 22:58:25
      • ああいや、そんなすぐじゃないですよ!  今日明日とかではありません。そう言う流れもそろそろ考えとかないとなって感じなので。
        幼馴染が始まるぐらいに追われればなと思っています。
        そうですね……そちらは何かやりたい流れとかありますか? こちらとしては最終的に父親娘ともにこの世界からは消える予定ですね。キャロレは死ねればいいなと思ってます。 -- キャロレ 2013-09-30 (月) 23:06:05
      • やりたい流れ……はまあ、大まかにみんなで数式卿をやっつけろー!できればいいかなーぐらいで。一応単独での対抗策も何とか思いつきはしたんですが。
        逆に、そちらから住民に対して何かしらのアクションをしてくれるといいかもと。ぶっちゃけ今のブラストだけだと説得力なくて「界境街がほろぶ!ほろびますぞー!」してるだけですから……
        かなり積極的になってくれてるのはバーンさんやひなたさんですかね、あの辺りに顔とか見せてくれるといいかなあーなんて 展開上無理そうならいいので、こっちでなんとかします! -- ブラスト 2013-09-30 (月) 23:17:14
      • 次に死亡したときにはガチ死に発動しつつ、キャロレの計画の遅延活動をしようかと思っておりました(過去形)
        ただ、それもまた今は状況を見て…というところになりましたが
        おそらく一番実害を受けているであろうリーベは共闘の意思はないというのがネックではありますね -- リーベ 2013-09-30 (月) 23:21:19
      • ブラスト日蓮状態なのはよくないので何かしら動きを見せましょう。そのほうが殺せー! ってなりやすそうですし。
        ではその二人のところに少し顔出ししてみます。何かでかいこともやらかしたいところです。
        リーベさんが死ぬとしたらそれも切欠になれますね。 -- キャロレ 2013-09-30 (月) 23:28:19
      • デスヨネー なのでリーベさんにはひなたさんから色々引きずり出してもらおうという形で間接的に数式卿への関係を深めようかなと。
        そういえばブラストは書籍などの形で数式卿を徹底的に洗っていますが、どこまで事前に知っても大丈夫なラインでしょうか?
        あとすごいいまさらだけどこんなガッツリ数式卿中心で動いて大丈夫でしょうかブラストは!? -- ブラスト 2013-09-30 (月) 23:29:12
      • おや、ひなたさんですか。レンナルト君の関係もありますしどう会おうか迷っておりましたがそれはある意味好都合…からいかいながら情報を公開してしまいましょうか
        ただ、いろんなイベントを拝見している感じでは人数が増えすぎるとどうしても長引いてしまいますから
        まずは出てくれるかを//なりで相談してから決め打ちでイベントを起こすのが必要かもしれませんね -- リーベ 2013-09-30 (月) 23:33:29
      • 召喚師と召喚獣に家族殺されたとか世界壊されたみたいな話はこちらから言いたいのでそれ以外なら判明しても大丈夫です。
        別世界の話なのでおそらく判明することも難しいでしょうし。なんか相当な恨みがあるらしいぞみたいなのは感じ取れると思います。
        かなり動いてくれててとても嬉しいです!

        僕もイベントとかまとめるのが上手いマンではないのであまり人が増えすぎるとまとめきれるかどうかわかりませんし、最初に相談したほうがスムーズかもしれませんな。 -- キャロレ 2013-09-30 (月) 23:45:53
      • なるほど了解です。良かった……なんか今回の企画の中心とかまでたまに言われてちょっと動きすぎたかと不安で不安で……
        実際、どう戦いに持ち込むかは悩ましいところですよね。多人数参加だと群像劇みたいな形式になるんでしょうか…… -- ブラスト 2013-09-30 (月) 23:58:07
      • 自分もなんか大き目な敵とかやっていいのかな…! とかの思いがあります!
        難しいところですね。大勢を相手(そうなればの話ですが)にかかってこい! みたいなのはあまり現実的ではないかもしれません。
        何かしらキャロレの足止めをする役の人がいて、先に行けー! みたいにしていけばいいのかもしれませんが……。
        数式卿が世界の結合点を発見して、そこを数式にて破壊、世界を書きかえようとするみたいのにしようかなと漠然としてますが考えてはいます。
        ロステは導き役になったりするかなという感じです。キャロレの弱点でもあります。 -- キャロレ 2013-10-01 (火) 00:15:46
      • サモナイ外伝のいいスパイスになってると思いますよそこは!ラスボス感たっぷりでいいです本当!
        うーん、どう食い止めるべきかなあ……黄金の午後団はほとんど抑制力はないんですよね?四天王的なのがいたりとかは?
        ロステちゃんはやっぱり最後の最後まで出会わない運命なんでしょうかね、それとも一度くらいは出会っちゃうのかな? -- ブラスト 2013-10-01 (火) 00:32:05
      • サモナイよく知らないマンだけどこれでいいのかなって……! そういっていただけるとやる気が出ます!
        黄金の午後団は設定としては目くらましみたいな感じです。なんかあいつらやらかすんじゃないかという思いを抱かせるためのと言うか。実際にはあまりキャロレの計画に意味がある存在ではないです。
        ただまあここら辺の設定は状況によっては変えたりもできると思います。四天王的なのは考えてなかったですね……でもいたら戦闘の役には立ちそう。
        一度ロステにおとぎ話をしに来た変なおじさんってことで一人遊びはしましたがまだ出会ってないってことにしちゃったのでそこはどうしようかと思ってます。
        一回ぐらい会って、ショックを受けるとかはやると思います。 -- キャロレ 2013-10-01 (火) 00:47:43
      • そこは僕の出番でしょうか! 呼んでない ストン(座り直し)
        あぁ、質問なのですがひなたさんにキャロレの大体の居場所を教えてもよろしいですかな?
        ひなたさん経由で、ブラストに敵の本拠地がわかるようになれば展開も早そうではございますが
        物語としては、一度館に近づいて敗北する…と言うのも、皆の力を結集して進むいい理由づけにはなりそうではありますが -- リーベ 2013-10-01 (火) 00:49:56
      • リーベさん超キーパーソンだし!!!111もっと情報聞き出すし!ししし!
        ふむー会わないとやっぱり使命とかにも目覚めないでしょうしね そこはじっくり見守りますかー -- ブラスト 2013-10-01 (火) 01:01:36
      • 黄金の午後団が住民襲ったぞ! ってなったらそっちをつぶすために動きそうですし、その間にキャロレはいろんな準備とか進められそうですね。
        いいですよー、でも数学屋敷はブラストさんにはもう知れてると思います。
        いいですねえ、最初負けてリベンジというのは燃えます。 -- キャロレ 2013-10-01 (火) 01:02:56
      • おや、もうブラストさんに知られていましたか。でしたら、教会や財団にいる構成員の名前などでも教えるといたしましょうか
        そうすれば、キャロレの組織の大きさなども知れますからね…ブラストの性格上、より慎重になってしまうやもしれませんが -- リーベ 2013-10-01 (火) 01:07:55
      • キャロレも別に自分の居場所を隠してるわけではないのです。表にはまあ出てきませんが。数学屋敷はいまだにあるわけで。
        そうですね、それがいいかもです。教会にも財団にもいるとなるとより事です。 -- キャロレ 2013-10-01 (火) 01:13:38
      • そして本日は就寝します…また打ち合わせとかは明日以降行いましょう -- キャロレ 2013-10-01 (火) 01:14:10
      • おやすみなさーい -- ブラスト 2013-10-01 (火) 01:26:02
  •   -- 2013-10-02 (水) 00:41:43
  • サモナイの終了時期も近づき、幼馴染の開始時期も同じく近づいておりますね…そろそろ物語も終盤でございましょうか
    今後の展開としてはどのようになるのでしょうかね?あぁ、僕はもしかしたら明日にでも死んでしまうかもしれません、死なないかもしれませんが -- リーベ 2013-10-03 (木) 21:17:09
    • そろそろ終盤に向けて動き出さないと間に合わないかもしれませんね!
      こちらは敵として迎え撃ったりする感じ、計画を実行しようとする感じなので、
      ブラスト側がいけるようならラスト展開も行けるかと思います。
      キャロレとロステが出会うイベントをやればキャロレの計画の始動はいけるかなと思います。
      明日にも死んじゃうかもしれないのか! -- キャロレ 2013-10-03 (木) 22:01:55
      • キャロレとロステが出会うイベントと、ブラストさんが一度撃退されるイベントを両立出来れば良いかもしれませんが
        しかし、そのイベントをやった上で仲間を集め、ラストのバトルまで持っていけるかどうかはやや未知数ではございますね
        フフフ、もし冒険で死んだらキャロレの計画の邪魔をしに伺いますよ…時間がないので、戦闘は中略するかもしれませんが -- リーベ 2013-10-03 (木) 22:10:39
      • それが出来れば一番いいんですが、時間的にどうなるかなという感じですね……。
        是非邪魔しにきてほしい -- キャロレ 2013-10-03 (木) 22:15:56
      • 理想的なスケジュールで言えば、今週末でブラスト撃退イベントを済ませ、平日の間に仲間を集めるイベントをして、来週の金曜からラストバトル
        …なのでしょうが、問題は金曜からのラストバトルで終わるのかどうか、そして参加者のスケジュールは大丈夫なのか…でございましょうか
        まぁ、多少のロスタイムはできなくはないでしょうが…えぇ、もし来月落ちるようであれば喜んで -- リーベ 2013-10-03 (木) 22:21:40
      • ちょ っと待 ちょ ちょっと待った!私一度撃退されるの!?もうされてね!?初対面ですでに!
        でもロステと数式卿が出会うイベントに乱入しろと言うのならばいたしましょう!死なないといいなあ! -- ブラスト 2013-10-03 (木) 22:43:34
      • フフフ、あれしきで撃退と言われては…どうせなら服は破れついでに女であることをディスられればよろしいのではないでしょうか(穏やかに微笑み)
        その辺りはお二人の打ち合わせと予定次第でしょうか…なので僕はひっそりとしていましょう -- リーベ 2013-10-03 (木) 22:54:45
      • 多分キャロレはブラストの性別は特に気にしないよ! 召喚に纏わるもの殺すマンだから。
        さてどうしましょうかね……確かに最初にブラストさんとあったときも撃退と言えば撃退したのか、こっちからいったけど…… -- キャロレ 2013-10-03 (木) 23:28:31
      • 実のところブラストはまだ響命召喚術を使いこなせないどころか使ったことも無いからぶっちゃけ数式卿初対面のときとあんまり変わってないよ!
        あのときより覚悟はキマってるけど……というかロステに倫理を説いちゃったけどアレよかったのかしら -- ブラスト 2013-10-03 (木) 23:30:33
      • キャロレの過去を明かすのは何時がいいかなと思ってます。ブラストさんが、キャロレとロステの再開に乱入するならばその時か、もしくは決戦ぐらいでか…
        キャロレがロステを連れていこうとするのを阻止しようとする感じですかね。
        いいんだ、問題ない。良い感じで使えそうなネタです -- キャロレ 2013-10-04 (金) 01:38:29
      • キャロレの過去は最終決戦でいいと思います。キャロレがロステを連れて行くときに乱入はあるかも。その方向でいきますかね? -- ブラスト 2013-10-04 (金) 01:48:44
      • 了解です。そんな感じでいきましょう -- キャロレ 2013-10-04 (金) 01:49:32
  • いかにも死にそうな依頼の連続なのに死ななくてベアろうか本気で迷っている僕でございますよ、フフフ…何故この方針で生き残れる…
    さて、ブラストさんとキャロレさんの前哨戦はある程度終わりに近づいておりますが…
    もし問題ないようでしたら、明日キャロレに妨害を決行してもよろしいでしょうかね?冒険の生死に関わらず -- リーベ 2013-10-10 (木) 19:54:52
    • 死にたい時は死ななくて行きたい時は死ぬというのがゴルロアですよリーベさん。
      了解です、当方はそれで大丈夫です。 -- キャロレ 2013-10-10 (木) 22:50:03
      • ただおそらく戦闘部分の多くは省く形にはなるかと思いますが、なにせ時間があまりありませんからね…
        ちなみに、僕の奥の手は「自分の血などに触れたものの記憶を食う能力などですが…どの辺りの記憶を食べられると困る、あるいは全く困らないですかね?
        キャロレの完璧主義な性格からしてある部分を食べるのではなく、あえて無差別に虫食いにしてしまった方が時間稼ぎになるかとも思ったのですが -- リーベ 2013-10-10 (木) 23:13:44
      • 記憶消える系ですか! 成程それは想定してなかった……どうしましょうかね。
        過去に纏わる話とかはロステに関しての記憶が消えると話が進まなくなるのであれですが、
        数式に関することの一部が思い出せなくなれば時間稼ぎとかにはなると思います。 -- キャロレ 2013-10-11 (金) 00:27:09
      • 悪食という異名も、記憶すら食べてしまう意地汚さからそう言われていたとかなんとか…そういう感じでございますよ
        えぇ、そこなどは核心なので触らないようにするつもりでございますよ
        問題ないようでしたらそのような流れで、それでは軽くではございますが明日はよろしくお願いしたします -- リーベ 2013-10-11 (金) 00:32:43
      • よろしくです。明日は帰宅がおそくなってしまうかもなんですがお願いします。 -- キャロレ 2013-10-11 (金) 00:35:23
  •   -- 2013-10-11 (金) 23:11:24
  • 一応技の名前とか叫ぼうと思いはしたのですが、なぜかその一列を見るとギャグシーンのように見えて諦めてしまいましたよ…
    さて、こちらの我侭に付き合って下さりありがとうございました。もっと細かく描写したいところなのでしたが、あまり長引かせるとブラストさんとのイベントにも差し支えるでしょうし
    結果優先のRPとなってしまいましたが、無事実行出来て大変嬉しく思います…これで来月、死亡すれば…もうベアるしかないかもしれませんね -- リーベ 2013-10-12 (土) 23:26:38
    • ありがとうございました!! こちらこそおつきあいくださいましてありがとうございます!
      「食事の時間だ」というのはシャルノスを思い出して興奮しました。
      これですぐには世界を滅ぼすことはできなくなったのでかなり具合がいいです。 -- キャロレ 2013-10-13 (日) 17:27:48
  • 後半が若干急ぎ足になりましたが、バーンさんのところでの決意表明もしました
    あとはクーファとお互いの意思確認をした時点でこちらに合図を送るので、そうしたら最後のイベントを始めてくださいな
    バーンさんはやや霊圧が不安定ということで、ラストバトルに同行……は難しいかもしれません なのでここはもう単独決戦にしようかと。
    黄金の午後団にはブラスト名簿に襲撃してもらい、そこでコメアウなどでトーヤ君やひなた君やバーン君に食い止める戦いをしてもらいたいなとお伝えします。
    できそうであればツリーに参加してもらい、できなさそうであれば最初からこなかったものとして進めていこうかと……どうですかね? -- ブラスト 2013-10-21 (月) 05:12:08
    • 良いと思います! 霊圧等は仕方ありません、単独決戦でも何か問題があるわけではありませんし、参加できるようになったらいいなくらいに考えておきましょう。
      了解です、そちらが相図を送りましたらばそちらのコメント欄へと突撃します。 -- キャロレ 2013-10-21 (月) 22:17:57
  • オッケーです、ここらでうちのコメ欄突撃お願いします! -- ブラスト 2013-10-23 (水) 15:21:01
    • あ、それと参加しそうな人にコメアウで一応声かけておきましたー -- ブラスト 2013-10-23 (水) 15:26:04
      • スッ -- トーヤ 2013-10-23 (水) 21:26:02
      • 了解です! -- キャロレ 2013-10-23 (水) 22:17:36
      • わー!始まった!どんな感じで乱入するのがいいのかな(わくわく) -- トーヤ 2013-10-23 (水) 23:29:22
      • よし!最初に気づくのはトーヤ君に任せた!数式卿の次のとこにレスしてそこにブラスト達到着です! -- ブラスト 2013-10-24 (木) 00:01:22
      • 私も…少しくらいなら、出れると思う…ただ、援護射撃…一発だけに、なるかもだけど…。
        役割は…狙撃、魔弾だから…障害物破壊、多人数足止め、大爆発…なら、いけるよ…。 -- ひなた 2013-10-24 (木) 00:07:03
      • 順番は了解いたした(ズオオオオ
        事務所にいたという体がいいかな それとも外から駆けつけてきた的な? -- トーヤ 2013-10-24 (木) 00:10:50
      • そこは事務所の近くから見えるところに丁度来てたみたいな感じで。「なにやってんだきさまらー!」みたいに戦い始めてくだち!
        あとひなた君それそんなにデカイの!?数式卿の足とかに当てて足止めとか考えてたけど違う方向で考えよう……とりあえずタイミングを待とう -- ブラスト 2013-10-24 (木) 00:14:53
      • これは午後団の反応を見てからブラストたち合流かな?トーヤ君→午後団→ブラスト→デルファーネス→トーヤ君→午後団……かな -- ブラスト 2013-10-24 (木) 00:31:04
      • 順番了解です! 黄金の午後団蹴散らしながら数学屋敷に向かっていただければ! -- キャロレ 2013-10-24 (木) 00:45:53
      • オーケーです!そしてデルファーネスさんが仕事のためログアウトされたので今日はここでストップイットです
        集団戦のサガということで……文通でよろしくお願いします! -- ブラスト 2013-10-24 (木) 00:54:25
      • いいんだ。これから頑張って行きましょう!!! -- キャロレ 2013-10-24 (木) 00:56:53
      • はーいわかりましたー無理せずやってきましょうー -- トーヤ 2013-10-24 (木) 01:04:25
      • 遅くなって申し訳ない。ブラストさんの反応が無いっぽいので、ここで一旦ストップでしょうか -- デルファーネス 2013-10-25 (金) 01:44:04
      • いいんだ。了解でーす! -- キャロレ 2013-10-25 (金) 01:44:43
      • アガガガ丸一日無反応で申し訳ない……なんか「これは陽動だ!本部に向かえ!」と即決断するのはまだ速いかなと迷っちゃいましたが
        さっさと気づいちゃった方がいいですかね……いや単にトーヤ君とクーファちゃんの無双もちょっと見たいとかそういうのもあるけど -- ブラスト 2013-10-25 (金) 05:25:18
      • まああまり黄金の午後団とめっちゃ戦う!! というのはこの段階ではあまり考えてはいませんが、流れにより変わることもあると思います。
        数学屋敷のほうから何かヤバい気配がし始めてるとか匂わせればそっちにもいきやすいでしょうか? -- キャロレ 2013-10-25 (金) 22:19:01
      • そですね、まだ数式卿の真意が見えてない感じなので何かあると嬉しいです -- ブラスト 2013-10-25 (金) 22:41:43
      • ぐあああッ!ブラストの行動来てるの見逃してた!申し訳ない! -- トーヤ 2013-10-26 (土) 00:00:58
      • と思ったけど次はデルファーネスさんだった 危い -- トーヤ 2013-10-26 (土) 00:01:50
      • いいのよ…
        厳密に順番を守りすぎると停滞しすぎちゃう可能性もあるので、あるていどは臨機応変でもいいかも、と思ったりしてます -- デルファーネス 2013-10-26 (土) 01:22:35
      • 視認性上げるために、発言の色変えた方がいいです…? -- デルファーネス 2013-10-26 (土) 01:24:45
      • それはお任せします! あちらのコメント欄ですし! そして私は今日は寝ます、おやすみなさい -- キャロレ 2013-10-26 (土) 01:32:20
      • 了解ですーおやすみなさい -- デルファーネス 2013-10-26 (土) 01:52:30
      • 遅くなっておりましてすいません! -- キャロレ 2013-10-26 (土) 23:58:15
      • いいのよー。ロステちゃんすごいヒロインしてるなぁ…
        ブラストさんダウンしてるっぽいので、少し時間がかかるかもしれませぬー。申し訳ない -- デルファーネス 2013-10-27 (日) 08:03:26
      • 了解です。 マジか、お大事に…! ゆっくり待っております。 -- キャロレ 2013-10-27 (日) 17:31:38
      • いや昨日の夜にレスはしたんだ……したつもりだったけどされてなかったんだ……
        次のレスきてるかなー?とか思ったらこの有様だったよ!ごめんなさい……というわけで遅まきながらレスしました!
        ちなみに住民をやってくれる人はいないのでセルフで作った。やや空しい。……ていうコメント自体がもう色々台無しだなコレ -- ブラスト 2013-10-27 (日) 18:45:59
      • ブラスト、あなた疲れているのよ…
        モブ描写に関しては場面が変わる前フリとしては良かったんじゃないかしら

        あと次のレスぐらいで植林しちゃってもいいかも -- デルファーネス 2013-10-27 (日) 23:16:57
      • 全然問題ないと思いますぞー! 盛り上げる演出です!
        そうですね、次ぐらいで植林すれば見やすいですな、場面変わるし。 -- キャロレ 2013-10-27 (日) 23:21:29
  • 感じたぞッ!!位置が来るッ!!(数式屋敷にたどり着きつつ)
    というわけで数式屋敷のほうで植林です ついでにこっちも植林です そして相変わらずの遅レスで申し訳ない……最近9時ぐらいになると眠ってしまう……もったいない…… -- ブラスト 2013-10-28 (月) 09:19:02
    • おつかれさんまー。以降の更新はキャロレさんのコメント欄になります -- デルファーネス 2013-10-28 (月) 19:50:52
      • 数式卿との関わりが非常に薄くて決戦の場にいるとノイズになっちゃいそうなのでこの辺で俺は伝説のセリフを言わせてもらうぜ!
        一度言ってみたかったんだ・・・ -- トーヤ 2013-10-28 (月) 22:35:42
      • こちらこそ遅レスで非常に申し訳ない……! とにもかくにもトーヤさん、ありがとうございます! -- キャロレ 2013-10-29 (火) 02:47:22
      • トーヤ君マジ王道の足止め過ぎる……でも死亡フラグにするのはカンベンな!ありがとうトーヤ君!!
        んじゃこっからは3人になりますね……ひなた君は時計塔に行く途中で魔弾で援護かな……いやいっそ最終決戦の最中キャロレに……どこがいいかな……
        キャロレさん的にひなた君の狙撃が生きそうなシーンってありそうです? -- ブラスト 2013-10-29 (火) 21:03:22
      • そうですねえ、時計塔に行く最中にロンドン橋っぽいものが出現して、そこでこう、数式存在として化物たちがいっぱい出てくる予定なので、
        そこでそいつらをぶっ飛ばしてもらうとかいいかもしれません。最終決戦の最中でも美味しいと思います。 -- キャロレ 2013-10-29 (火) 22:08:45
      • あ、今日は明日が早いので多分はやめに寝ます、申し訳ない。 -- キャロレ 2013-10-29 (火) 22:09:27
      • いよいよ対峙!って感じですねー ブラストの独白は私のやや本音というか
        なんかすったもんだしてるうちにいつのまにか最大のキーパーソンになっててびっくりだよ!という。今までこんな主役っぽいのやったことないので。 -- ブラスト 2013-10-30 (水) 19:29:04
      • 帰宅しました! 今から書きます. -- キャロレ 2013-10-30 (水) 21:46:18
      • そして申し訳ありませんが悲しいお知らせです。明日明後日は家に帰れませんのでその間反応が出来ないと思います、すみません!! 11月2日からまともに反応出来ると思います。 -- キャロレ 2013-10-30 (水) 21:47:09
      • 了解いたした!身体には気をつけて……ていうかもういつまで続いてもいいよね!終わった時がサモナイ外伝の終了期間だ!気にしないで行こう! -- ブラスト 2013-10-30 (水) 22:25:33
      • …じゃあ、私の出番は…またもう少し、先かな…とりあえず、待ってるね…(村田銃片手に、遠くから眺めている。) -- ひなた 2013-10-31 (木) 00:15:39
      • ありがとうひなた君……張り込みにはアンパンと牛乳だぞ!(大量に差し入れつつ) -- ブラスト 2013-10-31 (木) 00:28:03
      • すみません帰宅しました!! 今日から続きできます! -- キャロレ 2013-11-02 (土) 18:46:58
      • RPぢからチャージにちょっと手間取りました。もうしわけない -- デルファーネス 2013-11-03 (日) 19:24:10
      • すみません!! 昨日家に帰れなかったので返信等できませんでした!! 夜に帰宅したら変身します、申し訳ない! -- キャロレ 2013-11-05 (火) 16:17:09
      • ヘシン!するの!?とりあえず謝罪大会になってるからもうみんなお互い様ってことでさ……あんま気にしないで行こうよ!うん! -- ブラスト 2013-11-05 (火) 17:25:24
  • この戦闘は長引かせるつもりはありません。世界崩壊の数式の計算が進んでいくまでの時間稼ぎのようなものになります。 -- キャロレ 2013-11-06 (水) 00:28:29
    • とりあえず真っ向対峙、ううううん!主人公っぽい台詞いっぱい吐けてくふううう!!(興奮中)
      一応前哨戦ですしねー 一応どんな流れでロステを取り戻す→時計塔出現 までの流れになるか大まかな流れを聞かせていただけるとやりやすいです。
      この場の剣だけの決闘でもいくらでも引き伸ばせちゃいますからね…… -- ブラスト 2013-11-06 (水) 19:10:41
      • 今のキャロレはリーベ君の血により、さらに世界方程式を解いている最中なので、黄金の数式を使うことに一部制限があります。
        ブラストの思わぬ反撃にそちらに意識を集中しなくてはならなくなり、ロステへの集中が一時的に途切れ、ロステを阻んでいた数式が解ける。そこを一気に救出してくれればと思います。如何でしょう。
        救出された後は、キャロレは苦渋の決断で、ロステを取り戻すために、ロステのアリスとしての記憶を蘇らせます。ここでキャロレとロステの過去が開陳される感じです。ロステは非常に動揺し、キャロレはロステにともに世界に復讐し、自分たちの世界を取り戻そう的なことを言います。
        しかしロステはそれを否定し、父を止めることを宣言します。そこでついにキャロレはロステと世界を自分の手に取り戻すために、世界崩壊の方程式を一気に進め、この街に滅んだ自分たちの世界の一部を召喚します。
        そこで街にキャロレ達の世界の残骸が次々と出現し、時計塔が最果てに屹立します。
        こここそが、ロステの目指すべき「どこか」になります。新たなる世界を召喚したことにより世界は大いに歪み、キャロレはそこに介入し、願いを遂げるために、歪みの中心である時計塔へと移動します。それを追う感じになるかと思います。 -- キャロレ 2013-11-07 (木) 23:00:17
      • なるほど了解しました!
        そしてリーベさんのネタもがっつり拾っておく私。ちょっと強引だけど。いいよね託されたパワー的なアレ! -- ブラスト 2013-11-08 (金) 22:59:39
      • 主人公してますねえ、いいねいいね!
        友から託されたパワーで敵を殴る、いいよね!! -- キャロレ 2013-11-09 (土) 01:44:02
      • おそくなりました orz -- デルファーネス 2013-11-11 (月) 20:23:00
      • いいんだ…! -- キャロレ 2013-11-12 (火) 02:08:22
      • うーん盛り上がってきた! -- ブラスト 2013-11-12 (火) 23:29:20
      • 魔物がここまで身近な世界だと、子供だって「車の前に行くと危ない」「知らない人についていっちゃだめ」って知ってるのと同じくらい、魔物に対する常識レベルの知識があるんだろうなー
        なんて思いながら文章を打ってみました。ブラストは特に政治家なので、国の防衛に何が最低限必要かも良く分かってるからこそ納得がいかないんだと思うです。 -- ブラスト 2013-11-15 (金) 08:38:50
      • いいねいいね……これは良い展開ですよ! ブラストにとっても常識が打ち崩されるわけだ! -- キャロレ 2013-11-16 (土) 01:19:34
      • やっと本当の意味で「和解」は絶対出来ないと理解するブラスト。さあこれでロステがどう出るか…… -- ブラスト 2013-11-16 (土) 02:32:34
      • 最早止めるしかないのです、数式卿の計画を。 大丈夫、ロステは強い子だから…! -- キャロレ 2013-11-16 (土) 23:40:46
      • たぶんこれがブラストにとっての最終決断。書きながら数式卿が悲しすぎて泣けてきました。邪悪じゃないのに止めなきゃならないのは、人間だからなんだろうなあ。
        ブラストの言う世界はこの街だけを指してます。要するに、自分の目の届く範囲を必死で護ろうとすることしかもうできないんですよね。せつねえー。 -- ブラスト 2013-11-19 (火) 02:32:23
      • 人間賛歌だ!! ブラストちょうかっこいい!! キャロレも元々は邪悪な人間じゃないんです。失いすぎてどうにもできなくなってしまったのです。過去を否定して幸せを取り戻したいマンなのです。
        人間にはそれしかできないんですよね…でも人間全てが目の届く範囲を守ろうとすれは全部守ることができる! その先駆けです! -- キャロレ 2013-11-19 (火) 02:43:56
      • 悩み過ぎて間が空き過ぎました。もうしわけないー -- デルファーネス 2013-11-24 (日) 19:09:48
      • いいんだ、気にすることないんだ。僕もかなり悩みます!
        でもあまり悩みすぎる必要もないとおもいます! 正しい答えというものもありませんから! -- キャロレ 2013-11-24 (日) 20:50:52
      • すごい長くなりましたすみません! というわけで、最終決戦地に向かうこととなります。
        街の人たちに助けられながら、時計塔まで向かう感じですね! -- キャロレ 2013-11-25 (月) 00:35:34
      • 覚悟が決まると人間やけに肝が据わるもんです、泣いて叫んでスッキリしたとも言う。
        しかしロンドンを上書きとはなるほどなあと感心。滅ぼすってだけじゃ復讐にはなってもあんまり得はないよなーと思ってたのですごく納得。
        そしてついでにクーファにプロポーズ(?)。だってクーファが一生顛末を見るまでついてくるっていうから……惚れてまうやろ!
        まあ恋愛感情とはなんか若干違いますけど。……ところで二つほど疑問が。
        1、ロステはだいたいどのくらいの速さで飛んでいってるの?
        2、トーヤ君いる?まだいたらちょっとサンキューってねぎらってあげたい。
        3、ひなた君の魔弾は数式卿のこの後のどの行動に向けて撃つのが一番見栄えがいいかな?(まだひなた君がいればだけど)
        ……三つだコレ! -- ブラスト 2013-11-26 (火) 21:16:21
      • 世界を壊し、世界を否定するんです。現実として召喚術などが存在してしまっている世界そのものを代償として、数式ごと世界を作り変えるのです!
        ここまでこれてよかったです、決戦は近い!
        告白イベントきちゃった…二人で一生一緒なんだ…。
        ロステのスピードとしては速いけど人間が追い付けるくらいです。ブラストたちを先導しますからね。
        ひなたさんの爆弾は、ロンドン橋渡るぐらいのときですね。そこで何かモンスター的なのに囲まれたりすると思うので! -- キャロレ 2013-11-26 (火) 22:58:26
      • ちょっと順番違いですがブラストの性格上確実にここはツッコミ入れるのでちょっとセリフ継ぎ足し。
        響友は生涯をともにするんやな……一生一緒でも仕方ないんやな……
        ロンドン橋ですね しかしひなた君いるかな……そろそろ出番だよ!って声かけとこう -- ブラスト 2013-11-28 (木) 00:17:00
      • …(うとうと)…(ハッ)…寝てない、よ?(首をフルフルする。)
        爆弾、じゃなくて…空間ごと、消し飛ばす…魔弾、だよ?(村田銃を手に準備万端。) -- ひなた 2013-11-28 (木) 00:42:23
      • (ただ、前に見たときよりずっと長い文章になってるやり取りを見て自信喪失して目が曇る。) -- ひなた 2013-11-28 (木) 00:43:35
      • ひなた君、そのよだれを拭きたまえ!聞いてるのかねひぐらし君!!!!1ヒポタタマス君!!11!
        ……空間ごと消し飛ばすって……囲まれたら中に居る私たちもガオン?
        いいんだ、みんなもう納得の行くまで文章考えてからレスしてるから超じっくり考えてレスしていいんだ…… -- ブラスト 2013-11-28 (木) 01:55:22
      • 完全に観客モードでこっち見てなかった ごめんよー ついに最終決戦だな! -- トーヤ 2013-11-28 (木) 02:03:34
      • トーヤ君!生きてたのか!良かった……大抵あのセリフを言ったキャラは死ぬから……
        ちなみに観客モードで見ててどうかしら、展開とかそういうの 私はちゃんと主人公できてるだろうか!?(すごく不安) -- ブラスト 2013-11-28 (木) 02:38:30
      • 死にかけてるかもしれないけど生きてる!まだ生きてるます!
        大丈夫だよ すっごく主人公してるよ 最後に色んな言い訳とか理論武装とかを取っ払って自分がそうしたいから数式卿を倒すって決断するのいいよね・・・ -- トーヤ 2013-11-28 (木) 02:52:08
      • 良かった……なんか空気的にもう混ざりづらいだろうから影から「フッあいつらも生きてたか…まったく感謝のひとつも言わねえで(シュボッ)」とかつぶやいていいのよ死にかけで
        良かった……いや主人公キャラってあんまりやったことないからちゃんと王道できてるかなあって。いい……悲しくても戦う運命いい…… -- ブラスト 2013-11-28 (木) 03:43:53
      • …よだれなんて、垂れてないよ?…(口元をぬぐう。)…うん、垂れてなかった…。
        …大丈夫、ほぼ外さないから…きっと、巻き込まない(キリッとした顔で言った。)
        …それはそれで、悪いし…出来るだけ、頑張る…混ざるタイミングは、教えてくれると…嬉しい。 -- ひなた 2013-11-29 (金) 00:44:01
      • 遅くなりました! ロンドン橋戦です! キャロレは再登場するまでお休みなので、順番はキャロレを抜いてお願いします。 -- キャロレ 2013-11-29 (金) 23:21:29
      • というわけでブラストは現状だとあんまり戦力にならず!クーファでも中々裁ききれないという感じでしょうか
        この後、アリスも手を焼いている描写の後ひなたちゃんに魔弾を撃ってもらいたいです その後魔弾によってどうなったか順番を一時ずらしてアリスに描写してもらいたいと思います
        その後改めてブラスト→クーファ→アリスの順でまわしていきます ブラストは(誰がやったか気づくとは思いますが)ひなたちゃんの姿は確認出来ないでしょうからひなたちゃんはブラスト達の反応を見た後好きなようにしゃべってくれるといい感じかと思いますー -- ブラスト 2013-11-30 (土) 22:22:30
      • …分かった…露払いは…任せて…狙撃は、得意だから…ね…。
        じゃあ…私終わった後の…アリスさんの後、書いて引き上げるね…。 -- ひなた 2013-12-03 (火) 23:26:07
      • お待たせしました、帰宅したので打ちます。アリスでも捌ききれない的な描写を入れますので、その後ひなたさんお願いします! -- アリス 2013-12-09 (月) 22:38:17
      • 魔弾どんなのかなーワクワクするね!あ、そういえばクーファの人は今回家庭事情でレスが遅れたとのことです。 -- ブラスト 2013-12-10 (火) 00:09:45
      • 家庭の事情は仕方がないです! そして私ですが、15日から18日霊圧が消えます。パソコンとかも使えない場所に行きます。申し訳ありませんがよろしくお願いします。 -- アリス 2013-12-10 (火) 22:52:54
      • …一発目、敵をある程度倒すコメを書いてから…二発目、拠点破壊してから立ち去るコメでも…いい?
        …導入もあるし、ちょっと一発撃ってからすぐと言うのも…変かなって…まとめた方がいいなら、まとめる…。 -- ひなた 2013-12-10 (火) 23:33:41
      • こちらとしてはそちらのやりやすい感じで構いませんです! -- アリス 2013-12-10 (火) 23:44:22
      • …こういう感じに、なっちゃうけど…大丈夫?…二発目も、入れた方がいいなら…入れるよ…。
        あと…二発目、破壊するの…具体的には、どこ撃てばいいのかな…女王?それとも門? -- ひなた 2013-12-10 (火) 23:51:00
      • 現場状況に関してはアリスちゃんのイメージにお任せしとこう……私はその間に弾丸に対してビックリするぐらいの短めのコメントしておこうかな -- ブラスト 2013-12-12 (木) 00:49:44
      • 短めのコメントにするといったのに……すまんありゃウソだった でもまあ大半は苦戦するクーファちゃんとアリスちゃんへの反応ってことでさ……許してくれ -- ブラスト 2013-12-12 (木) 01:21:24
      • 全然大丈夫です! 科戸の神の名を冠する弾丸いいですねえ!
        女王を吹っ飛ばしてくれて構いません!! -- アリス 2013-12-12 (木) 21:53:56
      • ウヒュウーひなたちゃん大活躍ー!ヒューヒュー!! -- ブラスト 2013-12-12 (木) 22:18:46
      • 日本に、空間の神って…いたかな…雷から、反物質砲とか…でもいいかな…そもそも、あれって周囲…消し飛ばされる、のかな…。
        などと、色々と…悩んだけど…とりあえず、これで行ってみました…。
        冒険、死亡しましたし…ついでに、これにて…ひなたの締めにも…利用しようかなと…。
        …こんな力、簡単に使えても…何かなぁ…と思ったので、怪我もしたけど…気にしないで、私は平気(ただしレンナルトがどう思うかは別。) -- ひなた 2013-12-12 (木) 22:44:40
      • ひなたかっちょいいなー 日本の神様もいいよね・・・
        あ、ブラスト俺も冒険の方で死んだけどこのイベント中は生きてるからね!(おでこに三角の布巻きながら) -- トーヤ 2013-12-12 (木) 22:55:25
      • し、死んでる……というかマジ反動すごい……ひなたちゃんマジ強キャラ!村田さんお疲れ様……
        ひなたちゃんにとってもひとつの決戦の場になって嬉しい限りです やっぱり自分の生み出した子のかっこいいとこ書きたいよね!
        トーヤ君も生きてるなら活躍を狙っていいのよ!死んでる場合じゃないよ!私も死んでるから!!
        とりあえずここの敵の被害描写もアリスちゃんに任せてよろしいかしら?その後ブラストからまた順繰りに回していきますー -- ブラスト 2013-12-13 (金) 23:09:16
      • やあやあいいじゃないですか、最終回っぽいぞ! 日本神話ねたなので張り切りました。
        私は15日から18日までお祭りにでかけるのでその間返信できません、申し訳ない…! -- アリス 2013-12-14 (土) 11:26:42
      • 要約するとひなた君をガン褒め。ひなた君マジヒーロー。超カッコイイ。ブラボー。(万雷の拍手) -- ブラスト 2013-12-14 (土) 20:39:46
      • 本日帰宅したら変身します!! お待たせしましてすみません!! -- アリス 2013-12-25 (水) 13:39:28
  • そろそろ植え替えつつ。みんな年末年始は忙しいから無理しないでいいのよ。 -- ブラスト 2013-12-28 (土) 11:50:24
    • 長らくお待たせいたしました!! この螺旋階段を上って、その果てで決戦という感じでよいでしょうか!
      正月の間は働いてますので霊圧は下がると思います! -- アリス 2013-12-29 (日) 04:59:35
      • お疲れさまなのよー アリスちゃんもクーファちゃんもリアル大事になのよ! -- ブラスト 2013-12-30 (月) 00:38:27
      • ところであけましておめでとうサモナイ外伝参加者の皆!!!1111(正月挨拶とともにさり気に誰がまだ居残って覗いてるかの点呼 ワザマエ!) -- ブラスト 2014-01-02 (木) 16:04:05
      • アイエエエエ! あけおめ、あけおめナンデ!?
        ここに一人おります!! -- キャロレ 2014-01-05 (日) 00:48:54
      • ドーモ、ラスボス=サン。主人公セイジカです。
        ……俺とお前でダブルライダーだけじゃないですか!やだー!! -- ブラスト 2014-01-05 (日) 09:54:30
      • あけましたおめでとうございます
        レス速度は諸事情ありまして家に居ない事が多いため、今後もかなり遅くなると思われます
        これについては可能な限り早くレスをする努力をします…が、進行に支障を来すレベルになりそうでもあるので、
        お話の進行途中に倒されて気絶退場等々も視野に入れておいた方が良いかもしれません -- デルファーネス? 2014-01-10 (金) 02:38:06
      • レス速度に関しては了解です! リアルを大事にです! 色々事情もあると思いますが、この三人で完走を目指したく思います!
        もし時間がかなり空くとかのばあいは、順番を崩したり、変えたりしても良いと思います。やはり響命召喚術にはデルファーネスさんは必要なはずですから!
        ここまでやってきたのです、柔軟にやっていきましょう、柔軟に。 -- キャロレ 2014-01-11 (土) 21:42:59
      • さて最終決戦と相成りましたが……数式卿ってこの状況下だとどういう攻撃をしてくるんでしょう。
        基本的には「意外ッ!byキャロレ」みたいな響命術を用意してあるので、圧倒的パワーだぞーどうすんだーって威圧してくれると嬉しいです。 -- ブラスト 2014-01-12 (日) 03:27:20
      • 意外! それは髪の毛ッ! しちゃうんだ……。
        そちらの響命術がどういうものかわかりませんでしたし、相談して決めようかなーとか話を聞いてみて考えようという感じでした。
        数式によりどのような攻撃も可能です。存在を消すとかはアリスによって阻まれるので使えない感じです。
        了解です、では圧倒的パワー! 系統で考えます。 -- キャロレ 2014-01-13 (月) 22:01:19
      • 順番としましてはキャロレ→ブラスト→デルファーネス→アリスですかねー。何かご都合が悪いとか、この順番は飛ばしてとかはいつでもおっしゃってください! -- キャロレ 2014-01-21 (火) 21:31:00
      • やっと見せ場だ!見せ場だから攻撃しないでね!ヒーローの変身ポーズみたいに!(ジャキィン)
        でもさっそく即死級の攻撃を放たれて「あっヤバイ響命術使う暇ねえ!そうだ腕が光る設定をこじつけよう!」とか思ったのはナイショだぞ! -- ブラスト 2014-01-23 (木) 01:18:39
      • (いよいよクライマックスだと尻尾を振りながら見守る片耳わんこ。) -- 2014-01-23 (木) 01:22:18
      • 圧倒的パワー! ということでしょっぱなから飛ばしましたが確かにこれだと物理的パワーじゃないな! すみません…!
        キャロレは数式で空気を呼んだので攻撃しません! -- キャロレ 2014-01-23 (木) 01:30:21
      • 質問ですが、今ひとつになっているということはもしかすると、デルファーネスさんの番は一旦飛ぶ感じなのでしょうか? -- キャロレ 2014-01-31 (金) 21:35:31
      • いや、クーファちゃんが喋りますよ。例によって忙しいらしいのですが、次はクーファちゃんです。
        今しばらくお待ちくださいなー -- ブラスト 2014-02-01 (土) 17:19:30
      • それならば安心です、ちょっと早漏でしたすみません。了解です! -- キャロレ 2014-02-01 (土) 18:27:39
      • こんばんは、大変遅くなりましたが、これにて退場と相成ります
        約4ヶ月ほどお付き合いいただき、ありがとうございました -- デルファーネス 2014-02-09 (日) 20:09:13
      • お疲れ様……ありがとう……それしか言う言葉が見つからない…… -- ブラスト 2014-02-09 (日) 23:08:20
      • お疲れ様でした、本当に長い間ありがとうございました! お忙しい中、本当にありがとうございます!
        これは熱い展開……遂に響命召還術だ!!! ここまで付き合って下さり、言葉もありません。お疲れ様でした、そしてありがとうございました。いよいよクライマックス目前ですね! -- キャロレ 2014-02-10 (月) 00:23:42
      • めっちゃかっこいい演出だな!? -- トーヤ 2014-02-15 (土) 12:03:42
      • やっと召還術出せると思ったらそのプレミア感につい描いてしまった…… -- ブラスト 2014-02-15 (土) 12:13:08
      • こういうイベント演出いいな・・・俺もいつかやってみたい・・・
        あとアリスちゃんのプレミア感 -- トーヤ 2014-02-15 (土) 12:28:13
      • なんなら傷ついたトーヤ君とか描こうか?色々協力してくれたし
        ひなたくんも描きたいと思ってたんだけどデザイン画が無いからどうしたもんかなと思っててね…… -- ブラスト 2014-02-15 (土) 12:31:24
      • 描いてくれるんですか!やったー!もういまにも死にそうな感じでお願いします!でもその前に寝ろ! -- トーヤ 2014-02-15 (土) 12:47:51
      • じゃあトーヤ君ぼろぼろになりつつも敵を倒して座り込んでる感じで描くよ!うん!寝る! -- ブラスト 2014-02-15 (土) 12:50:01
      • あ、ああ、あああっ! す、すごい! すごい絵がついてる!!(失禁)
        ありがとうございます! こいつはすげえ! あわわ… -- キャロレ? 2014-02-15 (土) 20:59:02
      • キャロレさんいい表情してるよね…。ブラストさんもおつかれさまです。素敵なイラストをありがとう -- デルファーネス 2014-02-16 (日) 10:40:04
      • やっとお披露目できた……クーファちゃんの人と一緒に考えたデザイン!ブラストクーファ融合体!!
        でも今は中身が違う人です。要約すると「なんで私が来たのかちょっと話すから聞けや」とのことです。
        あいつ……神じゃない? -- ブラスト 2014-02-18 (火) 09:23:49
      • なんかすごい人来ちゃった!!! なにこれ、すごい!!! これが…(失禁)
        い、いったい何者なんだ……!! -- キャロレ 2014-02-18 (火) 17:01:33
      • そのすごい人は帰りました。長いよコレ!簡単に言うと
        予測ならまだしもパーフェクトに先が分かっちゃったら色々と詰んじゃうだろがこのチート野郎 お前の数式全部に成功率50%を付与してやる!ざまぁみさらせ! byゴッド領域さん
        だそうです。 -- ブラスト 2014-02-18 (火) 21:42:20
      • キャロレさんとドンパチ殴り合い…? -- デルファーネス 2014-02-18 (火) 22:34:08
      • 片一方だけを有利にしない神様カッコいいな・・・ -- トーヤ 2014-02-18 (火) 22:38:32
      • 神様ほんとに敵でも味方でもない! ゴッド領域さんなんてことするの!!!1
        それで、こういう感じで大丈夫かな!? -- キャロレ 2014-02-18 (火) 23:04:33
      • 大体オッケー!まあ要するに「なんでもできるぞ」→格下げ→「すげー強い魔法使い」になった感じです。
        要するに確定!ができなくなっただけで高確率でできることはできると。要するに魔法をぶつけ合うとかそういう全うなガチンコバトルなら可能ってことです。
        今度こそ本当に最終決戦だ!最終決戦詐欺もここまでだ!! -- ブラスト 2014-02-18 (火) 23:36:47
      • チート能力は払われた! 最終決戦だ!! ガンバルゾー!!! いよいよクライマックス!  -- アハト 2014-02-19 (水) 03:45:04
      • いいねいいね!やっぱ真っ向勝負いいね!キャロレかっこいい! -- ブラスト 2014-02-20 (木) 00:50:20
  • これでアリスはしばらく式と戦い続けているということで、しばらく発言はありません。クロスとキャロレの戦いが終わった時にまた出てくると思います。 -- キャロレ 2014-02-20 (木) 22:13:53
    • まさにタイマン勝負!互角の戦いに地の文も忍殺とかジョジョ初期のナレーション並に荒ぶってしまう!
      最初はもう少し強くしようかとも思ったんだけど神様がハンデくれたからちょうどキャロレと互角ぐらいのようなノリでいいか!で決まったクロスの強さ。再生能力とかはあるようなないような。多分直ぐには治せない。 -- ブラスト 2014-02-20 (木) 23:50:59
      • !とか多用したくなるぞ! 忍殺のノリにこっちもなってしまいそうだ!
        互角の勝負、いいよね。神様のおかげだ!
        ある程度勝負決着するところも考えておいたほうがいいのかなと思います、如何でしょう。必殺技とかは何かあるのかな。 -- キャロレ 2014-02-21 (金) 01:10:54
      • 必殺技です、何気に最大の武器。響命ボイスです。色々使い道はあるだろうけど多分数式卿にはこうかはばつぐんだ!
        ……つくづく対数式卿特化型だなクロス!というわけで、そちらが大技、それを切り開いて直接攻撃、ですかね。
        文章内でも触れてますがぶっちゃけパワーと素早さと炎ぐらいしか無いんで単純攻撃が殆どです。質的にはクーファちゃんと同じ攻撃しかできないんですね。すごく強くはなってるけど。 -- ブラスト 2014-02-21 (金) 21:09:03
      • 声ってめっちゃ政治家っぽい!! すごい!! この発想はなかった!!!
        対数式卿のカウンターすぎる! なんかすごいことになってしまいましたが大丈夫ですかねこれ! -- キャロレ 2014-02-22 (土) 18:25:28
      • 思いついたらコレしかないと思った。超王道で超あざとい対抗策。さすがにかなり悩んだけど! -- ブラスト 2014-02-23 (日) 00:53:00
      • うわあああああ! すごい!!!! 超凄い!!!! これ、これほんと、ほんと泣きそうです!!
        もうほんと、すごい。この王道……!! いいですねえっ……!! -- キャロレ 2014-02-23 (日) 06:59:49
      • 正直キャロレ生存ルートはないかもと思ってただけにまさに予想外の喜び。トゥルーエンドの選択肢あったよ!でかした!
        さていよいよ終幕が近いかな……? -- ブラスト 2014-02-23 (日) 09:49:58
      • ここは、前から考えていたところっ……! キャロレは生存、とは言えませんが……しかしトゥルーエンドです!
        キャロレは憎しみのまま、魔人のままではなく、人間のアリスの父と戻れました! 救われたのです! 間もなく終幕ですね! -- キャロレ 2014-02-23 (日) 20:20:04
      • ノートゥルーエンド!魂消えるとか書いちゃったわーそれ見逃せないわー気づいちゃうわー かぁーっ!無ければ見送るだけだったけどなぁー!かぁーっ!
        そんなのクロスさんは察知しちゃうわ!超感覚でわかってたわー魂消えるってわかってたわー かぁーっ!!分かっちゃったら仕方ないなーこういう行動出ちゃうよなー!仕方ないわー! -- ブラスト 2014-02-24 (月) 01:40:56
      • アイエエエ!! 魂が! 魂が救われる!!!!???? -- キャロレ 2014-02-24 (月) 02:14:05
      • この人の主人公パワーすごい!!!! -- キャロレ 2014-02-24 (月) 03:01:34
      • あざといからね!思い切り主人公したいからね!せっかくだから!
        しかしお互いにここで必殺とか?ここで終わりかなとか?そんぐらいの打ち合わせしかしてないのにすごいドラマティックになってきた…… -- ブラスト 2014-02-24 (月) 18:22:26
      • あ、それと勝手ながら誤字脱字とかタグずれとか直しておきました。いいよね誤字るほどの筆走りならぬキーボード走り……そのテンションいいよね…… -- ブラスト 2014-02-24 (月) 18:31:06
      • まさかのトゥルーエンド・・・!ちょっとブラストの主人公力強すぎて嫉妬する -- トーヤ 2014-02-24 (月) 18:35:20
      • 本当に良いものが出来たと思っています!! 綿密に打ち合わせしているわけでもないのに、ノリに乗ってしまいました!! すばらしいっ!
        面目ない! ありがとうございます! 推敲もきちんとできていないままお出ししてしまいました!! -- キャロレ 2014-02-24 (月) 19:29:50
      • 良かった……本当に良かった 最高の終わり方だったよ……
        レスをする前にやらなきゃあならんことがあるな……あとトーヤ君スタンバイよろしく。内容は説明しないけど。 -- ブラスト 2014-02-25 (火) 02:47:12
      • えっ 今さら俺がどのテンションで入っていけば・・・せ、説明なしでもできらあ! -- トーヤ 2014-02-25 (火) 09:39:12
      • ブラストさんのレスの後はエピローグですかネー。トーヤ君! トーヤ君くるのか! -- キャロレ 2014-02-26 (水) 01:17:38
      • よしまずはしめくくりの導入だ!このあとも私がレスするよ!トーヤ君が登場するような雰囲気は多分見てればわかるから見てるといいよ!
        あとこの絵は描いててちょっと泣けた。ラトウィッジ親子好きだわー、ほんま好きだわー -- ブラスト 2014-02-26 (水) 04:28:53
      • うおおお!! これは、これは泣ける絵……!! 本当ありがとうございます! いいなあ、この絵いいなあ! -- キャロレ 2014-02-26 (水) 19:01:57
  • お……終わった……終わったよ……
    あとはこの声を聞いて「あ、終わったんだな」的な反応をしながら感動的に死ね!トーヤ君!
    行間でいつの間にか死んでいたとか許さないよ!あとでその文章に合わせて絵描くからな!

    あとひなた君もそうだけど、もしサモナイ外伝に参加してた人で、半端に終わっちゃったなーとかそういう方で一応の区切りをつけたい方はここで枝を作って是非エピローグを描写してください。というか是非お願いします。本当に。切に。
    一応理由付けとして「あ、戦いが終わったっぽいぞ!」とかでもいいですし、行政発足後のどうしたこうしたを書いてもいいですし、そこは自由にどうぞ。
    貴方のサモナイ外伝の終わりのきっかけになれば幸いです。企画参加者の皆さん、お疲れ様でした。参加者代表としてお礼申し上げます。
     追記:「蛇足になりそうだから入れない!」という声があったので酒場での返答をば
    これはあの街の物語だからあの街に関わってた人は企画外のキャラ(レイヴンズさんとか)でも1行だけ書き込むだけでも十分だと思うんだ
    関係なかった人関係合った人いろんな人がいてこその街っぽさだと思うし
    年表が完結する時にこうしようーって思ってて出来なかった人がおっ年表どおりに終わったじゃん!じゃあちょっと書き足すか!
    でいいと思うのよ
    いろんな人がいたからブラストはがんばれましたのでいろんな人が1つの終わりに立ち会っていて欲しいなと思います
    シリアスに思いを馳せてもよし、あっ何か最近住み心地よくなったなでも良しでいいと思います
    それぞれの「エピローグ」でにぎやかししてくれたら一番嬉しいです -- ブラスト 2014-02-27 (木) 03:46:45
    • 死んでない!まだこの時点じゃ死んでないよ!でもこの街出た後冒険でさっくり死ぬよ!
      ブラストも姿消しちゃったのかー その後が気になるので勝手に妄想しておこう・・・というわけで俺も〆に入ろう -- トーヤ 2014-02-27 (木) 09:00:06
      • 多分祭り上げられたりとかそういうのは混乱を招くからって思って凱旋せずに行方をくらましたんだと思う。
        ああなんだ生きてるのか……てっきり「ピアノをまた弾いてねって言われたんだぞ!」って言いながら死ぬ系のパターンだと思った!
        他のサモナイやってた人も同じ感じで〆に入りやすいようにしたつもりなんだけど誰かこないかなあ……
        あっあとこのエピローグどうかな、ちゃんとエピローグしてるかな?(他人の評価がいつも気になってしょうがない小心者) -- ブラスト 2014-02-27 (木) 09:19:58
      • すごく美味しい展開だけど俺はこんな感動的な場面で死ねない人間なんだ・・・そこら辺で野垂れ死ぬ初期コンセプト!
        いい感じじゃないかな 俺もサモナイ5やってないけどこの企画5の前日譚的な時系列らしいし
        最後にタイトルロゴがどーん!いいよね・・・ -- トーヤ 2014-02-27 (木) 09:53:27
      • そんなもったいない……せっかく「ここは任せろあとから合流する!」→「約束……守れなかったな……へっ、後は頼むぜ……ガクリ」のつもりだとばかり……
        ほっ……とりあえず無難にまとまってれば良かったかな……うんタイトルロゴは入れたくなって入れた! -- ブラスト 2014-02-27 (木) 10:27:55
      • とまぁこんな感じでヘヘッブラストやったな・・・感を出しつつ自分も街を出るフラグを立てて戦士の休息!
        いやー!見てるだけでも楽しかったよ!当分は燃え尽き症候群で大変だろうけどまた楽しいことできるといいよね!
        本当におつかれさまー! -- トーヤ 2014-02-27 (木) 10:38:44
      • いい、いい……ついにここまでこれました! 皆さんの協力のおかげです!!
        本当にありがとうございました!! ブラストさん行方くらましてたのか!!
        では僕もアリスの名簿の方でキャロレの世界のえぴろーづをやるとしましょう! -- キャロレ 2014-02-28 (金) 00:27:57
      • …ブラストも、クーファも、キャロレも、トーヤも…お疲れ様…(パチパチと拍手する。)
        とりあえず…これで、問題ない…かな?書いてる途中で、行方不明になってたの…思い出して、変更したから…ちょっと心配。
        問題が何かあれば、修正するから…教えてね?…あと、たぶん事務所には…窓から、不法侵入…問題ない。 -- ひなた 2014-02-28 (金) 19:27:35
      • 全然問題ないのだ!! いやあこういうのもいいなあ!! ブラストさん、いつか帰ってくるといいなあ……! -- キャロレ 2014-03-03 (月) 04:30:25
      • アリスの名簿でもエピローグ終わりました! これでついに、本当に最後です! 本当に本当に、みなさんありがとうございました!!
        ここまでこれて本当に感激です! よい終わり方だったと思います! ブラストさんデルファーネスさんトーヤさんひなたさん! ありがとう!
        サモナイ企画に参加して、本当によかったと思っています! -- アリス 2014-03-03 (月) 04:38:45
      • ありがてえ……みんなありがてえ……わたくし実家にいますゆえアクションが起こせませんが今大変感動しております!
        gff……hntknにも絵を描こうねえ……見た目はひなたくんの名簿の特徴部分から想像して描いたらよいかしら。 -- ブラスト 2014-03-05 (水) 20:37:54
      • …ブラストは、頑張ったから…これくらいは、何でもない…。
        …私、なのかな?…いいの?結局…絵とか、みんクロ用意…しなかったけど…。
        描いてくれるなら、嬉しい…ある程度は、想像で…任せる、よ(その後の話だと、村田銃はなく片耳が千切れてる状態も追加されるようだ。) -- ひなた 2014-03-06 (木) 00:22:28
      • 良しトーヤ君できた!死にそうだけど生きてる!でも死にそうだコレ!
        ところでひなた君って頭の傘は壊れたんだっけ? -- ブラスト 2014-03-15 (土) 20:35:16
      • 死ぬよこれ!でもカッコイイからいいんだ・・・文章中に入るとまた格好良い・・・ -- トーヤ 2014-03-15 (土) 21:39:24
      • …トーヤ、恰好いい(パチパチと拍手する。) …でもこのまま、画面がずれて…槍が倒れて…と言う感じに、なるようにも…(同じく不吉な事も呟く。)
        …あ、うん…でも、すぐ作れるし…髪型、難しいなら…あってもいいし、なくても…いいよ?描きやすい方で…大丈夫。 -- ひなた 2014-03-16 (日) 23:24:46
      • すごい絵がどんどん増えてる!! トーヤくんもひなたちゃんもいいなあ -- キャロレ 2014-03-20 (木) 02:29:07
      • 文章からデザインを起こすのは何気に久々だなあ……こんな感じでどうかなひなた君! -- ブラスト 2014-03-20 (木) 02:30:21
      • …凄い…いい感じ…想像以上、有難う…!(尻尾をパタパタ振りながら喜んでいる。)
        …ところで、ブラストたちは…結局、どうなったの?…分からないまま、終わり、かな? -- ひなた 2014-03-20 (木) 23:06:51
      • ひなた君のお気に召して何よりだよ……特徴とかここ変てとこなければいいんだけど。
        んーとね、生きてるんだけどここと同じように秩序が成り立ってない別の町を救いに行った。
        いつか年老いた頃に帰ってくるかもね、くらいかな……?エピローグはやりたいけど、クーファちゃんの人と相談しつつだねー -- ブラスト 2014-03-20 (木) 23:16:59

Last-modified: 2014-03-20 Thu 23:16:59 JST (3687d)