名簿/505073

  • 【廃墟-地下】 -- 2013-11-05 (火) 21:32:06
    • (分厚い、廃墟の扉が突如蹴破られる)
      (鉄錆と堆積した埃の匂いが立ちこめ、1人の男が……いいや、死体が入ってくる)
      (右手には、銃を。左手には、安物のコロナの瓶を持って、タバコを咥えたまま)
      ……いるんだろ、レナート
      返事くらいしろよ -- ユウ 2013-11-05 (火) 21:34:08
      • (片手だけの…黒衣の男が…ひび割れた顔の死体が銃を外套に。右手にバックを)
        (腰にかつての厳龍の首魁の刀をくくり…振り向く)
        ……遅かったな、ユウ
        準備はできたのか -- レナート 2013-11-05 (火) 21:38:34
      • いいや、まだだ
        (そういって、徐にグラスを2つ取り出してテーブルに置き、コロナを注ぐ)
        (すっかり気の抜けた、安いコロナだ)
        まだ、お前とコイツをやってない
        (そういって、どかっと座り込んでグラスを手に取り、軽く揺らす)
        驕りだ -- ユウ 2013-11-05 (火) 21:43:59
      • 久しぶりだな、お前の奢りなんて
        (組織に入ってからは俺からの方が多かったな。変な話だ、と呟く)
        (バッグを置き、グラスを受け取ればユウに向けて)
        …馴染みにか? -- レナート 2013-11-05 (火) 21:47:44
      • いいや
        (レナートに向けて、口元だけで不自然に微笑み)
        相棒にだ
        (ぐいっと、そのまま一息で飲み干す)
        (昔を、なぞるように)
        レナート
        アーサーを……止めるんだろ? -- ユウ 2013-11-05 (火) 21:50:12
      • …相棒に
        (昔のように笑おうにも、笑えない顔になってしまった不器用な笑顔で返す)
        (味も、ぬるいということすらもわからないが…懐かしい味がした)
        …あぁ
        それが…シルヴィアの願いだ -- レナート 2013-11-05 (火) 21:53:12
      • 女絡みになるとお互い貧乏籤ばかりだな
        (燃え尽きたタバコを吐き捨て、銃を構えなおす)
        (すっかり、手に馴染んでしまった銃を……薄汚れた今を握り締めて、立ち上がる)
        行くぜ、レナート
        こっちは現役だ、後れんなよ -- ユウ 2013-11-05 (火) 21:59:35
      • 言うなよ。馴染みの厄介事ばかり俺らが持ってたじゃないか
        (鞄を持ち、立ち上がり…もう戻ることのない場所を。包帯と帽子の置かれた墓標のような椅子を一瞥し)
        寝起きなんだ、勘弁してくれ。
        …それでも、お前より先に行く自信はあるけどな -- レナート 2013-11-05 (火) 22:03:52
      • そんだけ減らず口が叩けるのなら、上等だ
        (最早、振り向きもせずに歩き出す)
        (歩調も、歩幅も、ばらばらだ)
        (それでも、歩き出す。同じ場所にむかって) -- ユウ 2013-11-05 (火) 22:07:08
  • 【廃墟-地下】 -- 2013-11-03 (日) 22:13:50
    • 残るはアーサーとユウだけ…左腕を失ったお前でも十分だろう(明滅する機材に囲まれた地下室でその人影は語る) -- 墓守 2013-11-03 (日) 22:18:25
      • 全ては一年前…いやその遥か前から始まっていた…
        アーサーが組織の頭となる就任の日、ヤツを殺せ…そしてユウを殺せば…全てが終わる
        その時までお前の体は持つだろう。 -- 墓守 2013-11-03 (日) 22:22:01
      • (機材に繋がれ、左腕を失ったそのままの姿で拘束具にもたれ掛り、墓守の話に耳を傾けていく)
        …そうだな。それだけ時間があれば十分だ -- レナート 2013-11-03 (日) 22:36:03

      • …またお前は『約束』を反故にするんだな
        (レナートの銃のマガジンに弾を込め、並べていくその声はしわがれていたが黄昏ているような声を流す) -- 墓守 2013-11-03 (日) 22:43:14
      • 守れた試しがないよ
        (後悔にも懺悔にも諦めにも近く、まじりあった言葉が吐き出され) -- レナート 2013-11-03 (日) 22:46:34
      • 女の子に守れない約束をしないで。期待するだけ損するのはいつも女の方なんだから
         
        私のリアニメイトはもう限界。先に行っているわ…レナート(そのまま崩れるように倒れ、足から砂となり消えていく) -- 墓守 2013-11-03 (日) 22:53:31
      • おやすみ…
        (男もまた再び一時的な昏迷の中に意識を沈めていく)
        (再び目覚める時は…そう…) -- レナート 2013-11-03 (日) 22:54:26

      • 【つづく】 -- 2013-11-03 (日) 22:54:33
  • 【青空】 -- 2013-10-26 (土) 23:13:29
    • (青い空がどこまでも広がっている。俺は…ずっと走っていた…彼女を追いかけて…) -- 2013-10-26 (土) 23:13:57

      • 「シルヴィア!応えてくれ!なぜ…なぜヨイチを殺さなければいけなかったんだ!」
         
        「彼は貴方についてこなかったのよ?当然じゃない。貴方を理解できていなかったのよ」
         
        「劉は…劉は、俺を理解してくれた、俺を必要としてくれた!」
         
        「所詮力だけ…あなたの本当の想いなんて、理解してやしないのよ…利用するだけ利用して、切り捨てたじゃない」 -- 2013-10-26 (土) 23:17:49

      • 「違う…劉は俺の願いを…家族だと言ってくれた…」
         
        「貴方の家族って何?あのマフィアの木端?それとも…ユウかしら?」
         
        「ねぇ、ユウは貴方と一緒に来なかったのよ?2度も…どの面さげて貴方に会いに来たんでしょうね…5年前」
         
        「ねぇ、ユウは2度も貴方を裏切ったのよ?ううん…私も裏切られたの…そうでしょう…知っているでしょう…?どうしてユウを殺さないの?」
         
        「私のお墓に供えてくれなかったの…ユウの首を…」 -- 2013-10-26 (土) 23:22:26

      • 「私ね…本当はアーサーが邪魔だったの」
         
        「アーサーさえいなければ私は自由だった…」
         
        「一人でピアノを好きなだけ引けたの…あんな汚い男に養われずに…」
         
        「ずっと…」
         
        「だからアーサーを」 -- 2013-10-26 (土) 23:26:18

      • …ッ!!!
        (無理矢理の意識の覚醒が激痛を持って知らせる)
        (肉体の完全な復元と…強化が済んだことを)  -- レナート 2013-10-26 (土) 23:27:36
      • 目覚めたか…よろしい。装備の説明に入ろう。
         
        13mm自動回転拳銃【ブラックホーク】…お前に付き従う黒き禍鳥
        使用弾薬は特製の13mm対装甲徹甲弾…軽装甲車レベルの装甲なら貫通し内部で飛散
        反応装甲もろとも破壊することができる。
        炸薬量と弾頭重量のせいで装弾数は少ないが、破壊するにはこれが一番だ
         
        そして同口径自動拳銃【レッドブル】…お前を導く紅き狂獣
        先のブラックホークがロングマグナム弾であるのに比べ通常のものとなっているがその分装弾数は多く
        雑魚の相手はこれで十分だ…掠れば死ぬ。
         
        最後のアンチクロス…こいつはハープンユニット。射出すれば装甲を貫通し固定、主に対装甲ヘリに効果的だ
        今のお前の膂力なら地面に叩きつけることも可能だろう… -- 墓守 2013-10-26 (土) 23:36:09

      • さぁ…この黒衣と巨大な十字架を背負い、闘え…戦争は、闘争は始まった
         
        アーサー・ゼメキスの反乱によって…
        さぁ…全てを破壊しろ! -- 墓守 2013-10-26 (土) 23:38:05
      • (墓守…アンダーテイカーの導きで俺は再び甦る)
        (魂を刈り取るために、残る男達と戦うために)
        (黒衣を纏い、鎖を鳴らし十字架を担ぎ、怪物の銃を手に)
        (そして…俺は…)
         
        「オレが作ったものに文句言ったら後でぶっ殺すから覚悟しとけよ」 
         
        (俺は…何かを…何か大事なことを思い出せずにいた) -- レナート 2013-10-26 (土) 23:41:24

      • 【つづく】 -- 2013-10-26 (土) 23:42:36
  • 【廃墟-地下】 -- 2013-10-26 (土) 21:26:26
    • (拠点にしている廃墟に隠された地下の一室…様々な機械が明滅し、闇を照らす…そこには機材に繋がれた男と…あの人物がいた) -- 2013-10-26 (土) 21:27:20

      • 「フロイド・ジョーンズ…マイケル・フロウ…十神与一の死…そしてロベルト・オーランドの逮捕…」
         
        「ロベルトに死を与えなかったことは不愉快だが、そんなものは些細なこと…」
         
        「残る四星はユウ…あの男のみ」
         
        「ヤツを殺せ…四星が三つ流れ落ちた今…すべては破滅へと向かっている」 -- 2013-10-26 (土) 21:32:37

      • 「欲望と憎悪が食らいあう破滅への戦い…蛇の頭が蛇の頭を食らいあう地獄が待っている」
         
        「オマエの体組織の約9割が既に修復しつつある…新たな十字架と共に魂を狩れ…」
         
        「”墓守”がその力を授けてやろう…魂を運ぶ黒き禍鳥と、死人を轢き殺す赤き狂獣を…」
         
        「憎め…憎め…グググ!奴らを一人残らず地中へ…墓場へ引きずり込むのだレナート!」 -- 2013-10-26 (土) 21:37:08

      • 「そうだ…思い出せ…聞け…シルヴィアの憎悪を…!なぜ死んだ?なぜ殺された?」
         
        「誰が殺した?ハハハハハ!グッグッグッグッ…!そうか、まだお前が殺したと思っているか、そう決めているか!」
         
        「くだらない欺瞞、偽善を全て捨てろ…思い出せ…お前の内に眠る…封じた憎悪を…」
         
        「友情、愛、信頼…お前がそれら生易しい布キレで守るというのなら…」
         
        「私がそれを一枚ずつはがしてやろう…!」 -- 2013-10-26 (土) 21:43:07

      • 【???】
        「…ッ!!」
        (混濁する記憶の中、俺は叫ぶ)
        (俺がユウに何を向けていたか…いや、何故俺はユウに…向けていたのか)
        (ざらついた…思い出せない…思い出したくない記憶が俺の中から手を伸ばす) -- レナート 2013-10-26 (土) 21:49:17
      • (その時の俺はどんな顔をアイツに向けていたんだろうか…)
         
        「劉!何故なんだ!応えてくれ!劉!なんで黙っているんだ!」
         
        「教えてくれ!何があったんだ!何故ユウが…劉!」 -- レナート 2013-10-26 (土) 22:08:32

      • 「……俺を、殺しにきたのか?」
        (あの寒空の下、ユウの懺悔とも後悔とも言える言葉が再生される)
         
        (俺は…シルヴィアが…朱く染まるシルヴィアの前で…ユウに…)
        (どんな顔をしていた…) -- レナート 2013-10-26 (土) 22:10:47

      • 「そうだ…思い出せ…レナート・"ブラッド"・バラッド…」
         
        「あの男達の魂を一人残らず…献上するのだ…運べ…魂を運べ…」
         
        「血肉、骨を砕き…魂の安らぎを与えるのだ…」 -- 2013-10-26 (土) 22:15:54


      • 「レナート…ユウを殺して…劉を殺して…アーサーを殺して…」
        「お願い…一人残らず殺して…」
        【つづく】 -- 2013-10-26 (土) 22:17:08
  • 汝は赤き狂獣
  • 汝は黒き禍鳥
  • 汝死神の刃たらんとして十字に伏して請う
  • 即ち魂の安らぎを与えんがため…
  • 【7年前】 -- 2013-10-19 (土) 22:55:48
    • (あの宴の襲撃から回復した俺は組織の武…戦いを司る、戦闘用の構成員が集う拠点に送られた…) -- 2013-10-19 (土) 22:57:44

      • (そこで俺は銃の撃ち方、格闘、全てをそこで仕込まれた…ありとあらゆる戦闘の技術を)
        (フェイはここに俺が行くことを最後まで反対していたが、俺には必要だった)
        (あの時出せなかった…言葉にできなかったもののために)
         
        「劉が眼を付けるだけはある…最高の逸材だよお前は。私が最高の作品に仕上げて見せよう」
         
        「最高のスイーパーに…組織最強の死神にお前を仕立てあげる」 -- 2013-10-19 (土) 23:00:10

      • (気配を消す技術に長けていたのもある。それでも俺にはそれ以上のものがあったと…あの時俺を鍛えた女…錨は語る)
        (錨は武闘派の幹部…金猫を率いる女の殺し屋だった。戦闘の技術は全て彼女から教わった)
        (そう…気配を完全に消す、闇と同化する術以外は、全て…) -- 2013-10-19 (土) 23:08:02

      • 「若いものを入れる気はなかったが、お前を見ているとよくわかる」
         
        「素質のある人間は若いうちに教えるに限る」
         
        「お前には私が教えられる限りのことを全て教えてやる…最高傑作にな」
         
        (以前よりも俺は、鍛えられるだけ鍛えて、実践、実戦、そして寝るという生活になった)
        (それらを除いたものに真の意味があるというなら…俺はマオとフェイに感謝しなければならない)
        (いや、してもしきれないのだろう…俺がもう、二人にできることなど何もない)
        (そうして俺は1年…ただただ殺しの技術を磨き、殺ししかしなかった)
        (それが俺のこの1年を表す言葉で全てだった) -- 2013-10-19 (土) 23:20:47

      • 「素晴らしい、お前の技能は完成したといっていい。後はその刃を血で研ぎ続けるだけだ」
         
        「…そしてお前は何を望む」 -- 2013-10-19 (土) 23:27:19

      • 「私は1年間お前と共に過ごした。お前のことは全て把握しているつもりだ、知っているつもりだ」
         
        「だがお前はわからない。何も見せようとしない。お前は何を求める?何故組織にいる?」
         
        「何故引き金を引く?」
         
        「私はお前のことがわからない。お前はその血で、流す血と流させる血のみで語るのか」
         
        「いいだろうレナート…お前は"ブラッド"…レナート・"ブラッド"・バラッド
         
        「その血で語れ」
         
        「それがお前の全てだ」 -- 2013-10-19 (土) 23:34:25

      • (語るべきことなど、あるのだろうか)
        (語らなければならない言葉は…何なんだろうか)
        (俺にはわからない。俺には…伝えられない)
        (俺の思いも、願いも…俺は…)
        (俺の望むものが…)
         
        (守りたいものが…ここにあるから…) -- レナート 2013-10-19 (土) 23:36:59

      • 【つづく】 -- 2013-10-19 (土) 23:37:08
  • 【草木も眠る樹海】 -- 2013-10-19 (土) 20:47:55
    • (薄暗い霧が支配する樹海の中でただ一人たたずむ男がいる。そして、その男は言葉を聞く) -- 2013-10-19 (土) 20:48:34

      • 「無様な…」
        (その人物はそこに立っていた。男とも女ともつかない姿で、誰とも知れぬ声で嘆く)
        (黒い帽子、黒いコート、黒い服装、黒いサングラス、白い包帯まみれの顔…)
        (その人物は確かにそこに立っていた) -- 2013-10-19 (土) 20:52:11

      • 「蘇ったお前の力ならば、あのような男…気配を知られる前に殺せていたはずだ」
        (嘆き、怒り、悲しみ、それらの感情が煮詰まって流し出されたような声が樹海にj響く)
         
        「フロイド・ジョーンズなどという表の世界から転落しただけの男など…貴様の敵ではない」
        (そしてその中の感情のうち怒り、憎しみがより一層強まり怒気を破裂させた声が樹海に沈む)
         
        「レナート・"ブラッド"・バラッド!何のために蘇ったと思っている…!」
         
        「貴様に与えたその服も!銃も!力も!新たな時間も…全てはヤツらへの復讐のため!!
         
        「劉・暁明を殺せ!」
         
        「ユウ・ジィレスを殺せ!」
         
        「アーサー・ゼメキスを殺せ!」
         
        「ヨイチ・トガミを殺せ!」
         
        「巖龍を殺せ!」
         
        「憎い憎い憎い憎い…!あの男達が憎い…!殺せ…殺せレナート…!蘇ったお前はそのためにいる…!」 -- 2013-10-19 (土) 20:58:46

      • 「お前が力を出し惜しむのなら…それでもいいだろう。だが貴様は必ずその力を使う!」
         
        「自身の意志で!」
         
        「そして新たな武器をお前から求めるようになる…新たな力に相応しい死を呼ぶ武器を…死神の鎌を…!」
         
        「一人残らず命を刈り取れ…煉獄に縛り付けろ…やつらには地獄すら生易しい…!」 -- 2013-10-19 (土) 21:02:08

      • (陽炎のように炎が揺らめき、その人影が消えると…残されたのは男だけ)
        (男は慟哭と怒りと憎悪の嘆きを聴き続ける)
         
        (それが、俺の贖罪なのかもしれないと…)
         
        【つづく】 -- 2013-10-19 (土) 21:04:38
  • 【7年前】 -- 2013-10-19 (土) 02:48:09
    • (1年。組織に入ってから長くも短い時間が過ぎていた。俺はマオの下で仕事をこなし、ようやく本当の意味で組織の一員になれたらしい) -- 2013-10-19 (土) 02:50:31
      • (この街でも有数のホテル。俺は美しいピアノの音色を脊に俺は劉と組織の幹部に紹介されていた)
        (若さが何よりこの組織にとってであっても、違例だったのはある。経歴も浅い。しかし劉の推薦、加えてマオや張大人の紹介もあり)
        (1年という速さと18程度でありながら俺は年初めに行われる組織の重要なパーティーに参加していた) -- 2013-10-19 (土) 03:12:34
      • (ピアノの旋律が彼女を思い出させる。シルヴィアのピアノの音色…かつて聞いた音色)
        (うらぶれたバーでピアノを弾く前の…彼女のピアノ)
        (組織の中で俺の居場所ができ、認められる度に俺はシルヴィア…アーサー、ユウとの距離が離れていくのを感じていた)
        (ユウに会いたい)
        (アーサーと話したい)
        (シルヴィアのピアノが聴きたい…)
        (ただそんな思いが強く、そして組織の…家族との思いが、時間が増えていく)
        (俺はもう、組織の男なのだと…) -- 2013-10-19 (土) 03:36:19

      • 「レナート!何故…」
         
        (血が、俺の胸から溢れている)
        (劉が男の首を跳ね飛ばしたのは見えた)
        (俺を支えるマオの声が、響く。この1年で叱られていた時より強く聞こえる)
        (それも遠くなりつつあり、張大人の声が重なる)
        (俺は何故銃で撃たれた?俺は何故…銃を握っている。俺は何故…)
         
        (引き金を引いた) -- 2013-10-19 (土) 03:47:27

      • (あの後も明確な答えを出せなかった)
        (組織の幹部を狙った攻撃に俺と劉は居合わせ、そして)
        (俺は銃を…)
         
        (劉と共に戦いたかったからか)
        (マオを、張大人を、家族という組織を守りたかったからか)
        (死にたくなかったからか)
        (ユウに会いたかったからか)
        (アーサーの声を聞きたかったからか)
        (シルヴィアのピアノをもう一度聴きたかったからか)
        (応えを出せず、気の遠くなる中俺は銃を握り…意識が遠くなる中、混濁した意識の中で考える)
         
        (ピアノの音色は聞こえても、シルヴィアの声は聞こえない)
         
        【つづく】 -- 2013-10-19 (土) 03:51:19
  • しゃらくせぇ!(こちらへ吹き飛んできたテーブルを殴り飛ばす。男の動きは今も全盛期のそれだった)
    (身を縮めるようにレナートと同じ窓から飛び出し)オウオウオウ。死に場所はここでいいのかい?
    洒落た弔花も用意できなくて悪いな、レナートォ!!(再び前に出る。愚直に前に進むのが彼のスタイルだったのだから)
    シッ!!(クルーザー級の抉るようなボディブローがレナートに襲い掛かる) -- フロイド 2013-10-17 (木) 23:03:16
    • (それでも俺は引き金を引く。戦うのであれば…容赦なく適格に、死を与え魂を刈り取る)
      (だがフロイドのそれ、動きは銃を持った相手と戦い慣れた動き)
      (既に銃口から弾道を予測しているのか掠りはするものの撃ちぬ事はできず、逆に自身がその拳に撃ちぬかれる)
      …がっ!!(息が短く、しかし呼吸を止めるほど深く吐き出される) -- レナート 2013-10-17 (木) 23:08:35
      • お前がガンファイトで組織一だったように、俺もインファイトなら百戦練磨なんだよォ!!(息を吐き出したレナートを前に両手をだらんと下げて)
        シッ!!(レナートのコメカミを狙った左フック、足を止めてからのそれは彼の黄金パターンでもあった) -- フロイド 2013-10-17 (木) 23:13:47
      • (その黄金パターンが見事に決まった。黒服も、フロイドも、たたらを踏んで膝をついて倒れるレナートを見て誰もが…フロイドの勝利を確信した)
         
        (しかし、男は立ちあがった。両手の拳銃を片時も離さず、瞳に力を沈めたまま立ち上がった)
        (死んでいない、再殺…?いや、死人を殺すことなどできないと示すように立ち上がった。銀光覗く銃口を向けて) -- レナート 2013-10-17 (木) 23:23:11
      • なッ 何をこいつ不死鳥のように!(高速でサイドステップを踏み、レナートを中心に回っていく)
        墓に送り返してやるぜぇ!!(両拳から放たれるジャブの速射砲がレナートに襲い掛かる) -- フロイド 2013-10-17 (木) 23:29:20
      • (ジャブ。両手から放たれるマシンガンの如きパンチ。しかし男の手には拳銃がある)
        (その一発一発が来る、というたびに合わせ、引き金を引き、いやおうなしに軌道を逸らしていく)
        (一発当たれば死ぬ弾丸が、交差し、お互い掠り、反れていく)
        (マガジンに弾がなくなり、リロードをしなくてはならなくなってもせず、グリップから銃身に持ち替え…近接打撃具の柄としてその長い銃身は力を持つ)
        (それを振れば、グリップ底が鈍器と化しジャブとジャブを打ち、合わせ迎え撃つ)
        (そう、この男はガンファイトだけが組織一だったのではない。) -- レナート 2013-10-17 (木) 23:35:45
      • (じりじりとフロイドは追い詰められていく)
        (レナートの動き、それは銃弾だけをかわせばいい単調なものではない)
        (フロイドの放つジャブは人間の反射速度を超える逸した速さで撃たれるものである)
        (しかしこの男は、そのジャブをグリップ底で撃退していく)
        (恐ろしい。この男が、恐ろしい!!)
        があぁ!!(鋭くインステップ、当たれば確実にあの世行きとまで言われた右のアッパーカットを放る) -- フロイド 2013-10-17 (木) 23:43:58
      • (フロイドは知らなかった。日の当たる光の世界から堕ちた瞳ではなく…最初から闇の世界にいた男が何者であるかを)
        (死人であってもタフさは消えず、その闇から掬い取るような鋭さは消えず…つかず離れずというようなぬめりとした、冷たい気配がフロイドへまとわりつく)
        (しびれを切らしたように放たれたそのインステップからのアッパーカットが届くことはない)
        (なぜならグリップか…握る部分のそのL字が、火かき棒かバールのようにフロイドの腕を引っ掛けて逸らしたから…)
        (そのまま引き剥がすように腕を銃で引き、回し蹴りを放つ) -- レナート 2013-10-17 (木) 23:54:32
      • (その冷たい気配を、死だと理解するのに時間がかかった)
        (この男の眼差しは死そのものだ)
        (まるで手足の延長線上であるかのように器用に使われたグリップ、そして回し蹴りを受けてフロイドが呻き声を上げて吹き飛んだ)
        バ、バカな……俺様はGBCボクシングで……パウンド・フォー・パウンドだっ、た………
        (立ち上がろうとして血の塊を地面に吐き出した。それほどの蹴りだった) -- フロイド 2013-10-18 (金) 00:12:22
      • (地獄から蘇ったからなどという常軌を逸する理由からではない)
        (殺せる力を持ち、不意に殺してしまった人間と殺す力を磨き、殺し続けた男)
        (近くとも…遥かに遠かったのかもしれない)
        …表の世界にいるべきだった。しがみ付いてでも…堕ちるべきではなかった。
        (ここは闇。夕闇ではなく底の底の世界。その底にいた男は、表の世界にいて)
        (例え裏社会に身を落としても戦う時は一人というルールを…矜持を持った男に敬意を表した)
        (少女が出たことも知っていたはず。それでも俺と一対一で戦うことを選んだ男に敬意を持つ)
        (愚かで、間違っていると思われても…このフロイドという男もまた、男であるから)
        (だからこそ戦った。フロイドのルールの上で…そして)
        (敗れた者がおめおめと引き返せばどうなるかも知っている。だからこそ、再びマガジンが込められた銃を向けて…)
        フロイド・ジョーンズ、家族は…いるか -- レナート 2013-10-18 (金) 00:24:04
      • ………。(震える足で拳銃を前にする。恐怖ではない、ダメージからの震えだ)
        ヘ、ヘヘ……そうだな…どこかで間違っちまったのかも知れねぇ……(寂しそうに笑い、再び構えた)
        どうした、まだテンカウントは聞いちゃいねぇぜ。(男は、ボクサーだった。最後まで、ボクサーであろうとした)
        家族なんかいやしねぇよ……天涯孤独のスラム育ちさ…
        ガムシャラに生きてきたが、こんな試合ができるなら……悪くねぇ。ああ、全く悪くねぇや…(右拳をゆっくりと前に突き出し)
        撃てぇ、レナートォ!!!(口元には、笑みすら浮かべていて) -- フロイド 2013-10-18 (金) 00:29:55

      •  
         
        (そして銃声という鐘が…魂を刈り取った)
         
        (鼓動の音が、10カウントを取るように…) -- レナート 2013-10-18 (金) 00:35:01
      • (フロイド・ジョーンズが射殺されると黒服が二人飛び出してきて)
        く、くそぉ! 覚えていろ!!(車にフロイドの遺体を積み込み、走り去って行った) -- 黒服 2013-10-18 (金) 00:47:00
      • (覚えている。忘れやしない。フロイド・ジョーンズという男がいたことを)
        (フロイド・ジョーンズというボクサーがいたことを)
        (俺は、忘れない)
         
        【つづく】 -- レナート 2013-10-18 (金) 00:50:29
  • (部屋の中から機嫌の良さそうな声が聞こえる)
    おー!肉!届いてんじゃん!あ、オレの服!
    (取り出してみると誰の趣味か可愛らしいトップスやミニスカートなどが出てきた)……は仕舞っとくか。
    下着はバッグに入れとくっと……ん?あー……あいつのダンボールはその辺に放っておいてと。 -- ランコ 2013-10-17 (木) 20:49:59
    • (あの後、痛みの治まった頭で『あるもの』を家の中で探し…使えなかったもので買いに行き、帰れば声でわかる。嵐子がいた)
      (そのまま部屋に入ると倒れて捨てられてたテーブルを引っ張り出し、持ってきたダンボールを置く)
      (それを開封すれば…ホットプレート)
      (テーブルの上に乗せてコンセントを繋ぐ。肉が届いているなら…その他もあるなら、焼ける…肉を)
      (さびれたシンク備え付けの蛇口をひねり…野菜や割れて欠けた食器を洗っていく) -- レナート 2013-10-17 (木) 21:07:54

      • 「全くアンタは、男の子なら焼肉なんていつの時代だよ」
        「いいじゃねぇか俺も食いたかったんだから、ほら酒を注げレナート」
        「あぁいいんだよレナート。アタシらトシなんだから肉は少しで。腹いっぱい食べな」
        「男は肉と酒、これが強さに繋がる。覚えておけよ」
        「何言ってんだい、野菜もお食べ。バランスだよバランス、人間肉だけで生きてきゃしないんだからね!」
        (野菜を洗い、切り分け、欠けた皿に盛り合わせていく)
        (肉も…確かこう並べたはずだ。あの時も俺は台所でフェイを手伝っていた。)
        (マオはテレビで野球を見ていたはず…) -- レナート 2013-10-17 (木) 21:17:12
      • なんだ、おまえ、今日は随分と積極的だなオイ。そんなに肉が食いたかったのかよぉ?
        ま、いいや。焼肉なら焼くだけだからな、りょ、料理スキルも関係ない……ともかく美味しく食べれるわけだ。
        (肉を前にして準備しているレナートを眺める、自分では何もしないあたりが嵐子である。)
        オイ、まだかよ、なにぼーっとしてんだおまえ、早くしねえとオレが全部とってくっちまうぞ?
        (彼が今、何を考えているかなど、過去もなにも関係もなく、縁もゆかりも程遠い自分には預かり知らない所で想像もつかなかった。早く肉が食べたい。それだけ。)  -- ランコ 2013-10-17 (木) 21:23:39
      • (肉、野菜、そしてなぜかある焼肉のタレ23種。夏芽には揃えられるだけと頼んでいたが…)
        (それが仇になったか、夏芽の実力を再認することとなったか…ともかく熱の準備ができたので焼き始める)
        (肉と野菜、交互にホットプレートに並べ、バランスよく焼いていく)
        …野菜も食べるんだぞ -- レナート 2013-10-17 (木) 21:29:34
      • (唐突に喋りかけられた。普段はため息か視線か良くて相槌くらいしか貰ったことがなかったのに。)
        ……はっ!?な、何言ってんだよお前はオレのパパか!!当然肉だろっ!てゆーか、なんだよこのタレの数……
        (驚きは、タレの数へとシフトしつつも)
        と、とにかくだな、命令してんじゃねえ!オレが頼んだ肉なんだかんな!(適当に近くにあったタレをつけてから肉を口にもぐもぐと含んで)んんんん!んまいっ!
        (ぱっと、目を輝かせた。まともな美味しいもの食べたのは久々だった) -- ランコ 2013-10-17 (木) 21:41:15
      • 冗談だ。好きに食べてくれ
        (微笑み、肉と野菜を焼く。食は少ないが満たされつつある感覚はあった)
        (食べることよりも、肉や野菜を適度に焼くことに勤めていた。嵐子が肉を食べるよう薦めるように)
        (そしてちょうど肉の半数が消えた頃に切りだし始める)
         
        嵐子
        組織が俺に気付いた。ここにはもう、来てはいけない。 -- レナート 2013-10-17 (木) 21:47:53
      • お前が冗談とか。似合わねー。(なんとなく、だが。あまりにも簡素で、いびつで、不格好で、笑えるほどにぎこちないものではあったが)
        オレのものはオレのもの。お前のものもオレのものだ。とーぜんだろ。
        (笑顔で返した、なんとなくではあったが。幼い頃の記憶にあった家族の団欒に近いものが、あった気がしたから)

        (そして、しばらくしてからのその言葉は、そんな感傷をあっさりと消し飛ばすには充分すぎるほどだった)
        はぁ!?組織ぃ?気付いたって、何が何の事だよ!わけわかんねーこと言うな!
        (とは言え、言葉の雰囲気や、表情から、切羽詰っているようなそんな感覚を感じ取ってしまう。表社会から遠ざかって生きていたら、自然と身についてしまった、物事に対する線引きのスキル)
        (彼が話しているのは、相当にヤバイことであるのは確かで、それは解った。理解した。でもなぜか、出ていかなくてはいけないことに、妙に腹が立った) -- ランコ 2013-10-17 (木) 21:59:52
      • (そう、この男も確かに。孤児で、親の顔も何もかもなくとも。たった一年…少しの時間を共に過ごした家族の)
        (家族の暖かさを…今、思い出して…それがたまらなく優しく、たまらなく辛かったから…微笑んだ)
        (そうだなと、短く呟きかえしてまた…)
         
        すまない。
        必要なものは夏芽に言えば俺が払う。
        (不機嫌なのもわかる。理不尽に対する怒りもわかる…それでも俺は、この子を巻き込みたくなかった) -- レナート 2013-10-17 (木) 22:09:57
      • (部屋の入り口で黒服たちと話をし)ここにヤツがいるんだな………
        フン、劉大哥もしくじることがあるんだな。レナートが生きていたなんてよォ……(ニヤリと笑い)だがこれで劉大哥に貸しが作れる。
        ここで死んだはずの男を再殺しとけばよぉ、俺様の株は上がるってなもんだぜ。なぁ。
        (話し声が聞こえてくる。中に人がいるのは間違いない。ドアを蹴破り、両手を広げた)
        じゃあぁぁァ〜〜ん。フロイド・ジョーンズ参上だぁ。手は上げなくていいぞ、チャカなんざ持っちゃいねぇ。(軽薄に笑った) -- フロイド 2013-10-17 (木) 22:18:05
      • (自分でも驚く程に声が荒げる)要らねえよそんなもの!!オレは……
        (うつむいて、何に腹が立っているのかよくわからないまま、奥歯を噛み締め、ゆっくりと息を吐き出す)
        (幾分か冷静さを取り戻し)……オレは、別に……っ、好きでここに居るわけじゃねえし!
        他に行くとこ、決めてなかったから、とりあえずここに来ただけで……も、元々、もうすぐ出ていく予定だったんだよオレは!!
        ちょうど最近帰ってきた知り合いがいるみてえだしさ、ちゃんとしたシャワーのある家に転がり込んでやるぜ。
        シャワーもなけりゃベッドも固ぇし、冷蔵庫には大したものはいってねえし、床は汚ぇし…
        そ、っそんなとこぁな!こっちから願い下げだっつーの!!ばぁか!
        言われなくったって出て行ってやるよ!心配しなくとも二度と来るもんかばかレナート!!

        (冷静さを取り戻したはずだった、が一度溢れた感情は抑えきれず売り言葉に捨て台詞に、何もかも叩きつけて、自分の荷物が入ったボストンバックを抱えるとそのまま振り返らずに走り去っていった) -- ランコ 2013-10-17 (木) 22:29:11
      • (わかっている。そんなことはわかっている。俺も…金とか、物とか…そんなものが必要なのではなく)
        (今ここにいた…ここで過ごしたような時間が、必要だったことを…それでも俺は伝えられない)
        (伝えてしまえば、嵐子をひどく傷つけることなど…わかりきっているのだから)
        (だから最後に、出ていく彼女に…自分がまた、出ていく自分に駆けられた言葉を渡す)
        いってらっしゃい、嵐子
        (家族が家族を送り出す…言葉)
         
        (気配を感じていたのもある。嵐子が出て行ってすぐ、フロイドはやってきた)
        (ホットプレートのコンセントを引き抜き、立ち上がる)
        ………
        (ここに嵐子はいない。家族もいない。いるのは…死と鉄と、暴力を携えた男達だけ)
        (両手には黒と銀の拳銃が一丁ずつ…握られて) -- レナート 2013-10-17 (木) 22:36:30
      • なぁんだ、いるじゃねーか。(銃を持った相手にも怯むことはなく)情報は確かだった、ということだな。
        おい、お前ら。見ておけよ……俺様が裏切り者を再殺する、その姿をな。(部下たちを下がらせ)
        (拳を握った。ボックスとなった彼の拳は凶器そのもの、銃を持った相手にも彼はこのスタイルを崩さない)
        なぁ……なんで生きてるんだ? お前は生きてちゃいけない人間なんだよ。劉大哥が殺した奴は、一人残らず死んでなきゃな。
        シュッ!!(複雑にウィービング、体を左右に振りながら前進して彼我の距離を埋めに行く) -- フロイド 2013-10-17 (木) 22:47:47
      • …フッ!(決して侮らない。相手が例え俺を侮っていたとしても、だ。それが厳龍。それが巖龍の剣)
        (狭いこの一室では不利。テーブルをフロイドへ向かって蹴り飛ばし、嵐子が出て行った窓とは別の窓から身を投げ出す)
        (割れるガラス…夜の冷たい風が、俺を迎える)
        (吹きこむ風が、フロイドを呼ぶ) -- レナート 2013-10-17 (木) 22:57:23
  • (寝床にしている廃墟の一室。幽霊の住処。俺以外誰もいない。嵐子もいない。誰もいない) -- 2013-10-17 (木) 17:26:18
    • (俺はなぜここにいる?ここに何があった?何もない。何もないここになぜ俺は来た?) -- 2013-10-17 (木) 17:27:06
      • (あの時から1年。目が覚めて俺はここに自然と足を運び、ここに居ついた。何故?)
         
        「オメェみたいなクソガキは俺が一から教育してやる!」
         
        「よく似合ってるじゃないか!アンタいっつも同じ服着てるだろう?若い子は外面も気にするんだよ」
         
        ぁあ…ああぁぁぁぁぁあがぁぁぁぁああ!
         
        (ザラついたノイズが頭をかき乱す。歯をむき出しにし食いしばり、痛みに耐える)
        (頭が割れるように痛む。その場に膝をつき、堪えるも痛みは益々ひどくなる)
        (何故?何故?どうして…) -- レナート 2013-10-17 (木) 17:30:08

      • 【8年前】
        8年前。俺は劉とであった。ユウと、アーサー…彼女と挨拶もせずに別れ、厳龍の一員になった。
        劉は俺を使い潰しはしない…と言ったが俺はまだその時ただの子供で、組織にとっては下っ端のチンピラにも劣るガキでしかなかった。
        そんな俺は組織の末端のシノギの手伝いが仕事になった。もちろん俺は反発したが、そんな俺を殴って叩いて躾けたのがマオだった。 -- 2013-10-17 (木) 17:34:02

      • 「このクソガキ!テメェ程度の腕っぷしはどこにでもいるってのがわからねぇのか!」
        マオは俺が連れてこられたシノギ…金貸しの督促、運び屋、賭場のイカサマを仕切っていた木端の中年だった。
        その時の俺は知る由はなかったのだが、マオは組織の古株で幹部との繋がりは篤く、一派閥の張大人との親友だった。
        親友を組織のトップに送り出し、自分は現場にずっと居座っていた。
        故に知古も、世話になった構成員も多く俺も劉からの紹介と言えど若年極まりないので送り込まれた。
        もちろんこんな子供に大きな仕事をさせる組織などどこにもないのは明白で、俺はここで1から組織を…裏社会を学ぶことになった。 -- 2013-10-17 (木) 17:39:04

      • 「言われた仕事をこなしてようやく一員前だ。だがな、男ってのはその仕事を黙ってこなして一流だ。」
        マオの口癖がこの男なら…という哲学か、流儀の教えだった。俺は殴られ、叩かれ、叱られ、ことあるごとに聞かされた。
        男は簡単に力に頼らない。男は静かに実行する。
        男は信念を曲げない。男は約束を守る。
        アンタがそれを言うかよ、と食い掛かれば「男は細かいことを気にしない」とゲンコツが飛んできた。
        俺は理不尽に思いながらも、マオにいつか一人前と認められることを目指していた。 -- 2013-10-17 (木) 17:44:45

      • 「おやまぁアンタが連れてくるなんて珍しいね!ささ、入りな!」
        そんなマオも結婚していた。フェイという恰幅のいいおばさんがマオの嫁さんだった。
        俺は最初、シノギの事務所で寝泊まりしていたんだがある日マオから紹介された。
        最初の晩の夕食時。俺は、フェイに圧倒されっぱなしだった。たったマオの下について一月。静かに仕事をこなすように努めてきた俺だったが
        ただただフェイに圧倒されて言葉は出なかった。やれ寒くないか、飯はうまいか、茶はいるか、仕事中のマオが無茶していないか
        けがなんかしていないか、と言えば男なんだからそれぐらいがちょうどいいか、などなど…とにかく賑やかなオバサンだった。
        フェイはマオの仕事を知っていたのも驚いたがフェイは小さな酒屋をやっているのも驚いたし
        マオとフェイの間には双子の女の子がいるのも驚いた。
        写真を見せてもらったが美人なのも覚えている。手を出したら殺すぞといつになくマオの声が鋭かったのも覚えている。
        とにかく俺は…俺の意志とは別に、マオとフェイの家に転がり込むようになっていた。 -- 2013-10-17 (木) 17:51:00

      • 「なんだかんだでウチには男の子はいないからねぇ、アンタが来て嬉しいんだよあの人は」
        マオと共に仕事に行き、帰り次第フェイを手伝い、体を鍛え…時間さえあればフェイの店を手伝った。
        酒瓶ケースを運び、倉庫整理、商品の陳列。金関係は俺が触るもんじゃないのはわかっていた。ただできることを俺は進んでやった。
        そんな中でフェイは俺にいろんなことを聞かせてくれた。マオが語らないこと。
        厳龍とは、元々この街…地方で身よりの少ない東洋人が集まってできた組織。
        一つであることを願ってつけた名前であり、東国街のような隔離された…保護されたような存在ではなく自分達は自分達であると立志により立ち上げたということ。
        迫害、人種差別、それらを乗り越えてようやくできた組織で…マオもその創設時にいた人間らしい。
        張大人もまたその一人だった。だがマオは上に上がることを願わず、この街に残ったこと…
        流れというもののために残った…とマオは言っているが、ジジイがいつまでもでしゃばるんじゃなく中枢に若い連中を送り出して循環させてこそ組織も活きるもんだとフェイは語った
        俺はそんなフェイの話を聞き。マオの言葉を聞くたびに…口には出さず静かに考える時間が増えた。
        言葉に出すことの易さ、本当に大事なことの意味や言葉…意志や伝えるべきこと。
        何より濃い時間が一年続いた。 -- 2013-10-17 (木) 18:00:06

      • (そんな時間でも俺はユウを…アーサーを、彼女を忘れる時はひと時もなかった)
        (ユウが俺と共に来なかったこと。アーサーの笑顔、彼女のピアノの音色…)
        (静かな時間が増えても、俺の心の中は変わらず騒がしかった。)
        (ユウは今何をしているだろう?アーサーは?彼女は?俺は…彼らに会いに行けるのだろうか)
        (マオの下について1年。マオの下から…いや、マオとフェイから張大人を正式に紹介されたあの日)
        (懇親会のパーティーホールで奏でられたピアノの音色を耳に、思う)
         
        「年なんて取るもんじゃねぇぜ…銃の撃ち方すら忘れちまった」
         
        「すまないねぇレナート…あの人が待ってる。劉を止めとくれ…」
         
        「あぁああぁぁ…ああぁぁぁぁああああああ!!!!」 -- 2013-10-17 (木) 18:05:50

      • あぁぁあああああああああ!!!!!!!!!
        (思い出す。この廃墟に誰がいたか。思い出す…ここで誰が…誰と過ごしていたか)
        (ここは、俺と…マオとフェイ…俺の家族が。初めて家族と呼べる人達が住んでいた場所)
        (俺の…家族と、家族の家) -- レナート 2013-10-17 (木) 18:07:23

      • 【つづく】 -- 2013-10-17 (木) 18:07:36
  • (既に人が立ち入ることも無くなり久しい廃教会、月光がステンドグラスを照らし)
    (静謐さとその柔らかな光が作る神秘的な空気を、どかどかと複数の足音が蹂躙する)
    チンピラA「ってーかさー、本当にこんなとこいんの?」
    チンピラB「は?知るかよ、それ調べるために来たんだろうが」
    (如何にも裏社会の下っ端といった男達が、レナートの塒を漁り始める)
    チンピラC「アニキもひっでえよなあ、写真だけ見せて、この男を始末してこい、だなんて…」
    チンピラD「おい、俺等失敗したら殺されるんだぞ…ちゃんとやれよ…」
    (ぞろそろと入りこむチンピラの一人が、ランコによく似た少女を)
    (引きずるように連れている、遠目には生きているか死んでいるかすらも判別できないが…) -- チンピラ達? 2013-10-16 (水) 23:27:48
    • (風より速く、闇より深く男は舞い降りた。少女を引きずり連れる男の真後ろに…)
      (回し蹴りが叩き込まれ、チンピラの一人は煉瓦の壁に叩きつけられてヒビを打ち込む釘となる)
      (男らが振り向く前に、握られた煉瓦が弾丸のように飛び、一人の後頭部を打ち据え砕け散った)
      (闇が、血飛沫を上げるより早く駆ける。続いて振り向いたチンピラの顔を二度打ち据え、腹へ膝を叩き込む)
      (最後の一人が振り向き終わったときには遅い。蹴りが左右から往復して飛び、崩れかけたパイプオルガンに叩きつけられた)
       
      (チンピラたちの呻き声が埃を立てて崩れる内装品の雑音と混じる) -- レナート 2013-10-16 (水) 23:41:45
      • (悲鳴を上げる暇もない一瞬の出来事であった、ごろつきとはいえ)
        (仮にも厳龍の一員であり、そこらの与太者共よりは腕の立つ彼らが、虫けらのように蹴散らされる)
        チンピラA「い、ぎ……」
        チンピラB「ひぃぃ、お、おへほあごはぁ…」
        (一番最初に入ってきた男達は、一人は気を失い、1人は砕けた顎を押さえて悶絶している)
        チンピラE「ぐぅ…な、何だ…一体何が…」
        (あの少女を連れていた大柄な男だけは、その体格の良さが幸いしてかあれだけの勢いで叩きつけられたにも)
        (関わらず、何とか意識を保っていた…最も、反撃など出来る状態ではないが) -- チンピラ達? 2013-10-16 (水) 23:51:57

      • (厳龍と言えどピンキリなのか。いやそもそも厳龍の構成員なのかも疑わしく思うほど一年という時間は長かったのか)
        (だがハッキリしていることがある。この場所に、誰かを探しに来るように回すような何者かは…彼らしかいない)
        (厳龍が、ユウやヨイチとの出会いが俺の目覚めを確信へと変えたのだろう)
         
        失せろ
        (ただ冷たく、静けさと共にあり横たわる少女の隣に立ち告げる)
        (有無を言わさぬ冷たい銃口のような言葉が付きつけられる) -- レナート 2013-10-16 (水) 23:59:27
      • チンピラE「ひ、ひいい!!まま、待ってくれ!俺はただあんたを探すよう頼まれただけなんだ…」
        (必死に言い訳するも、しくじればヨイチに消される事を知っている男は、何とかレナートを殺そうと隙を窺う、が…)
        (その時男は見てしまった、ヨイチと同じ…否、それ以上に深く暗い…底無しの深淵のような闇を)
        (死を形にしたような、真なる暗黒を)
        チンピラE「ひ、ひひ…ひぃぃいいい!!!!」
        (只者ではないという事を、他の者達も感じ取ったのだろう…動けない者は動けるものが肩を貸し、慌てて出ていく)
        少女「う…」(死んだように倒れていた少女が、丁度声を上げる…ひどく乱暴されているが息はあるようだ) -- チンピラ達? 2013-10-17 (木) 00:08:03

      • (そして廃教会には少女と二人。嵐子、と声に出して呼びかけようと顔を見ればわかる)
        (嵐子ではない。だが、ひどく傷ついた…ただの少女がそこにいる)
        …動けるか(屈み、少女の顔を静かに向けさせる。息を吐かせるために)
        (死人のような瞳で、ただ冷たく。頑なな手で起こす) -- レナート 2013-10-17 (木) 00:14:51
      • 少女「…!!」
        (余程酷い事をされたのか、目を覚ましレナートに掴まれている事に気づくと、手を払いのけ教会の入り口へ)
        少女「…あ、ありがとう、ございました…」
        (だが、周りを見て状況を察したのだろう…レナートに拙い言葉で礼を述べると、少女は自分の元いた場所へ去って行った)
        (そして、廃教会は下の静けさを取り戻した、後には闇が残るのみ) -- 少女? 2013-10-17 (木) 00:22:02
      • (勘付いているのか、それともただの偶然か)
        (ただ交わらない、空虚な廃墟で静かに思う)
        (あれが嵐子だったら?組織が本格的に俺を追い始めたら…今の劉ならば、嵐子まで巻き込んでしまうかもしれない)
        (いや、確信できる。ヤツなら…)
        (未来ある子供の明日を奪うことなど、歯牙にもかけず、ただ作業の工程として行うだろう)
        (俺は…) -- レナート 2013-10-17 (木) 00:26:55
  • (何も言われないことを知ってるので冷蔵庫を勝手に物色している)
    チッ、相変わらずシケたモノしかおいてねーなぁ……(適当にあった干し肉を齧ってみてから、うー……と渋い顔をする)
    オイ、たまには上等な肉とか入れとけよ。どーせ、なんにも使う予定ねーんだろぉ? -- ランコ 2013-10-15 (火) 23:26:26
    • (殺風景な寝床。コンクリートが打ちっぱなしの、かつて誰かが住んでいただろう一室がそのまま廃墟になった場所)
      (男は何も応えないし何も咎めない。少女が一人、野良犬のように生きていても憐れまない)
      (その生き方を選んだ少女を咎めない)
      (ただ黙って、暖かく迎えることも、冷たく疎むこともなく…)
       
      (嵐子の物言いに言葉で答えることはなく。拳銃のマガジンに弾を込め終えればソファーから立ち上がり)
      (記入線が引かれたメモ帳とペンを差し出す)
      (既に銃弾と薬類が記入されたそれは、どこぞの手配師への注文書) -- レナート 2013-10-15 (火) 23:35:11
      • (別に何も期待してないし、暖かく受け入れてもらおうなんてこれっぽっちも思っていない)
        (少なくとも幼い頃から見ていた自分が知ってる限りはそういう奴だからと。とりあえず宿が見つからないとき利用しているだけだった。野宿よりちょっぴりだけマシだ。シャワーもついてる。割と避難場所には打って付けだ)

        …………。あっそう。じゃあ好き勝手頼んじまうからな。
        (ペンを渡されれば慣れた手付きで欲しいものを記載していく、嵐子の私服や私物などは大抵ここで親切にも買ってもらって譲ってもらったものである、有り難い事に。勿論一度も感謝したことはない。)
        (肉をメインに食料、新しい下着、衣類、、その他必要な諸々を追加記入した注文書を机に放り、廃棄物同然のソファーで体を伸ばす)
        あー……面白くねぇ……。クラゲみたいに漂ってるだけみてーなっつーか、生き方もなにもかも張り合いないんじゃねーの。
        (結局、ほかに何も食べるものがないので湯で肉をふやかしてちびちびと食べている 不味い。クソ不味い。) -- ランコ 2013-10-15 (火) 23:53:48
      • (恩に着せるつもりもない。礼を言われたこともなければ求めたこともない)
        (注文書を見返すこともない。書き終えたことなど音でわかる。また当然のように体を鍛え始める)
        (嵐子がいないものと思っているのか。いやそもそも男がいないものなのか…)
        (交わるようで交わらない時間がしばらく続き、そして…思う。張り合うとはなんだろうか)
        (張り合う。生きる、生きるために張り合う。そう…あの時のように…公園で、アイツと焼いた牛肉を奪い合った…あの時)
         
        肉… -- レナート 2013-10-16 (水) 00:12:07
      • (相互不干渉。話しかけて。会話をしているように見えていつもそれは一方的なものでしかない。嵐子が不満を口にするか、嵐子が愚痴を口にするか、嵐子が独り言を呟くだけの)
        (思ったことは口にしないと気がすまない性格なので別に相手にされようがされまいが別段どうでもいいのである。言いたいから言う。シンプル)
        (返事も相槌も、ため息すら返ってくることはないと思っていた。だからこそ、ぽつりと呟いた一言に少々驚いてしまった、声を聞いたのも久々だったような気がした)
        な、なんだよ…肉?肉ってこれか、不味いぞこれ。欲しけりゃ好きに食えよ!オレはもう寝る!(食いかけをブン投げた)
        (床で寝たほうがマシなんじゃないかと思うほどゴツゴツとした壊れたソファに寝転がる)
        (どうでもいい。反応が欲しかったわけじゃない。何も求めてなどいなかったわけだし、だからこそ、なにか引っ掛かった。)
        (同時に、幼馴染とは言ったものの年齢差もあってほとんど何も知らないも同然のこの男を探ってみようかとも脳裏に浮かんだ)
        (が、別に自分に何の得もない、ということも同時に浮かび、結局それ以上何も言わず、ソファで丸まったまま浅い睡眠へと誘われた) -- ランコ 2013-10-16 (水) 00:30:36
      • (そして不毛な、闇に言葉を投げかける馬鹿馬鹿しさに苛立ち眠りこむ嵐子を端に見て、またいつもの通り)
        (自分のやるべきことをこなすのがいつものこと…しかし、今日は違った。ユウと、ヨイチに出会ってから)
        (思い出す、残滓が、確かにあったものが…懐かしさと、暖かさを伴って蘇ってくる。確かに今もあるそれが)
         
        (ただ投げ捨てられた肉を。あの時は投げられた肉すらも飛んで食いついたことを想いだし…肉を手に取り、口に含み咀嚼する)
        (味を思い出す。あの時は焼肉に使えるタレを右から左に買ってとにかくかけた)
        (全部混ぜたら不味すぎて鼻から噴きだしたのさえ、思い出して)
        …不味い
        (味のない不味さからくる別の不味さの思い出をかみしめ、つぶやいた)
        (注文書にただいくつかの焼肉のタレを書き加えて…) -- レナート 2013-10-16 (水) 00:44:36
  • (廃墟の一室へ帰ろうとしているレナートに立ち塞がる様に、1人の男が路地の闇から現れる。)
    (その男は実体があるにも拘らず、まるで幽霊の様に闇から現れる寸前まで、気配の一つも見せなかった…かつてのレナートと同じように)
    …久しぶり、になるんスかね… -- ヨイチ 2013-10-15 (火) 00:28:11

    • (男は応えない。ただ闇のように、沈み込んだ黒い一滴のように漂う)
      (返事もせず、その薄暗い死んだ目でヨイチを見返す) -- レナート 2013-10-15 (火) 00:41:52
      • かつてはその人ありとまで言われたあんたが…地に堕ちたもんだ…
        (底知れぬ暗黒の如きレナートの視線を受けてなお、男は微動だにしない)
        …変わっちまった、本当に変わっちまったよ、あんたは… -- ヨイチ 2013-10-15 (火) 00:50:44
      • (たった一年が…一年もの歳月なのか。人の心も立場も変えてしまう時間なのか)
        (それとももっと前から変わっていたのだろうか…俺は思い出せない)
        (かつて共に戦った、共にいた、隣にいた、背中にいた男を前にしても思い出せなかった)
        (いつ俺達は変わってしまったのか…)
        (ヨイチの言葉が、虚の闇を静かに引き込んでいく) -- レナート 2013-10-15 (火) 00:57:37
      • (まるで人形を相手に話しかけているかのような有様に、つい舌打ちが出る)
        (感情を出さない普段の彼を知っている者なら、大層驚くだろう)
        ボスは…劉の親分は近いうち、本格的に街を牛耳るつもりだ。
        他所から来た組織が複数、これだけ長い間幅を効かせてりゃあ、地元民としちゃいい気分じゃねえだろうしな…
        一時期はマフィアの奴らが抑えていたが最近はそれも上手くいってねえ
        断言する、これからでかい抗争が起きる…あんたは、どうするつもりだ
        死んだようにそうやって生き続けるのか?それとも俺達の元へ戻るのか?(答えろ、と脅迫じみた殺気を放ちレナートを睨みつける) -- ヨイチ 2013-10-15 (火) 01:07:43
      • (それでもただ、ヨイチの言葉を聞く)
        (否定も肯定もない。かつていた組織の現状と未来を聞いても)
        (男に未来はない。未来はもう、ない。ただ今があるだけ)
        (男は揺らがない。闇の中にある影は揺らがない。陽炎の如く揺らぐことはない)
        (殺気が流れてもただ、男は応えない)
        (ヨイチは知っている。いや承知している。組織にいるから。組織の男だから)
        (レナートも知っている。承知している。組織にいたから。組織の男だったから)
         
        (裏切り者にあるのは、死あるのみ) -- レナート 2013-10-15 (火) 01:15:34
      • …見ていられねえな、昔を知る身としちゃあ…(そう言い終わると同時に、袖に隠した拳銃を取り出し、レナートへ狙いを向ける)
        あんたは、一年前のあの時死ぬべきだったんだ…それが劉の親分にとっても、あんたにとっても…
        そして俺にとっても、一番幸せな結末だった(そう言うと、引き金に力を込め…) -- ヨイチ 2013-10-15 (火) 01:19:24
      • (ヨイチにとって以外だったのは、いや期待していたのだろうか。ヨイチの拳銃が出れば銃はレナートの手に握られていた)
        (向けられれば銃を向けていた。引き金が引かれれば引き金を引いていた)
        (熱が、交差する)
        (それは死人の残滓だろうか。それとも…)
        (路地の闇に、冷たさが戻る) -- レナート 2013-10-15 (火) 01:27:29
      • (銃声は1つ、傷は2つ。一つはレナート、その頬を掠めるように、銃弾が傷つけた跡が線を引く)
        (もう1つは、男の頬。鏡合わせの様に、レナートと対照になる位置に、やはり銃がかすめた赤い線が引かれている)
        (一瞬の静寂の後、時が動き出し頬の傷から流れる血を、手の甲で男が拭う。銃は既にしまわれていた)
        …まだ、牙までは抜けてねえってことか…
        (どこか安堵した様子で、男は拭った血を舌で舐めとる) -- ヨイチ 2013-10-15 (火) 01:32:00

      • …ヨイチ
        (闇に消えていきそうな声でただ一言。名前を呟いた)
        (友、弟分、仲間、家族、そんな言葉では伝えられない名前が闇に消える)
        (続く言葉も、闇に吸い込まれ。ただ名前だけが残った) -- レナート 2013-10-15 (火) 01:42:21
      • (そのレナートの一言を聞くと、レナートに背を向ける。まるで今の自分の表情を見せたくないかのように)
        …消えるなら消えろ、だが、もしこれ以上この街に留まるならその時は…
        その時は、組織の掟に従い…あんたを消す。
        …次はねえと思ってくだせえ、レナートのアニキ…
        (覚悟が、理由がないなら逃げろと、忠告にも聞こえる最後通告を背中越しに伝えると、男は姿を闇に溶け込ませた)
        (後には静寂が残るのみ) -- ヨイチ 2013-10-15 (火) 01:50:44
      • (闇の中、男の声はどこにも響かない)
        (誰にも聞こえない、誰も聞こえない。誰にも届かない)
        (男の信念は届かない) -- レナート 2013-10-15 (火) 01:54:32
  • (星一つない夜、月明かりさえこの悪所には届かない)
    (だからどうした、と開き直るに足るだけの光源がここにはある あるにはあるのだが、それは表の通りに限った話だ)
    (案内役の巡査を先に帰らせ、ドブの臭いのする路地裏から路地裏へと、都市の静脈瘤を結ぶ毛細血管をなぞり歩く)
    (ふと何者かが五感に割り込んできた気がして、ぽっかりと口をあけた闇の深みへと目を向けた) -- マリウス 2013-10-14 (月) 23:29:42

    • (男はそこにいた。ただそこにいた。闇の中にただ沈み込むように、ただそこにいた)
      (闇と同化した男がそこにいた。穢れた闇が、そこに沈んでいた) -- レナート 2013-10-15 (火) 00:39:18
      • (目が慣れてくればおぼろげに輪郭が浮かぶ 影の中にたゆたう姿がこちらを見返すでもなく佇んでいた)
        人を探してる 幼馴染でね、俺もよく知ってる男だ そいつは空のてっぺんを追われてここに来た まるで天使みたいな野郎さ
        その男は今も地獄を抜け出せずにいる クソッタレな目をしてここいらを這いずり回っているそうだ 心当たりはないか? -- マリウス 2013-10-15 (火) 00:52:19
      • (拒絶するわけでもなく、頷くわけでもなくただマリウスを見ている。ただ黙ってマリウスの語りを聞く)
        (ただただそこにある闇のようにマリウスを眺めている。闇と一つの男が、マリウスを見ていた)
        (何も応えず、何も聞かず。何も問いかけない。ただ、そこに…) -- レナート 2013-10-15 (火) 00:55:21
      • …ああ、そうかよ(落胆も憤りもない 生ける屍の様な男だと聞いていた 事実が事実、その通りだったまでのことだ)
        (こちらから踏み込むほかないのだろう リスクをとって得られるものがあるのなら、喜んで犠牲を差し出すべきだ)
        レナート! あんたの名だ 忘れちまったんだろ 思い出させてやるよ、レナート!(その姿は抜き身の刃にどこか似ていた)
        (油をたっぷり呉れてやった銃器の様でもある 今も手入れは怠っていないらしい その男に掴みかかる愚を嫌というほど知っていた)
        腑抜けた顔しやがって 今のあんたは三下の悪党だ! 向こうで油売ってるやつらと同じ一山いくらのケチな野郎さ -- マリウス 2013-10-15 (火) 01:14:46

      • (言葉もない。瞳もない。意志もない。闇にはただ虚無だけが佇む)
        (男には刃も、銃弾も通じない。男は死んでいるから。男に未来はない。死んだのだ)
        (この場所にいるのは、この場所に未練があるからなのか)
        (思い出せずにいる) -- レナート 2013-10-15 (火) 01:25:38
      • (平坦なコンクリートの壁に向かって拳を叩きつけるかの様な徒労感を味わっていた 手を緩め、突き放した)
        そんなに悔しかったかよ あんたの大事にしてた玩具は大哥に取り上げられちまった だからどうした? お笑い種だな
        ご自慢の商売道具も取り上げてやろうか どうせ後ろ暗い代物だろ あんたは伝説だった そう聞かされてる
        こいつの線条痕をほしがる物好きも大勢いるだろうな 理由なんて他にいくらでもみつかるさ(無造作に手を伸ばして) -- マリウス 2013-10-15 (火) 01:43:23
      • (その手が触れることはなかった。男はするりと、マリウスを通り抜けて歩きはじめる)
        (音もなく、ただ闇が濃くなるように。闇から闇へ渡る様に歩いていく。)
        (ただただ歩いていく) -- レナート 2013-10-15 (火) 01:49:05
      • 一年前の事だ 俺はまだ向こうにいた 出先であんたら二人がやらかしたと聞いた 大勢の血が流れたともな
        あんたには聞かなきゃならないことが山ほどあるはずだった それがどうだ? 当のあんたは死人同然じゃないか
        無様だな、レナート! 俺の知ってるあの人は、レナートの兄貴は本当にくたばっちまったらしい 悪党には似合いの末路じゃないか
        (その男にはいかなる声も挑発も決して届きはしない そうと知りながら声を張り上げるしかなかった ゴミ溜めの底で一条の呼気が白く立ちのぼって行った) -- マリウス 2013-10-15 (火) 02:01:20
      • (空気の冷たさも、一月の寒気も。白い吐息すらも消えゆく中で男は歩く)
        (変わらず、変らず変えず歩き続ける)
        (崩れた店の前で、瓦礫と化した店の前で止まり、みつめる)
        (欠けた肉屋の看板が時間を感じさせる)
        (ここは17番街。かつて栄えていた掃き溜めの街)
        (今は未来なき過去の廃墟) -- レナート 2013-10-15 (火) 02:06:19
  • レナートのアニキ、劉の親分がクソコテ化しそうなのでとりあえず雑魚送って本人か確かめとくわー
    ってなだめときやした…そんなわけでモブザコでお邪魔してもいいですかね… -- ヨイチ 2013-10-16 (水) 23:17:38
    • はい。なんで四星にいないのかわからない黒ずくめの暗器使い剣豪で一人遊びしようかなとかひどいこと考えてた私だ
      来い! -- レナート 2013-10-16 (水) 23:19:24
      • やったーかっこいー!!それじゃあ頑張って殺されにいきやすね!
        あ、食い残しは使えない奴め!って俺が処分するんで大丈夫です -- ヨイチ 2013-10-16 (水) 23:20:46
      • 「錨…」「お前とこうして話すのも久しぶりだな」
        とかなんかすごい渋い声で語りかけてくる刀のおっさんとか よーしこいよーっ! -- レナート 2013-10-16 (水) 23:23:44
      • うしとらとか鬼哭街にいたな近いの…あ、連れてる子はどこかのモブ女子なので安心してほしい -- ヨイチ 2013-10-16 (水) 23:29:34
      • 流石ヨイチ、よくわかっている…(1レスで全員叩きのめしながら) -- レナート 2013-10-16 (水) 23:42:17
      • つよい(確信)流石アニキ…そうでなくちゃ面白くねえ…後は厳龍が存在に気付いたこと匂わせたり
        案内がてら乱暴されたモブッ子を適当に助けてもらって終了しよう -- ヨイチ 2013-10-16 (水) 23:53:13
      • これくらいじゃないとヨイチや劉、ユウと戦えないからね…ヘリコプターとかカマキリ蠍男とかおててビットとかはどうしようもないけど -- レナート 2013-10-17 (木) 00:02:27
      • アニキはデスホーラー持ってないしね…夏芽君辺りが近い性能の素敵兵器持ってそうだけど -- ヨイチ 2013-10-17 (木) 00:09:34
      • ものすごいぶっちゃけると俺、死から蘇ったかどうかもあやふやなので… -- レナート 2013-10-17 (木) 00:10:41
      • デモ高層ビルから落ちたらギースだって死ぬし、そこはやっぱり劉の親分かトキオカ的な人がなんかしたんじゃないかなと思うよ
        そしてこれで完了、下っ端の始末は自分の名簿で明日辺りやろう…お疲れ様でした!(極道式のお辞儀) -- ヨイチ 2013-10-17 (木) 00:23:55
      • >ギースだって死ぬし
        あれがギースなら噴く。 やっぱり誰かに何かされてるよね俺。森で呼びつけたら出てくる包帯女とか変な服着せてくるDrTとか
        お疲れ様でした!いやぁ楽しい、楽しすぎて一年で終わりそうなぐらいなんか纏まってる -- レナート 2013-10-17 (木) 00:28:26
    • 邪魔するぜラオウ。(棒読み)なんか楽しく食事しているようだからフロイドを差し向けていいか。 -- 劉 暁明 2013-10-17 (木) 21:43:24
      • はい、そろそろフロイドと戦おうかなと思ってました -- レナート 2013-10-17 (木) 22:10:33
      • それじゃー差し向けるとしよう。(ランコさんゴメンネ) -- 劉 暁明 2013-10-17 (木) 22:13:12
      • たぶん今までやってきた中で最高の食事の時間だったと思う。さぁいくぞフロイドおおお! -- レナート 2013-10-17 (木) 22:39:05
      • おおおおお!!!    【完】 -- フロイド 2013-10-17 (木) 22:48:20
      • 終わるなよぅ!?あとこう、せっかくだし植え替えお願いしてもよろしいでしょうか。 -- レナート 2013-10-17 (木) 22:59:13
      • あ、そうだな。ツリーが長くなると読みづらくなっていけねぇ。植え替えておいたぜ。 -- フロイド 2013-10-17 (木) 23:04:10
      • サンキュー!さぁその戦いを見せてくれよフロイド!!! -- レナート 2013-10-17 (木) 23:12:21
      • おう!! 地獄を楽しみなぁ!! -- フロイド 2013-10-17 (木) 23:14:32
  • お疲れ様でした。いい男だったなぁフロイド… -- レナート 2013-10-18 (金) 00:53:15
    • (誰なんだろうなこいつ…) -- レナート 2013-10-19 (土) 21:08:26
      • 組織には敵が多いからわからないな…… -- 劉 暁明 2013-10-19 (土) 21:54:24
      • 男なのか女なのかもわからないな…しかし死者を蘇らせるほどの人物… -- レナート 2013-10-19 (土) 22:56:30
  • アニキ、明日と明後日使ってリベンジマッチができたらしたいんだが大丈夫かな? -- ヨイチ 2013-10-30 (水) 00:13:44
    • きづかなかっ…すまん、今日は予定空いていたのに… -- レナート 2013-11-01 (金) 23:40:16
      • 木曜は完全に死んでたのもあるが。さておき今週来週開けることも辞さない。 -- レナート 2013-11-01 (金) 23:42:44
      • 風邪ひいて死んでたからむしろそのほうがありがたい…そして俺は一足先に夢の中へ…すまねえ…(すやあ -- ヨイチ 2013-11-01 (金) 23:43:59
      • 時間開いているときでいいので、今後の予定を詰めよう。折角の終盤戦だ…戦おうや… -- レナート 2013-11-01 (金) 23:49:35
    • 最近この時間で既に眠気が酷い…さておき、俺は明日明後日ならいけるぜ!
      もしくは木〜金も可能だ -- ヨイチ 2013-11-03 (日) 23:18:01
      • 鉄は熱いうちにうて…明日明後日でいこう! -- レナート 2013-11-04 (月) 03:31:29
      • いや、今日じゃん… -- レナート 2013-11-04 (月) 03:31:43
      • 帰ってきたので待機、そうか、劉の親分も… -- ヨイチ 2013-11-04 (月) 22:06:19
      • ムクムクッ -- レナート 2013-11-04 (月) 22:29:41
      • 何か生えてきた!? -- ヨイチ 2013-11-04 (月) 22:35:25
      • 危ない寝るところだった。さてどこで戦うか… -- レナート 2013-11-04 (月) 22:36:59
      • こっちの名簿はどうだい、もうこれ以降過去以外動く事も無いから
        アニキのコメント欄圧迫しないし、何より俺の最後だしな! -- ヨイチ 2013-11-04 (月) 22:41:58
      • よっしゃそっちいこう!ジュワッ! -- レナート 2013-11-04 (月) 22:42:31

Last-modified: 2013-11-05 Tue 22:07:08 JST (3824d)