名簿/498177
=絶望までの落差
- 黄金暦247年 2月 --
- (日記には解読不明の、蚯蚓をのたくらせた様な線が延々と続いてる…) --
- 黄金暦247年 1月 -- ルゥ
- 恐ろしい事実を知ってしまった…まさか、僕の働いていた酒場が、違反部活の活動拠点になっていただなんて
年末、僕は酒場内の掃除を任され、一階フロアの掃除をしていた、その途中、急に目眩がしてふらついた僕は、偶々壁のどこかに箒の柄をぶつけてしまった。 最初は慌てたけど、何だかその凹み方が不自然だなあと思った次の瞬間、酒場の壁が開き、地下への階段が出てきた。 下へ下へ降りていくと、そこは僕も知らなかった地下の秘密フロアで、そこでは数人の学生達が話をしていた。 話の内容は謎の怪物騒ぎのおかげで自分達の仕事が捗っている事、売り捌いている観光客や二級学生の質が最近落ちてきている事、派手に動いているので風紀警察内の仲間に少し細工をして貰おうという事…大まかな所ではこんな内容だった。 僕はそいつ等にばれないようにこっそりと抜け出し、酒場へ戻って何も知らない風を装い、その日の仕事を続けた。 幸い扉はもう一度ボタンを押せば締まる仕組みだったし、下にいた人達も別の抜け愚痴があるのか、こちらから出てきてはち合わせる様な事はなかった。 正直、違反部活の事については言おうかどうか迷った…でも、雨宮さんやレジェム?君のおかげで勇気を振り絞り 風紀警察異能犯罪対策支援部へとその違反部活の事を伝える事が出来た。 不謹慎かもしれないが、僕は今とても充実した気持ちで満たされている…こんな自分でも、皆の役に立てる事を、凄く嬉しく思う。 もしこの事件を機に、二級学生の身分から抜けだせたら…僕も対策支援部へ入ろう、そして皆と学園をまも -- ルゥ
- 黄金暦246年 11月 -- ルゥ
- 今日は信じられない様な事が起こった、僕の所にわざわざ人が訪ねに来てくれたんだ。それも二人も!
一人はアルディナさん、凄く大人しそうで綺麗な女の人。後衛同士だって言ってたし、依頼の時が楽しみだなあ。 もう一人はレジェム君…あれ?先輩、なのかな…聞き忘れちゃった、失敗したなあ…。 僕と同じハンチング帽仲間、でも僕なんかよりもとてもかっこいい人。飄々としたところとか、余裕綽々な所とか今の僕じゃとても出せそうにない。 あの二人みたいに、冷静でかっこいい人に、なってみたいなあ…
それにしても、今日は帰ってから特に咳がひどい、何だか体もだるくてぼーっとするし、早く寝てしまおう… -- ルゥ
- 黄金暦246年 10月 -- ルゥ
- いきなりこんなに忙しくなるなんてひどいよ…こんなのってないよ…
泣いていても始まらない、ともかく継続は力なりだ…なのだが、忙殺されていて 碌に出歩くこともままならなかったせいか、日記に書くことが無い…! …そういえば、うちのお店「タイムマシン」なんて変わった名前してるけど、あれは何でだろう… 後フロアも階数だけじゃなくて、各階に名前が振られているし 何だか思い出したら気になってきた、今度お店の人に聞いてみよう…それと、友達づくりもちゃんと頑張らなきゃ… -- ルゥ
- 黄金暦246年 6月 -- ルゥ
- 日記をつけようつけようと思ったまま、気がつけば随分時間が経ってしまった。
この街は本当に様々な事が起こる。楽しい事、辛い事、嬉しい事、悲しい事…目まぐるしく過ぎていくそれらを 少しでも自分の中に思い出としてとどめておけるよう、今度から僕は日記を書くことにした。 それに、書き続けてれば少しは字や文章も上手になるかもしれないし。 今日は素敵な事があった、雨宮さんというクラスメイトと、友達になれた事だ。 それまでも彼女の事はちらほらクラスで聞いていたけど、実際に話してみた彼女は 話で聞いたのよりずっと立派で、かっこいい人だった。 話すきっかけは僕の勘違いからだったけど、こんな出会いがあるなら、偶には早とちりするのも悪くないかも…いや、やっぱり駄目だ。
今日は仕事が何時になくキツかったせいか、少し頭がぼーっとする…早く寝よう -- ルゥ
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