秘密の街トワイライトの本棚堂へ戻る
- ……ここが、トワイライト……。
(いくつもの本が並んだ棚を呆然と見ながら呟く。超自然的な経路により、二人はここへやってきた) ……ええと、ジャック。……ここくるの、当然初めて……よね? -- リル?
- …なんだか不思議な街、としか言いようがないね
魔法と縁遠い僕に道案内は期待しないで欲しい。むしろリルが知ってると思っていたよ (ほぼ中心的建物といっていい本棚堂。魔術師から術者までそれらしい人達が老若男女歩いている) 「今日はウルカ教授の魔術基礎だったなぁ…お前は?」 「マギー先生の呪術概論かな。モシェー先生の魔導美術基礎もとってるからさぁ」 「三番書庫貸出申請のミゲル・ライナー君!ローウェック学院四方魔術科のミゲル・ライナー君!いないのか!」 「第47期研究室申請、68号研究会の公開講義申込者は総合受け付けまでお越しください」 (そしてまた、とかく人が多かった) -- ジャック
- ぱーぱ……じゃなくて、王様から話は一応聞いてたんだけどね、こんな場所だとは……。
(一応魔法使いのはしくれ、言ってる内容はちんぷんかんぷんだが、とりあえずえっちらおっちらジャックを連れて歩く) ええと、外世界の怪物やそれに関する伝承はこっち……みたいね。なんだかおどろおどろしい本が揃ってるわ。 (やがてたどり着いた一角。先の虹の栞を差し出してみれば、蔵書スペースにやってくることができた) すっごい量ねえ……ジャック、あっちのほうから探してみてくれる? 私、こっちから行くから。 -- リル?
- 眠くなるよリル…(まったく知らない分野、特に学術となれば子守唄にも聞こえる)
(しかも視界的にもわからない…見て取れる、聞いて取れる情報を整理できないので無理もないが) (完全に図書館内部を保護者に連れて行かれる子供のような姿でついていけば蔵書の類のところに連れて行かれるが) うん。 読めない…(そう、蔵書スペースに来たもの何が置いてあるか。そもそもわからない) (うん、と返事をしたもののわからない…困った。困ったので…近くにいる人に聞いてみた。) ねぇ、横たわるものについて書かれてる本がどこにあるか知らない? 「ハァ?俺より司書に聞いてくれよ…つっても司書を俺も探してるんだけどよ…どこ行ってんだか全く」 (リルよりも高い背を持つ赤毛の青年は頭をかきながら応えた。ぱっとみた外見では剣士のようだが) 「その横たわるものがなんだかわからないけど存在起源によって分類されている…とかジンに聞いたな」 「俺とお前さんがいるところが異界のエネルギー存在。あそこのお前のお母さん?だかお姉さんだかがいるところあたりは異界の邪念存在だとかそんなだ」 なるほど。わからないね… 「あぁ、俺もサッパリだわ…コロリとかここ入ってすぐ寝たしな…」 (二人はため息を、もう一人は寝息を立てていた) -- ジャック
- (いっぽう、女のほうはといえば、特に外世界の筆舌に尽くしがたい領域に関する本を漁っている)
(もともと百万迷宮は異世界と関わりやすい場所。ましてや、「異形」というモンスターのカテゴリが立派に認知されている世界である) (彼女にとっては接しやすい場所なのか、捗ってはいるが手がかりは見つからないようだ……。と) (ジャックがふらふらと本棚を眺めていれば、ふとそこで一冊の書名が眼に入るだろう) (そこには、「"彼方の領域"とそこより来たる異形に関する考察(examination to Dealkyr for the Xoriat)」と記されている) -- リル?
- 「俺の方も探してるのはこんなもんだしなぁ…」
(『彼方よりの接触:確証たる存在』という本を取りふらふらと見せる赤毛の青年) うーん…うーn…これかな(と、その本を取る。両脇には『流星の彼方』『赤き惑星より来たりて』などがあったが…それを選ぶのは、勘か。内なる存在の呼びかけか) 「ま、見つけたらおねーさんだかなんかに聞いてみな。お前よりわかるだろたぶん」 うん、ありがとう 「何もしてないけどな俺、そんじゃな」(小さく手を振って出口に歩いていく青年を背に、その本を手にリルのところへ…) -- ジャック
- (対するリルのほうは、調査がまだ難航しているようだ。様々な本に囲まれてあれでもないこれでもないと唸っている)
(いくつか手にとった書物ならば、もしやすれば手がかりになるものもあるだろう。だが同時に、ジャックの脳裏によぎるものもあるかもしれない) (彼女が聞いていた言が正しいのだとすれば、"横たわるもの"は彼女自身の出生に関係している) (つまり。その手に持った書物のどれかにあるだろう手がかりが、そのまま彼女にとっての劇的な情報になり得るということだ) (もしかすると、それは彼女を愕然とさせ何がしかの変化を与えるに足る「残酷な真実」かもしれない……)
うーん、これも違うわね……あら、ジャック? 目星つけてくれたの? (本と格闘していた女が顔をあげる。確かめることなくこれらの書物を渡すか、それともわからないなりに一度精査してみるか) (どちらであれ彼女がその情報を知る必要があるのは確かだが、どうするかはジャック次第だろう) -- リル?
- (『異界文書』『サエラ書 異形一覧現代訳』等も抱えてリルのところへ)
(しかし。そうこれはリルの出自とも関係あるものではないか?) (以前喫茶店で自分が口にしたそのものの話。そのままの推測された話) (異界のモノと一括りに漠然とイメージしていたが…今、この本棚を見れば) (いや、陳列されている本を見ればわかる。中身を見ずとも背表紙の文字や雰囲気…) (そも棚が纏う空気がおかしい。本を運んだ先にいる…目の前のリルとはかけ離れた世界と感じたほどに) …全然。わからないから、いくつか持ってわかる人に手伝ってもらうよ。 (そのまま渡すつもりが躊躇われた。読めない自分、わからない自分) (しかしリルはわかるだろう。わかるから彼女だけ何か…それ、だけ彼女だけ知るということはいけない気がした) (ただ、冷たくうねる金属板を上から押し付けるような…そんな) また後でね (すぐ傍にある適当な本『邪悪な想念 邪念の潮流』を手にとってまた抱えて積んで) (閲覧スペースに向かった。先には何か栞を首から下げた女性が数人いた) (蔵書整理、手伝い、管理や検索手伝いまたは閲覧に関して利用者を手伝うホムンクルス) (蔵書について聞けば場所を、本を持っていけば概要を伝えてくれるだろう) (そうとはまだ知らないが、なにやらここの人間らしいので聞くのが速いだろうと…) -- ジャック
- (結論から言えば。"横たわるもの"とは、本に記されていた通りの異形の存在……すなわちこの世の「外」から来た存在であった)
(ある文献においてはR'ut-sahという名……発音に従えば、ルツサフ、ル・ツァフ、ラゥトサウといったものが表記としては近いらしい。最も頻出していた発音表記は、ル・ツァフである) ("それ"は燃え上がるような触腕を備えた怪物であり、しばしば紫色の炎、あるいは紫色の粘液を備えて現れるという。この特徴は「落とし子」のそれと一致する) ("横たわるもの"、ル・ツァフは、しばしば様々な世界に影響を起こしていた。その一つ、リルが以前語った迷宮世界のものも存在している) (問題はここからだ。ル・ツァフは異形……多くがこの世の"内側"にいる人類やそれに近しいものたちでは理解しがたい知性を持つのに対し) (ル・ツァフは貪欲であった。"内側"を侵し、おのが権能を示すことに強い興味を抱いていたのだ) (数々の書物が注意深く秘密めいて語るところによれば、"それ"は様々な世界で様々な影響と研究を残した) (「簒奪されし魂の書」の編纂。"地底をまどろむもの"の拘束、<鈎爪回廊>の崩落……) (ジャックには聞いたこともない様々な世界での災厄と悪しき探求。その中に、こんなくだりがあった) ("横たわるもの"は己の影響力を更に強めるため、自らの狂気に傾倒した「しもべ」達よりも強い力……まさに血肉を分けた「落とし子」を求めた) (しかしル・ツァフの実態はあまりにも異形的であるゆえ、"内側"にそのまま顕現することは出来ない。その霊性を強く保ったまま「落とし子」を生むには制約が多すぎたのである) (ある世界……天地が迷宮によって覆われた厄災の世界において、ル・ツァフは「深人」と呼ばれる存在の一柱として君臨し、「しもべ」を増やした) (「しもべ」達はル・ツァフの啓示がもたらすままに探究した。彼らの行いはあまりにも非道であり、唾棄すべきものであったため、彼らをそのまま示す名で呼ばれることさえもなくなっていく) (「しもべ」たちが、迷宮の闇の奥で学び、究め、求めたことはひとつ) (すなわち、ル・ツァフの「落とし子」を生み出すための方法と実践である。そのために必要とされたものは) (魔物と魔物、あるいはそれに近しい人間とを掛けあわせ生み出されたもの。"合成獣"であったという) (「彼ら」はいくつもの実例を生み出した。【単眼鬼】の膂力を持つ燃え上がる魔神。時間を"めくる"力を持った不可思議な写本の精。そしてたとえば、そう) (石化の魔眼と魅了の力を併せ持った、げに奇妙な"合成獣"であったり) -- リル?
- (要約すればこうである。)
(ラヴェートは異形の邪悪な存在が己の力の拡大のために造り出したものであり) (リルもまた、同じくしてその邪悪な存在の落とし子として造ったもの) (今まで告げていた、冷たい予想から事実へと変わる) (しかし、これはあまりに冷たく、そして) (沸きだす 思考 覗く 刃) (リルを□す) (□さねばならない) (ラヴェートと同じリルを□さなければこの世界にル・ツァフがより浸食し) (だからその前にリルを□さねば、おそらくラヴェートのように無限に再生することはない) (生まれが生まれの合成獣ならより容易く□せるはずだ) (なぜなら私は人類の敵と戦うものだから) (しかしそれは────) 「大丈夫ですか?」 …うん。大丈夫。ありがとう。 (こんな短い間だったのに、すごい時間話を聞いていた気がする。) (ひどく気分が悪い。深呼吸をして、顔色も呼吸も整えた。) (ホムンクルスに礼を言い、先ほどの一冊以外は元の場所へ) (そして、その一冊を持って再びリルの下へ…向かい、差し出した) あったよ、本。 -- ジャック
- ううん、ていうかなによこれただの絵本……え? あ、本当?(ふっと顔を上げ)
(ジャックのいつもどおりの表情を見れば、それが逆に違和感になった。顔色も、呼吸も、整いすぎている) (あまりにも完璧な表情。声音。それはまるで、自分に対して真意を曝け出すまいとしているような) ……ジャック?(不安になって名前を呼ぶ。無意識に手が伸びかけて、はっと我に返ると、さまよわせた手を本の上に載せた) 本、持ってきてくれたのね。……なんかおどろおどろしい装丁ねえこれ……ま、そのほうが手がかりになるか。 (ありがと、といつもどおりの笑顔を浮かべて受け取れば、慎重にその内容を精査し始める) (真剣に内容に没入する様子に、戦意や警戒の色はない。ただでさえ静謐とした環境ならば、まさに絶好)
(絶好の機会? 何にとっての?) (……その答えは、ジャックの心が知っているだろう) (それを答えとするか、否か。その選択の権限もまた、ジャックの手の中に) -- リル?
- うん(そう。本当である。この絵本に書かれているだろうものは…)
(顔色も呼吸も体が整う。真意を明かさない?違う。これは"いつもの"通り) ("パブリックエネミーを狩る者としての"いつもの姿。リルには見せたことがない姿) (リルに見せている姿とは同じであるのは、馴染んでいるから。己と、己の素と…) ラヴェートのことを調べているんだから、そうなるよ (同時にリルのこともである。この悍ましい、邪悪な絵本に描かれた邪念が生み出した存在) (ラヴェート、そしてリルである。注意力がそれている。) (□るには絶好の機会だ) (武器は持ち込めないがそれでもエフェクトの力と手がある。) (幸いラヴェートと違って形は人間だ。喉か、差し込みを狙って入れればすぐに□ぬだろう) (無拍子で出来る。ページをめくるその一拍子の隙で□せる…無防備) (そう) (ル・ツァフが造り出させた合成獣を殺すには絶好の機会である) (ラヴェートと同じ。人類の敵である邪念存在が造り出した合成獣の命を狩るには絶好の機会である) (それはしかし) (アイドルとして活躍するリルを殺すことであり) (歌で繋がった人を救えたことを誇りに思うリル殺すことであり) (その自身の行いに。魂になんの邪悪さも、邪念もないのに) (全てル・ツァフが悪いのにラヴェートに狙われたり生まれを知って辛い思いをするだろうリルを殺すことである) (リルは何も悪くないのに) (何も悪くないのに) (差し込む抜き手から、拳を固め…読み終わるまでただ見守る) (今すぐここから逃げ出したくて仕方がない) (でも待つ。何を?待つ。リルを、待つ…待つ) (どうすればいいかわからなかった。こんなこと誰が教えてくれるっていうんだ) -- ジャック
- (結局のところ。答えとは用意されるものでもなく、与えられるものでもなく……自らの手で得るものだ)
(ジャックは「殺さない」という選択肢を、答えを取った。握りしめた拳の中に手に入れた) (リルはどうか)
……う、そ……。 (その衝撃と愕然は、可能性によってはありえない遭遇であった。それがもたらされたことが幸福かどうかは、後になって考えることだろう) じゃあ、私と姉さん、グウェスタ、は……。 (しかし彼女もまた答えを掴んだ。震える手で頁をめくり、困惑がありありと分かる表情で、それを知った) (そこには己の出生に関わる邪悪と、狂気に対する嫌悪感、そして恐怖がただあるのみであり) (まるで大海に身を擲たされた幼子のように頼りないもので、【人類の敵】どころか、この世の全てに敵対されていると不安がる赤子のようなものだった)
……っ(縋るようにジャックを見る。しかし、この少年にそんなことをするのは酷だと、人として育てられ培われた彼女の情緒が言っていた) (困惑した表情のまま、本を閉じる)
……あなたは、これを……読ん、だ……の? (舌の根が張り付くような感覚がした。表情には、だれにでもいいから縋り付いて慟哭したいという不安と、しかしそれをしてはならないという気丈さが、互い違いに現れて混じり合っている) -- リル?
- (殺せなかった。殺さなかった…複雑に折り合いながら結果は同じであろうとも…混ざる)
(それは。それだけはしてはいけないと…わかるから。内なる誰かと…自分の中にあるものが) (恐怖。怯える瞳と絶望といっていい瞳がこちらを見た) (いや。見えていないのかもしれない。見えているのは…闇しかないのだと) (そんな目だった) 読んでもらった。だから渡した。 (これから断頭台に囚人を上げる処刑人の如き宣告だったかもしれない) (お前は、人類の敵…世界の敵なのだと。俺は知った。知ったから見せたと) 調べることは調べたし、帰ろう (いつもの通り。その言葉で告げた) -- ジャック
- ……ま、待って……。
(圧倒的な恐怖や真実に直面した時ほど、人は不思議と明晰に事態を理解する) (リルはふらふらと、手に持った書物の貸出のための手続きを行い、判然としない表情のまま戻ってきた) (非日常にまどろむ思考で日常的な動作を行う、そのあべこべの仕草が、彼女の現在の心境をよく示している)
……ごめんなさい、少し時間をちょうだい……。 (トワイライトを去る間際、ジャックに与えられた言葉はそれだけ) ……それと……。 …………ありがとう、ジャック……ごめんなさい。 (その感謝の意図は、おそらく彼女自身にさえわからなかっただろう) (去っていく彼女の後ろ姿は、その背丈とは逆にか細く、頼りないものだった) -- リル?
- (おぼつかない、受付の人さえも心配するほどの顔色で行う一連の流れ)
(そんな姿を隣で眺めながら、考える。どういえばいいか。励ます?慰める?何を言えばいいのか) (別れ際。そんなことは知れていたが…いや察せられたが。) (告げる言葉と。背を向ける姿が時間を縮めているようで早い。) (何か言わなければいけない…そんな意識に急かされて) リルはリルだよ (自分でも当たり前のことをなんで、と思ったが) (それが咄嗟にでたのだからそうとしか言えなかったのだろうか) (消えそうな去りゆく背中をずっと見て、見るしかできず) (街に戻れば帰るしかできなかった) -- ジャック
- (からからとカートを引いて現れる)・・・此処がそうですのね・・(きょろきょろと見渡す) -- マギー
- あぁマギー先生お待たせして申し訳ありません(書類束の入ったケースらを運んだワゴンを読書室に運んでいたのか廊下の方から声が向けられ)
今行きますので少々お待ちを…とっとと… -- ウルカ
- あぁそちらにいましたか・・(振り返るように顔を向けて)
ふふ、焦らなくとも結構ですよ?・・(くすくすと微笑んで) -- マギー
- いや申し訳ありません、四大元素と四精霊に自然哲学の本を改めて整理していたもので…
太古の獣を蘇らせた琥珀の錬金師ヴェリルが記した『宝玉の棺』が別の棚にあって探すのに手間取ってしまったので…お待たせしました 本棚堂へようこそマギー・フレイザー師。それでは…あぁえぇとまだ掃除の最中でなんですが読書室へ(扉を開けたままの一室を指し) -- ウルカ
- ふふっ本はキチンと元の所に戻しませんとね・・・戻す時は何処かに集めて、誰かが一括して管理したほうが良いかもしれませんね
えぇお招き戴き光栄ですわ・・(膝を曲げて優雅に礼をして)・・・えぇ・・・(示されるままに読書室に向かって) -- マギー
- えぇ、ここを借りる条件のうちで蔵書の整理も含まれていまして。他にも在籍している人に手伝ってもらって管理機能を仕上げているところで
(時折通る魔術師風の生徒のような若年層が廊下を行き来し雑談をしたりワゴンを押している姿が見える) (招くと読書室と札が付けられた部屋を紹介する。中には本棚が壁のように部屋を囲み、大机が一つ。書斎用の机が一つ備わっており…) 場所が場所ですのでお茶を出すことはできませんが、ご容赦を(椅子を引き席を促すと向かいに座った) -- ウルカ
- ふふっ借家は大変ですわね・・・(学生たちの姿を懐かしそうに眺めて)
冒険者の街では無くわざわざこの街を本拠地に選んだのは・・・此処が彼らのような人間の集まる場所だから・・・ですか? 構いません・・ふふっ面接でもあるのかしら・・・(どうしましょう緊張しますわところころ笑いながら促されるままに席について) -- マギー
- ですが皆…僕も含めてですが熱意は沸くごとし。勉強したいという熱心な人が多く門を叩いています。
もちろん、その通りです。こと術や霊知識、精神知識を求める人は集まり…最近のこの街の傾向もあって活気が溢れています。 ホーキス地方にある魔術学校だととある1クラスがここに丸々所属したいと来ていたり…この界隈でも結構話題になっているもので、日を追うごとに来る人が増えています いえいえそんな、面接なんて。マギー先生はこちらからお誘いした人ですし…それに何を専門にされているか、何に造詣が深いかこちらも把握しています。 先生の術は呪術。しかしその術は知識として体系化される前のもの。人を選ぶものですし、もちろんできる人間も限られているもの。 ですからこそ、ここでその知識を広めてほしいとはいいません。是非ここに空いている本棚を埋めるがごとく。貴方の知識を本として納め、開き記していただきたい。 (懐から一枚、虹色の栞を取り出して差出し) これが我々が知識を知り、深めて行きたいというものたちの証。虹の栞です。 ご記名いただければここの身分証明にもなり、蔵書の貸し出し許可や研究の申請にも使用できます。 -- ウルカ
- なるほど道理で・・・来る途中に拝見いたしましたが・・活気と知性に溢れる町並みでした・・
(こくりと頷き)承知しましたわ・・・僭越ながら誠心誠意、努力させていただきましょう・・・ (差し出された栞をしっかりと受け取り、記名して)確かに・・・(栞を懐にしまう)・・・では先ずは・・最中だというお掃除を手伝いましょうか・・・健全な知識は健全な部屋から生まれるのですわ(少し張り切り気味に立ち上がって) -- マギー
- まだ整理の最中ですが、講堂の方での発表などありますので時間があれば覗いてみるのも。
年齢問わず議論が盛んに行われているときもあって、勉強になりますね。 ありがとうございます。マギー・フレイザー師。貴方が加わって頂けたことを誇りに思います。(深々と頭を下げ感謝を示した) あぁ…えぇとそれでは蔵書量も膨大で、小さい仕事を何回か繰り返し…という方法を取っているんです。 本棚で天まで届く塔ができそうなほどですから… 整理用に持ってきたんですが、錬金術の西方ハイラーグ関係と…南東のキンソウで生まれた聖典術の目録つくりをお願いしてもよろしいでしょうか… こと聖典術においては聖典に使用される文字と発生地域によって思想の分派の違いが著しく… -- ウルカ
- 初日は見学に費やすというのもよいですが・・何かしたいというのが本音でして・・
いえいえ・・私こそ・・・(手を振って) ウルカ様とショーテル様と私と・・・他の方にはお声をかけていらっしゃらないの? それはほんとに多いですわね・・・ふふっ承知いたしました・・・ (目録つくり・・・ただ一口にそう言ってもその形は様々で、やってみると以外に時間のかかる作業だ・・・) (何よりも検索のしやすさが求められる資料である以上ただアルファベット順に並べればよいという訳ではない) (細かなレベルにまでジャンル別にしようとすれば当然の如く内容の把握が必要になるのだ) 細かい部分は後回しに致しましょう・・先ずは何冊あるのかの把握、それから思想形体ごとに分けてゆきましょう・・(そういうと本当にざっくりと未分類の本を並べなおして目録つくりに移っていった・・・) -- マギー
- すいません本当に助かります…中には本を見つけるとまず読んで時間が掛かる人も多くて…
えぇ、魔術師の人を探してはいるんですが中々。敷居が高くなってはいますがそれでも良い人が来てくれればそれで充分ですし 大変な作業を任せて申し訳ありません…目録は記録、その時代に何が記されたかを残す記録になり 編纂した人が歴史に名を残すくらいで…あぁ、はい。そのようにお願いします… 内容を読んでからの精査は時間が大変かかりますし。最初やろうとした人は一週間で諦めてました (マギー・フレイザー師のような分類から始めて精査をする、というのがやはり一番だろうと。書類束に記録をつけながら目録つくりを手伝いつつ四元素錬金術の絹本が収録されたケースを棚ワゴンに挿入していった…) -- ウルカ
- ……フムン、ここか。(ぎぃ、と音を立てて開かれた扉、立っているのは少年国王とその《配下》たち)
"知られざる知の都"、"知恵の神ボカブの別荘"、"アイウーンの避暑地"……噂に聞いていたトワイライトが存在していたとはね。 さて、聞いた話が確かならここにはウルカくんがいるはずなんだけど……。 -- ショーテル?
- 探究者のオアシス、というのは流布されたような低俗なイメージがありますが…
ようこそショーテル君。貴方が知識、こと術を求めてここに来るとは思っても見ませんでしたよ (失礼。と本が詰まれたワゴンを押していた手を止めて同期の学友を出迎えた) -- ウルカ
- ごきげんようウルカ君。いや何、僕もこの頃、魔術の智慧を必要としていてね。それも一つではない、深遠までもを。
元学友のキミの顔を見るだけならいつでもできる。もちろん、ここに来た以上は相応の意味を持っているつもりだ。 (ワゴンに目をやり)「元素魔法の行使におけるジンとの契約方法」、「龍の目の書」、「ディヴィック・ルーン目録」か。噂通りの蔵書量だね。 -- ショーテル?
- 深遠までも?中々貪欲な王様ですね、付き合う家来も大変でしょうに(軽く配下の方々をねぎらいつつワゴンの中の本をとる)
「金剛麗祭の書」、「遥かなる空世界」に「ディーヴァ・デイルータ白書写本」など中亜大陸の蔵書も埋蔵されていますよ ショーテル君、貴方ならそう言ってくれると思っていました。寄り合いの場所…読書室に行きましょう。 立ち話もなんですからね(そのまま通りすがった他の女生徒らしき人に荷台を任せて) -- ウルカ
- ほう? たしか、「遙かなる空世界」といえば、"火の天使"が人類に与えようとした天呪の一部が記されているという?
著者であるガル・イッサーの塔もろとも地上から失われたと聞いていたけど……なるほど、興味深い。 (同じく女生徒に会釈しウルカに続く)いやはや、知的探究心を擽られる場所だね、ここは。 「生命は原初の海より生まれ、知の泉へと還っていく」とは、翡翠の魔術師・ランザックの言葉だったかな。 -- ショーテル?
- 一般では眉唾と言われていますが天呪も立派な術。遥か昔、人類が知を手に入れてすぐの時代の「アーガ文書」でも類似する記述が見られたと古魔導協会のリーエン教授も言っています。
もっとも人が天呪を解明したとき地は再び裁きの炎に包まれると聖堂教会のコウファ枢機卿が茶々を入れてますが 「知の泉は母なる胎を離れた人類の寄り辺」とも言われていますね。銀の園芸師ファーメイの「蒼き人」の前書きでしたか (と、雑談を交えていれば読書室と呼ばれた本棚に囲まれた部屋に招かれる) さぁどうぞ座ってください。お茶をお出しすることはできませんがご容赦を -- ウルカ
- "翼の"大聖堂で前黄金歴382年に行われたという、天魔評議でのくだりだね。それについては僕もこちらの文書を漁っている時に調べたよ。
アーガ文書には確認されているだけで15の偽書があり、リーエン師がその論拠としたのは「七の紙片」だった。それが枢機卿の怒りを買ったとも言われている。 ちょうど、「蒼き人」とその副本である"マルコニス暦書"の第五章でも、この事案は触れられていたかな。 僕としては彼の提示した、「七の紙片第18節における天呪の危険性を煽る記述は聖堂教会の自作自演である」という説を擁護したいところだね。 (そうこうしているうちに、促された席に腰掛け)さて。そろそろ、僕が最も求める智慧についてキミに話しておく必要があるかな。 -- ショーテル?
- 天魔評議の問題は今にも続いていますからね。聖堂協会との確執もまたこの街の生まれた理由ですし…
「砂漠の塔」の著者リッケルハイン師が記した「至上の金 天の雨」に書かれた「聖堂教会は既に天呪を解明しておりその秘匿隠蔽のため天魔評議を開いた」というのも捨てがたいですね。彼は破天荒でしたが明快で快男児とも呼ばれてましたし。 (自らも席に腰掛けると早速書類を手に) えぇ。迷宮の王が何を求めてきたか是非お聞かせ願えませんか -- ウルカ
- まさにそのリッケルハインの著書も、僕が求めているものの一つさ。彼は百万迷宮に来訪したことのある魔術師なんだ。
前に話したとおり、百万迷宮において現在、魔道の三大学派とされているのは科学・召喚・そして迷宮学の3つだ。 僕はそのうち召喚術に関して、国に依存してはいるもののおおよその術式を把握、行使できるていどには勉学を重ねてきた。だがここにきて、迷宮学を学ぶ必要が出てきてね。 それも、こちら側の迷宮にアクセスするためには、こちら側のアルゴリズムを知らねばならない。ただ百万迷宮の学を齧るだけでは、満たされないのだよ。 -- ショーテル?
- 冒険好きと噂されていただけはありますね…ふむ…話を整理しているところですが
その、単純なことで申し訳ない。 こちらに迷宮ってあるんですか?いやそれともこちらの世界を迷宮として捉えているのか…? -- ウルカ
- こちらにもあるよ。百万迷宮の、世界そのものが迷宮に変わっていく呪いは、世界の枠を超えて進行を続けているからね。
こちら側の魔道を知り、迷宮学を極めれば、大地から壁を生み出し、空を天井で覆い、罠や怪物を自在に創りだすことも出来るだろう。僕の目的はそんな利用法ではないけれど。 とにかく噛み砕けば、僕はそのように「自分でダンジョンを構築、制御する術法を学びたい」ということだ。そのためには迷宮にある資料だけでは足りない、わかるかい? -- ショーテル?
- えぇ。足りないところを補っていただく形になりました。
世界が違えばまた世界の理も違う。つまり、迷宮学…こちらでの法則に従った迷宮学を学びたい…と いうことでしょうか。しかし世界の理を学ぶとなると大変ですね。いえ、ショーテル君の世界の…百万迷宮の迷宮学を基礎にすえて変動値を代入すれば不可能ではない…? -- ウルカ
- いかにも。迷宮魔法(ダンジョン・テクニック)の基礎は、ダンジョンの核となる迷核(カーネル)に介入(アクセス)し操作することにある。
迷宮化には複雑なアルゴリズムが存在する。それを理解し、書き換えるためには、いわば「世界そのもの」に対する理解がなければいけないんだ。 それを理解すれば。たとえば僕自身を迷宮化させることで、国からさらに大量の《配下》を喚び出す……といったことも、可能になる。今の時点でも、無理をすればできなくはない。 -- ショーテル?
- アカシックレコードとは行かずとも、たしかにリッケンハイン師の手記や彼の記述や本が役に立ちそうですね
単純な感じ方というのはシンプルに、かつ直接的に世界がどう映るか。どう見えているかを知るすべです。 他にも「一日の世界」を記したピーティン師も世界構造について概念を触れていましたし… 自身を器に世界を呼び出すのは、負担が掛かりますね。 大召喚師の一人に挙げられるイラゾル師は「今我々が住む世界に異なる世界を呼び出せば我々の世界は異なる世界を押し返すだろう。世界と世界は砂の上に砂を積むような危うい均衡で成り立っているのである。」と『鞄の魔術師』で語っていました -- ウルカ
- 「一日の世界」における霊子波動説は実に興味深いものだった。もっとも、あれはいささか単一的に世界を捉えすぎている感はあるがね。
そして"門の戸を掴むもの"イラゾルか……こちら側の召喚術を学ぶ上で、たしかに彼の名を外すことは出来ないな。 師が構築したという三十六の"結道"召喚法、あれもまた、迷宮化を制御する上で役立ってくれるかもしれない。 人体に迷宮化が及ぶと、時折指紋が幾何学模様化したり、最悪の場合体内の構造が滅茶苦茶になってしまうことも珍しくはない。 迷宮化させるだけならば簡単だ。ダンジョンを制御し、目的を果たした時、それを元の形に"解決"するには、まだまだ知識が足りない。 -- ショーテル?
- それでも彼の分派は今でも根強い人気を持っていますね。「霊士壮麗」のサーパス師もまたその一人でしたし
イラゾル師の『引き出し召喚術』は初歩の召喚術読本でもあり結道召喚法の基礎が記述されていました。 彼もまた「煮込みすぎたスープを戻すことはできない。できるとしたら優れた召喚師か手品師だ」とね 迷宮化させて戻すのは至難の業でしょう… さて、それではこれをお渡ししなければなりませんね(とある棚から栞束を取り出すと一枚引き抜き) これが僕ら【虹の栞】の一員である証、知識を求めるものの証。 記名していただければここの通行証明やら蔵書貸し出しの証書、ここでのあらゆる身分証明に使えます。 -- ウルカ
- 「溶け崩れた野菜は、あるいは我らの未来の姿かもしれない。招来や送還を極めたとて、それは召喚魔法の文字通り戸口に立ったという意味でしかない」……と、続けているんだったかな。
一歩間違えればこちら側に迷宮災厄(ダンジョン・ハザード)を持ち込みかねない危険な方法だ。だからこそ、多くを学び、研鑽したいと考えているのだよ。 (そして栞を差し出されればにこやかにそれを受け取り)ありがとうウルカ君、深き智慧の加護が我らにあることを。 (受け取った栞に【王笏】をかざすと、虹色のそれの表面に迷路のような幾何学模様が浮かび、ぐねぐねと蠢き、ショーテルの名へと変化した) これが迷宮魔法の初歩だね。大切に使わせてもらうよ、ウルカ・グランドール(栞を懐にしまうと、鷹揚に立ち上がり) では目的を果たしたところで今日は失礼しよう。僕の国の蔵書もこちらに運び込ませておく、役立つだろうからね。これからよろしく(握手を求め右手を差し出した) -- ショーテル?
- これが迷宮魔法…付き合いは養成校からでしたが、初めてみましたね
僕も実に興味深い、面白い術だと思っていますね。ここまで迷宮という限定的な条件もそうはないでしょう… 蔵書の件、ありがたく思います。まだまだ空の本棚ばかりですからね。人も知識も本も… これからもよろしくお願いします。神聖猫王朝のショーテル(はしと右手を取り力強く握手を交わした) -- ウルカ
- (多くの黒馬車が乗り付けられた。響かせるは、訪問の音。一団、従者は扉の前に立ち、求める) --
- おやおや、ずいぶん大所帯のようですが…(目を通していた本を閉じて椅子から立ち扉を開けた)
ようこそ本棚堂へ。何か御用ですか?(扉は独りでに開かれた。迎えるは銀髪赤眼の男) -- ウルカ
- (歓待の言葉へ応えるように、最も大きい宝飾の馬車が開かれると、一人の少女が降り立った。従者のしつらえた段を降りて地に立つ)
招きのこと、感謝する。風の噂に聞き及び参った。妾はレックス。なんぞ、先触れることは必要であったかな? -- レックス
- (どこかの物好きな貴族か何かかと思い出てきたのは一人の少女。しかしどことなく触れてはいけない匂いはしている)
それは嬉しい限り。私はウルカ。よろしくレックスさん。それでは必要なことを伺いましょう (中に招きいれ椅子を薦め自らも付くと書類を取り出しペンを手に) えーそれでは志望の動機と専門とされる分野があればお願いします。 -- ウルカ
- (勧められた椅子に腰掛けて、従者たちがその周りを固めた)ふむ? ふむ。なるほど。(一瞬、何かを逡巡する素振りを見せた)
知を求める故。専門はそうさな……まあ、哲学とでもしておこうか。 -- レックス
- (彼女の周囲を固める従者達。どこかの権力者なら当然だろうが、逆に安全に思えるのもおかしい話で)
いいですね。実にシンプルです。哲学もそうですね。まず考えることから始まります。 人は常識の上で考えていますが哲学とは即ち常識に対して考えることでもあります。今まで考えていたことは本当に正しいのか?実は違うのではないかと。 しかし…それではただ学会誌を読み、哲学者達の会合に出るほうが常套手段です。 こと知の中でもこの街で、この場所でこそ求めてこそ。この集まりに加わる動機として僕は頷けませんね。 -- ウルカ
- この場所で求めてこそ、か。なれば、この場所で求める故。などとは、冗談であるが。いやさ、冗談でないほうが良いかな?
他に求めることを禁ずるならば、我もこれをもとめる由はなし。などとは、なるものかどうか。 やはり属してこそ、許されることであるかな? -- レックス
- 属する、属さないではなく。ここでしかできないことが大事なんです。レックスさんの言い方ですと
『本を読みたいから入れてくれ』ということだと思うのですが。ここはそも『術者が知識を求めてるので集まり高めあうための場所』ですから。 レックスさんの動機ですと図書館に向かうのが一番です。秘蔵書などが読みたいからと言われましても魔術師らが集めてきたもの そうでない方にお見せするわけにはいきません。 -- ウルカ
- 左様。
して、そうか……どうやら、そなたの言うとおりであろう。然らば妾の在る意味はココにあるまい。なぜなら術者として求めるに非ぬ故。 手間をかけたようですまぬ、ウルカ殿。 -- レックス
- その通りでしたか。
残念だならそのようです。貴方は貴方が求める知識のためにここに来られたわけですから。 知識を求めるものに祝福を、レックスさん -- ウルカ
- うむ。されど互いに知を求めれば、いずれまた見えることもあろう。その時には、また違う言葉を交わしたいものであるな。
(椅子を立ち)ではこれにて。然らば、さらば。(少女の姿は馬車に収まり、馬車群もまた遠く去っていった) -- レックス
- 『本棚堂の表玄関から入り、早速寄り合い所めいた場所に入る男が一人』 --
- 『荷台に乗せた書籍に木箱、紙袋や雑多なものを大机において黒板を掃除するとようやく一息ついた』 --
- 体よく蔵書整理の仕事もさせられている気がしますがそうでもしないとこんな場所借りれませんからね…
最近は司法局も入ってきた魔術師外の人の対応で忙しいですし人手が足りなければこちらからもとか、足元見られている感じがしなくはないのも新興団体の辛いところです -- ウルカ
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