名簿/185385
- それではこれより講演を行う -- 明仁?
- 諸君たちはこの宇宙が現実であり、また絶対唯一のものだと思っているだろうか -- 明仁?
- しかしそれは、今の愚かな学者たちや識者たちの誤った研究結果にすぎない -- 明仁?
- 真実は大きく異なっている。我々の常識など、全て虚構に過ぎない。
常識などというくだらないものに縛られているのだ -- 明仁?
- 私は独自の研究や古文書により、遂にこの宇宙の真実を解読することに成功した。未だ誰も成し遂げたことなき偉業である -- 明仁?
- 今からその真実を公表する。しかし、今の諸君たちにとっては戯言に聞こえるやもしれぬ。それで私を狂人だのなんだの罵るのならば罵るがいい。
しかし、何れ諸君たちも私の言っていることが正しいと分かるだろう -- 明仁?
- 一言で言えば、この宇宙は現実ではない。架空の夢である。ある巨大な存在が見る夢である。
我々はその夢であり、存在しないものなのだ。儚いものなのだ。 -- 明仁?
- 静粛に、静粛にお願いしたい。我々はある存在の中で生まれる夢なのだ。この巨大な宇宙は夢に過ぎないのだ。 -- 明仁?
- そう、その存在こそは神というべき存在だ。静かに、私は宗教を語っているわけではない。
神といえども、キリストやイスラームのような神ではない。その存在はまだ夢を見続けるだけの存在だ。そう、神こそは胎児であるのだ。まだ生まれ落ちていない胎児が見ている夢こそ、宇宙の夢、我々なのだ -- 明仁?
- 神は、胎児は胎内で夢を見ているのだ。宇宙の創世から生命の進化、そして未来までを夢見ているのだ。我々はその膨大な夢の、一瞬の登場人物に過ぎない。
何れは泡となり消えてしまう存在なのだ。 -- 明仁?
- 黙れッ……! 黙れェィッ……! 私の話をよく聞くのだ……!
神は何度も何度も同じ夢を見る。何度も宇宙は繰り返されているのだッ……! 我々は神の夢の玩具だ! ただの玩具なのだ! -- 明仁?
- この理論はあの聡明な正木博士の論文に基づいている確実なものだッ……黙れ! 騒ぐな! 聞け!
狂気の神々が! 宇宙の外側から! 我々の終わりを、夢の終わりを告げるのだ! -- 明仁?
- 貴様たちは理解するだろう……もうすぐ宇宙は終わるのだッ! 夢が覚めるのだ……!
我々は泡となって消える! 神の玩具として消えるのだ! -- 明仁?
- 違うッ! 私は狂ってなどいないぃぃ! 貴様らが狂っているのだ! 盲目の民よ! 黒き混沌に踊らされるものどもよ! -- 明仁?
- イア! ナイアルラトホテップ! 真実を知らぬ愚者には安らぎを! 死を! うあぁぁあぁぁぁ! あぁぁぁ!(ナイフを取り出すと、それでひたすら壁を切りつける。彼にとってそれは聴衆なのだ。 -- 明仁?
- 何れこの世界の夢は終わる! そして再び始まるのだ! -- 明仁?
- ぽぎー --
- 何だ貴様は! 講演の邪魔をしないでもらおうか! -- 明仁?
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