名簿/485691

  •   -- 2012-08-31 (金) 02:01:01
  • 黄金歴224年 11月 神国アルメナ ゼナン要塞へと続く街道 -- 2012-08-06 (月) 23:58:57
    • (予想通り、ゼナンへと続く集落は酷い有様だった。いや、予想を超える有様だったと言えるだろう)
      (街道沿いに位置する町は全て焼き払われ、曾ての長閑な国の風景は今やどこにもなかった)
      ……ひでーもんだなー…何もここまでしなくてもなー…
      (幾つ目かの村を越えた辺りで思わず声を漏らす。此処に暮らしていた人々はどうなってしまったのか)
      (追い詰められた神国がそこまでの保障をしているとは考えづらい。だからこそ気分も沈むというものだ)
      ……この分じゃー…ゼナン要塞はどうなってんだかなー…? -- リコ 2012-08-07 (火) 00:10:08
      • (ゼナンへと視察に行く、というリコに同伴するは蛾の騎士。リコが出るのを見て、勝手についてきた……という形で護衛している)
        ……これが戦争ってやつさ。奪えるものはなんでも奪い、壊せるものはなんでも壊す。
        ……とは言え、やっぱ気分悪いね……此処に人がまた来ることはあるのかねえ
        (眉間に皺を寄せて、陰惨なその光景を眺める。仕事柄慣れているとはいえ、やはり辛いものは辛い)
        さあね……防毒マスクは持ってきたかい? 空気すら汚染されてる可能性がある、用心するんだよ -- ヨノ 2012-08-07 (火) 00:15:54
      • (勝手についてきた、と本人は言い張るが、わざわざヨノを探し出し、彼女の前で視察に行く!と言い出したのはリコである)
        (素直に依頼出来ないリコの面倒な言い分を汲み取って、そのような形で護衛してくれているのだ)
        でもさー…これをやったのがアルメナの人間だってんだからなー…焦土作戦って、そこまでしなきゃなんなかったのかなー…
        (話を聞く限りでは、神殿騎士達は神国中枢とゼナンの間にある全ての村落、橋を焼き払ったとのことだ)
        (自軍に住まう場所を追われた人々はどのような心持だったのだろうか―)

        …ん、一応な。…この辺までくるとな、帝国の奴らがまだいるかもしんねーしー…いざって時は任せたかんなー…? -- リコ 2012-08-07 (火) 00:43:06
      • (何度か護衛しているので、リコの性格は把握済みだった。苦笑しながら「じゃあ付いて行くよ」と言ってのけた)
        神国ならやりかねないよ、あそこは腐ってるからね……
        (吐き捨てるように言い放ち、舌打ちをする。前線にいれば、神国がどれほど邪法に手を染めているか分かるというもの)
        こういうことをあんたに言うのはいけないことなんだろうけど、神国なんて滅びちまえばいい。あそこの上層部は腐敗の極みだ。くせぇ臭いがプンプンしやがるよ。

        ああ、任せな。あたいだって実践を積んでそれなりにやれるようにはなったんだ。結晶のコントロールも出来てきたしね。
        ……そら、見えてきたぞ(言うと指差す。遠景に見えるは、件のゼナン要塞であった) -- ヨノ 2012-08-07 (火) 00:50:13
      • んー、別に気にすんなー…私もあんまり好きじゃないからなー…
        立場上、私がこーいうこと言うと外交問題になりかねないから黙ってるけどな?
        (にへ、と苦笑いを浮かべて頬を掻く。そういう立場に居るからこそ、ヨノのように気を使わないで良い相手というのは中々に貴重だ)
        ……ん、行くかー…。何か、既に嫌な予感しかしねーけどー…
        (言葉は軽いが気分はどん底だ。この先どんな光景であろうと地獄が待っていることには変わりないのだから)
        (意を決し、一歩足を踏み入れればそこは正に地獄の底であった)
        (生きている者など誰も居ない。汚染され切った要塞の中は本国の救援すらままならない状態だった)
        (あちらこちらに倒れ伏した「人だったもの」から立ち込める腐臭が、マスクを通り抜けてくるかのようで)
        …ぅ、ぇぇ……(小さく嗚咽を漏らし、胃液を吐き出すのを堪えるのが精いっぱい) -- リコ 2012-08-07 (火) 01:10:17
      • はは、あんたがそれを言ったらねえ(釣られるように苦笑。背景が荒廃した村々でなければ、普通の女の子同士のような光景)

        (なんてことはない。ただ、地獄が現界しているだけだ)
        (右を見ても左を見ても死体、死体、死体。漏れ出ている黒い液体に蝿がたかり、その異臭は視覚的に見えてしまうのではないかと言うほどだった)
        だ、大丈夫か、リコ……(吐き気を催しているリコの背を優しく撫でる。しかし、自分も胃の中身が逆流しそうだった)
        クソッ……これじゃ生存者は絶望的だね…… -- ヨノ 2012-08-07 (火) 01:20:35
      • ……生存者を、助けに来たわけじゃねーとは言っても……これは……
        (黒山羊傭兵団との地獄巡りで相応に自分のメンタルも鍛えられていたとは思っていたがそうでもないらしい)
        (無意識のうちに震える身体と、ともすればへたり込んでしまいそうになる脆弱な意志を奮い立たせて要塞内を歩く)
        ……ホントに、誰も生きてないのかー……?だれか、いないか…?なぁ…!!
        (生存者を確認しに来たわけではないというのは先程自分で言ったことだ)
        (それでも、これほどまでに周囲に死が溢れた場所に居ると、まるで自分も死んでしまったかのような錯覚に陥ってしまう)
        (誰か生きていて欲しい。誰かの声を聞かせて欲しい)
        (そうでないと、余りにも悲し過ぎる―)
        (潤む瞳と震える声で呼びかけながら、周囲を小走りに駆け抜ける) -- リコ 2012-08-07 (火) 01:39:59
      • リコ……(華奢な身体が震えているのを見れば、思わず抱きしめて)大丈夫、大丈夫だから……(とんとん、と背中をさする。リコのためだけではない、自分も、安心したかった)
        (どんなに歩いても、光景は変わらない。腐敗し毒を吹く死体があちらこちらに積み上げられ、生命の鼓動が一切聞こえない)
        おい、リコ……! 走るな、危ないぞ!(だが、自分の仕事はリコを守ること。生存者を救助するために来たのではない) -- ヨノ 2012-08-07 (火) 01:47:20
      • だ、だって……!!こんな、こんなの…!
        (呼び止められ、振り向いたマスク越しのその瞳には涙を湛えて)
        (黒山羊と見た村々は何者かが意志を持ってある種整然とした地獄を作り上げていた)
        (しかし此処にあるのは違う。全てが野ざらしで、ただ「死」がそこにあるだけだ)
        (悪趣味でグロテスクだったあの地獄とは違う。ただ人間の死への無力さを突き付けられているようだった)
        ……何で、こんな……!!(その問いに答えなど帰ってくる筈もない)
        ヨノ……私はー…これを、どう報告すればいいんだ…?
        ただただ、事務的に伝えただけじゃ…きっと上には伝わらないんだ…
        でも、だからって意図的に情報の伝え方を変えるのは…書記官としては、失格だ……
        (だけど、此処で野ざらしになったままの死体を前にして、何もしないなんて―)
        (きっと自分は帰ってからこの死体達に恨まれるに違い無い) -- リコ 2012-08-07 (火) 02:06:13
      • ……さっきも言ったけど。これが「戦争」なんだ。負けた側にも勝った側にも死者が山のように出て、朽ちていく……(目尻に涙を浮かべるリコに、やるせないような顔でそう呟いた)
        (戦場では常に前線にいるヨノには、死がごく身近だ。だが、書記官として中央で務めるリコには、それがいっそ現実離れしているようにすら見えるのも無理は無い。そう思って、また軽く抱きしめた)
        どう報告すればいい、って……そんなの、あたいに言われても分からないよ。頭もそんなに良くないし。(歯がゆい。今リコに道を提示してあげれれば、きっといくらか彼女を救えるはずなのに)
        (それでも、一生懸命頭を捻らせて)……この光景を、ありのままに伝えればいい。一つ残さず、余すことなく。それなら、たとえ事務的でも伝わるんじゃないか?
        (でもそれは、すべてを目撃しろと言っているのと同じだった) -- ヨノ 2012-08-07 (火) 02:24:40
      • ……わか、った。記録して、報告するのが……私の仕事、だもんな……
        (拳を握り、覚悟を決める。あくまで自分は書記官だ。その生き方から逸脱することは家の名に傷をつけることになる)
        (ならばせめて。今此処に残された無念の想いを、彼等の苦しみを全て記録して伝えることで、職務を果たそう)
        ……行こう、ヨノ。多分…この地獄を、こいつらの気持ちを残すのは…私にしか、出来ないことだ
        (唇を噛み締め、ヨノの腕にしがみつくようにして一歩を踏み出す。死と腐臭に満ちたこの街を記録できるのは、自分だけだ)
        (きっと後世には彼等の無念は伝えられないだろう。だから、せめて自分が記録しておくんだと、しっかりと目を開く)
        (それでもやはり吐き気はこみあげてくる。時折漏れる嗚咽を何とか押し殺し。その度にヨノの腕にしがみつく力を強めなければ立っていられなかった) -- リコ 2012-08-07 (火) 02:38:35
      • そうさ、そうしてやることがあんたからのこいつらへの……最大の弔いだ。
        (もちろんそれが自己満足にしか繋がらないことは分かっている。死者は口を利かない、それを望んでいるとは限らない)
        (だが、そうでもしなければ収まらない。そうでもしなければ、込み上げてくる吐き気を抑えられない)
        だけど、無理はするな。もしこれ以上は……ってなったら、いつでも言うんだよ。死体に吐きでもしたら逆に恨まれかねないからね。
        (無理やりおどけてみせて、少しでもリコの気を紛らわそうとした。自らの腕に痛いほどしがみ付く彼女は、余りにも儚かったから) -- ヨノ 2012-08-07 (火) 02:48:31
      • 少女たちの感慨を打ち破るように、風鳴りの音が死の静寂を打ち破る
        護衛の兵の一人が首元に水銀矢を生やして倒れ、次いで驟雨の如くの矢が降り注いだ時に、書記官と蛾の女騎士は知るであろう……自分たちが既に包囲されていると言う事実を

        彼女らを見下ろす丘陵に、一人、また一人と帝国兵が姿を現し……瞬く間に、中隊規模の兵団が突撃を掛けて来たのだ!
        -- 2012-08-07 (火) 03:02:30
      • ―?
        (何かが風を切る音が響く。続いて、護衛の兵士が喉元から間抜けな音を出して倒れた)
        (倒れた兵士の方を見やる前に、立て続けに先程の風切音が聞こえてきた)
        (戦場の只中に居た経験の無いリコは、この状況を即座に判断することが出来なかった)
        (声を上げて突撃してくる帝国兵を視認したのは、降り注ぐ矢の雨に怯えてうずくまってしまった後だった)
        ―ひ、ぁ、ぁぁぁぁぁぁっ!!!
        (凡そ戦場に似つかわしくない情けない悲鳴を上げる)
        (死が満ちたこの要塞で、ついに自分の身に死が降りかかってきたのだ)
        ―や、だ…!やだ、やだやだやだぁっ!!こっち…来るなよぉ!!
        (その場にへたり込み、何とか距離を取ろうと震える足を動かそうとするも無様に地を擦るだけ)
        (襲い来る敵兵士の声に怯え、震え、ただ逃げることすら出来ず。涙を流しながら首を横に振って迫り来る死を拒絶する)
        ぁ、あ…ぁ、ぁぁぁ……っ
        (このままでは即座にその首を切り落とされ、この地に横たわる無数の死体の一つとなるのを待つだけだ)
        (怒号を上げて襲い来る兵士たちが大地を揺らす。その振動で、リコの足元に出来た水たまりが揺れる―)
        (凡そ書記官として似つかわしくないその姿を自覚することすら、今の彼女には難しいだろう) -- リコ 2012-08-07 (火) 03:12:53
      • ――ッ!!
        (しまった! と思った時はもう遅い。周囲を覆うは大勢の帝国兵。空を覆うは無数の矢)
        チィッ! 燃え尽きろォッ!!
        (リコが地面に伏せったのを一瞬確認してから、最大火力で爆炎を空に向けて放つ!! ある矢は燃え、ある矢は爆風によって明後日の方向へと吹き飛ばされる)
        (リコを守りながらこの数を相手にするのは不可能だ。だが、この数相手に飛び去り逃亡を図るのも難しい。なにより)
        くっ、リコ、無事か――
        (赤子のように泣き腫らし、失禁してしまったリコは、その恐怖からか既に気絶していたのだ)
        クソッ、くそっくそっ……!! あたいらは……こんなところで死ぬわけには行かねえんだよォォォォォッッ!!
        (全身を赤い炎が覆う。それは、正に魔物そのものの姿であった) -- ヨノ 2012-08-07 (火) 03:34:35
      • (中隊を率いていた半裸の上半身を晒した仮面の男は、先頭に立って護衛兵の首を刈り、腕を断ち、血飛沫に塗れながら、リコを守るヨノへと言葉を返す。それは戦場には不釣り合いとも言える程緊張感の無い声で)
        ははっ、こりゃあいい。いいね。生きてえってのはいーぃ動機だぜ嬢ちゃんよ
        (そう言って、蛾少女の傭兵へと向き直る。戦を楽しもうという喜悦が、殺気に混じり)

        ……あぁー、こりゃあアレだなぁ。西側もよぉーやっと情報の重要性に気付いたってトコかぁー? んな前線まで出張ってゴクローなこったなぁ、オイ。慣れてなさそぉーなのによ
        ゼナン周辺の状況が知れたとなると厄介だ。
        記録官以外は殺せ、一人も残すなよ
        だが深追いはすんな。どぉーせこっちは停滞すんだ、次の大戦まで戦力は取っとけ
        (緩い、しかし明確な殺意の篭った命令を部下へと出す。刃鳴りと怒号が、死の静寂に満ちたこの場を塗り替えていく)
        で、この蛾の嬢ちゃんは手練っぽいからよぉ、俺が殺るぜ。護衛を近づけんなよ野郎共
        (両の手甲に着いた血を払い、両腕と片足を畳んだ独特の構えを取る。拳法使いと知れる所作だが……) -- 阮焔 2012-08-07 (火) 03:41:43
      • ……テメーが親玉か。
        (轟々と燃える炎の中、赤い複眼が阮焔を見据える。右手には細身の剣を、左手には小型の盾を持つ)
        (心の中で、ありがたいと思った。やろうと思えば集団で向かい一気に殲滅することも可能なはずだ。それをしないのは慈悲か、或いは……)
        チッ、戦闘狂が。だが今は感謝するぜ……タイマンでやってくれることにな
        (もちろん、他の護衛兵が殺られた後に全軍が向かってこないとは考えていない。相手は帝国、勝つためならなんだってやる集団だ)
        (少しでいい、少し相手の気を逸らせれば――そう思いつつ)
        挨拶代わりだ、受け取りなッ!!(炎を纏った剣を横一線! すると、扇状の炎が阮焔に向かって一直線に飛ぶ!) -- ヨノ 2012-08-07 (火) 04:03:46
      • (包囲し殲滅するのは容易い。だがこの男の思惑は、記録官を生きたまま捕らえる事にあった。大爛は情報に価値を置く。ならば、その情報を蒐集するのが役目の書記官は値千金)
        (その考えなど、ヨノには関係ないのであるが。遠慮会釈無く飛来する火焔を見て、仮面の下の笑みをさらに濃くし)
        魔術ってぇ奴か……っはは!
        (ヨノの視界から阮焔の姿が消える……否、高速で射出された炎の下を、猫科動物が伏せるが如くの低い姿勢で掻い潜ったのだ)
        (轟!と吹き散らされる炎に銀髪が焦げるのも構わず、クラウチングスタートめいた姿勢から、数歩を駆けて間合いの内へ)
        Shiiiiiiiiiiiiiiiii.......Dat,Ha!!!!!
        (呼気を乗せ、腰を落とした低い姿勢から地に足を突き立てる。確保された軸足の反動を十全に活かし放つは、地面から跳ね上がるようなハイキック。震脚が響くのとヨノのこめかみへと爪先が伸びるそのタイムラグは、尋常の兵士であれば見切ることすら難しいが……)

        (だが。男は確信している。これで勝負が決まるなどということは、あるまい) -- 阮焔 2012-08-07 (火) 04:22:40
      • (勿論あんな直線的な斬撃が当たるとは思っていなかった。何より、男は見るからにインファイター。恐らくスピードは翅を持つ自分と同じか或いはそれ以上とは踏んでいた)
        (それならば、先を予期して動けばいい。案の定避けられた炎の斬撃は気にせずに、相手の攻撃を予測する。何万もの「眼」が阮焔の動きをトレースする。驚異的な動体視力、それは炎よりも翅よりも強力な武器と成り得ていた)
        (一瞬で詰められる間合い、高速の蹴り上げ。それらを全て、しっかりと「視」定めて)
        甘いッッ!!
        (焔燃ゆる黄金の盾でもって、弾き返す!! 蹴りすらをパリィしたその刹那、右腕の剣が一直線に阮焔の心臓を狙う!!) -- ヨノ 2012-08-07 (火) 04:35:18
      • (蹴り足に熱を感じる。盾で阻まれたか……否、それだけに在らず!)
        (対手は阮焔の動きを視、そして予測して盾に魔術を通して反撃をも行うと言う技を披露したのだ。獣骨の脚甲が燃え、灰となる)
        ……っはは! 面白ぇ、ガキ!!
        (だが、幾度も死線を潜った奴兵は狼狽えず、むしろ喜色を濃くする。蹴り足に返った反動のまま、背中から地面へ倒れこみ)
        Da.....!!!
        (右の牙を突き上げ、心臓狙いの剣をアッパーカットで逸らす。肩を抉り血をしぶかせる切っ先には構わない。此処から姿勢を起こし、反撃に持ち込む必要がある)
        (故に、そうした。驚異的な背筋の筋力のみで、一気に直角まで、方足立ちで身を起こす。その間に畳んでいた右膝を──)
        Hu,,,,,Hat!!!!!!
        (──鎧ごしに骨すら砕く膝蹴りを、攻撃後のヨノの腹へとぶちかまさんとする) -- 阮焔 2012-08-07 (火) 04:45:02
      • (今の動作で、少し強いぐらいの兵士なら屠れる。だが、相対しているのは恐らく何十何百と戦を経験し、生き延びてきた歴戦の猛者。殺せればツイている程度に考えていた)
        (そんな淡い期待も一瞬で崩れ去る。体制が崩れることすら利用し、此方の剣戟を拳でもって反らしてくるのだ!  思わず出してはいけない笑みが溢れる。この男は――自分に丁度いい強者だ)
        (剣が反らされれたその次にはもう阮焔が立ち上がっていた。伸びる膝。受け流すことは――不可!)
        シッ……!(瞬間、ヨノと阮焔の間に爆発が起きる! 殺傷するつもりの爆発ではない。そんな威力の爆発をさせれば自らも大きなダメージを負ってしまう。あくまで自分が後ろに退くための動力としてのものだ)
        (爆風の中、翅をも使い後方へ飛び退り、そこから一挙に刺突攻撃を加えようとしたその時、足元に何かが当たった)
        (それは、この戦場に救いを求めて。そして、絶望した一人の少女だった)
        〜っ!
        (一瞬足りとも彼女の存在を忘れていた自分を恥じた。そして、リコを抱きかかえ)
        この勝負は次に取っておいてやるよっ、仮面の! お前はあたいが殺す、それまで死ぬんじゃないよッ!
        (そう言い残して、飛び去った) -- ヨノ 2012-08-07 (火) 05:06:09
      • ぬ、ぉァッ!
        (眼前の空気が爆ぜ、次いで遠ざかる蛾少女に嗤う。引き時も弁えている。将としての才も在るとは……)
        は、退屈しねぇぜ。いつでもこいよぉー、っははははは!!

        (暫くの後。結局、リコとヨノを残して、記録官の護衛兵は皆が物言わぬ骸となり、死と静寂の風景に新たに塗り込められていた。だが、彼らが犠牲となりリコとヨノへの追撃を阻んだ事によりゼナン要塞周辺の情報は、西側諸国へと持ち帰られたのであった……) -- 阮焔 2012-08-07 (火) 05:12:05
  • 黄金歴224年 10月 ローディア連合王国 王都ローランシア -- 2012-08-06 (月) 01:42:11
    • 焦土作戦ってー……マジかー……
      (ここ数か月は前線を離れ、資料室に籠って耳に入ってくる情報を纏める作業にかかりっきりだった)
      (ゼナン要塞陥落。アルメナによる焦土作戦。耳を覆いたくなるほどの被害情報が次々と舞い込んで来て)
      (それを纏めて書類にするだけで目が回るような忙しさだった。状況は良いとは言い難い)
      確かにー…帝国の侵攻は止まったけどなー……どうなんだろなー…? -- リコ 2012-08-06 (月) 01:44:46
      • (聞くところによればゼナン要塞は帝国の化学兵器によって全滅したらしい)
        (その被害状況を調べ、対策を練らなければまずいのではないだろうか)
        (西ローディアとの戦いで、帝国が同じ兵器を使用しないとも限らないのだ)
        ……気はー…進まねーけどなー……
        (書面から想像するだけでも、ゼナン要塞の、アルメナの被害は燦々たるものだ)
        (とてもではないが見に行きたいと思えるようなものでもない。それでも―)
        …多分ー…正式な書類として上に報告出来るの、私ぐらいだろーしなー…
        (自分の報告がどのような結果をもたらすかは分からないが、それでも自分が動かなければいけないような気がしていた)
        (諸侯は西ローディアへの帝国の侵攻が滞っていることにあぐらをかいている)
        (個人で対策を練っている者もいるだろうが、それでも国全体としてどうこう、ということにはいまだなっていない)
        (ゼナン要塞攻略で使われたという化学兵器の詳細を調べ、報告しなければ西ローディアもアルメナと同じ末路を辿るのではないか?) -- リコ 2012-08-06 (月) 01:49:05
      • ……それは……いやだ
        (生まれ育ったこの国が毒物に汚染され、焦土作戦によって自らの土地を、民を焼き払う様など絶対に見たくはない)
        (上層部は柱の王だの何だのの開発に勤しんでいる。確かにそれで帝国の侵攻も滞ってはいる)
        (だけど―) -- リコ 2012-08-06 (月) 01:50:39
      • 今危機感を覚えてるのがー…私ぐらいでー…。私にしか出来ないことがあるならー…やるよなー、普通ー…
        (行く先に待つは地獄の底であろう。決して正視出来るようなものではないはずだ)
        (それでも、その地獄を踏み越えた先にある希望を手繰り寄せるのに、自分が出来ることがあるのならやっておきたかった)
        (自分はあくまで書記官でしかない。国を救うために、なんておこがましいのかもしれない)
        (だけど、「リコル」という人間が愛する国のために足掻くのは、決して悪い事ではないはずだ) -- リコ 2012-08-06 (月) 01:52:32
      • (書記官としての仕事が、国を救う切っ掛けになるのであれば―)
        (書記官としての生き方を逸脱する行動だとしても、「リコル」という個人はそれを行うべきだと思った)
        ……誰か、護衛頼まなきゃなー…… -- リコ 2012-08-06 (月) 01:54:14
      • (頭に思い浮かんだのはあの聖少女騎士団の少女である)
        ……でも、自分から依頼するのも癪だな。……んがー!もう知るかー!何とかなんだろー!!
        (書記官としてのメンツと、そんなものに構ってられるかという個人の想いがせめぎ合い)
        (その悶々とした感情を声を出すことで吹き飛ばし、取り敢えず資料室を出るリコであった―) -- リコ 2012-08-06 (月) 01:56:14
  • 黄金歴224年 4月 ローディア連合王国国境線 バルトリア平原後方 -- 2012-07-30 (月) 23:30:06
    • (想像以上の帝国の侵攻が早い。最早ここも安全ではないと、記録を早々に打ち切って撤退の準備を進めていたリコの耳に、一報が届く)
      …は?……お、おいー。なんだそれ…?巨人…??
      (突如現れた巨人らしきものが後方より帝国軍へと襲い掛かったとのことであった)
      (余りにも突然の報告。余りにも現実離れした、都合のいい報告)
      (絶望に染まった兵士が見た幻覚なのではないかとも思ったがそれもどうやら違うようだ) -- リコ? 2012-07-30 (月) 23:33:44
      • (だって。戦闘の土煙が立ち込める遥か前方に、黒い人影が見えたから)
        (明らかに縮尺がおかしい。自分の目が狂ったのかと思って目を擦ってみたがその巨人はまだそこにいる)
        ……おいおいー…マジ、かー…?
        (到底信じられないが、確かにそこにある以上これは現実で)
        (それが戦況をひっくり返しつつあるというのなら自分にはそれを記録する義務がある)
        …んだよー、撤退の準備してたのにー -- リコ? 2012-07-30 (月) 23:38:45
      • (ぶちぶち言いながらもその頬が緩むのを止められない)
        (あの巨人が何なのかは分からないが、決して自分達に悪いものではないと無邪気に信じられた)
        (いや、信じたかったのだ。だって、突然現れて侵略者を撃退してくれるだなんて)
        (まるでおとぎ話だ。戦争にそんな奇跡なんかないと、ブラックゴートとの巡回で思い知った筈なのに)
        (それでもまだ)
        (彼女は戦争の現実を受け入れるには若すぎたのだ)
        (後に。彼女はあの巨人の正体を知って打ちのめされることとなる)
        (あの巨人はヒーローでもなんでもなく。ただこの戦争の悲しい犠牲者だという事実を、リコはまだ知らない―) -- リコ? 2012-07-30 (月) 23:49:51
      • (後に柱の騎士と呼ばれるアンデットの巨像を記録するリコの元に、満身創痍のヨノが降り立つ)
        (鎧はさる事ながら、翅、白い身体も傷だらけで、吐く息は荒い)
        ……よ、よぉリコ、あんたまたこんな前線にいるのかい? おっ死んじまっても知らないよ、ひひ -- ヨノ 2012-07-31 (火) 00:42:07
      • お、おま…!お前、お前がー!死にそうじゃねーかー!
        (恐らく先程まで最前線で死線を潜り抜けていたのだろう。強気な言葉を吐くも誰が見ても満身創痍だ)
        わ、私のことより、お前…自分の事どうにかしろよー!(近くに居た衛生兵を呼びつけてヨノの治療にあたらせる)
        (同時に自分もヨノとともに少し後方へ下がる。あれだけの大きさの巨人だ。少しばかり離れても十分に記録は出来る) -- リコ 2012-07-31 (火) 00:56:24
      • へへ、ざまぁないね。もう少しかっこよくいければいいんだけど、中々戦争ってのはそう上手く行かないねえ
        (苦笑も精一杯の強がり。傷口に薬品を塗られれば針を刺すような痛みに喘ぐ)
        全くさ、てて……変な戦争だよ。ローディア戦線の時はドラゴン、今度は得体の知れないデカブツかい? ったく、どうなっちまってんだかね世界は……
        (遠くに見える巨人を一瞥する。巨腕を振るっているところを見ると、まだ帝国兵は難儀しているらしい)
        ……なあ、リコ。ありゃなんだ? 国が開発した新型ゴーレムかい? あんなの……見たことねぇ。デカすぎる。 -- ヨノ 2012-07-31 (火) 01:01:42
      • 皆がみんなカッコよく思い通りに動けたらなー…それは戦争じゃないなー
        (ただのごっこ遊びだな、と付け加えてため息をつく。少なくとも命に別状は無さそうなので一安心)
        ……正直、何もわかんねー。少なくとも、私にはまだなにも情報は入ってきてねーなー…
        見た感じ…なんか、ゴーレムとは違うよーな気はしてるけどなー……なんだろなー、ゴーレムとかよりもっとこう…歪だ
        (暴れ回る巨人に視線をやり、呟くように答える。自分が知っている技術体系にはあのようなものは存在しない)
        (形も歪ではあるが何といえばいいのか―思想が、思念が。何か複雑なものが渦巻いているように感じ取れた) -- リコ 2012-07-31 (火) 01:12:25
      • それもそう、だな……お伽話に出てくる最強の騎士様なんざ、所詮は幻想の住人か……もっとも、アレをみればどれが幻想でどれが現実かなんてわかりゃしないけど
        (当然、巨人のことを言っている。赤い複眼が遠間に巨人を観察し)
        ……っつーことは少なくとも正規のシロモンじゃないってことだな。秘密裏に造られたのか、はたまた野生種なのか……ただ、その歪ってのは分かる気がする。
        命救ってもらってなんだが……ありゃ、この世にあっちゃならねえ存在だと思う。あれからは、暗がりしか感じねえ。恨みだの何だので出来てる気がする。
        (間近で見た率直な感想。虫の知らせとでも言うのだろうか、本能で忌避すべきものだと悟ったようだ) -- ヨノ 2012-07-31 (火) 01:23:50
      • …やっぱり、お前もそう思うかー……?報告聞いた時はなー…奇跡が起きた!…とか、思ったんだけどなー
        (頭をかき、手にした書類の束をもう一度見返してみる。先ほどから観察してみて、その所作を記録してはいたが)
        (どうも本能のままに動いているようにしか見えない。こちらを助けようとしているというよりは―)
        …単純にー…帝国が憎い、ってだけなのかもしんねーなー…
        (声も無く暴れ続ける巨人を見つめれば、何処となく寂しげな雰囲気すら感じられた)
        (自分が感傷的になっているのか。それとも―)
        …駄目だー。やっぱよくわかんねーなー……ともかく、あいつのおかげで此処はなんとかなりそうではある
        撤退するならー、今の内だぞー? -- リコ 2012-07-31 (火) 01:38:02
      • 奇跡、奇跡ねえ……まあ良くも悪くも、あれの出現が一種のターニングポイントにはなるだろうね。あの巨体は、文字通り戦争じゃデカイよ
        帝国が憎い、か……っつーとあれかい、帝国に殺された兵士たちの怨念が凝り固まったものとでも言うのかい? ……ありえない、と一笑に伏せられないのが嫌な話さ(唾棄するように)
        そうだな、あたいもこんなカラダじゃ何も出来ねえ。一回退くかね……リコ、あんたはどうする? もう少し見ていくかい、もはや雌雄は決したと思うけど -- ヨノ 2012-07-31 (火) 01:47:54
      • わかんねーけどなー…細かいことは専門家が調べんだろー…でもなー…もし本当にそうならなー…
        (そこまで言ってもう一度巨人を見た。寂しげなのはリコも同じ。自分で口にした言葉で、抱いていた僅かな期待を打ち砕いてしまったような気がした)
        (戦争に奇跡なんて存在しない。やはり、そうなのだろうか―)
        ……ん、私も撤退するよー。何か、気分も落ち込んできたしなー…
        (はぁ、と小さくため息を吐く。未だに夢見がちだった自分の情けなさと)
        (前線のこの空気と血の匂いに慣れてきている自分に気づいてしまったことが何より大きかった)
        (戦争は人を変えていく。自分に訪れた変化は、到底受け入れられるようなものではなかった)
        …お前もー、気をつけろよー……?またなんかあったら、守って貰うんだかんなー…
        (何時ものようににへ、と笑おうとしたけど上手く行っただろうか)
        (ともすれば去来する複雑な感情で滲んでしまいそうな視界をごしごしと袖で拭い、撤退の準備を進めるリコであった) -- リコ 2012-07-31 (火) 02:09:28
  • 黄金歴224年 1月 ローランシア -- 2012-07-27 (金) 23:30:39
    • (ローランシア会談により統一連合が組まれたその月の中ごろ。リコルは自身を探す者がいることを侍従から聞かされた)
      (なんでも手の空いている書記官を探している者で、ある程度の位がある書を持っている者とのことだが…) -- 2012-07-27 (金) 23:33:39
      • …んー?私に何か依頼かー…?別に暇してるしいいけどさー…
        (何時ものように資料室に築き上げた自堕落スペースでだらだらと本を読んでいた所、その旨を聞かされた)
        (正直に言えば面倒な話ではあるが、自身に直接頼みたいことがあると言われるのは悪い気分ではない)
        しゃーねーなー。取り敢えずさー、話聞かんことには何とも言えないし、そいつに此処まで来るように言っといてくんないかなー
        (と、返事を待つ侍従の顔を見ないままで指示する。どうせ貴族か誰かが王室の覚えを良くするために云々、といった要件だろう) -- リコ 2012-07-27 (金) 23:47:46
      • (そしてすぐさま件の男は現れた。整った長い赤髪を揺らし、ハリのある白淵の黒い外套で…)
        リコル・グエスヒシュテン書記官殿、こうしてお会いしていただいたことに対しまず最大の礼を述べさせていただきたく思います。
        (膝をつき深く礼を尽くすと名乗り、件を伝える)
        我らはフリストフォン・ラヴェル・フォラン西方候閣下に仕えるブラックゴートと申します。
        この度は閣下より承った『西方諸国に大爛が潜ませた間諜の集落の疑いあるところ視察すべし』
        との命のため、グエスヒシュテン書記官殿にその疑いある集落を視察し記録するところご同行願い頂けぬかと
        無論我らは視察と共に護衛の任にもついています。道中この命と剣を持って御守させていただきます…
        どうか引き受けていただきたく…(そうして差し出す書状は確かに、フリストフォン・ラヴェル・フォランの筆と印があった)
        (ようはスパイ村と疑いがある村の場所や様子を公式に記録してほしいとの願いであった) -- ヴァイド 2012-07-27 (金) 23:57:30
      • (大層畏まった言葉の羅列に眉をひそめてヴァイドの方を見やる)
        んー…つまりはフリストフォンからの依頼かー…。ま、アイツからなら引き受けてやってもいっかなー
        (書状を受け取りふむ、と流し読みするとごくごく軽い口調で引き受ける)
        記録するだけで良いなら簡単だしなー?戦場で危ない目に会うよりは全然ましだしなー
        分かった、そんじゃブラックゴート…だっけ?よろしくなー
        (深く腰掛けていた椅子から降り、膝をつくヴァイドの前で手を差し出してにへら、と笑う) -- リコ 2012-07-28 (土) 00:07:46
      • は…感謝の極み…恐悦至極にございます(手に口付けをもって礼を)
        (そしてリコは彼らブラックゴートを伴いローレンシアに近いローディア連合王国東方にある集落へ馬で向かった)
        (しかしこの時リコはまだ、ブラックゴートがどういう連中か。行き先に何があるか知らずにいた…)
         
        『ローディア連合王国 東方 集落』
        あそこが近くのものより嫌疑があるとの告があった村のひとつです。住人らの多くが異人種であり集落としては歴史が浅いと…
        (書記官殿にその村の概要を伝えている最中、部下の一人が静かに声を挙げた)
        「隊長、おかしいです。人の気配がしません…おまけに嫌な臭いがします。」「この臭いはまさか…」
        …総員、剣をだせ。警戒しつつ村へ下りるぞ。書記官殿を守れ
        (風が一陣吹いた。乗り香るは血の香り…) -- ヴァイド 2012-07-28 (土) 00:26:06
      • ……な、んだよー……何か、あんのかー……?
        (嫌な予感しかしない。この匂いは戦場に満ちていた匂いだ。胸の奥から何かがこみ上げてきそうになるのを堪えた)
        お、おまえー……だ、だい、大丈夫…だよなー…?し、しっかり守れよー…?
        (ブラックゴートの面々に周囲を囲まれながら恐る恐る村へと下る。少しずつ強くなる血の匂いに手が、足が震えるのが分かる)
        (それを気取らぬよう隠すことも忘れ、手近に居た傭兵の服を掴みながら辺りを不安そうに見渡している)
        (一体何が起こったというのか。分かるのはろくでもない事実が待っているのだろうということだけだ) -- リコ 2012-07-28 (土) 00:36:49
      • どうか我々からお離れにならぬよう…
        (戦場の外でありながら戦場のような緊張感が彼らに漂う)
        (それは最前線にも歩んで行ったリコならば経験済みのことで…)
        (服を掴まれた傭兵もまた、その緊張感ゆえかそのまま固まったままのように)
        「た、隊長…人が、人が…!」

        (村に入ればすぐにでもわかった)
        (昨日まで生活していたというようなのどかな村の風景に) (血がただひたすらブチ撒けられていた)
        (干されていたシーツが斑に染まり、路地の水桶に、食器のカップまでも血で満たされ)
        (広場ではそこらで血を抜かれ青白くなった死体が家々の壁に吊るされて)
        (水場には血が溢れ、井戸には死体がこれでもかと詰め込まれ血を大地に溢れさせていた)

        (誰かが吐いた、続いて他の傭兵も吐き出した)
        (目の前に地獄の、血の大地が広がっていた…)
        (すぐそばにいる隊長の男もまた口元を押さえ顔を背けていた) -- ヴァイド 2012-07-28 (土) 00:47:21
      • 〜〜〜〜〜っっっっっ!!!!!!
        (その光景に声にならない叫び声をあげた。視界に入るもの全てが赤く染まり、血の池という言葉が生ぬるい程の鮮血が視界を埋め尽くしていた)
        (手足の震えで立っていることもままならない。そのまま崩れ落ちて両手を地面につけば、べったりと両手が赤く染まる)
        ―ひっ…!!
        (水音と滴る血液に驚いて思わず尻もちをついて後ずさる。びしゃり、という音がして今度は服が赤く染まった)
        あ、ぁ…ぁ、う、ぁ……!!
        (ぶんぶんと首を横に振ってぱくぱくと口から息を漏らすことしか出来ない。今目の前に広がる光景を事実として脳が受け入れてくれないのだ)
        (その瞬間、壁につるされた青白い死体と目が合った。血を抜かれ、人と思えないような姿になったそれは、恐怖の表情を張り付けたまま、リコルを見つめて居た)
        ―ぅ、おぇ……っっぅ!!
        (三度、足元にびしゃりという水音が響く)

        ……っは、ぁ……ぐ、ぇ…なん、だよこれ……どういう、ことなんだよ…
        (胃の内容物を全て掃出し、それでもなお嗚咽を漏らしてようやく少し落ち着いた)
        (改めて周囲を見渡しても何が起こったのかはまるで分からない。近くに立っていたヴァイドに向けて縋りつくようにして説明を求める) -- リコ 2012-07-28 (土) 00:58:46
      • (血の滴る音を踏みしめ、吊るされた人々を解放し大地に寝かせていく)
        (顔には堪え、歯をかみ締めるような顔を浮かべ。歴戦の傭兵と言えど相当応えているらしく)
        (正気を保っている傭兵もまた、半分にも満たなかった)
        (その半分はリコの周囲で鋭気すらそがれた顔で、体でいた)
        (歩くもの皆、吐瀉物と血にぬれた足と服と軽装鎧で村をなんとか見て回ると…)

        (戻れば、リコから問われ、そして告げる)
        まずはこの村を出ましょう…ここでは口を注ぐことも出来ません
        (顔も服も靴も血でぬれた体のまま促し、皆と共に村を後にし、先ほど馬を止めたとこに戻る)
        (戻れば馬番の顔が何事かという顔をしていた)

        あのようなむごいまねを…西方であのようなものはみたことがない
        (リコや隊員らに水で口を注ぐように促し水筒を配らせる)
        「まさか口封じに大爛がやったっていうんですかい!?」
        手際が良すぎる。間諜の嫌疑が出てから数日だぞ(たった一度、しかも最初の村に入ったというのに)
        (団員の指揮は明らかに目に見えて下がっていた)
        「何言ってんですか、東ローディアでみたじゃないですか。連中殺した人間を筆にして街を…」
        「表に出てないだけでもう連中、連合王国に入っていたんじゃ…」

        書記官殿、これは他に嫌疑のある村もやられたかもしれません
        我々は行かねばなりませんが…(その声はいかに書記官といえども、と年少の少女を慈しむ声だった)
        あとの村については口頭にて伝えることもできます -- ヴァイド 2012-07-28 (土) 01:15:09
      • (受け取った水筒から水で喉を潤そうとするも、口中に入り、喉を通った水の色が赤くなっているような気すらしてきた)
        (再びこみあげる吐き気を何とかこらえ、涙目になりながら周囲の傭兵たちが語る言葉に耳を傾ける)
        (自分は戦場の後方にて戦果等を記録していただけにすぎず、彼等が語る帝国の残虐な行為も話にしか聞いたことが無かった)
        (そしてそれらは戦時の恐慌が引き起こす妄言の類だと思っていた。だがしかし、今ならそれは紛れもない事実なのかもしれないと信じられる)
        (これを本当に、帝国が行ったのだとすれば―)
        …は、ぁ……(がたがたと震える身体を自らの腕で抱き留める。上等な衣が血濡れになるのも構わず、ただ抱き留めた)
        (彼等がもし本当に王国内に入り込んでいるのだとすれば、このような参事があちらこちらで起こることになる)
        (まだ何処か自分とは離れた場所で怒っていた筈の血なまぐさい争いが、いよいよ現実感を持って彼女を、王国を包んでいることを嫌でも実感してしまった)
        (ならばどうする。自分に出来ることは―)
        ……い、行く…!わた、私は…しょきかん、なんだ…!伝聞を記しただけじゃ、家の名前に…傷が、つく…から……
        (ヴァイドの服の裾を掴み、立ち上がろうとするも足に力が入らない)
        (涙目でヴァイドの顔を見上げ、無理をして強気な言葉を吐くその姿は)
        (現実を受け入れられず、頼る者も無く、襲い来る恐怖からただ近くに居た男に助けを求めて縋りつく哀れで無力な少女にしか見えない) -- リコ 2012-07-28 (土) 01:27:39
      • (少女の決意、自分らより年の若い少女が。責務とはいえ職務とはいえ)
        (地獄に向かおうとしている。傭兵らの目つきがかわる)
        (貴族、立場の力を使えばそれを拒絶することもできた。しかししなかった)
        (男は裾を掴む手を取り姫を抱きかかえるように抱えた)

        とのことだ。書記官殿が地獄の前線に出られる。
        ならば我々はその誇りを持って、受け命を全うする。
        危機あらば命を賭して護れ。いくは地獄…覚悟を決めろ!

        (そうしてリコを馬に乗せ、同じ馬に自らも跨る)
        (傭兵らもその意を決し続き、馬に乗り嫌疑のある村々へ走らせる)


        (そこから先もまた地獄であった)


        (ある村は村全体が酒気に満ちていた)
        (それは木々に吊るされた人々から放たれたもので、腹を捌かれ中から血と酒が垂れ流しになっていた)
        (酒で腹を膨らませ、何度も剣で突き刺された跡だらけのものもあった)
        (広場には豚の串焼きかのごとく人々が串刺しにされ焼かれ、肉が削がれていた)

        (ある村では町中に角ばった文様が血で描かれており、いたるところで死体が積み上げられていた)
        (もっとも大きなものは広場に櫓のごとく組み上げられた死体で、まるで薪にするかのごとく火がくべられた跡があった)
        (なにかの祭壇か、焼いた人間の骨で組み上げたものまであった始末)

        (ローランシアに戻るころには夕刻で日もくれ、出迎えたものらはみな何事かと騒ぎになるほど)
        (彼ら傭兵団とリコの有様は憔悴しきっていた)
        (ほかの傭兵団もあのあいつらが、と恐れおののくほどの有様で…)
        (それらはローランシアで出迎えた人々を伝い噂になるような恐怖があった) -- ヴァイド 2012-07-28 (土) 01:42:44
      • (そこから先、生きた人間には一人も出会わなかった)
        (皆一様に人以外の何かとして玩ばれ、飽きて捨てられた玩具のようにそこにあるだけだった)
        (異様という言葉では言い表せない程の地獄を幾つも目にし、ローランシアに帰還して出迎えてくれた生きた人々に違和感を覚える程であった)
        (最早猶予は無い。西ローディアの国土は既に戦地であったと。蛮族共が我が国の財産である民を奪っていると報告書に記した)
        (その方法、村々の有様を詳細に記した報告書は、帝国の残虐さと国土に迫る危機を貴族達に知らしめるには十分過ぎるもので)
        (ある者は戦意を高揚させ、またある者は怯えて国外への退去を真剣に考え始めた)
        (それぞれ違いはあれど、此の事件によりこれまで他国で行われていた「戦争」というものの現実をそれぞれが認識することとなる)
        (後に歴史書に記されることにまでなるこの惨劇を切っ掛けにして、西ローディアは本格的な戦争へと突入していくのである)
        (その地獄の全てを目の当たりにしたリコもまた、これを切っ掛けに自身の内にある何かが変わりはじめていた)
        (しかしながら、今はただ、脳裏に焼き付いた地獄の光景に日々うなされるばかりである―) -- リコ 2012-07-28 (土) 01:58:15

      •  
        (しかしこれから歴史の表に出ず…影のままに潜み埋もれ沈んだ事実がある)
        (真実がある。それは…かの大爛の暴虐と疑わしきものはすべて黒山羊 ブラックゴートが裏で自ら行ったものであり…)
        (団員も、あの男も仮面を被り笑っていた。滲み出す魂の愉悦に浸っていたことだろう。)
        (大爛への危機感を煽り、さらに真のスパイ村のあぶり出しのためのブラフ、異人種や隣人…彼ら人々へ猜疑の心を植えつける意図の裏で…) -- 2012-07-28 (土) 02:07:14
  • 黄金歴223年 9月 ローディア連合王国 東ローディアとの国境 -- 2012-07-23 (月) 23:44:20
    • …っはぁ、はぁ……駄目だ、もう…ここで逃げとかないと…
      (書き留めた大量の書類とともに戦場から撤退してきた。前線では未だ東ローディアの軍が抵抗を続けているだろう)
      (しかしながら、このままでは奇跡でも起きないことには形勢は変わりそうにはなかった)
      (敗北が訪れるのが早いか遅いかだけの差だ。しかもその差も微々たるものだろう)
      …っかー……駄目だなーこりゃー……
      (国境を越え、西ローディアに入ったところでようやく一息ついた)
      (西ローディアの王室や元老院は東国の侵攻という事態を甘く見て静観すると言っていた)
      (この東ローディアの敗北を早く伝えなければ西ローディアもいずれ同じように敗北するに違いない)
      ……とにかく、早く伝えなきゃ……!! -- リコ 2012-07-24 (火) 00:09:46
      • (とは言ったものの、自分は単なる書記官見習い)
        (この情報を元老院や王室がどれだけ真剣に取り合ってくれるかは分からない)
        …かといってー……私が進言するのも何か…違うしなー……
        (あくまで自分は書記官だ。グエスヒシュテンは代々書記官という職務のみに忠実に生きてきたのだ)
        (それに従うとするのならば、此処で王室まで乗り込んで行って進言するのは何か違う)
        ……どうしたもんかなー……くっそー…めんどいなー -- リコ 2012-07-24 (火) 00:12:04
      • …あーもー!知るかー!私は報告するだけでいいんだー!!
        (うがー、と誰に言うでもなく声を上げると、再び王都への道を急ぐリコであった) -- リコ 2012-07-24 (火) 00:14:53
  • 黄金歴223年 8月 ローディア連合王国 王都ローランシア -- 2012-07-22 (日) 23:52:02
    • (先月から続く東ローディアでの戦闘の記録を粗方終えたリコは、一旦報告のために王都へと戻ってきていた)
      (一連の報告を終えた後、自身が私物化している資料室へと赴き、そのまま糸が切れたように愛用の椅子へと身体を沈めた)
      ……はぁー……つかれたー……マジで前線行くとは思ってなかったなー……
      まだ戦闘続いてるみてーだしー…また行かなきゃなんないのかなー……ぐえー…
      (ずるずると椅子に身体を預け過ぎて滑り落ちながらもため息をつく) -- リコ 2012-07-23 (月) 00:10:08
      • (実際に見て分かった。帝国とローディアで戦争への意識が違いすぎた)
        (互いに未知の部分があり、それが相手に効果を発揮する部分はある)
        (しかし根本的な部分で東ローディアの軍勢は帝国と大きく異なるように思えた)
        ……なんつーかなー…勝つ気っつーかなー。死にもの狂いになってないっつーかー…
        あれじゃー…勝てねーよなー……
        (はぁ、ともう一度ため息が出た。まだ決定的な敗北を喫したわけではないが、自分が見たところ東ローディアは確実に負けるだろう)
        (となると、この西ローディアにも帝国は攻め入ってくる。その時自分は先の戦闘のように安全圏から眺めているだけでいいのだろうか?)
        …とはいってもなー…それしかー知らねーしなー…… -- リコ 2012-07-23 (月) 00:37:43
      • (自分にできるのは記録し、報告することだけだ)
        (それを続けることで周りから持て囃され、自分を認めて貰えた)
        (皆自分の肩書に群がっているだけだとは理解はしていたが、それでも自分の仕事は誰かにとってなくてはならない物の筈で)
        (だから仕事はきっちりしようと思っていた)
        (とはいえ、そこに自分の命がかかって来たとなるとどうだろう)
        (果たして自分はいつもと同じく、公平に、冷静に記録を続けることが出来るのだろうか?)
        (こんがらがった思考の糸をほぐすことを諦め、リコはつかの間に入るのであった) -- リコ 2012-07-23 (月) 00:40:08
  • 黄金歴223年 7月 神聖ローディア共和国 ゾルドヴァ古代遺跡群 -- 2012-07-21 (土) 23:53:07
    • (流石に人を抱えて長距離を飛ぶのは無理だった。道中も結晶の力を使ったため、疲労も尋常ではない)
      (一先ずは近場の野営地に降り立つ。リコを地に下ろした瞬間、ぐたりとその場に倒れこむ)
      はぁーっ、はぁーっ、はぁー……っ、し、しんど……っ! -- ヨノ 2012-07-22 (日) 01:18:42
      • ……や、やっと地上についたー……こえーよー…砲撃もびびったけどー…飛んだのがめっちゃこわい…
        (ぎゃーぎゃー叫びながら運ばれて来た。下ろされた瞬間、こちらもがくりと膝をつく)
        ……お、おいー…大丈夫かー…??え、えとー…なんだー。何すりゃいいんだー……??
        (こういう時の応急処置の知識など全くないためオロオロとヨノの前で慌てるばかり) -- リコ 2012-07-22 (日) 01:52:29
      • み、水……水を……(ぷるぷると震える手で水を求め)カラダが、焼けそうだ……!
        (武具結晶の連続使用は身体に深刻なダメージを与える。特にこの「炎」は、あまりにも強すぎるが故に使用者の身すら焦がしてしまうのだ) -- ヨノ 2012-07-22 (日) 01:56:43
      • わ、わかった…!ちょ、ちょっと待ってろなー?あれだな、死ぬなよー…!
        (水、とのか細い言葉にこくこくと頷き、陣地の奥へとぱたぱたと走って行く。数分もしないうちに、陣幕の向こうから「書記官様だってーいってんだろーがー!水ぐらいーだせやー!」とかなんとか聞こえてくる)
        持って来たぞ…!!取り敢えずな、飲めー。い、いっぱいあるからな!おかわり欲しいか?
        (コップ一杯の水を一先ずヨノに差出し、そわそわと動向を見守っている) -- リコ 2012-07-22 (日) 02:03:09
      • んっ、んくっ、ん……(こくんこくんと喉を鳴らして一気に飲み干す。よほど水に飢えていたのだろう)
        ……いや、もういい。水も貴重な物資だ、そう何杯も飲めるもんじゃねえ(少し調子を取り戻したのか上体を起こして)
        ありがとな、リコ。そんで、怖がらせてゴメンな。多分あそこから普通に徒歩で逃げるのは……無理だったと思う。そこら中に帝国兵もいたしな……
        で、どうだった。ちゃんと情報はとれたかい? -- ヨノ 2012-07-22 (日) 02:10:43
      • …よ、よかったー…や、べ、別に気にしてねーから!助かっただけで設けもんだしなー…
        (ほ、と胸を撫で下ろしいつものように気の抜ける笑顔をヨノに向ける)
        お、おー!そっちはな、うん。ばっちりだ。仕事はしっかりするー、出来る女だかんなー
        (ほら、と束になった報告書を出して見せる。事細かに記された戦闘の経緯と帝国の戦術は彼女の仕事ぶりをうかがわせる)
        えーっとーなー……そんでだな。あれだ。お前のおかげで記録もしっかりできたわけだしー…なんだー。その、しっかり報告しといてやっかんなー!
        (一言ありがとう、とでも言えばいいのだが、彼女はそもそも礼等殆んど言ったことが無かった。なので、こんなやたら偉そうな言い方になってしまった) -- リコ 2012-07-22 (日) 02:22:56
      • はは、そう言ってくれると助かるよ(こちらも笑うが、やはりどこか体力のない弱い笑み)
        あーっ、やっぱもうちょい体力付けないと駄目だなー……こんなんじゃ実戦でまるで使えねえ……魔法関連ももうちょいやってみるかなー……
        (いいつつ、渡された書類に目を通せば)お前、あの戦火の中こんなに書いてたのかよ……へへ、こりゃ護衛も無駄じゃなかったかもね。この情報は、必ず役に立つ。よくやったぜリコ!
        ……へ。(しかし、ここだけはにやりと、しっかりと笑ってみせた)それはどーも。今後ともご贔屓にしてくださると光栄です、書記官殿?
        さて、と……(よっこらせと立ち上がって)これからどうする? まだ見て回るかい? -- ヨノ 2012-07-22 (日) 02:27:57
      • 見直したかー?…名誉書記官(見習い)はー、伊達じゃないかんなー
        (褒められれば嬉しげに更に頬を緩める。爆炎で煤と埃塗れの顔ではあったが誇らしげ)
        んー…まーなー。お前が今後もー…その、頑張るってんならな、考えなくもないからなー?
        …んにゃ、流石にちょっと休憩だー。これ以上あの前線に居ても得られるもんは少ないだろー
        (あそこで記録を続けたところで、あとは名もなき兵たちの死にざまを延々と記さなければならなくなる)
        だから今日は終わりだー。お前もしっかり休めよー…? -- リコ 2012-07-22 (日) 02:35:40
      • 見直すも何も。元からあんたのことは一目置いてるよ。ひょろいくせに現地に行くガッツもある。優秀だよ、リコは(にひひと屈託なく笑って)
        光栄の極みです、書記官殿。……あれだなー、もし次があるなら、満月の夜がいいな。そしたら、あたいはもっと頑張れる(種族的な事なのだろう)
        そっか。じゃあまあとりあえず、もうちょい奥に引っ込むとしますかね。ここもいつ攻め落とされるかわからんしな。馬車があればいいが……徒歩になりそうかな。 -- ヨノ 2012-07-22 (日) 02:42:53
      • …んだよー。褒めたって何もでねーぞー。…でも褒められるのは好きだしもっと褒めろー
        満月、かー…夜襲でもあればその機会もあるかもなー…?その時にはー、お前のことも記録しとくとするわー
        うむー…油断は出来ないけども…まぁ、何とかなんだろー…たぶん
        (この調子だと2か月もしない内にこの戦いも終わるだろう。早めに撤退の算段を立てた方がよさそうだ、と思いつつも今日の資料のまとめに入るリコであった) -- リコ 2012-07-22 (日) 02:53:39
  • 黄金歴223年 6月 神聖ローディア共和国 帝国国境付近 -- 2012-07-20 (金) 20:46:26
    • ……開戦かー。ったくー、皆国益のことが一番ってことなんかなー…当然なんだろーけどもー
      (西側諸国が集結を始めている陣地から少し離れた高台の上。護衛の人間少数と共にその様子を眺めている)
      (開戦を前に兵士たちの指揮は驚く程に高い。東の蛮族たちの侵攻から国土を守るために参戦した東ローディアの兵士を筆頭に)
      (参戦を表明した神国の兵士も、壊滅させられた救済部隊の仇討を声高に叫んでいる)
      (圧力によって半ば強制的に参戦させられた連邦の兵士以外は、皆一様に「勝つ気」でいる)
      ……そんな上手く行くんかねー。なーんかなー…不安なんだよなー…
      (開戦の切っ掛けとなった戦闘で、救済部隊の多くは帝国の兵器や戦術に太刀打ち出来ずにやられたという)
      (その報告書を見返せばため息も出るというものだ) -- リコ 2012-07-20 (金) 21:02:45
      • そりゃーなー…こっちにも各国独自の技術とか色々あんだろーけどもなー…?
        (続いて目を通すのは参戦を表明した各国の兵士たちの報告書。それぞれの国特色を生かした戦術、兵器などが記されている)
        ……はぁー……此処で迎撃成功してー、諦めたりしてくんないかなー
        これ以上前線とかー…ちょうあぶねーじゃん。やだよ私ー…
        (愚痴を漏らしてみてもどうなるわけでもない。自分は書記官なのだ。任を果たす以外にない)
        ……はー……とりあえずー、仕事すっかー…
        (ぱん、と頬を両手で叩いて気分を切り替える。どちらにせよ出来ることは一つしかないのだ)
        (出来るだけ戦果が広がらないように祈りながら、ペンを走らせるリコであった) -- リコ 2012-07-20 (金) 21:16:02
      • (ばさばさと慌ただしい音が聞こえる。羽音にしては大きい)おー、すっげえ本の数だな、流石は書記官殿、って感じかい?
        (先日、聖少女騎士団にいた蛾の騎士だ。どちらかと言えば神国にいそうな外見)うぃっすリコ、お仕事は順調かい? -- ヨノ 2012-07-21 (土) 01:14:10
      • んぉー……なんだー…?(音のする方へと振り向けば、何時だったか視察した騎士団の少女が居るではないか)
        おー…えっとー…ヨノだっけかー?まー順調っちゃー順調だけどさー……少なくとも今はなー
        (気だるげに返事をし、再び書類に目を落とす。どう考えてもこれから前線へと赴かなければならない。気が重い) -- リコ 2012-07-21 (土) 01:30:56
      • はは、そりゃ何より……って感じでも無さそうだな(どことなく暗い雰囲気を察して)まあ、宣戦布告受けたって聞いたしな、そうなるのも無理ないか。
        今日は現状がどうなってるのか、あんたなら知ってるかと思って来たんだよ。情報はあるに越したことはないからねえ。書記官殿なら、なにかそういう有益っぽいもの持ってるんじゃないかい? -- ヨノ 2012-07-21 (土) 01:35:20
      • 状況はサイテーだぞー…?東ローディアはなー…何をトチ狂ったか大喜びで徹底抗戦するっつってるしさー…
        それに神国と連邦の兵士も参戦してもう総力戦確定だからなー…お前らんとこにもそのうち義勇兵として参戦しろやーって通達来るんじゃねーかなー
        (ごそごそと積み重なった書類から件の物を引っ張り出すと、ほれ、とヨノに向けて差し出した) -- リコ 2012-07-21 (土) 01:38:57
      • 何故に喜ぶ……あれか、「東の蛮族とかマジチョロいわーオトナの強さ見せてやるわー」みたいな感じなのか……?
        まあ別にあたいらが出るのは構わねえんだけどさ、先の戦以来働いてなかったし(書類に目を通して)はいはい、がんばりますよっと。
        あんまりあたい東の事詳しくないんだけど、どんな文化を持ってるとか、どういう戦法を使うのかとかは知ってるかい? -- ヨノ 2012-07-21 (土) 01:44:42
      • あー…大体そんな感じー。西ローディアと他の西方諸国もなー…楽勝だろーっつって静観してんぞー
        んー?…ちょっと待てよー(再び書類の束から一枚の紙を取り出して)…何もかもが違うんだなー。戦い方の全てが別世界だわー…
        まずな、一騎打ちとかぜってーしないみたいだわー…あとー…蟲やら魔獣やらー…毒物とかだな
        (つらつらと記された東国の戦法について読み上げる)なんかもーなー…何でもアリだわー。……私これ生きて帰れんのかなー… -- リコ 2012-07-21 (土) 01:54:29
      • 全く文化が違う国相手になぜそうタカを括れるのかがわからん……東ローディアはアホなのか……?
        一騎打ちはしないってことは、ゲリラとか集団戦法を使うってことかな。それじゃこの国の戦い方じゃ間違い無く負けるな、名乗ってる間に瞬殺されそうだ。魔獣なんかもこっちは耐性無いだろうねえ、あたいは南の酒場の街で冒険者してたから慣れてるけど。
        あん? なんだい、リコももしかして行くのかい? そのひょろっちい身体で? -- ヨノ 2012-07-21 (土) 01:59:11
      • まー…何だなー。なげー間西とのお遊びみたいな戦争しかしてないからなー…それと同レベルで考えてんだろー…アホだわー
        その通りだなー…救済部隊も手も足もー出なかったってさー。…う、うるさいなー!それが仕事なんだからー…しゃーねーだろー…?
        あぶないけどー…前線出て記録しなきゃいけないしー……やだなー… -- リコ 2012-07-21 (土) 02:11:34
      • あれひどかったもんなー、前の戦も。全体的にダルさ全開って感じだったし。東ローディア、滅びなきゃいいけど。
        その情報は皆に行ってるのか? 少なくとも前線がそれ把握してなきゃいたずらに死者を増やすだけだぞ……んー、ちょっと、いやかなり不安だな……
        ……ふむ、あんた、あたいに守られてみるかい? -- ヨノ 2012-07-21 (土) 02:15:54
      • どうだろなー…私はそれよりー、西ローディアが戦場になりそーでこえーよー…(暗に東ローディアが滅びるとも言っているが気にしない)
        …どうだろなー…?少なくともー、東ローディアもこの情報は持ってる筈だけどなー…それが行きわたってるかは…あれ見りゃ分かるなー
        (そういって指さしたのは眼下に見える東ローディアの軍団。やれ名誉のため、やれ名を上げるためと意気揚々だ)
        ……マジで?…やー、マジで騎士が護衛してくれるんならー、ありがたいけどー……いいのかー? -- リコ 2012-07-21 (土) 02:22:06
      • あー……まあ、覚悟はしといたほうがいいね。何のために攻めてくるのかしらないけど、もし領土拡大とかそういうの目的ならこっちを攻めない理由がないし。
        (ちらりと下界を見やって、目頭を抑える)なんつーか、お気楽でいいねえ連中は……(こりゃ途中で戦線離脱しないとアホどもに巻き込まれて死ぬかもねえ……)
        勿論さ。あたい側に利益もあるしね。書記官殿をお助けするとなれば、名も上がるだろ? にひひ、ま、あたいはそんなのどうでもいいんだけどね。弱きを助くが騎士の務めさ。
        ただ、あんまりにもアブねえと判断したらそんときゃあんた抱えて飛んで帰るからな。ダイエットはしといておくれ(そう言ってにっと笑ってみせた) -- ヨノ 2012-07-21 (土) 02:29:53
      • だーよーねー……やだなー…。のんびり出来るのがー、この仕事のいいとこーだったんだけどなー…
        (改めて人から言われるとその事実に気分が落ち込んでしまう。やはり、避けようもないのだろうか)
        おぉぉー……いまー、初めて騎士道精神ってのがー…カッコよく思えたわー…
        (ヨノの言葉に目を輝かせたあと、にへら、と気の抜ける笑顔を浮かべる)
        ってー!お、おまえー!花も恥じらう乙女になー!た、体重とかなー!このー!
        (がー、と抗議の声を上げるがその声すらもどこか間延びした気の抜けるものだった)) -- リコ 2012-07-21 (土) 02:38:32
      • あんたもお気楽だねえ……まあでも、書記官殿みたいな人は必要だしな、頑張りな。守ってやっから。
        よせやい照れる……何にせよ知り合いが死ぬのは気分悪いからね。それだけさ。
        あはは、女同士だからいいんだよ! ま、重いとは思ってないけどね、明らかひょろいし(落ち込んだ気分を和ませるために茶化した……ではない。それをするほどアタマは回らない、単にそういう性格なようで)
        さて、じゃあ出兵の時また来るわ。移動中どう動くかとか決めよう。そんじゃ、またな!
        (そう言うと何故か窓を開いて、そこから飛び去っていった) -- ヨノ 2012-07-21 (土) 02:50:08
      • んー。そんじゃまー…あれだな、必死こいて頑張れよー。私ー、死にたくないしー
        (などと軽口をたたいて見送りながらも、内心その頼れる背中にほっと胸をなでおろしていた)
        …これでー…とりあえずは生き残れる、かなー……でもやだなーやっぱー…
        (命の危険は減ったとはいえ、やはり血みどろの戦場に向かうのは気が引ける。これから報告することになるであろう戦場を考えるとやっぱり嫌な気分になるリコであった) -- リコ 2012-07-21 (土) 02:59:15
  • 黄金歴223年 5月 ローディア連合王国 西ローディア国境沿いのとある街道 -- 2012-07-19 (木) 22:50:24
    • ……こりゃいよいよー 戦争だなー
      (帝国が国境沿いに戦力を終結させつつあるとの情報を得た西ローディアは、リコへ視察を命じた)
      (終結した戦力の程度と、東ローディアを含む諸国の対応、開戦の気配があればすぐに知らせるようにとのことであった)
      (馬車の中でだらだらと書類をめくりながらため息を漏らす。やることはいつもと同じ、ただの報告でしかない。のだが―)
      相手がなー……マジで帝国が攻めてくるとはなー…いつものお遊びの戦争とはー 違うんかなーやっぱりー
      (何時もの東ローディアとの、お遊びとも言える予定調和な戦争とは違う。互いの領土と命を賭ける本物の戦争が始まろうとしている) -- リコ 2012-07-19 (木) 22:55:59
      • ……やだなー。あぶないこととかー したくないんだけどなー……
        (とは言うものの、帝国との戦争となれば、戦況如何によっては当然後方の自国にも被害が及ぶこともあるだろう)
        (噂に聞く東の皇帝が東ローディアを手に入れただけでその侵略の手を緩めるとは到底思えなかった)
        その時はー……私はー、どうすりゃいいんだー…??
        (自国が本格的に戦争に参加するとなれば、当然自分は戦況報告の為に前線へと赴かねばならないだろう)
        (そうなった場合、いつものようにダラダラと書類を書いている暇など無いかもしれない)
        ………やだなー……
        (何度目か知れないため息を漏らし、馬車の中でごろりと寝返りを打つリコであった) -- リコ 2012-07-19 (木) 23:00:28
  • 黄金暦223年 4月 ローディア連合王国 中央城内にて -- 2012-07-18 (水) 22:36:52
    • (チェス盤を前に、一人の男と一人の少女が頭を突き合わせている。口に手を当て、反対の手で駒を前へと進めた)
      済みませんね。(視線を盤上に落としたまま肩を竦めて言う)中央に寄る度に相手をしてもらって。
      自身の領土にいる時より退屈であるとは言いませんが、窮屈を感じることは多くて……逃避先というのがあるのはありがたいです、グエスヒシュテン書記官。 -- フリストフォン 2012-07-18 (水) 22:41:06
      • 別に気にしなくてもいいってー。私もー…こーいう時間は嫌いじゃないからさー
        (此方も盤上から目を離さないまま答える。何時ものように気だるげではあるが、どこか楽しそうな声色ではある)
        ってかだなー。逃避ったってお前…本題は一応あるんだろー?(書物に囲まれた部屋にカツン、と小気味良い音が響く)
        (この男がこの部屋を訪ねてくるのにも慣れた。そして、この男が用もないのに人を尋ねるような男でないことも最近薄々分かって来たところだ) -- リコ 2012-07-18 (水) 22:48:59
      • 恥ずかしながら自国では遊戯に興じる者が周囲に少なく、中には騎士が偏屈に描かれている盤面を疎む者まで出る始末。
        (冗談めかして言うが、遊戯とはいえ盤上で行われている戦争を興味深く見ながら思考に耽る)
        (騎士の駒を指先で取り)ええ、恐らく軍部に直接掛け合うよりは、ここの方が正確な『資料』と『私見』が得られると思いまして。
        (そこでようやく視線を上げ、リコの顔を見る。直ぐに盤面に目を落とし)如何ですか。書記官の目から見て、見所のある兵は、いらっしゃいますか……?(カツンと駒を進めた) -- フリストフォン 2012-07-18 (水) 22:58:15
      • 名誉を示せない盤面の戦いにゃー…騎士達は興味ないんだろーなー…む、むー…?
        (む、とフリストフォンの駒の動きに表情の無かった眉間に皺を寄せて)……なるほど、そーいう理由か。確かに…報告書には聞こえのいいことしか書いてねーしなー
        (むー、と小さく唸りながら此方も駒を摘まんでぷらぷらと盤上で揺らして思案する)
        王国の中だけでいえばー…聖少女騎士団、ってのが新顔にしちゃーぼちぼちかなー。民間の出ばっかりだし、扱うには面倒っぽいけどー
        あとはまー…ブロムベルグ、フロフレック、パルミジャーニあたりは噂通りって感じだ(ん、と小さく頷いてようやく盤面に駒を落として)
        あとはー…国外で気になった奴らも何人か居るなー。そっちも聞くか? -- リコ 2012-07-18 (水) 23:11:55
      • それに、どんなに簡略化しても、戦争の縮図ですからね。遊戯と割り切れぬ者もいるのでしょう。
        聖少女騎士団……ええ、話だけは。仰る通り伺った内容と文面を見ると、少しだけ私の手に余りそうではありますね。
        各公爵家、ですか。中々、ステロタイプな騎士の顔をしていましたね。西ローディアの辞書の騎士の項に載せていい程には。
        (ふと意外そうな、呆れたような顔をして)そこまでお調べになっているんですか? ……他人のことは言えませんが、職業病ですね。(小さく笑い、是非と促す) -- フリストフォン 2012-07-18 (水) 23:22:41
      • 騎士ってのはー…面倒な生き物だよなー。そいつらを飯のタネにしてる私が言うのもなんだけどさー
        まー…扱いづらそうではあったけども、見てる分には面白そうだったぞー?退屈を紛らわすには、ちょーどいいんじゃないか?
        (にへら、と笑みを浮かべて言う。侮蔑の意味は無く、ただ彼女はこの男が退屈に喘いでいるのを何となく感じ取っていたのだ)
        別にー、私から調べに行ったわけじゃないってのー(「あっちから絡んできたんだよ」と不満げな顔)
        お前、スリュヘイムの統一王朝時代の騎士が蘇ったって話、知ってるか? -- リコ 2012-07-18 (水) 23:33:22
      • 西ローディアの気風もあるのでしょうね、封建社会の見本のような上下構造ですから、封建社会の見本のような騎士が生まれるのも道理だ。
        (自身は元々は余所者であるので、尚更その気風は新鮮に映る)
        新進気鋭の騎士団に近寄ると、本部が煩くはあるんですがね、書記官女史の墨付きということで考えておきます。
        何分、共にいる女性に平時の退屈まで心配される程度には女心の分からぬ身ですから、負け戦のつもりで臨むべきかとは思いますが。
        統一王朝時代の……?(外交は王族に握られていて完全に疎いので他国事情に詳しくない)いえ、寡聞にして耳に入ってないですね。 -- フリストフォン 2012-07-18 (水) 23:46:03
      • そーいう環境になれてるとなー…他国の傭兵連中見るとすげー驚くんだー。騎士の奴らと一緒に戦わせたらエラいことになんじゃねーのーってなー
        (戦場で耳にする様々な傭兵団の悪行や眉唾物の噂。それらを騎士道精神あふれる奴らと共に並べることなど出来るのだろうか?)
        ははは、その戦いの記録はしっかり残させてもらおっかなー。後で見返して笑わせてもらおー(軽口を交わしながら更に駒を進めるが、次の話題になると再び眉間に皺を寄せる)
        なんかなー…統一王朝時代の騎士のアンデッドが意志を持ってたっつーんだよなー…今回の東との戦争にそいつも参加してたんだわー…
        私も正直眉唾だとは思うんだがなー…ぶっちゃけただのお飾りで嘘っぱちだとは思ってるんだがー……その戦果は本物だった
        (ほれ、と散らかった書類の中から件の騎士のものを引っ張ってきて投げ渡す)
        (そこに記されていたのは、尋常でない重さの全身鎧をまとった騎士達が挙げた「お飾りとしては出来過ぎな程の戦果」の数々) -- リコ 2012-07-18 (水) 23:55:12
      • (資料を受け取り、目を通す。そこに踊る非現実的な文字や数字は、何故書記官がこの資料を見せてきたかを言外に如実に語っていた)
        (二足跳び程度にざっと目を通し)……成る程。確かに……興味深い。
        これは、あまりに荒唐無稽で、書記官女史と交わした対局の数がもう少し少なければ、ご冗談を、と一笑に臥していたかもしれませんね。
        それだけ現実離れしている、が……これも、自分の目で確かめるしかなさそうですね。(女史に資料を返す)
        少なくとも、退屈は紛れそうな内容だ……あるいは、明確な収穫であるかもしれない。(隠した口元で小さく笑い)
        ……この情報、一つ、貸しにしておいていただけますか、グエスヒシュテン書記官。その貸しを、この対局と共に預かっておいていただけると、有難い。 -- フリストフォン 2012-07-19 (木) 00:06:48
      • …だろー?私が確かめに行くにはちょいとあぶねーしなー…スリュヘイムと密に連携取るよーなことがありゃー話は別かもだけどさ
        んー、役に立てたんなら何よりだねー。…おー、分かった。貸しはー…そーだなー(フリストフォンの言葉にんー、と天井を見上げて考えて)
        またこっちからもお前のとこの領地の監察に行くだろーし、そん時にもてなしてくれりゃそれでいーよー(にへら、とだらしなく笑うのだった) -- リコ 2012-07-19 (木) 00:17:18
      • まあ、どの道今は、二、三度ノックをしてみるくらいに留めておきます。思ったより酷く音が響く恐れがありますから。
        スリュヘイムもローディアの東との諍い、大地震と各国が慌てふためく中不自然なまでに沈黙を守り続けていますからね。
        触らぬ神に祟りがないよう、触れず吸わずに身体を汚染する毒もまたないでしょうから。
        ええ、その時は是非。恐らく、ここにいるより……退屈しているでしょうから。
        (肩を竦めて笑い、帰っていった) -- フリストフォン 2012-07-19 (木) 00:26:40
      • まー、お前なら土足で部屋に踏み込んで怒られたりすることもないだろうし、大して心配はしてねーけどなー
        何か分かったら私にも教えろよなー。報告するかどうかは別としてもさー、やっぱ記録には残しときたいしなー
        んー、そんじゃまたなー(ひらひらと小さく手を振って背中を見送って)
        ……何を企んでんだかなー。…ま、退屈しなさそーだしいいけどさー
        (静寂の戻った部屋で背もたれに身体を預けて呟く。彼女もまた、不穏な雰囲気の漂う大陸に於いて大して変わらぬ日常に少し退屈しているのであった) -- リコ 2012-07-19 (木) 00:34:52
  • 黄金暦223年 3月 ローディア連合王国 国境にほど近いとある街 -- リコ 2012-07-17 (火) 21:19:54
    • (大陸を襲った地震によって、連合王国に流入してきた部族の討伐)
      (彼女は今、その戦の記録任務にあたっているのであった。とは言っても、何時ものように用意された上等な宿でだらだら過ごすのが主であったのだが)
      (時折前線に赴き、諸侯の戦いぶりや騎士たちの奮戦を遠目に見て、適当に報告書を書く)
      (戦いの理由と場所が変わっても、自分の仕事はいつもと特に変わらない)
      (媚びへつらう役人や貴族達と共に安全な場所からのんびり戦いの行方を観戦しているのであった) -- リコ 2012-07-17 (火) 21:26:18
      • 「如何です、我等の騎士団の戦いぶりは…。先陣を切り、道を切り開き…勇猛な騎士がそろっておるでしょう」
        (傍らに立つ肥えた貴族がその腹を揺らしながら得意気に笑う)
        …おー。まぁ、そうだなー。そういう風に報告しとくとするよー
        (退屈そうに、欠伸混じりに答える。手にした手帳にペンをのんびりと走らせれば、肥えた貴族は一層態度を柔らかくした)
        「おぉぉ…!それは有難い…!!ではでは、恩賞にも期待しておりますので…」
        (男はそう言ってぺこぺこと何度も頭を下げる。ハゲ散らかした頭が視界に入って深いだったので、リコは眉をひそめる)
        んー…それは私に言うな。恩賞をどうするかは陛下や元老院の奴らが決めることだろー?
        …まぁ、お前の持ってる騎士団が活躍したーとは言っておいてやるよー -- リコ 2012-07-17 (火) 21:31:59
      • 「おぉ!左様でございますか!では、なにとぞよろしくお願い致します…!」
        (男は何度もへこへこと頭を下げながらその場を後にする。残されたリコは、入ってくる戦果の報告をどうでも良さそうに聞きながすのだった)
        …こんなもんかなー。これだけ褒めときゃーあのおっさんも満足すんだろー…うん
        (仰々しく、華々しく戦果を書きとめた書類を仕舞いこみ、空を見上げる)
        (東ローディアとのいつもの戦争が竜害にて幕を閉じ、大震災によって国内外がばたついているとは言っても)
        (この任務には変化は無い。何時ものように、媚びへつらってくる奴らの相手をしながらだらだらと日々を過ごすリコであった) -- リコ 2012-07-17 (火) 21:40:41
    • ほう、書記官か。にしては随分と小さいなお前
      (いくらか高い、若者の声がリコに掛かる)
      (そちらを見ればそこにいるのは神国から友好使節として派遣されてきた神聖騎士団の一部隊。その長らしき男)
      (長らしいと分かるのは一目で他の騎士よりも高級そうな鎧をつけているからである。しかも、神殿騎士特有のフードを被っておらず、控え目にいえば美麗といえる顔を露にしている)
      (もっとも、額にもう一つ目がついているせいで王国の感性でいえばゲテモノ以外の何者でもなかったが)
      お前のような小娘でも書記官が務まるのか。連合王国の国政は思った以上に傾いているようだなぁ、はははははは! -- カルロ 2012-07-17 (火) 22:02:30
      • ……アルメナの騎士かー(振り返り、声の主に目をやれば特徴的な三つ目の男。一目でアルメナの人間だと分かる)
        (その3つ目の瞳さえなければイケメンと言っても差し支えない容姿の男は、3つ目の瞳だけでなく、口調もまた残念であった)
        ……私はまだ見習いだからなー。あくまで諸侯の働きを記録して報告することしかしてないぞ
        (はぁ、と男の軽口にため息交じりに返して)…噂に聞こえる神聖騎士団も、お前みたいなのが部隊長となれば…大したことはなさそうだな
        (不躾な言葉には同じように不躾な言葉で。と思ったが語調は少し弱くなる。外交問題に発展する可能性を考える程度の頭はあったようだ) -- リコ 2012-07-17 (火) 22:22:29
      • !? お前みたいなの、だとぉ!?
        き、きさまぁ……ま、まぁいい……だが、言葉遣いには気をつけろよ見習い
        僕は神聖騎士団の部隊長にしてアルメナ教の司祭だ……減らず口はこの意味をよーく理解してからたたく事だな
        (本当に小物らしい神殿騎士は青筋を浮かべて余裕を装い……全く装えていないが……とりあえず、そう恫喝してくる) -- カルロ 2012-07-17 (火) 22:49:16
      • (自身の肩書を盾にした強気な物言い。余りの小物っぽさに薄く笑みを浮かべる)
        …私はリコル・グエスヒシュテン。見習いだけど、ローディア連合王国中枢へのパイプ役であることは確かなんだ
        カルロこそ、そこをよーく考えて物を言ってもいいんじゃないかなー
        (カルロの言葉をそのままなぞるように、リコもまた自身の肩書を盾にした言葉を返す)
        (にんまりと悪戯っぽく笑うその顔は、肩書さえなければ此処でボッコボコにされていてもおかしくない程憎たらしいもので) -- リコ 2012-07-17 (火) 23:05:48
      • ぐぅうう!?(外交問題を取りざたされれば流石の神殿騎士も顔が青くなる)
        ふん! 虎の威をかるだけが脳の狐女め!
        (そんな鏡をみるべきな捨て台詞を残しながら去っていく。最後まで忌々しげにチラチラ視線をおくりながら) -- カルロ 2012-07-17 (火) 23:21:43
      • …事を荒立てたくないのはお互い同じってかー(去っていく背中をぼんやり見つめながら呟く)
        ……虎の威を狩る狐、かー。んなこたー分かってるってーの
        そんでも、私の仕事のおかげで生き残ってる奴らも居るわけだしー…まだマシ、だよなー…? -- リコ 2012-07-17 (火) 23:40:18
    • 書記官殿!書記官殿!先日の内乱における儂と麾下の部隊が勇躍、御記録頂けましたか!
      (真鍮色の騎士が、野営地で書物を続ける貴方に馬上から声をかける)
      (「内乱」とは、渦中の案件である暴徒化したバルバランド民の討伐ではない。)
      (東西ローディアの大戦も、統一王朝から見れば領土内のいざこざである、という「設定」に準拠した発言であることは容易に想像がつくだろう) -- レーヴェンフック 2012-07-18 (水) 00:57:35
      • …んぉ?……あぁ、スリュヘイムのかー(顔をあげれば馬上の騎士が一人)
        (発言の意味を暫し考え、「設定」に準拠したものだと思い至り、ぽんと手を叩き)
        おー、それは勿論しっかりとなー。流石は統一王朝の誇る騎士団だなー
        お前が居るだけでー…他の騎士の意気も上がるというもんだー
        (ぺらぺらとページをめくり、彼等について記されたページを開く。其処には彼等の戦果を少々脚色して記してあった) -- リコ 2012-07-18 (水) 13:04:54
      • ゴハハ!騎士たるもの先陣を切ってこそ!(世辞には弱い、驚くほど)書記官殿にあっては遠方に目を凝らす努力を毎度強いてしまい申し訳ないが?
        (馬車に、あるいは騎乗により随伴する戦列歩兵達のマスケット銃が火を吹いたのだろう、重装歩兵や騎兵、特に馬へ与えた損害が大きく申告されていた)
        (数相応の戦果ではあるが、お飾り部隊にしては出来すぎのような気もする―宣伝のためであればと、納得も出来るが)
        (ともあれ、統一王朝の騎士は「公領ではなく公国と記載くだされ!」等と細かい注文を飛ばしつつ今回の戦場へと舞い戻っていった」) -- レーヴェンフック 2012-07-18 (水) 21:29:08
      • いいよー。それも私の仕事だからなー。あんたらが頑張る程、王室へも良い報告が出来て私の気も楽になるってもんだしね
        (ぽりぽりと頬を掻きながらへらっと口元を緩めてもう一度手元の報告書に目を落とす)
        (お飾りの部隊だと聞いていたが、中々どうしてやるものだ。多少の脚色はあるとはいえ、これだけの戦果があるのならば上も悪い顔はしないだろう)
        (しかしまぁ…この騎士達に関してはその素性が自分にも一切知らされていない。まさか統一王朝時代のアンデッドが本当に意志を持っているわけではないだろうが―)
        ん、わかったわかった。王室に返答するときにはちゃんと訂正しとくよー
        (ともあれ、考えたところで公領の思惑など自分には分かるはずもない。どうせ奴ら特有の怪しげな技術の産物なのだろう)
        (などと思いを巡らせるのにもすぐに飽きた。小さくあくびを漏らしながら、素性の知れない豪気な騎士団を見送るのだった) -- リコ 2012-07-18 (水) 22:29:32
  • ……ん、こんなもんかな
    あとは明日でいいかー…めんどいしー -- リコ 2012-07-17 (火) 03:24:36

Last-modified: 2012-08-31 Fri 02:01:01 JST (4255d)