マスター サーヴァント

  •   -- 2014-04-19 (土) 21:33:56
  •   -- 2014-04-19 (土) 21:33:50
  • (長い廊下。飾られた調度品)
    (二人で暮らすにはあまりにも大きな屋敷)
    (こうして外の景色を眺めて見れば、懐かしいはずなのに何もかもがズレていた)
    (窓を開ければ潮風が舞い込んでくる)
    (しかしそれも、何処か昔とは違う香りだった)
    (それもそのはず。彼女が生きていた時代から、既に一世紀以上が経過しているのだから)

    (思い返せば色んなことがあった)
    (初恋。反抗期。故郷を離れて……たどり着いたのはこの街)
    (最初は憧れだった。あの人のように強くなりたくて)
    (それがいつの間にやら、自分が人にモノを教える立場になっていた)
    (邂逅と離別を繰り返して、ついには自分も手番を向かえたあの日)
    (「遺書をつくっておいてよかったなあ」などと、深い傷とは裏腹に呑気な言葉を零したあの瞬間)
    (彼女の生は途絶えた)

    本当なら、私はあそこで終わっているのだなあ……。

    (それが今では、墓から這い出て殺し合いをしているのだから自嘲もする)
    (今この場にいるのは誰のせいでもなく、彼女自身の選択だ)
    (文句を言うべき相手は何処にも存在してはいない)
    (彼女が、彼女のマスターが、それを望んだ時に始まったのだ) -- セイバー 2014-04-16 (水) 01:27:26
    • (その日は月夜だった)
      (今時聖杯戦争に明確な開始時期を問うのもナンセンスではある。であるが、久多良木アクタがこの街に辿り着き、その為の準備を始めたのは早期であった)
      (召喚される英霊の縁となる遺物を用意する事無く、ただ伝えられる儀式に則って行われた召喚の儀)

      素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。 祖には我、呪いの久多良木。   降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ。

      閉じよ。(みたせ)閉じよ。(みたせ)閉じよ。(みたせ)閉じよ。(みたせ)閉じよ。(みたせ)
      繰り返すつどに五度。
      ただ、満たされる刻を破却する。


      (水銀で描いた召喚陣に輝く魔力の光。この時より既に、背の呪印は自身を媒介とする魔術の行使をする上での制約となっていた)

      ─────Anfang.(告げる)
      ──────告げる。


      (体内の魔術回路はそのほぼ全てが背の呪印と直結している。そうが故に、英霊を呼び寄せる魔力の大半を聖杯が賄うこの儀式においてすら、異物感に苛まれる)

      ────告げる。
      汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
      聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。


      (陣が輝きを増す度に、背の薄皮に焼け火箸を差し込まれたかのような痛みが襲う。だが、最早この他に取り得る手段が無しとなれば、どうしてそれに耐えられぬという事があろうか)

      誓いを此処に。
      我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。

      汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ──!!


      (眩いばかりの光が視界を埋め尽くす。膨大なまでの魔力が存在感を以て目の前に立ち現れる)
      (痛みに耐え、やがてその光も収まった頃。月明かりに照らされた英霊(サーヴァント)に、青年は告げる)

      はじめまして、サーヴァントよ。共に聖杯を獲る──
      ──或いは、俺の終わりと為る者よ。

      (月明かりに、二人の人影が照らされていた) -- アクタ 2014-04-16 (水) 02:09:27
      • 気取るなよ、マスター。
        私もお前も、望むべくして殺し合いに身を投じる"人でなし"だ。

        (物々しい甲冑の奥から聞こえてきたのは、意外にも女性の声)
        (ヘルムを外せば結った長髪が毀れ出す)

        私の願いは聖杯の破壊だ。
        お前の願いは何だ?
        一応ぶち砕く前に、それぐらいは叶えてやるよ。 -- セイバー 2014-04-16 (水) 02:28:57
      • ……成程ね。確かに、俺が呼び出したサーヴァントらしい。
        (ヘルムの下、勝ち気さを感じさせる相貌。そしてこの歯に衣着せぬ物言い。少なくとも、メンタリティが隔たれた英霊で無かった事に安堵する)

        まぁ、似合わんだろうが気取っている訳じゃないんだ。
        オマエのソレも中々サーヴァントとしては物凄いがね。それに比べれば俺の願いはありふれたもんだ。

        聖杯への望みは、刻まれた呪いの解呪。それが済むまでは、聖杯の破壊はご勘弁願おう。

        だが、それが若し為らなかった時は……否、その時こそ、きっと。
        オマエが必要になる。

        (黒の蓬髪の向こうの赤い瞳が、サーヴァントを見据える) -- アクタ 2014-04-16 (水) 02:35:42
      • それ程までの呪いか。
        超越者たるサーヴァントを用いなければならん程か。
        ……まあいいさ。もしその時が来れば、私は好きにさせてもらう。
        それまでは、お前のサーヴァントでいるつもりだよ。

        だがね、私を使いこなすのは骨が折れるぞ?
        うちの旦那が保証してくれる。間違いなくね。

        (からからと笑う素振りは、伝承の英傑とは程遠く、人間味溢れたものであった)

        さあ、マスター。命令を。 -- セイバー 2014-04-16 (水) 16:00:16
      • (脱いでいたフードをかぶり直し、快活に笑うサーヴァントに対し肩を竦める)
        英霊取り扱い指南書なんてモンが在れば、ぜひとも欲しい所だ。

        そうだな……。では、自己紹介をしてもらおうかね。
        どの道まだ、何処の組もサーヴァントの召喚なんぞ出来ては居ないだろうし。表立って動くにはまだまだ早い。

        俺の名は──

        (……そして、俺の意識は、現在へと戻ってくる) -- アクタ 2014-04-16 (水) 22:00:39
      • (根城としている屋敷の天井がぼんやりと見える。セイバーが運んでくれたのであろうと見当をつけて、ベッドに預けていた背を持ち上げる)
        (まだ何とか、自分の身体が自分の意を反映してくれる。そこの事に安堵の吐息を漏らす暇すら、今の自分には惜しい)

        (……銀の少女と白のセイバーへの強襲から、どれ程の時が経ったのか? 再度の襲撃は可能か? 敵の拠点は?)
        (刻印弾の残弾、令呪の残り画数、そして何より)

        ──俺は、後どれだけマトモに動ける……?

        (背中を伝う脂汗の不快感。今は、それさえも愛おしい) -- アクタ 2014-04-16 (水) 22:04:55
      • ……やっと気付いたか。
        不甲斐ない男だな、おい。

        (椅子に腰掛けていた女は、主の目覚めに言葉を返す)
        (ぶっきらぼうな口調。彼女は変わらない。初めて召喚されたその時と)

        さて……どうするか。
        何か食べるものでもつくるか……いや、その時間も惜しいか。
        それとも……。

        ……止めよう。今更取り繕うものでもないね。
        全力で残りを粉砕しようにも、前の戦いから予測するに……もうその身体じゃ耐えられない。
        節制しながら戦うにしても、その余裕はないときた。

        残念ながら、時間切れだ。 -- セイバー 2014-04-16 (水) 22:22:58
      • ……返す言葉も無いな。

        (そう、セイバーの語る通り。自分の身体の事位、把握している)

        オマエのそういう所には本当に感謝している。
        (感傷を交えず、無慈悲なまでに言ってのけるのはある種の優しさでも在ろう。そういう相手だからこそ、自分は)

        ……始めるか。
        (ベッドを立ち上がり、いつものジャケットに袖を通す。その他の装備も身に着けようとして……やめた)
        (最早、自分には必要の無い物だ)
        (ただひとつだけ必要な者、小さく、粗末な鉄の塊を掌に載せ、無造作にポケットに突っ込む)

        手順は歩きながら説明する。流石にこの屋敷をぶっ壊しちまうのはオマエと、オマエの旦那に申し訳無いからな。 -- アクタ 2014-04-16 (水) 22:30:34
      • お気遣いどーも。
        それで、そいつを持って何するって?
        最後の散歩にゃ必要ない代物だろうに。 -- セイバー 2014-04-16 (水) 22:35:46
      • (豪奢と言うには慎ましやかだが、年月が気品という形で表れている廊下を歩む。短いとは言え、塒とした場所である。感慨はそれなりに在った)
        一発きりしか撃てない、だがその一発きりが大事なお守りってやつだ。
        僅かながらに、オマエ達サーヴァントを構成する術式ってのが読み取れたからな。本来俺が変ずる”鬼神”ってのは現象や、概念ってモノに近いんだが。
        コイツには、ソレに然るべきカタチを与えるべくその術式の劣化コピーが刻印してある。
        (歩きながら取り出した金属プレス加工の簡易かつ粗末な銃に、件の一発限りという刻印弾を装填しつつ、これから行うことの骨子を説明していく。とは言えそれが無くても、自らのサーヴァントであれば簡単に場を収めてしまいそうな気もして。内心、信頼したものだと苦笑が漏れそうになる)
        まぁ要するに、災害に化物って属性を与えて殺せるようにするって所だな。
        (玄関ホールを抜け、門扉を通り過ぎる。暫しその外観視線に留め、目を伏せて)
        ……行こう。

        (もう、振り返る事はない。郊外の更地にて、一騎のサーヴァントと、一人のマスターが向かい合う) -- アクタ 2014-04-16 (水) 22:49:04
      • (本日は晴天なり。絶好の行楽日和と言う他ない)
        (道行く人々は彼女を見かけるなり挨拶を交わす)
        (日陰で動いていたアクタと違い、セイバーは人として人に接していた)
        (向かいに住む老夫婦。金物屋の店主。公園で遊ぶ子供たち)
        (この街は確かに、彼女がかつて住んでいた街だ)
        (彼女にはかつての住人の面影が、そこかしこに感じられた)
        (街並みは変わっても、人はこうして紡がれてる)
        (彼女にはそれが誇らしかった)
        (塩気混じりの海風が、彼女の鼻歌を包んでは流れてゆく)

        ……さあ、マスター。命令を。 -- セイバー 2014-04-16 (水) 23:04:39
      • (そうであれば、自らはどうなのだろう)
        (日陰を行き、余人を遠ざけ、唯只管に目指していたのは)

        (そう、荒野を目指した少年が行き着いた先は、矢張り)

        ────呪いの魔術師が、令呪を以て命ずる。
                ”汝の為したいを為せ、セイバー。”


        (残った令呪の一画が今、光を放ち、消える)

        さて、と。世話をかけるな……済まないセイバー。今しばらく、俺の我儘に付き合って貰うぜ。
        (幾許かの寂寥が胸を過った。一体俺は、彼女の何を知ったというのだろう)
        (たまさか運命が交錯し、出会う事の無かった二人が出会った。それだけの事……否、そうではない)
        (俺が何も為せず、こうして結局次善の選択を選んだとしても。彼女の選んだ道は無謬だ)

        (ポケットから、一発限りの拳銃を取り出す。リベレーター。数合わせの銃。けれど、抵抗者の拳銃)
        (何も為せなかったとしても、この抵抗の選択肢だけは。俺の意志で成す事なのだから)
        (額に押し付け、祈るようにトリガーを)


        『──終式刻印・殺生石(バレットマーク・アニヒレイター)


        (ああ、けれど。納得なんて欠片もしちゃあいないんだ)
        (そう気付いた時には、久多良木アクタという青年は)
        (己と他者を恐れ続け、無人の荒野に安寧を見出していると己自身で思い込んでいた青年は)
        (もう既に、途絶えていた) -- アクタ 2014-04-16 (水) 23:26:07
      • (鮮やかな銀光が風を断ち、刃が一人の男を駆け抜けた)
        (斬撃は間欠泉めいて、男を瞬く間に空中へと運ぶ)

        (彼女が最後に呟いた言葉は何だったのだろうか)
        (囁きは己が放った剣風により掻き消えた)

        (追従するように放たれた魔力の柱が、亡骸を呑み込み天を穿つ)
        (成層圏に吸い込まれるようにして、眩い光は消えていった)
        (空には何も残らない。久多良木アクタはその呪印ごと、完全に消滅した)

        (残されたのは女がただ一人)
        (魔力の供給源は既になく、残された時間はかつてのマスターと同じくあと僅か)
        (所詮は魔力で構成された紛い物。その身体を維持できなくば消え去るのみ)

        (彼女はただ歩き出す)
        (アクタの言う、「為したい事」を為すために) -- セイバー 2014-04-16 (水) 23:58:55
  •   -- 2014-04-16 (水) 01:27:20
  • " 爺さんのことで話をしたい ××時にあの公園で "

    (簡潔で、飾り気の無い連絡を、アリィという名のセイバーへ送ったのが2時間前
    俺は 以前 彼女と話した公園へ、少し早くついてベンチで座って待っていた
    ただの、待ちぼうけになる可能性もあったが、それでもできれば、口頭で伝えたいことがあった。)
    -- 史楼 2014-04-14 (月) 00:02:41
    • 果たして、その時間に現れたのは栗色の髪のセイバーと。

      「よぅ少年」

      ……以前、史楼の生命を本気で狙った、フードの青年であった。

      「まぁ、今日は付き添いというか。顛末位は気になってるんでな、俺も」

      (敵意無くそう言って、その辺りに立っていた樹に背を預ける。後は従者と、少年の話だ、と言う風に) -- アクタ 2014-04-14 (月) 00:05:45
      • この便利な情報化社会で直接会って伝えたいだなんて、お前はスパイか。
        (その辺で買ってきたたい焼きをマスターと史楼に押し付け、自分も頬張る)
        私のはカスタードか。ふふ、こっちのが好きなんだよねー。
        ああそれで、話って何だっけ? -- アリィ 2014-04-14 (月) 00:14:57
      • (あの日以来のアクタの登場に、内心ギクリとしながらも かけられた声に短く返事をする)
        (セイバーの力で、傷跡も無くなったはずの肩を撫でる)
        頼むから今日は撃たないでくださいよ、あれ すげえ痛いんすから

        (押し付けられた食べ物を、遠慮も疑いも無く受け取ると、一口だけ齧って)
        ごめん、アリィさん 俺は約束を破っちまった!
        俺達『で』爺さんを殴って、目を覚まさせるっつったのに 俺一人で、やっちまった。

        (始まりは、謝罪からだった) -- 史楼 2014-04-14 (月) 00:28:02
      • 「普通はすげぇ痛いでは済まんのだが」

        少々恐ろしい物を見る思いでそんな言葉を呟いて、後は聞くに任せる。

        青年が口を挟む事は、これ以上その場に在りはしない。 -- アクタ 2014-04-14 (月) 00:29:40
      • ……は?
        (言葉の意図を探るよりも、つい零れてしまうのは彼女の本音)
        (何を言ってるのかわからない、そんな素振りからの一呼吸)

        いや、何で謝るんだ。私にはそれがわからん。
        史楼くんだってマスターである以上は参加者だ。
        例えどんな意図があろうと、放棄しない限りそれは変わらん。

        結果からしてみれば、一組が勝ち残り、一組が脱落しただけでしょ……?
        それの何処に、私へと謝罪する理由がある。
        顔を上げろ。お前は勝ったんだろう? どうやったのかは検討も付かんけども。
        もしかして、私が出し抜かれて逆上するとでも思ったのか……?

        (史楼からしてみれば、彼女の反応は予想外のものだっただろうか)
        (見方によればドライにも映るだろう。その真意は別として) -- アリィ 2014-04-14 (月) 00:36:05
      • い、いや!抜け駆けしたつもりも、怒るとも・・・ いやこれはちょっと思ったけど
        とにかく、けじめとして!謝りたかったんだよ!

        (ふぅ、と一息ついて)

        結局、あの爺さんの手を掴んだと思ったんだけどさ
        最後まで、あの調子で… どうも俺とケンカする前に大怪我してたみたいで
        そのまま、消えちまったよ

        最後まで笑ってたぜ、あの爺さん
        まったく… ほんと何考えてたんだろ

        (表情には出さないが、どこか悲しそうにたい焼きを口へ運ぶ)

        あー… もしかしたら何か情報とか、そういうアレだと期待されてたら…
        ご期待に添えなくて… 悪いんですけど…

        ただ爺さんの最後を 知っといて欲しかった・・ んですよね。
        …やっぱり、あの爺さんと因縁のある、アリィさんには…さ
        (距離感が分からず、ぎこちなくなる会話) -- 史楼 2014-04-14 (月) 00:59:01
      • 不器用だな、お前という奴は。
        (距離感の壁を生じさせたのも彼女なら、それを取り払うのも彼女だった)
        (伏し目がちの史楼に腕を回し、その背を抱く)

        どうせワケのわからんもの勝手に背負わされたり、勝手に知ったような言葉吐かれたりしたんでしょ。
        あの人は昔からそうだった。目に浮かぶよ。私の時も、そうだった。
        実はな、生前あの人にトドメを刺したのは、私なんだ。
        丁度、同じような形でね。

        (史楼の背中越しに言葉は続く)

        私が選んだのは剣だった。
        それがあの人から学んだ一番のものだったし、それで応えたよ。
        今でもあの時の感触は、消えないままに残ってる。
        どんだけ幸せな生活を送ってもだよ。
        酷い人だよねー……本当に。
        死後はこんな茶番に組み込まれて、囚われたままときた。

        だから私は、この聖杯戦争というシステムを砕くために、参加したんだよ。
        またあの人と笑って話せるように。ただそれだけを願って、ね。

        だからここであの人と遭遇したときは、自分がわからなくなったよ。
        でも今なら自信を持って言える。
        サーヴァントとして呼び出された時点で、元になった人間とはもう違うんだよ。
        伝承補正とやらもそうだし、宝具の一つ一つだってそうだ。混ざり過ぎて既に別物。
        聖杯戦争を終わらせない限り、本当の意味では何も進まないんだ。

        だから私は、今回のあの人がどう結末を向かえようが構わない。
        どうせまた出てくるんだ。次か、またその次かはわからないが。
        そして私も召喚されるだろう。そうしてまた繰り返すんだ。
        根本から元を断たない限り、それはね。

        だから私は、終わらせるんだ。(互いに表情は見えない)
        (口調からは僅かな愁いがじわりと染み出す)

        でも、ありがとう。
        想いはちゃんと伝わっているよ。

        (史楼をなでる指先の暖かさが、人の温もりを感じさせる)
        (彼女とてサーヴァントという特異な存在であるが、それ以前に人なのだ) -- アリィ 2014-04-14 (月) 01:24:23
      • それでも、俺達が過ごした時間は本物ですから

        昔の爺さんも、昔のアリィさんのことも 俺は知らないですけど

        今の、この世に現れた英雄たちの姿と 過ごした時間は 忘れません

        だから… 今の時間に、嘘をつかないでくださいね。

        (伝わっていると、そう優しく答えてくれたのにも関わらず)
        (蛇に足を書いたような言葉を言ってしまい、恥ずかしくなる)

        すみません、余計なことでした。

        どうも、俺は堪えしょうが無いみたいで


        あああ、あと あんたのマスターの前でこんなのまずいっすよ

        (気恥ずかしげに、やんわりと振りほどく)
        (悪い気はしなかったが、彼女のマスターの前で、撫でられるのは)
        (恥ずかしいどころではなく、もはやある種の攻撃に近かった。)

        独白ってわけじゃないっすけど
        こんな独り言みたいな話 聞いてくれて、ありがとうございました

        まったく、最後まで世話のかかる爺さんですよ -- 史楼 2014-04-14 (月) 03:18:15
      • まーまー、気にすんなよ。
        別に私らは共犯者ってだけで恋仲でもなし。
        それに私にはちゃんと、旦那も子供もいるからな。
        だから気にするなよ。

        (笑い飛ばしながら、史楼の髪をくしゃくしゃにする)

        ま、気に病むなよ。
        用件はそれだけなんだろ?
        それじゃあ、私たちはこれで……ああ、いや。そうだな。
        敵同士だというのに変な話だな。
        いいさ、もしもの時はもしもの時だ。

        またね、史楼くん。
        これが今生の別れでないことを祈るよ。 -- アリィ 2014-04-14 (月) 03:49:25
  • (郊外の森で起こった大規模な森林火災のニュースは瞬く間に街中に広まった)
    (火災が聖杯戦争戦争によって引き起こされた事である事は彼等がそこを拠点としていた事を知る者にはすぐ察する事が出来ただろう)
    (それから数日の後、古びた洋館に二人の来訪者が現れた。来客を告げるノッカーの音が響く)
    (館の中にいたとしても感じ取れるバーサーカーの放つ重圧は相変わらず禍々しいものであったが、襲撃に来たというには余りにも馬鹿正直過ぎた)
    (玄関の前に立つ、二つの影。一方はそうなった場合を想定しているのだろう、警戒を怠らず何時でも剣を抜けるよう、準備していた)
    (問題はもう一方。疲弊した様子を隠す事無く、もう一方にもたれるようにしてなんとか、立っているというような状態であった) -- 2014-04-08 (火) 22:42:20
    • はいはい、今出ますよー……っと。
      (強烈なプレッシャーを前にして、出迎えたのはエプロン姿のセイバーであった)

      よ、やっぱお前らか。
      案の定だったろ? とりあえず何か食べてく?
      ……と言ってもシチューしかないんだが。
      今煮込みの途中でね。立ち話してたら底を焦がしちゃうんだよ。

      (大火事をまるで「通り雨に降られた」かのような軽い口調で彼方に流す)
      (「まあ入れ」と二人が案内されたのは、宿屋の一室のような客間だった) -- セイバー 2014-04-08 (火) 23:14:51
      • (拍子抜けするような気軽さを持って出迎えられ、唖然とする。少なくとも現時点で味方ではない相手が来たと理解していながら)
        (随分と家庭的に有無を言わせては貰えず、通された客間は簡素で清潔。自分達が此処に来ることを予期して用意していたのだろうか)
        (あのエプロン姿も戦いの為に喚ばれた存在とは思えない程に堂に入っていて)
        (傍らに立つ存在から彼女がサーヴァントであると聞かされなければこの家付きの家政婦か、屋敷の主人の奥方かと勘違いした事だろう)
        (同盟関係にある少女のサーヴァントからも感じられた、家庭の匂い。彼女も生前、それを成していたのだろうか…)
        (…本来であれば、誠意を見せた彼女に誠意をもってその返答を、玄関先で済ませるつもりでいた。なし崩しに邸内に招かれてしまった時点で誤算だ)
        (彼女が顔を出したならば、その場で切り出し立ち去ろう。傷の痛みで思考が乱れている今、会話をしてしまえば正常に判断出来る自信がない)

        (待つこと暫し、開いた扉からセイバーの顔が見えた)
        貴方からの申し出は彼から聞きました。案の定と言いましたが…その通りです、僕の決断が遅かった為に…
        (言葉を遮るように、くぅ…という音が、カグラの体から漏れた。漂ってきたシチューの香りに反応したのだろう)
        (気まずさと羞恥で顔を赤らめながらも、続けようとするが動揺で口が開かなかった) -- カグラ 2014-04-09 (水) 00:14:51
      • はいはい、食べた食べた。
        どうせ食事なんて二の次だったんでしょ?
        そんなんでまともに頭動く奴は本物の戦争屋ぐらいだろ。
        私の知る限り、そういうのが平然と混じってるけどね。

        (テーブルには人数分の深皿と、炙られたパンが添えてある)
        (持て成しの準備などしているはずもなく、今すぐ出せるとなるとこれぐらいの簡単なものに限られる)
        (彼女はといえば、椅子に腰を掛けながら、二人の様子を眺めている)
        (疲労困憊なのは言うまでもないだろう。追っ手の規模はどれぐらいだろうか?)
        (目の前にいるマスターは、どれぐらい"使える"のか?)
        (軽く試算してみたところで、見えるものはあまり多くない)
        (今目の前の"D"なる男と剣を交えないで済むだけでも、十分なものかと結論を下す)

        しっかしまあ大変だな。
        そいつが戦力バランスに直結するだけに、誰もがいの一番でマスターを狙ってくる。
        そりゃあそうだ。誰だってこんな危うい奴と交戦なんかしたくない。
        一人倒したところで、あと何人残っているやら。
        気を抜いた途端後ろからザックリ……なんてのは珍しくない。
        私だって打算がなけりゃ、そうもするさ。
        例えば、そのシチューに毒物を混ぜてみたりね? -- セイバー 2014-04-09 (水) 15:29:36
      • そう、打算だ。

        (無遠慮にドアを開き、応接前に入って来るのは、いつかの青年。今日はフードを脱いでおり、陰鬱そうな視線がカグラと、その従者へと)

        久しぶりじゃあないかね。話は聞いてるよ。

        打算があるから、俺らはお前達にその手は仕掛けん。そっちの”D”の旦那の戦力は、引っ掻き回してくれるもんとしちゃ十二分だからな。
        ……とは言えそれ以上に、俺もセイバーも、オマエみたいな年頃の奴が飢えてるのを見るのもあまり好む所では無くてね。こいつの料理は美味いぞ。 -- アクタ 2014-04-09 (水) 19:40:59
      • (カカポ・グリードの襲撃から始まった逃亡劇は当然ながら、易しいものではなかった。以前アクタの語った群体のアサシン)
        (燃え盛る森を抜けて一安心かと思えば、カカポの配下と思えるソレ等から幾度とない襲撃を受けて)
        (如何な"D"でも慣れない街中で、加えて怪我を負っていた自分を抱えての戦いは雑兵相手とはいえジリ貧が続いた)
        (この場に赴いたのは不本意ではあったが、背に腹は代えられない状況故の決断だった。建前はあったが一時的にでも休息の場が欲しかった、というのも本音だ)

        何もかもをお見通しといった風情、ですね。全てが事実である以上ぐうの音も出ませんが…
        (差し出された膳に、手を出すべきか、否か。指摘の通り森を出て数日まともに食事を取れてもいない)
        (此処は相手の陣中、未だ味方ではない以上容易に手を出していいものか…)……見栄を張る場面ではありませんね、お気遣い、感謝します
        (警告めいた言葉よりも早く、パンを頬張る。温かみのある食事、ほんの数日ぶりだというのに随分と久しぶりに感じる)
        (それだけ気を張っていたという証明でもあるが…少女が食事を始めれば、傍らに立ち変わらぬ様子を見せるサーヴァントも倣うようにして)

        …ええ、そこは貴方達を信用しました。そうでなければ拠点の一つであろうこの場所を教える事はしないでしょう。
        リスクを負っている以上、突然掌を返すような真似はしないだろうと思っていました、マスターアクタ。
        (顔を出した青年の姿には驚いた様子を見せなかった。"D"から伝え聞いたセイバーの言からするに恐らく自分達と一度は接触を持っている者のサーヴァントと察しをつけていたらしい)
        (深皿が空になり、パンを一つ平らげれば手を合わせ)…ご馳走様でした。余り人里の味には慣れていませんが、優しい味で…美味しかったですよ。
        …その打算を、目論見通りに運ばせる、という訳にはいきません。施しを受け、恥知らずであると思いますが。貴方達の申し出は、断らせて頂きます。
        この場で事を始めようとは思いませんが…何れは貴方達とも潰し合う事になる以上、慣れ合いを…したくはありません
        …もうこれ以上、情を感じてしまう相手を増やしたくはないのです。 -- カグラ 2014-04-09 (水) 22:46:26
      • (部屋の中を浸食するように、Dと呼ばれた男から禍々しい気配が滲みだしていく。)
        (目の前のセイバーとそのマスターへの憎しみゆえなどではなく、それはただ溢れてしまうであった。)
        (目の前に繰り広げられているのは食事、日常の風景。この男は、それに対してあまりに場違いである。)
        (溢れ出す運命と世界に対する絶望と怒り、憎しみなどに身を焦がしながら、男はそこに立っていた。)
        (主の傷の痛みや、幼いのにもかかわらず、この過酷な戦争に身を投じ、疲弊した様子を感じているのか、その表情は、D自身への怒りや、マスターへの苛烈な気遣いに彩られていた。)

        ……俺に、争乱の担い手になることを望むか。

        (アクタとセイバーを見ながら、そう呟いた。それを望んでいる限り、ここでカグラを殺そうなどとはするはずもない。

        我が主……食べると良い。
        ……毒などは、入っていないようだ。

        (自らの前に立つものは全て悪であると断じる狂った男であった。普通なら、敵の施しなども蹴り飛ばすところだが……そうはしなかった。)
        (幼い主に、せめて。ということなのだろう。マスターが食事を始めれば、それに倣う。)
        (何かあれば、自分が守るだけのことなのだ。)
        (バーサーカーは、食事に関しては特に何の感想も口にはしなかった。)

        ……主……。
        (情を感じてしまう相手を増やしたくない。そのマスターの言葉に苦悶の表情を見せる。)
        (戦争であるがゆえに、勝ち進まなければいけないゆえに。幼い少女はそれは重すぎる。バーサーカーはそう思っていたが、それを口にすることはない。)

        ……そういうことだ。お前たちの提案を受けることはない。
        (静かにそう告げた。) -- バーサーカー 2014-04-09 (水) 22:57:37
      • 成程、今回はそれが原因だったってわけだ。
        でもね、人ってのはそんな簡単には割り切れんものだよ。
        口では言ってみたものの、頭では理解したものの、結局人は心で動くんだ。
        そうならないってのは、それこそ化け物さ。人間をやめてるんだ。
        どれだけ人の姿をしていようとね。

        (向こう正面のアクタに目を向け)

        マスターもすぐ食べるかい?
        さっき火を入れたばかりだ。
        まだ温かいよ。

        (「こいつの料理はうまい」。その言葉に得意げな笑み)

        まあ、今のところは私たちから手を出す理由はないからな。
        その辺は安心するといい。

        ……話は変わるが、これからどうするんだい?
        追っ手はまだある。名も顔も知られている。
        何処に身を隠すって言うんだ?
        お前らが脱落するまで、誰かしらがそれを行うんだ。
        例え今追っ手を出してる奴が死んでもね、誰かが残っている限りは続くよ。
        誰もが願いを叶えたいからな。 -- セイバー 2014-04-09 (水) 23:04:38
      • (今回の件は明らかに自分の油断が、情が招いた失策。誰よりもそれを分かっている筈の忠実なるサーヴァントは何も口にする事は無かった)
        (その献身的な優しさは、余計に痛みを抱える原因となっていた。大体を察した様子のセイバーから、原因、と口に出されれば)
        (ほんの少し、痛みが和らいだように思えた)
        そう、ですね。そうでなければ、願い等求めはしないでしょうから。
        ですから、心を無くすつもりはありません。しかし今、それを積み重ねる事は余計な荷を背負うだけだと。痛感したのですよ

        (それは彼等の普段からの振る舞いなのだろう、家族を感じさせるその気安さに羨望の気持ちが募る)
        (自分と"D"とはまた違う絆の形。殆どの相手達と戦いの場でのみ交差してきた少女にとっては珍しく映るもの)
        (この戦いに赴く者の数だけそれぞれ違う縁と、絆と、願いの形があると。極当然の事を、今更ながら感じた)

        それを聞いてどうするつもりですか、と言いたい所ですが。隠す必要もありませんね。
        妙なところで貴方達と鉢合わせをするのはこちらとしても避けたいところです。一筋縄ではいかせてもらえそうにありませんから。
        …瓦礫城と呼ばれる場所があると聞いています。人を隠すのに、これ程適した場所は無いと私は思いました。
        私には戦う力がありません。せめて、"D"の戦いの枷とならないよう、務めるだけです。
        …卑怯かもしれませんが、それが弱い者なりに…私に出来る精一杯です。 -- カグラ 2014-04-09 (水) 23:22:56
      • ああ、ありがとう。
        話が終わってから頂こう。晩餐を決別とするのもまた、少しな。
        (物憂げな瞳でセイバーの言葉にそう返し、カグラの言葉を聞く)
        (情を積み重ねれば自らの枷と成る。全くその通りであり、耳の痛い話でもある)
        であるならば、せめて己にも、他者にも恥じる事無く戦い抜く事だろうな。
        そうでれば、己の願いと他者の願いは等価となる。……まぁ、所詮は俺の信ずる所ではあるがね。


        さて置き。瓦礫城か……確かに身を隠すには打ってつけではあるな。
        だがね。同時に不干渉であるが、余所者には敏感な場所だ。この戦争絡みの人間が屯している気配もある。
        隠れ潜むなら、もし露呈した時如何するか、どう立ち回るかを考えた方が良かろうね。
        (敵対者に掛けるには、塩を送っているにも等しい言葉である)
        一度の綻びからそれこそハイエナのように嗅ぎつけて来るぞ。 -- アクタ 2014-04-09 (水) 23:53:20
      • 戦えないなら、"戦えないなりの戦い方"っていうのもあるしね。
        武力だけが全てなら、私か"そいつ"しか残ってないだろう?

        例えばその辺でゴロついてるクソジジイだ。
        自分じゃ戦えないからと言いながら、しっかりと情報戦を仕掛けてやがる。
        抵抗する力なんて持ってないと言いながら、未だにくたばってないからね。
        森を焼いた遠縁である可能性すらある。
        ま、本当に戦える力が残ってないだなんて微塵も思っちゃいないが。
        何より戦術も戦略も、私はあの男から学んだんだ。
        怖さは身に沁みているさ。

        ……ただね。
        身を隠そうっていうのは否定しないよ。
        乗り気な奴らがおかしいのさ。
        でもね、これだけは聞いてくれ。
        私たちサーヴァントが戦えるのは、その力があるからじゃない。
        それぞれ理由を抱えてるからじゃない。
        どちらも大事だが、そんなものは二の次だ。
        マスターっていう共犯者がいるからこそ、こんな馬鹿げた殺し合いを続けていられるんだ。
        元々狂ってる奴らは知らないけどね。
        その点、私も"そいつ"も、まだ人間でいられるんだ。
        辛うじて、ギリギリのところで人間なんだよ。
        その存在を背で感じられるから、できることもある。
        少なくとも、私はね。

        なあDとやら、お前はどう思う? -- セイバー 2014-04-10 (木) 00:14:21
      • 我が主は強い。
        (戦う力がない、という言葉に)
        幼きその身で、この戦いに臨んでいる。自らの願いの為に、俺を呼び出した。
        ……それだけで、戦う力は十分だ。俺は、それに応えるのみ。
        主が願う限り、俺は宇宙の果てであろうと、戦うことが出来る。
        (戦えないなりの戦い方。それがそうであると、言う。)
        (強烈なほどの忠誠心。少女の願いを守り、そのために戦うことが自分の存在意義であると言わんばかりだ。)

        (セイバーの問いに、バーサーカーは静かに目を閉じ、そして開く。)
        この戦いが、願いのために互いを滅ぼしあうためのものとはいえ、共犯ということばは気に食わないが。
        ……俺は、我が主がいるからこそ、勇者でいられる。
        主は、俺に戦う意味をくれた。俺に助けを求めた。
        ならば、それに応えるしかない。応えなければならない。
        主の切なる叫びを耳にして、俺は戦うことをやめることなど、できない。
        そのためならば、魔王と呼ばれることもいとわない。

        ――世界を救うために、人という身を捨てた。それに関して、後悔も何もない、が。
        世界を救うには、人という身はあまりに脆い。だが、一人では勇者は勇者たりえない。
        守るべきものがいるからこそ、その力を発揮できる。マスターの存在は、邪魔になどならない。
        共に、願いを共有するからこそ、俺はこの戦争を戦い抜ける。

        だから、主の前にいる全てを悪として断じ、滅ぼすことができる。我が剣で、一閃のもとに。
        セイバー……今この時だけは、お前の言葉に賛同しよう。
        お前の言葉と、俺の言葉が同じであるかどうかは……別だがな。

        (ある意味、バーサーカーの心が揺れているのか。何かがあったために、揺れているのか。)
        (自分の存在のために。自分の戦いのために。マスターを求めていた。これまでならば、独りであっても、戦い続けられたと言ったはずである。)
        (……遥か過去に、人間であったころの、勇者をめざし、魔王を倒すために旅立った少年だったころの、かすかに残る本音であったのかもしれない。) -- バーサーカー 2014-04-10 (木) 00:58:39
      • ご忠告、感謝します。…人の世には慣れていないもので、そういった情報は助かります。
        (以前森で出会った時とは随分と印象が変わってみえる。恐らく、彼は…「良い人」なのだろう)
        (思えば森でもそうだったが、先ほど打算と言った口から出たとは思えない、それは明らかな警告)
        (その甘さとも言える優しさは…悲しいながら、好ましく思える)…私もそうあろうと思っていますよ。
        …誰も皆、切なる願いを持つ者ばかり。その屍を踏み越えていかなければならない以上、誇りを持って戦おうと。

        (ここでも、また、あの老人の影がちらつく。戦えないなりの戦い方、それを誰よりも実践しているという証拠だろう)
        (人格は言うに及ばない、絶対に好きにはなれない、自分が最も嫌う「人間の大人」そのもの。ただ)
        (その行動には学ぶべき部分が少なからず有ることも事実で。自分に絶対の自信をもっていると見受けられる、彼女が師事していたという事も頷ける)
        (…生前に師弟の関係でありながら、潰し合わなければならない、その運命に対する機微を微塵も感じられないのは彼女がサーヴァントだから、なのだろうか…)

        (二つの人ならざる者が、かつて人であった英霊達が同調しあう、戦える理由)
        (…初めて聞いた気がする、自身のサーヴァントの本音と思える言葉は、心新たな変化を生んだ)
        …そう、ですね。私達は、ただ…利用し、利用されるものではない。謂わば運命共同体、何にも代えがたい同士です。
        貴方達英霊が、我々がいるからこそ戦えるというのであれば、私達も同じ事。貴方がいなければ…貴方でなければ、私は、きっと…
        (森を出る、少し前からだろうか。何者かと交戦したその後、バーサーカーの揺らぐ事は無いと思われていたその信念に、僅かな変化がある事を感じていた)
        ("D"は何時だって自分を支えてくれていた。その彼が、揺らぐというのであれば)
        (優しい勇者は、自分を強いと言ってくれる。しかし…そんな事はない)
        (だけど、こんなにも弱くて、無力な自分であってもその支柱を支える事くらいは、出来る筈だから)

        ………それでは、我々はそろそろ、失礼させて頂きます。…美味しい食事を、ありがとうございました。
        (セイバーに深々と頭を下げる。来た時には随分と悪かった顔色は、大分回復した様子で)
        …マスターアクタ、貴方は…私の"D"と負けず嫌ぬ良いサーヴァントを…同士としたようですね。………
        (…続く言葉を、飲み込む)
        (それは、言うべきではない言葉。彼等の申し出を蹴った自分には言ってはならない言葉だから)
        …それではまた、何れ、戦場でお会いしましょう。その時には…恥じること無く、戦えるよう。お互いの、願いの為。 -- カグラ 2014-04-10 (木) 01:29:50
      • (堅固な忠誠心。だが、その奥に潜む願望。何度目かとなる、英霊という存在が一個の人間であると思わせる答え)
        (アクタは、思わず一角を減らした令呪を見る。マスターであるならば、真に自身の望みを叶える為に己に従うサーヴァントを犠牲にせねばならぬという条件──きっとこのサーヴァントは、それすらも忠義とするのだろう)
        (それが、少しばかり哀しい物にも思える。だがそれは、信頼という鎖で繋がれた者同士にとっては、尊いものであるはずだ)
        (──尤も、それもまた感傷である。聖杯戦争という論理に於いては、余分とも言えるものなのかもしれない)

        何、追い詰まっている時こそ美味い飯が重要になるというものさ。生存の為にも、食える時は食う位の図太さが在って丁度良い。
        (そう答えて、己とそしてサーヴァントを評した言葉に対し肩を揺らす。言葉とは裏腹に皮肉げな調子の抜けた、何処か誇るような笑み)
        こういうサーヴァントを引き当てる程度には、俺もまた甘いんだろう。

        ああ。戦うのなら、俺の願いなど気にしなくても良い。俺もオマエの願いを気にする事はない。
        等価の願いを威によって交換し、己の最善を尽くすとしよう。……何せ俺は呪術師なものだから、やり方は異なるかも知れないが、な。
        (幼きマスターにそう言葉を紡ぐ。互いを対等と認めるが故に) -- アクタ 2014-04-10 (木) 01:44:20
  • あれから暫くの時間が流れたが、人狼へと変化するアサシンとは例の交戦とは一度も顔を合わせることなく
    ただ時間だけが流れていく…そんな折、貴方達二人は奇妙な話を耳にする
    何でも、最近若者たちの間で『打つだけで怪物のように強くなれる夢の様な麻薬』の話が、出回っているというのだ
    その売人はスラム街のブラックマーケットの外れにいるという、例の人狼の影を感じた二人は
    その場所へと足を踏み入れるのであった
    -- 2014-04-06 (日) 22:58:14
    • (焦れているのは事実。最速でハイエナと名乗ったサーヴァントを狩るとは言ったものの、時折交戦したと思しき情報が手に入るのみ)
      (で、あるならば。アプローチを変えるべきだと意見の一致を見たアクタとセイバーが踏み込んだのは、汚濁に塗れそれでもギラギラとした生気の息衝くスラム街のマーケット)
      ……うーん。来てはみたが。どう思うよ。
      (ごみごみとした隘路一杯に広がる露店を器用に避けながら、傍らを歩む自らのサーヴァントに率直なところを尋ねる)
      空振りでもそれはそれで、とは思うがね…… -- アクタ 2014-04-06 (日) 23:02:16
      • 私に聞かれてもわからんね。
        そもそも門外漢もいいところだ。
        あいつのマスターは幸い、腕が一本ぶっ飛んでる。
        人目には付き易いのが幸いだろうが……ああ?
        誰がアマだ小僧、溝でサッパリ洗顔してくか……?

        (肩肘ぶつかったというだけで、彼女に難癖を付けるチンピラ)
        (これが彼らなりの処世術であり生活習慣なのであろうが、今回ばかりは相手が悪かった)
        (威嚇のために顔を近づけたまでは良かったものの、横っ面に彼女の掌底が突き刺さる)

        丁度いいや、こいつらに道案内してもらお。
        ついでに喉も渇いたなあ。マスター、この人たちは優しいなあ。 -- セイバー 2014-04-06 (日) 23:21:54
      • セイバーにあっという間に顔を整形されたチンピラは、半べそをかきながら
        例の売人の所へ案内する
        「俺が案内するのはここまでだ…何すんだか知らねえけど
        あの薬を使おうってなら止めるのを勧めておくぜ…あれ打った奴を見たが…あんなのもう、人間じゃねえよ…」
        そういうと、自分はそそくさと逃げだす
        そして直後、幾つもの獣のような悲鳴と唸り声が、売人のいると言われた廃ビルから聞こえてくる…
        -- 2014-04-06 (日) 23:34:09
      • オマエ……オマエ。何ていうか、なんだろう。上手く言葉に出来んな……
        (これで自称元教師というのだからものすごい。ともあれ彼女に任せれば概ね楽な道のりであった)
        (哀れな案内人にヒラヒラと手を振り、廃ビルに向き直った刹那聞こえる不快な不協和音)
        さ、て。(臆すること無く、廃ビルへと一歩を踏み込む) -- アクタ 2014-04-06 (日) 23:39:24
      • サーカスでもやってんのか、ここは? -- セイバー 2014-04-06 (日) 23:47:18
      • ヒャヒャヒャヒャ…!
        (ビルの中に入った二人が見たモノ、それは―)
        (散乱した注射器と、廃ビル中で魔物と人間を無理やり混ぜ合わせたような、奇妙な怪物たちが、お互いを殺し合い、喰らい合い、犯し、薬を奪い合っている地獄の様な光景)
        ハイエナ「おーおー、新しいお客さんかい?
        ヒヒヒ!今日は効き目のいーのが出来たからよ、あんたも打ってみたらどうよ?」
        (そして、廃ビルの高層階から、それを眺めている何体かの)
        (人と魔物のキメラと、あの狂気じみたアサシンとマスター、理由は不明だが)
        (直感が告げたとおり、この惨状はあの二人が引き起こしたものとみて、間違いないようだ) -- ヒラ 2014-04-06 (日) 23:54:54
      • サーカスっつか見世物小屋だなこれは。
        (繰り広げられる煉獄の如き光景に眉を顰め、耳障りな笑いに顔を向ける)
        ……御免被るね。
        (心底嫌そうな声でそう言って、ホルスターから銃を抜く。標的は上層。しかも相手に取っては此処はホーム、なれば)
        崩すぞ、セイバー。巻き込まれてお陀仏なんて間抜けはしてくれるなよ。
        (照星の先にはビルを支える太い柱。選択する刻印弾は当然)

        「──落運に嘆け」

        (着弾物に致命的な不運を齎す呪い、『落運の呪印』。以前もただの一発でビルを倒壊させた魔弾が、再び銃火の咆哮を響かせた) -- アクタ 2014-04-07 (月) 00:03:56
      • ヒヒャヒャ…あ?
        (撃ち込まれた銃弾が、ただの一撃でビルを崩す)
        (崩れるビルに巻き込まれ、次々と瓦礫に潰され赤い血だまりと化す人間であった者達)
        (そして瓦礫の煙がはれるとそこには、あのアサシンとマスターだけが、瓦礫の山となったビルの上に立っている)
        お、お前…殺そうとしたな、おお、おれを殺す気だったなあ!!!
        (激昂するアサシンのサーヴァント、大してサーヴァントの方はへらへらとした笑みを二人に向けたまま)
        アサシン「ヒヒヒ、いきなりご挨拶じゃねえか…ってよく見りゃそっちの奴は
        この間あった奴じゃねえか、何だあ、わざわざぶっ殺されに来たのかい?」
        (軽い態度とは裏腹に、男は一切の隙を見せず、二人の出方を伺う…特に
        マスターの方は、先程のビルを崩した謎の銃弾といい、戦法も絞り込めないためか
        特に警戒しているようだ) -- ヒラ 2014-04-07 (月) 00:44:44
      • 何寝ぼけたこと言ってんだ。
        こっちはお前らを殺すためにわざわざこんなワケわかんねーとこまで来てやったんだ。
        それを何だ? いざ出向いてみれば。畜産業でも始める気か?

        (対するこちらは、既にヒラを含めた情報を得ている)
        (彼らとは一度交戦も済ませてあった。警戒する点は最小限に留めておける)
        (最初に一石を投じたのは彼女の方。躊躇無くボウガンをヒラに放つ) -- セイバー 2014-04-07 (月) 00:56:52
      • (此の場において考慮すべき事は、アサシン・ハイエナの持つ技能と宝具。そして……先のセイバーの戦闘からの期間で蓄えた奴等自身の戦闘経験)
        (慎重な態度を崩さぬハイエナに底知れぬ者は感じるが、狩るならば今を於いて他にあるまい)
        是非も無し。ブッ散らばれ。
        (ヂキ、と金属の噛み合う音を僅かに響かせて、シリンダーが回る。次弾が狙うは、サーヴァント)

        「──腐壊に狂え」

        (再び、仄暗い魔力の輝きがマズルフラッシュを後に置き、撃ち出される。当たれば最後、生けるモノであれば例外無く腐り落ちる『腐壊の呪印』は、風切り音と魔力光を曳いて暴虐のサーヴァントへと迫る) -- アクタ 2014-04-07 (月) 01:09:29
      • (その放たれたボウガンの矢は、人狼とかした男の爪の一振りで、悉く叩き落とされる)
        ヒヒヒ…!!こっちはこっちで色々あんだよ、お強い騎士様と違って
        こっちは小細工しなきゃ生きてけねえから、よ!
        (その姿が消えたかと思えば、直後にセイバーの目と鼻の前に人狼の姿)
        互いに一編闘った身だからなあ!出し惜しみはしねえぜ!
        (その肥大化した腕の先にある、鋭い爪を振り下ろす!)
        ヒラ「キキ、やっちまえハイエナぁ…ひゃひゃひゃ…!」
        (好戦的なサーヴァントとは裏腹に、マスターの方は)
        (微動だにしない)
        ハイエナ「ヒャヒャヒャ!!…!?」
        (その発射音と、銃弾の軌跡を見るや再び魔狼の姿が消え)
        面白い玩具持ってるじゃねえか…俺にも貸してくれよ
        (その声は、アクタの真後ろから、怪物の獣臭と吐息が、アクタの背後から殺気と共に、放たれる…振り向けば、そこには牙を剥き出しにし)
        (今にもその頭を噛み砕かんとする獣の顎が!) -- ハイエナ 2014-04-07 (月) 01:25:53
      • (先の戦闘で理解したことがある。ハイエナは速い。知覚の先を行く)
        (ハイエナは死なない。宝具の一撃すら耐え凌ぎ、目の前から逃げていった)
        (だが思考はどうだ? 享楽的で、戦術というものがない。本能を剥き出した、まるで獣だ)
        (だからこそ、予測はできた)

        じゃあ代わりにくれよ。お前の首を。

        (彼女の意識は最初から、アクタの側に飛ばしてあった。あれだけ自由に動ける奴が、狙わない道理がない)
        (案の定出現したハイエナの頭を掴み、腕力に任せて砕石の山に投げ付ける)
        (追撃の矢を三射した後、宝剣を握り踏み出した) -- セイバー 2014-04-07 (月) 01:41:47
      • (視界から掻き消えた刹那、項が総毛立つが如くの生々しい死の手触り……コマ落としのように世界が加速する。颶風、轟音。そしてセイバーの言葉)
        ……ふん、避けた、か。
        (心胆寒からしめる寸毫を救われて尚つまらなそうにそう言い放ち、照星越しの粉塵へと撃鉄を下ろし、撃つ)
        (ガンドの呪いが込められた銃弾……否、魔術的に増幅された砲弾とも言える威力のソレが、援護射撃とばかりにハイエナへと踏み込むセイバーを追い越し、着弾する) -- アクタ 2014-04-07 (月) 01:57:50
      • !?ごぉ!!
        (セイバーの予想通り、標的を替えアクタに迫った所を、逆に反撃され)
        (瓦礫の山へ投げ込まれた挙句、ボウガンと呪いの弾丸の追撃を受ける人狼)
        キヒ、ヒヒヒヒ!!
        (だが、それでも強化された人狼は何事もなかったかのように起き上がり、即座に宙を蹴りセイバーの踏み込みを崩すように、間合いの外から)
        (爪による足狙いの一撃を繰り出す…そしてそれだけでなく)

        オラァ、仕事しろやクソマスター!

        (その声が響いた直後、アクタの背後から何本もの毒々しい芋虫の様な触手が、アクタの首を締め上げようとする)
        ヒラ「いひひぃ、ここ、ころしてやある…!!」
        (触手の根元を辿れば、先程まで静かにしていたあのマスター)
        (その体には、彼に纏わりつくように先程潰されたキメラの何体かが、融合するようにマスターの男と融合している…) -- ハイエナ 2014-04-07 (月) 02:08:00
      • ちっ 相変わらず面倒な奴だな!
        (重心を前に預けているが故、引くよりも先にハイエナの爪が脛当を抉り取る)
        (掻き毟られたその隙間からは、白い素肌が透けて見えた)
        (彼女は息を呑む。赤の膂力ならば打ち勝てるものの後手に回る)
        (青ならば膂力の差で圧し負け、緑ならば殺しきれない)
        (どうするべきか……?)

        マスター、何とかして動き止められないか!? -- セイバー 2014-04-07 (月) 02:36:51
      • ……チッ!
        (気付いた時には遅い。首に食い込む触手が気管を圧迫し、ともすればねじ切らんと力を込めてくる)
        (幸いにして戒めの及ばぬ両手でリボルバーを中折れ(ブレイク・オープン)し、排莢。先と同じ、『腐壊の呪印』を装填し、殆ど顎にバレルを密着させた状態で)

        「──腐壊に、……ッ狂え!!」

        (発砲。火薬と、触れ得る物を腐り落ちさせる呪いで以て戒めを食い破らんとして、届くセイバーの言葉)
        ガッは……ッ! 
        (咳き込みながら、おぞましき異形へと進化を遂げたヒラから飛び退り)5秒稼げ!
        (言った時には既に、次弾装填の動きを開始している) -- アクタ 2014-04-07 (月) 02:43:27
      • ヒラ「あぎぃぃいいいい!!!!」
        (奇声を上げて、腐り落ちた触手を引っ込めると苦しみ喘ぐ男)
        (だが、痛む触手を押さえながらも、他の職種はまるで個別に意思を持つかのようにアクタの首を再び締め上げようと迫りくる)
        ヒラ「お、俺…あれ、あたし?僕?私…戸と、とにかく、俺を殺そうとしやがったなあ!」
        (キメラと融合したせいか、自我の曖昧になりつつある男、もはやその精神は崩壊かけており)
        (だがそこまで汚染されたが故に、人狼の宝具による影響は、格段に緩和される)

        <<恐怖感染・魔狼譚>>
        (途端、あの全ての生物を発狂死させる無差別精神攻撃の宝具が、放たれる)

        何する気か知らねえが、はいそうですかってやらせると思ったか?
        (幸い、先程投げ飛ばした事によりアクタからは大分離れた位置にいる)
        (だが、もしアクタが人狼を完全に知覚できる距離に入れば、あの狂ったマスターはともかく)
        (セイバーのマスターたる青年は、ただでは済まないだろう) -- ハイエナ 2014-04-07 (月) 02:56:57
      • 許可なんて求めてないんだよ。
        "する"or"しない"を決めるのは、お前じゃないッ!

        (ハイエナがアクタにそうしたように、彼女もまたハイエナの背後へ現れる)
        (靡く外套は鮮やかな青。飛躍的に上昇した速度を以って、無数の剣光が閃いた)
        (右には宝剣。左には無銘のロングソード。耐久力に優れるハイエナだが、一度に降り注ぐ刃の雨はどうか) -- セイバー 2014-04-07 (月) 03:16:37
      • (触手を撃ち落とし、ハイエナとの距離を図りながら撃ち尽くした空薬莢を排出したタイミングで、ソレが来た)
        (恐怖だ、視界の端で人狼が踊る。それだけで、《ソレ》が最も恐れるものへと変貌し……恐怖?)

        (そんなものは)


        (俺が最も恐れるモノなんてものは)



        英霊(オマエ)程度に再現出来る訳がないだろう、戯けが……!!


        (銃口を向ける。撃鉄を下ろす。シリンダーが回り、今必要な刻印弾が撃針の元へと滑り込み──照星越しに見える《自分の似姿》(できそこない)へと、発射される)

        「──停滞に眠れ……!!」

        (勿論、その銃弾はアサシンのサーヴァントたるハイエナに命中することは無いであろう。……だが)
        (ハイエナの至近に着弾した魔弾は、着弾点を中心とした半径1mの空間の時間の流れを三分の一まで停滞させる)
        (時を操るという奇跡が許された時間は、外部時間で5秒。だが、サーヴァントが一撃を叩き込むには十二分の猶予!)

        やれッ! セイバー!!! -- アクタ 2014-04-07 (月) 03:40:29
      • 【がぁ、ぐ!!】
        (セイバーの振るう双刃が、巨狼の足を縫い止める)
        (徐々に、徐々に皮を裂かれ、肉を削がれ…その体にダメージを蓄積させられる)

        【このやろ…なぁめやが…!! ?】

        (迫り来る弾丸、その風切り音を耳が聞き取り、寸での所で回避する)
        【おいおい根性あるじゃねえか…こいつ喰らって動ける人間が…!】
        (体が、まるで金縛りにあったかのように動かない、それがアクタの弾丸が齎した効果だと、人狼は知る由もない)
        (命綱ともいえる機動力を完全に封じられた今、必殺の一撃を放とうとするセイバーを前に)
        (人狼はなす術を持たない)

        ヒラ「がぁぁぁああああ…!!いい、いてえ…!!」
        (マスターはといえば、アクタの弾丸により腐り落ちた触手の傷口を押さえ、その場から逃げだしていた) -- ハイエナ 2014-04-07 (月) 22:24:52
      • (逆手のロングソードを放り捨て、幕引きのために振り被る)
        (一歩。二歩。三歩。外套は再び赤みを取り戻し、彼女の膂力を飛躍的に高めていく)

        (光が爆ぜた)

        (刹那にして宝剣へと集束した膨大な量の魔力が、セイバーの一閃を合図に開放されたのだ)
        (瓦礫はおろか周囲に立ち並ぶ建築物は、数100メートルに渡って跡形も無く崩壊)
        (彼らが来た遠方のスラム街にすら、その余波は局地的な地震といった形で轟いた)
        (風が逆巻き、立ち上った粉塵やら白煙やらを押し流していく)
        (……だがそこには、ハイエナはいなかった)

        (《活火激発》)
        (何物をも粉砕せしめてきた彼女の豪腕が、対人宝具として昇華されたもの)
        (効果は酷く単純で、文字通り対象を"破壊する")
        (しかし……)

        は、畜生め……あれでも駄目か。

        (手応えの薄さを彼女は感じていた)
        (文字通り必殺の技ではあったが、完全に動きを封じていない以上打ち洩らしも致し方ない)
        (さしものハイエナも、五体満足とはいかないだろうが、追撃するだけの余力は彼女には残っていなかった)
        (宝剣が具現化を維持できず、消えてしまう)

        再生能力でも"破壊"できてりゃ、後々が楽なんだけど……。

        ……あ。
        マスター、生きてるか……? -- セイバー 2014-04-07 (月) 23:54:31
      • ……生きてるよ。驚くべきことに。
        (有象無象の瓦礫を押し退け、打ち身と擦り傷だらけで立ち上がる。ハイエナとそのマスターが逃げ去ったと思しき方向へと視線をやり)
        さて、どうかね。
        狩り逃したのは正直痛いが……無事という訳でも無いだろう。お礼参りはキッチリ果たしたと言うところだろうさ -- アクタ 2014-04-07 (月) 23:59:18
  • (街中、人通りの多い表通りでアクタの姿を見つけると、男は片手を上げて薄く笑った)
    やあ、クタラギ・アクタくん。……人違いじゃなかったら、一度瓦礫城で会ってるよね。
    水臭いな、言ってくれれば少しは俺だって色々話せたのに。今、暇かな? -- リジェン 2014-04-06 (日) 15:47:04
    • (片手に持った人相書きをくしゃりと握りつぶし、フードの男は振り返る)
      存外、二度顔を合わせるまで時間がかかったものだな。
      大体いつも暇だよ。何しろご同輩がうろちょろするのは大体夜なんでね。 -- アクタ 2014-04-06 (日) 15:50:01
      • へえ。驚かないんだ。ちなみに俺は『クタラギアクタ』君に声掛けたのこれで今日は三回目だよ。ようやく本物ってわけだ。
        良かった、嫌われたかと思ったよ。それか避けられてるのかとずっと思い悩んでたんだ。この辺をうろちょろしながら毎日毎日さ。
        ……早速だけど、一つこっちから提案があるんだ。(両手を広げて薄く笑う)
        ……クタラギくんはさ、この聖杯戦争から手を引く気はないかい? -- リジェン 2014-04-06 (日) 15:54:50
      • 面は割れてるんだ、あとは神経衰弱みたいなもんだろ。別に好く理由も無い。酒の席で歓談するならともかく。
        (つまらなさそうに、演説者めいた所作を見て)
        乗る訳が無い相手への提案としちゃ、芝居がかり過ぎはしないか? -- アクタ 2014-04-06 (日) 16:02:26
      • ああ、じゃあ細かい説明はいいのかな。話が早くて助かる。(肩を竦め)
        そうかな。まず最初に要件を伝えるのはコミュニケーションの基本だと思ってるから、こんなもんじゃない?
        んじゃ、提案じゃなくてお願いにランクを上げよう。そっちのセイバーと、こっちのキャスターは過去に因縁があったみたいじゃない。
        そんな二人を俺たちマスターの独善的な願いのためにそんな二人を争わすっていうのは、ちょっと酷い話かなって。
        だから一応ダメ元で頼んでみようと思ったんだけど、どうなの? そういう酷いコトしても叶えたい願いとか当然あるわけだ。クタラギ君。 -- リジェン 2014-04-06 (日) 16:06:30
      • ダメ元と分かってるなら言葉を修飾する意味も薄かろうと思うがね。自分酔いが酷い人みたいだぞ、オマエ。
        (願いに話題が及ぶ。応えが他に在ろうか)在るさ。
        オマエのサーヴァントとこちらのセイバーの因縁なぞ知ったことでは無い……否、そういう訳でもないか。だが、まぁ。そんなもんは俺の選択を左右する物じゃない。
        「酷い話」と言うのならそれこそオマエが下りれば良かろ。
        (ジャケットのポケットに手を突っ込んだまま、憮然とした態度を隠さずに) -- アクタ 2014-04-06 (日) 16:17:43
      • ダメ元の方が達成した時気持ちいいんだよ。勝てる勝負しかしない人には分かんないだろうね。(へらっと笑い)
        へえ、じゃあその願いを達成するためなら、何を犠牲にしてもいいってそう思うわけだ。
        良かったら聞かせてよ。もしかしたら俺が降りたくなるくらい切実な願いだったら俺降りるよ。
        俺さ、聖杯戦争で物語を書きたかったんだよ、実は。聖杯に俺も思いつかない物語を描いて欲しいって願おうとしてたのさ。
        だからまあ、場合によってはここで降りるのも手かなって思ってる。実際、面白いものは見れたしね。 -- リジェン 2014-04-06 (日) 16:24:15
      • 分の悪い賭けなんて物は本当に追い詰まるまではやらん主義でね。今の俺が正にそうなんだが。
        (自嘲の笑みを浮かべ、軽薄そうな笑みへの返答とする。次いだ青年の言葉を最後まで聞いて、鼻息を一つ)
        ……さぁ、それが何処まで真実かは知らんが、そういう人間には見えるな。前にも言ったけど。
        俺にとっては切実極まりないがね。『なにをどうしても解けない呪いの解呪』だ。しかもタイムリミット付きと来ている。
        勝ち抜いて生きるか、負けて死ぬか。或いはタイムリミットが来てどん詰まり(デッドエンド)か。そういう単純ながらに切実な、達成した方が絵にならなさそうな話だよ。 -- アクタ 2014-04-06 (日) 16:34:25
      • (顔を、片手で覆い、右目でアクタを見る)……へえ、『何をどうしても解けない呪いの解呪』か。
        面白いなあ、それ。それだけで一本話が書けそうなくらい面白いよね。本当にさ。
        それってさ、『本当に』『何をしても』『解けない』の? それが、聖杯だと何故か『解けるかもしれない』んだ?
        ……俺さ、この街の魔術師協会に少しだけ顔が利くんだけどさ。その絶対に解けない呪いをさ……『誰かに委ねてみる』つもりはない?
        ……もしかしたらさ、案外『簡単に解けちゃう』かもしれないよ? 君が聖杯で苦労しなくても、この街の魔術師って『不可能を可能にする』くらい、『優秀な人』も居るって聞くし。
        君にとって、君が死なない選択肢は、何も勝ち抜いて生き残るだけじゃないと思うんだけど。
        だってさ、俺割りと信憑性のある噂として聞いてるんだけど、今回の聖杯って願いを叶えてくれるわけじゃないらしいんだよ。
        俺のところのキャスターさ、過去にこの街で起こった聖杯に出ててさ。その時の願いって『叶わずに終わった』って聞いてるし、そういう記録も残ってる。
        だったらさ、君がやるべきなのって、願いの叶わない聖杯を求めることじゃなくて、そういう何でも出来そうな人に助けを求めることじゃないの?(薄く笑い――問いを、投げる) -- リジェン 2014-04-06 (日) 16:46:03
      • 解けないんだろ。俺が今までの半生費やして取っ掛かりすら手に入らなかったんだから解けんよ。
        で、何処の誰だか分からない人間に自分の身体を委ねるつもりは無いし、悠長にそんなことをしている余裕も無い。第一既に俺は『選んで』る。
        仮定と風聞と真偽も定かでない過去の例ばかりを挙げられた所で確たる物は何一つ無い、信じるに値しない。
        (首を横に振る。何もかもがあやふやなのであれば、信ずるべきは自分の選択のみ、とでも言いたげな態度で)
        何より俺はオマエの思想を何一つ信用しちゃいない。どう転んでも面白がる奴相手に交渉なんざ成立すると思う阿呆が何処にいるね? -- アクタ 2014-04-06 (日) 16:58:54
      • ……へえ。成る程。選んだわけだ。それはいいね、そういうの俺は好きだよ。
        選んだ選択肢ならどんな結果が来ても後悔しなくていいもんな。何せ自分で選んだんだから、正しかろうが間違っていようが関係ない。
        俺は別に交渉しようだなんて最初から思ってないよ、だって俺に得なんて一つもないもの。ただ、君がより良い選択が出来るように色々提案してるだけでさ。
        でも、君が自分で選んだんだって言うなら別に俺はそれでもいいと思ってるんだよ。

        それに、話してて分かったよ。君はただ『納得して死にたい』だけだってさ。
        本当にその呪いが解けるなんて、思ってないんだろ? 勝ち進んだところで聖杯が自分の呪いを解呪してくれるなんて思ってない。そんなことどっちでもいいのさ。
        どっちを選んでも変わりのない選択肢だから、せめて自分で選んだ選択肢を胸に抱いて、納得して死にたいだけなんだって。
        セイバーの過去を知ってうちのキャスターに声をかけてきたのも、俺を阿呆と蔑み交渉の余地がないのにこうやって話を続けてるのも、全部そういう魂胆があるからさ。
        君は、ただ、物事に納得したいだけ。自分で選んだと思い込んでる選択の上で、これが正しかったんだって言いながら、他に方法はないんだって呟きながら震えてたほうが、楽だもんな。
        ……そんな、自分でも信じてない願いの成就を胸に、他人の強い願いに勝てると思ってる? 思い込めるのかな。クタラギ君。 -- リジェン 2014-04-06 (日) 17:10:18
      • メフィストフェレス気取りか? オマエも演者の一人に過ぎない癖に。
        オマエ、舞台に立ってるつもりでその実野次を飛ばしているだけかも知れないぜ?

        仰るとおり、俺は納得したいだけなのかも知れん。理不尽の上の綱渡りが無駄でなかったと思い込むことこそが望みなのかもな。
        だから何だ。論点を摩り替えるなよ。
        其処にしか望みが無いから戦っているというのは嘘じゃないんだぜ。
        (言葉を切るや否や、手品のように右手にリボルバーが握られている。この距離ならば、頭のど真ん中も外しはしない)
        (躊躇い無く、引鉄を引いた) -- アクタ 2014-04-06 (日) 17:30:52
      • そう見える? 君にも俺は、そう見えるかい……?
        舞台に立ってるつもりで、野次を飛ばして、外側の安全圏から言葉を投げる道化や悪魔に見えるかい?
        俺が俺の夢に、願いに……命を捧げてないって、そう、見えるのかい……?

        (一歩も)
        (指先一つも)
        (髪の毛一本すらも動かず、ただそこで躊躇いなく引鉄を引いたアクタを真紅の瞳で見る) -- リジェン 2014-04-06 (日) 17:38:14


      • 違ったとしても、俺には理解出来ないさ。

        (突然響いた銃声に、先ずはざわめき。次は混乱。漣のように広がる人の動揺の中、名も知らぬ青年を紅蓮の瞳が静かに見返した) -- アクタ 2014-04-06 (日) 17:43:39
      • (虚空に響く銃声)
        (乾いた音が中に響き、薬莢が舞い、地面に落ちた次の刹那)
        (鉄錆の滴が落ちる)

        (突如、アクタとリジェンの彼我に出現した老人。その手……そこに穿たれた弾痕から、真っ赤な滴が垂れて落ちる)

        -- 眉雪のキャスター 2014-04-06 (日) 17:51:39

      • ……嫌でも理解するさ。
        ――君が選んだ、その道の先に進めばさ。

        キャスター。悪いな。
        ……だが、俺は、俺を守れなんて言った覚えはないし、命令もしてないはずだが。俺は俺を殺す覚悟がある奴には、ちゃんと殺されてやろうと思ったのにな。
        (ふと、気づいたように顔を歪め)いや、まあ、そうか。フッハハ……これ、俺が負けたのか。お前が見てられないくらいに。

        (破顔し、肩を竦め)……いやー……分からんもんだな。俺はさ、絶対にクタラギ君には殺されない自信があったんだけどなー。
        君を相手にすると、俺は殺されないけど死ぬかもしれないと思ったよ。

        キャスター。逃げるぞ。……どうやら、ぎりぎりで負けたみたいだ。

        (言うが早いか、人混みの中をすり抜けるようにして街中を逃走していった) -- リジェン 2014-04-06 (日) 17:55:03
      • それこそ『手』を出すのは憚られたんだが、これ以上は見ていられん『演目』だったのでな
        命令を受けてからそれだけを実行するようでは道具にも従者にもなれんわ
        見ていられない場面が来れば『叛意』も『魅せる』、それが私だ
        いわれずとも退くぞ主。自慢だが、私は撤退戦は大の得意だ
        (いうなり血の滴る手の平を振れば、鮮血がアクタの視界を遮り、同時に散る血が周囲の野次馬の悲鳴と動揺を誘う)

        アクタ君、私も君の認識を改めよう
        君は……うちの弟子よりはマシなようだ
        故に逃げさせてもらうよ。尻尾を巻いて、素直にね

        (声が遠ざかった時、既に老人の姿は往来にもまれて消え、追いすがる事も叶わない)
        (仮に、不気味に路上に残る血の跡をたどったとしても、その先に老人の姿を見る事は叶わない)
        (宛ら霞のように、その姿は人込みの彼方へと掠れて消えた) -- 眉雪のキャスター 2014-04-06 (日) 18:03:31
  • (夕暮れ時。買い物客でにぎわう市場の中、一人の少女がセイバーの服の裾を引く)
    やっと見つけた。アリィ、今時間良い?
    (要件は告げずとも。その表情はいつもと変わらずとも。視線が何か大切なことを訴えようとしているのは感じ取れるだろう) -- ライダー 2014-03-31 (月) 21:46:38
    • (一方で彼女は、日課と化したグリード退治を済ませた帰りであった)
      (何ぞうまいものでも買って戻るかといった矢先、ライダーに捕まったのである)

      いや、別に構わんが。 デートのお誘い? -- セイバー 2014-03-31 (月) 21:52:52
      • 女二人でデートしてどうすんの。私そんな趣味ないし
        取りあえず、どっか落ち着けるとこ入ろう。ちゃんと話したいし(返答を聞く前に服の裾を掴んだまま歩き出す)

        (何処かいい場所無いかな、と思ってたどり着いたのは結局いつものカフェ。簡単に注文を済ませて一息)
        …でね、本題なんだけど。……やっぱり願いって、持ってなきゃダメだね。ちょっと思い知った
        そんで、頑張ることにした。まだ見つかってないけど、一歩踏み出さなきゃ願いも見つからないから。前に進むことにしたの。…その報告 -- ライダー 2014-03-31 (月) 21:57:08
      • へー、そりゃまた。
        (「何があったか知らないが、変わったものだなあ」とフライドポテトを摘まむ)

        何処か強烈なトコと当たったりしたの?
        同情を引くようなやつとか、醜悪なやつとか。或いは、思わず憧れてしまうようなやつとか。 -- セイバー 2014-03-31 (月) 22:02:07
      • 同情を引く相手…かなぁ。その子ね、聖杯戦争のためだけに生み出された命でさ。聖杯戦争に勝つ以外の生き方を許されてないんだって。逃げようとすると死んじゃうんだよ。何度でも、何度でもさ
        …でも、ブレイズはそれでも聖杯を砕く、っていう選択をした。私もそれに従うつもりだったけど……願いのない私が、命をかけた願いを無碍にする資格は、多分ないって思ったから
        (思い浮かべるはこの戦争で勝ち抜くにはあまりに頼りない少女の姿。ちくりと心が痛む)
        だから……聖杯戦争を降りるなんてことは言わないけど。あの子と向き合うためにもさ、ちょっと前に進もうと思った。……偉い? -- ライダー 2014-03-31 (月) 22:09:28
      • 偉い偉い。偉いが、その道はとても"えらい(しんどい)"ぞ。
        この舞台はようするに、互いのエゴで殴り合うように出来ている。
        シアちゃんの言うような、どうしようもない環境の奴だってきっと山ほどいるさ。
        でもそれでも自分が勝ちたいなら、マスターを勝ち抜かせたいなら……選ぶ道は一つしかないだろうからね。

        (フードごしにライダーを撫でる彼女の顔は、穏やかに目を細めるもの)
        (しかし続ける言葉は重く、現実と言う壁が如何に遥かに聳えるものかを物語っている)

        私もね、漸くそれを受け入れることができたよ。
        ……実はね、今回複数いるキャスターの内一人が、私の恩師だった。
        そりゃもう取り乱したもんさ。ずっと会いたかった人が、突如として目の前に現れたんだ。
        どれだけ他人にうまいこと言っても、いざ自分の身になるとどうも駄目だね、私は。
        弱音を零した挙句、叱責された。私も激昂してそれっきり。

        (グラスの水を飲み干して、深く深くため息をつく)

        思ったんだよ。
        あれが私の知らない人物なら、そうはしなかったろうって。
        隙あらば斬り伏せていただろうって。
        利害関係も何もないのだから、それは当然のことでしょう?
        なのに私は、あの人に問われた時、心が揺らいでしまった。
        "自分をまた殺せるか"という問いに対してね。

        そう、私は思ったんだ。
        たかだか一度の死に目を看取ったぐらいで、何を特別視していたんだろうって。

        ねえ、シア。
        私たちは、もうとっくの昔に死んだんだ。
        降りた舞台に、見苦しくもまた上がってるだけなんだよ。

        そりゃあ、それぞれ理由はあるだろうさ……でもね。
        出番が終わった役者がとっとと出ていかないと、話は歪んだまま進まないのさ。
        毎度決まって終息を向かえど、いつかは不毛にも、こうしてまた繰り返す。
        だから私は、このシステムを破壊することに決めたんだ。

        ……勿論、うちのマスターの願いは叶えたあとでね。
        あいつもあいつでかわいそうな奴なんだ。 -- セイバー 2014-03-31 (月) 22:37:53
      • (アリィの何処か寂しげな言葉に静かに耳を傾ける。彼女の言葉の端々が、何処か心に引っかかる)
        (前を向こうと決めた筈の心がざわつくのが分かった)

        (グラスに残った氷をストローで弄りながら顔を上げる)
        ……分かってる。私たちがもう一回この世界で何かを成そうなんてのは、ずうずうしいってことぐらい
        でも…でもさ。ちょっとぐらい……夢見たいよ、私。いつか来る終わりだとしても。…幕を引くのが自分だとしてもさ
        それでも……生前に見られなかった景色を見ようと思うのは、悪いことなのかな

        (ストローを咥え、呟く。アリィが自分たちと同じ目的に至ったことは素直に嬉しい)
        (けれど―)
        (それでも、自分はブレイズが見せてくれると言う未来を見てみたいのだ) -- ライダー 2014-03-31 (月) 22:47:25
      • 不器用だねえ、本当に。
        さっきも言ったでしょ、これはエゴで殴り合うんだって。
        その気持ちは既に一つの願いなんだから。
        戦う理由ができたなら、胸を張るんだよ。

        その結果肩肘同士ぶつかるんなら、そりゃもう仕方ないじゃない。
        生きるって本来そういうことでしょ?

        私たちは過去に死んだけれど、こうしてまたここで生きてんだ。
        覚悟はもう決めたんだもの。
        ……生きてるんだったら、戦わなきゃ。

        (ガラス張りの壁から見える雑踏は、彼女たちの殺伐とした会話とは不釣合いな程)
        (そういった意味でも、彼女らは異質なのだろう。弾き出されるのはどちらが先か)
        (この時点でそれを知りえるものは、誰一人として存在していない)

        この食事もある意味、生きてるってことだよね。
        カロリーで得られる魔力なんてたかが知れてるのに、それでもやめられない。
        ごちそうを見れば心躍るし、ハズレを引けば悲しいもの。
        シアちゃんはどうだい。

        ちゃんと今を生きてるの? -- セイバー 2014-03-31 (月) 23:15:27
      • ―今、を
        (アリィの問いかけに言葉を詰まらせる)
        …此間までは、別段食事も楽しくはなかったよ。ただお腹膨れればいいかなって。それだけしか思ってなかった
        でも…どうしても考えちゃってた。美味しい、とか。嬉しい、とか。可愛い、とか…色々
        それ、ダメなことなんだって思ってたんだけど、今は我慢しないようにしてる。……これが、多分今を生きてるってことなんだよね?

        (指先で空になったグラスを突つきながら問う。からん、と音を立ててグラスの中の氷が揺れて)
        (グラス越しに映る景色が少し、形を変えた)

        過去に起こったことは変えられないし。……まだ、願いも漠然としたものでしかないけどさ
        それでも……私は、今生きてて。……もう少しだけ、生きていたいから。だから、我儘になる
        もっと美味しいもの食べて、もっといっぱい遊んで、悪い奴はやっつけて。……そんで、もっとね、幸せになるの
        欲しいもの全部全部手に入れたらさ、きっと……あの時見えなかった未来が見える気がするから
        (顔を上げ、アリィに向けたのは静かな笑顔。彼女を縛り付けていた鎖は既に無い)
        (時間は有限であろうとも、与えられた生を全うすることをしっかりと心に決めているのだった) -- ライダー 2014-03-31 (月) 23:45:22
    • (あるいは、そこは男2人が出会う場所として相応しかったら……)
      (しかし彼らが出会うのは夕暮れのカフェテリアでも朝の河原でもない。スラム街……打ち捨てられた空地)
      (夕陽に染まる土管が積まれた場所に男は座っていた。ライダーとセイバーとの関わりをきっかけに)
      (はたまた渡した連絡先から繋がっていたのか……それは今さして重要ではない。重要なのは……)

      聖杯の器、聞いたことはあるかアクタ
      (傀儡のキャスターと自らを名乗る男とヤツの口から出た言葉、単語、話の数々……それこそが今、引っかかっていたからこそ待ち合わせたのだ)
      (今まで知り合った中でも一層それらについて感じるものがある、もしくは知っている可能性がある1人としてアクタを選び……) -- ブレイズ 2014-03-31 (月) 23:15:25
      • (見捨てられ、薄汚れ、ガラクタが積まれた空き地に見える人影は二人の青年。強い意志を感じさせる瞳を向けられたフードの青年は、土管に座る彼へと視線を返す)
        ……いや。
        一応『どういうプロセスで聖杯が成就するのか』についての知識は在るが。
        器、と言うからには。『容れ物』となるモノって事だろ。

        (聖杯を『充たす』のはサーヴァントの仮初の生命。そこまでは良い。だが、その容れ物の話となると……初耳であった)
        まぁ、そもそもが悪趣味な椅子取りゲームな訳だ。呪術師という観点から見ても、碌なモノではないのは予想出来る所だがね。 -- アクタ 2014-03-31 (月) 23:23:46
      • 傀儡のキャスターと言ったサーヴァント曰く
        それは『過去マスターの一人として参加していた』らしい。つまり、器は人の形をしている。
        アクタの予想通り、碌なものではない。おそらく今回も参加している可能性はある……
        今回の器について気になったから意見を求めたわけだが……正解だったな
        (そして土管から降りてアクタと同じ……地に足を付けて、結論を述べる)

        俺はそのプロセスと、『容れ物』についてをそのサーヴァントから聞いた。
        大聖杯と小聖杯。そして大聖杯で始められた最初の聖杯戦争の呪い……聖杯戦争の継続という願いの呪い。
        その情報の真偽については十分考察するべきだが……
        わかるかアクタ。
        サーヴァントが何故サーヴァントとして現界した以上の知識を持ち得ている?
        我々でも……いや、ましてや専門分野の君からみても知りえなかった情報を。……どう思う
        加えて、それが事実ならという前提条件もだが。これの戦いはなんだ?本当にただの邪悪な椅子取りゲームで済まされるものなのか?
        仮初の命を呼び出し、争わせて、人の形に注いで…どうなる?何が起こる……? -- ブレイズ 2014-03-31 (月) 23:40:28
      • (ブレイズから出てきた情報に、流石に眉を寄せる。傀儡のキャスター……遭遇した事の無い相手ではあるが、脳裏に書き留めて)
        ……人の形か。まぁ、(まじない)と言うのは、そういうもんだからな。
        (軽やかに地に降り立ったブレイズに向き直り、彼の考察を終わりまで静かに聞いて)
        きな臭い話ではあるが。
        仔細を知って尚、煽りに来ているのなら……少なくとも「マトモじゃない」な。
        ……尤も、俺を含めてこの聖杯戦争に進んで参加している奴等がどれだけマトモかは知ったことではないがね。
        (皮肉げに肩を竦めるが、ブレイズの疑問には真正面から視線を合わせて)
        サーヴァントが倒され、純粋な魔力に還元されたとして。『ただの人間』にその膨大な魔力が注がれた所で、その末路なんざ知れてはいる。
        電気回路と過電流の例を引くまでもなく、崩壊の二字で表されるモンだろうな。
        ……じゃあ器ってのは何だ? 『電流を適切に流すように組まれた回路』というのが、今の話を聞いた俺の予想だがね……まぁ、それは置いておこう。
        ……適切に変換され、使途を向けられたそういうものならば、ヒトの持つ願い程度なら容易く叶える事が出来るやも知れんな。
        (一端言葉を切ると、少し考えこむ。考察すべき事象は多い……だが)


        とは言えその傀儡ってヤツが、オマエにその情報を教える意図が分からん。数度あった聖杯戦争の記録なんざ、文献を当たった所で碌な情報など得られんと言うのに。
        してみると、当時聖杯戦争に何らかの形で関わっていた人間がサーヴァントとして呼び出されたと言う考察が一番わかり易いだろうがね。 -- アクタ 2014-03-31 (月) 23:55:13
      • (アクタ、専門の人間の話はやはりわかりやすい)
        (特にわかりやすく説明してくれるアクタには、正直この戦いから抜けて教師を目指すべきと伝えたいが
        (今は……そう、アクタの疑問である。それは自身も重々に承知し)

        それだ。ヤツは俺の目的を知って尚言った。
        その聖杯のプロセス、小聖杯……器のこと。記録文献を当たっても碌な物はなかった。
        それでもヤツは知っていた。俺もアクタの言うように聖杯に参加していたのでは、と突いてみたが「記憶が欠落している」と突っ撥ねられた
        しかしその上で、何故俺に教えるか……俺は聖杯を破壊する、この儀式を御破算にさせるために動いているんだぞ
        ヤツは目的を一切明かさなかった、聖杯戦争での目的を。
        成就が目的なら俺の目的は障害になるはずなのにベラベラと話し
        最悪……俺がその器をどうにかするかもしれないのに(無論それで大聖杯も呪いも止められないのは承知だが、と加えて)

        言葉、語り、笑い……それらを見て狂人故と判断するには
        あの傀儡のキャスター……あまりに危うい存在だ -- ブレイズ 2014-04-01 (火) 00:11:16
      • 明かした所で勝ち抜く自信があるのか、それとも他の目的があるのか……例えば「聖杯戦争そのもの」が目的とか、ね。
        (至極つまらなさそうな顔でそう言って、危うい存在と言うブレイズの評に頷く。立場は違えど、傀儡のキャスターの底知れぬ不気味さは、互いの共通認識となった)
        (……そうして同時に抱いたのは、このブレイズと言う男そのものへの危うさでもある)
        (「聖杯を砕く」と公言して憚らぬこの青年は、本来であればアクタの目的にとっては排除すべき存在であることは勿論その通りではあるが)

        (皮肉気に口の端を歪め、呪術師は言葉を続ける)

        それを言うなら俺だって、自身の目的の障害に成り得るオマエに何故協力しているのか、と言う話になるがね。
        ……なぁ、確かに俺はこの聖杯戦争はいけ好かない遊戯だと思っているが、同時にどうしても勝ち残らねばならない理由だってある。
        その為には結局、最後にはオマエに銃を向けるしか無い。
        ……それでも尚、オマエが俺の前で自身の信念と目的を隠そうともしないのは、何故だ? -- アクタ 2014-04-01 (火) 00:39:42
      • ……俺はここに来てから色んな人にあった
        自分の存在を残したくて、愛されたくて聖杯戦争に参加した少年
        聖杯戦争のためだけに造りだされた存在の少女
        自分の弱さを閉じ込めて……自分をどうにかしてでも願いを叶えたい男
        それだけじゃない。サーヴァントにも、会って、話しをして、戦って…
        ライダー……ステイシアと話して……

        だからこそ俺は思った、感じた……決めたんだ

        こんな狂った邪悪な戦いで願いを叶えていいわけがない。
        わけもわからない、悪意で、欲望で作られた呪いの儀式で叶えていいわけがない。
        本当に望む願いは、人の力で叶えるべきだなんだ。救うべきなんだ!
        それがどんな困難なものでも……希望が見えないような、果てなきものでも
        人は人の力で願いを叶えられるはずなんだ。
        アクタの願いもだ。それは本当にこんな無茶苦茶な呪いで解決していいものなのか?
        その先に本当の救いはあるのか

        答えてくれアクタ
        聖杯戦争のマスターでもなく、呪術師としてでもなく
        ……一人の人間として

        教えてくれアクタ
        お前の願いを……人として、望む願いを
        (願いとは、夢とは違う。それは欲するもの。欲望に近いもので…欲望といって差し支えないもの)
        (そしてこの戦いは犠牲を払って得る願い、欲望。その原点にはそうまでして叶えたい願いがある。それは、誰かの命を犠牲にしてでも欲しいもの)
        (人を殺してでも叶えたい願いは限られている。少なくとも……今目の前にいる男や、出会ってきた多くのマスター、サーヴァントに至っては殆どではないだろうか。それをは願っていた)
        (救済を。抱えている悲しみからの……逃れられないものからの、救済を)
        (だからこそ手を伸ばした。目の前の男に、聖杯ではなく人として手を……救いたいと、手を伸ばして)
        (それが、この男がアクタへと向けた……言葉の通り、手の内であり手だった) -- ブレイズ 2014-04-01 (火) 00:54:34
      • (あまりに真っ当で、あまりにも眩しい。その名の通り、烈火の如くの眩き意志)
        (まるで言葉が力を持ったような──否、彼にとって繰り返し、言葉に出して語る事は紛れも無い力だ。マスター・ブレイズと言う男の真の強さは、己の想いを言葉にし、伝える事にある。少なくともその時、アクタはそう深い確信を得た)

        「アクタの願いもだ。それは本当にこんな無茶苦茶な呪いで解決していいものなのか?」

        (……まるで己の裡を焼く焔の如く。その言葉は、痛みと熱を伴う)

        本当に望む願いは、人の力で叶えるべきか……それが、出来なかった。出来なかったから俺は此処にいるんだよ、ブレイズ。
        一人の人間として、って言ったよな。俺はオマエが嫌いじゃないし、俺自身、他のマスターに戦う理由を聞いて回ってるからな。
        答えるさ。

        簡単な話だ。
        ガキの頃、とある呪いを受けた。刻限が来れば、”鬼神”って化物……いや、暴力って概念に近い。
        ただ死を振り撒く災害に自動的に書き換わり、俺自身が消えてなくなる。そういう呪いだ。

        ……解呪の手段を求めて、あらゆる呪いに関する知識を求めた。
        その過程で、俺は俺自身が生き長らえる為に他者を犠牲にする事を選び続けた。
        そうしてその果てに、コレはどうあっても解呪出来ない、本物の『呪い』ってヤツだと気付いたんだな。

        (淡々と、他人事のように語り言葉を切る)

        俺はな、死ぬのは嫌だ。だが、刻限は間近に迫っている。
        もう万策尽きちまった以上、聖杯に縋るしか無いんだよ。

        ……これが俺が聖杯を求める理由だ。単純明快、俺にとってこの聖杯戦争は、ありふれた生存競争でもある。
        ま、鬼神なんぞになりたく無いって理由はもう一つあるがね。

        (何でもない事のように語るには、先のブレイズの言葉は重すぎた。熱すぎた。けれど……それを、何でもない事として語らねばならなかった)
        (何処か他人事のように、久多良木アクタは自らの動機を開かす) -- アクタ 2014-04-01 (火) 01:30:06
      • (どうしようもないことかもしれない)
        (アクタがフードで顔を隠すのも、全てに諦めているからなのだろうか)
        (見ることを塞いでいるのではと思えるほど……アクタの未来は閉ざされているように見えた)
        (見えたがしかし、しかしそれでも問う。己を余所に置き、己を外から見ることで悲しみから少しでも逃れようと男に)

        アクタ

        呪いで呪いを解けると何故思うんだ?縋るんだそれは呪いを重ねて掛けるだけじゃないのか?
        それで呪いが解けると、どうして思うんだ。
        鬼神になるということは俺には感じたことがないから説明の通りかわからないし、どういうものかわからない。
        でも自分が生き残るために誰かの命を……奪わなくてもいい命を犠牲にし続けて、その先に生き残って……
        それこそ……それこそ鬼神になるということなんじゃないのか!

        アクタが未来どうなるのかは俺にもわからない、誰にもわからない。
        それでも……それでも、聖杯でその願いを叶えるのは間違っている。救われるわけがない。

        だから……呪術師でもない。
        人として、人で出来ることを諦めないでくれ。俺も手伝う、考える。
        鬼に立ち向かうために必要なのは聖杯じゃない、鬼を倒すのは人だろう
        呪いで倒せるわけないじゃないか!アクタ、戦おう鬼と……
        諦めても、聖杯に縋っても鬼は倒せない! -- ブレイズ 2014-04-01 (火) 01:45:56
      • それが万能の願望器だというのなら、解呪が為る可能性は高い。他の、どの方法よりも確実だと踏んだから俺はこの戦いに臨んでいる。
        (諦観と決意を滲ませ、熱に融けることの無い氷のように。青年は頑なに言葉を返す)
        奪わなくても良い命を奪うことで生き延びる事を選び続けた俺が、鬼神となって『何も選ぶ事無く』ヒトを殺す災害となる事はな、今までの自分の選択の道すらも無にしちまうんだ。それだけは、今まで俺が踏み躙って来た者の為にも、しちゃいけない。

        (それは──否、それこそが、呪いであった。今までの己の選択そのものが、他の道を歩むということを閉ざしている)
        オマエだって分かるだろう、ブレイズ。目的の為に他者を手に掛けた人間が、それを無にするような事はしてはならんって事を。
        (久多良木アクタが真に呪われているとするのならば、それは──己の今までの選択の道そのものの呪縛であった)

        ブレイズ

        オマエの言葉は正直……嬉しくはある。けれど、残酷だ。
        正しさが総てを救うなんて事は在り得ない。何もかもを解決に導く銀の弾丸(解法)なんてものは在りはしない。
        せめて間違いの少ない選択肢を選び続けるしかない、俺や他のマスターにとって──オマエの言葉は残酷なまでに「正しすぎる」。

        (そう言って、アクタは笑う。皮肉気ではない。険の無い笑み)
        そうだな、鬼は自らを殺せない。鬼を倒すのは、いつだって人だ。
        人はいつだってどうしようもないものと戦い──そうして、英霊となる。 -- アクタ 2014-04-01 (火) 19:13:19
      • ……そうじゃない、そうじゃないだろうアクタ!
        今まで奪ってきた命を無駄にしないためとか、そんな理屈誰が望んでいるんだ!
        勝手に奪われた命を、勝手に正当化して理由にして、そのせいで背けることができないって……
        それこそ命をなんだと思っているんだ!!誰がそんな理由になりたくて死んだ!?

        アクタが本当にするべきことはこれ以上命を奪うことじゃない。
        今まで奪ってしまった……犠牲になった人たちに手を合わせて、人として最後の最後まであきらめず生きることだろう!!

        全てを救うとは俺も思っていない。それでも俺は、それを諦めてしまってはいけないと思っている。
        だから今ここにいる。ここでアクタと話している。アクタを助けたいと思っているんだ……
        誰かにとって残酷でもいい、それでもまやかしの中でただ笑っている偽りの幸せを掴んで
        誤魔化して生きて、後悔ばかりして悲しんで死んでいく姿を俺は見たくない!させたくない!

        俺は人だ、人としてアクタに向き合い続けるよ。人だから鬼を倒すと……アクタに刃は向けない。
        そんなことで俺は英雄にも英霊にもなりたくないし、されたくもない。
        人として人に、最後の一瞬まで……手を掴みに行く
        (目の前の男が正しさを知るからこそ、どこか予見のように……それを突き放すように、否定するように打ち)
        (そんな結末誰も望んでいないと……言外に伝え)

        (また何かわかったら、連絡する……そうすれ違いざまに呟いて空地に背を向けて歩き出した)
        (すでに夕陽は落ちて……夜の闇が沈んでいた空地を後にして……) -- ブレイズ 2014-04-01 (火) 20:43:43
  • アリィの部屋 -- 2014-03-29 (土) 00:16:32
    • (クローゼットも、カーペットも、思い出の写真立てさえも当時のままだった)
      (ベッドの温かさだって、彼女が横になれば当時の熱を取り戻していく)
      (けれど既に違うのは、彼女を構成する物質と、彼女を取り巻く環境)
      (窓から見える風景は、記憶している景色とはすっかりかけ離れていた)

      いるんでしょ? 入っていいよ。
      なんか、そんな気がしてたし。
      今更何とあっても、驚きやしないよ。 -- アリィ 2014-03-29 (土) 00:16:49
      • いい勘だな、クソ妹。ありがたく小言を言いにきてやったぞ、感謝しろよ。

        (椅子にふんぞり返り、寝転ぶアリィを見下ろす)
        (それは二人が物心付く前からよくあった光景である)
        (彼女が粗相をするたびに、ファングはこうして妹のところへとやってきた)
        (実家を飛び出すその日までは)

        まずなお前、本気で自分が勝ち残れると思ってんのか?
        たかだかジジイ一人に丸め込まれて?
        それは「既知の仲だから」とでも言うのかよ。
        知り合いでなければ倒せるのか? そういうあいまいな線引きでお前は戦うのかよ。

        (苛立たしげに眼鏡を直す)
        (激情家のファングにとっては、癖に等しい)

        いいかクソ女。、慈母を気取る前に思い出せ。
        このクッソくだらねえイベントの参加者はな。
        ほぼその半数が既に死人だ。サーヴァントはいわば結果の産物だからな。
        何かしらの終わりを迎えてなきゃ、原則的には呼ばれねえ。
        その死人が今更地に足を付けて、人間面するなよ。

        聖杯を欲しているんだろ? -- ファング 2014-03-29 (土) 00:37:44
      • 別にそんなつもりは……。

        (「ない」とはとても言い切れない。恩師の姿を見て気が緩んだことは否定できない)
        (尚且つ、思わず弱音を吐露してしまった。それがどのような男かも考えずに)
        ("かつて自分の恩師だったから"というだけの理由で、心が揺れ動いてしまった)
        (彼女は別れの際、こう考えていた。"キャスターが勝手に期待していただけだ"と)
        (だがどうだろう実際は。"自身が勝手に期待していただけ"なのではないか)
        (だからこそ、ギャップに耐え切れず感情がオーバーフローを引き起こしたのではないか)

        ……わかってるよ、言われなくたって。
        本当は、そうなんだろうって。

        でもね、やっと会えたんだ。
        あの斬り伏せた瞬間から、漸く。
        だから……いや、違う。

        ごめん。駄目だ。それじゃあ駄目なんだ。

        (弁明を自ら遮り口を閉ざす)
        (ではどうすれば良かったのか) (彼女は決まって、自身の事柄については器用さを失ってしまう)

        私はね、本当はもっと……あの人と普通に話したかったんだ。
        最後に交わした約束だから。土産話を持っていくって。
        でも、あの人は空の上にはいなかったんだ。ずっとあんな聖杯に魅入られてさ。

        だから私は、聖杯を求めることに決めたんだ。
        このシステムを破壊するために。 -- アリィ 2014-03-29 (土) 01:16:07
      • なら……こいつを持ってけ。
        俺と、俺のサーヴァントの形見だ。
        要素が入り混じって別の代物と化しているが、効果は保証してやるよ。

        (アリィに投げ渡されたのは、幻惑的な輝きを帯びた一振りの剣)
        (煌びやかな細工が彼女の目を引き、掌に吸い付くような質感が彼女の心を奪う)
        (それは彼女の身体に吸い込まれ、やがて彼女を構成する要素の一つとなった)

        流れた血の量だけ、その剣は力を増す。
        幾度と激戦を潜り抜けて、そいつはそれでも最後まで折れなかった。
        まるで、使い手のようにな。
        名はアセルス。強い女だったよ。

        (呼ばれた名の持ち主は既にいない)
        (役目を終え風に消えたか、剣と一つになったのかは定かではないが)
        (剣越しではあるものの、残した記憶の残滓がアリィに満ちていく)
        (壮絶な人生であった。気高く誇り高く、その生涯は壮絶だった)

        確かに託したぜ、アリィ。
        ついでに俺たちの願いも抱えていけよ。

        こんなもんとっとと終わらせろってな。 -- ファング 2014-03-29 (土) 01:38:49
      • (新たな力の胎動は、課せられた責の重さの表れか)
        (滾る想いが、彼女という器を溢れんばかりに満たす)
        (彼女は頷いた。是非もない。それこそが望みなのだから)
        (それが今や、その望みは一人だけのものではない)
        (三人分もの願いが体内を駆け巡っているのだ)

        もうブレない。
        私がすべきは最初から決まっていたんだ。漸くそれを思い出せたよ。

        ありがとう兄貴。

        (彼女はファングに背を向けドアノブに手を掛ける)

        ……行ってきます。 -- アリィ 2014-03-29 (土) 01:51:41
      • ……ああ。
        気をつけて行って来い。

        (まるで兄と妹が織り成す、日常風景のような言葉のやり取り)
        (笑顔で部屋を出て行くアリィの向こうには、既に彼の姿はなかった) -- ファング 2014-03-29 (土) 01:55:06
  • 追憶の館にて 二幕
    • ……、
      (不意に傍らから掛けられた声に驚いて首を巡らせれば、其処には)
      オマエは……?
      (思わず、と言った風情で誰何の声を挙げる。右腕の令呪に、幻痛を覚えた気がした) -- アクタ 2014-03-28 (金) 01:28:06
      • 残留思念だ。過去の聖杯戦争で敗れ、未だ成仏できずにいる。
        もはや名前に意味なんてないが、それじゃ呼びづらいか。

        アンファング・H・ミサワ。ファングでいい。
        生前は、お前が連れてる女の兄をやっていた。

        (先程までセイバーがいた場所に腰掛ける)
        (目つきや表情、日に透かされた髪の質感が、確かに彼女と何処となく似ていた)
        (彼は指先を組み、続ける)

        お前もマスターってんなら、叶えたい願いがあるんだろ?
        だけどな、人には分相応ってものがある。お前の願いってのは、他の数多の参加者をねじ伏せてまで叶えるべき願いなのかよ?
        今に大勢死ぬぜ? 或いはお前が大勢殺すんだ。
        聞かせろよ。お前の腹の中を。 -- ファング 2014-03-28 (金) 14:32:38
      • 成る程、大先輩だな。聖杯戦争におけるマスターとしても、アイツの扱いを知る者としても。
        (眼鏡越しの視線、その鋭さは確かに、彼女と良く似ているようにも思う。未だ壁際に凭れたまま、彼の言葉を聞いて)
        (……問いかけは、セイバーのかつての問いのようであり。より直接的でもあった)
        (腕を組み、少し目を伏せて。自分が何故この椅子取りゲームに参加したのかを思い出すように)

        俺はさ。
        ガキの頃に呪いを受けて、刻限が来れば、俺の存在は残さずただ殺す為の化物に書き換わる。
        そういう理不尽が嫌だった。負けたくなかった。
        だから、何をやっても生き抜いてやると……ガキの頃に、選んだ。
        以来、迷って、後悔して、それでも自分を生き延びさせる道を選んで来た。

        この聖杯戦争に参加するときだってそうだ。諦めてくたばる道もあったけど、こっちを選んだ。
        選んだ以上は全うしなければ、そいつは今までの俺の選択と、その選択の結果殺した奴等をも裏切る事になる。
        分不相応かどうかなど、どうでもいいのさ。
        それしか道がなく、乗った以上は為すべきを行うさ。

        例え、俺自身が俺の心中を裏切ろうともな。 -- アクタ 2014-03-28 (金) 23:18:50
      • ……強い決意ってのはな、言わば呪いだ。
        それを願えば願う程、影のようにぴたりとくっ付いて離れやしない。
        言うなればそうだな……お前は、二重に呪われてるんだ。
        解呪するにはそれこそ、望みを叶えるしかない。

        (投げ掛けられる眼差しに頭を振る)

        お前らが勝ち残る確率は、単純計算でロシアンルーレットを完遂するよりも低いんだぜ。
        けどな、実際は更に難しい。いや、むしろ不可能に近い。
        お前のサーヴァントは、女子供……いや、年寄りもか。
        そいつら相手に手を下せるとは思えないね。
        あいつは人にこそ口は回るが、自分のこととなれば鏡を見ても理解が及ばない性質だ。
        その時、トリガーを引くのはお前だ。お前の害意だ。

        いいか。令呪は3つある。3つもあるが、3つしかない。
        使い所を惜しむな。使い所を誤るな。
        敵と味方を見極めろ。そして……。

        ……可能であれば、直ちに殺せ。
        敵も、味方もだ。何れ誰もが敵になる。

        もっとも、お前にとっても無理難題かもしれないがな。
        あいつを呼び出したマスターだ。きっと根底は似たようなもんだろ。
        だがな、後輩。お前はそれでも成し遂げろ。

        妄執に縛られたくなかったらな。

        (座してていたはずの男は、アクタの隣に立っていた)
        (舞い込む冷ややかな風が、カーテンを撫で付ける)
        (窓も扉も閉じた、締め切られた空間であるにも関わらず)

        ついでに喝を入れてくる。
        それで何が変わるわけでもないけどよ。
        それでも、投げ付けたい言葉もあるのさ。
        不出来な妹ほどかわいいと、世間一般では言うらしいからな。

        (からからと笑いながら、アクタの目の前で彼は忽然と姿を消した)
        (客間に声だけが響く)

        手に入れろよ、聖杯。 -- ファング 2014-03-29 (土) 00:05:40
      • ……随分と、お節介な残留思念も居たもんだ。
        (革製のバングルを取り外し、そこに刻まれた令呪を見る。ファングの言葉は正しい。呪いだらけの人生だったし、きっとこれからも、そうなのだろう)
        (『何れ誰もが敵になる』──そうさ。その通りだ。目論見が上手く行ったとしても、行かなかったとしても)
        (打算と希望。その両方を叶える為には──聖杯戦争に参加するしか無かったのだから)

        獲ってみせるさ。

        (風を伴い、しかし幻のように消えて行った彼に応えるように。青年はそう、呟いた) -- アクタ 2014-03-29 (土) 01:14:00
  • 追憶の館にて 一幕
    • (程よい日照りに恵まれて、本日はまるで行楽日和)
      (列車から降りれば薄い塩気混じりの湿った風が、緩やかに二人を撫でる)
      (ここは古い港町。既にセイバーの知る風景は減ってしまったが、それでも幾らかの名残は見受けられた)
      (目的地を目指し、川沿いを歩く二人。釣りに興じる子供たちを遠めに、彼女は柔和な笑みを見せる)

      ……私、昔は教師してたんだ。これでもね。
      勿論、文学や数字じゃなくて別の方。戦術や戦略をね。この辺りにある、冒険者を育成する学園で。
      かつては私も、そこの卒業生だったんだ。 -- セイバー 2014-03-26 (水) 20:43:14
      • (……日の当たる場所は、普段の陰気な風情を置き去るのに苦労させられる。穏やかな空気に溶け込む相棒の表情に意外な程の感慨を抱きながら、彼女の歩みに合わせて)

        聞いたことはあるな。一時程の勢いが無いにせよ、多数の英雄を輩出した学び舎だとか。
        成程ね。妙に説教臭いと思ったら。
        (川のせせらぎに軽口は流れ行く。教師というイメージは、不思議とセイバーの纏う雰囲気に似合っていると思った) -- アクタ 2014-03-26 (水) 21:57:16
      • だーれが小姑臭いだ。こいつ。

        (主のわき腹をつつきながら、じと目で返す。続いて毀れる笑み)
        (鎧もなければ外套もない。今アクタの横にいるのは、どこにでもいる女性と変わりがなかった)

        色んな人がいたよ。私よりもやかましくてお調子者の子とか、しっかり者だけどまあ、ちょっとおでこが怪しい子とか。
        凄く小さいごてごてと色んなアイテム下げてた子とか。
        学生のとき、すっごく好きな子がいてさー。そいつはノリがよくて、色々と気があったんだ。
        話に面白くてね。いい奴だったよ。……でも、死んじゃった。モンスターに殺されてね。
        それからかなあ……漠然と教師を目指そうって思ったのは。
        いつ誰が死んでもおかしくないからこそ、少しでもみんなに長生きしてほしかったんだ。
        それぞれが強くあれば、それだけ守れるものもあるしね。
        勿論、恩師の影響もあるけれど。

        (さわやかな日照りを背に受けて、二人は歩いてゆく)
        (たどり着いたのは大きな洋館だ。古い建築様式だが、不思議と経年劣化は免れている)
        (まるでこの場所だけが時を止めたかのように)
        (セイバーはまるでいつも通りと門を開き、中庭を進んでいく) -- セイバー 2014-03-26 (水) 22:52:49
      • ……たまにはしゃいでる女学生臭くもある。
        (こちらの脇腹を突く従者の笑みにため息を吐く。とは言え、それが不快という訳ではない。若干の戸惑いは在るが)

        (思い出話のように語られる、セイバーの生前の友人達。そのどれもが黄金暦と言う歴史の中を生き、笑い、泣き、戦って、そして死んでいったという事実──)
        (──奇妙なものだ、と思う。時代を隔て、生の言葉としてそういうもの聞くというのは)
        (語るに任せ、時折相槌を打ちながら。彼女の案内を受けて辿り着いたのは洋館の前)

        でかいな……と、おい。
        (勝手知ったる我が家とばかりに──否、此処こそが、彼女の我が家なのだ、と思い返して。古さが味となり、何処かあたたかみのある存在感を持って迎える洋館に、遅れて足を踏み入れた) -- アクタ 2014-03-26 (水) 23:12:59
      • (玄関を通って大階段を称えるホールに出る。飾られた美術品は歴史が古く、中には黄金暦より前の瓶もあった)
        (彼女が言うには、元の持ち主からそのまま譲り受けたようだ。奥の書斎には、錬金術関連の書籍がぎっしりと詰まっているとも)
        (部屋数が多く、客間は色々あるとも。その内一室に、二人は入っていく)

        ここに引っ越してきたのは、旦那と結ばれてからだっけな。
        職場結婚でね、彼は元々私の教え子だったんだ。
        強くて優しくて、どこかちょっとスレてて。
        私が卒業式に話した言葉で、ぼろぼろ泣いちゃってたっけね。
        懐かしいなあ……。

        (ソファにゆったりと腰を掛け、思い出に浸る)
        (どの部屋も家具だって、まるで朽ちる様子がない)
        (彼女が言うには、娘が錬金術を齧っているとのこと)

        でも確か、私はここに来て10年もしないうちに死んだんだ。
        名はアルテリーベ・I・ミサワ。享年何歳だっけな、はは。
        ごめんね、上での生活が長すぎてあんまり覚えてないんだよ。

        今まで通りセイバーでも、アリィでも構わない。
        街中で呼ぶには、クラス名はあまりにも重過ぎるでしょ?
        ……まあ、自分の名前が好きというのもあるけども。
        大好きな人たちが、たくさん呼んでくれたんだ。
        嫌いになれるわけなんてない。 -- セイバー 2014-03-26 (水) 23:28:21
      • (埃こそ積もっているが、朽ち果てたという印象は薄い。むしろ、主の帰還をひっそりと待っているようにも見える屋敷であった)
        (興味を惹かれる物も多いが、今の関心は懐かしげに館を見回すセイバーに在り)
        (案内された一室へと進む。自然な調子でソファへと座るセイバーとは対象的に、何となく壁に背をもたれて彼女の話を聞いた)
        (此処は恐らく、彼女の最も大切な場所であり──己の居場所ではない、そう思えたからかも知れない)

        アルテリーベ……

        (告げられた真名を舌に乗せる。なんでもない事のように語る彼女が、眩しい)
        (愛する人と共に暮らしていく時間が短かった事を悔いては居ないのかと問いかけようとして……やめた)
        (それならば、彼女はあんなにも穏やかな笑顔など、していない)

        (であるならば、自分は)

        ……いい名前だと、俺も思うよ。
        だがね。俺にとっては……やっぱりオマエはセイバーで。
        そういう顔をするオマエを駆り立てて、戦わせている者であることを……俺自身が忘れる訳には行かんさ。

        (羨望があった。尊敬すらあった)
        (そうが故に、英霊(あこがれたもの)の名を自分という呪いで穢す訳にはいかなかった) -- アクタ 2014-03-26 (水) 23:43:16
      • うん……そうか。お前は本当に律儀な奴だよ。
        こんな運命でもなかったら、伴侶でも見つけて幸せに暮らしてただろうにな。

        (その視線は慈愛にも哀れみにも。露悪的な道を歩む不器用さはあるものの、アクタの中には人の血が通っている)
        (その一点があるからこそ、主従の関係を別として、セイバーは彼に協力を続けている)
        (サーヴァントであることを望んだ時から、好きに使われる覚悟はあった)
        (しかしながらこの男はといえば、悪く評するならば何処か甘い。彼女が幾度となく試すかのような質問を投げかけた時も、返答は決まって"そちら側"だった)

        何か聞きたいことはある?
        今なら比較的口が軽いr;好きな食べ物でも、得意料理でも。
        思い出話でも、家族構成でも。 -- セイバー 2014-03-26 (水) 23:55:03
      • (セイバーの評は嬉しく思う。だが、だからこそ。だからこそその評に自らを当てはめることはしてはならない)
        (そんな事は、己が生きてきた無数の選択の道が許さない)
        仮定に意味は無いさ。そうが故にオマエを供に勝ち続ける道を選ぶしかない。

        (聞きたいこと、と問われて。壁に背を凭れさせて天井を仰ぐ)
        (好物も、得意料理も、思い出話も、家族構成も。興味が無いと言えばそれは、嘘だ。だが)

        いや……一つだけ、あるな。
        セイバー。オマエの生は、幸福だったか?

        (フード越しに沈んだ瞳ではない。真っ直ぐな視線で、そう問いかけた) -- アクタ 2014-03-27 (木) 21:24:37
      • 幸福だったよ。だけどね、それでも後悔だらけさ。
        もし一線を退いていたら、我が子を人の世で、人の子として育てることができた……とかね。
        こればっかりはよく思うよ。それに……サーヴァントになってからも後悔続きだ。

        私は弱い女だ。いつだって正しい選択肢を選んできたつもりなのに、思い返せば不安ばかりが喉元を掻き毟る。
        けど、そんなこと言ったところで何にもなりゃしない。
        何にもなりゃしないことをわかっているから、それでも生きていきていくしかなかっただけだ。

        周囲からは強い強いと持て囃されたけど、結局見られているのは外面だけさ。
        内面に踏み込んできてまでそんなこと言われたのは、ただの一度もないもの。
        でも私のしたいことをするには、私自身が強い人でなければならなかった。
        モノを教えるに重要なのは説得力だからね。それはそれで都合がよかった。

        私の旦那はね、そこまで踏み込んでも尚、私のことを見てくれた。
        目を背けることなく、私の後悔を理解をしてくれた。
        どの私も愛してくれたんだ。

        だから、私の生は間違いなく幸福だったよ。 -- セイバー 2014-03-27 (木) 22:06:29
      • (選んだ末に後悔続き。それでも生きて、生きて、生き抜くしかない)
        (選択肢はいつだって朧気で、後ろを振り向けば「もしも」が追いかけてくる)
        (覚えのある話だ。誰よりも。だからこそ、自分の下にこのセイバーが召還されたのだろう)

        (そしてその生の末に彼女が巡り合った幸福。衒うことなく、語られる幸福は)
        (眩しいが故に彼女の生涯が間違いなどでは決して無いと確信させるものであった)

        ああ、その言葉が聞ければ十分だ。
        英霊の『正しさ』なんて理解出来ない、なんて思っていた自分がアホらしくなる。
        (そう、結局の所は彼女もまた一人の人間であり、その生を懸命に全うしただけの事)
        (なればこそ。己の選択にセイバーを伴なう事に間違いは無い──そういう確信を抱き、深く、頷く)

        今日はありがとうと言わなくちゃならんな。

        (だからそう、偽らざる本心を呟いた) -- アクタ 2014-03-27 (木) 22:46:27
      • いや、私ばかり喋ってごめんね。
        少しばかり気分転換してくるよ。
        かつての自分の部屋にね。マスターは暫くゆっくりしてるといい。
        本来なら、手料理のひとつでも用意してやるんだけど生憎と材料がね。
        いくら保存食とはいえなー……いや、茜が使ってるなら貯蔵はあるかな。
        少し見てくるよ。

        (彼女はそう言い残して部屋を出て行く) -- セイバー 2014-03-27 (木) 23:39:18
      • (取り残されるアクタ、その影に立つ男が一人)
        (彼よりもやや低く、不機嫌そうな顔に眼鏡を掛けている)

        よう、客人。お前"も"マスターか? -- 2014-03-27 (木) 23:39:51
  • (夜。尖塔の頂点に佇む黒外套の男の視線は、ただ一点に絞られている)
    ……あの男がそうか。(吹きすさぶ風に、羊皮紙を放り捨てた。煽られて見えたそこには、フードを目深に被る青年の似顔絵)
    "刻死彫(スカルプチャラー)"、"呪印使い"……魔術師殺しのガンナー。「らしい」手合いだな。
    (蓬髪に対し、右腕に刻まれた特徴的な剣の印。己の首元に手を当てる。あれをあえて晒すということは、相応の覚悟があるということか)
    ……ちょうどいい、妙な輩ばかりで調子が狂っていたところだ。
    (月衣から機械杖・マリーエングランツを引き抜く。赤い瞳が瞬いた)
    先手を打たせてもらうぞ、魔術師殺し……!

    (そして夜の街を歩いていたアクタは、強烈な戦意に気付く、あるいはすでに察知していたそれが近づくことを理解するだろう)
    (闇を切り裂く光弾が五発、その認識に遅れて降り注ぐ!) -- アルヴィン 2014-03-26 (水) 02:00:06
    • (熱風にも似た殺気。気付いた時には既に先手のアドバンテージは機械杖の魔術師にある)
      ……ッ!
      (街路を抉った光弾が夜闇に明るく爆ぜ、危うい所でそれらを躱して肩から受け身を取った時には既に、アクタの手の中に礼装が握られている。.45口径、無骨な銀の得物は咆哮と銃火で光弾の放たれた方角へと吠え立てる)
      マスターか? それともサーヴァントか?
      ……全く、らしいじゃないか……!! -- アクタ 2014-03-26 (水) 21:53:37
      • あれを避けたか(声音は平坦であるが、込められた意図は驚嘆。その隙を貫くが如くにマズルフラッシュ!)
        (GKIN! GKIN! と、分厚い鉄の扉にぶち当たるような音を立て、虚空で銃弾が静止した。攻撃術式と同時に展開した防御魔装が弾丸を受け止めたのだ。だが!)
        ッ!?(弾丸は回転を続けている! その違和感に黒外套を翻したのと同時、魔装を貫いた弾丸が肉体を打つ。受け身を取りそこね、157kgの重量に石畳が砕けた)
        なかなかやる……が、回避行動に専念しなかったのは失態だな、魔術師殺し(マリーエングランツの金属輪が展開。同時に結界《月匣》が周囲一体を覆い、紅い月が天に上る)
        降り注げ!(オーン・オーパス) (赤い空を切り裂き、銀色の雨が降り注ぐ。精密さを欠く代わり、生体に触れれば魔力の爆裂をもたらす広範囲水術式だ) -- アルヴィン 2014-03-26 (水) 22:07:41
      • (手応えは……果たして存在した。指さした相手に不幸を与えるという呪い、ガンド。銀色の礼装は銃口という殺意の発露口を経て、その呪の一端を弾丸に付与する。呪いは果たして、彼の長杖の魔術師の防御を食い破った)
        (……だが、しかし。賞賛の言葉と共に投げかけられた言葉と共に──世界が、変転する)
        結界術か、厄介な……!
        (脳内で組み上げていた逃走の算段を瞬時に破棄し、舞い上がる砂埃の向こう、紅い月を背後に起き上がる敵手を視界に捉え)

        ……ええい、面倒な!
        (空いた左手をジャケットの内側に突っ込むと、引き出した符を空へ撒く。術者であるアクタの髪の毛を形代とした身代わり符へと次々と銀光が着弾し、魔力の爆発に打ち据えられ、街路を前転……辛うじて直撃を避けた呪術師は、次弾の装填を既に完了している!)
        (膝立ての射撃姿勢は、数歩の距離を置いた魔術師へと向く。照星越しに見据える赤い瞳が、敵手のそれと静かにぶつかり合った) -- アクタ 2014-03-26 (水) 22:20:31
      • 賞金稼ぎは伊達ではないようだな、呪印使い。やはり一小節の圧唱(クライ)で屠れるはずもないか。
        (照準の先、まるで柱の如くに打ち付けられ回転する機械杖を手に、黒外套の男は悠然と屹立していた)
        (もとよりアルヴィンは機動的な戦闘ではなく、あえて拠点を据えての大火力・大広域での攻撃で相手を圧殺することを得意とする)
        (ゆえに礼装の死の顎が黒々と己を狙っていようと、避けることなどしない。不可視の防御魔装を五重に展開し、あえて正面から受けてみせる構えだ)
        引き金を引いてみろ。お前の込めた呪いと、俺の血がもたらす魔力。どちらが上かを西部劇のように決めてみるのも悪くない。
        (無論、余裕などない。もう一度防御魔装を貫かれたならば、次こそ呪いは重篤な影響を残すだろう。これは一種のブラフだ) -- アルヴィン 2014-03-26 (水) 22:45:52
      • 奇襲闇討ち暗殺上等ってスタイルなんでね。恨みを買うのには慣れてんのさ。
        (自身の仇名も売れたもんだ、と嘆息しつつ大柄な身体を見上げる。長身のアクタと比しても、目線を上げねばならない偉丈夫)
        (尤もその身に纏う威圧感は体躯だけのものではあるまい。言うなれば魔術師としての在り方そのものが、アルヴィンを堅固かつ攻性の要塞めいたものにしているのだ)
        (まるで西部劇──全くその通りだ。銃口をピタリと相手の眼前に据えたまま、だがと否定を脳裏に浮かべ)……さて。
        オマエが絶賛開催中のクソッタレ椅子取りゲームの参加者だって言うんなら、真に戦場の主役となるのは俺たち魔術師(マスター)じゃない事はご存知の通りだと思うが……
        (皮肉気に口の端を吊り上げ、立ち上がる。決然としたアルヴィンの態度に対し、怯懦も気負いも感じられぬ立ち居振る舞いであった)
        わざわざ結界で囲った割に、サーヴァントと連携して俺を狩ろうって意志が感じられん。それに、殺るならもっと確実な手が在るだろうに、態々姿まで見せている。
        (あっさりと、構えていた銃を下ろす。未だホルスターへと収める事はしないが、一先ずの一触即発を解除する為に)
        ま、今はまだ全財産の賭け時じゃなさそうだ。 -- アクタ 2014-03-26 (水) 23:07:16
      • なかなかに口の減らん賞金稼ぎだ。そうでもなければ魔術師殺しはやっていられないか?
        (指摘は正しい。もっとも、アクタをサーヴァントと共同して狩っていないのは、狩れないというのが正しいのだが……)
        それを言うならそちらもだな。これだけやらかしてサーヴァントが現れない、よほど迎撃の準備が整っているということか、あるいは……。
        (下げた銃口と入れ替わりに、ぎらりと赤い双眸が相手を睨みつけた)戦う意志がないか、そのどちらかだ。
        こちらの世界には疎いが、お前の名前は魔術師探しの間に聞かせてもらった。曰く、呪いの刻印使い。曰く、外道を当然のものとする薄汚い殺し屋。
        なかなか風評と実態が合っているようで一致しない男だな、お前は。賞金目当てに戦争に参加したというクチでもあるまい。 -- アルヴィン 2014-03-26 (水) 23:12:57
      • まぁね。仕事の時はいつでもゆとりを持って。でないと死ぬのは自分になる。
        (信条を嘯いて、相手の指摘には半目で応える。言葉にはしないが、それは真実という事だ)
        こうやってブラついてれば中々大きい魚も釣れるんでな。逃げる位なら俺でも出来る。
        (そうして、語られる自身に対する評価。当然ながら良い評価とは程遠いそれらに嘆息しつつも、蔑むでもなく真正面から投げかけてくる相手に疑問と、興味を覚える)
        ……そりゃまあ、アレだ。美人にモテるのは多面的な男とかそういうの。だろ? モテた試しは無いが。
        ──で、「こちらの世界」ね。オマエ、界渡りか。
        (機械杖、血を媒介とする魔術。こちらの世界でも見かけない事は無い技術だが──)あの紅い月。
        固有結界かなんかかコレは。こんなもん見たこと無いぞ。

        さて置き。賞金稼ぎは生活の為でしか無いんでな。こんなリスキーなゲームに参加してる訳だ、それ相応の理由ってモンがあるが──
        ──まぁ、名前位は教えて貰っても良いんじゃないかとかね? オマエは俺をご存知のようだし。 -- アクタ 2014-03-26 (水) 23:24:38
      • よく目が行く。なるほど、魔術師専門の殺しをしているとなれば観察眼がモノを言う、と。
        (否定も肯定もない。ただ、名を問われれば答えた)アルヴィン・マリナーノ。それが俺の名だ。
        風評通りの男であれば、ここで不意を討ち仕留めたところで痛む腹はないと思っていた。
        ……だが、風評以上のものが2つあった。お前のその性格と、何より腕前だ。
        (結界が解ける。音もなく機械杖が虚空へ消え、外套が風を喪ったようにうっそりと男の身体を包んだ)
        このままやりあって勝てる確証がない。オレもまた、全てのチップを賭けるには早すぎるということか。
        (戦いの気配が消えた。あるのはただ、魔術の道を進む者同士、お互いを測り探るような、また別の緊張である)
        刻印使い・アクタ。いずれ俺達はまた争うだろう。あるいは、闘う前にどちらかが倒れるかもしれん。
        お前はその戦いに身を投じることに、後悔や戸惑いはないのか。そこまでの理由が、お前にあると? -- アルヴィン 2014-03-26 (水) 23:45:05
      • (『風評通りの男であれば』──成程、こういう手合か。と、内心で納得と、幾許かの好感を得る。自らの指向性はさて置くとして、この手の人間は好ましく思う)
        (だが、これからの会話において行われる水面下でのやり取りに甘さは不要。感傷は、或いは幾許か混じるであろうが)
        気が合うな。俺も勝てない勝負はしない主義だ。
        (リボルバーを収める。殺意が消え、在るのは互いの立ち位置と信念を探り合う緊張感)
        ああ、在るね。オマエの──他者の願いを踏み潰してまで聖杯に託さねばならん願いが俺には在る。
        俺にとっては単純な生存闘争だ。聖杯を獲り、生き残るか。それとも半ばで自らの死すら残さずに消え果てるか。
        まぁ、件の聖杯が額面通り万能の願望機であれば、という前提はつくがね。
        (言葉を切る。戯けたような雰囲気は消え失せ、刃のような赤い視線が、真っ直ぐに)

        ”鬼神の呪印”っつってな。数週間か、数ヶ月か。或いは一年? それとも明日かも知れない──刻限が来れば俺の存在は『書き換わる』。
        ただ暴力という概念を振るうのみの災害に自らが成り果てる、そんなのは御免なんでね。
        ──聖杯が、最後に残った一縷の希望という訳だ。
        (淡々と、しかしその為ならば悪に染まるという決意も込めて。聖杯を求める明確な理由を語る) -- アクタ 2014-03-27 (木) 00:05:25
      • 生存が目的。……(沈思黙考。リスクのある戦いを嫌う理由がわかる。生きるために死ぬ理由など何処にもない)
        復讐を目的とする俺よりは前向きだな。……仕留め損ないはしたが、なかなか奇妙な話が聞けた。
        しかし……本当に奇妙なものだ。俺とお前は、どこか似ているのかもしれん。
        (虚空を見つめ、一言。逃れ得ぬ呪いを背負ったという青年に対し、彼は何か同調を含めるような言葉を発した)

        俺は神を殺す。神を殺し、魔を殺すために聖杯を求める。やはり俺とお前は相容れることはあるまい。
        だが……次に争うときは、もっと多くのチップを賭けられるようにしておくとしよう。
        (徐々に、空が白み始めていた)不意を打った非礼は詫びん。口惜しく思うなら、お前のやり方で返礼してみせろ、刻印使い。
        (水の帳が瞬間男を覆い、その姿を隠した)
        お前とは心置きなく戦える気がする。俺はもしかすると、その時を楽しみにしているのかもしれんな。
        (純然たる、魔術師としての戦意の高揚を感じさせる言葉を、ただひとつ残して) -- アルヴィン 2014-03-27 (木) 00:34:09
      • 神を殺し、魔を殺す、か。いいね。
        オマエは俺の目的なぞ気にしなくてもいい。俺もオマエの目的は気にしない。そいつは等価だ。
        ──ああ、次会う時は、全賭けでやり合う事になるだろうな。
        (それは予感めいた思い。朝靄に霞むように水が彼の姿を隠し、一つ残った言葉と呪術師だけが薄っすらと昇る日の出の光を浴びる)

        心置きなく、か。

        (思う処があるのか、何処か淋しげに呟かれたその言葉は、朝の光に灰と消えるかのように溶けていった) -- アクタ 2014-03-27 (木) 02:08:55
  • (濃密な土と葉即ち森の臭い、それに僅かな血の臭いを曳いて塒に戻って来る。時刻は既に朝方を回っていた)
    あークソ眠ぃ。二度と森ん中のスニーキングなんてしない。
    ……ぁ? なんだ。珍しく浮かない顔じゃないかねセイバーさんや -- アクタ 2014-03-25 (火) 18:55:15
    • 平然と朝帰りをする男を待つ女の顔なんてのはな、いつだってこんなもんだ。
      てっきりくたばったかと思ってたよ。一体何処で楽しい遠足してきたんだか。お前がいない間、こっちもこっちで手ひどい目にあったんだからね。 -- セイバー 2014-03-25 (火) 19:35:51
      • なかなかに楽しいハイキングだったよ。収穫もそれなりにある
        で、何だ。幽霊でも見たって面をしているが -- アクタ 2014-03-25 (火) 19:39:22
      • 生憎とオカルトは平気なタイプでね。一番怖いのは人間さ。それも顔見知りときた。
        今回の参加者に、私の恩師がいる。それも当然サーヴァントでだ。どうだ、心強いだろう?
        ……まあ、喧嘩別れしてきたんだけど。(アクタから視線を外しながら) -- セイバー 2014-03-25 (火) 19:50:56
      • はぁ。はぁ?
        (目を逸らすセイバーに、流石に間抜けな声が出た)
        ……理不尽な偶然てのも此処まで来ると悪意を感じるものだな。前に言ってたやたら元気なジーサマというやつか。
        それで。「選び直す」か?それとも「選んだ」ままに進むか?
        オマエの戦いでもある。ソイツを尊重した上で、俺は策を練るさね。 -- アクタ 2014-03-25 (火) 19:55:32
      • 売り言葉に買い言葉と言いますか、無性に苛立ってきたと言いますか……いや、自分でもないわーって思ってるんだよ?
        ただそのほら? 成り行き上仕方なく……? ああああぁぁ……。(頭を抱えて意気消沈)

        ……どうせあのジジイとは、やり合う運命だったんだろうさ。今はもうそれでいいや。
        正直考えたくない。はあ……。

        ……あ。そういえばブレイズんとこのライダーいたでしょ。ボロボロの。フード被ったやつ。
        あいつと真名を交換してきたぞ。"ステイシア"だとさ。
        お前よりも遥かに年上キラーかもしれないな、我が主? -- セイバー 2014-03-25 (火) 20:21:18
      • (普段飄々としているセイバーが此処まで崩れているのは初めて見た。そして、其処に立ち入るべきで無い、という思いも得たが故に、徒に関心を払う事は無い)
        まぁ、好きにすればいい。状況が待ってくれるとも限らんがね。

        へぇ。まぁ、アレが庇護欲そそる系である事は否定せんよ。というかそういうの多いな……正直勘弁して欲しいが。
        (事務机に身を預け、天井を仰ぐ)こっちも収穫だ。

        郊外の森の偵察に行って来た。噂は真実だったみたいでね。
        有角のガキと、俺と似て非なる刻印持ちのサーヴァントだ。どうにも警戒心強くて難儀したがね。 -- アクタ 2014-03-25 (火) 20:28:04
      • ああ、前にそんなこと言ってたっけね……布陣からしてキャスターかと思ったものだけどか。
        一体どんなやつ? -- セイバー 2014-03-25 (火) 20:32:22
      • 男装してた。まぁそれもあるが、交渉事となると殊更に武力を誇示する辺り、警戒心は強いが相当張り詰めてるな。
        ありゃ弁の立つヤツに一杯食わされた後だったんだろね。めっちゃ冷たくあしらわれて俺は少し悲しい。
        サーヴァントの方は……真名か愛称かは知らんが、”D”って呼ばれてた。クラスはよう分からんが何れにせよ直接攻撃系。オマエと打ち合える実力はありそうだ。
        (森の中で出会った一組の参加者について、覚えている印象を語る。思い返すはあの切実さ、ため息も重くなろうと言うものであった)
        攻め込むにはあの森は面倒そうだし正直気が引けはするが、付け入る隙は色々と見出してきた。戦えない相手じゃなかろ。 -- アクタ 2014-03-25 (火) 20:49:40
      • D……? 何だそりゃ。クラス名ですらないのか……面白いな。
        なあに、森に陣取っていることがわかっただけでも、やりようは幾らでもある。
        何も争うのは戦術だけじゃあないからねえ……良心を度外視すれば幾らでも。
        野兎が、都会で生きていけるわけがないものね。

        (相手の拠点が割れてる以上、取れる策は無数にある)
        (それは即ち、彼らが戦略面において圧倒的優位にあるということ)
        (ここで生じた余裕は、この聖杯戦争において非常に重要な要素だ)

        話を変えようか、マスター。
        以前の交戦から、ハイエナと名乗る男の素性を割り出しておいた。
        驚いたね。私よりもさらに前の時代に生きた男だ。
        それもとんでもない極悪人ときた。英霊に相応しい要素なんざ欠片もない。
        ……だからこそのチョイスかもしれないが。

        恐怖や嫌悪感は悪名となって人々の心に刻まれるからね。それは根が深いほど代が変わっても継がれてゆくものだし。
        そりゃあアレだけ強力にもなる。アサシンと名乗っちゃいたが、本質的には明確な意思を持ったバーサーカーだぞ。

        (ハイエナがどれだけ凶悪なサーヴァントか、刃を交えたからこそ、彼女は直感的に理解していた)
        (同時に、彼がどれ程この聖杯戦争にとって重要なファクターであるか、ということも)

        マスター、今だからこそあえて聞いておく。
        ハイエナを殺すべきか、泳がせておくべきか。

        理由は理解しているとは思うけれど、一応私の意見を述べておく。
        まずこの聖杯戦争のルールについてだ。これだけ大量の参加者がいるにも関わらず、時間的制限が一切ない。
        周りが敵だらけというのなら、自ら好き好んで仕掛ける理由が薄い。
        余程優位に立っているというのなら、話は別だけども。……これは史楼を狙った時の私たちがそれに当てはまる。

        では通常どうなるかと言えば、他所の消耗を待つか手を取り合うかになっていくことだろう。人の心理からすれば。
        そうなれば待っているのは停滞だ。雁字搦めのまま遅々として進まない。
        参加者自身に時間制限がない限り、これはもう仕方がない。

        じゃあどうすれば動き出すのか。
        これはもう明白だ。それを打ち崩す要素があればいい。
        今回であればハイエナがそれに当たるだろう。あいつの願いはわからんが、少なくとも最低のクソ野郎だ。
        既に幾らかの参加者を殺している可能性すらある。

        私の懸念は、ハイエナを殺すことにより、事態が動かなくなるのではないか、その一点だ。
        無論、倫理的にみればこれ以上ない程に最悪だ。毎日大勢の人が死ぬ。それこそスナック感覚でね。
        だが放っておけば、あいつは嫌でも参加者の関心を集める。ブレイズのようなマスターは特に。
        交戦も頻発するだろう。他所がそれぞれ消耗すれば、それだけで我々にとっては有益だ。

        さあ、どうするマスター。
        これは今後の身の振り方にも関わってくる選択肢だ。 -- セイバー 2014-03-26 (水) 04:09:31
      • オマエ俺よりマスターらしい時あるよな。情報収集とか。
        (ハイエナについて知り得た事をについて語るセイバーにそんな感想を漏らす。考えるべき事は多いのに、さらに厄介が増えて)
        やれやれ……アサシンのスキルを『隠さず使う』殺人鬼か。
        (背の刻印に幻痛を覚える。被っていたジャケットのフードに手をやり、天井を仰いだままで次いだセイバーの問いかけに耳を傾けた)

        確かに今回の聖杯戦争は分からんことだらけだ。
        監督役が居るのか、聖杯の由来は、一体如何なる手段を以て、誰が布告したのか。
        全てが透明の霧の向こうに在るが如くの曖昧さで、それ故に「考えるだけ無駄」と切って捨てるべき曖昧さだ。

        (蓬髪に指を通し、かき上げるようにフードを脱ぎ去る。赤い瞳は、刃の鋭さであった)

        ハイエナを放置するメリットは今オマエが語った通り。
        奴らがどれだけ無辜の人間を犠牲にした所で俺たちの聖杯戦争には何の関わりもない。漁夫の利を頂戴するならば、此処は静観が定石だわな。
        (だが、と言い置く。酷くつまらさそうな表情で)

        そろそろオマエも気付いてると思うがね。俺の弱点は正に其処に在る。
        即ち、『土壇場で此方の良心を試されるような戦い方をされた時、果たして俺はどう動くのか』という点だ。
        十中八九、悪手しか選ばんだろう。最後の一線で俺は外道な悪人になり切れない。

        (だから、と。セイバーを見据えて言う。表情は先のままだが、強い意志の乗った視線で)

        俺たちは先んじてヤツを殺す。

        泳がせてたら此方に突っ込んで来てマスターが足引っ張りました、では話にならん。良心が枷となるなら、むしろソイツに則って動けば良い。
        火中の栗を拾う形となるが、この問題を放置して悪性腫瘍に発展するよりは余程マシだと俺は自己判断するね。
        コイツが俺なりに感情と理性を考慮した末の答えだ。 -- アクタ 2014-03-26 (水) 04:55:17
      • だだ甘だな。昔好きだった店の、ティラミスタルトを思い出すよ。
        だが……そっちの方がやり易い。私も根っこのところで、お前と同じなのかもしれないね。
        (その表情は何処か満足げである。彼女はマスターを通して、自らの内を再認識した)

        折角だ、昔話をしよう。明日すぐにここを発つ。
        一緒に行きたいところがあるんだ。 -- セイバー 2014-03-26 (水) 05:25:48
      • 返す言葉もねーが。
        まぁでも、悪名高い反英霊なら、ソイツをぶっ殺すせるのも英雄だろうとかね。
        (言外に信頼を込め、呆れたような、満足気なような表情へと言葉を返す)

        ほう? そりゃまた是非も無いが。
        ……だけど今は正直寝させて欲しい……
        (ぐったりと椅子に伸びて、脱力) -- アクタ 2014-03-26 (水) 05:30:37
      • ああ、ここからじゃそれなりに遠いからね。今のうちに休んでおくといい。
        行き先は……私の家さ。 -- セイバー 2014-03-26 (水) 05:37:10
  • (――……今宵は月蝕)
    (アクタが魔術師殺しで、その命を蝕むかの様に……月が太陽に飲みこまれ、輝きを奪われているかのような夜)
    (呪術師を象徴するかのような、不吉な夜に――……彼が眠りに落ちれば、夢の世界へと誘われる……)
     
     
    (そこは、今日の月蝕の様な――……魔術師の命を暗い潰す、アクタの内面を象徴するかのような)
    (暗い、暗い砂漠の夜空……心なしか、ざわり ざわりと周囲が蠢く気がする)
    (『ここ』はギメル(駱駝)の径、女性性(=受容性)で溢れており、男性性(=積極性、攻撃性)の原理の否定である)
    (『愛』に溢れる場でもあり、それは呪術等の『人を貶め、侵食する』彼とは対照的だった)
    (――……気が付けば、駱駝の白い主が 目の前に現れて居た)
    (白いヴェールで顔を半分程に覆って。純白の衣装に身を包む少女の姿) -- メルセフォーネ 2014-03-24 (月) 04:05:25
    • (夢はお告げである。そう解釈される事も多い。さて、今現在アクタが彷徨う暗い砂漠のこの風景が何を暗示しているのか)
      ……お誂え向きって奴だわな
      (自嘲気味に吐き捨てる。あまりにも自らの在り方に相応しい光景であったから。……不思議と、これが夢の中だという自覚がある)
      (だが……次第に、自らに染まらぬ風景に移り変わる気配に、ふむ、と嘆息。現れた少女の姿にも動揺は無く)
      (ヴェールに隠された少女の白い面が、濃紺の色彩に浮かび上がるように感じる)
      今宵は月蝕だったか。夢の泉に月の精でも零れたかい。 -- アクタ 2014-03-24 (月) 16:44:21
      • (穢れ無き白のヴェールを纏った少女と、穢れた道を進む漆黒のローブを纏った青年)
        (対照的な二人が並び、視線を交わす……それは、まるで正反対の鏡の様に)
         
        月の精――……言い得て妙だわ(ここはギメル(駱駝)の径であり、穢れ無き処女(イシス)の庭園)
        (それは女教皇の径でもあり、女教皇は月に関係が深い……その径の番人をするかのような彼女もまた、月の性質が強い)
        けれど――……
         
        同時にここは、貴方の夢でもあり、内面世界でもある……正しくは貴方と私の夢の、交差する場所
        互いの混じり合う精神の場――……とでも言うべきが正しいわ
        そして『本来なら』招かれざるべき客に等しい貴方は、こうして私の庭園に足を踏み入れられている
        それはつまり『貴方が招かれるべき正式な招待客』だという事…… だから、こうして本来なら相容れない筈の貴方を受け入れられて
        そこに『貴方の精神世界』も加わって、互いにこうしていられるの……強いて言えば、この月蝕の空は貴方の内面の表れ
        ――……深く、暗い全てを飲みこまんとする 闇の様な心の持ち主である事がわかるわ……
         
        ……4人目……
        (ぽつり、と彼女は呟いた)
         
        貴方で、4人目なの……私の夢の中に現れるのは――……
        (ヴェールの下に隠れている、左上腕部の令呪が、彼と自分の繋がりを示唆するかのように鮮血の輝きを放つ)
         
        貴方は、この 深く暗い深淵(アビス)に等しい心の奥底で……
        何を望み、何を欲し、何を得る為に 聖杯戦争にその身を投じるの……? -- メルセフォーネ 2014-03-24 (月) 20:46:56
      • オイオイ随分な言い様だな俺の内面。確かに相棒には枯れてるだの遊びがないだの散々指摘されちゃ居るがね
        (肩を竦める。元より此処が夢の中で、相手のステージだと言うのならばじたばたと焦った所で仕方の無い事ではあるし──目の前の少女に害意は感じない)
        (呼応するように、アクタの右腕に刻まれた令呪が赤光の熱を持つ──柄と、刀身、切先。三角で構成される彼の令呪は、剣の形をしていた)
        四人目、か。順番に意味はあるんだかね。
        (ひとりごとのようにそう呟いて、メルセフォーネの問いかけを吟味する。精神世界が繋がった相手に口先での理屈など通じるものでもあるまい)
        後ろ、見てみろよ。
        (親指を立てて自身の背後を示す。いつの間にか彼の背後の『夢』は変質していた)
        (それは、影。月の光も返さぬ、一切の黒。禍々しさは無い。悪意も無い。だが──)
        分かるだろ。こいつは『暴力』って概念そのものと言っても良い。意志も無く、目的も無く、ただ目につく物を殺し尽くす災害。
        そういう厄介なモンを背負っちまったんでね。まぁ、なんとかしたいもんだ、と。残り時間も少ないようだし。 -- アクタ 2014-03-25 (火) 00:02:16
      • 内面は、貴方の積み上げてきたもの、貴方の世界を映し出す鏡、そしてまだ埋もれている可能性を見つける事も出来る
        上手く使えば、それは自分自身の肉体を通してアカシックレコードを読む手掛かりに成る……
        そして、貴方からは優秀な魔術の才を……確かに感じる
        呪術の道に走り、魔術師を喰い、自ら自身の道を黒く乗り潰してしまう事が惜しいと感じるほどに……!
        (同じ魔術師として、彼の才に興味を持ったからだろうか……とても残念そうな雰囲気を、感じる)
        (察する通り、害意や敵意……攻撃的な様子や罠にかけようとする様子も見当たらない)
        (そして、聖杯である事を、仮に抜かすとすれば――……これは只の、魔術師の会話だった)
        (呼応するように、熱を帯びて炎の様に輝く令呪が剣のモチーフであるのも見れた)
        ……数字の意味は、あるのかしら? そこまではわからない……けれど……
        (独り言のように、呟く彼を見つめる――……どんな相手かを『知ろう』とするように)
        (後ろを見ろと言われ、彼の背後を見てみれば――……)
         
        (そこだけ、何か異質な何かがあるかのように、黒く塗りつぶされるように存在していた)
        (ぞわり――……)
        (寒気で、身が震える……アレ自体には、禍々しさや悪意も無い けれど……)
        (『暴力』という概念そのものと称する、物を殺し尽くす災害は)
        (そこに在るだけで、此方の存在が脅かされてしまいそうな……侵食されそうな程に強力で、禍々しい呪い)
         
        …………………
        (息を飲む――……つまり)それは、貴方の寿命が残り僅か……だと、言う事……なの……?
        (嗚呼――……昔の事を思い出してしまう、生きたくても生きられない時代、無残に人の命の呑まれてしまう時代)
        (彼も、違う形だけれど……命を脅かされたものなのか……)
        (目を瞑る……何も言えない)
        (だって、生きたいって気持ちは苦しいほどに分かるから)
        ……それが、貴方の……聖杯で望みを叶えたい理由……なの? -- メルセフォーネ 2014-03-25 (火) 01:26:59
      • スマンそりゃ買い被りだ。俺にとっちゃ魔術ってのは、手段だ。
        ……後ろのコイツを何とかする為だけに呪術を学び、磨き、研ぎ澄ます中で使って来た。

        (絶望的なまでの漆黒はいつしか流転し、赤い紋様を描く。東洋の”鬼”を連想させる、血の赤よりも朱い刺青)
        だけど、何ともならないみたいだ。
        コイツは概念だ。”鬼神”の形として俺を侵食しはするが、刻限が訪れれば俺の存在は『書き換わる』。
        其処には俺の死すら残らん。ただ全てを殺し尽くした果てに消える、ヒトの形をした災害が立つだけの──

        (言葉を切る。問いかけに応える為に)
        そういう事だな。
        俺にとっちゃこの聖杯戦争(おまつり)は、勝ち残る以外の選択肢の無い大一番(ショウダウン)って訳だ。
        (皮肉気に口の端を吊り上げ、笑う) -- アクタ 2014-03-25 (火) 01:51:06
      • ……そう、買いかぶり……手段……
        (――……そうは言うが、呪術は多くの魔術の中でも難しい、学び、磨き、研ぎ澄ます中で使ってきたといい)
        (高い実力にまで磨いてあるそれは……誇りを持って良い、素晴らしいものに感じた)
        (……いえ、彼には十分な実力がある、彼に足りないのは『自信』――……かもしれない)
         
        (漆黒は澱み、渦巻きながら赤く変化して模様を移す……懐かしい大爛帝国の伝承を思い出しそうな妖怪(鬼)の刺繍)
        何ともならない……?
        (続く彼の言葉に、表情が曇る……何も言えない)
        (何度も何度も、周囲の人が死ぬのを経験する……戦時中だから、遺体の山を弔う事も碌に無かった)
        (けれど)
        (概念で、鬼神に侵食されて――……自分が自分では無くなって、自分の死すら無く、自分の存在は世の中から淘汰される)
        (それはなんて、悲しくて苦しい事だろうか……それにも収まらず、その後も鬼となって、異形となって……周囲に災害を撒き散らす存在へと変化してしまうのか……)
          
        ………………
        (目を瞑る……聞いているだけで、自分の事では無いのに苦しく思えてしまう程に……)&br:  
        そう、聖杯戦争は 貴方にとって生き残る為の戦いなのね……?
        (皮肉気に口の端をつり上げ、笑う彼は、話のせいか何処か寂しさが漂う)
        (切なさに、胸を締め上げられてしまう)
        (敵であるというのに……彼が破れるのは、在って欲しくないと思ってしまう程に――……)
         
        もしかしたら……ううん、きっと
        貴方が鬼神に取りつかれて居無かったら――……貴方は、呪術の道を歩んで
        自分の運命を更に黒く塗りつぶさなくても……良かったのかな?
        (だって、彼は根っからの呪術師とは違う)
        (皮肉の仮面で隠しているけれど……その下に、温かみや優しさが奥底に、閉じ込められてある様に感じたから――……) -- メルセフォーネ 2014-03-25 (火) 02:11:52
      • そんな顔はするもんじゃない。特に、呪術師の前では。
        共感呪術、いやさ感染呪術なんて手管だって在るんだ。コイツに取り殺されるぜ、オマエ。
        (目を瞑り、悲しげに聞くメルセフォーネへとそんな言葉を投げかける。夢の中だからか、それとも相手が女だからか? 分かりはしない。どうせ、選んだ事から逃げる事は出来ないのだから)
        (ただ悪戯に自ら瑕を弄った所で、投げられた賽の目が覆る事など有り得ない)

        生き残る為、か。どうなんだろうな。
        自らの生命をチップにする事が賢明かどうかは、結果を見てみないと。

        (仮定には苦笑で、首を振り)もしもも、きっとも、意味が無いさ。
        俺はもう選んだ。
        (何を、かは言葉にせずとも、分かっている筈であった)

        さて。オマエは何故、俺に問う? -- アクタ 2014-03-25 (火) 03:16:42
      • ……そうね、同情心を下手に見せれば……此方が喰われてしまう隙を見せる事に成る……
        そんな手段も……(彼の言葉に、自分の故郷の邪教を思い出して……心を殺す様にして、感情を鎮める)
        (決して、呪術を知らない訳ではないから……けれど、敵であるにもかかわらず、呪術師であるにもかかわらず)
        (――……そう、忠告してくれる彼はやはり優しいのだと思った)
         
        ……その通りね、先がどうなるかもわからないし 無意味に期待した所で今のところは皮算用にしかならない……
        (目を瞑る――……予知の力を持っているとはいえ、自分も関わっているからなのか、先が読めない)
         
        この現状も、貴方の選択の結果として存在している……通り、か……
        (彼の苦笑に、胸が少しズキリと痛む)
        (けれど、胸を痛ませた所で……彼に変化を与えられる訳ではない)
         
        (自分の事を問われれば、彼が嘘偽りなく答えてくれたように、返す)
        私は、夢でこれまで会ってきた聖杯参加者に、何故参加しているのかや、どういう願いを持っているのかを聞いているわ
        聞いてどうなる訳ではない……現状は変わらないかもしれないし、余計な情は互いの足元を危うくする可能性も秘めている――……
        けれど……
         
        同時に、私は……人は己の敵に対して、時には酷く冷徹で、残虐な事を平気で行える側面を持つ事を知っている
        それが、自分の生存や、欲望に深く関わる事なら尚更――……
        人は他人の事を平気で踏みにじれる事も知っている……けれど
        他者の願いを踏み倒して、そこで私達はのし上がっていかなければならない……
        その時に、他者を『どうでもいい』と踏みつける事を、私は好まない……
        勝ち続けるという事は、同時に相手の犠牲の上に成り立つ事に成る……その時に
        同時に私も、他者を背負うことにもなるでしょう……だから、故に『何故参加したか? 何故願いを渇望するのか』を聞きたい
        ……少なくとも、それが偽善とも捉えられても……
        『誰かの犠牲』を伴う戦いであるからこそ……想いやりを、少なくとも出来る範囲で持ちたいから -- メルセフォーネ 2014-03-25 (火) 20:25:04
      • (余計な情は互いの足元を危うくする可能性も秘める。その通りだ。……そして、自身のアキレス腱がそういう部分にある事も自覚はしている)
        (耳の痛い話と言えた。だが、続いた言葉は静かに聞き届けて──深く、頷く)

        分かる話だ。
        このクソッタレな椅子取りゲームに参加した以上、手を汚さずには居られない。
        誰かの願いを守り抜く度に、散り往く者の亡骸が道を成す。

        俺は自らそういう道を選んで、選んで、選び続けて結局今まで生き遂せて来ているからな。そういうの……分かるよ。自分でも、虫のいい話だとも思うがね。

        (砂漠の夜に風が吹く。身を切るような冷たさは、しかし互いに温かさを知るが故に感じるものなのかも知れなかった)
        オマエとは……正直な話、やり合いたくは無いもんだ。こんな所まで見られちゃあ、格好がつかないからな。

        (肩を竦めて浮かべる笑顔に、険は無かった) -- アクタ 2014-03-25 (火) 20:41:27
      • 優秀するという事は、願いを叶えるという事は――……他の全ての人の上に立つという事
        (目を瞑る――……彼の話に、静かに耳を傾けて)
         
        (小さく首を振る)……いいえ
        貴方には、その道を選ぶしか……生き伸びる方法は無いのだと聞いたわ、蟲の良い話だとは思わない
        だって、私も――……貴方と同じく、死の恐怖と隣り合わせで、生きたいと……死にたくないと願い
        その上に、幸せになりたいと願っている……それは、それはとても贅沢な事
         
        生き伸びるという事は、同時に過酷な争いである事も、知っている……
        だから『生きたい』と、願い そこに黒く塗りつぶされた道を選んでいるとしても……
        犠牲の上で成り立つという事を理解している貴方は、優しいのだと思う
        ――……それが、例え呪術で人を殺め、魔術師殺しをしていても……
        (だって本当に、思いやりが無かったら、相手の事なんて考える事もしない事を私は知っているから――……)
         
        (砂漠の夜風が二人に吹く……冷たいのは、互いに訪れる、過酷の運命の象徴か)
        (夜空を見上げる――……嗚呼、何故私は気付かなかったのだろう)
        (この空は、彼が魔術師を食い潰し、人の運命を喰らう象徴かと思った……けれど)
        (この月は、闇に今にも暗い潰されんばかりの、彼自身の象徴なのだと)
         
        私も、貴方とは戦いたくない…… そして、出来れば生き伸びて欲しいとすら思い始めている
        (命が奪われるのは、怖い事 そして……誰かの命が奪われるのもまた、悲しい事だから)
        (祈る――……胸の前で、手を組んで『貴方に、加護がありますように――……』)
         
        (呪術師なのに、冷酷さも無く……笑顔に険の無い彼だからこそ)
        (彼の道に、救いが在って欲しいと――……願ってしまう) -- メルセフォーネ 2014-03-25 (火) 21:35:24
      • そう言ってもらえるのは……幸いだね。
        (偽り、皮肉ることの無い本心であった)

        だが、さっきオマエは「犠牲の上でも幸せになりたい」と言った。
        であるなら、自らの躊躇いを殺してでも他人の願いを踏みつけろ。
        俺もオマエに死んで欲しくは無い。だけど、俺たちが踊るのはそういう殺し合いだ。
        ──他者の願いを叩き潰すなら、己の願いにだけは真摯で無ければならんと「選んだ」からな。

        (それこそが、修羅道を歩む彼の持つ芯なのであろう)
        (見通せぬ夜に、誰も居ない荒野に、そういうエゴイスティックな想いを抱えて歩み続ける)
        (そんな彼には、メルセフォーネの祈りは望外に過ぎる労りであった)

        覚えておくよ。オマエと夢の中で話したことを。

        (名も知らぬ白の少女にそう告げて、青年は夜の砂漠を歩み始める。先行きに光があるとは、とても思えぬ暗夜行へと) -- アクタ 2014-03-25 (火) 22:00:08
      • ええ、だって常に『争いで勝つ』という事は……そう言う事でしょう?
        国同士の争いで、負けた方を搾取して、勝者側がさも正しいかの様に歴史書で記され
        負ければ悪い扱いを受ける……その時点で既に『犠牲の上で成り立つ幸せ』でしょう?
        ……戸惑いを殺してでも他人の願いを踏み続けろ……
        (目を瞑る、黙って彼の話に集中する為に)
        (正論だ)
        (私は揺れている……他者を想いやりたいと思う一方で、聞けば相手の願いや参加した背景で揺れてしまう)
        (それは、決意と覚悟の足りない証しでもある……)
        (彼の強さと決意を新たに耳にすれば、彼の芯の強さを心の中で静かに称えた)
        (――……彼にとって、私の祈りは、甘い子供の戯言の御飯事にしか過ぎないだろう)
         
        ……私も、貴方を忘れない……そして強さを教えてくれてありがとう
         
        (彼の名はまだ知らなかったけれど、きっと遠くない未来にまた会うのだろう)
        (砂漠を歩む青年の姿を、黙って見つめたまま見送る――……)
        (それは、まるで彼自らの選んだ漆黒の道へと再び歩き続けるかの様な姿を目に焼き付けながら――……)
        (闇に飲まれるかのようにして、夢に幕は閉じられた) -- メルセフォーネ 2014-03-25 (火) 22:19:35
  • 強襲!漆黒のライダー
    • (それはある夜の事。情報収集の行動をしていたアクタは、同じく偵察していたであろうアサシンと交戦する)
      (じりじりと後退しつつ逃走の隙を窺うアクタであったが、そこに思わぬ乱入者が――)
      • (二者を弾き飛ばした戦車は、後輪を滑らせつつ停止する。まともに轢かれたアサシンは既に消滅しており、アクタも地面に転がっている状態で)
        フン、虫ケラは潰しても潰しても出てくると見える。まあいい、ついでにマスターを一人始末出来そうでもある -- ライダー
      • いい加減こいつらにも飽きたんだが……ンなっ!?
        (完全に不意打ちと言ってもいい。大質量のインパクトの衝撃波で数メートルを転がり、なんとか受け身を取って立ち上がれば、其処には)
        ……参ったね、今度は俺が襲撃受ける番か。
        (得物であるリボルバーは手放しては居ない。油断なく構えながら、目の前の戦車に乗った黒ずくめの人物に言葉をかける)
        一応聞いとくが、オマエ、サーヴァントだな。 -- アクタ 2014-03-23 (日) 21:54:53
      • いかにも。そして貴様はマスターだ、つまり…死ね!
        (そう言ってライダーが座席から取り出したのは車上用突撃槍。それを右手で構え、再び戦車が突撃を開始すべく唸りを挙げる!) -- ライダー 2014-03-23 (日) 22:05:25
      • シンプルなのは助かるよ。ここん所、沈思熟考続きだったもんでな。
        (石を蹴立ててこちらへ突進してくる戦車。轢かれればただでは済まないことは、先のアサシンの例を見るまでもなく明白であった)
        (ならばどうするか、と刹那の思考も無く身体を横っ飛びに飛ばす。辛くも突撃槍の槍先を躱し──)
        (効くかどうかなど考慮もせず、馬上のシルエットへと連発射撃(ファニング)。一連なりの銃声が、夜の静寂に木霊するが) -- アクタ 2014-03-23 (日) 22:09:28
      • (通り過ぎる背に銃弾が吸い込まれるように命中する。しかし、ライダーはまるで効いていないというかのように戦車を操る。並みの乗り手では成せぬ急制動で再びアクタへ向き直り)
        ほぅ、少しは動けるようだな。だがそれがいつまで続くか…さあ、踊れ!死のダンスを!(再度の突撃が迫る!) -- ライダー 2014-03-23 (日) 22:18:24
      • ま……そりゃそうだわな。
        中折れ(ブレイクオープン)した銃身がその衝撃でシリンダーを押し、空薬莢が排莢されるや否や即座に次弾を装填しつつ、そうごちる)
        (神秘はより上位の神秘に上書きされる──魔術の基本である。礼装として魔術的な意味を付与して在るとはいえ、ただの.45口径弾がサーヴァントに有効に機能し得るなど、本来は有り得ない)
        そうそう続かねーからな。こういうのはさっさと逃げるに限るってもんでよ!
        (向き直ったライダーの突撃が先か、アクタの走り出しが先か。先の戦闘時、逃走経路として目星を付けていた廃ビルの間の狭い路地に身を踊りこませる)
        (隘路などライダーにとってはそう足止めにはなるまいと理解しつつも、逃走を図るのであれば他に選択肢は無いに等しい) -- アクタ 2014-03-23 (日) 22:24:16
      • (二度目の攻撃も回避され、小さく舌打ちするライダー。そして相手は細道へと逃げ込んでいる)
        フン、その幅ならば『車輪の獅子皇』が通れぬと踏んだか…愚かな!
        (ライダーは躊躇無く、アクタの背を追い戦車を走らせ…左右のビルの壁で減速こそしているものの、それを砕きつつ強引に進んでいく!) -- ライダー 2014-03-23 (日) 22:38:41
      • やっぱ追っかけて来やがったか……!
        (とは言え此処までは予想通り。ヒトと戦車の速度では比べるべくも無いが、僅かな猶予が発生した事こそが一つの布石である)
        (瓦礫と轟音の波濤が迫る最中、馬鹿正直にもう一度リボルバーを構え……鮫のように歯を剥いて、笑う)

        「落運に嘆け……ッ!!」

        (詠唱とも呼べぬ短い文句と共に、二発の銃弾がライダーが砕く左右のビルの壁面に着弾し……仄暗い魔力の残滓が、硝煙と共に夜闇に流れた)
        (刹那、異変が起きる。壁を抉られたとは言え、未だしっかりとした造りを見せていた両のビルが、突如として)
        (そう、本当に唐突に、倒壊し始めたのだ。瓦礫と轟音、そして砂埃は先の比では無い程に隘路に充満し、瞬く間に埋め尽くしていく──)
        (──先に発射した銃弾、これこそが久多良木アクタの切り札の一つ。着弾物に対し、致命的な不運を誘発する呪いの魔弾)
        (刻印弾がひとつ「落運の呪印」と名付けられたソレが生み出した破壊劇であった) -- アクタ 2014-03-23 (日) 22:49:12
      • 性懲りも無く…何っ!?
        (轟音に見上げれば、降りかかってくるのは崩れ落ちるビルの破片。悲鳴を上げる暇すら無く、戦車と騎手の姿は瓦礫の雨に飲み込まれる)

        (だが。瓦礫の山となった路地のその下。戦車の唸りは低く、しかし止まってはいない)
        (つまり――かのサーヴァントは、足止めこそされているものの健在。逃げるのならば今のうちであろう) -- ライダー 2014-03-23 (日) 22:57:54
      • (勿論、この崩落に巻き込まれて尚も無事な人間はそう居ない。そう、真っ当な人間であれば、だが)
        (瓦礫に埋もれ、未だ健在を主張する重低音の主──ライダーは勿論その例外であり)

        ……あークソ。ミスったな……全然生きてんじゃねえかアイツ。いや、そりゃそうなんだけどさぁ。

        (コンクリート片を押し退け、瓦礫から顔を出したフードの呪術師もまた、その一人である)
        (無数の破片で衣服は破れ、血が滲んでは居るが……致命的な外傷は一つとして無く)
        (平然と崩壊現場に立ち、逃走の為に走る。敗れたジャケットから覗く背中には、血のように赤く脈動する刺青のような何か)
        (鬼の顔を模したソレは、瓦礫の下のサーヴァント見て……嗤ったように、その形を歪めた)


        (ともあれ、今宵の遭遇劇は久多良木アクタの逃走と言う形で決着の様相を見せるが、然し)
        (マスターであると何物かに知られたこの状況は、彼の陣営にとって如何なる影響を及ぼすのか……それは、夜闇に朦々と立ち込める埃から見通すことは出来そうに在るまい) -- アクタ 2014-03-23 (日) 23:08:18
  • (休戦協定を結んだ夜から数夜明けて―)
    (あの後互いに幾度も出現するサーヴァントを処理していることは耳に入っていた)
    (しかし幾らサーヴァントを倒しても、襲撃は一向に勢いを緩めることはない。そんな状況に徒労感を募らせていたある日のこと)

    (かつん、と義足の音を響かせて立ち止まる。街中をぶらついていれば偶然見知ったサーヴァントの姿を見つけたからだ)
    ―あれ、セイバーだ。どしたのこんなとこで。辻斬りでもしてた?
    (かける言葉は不自然な程気安いもの。休戦しているとはいえ決して良い間柄ではない)
    (しかし彼女から投げかけられたのはやたらとフランクなモノであった。その表情が無いが故に不気味さも伴ってはいるが) -- ライダー 2014-03-23 (日) 19:38:05
    • んあ……? いや、単に暇つぶしだけど。図書館帰りで次何処行こっかなって。いやー、半信半疑だったけど、時代ってやっぱ進んでてさー。
      教え子がいつの間にやら出世してて、その血筋が国のお偉いさん方になっちゃってるの。凄くない?

      (タイトなジーンズ姿で、町並みにうまく溶け込んでいる。顔見知りか察知系能力者でなければ、サーヴァントとの判別は難しい程に)
      (纏う空気は、張り詰めた緊迫感もなく悠々自適。事情を知らなければ街行く一般人と変わりない)

      それよりもそっちは何してんの。迷子ってわけじゃあるまいし。
      ひょっとしてデートの待ち合わせ? おお、やるねえ。若い若い。 -- セイバー 2014-03-23 (日) 19:47:54
      • (町並みに馴染んでいるセイバーと対照的に、此方は浮きまくりである。隻眼、隻腕、隻足ともなれば周囲の視線を集めるのは当然のことで)
        …そっか、調べなきゃわかんないぐらいには昔の人なのかセイバー
        ……おばあちゃん扱いした方がいい?杖居る?
        そんなことしたことないし。必要ないもん。特に目的も無いし暇だからぶらぶらしてただけだよ
        お腹も空いたし、何か食べるものないかなーって。……セイバー、お金ある? -- ライダー 2014-03-23 (日) 19:56:20
      • 杖いるのはそっちでしょ。せめてもっとマシな格好してこいよ……まったく、歩く誘蛾灯かお前は。(ぶつくさ言いながら歩き出そうとするが)
        ……っていうか何で私が奢るような流れになってんの!? 小銭ぐらいあるだろ。というか奢られて然るべき立場は私だが?
        年長者を立てるっていうの? I need 肉or寿司? ほら、今のうちに仲良くしといた方が身のためだぞ。
        相応の恩義ぐらいは感じてあげるからね。今後にきっと役立つだろうことは想像に難しくない筈だ。 -- セイバー 2014-03-23 (日) 20:09:16
      • …しょうがないじゃん。この姿で呼び出されちゃったわけだし。私もセイバーみたいにもうちょっと前の姿だったらなぁ…
        あれじゃん。実年齢で行ったら孫以下じゃん私。ほら、可愛い孫にお小遣い頂戴よおばあちゃん。ギブミーチョコレート
        じゃあさ、奢ってあげるからこのお祭りから降りてよ。どのぐらい奢ったら降りてくれる?うまい棒5本ぐらい? -- ライダー 2014-03-23 (日) 20:18:34
      • お前んとこがしっかりと勝ち残って、本当に聖杯戦争を終わらせてくれるのならタダでいい。
        そんなことはまず不可能だろうけどな。お前らがしてることはそういう類のやつだ。
        わかるかな? (せせら笑うようにして背を向ける。その言葉が本心かどうかは、付き合いの短いライダーには見透かせない)

        さて、それじゃ焼肉にするか。何にしよっかな、ハツかなあ、ハツだな。ハツとレバーでいこう。
        ……おい何してる。とっとと行くぞ。 -- セイバー 2014-03-23 (日) 20:41:59
      • 分かんない。けど出来るかどうかはどうでもいいよ。ブレイズがそれを望むなら、私はその為に動くだけだし
        (セイバーの刺すような言葉にも、相変わらず何の感情の起伏も見せることはなかった。ただ淡々と答え、横を歩く)
        可能・不可能の話ならセイバーたちも同じだよ。まだ相手がどれだけいるかも分からないのに、可能不可能なんてわかりっこない。…そうでしょ?

        (セイバーの言葉にぱちくりと瞬きをして)―私タンがいい。塩とね、レモンで食べるやつ
        (行くぞ、との言葉にこくりと頷き駆け出した。かつ、かつ、と子気味よく響く義足の音は何時もより少しだけテンポが速く、軽やかに)
        (その変化を感じ取ることも、付き合いの短いセイバーには難しいことかもしれなかった―) -- ライダー 2014-03-23 (日) 20:53:45
  • (聖杯戦争が開幕してから暫く。各所で小競り合いやトラブルが頻発している最中、それに関わったり傍観したりを繰り返し)
    (昼食代わりと買い込んできた袋一杯のホットドッグを一つ取り出し齧り付きながら、工房兼塒としている廃ビルの一室にて)
    食うか。ちなみにキャベツのソテーがすげー不味い -- アクタ 2014-03-23 (日) 14:02:50
    • 何で食べる前にそうテンション下がること言うかね……。(と文句を言いながら一口)
      ……本当に不味いし。せめてもっとこう、普通に旨いもん買って来いよな!
      食事は人生を彩るんだぞ。もっとこう、華やかに生きろ。若いんでしょうが……。 -- セイバー 2014-03-23 (日) 14:51:16
      • 美味そうな匂いはしていたんだけどな。ついうっかり買い込んだらこの様よ。
        (どうやら買い物に関する計画性は皆無のようであった。世にも情けない表情で次のホットドッグを頬張る)
        そりゃまあオマエよりは若いがね。そういうセイバーさんの生前の食生活は華やかだったのかね -- アクタ 2014-03-23 (日) 14:54:51
      • 女性に年齢ネタを振るとかな。お前な。……いやでも、死人なんだから年齢なんて些細なことか。
        (資材の山に座り込んで、足をぶらぶらとさせながら。キャベツの質はともかくとして、肉のジューシーさには不満はない様子)

        私は元々喫茶店の娘でね、小さいころからよく手伝わされたよ。
        おかげで色々と作れる。料理スキルなんてものがあるなら、まあBってぐらい?
        さっすがに一流シェフには叶わないからねー……それでも、旦那は旨い旨いって言ってくれてたよ。
        おら、温かい家庭で羨ましいだろう。今度つくってあげてもいいぞ?ん? -- セイバー 2014-03-23 (日) 15:02:55
      • 先に振ったというのは許可が出たものと解釈したのだけれど。
        (ともあれ、生前の事について概要ではなく枝葉末節について聞くのは初めてなのでおとなしく聞く)
        はぁン、そりゃ旦那さんが羨ましい。家事なんてもんはからっきしだから、是非とも、と言いたい所だが
        ……生憎とこの塒、キッチンなんて洒落たもんは無いのだな

        さて置き。(二個目を食べ終わると、包み紙を握り潰す)
        マスターを吹聴するヤツに会った。大したお大尽振りの兄ちゃんだったな -- アクタ 2014-03-23 (日) 15:11:50
      • へえ、そりゃあ。今のところであったマスターはそいつ含めて3人かな。
        どいつもこいつも野郎ときた。華やかさが無いな。
        ……ともあれ、自分からマスターを名乗るだなんてとんだ自信家かね。 一体どういう奴だったの? -- セイバー 2014-03-23 (日) 15:19:55
      • 全くだ。可憐な乙女に出て来られてもやりにくくて仕方ないから、まぁいいんだが。

        俺も自信家かただの阿呆かのどちらかかと思った。両方に取れるような言動してたし。妙に警戒心薄いし。
        だけど、アレは……
        (瓦礫城のバーで出会った名も知らぬ青年。その笑みと、赤い瞳を思い出し)
        ……どちらでもない。損得や戦略を考慮し計算づくで動く頭の切れはある。事実そうしてたんだろうがその実どう転んでも良い、面白ければそれで良いって雰囲気があった。
        まぁ、まだマスターであると決まった訳じゃないが、アレがもし敵に回ったとすると……正直、ゾッとしないね。
        (慎重派であるアクタをして、そう言わしめるだけの何か。そう思わせる灰色さが空恐ろしい)

        ああ、あとな。出歩くなら好きにしていい。どうせオマエをどうこう出来るサーヴァントなんてそう居ないだろうからな。 -- アクタ 2014-03-23 (日) 15:32:05
      • えっマジで。 でもアレだよ? 私、単独で行動するには結構枷があるぞ。
        瞬時に移動できるような術がないからね。精々離れすぎないように工夫しないとな。
        となるとー、常時デートみたいなものか。変な気起こされても困っちゃうなー。
        やめて、私には旦那も子供もいるのよ! みたいな。 -- セイバー 2014-03-23 (日) 15:48:42
      • 令呪一角消費すりゃそれこそ『魔法』の域の転移だって出来るんだ。状況を把握する目は大いに越したことなかろ。
        心配せんでも魔力経路(パス)さえ通ってりゃ街ん中ならリンクは切れんし、なんとなくだが互いの状態だって分かる。
        それに、見せ札にも成り得る訳だ。
        (妄言を吐き始めたセイバーに半目を向けて嘆息)
        人妻趣味は無いし筋力Aのサーヴァントに変な気起こす度胸も無いよ。貞操観念は守られた。良かったな。 -- アクタ 2014-03-23 (日) 15:54:49
      • 何がよかったな、だよ。遊び心が少ないなー我がマスター殿は。
        その歳で枯れ草みたいになってちゃ、老後なんてどうなるんだ。灰燼かよ、ハハ。

        私の恩師なんて、とんだクソジジイだったぞ。すげー元気でね、妙に若々しかったよ。
        折角今生きてるんだから、柳のように揺れて生きるのが楽しくて有意義だぞ。
        硬い鉱石も叩けば割れる。一番重要なのは柔軟性だよ。
        わっかるかなあ……まあいいや。お言葉に甘えて遠出してくるかねえ。
        それじゃ、ホットドッグもう一つもらってくぞ。丁度いい弁当だ。
        (ヒヒと笑いながら、街娘風の衣装を纏って外へ出て行く) -- セイバー 2014-03-23 (日) 16:05:37
      • 若木のようなしなやかさを得るにはちと背負い物が重すぎたな。立ち枯れてるつもりは全く無いがね。
        (肩を竦めて新たなホットドッグに手を伸ばす。カジュアルな格好も意外と似合うな、と思いながらセイバーの背を見送り)……にしてもマジでこれ、ソテーだけ死にたくなるぐらい不味いな……
        (渋面をつくって残りのホットドッグを消費しにかかるのであった) -- アクタ 2014-03-23 (日) 16:11:19
  • (史楼とそのサーヴァントの元から撤退してすぐの事。予想の範囲ではあるが、当然のように襲撃があった。夜闇に紛れて振るわれる殺意は紛れも無くサーヴァントのもの)
    (だというのに、おかしい。どうにも違和感がある。それは)
    ……何だかね、この数は。おいセイバー、なんか心当たりあるかこれ
    (暫し離れた場所で剣閃を振るう従者に問を放ちつつ、手近な襲撃者に銃弾を叩き込む。投げナイフを投擲する姿勢だったそいつの頭部に潜り込んだ四十五口径弾は疑いなくその運動エネルギーを脳内で発散し、後頭部から飛散させる)
    (倒れた屍体がすぐに魔力へと解けて行く様は、確かにサーヴァントのように見える。が、見えているだけで既に5人。魔術師とは言え、一介のマスターであるアクタが始末した襲撃者(サーヴァント)の数は、それだけに及ぶ)
    分体型のサーヴァント……? にしても統一感の無い奴らだが……
    (新たにビル街の影から現れるクロスボウを持った人影の手元へとマズルフラッシュを閃かせながら、違和感の正体を確かめ、何より生き残るべくアクタは思考を回転させる) -- アクタ 2014-03-22 (土) 01:32:49
    • あー? ちょっと待って、よく聞こえない……!

      (周りを巡る襲撃者の群れは、不規則ながらも統率の取れた動きで彼女を翻弄している)
      (けたけたと品のない笑い声をあげながら振るう刃は、的確にセイバーにダメージを与えていた)
      (その俊敏かつ的確な動きは、恐ろしく効率的。まるで対象を殺すことに特化したかのように)

      めんどっくさいな!

      (三方向からの同時攻撃。しかしセイバーは怯まず、目の前に飛び込んできた男の頭を掴む)
      (腕力にモノを言わせ、力任せにそのまま二方向へと薙ぎ払うと、くぐもった声と共に三体同時に光へと霧散)
      (しかし襲撃者たちの本命は別働隊にあった。彼女に生じた隙をここぞとばかりに襲い掛かる)
      (一体二体、その数はさらに増え次々と刃の嵐が打ち据えられた)

      (ダメージの蓄積に膝を突くセイバー。彼らはその様子を満足げに眺め、周囲を囲む)
      (多勢に無勢か。絶体絶命か。いいやそれでも、アクタの顔色は変わらない)
      (この窮地を脱する術が、彼女にはあった)

      (大剣を杖に立ち上がるセイバーめがけて、襲撃者たちは一斉に飛び掛った)
      (それは刹那の出来事。旋風が撒きふがったかと思えば、無数に存在していた襲撃者は、悉く粉砕され流れて消えてしまったのだ)
      (一体何が起こったのか。それは居合わせたアクタにも信じがたい光景だっただろう)
      (セイバーが纏う外套が色を変え、青に染まった途端にそれは始まった)
      (握られていた得物は大剣から二本一対の長剣へと変化し、信じ難い速度で襲撃者たちを切り伏せていった)
      (瞬時にして危機を切り抜けたセイバーは、残光の中心で振り返る)

      やばい、すげー疲れた……。もうやだ、何こいつら。
      キャスターの使い魔にしてはパーソナリティが愉快すぎる。
      大規模召喚か、それとも何らかの概念が具現化したのか……?
      ……悪いね、ちょっとよくわからん。

      (壁に背中を預けて休みながら、彼女はため息を付く) -- セイバー 2014-03-22 (土) 21:33:07

      • (しかし、一息ついたセイバーは新たな気配を察知したとき)
        (それは己の身を持って感じることとなる。そう──背中を預けていた壁、その不自然な揺れに)
        (その揺れはどんどん大きくなり近づいてくる。ビルや建物を崩しながら)
        (そして、セイバーの目の前のビルを破壊してそれは現れた)

        「オォォォ……!!!」

        (無骨に改造された両腕、そして上半身と歪に太い足)
        (改造され尽くしたような姿のサーヴァント……その特徴は巨大な二角)
        (地面を揺らすように二度三度足を踏み鳴らし、両手をそこらの瓦礫に打ち付け雄叫びを上げた)

        「壊す……コワス…コワス!コワス!コワス!みんなぶっ壊す!バイソンの!グリードが壊す!」

        (そしてまさしく雄牛の怪物が唸り声を上げ、セイバーに突撃せんとした時)

        (炎の柱が怪物の腹を貫き、串刺しにしていた)

        「あ……ああ??」

        (そして怪物は無残に炎と共に爆発し魔力の塵へ還って行った)

        やはり、気配を察知して来てみれば……ヤツと同じか。
        俺でも倒せたというのはどういうことだ……?
        (直後、瓦礫を蹴って炎のマフラーを風になびかせた弓使いの男が現れた)
        (その男は目の前にセイバーがいるというのにも関わらず……自らの相棒に語りかけるように問う)
        (また、現れたのだと)

        ヤツだけじゃない……複数の気配。
        災難だったようだな騎士のサーヴァント
        マスターは無事か?
        (このサーバントからは邪悪な気配、混沌とした意志を感じないためかマスターもと思い安否を気遣った)
        (聖杯戦争に臨んでいる者からすれば……異様な態度、先の襲撃者も加えれば異様なシチュエーションだらけだが) -- ブレイズ 2014-03-22 (土) 22:04:46
      • (火の粉が弾ける音に混じり、かつん、かつんと義足が地面を叩く音が響く)
        言ったでしょ、弱いって。でもサーヴァントには間違いないよ
        (グリードを一撃で屠った男の傍らを行く少女が応え、その目にセイバーとそのマスターをとらえる)
        (聖杯戦争を終わらせるために行動している己のマスターが仕掛けようとしない)
        (つまりはこの二人はすぐさま敵にはなり得ないのだろうと判断した)
        …大丈夫でしょ。セイバーだよ?聖杯戦争最優のサーヴァントだもん
        ライダーの私とは出来が違うよ、多分ね -- ライダー 2014-03-22 (土) 22:09:42
      • バカ言うなよ小娘、私は最優ではなく最強だ。それで……ああ?
        マスター、こいつら殺意がないぞ。顔見知り? -- セイバー 2014-03-22 (土) 22:15:59
      • (セイバーの変容、そして吹き荒れる剣風。さらに続いた乱入者の連続にも、アクタの表情は動かない)
        (熱風の残滓がフードを揺らし、奥に隠れた赤い瞳が新たな登場人物を見据える)
        ああ、こりゃ助かった、と言うべきシチュエーションか。
        いや、知らんが。そっちの親近感覚える外見のお嬢さんは言葉通りライダーみたいだけども
        (リボルバーで頭を掻きながら肩を竦める。とりあえずは、目の前の一組のマスターとサーヴァントの出方を伺うつもりのようだ) -- アクタ 2014-03-22 (土) 22:23:12
      • (だがマスターを見て、いや感じてその表情は動く)
        (何者だ?と──別の気配を感じる。その人間に混じる何かに)
        (しかしその青年からは混沌に濁った空気は感じない)
        (躊躇いのような間の後、セイバーから感じる雰囲気に賭けて告げる。己の名を切り口に)

        俺はマスター・ブレイズ。見ての通りライダーのマスターだ。
        先日あるサーヴァントを倒した。が、そのサーヴァントと同じ気配が数日後に複数出現した。
        故に、探しだし打ち滅ぼしていた。今のように。

        (さして問題ではないかのように、自分達は聖杯戦争参加者をこちらから出て倒してると伝え)
        (本題に繋げ、問うた)

        このサーヴァント、滅ぼしても別のがすぐすれば湧いて出てくる……
        マスターの姿も見えない。奇怪なことが今起きている
        これは明らかに異常だ。おまけに出てくるサーヴァントはどれも頭のネジの外れた連中ばかり

        ライダーもそう思わないか -- ブレイズ 2014-03-22 (土) 22:36:09
      • …ライダーです。よろしく(ブレイズの後に続き、ぺこりと頭を下げて)
        …サーヴァントにしては弱すぎるのが一つ。これだけの数のサーヴァントに一人一人マスターが居るとは考えづらいのが一つ
        …多分だけど。こいつら皆一人のマスターが操ってると思う。皆、似たような実力しかないし。こいつらから感じる歪んだ魔力も似通ってる
        (自分が感じたことを素直に述べる。この雑魚とも呼べるようなサーヴァント群はいくつかの共通点があるように感じられた)
        (先に述べた歪んだ魔力が一つ。自分の頭ではわからないが、マスターなら考えればきっと応えを導いてくれるだろう)
        セイバーも…そのぐらいは分かってるでしょ?最強だもんね? -- ライダー 2014-03-22 (土) 22:46:15
      • えっ。 えっ……?

        (振られる言葉に返すものがない。何せ生前は魔力の素養どころか、魔力自体が存在しなかった女だ)
        (知識と経験と、僅かばかりの勘で生き延びてきた。ライダーのように、質そのものを感知する力はない)

        まあ、ほら……わかったので。今、わかったので!
        えーとだ……それよりもお前二人の話をしよう!

        そうだ、何故自ら出向いて滅する必要があった?
        この悪趣味なお遊戯は、多人数による生き残り戦だ。
        派手にやらかしたところから食い付かれる
        理由がなければ、自ら動くなんざ悪手も悪手でしょ。
        それも、消耗したペアを前にこの様子だ。狙いは何処にあるか、気が気になって仕方ない。 -- セイバー 2014-03-22 (土) 23:06:19
      • (空戸惑う自らのサーヴァントに半目を向ける。どう見ても年下の少女(と言ってもサーヴァントに年齢を問うなど無為ではあるのだが)になんかあしらわれそうな感じが曰く言い難い)
        ブレイズ、ね。アクタだ。久多良木アクタ。
        一応聖杯獲って大望を叶えるっつーモチベーションで参加してる以上、将来的にはアンタの敵って事になるか。
        (セイバーの懸念に頷きを一つ。敵意は無い。だがこちらを見たブレイズの最初の態度に、少し引っ掛かりがあるのも事実)

        ま、確かにこの雑魚サーヴァント共は鬱陶しいが対処自体はそう面倒なモンじゃないからな。
        特例が起きた結果の分体型サーヴァントってのもアリそうな話だ。

        で、そいつらを狩っていたアンタらの目的。そいつを明かしてくれれば、今この瞬間の俺らの立つ瀬もハッキリするってもんな訳だが。
        どうよ?

        (「交渉の出来ぬ相手ではない」という立場を言外に伝えながら、目の前の二人組に直接尋ねる) -- アクタ 2014-03-22 (土) 23:11:59
      • ──それは、この聖杯戦争に終止符を打つためだ。
        願いという甘い罠で釣り、欲望に変えて人々を踏みにじっていく邪悪な儀式。
        セイバーの言うとおり、この悪趣味なお遊戯を叩き壊すために参加したからだ。

        だからこそ、派手にでも自ら動いてそれを示す必要があるんだ。

        俺の目的は聖杯を砕くこと。

        聖杯を望んでやまない邪悪な存在と、混沌に目を曇らせた狂人を滅ぼすために
        何よりその欲望によって踏みにじられんとする人々を救うために
        (聖杯戦争に参加した者から聞くはずのない目的を告げた)
        (全てのマスターとサーヴァントの敵であることを、意志を以って)

        といっても片っ端からではなく。 話しの通じそうな人には説得を、ということで今こうしているわけだが。

        話しの通じない連中というのは、まさしく今滅ぼしたサーヴァントのこととは理解してもらえたと思う。
        連中が方々で暴れているのを見過ごすなんて、できないからな -- ブレイズ 2014-03-22 (土) 23:16:22
      • へえ、そりゃあ。
        (にんまりと上がる口角)

        しかしまあ、俄かには信じがたい話というのが率直なところ。
        互いにぶっぱで災厄を引き起こせる以上、余程の信頼関係がなければうなずくのも難しい。
        私としては願ったり叶ったりなんだ、が……お嬢ちゃん、アンタにも願いがあるんだろ?

        わざわざこんな身体になってまで、また蘇ってきたわけだ。
        ただの暇つぶしで来るなんて思えない。その望みは、聖杯がなくても叶えられるものなのかね。
        それとも、もう叶ったか?……どちらにしても、不信感を払拭しない限りはどうもね。
        ねえ、ライダー。本当にそれでいいわけ? -- セイバー 2014-03-22 (土) 23:28:46
      • ―私?(不意に話を振られ、ぼんやりと星を眺めていた意識をセイバーに向け)
        私はどうでもいいの。望んで呼び出されたわけでもないし、望む願いもないから(ふるふる、と首を横に振り)
        マスターが聖杯を砕くのが願いなら、私はそれに従うだけ。……私は、一人にならなきゃそれでいいもの
        (見定めるようなセイバーの質問に、淡々と答える。暗く、光のない瞳がセイバーを、アクタを見据え)

        …だから私は、ブレイズが聖杯を砕こうと砕くまいとどっちでもいいの。今更与えられた余生に意味なんてないし
        (傷だらけの少女が述べるは圧倒的な諦観の言葉。全てを諦め、望むモノも無く)
        (己の価値など微塵も無いと心に刷り込まれているからこそ、このマスターの馬鹿げた願いにも付き合うことができる)
        (今こうしてセイバーとアクタの前に居るのは、聖杯戦争というシステムの枠から外れた異物である)
        (この異物二人に対し、果たしてセイバーとアクタは何を想うのか―) -- ライダー 2014-03-22 (土) 23:37:23
      • (ブレイズの語る目的。この聖杯戦争というシステムそのものに唾吐くが如くの崇高な意志)
        (それは、言葉通りに取れば、アクタにとっては相容れない。この機を逃せば後が無い、彼にとっては。……だが)
        ……思う所が在る事は隠さないでおくぞ、マスター・ブレイズ。俺とて他人の願いを踏み潰して自身の願いを叶える為にこのクソッタレなバトルロイヤルに臨んでる訳だからな。

        (セイバーが、相手のサーヴァントに問いかけを放つ。成程、そういう所を気にするものかと自身のサーヴァントに対する考えを、場違いにも更新して)

        さてその辺踏まえた上で、マスターである俺はアンタの現状での方針自体に異を挟むつもりは無いがね。
        魔術ってのは秘する事に意味がある。この手の大規模儀式においてもそりゃ変わらないだろ。
        その手の理屈の通じない連中を狩るってな、俺の利にもなる訳だから。
        何よりさっきのアンタの実力を見る限り、何の対処もせずに倒せる相手とも思えん。この場でどうこうってな、俺としてはあまり望む所ではないが……
        (再び、二騎のサーヴァントに視線を送る)
        ……そんな感じです。 -- アクタ 2014-03-22 (土) 23:40:32
      • はは、マスター聞いた?
        こんな歪みを何処から掬い上げてきたんだか。
        まるで沼だな。ゴミを投げ込まれすぎて真っ黒に淀んだ沼だよ。
        面白い奴を連れてるな、ブレイズ。私はわりと気に入った。

        マスター、私はここに停戦を進言しよう。
        既に理解している通り、彼らと敵対しても利がない。
        次に、彼らの行動理念は我々にとっても悪いものじゃあない。
        それどころか歓迎すらするべきだ。(「何せ、我々には時間がないのだから」と、アクタにだけ伝わるように一言念話で付け加え)
        最後に、このルールじゃ孤立するのが一番よくない。
        手を取り合える仲ではないにしろ、敵対者が減るのはそれだけでも価値がある。

        以上のことから、私には彼らと刃を交えるつもりがない。
        ……今のところはな。だが、命令とあらば首の2つぐらい捧げてやれんこともない。
        マスターがそれを望めば、の話になるが……そんな阿呆ではないでしょ?

        さあ、決定権を行使しろ。あまり長居はしたくないからね。 -- セイバー 2014-03-23 (日) 00:04:44
      • ……。
        (ライダーの抱える澱のような空虚。一体如何なる人生を辿れば、そのような英霊となり得るのか……)
        (一瞬の沈思から引き戻され、セイバーの提案に頷く。是非もない)
        じゃあそれで。
        正直クソ眠いしな。塒に戻って休息したい所でもある。
        (意志を示すには行動で。右手に持ったままだったリボルバーを腿のホルスターに収め、ため息を一つ) -- アクタ 2014-03-23 (日) 00:12:07
      • 経緯については何も言えないが、あまり相棒を悪く言われるのは辛いものがあるな。
        (今自分も直面している問題をまざまざとひっぱりあげられたのは流石に痛いものがあった)
        (問題を先送りにしている自覚はやはり抜けぬ棘のように引っかかる)

        さておき、色々突然のものだったし……まだ、何とも出来ないか
        そもタイミングも悪かった。だが君達と接触できたのは良かったと思っている。 (そう。自分達のような例外を除いてサーヴァントとマスターは何か共感性のある、近似しているものがある者が呼ばれる)
        (だからこそ、何か良からぬ存在を抱えているアクタであっても)
        (そのサーヴァント、呼び出した存在であるセイバーを見てその内に何か訴えられるものがあるのではと感じた)
        (これらの邂逅でわかったのはアクタとセイバー共にこの儀式が良いものとは欠片も思っていない)
        (むしろ嫌悪していると言ってもいい)

        停戦はこちらからも望みたい。色々そちらとも関わることは増えていくだろうしな
        (故に合意した。これがこれから彼らとの切っ掛けになればと。そしてその先の、まだ見ぬ望みにかけて)
        (そして、合意を表すように弓とマフラーを仕舞うことでその態度を示した)

        ついでにこちらの連絡先を伝えておく……連中について手が必要なら呼んでくれ
        (名刺のような紙切れを手裏剣のように投げてアクタへ渡す)
        (それにはブレイズのPDAの連絡先と拠点にしている宿屋の場所が簡潔に記されている、事務的なもの)
        それではまた、な
        行こうライダー。気配まだ多い…… -- ブレイズ 2014-03-23 (日) 00:25:06
      • (セイバーからぶつけられる棘のある言葉にも特に反応を示すこともない)
        (ただ無言でことの成り行きを見守っている。己の意思や行動に意味など無い。ただ自分が駒であることを科しているが故に)

        …了解。またねセイバー、アクタ(ブレイズの言葉にこくりと頷き、来たときと同じく義足の音を響かせてその場を後にする)
        …ねぇブレイズ、お腹空いた。帰りになんか食べていこうよ
        (先ほどまでの緊迫した交渉の空気などどこにもないかのように、気の抜ける言葉をマスターへ投げかけながら―) -- ライダー 2014-03-23 (日) 00:35:42
      • マスター、それ失くすなよ。情報はどんな武器よりも遥かに強い。
        場合によっちゃ切り売りしなきゃならない。あいつらがどんな腹づもりでもね。

        それにしても……どうもテンションが低く見えるな。
        善人を見て己の内と比較したか? やめとけやめとけ。呪術師なんてどう転んだところで天国なんて行けやしないんだ。
        それこそ聖杯に願うしかない。そんなことよりも、うちも早く帰って休もう。
        少し張り切りすぎたかな、反動で意識落ちそ。まるでブレーカーの如く。 -- セイバー 2014-03-23 (日) 00:48:36
      • (その場から去るブレイズとライダーを頷きで見送り、セイバーの言葉にやれやれ、と肩を落とす)
        そいつが必要ならやるだけだ。そうだろ。

        ……は、それも分かっちゃ居るさ。どう言い繕い、どう思った所で俺もオマエも勝ち抜くことを選んだんだ。
        (言葉は自虐的な響きを帯びていたけれど。遠慮のないセイバーの言葉は、少なくとも不快ではないものだった) -- アクタ 2014-03-23 (日) 00:52:49
  • (数時間前の疲れがどっと肩に押し寄せる。逃した獲物は大きい。サーヴァントの威力もそうであるが、「セイバーのマスターが襲撃を逃した」という情報一点から綻びが生じる事も全く不思議ではない)
    (久多良木アクタはため息をつく。とは言え撤退はあの時点においては懸命な判断であった。そもそも「未召喚のマスターを狩る」事はリスク排除程度の意味合いでしかない)
    (起こった事象について思い煩っても仕方がない。これからどうするかが問題であった) -- アクタ 2014-03-21 (金) 02:09:27
    • (自らのサーヴァントであるセイバーは休んでいる。自分も身体を休めるべきなのではあるが)
      ……駄目だな。
      (尾行が無い事は確認し、この拠点が露見している事は先ずあり得ないとは思っているが、それでもこれは聖杯戦争なのだ。暗殺者(アサシン)のクラスを持つサーヴァントであれば、己のような魔術師の警戒を掻い潜る事など容易い)
      (故に警戒体制を解くべきではない。増して今の自分は最強の手札たるセイバーが消耗しているのだ) -- アクタ 2014-03-21 (金) 02:12:56
      • (だが、朝までの時間を徒労とすべきではない。やることは幾らでもあるのだ)
        (背を預けていた壁から立ち上がると、アクタは自身の荷物からナイフと、銃弾の入った紙箱と、厳重に封をされた瓶を取り出した)
        (中身は土色に干からびた拳程の物体。葉脈のような凹凸が表面に流れるソレは、小動物の心臓であった)
        (作業台代わりの古びた事務机に座り、先ずは銃弾を取り出し弾頭を上にして並べる) -- アクタ 2014-03-21 (金) 02:20:03
      • (弾丸を一発手に取り、右手のナイフの先端を弾頭に当て、注意深く動かす)
        (彫刻師めいた繊細さと集中力──否、それは正しく彫刻であった。瞬く間に弾頭に刻まれる紋様は魔術的意味を持ち、彼が得意とする呪術を媒介する役目を与えられる)
        (一発につき五分程。職人芸とも言うべき精緻さで紋様を刻まれた弾丸の群れは、箱から出された時と同じように、事務机の上に並ぶ)
        (だが、これではまだアクタの商売道具足り得ない。詰めていた息を吐き出し、傍らに置いた瓶を手に取ると口に張られていた封を無造作に剥ぎ取り、コルクの栓を開けた) -- アクタ 2014-03-21 (金) 02:25:30
      • (久多良木アクタは魔術師であり、その中でも特に呪術に長じている。無益な殺生は好む所ではないが、目的の為ならば倫理は二の次になる生き方をしている自覚はある)
        (今彼が手にする瓶、その中身は死なない程度に痛めつけられ、殺された犬の心臓であった。勿論、行ったのは手にしているアクタ自身である)
        (その事に関して思う所が無い訳ではない。だが、必要だった。だから行ったという、それだけの事)
        ……。
        (ただ数秒、目を伏せてその断末魔を思い出す。甘えるように鳴きながら、最後まで「どうして?」と問うように自分を見つめていた犬の目を──)

        (──忘れぬように、脳裏に焼き付け胸へと仕舞う) -- アクタ 2014-03-21 (金) 02:35:16
      • (瓶を傾け、右手に心臓を乗せて。アクタは最後の仕上げに取り掛かるべく立ち上がる)
        ────、────。
        (ぶつぶつと呟かれる呪言と共に、彼の裡の回路に魔力が徹り、励起され……手にした心臓に蓄積された苦痛の記憶が、『呪い』と化していく)
        (禍々しく仄暗く光るソレを、並べられた銃弾の上に掲げて。呪言を口にしつつ、アクタは掌の上の心臓を握り潰した)
        (握り潰され、零れた呪いは仄暗い光を放ちながら、弾頭の上へと飛散して。刻まれた印へと吸い込まれて行く) -- アクタ 2014-03-21 (金) 02:46:06
      • ……ふぅ。
        (作業を終え、思わず吐息が出た。先ごろ消費した刻印弾の補充が出来た事と、呪いが暴発する事無く刻印弾へと刻まれた事。その両方への安堵であった)
        さて、とりあえずはこんなものだろ。
        (呪いを手にしていた右手は念入りに清め、新たな刻印弾をガンベルトに挿して)
        (埃まみれの事務椅子へと腰を下ろし、足を机上へと投げ出す。ちらりと窓の外に目をやれば、空は既に白み始めている)
        (気を緩めずに居ねばならぬと思いつつ、瞼が重くなるのは避けようもなく。もう暫くの警戒の後、久多良木アクタの意識は泥濘のような眠りへと沈んでいった) -- アクタ 2014-03-21 (金) 02:54:51
  • ────少年は荒野をめざす -- 2014-03-21 (金) 01:32:00
    • 重すぎる呪いを受け、数多の呪いを振り撒いた
      重すぎる自らの生命を永らえる為、数多の生を刈り取った -- 2014-03-21 (金) 01:34:35
      • ────少年は荒野をめざす
        其処にしか居場所はないと信じるように他者を遠ざけ、己の業を高めた
        その末に抱いた希望が潰えた時にも、少年はただ、無人の荒野に蜃気楼を抱いただけだと割り切り、歩みを止める事は無かった -- 2014-03-21 (金) 01:36:28
      • そうして、少年は青年へと成長し
        彼の前に、最後となる希望が現れたのだ
        これを逃せば後はない
        これを手に入れれば報われる

        久多良木アクタの聖杯戦争は、
           つまるところ、そういうものであったのだ -- 2014-03-21 (金) 01:39:31
  • 薄呆けた視界に飛び込んできたのは、染みだらけの天井だった。

    「あ゛ー……。」

    自分でも驚く程に低い声。
    私はどうなったのか。ここは何処なのか。記憶はまるで散文的に、過去を好き放題並べ立てる。
    いつぞや無残にも殺された自分。凶爪に倒れ地に伏していたのはいつのことだったか。
    思い出そうにも、それとは別の思い出が頭の中で芽吹く。
    恋人と二人子を育み、一男一女を授かったこと。幸せだった日々。まるでそう……天国のような。

    では……先程死んだ私は、一体誰だ……?
    私は思わず……諸手で顔を覆った。 -- セイバー 2014-03-21 (金) 01:15:34
    • 指先の隙間から差し込んでくる日差しが、少しずつだが脳の活性化を促した。
      そうだ、私は……。

      掌を窓の外へと翳し、陽光を透かしてみせる。
      するとよく見えるのだ。身体を包む魔力の帯が。
      いやむしろ、私自身が魔力そのものであった。
      そう。きっとこれが……サーヴァントになるということなのだろう。 -- セイバー 2014-03-21 (金) 01:19:47
      • だんだんと思い出してきた。
        昨夜は狩りをしていた。まだサーヴァントを呼び出せてはいない、未召喚のマスターを狙って。
        そして……。

        「失敗、かー……格好付かないな。」

        乱雑に髪を掻き毟った姿は、随分とばつの悪そうな感じを醸し出していただろうか。
        汚れた窓に薄く映った顔を見て、思わず浮かぶ苦笑い。

        「若返り効果もあるんだから、捨てたもんじゃないね。サーヴァントも。……なーんて。」

        さてどうしたものかと考えているうちに、急激にまた睡魔が襲い掛かってきた。
        連戦に次ぐ連戦での疲弊か、私を再びまどろみの世界へと追いやっていく。

        今はこれでいい。消耗した魔力が満ちれば、また戦える。
        私はもう人ではないのだから。
        私はアクタのサーヴァント。セイバーなのだから。 -- セイバー 2014-03-21 (金) 01:40:35

Last-modified: 2014-04-19 Sat 21:33:56 JST (3657d)