前へと

  • Continue?
    • Run Way

      • 史楼… 史楼…と俺を呼ぶ声が聞こえる

        未だ混濁の中へ居る 声の元を探して、深い森へ足を踏み入れるが
        鬱蒼と繁る木々に視界が通らず 自分が今何処を歩いているのかも分からない

        ただ、空を見上げると満天の星空に加えて優しく光る満月が 俺を照らしていた

  • 『史楼!いい加減に起きろ!』

    『ぎゃあっ!?』

    教科書の角で頭を強打され、飛び上がりながら目を覚ます
    どうやら、ホームルームを待つまでの時間で居眠りをしてしまったらしい

    『お前というヤツは… 何度呼ばれれば起きるんだ』

    『あぁ… なんだ、俺を呼んでたのは先生か…』

    『なんだ。じゃない』

    二度目の強打を貰う、いてえ
    俺が頑丈なのを知ってかポコポコ殴るんだよなぁ
    他のヤツが寝てても知らん振りなのにさ

    『まったく…生徒会役員だったら他の学生の模範となるように心がけなさい』

    『…すいません』

    素直に頭を下げて、許してもらい ホームルームは再開される。 -- 2014-04-26 (土) 03:59:54

  • あの戦争が終わったあと… 閏が消えて、間も無く

    言っていた通りに、入学案内が届き

    何処か虚ろなままに、学園生活を過ごしていた

    正直なところ、あいつが居なくなったショックが大きすぎて
    新生活なんて気分では無かったけれど
    これがあいつが最後に望んだことなのだから、叶えてやりたいと

    しょうがなく通っていたのだが

    何故か生徒会へ半ば強制的に勧誘されたり
    学級委員長からは副委員長として指名されたり
    どこからか俺がそれなりに運動ができると聞きつけた運動部員の
    しつこい勧誘から逃げ続けることになったり…

    落ち込んでいる暇が無い…

    オマケに放課後、図書室で閏の祭られていた神社か古墳だか
    そんなものが無いものかと、片っ端から歴史書からオカルトめいた本までを
    読み漁っていると
    そこに居た先輩から " いまどきそれだけ読書するやつも珍しい "と
    気に入られてしまい、オススメの詩集から最新の小説まで貸し渡されてしまい
    キチンと読んで感想を言わないと見るからに不機嫌になる先輩を前に
    読まざるをえなく 日課の調べものすら捗らなかった

    皆なんで俺なんかに構うんだろうか
    どれだけ考えても一向に分からなかった。 -- 2014-04-26 (土) 04:23:20

  • そんな風にここんところを事を思い出して、窓の外を見る
    嫌になるほどの青空に、夢でみた満天の星空を浮かべ
    つい、溜息がもれる

    『おい、今の話聞いてたか?』

    時々、忘れてしまうのだが
    俺の席は窓際の後ろの方にもあるのだ、
    だというのに、そんなことにも関わらず
    少し気を抜いただけでもこの教師にばれてしまうのは何故だろうか

    アイアンクローを喰らう

    『星空を見てて聞いてませんでした…』

    『…まだ寝てるようだな』

    ミシリと、内側から音が聞こえた気がする

    『いってええ!どこからそんな怪力が!?すみません次からちゃんと聞きますって!』

    教室を笑い声が満たすが、俺は泣きそうだった
    絶対何かおかしいぞこの先生

    『模範になれ、と言ったばかりだろ まったく…』
    『そんなことでは転校生に誤解されてしまうだろう』

    『えっ転入生?この時期に?』

    『うむ、扱い的には復学になるが… 何でも病気だったらしくてな』
    『完治してようやく通学できるようになったそうだ』

    『へえ… 良かったっすね』

    『マヌケな声を出している居るが、副委員長で役員でもあるお前が世話を焼いてやれよ?』

    『はっ!?俺!?委員長は?』

    『お前と違って多忙だからなあいつは』

    どうやら俺は暇人と勘違いされているようだった
    結構忙しくしてると思うんだけどなァ…

    『ふむ、とりあえず釘は刺しておいたしこれで問題は無いだろう』

    『待たせたな、転入生』

    入れ、と先生が教室の外へ声をかける -- 2014-04-26 (土) 04:49:21
  • 『え…?』 -- 史楼 2014-04-26 (土) 04:51:22
  • 『―――失礼します……。』

    どこかで聞いたことがあるような。懐かしいような。
    そんな声がした、気がした。

    先生は、黒板にチョークで、その黒髪の少女の名前を書きこんでいく

    『あの……』
    久方ぶりの学校で緊張しているのか、声が震えている

    『憂月 閏、です……その、入院が長くて……』
    『その、色々、迷惑っ……か、かけるかもしれませんが……。よっ、よろしくおねがいしますっ……』

    黒いメガネが特徴的な、線の細い、正にインドア派といった風貌の大人しそうな第一印象を、皆、受けたと思う

    その中で唯一、たったひとりだけ、彼女に対しみんなと違う感想を抱いた生徒が、いた。

    -- ??? 2014-04-26 (土) 20:19:41
  • 『閏…!?』

    思わず、自分の右手を確かめる …もちろん令呪は無い
    さっきのアイアンクローで気絶して夢見ている可能性を考えて
    頬をつねってみる 痛い、夢じゃない

    相当悪質な冗談で無いとしたら
    神様は、4っつ目のお願いも叶えてくれたのだろうか

    『席はそうだな、あそこで変な表情をしてる頭がオレンジ色のバカが居るだろう』
    『その隣に座るといい、あれでも副委員長だから世話になりなさい』

    不名誉な紹介をいただいても反論する余裕が無く

    えっと… あなたが副委員長さんですか?

    と、問われて思わず俺は答えてしまう

    …ああ、そうだよ。お前のマスター 史楼 夕真だ。

    バカなことを言った俺の頭を、つかつかと歩いてきた先生が拳骨で殴る
    目から火花が散るくらいの衝撃、手加減を知らないなこの人は


    痛みのせいか、留め止めも無く 涙が零れた。 -- 史楼 2014-04-26 (土) 21:02:53



  •                               Run Way――To be continued.
  • Trash
    • 捨てる神あらば、拾う神あり。

      • 『閏…!』

        俺の三つの願いを叶えた神様へ駆け寄る

        いつもなら、そこまでだが
        令呪を失った今、彼女が現界していられるかもわからず
        そうしなければ 今にも目の前から消えてしまうんじゃないかと
        不安に駆られた俺は、閏を抱きしめる

        確かな、感触と体温を感じて 少しだけ安堵する
        一緒に理性も帰ってきて、気恥ずかしさに顔から火が出そうだったが
        あんな風に告白したんだ いまさらというものだろう

        もうどうにでもなれ

        『よし、消えてねーな、痛いところとかねーか!?』 -- 史楼 2014-04-25 (金) 22:50:17
      • 『……ゆーまに乳が掴まれて痛い。』

        そこは薄い布地越しに。和服なので何もつけてない、これは……

        『もう少し優しく。』

        冗談なのか本気なのかわからないが確かなまでに効果的な反撃を与える神様

        『これ以上は溢れてこないようじゃな。あやつら、上手くやってくれたようじゃな』

        『これで、少しはカッコもつくじゃろ。』
        『頑張ったのう、夕真。あ、そのままで。』
        『大業を成したのじゃぞ。ちっとは甘えさせぬか。』

        体重を預けるようにして、全身で史楼へもたれ掛かる

        『しかしまぁ、これでノーコンテストというわけか』
        『どうじゃ、終わってみての感想は』
        『聖杯はなくなってしまったが……願いは、叶えられそうか?』 -- セイバー 2014-04-25 (金) 23:02:15

      • 『胸なんて掴んでねーよ!?』

        いや、掴んでないよな!?女の子の身体なんてわかんねーから触ったとしても
        気がついてない可能性が… っやっぱり触ってねーよ!!

        また、そんなバカっぽいやり取りに、心の底からの笑いがこぼれる
        本当どうしようもない神様だなコイツは

        笑いすぎて、涙が出ちまうぜ

        『願い、願いなー…』

        『俺の願いは、なんつーか… " 閏の願いを叶えること "なんだけど』

        『人間、どうやったらなれるんだろうな…』

        体重を支えながら、悩みこむ -- 史楼 2014-04-25 (金) 23:10:46
      • 『ふむ、そうか、わしの願いを……』
        『あ。別に掴みたかったら掴んでも いや、揉んでも構わないんじゃが?』

        掴んだ、と言い張る閏。こうして痴漢冤罪は出来上がっていくのではないだろうか。少なくともこうなってしまっては裁判で勝てる見込みは少ないだろう。

        『あれな。別に構わぬよ。』
        『人でなくとも。』

        『内緒にしていた願いがあったじゃろう』

        『あれはな。』

        『ゆーまに学園生活を送ってもらうことじゃったからな』

        『だってなぁ。人生一度きりじゃぜ?一回くらいは行かないと。絶対に損じゃよ。』
        『ちゅーわけでパンフレットは既に頼んである。』
        『ネットで色々調べておったらな。ずっと昔の知り合いがいい感じの功績残しておいてくれたみたいでな。』
        『ちょっと色々とツテを使ってな』

        『―――じゃから。夕真、聖杯なんか無くともわしの願いは叶うんじゃよ。』
        『残念じゃったな、簡単に叶ってしまう願いで』

        胸元に頭を預けた閏がからからと快活に笑った -- セイバー 2014-04-25 (金) 23:24:10

      • 『は、はぁ!?学園?』

        予想外の言葉に、驚く以外のリアクションができなかった
        だって人間になりたい の次の願いが俺を学園へ行かせたいだなんて
        だれが予想できただろうが

        『…いや確かに憧れはあったけどさ』

        『そんな願いでいいのか?本当に』

        冗談、とは感じなかっただけに真剣に聞き返す -- 史楼 2014-04-25 (金) 23:30:46
      • 『ゆーまの学生姿が見たかった』
        『じゃからこれで良い。』

        それでいい、とセイバーは言い切る。

        『わしが学生の話すると、いっつもちゃんと聞いてくれるのに』
        『どこか不満そうに。羨ましそうにしとったからな』

        『あんな楽しいものはほかにないぞ』
        『お主がこの3年で培った絆も素晴らしいものかもしれぬが』
        『ゆーまなら。きっとな、もっと……凄いたくさんの。いっぱいの。』
        『思い出を……』
        『絆を作れると……』
        『……わしは思うておる』

        『じゃから』

        『もう、悲しむことはない』
        『きっと、新しい出会いが見つけられるから』
        『支えてくれる、友人が、仲間が、家族が』
        『大切な人も……できるから……』

        『っ…から、……』

        『――――ごめんな』
        『……時間切れ、じゃ』

        その頃になって、ようやく。確信してしまう。したくなかった。いつもどおりの元気な姿を見せてくれていたのに
        いや、精一杯、そういうふうに取り繕おうとしていたのだろう もはや、閏は。自力で立つことすら困難となっていた

        『…っ……なんじゃ、そんな、顔……』

        震える手が夕真の頬に添えられる
        最後の力を振り絞って、なのか 胸元に預けていた首を持ち上げて―――
        閏の唇は、史楼の唇へと重ねられ――――

        ―――る、ことはなかった。あと数センチ、というところで。
        止まっていた。その顔は、困ったように、微笑んで。
        それから、目が合うと、満面の笑みと―――
        がんばれ、と一言だけ、かすかに口が動いて―――

        ――――セイバーは。狼森 閏は。
        3年半以上を共にしてきたぐーたらで不真面目で騒がしかった少女は
        足元より、瞬時に、光の粒となって消えていった―――――― -- セイバー 2014-04-26 (土) 03:12:59



      •                               Trash――END
  • Trash
    • 世界に光あれ

  • この世の全ての祝福を抱えて 生まれてきた筈だった
    ミルクに落とされた一滴のインクか
    ワインに入れられた、一匙の泥水か

    満たされた水はいつの間にか、闇の色に染まり
    飲み干した者を、蝕み

    混ざりきった絵の具は 原色に戻ることは無く

    ただ、零れ 全てを塗り潰そうとしていた。

  • どういうつもりであんなことをしたのかと、そう問い詰める為に必要な
    尾を引く照れくささに、ようやく抗えるくらいの自分を取り戻したころには

    『流石に、大量のサーヴァントや願いを溜め込んでるだけはあって半端じゃねえな』

    心臓を掴まれるかのような圧迫感を感じる、緊張した世界に
    自分の請け負った使命を思い出さなければいけなかった。

    『いけるか、閏?』

    既に、熱量を魔力へ変換しながら問いかける
    無論 返ってくる答えは一つだと信頼した口調で -- 史楼 2014-04-22 (火) 21:56:20
  • 『当然じゃろ』

    『わしを誰だと思っておる』

    『黒き巨躯を持つ千年狼にて山神』
    『天よりは閏月をその守護に持つ大神』

    『しかしてその実態は、普段はやる気ないけどいざってときはやるだけやっちゃる美少女けも耳っ娘』
    『―――狼森 閏さまじゃぜ!!』

    明るく、いつもどおりの明るさで。
    この圧迫感、異質感、世界の歪みを正面から受けるような苦しみの待つ世界の入口で

    心地よく。大地を照らしてくれる太陽のように。微笑んでくれた。

    『そんじゃあ一丁やってやろうかの』
    『行くぞ、夕真。最初っから全開でな!』

    セイバーはそういうと、目を閉じ。己が魔力を限界まで練り上げ始める -- セイバー 2014-04-22 (火) 22:24:12

  • この世の全ての願いが 混濁した望みが溶けた泥が 求められた救いが

    暴走する 暴走する 暴走する

    呪いあれ、と 綴り変えられた文言を吐き出しながら

    大地と空を染め 命を汚す " 中身が " 溢れ出す。

  • そういうと思ってたよ、と 同じく夕日のように 明るく笑い返して
    令呪(パス)を通して 魔力を送り込む

    『ああ!ブッ放せ 閏!』

    『さっさと終わらせて、夕飯の準備をしねーとな!』

    目前へ 世界を終わらせようとするような、濁流が迫る
    だからって恐がる必要は無い

    俺には神様が
    閏っていう、ちょっと普段はぐうたらしてるけど
    子供っぽいようで、実は頼りになる 大切な家族がついているんだから。 -- 史楼 2014-04-22 (火) 23:04:01
  • 令呪。マスターとサーヴァント、二人を繋ぐ、確かな絆。
    史楼の想い、願い、希望を載せた魔力が閏へと流れ込む。

    『そうじゃなぁ!今日は夕真のリクエストに応える形でわしが何でも作ってやる』
    『わしの女子力舐めんなよ。本気を出せば男性の胃袋の一つ二つ三つ、一瞬で掴んでみせる!』

    『ま、今回、お主だけにその秘技をお見舞いすることになるわけじゃがな!』

    『―――最初からクライマックスで気合入れていくぜ、真名開放!』

    ―――魔力の開放。
    ――希望の魔力は輝かしい光となり
    ―津波のごとし闇の濁流を押し返さんと放たれる

    ―――我は神
    ――天と地と数多へ閏の月よりの祝福を与え給う、万象に豊潤を齎す山神であり大神

    ―――我が名は

    ―――――閏月夜大神(ウヅキヨノオオカミ)なり

    《閏月夜の大神の咆哮》(おおかみおろし)

    ―――――黄金の光が闇の濁流とぶつかり合う

    大量の魔力を消費しながらも、それは確実に目の前の絶望を浄化し散らしていく――――――

    ――――――だが。

    こちらは有限であり。無効は文字通り底が知れない。底なし沼の如き、無尽蔵さを以て――

    ―――その単純なまでの終わり無き絶望の闇は

    ―――二人の小さな希望の光を飲み込んでいく -- セイバー 2014-04-25 (金) 04:44:49

  • まさに

    二人をあざ笑うように、コポリと音を立てて

    再び、泥が溢れ堕ち 汚濁した色へ ゆっくりと染め直されてゆく

    教会は徐々に焼け爛れ 果てにはこの世界を埋め尽くさんとばかりに

    希望の塊だったものは 絶望を生み出し続ける

  • 『マジかよ…』

    閏の力が通じない

    いや… 正確には通じているのだが 終わりの見えない程の聖杯の中身に
    力を使いあぐねてるというべきか

    俺が、足を引っ張っている

    『閏…! もっと魔力を …俺のことは気にするな!』

    言って、熱量を焼べるが

    既に使える魔力での全力を一度ぶつけて、あれなのだ
    これ以上の消費は… 俺を殺すことになる 閏はこれ以上力を使わないだろう

    その時は… -- 史楼 2014-04-25 (金) 12:07:22
  • 『わかるぞ』
    『お主の考えておることは』

    『「それ」は必要のないことじゃ』

    闇に押されながらも刃より光を放つ。
    諦めることはしない。
    折れることはない。
    人の前で其れはあってはならぬものだから。

    『それよりも』

    『もう少しわしの力を信じて見ぬか?』

    『―――例えば。』
    『最終決戦まで使うのが惜しいなと思ってたら使うタイミングをすっかり忘れてしまっていたエリクサーのような』

    『主のその三画の令呪』

    『―――そいつをわしに託して見ぬか?』

    ―――笑っている
    魔術的、概念的、物理的な絶望を前に

    その目は、熱を失わず、光を灯し続け

    ―――いつものように不敵な笑みを浮かべていた -- セイバー 2014-04-25 (金) 12:28:57

  • 精神を犯す泥は

    思考する時間を奪うかのように、その勢いを増し

    魂を穢す泥は

    道を焼きながら、助けを求めるかのように追い縋る

  • 三画
    俺の右手にある令呪の全てを指す

    一画だけでも、サーヴァントを自害させる事もできる
    強力な強制力を発揮する力

    "ケチって仕損じたらお終いじゃろ?"と、言わんばかりに
    全部寄越せと、そうすれば俺の魔力(いのち)を枯らす必要も無いと。

    しかし、それが意味するのは

    『待てよ…!』

    『これを使えば、確かにアレを祓うことができるかもしれねーけど』
    『全部使っちまったら… 俺との繋がりが無くなって…!』

    『お前が現界でき無くなっちまうんじゃねーのか!?』
    嫌だと、駄々をこねたくなる

    もう何も失ってなるものかと、足掻き続けた青年は

    選択の淵に立たされる

    世界を救い 一番大事なものを失うか
    一番大事なものを取り 世界を失うか

    両方へ手を伸ばせば 全てを失う

    我侭は許され無い。 -- 史楼 2014-04-25 (金) 13:25:32
  • 『―――おい、夕真。』
    『―――神様、舐めんなよ』

    『”信じてみろ”といっとるじゃろう?』
    『確かに繋がりは消えるかもしれん。現界もできなくなるかもしれん』

    『だがな、そも、ここで仕損じればわしらともども全部消えてなくなるわ!』
    『ブレイズ達が帰ってきたあとの大地に何も残ってなかったら自信持って送り出した身としても恥ずかしーわ!』

    『わしだってなぁ!まだやりたいゲームも見たいテレビや漫画の続きもある!』
    『食べてみたい駄菓子やスイーツもたくさん!!』

    『―――それよりも何よりも』
    『――――夕真と一緒にいた』
    『たくさんの思い出の詰まった』
    『大事な、大切な―――お主とこの世界がなくなってしまう』

    『――――――そんなのは嫌なんじゃ!!』

    『じゃから信じろ!セイバーのことを』
    『狼森閏のことを』
    『閏月夜大神のことを』

    『ここで3年間、お前と過ごしてきた』
    『―――わしという家族のことを』 -- セイバー 2014-04-25 (金) 13:50:52

  • 『…っ』

    こんな時にまで、スイーツやテレビや漫画の話をする閏に
    笑うような、呆れるような表情になって、大きな溜息をもらす

    次に続く言葉には頷いて、俺は決心する。

    『はぁ〜〜 俺に格好つけて、力を使い果たすことは許してくれねーんだもんな』
    『ずるいぜ、俺だって守りたいのにさ』

    『わかってる、俺の力じゃまだ足りないっつうのも』
    『捨て鉢になったって、いいことは一つもないってのも』

    『しょうがないから、今回はお前を信じる』

    いつか、目の前の女の子に頼らなくても
    世界なんて軽く救えるようになってみせると、決意を新たにして

    『じゃあ、今からお願いをするから、叶えてくれよ 神様?』

    『―――史楼 夕真の名の許に、令呪を似てセイバーに命ず―――』

    初めて出会った時のことを思い出す
    お腹がすいた、早くご飯が食べたい。だもんな
    あの時はこの女の子が神様だなんて、思いもしなかった

    『狼森 閏としての神格を取り戻せ』

    その後に家にケチつけて新しい家を借りたり
    結界だっつって、ペットボトルに水入れて並べるのは
    やっぱりどう考えても間抜けに見えて、思い出しても笑ってしまう

    『―――第二の令呪似て、重ねて命ず―――』

    クッションを汚されたり、膝枕されたり、縮んだ俺を抱っこしたり
    その他色々、わりとめちゃくちゃされて振り回されたけど
    本当に楽しかった、今となればいい思い出だ

    『狼森 閏として十全の力を発揮せよ』

    そういえば、閏の作った料理は美味かったな
    今日は特別大サービスとやらでリクエストを受け付けてくれるらしい
    なにがいいだろう、やっぱり味噌汁かな 決めておかないと

    『―――第三の令呪似て、重ねて命ず―――』

    言葉を進めるごとに、思い出が浮かび出て 瞳へ涙が溜まる
    この英霊を信じるとそう決めたのだから泣くのはおかしい
    笑顔を作るが、上手くできているだろうか?

    『世界を救え』

    耐え切れず、ひとすじの涙をこぼして

    最後に、付け足す。

    『―――史楼 夕真の名の許に、重ねて命ず―――』

    涙を隠すように、目を閉じて笑顔を見せる。

    『お前が好きだ』

    『だから、これっきりだなんて 言うなよ?』 -- 史楼 2014-04-25 (金) 14:56:52
  • 闇を見据えたまま、令呪の力を託される。
    それは心の内側より、力が漲るようであり、魔力、気合共に最善のコンディションといって差し支えない状態、いやそれ以上の―――

    『令呪の力と願い、確かに受け取った。』

    『しかしなんじゃ、最後のは』

    『―――ばか。……もう。』

    『でも、わしも。』

    『―――ゆーまのそう言うとこが大好きじゃよ。』

    『―――さて全力なんてメンドくさいもん出させるなんて。』
    『仕方ないし、しょーがないのう。』

    『神様は頼まれたら嫌とは言えないからな!』
    『三願の礼はちと違うが。』
    『この、狼森 閏。お前の、夕真の為に全力を尽くそうぞ』

    史楼からは後ろ姿しか見えない。が、その変化は見て取れた。

    特徴的なその黒漆のような綺麗な黒髪は
    ――朝日のような金に染まり

    ―――戦うための鎧の代わりに
    万象に救いを齎すための白き衣と、羽衣を纏う

    ―――その姿はまさに。

    ――――――神話の中にのみ現れるという救世主(セイヴァー)そのものであった。

    『神様として顕現した今。やらねばならぬ事がある』

    『ひとつ、願いを聞き入れて』
    『二つ、託された願いを叶え』
    『三つ、全てのものに救済を与える』

    『暗がりに追いやられた絶望の怨嗟よ。』
    『ぬしらも例外ではない。』

    『万象に救いを与える』
    『これこそが。』
    『神としての、セイヴァーとしての最終宝具。』
    『その真名を今』

    『解き、放つ―――』
    『そう、之こそが正に――――』

    《黄金輝く心路の在方》(すばらしきしんせかい)

    ――――全力を出し、神となったセイヴァーが。
    その細い指をひと振りする。

    ―――その指が振られた先の、絶望は
    かのモーセが海を切り開いたかのように。
    裂いていくように、咲いていく様に香しい花々草木へと昇華される

    セイヴァーが、その指を天へと向ける。

    ―――大地を履い、蝕みながら溢れ流れ出してきていた闇は
    重力に逆らうように浮かび上がり
    浄化の光を浴び、白く輝きながら天へと還っていき。暖かな日差しとして地へと帰ってくる―――

    セイヴァーは、言の葉を授けたもうた。

    憎しみを捨てよ、怨嗟を捨てよ、もはや苦しむ必要はない、全ては許されるのだ、と
    その言の葉は。福音となり、闇を。絶望を。呪いを。祟を。病を。憎しみを。苦しみを。怒りを。恐怖を。悲しみを。
    ありとあらゆる負を。柔らかな光と共にかき消していき春の陽気を呼び込んでいく――――

    それは舞いであり、武闘であり、神の奇跡である
    聖杯から溢れ出してきた絶望に、希望の未来を、夢を託させて。
    彼女の一挙一動が。救いの力としてこの世に春を呼び込んでいく――― -- セイバー 2014-04-25 (金) 22:19:27

  • 全て希望は、望みは、救いは

    セイヴァーの力により 祓い、浄化され、救いを得た

    今はただ、正しく 真っ直ぐに 光に帯びた力は

    陽気へ霧散するように、消えてゆく まるで この大地を包み込むように

    『――世界に光あれ――』 と…
  •   -- 2014-04-22 (火) 19:51:18
  • 郊外・修道院跡 -- 2014-04-21 (月) 21:20:31
    • 史楼にブレイズから連絡があった。聖杯が降臨するだろう日程と場所の予測がついたと。
      それは即ち、器がない今未曽有の災害を前にしているということに他ならず…… -- 2014-04-21 (月) 21:21:57

      • 『……来てくれたか。今日は世話になるよ。』

        月も闇に溶け込んでしまいそうな夜。
        屋根すら朽ち果ててしまった修道院の礼拝堂に男はいた。
        自らのパートナーであるメディエイター、ステイシアを連れ添って。

        待ち合わせ場所は幸か不幸か、町はずれの修道院跡。
        そこには少し前まで……二人の知るある少年と、サーヴァントが拠点にしていたのだが
        それを知るものは今ここにいない。

        『しかしかつて願いが、祈りが奉げられていた場所が選ばれるとは……皮肉なものだ』

        檀上に腰掛けて、天を仰ぎ見るように顔を上げて空を見やる
        史楼も……いやセイバーもわかるだろう。この周囲はやけに不可視の力が張りつめて空気が重く敷かれていることに
        まるで水風船に限界まで水を入れ続けているような……そんな、不穏な空気が
        -- ブレイズ 2014-04-21 (月) 21:30:58

      • 『まぁ、宗教違いだと思いますけど神様ならここにも居ますしね』

        セイバーの機嫌を伺うように、横目で見ながら言う
        機嫌が悪いのか、ただ言うことが無いだけなのか
        いつも通りに 何か言葉が返ってくることは無かった
        俺は仕方なく言葉を続けることに

        『どうもこの世界はこういう冗談だか何だか良くわかんないもんがお好きなようで』

        笑えもしない事実に、ただ肩をすくめる。

        それにしても、息ができる水槽へ潜るというのはこんな気分なのだろうか
        魔力感知がまともにできない俺ですら この空間に満ちる異様な程の力に
        居心地の悪さを感じるが、だからといってここから立ち去るわけにもいかなかった

        聖杯戦争の終焉

        それが今日、この時… この場所から始まるのだから。 -- 史楼 2014-04-21 (月) 21:48:18

      • 『神は人の数だけいるんだろうな。一神教でもかつては多神教の中から生まれたとするものが主流だ』

        そんな歴史か、宗教学の話かになりそうな話
        メディエイターも何を想ってか、言葉はなかった
        まるでここ……願いの先の、果ての場所で言葉を交わすのは人の義務であるかのように
        神は不在とでも、いわんばかりに

        『本来ゼロが聖杯の器となり、英霊の魂やそれらが纏う力を受けるはずだった』
        『それが今では行き場を失い……漂い、この世界に穴を穿ち出現しようとしている』
        『これはその前触れだ』

        それは願いの先にあったものか。英霊であったが故なのかは知らない。
        ただ、邪とも聖とも今だわからぬ力の圧力が充満していた。
        今まさに産声を上げて生まれようとしているような……いつ破裂してもおかしくない気配が

        『……正直どうなるかわからない。今更覚悟を決めろなどとは言えないだろう』
        『ただ……』

        巻き込んでおいて、とかそんな言葉はもはや意味をなさないだろう。
        今はただ……同じ道にいる、同じ場所を見た彼の身を案じるしかない。
        彼にも未来はある。まだまだ若いからこそ……未来を見ることが出来るからこそ

        『死ぬなよ』

        そんな在り来たりにも思えるが、単純でこれ以上もない言葉を
        最期の手前の今……かけるしかなかった。 -- ブレイズ 2014-04-21 (月) 22:03:43

      • 『この戦いが終わったら』

        『何が変わるか… 世界がどうなるかなんて まだ想像も出来ないけど』
        『少なくとも 今よりは 幸せな世界にする為に』

        『頑張らないといけないんでね』

        『聖杯戦争は、今日で終わるかも… いや、終わるけれど』
        『俺達の時間は、その先もあるから』

        『帰ってきますよ』

        だからこう返します、と


        『…アンタらも な』

        友人へかける言葉のように言って笑う -- 史楼 2014-04-21 (月) 22:25:33
      • マフラーが、赤き焔の翼となって燃え盛りその体を浮かせていく
        そして……自身も燃え盛る炎となり、メディエイターの翼と姿を変えて

        『史楼、セイバー……この世界を頼む!』

        今、あの穴の向こうに突入していくからこそ。
        残り、この迫る力を任せる二人に後を託しす。それは決して戻らないからではない。
        戻るからこそ……頼むのだと、背中は任せるとでも言わんばかりに伝えた…… -- ブレイズ 2014-04-21 (月) 22:47:03
      • (あの時己とブレイズの言葉に打ちのめされ、項垂れていた少年は最早此処には居ない)
        (此処に居るのは、背中を、世界を。そして己が見ることはあっても、歩むことは無い未来を託せる頼もしい戦友だ)
        (彼の言葉一つ一つから伝わる想いに、覚悟に小さく一度だけ頷いて)

        行こう、ブレイズ!私たちの…世界の未来を切り開きに!今と未来を、繋ぎ合わせるために!

        (異なる二つを、混じり合うことのない二つを仲介し、繋ぎ合わせることこそ「メディエイター」としての本懐)
        (ならば―)
        (今こうして滅びの危機に瀕している現実と)
        (晴れ渡る青空が広がる希望に満ちた未来を繋ぎ合わせることも、己の仕事だ)

        (炎の翼をはためかせ、闇の中にぽっかりと空いた穴へとその身を躍らせる)

        ―さよなら、史楼。貴方なら、きっと―

        (燃え盛る炎の翼の音にかき消され、その言葉はきっと届くことは無い)
        (彼は言った。「帰ってくる」と)
        (己が帰ってくることはきっと叶わない。だから彼と会うのはこれが最後になるだろう)
        (でも、それでいいのだ)
        (この世界に必要な役者は今生きている者のみ。奈落の底から舞台にしがみついている自分がかける言葉など、きっと無いのだから)
        (この頼もしい戦友は暗雲を切り裂いたその先に何を見るのだろうか)
        (彼が見る光景が、希望に満ちたものであるように)
        (否。彼の見る光景を、希望に満ちたものにするために、最後の決戦へと挑む―) -- メディエイター 2014-04-21 (月) 23:12:18

      • 『はいよ、頼まれました。』

        大したことじゃない、とそういうつもりか
        わざと気の抜けたような返事を返して、闇へ消える二人を見送った

        『…閏』
        『こんなことになって、怒ってるか?』

        この期に及んで、気まずそうに声をかける
        俺は正直、聖杯よりもこいつを怒らせる方がある意味恐かった。 -- 史楼 2014-04-21 (月) 23:29:30
      • 『さてな』

        『こうなってしまっては戦争どころではないじゃろしな』
        『いいのか?確かにやべー感するけど、願い事くらいなら叶えてくれるとは思うぞ、アレ。』

        と、今までそっぽを向いていた顔をこちらに向けるセイバー。

        『なんて、本当に今更じゃな』
        『聖杯なんぞに頼らずともわしの願いだけは叶えるつもりじゃったしな』
        『頼らずとも叶えられる、叶えたいと思う願いが見つかったのでな』

        『まぁそれまでは。全部にケリをつけるまでは。』
        『演じてやろうではないか。マスターとサーヴァントとして。』

        続けて。渡すものがあるから、目を閉じて欲しいと頼まれた。
        こんな非常事態にサプライズなプレゼントを用意してるとか……

        『ん…。』

        頬に。一瞬だけ。しっとりと。暖かく、柔らかな感触。
        何事だと目を開けたら、傍にセイバーの顔。少し赤らんだ表情で微笑んでいた

        『ま、景気づけじゃ。あんまし気にすんなよ?』

        『さ。ささーっと片付けてしまおーじゃないか。なっ、ゆーま?』

        まくし立てたあと、直ぐに、傍を離れていってしまった。 -- セイバー 2014-04-21 (月) 23:52:43
      • 一瞬何が起きたか分からなかった

        …訂正 今も何が起きたか わからない


        『んなっ!? なん…っ はっ… !!? !?』

        ガタガタと音を立てながら、後ずさりしすぎて教会の長椅子に乗り上げるように、座ってしまう

        漫画でしか知らないような、出来事に俺は完全に思考が停止してしまい
        言葉を返す前に、閏が何か俺に言ったあと 離れていってしまう

        まて、ちゃんと説明しろ これはいかなることぞ…?

        目を閉じている間に、ほっぺたに柔らかいこんにゃくを押し付けられたとか
        そういう説明をしてもらったほうがまだ、納得の… やわらか・・

        『ああああああ!?』

        決戦間際だというのに、俺は乙女のように赤くなった顔を両手で隠して
        しばらくの間、悶え苦しむことになったのだった。 -- 史楼 2014-04-22 (火) 00:35:36
  •   -- 2014-04-21 (月) 21:09:37
  •   -- 2014-04-20 (日) 22:36:07
    •   -- 2014-04-20 (日) 22:36:13
      • 見知った顔が一人、また一人と減り
        騒ぎが大きかった街も、平和を取り戻しつつある様子から
        いくら、鈍感な俺でも いくら気がつかないでおこうとしても
        この戦争の終わりが近づいているのを、感じずには居られなかった。

        そんな中、まだ連絡がつく人間の中に
        家に招待したはいいが、見っとも無いところを見せるだけで見せて帰らせてしまうという
        失礼中の失礼をしたのを思い出し 連絡手段の端末を 苦い顔で10分程睨んだあと
        意を決して、汚名返上の機会を作るために操作したのだった。

        " お話の件ですが 良ければまた 俺の家でどうでしょうか 今日の昼過ぎにでも。"

        送信したあとに、俺はある種の緊張にうずくまった。 -- 史楼 2014-04-20 (日) 22:36:21

      • そして。そんな史楼の緊張も知ってか知らずか。
        男は菓子折りと缶酒のケース持って現れて。

        『本日はお招き……いや、そういうことでもないか?』

        と、呑気に一人でやってきた。
        サーヴァントも連れず。少し前ならこいつこそ戦いをしていないのではと思うような
        そんな雰囲気で。ちなみに昼飯はとってきたから御心配は、などとも

        『今日は俺が話を聞く番というのも変だが……まぁ、そういうことで頼むよ』

        酒飲めるか?とか俺酒は飲めないんだから気にしないでくれとか
        親しい間柄のそういう集まりのような感覚でやってきた。
        史楼の話を聞くために。史楼のことを、知るために。 -- ブレイズ 2014-04-20 (日) 22:45:48

      • 想定していたよりも、丁寧な来訪に 胃がきゅっと縮むのを感じる

        『(ああ、そんな気を使ってもらわなくてもいいのに…!)』
        『わざわざありがとうございます、えーっとお酒は 練習中っす』

        いただいたお菓子と、自宅に用意していたお菓子を大皿に混ぜて
        机の上に乗せると ブレイズの前に、この間より奮発して2ランク程アップさせた
        高めのお茶を入れた湯のみを置いて、自分も座り込む。

        『俺の話っていっても、なんていうか…』
        『この間かなり恥ずかしい感じに話ちゃいましたけど』

        気まずそうに頬を搔いて、ここで黙るのも またおかしな感じなので

        『じゃあ、今日はここに来てからの話をします ある意味 今の俺の始まりの話を』

        きょろきょろ、と周りをみて閏がどこかで聞き耳を立てていないか確認をしたあとに
        俺はゆっくりと語り始める

        最初は、アリィとそのマスターに襲われたことから始まり
        その時呼び出した自分のセイバーが、いきなり腹が減ったと言い出した事
        流れでそのまま、翌月にはこの二人で住むには大きめの家を借りることになったという事
        戦争中は缶詰やカロリーバーで済ませるつもりが、そいつのせいで毎日自炊することになった事など
        気がつけば、意識に無く閏との話ばかりをしてしまう俺が居た。

        『っあー… すみません 本当にこんな話でいいんですかね、もっと昔の話もあるにはあるんですけど』

        ブレイズが本当にこんな話を聞きたいのかどうか、今さらに不安になって
        随分とおしゃべりしたあとに、ようやっと反応をうかがう言葉をかける。 -- 史楼 2014-04-20 (日) 23:02:06

      • あぁ、それが聞きたいんだ。気にしなくていいよと
        味覚が麻痺していることを悟られないためもあるが、菓子には手を付けず
        途中途中に史楼の言葉に相槌や、補足するように知る限りで人の名を足したり
        それがアクタであったり、ゼロのサーヴァントであるアヴェンジャーだったり……
        時には、あぁエオが、とか。俺は嫌われてたなぁとかとかとか。

        そして聞いていけばどんどんにわかる。史楼の一人を恐れることの意味が。
        彼の人生の中で本当に人と触れ合っている時間は今この時だったのだと。
        それは……彼のサーヴァントが大きく占めている。

        サーヴァントとは本来偽りの存在である。死んだものを、魔力で実体化できるようにしているだけに過ぎない。
        聖杯戦争のシステム上そうして彼らは存在している、仮初の存在。
        しかし……史楼の話を聞けば、それはより強く再認識させられる。
        自らのパートナーであるメディエイター……ステイシアもそうであるように
        その仮初の命であっても、人としての心があり、その心と心の繋がりは偽りでもまやかしでも
        仮初でもないことを

        『そうか……君にとって、彼女はもうサーヴァントという存在を超えているんだな』

        だから、史楼の話を聞いてつい漏れるように答えた。
        それはこの前、史楼が言ったように。史楼だけではなく自身の成そうということは
        そういう関係すらも否定していることを、重々承知する形で。

        そして、思う。今自分の手の中にある……持ち得る情報を今出せば それはまさしく悪魔の如き囁きになることを。
        だからこそ……出せないが故に

        『……史楼君。君達の手を貸してほしい。』
        (茶を啜り、喉を潤して……その言葉を、ようやく史楼へ出した) -- ブレイズ 2014-04-20 (日) 23:18:54

      • 『…俺達は未だに、平行線に居ると思ってましたけど』
        『それでもアンタは、そう俺に声をかけるんだな』

        『どうしろっつうんです、俺に』

        困り果てた顔をする
        ブレイズが言い出すということは、聖杯を破壊することに関する話なのだろう
        できれば聞きたくは無かった
        聞かずに居れば、俺は今まで通り 目的に向かって走れるし
        閏との生活も 到達するまで終わることなく
        到達したあとも、続くはずだからだ。

        それは、目の前の男も分かっているからこそ
        言いづらそうに、口にした茶が地獄の釜湯でもあるかのような表情で
        俺に話したのだろう

        数分前の、友人同士のような会話が既に懐かしく感じた。 -- 史楼 2014-04-20 (日) 23:40:31

      • すまないとは、言えなかった。
        それを言ってしまえば……平行線上にいる、彼を落しめることになる。

        故に、そのまま続けた
        直接的ではなく。彼らの希望として出さずに伝えなければいけない。
        史楼の話を……いや、今までのこの、空気を。少しでもあった親しみを
        終わらせてしまう形になってしまったが……

        『聖杯戦争のシステムは知っているか?大聖杯と小聖杯のことを……一応解説しよう』

        アヴェンジャーと呼ばれていたゼロのサーヴァントから得た情報も織り交ぜて話を始めた。
        小聖杯に一時的に納められた英霊の魂が、その力がある場所に還る時に願いが叶うとか
        サーヴァントが脱落することがそもそもの儀式である等……
        そしてゼロ自身の出生も含めて、史楼に説明を説明していく。
        故に小聖杯としての役割に苦しみ、その役目から解放された……機能を失ったことも

        『つまり、もうすぐこの街に小聖杯……ゼロに収まるべきだった力がシステムという行き場を失い溢れ出す』

        それは、災害が起きることの確信にも近い予測を得るには十分な話だった。
        小聖杯がないが故に……願いが叶わないこと、なども含めて
        ゼロが苦しむ、人が来るしむ想念と力が……英霊を実体化させていたほどの力が集まり、流れ出す

        『君達にはその漏れ出るだろう力を止めてもらいたい。あれが出きってしまえば……どうなるのか想像はつかないほどの惨事が起きる』
        『俺達はその間に、漏れ出た口から突入し止めに行く……大元を。俺らの予想が正しければ、大聖杯はその先にあるはずだ』

        今期に到っても、大聖杯と呼ばれるような魔術的装置は見つからなかった。
        つまり、この我々がいる世界にはないことなどは予測でしかないが
        目の前にある、もうすぐ起きるだろう事象については違う。
        魔力、力と言えばそうでもないかもしれないが純粋な力が漏れ出すのだ。
        それがどんな状態になっているかはさておき……こちらの世界をどうにかするには十分すぎると言えた。

        『君達自身に与える影響も、少なからずあるかもしれない。』
        『それでも、最早最後に残った君達にしかできないことだ……頼めるか』

        そう。その英霊らの力が、根源と呼ばれている概念の異界かどこかへの扉を開くほどの力
        それを受ければサーヴァントでも何かしらの影響を受けるだろうことも伝える。
        直接的には言えない、予想されるべき、力がサーヴァントに降り注いだときのこと等
        まさしく餌の如きように伝えないように、言葉を選んで助けの手を求めた。 -- ブレイズ 2014-04-20 (日) 23:56:20

      • 相槌も無く、反応も無く ただ目を閉じてブレイズの話を聞いていた。

        『はぁー…』

        と 語り終わったあとの沈黙に、大きく息をついて


        わかりましたよ!もう!

        『つまり俺はいつも通り、やればいいんだろ』

        『聖杯を壊す手伝いをする、だけど俺等の願いは諦めない』
        『破壊して、聖杯が無くなっても 俺らは俺らの願いを、どうにか叶えればそれで勝ちなんだ』

        『聖杯を獲って、全部を助けるのと そんなにかわんねーだろ たぶん。』

        『ああ、でも閏に聞かせたらまた怒りそうだなァアイツ…』

        一転して、覚悟を決めた表情でブレイズを見る
        俺だって、あんたに負けない 一人の男なんだと そう言うように

        『ただし』

        『あんたらも、聖杯を砕いた後 目的を達成して、全てが終わったあと』
        『ちゃんと幸せになれよな』

        『そうじゃないと、手伝わない。』

        ふん、と荒く鼻息を噴いて 腕を組む
        譲らないと、頑固な態度をポーズして。 -- 史楼 2014-04-21 (月) 00:25:12

      • 『利用する形になって、悪いと思ってる。でも頼めるのは君らしかいない』

        悪魔のようにはいわない。邪悪のようには言わない。
        いつも通りの君達の力が必要とか、そんなことは言ってはいけない。
        でも、本当に助かったのは事実。
        彼らしか頼める者がいない以上に……彼らなら、きっと任せられる確信があったから。

        そして、史楼からの眼差しを受けて真剣な顔で返せば
        その……彼が言うような条件というか、最初から変わらないだろう信念が故の言葉に

        『そうだな』

        笑ってしまった。子供のような駄々というか、もっと純粋な、意志を受けて
        ステイシアのは想った事がある。年頃の少女が、女性が描くだろう幸せを実現できればと
        だが……とうに消えて行った、擦り切れて捨てていたはずの自分の幸せを
        果て無き地平の先の先……それか、後ろに追いやってきただろうものを思い出して
        笑った

        『全てが終わったらそうだな……みんなにまた会いに行きたいな』
        『アドニスはどうしてるだろうか』
        『エオにまた会ったら……なんて言われるか、怒られたら助けてくれないか』
        『ゼロは今療養中だ……もう少ししたら会えるだろう』
        『アルヴィンは……あいつは相方の女とどっか消えたが、元気だろう』

        そんな、もしかしたら自分がその先にいないかもしれない未来を夢見るように呟いて
        だからこそ、それが自分のみたい未来で。幸せなんだと、思ったからこそ
        少し、心の力が出て来た。
        過去に捨ててきた……いつのまにか失ってしまった自分の幸せ
        それを思い出させてくれた彼に感謝した。
        彼にもまた、幸せを望む。聖杯では叶えられなくなってしまったが……彼自身の、彼らの幸せを

        『ありがとう』

        また昔に戻ったような、最初に戻ったような気持ちで言葉は出ていた。
        彼と話すことは……男同士でぶつかり合うようなものではなかった。
        少なくとも自分には……背中を押されているような、遠く、望むべき送り出すものに
        叱咤激励されたような、そんな気分にさせられるものだった -- ブレイズ 2014-04-21 (月) 00:43:18
      • 『約束ですからね!』

        俺が俺である為に、恐らく より険しい道を選んでしまったことに
        若干の眩暈を感じながらも
        この先の先にある苦労を想像して溜息をするわけでもなく
        ブレイズが帰ったあと、選んだ道を閏に説明する時に どう言えばいいのか
        その点に 一番深い溜息が漏れたのだった。

        『あーあ 困ったなぁ』 -- 史楼 2014-04-21 (月) 21:09:08
  •   -- 2014-04-19 (土) 13:25:08
  •   -- 2014-04-19 (土) 13:25:02
  • 郊外・丘陵の砦跡 -- 2014-04-17 (木) 20:02:29
    • (街外れの丘陵、その頂上に位置する古の砦跡)
      (今は展望台となっているその場所は、周辺に点在する霊地の一つでもある)
      (空に棚引く雲は紅く、黄昏の訪れを知らせる時刻)
      (朽ちた城壁の上に長く伸びる人影がひとつ)

      『やはり、お前か…』

      (使い魔のカラスを手元に止まらせ、標的の姿を確かめて息を吐く)
      (齎された情報を頼りに探り当ててみれば、案の定。自身の存在を隠しもしないで出歩くマスターなど、もはやこの男ぐらいしか思い当たらなかった)

      『まだ生き残っていたとはな』 -- ラセン 2014-04-17 (木) 20:02:42
      • 『ひでーな、死ぬと思ってたみたいな言い方じゃん』

        『なぁ… 話がしたいんだけどさ』
        『この間みたいに、少しでもいい』

        どうやら、今日も戦うつもりなど無いといった様子で、流石に殺されてはたまらないと
        今日は最初から後ろに閏を連れているものの、ゆっくりと言葉を紡ぐ

        『そういや、名前も聞けなかったよな』
        『良かったら教えてくれよ』

        『俺は史楼 夕真』

        『オマエは?』

        正直素直に答えてもらえるとも思っていなかったが、駆引きとか
        頭を使うようなことは苦手な俺としては、こういうストレートな物言いしか出来なかった。 -- 史楼 2014-04-17 (木) 20:18:38
      • (見下ろす目は変わらず冷ややか、その眉間に微かな皺が寄り)

        『…ラセン・エルザーブ』

        『まだ話し合いなんてものが通じると思っているのか』
        『争いが嫌なら、さっさとその令呪を捨ててしまえ』

        『でなければ……今度は手首じゃ済まない』

        我ながら安い文句と思う、だが、それは事実だ
        本気で戦ったなら、相手の身を気遣うような余裕など無くなるだろう -- ラセン 2014-04-17 (木) 20:27:36

      • 『ラセンか…かっちょいい名前だな』

        『わりぃな、俺はもう何も諦めないって決めたんだ』

        『できることは、全部やる』

        『ラセン、オマエは何故戦う?』
        何故、聖杯を望む やめることは出来ないんだな、とそういうように

        『答えたくないなら、それでいい』
        『たぶん、俺はオマエを怒らせることしかできないっつうのは、何となく分かるからさ』

        『俺はオマエのこと、嫌いじゃねえんだけどなぁ…』

        腕を切り落とされかけたのも、忘れたように。 -- 史楼 2014-04-17 (木) 20:45:48
      • 『―――僕は…お前が嫌いだよ』

        誰も傷つけず己の願いを叶えたい
        あらゆる前提を覆す都合のいい妄想、子供のような夢想
        そんな選択肢を、この期に及んで臆面もなく吐き続ける様に苛立つ

        『―――…家族の病気を治すのに聖杯が要る』
        『手は打ち尽くした、選択肢は他に無い』
        『そして―――』
        少年の傍ら、金銅色の鎧に夕日を映し、鎧の騎士が姿を現す

        『――――僕には、時間がない』

        宙へと舞う騎士の影
        問答は終わった
        そう告げるように、夕暮れの空を斬り裂く一閃が振り下ろされる -- ラセン 2014-04-17 (木) 21:06:35

      • (そうか…こいつも家族の為に…)
        辛そうな表情を一瞬浮かべるが、バカな考えが沸く前に、頭を振って吹き飛ばす

        『そうか… それならしかたねえ だなんて言えねーけどさ』

        『オマエが背負ってるもんは、わかったよ』

        きっとこれ以上は、こいつが負かされでもしない限り聞いては貰えないのだろう
        控えている、自分のサーヴァントに目配せをする。 -- 史楼 2014-04-17 (木) 21:18:08
      • 『じゃから、言ったろう。』
        『こやつの目には、そもおぬしは写っておらぬと』

        二本の刀を抜き放つとその軌道にそって桜の花びらが舞い散る

        『聞いちゃくれぬ、見ちゃくれぬ。』
        『ならば、語るにはこれしかあるまい』

        『疾風――迅雷の型

        雷撃を刃から迸らせ、花びらと残光を生み出しながら黄金のセイバーへ迫る

        『一の太刀!参るぞ!』

        ギュン、と地上から中空へ、軌道を変えると刃を一つ、振り下ろす! -- セイバー 2014-04-17 (木) 21:28:07
      • 『美しいな……』

        (戦場に咲くはずの無い花、ぽつりと一言だけ口にして)
        (奔る宝剣、繰り出される雷の刃を滑らせ、逸し、また間隙に攻め立てる)
        (刃と刃が鋭く鋼の音を立てるその度に、火花と雷電、そして花弁が散り、黄昏の空間に無数の花を咲かせ続ける)
        (少女の姿に見合わぬ力と速さ、されど既に多くの英霊と刃を交わした身であれば、それに慄く事はなく)

        『はぁぁああ!!!』

        (大きく間合いを開いた一瞬、膝を深く落とした体勢から薙ぎ払う剣より巨大な炎が吹き上がり、敵の姿を飲み込まんとする) -- 鎧のセイバー 2014-04-17 (木) 21:46:22
      • 『なるほど、やるのう』
        『さすがセイバーのクラスじゃなぁ』

        刃を重ね、舞を重ねるごとに戦場は華々しさを増していく

        『ほほう、お主は炎か。』

        舞い上がる炎を前に。刃を交差させ、構える。

        『ならば、わしもやらせてもらうぞ』
        『疾風――怒涛の型

        紫電が収まると、代わりに紅蓮の炎が刃に灯り、戦場に新たな華を咲かせる

        『真正面からやっちゃるぜ!』

        交差した刃をそのまま振り抜くと炎の桜がエネルギーの奔流のように放たれ、黄金のセイバーの炎と中空で激突する
        -- セイバー 2014-04-17 (木) 22:10:31
      • 『……!』

        (二人のセイバーの放つ炎がぶつかり合い、一瞬、周囲を火の粉が埋め尽くす)
        (相手のサーヴァントもまた、己のセイバーと正面から打ち合えるだけの実力者、ならば―――)

        『――傍観というわけにはいかないな』

        (腰元から取り出す小さな小瓶、揺れる血のような赤い液体を一口に飲み干す)
        (服用したのは一時的に身体能力を強化するポーション、外套の内に両手を差し込んで)

        『戯言はここまでだ、お前にはここで――――』
        敗北してもらう
        (狙うは敵のマスター、両手指に挟んだ幾本もの銀の針を続けざまに投げ放つ) -- ラセン 2014-04-17 (木) 22:50:09
      • (振り抜かれる刃、空をも覆う炎の飛沫が散って消え去り、騎士は兜の隙間から炎の呼気を漏らし剣を握り直す)

        『まったく……この世の英霊は面白い』

        (相対するは王威と神気、盾を構えて間合いを測り)

        『!』

        (大地を震わすほどの踏み込み、一瞬の内に突き込まれる炎の剣は突撃槍の如く)

        『せぁぁああああ!!』

        (間髪置かず重ねられる無数の剣閃、鉄さえも斬り裂く炎の刃が敵手の視界を覆い尽くす) -- 鎧のセイバー 2014-04-17 (木) 22:51:04
      • 『ラッシュの速さ比べとな』
        『――ならば』
        『疾風――沐雨の型

        流水の剣技。花舞う五月雨の如き剣線は、二つのぶつかり合うスキルの世界をアートへと変える。
        カカカカカと小刻みに打ち合う金属音が動物の鳴き声のように甲高く響き―――

        『早い早い。重そうな外見でよくもここまで。一筋縄、では行きそうもないのう』
        『――マジでいかせてもらおうか。』
        『――――二刀流』

        片手で流水の剣技を操りながら。もう片方で新たな構えを取り―――

        『疾風――勁草の型
        『――連撃―――アマクサの型

        もうひとつの属性は風。数多をなぎ払い反らす春風。それは流水と混じり青と緑、二色の波動となって剣技と共に襲いかかる -- セイバー 2014-04-17 (木) 23:13:38

      • 『オマエこそ寝言言ってんじゃねえ』

        誰も負けやしねえよ

        フル・アクセル
        以前、爺さんとの戦いで使った 熱量操作を全て同時に行う荒業
        一時的にだが、史楼の力は人の理を超える。

        幾本かはステップで交わすが、ラセンを止めないことには俺を追うように銀の針は止まず…
        何処からか、暗器のような短剣を手に滑らせて 逆手に構え、数発の攻撃を落とした後に
        こちらからも一振りの短剣を、行使した力の元 投げ飛ばす。

        礼装短剣――
        肌や肉に触れた瞬間に誰かれ構わず熱量を奪いはじめる、ポンコツの武器だが
        刺さっても 相手を傷つけることは無く、力を奪うことで無力化することが出来る
        俺の持つ、唯一の武器… 備えは12本

        かわしきれず、頬や腕を裂きながらの反撃だが
        終わりの見えない相手とは違い、当てなければ意味が無い。

        早くも苦しい展開に、熱量の限界はまだ遠いことだけが救いか。 -- 史楼 2014-04-17 (木) 23:21:22
      • むっ!!

        (絶え間なく削り合う剣先、その狭間より溢れ出す緑風が、青き水と共に騎士の炎を押し流して)
        (二色の波動が鋼の盾をも打ち破り、騎士の長身を宙に舞わせる)

        『っ……見事な技よ…さしずめ魔法剣士といったところか?』
        (地を削るように膝を着きながらも、その戦意は衰えない、兜の奥の眼差しは揺るがず敵の姿を見据える) -- 鎧のセイバー 2014-04-17 (木) 23:42:05
      • 『魔法剣士とはちと違うかの』

        『わしは、狼森 閏』
        『黒き狼の化身にて山神となりて、大神へとその身を移せしもの』

        『ま、そんなことはどーでもよいのじゃがな』

        構えを解かず、が膝をついた相手に追撃は行わず

        『主を習ってわしもお主の名を聞いておこう』
        『どこの誰がどうであるとかどうでもいいが、主との戦いは心躍らせるものがあるからのう』
        『わしの記憶に刻んでおきたい』 -- セイバー 2014-04-17 (木) 23:49:54
      • 『――!』

        速い。戦意など欠片も見せなかった人間が突如として現す人外の速さ
        これが相手の行使する魔術の一旦に違いない、放たれたナイフを防護の指輪で跳ね返そうとして――

        『ぐっ!』

        (ナイフ投げの粋を超える、その速度を見誤った。完全な失策、拳銃を相手にするものと思って備えるべきだったのだ)
        (腕に触れただけにも関わらず、その箇所が瞬く間に熱を失っていくのを感じる、まともに動かすこともままならないが)

        『何ができる―――お前のような…』

        (城壁の上を跳ね、敵の姿を追いながら、外套の下に片手を差し込み、周囲にばらまく大量の「符」

        『矛盾を抱えた人間に!!』

        宙に舞う符の上を光が走り、小さな魔法陣が無数に展開、そこから現れる大量の「拳銃」

        『―――Set』

        指差せば、それらは全て史楼に狙いを定め

        Fire!!

        その言葉と共に、全ての引き金が一斉に引かれ、無数の銃弾が標的を狙い撃つ! -- ラセン 2014-04-17 (木) 23:52:29
      • 『山の神の化身か………ならば、その力も納得よ』

        『もはや名を伏せる意味もなし、問われたならば返すとしよう』

        立ち上がり、堂々と剣を翳す
        『余の名はディートリッヒ・フォン・ベルン、此処ではない世界に生きた古き時代の王である』
        『狼森閏、お主の剣技見事である。されど―――』
        盾を放り出し、大地に突き立てる剣、黄金の光が溢れだし、騎士の剣は身の丈にも匹敵する巨人の剣へと変貌する

        我が剣は、神をも殺すと知れ―――!

        万魔征する黄金竜(エッケザックス)・第一段階開放
        攻防共に備えた剣術から、攻撃特化の剣術へのスタイルの変化)
        (怒涛の如き疾駆、高く上段より振り下ろされる豪剣の威力は、それまでの比では無い) -- 鎧のセイバー 2014-04-18 (金) 00:18:11

      • 『まじかよ!?』

        大地を掴む、両足へ熱量を特に集中させる
        今度は投擲される銀の針ではなく、弾丸よりも速く動かなければならない

        ジグザグに走って、かわすが
        熱量の大量使用だけではなく 高速で動き突けることへの肉体的負担
        身体は軋み、筋肉は悲鳴をあげ… 鼻血が落ちる

        この銃撃を止めるには…
        撃つわけにはいかない場所へ行く他になかった

        蛇行しながら、時には床石を蹴り砕く勢いでラセンの後方へ走り抜けようと駆ける

        『うるせえ!ならルールの方間違ってんだよ!!』

        『全部救おうとして、何がわりーんだ!!』 -- 史楼 2014-04-18 (金) 00:18:25
      • 『ああ、まったくだ…この世界はクソッタレだ!!』

        漏らす叫びは世界への怨嗟、齎された理不尽への憤怒
        休みなく放つ銃火、先の戦いの経験があるとはいえ、一度にこれだけの数を制御するのは相当の精神力を消耗する、元より短期決戦が信条
        銃弾の雨を潜り抜けた史楼と擦れ違い

        『叶える力も無い癖に―――簡単にほざくな!!』

        弾を撃ち尽くした銃を捨て、振り向き様に投げ放つ宝玉は風を凝縮した魔術の爆弾、弾けるごとに周囲の床石や城壁の表面を打ち砕く -- ラセン 2014-04-18 (金) 00:41:02
      • 『神をも殺すか。大きく出た、と言いたいとこじゃが――』
        『古代の王、ディードリッヒ・フォン・ベルン。』

        『―――全く、強敵じゃぜこいつは』

        神々しい光を放ちながら巨大化する剣。
        その大剣を自らの手足のように操る英霊。

        流石に正面から受けるのは良しとせず、防戦、回避を重視した闘いとなってしまう

        『直撃コースだけは避けたいとこじゃが』
        『そうも言って居られぬか』

        令呪を通し、マスターである史楼の体力の低下が伝わってくる こちらも悠長なことはしていられない

        『早々に決めとかにゃいけねーようじゃ』
        避けて、防いで、さりとて余波だけで傷つく体に。徐々に追い詰められながらも。
        自らの魔力を練り、宝具へとその力を送り、貯める

        『――――――奥義、こいつでどうじゃ』

        『――そに宿りしは瞬く間に燃え上がる炎』
        『――そに宿りしは終わりへと道を結びし氷』

        炎と氷の刃を手に、周囲の魔力を吸い上げ燃やし、払えば凍らせ

        『――――真名開放
        『―――――瞬火終凍

        赤と青。全てを灰へと帰し、全てを凍らせ終へと導くその鮮やかな巨大な力の波は―――
        ―――巨大な剣を振るうディードリッヒの攻撃のタイミングを狙い、放たれる! -- セイバー 2014-04-18 (金) 00:48:24

      • 『――アクセルエンド』

        熱量の蛇口を全開にする
        同時に熱量失調までのカウントダウンが始まる

        礼装短剣が俺から熱を奪い、小さな太陽を思わせる色で輝く
        それを前方の地面へ投げ飛ばすと 光弾となった短剣は
        開放された台風のような魔術を相殺するように光り弾け

        吹き抜ける風が、二人の髪を揺らす。


        夕日のように、淡く熱を発する史楼は残りの短剣を両の手の指に挟み、両腕を広げ

        『どれだけ難しくても―――叶えなきゃいけねえんだよ!!』

        最後の一手を放つ為に、八本の短剣へ熱を移す
        恐らく、これを放てば もう俺は動けない。 -- 史楼 2014-04-18 (金) 01:30:29
      • 迫る力の並、強大な力でありながら、その様は幻想的なまでに鮮やかで

        『(どこまでも―――美しき技の使い手よ)』

        一度限り、最強最後の最大技、放つならば相手が奥義を放ったこの瞬間をおいて他に無い
        高く掲げた剣より溢れ出る黄金の光輝 -- 鎧のセイバー 2014-04-18 (金) 01:49:44
      • 風が弾ける、光が弾ける、風が砂塵を巻き上げて、両者の視界を束の間閉ざす

        『できるというなら叶えてみせろよ……!!』

        それが可能ならばと、どれだけ思うだろう

        あの子に!!未来を与えてみせろよ!!!

        砂塵を突き破り、出現する剣の群れ、それらが一斉に史楼へと襲いかかり

        僕は叶える―――お前を倒した、その先で!!!

        風が砂塵を消し去るのと同時、自ら肉薄し、拳を叩きつける -- ラセン 2014-04-18 (金) 01:54:43
      • 吼えろ――――

        万魔征する黄金竜(エッケザックス)!!!

        http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp028448.png
        放たれる、黄金の竜
        赤と青、そして黄金の力が激突し、大地を、大気を、世界全体を激しく揺るがす -- 鎧のセイバー 2014-04-18 (金) 01:55:50
      • 真名を解放した宝具同士がぶつかり合う
        余波だけで周囲の瓦礫は吹き飛び、消え去っていく

        『ぬ、う……っ!!』

        『負けられぬのは、わしも同じじゃからな』

        『史楼……。わしは、夕真の傍に――』
        『まだまだ……いてやらんといけないのでな!!』

        『―――これで、終いにしちゃる。』

        『―――四季の終わり』
        『―――四季の果て。』
        『――――総ての終わり』
        『――――これ即ち』

        『―――――終焉の空なり』
        『―――瞬火終凍 弐の型 ―――四季即是空

         http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst085248.jpg 

        ―――セイバーが黄金色の光、自らの神力を開放する
        魔力に上乗せする形で神の破邪の力が宿り―――
        ―――それは獣のようなオーラと化し、龍の首元に喰らいつき
        黄金龍に宿りし龍脈からの純粋なる破壊のエネルギーを文字通り喰らい始め――― -- セイバー 2014-04-18 (金) 02:37:39

      • なら手を伸ばせよ…! 意地になってるのお前の方なんじゃねえのか!

        絶対に倒れねえ―――俺は、もう負けられねえんだ!!

        両手を何かを掴むように突き出すと
        八本の光弾が流星のように、軌跡を残しながら剣へ向かって飛ぶ

        金属が同士がぶつかる音よりも先に、輝星が並んで光を放ち、相殺された事を知らせる
        そして、遅れて届く音と共に、俺へ拳を突き出すラセン
        熱量が殆ど底をついている、だが関係ない もはや意地のぶつけ合いだ
        頬に沈む相手の拳は、鮮血を飛ばし意識を挫こうとするが
        同時に、俺も残った熱を相手に伝えるべく、拳を叩き返す

        光景は―――
        魔術師同士の戦いにしては泥臭く
        譲れない物を持つ男同士の戦いとして相応しかった -- 史楼 2014-04-18 (金) 02:47:51
      • 交わし続ける拳、痛みの中でぼやける視界
        その中に映る黄金竜、その首元に食らいつく神獣の姿
        エッケザックスが、あのセイバーが敗れようとしている
        頭を過る令呪の存在、口を開き、令を発しようとして―――

        ……!!

        口元から、血が溢れた
        そのまま視界が揺らぎ天地が逆転、最後の一撃を受ける前に――――その場に倒れた -- ラセン 2014-04-18 (金) 03:00:33
      • 鎬を削る攻防の最中、それは唐突に訪れた
        主から流れる魔力が途絶え、全力の抵抗を続けていた黄金竜がその力を失う

        ―――ラセン!!

        そして飲まれる
        神獣の力に飲み込まれる



        最後の光が去った後、そこにいたのは兜を失くし全身の鎧までも砕かれた騎士と、その傍らで動かぬ少年の姿だった -- 鎧のセイバー 2014-04-18 (金) 03:01:09
  •   -- 2014-04-16 (水) 20:12:22
  •   -- 2014-04-16 (水) 20:12:18
  • あたしの名前を呼んでくれた
    あなたの名前を呼んでいいかな
    • お願い
      • あの時、初めて聞いた名前を 俺は何気なく呼んでみる
        『閏、居るか?』
      • ぼーっと外の景色を眺めていたようだが、呼んでみたら振り返ってくれた

        『なんじゃよ、ゆーま。』
        『……そーいえば、わしのこととか言うのすっかり忘れてたな。』
        『こっちの世界が楽しくてのう。どうでもいいことは忘れてしまうんじゃよなぁ。』 -- セイバー 2014-04-14 (月) 20:52:26
      • 『ゆーまて… まぁいいけど』
        『そっちはどうでも良かねーだろーさ。』

        名前で呼ばれることに、むず痒はあれど 悪い気分はしなかった

        『お前の事をさ、聞きたいな と思ってよ。』
        『な、俺の事も聞いたんだし、話してくれよ。』 -- 史楼 2014-04-14 (月) 21:04:40

      • 『うーむ……』

        しばらく悩んだあと、ぽつぽつと語りだした。

        『美少女』
        『狼っ娘』
        『神様』

        ……以上。ぽつぽつきたと思ったらすぐに止んだが。 -- セイバー 2014-04-14 (月) 21:10:16

      • 『なんだそりゃ』

        しかも自分で美少女って言ったぞこいつ
        額に手を当てて、やれやれと

        『じゃあ、別の話。』

        『前にさ、アドニスとマユルさんと最初に話したときに 聖杯を取る目的ーっつう話題が出たじゃん』
        『わしは女の子になりたいなーってさ』
        『…本当にそう思うか?』

        何気なく話しているが、どこか緊張したような表情で。 -- 史楼 2014-04-14 (月) 21:24:56
      • 『どうじゃろうな』

        『実はもういっこ叶えたい願いが見つかったからのう』

        初耳だ。聞いたこともない。まずセイバーは自分のことをあまり語ることがなかった。
        喋らないわけでも会話がないわけでもない。むしろ、日常的な会話はいつでも弾んでいた。
        楽しい時は、一緒に笑い。暇なときは一緒に昼寝をして。
        バカやってる時はとことんバカやってくれるし。
        何度も喧嘩もした。こいつ、全然掃除とかしねーし。

        辛い時、悲しい時は―――。
        なんだかんだで。いつも傍にいてくれた。

        3年以上一緒にいて。確かに閏のことは何も知らない。名前すら最近ようやくわかった。
        でも、知らないこと以外は、何でもわかるし、分かり合えてる気がした。だから、聞かなかったのかもしれない。

        『でも、そっちは秘密じゃ』

        語ってくれるかと思ったが、結局秘密だった。女子ってどうしてこう内緒ゴトが好きなんだ。

        『まーなんじゃ。名前まで分かったのなら、調べてみたらわかるじゃろーし』
        『少し聞かせてやろう。100年以上前じゃな。わしがこの世界に現界していたのは』

        『あぁ、そうだった。あの時は……そう、ちょうど』
        『神様とかやってたけどめんどくさくて仕事投げ出して人に混じってみた頃じゃったか』 -- セイバー 2014-04-14 (月) 21:38:49

      • もう一つの願いとやらが、まったく想像はつかないけど
        そうなると、まぁ… 俺が言おうとした言葉も 今は隠しておいた。

        諦めて、何かどっかで聞いたことあるフレーズで話し出した閏に、時折相槌を打ちながら。

        『やばい、今のところお前らし過ぎて驚くところが無い…!』
        と、茶々を入れてみたり、冗談っぽく口元押さえたりして。

        久方ぶりとも、感じられる安らぎの時間を過ごす。 -- 史楼 2014-04-14 (月) 22:06:59
      • 『つまりわし、普段から神様っぽい?』
        『といっても、今はセイバーじゃからな。この体は。』
        『伝承の中の神様ほど万能でも無ければ、大したことはできぬよ』

        『そうそう、続き。』
        『わしは地上でしばらく人々の隣で暮らしとった』
        『ぶっちゃけそれより前からもちょくちょく抜けては遊んでおったのじゃが』
        『毎回のことながら。いつも、楽しかったよ。』
        『人と関わることができなかったから。直接、言葉を語らい、触れ合って』
        『知人となり、友人となり……ここだけの話じゃが好きな子もいたのう、昔過ぎて顔も思い出せぬが』

        『まー。そのなんじゃ。結局じゃな。』
        『皆、成長し、大人になり去っていく。それでいつも物語は終わりじゃ。』
        『わしはこれでも神様だから。人が成長し、育っていくのが嬉しいんじゃ』
        『でもな。一度、降りてしまったから。同じ時間を過ごしてしまうとな。』

        『やはり、少々寂しさはあったからのう。』
        『そのあたりが、最初の人になりたいという理由でもあるな。』

        大した事もない話で悪かったな、とセイバーは続ける
        戦争で戦果を上げた英雄でもなく、何かを成し遂げ偉業を打ち立てた偉人でもなく。
        街に人と共に。記憶として残る、住人ですらない。

        そんな彼女が願うこと。人として生きたい。
        -- セイバー 2014-04-14 (月) 22:29:41

      • 『なるほどな…』
        『いや、聞けてよかったし 聞いて良かった。』


        『じゃあ、もし 女の子になる以外の願いをかなえるなら』
        『どうにかして、俺も神様になるのを目指すのも いいかもなぁ』

        『ま、先の話だけどさ。 強さの先が神様っつうのも あながち間違いでもないかもしれねーな』

        『で、人間になるなら。』

        『お前みたいなぐうたらが、野たれないで生きてけると思えないし…』
        『あー なんだァ その。』

        頬を搔いて

        『面倒見てやっても、いいぜ?』

        色気も飾り気も無い言葉でも、気恥ずかしくなって目をそらした。 -- 史楼 2014-04-14 (月) 22:54:39
      • 『おすすめはせぬぞ』
        『おぬし、供え物しか食えない生活とか絶対むりじゃん』

        『信仰がなければ何も出来ぬし。忘れられでもしたらもっと悲惨じゃしな。アイドルのがまだ潰しが利くよ』

        茶化しているようで、意外と真剣に答えているようでもあった。
        少なくとも声色は、心配してくれるときのそれに近く。

        『わしの願いとそれは……反するしな……』
        最後に付け加えた一言は、聞き取れないくらい小さく、正しくそう聞こえたのか自信もないので聞き返せなかった。

        『そうじゃな。もしも人となるなら、その時は』
        『……え?』

        『は!はー!?わ、わしゃ、一人でもごはんつくれるし!』

        一瞬生まれたよくわからない空気に閏まで赤面していた。そっぽを向いてあさっての方向に反論して
        『――ホントに願いが叶うなら。それも……悪くはない。』
        『とは、思うがの……』

        そう、答えるセイバーは少しだけ、寂しそうでもあった。 -- セイバー 2014-04-15 (火) 00:21:22

      • 『よし、じゃあ叶えりゃいいんだ!』

        『何だよ、不安か?』
        『安心せえ わしが幸せにしちゃるぜ?』

        喋り方を真似て、閏の頭をくしゃくしゃにする。
        イタズラっぽい仕草だが、一応 どこか寂しそうな閏を慰めているようで

        『ぷっ… はははっ!』

        『怒るなよ、こうでもしねーと言い辛いんだよ』
        『獲るぜ、俺は。』

        『でないと、みんなにも悪い。』

        精一杯のキメ顔をしたが、馬鹿らしくて 結局 俺らしく笑ってしまった。 -- 史楼 2014-04-15 (火) 18:16:00
      • おとなしく撫でられている。心地よいのか時折、ぴくとしっぽと耳が揺れる。

        『ゆーま……』

        『大丈夫、心配は、しておらぬよ』
        『する必要はもう、ないかもしれぬしな』

        『それよりも。』
        『お前は人のままでいてくれ。』
        『何かに成ろうなんて思うものじゃない。』
        『人には人の幸せの見つけ方がある。おぬしには、これからもきっとたくさん。』
        『楽しいことも辛いことも待っているじゃろうから』

        『人生を謳歌してほしいのじゃ。』
        『お主にはな。』

        ぽて、と胸元に頭を預ける。甘えてきてる、というよりは。表情を隠すように。

        『それなら、幸せにされてやってもよいぞ。』
        『……特別にな。』 -- セイバー 2014-04-15 (火) 22:26:46

      • 『特別、か』
        くくっと短く、嬉しそうに笑って

        『あぁ任せとけ』

        閏を抱きしめて、伝わってくる暖かさに
        義父に認められるよりも、俺はもっと大事な何かを見つけた気がして

        もう、二度と 二度と

        手放さないように と

        一層、強く抱きしめて


        息がし辛くなった 閏に不満げな声を上げられてしまうのだった――― -- 史楼 2014-04-16 (水) 04:22:49
  •   -- 2014-04-14 (月) 20:36:48
  •   -- 2014-04-14 (月) 20:36:45
  • 『罪に浸かりても尚それを求め』 -- 2014-04-12 (土) 17:42:40
    • 彼は呟いた「鉄屑がどうして鉄より優れる事が出来ようか」 -- 2014-04-12 (土) 17:43:48
      • 金髪のキャスター。彼から渡された地図の範囲内、そこに老人はなんでもないようにいた。
        いつものようにスナック菓子を食べながら、如何にも身体に悪そうな炭酸飲料片手に、そこにいた。

        『やぁ、史楼君』
        『久しぶりだね』 -- 眉雪のキャスター 2014-04-12 (土) 17:45:46

      • いつものように、何気なくとは いかなかった。

        渡された道しるべを辿って、何かの冗談なら どれだけ良いかと。
        しかし、それを否定するかのように、見知った顔が そこに。

        『爺さん…』

        『なぁ、エオがさ 何処居るかしらねーか』
        『オレさ… あいつに謝らなきゃならねーんだ。』

        『だからさ、教えてくれよ。』

        懇願するように
        年端もいかぬ、子供のように。 -- 史楼 2014-04-12 (土) 18:01:55

      • 対する老人は、これまたなんでもないようにいう。
        それこそ、いつかのように、天気の話でもするかのように、言う。
        なんの前置きもなく、なんの感慨もなく。

        『エオ君ならいないぞ。私と殺し合って死んだ』

        あっさりと、本当に、なんでもないように……呟く。

        『これは戦争だからね。お互い覚悟の上さ』
        『謝るなら、墓前にでも謝るといい。もっとも、彼女の死体すら見つける事はまぁ無理だと思うからね』
        『死体の無い墓を君が作って、君がその前で謝る事になるだろう』 -- 眉雪のキャスター 2014-04-12 (土) 18:06:55

      • 『お前… おまえッ!!』

        何故だとか、何を言っているのか だとか
        全部、この老人は分かっていて話している、それは理解していた。
        それでも、オレは

        『なにいってんのか、わかってんのか!』
        『あんな小さな… 子供を…!』
        『家族が欲しいって… 幸せを願う… 子供を…』

        胸倉に掴みかかり
        『なんで、なんでだよ… 爺さん』

        『どうして、そう なる…』

        『あの、時間さえも、嘘だったのか…?』

        『オレは最後まで、あんたを 信じて いたかったのに… 』

        手に力が入る。
        『うう… うぅぅ…!!』 -- 史楼 2014-04-12 (土) 18:23:10

      • 『嘘? 今更、何を言っている史楼君』

        胸倉を捕まれてなお、老人は皮肉気に口元を歪める。
        なんでもないように。本当に、なんでもないように。

        『我々、サーヴァントという存在そのものが……嘘そのものだよ』

        『我々は幻だ。我々は偶像だ。完成された幻想そのものだ』
        『かくあれかしと望まれ、願われ……忌避され、生まれおちた、歪められた過去の可能性……』
        美化された過去以上に強固なものなど、あるはずがなかろう。それをそのまま幻として顕現した嘘そのもの……それがサーヴァントだ』
        『我々は……いいや、この聖杯戦争は、最初から嘘だらけなのだよ』

        『それは、君にもわかっていたはずだろう』

        『何故今更夢をみる? 何故今更自分を誤魔化す?』

        『君すら策を持って挑んだではないか』
        『あの日々、あの時間を通じて……私達を絆せるのではないのかと、そういう打算が全くなかったわけではないだろう?』

        『私を信じていたかったと嘯くのなら……その嘘を嘘と知ってすら、信じるのではないのかね?』
        『だが君は信じていたかったのに、といった。逆説君は……最初から私なんて信じていなかったんだよ』

        『君もまた、勝つための策を打ち続けていただけさ。私と同じようにね』

        -- 眉雪のキャスター 2014-04-12 (土) 19:21:40

      • 『違う…… 違うッ!』
        『俺は、信じてた… なのにあんたが』

        裏切ったんじゃないか


        意識せず 首へと手がかかる

        熱量を操る俺は、人一倍 それを感じることができるはずなのに

        締める相手からは、何も感じられない。

        錯覚が俺を支配する。

        『なんでさ…』

        『こんなに大事にしているのに 大事に抱え込んでるのに』

        『なんで、零れていくんだ。』 -- 史楼 2014-04-12 (土) 20:02:57
      • 首を締められながらも、尚も老人は笑う。
        笑える程度のゆとりがある。史楼は本気で締め上げていない。

        喋れる程度に緩めているのだ。
        故に喋る。

         『何も違わない。私は最初から言っている通りの事をした。戦争を私はしたんだ』
        『君はそんな私の言葉を信じていなかった、だから今そうなっている』
        『……裏切られたのは果たしてどちらだろうな?』

        締め返すでもなく、ただ笑う。
        ただ、笑い、老人は嘯く。

        『前の講義を思い出したまえ。史楼君』
        『大事にしても零れていく理由。抱えてもそれが崩れてしまう理由』
        『簡単な話だよ』

        『君に……力がないからだ』
        『翳す力すらないから……降りかかる火の子から己の望むモノを守れない』

        『君の弱さが、君を裏切り、私の言葉を信じさせなかったのだよ』
        『嘗ての私……いいや、おそらく今の私と同じようにな、はは、はははははは!』 -- 眉雪のキャスター 2014-04-12 (土) 20:21:53

      • もう、いい

        そんなことは聞きたくない。

        ギチリ、と首を絞める力に 加わる熱量

        守るために使いたかった

        助けるために 使いたかった

        オレが教えられた、唯一の力で。


        ヒュウヒュウと煩わしい、音が聞こえる 殺したまえ、と そう挑発しているかのようだ。
        もう少しで、これも消えて 無くなる かわりに一度 鈍い音が聞こえるだろう。




        身体が揺れて、胸ポケットから紙が落ちる。




        『…っ』

        我に返る。

        何をやってんだ俺は
        こんなことをして、何になる

        俺はエオを理由にして、こいつを殺すのか?

        だから " ごめん " なのか?

        違うだろ、これは きっとそんな言葉じゃない
        今はまだ、わからないけど そう信じて。

        『そうだ、俺は弱いよ』

        『弱い俺は、強くならなきゃならないんだ』

        『だから俺は… 』

        『"あんたなんか 殺したくない"』


        "あんたを殺す 弱さなんて いらない"

        俺は、手を離した。 -- 史楼 2014-04-12 (土) 20:48:10

      • そうだ、殺せ。覚悟を持って殺せ。
        決断しろ。決意しろ。決別しろ。
        そうして、人間なんて煩わしいモノはやめてしまえ。

        君もそうして誰かのようになれ。

        殺戮を持って採点しよう。この死でもって解答しよう。
        力を得ると決意したのなら、そうして君も私の……創作した『作品』となれ。

        笑う。笑う。これより得るはずの完遂をみて笑う

        欲した結末を見て笑う。
        何者以下にもなった甲斐があった。そう、確信して……最期に作り上げるバケモノをみて、作った笑顔が……

        ――歪む。

        その手が、首から離され、自由になると同時に……歪む。歪む。歪む。

        愕然とした表情、理解できないという表情で……泣き笑いのような顔を浮かべる。

        『何故……何故だ?』

        『何故だ? 何故、殺さない? 何故、私を殺して完成しない?』

        『史楼君、これは戦争だ。これは殺し合いだ。私とエオ君はそれに殉じてこうなった』
        『なのに君はそれを否定するのか? 君の存在そのものを否定するのか? この戦争の為に身を窶した己すら否定するのか?』
        『その選択肢は正しい。正解だ。強者なら全てを得る権利がある。その傲慢を通すために人は強者(バケモノ)に……人をやめてソレになるのだ』

        『だが、君はまだそれではない。君はまだ弱い。君にそれを選ぶ権利は無い』

        『弱いのだろう? なら強くなるために聖杯を手にしろ。そして聖杯を手にするためにすることは……分かっているはずだろう?』

        『逃げるのか? アドニス君の非業から。エオ君の死から。そして……私との決別すらからも』

        『それが、君の答えなのか?』 -- 眉雪のキャスター 2014-04-12 (土) 23:05:16

      • 『うるせーッ!』

        『誰かを助けるために、誰かを殺して 誰かを殺すたびに 誰かを不幸にして』

        ハイエナと、その傍にいた、小さな狼を思い出していた。それに そのマスターも

        『そんなのは、無意味だ』

        『アドニスも、エオも 俺が救うことはできなかった… 俺は弱い… それは… 本当に悲しいよ…』

        『だからって、あんたまで殺したら オレはもう 何も救えなくなる』
        『全部を手に入れるために、全てを捨てる そんなバケモノになってしまう』

        『権利なんて知るかよ、そんなひん曲がった通りなんて蹴っ飛ばしてやる』
        『俺は俺であること、まだ諦めるわけにはいかない』

        『強くなるために 今はまだ、弱いままでいる。』
        『あんた、殺して バケモノになるなんて… それはただの手抜きだろ。』


        『俺はバケモノでも神様でもない、人間 史楼 夕真だよ それが答えだ』 -- 史楼 2014-04-13 (日) 00:17:46
      • 少年の覚悟に、老人の顔が……歪む。
        その顔に歪む感情、その正体は……

        『なるほど、これから強くなるために……強さを否定し、ただ弱い自分を克己する道を選ぶか』
        『救われず、救えず、得られず、失えず、それでもまだ……人であることを選ぶか、人としての強さを得るために』
        『私が想像した以上に君らしく、君だからこそだしたと思える……素晴らしい答えだ』

        『嘗て、私も出して、そして諦めた……どうしようもない理想の模範解答だ』

        ……嫉妬。
        人のまま死に、人のまま死者となったはずの己。
        しかし、いつしか、人ではなくなっていた己。

        その答えを嘲笑うように、それでいて払拭するかのように。

        人であることを選んだ史楼を見て、笑顔が、歪む。

        嘗て、自分も選んだはずの答え。

        そして、いつか、『自分』ではなくなったときに。

        諦めた……答え。

        『君が、君がそれを選ぶというのなら』
        『私の弟子(作品)になることを拒み、私を越えると嘯くのならば』

        『そんな甘い考えをまだ晒して聖杯を手にするなどとふざけた傲慢を抜かすのならば』

        『よかろう、では、採点し、解答しよう』

        老人の身体がゆらりと揺れ、コートの内側から一本の剣を取り出し、抜き……呟く。

         『裁定者』(キャスター)

        老人の身体が、深紅の魔力を帯びる。
        殺意が膨れ上がり、その気配が色濃くなる。

        そして、その魔力が急速に失われ……それは、現れる。

        満身創痍。それでも、目の光だけは失わない、老人、否。

        『さぁ、なら挑んでくれ。史楼君』

        老戦士の姿となって。

        『殺したくないという相手が君を殺そうとしてきたとき、君はどうする? それでもまだ、殺さずに済ますというのか?』

        『もし、そうだというのなら……死にたまえ。作品(バケモノ)であることを拒み……いつか、人であることに絶望する前に、私が送ってやろう』 -- 眉雪のキャスター 2014-04-13 (日) 02:10:11

      • 『絶望なら、とっくの前に味わったよ、それでも』

        『立ち上がって、前を向いてないと ダメだっつって怒られちまったからな』

        『あと、これ以上… 閏にかっこ悪いところ、見せたくねーしな。』

        神経回路を操り、瞳孔を散大させる。
        眼球のピントを合わせる毛様体筋を収縮させ、散大した瞳孔が縮み… 細い瞳が相対する老人を捉える。
        例えるなら、猫の目。

        『言っとくけど、俺はあんたの弟子でも、作品でもねえ ただの… 友達だよ』

        『だからこれは、殺し合いだとか 戦争なんかじゃねえ』

        『友達同士の 喧嘩だ』

        『だから… ぜってえ殺されてやらねえ。』
        『殺し合いになんて、させねえ。』


        俺は、いつも調子に戻って、爺さんへ言う


        『いくぞ爺さん―――― ドーナツの食べ納めは十分か?』

        『なんてな。』


        片手は徒手 もう一方に逆手に礼装短剣を握って、構える -- 史楼 2014-04-13 (日) 04:07:47
      • その、答え。
        その、自信。
        即ち……傲慢。
        強者という名のバケモノのみが、本来持つことを許されるもの。

        それを見て、老人は歯を食いしばる。
        そして。

        『まだ、抜かすか……若造』

        一瞬で間合いを詰める。
        『何故、明日など見る。君の欲しかったものこそ、既に手の届かない過去となったというのに』

        歩む軌跡に血道を残し、振るう刃に殺気を纏い、流れるように剣を振るう。

        『今、力を得る機会があるのに何故否定する? 何故弱さを肯定したまま明日を夢見る?』
        『力が無ければ……また、後悔することになるというのに』

        血の筋を空中に幾重にも残し、剣が舞う。
        派手さこそないかわりに只管、「奪う」事に特化した剣が史楼に襲い掛かる。

        『人であることは素晴らしい。人のまま、全てが成せるならそれ以上の事など無かろう』
        『だが、それは苦難の道だ。苦痛の果てに多くのものが膝を折り、倒れる苦行だ』

        『現に私は……人のままでは、導くことすらできなかった』
        『人として希望を持って死した果て、無数の明日を見たが果て、ついに過去の偶像の出来損ないと化した』
        『人である事に固執したばかりに、名も正体も失い、過去という情報だけの幻となった……バケモノにすらなれない、過去の従僕となったのだ』

        『君にはバケモノになる才がある、バケモノとしてなら容易に幸せになれるはずだ』
        『人であることは素晴らしいことだ、それは本当に素晴らしいことだ。だが、君には人よりもバケモノが似合いだ』

        『甘えろ、全てに。その理由は最早準備されている』

        剣閃の彼方から、時に体術も織り交ぜて巧みに連撃を放つ老人。
        その言葉には、ただ後悔だけがあった。 -- 眉雪のキャスター 2014-04-13 (日) 04:39:29

      • フル・アクセル
        全ての熱量操作を同時に行う

        初めての試みだが、悠長なことをしていると 俺はこの爺さんを人殺しにしてしまう
        ただの喧嘩が 殺し合いに成り果ててしまう。

        死んでも、殺されてやるわけにはいかなかった。

        死線を見る 神経という回線が伝え
        熱量が、受け流すための力の 辻褄を埋め合わせる


        『ああ、そうだろうな 魅力的なお誘いすぎて、涙が出るぜ』
        『俺なんかが、あんたらと並べるなんて 奇跡に近いことだと思う』

        『でも、それは俺が起こしたもんじゃない』

        『あんたから受け取るだけだ、バケモノになるだけでなって 何もかわっちゃいない』
        『そんな風に弱いまま強くなっても、本当に俺が欲しいものは手に入らないし』

        『俺の守りたいものは、守れないんじゃないか?』

        無茶を通り越した力の行使に、身体が軋む
        だけどそんなことは知ったことじゃない 限界は超えるためにある。

        流しきれない体術を、肩で受ける
        熱量を放出し、衝撃を弾き 同時に変換した魔力を帯びさせて身体への負担を減らす

        それでも尚、俺に響くのは バケモノが故か。
        いや…

        『そんな奇跡なんかに… あんたなんかに甘えてたまるかよ』
        『屍を越えてなんかいかない』
        『全部抱えて、背負って 膝が折れて苦しくて倒れても また起き上がって』

        『俺は… 俺が作った明日を歩く』

        誤魔化し切れない分を貰いながらも
        俺からも、爺さんへ拳をぶつけるために 連激を返す

        それはただ、がむしゃらなだけな 未熟な攻撃だけど
        今はコレを どうにか目の前の爺さんに届けなければいけない。

        『…それに、そっちこそ甘えてんじゃねえよ』
        『バケモノが人間になれないなんて、あんたはそう思ってんのか?』

        『俺はそうは思わない』

        『あんたは人間だ 本当は涙を流せるし、笑った顔も嘘なんかじゃない』
        『あの時間は 嘘なんかじゃなかった』

        『本物の、家族の団欒だった』
        『幻みたいに、消えてなくなりはしない 今に在った 本物だ』
        『だから甘えてないで…』

        『戻って来い爺さん』 -- 史楼 2014-04-13 (日) 15:46:15
      • 数多の剣撃の果て。
        無数の死の剣閃の彼方。
        全てが絶命を狙い、全てが必殺の念を込めた一撃。

        フェイントを織り交ぜて強撃を打ち、牽制の隙間に無言で奥儀を捻じ込み、血飛沫を上げて捨て身で前に出た。
        躊躇い無く打ちこんだはずだ。
        一切の慈悲無く斬り込んだはずだ。

        にも関わらず、少年は倒れない。
        いくら切り込んでも、いくら殴りつけても、いくら謀っても……ついてくる。

        一歩遠ざかるたびに一歩……前へ。

        ただ、前へ。

        ただ、それだけを……信じて、少年は……


        前へ。


        剣撃が、途切れる。
        僅かな間隙。それを生じさせるのは、長年染み付いた僅かな癖。

        偶然か。見切ったのか。それはわからない。

        だが、少年の拳は確かにその隙を捉え。

        前へ。ただ、一歩……老人の、一振りの鉄の剣の……その間合いに踏み込むように、前へ。


        ただ、拳を振るい。

        前へ。






        『……人間、か』

        静寂が、互いの彼我を支配した後。
        老人は、倒れていた。
        握った剣を取り落とし、右頬に拳の痕を拵えて……仰向けに倒れたまま、笑っていた。

        『確かにそうだな……私は、人間だった。バケモノの真似事も、亡霊の真似事も満足にこなせない……弱く、甘い人間の偶像だった』

        諦めたような、乾いた笑いを浮かべて、空を見上げる。
        いつか見た空と同じ、ただ蒼い空を。

        『決断し、決意し、決別して……君という作品を完成させて、手前勝手に気持ち良く引き上げるつもりだったのだが……それも今思えば甘い見通しだったな』

        『相手が成長し、ひとりでに完成するということを、見越せていなかったのだからなぁ……はははは』

        乾いた笑い。浮かべた笑いの向こうにある瞳に、既に光は無い。
        残存魔力を失い、宝具の効果時間も既に過ぎた。

        夢は醒め、幻は消える。

        徐々に紅く、淡い魔力の光へと姿を変えながら、老人は笑う。

        『史楼君……見事だ』
        『これが聖杯戦争で無ければ、もっと手放しに褒めたいところなのだが……生憎と今回は戦争なのでな』
        『故に私はやはり、その考えは甘いと嗜めておくよ』

        嘆息と共にそう答えながら、苦笑する。

        『だがね……私は、その甘さに負けた』
        『私の甘さが、君の甘さに負けたのだ。ならば、その甘さでもって勝ちあがる事も、また可能なのかもしれないな』

        『いずれにせよ、勝者こそが正義だ。過程は、関係ない。結果だけが……全てを肯定する』

        『その結果が出せるというのなら……やってみたまえ』

        老人の身体が、光になっていく。
        紅の燐光となって、天に昇り、消えていく。
        微かな、笑みだけを残して。
        『作品一つまともにつくれなかったとは……私も耄碌したものだ』
        『いや、コレが今の私の精一杯といったところか』

        『何にせよ、若い連中の相手はもう、今回は疲れた……今は、それこそお言葉に甘えて、戻らせてもらうよ

        『じゃあな……史楼君』

        いよいよ、身体も失い、ただの光の輪郭となった時。
        老人は、声色だけで笑う。

        『はははは……はは、ははははは……』

        最早、闇も、光も見えない今際の際に、笑い…… -- 眉雪のキャスター 2014-04-13 (日) 22:43:09
  •   -- 2014-04-12 (土) 16:46:26
  •   -- 2014-04-12 (土) 16:46:23
  • 路地裏、いつもの帰り道 -- 2014-04-12 (土) 02:55:08
    • 「見つけた。」

      頭の上から、声がする。
      見上げれば、そこには、いつか見た、エオのキャスターの姿。

      「エオからの伝言だ。」 -- 2014-04-12 (土) 02:55:14

      • 『ん…?』

        『あ、ああ お前か… 久しぶりだな、つーかそっちから初めて話かけて・・・ 伝言?』

        喧嘩別れ、というわけではないけれど もう二度と会うことは無いと言われていた。
        なのに、伝言とは 会わないってそういう意味なのか?

        おかしいな、と首を揉む -- 史楼 2014-04-12 (土) 03:14:15
      • 四つ折りにされた、紙のようなものを投げつけられた。

        開いてみると、そこには走り書きの地図が記されていた。

        「その周辺を探して。きっと、キャスターの爺さんと、そのマスターがいるはずだよ。あのダメージでは、そう遠くには行けないはずだからね。」
        「それがエオと、それから僕の、最期のメッセージ。」 -- 2014-04-12 (土) 03:20:01

      • 急に投げつけられた紙を、なんとかキャッチする。

        『はっ!?おいちょっとまてよ、最後ってどういうことだよ?』
        『それに、爺さんって… お前ら戦ったのか…?』

        『それで、お前がここに居るって エオは… エオはどうしたんだ!?』 -- 史楼 2014-04-12 (土) 03:33:18
      • 「わからない?最期(・ ・)のメッセージって言ったろ。」

        史楼の顔が、絶望に歪む。

        「なんだよ、その顔。自分のせいだとでも思ってる?」
        「思い上がらないで。僕もエオも、自分でこの道を選んだ。それだけだよ。」

        「おっと。一つ忘れてた。」
        「エオが、ごめんねって。」 -- 2014-04-12 (土) 03:48:54
  • (そして、ハイエナが倒れたことを伝えられ……また、そも話したいこともあったため拠点に招かれた)
    (些か咳き込みつつ、話を切り出すに当たった。ブレイズの目的を)
    まずは、ハイエナを倒したことに礼を言わなければならないな。どういう因果であっても……これでアドニスを安心して送り出せる。
    君のようなマスターとサーヴァントがいて心強く思うよ。だからこそ、こうして話すこともできる……俺の目的を -- ブレイズ 2014-04-12 (土) 01:17:50
    • (ブレイズの傍ら。彼のコートの裾を掴みながら史楼を見やる)
      (幾度か咳き込む度に裾を掴む手に力を込めるも、不安げな顔は極力見せたくなかった)
      (目の前の少年は決して害意を持って此方と接するようなタイプではないが、それでも。これが聖杯戦争である以上は―)
      …多分、驚かれると思う。私たちの目的とか、色々とね
      (ブレイズの言葉に付け足すように言葉を紡ぐ。あくまで伝えるのはマスターだ) -- ライダー 2014-04-12 (土) 01:28:24
      • 『…ふぁ?』

        まじめな話だった。

        なのに、ブレイズの隣に並ぶ、ライダーの姿を見て間抜けな声が出る
        もちろん会話はそこでいったん止まってしまい、非常に気まずい沈黙が流れはじめた。

        いや、だって ずいぶん前にオレとフードファイトした少女が並んでいるんだからしょうがないだろ!?

        『いや、ちょっ ちょっとまってくださいブレイズさん その隣の子知り合いですか?』
        『よっ… よう久しぶりな…? 』

        まてまて。
        そんなわけないだろう、きっと。あの子がサーヴァントなんてことはきっと無いはずだ。
        ブレイズさんに懐いてしまった、ただの大食い少女に違いないんだ。

        オレは動揺してお茶をこぼしそうになりながらも
        二人の前に湯のみを差し出した。 -- 史楼 2014-04-12 (土) 01:39:20
      • ……?
        あぁ、そうか知らなかったのか。彼女はステイシア、サーヴァントだ。
        俺が聖杯戦争参加者だということも承知だろうし、君も当然知って
        知らなかったか……

        (人の家に上がって湯呑を持つのはいつ振りだろうか。懐かしさに心が安らぐが)
        (だが、しかし史楼の反応をみればなんだろうこの和やかな雰囲気はと思うも)
        (咳がまた出る。目の前の少年に自身の目的を伝えた上で、聞かなければならない)

        すまん、最近どうもな。
        さて……偶然か知らないが不意なことで驚かせてしまったようだが話を続けよう。

        俺の……いや、俺達の目的はこの聖杯戦争。邪悪な儀式を打ち滅ぼすため。
        そのために戦ってきた……聖杯が何であるか、どういうものであるかを知った上でな。

        聖杯を砕き、二度とこの戦いが起きないようにするのが……目的だ。
        (また、咳き込む。だからこそ聞くのだ、問わねばならない)

        だからこそ聞こう。史楼……史楼君。君の願いはなんだ。
        その願いは本当に人の手で叶えられないものなのか、聖杯というものでしか叶えられないのかと… -- ブレイズ 2014-04-12 (土) 01:48:13
      • …あれ、言ってなかったっけ。私は知ってたよ、史楼がマスターだってこと。……意外?
        (ブレイズの言葉をすんなり肯定し、久しぶり、とでも言わんばかりにひらひらと小さく手を振って)

        …そゆことだから。もし史楼が聖杯を望むなら、私たちはそれを阻止しなくちゃいけない
        でも…史楼とは私はあんまり戦いたくない。だから……聞かせて、史楼の願い。私たちも…史楼の知らない聖杯のこと、教えるから
        それで…もう一度考えてみて欲しいの。本当に聖杯が必要なのかどうか
        (いつぞやの時のようなとぼけた雰囲気とは全く違う。確固たる意思を持った瞳が史楼を見つめる)
        (今此処に居るのはマスターに付き従うサーヴァント。史楼と面識はあれど、寄り添うはブレイズの側) -- ライダー 2014-04-12 (土) 01:58:14

      • 『ああ… 知らなかったのはオレだけですか… はぁ〜〜 良く食べるなって思ったけど、サーヴァントだったのか…』
        『本当、犬も歩けば棒にあたるっつうけど、オレはサーヴァントに当たるとかそういうことわざができるんじゃないだろうか。』

        初めてあった時とは、少し雰囲気の違うライダーに微笑みかけていたが

        " 聖杯を砕く"

        その目的を聞いたオレは、もう笑っていなかった。

        『まって、ください 聖杯を砕くだって…?』

        『どうしてそんなことを… いや、理由なんていい そんなことは…』

        『オレの願いは、聖杯でしか叶えられない』

        オレは聖杯を取らなければいけない、そうじゃなければ生まれてきた意味が無いのだから。
        自分がどんな顔で、喋っているのかわからない だけど ただ、苦しかった。

        『他でもない、ブレイズさんだ 話しますよ 聞きたくなんてないでしょうが、オレの話です』

        『オレは聖杯戦争の為に育てられました』
        『いや、正しくは聖杯戦争の為だけに作られました

        『日常なんてものは無かったですよ』
        『ただ、ただ 訓練と、学習 ああ、食事だけは悪く無かったです 自分で作る分には自由でした。』

        『そんな風に、オレを作ったのは父です だけど血はつながっていません』
        『身寄りの無いオレを引き取ってくれた、唯一の親。』
        『でも、まあ どうもオレはおちこぼれだったようで、父はそんなオレを愛してはいなかった。』

        『はは、でも笑えることに オレはその唯一の親っていう人に どうにか認められたいんです』
        『そのためには、父さんの望む 聖杯が』

        言葉に詰まって、息を飲む。

        聖杯が必要なんだ

        オレは聖杯を獲って、" 父さんに 良くやった お前を誇りに思うぞ、我が息子よ " って
        そう言って貰わないと オレは何のために 生まれてきたんだ
        その為だけに 生まれたのに オレの人生は無意味じゃないか

        悲痛に叫ぶ、隣に居るセイバーには 聞かれたくなかった
        こんなみっともない、オレの人生を 話して、笑われたくも 悲しまれたくも無かった。

        でも、目の前に居る二人には聞かせないといけない
        そうじゃないと オレの希望が 奪われてしまう。

        『だから、頼みますよ、ブレイズさん… 聖杯を、 聖杯を砕かないでください…』

        『あれは、必要なんです くだらないと思うかもしれませんが、オレには必要なんです…!』

        お願いします、と。 -- 史楼 2014-04-12 (土) 02:27:01
      • (くだらないとは言わない。それは願いだ。それはシ史楼が求めている救いだ)
        (くだらないわけがない。ニーナのサーヴァントも言っていた。生まれた、出現した意味を知りたいと)
        (だが自己の正当化に、根源の正当化にあれを望むのは度が過ぎてしまう。彼は優しい彼は純粋だからこそ)
        (それは間違っていると言わなければならない。生まれは関係ない。始まりは誰にも変えられない。)
        (だが未来は変えられる。そのために産まされた、誕生したものであっても変えられ)

        (言葉を紡ごうとした時には遅い。湯のみを手放し、転がり、中身がこぼれ)
        (苦しみ、もがくように蹲りかけるも寸でのところでとどまり……)

        本気、で言っているのか史楼……!
        (息も絶え絶えになりながら、史楼の腕を掴み語りかけるように言葉を無理やり吐き出す)
        (おそらく、懇願しているだろう史楼の顔をこちらに向けさせるように)
        (その腕を掴み、彼のサーヴァントのことなど構いなしに吐き出す)
        (笑顔ではない。君の命が無意味だなんて思わないとか、そういう言葉ではない 言わなければならないがそれは違う)

        無意味だと、言、うのか……!アドニスを救ったお前が!
        (肺が焼けるように痛い。胃の内容物どころじゃない。内臓全て吐き出しそうな痛みをこらえて)
        (ようようの体で言葉をなんとか紡ぎ出した) -- ブレイズ 2014-04-12 (土) 02:44:06

      • 『…っ』
        腕を掴まれて、顔を顰める。

        オレは… オレは救ってなんかいない!!
        マユルさんだって、助けられなかった…!アイツが… アイツが立ち直ったのはアイツの強さだ
        オレは アドニスの命救った… けれどアイツの本当に大切なものは救えなかった…!!

        それに、アイツは 友達だけど、オレ"の"アドニスなんかじゃない

        オレは オレは… この戦争が終わったらまた一人になってしまうじゃないか!!
        破綻していく、崩れるように

        イヤだ… そんなのはイヤだ、もう 失いたくないよ 折角、折角手が届いてたのに
        言葉が綱らない

        あの団欒が続くなら、聖杯なんて必要ないって思ったのに 失ってしまったんだ
        隣で、セイバーが何か言っているが、聞こえない。

        もう、オレは何もこぼすわけにはいかない 聖杯も何もかも


        もう嫌なんだよ… 一人は嫌なんだ… 嫌なんだよぉおおぉおっ…
        慟哭。 -- 史楼 2014-04-12 (土) 03:06:02
      • ……(黙って、史楼とブレイズのやりとりを見守る。絞り出すように叩きつけられたブレイズの言葉を黙って聞く)
        (アドニスという少年と史楼の間に何があったか詳しくはしらない。けれど―)

        ……ねぇ史楼。何を贅沢なこと言ってるの?
        (ぽつりと。漏らした)
        ……人生の意味だとか、団らんだとかさ。……史楼はこれから見つけられるじゃん
        (真っ直ぐな瞳を史楼に向ける。心の奥底で、ぶく、と黒い何かが泡を立てて)

        …私はさ、客観的に見て…自分の人生は無意味だったと思うよ。だけど、過去はもう変えられないから気にしないことにしたの
        ただ前を見て、歩いて行けば何かが見えるかなって。たどり着いた場所から振り返れば、あの人生にも意味があったって思えるかもって。そう思って前に進んでる

        もしかしたらもう何も見えないかもしれない。何処で見ても、自分のあんな人生は無意味だったって結論しか出ないかもしれない。……それでも、私は前に進みたいよ。希望は捨てたくないから

        …ねぇ史楼?あなたは……まだ、何でも出来るじゃん。だって、貴方は私みたいに死んでないもん。…私みたいに、舞台からけり落とされたのに無様にしがみ付いてる死にぞこないでもないの
        …貴方はまだ生きてる。人生の価値も、幸せも、貴方がこの先自分で見つけられる。……そんな貴方が、諦めて、聖杯を手に入れることでしか意味が無いなんて言わないでよ

        私、その考え……正直すごくムカつくんだけど
        (立ち上がり、義足の音を鳴らしながら史楼へと歩み寄り)
        貴方が聖杯を諦めようが、望もうがどっちでもいいよ。…でも、貴方はとても、とても恵まれてる
        まだ生きてるってだけで。未来があるってだけで、それだけで少なくとも私より報われてるよ
        それなのに…自分だけが辛いみたいな顔して。私たちを倒して前に進むんなら、せめて前を向いて進んでよ。……失いたくないだなんて。そんなの、ただ前も後ろも怖くて見られないから、下を向いて止まってるだけじゃん
        (ぶくり、ぶくりと。静まっていた筈の心の汚泥が沸きだすのを感じていた) -- ライダー 2014-04-12 (土) 03:12:37
      • (それは誰しもが願う根源的なこと。だからこそ、理解できてかつ……)
        (ひ否定せねばならない。だだがそれは、自らのサーヴァント……いや、ステイシアが、答えた)
        (故に。史楼の腕を掴む力は消えて、するりとそのまま倒れていった)
        (その目の焦点を確認するものがいれば……合ってないことがわかるだろうが)
        そうか……一人は嫌か。
        俺も嫌だよ。嫌だよなぁ……でもそれは、誰もが思うよ。

        人はいずれ死ぬ。生まれて、死んでいく。
        だからこそ一人なんだ。命に限りが在る限り……一人だ。誰も自分のものにならない。
        誰も永遠に傍にいてくれるわけじゃない。

        それでもその時の繋がりを一時でも大事にして生きていくんだろう……
        命も、時間も有限だから……史、楼は、自分が感じていた団欒の時間を聖杯よりも尊いと思ったんだろうさ

        いいじゃないか、それで。誰かと過ごす時間をこれから見つけて大事にしていけばいい。

        それはさ、戦い続けて……戦って、戦ってその先にあるもんじゃない。
        戦った先にあるものじゃない……戦えば戦うほど遠のいていく。
        帰りたい家が、会いたい人がどんどん遠くに行くんだ。俺が離れているだけって気づくのに時間がかかったよ。

        なんだっけな、何を話していたんだか。
        あぁ……そうだな、自分の意味は歩いて見つけていくもんだよ。
        生まれた時は誰もが白紙なんだ、書きこむ中身は自分で見つけていくしかない。誰かでも出来事でも……
        それを一緒に書くのは恋人でも家族でもいいさ……

        死体の山でしか書けない自分より、ずっといい -- ブレイズ 2014-04-12 (土) 03:27:47

      • 『また見つかるか、分からないものに どうやってすがればいいんだ…』
        『思い出だけで生きるには、寂しすぎるんだよ…』
        『俺には本当に、それしか無いんだよ』
        『だったら… 誰か、俺を… 愛してくれよ…』

        『悪い…今日はもう帰ってくれ』
        『あんたらの話は、分かった 本当に良く分かったよ』
        『オレの為に、ありがとう。』
        『だから帰ってくれ、頼む あんたらを嫌いになんかなりたくない。』
        『頼む…』

        どうすることもできなくて、オレは逃げ出した。

        きっと彼らは、オレを助けてくれようとしたのだろう、だけどオレは
        助けてもらう、勇気がなかった。 -- 史楼 2014-04-12 (土) 04:23:47
      • ―そう。前を向く気が無いならいいよ。どっちにしろ…そんな覚悟じゃ勝ち残れないと思うし
        帰ろ、ブレイズ。壁になるなら、説得しようと思ったけど…ダメだよ。壁になる覚悟も、誰かの前に立ちはだかって、その人の夢を奪う覚悟も、史楼にはない
        ただ…甘ったれてるだけ。…じゃね、史楼。優しいだけじゃ…下を向いてるだけじゃ、それこそ何も手に入れられないよ
        一回全部失った人からの忠告。覚えておいてね?

        (倒れ伏したブレイズを呼び出した獣の背に乗せ、歩き出す。最後にもう一度振り返り―)

        …さよなら、史楼。こんな舞台じゃなければ、私たちきっと仲良くなれたと思うよ

        (その姿はかつての自分を見ているようで。どうにかその手を引くことが出来ないかと思いもしたが)
        (結局は自分で差し伸べられた手を掴むしかないのだ。願わくば、彼がもう一度立ち上がらんことを)
        (その時はもう一度、話をしようと。そんなことを想いながら獣の背に跨った)

        (黄金の獣は一つ、寂しげに遠吠えを残し、町並みへと飛び去って行った) -- ライダー 2014-04-12 (土) 04:44:35
  • 街中の雑踏、史楼の後を付かず離れず着いて来る者がある
    それは賑やかな通りを抜け、静かな裏道へ入ってなお、追跡を止めることは無い -- 2014-04-11 (金) 19:48:37

    • オレはどうやら、尾行されていた。

      魔力感知などはてんで駄目なのだが、その分 気配や五感などの方アンテナは悪くなく
      歩調を合わせて 後ろをついてくる気配が一つ

      …確かめてみるか。

      急に走り出して、路地を曲がる もちろん、折れたそこで立ち止まって待つ
      追いかけてくるのなら、やはりオレに用があるのだろう。

      ここまで襲われたなかったのだから、行き成りはかかってこないと思うが、一応の用心はして。 -- 史楼 2014-04-11 (金) 20:40:03

      • 果たして、その人影は現れた

        『堂々令呪を晒して歩くとは、随分な自信だな』

        それは史楼よりも少しばかり背丈が低く、少しばかり年下の少年
        そして、その眼差しは、お世辞にも友好的とは言い難い -- ラセン 2014-04-11 (金) 20:52:04

      • 『何度も言われるけど、自信家なんじゃなくて ただのバカらしいぜオレは。』

        刺すような視線を受けて、溜息が出そうになる
        それも、その眼刺しをこちらに向けているのは 自分よりも年下に見える少年

        はぁ… と我慢していた息が漏れてしまう。

        『そんな目で見るなよ、オレは戦う気なんてねーんだけど』 -- 史楼 2014-04-11 (金) 21:03:24

      • 『気分が乗らないとでも?』

        疑っている。だから、まだ仕掛けない
        自ら令呪を晒して出歩く理由、ルール無用の戦いにおいて、自ら存在と目的を知らしめる行動
        策でなければ、正しく“ただのバカ”と言う他は無い

        『そう言えば手を引いてもらえるなんて、思っているわけじゃないだろう』 -- ラセン 2014-04-11 (金) 21:17:45

      • 『思ってるよ、戦いたくねーもん 』
        『戦争だから、なんて理由だけで なんで戦わなきゃなんねーんだよ お前がどんなヤツかも知ら無いし』
        『知り合って、話して それで済むかもしれないだろ』
        『オレだって目的はある、だけど戦争なんてキライなんだよ。』

        ああ、もう… それにコイツも子供じゃねーかよ
        オレは、心底嫌そうな顔をした。

        "セイバー ダメだった時は手を貸してくれ、すまん。" -- 史楼 2014-04-11 (金) 21:31:44

      • 眉間に、皺が寄る
        本気で言っているなどとは到底思えない発言、否、世迷言

        『…話してどうにかなるような目的なら、そもそもこんな儀式に乗るべきじゃない』

        譲れない、何を犠牲にしても譲れないからこそ、此処にいる

        『戦いたくないなら、降りればいい』 -- ラセン 2014-04-11 (金) 21:42:16

      • 『…降りるわけには、いかねーんだ。 わかってるよ、我侭言ってるのは』
        『オレだってできるならこんなクソみてえな儀式なんか… やりたかねえよ』

        オレは聖杯を取らなければいけない、そうじゃなければ生まれてきた意味が無いのだから。
        呪いのような言葉が、またオレを締め付ける。

        『でも、そうはできねえんだよ!』
        『だったら無理でも何でも全部やるしかねーだろ!?』

        『大事なもんは守る、他人を踏み躙ったりもしない、願いも叶える』
        『オレだってムチャクチャ言ってんのは、わかってんだよ…』 -- 史楼 2014-04-11 (金) 22:01:35

      • 『―――バカか、お前は』

        思わず、出た言葉
        どうやらこいつは、この男は、この馬鹿げた台詞を本気で口にしているらしい

        あまりにも無茶苦茶な論理、甘いとかそういうレベルではない、完全に破綻している
        あのブレイズとかいう男と同じ手合かと思ったが、これはまた“異質”だ

        『…本気で言っているのか?』
        『だとしたら、狂ってるよ、お前は』 -- ラセン 2014-04-11 (金) 22:20:22

      • 『かもな。』

        " 狂ってると " そう言われて、オレは笑うしかなかった。

        『我侭なんて、都合のいい言葉かもな だとしたら…』
        『確かに、オレは狂ってる』

        『でも、なんでもいいさ 狂ってようと、ただの我侭だろうと。』

        『オレは、全部を諦めない。』


        今自分がどんな顔でそんなことを言っているのか、わからない
        ただ、エオのことを思い出して 悲しかった。

        悲しそうに笑っていた。 -- 史楼 2014-04-11 (金) 22:46:18

      • 男が浮かべたのは、笑顔。悲しげな、笑顔
        戸惑った、理由がわからず、不気味だとさえ感じた

        『―――夢でも見ているつもりか』

        『…誰も傷つけず、誰を犠牲にすることもなく、それでも聖杯を得たいと――――お前は、そう言うんだな?』 -- ラセン 2014-04-11 (金) 23:07:51

      • 『そうだよ。言うのなら、お前だって救いたい』

        『お前が何か困っているなら、力になってやりたい』

        『でも… まぁ、お前はそれも寝言だとでも 言うんだろーな』

        気に喰わなさそうな言葉に、こいつを怒らせているのだろうな という自覚はあった
        しかし、今のオレが吐ける言葉は、これしか持ち合わせていなかった。 -- 史楼 2014-04-11 (金) 23:21:47

      • その声は遠く響く
        救われたいと幾度も願って、願いを裏切られ続けた末がこの現状だ
        だから、その言葉は届かない。空虚な理想としてしか、届かない

        『―――無理だよ、お前には』

        声に滲むのは、乾いた諦観の響き

        『お前に、あの子は救えない』

        だから救う、自分のこの手で

        『セイバー』

        そいつの右手を斬り落とせ

        それは風のように、幻の様に、史楼の目の前に現れる
        鎧の騎士が剣を引き抜き、狙い過つことなく、令呪の浮かぶ右手へ刃を振り下ろす―――! -- ラセン 2014-04-11 (金) 23:40:02
      • いつかこんな光景を見たことがある。
        それは。最初にセイバーを召喚したあの時。あの日に。

        舞い散る桜とともに史楼の傍より刀を抜き放ち、黄金のセイバーの剣を受け止める

        『じゃから言うとるのに』
        『もう少し用心しておけ史楼』

        呼ばない限りはいつも家でごろごろしてるだけだと思っていたし、実際にしていたはずだった。

        『全く……だから見ちゃおれんのじゃよ。お主は。』

        『おい。いきなりサーヴァントを使って斬りかかるのは卑怯とは言わんが。』
        『こちらもマスターでありサーヴァントを持っている以上。特に策なしなら。あんまし、良い手ではないのう。』
        『――そこの金髪。お前。おこなの?』 -- セイバー 2014-04-11 (金) 23:55:30

      • 『おこ―――…ああ、そうかもしれないな』

        『お前の主の、ふざけた言い分に反吐が出る』

        例えそれが美しい理想だろうと、実態が伴わなければ、それはただの絵空事に過ぎない
        そんなものに付き合っている時間は無い -- ラセン 2014-04-12 (土) 00:11:00

      • 重ねる刃、束の間の拮抗

        『―――…!』

        互いの剣を打ち払い、一端間合いを開いた上で、構え直す
        確かに策を練った上での行動ではない
        しかし、こと白兵戦に限るならば、この「セイバー」は誰にも遅れをとらぬとの信頼があったが故の事

        『主よ、この相手…小競り合いでは済まぬかも知れぬぞ』

        僅か一合、刃を合わせれば、相手の実力は凡そ掴む事ができる。見た目は愛らしい少女なれど、その力は確か
        圧倒できる相手であれば、一瞬でカタは付けられるが、本気でやり合ったならば街に被害が及ぶだろう
        その事を主に伝える -- 鎧のセイバー 2014-04-12 (土) 00:11:19
      • 『わりぃ、セイバー』

        自分の腕へ振り下ろされるはずだった剣を見て、じわりと嫌な汗が滲む


        『交渉決裂…っつうか、交渉にもなってねーか…』
        『ならせめて、仕切りしきりなおし、ってわけにはいかねーかな』

        『人通りは少ないとはいってもさ… 万が一っつうのもあるし』
        『頼むよ。』 -- 史楼 2014-04-12 (土) 00:37:49

      • 『…わかった―――引け、セイバー』

        その言葉で、鎧の騎士は剣を納め

        『――…いいさ、放っておいてもそのうち誰かに殺される、そのザマならな』

        外套を翻し、広い通りの方へ

        『――だが、もしも』

        一端、足を止め

        『もしも、再び遇うようなことがあれば、その時は―――』

        一度だけ、振り返り

        『――――僕が、お前を否定してやる』

        言い残して、彼らは去った -- ラセン 2014-04-12 (土) 00:46:39
  • 史楼がブレイズからアサシン、『ハイエナ』の事を聞かされてほどなく
    夜の街にてついに、あのマスターとサーヴァントに再び対峙する
    その身から漂う血の臭いは、一層濃さを増しており、あれからこの人狼が
    どれだけの人間を手にかけてきたかを、口よりも雄弁に伝えてくる…
    ここで仕留めなければ、犠牲者は再び増え続けていくだろう
    -- 2014-04-09 (水) 22:19:18

    • 大きく溜息を一つ

      確かに、この相手を探していたのは確かだったのだが
      この間のように、偶然とも思えない まるで出会うのが必然なんだと・・ もしくは、
      何者かがお膳立てをしていてもおかしくないくらいに、自然に『ハイエナ』と出会い、対峙することになった。

      ブレイズさんも、探しているといっていたが
      どうやら 嬉しくも無いことに オレたちの方が因縁は深いようだ。

      『なあ、セイバー こないだみたいにはもう、ならねーからさ』
      『オレのことは気にせずやっちゃってくれよ。』

      血の臭いを漂わせる、人狼を睨みつけて
      隣に並んだ、サーヴァントにそう声をかける。 -- 史楼 2014-04-09 (水) 22:48:48

      • 『言われるまでもない。』
        『腹を空かせて手当たり次第食い散らかしおって。』

        セイバーは前に出ると抜刀し、構えた。
        振るうだけで桜が舞い、幻想的な空間を作り出すあの刀だ。

        『次はもうない、とは言っておったはずじゃが。』
        『わしゃあ、主と違って容赦はせんぞ。荒らしの類は念入りにDELいれんと気がすまん質でのう。』

        不敵に笑うセイバー。月夜に金の瞳が煌々と輝く。 -- セイバー 2014-04-09 (水) 23:00:48
      • 『ヒヒヒ!!言った筈だぜ、ハイエナってのぁしつけえんだよ』

        (その姿が見る見るうちに、人狼へと変化していく…軽口とは裏腹に)
        (それだけセイバーを脅威として認識しているのだろう)

        『安心しな、DEL入れるどこか瞬きする暇も与えてやんねえからよ』
        (魔狼の濁った赤い眼が、セイバーを睨みつける) -- ハイエナ 2014-04-09 (水) 23:08:05
      • 『ここ、この間の奴らか…また俺を殺そうとしてんのか…懲りねえ奴め』

        (月に照らされた人狼のマスターは、あの時から更に異形化が進んでいる)
        (その姿は、最早元が人間であった事等信じられないほどに)

        (服のあちこちからは触手が生え、獲物を探すかのようにうねり狂う) -- ヒラ 2014-04-09 (水) 23:10:52
      • 戦闘態勢に入る、といっても いつこちらに攻撃が及んでも、それに応じられるように
        神経回路を、駆使する準備をするくらいで まだ短剣すら抜かずに居た。


        『…あのさ、戦う前に一応お前らに聞いときたいんだけど』

        『なんで、こんなことすんの?やめることはできねえのか?』

        今更な質問だとは分かっている
        アドニスな大事なもんを奪ったこいつらに
        無関係な人間を何人も何人も犠牲にしてきたこいつらに
        話し合いが通じる可能性なんて、ゼロに等しいけれど

        それでも聞かずには居られなかった。 -- 史楼 2014-04-09 (水) 23:25:30

      • 意外にも。
        先に応えたのはセイバーだった。

        『主よ。』
        『こやつらにばかりは問うてくれるな』
        『何故もなにも無いのだから。』
        『こ奴らは単純明快に。そう”したい”から”して”るだけじゃ。』

        『こいつの本質が獣の領分だとしても。』
        『あまりにもやり過ぎじゃ。』

        嫌悪するかのように、睨みつけた。セイバーが此処まで感情を顕にするのも見たことがなかった、そんな気さえした。

        アサシンと対峙するセイバーの刃には風が渦巻き、それに収束するように桜の花びらが集まっていく―― -- セイバー 2014-04-09 (水) 23:35:59
      • 『どうやら、俺に関しちゃあそこのチビより犬っころの方がわかってるみてえだな』
        『そうさ、俺が殺したいから殺す、喰いたいから喰う、ただそんだけの事よ、言っちまえばそういう生態なのさ、俺は』
        『お前が俺に言ってるのは、魚に泳ぐなっつってんのと、同じようなもんだぜ』

        (短距離走の選手を思わせるような、独特の構え…生前、構えらしい構えすら知らぬ男が)
        (唯一とる事のあった構え…)

        『生きて帰ったら覚えときな、世の中にゃあお前が思ってる以上に、俺みてえな奴はわんさかいるぜ』
        『…しっかし…生きてた頃も含めて、んな事馬鹿正直に聞いてきた奴はお前が初めてだわ
        俺ぁ嫌いじゃねえぜ、そういう馬鹿』

        (けらけらと笑う人狼、だが、直後に途轍もない重圧と殺意が、人狼から史楼へ向けられる)

        『残念だぜ、生かしとけるなら放っておいてどう堕ちるか見てみたかったのによ』

        (肥大した筋肉に力が込められる…引き絞った弓を連想させるそれは、セイバーの動く瞬間を今か今かと、待ちかまえている) -- ハイエナ 2014-04-10 (木) 00:00:09
      • (対して、セイバーの言葉に男は苦虫を噛み潰したような顔をする)
        (『俺はこいつとは違う』『そんなつもりはなかった』とでも言うように)

        『…知らねえよ、そんなの…』

        (絞り出すかのように苦しげに、辛うじて一言だけ返すと、正道を歩むマスターとそのサーヴァントから、顔を背けた) -- ヒラ 2014-04-10 (木) 00:03:24

      • 『そうかよ…』

        三者の言葉に 明らかに落胆したような 言葉をこぼして
        一瞬だけ、諦めにも似た悲しい表情を浮かべたが、すぐに決意したかのように改めて
        相対するマスターとサーヴァントへ視線を穿ち 熱量を行使する。

        『―――アクセル・シフト』

        アクセル・シフト【熱量 変換】
        持ち前の魔力に加え 順次熱量を魔力へコンバートしていく
        パスを通して、魔力がセイバーに伝わり 例え宝具を使用しても、十全に戦えるはずだ

        『ありったけもってっていいぜ、セイバー』

        ぶつけられた、殺意が重苦しい これだけで一般人ならチビれるだろう。
        じわりと背中に冷や汗が染みるのを感じながらも、オレはポケットからカロリーバーを取り出して齧る

        緊張感が沸かない自分の能力に、皮肉った笑いを浮かべるしかなかった。 -- 史楼 2014-04-10 (木) 06:13:49
      • 『承知じゃ、見ておけよマスター。』
        『そして、覚えておくといい』

        『本気のサーヴァントの戦争が如何なるものかを』

        開花。とでも言うべきだろうか。
        刃に集った桜は今度は逆に吹き荒れる嵐のように、空気を巻き上げ――

        『疾風――勁草の型』

        ―――なぎ払うように、春風は嵐となり、アサシンへと巨大な一の太刀として振るわれる。 -- セイバー 2014-04-10 (木) 21:20:34
      • 『んなそよ風で』
        (爆発音と共に、足場を砕き男が消える)
        (入れ替わるようにセイバーの放った風の刃が、男の元いた場所を両断する)

        『俺が殺せるかよ!!』

        (セイバーの攻撃が優雅な春風に例えられるなら、男の乱打はさしづめ呑みこむもの全てを粉砕する竜巻)

        『ヒャヒャヒャヒャ!!!』

        (風も音も、影すら置き去りにする速度で爪で薙ぎ、足で蹴り、拳を振るいその体でぶちかます)
        (例えいなされ、回避されようとも空も地も関係なく全てを足場にできる男は、攻撃を途切れさせることなく)
        (セイバーの守りを徐々に崩していく…) -- ハイエナ 2014-04-10 (木) 22:21:25
      • (猛り狂う己が従僕とは裏腹に、主である男は)
        (複雑な表情で戦いを見守る)
        (『やめることはできねえのか?』という史楼の一言が、辛うじて残った理性に突き刺さる)

        『今さら止まれるわけねえだろ…ああそうだ、ここで止まるわけにやあいかねえ…!ぶっ殺せ!』

        (罪悪感を振り払うように、サーヴァントへ全力の交戦を指示する)
        (犯した罪から目を背けたい一心で、己の本心にすら嘘をついて) -- ヒラ 2014-04-10 (木) 22:27:55
      • 『は。乱暴者はモテんぞ?あ、いや。割とウケる層もいないことはないか。』
        『わしはごめん被るがな。』
        疾風勁草の型は攻撃より防御に身を置いた型である、風は破壊よりも風圧を以て攻撃を反らし、敵の動きを絡めるために生み出されるものであった、が――

        『成程、馬鹿の一つ覚えも極めると、中々に。単一ビルドタイプじゃな。』

        徐々に、その風を、威力を削がれ、花を散らし、地面を抉られながら、後退していくセイバー。

        『こういうタイプは周囲を囲まれると回避率が落ちていい的になるもんじゃがのう。ネトゲでの話じゃが』

        素人にはよくわからない単語を出しながらよくわからない感想を述べるセイバー。
        どうにも
        緊張感の欠片もないのはこちらも同じようであった

        『なら、これならどうじゃ』

        『疾風――迅雷の型

        花舞う刃は、その花びらを焦がしながら稲妻を纏う。
        カカ、と笑いを浮かべながら、アサシンにも劣らぬ迅雷の速さで中空を動き、紫電を撒きながら雷土の刃でナイフと打ち合う

        『セイバーのクラスの剣技、その小細工でどこまで凌げる?』 -- セイバー 2014-04-10 (木) 22:46:57
      • (その一撃は放つ度により速く、より鋭く、もはやマスター達の目では初動すら捉えられないであろう速度に)

        『ヒヒヒヒ!!!流石はセイバー、やるじゃねえか!が、まだまだぁ!俺の最高速度はこんなもんじゃねえぜ!!』

        (加速する人狼の一撃が、セイバーの紫電を纏う刃とぶつかる)
        (無論、純粋な正面衝突ではセイバーに叶う筈もなく、男の方が、切られ、雷に焼かれつつ弾かれる形に)
        (だが、その宙を足場とする能力で、弾かれた力で空中を蹴り、再度攻撃、当たればそのまま駆け抜け)
        (弾かれれば再度宙を蹴り別角度からの攻撃と、反動を使った)
        (連続攻撃…及び一撃離脱のヒットアンドアウェイへと、攻撃方法を切り替える)
        (宙空で戦うセイバーへと襲う、己が肉体を紫電が焼き、刃で削がれる事も厭わぬ全方位からの超々高速攻撃、さらに)

        <<恐怖感染・魔狼譚>>

        (だめ押しとばかりに、例の宝具を放つ、無論英霊には大した効果を上げないが)
        (それは通常の戦闘の場合であり、この速度において体が竦み、一瞬の硬直を見せるという事はすなわち)
        (致命的な隙を晒すに等しい!)

        『おらぁ!!』

        (宝具を放った直後、セイバーの心臓めがけ魔狼の爪が襲いかかる!) -- ハイエナ 2014-04-10 (木) 23:04:16
      • 『ま、やるやる。バランスタイプのわしにゃあこういうの結構効くかも。なんて―――』

        力では押し返している、が手数がやはり違う。捌く回数も増える、打ち合う回数も、集中力は高まる一方で

        宝具の攻撃は攻撃とは呼べず、ほんの数秒にも満たない、ほんのわずかな時間、秒針の針が動かないようなそんなわずかな時間

        その程度の隙を、セイバーに作り上げた。それは本当にわずかだったが―――

        セイバーの甲冑を爪が捉え、切り裂いていた。そして、土煙をあげて地面へと叩き落ちる
        -- セイバー 2014-04-10 (木) 23:15:36
      • (土煙を上げ、セイバーを追うように人狼もまた地面へ降りる)
        (その体はあちこちが切り刻まれ、雷で焼け爛れ、致命傷を避けるというよりは辛うじて生き延びているというのが当てはまる有様であった)

        『っとに、人狼になれなきゃ危なかったぜ…』
        (その手の指を揃えれば、連なった爪は鋭く伸びた槍を思わせる形に)

        『ひひ、散々バカにしたアサシンにやられる気分ってどんなだ?なあ…どう思う、よぉ!?』
        (そしてその爪を勢いよくセイバーへ突き立てんと振り下ろす!) -- ハイエナ 2014-04-10 (木) 23:35:23
      • 『――んー?面倒くさい。』

        直下から聞こえた言葉は確か、そんなものだった

        『面倒じゃから一網打尽にしちゃる』

        セイバーへ目掛け止めの攻撃を仕掛けてくるアサシンへ―――
        『回避なぞ考えんほうが良いぞ。こいつは―――特大じゃぜ!』

        二つの刃を前方へ向け―――

        『疾風――怒涛の型

        ―――赤い。燃えるような紅さで。怒涛のような勢いで。天へと。紅蓮の炎を帯びた柱のような魔力の波を刃から解き放つ! -- セイバー 2014-04-10 (木) 23:46:18
      • 『…な』
        (断末魔を上げる暇さえ無く、紅蓮の魔力の柱に呑みこまれる)
        (後には何も残らない…文字通り人狼は、この世から跡形もなく消滅したのだ)
        (だが、史楼は、セイバー知っている、あの人狼が持つ、もう1つの力を、蘇り、その度に与える恐怖を増す、人狼の最後の宝具の力を)

        <<無間恐怖・魔狼譚>>

        (予想通りというべきか、戦闘を終えたかに見えた直後、セイバーの背後から蘇った人狼が、その爪を振り下ろす!) -- ハイエナ 2014-04-10 (木) 23:54:46
      • 『―――っとにっ!クソしつこいんじゃよなお前はッ!!!』

        振り向きざまの一太刀で爪を受け止めた。
        ――知っている。あの時を。史楼は見る事ができた。聞かされることができた。だから、対応したのだ。増幅する恐怖を―――

        怒りで以て、押さえつけ従える。反応速度は確かに宝具発動前より落ちてしまっているが、それでもまだ、遅れを取るには至らない。

        『史楼よ、ちゃんと耐えておけよ。護神術の札である程度は防げとるじゃろ』
        『どんなにムズいテストじゃろうが事前に対策しとけばそこそこの点数くらいは稼げるもんじゃぜ!!このアホが!』

        刃と爪の衝撃が周囲を震わせる中、もうひと振りの太刀を以て更なる一撃を放とうと――― -- セイバー 2014-04-11 (金) 00:12:48
      • その太刀を蹴り飛ばし、間に割って入ったのは獣人であった。
        『るせー犬っころ!兄貴は実戦派なんだよ』
        薬物と身体改造、魔術強化によって人の姿から変じた獣。髪と体毛に走る虎のような縞に、彼女の面影が感じられなくもない。
        ティラシン・グリード。フクロオオカミの名を持つ、アサシンのサーヴァント!突然の乱入。
        『兄貴、死ぬような目にあっても平気ってやっぱすげーッスね!』 -- ティラシン 2014-04-11 (金) 00:29:37
      • 『鍛え方がちげーんだよ、ってな』

        『しっかし、まさかこんなとこでテメエと組む事になるたあな、しっかりついてこいよティラ、遅れたらぶっ殺すぞ』

        (より強化された恐怖が、セイバーを襲う、敵は二人に増え、攻撃は更に苛烈さを増す)

        『ハハア!切り刻んでやるぜえ!!」

        (元々の手数に加え、強化された精神攻撃とティラシンのサポートが加わり、その攻撃の苛烈さは一層激しく)
        (先程の怒涛の連撃ですら、穏やかな風と思えるほどに) -- ハイエナ 2014-04-11 (金) 00:35:59
      • 『なんぞこの娘っこは……。』
        『…ちッ。』
        『わしを舐めんなよ、こちとら万年一匹狼で集団戦はなれとんじゃっつーの!』

        と、啖呵を切ったものの、流石に実力者同士の二対一は手に余るようで、手傷は増える一方である

        『ホントにめんどくせえなお主ら』
        『ちょっと、マジで激おこなんじゃけど』

        『―――イチャイチャイチャイチャと……貴様ら!!』

        刃に次第に燃えたぎる炎が灯り。その苛烈な炎熱で攻撃を防ぎ。
        と思えばもう片方には水が纏い、それは瞬間に凝固し氷で覆われ。放たれる絶対零度で生物の感覚を鈍らせていく

        『――――――いい加減にしとけ。』 -- セイバー 2014-04-11 (金) 00:50:49
      • 『ち…!』
        (余りの熱量と冷気に、近づく事すらままならなくなる)
        (セイバーといえばその高い実力も勿論の事、宝具の強力さにおいても群を抜いている)
        (何かが来る、おそらくは回避できないであろう一撃が…そう思った瞬間)

        『ティラ、ちょっとこっちこい』

        (何の躊躇いもなく、男を慕う少女を、その彼女が変化した獣を)
        (目の前に盾代わりに引き寄せた) -- ハイエナ 2014-04-11 (金) 01:19:56
      • 『兄貴?!あれはヤベぇッ…て、え』
        急に引き寄せられて。抱き寄せられて、一瞬だけ、状況を忘れてしまったのだ。
        背中を敵に向けて、見つめ合う形で。足元の遠くには、ぼろ雑巾のように転がるヒラが見える。
        『兄貴、俺、を…いや、俺が!』
        思い出す。最期の光景を。しかし、それでもなお。求められた役割は、果たすべきなのだ -- ティラシン 2014-04-11 (金) 01:28:51
      • 『…おい、冗談だろ』
        (理解できる、同じ所まで堕ちた自分だから、あの人狼が何をしようとしているのか)

        『お前…そいつはお前の後輩だろ、あんなに、あんなにおまえの事慕ってたじゃねえか!』
        (何か手はないか、何でもいい、あの心底腐れ外道のアサシンが消し飛んだって構わない)
        (そこで、令呪に目が行く)

        『おい、あれを止めろ!あいつを止めろよ、止めてくれったら!…頼むよ…!
        俺を、俺を初めて見下さないでくれた奴なんだ…何とか、何とかしてくれって…!!』

        (頼み込むように令呪に命じるも、使い方も、そも祖も魔力の通し方すら知らない男に)
        (それを成す事は叶わず)

        (ただ、その時を見ている事しか、できなかった) -- ヒラ 2014-04-11 (金) 01:41:15

      • 『―――疾風よ。今こそ参ろう―― 奥義の型

        『春風は熱を運び、夏を呼び、四季を進め―――』

        赤い刃は、紅蓮の炎。真夏の太陽が如く全てを焼き尽くし。

        『秋風は冷気を齎し、冬へと成り、四季を終わりへ導く』

        青い刃は静寂の氷。真冬の大氷雪が如く、全てを奪い尽くす。

        『これぞ世界の真の理。その身で受けよ。』

        ―――真名開放。 ―瞬火終凍―
        真の宝具の力を以て。赤と青の連撃を刃から解き放ち―――

        -- セイバー 2014-04-11 (金) 01:55:08
      • 絶刀の威力は正しくサーヴァントの身を火泥に灼き。
        またその半身を氷河の闇へと静止せしめる。
        獣の背を、致死的な宝具の猛威に晒し、しかしその身体の先までは届かせなかった少女が。
        『兄、貴…へへ、嗤ってら…』
        跳躍していた力を失い。獣の姿を保てずに、決戦の舞台から零れ落ちた。 -- ティラシン 2014-04-11 (金) 02:16:54
      • (少女を盾にしてなお、その身に斬撃を受けずとも炎と氷の二重奏は男を襲い)
        『きひひ…!!ホント半端じゃねえな…!がぁ、ぎぃぃいいい!!!!』

        (放たれた連撃の後に残ったのは、炎に焼かれ炭となり、更に氷漬けにされた人狼の死体)

        『…だ…』

        『…まだだ、まだ終わりじゃねえ…!!!!』
        (だが、盾にした分で、辛うじて宝具の許容範囲の威力に抑えられたのだろう、再び肉体を再構成させる男)

        『冗談じゃねえ、ようやく二度目の生を謳歌出来るってんだ』
        『俺ぁまだまだ、全然殺し足りねえんだ…!こんなとこで、大人しく地獄に戻れっかよ!!!」
        (そして二度の死により放たれる恐怖は、もはや英霊ですら心を砕かれかねないほどの威力へと変貌を遂げている!)

        『人が死んだ後に、他の連中が勝手に作った話の中で、殺し殺され続けるのなんざまっぴらごめんだ!
        俺が、俺の意思で、俺自身の手で生で殺してこそ意味が、楽しみがあんだよ!!!俺の恐怖譚は、こっからは俺の手で作り上げてやらあ!!!!』
        (既に溜めこんだ魔力は尽きている、英霊ですら飲み込むほどの恐怖を得た代わりに)
        (人狼は、復活するための魔力の蓄えを失ったのだ)

        『ガァァァアアアアア!!!!!』

        (獣の様な方向を上げ、恐怖の化身が、三度セイバーに襲いかかる!) -- ハイエナ 2014-04-11 (金) 02:18:04
      • (気づけば、あの人狼のマスターの姿はなく)
        (また、あの少女の姿も、どこにも見当たらなかった -- ヒラ 2014-04-11 (金) 02:24:04

      • 怖い

        強化された宝具を前に。セイバーがそう、口にした

        『あ、あぁ……怖い、怖い……怖い?』
        『……そうか、怖いのか。』

        ―――それはどこか。落ち着いた顔つきだった。

        『お前は、怖いんだ。一人で生きるのも、死ぬのも。』
        『こうして自分と同じ恐怖を植え付けなくては。怖くて他人など傍に寄せられないのだろう?』
        『よく、解った、人の子よ』
        自身もその震える体で立ち、襲いかかってくるアサシンを人の子と呼ぶ。

        『我が名は狼森 閏。』
        『閏時間の月夜を司り、大地に豊穣を齎すもの。』

        『我。狼で有り、大神なり。』

        ――我が真名は

        ―――閏月夜大神なり

        《閏月夜の大神の咆哮》(おおかみおろし)

        ――暖かい光だった。
        ―――其れは穢れを浄化した。
        ―――其れは祟を浄化した。
        ―――其れは呪いを浄化した。
        ―――其れは邪気を浄化した。

        ――――それは恐れを ――その概念すらも 浄化した

        ―――それはありとあらゆる不浄を。
        ―――春の風と共に。月夜の下で。

        ―――一切の例外なく。

        ――――――浄化した。

        『―――お前は、もう怖がらなくていい。』
        宝具による浄化の光を浴びながらもなお迫ってくるアサシンへ向けられた行動は

        ―――受け止めた。その狼の体を。やさしく、そっと。赤子を宥めるかのように。

        『―――もう良いのだ。休め。』

        ――――――それは紛れもなく慈母の抱擁であった。 -- セイバー 2014-04-11 (金) 08:12:58
      • 『…っ!』

        (それは決着の瞬間、ありとあらゆるを浄化する、人々の願望である大神の救いの光の前には)
        (本能から生じる感情の一つでしかない恐怖では、叶う筈もなく、その存在ごと浄化されていく)

        (月の光の様な、淡く優しい光と、春の如き柔らかな風に包まれる)
        (今となってはもう思い出す事もない己の過去が)
        (微かに残った記憶が、人狼の脳裏を駆け抜けていく…)

        『ふざ、けんな…!!』
        (それでもなお、死を拒み、敵を倒さんと爪を振るおうとしたところで)
        (その消滅しかかった体が、セイバーに抱きとめられる)

        (その目の輝きは、力強さは)
        (生前の最期…あの旧街道で、怪物となった自分を倒した者達と、同じ目をしていて)
        (―否、それよりも前に、一度だけ、その目を誰かに向けられた気がする、自身が死ぬ間際でさえ)
        (その輝きを失わず、怪物を思ってくれていた瞳…誰だかは、もう思い出す事ができないが)

        (他人を思うが故に出せる強さ、他者を思う心のない怪物では、決して手にする事のない力)
        (己の欲と、力のみを求め続けた人狼が、再びそれに負けるのは、或いは宿命であったのかもしれない)

        (彼を源流とする恐怖譚に現れる怪物の全てが、最後は英雄に打ち倒されるように…)

        『…やっぱ強ええわ、お前等』
        (その一言を最期に残し)
        (人々を恐怖に陥れた魔狼は、再びこの世から消滅した) -- ハイエナ 2014-04-11 (金) 15:41:40
  • 穏やかな昼下がり、ふらりと少女はやってきた。
    玄関先に突っ立ったまま、ここで良い、と頑なに家の中に入ろうとはせず
    そのくせなかなか話し出さない。どう切り出したものか、と迷っている様子で

    『…あの変な老人のサーヴァント』
    『あんまり、信用しないほうが良いと思う …って言っても貴方信じてくれないかもしれないけど』

    唐突にそんな言葉を呟く。

    『下手をすればアレが一番今回の聖杯で危ないと思う』
    『別に頭から信じろ、だなんて言わないけど…今後接触しないほうが良い…と思う』 -- エオ 2014-04-09 (水) 20:50:47

    • そんな歯切れの悪い、いつも通りとは到底思えない少女の話しを、玄関前の段差に座り込んで聞いていた。
      行儀は悪いが中に上がって座らないというのなら、そうしないと視線が合わないのだから仕方ない。

      『んー… そうか…』
      『信じられない っていうより 信じたい、っていうのと信じたくないっていのが二つある感じだ』
      『オレもちょっと前に爺さんのマスターにあってさ』
      『不穏なこと言い残されたりしたんだよな…』

      それともう一つアリィの言葉も思い出していたが、そのことを話すと
      またエオにそんな危ないことをしてバカじゃないの!と怒られそうなので黙っておく。

      思い返せば会った時から、オレのことを心配してくれてたよな、こいつ と
      リンゴを投げつけられたあの日のことを思い出しながら、少しくっくと笑って。

      『わり、まじめな話しの途中だったよな』

      『突然そんな話しをするってことは、何かあったのか?』 -- 史楼 2014-04-09 (水) 21:02:56

      • 何から説明すれば良いのか、殺された…といってもそもそも自分にスペアがあることから説明しないといけない。
        …考えてみれば、この行動すらあの老人の手のひらの上ではないのか
        考えこむほどに、思考が泥沼を突き進んで言葉が出なくなる。

        『……ちょっと前に、カフェテリアで殺人があったの聞いてる?』
        『女の子が殺されたっていう話し、犯人まだ捕まってないって』

        ほんの僅かな間、小さな騒ぎになったがしかし流れ者が集まって出来たような街。
        すぐに新しい事件に掻き消され話題にも上らなくなった。
        逃げた犯人は今だ捕まっていないという。

        『あれで殺されたのが、私』
        『…殺したのがあのタヌキジジイだって言ったらどこまで信じる?』 -- エオ 2014-04-09 (水) 21:14:06

      • 『…は?』

        目の前の少女が嘘を言うタイプでも、突拍子の無い冗談を言うタイプでも無いのを知っているだけに
        自分が思っていたよりも、マヌケな声がもれてしまった。

        『ん、んん?ちょっとまってくれ… いや、足はあるよな』

        すっと立ち上がったかと思うと、少女の前にしゃがみこんでペタペタと触る
        誤解があると困るので名言するが、触るといってもほっぺたをつまんで伸ばしてみたりしただけである
        断じて法に抵触するようなことはしていない、聖杯に誓って。

        『幽霊じゃねえ…!』 -- 史楼 2014-04-09 (水) 21:20:59
      • 『ひょっと…ひろ…』

        ほっぺたを伸ばされながら暫く我慢していたが、我慢の限界を越えたので

        『くぇーっ!!』

        膝の辺りを蹴る。子供の力だから痛くない。痛くないね?
        目の前で死んでやる事も考えたが、しかしそれはそれで話が妙な方向へ転がりそうな気もした。
        言葉だけでどこまで信じてもらえるものかわかったものではないが

        淡々と説明する。なるべく感情を挟まないように。
        自分が聖杯戦争の為に造られたホムンクルスであることと、トラブルがあって数こそ減ってしまったが
        自分が死んでもまた、新しい自分がトランクの中から目を覚ますこと。
        ついでに今の自分は3体目であり、あのカレーパーティに参加した自分は死んでいることも

        『…人の感覚だと、理解し辛いかもしれないけれど』
        『体が変わっても私は私よ、記憶も感覚も全て引き継いでる』
        『それを哀れだとか悲しいとか思われるのは不本意だから出来ればやめて、人が短い命を一生懸命生きているように』
        『私達も私という種として短い命をそれぞれ必死に生きてるんだから』

        それから

        『私、貴方があのサーヴァントとマトモに戦えると思えない』
        『…戦力的な問題じゃなく、感情的な部分で』
        『だから出来れば戦わないで欲しい、きっと他の誰かがなんとかしてくれるわ』

        それまで遭わないようにして欲しい、と訴えた。 -- エオ 2014-04-09 (水) 21:46:27

      • とんでもなく痛む膝を手で押さえながら話しを聞いていると、やはりそれは冗談の類なんかでは無くて
        エオ=ルレイアという少女の生い立ちが、少なくともオレなんかとはまったく仕組みが違うことを説明され
        理解はできても、納得は遅れてやってくるのか ついてこず。

        『いや、いやいや ちょっとまて、哀れだとか悲しいだとかそんなことは言ううつもりはねーけど』
        『記憶も感覚も全部引き継がれるってことも』
        『オマエが… 爺さんに殺されたって… そうオレに言えるってことは』

        『痛みや、死んだ瞬間のことを覚えてるってことだよな?』

        『なあおいそういうことだよな!?三体目ってオマエ・・・!』
        『ああもう… ああもうエオおまえ・・・ ああもう!』

        『もう絶対に死ぬんじゃねーぞ!?』

        まくし立てるように
        それこそ今にもつかみかかるんじゃないかという勢いで。

        『オレが爺さんと戦えるかどうかなんて・・ 確かにわかんねえけど』
        『おまえがまた、殺されそうになった時は』

        『誰かになんかまかせねえからなオレは!』 -- 史楼 2014-04-09 (水) 22:02:32
      • 『わからないわからないって…』
        『そんなんで勝てるわけないじゃない、向こうは貴方がそういう人だっていうの分かってるのよ』
        『分かってて上から目線で楽しんでる相手にどうして勝てるのよ』

        『想いだけじゃどうにもならないことだってあるの、わかるでしょ』
        『想いで全ての事柄がどうにかなるなら…なんでアドニスは負けちゃったのよ…!』

        勢いに負けじと叫んで、肩で息をしながら首を振る。

        『…ごめんなさい話がズレてる、そういう話しじゃないわね』

        『じゃあもう良い、ただ二度とあの人と会わないって言ってくれるだけで良いわ』
        『躊躇なく戦えるって言葉だけでも言えないのなら、そうして』
        『会いに来ても無視して、本当にそれだけで良いから…』
        『貴方だって願い、叶えたいんでしょ 譲れない願いがあるから参加したんでしょ』

        なのになんでそんなに覚悟が浮ついてるの、と唇を噛む。 -- エオ 2014-04-09 (水) 22:54:15

      • 『確かに譲れない願いがあるからオレはこの戦争に参加したよ』

        『でもさ、ここで暮らすうちに その譲れないものっていうのが 気がついたらどんどん増えててさ』
        『美味しいものを食べること、そしてそのあとにゆったりする昼寝とか』
        『近所に住むおばちゃんとの何気ない会話から、常連になったカフェの店員さんとのやりとり』

        『あ、くだらなくなんてねーぞ 全部本当に、大事なことなんだよ。』

        ここに来るまで、一人ぼっちだった自分を 彩ってくれた確かな時間
        普通の人にしてみれば 取るに取らないことだったとしても
        オレにとっては、かけがえの無いものだった それに。

        『そんな中でも、オレの願いと同じくらいピカピカしてるもんが 見つかっちまってさ』

        『セイヴァーに友達に …なんだか家族みたいに、そんな風に感じちまったヤツら。』
        『どれもこれも、もう…オレにとっちゃ譲れない大事なもんなんだよ』

        『だからさ、エオ』
        『オレはその全部をこぼしたくない』

        困り顔で、少しだけ笑みを浮かべて

        『いつも心配させて、ごめんな エオ』

        『オレは爺さんが、悪いヤツだったとしても』
        『殺されたりは、絶対してやらない』

        『つーか許せねえから、のこのこやってきたらぶん殴って簀巻きにしておまえの前で謝らせてやる。』

        少女が納得できるかは分からなかったが、いつもの様に わがままに。 -- 史楼 2014-04-09 (水) 23:47:16

      • その答えを聞いて、少女はいっそう悲しそうな顔をした。

        『……そういう人だものね』
        『じゃあ最後に聞かせて欲しいの、貴方の聖杯にかける願いって何?』

        『貴方は一体何の為に聖杯を目指しているの?それだけ、聞かせて』

        納得できたら、自分も命を粗末にするようなことはしない、と付け足しまっすぐに見つめる。 -- エオ 2014-04-09 (水) 23:54:53

      • 透き通る様な視線が、突き刺さる
        オレの願いは…

        『オレには両親が居なくなってさ』
        『義父に育ててもらったんだけど、なんつーか オレが役立たずなのもあって、いまいち認めてもらえてないっつうか…』
        『本当の子供じゃねーから、父さんって呼ぼうにも 呼べなくて』
        『そんな父さんの、望んで已まない 聖杯を手に入れたらさ』
        『オレのこと、認めてくれるんじゃないか って』
        『良くやった わが息子よ。って 抱きしめてくれるんじゃないかって』

        言っていて、手足がしびれるのを感じる
        感覚が曖昧だ。 -- 史楼 2014-04-10 (木) 00:32:10

      • 『…それが貴方の願い?』
        『それほどその義父が大事なのね?』
        『……私は家族なんていない、貴方が多くの物を犠牲にして あるいは自分も犠牲にしてまで』
        『その人に聖杯を捧げたい、というのなら私はそれを笑ったり否定したりは出来ない』

        『……私の願いはね』

        少しだけ躊躇って、目を伏せ

        『私は家族がほしい』
        『私の事を守ってくれて、愛してくれる家族が欲しい』
        『…それが私の願い』

        聖杯に家族を願うなんて馬鹿げていると貴方は思う?と表情は寂しげに笑う。

        『この間、みんなで集まった時私楽しかったわ』
        『家族ってあんな時間がずっと続くようなものだと思う、だからどうしても欲しかった』

        『打算とか企みとか何もなく、単純にあったかいだけの気持ちをくれるのが家族なのかなって』

        ほんの一度だけの、ささやかな交流を宝物のように大事に箱に仕舞っていた。
        『ねえ、そんな義父なら捨てちゃえば?』
        『私貴方のことお兄ちゃんって呼んであげても良いし、キャスターにもそう呼ばせる』

        明暗を思いついたようにに馬鹿に明るく手を叩いて

        『貴方のセイバーのことだってちゃんとお義姉さんって呼べるし、私達血は繋がってなくてもきっと家族になれると思うの』

        どう?というように首を傾げて、しかし返答が帰ってくる前に表情から笑顔を消した。

        『…なんてね、嘘よ』
        『貴方にとってその義父がとっても大事で愛されたいなら、わかったわ 納得した』

        命は粗末にしない、大事に使うわ

        そう言って身を翻す。

        『ばいばい史楼、きっともう会わないわ』

        表情は伺わせないまま、ひらひらと手を振って少女は歩き出す。
        妙に不吉な胸騒ぎが貴方の胸を支配するのが、杞憂なら良いのだが -- エオ 2014-04-10 (木) 01:14:22

      • 『貴方にとってその義父がとっても大事で愛されたいなら、わかったわ 納得した』
           『違う、違うんだ、まってくれ…エオ 俺は… 俺は…!』

        『ばいばい史楼、きっともう会わないわ』
           『嫌だ…! なんでだよ、嘘でも、冗談でもいい 俺達は家族になれると思うんだろ!?』
           『俺もそうなったらどれだけいいかって!ずっと思ってた!でも…でも…』
           『失うのが恐かった、言葉にしてしまえば 消えてなくなってしまうんじゃないかって!』
           『でもお前が…!本当に、本当にそう思ってくれるなら俺に聖杯なんて!!』
           『お前にだって… だから… だから… まってくれよ… エオ!』


        オレの叫びは、言葉にならなかった。
        オレは聖杯を取らなければいけない、そうじゃなければ生まれてきた意味が無いのだから。

        呪いのような言葉がオレを締め付ける、喉を枯らす。

        オレは、大事なものを失ったのだろうか。
        少女を、追いかけなければ行けない そうしなければ、本当に 二度と 会うことができない気がして。

        なのに、オレの足は 地面に縫い付けられたかのように、動くことを 許さなかった。 -- 史楼 2014-04-10 (木) 20:13:24
  •   -- 2014-04-09 (水) 19:50:04
  •   -- 2014-04-09 (水) 19:50:01
  • 探していた。というよりもアドニスという少年と一緒にいるのを見かけてから伝えるべきと思っていた。
    アドニスにハイエナという危機が迫っているものの、彼を守るにも限度はある。故に

    『すまない君、名前は知らないが話に付き合ってもらえるか。アドニスの友人ならだが』

    そういって左手のグローブを外し、一画になった令呪を見せて自分がマスターであることを伝えた。

    『俺はマスター・ブレイズ。アドニスを狙うハイエナについて、話したい』

    そうして思う。この目の前の少年もマスターなのだと。この聖杯戦争に参加している一人。
    願いを持つ者。救いを求めているのだろうかと。そう思うと、咳が少し漏れた。 -- ブレイズ 2014-04-08 (火) 21:53:21
    • 『…わざわざ、画数が減った令呪を見せるっつうことは、戦うつもりは無いって取っていいのか?』

      見るからに分かる、小さく目減りした 聖杯参加者だと、人目でわかる印を見せ付けられて
      自分の手にもついてるソレを 気のせいですよ と立ち去れるわけも無く
      アドニスの名前を聞いて、立ち去るわけも無く、答える。

      『はいはい… そうだよ アンタが言うアドニスの友人であってるよ、名前は史楼な』
      『で、アイツがハイエナに狙われてるってどういうことだ?』

      面倒そうに首を揉んでいたが、最後の言葉には力が篭っていた。 -- 史楼 2014-04-08 (火) 22:08:31
      • 『アドニスともだが、君のような少年と戦うつもりは元からない』

        というより元々そのようなことを考えていなかったほうが正しい。本題は別のところにある。
        短い話だが往来でするものでもない。近くのオープンカフェに誘い話を始めた。

        『アドニスのパートナー、マユルを倒したヤツはその後サーヴァントのいない彼を狙っている。己の愉しみのためにな』
        『俺もその時一度交戦したが底の見えない相手だった。だがヤツをこのまま野放しにしておくわけにはいかない。』

        そう。グリードの幹部に近いほどの実力を持ち、ただ愉しみのために人々を殺し食らう邪悪
        アーチャー(サーフ)の話ではヤツは普通の意識で戦うと死を招く。それは自身であっても目の前の少年であっても
        だからこそ伝えなければいけない。アドニスの近くにいたものとして。史楼についてまだ知ることは少ないが。

        『君がヤツと戦う意志があるなら、いやよそう。おそらく君も戦う時がくるだろう。だからこそ伝えたい、ヤツの切り札としている奥の手である宝具の力を』 -- ブレイズ 2014-04-08 (火) 22:21:17

      • ドコまで本気なのか、ドコまでも本気なのか イツまでそうなのか。
        イマはわからないけど、きっとウソでは無いのだろう。

        そういう人間が居て、妙なことに 少し安堵していた
        鼻を息が抜けるのを感じて、必要以上の警戒をするのはやめにした。

      • こうやって、カフェで話しをするのは何度目だろうか
        小奇麗なカフェだっていうのに、楽しい話ばかりでないのが 悲しいが

        『…オレも二度ほど相対したよ、片方は、不完全だったけど… オレも恐怖に飲まれた』
        『あの厄介な能力以外にも、アイツにはまだ何かあるっていうのかよ』

        怖気ずくわけも無く、喰らいつくように会話を続ける
        愉快犯だと聞いて、胸糞が悪くなるのを感じたが そんなことよりも…
        もう、アドニスみたいに誰かを悲しませるのは 沢山だった

        『教えてくれ、ブレイズさん。』 -- 史楼 2014-04-08 (火) 22:56:41
      • 『ヤツと戦ったアーチャーが、サーフさんが命を懸けて伝えてくれた』
        『ヤツの切り札は致死、殺害したとしても蘇ることができること』
        『彼は確かに殺害したはずだというのに、アサシンの気配遮断もあって完全に不意打ちの致命傷を受け……』

        でなければ、あの人が倒れるはずはないのだ。あの英霊が、英雄が……悲しい救いを求めつつも
        感傷とし後悔することしかできなかった人が。そう思うとまた一つ、咳がこぼれる

        『だが無限に復活することはありえない。おそらく宝具の力、マスターがねん出できる力にも限りがある』
        『倒したと思っても、気配遮断の力を見越して意識し警戒すれば勝機はある』
        『君らと俺達どちらでも構わない。ヤツを倒せるならばそれこそ安心してアドニスを見送れる』

        そう告げてコーヒーを喉に流す。どうも喉の調子がおかしいがあまり関係はない
        今は確かに闘争心を秘める少年に伝えなければならない。あの血肉を啜る怪物の真の恐怖という力を
        ヤツに関する持てる全ての情報を、加えて心を強く持つことを伝えて

        『こんな物騒な話、こういう場所でするしかないのは残念なんだがな』
        『今度は別の話をしよう。俺もまだ話したいことがある』

        会計は心配するな、年長者だとばかりに伝票持って店員を呼ぶ
        時間は惜しい。今この間にもヤツの手によって命が奪われているかもしれない
        伝えることは伝えたとばかりに自分の連絡先をテーブルに置いて差し出して…… -- ブレイズ 2014-04-08 (火) 23:12:41

      • 時折咳ををこぼすブレイズを、内心少し案ずるが 恐らく、今はそんなことを話している余裕など無いのだろう
        彼は、淡々と語ると それだけで オレに何を求めるわけでもなく、立ち去ろうとする

        『…じゃあブレイズさん、オレたちがハイエナを倒せたら』
        『いや… 倒したら』
        『またその時は、別の話しをしましょう。』

        言葉遣いが改まる自分に、少し気恥ずかしさを感じて
        咳払いをして、改めて。

        『今日はありがとう。』

        オレやアドニス、そして多くの人の為に動いてくれたこの人へ、微笑んだ。 -- 史楼 2014-04-08 (火) 23:55:45

      • 『あぁ、またな史楼君』

        そう微笑みで返して、踵を返して雑踏へ消えていく
        アドニスのこともある。だがそれ以上に……少ない時間、短く話した彼は
        確かに優しい少年だと思った。きっと辛いことも抱えているに違いない。
        それでも、いやだからこそ伝えなければいけない。この戦いが間違っていることも……
        君の願いは本当に聖杯で叶えるものなのか、と。

        咳をまた一つ、こぼして…… -- ブレイズ 2014-04-09 (水) 00:00:50
  • 『ねぇ、ちょっと話そうか。』
    • 怪物書き
      • 遭遇は、余りにも突然で、余りにも偶然だった。
        どちらかが、誰かが意図したものではない。

        昼下がりの街中。
        男は突然目の前に現れ、とっさに視線が胸元に行ったのに気づいたのか、満面の笑みで訪ねてくる。

        『気になるかい? この令呪』

        まるで機先を制すように、わざと専門用語を交えて言葉を投げてきた。 -- リジェン 2014-04-08 (火) 21:05:38

      • 初対面の、それも怪しげな格好の男に 心底嬉しそうな笑みを浮かべられて、話しかけれた場合
        オレはいったい、どうすればいいのだろうか?

        …それも ソイツが"サーヴァントのマスター"だった場合の正しい対処法は、どういうものなんだろう
        何処かの、大層な過去を持つ、爺さんにでも 機会があれば、教えて欲しいもんだ。

        『そっちこそ、オレの手が気になるのか?』

        応じて、おそらく目に留まったであろう 隠しもしていない令呪がある右手をポケットへ入れる
        会話をするには、失礼な格好だな とこの状況にしては、安穏なことを考えて。 -- 史楼 2014-04-08 (火) 21:19:08

      • 『そりゃ気になるさ。そんな風にウィットに富んだ返答をしてくれる相手なら尚更さ』

        男は喜色満面で肯定の言葉を返した。両手を広げ、おどけたような動作をする。

        『ああ、君は手なんだね。いやー、同じマスターだっていうことを確認出来て良かった』
        『それに、まだこの街に知らないマスターが居るとは思わなかったよ。』
        『君はあれかな、ブレイズ君かな? だったら俺幸運に感謝するんだけど、ずっと会いたかったマスターだからさ』

        肩を竦めて男はそんなことを尋ねてきた。 -- リジェン 2014-04-08 (火) 21:24:49

      • 『ずいぶん顔が広いみてーだけど、間違ってんぞ、誰だよそれ』
        『間違ってるっつうか、その言い方だとオレがはずれみたいじゃねーか』

        にやけ面の道化師のような男の、あてずっぽうな言葉に溜息する。

        『あんたこそ誰だよ、オレは会いたかったヤツなんていねーけど』
        『マスターと会ったことない、サーヴァントの知り合いは一人くらいしか居ないんだけど』
        『あれか?もしかして爺さんのマスターかアンタ』

        マジで誰だよお前。 -- 史楼 2014-04-08 (火) 21:45:45

      • 真っ直ぐな物言いと、爺さんという言葉に気付く。
        つまり彼はキャスターと面識がある相手である。そして青少年であるという情報から、名前を導き出す。
        ――表情は変わらず、紅い瞳が昏い輝きを増し、人の心を覗きこむようなそれに変わる。

        『そうだよ? ……って、キャスター、あいつ俺を紹介するって気の利かせ方もできないのかよ』
        『まあ、でもじゃあお互い知り合いの知り合いってことで話は早いかもね。初めまして、キャスターのマスターです』
        『名前はリジェンだよ、史楼君。……キャスターの印象通りの相手だな、おい』

        少しだけ俯いて笑い、楽しそうに相手を眺める。

        『もしかしてだけどさ、君もどこかのサーヴァントみたいに、戦わずに聖杯を手に入れられたら、とか思ってたりする?』
        『出来るだけ、誰かを傷つけずに願いを叶えられたら最善だ、みたいな感じでさ』

        ――と。
        いきなりする質問にしては、かなり突っ込んだ内容の質問を不意打ちのように投げてくる。 -- リジェン 2014-04-08 (火) 22:00:46

      • いやな予感は当たるもんだ、と内心気分が悪くなる
        あの胡散臭い爺さんと、この胡散臭いリジェンとかいう男の印象は…
        似た様に感じるし、二人がマスターとサーヴァントという関係だというのも気持ちが悪かった

        ただ、わかったことがある。
        人を値踏みしたような目と、人を見透かしたような目は、そっくりだ ってこと。

        『どこのサーヴァントか知らないけど、そいつとは友達になれそうだな。』
        『アンタが何を言いたいのかわかんねえけど、"誰かを傷つけずに叶えられたら最善だ"?』

        こいつがオレに何を言わせようとしてるのかはわからないが。

        『当たり前のこと聞いてんじゃねーよ』   ――と思ったし、そう答えた。 -- 史楼 2014-04-08 (火) 22:28:02

      • その言葉を聞き、男の表情は変わらなかった。ただまっすぐに史楼を見つめ、指先から頭の先までを眺め、観測する。
        その言葉の真意を、元々キャスターより得ていた情報と照らしあわせて、勝算が八割を超えたので、賭けに出る。
        賭けは好きだった。負ける可能性が多ければ多いほど、楽しかった。だからその時も、静かにそのコインはテーブルへと置かれる。

        『ああ、凄いなそれは』
        『それを、当たり前のことって言える君は、素直に凄いと思えるよ』
        『出会って間もないけれど、ただその返答だけで君が尊敬に値する人間だってことが分かる』

        一通り言葉を並べてから、表情を少しだけ緩めて、男は肩を竦めた。

        『史楼君』
        『多分だけどさ――君の願いは叶わないよ』
        『いや……違うか。この際はっきり言うとね、絶対に叶うことはないと思うよ。どんなに叶えたい願いでも、どんなに尊い願いでもさ』

        その言葉は、どうしようもない子供を見るような目と、それを窘める語調で以って、史楼に差し出された。 -- リジェン 2014-04-08 (火) 22:40:05

      • 『お前が何を言ってるのか、さっぱりわかんねーよ』

        『叶わないから、願うんだろーが…』『叶えたいから、願うんだろーが!』

        『わかってんだよ全部』『誰かを踏みにじるのがこの戦争で、嫌でもそれが起こる』
        『でもオレはそんなのは…御免だ』『そのためオレは足掻くし、格好悪くても我侭をする』

        『叶わないからって、それがどうした!!』 -- 史楼 2014-04-08 (火) 23:19:44

      • 目の前の男が気に食わない。
        見透かしたような目でオレを見ておいて、その実何もわからないかのように問いかけて オレに言葉を綴らせる

        『アンタなんだ?そういう風にオレを煽って、何がしたいんだ』
        『もう一度だけ言うからな』

        『当たり前のこと聞いてんじゃねーよ』 -- 史楼 2014-04-08 (火) 23:20:02

      • 成る程。
        内心で一人納得し、顎に手をやる。
        偽物か本物か、見極めるための問いかけだったが、成る程、あらゆる意味で本物らしい。

        『当たり前のことにすら答えられない奴もいるって話さ』
        『いいんじゃない、答えられたんだから。殊更に声を荒げる必要もないと思うよ』
        『これから先さ、もし君の理想とかち合う理想を持った人間が君と相対した時に』
        『せめてその相手が納得出来るような何かを持っていて欲しいって思う、俺の我儘さ』

        史楼を上目遣いに見て両手を広げる。

        『じゃあさ、退屈しないように当たり前じゃないことを聞こうか』
        『もし俺がさ、誰かの願いを踏みにじることそのものが願いだったとしたら』
        『君はどうするんだい? 俺の破壊の願いと、他の人の願いを守ること天秤に掛けるかい?』
        『……それを、君が、君の手で選ぶわけかな』 -- リジェン 2014-04-08 (火) 23:40:46

      • 煽っておきながら、言葉を荒げる必要も無いと言うコイツは心底嫌なヤツだなと思う
        殴りつけておきながらそんなつもりは無かったと、溜息がまた零れる
        わかった、冷静になろう ここまで付き合ったんだ 答えてやる。
        それにしてもまた天秤か… はやってんのかな。

        『オレはそんな重さの決まってないものを天秤になんか乗せない』
        『あんたが踏みにじろうとするならオレは守ろうとする、ゆるせねーからな』
        『でも、アンタが何かに悩んで、その末の答えだっていうんだったら』
        『最ッッ高〜〜〜に嫌なヤツだと思うけど』

        『リジェン、お前にだってオレは手を貸してやりたい』


        『で、アンタ何か困ってんの?ただの例え話か?』 -- 史楼 2014-04-09 (水) 00:17:05

      • 『ふ、ハハハハハ!! ああ、成る程』
        『……そう来るか。冷蔵庫の中に象を入れる方法みたいだ』&r;
        まさか、矛盾を矛盾のまま。撞着を撞着のまま飲み込むとは。
        そういう回答をする人間とは思っていなかっただけに。
        その回答はあらゆる意味で創作家にとって面白すぎた。

        『……だけどさ、それってまだ半分だよ』
        『君の言う通り、今のところは例え話に例え話で返したに過ぎない』
        『君がそういう理想の守り方をしていてなお、願いを胸に生きていけるか、少しだけ見させてもらうよ』

        『少しばかりな。生で食すには……君には刺激が強いかもしれないぞ、「うちのサーヴァント」はさ』
        『いずれ分かるかもね』

        男は笑う。
        まるであざ笑うかのように。

        『これから先、君が受ける衝撃を、遠い地で思い耽っているよ』
        『――じゃあね、史楼君。……良い聖杯戦争を。それが俺の願いだよ』

        呟き、男は無防備な背中を晒して去っていった。 -- リジェン 2014-04-09 (水) 01:03:33

      • オレを皮肉ったような後ろ姿に 罵倒の、いや蹴りの一つでも浴びせてやろうかと思ったが
        まさに時間の無駄、労力の無駄だろう。
        こいつはオレが何をやってもきっとバカにしたような顔をして、またの意味のわからないことを
        好き勝手言い散らしたりするのだろう。

        それでも、聞き捨てるには不穏な言葉を一つ反芻することになっているのは
        セイバー… アリィの忠告と重なって、消化不良にを起こしているからだ

        生食向けではないというなら、確かにその通りなのかもしれない。

        『はぁ… ったくほんと こういうの喰えない奴らつーのか?』


        『笑えねぇー』 -- 史楼 2014-04-09 (水) 19:48:04

      • オレを皮肉ったような後ろ姿に 罵倒の、いや蹴りの一つでも浴びせてやろうかと思ったが
        まさに時間の無駄、労力の無駄だろう。
        こいつはオレが何をやってもきっとバカにしたような顔をして、またの意味のわからないことを
        好き勝手言い散らしたりするのだろう。

        それでも、聞き捨てるには不穏な言葉を一つ反芻することになっているのは
        セイバー… アリィの忠告と重なって、消化不良にを起こしているからだ

        生食向けではないというなら、確かにその通りなのかもしれない。

        『はぁ… ったくほんと こういうの喰えない奴らつーのか?』


        『笑えねぇー』 -- 史楼 2014-04-09 (水) 19:48:04
  •   -- 2014-04-08 (火) 19:44:36
  •   -- 2014-04-08 (火) 19:44:33
  • (魔術師のローブを着たまま史楼を訪ねる)
    よぉ、史楼。オレさ……この街を離れることにしたんだ。聖杯戦争に参加する資格を失ったんだ。
    未練がましく……この街にいても、仕方ないしな……(視線を下げて) -- アドニス 2014-04-06 (日) 21:10:03
    • 相変わらず、小さなの姿なままで アドニスを迎える
      本来なら、オレたちの視線が合うはずなのだが、行違っていて。

      『…そうか、寂しくなるな。本音を言うと、行って欲しくねーけど…』
      『街を出ても、また会えるんだよな?』

      それならば、と調子で 尋ねる。 -- 史楼 2014-04-06 (日) 21:18:53
      • お前が死ななきゃまた会える。西隣の街だからすぐだ。(ポケットから紙を取り出して)
        これ、オレの実家の住所。気が向いたら手紙くれよ。仕方ねーからオレも書いてやる。
        ………。(視線を上げて史楼を真っ直ぐ見て)あんまり同情するなよな、史楼。ダチに同情されると辛いんだよ。 -- アドニス 2014-04-06 (日) 21:22:57

      • 『わりぃ、こういうの初めてだからさ、そうだよな… よしっ』

        パチンと
        オレは自分の両頬を自分ではたくと 涙目になりながら、笑って。

        『お前が言うとおり、オレが死なないかぎり今生の別れってわけじゃねーんだ、それなら笑ってないとな!』

        紙を受け取って、すぐにポケットに隠してしまう
        今目を通すと、別れを自覚して 悲しくなってしまいそうだから。 -- 史楼 2014-04-06 (日) 21:29:23
      • ああ……(自分も笑顔を見せると両手を広げて)今のお前はすぐ殺されそうで危なっかしいんだよ。
        小さいし、涙もろいし。だから……さっさと元に戻って、聖杯戦争を勝ち抜け。
        ……なぁ、史楼。オレはマユルを失ったが、マユルの心までは失っていない。
        だが……ブレイズさんが言ってくれた言葉が、頭から離れないんだ…
        マユルだったら、今のオレになんて言うだろう。その最後のピースがどうにも見つからない。 -- アドニス 2014-04-06 (日) 21:33:03
      • 『マユルさんだったら、か…』

        言葉を捜して、視線が空を見る

        『マスターなら大丈夫でござるよ〜』

        『いや、違うか…?ああ悪いふざけてるわけじゃねーんだぜ!?』
        茶化したわけではないのだが、そう聞こえていたらと思うと冷や汗がダラダラと流れて、慌てる。

        『難しいなぁ、それこそマユルさんは、お前のねーちゃんとかかーさんとかさ』
        『オレにはそういう風に見えたから、オレには中々、想像が難しくてさ』
        困り果てて、頬をかいた。 -- 史楼 2014-04-06 (日) 22:08:26
      • ああ、マユルだったら、だ………(同じく空を見る)
        (憂鬱な青空がどこまでも広がっている)

        (マユルの声真似をした史楼に一瞬耳を疑う)
        おいお前……バカなのか?(頭痛がして顔を手で覆う。彼は真面目にやっている、それはわかるのだけれど)

        ………っ(史楼の言葉に顔を覆っていた手を下ろしてハッとする)
        あいつ……オレの姉か母代わりになろうとしていたのか…? でも、どうしてそんなこと…
        オレはあいつにロクな言葉かけてこなかったぞ。労ったこともない。それなのに… -- アドニス 2014-04-06 (日) 22:18:33
      • 『…少なくともオレにはそう思うけどな』
        『マユルさんはいつもお前を見てたし、心配してたし』
        『お前を見て、笑ってた。』
        『それにちょっと、うらやましかったしな。』

        最後の一言を、セイバーに聞かれると また膨れ面にでもなりそうだな、と思いつつ -- 史楼 2014-04-06 (日) 22:58:36
      • ……そうか…あいつ、ヘボ忍者のくせに……
        オレが一番欲しがってたもの、見抜いてたんだな…………
        ……うっ(目頭を押さえて)…あんまり泣いてるとさ。(涙が滲んだ目で笑って)マユルに怒られそうだ。
        じゃあな、史楼。オレの一番最初の友達。聖杯戦争の結果がどうなろうと、絶対に死ぬなよ。
        (背を向けて)ありがとう。いつかどこかで。(そう言い残すと立ち去って) -- アドニス 2014-04-06 (日) 23:29:32

      • アドニスを見送っていると不意に後ろから声をかけられた

        『……いい友達ができたのう?』

        『このつながりはまだ小さいつながりかもしれぬ』
        『じゃがな。』
        『小さくともぬしを支える大切な絆の一つじゃ』

        撫でられる、頭を無造作に、それでいて優しく撫でられる。母親が子供を褒める時のように撫でてくる。

        『そのへんも、分かって来ているようであれば』
        『もしかしたらおぬしも一人前かもしれぬな。』 -- セイバー 2014-04-07 (月) 20:23:52

      • 答えるように頷いて、アドニス見送る
        さっきは、冗談みたいに それもマユルさんを借りて言っちまったけど
        アドニスは、もう きっと大丈夫だから。
        -- 2014-04-07 (月) 21:41:02

      • 名残を惜しんでいると不意に撫でられた。
        すっかりと、話し込んでいるうちに 違和感を忘れていたが
        オレはそういえば縮んでいて、頭はセイバーより低い位置にあるのだった。

        『…今 身体は半人前だってことを思い出したけどな』 -- 史楼 2014-04-07 (月) 21:41:23
      • 『わしは好きじゃぞ』

        『そのちんまい格好も』

        ひし、と抱き上げられた。
        抱っこが許されるのは小学生までよねーってよく言うけど、自分、今、小学生くらいですやん。

        『なぁに、照れるでないわ。』
        『こういうのは大人になったらしてもらえなくなっちゃうからのう。期間限定の大サービスじゃぞ?』

        セイバーの香りで包まれているかのような。ようなっていうか包まれているんだけど。
        さらに撫でられる。

        『よしよし。今日はこのまま家まで連れ帰ってやろう。いいこ、いいこ。』 -- セイバー 2014-04-07 (月) 22:31:22

      • 『やっやめろセイバー!確かに今はチビだけど子供じゃねーんだから!!』
        『ぐわー!いい子も悪い子もあるかっ 』

        恥ずかしさにジタバタと暴れて、顔を赤くするが
        がっちりとホールドされて開放されないのを悟ると
        諦めて抱き上げられるオレ(18歳) 無理矢理可愛がられる動物のような顔
        アドニス、オレ今死にそうになってる。

        『うう… もう帰ったらありったけ食べてすぐに戻るからな…』 -- 史楼 2014-04-07 (月) 22:49:09
  •   -- 2014-04-04 (金) 10:55:45
  •   -- 2014-04-04 (金) 10:55:42
  • 嫌になる程もっと傍にいて。
    • 遠くの君へ
      • (汚れた魔術師のローブを脱いで、普段着のままその場に座り込む)
        (マユルを失ったショックから、少年は軽い放心状態にあった) -- アドニス 2014-04-04 (金) 03:25:15

      • 『…おい、アドニス 大丈夫か、ケガはねーか』
        正直、茫然自失状態のアドニスに こんな風に声はかけたくはなかったが
        かける言葉が 見つからず、そう聞いてしまった

        そう声を掛けてほしい本当の相手は、もう… -- 史楼 2014-04-04 (金) 03:34:32
      • ああ……大丈夫だ、怪我はない。(意外にもすんなりと言葉を返す)
        ………無様にも、生き残ってしまったけどな…(自分の両手を見る)
        (敵の圧倒的恐怖に屈し、震えていることしかできなかった)
        (守りたい相手は、自分を守ろうとして死んでしまった)
        (大切な人を失った世界にはどんな色の花が咲くのだろう?)
        悪いな、助けてもらって。あのままだったらオレ、殺されてたな。
        (思ってもいない言葉が口から溢れる)命だけは拾えたよ。感謝する。(本当は彼女と一緒に死ぬべきだった) -- アドニス 2014-04-04 (金) 03:41:25

      • いつもなら余計なお世話だとか、煩い子供扱いするな、だとかそういう風に返すアドニスが、空っぽの言葉を返す
        その姿が痛ましすぎて、やり場の無い怒りと悲しみに強く拳を握るしかなかった。

        『オレはお前を助けられて、良かった… だから無様だなんて言わないでくれよ…』

        もう少し早くオレがついていれば… そう言いかけて、壁を叩く。
        -- 史楼 2014-04-04 (金) 03:52:49
      • ああ………そうだな…(行き場のない感情が口を滑らせ続ける)でも生きてて良かっ
        (見ていた両手をひっくり返すと、右手に一画だけ残った令呪がある)
        ………何も…(涙が溢れた)何も良くねぇ!! オレは恐怖に負けた! あのサーヴァントに屈したんだ!!
        そのせいでマユルは死んだ!!(堰を切ったように流れ続ける涙)オレは負け犬だ……マユル…すまない、許してくれ…… -- アドニス 2014-04-04 (金) 03:58:36

      • 『お前のせいじゃねえよ!例えな… マユルさんがお前を守って死んだとしても、それはお前のせいじゃねえ!』
        『そうじゃねーと… お前が、お前が助から無いじゃんか…』
        感情だけの、穴だらけの言葉しか出てこない自分が情けなくて、仕方が無かった
        目の前で、掛け替えの無いパートナーを失って、悲しむ少年に、生を悔やむ少年に オレは… 何もしてやれないのか。

        『うっ…く…!!』 情けない自分に打ちひしがれると同時に、身体から力が抜け 膝を突く
        急激な力の行使で熱量失調が起こり、身体が縮んでいく
        皮肉にも、目の前の少年と同じ程の背丈に -- 史楼 2014-04-04 (金) 04:17:40
      • でもマユルはもういないんだぞ!! オレは、あいつに救われていたんだ…温もりを教えてもらった……
        それなのにオレはあいつを何一つ省みなかった! その結果がこれだ…!! あいつがいない世界であと何度同じ朝を迎えればいいんだ!!
        (両目を手で押さえると、熱かった。自分にこんな涙が流れていたのかと驚くほどだった)
        (涙の熱とは裏腹に、心はどんどん冷えていった)

        ……史楼…?(顔を上げると史楼が同じ背丈に縮んでいた)あ、ああ……オレを助けるために、なんらかの力を使ったのか…
        悪い。オレ、自分のことしか考えられてねぇ。泣いて喚き散らして、お前に当たっても何も解決しない。
        頭ではわかってるんだ……オレ、お前に迷惑をかけているな… -- アドニス 2014-04-04 (金) 04:24:06
      • 『迷惑なんかじゃねーよ… 言ったろ。オレはお前を助けられて、良かった、って』
        縮んだ身体をよろよろと起こす、心なしか声も幼く。

        『お前が失ったもんは大きいし、それを…慰める言葉なんて持ってない…』
        『でもな… 少なくとも今のお前のそばには、オレが居るよ。』
        『マユルさんの何分の一にも満たなくても、オレが居るよ…!』
        『それだけで足りないなら、エオだって… うちのセイバーだってさ…!』
        『お前は一人じゃねえんだ…!だから、だから……っ』

        アドニスの手を取って、すがる様に言葉を紡ぐ
        その上には、熱い涙が零れて。 -- 史楼 2014-04-04 (金) 04:42:07
      • 史楼……(史楼の言葉に、表情が変わる)
        うっ……うっ…うああああああぁぁぁ!!(少年は史楼の手を取り、泣き続けた)
        (それからしばらくして)
        ……ああ、ありがとう史楼。いや、違うな…(口元を歪めて笑う)お前にしちゃ上出来だ。
        死んでしまったマユルに、オレは何ができるのかはわからない。ただ、答えを探そうと思う。
        ……また来る。その時にまた話を聞かせてくれ。(泣き腫らした目で少年は立ち上がり)
        (魔術師のローブを丸めて小脇に挟むと、そのまま帰っていった)
        (誰も待っていない自分の魔術工房へ) -- アドニス 2014-04-04 (金) 04:49:11
      • 少しだけいつもの調子を取り戻した、少年に
        またじわりと瞳を濡らして。どうも この縮んだ身体は涙もろいようだ。

        『ああ… ああ!いくらでも話そうぜ オレは… あの家に居るからさ。』

        確かに、自分の足で歩き出したアドニスを見送ると
        自分も ぶかぶかの服を引きずって、何処か安堵した表情で帰っていった -- 史楼 2014-04-04 (金) 05:08:14



      •                               遠くの君へ――END
  • 賑やかな街から少し離れた場所。帰り道。 -- 2014-04-03 (木) 20:51:18
    • おしゃべりジャスミン
      • 賑やかな街から少し離れた場所。帰り道。

        史楼が一人でたまたま出かけた日。
        いつも人気の無い道に通りかかると、買い物袋を抱えたキャスターが史楼に声をかける。
        赤い鮮やかな色の髪をした小柄な少女は人懐っこい笑顔を見せて

        『こんにちは!史楼さん!町にお買い物の帰りです?
         ちょっとお話がしたいと思って探してたんですよーあそこのカフェでお茶でもどうですー?』

        とひとりできゃっきゃとまくしたてて、女性が好きそうなお洒落なオープンカフェを指差す。

        『できたばっかりなんですって!おごりますようー!いいでしょう?ねっ ねっ?』
        長い袖をパタパタさせて、子供みたいにねだる。 -- キャスター 2014-04-03 (木) 20:53:10

      • 『ああ、こんにちはアルヴィンさんとこのキャスターさん…ってややこしいな…』
        『えっお茶っすか、いやそんなこの間も出してもらったりしたのに毎回おごってもらうわけには…!』

        そんな風にやり取りをして おごりというワードにお断りしようとしたのだが
        オレが全てに反応する前に、いつの間にかオープンカフェで相席することになっていた。

        …あれ?

        『んん… おかしいな、じゃあミルフィーユと紅茶 え?種類? じゃ、じゃあアールグレイで。』

        まぁいいか。 -- 史楼 2014-04-03 (木) 21:14:24
      • 人気のあまり無い道だというのにカフェの中はそれなりに人がいた。
        楽しげなおしゃべりのざわめきと、ほんのりと甘い花の香り。
        天井の明かりに吊るされた水晶のような飾りからはピアノの音楽も流れていて、外でもかすかに聞こえる。
        二人が座っている外のテーブルにはキラキラと木漏れ日が落ちていた。ゆれるたびに眩暈のするような……。

        注文したかと思ったら、もうテーブルにその品物は置いてあった。
        向かい側に座っているキャスターはもうチーズケーキを半分食べていた。膝の上の大きな買い物袋が邪魔そう。

        『さっきの呼び名の話、キリルでいいのです。あたしの名前なのです。
         セイバーさんにも教えてくださっていいのです。あ、でも他の人には教えたら駄目ですよ?
         ……大事な願い事聞かせてもらったのに、あたしは教えられなかったから、かわりです』

        さらりと真名を口にして(本当かどうかはわからないけど)ケーキの残りを食べてしまった。

        『ほら、こないだカレー食べようってマスターにお誘いしてくれたのに、断ってしまったでしょう?
         それでマスターがお酒なら一緒にって付け加えてたけど……史楼さんお酒まだ得意じゃなさそうだったから
         このまま二人疎遠になっちゃったら悲しいなって思って……そこで、お酒をすぐ分解してくれるお薬を作ってみたのです』

        ことん、と緑の液体の入った小さなガラス瓶が真ん中に置かれた。ふたくちくらいで飲み干せるような小さなもの。 -- キャスター 2014-04-03 (木) 21:36:06

      • お店の雰囲気に一瞬たじろぎながらも
        普段から似たようなお店でドーナツを食べたりしているので
        客層が違うだけだな、と勝手に納得して 届けられたミルフィーユをフォークで分ける

        『キリルさん…か、いや当然他の人には言わないっすよ』
        頭の中でどっかの爺さんを思い浮かべる、特にコイツには言っちゃダメだなぁ。

        『まぁ…それに願いは、秘めておいた方がそれっぽいかもしれないし』
        我ながら苦しいお茶の濁し方だなあ、と思いつつも
        そちらに言及されるよりも先に、小瓶で机に現れた。

        『薬?』

        『何かすみませんね、気をつかわせちゃったみたいで…』

        ひょい、とガラス瓶をつまんで眺めてみる。うーん 雰囲気あるな何か…
        -- 史楼 2014-04-03 (木) 22:06:35

      • こちらを気遣うような言葉にくすっと笑う。

        『お酒飲むちょっと前か飲んだあとにどうぞなのです。心配だったらマスターに毒見させてもいいですよ?』

        そう付け加えるとずっと楽しそうにしていた顔が、少しだけ俯いて

        『……史楼さんはいい人ですね。お人よしという奴です。敵になるあたしにそんな風に気を使ってくれて』

        木漏れ日と同じ金色の瞳が不自然なほど少年を惹き付ける。動けなくなっていることに気づかないほどに。

        『……こんな風にサーヴァントにほいほいついてきちゃって、駄目ですよ』

        音楽が、ざわめきが、いつの間にか止んでいた。
        食べていたはずのミルフィーユのお皿も消えてしまっている。
        沢山いたはずの人間も、ひとりもいなくなっていた。

        『あたしのマスター、お二人とお話してる時に笑ったの。本当にほんの少しだけだけど……あんなマスター初めて見たのです』
         だから、もっとマスターと仲良くして欲しいなって思ったの。あたしも、優しい貴方達が大好きになった。
         ……でも、同時にね
         二人を手にかけることになったら、ううん、貴方を手にかけることになったら、マスターは
         貴方の命を背負う事になったら……とても大きな傷を抱えることになる。きっと、また笑えなくなるくらいに。
         そう思ったの。

         だから』

        少女は微笑みながら買い物袋に手を入れる。

        『だから……あたしが先に貴方を手にかけてしまおうと思うんです』

        身を乗り出して、装飾の施された銀のナイフを振りかぶる……。 -- キャスター 2014-04-03 (木) 22:30:34

      • 『…っ!!』

        自分が、何かに縛られているような そんな錯覚を覚えたのは、ナイフが振りかぶられてからだった。
        冷や汗が滲むより早く、熱量を魔力に変換し そのまま暗示を吹き飛ばすかのように
        全身から突風のように魔力を放出して、自由を取り戻す
        オレは袖から、苦無にも似た礼装短剣を滑らせて、ナイフを受け流した

        『キリルさん… オレこういう冗談は嫌いだぜ…!』

        回避は間に合った… とは言い切れず、腕を掠めたようで 血を少し落として。

        『…こんなことって、無いだろ!』
        『あんたアルヴィンさんが"こんなことをさせてしまった"って… そんな風に思うとは考えないのかよ!?』

        『だから… 頼むから、そのナイフはしまってくれ…』
        『オレは、アンタと戦いたくねえ…』

        短剣を構えて、備えるが、何時か襲われた時と同じく 神経を行使して 出方を伺う。 -- 史楼 2014-04-03 (木) 22:56:01
      • 史楼の血を見ると、少女はぱっとナイフを引いた。傷つけてしまった事を後悔する様に。
        微笑んでいたはずの少女の瞳は涙が今にもあふれそうになる。

        苦しげにナイフを構え直す。でもその手は小さく震えていた。

        『戦ってください。
         見た目は子供のように見えたってあたしはサーヴァントなんですよ
         そんなんじゃマスターの手にかかる前に他の人に殺されてしまうのです…!!』

        殺そうとしたというのに少年の身を案じるような言葉。
        表情も作っていられなくなって、泣き出しそうな顔になっていた。

        『マスターはきっと、あたしが貴方を殺しても苦しむ……わかっているのです
         でも、二人が殺しあうような事になるよりはずっといいです。最後に見たのが笑顔のほうが、ずっと……』

        ………ナイフが床に落ちる。
        電球の下に飾ってあった水晶が弾ける音がした。
        カフェの景色にノイズのようなものがはしり、少年の足元から古いペンキのようにはがれて実際の風景に戻っていく……
        ……そこはただの廃屋だった。さっきまで座っていた椅子もテーブルも、古くて今にも朽ちそうな物に変わっていた。

        あとには自分の顔を両手で覆って泣く少女がひとり、肩を震わせているだけ。

        『……なんで、なんでそんないいひとなんです!!!
         戦いたくなくても戦わなくちゃいけないのです…遅かれ早かれこうなるのです……!!
         仲良くなったらどんどんマスターの傷が深くなるのに、マスターの笑顔が見たくて、もっと貴方と仲良くして欲しいと思ってしまう
         ……もっと、悪い子でいてください……』

        ころんと小さな音を立てて、薬ビンが少年の方へ転がる。これだけは幻術ではなかった。 -- キャスター 2014-04-03 (木) 23:34:45

      • 魔術を行使をやめたのか、世界が朽ちていく
        その世界の真ん中で、一人の少女が泣いていた

        『オレは良い子なんかじゃないですよ… ただ、アルヴィンさんが言うように、我侭なだけでさ…』
        『遅かれ早かれオレ達が戦うことになるのは、確かに避けられないと思うよ…』
        『だからってアンタが泣く必要なんて無いじゃないか…!』

        『アルヴィンさんは… 傷つくのを恐れて、そんな風にあんたを泣かせるようなマスターじゃないだろ…!』

        オレは転がってきた、薬瓶を拾い上げて

        『俺たちは確かに、戦争をしてるけど』
        『ぎりぎりまで笑っていようぜ。』
        『明日突然、戦うことになったとしても』
        『あの日が笑顔が最後だなんて、勿体無いじゃん。』

        『これ、ありがとうな。』

        礼を言って、笑顔を見せた。 -- 史楼 2014-04-04 (金) 00:32:03
      • 『マスターは、優しいのです』

        泣きじゃくりながら少女は言う。

        『あたし、記憶が無いんです。サーヴァントになった時のことが思い出せなくて……スキルもろくに使えなくて。願いだって思い出せない。
         マスターはそんなあたしでもそばにおいてくれるんです…戦いたくないなら、戦わなくてもいいとまで言ってくれるようになった。
         そんなマスターのためなら何でもしたいの。あの人のためなら、なんだってできる』

        顔を上げると、滲んだ視界の先に少年の笑顔が見えた。
        こんな甘い事を言う子供なのに、罠に嵌めた敵の渡したものに、ありがとうと言うなんて。

        『……史楼さんは、わがままです。ずるいです。だめなこです』

        ぷっと吹き出して、涙の残る瞳で笑う。

        『……あーあ。殺せなくなっちゃった…
         今日のために貴方が歩く場所を調べて、ひとりになるのをずっと待って、ここだってセイバーさんが気づかないようにって何重も結界張って
         マスターにもばれないように頑張ったのに。史楼さんがそんなお人よしのわがままっこなせいですよ!!』

        よくわからない理屈をまくし立てて、大きくため息をつく。

        『わがままな史楼さんに、わがままなお願いをしてもいいですか』

        『マスターと、仲良くしてあげてください。お酒、きっと楽しみにしてるから』

        『そして……もし、戦わなくちゃいけなくなって、避けられなくて…貴方が、マスターの手にかかるかも知れない時
         ………笑っていてあげてください。
         苦しむような、裏切られたような顔は見せないで』

        酷く自分勝手で、酷い「お願い」を口にして頭を下げる。
        そして少年が瞬きをする間、一瞬で少女は消えていた。

        『……傷つけてごめんなさい』

        廃屋に、小さな言葉を響かせて。 -- キャスター 2014-04-04 (金) 00:54:00

      • 我侭な俺に、我侭と ごめんなさい。という言葉だけを残して少女は消える
        くたびれた廃屋に、一人残されて オレは誰も聞いていない返事をする。

        『ああ、難しい注文を残していったなぁキエルさんは、死ぬときその時に笑えだなんてさ』
        言いながら今、笑ってしまって。

        『まぁ、オレってバカだから きっとその我侭にも答えちゃうだろうけどさ。』
        『できれば、そんな未来はこないように 願うよ。その逆もな…』

        言い終わると、自分の血で汚してしまった廃屋に、少し申し訳ない気持ちになりながらも、家へ帰っていった。

        まぁ、このあと家に着いたら 怪我したのがバレて。
        転んだ〜っつっても信じてくれないセイバーをなだめるのが、何より一番苦労したんだけどな… -- 史楼 2014-04-04 (金) 05:18:34



      •                               おしゃべりジャスミン――END
  • いいかげんなお話
    • JIVE&ジャイブ
      • 周囲に漫画や食べかけのお菓子、コーラなどを放置しながら
        セイバーが居間でクッションを枕にお昼寝している

        この姿こそが悠々自適なサーヴァント生活の実態である -- セイバー 2014-04-02 (水) 21:23:42

      • そんなサーヴァントに、出会ったばかりは気を使い、機嫌を伺っていたオレだったが
        "最近はそんなことはしても無駄"ということに気がつき、それなりの対応を行っている。

        『よいしょ。』
        オレは掛け声と共に、昼ねしているサーヴァントの背中に座った。 -- 史楼 2014-04-02 (水) 21:28:15
      • 『むぶぇ』

        美少女がだしちゃいけない系のヤラレボイスが聞けてしまった
        人間座椅子と化したサーヴァントは特にそれに対して抵抗する素振りも見せずふと、顔だけあげた

        『ふぁ……やば。よだれが。史楼のカシミアのクッションが。よだれで。』

        人のクッション勝手に寝具に採用してよごしやがりました、こいつ。 -- セイバー 2014-04-02 (水) 22:19:52

      • 『おま…! お前なぁ…』

        口元がちょっとだらしな過ぎるんじゃないか、英霊のクセに。

        『ああ袖で拭こうとするな!!ティッシュあるから!!それとも拭いて欲しいのか!?オラオラ!』
        怒り半分で箱から取り出したティッシュを頬に押し付ける。 -- 史楼 2014-04-02 (水) 22:35:04
      • 『やめれ、やめれぇ……ねおきなんじゃぞぉ……ちょっと油断してたんじゃよぉ』

        ぐいぐいと押し付けられるティッシュで拭かれる口元

        『や、め。やめろぁ!むがぁー』

        ティッシュごと指を甘噛みする駄犬
        もごもごと口の中で指をくわえたままはなさない駄犬 -- セイバー 2014-04-02 (水) 22:46:58

      • 『油断もなにも関係あるか、オレの気に入りをよごしやがっ』
        『なぁっ…!?』
        想定外の抵抗に大困惑するオレ
        何やってんのこの駄サーヴァント…!!

        『やめろはこっちのセリフだっ… はなせ!!噛むな!!』

        本当子供かコイツは!? -- 史楼 2014-04-02 (水) 23:04:34
      • 『ふぁぁー・・・・・・。』
        適度に歯型をつけてから指を解放するとおもむろにスマホを取り出したサーヴァント
        カシャリ、と写真を撮る音。

        『寝てたらよだれでくっしょんよごれちゃったなう』

        送信されました。 -- セイバー 2014-04-02 (水) 23:16:32

      • 『…よいしょ。』
        オレはセイバーを持ち上げた。
        形だけみれば、ロマンチックなスタイルだが
        完全に、心は荷物を持ち上げるのと同じで、瞳は怒りに濁っている

        つかつかと、持ち上げたままに オレは移動する。
        ベットのある部屋に到着すると

        『おらぁっ!!』

        投げつけてやった。
        スプリングが悲鳴をあげる。 -- 史楼 2014-04-02 (水) 23:31:52
      • 『おわひゃ!?な、なんじゃ!なぜ持ち上げとるんじゃ!?』

        寝起きの衝動のみの行動だった頭が抱きかかえられることで急速に目覚めてきたらしく
        わたわたと手の中で慌てている

        『ひゃん!?』

        ベッドに叩きつけられるという乙女を扱うマナー講座では即アウトでタイキックなレベルの扱いを受けているというのに
        何故かドギマギしているというあたりが駄目な犬である血統書なのではないだろうか。

        『あ、あの……しろー?』

        いつにない雰囲気にいつもより小さく丸まってしまうセイバー。 -- セイバー 2014-04-02 (水) 23:38:58

      • 『寝るならベットで寝ろ!!』

        小さくなるセイバーへ一括する。

        『それとも、オレが死ぬほど恥ずかしかった仕返しをしてやろうか?』

        どかっと放り投げたセイバーの隣に座ると
        史楼の膝の上にセイバーの頭を乗せて、見下ろす どや顔。

        『あ。よだれはこぼすなよ。』 -- 史楼 2014-04-02 (水) 23:59:21
      • 『わしがよだれを零してしまう程に恥ずかしいことを・・・?』

        ぶるっと身震いしたように見えたがいつも通りの余裕のある笑みを浮かべ
        『はっ、たわけが!』
        『おぬしなぞに出来るわけないもん。』
        『やれるもんならやってみせい……!』

        布団にくるまって防御陣形を組む磐石のスタイル -- セイバー 2014-04-03 (木) 00:23:49

      • 今更ながら何か勘違いしてないか?
        布団に包まって、お饅頭みたいになって言われてもなぁ

        『はいはい… よくわかんねえけど。』
        セイバーの抵抗も気にしたようすも無く
        子供を寝かしつけるようにに、ポンポンと布団の上から叩いて
        この間の仕返し、というより。しょうがねえなあこいつは。といった感じで。 -- 史楼 2014-04-03 (木) 00:50:09
      • 軽く触っただけでひどく身構えていたのかびくりと体が動いたのがわかった
        だが、撫でられていくうちにそれも無くなった様子。こどもか。

        『……クッションも此処も、史楼のにおいでいっぱいじゃからな……』
        『仕方ないじゃろ……少し位気が抜けてしまっても……』

        何か、つぶやいた気がしたが、それ以上問い詰めても何も答えようとはしなかった。
        そのうち、丸まったまま。耳と尻尾だけ布団から出して、またも小さく寝息を立てているうちのサーヴァントがいた。
        写真に撮っておけば今日のわんこのコーナーに応募できるんじゃないのか、これは。 -- セイバー 2014-04-03 (木) 07:47:20

      • 『…ったく、これでめちゃくちゃ強いサーヴァントだっていうんだからなぁ』

        可笑しそうにして、こっそり携帯電話を取り出して写真を取っておく。
        その後、起こすのも悪いので、オレもどうにかこうにかそのままの体勢で眠ったのだった。 -- 史楼 2014-04-03 (木) 20:53:55



      •                               JIVE&ジャイブ――END
  •   -- 2014-04-02 (水) 20:01:30
  •   -- 2014-04-02 (水) 20:01:27
  • 冷や汗が乾けば もう一度踊ろう
    • マダカレークッテナイデショー

      • 黄金暦 274年 12月 ○×日

        楽しみで仕方なかったオレは、約束の時間より早く起きすぎて朝からカレー鍋を磨いていた
        朝っぱらからガサガサと働くオレに、うるさいわい と少し不満を漏らされたものの、楽しみなんだからしょうがない

        『ふう、こんなもんでいいか。』
        気になるところを順番に掃除していってたら、すっかりもう時間になっており
        あとは誘った人物たちが本当に来てくれるのか、というところにかかっている。

        すっぽかされたらどうしよう…。

        オレは玄関で正座をして待った。 -- 史楼 2014-03-30 (日) 21:26:05

      • 『……なんで正座なの。』

        玄関を開けて1秒で目についた正座の史楼に訝しげな顔。
        どことなく居心地悪そうに辺りを見渡す。罠の心配をするわけではないが…

        『…お腹が空いたから寄っただけだから、勘違いしないで欲しいけど』
        『そもそもいつか敵対するもの同士仲良くすることに意味なんてないから本当にただご飯食べに来ただけよ』
        『せいぜい振る舞うと良いわ』

        ぷいと顔を背けながら、両手で抱えていた紙箱を差し出す…というより突き出す。

        『……まあ貸し借りとか好きじゃないし、食後のデザートくらいは持ってきたから』 -- エオ 2014-03-30 (日) 21:35:02
      • おやおや、大勢でカレーを食べることになりそうでござるな。(エオに遅れてやってきて)
        こちらでもカレーの材料を買ってきたでござるよ。(アドニスと共に食材を抱えている)
        いやはや、正座で待たれていると遅刻した気分になるでござるなぁ、マスター?
        (笑顔でマスターの背中を押して) -- 雪影のアサシン 2014-03-30 (日) 21:38:54
      • おい、やめろヘボ忍者。(背中を押されて一歩前に出て、史楼に向けて咳払いをして)
        来てやったぞ。せいぜいアサシンと美味い飯を作るんだな。
        (エオを見て鼻で笑って)なんだ、子供と一緒か。 -- アドニス 2014-03-30 (日) 21:41:01
      • 『しろー。おなかすいたー。ごはんまだぁー?』

        出てきて早々のお腹すいたアピールをしてから、ようやく客が来ているのに気がついたらしい、このサーヴァントは。

        『あら、やだ。みなさんお揃いで……あー。そういえばそんなこと約束してたのう……。』

        すげー今更思い出した感あふれる表情で頷いて

        『んじゃあ、わしも手伝うとするか。久々に料理もやっちゃる。』

        やれるらしい。 -- セイバー 2014-03-30 (日) 21:55:09


      • 『史楼君。おなかすいたよ。ごはんまだかね?』

        『あ、私が手伝うと多分邪魔になるからね、ここで見てるね』

        -- 眉雪のキャスター 2014-03-30 (日) 21:56:40

      • 『…おお。』

        みんな本当に来てくれて驚くほどマヌケな声がでた。
        ただ、一人呼んでもないし 今日の日のことを教えてもないのにちゃっかりまじってるヤツを覗いて

        おい、マジで何で居る?

        『エオ、アドニス、アサシンさん。今日は来てくれてありがとな!』
        『めずらしくセイバーもやる気を出してるみたいだから美味いカレーを作ってみせるぜ。』

        文句を言いながらも、デザードまで用意してくれたエオと
        カレーの素材を持ってきてくれた三人に軽くお辞儀をして、シェフ気取り。

        『勝手に来たじいさんは向こうでテレビでも見てろ!あんたマジで来るなら連絡くらいはしろよ…!』
        げしげしと蹴りながら爺さんをリビングに退ける。

        『じゃあ手伝ってくれる人は台所に来てくれ、向こうにあるから。』
        案内するように先に歩いた。 -- 史楼 2014-03-30 (日) 22:11:03

      • 『子供ほど相手のことを子供扱いするものよね…』

        負けじと鼻で笑って肩を竦める。

        『保護者同伴で来た貴方と一人で来た私、どっちが精神的に大人かだなんて考えるまでもないわ』

        っていうか呼び過ぎじゃない?罠のつもりがなくてもこれ罠じゃない?私やばくない??
        いざとなったらキャスターを呼びだすべきか、アイツ来るの??今頃家で寝っ転がりながら本読んでない???
        内心焦りつつ平静を装う。なんであのお爺ちゃん居るの?

        『………これから作るの?…私も手伝うの?やったことないのだけど』
        『こういうのってサーヴァントの仕事じゃないの…なんでマスターが…』

        実際料理なんてやったこと無いので、ピーラーで野菜の皮を剥くだけの簡単なお手伝いをさせられつつぼやく
        どうせなら料理してるっぽく包丁を使いたい、と申し出たものの満場一致で否決された。
        -- エオ 2014-03-30 (日) 22:19:41
      • らじゃーでござる!(ビシッと謎の敬礼をして白いエプロンをつけて)
        さ、アドニス殿も野菜の皮むきを手伝うのでござる。自分も何かしたほうがきっと美味しいでござるよ。
        (アドニスにエオの隣で皮むきをするように仕向けると自分は皮を剥いてもらったニンジンを桜の形に切った)
        いやはや、こういう機会を設けていただき、まこと感謝でござるよ史楼殿。(ニコニコしながら手際よく調理をしていく) -- 雪影のアサシン 2014-03-30 (日) 22:24:29
      • 誰このジジィ。(胡乱な目でサーヴァントと思われる謎の老人を見て)
        なんだとこの……!(エオにムキになって突っかかりそうになり、そこをアサシンに咎められて)
        子供がどうとか、チビに言われたくないんだよ。(野菜の皮むきを手伝いながらグチグチ言う子供)
        ………。(なんだかんだで自分も結構喋っているな、と気付くと歯噛みをして誰に対してでもなく視線を逸らす) -- アドニス 2014-03-30 (日) 22:27:15
      • 手際よく微塵に切った玉ねぎを炒め、その間に調味料の準備をするセイバー。こんな真面目に動くセイバーなど初めて見たのでは、と錯覚してしまうほどにてきぱきと。

        『なんじゃ。文句でもあるのか?』
        『おおう、アサシン、さすがの手際じゃな。さては店でも持っていたかな。』

        和気藹々としたキッチン。広めに作られていたおかげで混むようなことはないが、賑やかしい事この上ない。

        『あ。ところでカレーの辛さはどのくらいがいいんじゃろな。わしゃどれでもいいんじゃが。』 -- セイバー 2014-03-30 (日) 22:34:15

      • 『私はキャスター。史楼君の祖父だ、よろしく頼むよ。エオ君もよくきたね、まぁ自分んちだと思ってくつろぎたまえ』

        リビングでごろごろしながらエオに小さく手を振り、アサシンとアドニスにもそれぞれ笑顔を送る。
        そして、準備をしてくれるセイバーをみて目を細め。

        『君が史楼君のサーヴァントかな? お初にお目に掛かるね、今日はカレーを楽しみにしているよ』
        『あ、史楼くんでもエオちゃんでも、えーとそこの、なんだおっぱいデカいござるちゃんでも少年でもいいからリモコンとってくれたまえリモコン』

        徹底して手伝わない。
        -- 眉雪のキャスター 2014-03-30 (日) 22:40:16

      • 『おいおいケンカすんなよ!だいたいオレからしてみれば二人とも同じようなもんだ…』
        『ぎゃあ! やめろエオ!そのジャガイモはこれから俺たちが食うもんであって、投げるもんじゃ無いっつうの!』
        『アドニス、お前は絶対にマネするなよ… 分別あるヤツだってオレはお前を信じてるからな…?』

        『…それにしても、サーヴァントの二人はかなりテキパキと』
        『うぅっ おかしい、たまねぎが目に染みるぜ… オレが動いてないのに料理が進んでる…!』

        どうしようもない感動をしながら、スタスタとリビングへ歩いていくと
        妖怪ぬらりひょん爺の側頭部にグリグリとテレビリモコンを押し付ける

        『誰がオレの祖父だって…?っつうか爺さんあんたチビ達が手伝ってくれてんのに恥ずかしくねえのかよ!』

        『おい!エオ!じゃがいも投げるならこっちにしろよ!』

        大きくため息をついて、台所へ戻ると 大なべを用意する。

        『辛さか、甘口でいいんじゃねーか?オレは辛い時は卵いれたりするけど、苦手なやつ居るかもしれねーし。』 -- 史楼 2014-03-30 (日) 22:53:42
      • 『私は歳相応のチビだから良いのよ、少なくとも将来的には大きくなる予定だもの』
        『まあ所詮貴方はその程度よね…そこが打ち止め感あるわ、っていうか雑じゃない?皮の剥き方』
        『その辺りに身長相応の人間の小ささ現れて…いった…ちょっと今わざとぶつかって来た?!』

        この、と振りかぶったジャガイモを…ターゲット修正して史楼に投げ…ようとして思いとどまった。

        『私の方が圧倒的に綺麗に野菜を剥けているわ』

        ねえちょっとどっちが綺麗に剥けてると思う!?などと意見を求めつつ、作業自体はしっかり進める。
        なおカレーは甘口を希望した。目の前の小さいマスターに聞かれると馬鹿にされそうなのでこっそりと。 -- エオ 2014-03-30 (日) 23:06:29
      • お恥ずかしながら、生前にはラーメン店を構えていたでござるよ。(セイバーに照れくさそうに笑って)
        仕入れが難しいのでなかなかラーメンは難しいでござるが、こうしてみんなでカレーを作るというのは楽しいものでござるな。
        ……良い光景でござるなぁ。(喧嘩をする子供たち、そして各人の間を忙しなく動き回る史楼)
        世界中の洗濯物が真っ白になるみたいに、こんな幸せがありふれたものであれば良い。そう思うでござるよ。
        (味の話になるとアドニスの頭に手を乗せて)あー、我が主君は辛いものと苦いものが苦手であるがゆえ。甘口に一票でござるよ。 -- 雪影のアサシン 2014-03-30 (日) 23:12:23
      • なんだと。(顔を歪めて)フン、オレより頭一つ分は小さいくせによくそんなことが言えたな。
        それにオレの剥いた野菜のほうが無駄がない。お前が剥いた野菜は小さいだろうが。お前の将来性同然だな。
        (ぐぬぬとエオと張り合って唸っている時に)…オレは甘口でも辛口でも…ってバラすなよヘボ忍者!?
        頭に手ぇ乗せんな!!(手を払いのけてギャーギャー騒ぐ) -- アドニス 2014-03-30 (日) 23:15:54
      • 『団栗の背比べとは言ったものじゃな……そんじゃ、満場一致で甘口のカレーの王子様風味カレーでいきましょーかい。』

        団欒、いつも二人だけの家に、こんなにも喧騒が。楽しい声が。笑顔があふれる。

        『マスターよ。……良かったな、パーティができて。いまのお主、活き活きしておるぞ。』

        それは本当に。心から楽しそうにしている史楼夕真の姿を見たのは、初めてではないか、というくらいに。 -- セイバー 2014-03-30 (日) 23:22:05

      • 『おう、史楼君すまんな、そして私は高齢者なので何も恥ずかしくないぞ!』
        『エオ君もよく野菜がむけているしちっちゃい奴も見事だぞ! おっぱいとセイバー君は流石の手際だな』

        ぐりぐりと押されたリモコンを受け取りながら笑ってテレビをつける。
        丁度やっていた番組は明るめのワイドショー。お誂え向きだ

        『そろそろ準備できそうかね?』
        『カレーを受け取るくらいはするよ』
        -- 眉雪のキャスター 2014-03-30 (日) 23:27:00

      • 『二人とも上出来だぜ?ふふふ、じゃあエオが剥いた野菜はハート型にしてアドニスのは星にしてやる。』
        『カレーができたとき、二人とも食べくらべるといいぜ…!』
        買っておいた型を取り出して、野菜の一部を模りしておく。

        そうしながら、セイバーの言葉が聞こえ、少し照れを見せる。

        『そうか…?まぁ、すげえ楽しいのは事実だけどな!』
        『こんな風に ワイワイするのは、初めてだからさ。』

        『おいそこの老人…!オマエ人を呼ぶのにそれは失礼すぎるだろ…!?』
        お前、お前…おっぱいて… 他に何かあるだろ…!

        そういわれると、少し意識してしまい、ドギマギしてしまうオレだった。

        惑わされるな…!
        っとそんなバカで楽しいやりとりをしているうちに待望のカレー(甘口)が完成する。

        『よし、配膳もしたし スプーンも足りてるな?』
        『まったく、部屋借りた時にこんなでっけー机なんてあっても使わないと思ったけど』
        『役に立つ日が来てよかったぜ… じゃあ、食べるか…!』

        全員が座ると、手を合わせていただきます。と代表して声を出した。
        -- 史楼 2014-03-30 (日) 23:50:59

      • 『あれ、もう出来上がってる。』

        カレーも出来上がって、さあ、いざ食べん、としたそのとき、玄関から戸を開ける音が聞こえた。
        見るとそこには、伸びきった金髪の少年の姿が。エオのキャスターだ。タイミングがいいやら、悪いやら。

        『人、多いな。』

        キャスターは、部屋の中をぐるりと見渡して呟いた。 -- キャスター 2014-03-31 (月) 00:08:56

      • 『はぁ!?馬鹿にしてるの!?こっちのチビはともかく私は普通に…聞いてる!?聞きなさいよ!!』
        きゃんきゃん吠えながら滞り無く作業は終わり、いよいよ待望のカレーが完成した。
        配膳を済ませて卓についたとき
        狙っていたかのようなタイミングでやってきた自分のサーヴァントに思わず人殺しの目になる。

        『ころす…いつかころす…不思議な令呪のちからでころす…』

        ぶつぶつ呪詛の声を呟きながら、スプーンを持って食べようとして

        史楼のいただきますを聞いてから、ひとまずスプーンを置く。

        『なにそれ言わないといけないの…?』

        見よう見まねで手を合わせて、ぎこちなくいただきます、と呟いた。 -- エオ 2014-03-31 (月) 00:07:06
      • 拙者はおっぱいではないでござる、アサシンであり雪影のマユルという名があるでござるよ。にんにん。
        さて、それでは食べるでござるよ。(手を合わせて)いただきますでござる。
        マスターもいただきますを言うまで食べてはならんでござるよ。人様と食卓を共にする以上、今日は厳しくするでござる。
        (水をコップに注いで人に渡しながら)また人が増えたでござるな。良きことでござるー。 -- 雪影のアサシン 2014-03-31 (月) 00:16:59
      • くっ…このアマ、うちのアサシンが正統派暗殺者だったら寝首をかくところだぞ…!(エオを睨みつけながらカレーを前に)
        だから真名をあっさりバラすなこのヘボ忍者!(不承不承手を合わせて)い、いただきます。
        (カレーを口にすると思わず)あ、美味い。(と、素の言葉が出て)
        なんだ、カレーってこんな味がするのか。(ぱくぱく)今度家でも作れよアサシン。(ぱくぱく) -- アドニス 2014-03-31 (月) 00:20:23
      • 『いただきます。』

        史楼家在住かつ元々そういう信仰があったのであろうセイバーは手馴れたものだった。

        『マユルか。ただのアサシンよりはそちらの方がいいな。ラーメンもさぞかし美味じゃったのだろうな。』
        『一度食べてみたいものじゃなぁ』

        いつもとは違い、しっかりと味わうように食べて

        『うむ、上出来じゃな。皆で作り上げたものは、やはり一人で作るものとはまた違う。別格じゃな。』

        『しっかし、マスターよ。こうまで揃いに揃うとは思わなかったのう。アサシンにキャスター、セイバーであるわしに・・・・・・あとなんじゃ、あれは。じいさん?』
        『今この時がきっと我がマスターの理想なのじゃろ?これが、この先も……続いていけば良いのじゃがな』 -- セイバー 2014-03-31 (月) 04:59:57

      • 『仕方ないだろう史楼君、私は彼女の名前を知らないのだから……と、アサシンのマユル君というのかね。わかった。それで呼ばせて貰おう』
        『おお、金髪のキャスターも来たではないか。ほら、エオ君、まずは溜飲をさげて席を詰めたまえ、彼は君の隣がよかろう』

        いいながら席をこちらも詰め、カレーを渡してくれたセイバーに笑う。

        『と、きたか。はははは、私もキャスターだ。キャスターが2人ではややこしいだろうしな、私はおじいちゃんで構わんぞ』
        『さて、頂くとするか。頂きます』

        そして手を合わせてそういうなり、カレーに手をつけ、早速一口。

        『おお、うまいではないか。今回は現界してからカレースタンドでしかカレーを食っていなかったからな。家庭料理のカレーは久々で涙がでそうだ。いやぁ、いいものだなぁ』
        『ああ、キャスター君かエオ君、そっちの醤油取ってくれ』
        『マユル君とアドニス君はよければラッキョとってくれんかね』
        『ああ、すまん史楼君水くれ、セイバー君はさっきカレー配ってくれたから悪いしな』

        次々注文つけながらカレーをがっつく。
        あっという間に皿のカレーがなくなっていく。
        -- 眉雪のキャスター 2014-03-31 (月) 13:04:13

      • 『はっ!?キャスター!? …ああそうか、だからエオの家に居たのか…!』
        この間顔を合わせたばかりの金髪の少年(?)の正体に驚きながらも、納得しつつ
        まぁ、問題ないだろ。と彼の分の配膳も急遽すませる (その場でおかわりできるように炊飯器と鍋も移動させた)

        セイバーの言葉に、一瞬 スプーンの動きを止めて、頷く
        今日の日みたいな、平和がずっと続けば それがいい… ただ
        オレも、これが戦争の最中に起きた、奇跡みたいなもんだって、分かってた。

        でも今は、この瞬間を楽しむためにオレは… それを忘れて。
        笑っていたいから。

        『アサシンさんってそういう名前だったのか…!マユルさんか… いい名前っすね。アサシンなんかよりずっと!』
        『まぁまぁ、アドニス 名前がわかったところで悪さするのはそこの爺さんくらいだから』
        『あとで記憶を失うまでオレがシェイクしとくよ』
        『あとエオお前は人の家で呪詛を吐くな吐くな…!その目もやめろ…!ほらカレーの中のハートを見ろハートを…!』
        『爺さんはちょっとは自分で動けよ!!アンタ元気だろーが!!』

        精一杯のこの時を楽しむよ。  …ごめんな、セイバー。

        『ははっ! あぁ〜 今日のカレーは本当に美味いなぁ。』 -- 史楼 2014-03-31 (月) 20:43:27

      • 『手伝ってない人にカレーを振る舞う必要はあるのか私は疑問だわ、そこの老人とかうちのキャスターとか』

        相変わらず自分のサーヴァントをジト目で睨みながらカレーを口に運ぶ。
        一瞬、美味しい と言いかけてから、素直にそういうのも負けたような気持ちになり黙りこんで黙々と食べ続ける。

        『………なんで醤油…?え、これにかけるの…?』
        『人参がハート型でかわいいから食べれないわー、普段なら食べれるんだけどハート型でかわいいから食べれないわー…』

        『キャスター人参あげる、なんか好きそうな顔してる』

        人参を押し付けようとして、それを小馬鹿にされて意地になって食べたら美味しかったとか
        自分がいちばんおかわりするのが早かったとか食事中もきゃんきゃんうるさいことこの上ない。

        『そうね、悪く無いわね…うん、美味しいと思う こういうのも』

        喧騒に紛れるようにぽつりと呟いて、3度めのおかわりを要求した。 -- エオ 2014-03-31 (月) 23:17:58
      • はい、マユルでござるよー。(ニコニコしながら老人の皿にらっきょを取って)
        いやぁ、良き名と褒められると照れるでござるよー。史楼殿も気軽に名前で呼んで欲しいでござる!
        (カレーを食べながらハンカチを取り出して)ほら、マスター。口元が汚れているでござるよ。
        本当に手の掛かる子でござるなぁ。(アドニスの口元を拭って)カレー、いつかうちでも作るでござるよ。にんにん! -- 雪影のアサシン 2014-03-31 (月) 23:25:02
      • フン、老獪なジジィだな。油断も隙もあったもんじゃない。
        ああ……そのジジィの記憶消しとけよ史楼。なんならジジィを消しといても構わないぞ。
        (カレーを食べながらエオとぎゃーぎゃー騒いで)あ、こら! 子供扱いするな!(アサシンに口元を拭われて)
        フン。だがカレーという食べ物を知れたのは僥倖だ。こいつは悪くない。 -- アドニス 2014-03-31 (月) 23:27:41

      • 『シェイクはやめてくれたまえ、食後だと気持ち悪くなってしまうだろう?』
        『それに史楼君エオ君、私は老人なんだから労わられて当然なのだよ、わかるかね? わかるね、ありがとう』
        『ありがとうついでに、エオ君も醤油ちょっとかけてみるといい。ちょっとでいいぞちょっとで。私はかけるのがすきだ』

        『お、マユル君ありがとう、アドニス君もひどいじゃないか、私はただの優しいおじいちゃんだよ。だから勝手にらっきょをかけて上げよう』

        いうなりらっきょをアドニスの皿に盛りながら、笑う。
        場面だけをみるなら、親戚中で集まって、食卓を囲み、歓談している様子そのものだ。

        『おっと、私のカレーがなくなってしまったな……おお、セイバー君わるいね、ありがとう』
        『金髪キャスター君も、サーヴァントなのだからもっと食べたまえ、サーヴァントは食べれば食べただけ強くなるぞ!』

        少しばかり面子が多いが、賑やかな、普通の食卓。
        違和感など、どこにもない。

        -- 眉雪のキャスター 2014-04-01 (火) 00:12:25

      • そして、少しは残ると思っていたカレーも、華麗に鍋から無くなって
        オレは洗物をまとめて、一人台所へ立った。
        爺さんと金髪のキャスター以外は、手伝いを申し出てくれたが、断り
        みんなにはリビングでゆっくりしてもらうことにしたのだが、気がつけばセイバーが隣に居て 洗物を手伝っていた。

        『何だ、本当に今日はめずらしいな、雨でも降るんじゃねーか』
        『たわけ。ワシは本来甲斐甲斐しい娘なんじゃぞ?普段からどこを見ておった?』
        『テレビを見てぐうたらしてるところとか、漫画出しっぱなしのところとかだよ!』
        『そうじゃった』

        リビングでの団欒を邪魔しないように、静かに笑いあう


        『今日は楽しかった、また今度はお鍋でもやろう』とオレが言うと、セイバーは少し黙ってから
        『そうじゃな… またこのような催しも悪くは無いじゃろう。』と答えてくれた。

        会話はそこで終わって、二人は並んで、家族の食器を洗い続けた。

        いつもだったら、面倒なだけな この家事も
        食器のカチャカチャという音も、ゆっくり流れる水の音も
        後ろから聞こえる喧騒も、今日はその全部が心地が良い。

        不意に視界がぼやけて、お隣さんに悟られるぬように 上を向く。
        そのついで、というわけでは無いのだけれど、オレは願った。


        どうか、明日も できれば… そのずっと先も この平和が続きますように―――
  • 往来を歩く女性が一人。
    飲食店が多く集うこの通りにおいて、彼女の目的は一風変わっていた。
    所謂人探しである。

    お目当ての人物らとは親交が深いわけでもない。それどころか言葉を交わしたこともない。
    唯一の繋がりといえば、その命を付け狙ったということぐらいだ。
    無論、徒労に終わったのは言うまでもない。

    しかしながら今回接触を求めているのは別の目的があった。
    彼らを捜し求めているのは、そういった殺伐とした理由からではない。
    少なくとも、彼らの命には直接関わることではないからだ。

    『この辺でメシでも食ってるかと思ったけどなー。』

    『見つからんものだね。』

    棚引く風が、街路樹の葉をざわつかせる。 -- セイバー 2014-03-30 (日) 10:23:17

    • もうすっかり顔なじみになった中華まん屋のおばちゃんに「あんたは沢山食うんだからもっていきな!」
      っと、サービスしてもらった肉まんを頬張りながらオレは歩いていた。
      すっかり風も冷たくなり、肌寒さがまた、肉まんの美味しさを引き立てていた

      そんな風に気分良く歩いていると、ばったりと出会ってしまう

      一番最初に、オレが出会ったサーヴァントで。
      一番最初に、オレを殺そうとしたサーヴァント。

      『はは、ははは… じゃ、そういうことで。』
      前を向いたまま後退。 -- 史楼 2014-03-30 (日) 12:58:01
      • 『まあ待ちなよ。何も取って食おうってんじゃない。』

        生態系のピラミッドであれば、それこそ上下数段の力量差はある。
        しかしこれは自然界の話ではなく、両者はそれぞれ理性を持ち合わせている。

        『情報を売りに来た。』
        『……と言ったら、どうする?』

        不敵な笑みを浮かべたまま、彼女は史楼へと歩み寄る。

        『よく考えてもみろ。』
        『サーヴァントを得た今、そんなお前を襲う理由が私にはあるのかな?』
        『令呪を行使すれば、いつだって呼び出せる。』

        『それに、この一帯で騒動を起こせば嫌でも目に付くよね?』
        『人のウワサは風に乗る。公共の電波にだってだ。』
        『そんな愚を起こしてまで、戦う理由が私に?』

        『……なーんて。難しいことを考えても疑心暗鬼になるだけだね。』

        彼女はそう言うと、史楼の手を掴み近くの露店でドリンクを頼む。
        タピオカ入りのミルクティーである。物珍しさで売るタイプのドリンクだ。
        少々割高だが、なかなかに繁盛しているらしい。
        その内1つを無理やり渡し、史楼は漸く解放される。

        『情報交換なんて洒落たものじゃない。』
        『ちょっとお話してこうよ。』 -- セイバー 2014-03-30 (日) 13:32:02
      • 襟首を掴まれて運ばれる猫のイメージ
        手を掴まれた時そんなものが見えた気がした。

        『…拒否したって意味ねーのだけはわかる。』

        『でも話だなんて、オレはてっきりあんたらは好戦的なやつで』
        『出会えば有無を言わさず切られると思ってたけどな』

        『愚を起こしてまで、戦う理由が 無いとも言えないんじゃねーか、つうか撃たれてんだよオレは!』
        『警戒もするし逃げ出そうともするよそりゃ!』

        バシバシと、銃創があったであろう肩を自分で叩いて。

        飲み物を渡されて律儀に『ありがとう…』と礼を言ってしまう自分が少し悲しい。

        オレはセイバーの要求を飲んで、話をすることにした。 -- 史楼 2014-03-30 (日) 16:29:55
      • 『私はあくまで"セイバー"であって、"バーサーカー"じゃないからね。』
        『あんたが生きてるのがその証拠さ。』

        鼻歌を歌いながら史楼を引き連れ、二人揃って後援のベンチへと座り込む。
        人の気配は他にはなく、いつも走り回っている子供さえも、今日は不思議と姿を見せなかった。

        『最近、"キャスター"を名乗る爺さんと仲良いらしいねー。』
        『何で?』 -- セイバー 2014-03-30 (日) 17:53:11
      • 『オレだって、あんたらの敵"マスター"じゃなくて史楼っつう"人間"だよ… ったく』

        『何でって言われてもな… 向こうが声かけてくんだよ』
        『まぁ、友達みたいなもんなんじゃないか?アドバイスくれたりもするしな』

        『そっちこそ何でだよ。爺さんの知り合いか?』

        問い返しながら、セイバーを横目で見て。表情を伺う。 -- 史楼 2014-03-30 (日) 18:38:49
      • 『へえ、仲良さそうじゃん。』
        『あの人は人当たりも、面倒見も良いからねー……。』
        『昔もそうだったよ。私が知ってる昔も、ね。』

        『私はね、あの人から色々教わったんだ。』
        『戦術も、戦略もあの人から教わったんだよ。』
        『だから、私も教師になったんだ。』

        太めのストローを、まるで教鞭のようにまわしながら。
        キャスターとの関係性が、彼女自身から語られる。

        『でもね史楼くん、考えてもみてほしい。』
        『この戦いに参加している以上、サーヴァントにだって叶えたい望みがあるんだ。』
        『そしてそれを実現できるのは、勝ち残ったペアただ一組だけ。』

        ふわりと投げ捨てられた空の容器が、風に吹かれてゴミ箱を掠めた。
        ころころと地面を転がる様を、ため息を付きながら彼女は後を追い、改めて捨て直す。

        『つまりあの爺さんだって、勝ち残りたい理由もあるし欲もある。』
        『結局は史楼くんも利用されてるんだよ。』
        『自分は戦わず、安全圏に引いておきながら殺し合いを傍観している。』
        『まるで自分は無害とでも言うように、だ。』

        座る史楼を見下ろすように、彼女が影をつくる。

        『そんなにも信用できる相手だったのかな?』
        『私の知ってる教科書には、こう書いてあったよ。』

        『「統一皇帝が亡くなったこの年、懐刀であったフローキー・ハーケルは突如として表舞台から姿を消した。」』
        『「一説によれば、死因は彼による暗殺だとも言われている。」ってね。』

        『気になるんだったら、今から図書館にでも行けばいい。』
        『ガリオン統合帝国と言えば、幾らでも資料を見せてくれるよ。』

        『それとも本人に直接聞く方が早いかな?』
        『でもそれは止めておいた方がいい。』
        『君が疑問を持つことは、彼にとって利用価値がなくなったことに繋がるだろうからね。』
        『誰も宝具はおろか、その能力を見た人だっていないんでしょう?』

        史楼の隣に座り直し、彼の肩を抱く。

        『……殺されちゃうかもよ。』
        『史楼くんのセイバーを呼ぶよりも先に。』 -- セイバー 2014-03-30 (日) 19:33:49

      • 『いや… わりぃ… 言ってる意味が全然わかんねえんだけど』

        『そりゃあ、誰しも願いがあるのはわかるよ、オレだってそうだし』
        『最後に残るペアは一組だけなのも… 分かってるつもり』
        『そもそもオレはあの爺さんを無害だなんておもってねーよ!?』
        『あいつ絶対性格悪いしな…!!』

        『ま。そりゃあ昔は色々悪いことしたのかもしれねーけど。』

        『だからってオレが爺さんに殺されると思わないし』
        『そもそも、殺されてなんかやるもんかよ』

        『その上で。』

        『もし、爺さんが悪いヤツだっつうなら』
        『もし、爺さんが悪いヤツになるっつうなら。』

        『オレらがぶん殴って、目を覚ましてやるしかねえじゃん。』

        『違うのか?』

        肩を抱かれたまま、真っ直ぐな瞳で。 -- 史楼 2014-03-30 (日) 20:55:27
      • 『どうかな。』
        『君が本当にそれを成すことができるのか、私にはわからないからね。』

        『私に言えることは……そうだな。』
        『自信は慢心と表裏一体だ。』
        『君が無事に、その想いを遂行できることを願うよ。』

        史楼を放し、ベンチを立つ。
        彼にメモを渡して。

        『もしそれが叶うというのなら、私も是非見てみたい。』
        『その時は呼んでよ。気軽に電話していいからさ。』
        『名はアリィで登録しといて。』
        『セイバーのままじゃややこしくなるっしょ?』

        『……まあ、勝ち残るのは私のところだけどね。』

        自信に満ちた顔を浮かべながら史楼の肩を叩き、アリィは帰っていく。 -- セイバー 2014-03-30 (日) 21:48:50

      • 『アリィさんね… はぁ、ほんと恐い人だなあ…』
        内心、何もしないと言われていても 爺さんの話をしてる時は穏やかな雰囲気は感じず
        いつ首に回された手が、オレを襲うのかとヒヤヒヤしていたが
        結局、何事も無く開放され、杞憂に終わった。

        渡された連絡先に視線を落として、呟く
        『爺さんを殴って目を覚まさせるなんてこと、やることにならなきゃ それが一番だけどな…』
        やるときゃあんたが一番に殴ってやらないとダメだぜ。
        なんてたって、あんたあの爺さんの弟子なんだろ?

        『それにしても、名前、か… そういえば、サーヴァントにも名前はあるんだよな…』
        『当たり前か、セイバーだの爺さんだのって呼びなれちゃっただけなんだよな。』
        思うは、うちのセイバーの姿と
        教えられた名、フローキー・ハーケル

        今度、どちらにも聞いてみるか。

        噛み潰したストローを口から離して、ゴミ箱に落とすと、首を揉みながら帰っていった。 -- 史楼 2014-04-02 (水) 20:01:24
  • 昼も過ぎた公園沿いの道で見つけたのは以前に出会った少女であった。

    『よいしょ……よいしょ……』

    なにやら重そうな荷物を持っては歩き、疲れては置いて休みを繰り返している。
    どうやら公園で休もうと進もうとして見えるがそのために必要以上の体力を使っているようにも見えた。 -- ゼロ 2014-03-29 (土) 22:50:38

    • 今度はこの間とはうってかわって、オレがドーナツを買い食いしながら帰路についている途中にその姿を見つける
      声を掛けたらまた何か罵倒されそうだなあ、とも思ったが まぁ困ってそうだし、見過ごすわけにもな。

      『おい、ゼロちゃんよ。そういうのは大人か力持ちに持ってもらった方がいいんじゃねーか?』

      オレは何気なく、声をかけた。
      とは言えなかった、下手くそだな…。 -- 史楼 2014-03-29 (土) 23:03:23
      • 『何よ、その言い方は 嫌味でも言ってるつもり?』

        不満を声に出した。

        『こっちの事情も知らないくせに そういうなら手伝ってくれてもいいんじゃないの?』

        言葉から察するにサーヴァントは手を貸せない状態か何かにあるということだ。
        そして、少女が運ぼうとしている荷物、どうやら猫の餌、通称カリカリの大きな袋詰めであった。 -- ゼロ 2014-03-29 (土) 23:31:00

      • 『さりげなく持ってやるぜ。って言ったつもりなんだよこっちは!』

        やっぱり好意は持たれてないよなぁ。
        オレは幼女に嫌われる才能があるんじゃないだろうか。

        『はぁ… それでこの重そうな猫の餌はどこまで持っていけばいいわけさ。』

        熱量操作をしてひょいと袋を持ち上げる。 -- 史楼 2014-03-29 (土) 23:50:23

      • 『あれでそう言ったつもり!? 全然聞こえないわよ!』

        呆れてしまった、手伝うのであればもっとこう優しい言葉とかがあるであろうに。

        『そりゃあ……って、ちょっと待ってシロウ それって私の拠点に来るってことよね』

        なにか目論見があるのか、相手はマスターの一人だ 手伝うふりをして襲撃だなんてこと。
        いや、この男に限ってそんなことは無いであろう。
        あれは素で出た言葉だ つまり馬鹿だ。

        『わかったわ、いいわよ……それ私の拠点まで運んで頂戴 早くしなさい、待ってるんだから!』 -- ゼロ 2014-03-29 (土) 23:59:55

      • 何かまたこいつ失礼なこと考えてるな… オレそういうの分かっちゃう。

        『へーへー 別に重くねーからどんどん先いってくれよじゃあ、ただ転ぶなよ?』

        言って少女の後ろについていく。あれ… 何か前にもこんなことがあったような。
        デジャビュを感じながらも。ペースをあわせて歩く。

        『猫の餌っつうことは、家で猫でも飼ってんのか?まー… まさか食べないだろうからな、これ。』 -- 史楼 2014-03-30 (日) 00:19:15

      • 『なによそれ、小さいからって失礼とは思わないの』

        一言余計だなと思う。
        顔を合わせないように史楼の前に立つようにして歩いて行く、ただし少し早足でだ。

        『そうよ、猫がいるのそれもたくさんね シロウなんかよりもずーっと可愛いんだから!』
        『一言余計だけどそうしてもって言うならそのカリカリをシロウにごちそうしてあげても構わないわよ?』

        嫌味を言い返す、でないといくらでも余計な一言を言われそうだったからである。

        街から少し離れた所にある民家、そこが少女の拠点であった。
        外から見てもわかるようにいたる所に猫の姿が見られる。
        史楼の荷物に気がついたのか幾らかの猫は足元へと近づいてくる。

        『おまたせお前たち、お腹すいただろー?』 -- ゼロ 2014-03-30 (日) 00:45:15

      • 『いらねーよ!』

        史楼からしてみれば、心配しての言葉だったり、歩いてるだけでは暇だろうから。という意図で話したのだが
        少女には子ども扱いされたと映ったらしく、言い返され、やはりオレは口がうまくねえなあ…と反省する。

        そんなこんなで、これ以上余計なことを言わないでおこうと、黙って歩いていると、どうやら到着したようで。
        あいつの家はまともだなぁ、そりゃ当たり前か。などと考えていると 足元に猫。

        『おっとっと… ちょっとどいてくれー お前らのご飯がおけねーだろ。』
        猫を避けて、少女に了承を得た場所に荷物を置くと、恐がらせないように適当にしゃがみ込んだ。 -- 史楼 2014-03-30 (日) 01:16:15

      • お皿を床に置くとそこに猫の餌を盛り付ける。
        すると一斉に猫が餌へと群がってあっという間にお皿は空っぽとなる。

        『ふふふ、可愛いだろ コイツなんかは前は痩せてたんだが今ではずいぶんと大きくなった』

        灰色のデブネコを重たそうに持ち上げると史楼に見せつける。
        甘やかした結果ともいうべきだろうか。

        少女の住む民家を改めて見回すと少女が住むにしては実に生活感があふれている。
        サーヴァントのおかげであろうか?

        『どうしたシロウ、そんなに見渡して まぁ、シロウの家と比べればきれいなのはしかたがないことだ』

        勝手に部屋は汚いとイメージ付けられていた。 -- ゼロ 2014-03-30 (日) 01:27:32

      • 『おいおいあんまり食べさせすぎるのも身体に悪いぜ、オレはいくらでも喰えるけど』
        持ち上げられたデブ猫を見て笑う。姿が少しマヌケで面白い。じたばたと暴れて、太った猫は駆けて行った。
        すると何故か辛らつな言葉が飛んでくる。オレは猫を見てただけだぞ…!?

        『お前オレのことなんだと思ってんの…?』

        おまわりさーん、幼児に虐められる青年がここにいまーす。助けてくださーい。

        『まぁ、こんな風には片付いてないかもな。ここはゼロが片付けてんのか?』
        『ペットが居ると大変そうだよなあ… おいおい、ケンカすんなよお前ら』
        猫のケンカを仲裁して、ひっかかれそうになりながら話す

        『オレもこんな風にペットを飼うのは憧れてたなぁ…』
        『魔術師にはどうにも、他の生き物を軽く見る節があってダメだわ…』

        『それでオレは落第って言われるんだろうなあ。』
        言いながら猫をなでようとして失敗する。 -- 史楼 2014-03-30 (日) 03:01:01
      • 『そうだな、馬鹿で間抜けでだらしがない、それに口も悪い ……でもまぁ、少しぐらいは優しいところはあるんじゃないか』

        少女らしい率直な意見であった。

        『ほとんどは私のサーヴァントがやってくれている』
        『私もまぁ……ちゃんとやる』
        ちょっと濁した言い方ではある。

        『シロウは魔術師なのね、しかも落ちこぼれ……似合ってるんじゃないの』
        逃げた猫を抱きかかえるようにして撫でる。 -- ゼロ 2014-03-30 (日) 03:13:50
      • こいつ絶対掃除してない。



        『あんまり虐めるなよ、泣いちゃうぞ。オレ』
        優しいっていう言葉を帳消しにするくらいに、
        実際人の口から"おちこぼれ"と言われると、結構ショックだった。

        『でもまあ… 聖杯に選ばれる程度には、素養があったみたいで、助かったよ。』

        『戦争なんて、したくはねーけどなあ…』

        『羨ましいぜ』
        猫を見ながらそういう、深く考えて言った言葉ではないが
        彼らを見ると自由そうで、しがらみなんてものも無さそうで。 -- 史楼 2014-03-30 (日) 03:30:39

      • 『あら、存外泣き虫なのね いつもそんな感じにヘラヘラしてると思ってた』

        『戦争したくないのに参加はしなきゃいけない、でも戦いたくない』
        『そんなのわがままだと思うわ』
        『私だって成り行きで参加してるけど、目的はあるし戦う覚悟はあるわ』
        見た目では判断できない目的と覚悟が少女にはあった。

        『覚悟はどこかでしないとどこかで後悔するわ……って、私のサーヴァントが言ってたことなんだけど』 -- ゼロ 2014-03-30 (日) 03:42:34

      • 『我侭じゃ… ダメか?』
        『覚悟なんてもんに誤魔化されて、自分がやりたくないことをやるのはイヤだ…』
        『オレは聖杯を獲るよ、そうじゃないと… オレが生まれてきた、意味が無いから。』

        『だけど、それだけじゃダメなんだ 他人を踏みにじって、自分だけが生き残って・・・』
        『絶対にそれじゃ、ダメなんだ』

        『掴めるものは、掴めるだけ掴んでやる…』
        オレは突き出した手を、強く握り締めて。

        『オレは何も諦めたくない。』

        力いっぱい、我侭を言ってやった。 -- 史楼 2014-03-30 (日) 04:03:25

      • 『呆れるほどにわがままね』
        ため息をつくと撫でていた猫を手放した。
        素知らぬ顔で猫はどこかへと歩いて行く。

        『でも……やっぱりあなたは優しいのね』
        『まるで敵対する相手も助けたいみたい』
        『もし私が踏みにじられそうになった時は助けてくれるのかしら……?』
        少しの間、沈黙が流れた。

        『なんてね、シロウのほうが先に死んじゃいそうだしそれは叶わないわね』
        冗談めいたように舌を出して笑った。

        『本気で何も諦めたくないってのは、一番難しい道だって私にもわかるわ』
        『それでも諦めたくないのねシロウは』 -- ゼロ 2014-03-30 (日) 04:19:13

      • 『諦めたくない。』

        立ち上がる。そろそろ帰ろう、長話しすぎても 猫に悪い。

        『じゃあな』 そういって歩き出そうとして、思い出したかのように、振り返り『ああそうだ。』と…

        『荷物なら、また持つよ』

        そう答えて。 -- 史楼 2014-03-30 (日) 04:38:43

      • 『そうね……シロウは悪い人じゃないからね』
        『その時はお願いするわ』

        別の猫を抱きかかえると『バイバイ』と猫の手を振って史楼の背中を見送る。
        扉が閉まると天井に目を向けて。

        『そうね……悪い人じゃなかったわ』 -- ゼロ 2014-03-30 (日) 04:48:52
  •   -- 2014-03-29 (土) 18:02:00
  •   -- 2014-03-29 (土) 18:01:57
  • 探していた光を 見失うのはここが楽園だから
    • Eden

      • (公園で史楼たちに話しかけてくる紫装束のクノイチ)
        ああ、これはこれは史楼殿ー。セイバー殿も! これは奇遇でござるな。(ポン、と手を叩き)しばし待つでござるよ。(シュバッと姿を消して)
        (20秒ちょっとしてからトマトの入った紙袋を手に現れて)これ、どうぞでござる。以前ジュースをいただいたお礼でござるよ。
        今の季節のトマトは非常に甘く美味しいでござるよ。にんにん!(全く忍んでないシノビの姿がそこにあった) -- 雪影のアサシン 2014-03-27 (木) 21:19:53

      • 『奇遇で会っちゃっていいのかよ!?』

        流石につっこんでしまった、それも人様のサーヴァントに。
        いやだって、一応忍者の格好してる忍者のサーヴァントだろ!?奇遇でござるなって!ダメだろ!?

        トマトを受け取りながら、何だか釈然としないオレを尻目にセイバーは… -- 史楼 2014-03-27 (木) 21:31:27
      • 『あいも変わらず忍んでおらぬアサシンじゃのう。』
        『あ。お主、得意技なんじゃったっけ?』

        史楼の後方からそんな言葉を投げかけて。セイバーですら若干呆れ気味の様子であった。セイバーですら。二回言うくらい大事。

        『しかしまぁ律儀なことよ。パシリ界のエースであるところの我がマスターは、そんな礼など求めてはおらぬよ。』

        『パしられることで快楽を得ておるのじゃ。』 -- セイバー 2014-03-27 (木) 21:36:54
      • いやぁ、実は直感を頼りに街を探し回ったとか言ったらちょっと重いでござるし……奇遇を装うのが一番かとー。
        そのトマト、うちで作っているものでござる。マスターは顔をこーんな風にして(指を眉に当てて怒っているジェスチャー)『魔術工房で野菜を作るなヘボ忍者!!』
        と、言うでござるがー。美味しいので良いと思うでござるがなー。
        いやぁ、照れるでござるよ。(忍んでないと言われてなぜか照れて)
        パシリ界のエースでござったか。それは拙者も襟を正して史楼殿と話さねば…!
        ……史楼殿。アドニス殿が嬉しそうに史楼殿の話をしていたでござる。アドニス殿の友達になってくれて、本当にありがとうでござるよ。 -- 雪影のアサシン 2014-03-27 (木) 21:44:02

      • 『あぁ… 友達か、あんたもそう言ってくれるなら、嬉しいな。ってちょっとまてオレはパシリじゃねえ!』
        オレは二人のサーヴァントを交互に見て主張する。いやこれ大事なところだから、勘違いして帰ってもらったら困る!

        『そうだ。えーっと』呼び名に一瞬困り
        『アサシンさん 今度アドニスを呼んで、うちでカレー食べようって話聞いてる?』
        『あんたもよかったら来て欲しいし、心配ならオレが料理するとこ見張ったり… ついでに手伝ってくれよ!』

        無論この話はセイバー、初耳である。 -- 史楼 2014-03-27 (木) 21:59:39

      • 『あれ、おかしくね?なんかわしそれ初耳なんじゃけど』
        『え?ハブ?ハブられてる、わし?サーヴァントなのに????』

        心なしかしゅんと耳が垂れてるあわれなサーヴァント。引きこもってばっかなので自業自得なところが超あわれ。

        『ちょっと、わし抜きで楽しそうなことするの禁止!禁止します!』
        『もう少し、マスターのかわいい可愛いサーヴァントを労わってあげるとかなんとかないのかのう!』 -- セイバー 2014-03-27 (木) 22:06:27
      • パシリじゃなかったのでござるか……? なんだかアドニス殿も『あいつは天性のパシリだな』と言っていたでござるが…
        無論、聞き及んでいるでござるよ。(両手を胸の前で合わせて)拙者も微力ながら、カレー作りに参戦させていただくでござるよー。
        いや、こうして聖杯戦争という縁が広がるのは良きことでござるなー。(ぽややんと笑って)
        ははは、セイバー殿も一緒にカレー会に参加するでござるよ。
        みんなで食卓を囲めば、明るい展望も見えてくるというものでござる。 -- 雪影のアサシン 2014-03-27 (木) 22:18:48

      • 『ん、わりぃセイバー。お前はなんていうか、最初から数に入ってるからわざわざ言うまでも無いかなって。』

        放って置くにも可愛そうなのでフォローを飛ばす、別に忘れてたわけじゃないんだ、これは本当。 いやマジで本当だって。
        だからしゅんとすんなよ!すげー悪いことした気分になるだろ!

        とりあえず、元の話題へ。

        『いや良かった!断られたらどうしようかと思ったぜ。』
        『毒見役はそこに居るから安心して参加してくれよな!』

        そういってちらっとセイバーを見る -- 史楼 2014-03-27 (木) 22:36:14
      • 『そ、そうかーーーー。そうじゃよな!言わずとも以心伝心で伝わると。』
        『うむ!毒見でもなんでも任せい!』

        『というかマスターよ。わしも一応、調理はできるぞ。』
        『なんかそういうの全然期待しておらぬようじゃが。』
        『得意料理はにくじゃがとみそしるです。』

        おふくろの味の定番を押してくるセイバー。じゃあ普段から料理とかしろよと誰しもが思う。ドーナッツ食ってテレビ見ながら寝てるな、と。 -- セイバー 2014-03-28 (金) 06:07:44
      • (目を細めて二人のやり取りを見ている)
        いやはや、お二人は仲が良いでござるなぁ。サーヴァントとマスター全てがこうであるなら、戦いにくいくらいでござるよ。
        しかし聖杯戦争は戦いの場……残る一組になるまで戦いは続くのでござろうな…
        そう考えると、今こうしてお二人と仲良くできるのは小さな奇跡のように思えるでござる。
        いやはや、良き縁でござった。(額をぱちんと叩いて笑い)アドニス殿にとっても、でござる。
        さて、拙者はそろそろ戻るでござるよ。それではまた会おうでござるー。しからば!(シュバッと姿を消した) -- 雪影のアサシン 2014-03-28 (金) 21:31:13

      • セイバーの言葉に、じゃあお前普段からオレに押し付けず料理しろよ!と 言葉が喉まで出掛かるが、堪え。
        アサシンの言葉に、オレが遊ばれてるだけじゃなんじゃねえかなあぁ…と 言葉が喉まで出かけるが、堪えた。

        小さな奇跡。
        ひと時の、淡雪のような… 地に落ちてしまえば 溶けてしまう、そんな時間なのだろうか
        できるのなら、こんな時間が 永遠に続けばいいのにと、思ってしまう。
        オレは、聖杯を獲らなければいけないのに。

        『ああ、またなアサシンさん。カレー 絶対食べような。』

        アサシンが去ったあとも、まーワシにかかればカレーなんて朝飯を通り越して夕飯前じゃ!なんて笑っているので
        その口にトマトを詰め込みたい気持ちでいっぱいになりながら。トマトを詰めた。

        『じゃあオレ達も帰ろうかセイバー』

        なにをするんじゃっ と怒ったセイバーに追いかけられながら、小走りで帰っていった。 -- 史楼 2014-03-29 (土) 17:46:24
  • 無理矢理目を覚まして 当然のように朝が恐い
    • 無理矢理目をそらして 当然のように夜は暗い
      • 温かな感触が、史楼の意識を暗闇から徐々に覚醒させる。
        枕か何かか、後頭部がとてもやわらかいもので支えられて・・・。

        『ハロー。マスター史楼。おめざの時間デース。』

        いつも通りのふざけた口調のセイバーが史楼を見下ろしている。にしては、やけに直上に顔が見える……

        『わしの膝枕はお気に召したようじゃのう。ぐっすり眠っていたぞ。』

        よしよしと、頭を撫でた。膝枕、まごうことなき膝枕。オンザヘッド。セイバーからは女性らしい柔らかく優しい甘い香りがする。 -- セイバー 2014-03-27 (木) 21:00:36

  • 目が覚める史楼
    嫌な夢を見ちまった… ここの来てからは、初めての悪夢

    起き上がろうとしてオレは気がつく。身体を濡らす汗と 涙の跡
    そして・・・

    『何してんだ、セイバー…!?』

    オレは膝枕をされていた。

    おいおいおい!照れくさいとかそういう問題ではない、オレは今最高に情けなくて逃げ出したくさえある。
    ましてや乾いた涙の跡なんて見せたくも無い…!当然の様に脱出を心みる。
    おおっ!? 首がロックされてて動けない。軽く手が添えられてるだけなのに完全に動きが封殺されてる…!

    『…開放してくれ!』 -- 史楼 2014-03-27 (木) 21:15:23
  • 『なにって?膝枕じゃが……?』

    事も無げに言ってのけた。この膝枕、妙に手馴れている。

    『まぁ、まて慌てるな。我が主殿よ。』
    『サーヴァントの宝具を直接受けてしまったのだからな。もう少し安静にしといたほうがいいと、わしは思うのじゃが。』

    『……嫌か……?』

    じ、と真上から見つめてくるセイバー。 -- セイバー 2014-03-27 (木) 21:21:31

  • 『ぐ……!』この体勢目が逸らせねえ!
    『あー! わかったよ、好きにしてくれ…』

    ため息をついて、諦める。それにセイバーが言うとおり まだ少し身体が軋んでいた。
    恥ずかしさを置いといても、安静にしなければならないのは事実だ。

    『それで何でまた、膝枕なんだ…』 -- 史楼 2014-03-27 (木) 21:27:50

  • 『なぜとは?意な事を聞くのうマスターよ』

    『膝枕は全国の男児の憧れと聞き及んでいるぞ。』
    『マスターもそうなのであろう?嬉しい?膝枕うれしい?』

    笑顔で聞いてくる。つい数時間前まで死闘を繰り広げていたとは思えない。そんな笑顔で。

    『おぬしは、少し無茶がすぎるぞ。わしに任せてあの場から立ち去っても良かったのだ。』
    『わしが危機に陥るなど早々ないことじゃからなぁ。』 -- セイバー 2014-03-27 (木) 21:48:32

  • 『初めて聞いたよ、そんな憧れはよ!!嬉しいの100倍恥ずかしいからな!?』
    決して嬉しくないとは言わないオレだった。

    『…そんなことできねえよ。何でオレが勝手に呼び出しといて 一人で戦わせって』
    『それに、足手まといにならない自信は… あの時まではあったんだよ。』

    セイバーの顔を見ていられなくなって、目を閉じる。 -- 史楼 2014-03-27 (木) 22:06:35
  • そっと、前髪を撫でる感触。セイバーの細く、柔らかな指が、心地よく・・・

    『いったであろう、恥じることはないと。』
    『サーヴァントにはサーヴァントにしかできない戦いが』
    『マスターにはマスターにしかできない戦いがある』

    『マスター・史楼夕真は正面切って戦うより、もっと違うやり方で戦っていけるはずじゃよ。わしはそれを望んでおる。』

    頭を撫でながら、目を閉じた史楼に微笑んで、優しい口調で諭すように語る。

    『戦いだけが戦争ではない、そうなんじゃろう?』
    『力でぶつかることだけが魔術師の戦闘ではないように。な。』 -- セイバー 2014-03-28 (金) 05:34:41

  • 何も言わず、静かに話を聞く史楼
    髪を梳くような感覚に、優しい声。目を閉じれば、再び微睡みの淵に立ち。
    時間は緩やかに流れ往く。

    一つだけ。
    安堵と睡魔に、オーバードーズしていく意識の中で。

    "
     ただな、お前は怒るかもしれないけど。
     本当は… セイバーすらも守りたいんだ。
                                "
    そう、口にしたつもりで。眠りへと落ちた。


    いつの間にか。
    セイバーの手を取ったままに。 -- 史楼 2014-03-28 (金) 21:50:47
  • 『今は、おやすみ。史楼夕真……。』

    『わしはお前の成長を眺めていられるだけでも、十分に満足させてもらっておるからの。』
    『……もう少し見ていたい。見ていける……な、こやつとならば。』

    寝顔をみて、微笑み。手を軽く握り返した。
    睡眠をとる必要のない体でよかったわ、と付け加えつつ。 -- セイバー 2014-03-28 (金) 23:26:24
  •   -- 2014-03-27 (木) 00:53:47
  •   -- 2014-03-27 (木) 00:53:44
  • ごめんなさい。
    • 断片

  • 『史楼。お前はそんな基礎魔術も出来んのか…? 父は悲しいぞ。
    私は教えたはずだ。そして言ったはずだ。死にたくなければ一度で覚えろ。』 -- カルヴィン? 2014-03-27 (木) 00:48:26

  • 火球がオレの身体を殴りつける。熱量を魔力へ変換、身体覆い魔術から身体を守った。 -- 史楼 2014-03-27 (木) 00:49:25

  • 『命が惜しいか、しかし己の抗魔術で防いでみよ、と言ったはずだが。』 -- カルヴィン? 2014-03-27 (木) 00:50:02

  • 『最初から切り札を曝す阿呆には仕置きが必要だな。』 -- カルヴィン? 2014-03-27 (木) 00:50:39

  • ごめんなさい。 -- 史楼 2014-03-27 (木) 00:51:03

  • 『結果を出せねば、お前など必要ないのだ、分かるな。』 -- カルヴィン? 2014-03-27 (木) 00:51:22

  • ごめんなさい。 -- 史楼 2014-03-27 (木) 00:51:41

  • 『私に子が居れば。こんな面倒は無かったな…。』 -- カルヴィン? 2014-03-27 (木) 00:52:06

  • 父は悲しそうな顔をする。 -- 史楼 2014-03-27 (木) 00:52:39





  •             ごめんなさい。            -- 史楼 2014-03-27 (木) 00:53:11
  •   -- 2014-03-27 (木) 00:46:02
  • ルールなんかは知りません。
    • Noizzze.
      • 日が沈みかけあたりが夕闇に染まる頃、人の姿もまばらとなり街の至る所に明かりが灯る。
        先ほどまで公園で遊んで居たはずの子供たちも夕飯の時間だと姿を消していた。
        そんな中、一人の少女がベンチでドーナッツを頬張っていた。
        こんな時間にただ一人、そして闇に映えるような白いコートに釣られて眺めていると少女が気がついたのか顔を向ける。

        『なに……? そんなに見つめて、私が珍しいとでも言うの?』

        その口調からなにか警戒心のようなものが感じられた。 -- ゼロ 2014-03-26 (水) 21:54:39

      • 『あぁ、いや… 夜に映えそうなコートだな。って思ってつい見ちまっただけだよ。悪い。』

        自分らしくも無い行いに、素直に謝罪する。そんなに見ちまってたか。
        すっかり少女を警戒させてしまったようで、自分がもしかして… 今最高に不審なんじゃないかって。
        強い不安にかられる。『まいったな…』 つい、言葉が漏れほどに、気まずそうにして… ポケットから手を出して頬を掻く。

        その手には、令呪。 -- 史楼 2014-03-26 (水) 22:09:25
      • 『……!?』

        少女の髪が逆立ったかのように、身を構えるようにしてはっきりと警戒の目を向ける。&br
        『お前もマスター!?』

        こんなにも迂闊に令呪を晒すなどとは思いもよらなかった。
        いや、二人もいるとは思わなかった。
        だが雰囲気的にはリジェンのような計算的な行為ではなく、むしろ以前に自らが行なった迂闊な行為に酷似していた。

        『あなたそれでよく聖杯戦争を生き残れてるわね』

        ある意味、自分自身に言い聞かせてもいるように言葉を投げる。 -- ゼロ 2014-03-26 (水) 22:26:59

      • 『おいおい、ちょっとまてオマエも聖杯関係者かよ… 』ため息が漏れる
        『ほんと、犬も歩けばなんとやら。ってヤツか』

        『あのな… つい先日、まったく同じことを君より小さい女の子に言われたけど… そんな必死に隠すもんかね…?』
        『どうせ知りたいやつは隠してても見つけるだろうし、襲ってくるヤツは たぶん関係なく襲ってくるだろ、たぶん。』

        手持ち無沙汰なのと、何もするつもりは無いという主張をするために
        近くにあったベンチに座って語る。

        『敵意はねーよ。戦争嫌いだしな 信用できねーかもしれねえけどさ。』
        『あ、何かするなら逃げるからな!お兄さんをイジめるんじゃねえぞ!?』

        少し情けない気持ちになった。

        でも、あんな小さい子とは戦いたくは無いからな… -- 史楼 2014-03-26 (水) 22:45:28

      • 『あなたの言うことは確かにわかるわ、だからといって簡単に晒していいものではないわ』
        『願いを叶えるためには生き残らなければならない だとしたら少しでも生存確率を上げるために隠すのは当然でしょう』

        史楼に敵意はなくとも、一度痛い目にあったことがあるのか警戒を緩めることはない。
        不安を隠すかのように手に持ったドーナッツを口に運ぶ。

        『戦争が嫌いだなんて言っておきながらなんで聖杯戦争に参加してるのよ その時点で信用出来ないわ』
        『でも、こっちから仕掛けることはしないわ それは信用してくれてもいいわ』

        仕掛けられない限り、仕掛けない、それが少女なりのルールであった。 -- ゼロ 2014-03-26 (水) 23:03:41

      • 『あっそう… まぁ、戦わなくて済むならなんでもいいけどな…。』

        結局、アイツの時といい この子の時といい 何だかんだで、戦いにはならず。安心する。

        『戦争が嫌いでも、オレは参加しなきゃいけなかった。矛盾してるのはわかってるさ。』

        『でもな… 理屈じゃねえんだよなぁ… 見ての通り、オレ馬鹿だからさ。』
        ひらひらと、令呪のついた手を振る。

        『とりあえず、覚えといてくれ。オレは史楼 戦争が嫌いで、アンタと同じドーナツが好きな、馬鹿だよ。』

        あくびをする。
        『今夜の飯は何作るかなあぁ、とりあえずカレーの練習でもすっか…』
        『あ、おい。そうだ もう日が暮れるから帰れよ?あぶねえからな。』 -- 史楼 2014-03-26 (水) 23:24:44

      • 『呆れたわ、本当に馬鹿なのね でもいいわ、逆に安心したわ 馬鹿に敵意はないから』

        先ほどまでの警戒心をすっかり解いて。

        『……私はゼロ 特になにもないわ 何もないからゼロ、ドーナッツは美味しそうだったからよ』
        『でもドーナッツはあげないわよ』

        ドーナッツの残りを口へと押しこむ。

        『そうね、怖いサーヴァントや怖い男の人に襲われない内に帰るとするわ』
        『それじゃあねシロウ、次に会う時までに殺されないようにね』

        白いコートを翻し、少女は闇の中へと溶けていった。 -- ゼロ 2014-03-26 (水) 23:47:25

      • 『はいはい、じゃあな。そのコート 似合ってるぜ。』

        適当な捨て台詞を吐いて、オレがその場に残った。
        何て戦争だよ、オレが知るだけで三人目だぜ。 子供の参加者は。ふざけてるし、狂ってる。こんな世界でいいのか…?

        あーあ、まったく…

        『戦いたく、ねえなあ…。』 -- 史楼 2014-03-27 (木) 00:43:55



  •                               Noizzze.――END
  •   -- 2014-03-25 (火) 23:36:27
  •   -- 2014-03-25 (火) 23:36:25
  • あの子は破廉恥で その子はろくでなし どの子も良くない方のお友達。
    • その淑女ふしだらにつき
      • 聖杯戦争の真っ最中だろうと、昼下がりの日差しの穏やかさは変わらない。
        行き交う人々の顔もまた、暖かな日差しに誘われるように穏やか。

        『そこの中肉中背のお兄さん』

        背後から声が掛かる、そちらを向けば宙に浮いた紙袋が一つ。
        足元を見れば、じゃがいもが一つ転がっていて…どうやら落としたから拾え、と言いたいらしい。

        『小さい女の子が健気に大きな荷物運んでいるのよ、ちょっと拾ってくれてもバチはあたらないと思わない?』

        ひょいと紙袋の横から顔を覗かせた少女が、そんな拾う気も無くなるような憎まれ口を叩く。 -- エオ 2014-03-25 (火) 20:50:51

      • 『んん? …あぁ、気がつかなくて悪かったな。』
        少女の口調を気にした様子も無く、確かにそうだな といった具合に足元に転がっているジャガイモを拾い上げる。

        『おつかいか?偉いな。もう落とすなよ。』

        大きな紙袋に、小さな脱走者を戻してやる、その手には令呪。

        持ってやろうか とたずねてみるか少し悩んだが、流石にお節介だろう。と
        再び歩き出そうとする。 -- 史楼 2014-03-25 (火) 21:06:44

      • その背中に重めの衝撃。
        足元に可哀想なりんごが転がる。

        『なにそれ…!』

        助けて貰ったというのに酷い態度だ。すっかり憤慨した表情であるが、たかだか子供扱いされたくらいでここまでされる言われもない。
        しかし少女が憤っているのはそことは別にあるようだ。

        『なんであなた令呪丸出しなの?信じられない…!』
        『死にたいの?それともよっぽどサーヴァントが強いの?普通隠すでしょ?!』

        もどかしい、というように地団駄ふみふみ。その言い草からして少女もまたマスターであるようだが… -- エオ 2014-03-25 (火) 21:23:09

      • 鈍痛。背中の加えられた衝撃に、グーで殴られたのかと思った。
        どうやらそうでは無く、あの幼児がオレにリンゴを投げつけたらしい、ひでえ
        しかも話からするに 聖杯関係者だというのだから、宣戦布告か何か…なのだろうか。

        『い、いや何で怒ってんのお前!?』
        『別に隠すもんでもねえなあ…ってだけで おいまて二個目はやめろ!ぎゃあ!』


        すげえ痛てえ

        リンゴ農家さんに謝れ。 -- 史楼 2014-03-25 (火) 21:36:04
      • 3つめを投げようと振りかぶって、止めた。

        『サーヴァントは側に?いるの?いないの?』
        『私が悪意あるマスターだったら今頃あなた死んでたわよ、ありがとうは?』

        どこまでも勝手なことを言いながら、射出を免れたリンゴを袋に戻す。

        『見たとこ普通の人間の癖にあんまり脳天気だからイラッとしたの』
        『はいこれ』

        紙袋を揺らす、持つと言い出したからには持つのよね?と言いたげな顔で -- エオ 2014-03-25 (火) 21:43:20

      • 『あ、ありがとう… ? ??? (なんで?)』

        ありがとうと言わされるオレ、わからん。今何が起こってるんだ?順番に整理していこう
        まず、天気がいいから散歩してたわけだ、何せ天気が良かったからな、その後後ろからジャガイモが転がってくる
        オレはそれに気がつかずに、ぼんやりしてて声をかけられた そして拾ってやる。うん。←わかる
        そしたらリンゴ投げつけられてすげー怒られて、ありがとうって言わされた ←???

        冷静になっても分からなかった。


        『あれ…?俺持つっていったっけ… ああ、やめろ持つからリンゴを掴むな!』

        何故か荷物を持つことになった。 −New! -- 史楼 2014-03-25 (火) 21:57:05
      • 『ぼやぼやしないで、置いて行くわよ』

        荷物を受け渡して、すっかり身軽になった少女はケープを靡かせながら先導するように歩いて行く。
        ここで荷物を放って逃げても良い、むしろ怪しすぎる少女に会ったからにはそれが正解だろう。
        少女は振り返りもせず歩いて行く。まるでついてくるのを信じて疑わないように。

        それでも仕方なしについていけば、どんどん人通りは寂しくなるし廃屋ばかりが目立ってくるし
        とても人が住んでるとは思えない通りへ入っていき…
        やがて「ああ、雨風は防げますね でも人の住むところではないですねこれ」という感想が浮かぶボロ屋に辿り着くだろう。

        置いていけばカレーの材料をGET出来るし後日少女に飛び蹴りをかまされる。 -- エオ 2014-03-25 (火) 22:15:43

      • 目に見えない選択肢があり、その片方が血まみれで潰れており、選択できないようになっていた。
        カレーの材料の代償としては、あまりにも大きすぎる。

        怪しい幼児(残虐)について行くと怪しい路地(危険)に入っていく。人気が無くなって 物音もしない。

        オレとしては油断してるつもりは無かったけど、一応警戒しながらついていくか。
        あれ、止まった。ストップ ザ 幼児。怪しい廃屋に警戒をはじめたばかりであった。

        『すげえ、人が住めるような場所じゃねえなあ。ボロボロじゃん。』

        悪気無く言ってしまった。 -- 史楼 2014-03-25 (火) 22:27:10
      • 少女は一瞬むっとしたものの、リンゴの襲撃は無かった。何故なら手元に投げるべきリンゴが存在していなかったので。

        『身寄りの無い少女にほいほい家を貸してくれる善良な人間なんてそうそういないのよ』
        『雨風はしのげるし……あと水も出るわ、人が生きていくには十分じゃない?』

        はい、ご苦労様。と紙袋を受け取るために手を出す。
        お礼に教えてあげるわ、と実に偉そうに。

        『貴方外歩きするならサーヴァントを常に側に控えさせておいた方が良いわよ』
        『それこそアサシンクラスにでも狙われたら一撃じゃない』

        それと令呪もちゃんと隠しておいたほうが良いわ、とつらつらアドバイスを押し付けて

        『なんでこんなこと言うのかって?』
        『…間の抜けたマスターにはなるべく媚び売って最後まで生き残って貰ったほうが色々楽じゃない?』

        今ので媚をうっていたつもりらしい。
        はいこれ物理的なお礼、とリンゴを一つ差し出す。 -- エオ 2014-03-25 (火) 22:41:51

      • 『それは十分とは言えないんじゃねえかなあ…』
        『まぁ、わけあってうちはちょっと大きい家に。大げさな家具家電がそろってるから』
        『何かあれば、遊びにこいよ。ほれ。』

        言いながら、取り出したメモに 地図を書いて渡す。

        この子にもサーヴァントが居るのは、わかっていた。だけども
        小さな子供が、一人で歩いている後姿は 自分の過去と重なって。
        危険なことだとわかっていても、衝動的に、そうしてしまった。

        『それと、お前さんはオレがマヌケで、無警戒で、よわっちいヤツに見えたかもしんねえけど』
        『これでも結構やるんだぜ?』 親指を立てて笑う。

        渡されたリンゴを齧ると、来たほうの道へ歩きだす。
        何だかんだと理由はいわれたが、心配されたのは気分が悪くなく。鼻歌なんかを歌って。 -- 史楼 2014-03-25 (火) 22:57:50
      • 憮然とした表情で地図を受け取る。
        少女が何を思ったのか、とりあえずは「負けた」とでも思ったのか悔しそうに眉間のシワを深くして

        『エオ=ルレイアよ!覚えておきなさいよね!!』

         ── 叫びとともに去りゆく背中にもう一発、リンゴのおみやげがお見舞いされたという。
        -- エオ 2014-03-25 (火) 23:14:09



  •                               その淑女ふしだらにつき――END
  •   -- 2014-03-25 (火) 13:13:47
  •   -- 2014-03-25 (火) 13:13:45
  • 演技をしてるんだ、アンタだってきっとそうさ。
    • 群青
      • 公園を史楼が横切ろうとしたとき、また馴れ馴れしい老人の声がかかる

        『やぁ、史楼君。また会ったね。ドーナツたべるかね?』

        最早、殆ど見かけるたびにこの有様である
        返事も聞かずにずかずかと近寄ってきて、2つ持っている袋のうちの一つをずいっと差し出す

        『ほら、どうせ2,3個じゃたりないだろう?』 -- 眉雪のキャスター 2014-03-25 (火) 02:33:14

      • 『…アンタ絶対待ち伏せしてただろ。ぜってーそうだ、こんなにしょっちゅう会うわけねーもん!』
        『そうじゃねーなら公園なんかで何してたんだよ。』

        二つある袋から勝手にそう察すると、遠慮気味にドーナツを受け取る
        爺さん、こんな甘いもんばっかり喰ってるとそのうちに病気するぜ。それともサーヴァントは平気なのか?

        諦め気味に、頂き物を口へ放り込んだ。 -- 史楼 2014-03-25 (火) 02:47:25
      • 『情報収集と日光浴のためだ。私は知っての通り弱いのでな。こういう往来に常にいることで逆に身を守っているのだ』
        『賢いだろう?』

        二人揃ってベンチに腰掛け、ついでに適当な炭酸飲料をまた差し出される
        キャスターは常に食い物か飲み物を持ち歩いているように見える
        少なくとも、史楼が出会うときはいつもそうだ

        『どうだね、少しは戦争に馴染んできたかな? 史楼君』 -- 眉雪のキャスター 2014-03-25 (火) 02:53:58

      • 『あーすげーイヤなことにな。馴染みたくなんてねえけど。』
        『この間は襲われたよ そして何故か見逃された。』
        『よく分かんねーけど、戦わずして勝ったらしいぜ… オレは我侭を言っただけなんだけどな。』

        先日の出来事の委細を説明してみる
        ただし、自分の能力や相手の能力にかかわる話は省いて、単純に出来事だけを。

        説明を終えて、ドーナツを齧る。何か気だるく感じ、ベンチに身体を預け、空を眺めた。 -- 史楼 2014-03-25 (火) 03:08:01
      • 話を聞きながら、それはもう楽しそうに何度も頷き、そして笑う
        時には苦笑、そして大笑を交えながら話を聞き終えると、喉につかえさせたドーナツを炭酸飲料で流しこんでから一息ついた

        『だはははは! ごほ、ほはっ!! ふー……また死ぬかとおもった。なるほどな』
        『それは面白いな。しかし、戦わずして勝つか』
        『武道の世界ではそれが一番といわれているぞ、戦わなければ勝ちも負けもなく、誰も死ぬ事は無い』
        『我侭でもなんでもそれをなせたのなら、史楼君は私が思う以上の傑物なのかもしれんなぁ』

        『私はすくなくとも……生前、戦わずして勝つことはできなかったよ』
        『史楼君くらいの年の頃となれば、尚のことだ』

        何か思い出すように、蒼穹を見上げる
        その果てに、何をみているのかは……誰にも分からない -- 眉雪のキャスター 2014-03-25 (火) 03:25:44

      • 『一番ね、そりゃそうだ。 ただ、何で勝ったのかわかんなくてなあ…』
        『爺さんは、口が上手いんだから それで勝ってたんじゃねーのか?いやそれも口喧嘩みてーなもんか?』
        『ま、こういう風に 今戦わずに居るんだから あんたも、ある意味 今は勝ってるんじゃねーかな』

        立ち上がって、キャスターの視線の前に立ちはだかる。歳には見合わぬ、ただの悪戯心。
        『できればそんでもって、勝ち続けてほしいもんだけど。』

        彼の前ではめずらしい、笑顔を見せた。 -- 史楼 2014-03-25 (火) 03:48:24
      • つい、朗らかな笑顔を見せられて、面食らったように呆けるが……すぐにこちらも満面の笑みを浮かべて立ち上がり

        『だはははは! そうかそうか、可愛いことをいうではないか史楼君!! 生前だったら弟子に取りたいくらいだ!』

        がしがしと頭を乱暴に撫でる。上背はキャスターのほうがあるのだ

        『口八丁手八丁でなんとかなるのはせいぜい小競り合いレベルでな』
        『戦争ともなれば、そうもいかん』
        『今は勝利者たる史楼君のお陰でなんとかともに勝利を納める事ができてはいるが……コレが大きくなったらどうなってしまうかな』
        『まぁ、できれば私も、戦わずして勝利し続けたいがな』
        『史楼君、戦わずして勝利するためには……どうすることが手っ取り早いとおもう?』 -- 眉雪のキャスター 2014-03-25 (火) 04:16:30

      • 『だああ!やめろっ 17にもなる男を撫でるな!』
        小っ恥ずかしいどころではなかった。義父さんにも撫でられたことねーのに

        『戦わずに勝利することね… 』
        『逃げる…とか 相手のステージに上らない。争う理由を無くす…』
        問題を出された生徒は、難しそうに うろうろと歩きながら、悩む

        『爺さんとオレみたいに… だったら、友達になるとか…』

        ダメだ、難しいな。と頬を掻く。

        『一緒にドーナツを食う、いがいにでてこねーや。』 -- 史楼 2014-03-25 (火) 04:35:52
      • 『がはははは! 私は享年ですらその6倍以上は生きとるわ! 私からすれば孫どころではない程年下よ!』

        満足気に手を離してから、悩む史楼の顔をみて目をほころばせ
        そして、出た答えを聞いて、また満足気に笑う

        『そう、みなで共に飯を食らい、酒を交わし……友になればいい』
        『そして、友と友で在り続けるためにはどうするべきか? それは簡単だ』

        ぽんと肩を叩き、笑う

        『強くなることだ』
        『それこそ、どんな形でもいい。強くなればいい』
        『強ければ、友を守れる。強ければ、争わずとも敵が退く』

        『いいか、史楼君。力は振るうためにあるのではない』
        『翳すためにあるのだ。振りかかる火の粉から守りたいものを守るためにな』

        『戦わずして勝ちたいとおもうなら……争わずして勝ちたいとおもうなら』
        『誰よりも強くなりたまえ』

        『かつての私には、できなかったことだ』 -- 眉雪のキャスター 2014-03-25 (火) 05:16:07

      • キャスターの話に、ぽかんとする。
        理解できなかったのでは無い、納得したが故の 答えを得た子供の顔。

        『じゃあ、目指すは無敵って所か ははっ! いいぜ 強くなってやる!望むところだ!』
        『とりあえず、第一歩として、オレは食べねばならぬ。』

        そういってキャスターの袋から、残っていたドーナツを盗み食い
        タッと軽く駆けていく、靴に羽が生えたような、軽い足取りで。

        『今日はいい話を聞いたぜ、どんな敵の情報よりも アンタと友達になって良かったと思うよ。』

        じゃあな!とそれだけ言い残して、ドーナツを齧りながら走り去っていった。静かな公園に風を起こして。 -- 史楼 2014-03-25 (火) 05:39:02
      • 『おっと!』

        ドーナツをあっというまに取り上げられるが、嫌な顔はしない
        むしろ、またにやりとシニカルに微笑みながら、去っていく史楼の背に声をかける

        『史楼君! 私もだ! 君と出会えて私はよかった!』
        『それだけでも、負け続きの戦争にまだ出る意味があったと思える!』
        『強くなれ、誰よりも! それができるというならな!!』

        駆け出していく史楼を見送り、満足気に頷く

        『男子三日会わざれば刮目して見よ……期待できそうだな』
        『若者の成長というのは、いつでも楽しみなものだ』

        楽しそうについ独り言をもらしながら、去って -- 眉雪のキャスター 2014-03-25 (火) 06:09:01



      •                               群青――END
  •   -- 2014-03-25 (火) 01:41:06
  •   -- 2014-03-25 (火) 01:41:03
  • ヴィーナスさん タフなワタクシめにキスをしろ。
    • ハミングバード
      • (先のアサシンによる襲撃から、キャスターが必要以上にひっつくようになったことを、誰より苦々しく思っているのはマスター当人である)
        ……こうでもしていなければ落ち着かんな(ぐずる彼女を無理やり宥め、単独での諜報活動。彼が立つのは街を一望できる高台の上だ)
        sweekmon iic aac eec drong sanriv(我が眼は水平線を目指す渡り鳥の如く)
        (魔力を両目に集中させ、霊的・物質的に超広域の視界を得る霊眼(グラムサイト)を展開。この白昼堂々に街を歩くマスターやサーヴァントなどいるわけがないと高をくくりながら、念のための見分を始めた) -- アルヴィン 2014-03-24 (月) 22:58:06
      • オレは走っていた。それも熱量操作を行使しながら
        今蓄えこんでいる総量でどれだけの運動が出来るか図るためだ
        ここにきてから食べ続けていただけはあって、相当の余裕があるのがわかる。

        『よっと、平地はこんなもんかな。じゃあ次は、狭いとこいってみっか。』

        調子に乗ってアクロバットのような動きで人ごみを避け、障害物の多い路地へと熱量操作ステージを切り替える -- 史楼 2014-03-24 (月) 23:08:33
      • まず物理的な視界が、人間では不可能な可視域に広げられ、それでいてズームも可能な高精度な望遠鏡のような特異なものへと変わる。
        そこに重なるようにして、アストラル視界が映り込む。街の辻にわだかまる雑霊や、何者かが残した魔力的な痕跡。そうしたものが映り込む……と。
        『なんだあれは?』
        必要ない言葉をためらうアルヴィンをして、そんな言葉が口をついて出るほどに奇妙な光景があった。
        視界がズームされる。軽妙に走る彼の身体能力は常人のものとは思えず、さりとて魔術を用いている様子はない。
        いや、似ているが、違う。異能とも異なる……あまりにも奇妙な現象だ。
        そしてなにより、彼の手に刻まれた紋章。あれは間違いなく令呪……聖杯戦争の参加者が、こんな堂々と奇妙な術を用いて街を歩く。そんな不条理があるのか。

        『……妙なやつだが』
        少なくとも確かめる必要がある。たんっ、と高台を蹴ったアルヴィンを月衣が包み込み、風にのるように飛翔した彼は目標の行く先に先んじるように着地した。 -- アルヴィン 2014-03-24 (月) 23:17:04
      • 『ん… おい嘘だろ!?』

        オレは急ブレーキをかけた。それほどスピードが乗っていたし、まさか

        空から人が落ちてくるとは思いもしなかったから。
        進行を妨げた、人物にぶつからないよう、熱量放出を行い、停止する。

        『あぶねーじゃん…!轢くところだったぜ、冗談じゃなく。』
        冷や汗をかく。轢いてしまいそうになったことだけではなく。
        間違いなく、この只者ではない雰囲気の人間は、オレを止めるために、何処からか降りてきた。 -- 史楼 2014-03-24 (月) 23:29:41
      • 『いっそ轢いたほうがよかったかもしれないぞ。お前のその手に刻まれたものがアートでないならな』
        放出された熱量が暖かな風となって外套を揺らすのにもぴくりとも表情を変えないまま、男が片手を引き抜く。
        まるでコートの中から取り出してみせたかのように、身の丈よりも巨大な異形の杖が片手に現れた!

        『その妙な術式。魔術回路によく似ているが違うな。いったいどうやってそんなものを体得したかは気になるところだが……』

        卵型のシリンダを相手に向け、赤い瞳で見据えた。
        『お前が聖杯戦争のマスターであるというなら、この場で俺がお前を叩かない理由はない。そうは思わないか』

        挑発するような言葉。言外に、己もまた同じ立場であると表現してみせ、出方を伺う。 -- アルヴィン 2014-03-24 (月) 23:34:57

      • バレた…!?マジかよ、魔力以外も感知されるとは思わなかったぜ…
        いや、それよりもこの男が武器を取り出していて、それをこっちへ向けてるってことが問題だ
        戦うか?昼間に?路地だつっても人がいるかもしれないのに?そもそも、人間相手に?

        『思わねーよ!オレは必要な時以外は戦いたくねーし、今がその時だとは思わん!』
        『アンタがどうしてもやるっていうならオレは逃げるからな!』

        嘘ではなく、ジリ…と足を動かす。相手がこのまま戦闘へ以降するつもりなら、逃げ出してやる。
        神経を集中させる。早抜き勝負なら 負けるつもりは無い。 -- 史楼 2014-03-24 (月) 23:48:01
      • 『あいにくだが……』
        史楼はそこで気付くだろう。人混みを避けたとはいえ、誰か来てもおかしくない路地には、しかし全く人気がない。
        それどころか昼間であった周囲は赤く染まり、空には……煌々と輝く紅い月。
        『魔術師にはこういう力の使い方もある。"もどき"なら覚えておくことだ』

        個人結界<月匣>を展開し、通常空間から隔絶された以上、いちいちひと目を気にする必要はない。
        あとは熱量操作とアルヴィンの魔力、どちらが速いか。"戦うならば"それを競うところだが……。
        『必要な時ではない、と。それは俺がお前より強いと、お前が感じたからか? あるいは、必要な戦力……サーヴァントがいないからか』
        機械杖を向けたまま、アルヴィンは淡々と言う。
        『あるいは、お前が戦う相手を選りすぐりするからか。それとも他の理由があるとでもいうのか?』

        その質問は単なる興味本位ではない。
        戦うべき相手、戦うべき場所を選ぶ。それはすなわち、戦う理由を確固として持ち、己の道をわきまえる。あのブレイズのような、むやみに戦うべきではない信条の相手とも考えられるためだ。 -- アルヴィン 2014-03-24 (月) 23:58:46

      • 周囲から人の気配が消える。世界が紅い。
        結界か!?あーそうかいそんなに殺し合いがしたいのかよ!

        『…オレは理由があって戦争に参加してる、だけど』

        『戦争なんてクソ食らえだ。』

        『オレはアンタを殺したくない。それにオレはアンタに殺されたくない』
        『ああ、もう何だよ…!それじゃあ不満か!?』
        『聖杯なんてもんを望む限り、争いが避けられないのはわかってるさ!ああ矛盾してるよ!』
        『それでも殺したり殺されたり、大事なもんを奪い合ったり。そんなもんはイヤなんだよ!』

        『畜生…!』
        オレ自信がわかってないことを答えられるかよ…!

        覚悟を決めたように、意識にスイッチを入れる
        己の視神経を使役する、メガネはもう不要だ 眼球の筋肉だって操れる
        それに回線速度はこちらが上だ。ただの人間(まじゅつし)とは違うんだ。
        一縷の望みを捨てず、相手を睨みながら、出かたを伺う。 -- 史楼 2014-03-25 (火) 00:35:03
      • 『願いを叶えるために争う資格を得ながら、殺されたくなく、殺したくもないと言うか』
        我儘な男め、と。無面目を保つ男は言った。
        『だが、それでこそだろう。他者の願いを蹴落とすほどに傲慢ならばこそ、俺達はこの戦争に選ばれた。この戦争に参加したのだから』

        警戒する視界に映るのは、展開された機械杖を折りたたみ、月衣に収める魔術師の姿。
        結界が解除され、元の風景が戻る。残っているのは黒外套と、ほんの少しだけ面白そうな色を持った、紅い双眸の男。

        『この争いを止めるために戦おうとしている男と争った。奴は争いを止めるために争いを求めていた』
        『お前はその逆、争わないために争いを求める。……俺に、そんな傲慢な選択肢は取れん』
        嘆息。己の不甲斐なさを呆れ、戒めるような色があった。
        『戦わずして負けた、というところだ。届かないならば、せめて引き際は潔く心得ておかねばな。……少なくとも今この場で、俺はお前を狙いはしない』
        『最後の二人になった時、あるいはお前の言う"必要な時"。それが俺たちの争うタイミングとなるだろう。……アルヴィン・マリナーノだ。お前の名前は?』 -- アルヴィン 2014-03-25 (火) 00:39:58

      • 『アクセル… はっ?えっ 』
        行使しかけていた術を止める。

        男が杖を収めたのだ、正直思いもよらなかった。
        オレの弁が通じるとも思ってなかったし、正しいとも思ってなかった
        相手が言うとおりただ我侭を言っただけだ。
        アルヴィンの言う"戦わずして負けた"という意味が史楼には分からなかった。
        そして告げられた名前にドキリとする。自分の義父と名が似ているのだ

        『オレは史楼… 史楼 夕真。』

        気まぐれで助けられたような、状態で問いを返すのも
        命知らずのような、短絡的な思考に 苦しめられるが 聞かずには居られなかった

        『なぁアルヴィン…さん 教えてくれ。アンタは…何故戦う?』 -- 史楼 2014-03-25 (火) 00:59:08
      • いつものように、心を硬く持とうとした。
        だが、そんなことは出来なかった。青年の……いや、少年の真っ直ぐな心は、自ら捻くれ、歪みを持たせようとし、結局何も出来ていない彼の心を、正面から打ち砕いていたのだから。

        『復讐だ』

        禍々しい言葉を、息を吐くように答えた。
        『俺はかつて、俺自身の意志ですらなく、俺に救いを求めた子を殺した』
        『俺は、俺にそうさせた機構を呪うことも、俺自身が悪になることも、それを切って捨て法に生きることもできなかった』
        『ただ、俺にそうさせた魔を憎み、悪を憎み、しかし正義に依ることなく、力も、言葉も、何もかもを借りて生きることしかできなかった』

        『だからせめて。俺自身の願いとして、魔への復讐を願ったのであれば。俺は、その軛を断てるのかもしれん。そう……願っている。縋っている、そんなところだ』

        キャスターにさえ明かさぬ己の意志を、こうもあっさりと口にできると、アルヴィン自身が驚いていた。

        『……また会うこともあるだろう、史楼。その時が戦いでなければいいな。もし戦ったなら……』

        『……俺は、お前に勝てる気がしない』

        黒い外套が影を引き連れ、去っていった。
        圧倒的な魔力に比して、その背中は……史楼にとってさえ、か弱く見えたかもしれない。 -- アルヴィン 2014-03-25 (火) 01:08:17



      •                               ハミングバード――END
  • 僕は何度も歌ったよ、世界が狂っていることを。
    • ●■▲ Smile On You
      • (史楼たちがカフェでお茶をしている時、目の前にシノビ装束の女と11〜13歳程度の子供が現れる)
        相席、いいでござるか?(気配を隠しもしない、そのシノビはサーヴァントだ) -- 雪影のアサシン 2014-03-24 (月) 22:00:07
      • チッ……逃げも隠れもしないとはこのことだな。聖杯戦争なのに堂々としてる奴らが多すぎる。
        (腕組みをした魔術師のローブを着た少年がシノビの隣で腕組みをしている) -- アドニス 2014-03-24 (月) 22:02:19

      • まただ、ここのカフェでドーナツを食べて、紅茶を飲んでいる時は何故か声を掛けられる。呪われてんのか?
        だとしてもこの店の甘味は美味いので、避けるには勿体無いどころでは済まないのだが。
        ため息はかろうじて堪えて、相対した二人組みに答える。

        『好きにしろよ、ただし暴れんなよ。この店気に入ってんだから。』
        『あと、自分の分は自分で頼めよ。ドーナツはオレんだ。』
        -- 史楼 2014-03-24 (月) 22:10:04

      • 『ついでに言うとこちら側はわしの取り分じゃ。』
        『全く、服を買い終えてようやくデートもマトモになってきたところじゃったというのに。』

        大きめのキャスケット帽にパーカー、と男の子らしいチョイスの服装で固めてはいるが、黒髪に、黄金の瞳。艶やかな唇。浮かぶ体のラインから取ってみてもまごう事なき女子である。
        自分の目の前のコーラを不服そうにストローですすりつつも。

        『して、何用だ。忍びのサーヴァントとそのマスター。わしは今は機嫌がいいが、損ねるとちと怖いぞ。』
        にやりと不敵に笑うサーヴァント。 -- セイバー 2014-03-24 (月) 22:18:08
      • それはもう、初対面のあなたたちに奢ってもらうことはできんでござるよー。
        (店員を呼んで)CKP(ちくわパフェ)を一つ。それとこちらの子供には紅茶を。
        さて……最近、何かと聖杯参加者と話す機会があるでござるな。(セイバーの言葉に肩を竦めて)おお、怖い怖いでござる。
        だが拙者の目的は今回は戦いではないでござる。
        あなたたちが聖杯に求める望みとその理由を聞かせてもらいたいでござるよ。(アドニスの頭に手を乗せて)この子は少し目的を見失ってる感があるでござる。
        ゆえに人の意見を聞き、成長してもらいたいというのが拙者の気持ちでござるなー。にんにん。 -- 雪影のアサシン 2014-03-24 (月) 22:23:47
      • 勝手に注文するな! 頭に手を乗せるな! 子ども扱いするな!!
        (アサシンの手を払って)チッ……こいつはアサシン。オレの名前はアドニス・クレデバートだ。あんたらは? -- アドニス 2014-03-24 (月) 22:25:10

      • 『オレは史楼、それでこっちはセイバー。』

        短く答えた、オレはもう思考が別へ飛んでいる。それは…
        『聖杯を望む理由ね… 』

        表情が 消える
        『答えてもいいけど、もちろん。そっちのガキにも話してもらうぜ。』

        大きく息を吸い込む

        『義父の為だ。オレはその為に育てられた。』『オレには両親が居ない。』『育ててもらった義父に恩を返したい』

        途切れ途切れに、話す。
        自分の言葉なのに 頭に残らないが、要点は伝えたはずだ。

        『だからオレは聖杯を獲る。』 -- 史楼 2014-03-24 (月) 22:42:45

      • 『ん。そういえばそれ、聞いてなかったのう。ネットと週刊漫画が楽しくて仕方ないのでうっかり忘れていた。』

        いつもとは違う様子の主になにか思うところでもあるのか、ないのか。どうにも読みづらい。
        少なくとも、空気だけは読めていないようで。

        『あ。わしは普通の女の子になりたいなー。マスター、そんときゃ結婚でもする?』

        軽い調子で自身の願いを告げるとカカカ、と笑う馬鹿。マジ馬鹿。 -- セイバー 2014-03-24 (月) 22:50:18
      • そうでござるな。(ちくわパフェが運ばれてくるとそれを食べながら)拙者も人間として受肉するのが良いかも知れんでござるな。
        マスターはまだまだ手が掛かる子供でござるゆえ。(そう言いながらマスターの返答を促し)さ、マスター? -- 雪影のアサシン 2014-03-24 (月) 23:01:11
      • 史楼、そしてセイバー………(視線を下げて運ばれてきた紅茶を覗く)
        (紅茶の液面に映った自分の顔を見て、苦笑した)
        オレは物心つく前に父親を亡くした。母親は心を病んでオレを見ようとしない。
        母親に振り返ってもらいたい。ただ、それだけなんだ……そのために、聖杯の力が欲しい。
        …心はヒビが入ったらもう終わりかも知れない。でも、聖杯はなんだって望みが叶うんだろう?
        だったら……オレは母さんに…愛されたいんだ……普通の子供がそうであるように。
        (紅茶を飲み、目元を擦って涙を誤魔化した)結局家族のため、か。わかるよ。
        オレとあんたは同じだ。(頭を垂れるアドニスは、見た目よりも小さく見えたかも知れない) -- アドニス 2014-03-24 (月) 23:05:47

      • 『バカセイバー!今まじめな話してるのわかんだろ?』
        本気にはしてないが、一瞬顔が赤らむ。やめろ、本当にやめろ 今そういう空気じゃないだろ。

        『愛されたいか… オレも言葉を飾ったけど、そうだよ。』
        『あの人の望むものを手に入れて、本当の息子だと認めてもらって…』
        『本当の家族が欲しい。』
        境遇の似た少年に、口が軽くなる。

        『そうじゃなければ…』
        オレが生まれてきた意味なんて、無いじゃないか。


        居心地の悪さを感じて、紅茶でむかつきを流し込む。こんなもんは消化してやれ。
        『だから恨みっこなしだぜ!オレだって譲れない、お前だってそうだ。』
        『お?なんだ泣いてんのかコイツ?バカやろう、そんなんじゃ勝ち残れないぜ?ちっちぇーんだから気持ちくらいでかくなれよ!』
        -- 史楼 2014-03-24 (月) 23:20:58

      • はいはい、と適当な返事でからかうのをやめて、大人しく黙っている様子。

        二人が意気投合したあたりでサーヴァントの方へ声を掛けた。

        『のう、アサシン。このマスターどもを見て、どう思う。お主も、元は人の子であろう?同じように親を求めるか?』
        -- セイバー 2014-03-24 (月) 23:31:00
      • (セイバーからの問いに小さく頷いて)拙者も父親を早くに亡くしたでござる。
        それから母親にシノビの技術を叩き込まれ、そこに情愛はなく……愛や絆、そして心を求めていたでござる。
        だから、この子には……アドニス殿には、絶対に裏切らないものがあるというのを伝えたいのでござるよ…
        (にっこり笑ってちくわパフェを食べ終わり)今日は良き話を聞けたでござる。(自分たちの分の代金を置いて)
        皆、譲れぬものがある。ならば、戦って決めるしかないでござるよ。さ、帰るでござるよマスター。 -- 雪影のアサシン 2014-03-24 (月) 23:37:39
      • 史楼……(相手だって少年と言っていい年頃のはず)
        (彼の思いに触れて、自分が本当に求めるべきものを知った気がした)
        ケッ、誰がバカ野郎だって?(生意気に笑って)お前の願いもすぐに駆逐してやる、覚えてろ。
        (アサシンの事情を初めて聞き、俯いたが)……そうかよ。(そう呟いて立ち上がり)
        ……今日はあんたらと会えてよかった。(子供はすっかりぬるくなった紅茶を飲み干すと席を立ち)
        お礼だ、戦うことがあれば全力で叩き潰してやるよ。じゃあな、二人とも。
        (そのままアサシンと共に立ち去っていった) -- アドニス 2014-03-24 (月) 23:42:08

      • 『ああ、じゃあなクソガキ!お兄さんはおめーなんかにゃ負けないからよ!』

        精一杯 余裕を繕って 笑いながら、アドニス達を見送った。
        この不思議な出会いは、運命の悪戯か、それとも必然だったのか。
        ただ少なくとも今だけは… 出会えてよかった そう感じられた。

        『わりーセイバー。お前の言うデートっていうのには失敗しちまったかね。』
        『埋め合わせなら、またするからさ。』

        出来れば、平和の続いているうちに。 -- 史楼 2014-03-25 (火) 00:11:39
    • (気分転換と称してライダーを引っ掛けて、街をぶらつき暫く経って)
      (小腹でも満たして休憩を取ろうかと、入って目にしたものは、見知った顔のマスター史楼)

      やべーどうしよう小娘。どう見ても取り込み中だぞ。
      あいつら何を話してるんだ? 誰と話してるんだ……?
      あ、すいません。このフルーツパフェとペペロンチーノを。
      どっち先でもいいんで。

      (事情を知らぬウェイターが、いつもの調子でオーダーを取る) -- セイバー 2014-03-24 (月) 22:10:41
      • ……なんだ、史楼じゃん。絡まれてるのかな。何話してるんだろ??
        あの二人組はー……お祭りの参加者だよね。すごい、史楼って何かそういうのを引き付けるフェロモンでもあるのかな
        あ、私はメニューのここから此処まで全部ください。3つずつで
        (見知った顔を見ておぉ、と驚きの声をあげる。驚いたようにはとても見えないが)
        (ついでに注文もする。お代を持ってくれると信じ切っているからの暴挙) -- ライダー 2014-03-24 (月) 22:19:19
      • バッカじゃないの……? お前、バァッッッカじゃないの!? どんだけ食うんだよ!
        私だってお給金出てるわけじゃないんだよ! それをまあ、遠慮もなしにこのジャリは……!

        (当然マスターから給料が払われることはなく、自ら人のふりして野試合で荒稼ぎしていた彼女である)
        (最初は羽振りの良かったセイバーだが、今ではその個人的資産も、ライダーの食欲という脅威に晒された)

        すいません、今のなしで。こいつには水だけでいいです。水とスマイルのセットで。 -- セイバー 2014-03-24 (月) 22:25:26
      • でもおばあちゃん私よりお金持ってるじゃん。私、ブレイズからもらったお小遣いしかないんだよ?
        私の我儘でマスターに迷惑かけるわけにいかないし…其処に現れたお金持ってる人→頼る→助け合い→ラブアンドピースというわけだよ。アンダスタン???

        (表情の変わらないあたりが不愉快極まりない。保有スキルに口ハラス:Bが目覚めた瞬間であった)
        (と、そこまで来て向こうのテーブルの会話が不意に耳に届いた)

        ……史楼ってマスターだったんだ?知らなかった。…ってことはあの隣の女の人、サーヴァント?
        クラスは何だろ。……流石にあの恰好じゃわからないな。おばあちゃん、何だと思う?

        (史楼の隣に座る女性は町並みによく溶け込んでいる。自分と違い、恰好だけではサーヴァントということは分からない)
        (そのクラスも察することは出来ないが、高い力量だけは感じ取ることが出来る)……あんまり、やりあいたくは無いかな -- ライダー 2014-03-24 (月) 22:31:48
      • おばあちゃん言うなつってんだろ!? あー、もういいよ、アリィで。
        街中でクラスの呼び合いなんざ余計に目立つし気持ち悪い。
        名前を知られたからって私をどうこうできる奴なんておらん。構わん。

        (テーブルに突っ伏してライダーの話を聞く。まあまあ思い当たる節みある故に、情報共有も兼ねて答えておいた)

        あっちの隣にいるのはセイバーだ。あいつを呼ばれる前に片付けるつもりだったんだけどね。
        間に合わなかったよ。これ以上はあぶねーってんで早々に退散したんだけど、そのあとアサシンに追われてお前んとことであったって感じです。
        向かいにいるのはニンジャとかじゃないの? ニンニンって言ってるし。
        初めて聞いたよ、あんな語尾……。

        (全て筒抜けというわけでもなし。断片的なセリフから憶測を垂れ流す)

        っつーか、あの眼鏡が何者かもわかってなかったわけ?
        どんな邂逅したのさ? -- セイバー 2014-03-24 (月) 22:42:15
      • …じゃ、私もシアでいいよ。ステイシア。小娘って呼ばれるの、何か嫌だし
        (自分の出自を知っているものは、遠く離れた洋上の学園にしか存在し得ない。それ以外の記録など残っていよう筈もない。真名を明かしたところで不利益など無い)
        (となれば、真名を明かしたこのサーヴァントに、自分だけ明かさないというのは何だか不公平な気がした)

        セイバーと…ニンジャ?何だろ、何か聞いたことある気がする。東の方の…何かこう、隠れて色々する人だっけ
        …にしても。どっちも積極的に仕掛けるタイプではないように見えるけど。一触即発ではあるのかな。……逃げる準備しとく?
        (結局頼んだ自分の分のいくつかの料理の皿を確保しつつ)

        どんな、って…。此処でドーナツ食べてたから。美味しそうだったから頂戴、って言ったらくれたの
        で、そのあとフードファイトした。凄いんだよ。普通の人間なのに私と同じぐらい食べられるの。…マスターだった、ってことは何か魔術でも使ってたのかな? -- ライダー 2014-03-24 (月) 22:52:14
      • お前、結構ズ太く生きてんのなー……いつ殺し合うかもわからん相手と、知らずとはいえほのぼのと。
        ……私も似たようなものか。まあいいや。ちょっとくれ。(勝手にシアの皿から拝借して一口)

        思うに、何らかの作戦会議か? 私たちのとこのほかに、あと何組あるかもわからんでしょ?
        ざっと浮かぶだけでも私、お前、アサシン、眼鏡、ニンジャ、戦車のようなライダーそれと……あの爺さんか。

        (口に出せばそれだけで、苦々しい記憶が蘇る。途端に舌先は味を伝えず、食感だけを伝える)
        (苛立たしげにコーラでそいつをまとめて流し込み、席を立った)

        おかわり入れてくる。ついでだ、何がいい? -- セイバー 2014-03-24 (月) 23:03:15
      • いつかは殺し合うかもしれないけど、今はそうじゃないじゃん。だったらそれでいい。どうせ終わる生なんだし…やりたいようにやればいいと思う
        (ぱく、とピザを一切れ口に運んで言う。彼女は未来を見ていない。今一人でなければそれでいい。そんなスタンスだからこそ、一時の共闘相手だろうと「今」、敵でなければそれでいいと。そういうことらしい)

        …私たち以外にも、休戦してる人たちいるのかもね(ふーん、と相槌を打ちつつ聞きなれぬ特徴のサーヴァントの情報を頭にとどめておいて)
        あと私が知ってるのだと…エオと金髪の男の子のペアと、ニーナとセイバーのペアかな。どっちも好戦的じゃなかったから…今は問題ないと思う

        あ、何でもいいよ。でも色々混ぜるのはダメだからね。コーヒーと炭酸とかホントダメ。ダメだからね?
        (席を立つ彼女に、ん、と自分の分のグラスを手渡しつつ、向こうの席の様子をうかがう)
        (わずかに耳に入る言葉から会話の内容を察することは出来る)
        ……やっぱり、願いってあるもんなんだね。サーヴァントにも -- ライダー 2014-03-24 (月) 23:13:50
      • そりゃ、あるにはあるでしょ。お前がおかしいんだよ、お前が。
        (後ろからひょいと首筋に、粒の氷を落としながら)

        世の中どーでもいいみたいな顔しやがって。市場のマグロかね、お嬢さん。 -- セイバー 2014-03-24 (月) 23:31:04
      • ―!!(突然首筋に氷が辺り、びくりと身体を震わせる)
        ん、や、なにこれ、つめ、たい……(背中の奥に入ってしまった氷を取ろうともがくも片腕では上手いこと取れないらしくそのまましばらくもぞもぞ)

        (何だかんだでようやく氷から逃れて一息)……アリィにも願いってあるの?
        (ふと。目の前の女性に問うてみる。一度死を迎え、全うな生を送った人間というものは、二度目の生に果たして何を願うのか)
        (一例でしか無いにしろ、その生に意味を残せなかった自分では見えない何かが、彼女には見えているのならそれを知りたい。そう思った) -- ライダー 2014-03-24 (月) 23:44:46
      • 私はね、約束を果たしたかったんだ。
        どうしても一つだけ、心残りがあってね。
        そう思ってたんだけど……今は駄目だ。計画が全て狂っちゃってさ。
        私が悪いのか、あの人が悪いのか。それすらもわからん。

        はああー……あーもー駄目だー……全て投げ捨てて帰りたいー……。

        (再びテーブルに突っ伏し、弱音を垂れ流す)
        (恩師との仲違いが、非常に堪えている様子) -- セイバー 2014-03-24 (月) 23:55:31
      • 約束、かぁ(彼女の言葉にふ、と懐かしい友人の顔が過ぎる。あれから何年経っただろうか)
        (無二の親友と呼べる彼女はまだ生きているのだろうか。この街で教師を目指すと言っていた彼女は。そして―かつて淡い想いを寄せていた彼は)
        (果たして、自分の死を知っているのだろうか。知ったとしてどんな顔をするのだろう)
        (たかだか4年を過ごした程度の友人が一人いなくなっただけで。彼女達は何か思うところがあるのだろうか)
        (こんな無意味な生き物の死に、人は心動くことなどあるのだろうか)

        ………いいじゃん、別に。今がダメならダメでそれでいいよ
        今がダメでも、アリィには未来に見えてるものがあるんでしょ?だったら、何の問題もない
        セイバーは最優のサーヴァント。目の前の障害は全て切って捨てて、道を切り開くクラス。……そう思ってたんだけど、違ったみたいだね
        (突っ伏す彼女を見てストローを噛みながら言う。彼女には願いがある。自分にはない願いが。壁に当たったから何だと言うのだ)
        (目的があるのなら進めばいい。自分にはそれが出来ないのだから、彼女の悩みはずいぶんと贅沢なものに思えてしまった)
        (だからだろうか。らしくない言葉を吐いてしまったのは) -- ライダー 2014-03-25 (火) 00:06:47
      • お、嫉妬か? らしくないねえ、お嬢ちゃん。
        別に私だって、何もかも見据えるなんてできやしない。
        欲が出るから求めてるだけだ。人ってそんなもんでしょ?
        ……ま、死人同士が語る話でもないか。

        でもね、これだけは覚えておくといい。
        アンタが今ここにいるのは、何らかの理由が必ずある。
        それが見つからないってんなら、まずはそれを探してみなよ。
        錆びた歯車でも、オイルを注せば違うでしょ?
        難しいなら、まあ……頭の隅にでも、な。

        さあて、あいつらも解散ムードだし、うちらも帰るかなあ。
        (ぽん、とシアの頭を撫で付けて、先に会計へと向かった) -- セイバー 2014-03-25 (火) 00:20:01



      •                               ●■▲ Smile On You――END
  •   -- 2014-03-23 (日) 23:52:10
  •   -- 2014-03-23 (日) 23:52:07
  • 時計の針より確かな時間
    • ただならぬ関係

      • おうごんれき 274ねん ごがつ はれ。
        転居を済ませたオレは。いや、オレ等は 新しい家に必要なものをそろえたり、掃除したり、しばらく忙しくしていた。
        と いっても忙しくしてたのは殆どオレだけなんだけどな…。
        冷蔵庫を買えだの、食材を絶やすななど、テレビにエアコン。それらを全部買ったし、自分で運んだ。

        いやだって、言うこときかねーんだもんアイツ… こんなことで令呪なんて使いたかねーし。
        おかげであちこちの店でチャレンジメニューを食べては賞金を貰うという姑息な金策をするハメになってる。
        そろそろブラックリストに乗っちまうんじゃねえか…?

        この二人で暮らすには少し大きすぎる家が
        転居者が多いこの街ならではの、安い値段で借りれたことだけが唯一の救いか。

        そんな長々とした、史楼の回想とは他所に
        門の辺りで何やら妙なことをしてるサーヴァントが一人(しかもオレの服着てやがるアイツ!?)
        目立つことはやめろぉ!オレは抱えてた洗濯物を置いて、バタバタとセイバーに近寄っていった。

        『すげー不審なんだけど、何やってんのセイバー』 -- 史楼 2014-03-23 (日) 21:12:30
      • 振り返り、いの一番に飛び込んでくるのはそのドヤ顔であった。もうこれ以上ないくらいに、勝ち誇ったような顔である。何に勝ったつもりなんだ。

        『聞いて驚け、我が主よ。結界じゃぜ!』

        猫よけだった。ペットボトルに水が入ってる例のアレ。ザ・キャット用バリアー。史楼の知識が正しければ、決して英霊に効果のあるものではないはずだ。

        『何を訝しんでおる?こんなにも立派な結界を前にしておるのだ、魔術師なら感嘆の一声もあってもよいはずじゃが……?』 -- セイバー 2014-03-23 (日) 21:19:46

      • それは初めての反抗だった。
        求められたことで出来ることは全て答えてやったし、精一杯誠実に応対してきた。
        それもこれも聖杯戦争に勝利するためである、我々が不仲であり、命令に令呪を使ってしまえばあきらかに不利になるのだ

        ただ セイバーの張った結界とやらを見て、積み上げてきたものを全て
        ひっくり返してしまっても構わんのだろう?というあったこともない謎の英霊が背中を後押しして。


        オレは、ペットボトルを蹴り倒した。


        -- 史楼 2014-03-23 (日) 21:30:01
      • 『あっ!!あぁーーーっ!!なにすんじゃ!?』

        じんわりと涙を浮かべながらも。
        無残にも蹴り倒されたセイバー謹製結界(ペットボトル)を急いで立て直し

        『ひどいぞ史楼!わしの力作をいきなり蹴り倒すなどと!主の落第レベルの魔術を少しでもカバーしてやろうとしてるのに!』

        と、抗議の声を上げたところで、涙顔のまま、不敵な笑顔を浮かべるという器用な真似をやってのけて。

        『――――まぁ見て分からんのは当然じゃがな。これはそれがそうと気付かせぬ為のもの。対魔術師用でもある。有り体に言うと魔除けじゃからな。』 -- セイバー 2014-03-23 (日) 21:42:00

      • 『何だ… 真面目にやってたのか…コレ。 オレはついてっきりマスターいびりが極限まで来たのかと…』
        素直な感想を述べると、落第云々などと聞き捨てならない言葉をどうにか受け流し
        屈んで、猫避けのペットボトルを見る、やっぱりオレには何も感じられない ただのペットボトルだ。

        『本当に効果あんのかねぇ』

        ペットボトルをつつくと、また倒れた。 -- 史楼 2014-03-23 (日) 22:01:19
      • 倒されればまた起こして。ちょっとマジで泣きそうな顔になりながらも、ちゃんと起こす。意外と健気かもしれない。

        『当然じゃ。わしを誰だと思っておるか。三騎士クラスのセイバーじゃぞ。そこいらのサーヴァントより偉いんじゃからな!』

        『―――水がまず違うのじゃ。』

        水質について語りだした。

        『あぁっ!!待て待てもう倒すな!話が進まぬぞ!』

        『つまりじゃな。この水自体に結界、それに準ずる効果を生み出す効能があるのじゃよ。』
        『魔を弾き、邪を払う水。少しここからでは遠いが、天海神社。そこの滝より汲める御神水じゃ。』
        『高い霊力を持っている代々の神主の禊の場としても使われておる』

        『取りに行くのは面倒じゃったからのう。こないだネットを繋いで取り寄せたのじゃ。便利な世の中になったな史楼よ。』

        ネットまで使いこなし始めたサーヴァント。というか勝手に家の中にネット契約まで済ませていた! -- セイバー 2014-03-23 (日) 22:15:17

      • そのネットの契約料金はいったいだれのサイフから支払われると思ってるのだろうか。

        涙目になっているセイバーに少しの罪悪感を抱いていたが、新たな散財が発覚したことで
        そんな思いは何処かへ吹き飛んでしまう、このままでは史上初の借金取りに追われるマスターになるかもしれない。

        『通販っていうのには不安が残るけど、結界が本物なのはわかったよ、わかった。』
        『お前が三騎士クラスのセイバーで偉くて強くて凄いのもわかった。だからな。』

        『お金なら渡すから服買って来い。つーかオレの服着るな!!』 -- 史楼 2014-03-23 (日) 22:24:59
      • 『魔術師にはただの猫よけにしか見えん。一般人から見ても猫よけじゃが。ただ概念という不文律として猫よけのように魔を避ける効果がそこに残り続ける。まじないじゃからな。』
        『まじないは強力じゃぞ。効果が単純じゃからな。ゆえに強い。』
        『魔の力の強いもの、邪気を振りまくもの、祟と穢、災難を払う効果を生み出す。猫よけを見てこれは猫を避けるもの、と思うように、魔を避けてしまうのじゃ。』
        『まぁ、網は大きいからのう、小さすぎてくぐり抜けてしまうのもいるかも知れぬが、その辺りはサクッとやっつけてしまえば良いじゃろ。』

        『ちなみにネットの代金は月々5000円あれば大丈夫じゃ。ミラージュ・光通信という会社じゃったか……わしがいた頃にはそんな物はなかったからな。いい世の中ではないか。』

        ひとしきり説明を終えて満足したのか落ち着いたのか。いつも通りの風体に戻りつつあるサーヴァントだったが。

        『え?なんで?マスターのものはわしのものじゃろ?わりと似合ってない?ボーイッシュじゃろ?』

        くるっと横に一回転してみせる。ポニーテールと尻尾がおんなじ様にふわりと揺れる。

        『あぁ……でも、そうじゃな……流石に下着は何とかしたいのう……』
        『もちろん、マスターたるお主は危なかしくて見てられないサーヴァントであるわしを助けるためにお買いものに付き合ってくれるんじゃろう?』 -- セイバー 2014-03-23 (日) 22:42:10

      • 説明は理解できたが、その強大な魔を避ける力がどこから来るのか不思議だった
        そういえばセイバーがどんなサーヴァントなのかキチンと聞いたことが無かったな…
        今度飯の後の機嫌がいいときにでも聞いてみるか。 -- 史楼 2014-03-23 (日) 23:01:22

      • そして、月5000?ふざけんな十分たけーよ。ハンバーガー何個分だよ。 -- 史楼 2014-03-23 (日) 23:01:30

      • ボーイッシュでかわいらしいのは重々理解できるが、というか女性というのと
        生まれてこの方この距離でコミュニケーションをとるのも初めてな上に
        こんな風な無遠慮さには照れるを通り越して、どうしていいのかもはやわからない

        『は!?オレが!?』
        『女物の服を買うのについていけって!?』

        たぶんイヤっていったらこいつ、買いにいかないつもりだ…
        眩暈がする、風邪かもしれない。このまま布団へ入りたい。

        『あーーーもう!わかった、わかったよ!!だけど下着は一人で買えよ!?売り場にすら近づかねーからな!!』

        厳しい戦争である。 -- 史楼 2014-03-23 (日) 23:01:40
      • 『まぁ良いではないかー。ペアルックでデートじゃぞデート。帰りに美味しいご飯でもご馳走してもらうとして。』

        物欲:Aのスキルでも持っているのかというほどの俗物感である。
        付き合ってもらえるとわかった辺りから小躍りするようにはしゃいでいる様に見える。最近一人で留守番してることが多かったのも一因だろうか。

        『まぁ、任せい。これでも昔は女子学生もしておったからな。もう、何年前なのか思い出せぬが。』

        ふ、と懐かしむような顔を一瞬だけ浮かべたように見えた。が、次の瞬間にはいつもどおりの笑顔で。

        『さぁ、行くぞ史楼。エスコートは任せた。』

        腕をとって歩き始めると、ちょうど外に出ていたご近所さんから、まぁ仲がいいのねえ、的な視線をたっぷりと感じる。
        結界の効果は近所のおばちゃんたちには一切効果がないらしい。当然だが。

        戦争には犠牲が付き物だ。と割り切る他はない。 -- セイバー 2014-03-23 (日) 23:14:52

      • 『学生、か 羨ましいな。』小さくかすれた声で、無意識に呟く。
        瞬間、セイバーの大きな耳を思い出してハッとする。聞こえたかもしれない、と笑顔に苦笑いを向けてごまかす。

        気を使われたのか、彼女がそうしたかったのかは分からないが、腕を取られて やや引っ張られつつも歩みだす
        視線が痛い、好き勝手な言葉が突き刺さる。違う、オレらはカップルじゃない。

        はぁ、もう好きなようにしろよ、お姫様。オレはもう抵抗を諦めた。 -- 史楼 2014-03-23 (日) 23:36:28



      •                               ただならぬ関係――END
  •   -- 2014-03-23 (日) 20:25:54
  •   -- 2014-03-23 (日) 20:25:52
  • 届く距離 掴むのを赦せよ
    • SuffereR
      • カフェテラスにて -- 2014-03-23 (日) 18:09:07
      • (特にいつもと変わらぬ昼下がり。カフェテラスにて軽食を取っている貴方のテーブルに無遠慮に近づいて来る影がある)
        (カツン、と義足の音を響かせながら来訪者はテーブルの前で立ち止まり)
        ……それ、美味しそうだね。一口頂戴?
        (無遠慮に卑しさ全開の発言をした) -- ライダー 2014-03-23 (日) 18:10:39

      • この間、カフェで爺さんがドーナツを食べているのを思い出して、急に食べたくなったオレは
        セイバーには内緒でこっそりと抜け出し、もぐもぐと食べていたら驚いたことに声をかけられた。
        おっかしいな、オレあの爺さん以外に知り合いいねーよな?ドーナツから視線を声の主へ。

        『…いや、食べるなら一個持ってけよ。』

        目の前の少女の姿に驚いて、少し言葉が詰まる。 -- 史楼 2014-03-23 (日) 18:21:17
      • いいの?ありがと。君は良い人だね。こんな人ばっかりなら私が飢えなくて済むんだけどな(無表情に頷くとドーナツに手を伸ばし)
        ん…ん、これ美味しいかも。やっぱり食事は大事。ね、もう一個いい?
        (尋ねながら右手を伸ばそうとして―)
        (その右手が存在しないのを思い出した。む、とわずかに眉間に皺を寄せ、改めて左手を伸ばす)
        (その姿は正常な心を持つ人間なら痛ましい姿に映ることだろう。歪んだ心を持つ者なら―)
        (あるいは嗜虐心をそそる姿に映ることだろう。果たしてこの少年の反応はどちらか―) -- ライダー 2014-03-23 (日) 18:28:09

      • 『あー… 女の子に飯食わせないで最近こっ酷く怒られたもんでな、トラウマなんだよ』
        『つーか、食うなら座れ、店員がこっち見てる。』

        痛ましいな、と感じた。しかし努めて表情には出さなかった、オレは哀れみの視線なんて投げたくない。
        正直、モラルがどうとかっていうのは分からないけど その時はオレはそういうのは違うよな、と笑む

        『アンタいつもこんなことしてんのか?』
        一つ問いかけてみた。 -- 史楼 2014-03-23 (日) 18:42:40
      • ん、分かった。座る(ドーナツを口に咥えたまま、片手片足で器用に椅子へと腰かけて)
        (そのまま無心でドーナツを食べきって)…おねーさん、チーズケーキ3つとドーナツ4つください(ん、と手を挙げて追加の注文)

        ―こんなこと、って。どういうこと?人にご飯ねだったりは…うん、今はあんまりしない
        お兄さんも、いつもこういうことしてるの?知らない人でも、声かけられたらご飯あげちゃう?? -- ライダー 2014-03-23 (日) 18:47:34

      • 今はあんまりしない、という言葉に 常に飢えてるわけではないのかと、安心する
        ん?安心?よくわかんねえな、あったばっかりのヤツなのに。

        『知らん、初めての経験だっつうの。物乞いの缶に金を投げ入れる趣味もねーし。』
        『勝手に追加注文されて、ふざけんじゃねえよってちょっと思ってる』

        店員を呼び止めて、超巨大パフェだのなんだのをやけくそ気味に注文する。もちろん自分用である。

        『オレより喰うことはオレが許さん』 -- 史楼 2014-03-23 (日) 18:59:26
      • …そう?なら良かったね。いい経験出来たじゃん。世の中何事も経験だよ
        (悪びれる様子も無く、注文した分のチーズケーキをぺろりと平らげる。続けてドーナツに手を伸ばしつつ)
        ……ほぉ。いい度胸だよお兄さん。私より食べられると本気で思ってる?
        おねーさん、私にもあのパフェ頂戴。3つぐらい(史楼が注文したパフェを見て自分も即座に追加注文。遠慮という言葉は知らないらしい)
        …あ、私人の10倍は食べるからね。お財布、大丈夫?(既に先の注文分は完食済み。変わらず無表情のまま史楼を見つめ) -- ライダー 2014-03-23 (日) 19:12:31
      • 『上等じゃねーか、アンタがオレより喰えなかった時は、値段分の貸しな』
        賞金袋をひらひらと振る、チャレンジメニューでの報酬だ。金は気にするな、ということらしい。

        『10倍?オレの胃袋は小宇宙だ!』

        史楼の体温が少し上がる。食べては熱量へ変換され 回路へ蓄えられるのだ。
        腹部が膨らむこともなく、悠々と甘味を完食していく

        少女の胃が史楼に負けることが無ければ、二人で店の食材を食べつくしてしまう勢いだろう。 -- 史楼 2014-03-23 (日) 19:25:17
      • いいね。そういうの凄くイイ。何も気にせずに好きなだけ食べられる…何年ぶりかな
        (史楼が食べ始めるのとほぼ同時に此方もスプーンを手に取る。ただ無表情で黙々とパフェを食べ進めるその速度は史楼と互角)
        (一つを食べきる前に追加の注文を済ませ、食べ終わる頃に新たなパフェが届く理想的なサイクルを二人で作り出しつつ)
        (意図せずして始まったフードファイトは何方も無限に近い胃袋を持っているがために、迎える結末は一つ―)


        (結局、店の食材を二人して食べつくし、店主に土下座されながらの退店となった)
        …まだ食べられたのにな。残念。でもお兄さん凄いね。私と同じだけ食べられる人って初めて見たかも
        名前聞いてもいい?次に会うことがあれば、フードファイトしたいしね -- ライダー 2014-03-23 (日) 19:32:48

      • 壮絶な戦いだった、まさか本当に店の食材が無くなるまで決着がつかないとは思いもせず
        途中パフェの上のチェリーを奪う空中戦がスプーンで行われた気がするのはオレの気のせいだろうか?
        もちろん賞金では足りず、サイフに思わぬダメージを追ってしまったオレ、どんだけ喰うんだよ、コイツ。

        『バカやろー! フードファイトっつってまたオレの金だろどうせ。』
        泣いてないんだからね。これはレシートの金額が目にぶつかっただけなんだから。
        はぁ、とため息。どうせ補充は使用と思ってたし、いいけど。

        『オレは史楼、あ、まて。そっちは名乗らなくていい。最近名前聞いて後悔したからな。』
        名前を言いかけたのか、言おうとしてないのか確認もせずに、静止する。もう爺さんの二の舞はごめんだね。
        -- 史楼 2014-03-23 (日) 19:53:32
      • …そうだけど?(史楼の言葉に「それが何か?」とでも言いたげな視線を返す)
        まぁアレだよ。一回死んだ財布は二回死んでも三回死んでも同じだよ
        (悪びれるでもなく言う。最初から最後まで遠慮を知らぬ態度であった)

        ―そう?じゃあ名乗らないでいいのかな。またね、史楼。今度会うときまでにさ、お金貯めといてね?
        (名乗らなくても良い、との言葉に首を傾げつつも言われた通り名乗ることはせず)
        (ばいばい、と左腕を振って去っていくのだった。かつん、かつんと義足の音を響かせながら) -- ライダー 2014-03-23 (日) 20:01:25

      • 『また奢るとは一言もいってねーからな!』

        背中に声をかける。後ろ姿を途中まで見送って、自分も歩き出す。
        まったく、変わった奴。どうしたらあんなに無遠慮になれるのかね。
        人の財布であれだけ喰えれば気持ちいいだろうな。オレだったら絶対遠慮しちゃうぜ。

        彼女の纏う、日常のものではない雰囲気を見逃すな。
        知らん、オレは何も感じなかった。アイツはただの大食い少女だ。
        頭を振る。帰ろう、セイバーが待ってる。

        『はぁ… 別の店で土産でも買って帰らないとな…』

        オレは更なる散財に、頭を痛めるのだった -- 史楼 2014-03-23 (日) 20:13:48
  •   -- 2014-03-23 (日) 17:12:31
  •   -- 2014-03-23 (日) 17:12:27
  • 銃を隠し持った友人を倒せ
    • Kill Me If You Can
      • (町中)
        (往来の中、堂々とオープンカフェでドーナツなどを食べながらにこりと笑って右手をあげる)
        や、史楼君。またあったね
        どうだね、そっちの戦況のほうは? -- 眉雪のキャスター 2014-03-23 (日) 03:56:30
      • 声をかけられてビシッと固まるオレ、別に全然会いたくなんてなかったんだからね!いや、マジで。
        なんでこの爺さんこないだあんな感じで分かれといて普通に話しかけてくるんだ?わからない。

        『戦況も何も、あれからアンタ以外のサーヴァントとはあってねーよ』
        『っていうか何普通にドーナッツ食ってんだ。』

        色々マジでわからない。 -- 史楼 2014-03-23 (日) 04:05:26

      • 『そうか、じゃあ特に情報はなさそうだな。なら今日は普通に茶でもしようではないか。奢るぞ、座りたまえ』

        そういって、老人ことキャスターはニコニコと笑って対面の椅子を勧めてくる
        先日のことなど、まるで気にしていないかのようだ

        『どうした? 遠慮するな。私は未来の味方になるかもしれない君に恩を売ろうとしているだけだ、何も不思議なことはないぞ』
        -- 眉雪のキャスター 2014-03-23 (日) 04:13:19

      • 『ぜってえ高いだろ、その恩。こないだの賞金でチャラにしろよ。』

        渋々と座る、逃げる理由は無… いやあるけど。 だからといって毎度逃げ出すのも癪だった。
        店員を呼び止めて、オレンジジュースを頼む。彼には父と子か孫と子か、どう見られてるのやら。

        『いっとくけど、オレに飯は奢ろうなんて思わないほうがいいよ、アンタのサイフぐらいなら簡単に食いつぶすからな。』

        事実である。熱量操作は燃費がお世辞にも良くは無く、それだけのカロリーが必要なのだ。 -- 史楼 2014-03-23 (日) 04:24:55

      • 『はははは、そんな事はないさ。丁度いい、少し講義をしよう。こう見えて教鞭をとっていたこともあるのだよ私は』

        そういって、店員を呼びとめ、スペシャルジャンボランチセットを1つ頼む
        所謂チャレンジメニューである

        『残しても構わんよ。残さず喰えばタダ。残せば私に借りになる。どっちでもいい素敵な提案だな』

        『さて、改めて、講義の時間だ。私は知っての通り弱い』
        『故に、君に情報を流して君達が別のサーヴァントを倒してくれたほうが結果的に得なのだよ』
        『君達は情報を得られる。私は敵に不利な情報を君達に流せる』
        『結果として、君も、そして情報を流した相手も長期的に見れば消耗するのだ。私はそれこそ君とご飯たべてくっちゃべるだけでね。悪くない手だろう?』
        -- 眉雪のキャスター 2014-03-23 (日) 04:30:09

      • たぶん、この目の前の爺さんに誤算があるとすれば…
        うちのセイバーが非常に。ひっじょ〜〜〜にぐうたらした性格なのを知らないことだろう
        情報はありがたいけど、あいつ絶対戦わないぞ… オレそういうの分かっちゃう。でも言わない。

        『まあ、確かに。言ってることはわかるよ、俺の情報も売ってんのかな〜っとも思うけど。』
        『どうせそれを問い詰めたところでしょうがねーし』
        『飯食って、この戦争に勝てるようになるなら、それがいいのは確か。』

        そこまで喋ると、沈黙。オレのターゲットは爺さんではなく
        目の前の巨大なランチへかわっていた。うん まぁこんくらいなら軽食にはなるか?
        -- 史楼 2014-03-23 (日) 04:39:13

      • 『当然君の情報も垂れ流しだが、君は強い上に君のサーヴァントの事を私は知らない』
        『情報戦では君の方が有利さ』

        まさしく山のような量のランチがきても驚く様子もなく、むしろ余裕のある視線でそれを見る史楼を見て、つい微笑む

        『足りなかったらすまないね』

        『さて、ではどんな情報が欲しいかね? 知っている限りで君に流すと私が得をしそうな情報を流そうじゃないか』

        -- 眉雪のキャスター 2014-03-23 (日) 04:45:55

      • いくら理由が積もっても、拭えぬ不安に キャスターの得体の知れなさを感じる
        言い換えるなら胡散臭い爺さんだなあ…と。

        『そうだな、無差別に人を襲うタイプのヤツが居れば知りたいね。できればかかわりたくねーし』
        『…出会ったなら、戦うことになるだろうからな』

        あんまり食事を美味くするタイプの話題じゃないな、と感じつつ
        話を聞きながら、食事を進める。飲み物を飲んでいるのとそう、かわらない感覚で。
        目の前のランチを、口へ連れ去っていく。

        うーん、撤回。こんな話題の中でも、飯は美味い。 -- 史楼 2014-03-23 (日) 05:02:33

      • 『なら、この情報になるね』

        そういって、差し出したのは簡単なメモ

        『ご希望通り、無差別に人を襲うタイプのマスターのヒラ君だ』
        『つれているサーヴァントはアサシン、通称:ハイエナ』
        『こういう往来で宝具を使うことも厭わない危険な連中だよ』
        『……とまぁ、そんなところだが、御希望には添えたかな?』

        紅茶を飲みながら、すらすらと人の情報を伝える
        淀みはない

        -- 眉雪のキャスター 2014-03-23 (日) 05:10:14

      • メモを受けとって、目を通す。
        見るだに、聞くだに、厄介そうなヤツだ
        それに無差別に人を襲う、倒されても 文句は言えないだろう …本当にそうか?

        …オレはこの情報を持って どうするつもりなんだ。

        殺すのか、父の為に。

        いや、オレの為に。

        『もう一つ聞きたいことがある』
        空になった皿に、スプーンを置いて。


        『あんたらは聖杯に何を望む?』 -- 史楼 2014-03-23 (日) 05:23:32
      • 史楼の葛藤を知ってか知らずか、キャスターは深く微笑む
        そして、一度大きく応用に頷いてから質問に答える

        『答えよう……実はね……わからないんだよ』
        『まだ主から聞いていないんだ。どんな願いを叶えるつもりなのか全くね』
        『まぁ、私には関係のない事だがね』

        そう、それこそ明日の天気でも告げるかのように軽く言う
        紅茶を啜るついでに、さらっと、なんでもないように -- 眉雪のキャスター 2014-03-23 (日) 05:29:00

      • 『そう、か…。』

        安心したような、落胆したような あいまいな表情を見せる
        この爺さんと話をすると、疲れる。
        考えようとしなかったこと、考えたく無かったことが 沸いて出る。
        そしてそれは、決して目をそらすことの出来ない物だった。

        戦争でなければ、ただ笑って飯を食ってたかもしれない
        戦争でなければ、誰も■■なくて良かったかもしれない
        目の前の爺さんも、最後には■■のか。
        思考が濁る。

        そこで店員に声をかけられて、ハッとする
        おめでとうございます?何が?…ああ、このランチのことか、忘れてた。
        そういえばこれってチャレンジメニューだったな。もしかして賞金もついてんじゃねーか?
        この爺さん、ほんと喰えねえーなぁ。

        『ごちそうさま、美味かったよ。』 -- 史楼 2014-03-23 (日) 05:41:06
      • 短い返答に対して変わらず微笑み続ける
        キャスターにとっては恐らく、それは当たり前の事なのだ
        本気で主の願いの内容など……どうでもいいのだろう
        微笑みの真意はわからない
        ただ何の気なしにあっけらかんと笑っているようにも見える
        濁りの中にある史楼の葛藤を見て微笑んでいるようにも見える

        答えはでない

        『お粗末さまでした。その賞金は君が好きにしたまえ』

        そういって、がたりと立ち上がり、踵を返す

        『さて、私も十分茶と会話を楽しんだし、今日のところはこれで引き上げようかな』
        『また会おう史楼君。私は、君のような若者は好きだ』

        後ろ手をふりながら、笑声交じりにそう告げて去っていく
        無防備な背中を晒したまま、ゆっくりと
        -- 眉雪のキャスター 2014-03-23 (日) 05:50:46



      •                               Kill Me If You Can――END
  •   -- 2014-03-23 (日) 00:01:42
  •   -- 2014-03-23 (日) 00:01:40
  • ――集いは始まったばかり 門を開けろ―― -- 2014-03-22 (土) 19:38:19
    • Waitress! -- 2014-03-22 (土) 19:38:30
      • セイバーに助けられ、思っても居ない言葉で場が凍りついたのも少し前の話。
        薄暗い路地裏に何時までもお喋りをする趣味なんて当然持ってないので、オレの拠点へ移動しようとした

        『ああ、じゃあオレが今住んでるとこまで帰ろうか… 飯も何か残ってたはずだ。オンボロだけど勘弁してくれよ。』

        肩の傷を少し気にしながらオレは先に歩き出そうとする。 -- 史楼 2014-03-22 (土) 19:43:23
      • 甲冑姿のセイバーは、その後を着いていく。
        『オンボロとな!多少なりなら我慢はするがのう……。』

        明らかにテンションが下がっている様子ではあったが、それでも着いていくようで

        『そーじゃ、史楼。飯の方までオンボロではあるまいな?呼び出されていきなり敵の英霊の攻撃を捌くなぞ思ってもみなかったからの。』
        『いきなりじゃが疲れてしまってのう。マジでおなかぺっこぺこなんじゃ。美味しいご飯とあったかい寝床。最低でもこれは譲れぬな。』

        顕現した時とは打って変わって俗物くさい雰囲気を醸し出し始める史楼のサーヴァント。 -- セイバー 2014-03-22 (土) 19:54:20
      • 注文が多い客に混乱してしまうウェイトレス・オレ。サーヴァントってこんなに俗っぽいのか、知らなかった。
        別にこういうのは嫌いじゃないが、最初とギャップが激しすぎて 接し方がまだわからない。

        『まてよセイバー、ただの魔術師に何を期待してんだ?オレの言う飯ってのも、こんなのばっかりだぜ?』

        上着のポケットをまさぐって、カロリーメイト系列のお菓子を取り出してみせる。 -- 史楼 2014-03-22 (土) 20:02:40

      • 『――マスター・史楼……ちょっと。』

        先を行く史楼を呼び止め、歩を進め追いつくと耳元に顔を寄せ。

        いくらなんでもカロリースティックは無いわぁーーーーっ!

        抗議の叫びが木霊した。魂の叫びだった。

        『わし、頑張ったじゃん!?結構大変だったんじゃぜ、あれ捌くの!めっちゃ魔力も消費したのにカロリースティックって。』
        『ダイエット中の女子学生か!!もうちょい奮発してもいいんじゃないかの!?男児たるもの女子には見栄を張るもんじゃぞ!』
        -- セイバー 2014-03-22 (土) 20:16:42
      • 怒られた。

        しかもかなりご立腹らしい。

        だってすげー耳痛いもん今。(また痛覚遮断しようかな…)

        『い、いやさ!魔力ならオレからそっちに伝わってるだろ!? 量だけならあるし!?』
        『つーかそこなのか!?いや確かにかなり危ないところを助けてもらったけどさ!!』
        おかしい、耳だけじゃなくて頭も痛い。さっきのヤツらの呪いかもしれない。

        『わかった、わかったよ!開いてる店探して何か買って帰ろう!それで許してくれよ!』
        オレ、肩に穴開いてんですけど。 -- 史楼 2014-03-22 (土) 20:28:13

      • 渋々、といった表情で離れるサーヴァント。ぶぅ、と頬を膨らませている姿には幻想的な美少女の雰囲気は
        もう、微塵もない。

        『最初だけ、今回限りじゃからな……次からはちゃんとした料理にて持て成さないと怒っちゃうんじゃからな。』

        ようやく落ち着いたのか、静かに一歩を踏み出そうとしたところで、なにか思い出したようすで。

        『そういえば、史楼。お主、怪我をしておったな。どれ、ちっとわしが治してやろう。』

        史楼の肩の傷に、そっと触れるか触れないかくらいの近さで。人差し指を可愛らしく動かした。

        『ちちんぷいぷい』

        おまじないにしても、えらく古風だった。
        ――が、その気の抜けるまじないは、史楼の体から、その痛みと穢れをさっと抜いていってしまう。 -- セイバー 2014-03-22 (土) 20:43:04

      • はっとして自分の傷を見る、いや…正確には見れなかった。

        傷が無い。
        痛覚遮断を切ってみるが、痛みも無かった。
        ちちんぷいぷいで治る自分の体に、なんと言うか裏切られたような思いも少しあるが。

        『…やっぱ本物なんだな。すげーや。』
        そこはありがとう、だろ。 イヤ、でも悔しいしな…

        『はぁ… じゃあ買出しに行くか… でもさ。』
        オレはセイバーを上から下まで見たあと、目を合わせて言ってやった

        『その格好で店に入るのは無理だからな!』 -- 史楼 2014-03-22 (土) 21:02:27

      • 『なんでじゃ?』

        と、疑問を口にしてから自身の姿を見直しているサーヴァント。何かに気がついたのか、あ。と声を上げて

        『あらやだ。替えの服、忘れてきちゃったわ。』

        可愛らしく、てへぺろ、と舌を出している。……誰に向けてのアピールなのだか。

        『それじゃー仕方ないのう。チョイスは史楼に任せるとして。ここで待っておるから早く夕飯買ってきてくれ。』

        ちょこん、とお座り。流石に地べたではなく街路樹の仕切りの段差にであるが。
        尻尾が振れているのでご飯にありつけるという事実に機嫌が良くなっているのは間違いないようである。 -- セイバー 2014-03-22 (土) 21:14:00

      • そのセイバーの姿に、正直に感想を言うと、また機嫌を損ねかねないので
        『はいはい‥』と短く返事だけをすると。オレは熱量操作を行い、猛スピードで走り去る

        パシる為に使う技じゃないんだぜ!?カッコいい詠唱も考えてあるのに…!

        アクセル・オン
        『熱量 付与』

        熱量を運動力に変えて、オレのスピードや筋力を大きく底上げしてくれる魔術
        便宜上魔術っていってるけど、消費するのは熱量だけなので、行使しても感知されずらい。

        そんなスキルを使って。コンビニで、おいしそうなハンバーグ弁当やら、オムライスとかアイスとかホットスナックとか…
        山ほど食べるものを買って、走ってるのが、オレです 泣けるぜ。

        セイバーの姿を捕らえると、持ってる袋に負担がかからぬよう ブレーキ
        袋を献上する。

        『ほら買ってきたぞ…!これでいいだろ! あと残ったらオレが喰うから。』

        熱量操作は腹が減るのだ。 -- 史楼 2014-03-22 (土) 21:35:14

      • 『まさにパシリの為の能力じゃな……見直したぞ我がマスターよ』

        超速で戻ってきたマスターにかける第一声がこれであった。尻尾だけは振り切っているのだが。
        袋を手にすると、目を輝かせて中身を眺める

        『久方ぶりの地上の食べ物……本当は最初に食べるものはもうちょっと豪勢なのをイメージしておったんじゃが。妥協も大事じゃな。』
        『なに、遠慮することはないぞ我が主。そこに座って一緒に食べようではないか。』

        随分と上機嫌に、地べたへ座るよう誘う。自分は段差に座っておいて、これである。

        『ムードも何もあったものではないが、わしの顕現を祝って。』

        オムライスを頬張る姿は鎧姿を省けばどう見ても普通の

        ―――追加で耳と尻尾も省けば。普通の女の子にしか見えない、というのに。 -- セイバー 2014-03-22 (土) 22:01:08

      • パシリ能力と言われても、今のところは否定できず、がっくりと肩を落とす
        『うるせー… 今すぐ消えてしまいたくなるようなことを言うな!』

        ったく、勝手なヤツだ。
        誘われるがままに、地べたに座る。行儀の悪さを指摘しても無駄だろう。

        思えば誰かとご飯を食べるのは、いつ振りだろうか。記憶を辿るが、思い出せなかった。
        それこそ(耳と尻尾はついているが)女の子と食べるのは、初めてなんじゃないだろうか?

        奇妙な感覚を感じる、
        体中の神経を回路で支配しててもそれが何かは分からない。

        『まぁ… たまにはこういうのも、悪くないか。』

        オレも肉まんを頬ばった。 -- 史楼 2014-03-22 (土) 22:18:17

      • 随分と空腹だったのか黙々と。弁当をしばし食べていたが
        ふと、顔を上げる

        『―――マスター。わしは決めたぞ……!』

        随分と真剣な声だった。何を、と史楼が返す間も無く、続けられる言葉。

        『拠点は是非、最寄りにそのコンビニとやらがあるところにしよう。手軽にいろんなものが食べれるし、これ、すごくない?』

        内容は、ともかくとして。どうにも。その決意だけは何よりも固く、コンビニの近くじゃないとここから動かん、と駄々をこねる始末。 -- セイバー 2014-03-22 (土) 22:26:14

      • うわぁ
        英霊が駄々こねてる… それもすげービック駄々…

        これを飲まないと本当に動きがないという強い意志を感じる。
        プレッシャーってこういうのでも感じられるのか。

        一応、オレも大喰らいなりに資金を用意してるけど
        また陣地構成しなおすのか… 落第なりに頑張って用意した仕掛けの数々よ、さようなら
        そしてこんにちは、敷金 礼金。

        『わかった。わかったから… あんまり困らせないでくれ…』
        『とりあえず、今日はオレの家に帰って。寝る 明日にコンビニの近くの家を借りて 転居する。』
        『それでいいな?頼むからいいと言ってくれ!』

        必死。 -- 史楼 2014-03-22 (土) 22:39:17

      • 『仕方がない……今日のところはオンボロで勘弁してやろう。ただし布団は譲ってもらうからの!』
        『ん?それとも一緒に寝るか?それはそれで別に構わんぞ。』

        事も無げに、うら若き男女が一つの寝具を共にすることをあっさりと許可する。

        『あ。エッチなこと考えた?くくく、まだまだ若いのう。』
        『ま、それはともかく明日は新しい住居探し。忙しくなるのう。絶対に素敵な家を見つけるぞ我がマスターよ!』

        聖杯のことはどこへ行ったのだろうか、このサーヴァント。 -- セイバー 2014-03-22 (土) 22:56:06

      • 『バッ バカ!そんなこと考えるか!!床で寝るわ!』

        あれ、なし崩しで寝床奪われてないか?
        というか、そういう時はサーヴァントって実体化解いたりするんじゃないのか?

        頭上に大量の?を召喚したオレは納得できないことを沢山抱えながら
        あと一日だけの"仮宿"に向かって歩き出した。

        横並びに歩くセイバーに、軽く視線を落として。今更何処か照れくさいが一言、伝える。
        『よろしくな、セイバー』





        って結局 飯と家の話しかしてねーじゃねーか。 -- 史楼 2014-03-22 (土) 23:12:50



      •                               Waitress!――END
  •   -- 2014-03-22 (土) 12:55:12
  •   -- 2014-03-22 (土) 12:55:08
  • ―――世界に飛び出す 明かりはもう消えている。 -- 2014-03-21 (金) 22:05:45
    • Run Away

      『サーヴァントって呼び出すのに触媒が必要なのか… はぁ。』
      ため息まじりで歩きながらメモを読む。当然オレにしか読めないように細工がしてある、
      魔術の成績は正直落第レベルだけど、これくらいは出来る…といっても師匠が細工したのを読んでるだけ…なわけで。

      まぁそんなのはどうでもいい。
      正直、オレが今持ってる触媒は、なんつーか虎の子。使うわけにも行かず 間抜けにも今更買出しに出かけた。 -- 史楼 274-03-21 (Gold) 19:02:32 New!

  • 今日、黄金暦のイツか。夜 真っ暗、オレ 銃ぶっ放すヤツに追われて走ってる、かなり必死で。ナゼ?
    『なんでいきなりこんな目にあわなきゃなんねーんだ…!?』

    いや…その理由はオレの手についてる洒落たタトゥーのような刻印が明確に告げている
    オレは走りながら、忌々しげにその手についた"令呪"を睨みつけた。まだ呼んでねーっての。

    師匠の話曰く、過去の英霊を呼んで、この"令呪"を使って契約。それでようやっと、この戦争に参加できるそうだ
    つまりオレはスタートラインに立ってない状態で襲われてる。畜生 卑怯だろ。

    『まだ追ってきてんのか…?簡便してくれよ…!』足は止めずに、史楼はボヤいた。 -- 史楼 274-03-21 (Gold) 22:46:03 New!
  • ────史楼に照準を合わせていた男は、未だ標的が逃げおおせている事を嘆くでもなく闇を走る。
    深い紫のジャケットに濡羽色の髪。フードからはみ出た蓬髪から覗く赤い瞳は、逃亡を続ける少年を鋭く睨めつける。

    「予定通りに追い込んでる。……まぁ、此処で死んでいないと言う事は、アレもまた聖杯戦争の参加者って証拠だろう。
     ま、頼りにしてる。その前に俺が殺っちまえれば手間は少なくて済むがね」

    自らのサーヴァントへの念話を飛ばしつつ、右手に持った拳銃をリリース。中折れ(トップブレイク)した銃身のロッドが自動的に空薬莢をシリンダーから排出し、澄んだ金属音と共に汚れた路地へと真鍮の煌めきを散りばめる。
    慣れた手つきで再装填を行い、手首を振った反動で折れた銃身を元に戻す。
    標的は逃げる背中。込めた銃弾は痛みの呪いが篭った特製品。
    その青年──久多良木アクタは呪術師である。手にしたリボルバーこそが礼装であり、そこから放たれる銃弾が彼の放つ呪術であった。

    「苦鳴に沈め」
    詠唱とも呼べぬ極短い文句と共にハンマーを下ろし、引き金を引く。マズルフラッシュと共に発射されるのは、着弾した者の痛みを数十倍へと引き上げる呪いが刻印された呪いの弾丸。
    風切りの音は怨嗟の如く。刹那にて史楼の背へと食いつかんと迫る。 -- アクタ 2014-03-21 (金) 22:23:48

  • 『…っ!?』

    完全に誤算だった、油断もあった。
    銃撃をしてくる者に大して、距離もろくに離せず、背中を向けて逃げるとか そりゃ撃たれるよな
    それでも何とか"間に合って" 確実に背面から心臓を捕らえていたであろう凶弾を、肩を抜かれる程度で…

    あれ、なんで脚が縺れてんだ?逃げなきゃまずいだろ、史楼。


    痛い。

    痛い痛い痛い痛い痛い
    痛い痛い痛い痛い痛い!!

    思考が痛覚に支配される。いつの間にか、薄暗い路地の底 オレは壁に背中をついている。

    まずい、"切らないと" 激痛で死んじまう。
    砕けそうな肩を抑えて、打ち抜かれた部分の回路を"遮断"した。瞬時に痛みは消えるが、余韻が身体を蝕むのをやめない。

    ぜえぜえ、と走っても切れなかった息が煩い。頼むから静かにしろよ、近くにヤツが居るんだからさ…。

    オレが走ってきた、まだ街頭の明かりが差す方へ視線を向けた。 -- 史楼 274-03-21 (Gold) 23:12:31 New!

  • 「……成程。確かに魔術師だ。
     痛みでショック死する筈なんだけどな、普通は」

    逆光を背負い、長身のシルエットが壁に背を預ける史楼へと声をかける。血のように赤い瞳は、未だ彼を見いだせず暗闇を見回し、そして。
    その視線の延長線上。銀光を煌めかせる銃身の先、黒黒とした顎を開く銃口は死の気配を湛え、獲物たる少年をその深淵へと引きずりこむ時を待ち、暗闇の中犠牲者を探り彷徨う。

    「とは言え、……これで詰みだ。
     許しは請わん。オマエの願い、踏み躙らせて貰うぞ。少年」

    だが。彼は自らが獲物を捉えて居ずとも問題無いとばかりに決別の言葉を口にした。
    その意味に史楼が気付くか、気づかぬか。判別のつかぬ刹那の内に、彼は己の従者(サーヴァント)へと致命の指示を下した。

    「────セイバー。
     殺せ」
    -- アクタ 2014-03-21 (金) 22:58:07
  • 暴力がオレを見ている。
    後光が差して、まるでこちらが罪人のようにも見えるかもしれない。

    銃弾くらいなら、避けてみせる。逃げる自信もある。
    ヤツが言うとおり 落第だろうとオレは魔術師だ、この日の為に修行してきた。

    でも何でオレが逃げなきゃダメなんだ?

    ふざけてる、バンバン撃ちながらケツを追い掛け回されて肩を撃ちぬかれて…
    ”許しは請わない”ときた。

    オレは肩から伝ってきた自前の供物で、後ろ手に召喚陣を描く。
    やっとのことで逃げおおせる?バカいえ あいつらにゴメンナサイさせてやる…!

    略式だけど、簡便しろよ。背中に潜ませた、草臥れた剣に語る。

    ―――――Anfang(セット)』   -- 史楼 274-03-22 (Earth) 00:00:00 New!
  • 「あいよ」

    囀る虫たちも、この時ばかりは一斉に動きを止めた。
    野で生きる者たちは、人には無い危機察知能力があるという。
    古来より伝わるナマズと地震の関係がよく聞く話だろうか。
    史楼に迫る"それ"は正しく、"災害"の範疇であった。
    突如として轟音が過ぎたと思えば、四方を囲んでいたはずの家屋が、まるで冗談のように吹き飛んだのだから。

    粗暴な方法で得た道を歩み、現れたのは甲冑を纏った戦士の英霊。
    逆巻く風に外套を棚引かせ、掲げた大剣を上段に構える。
    威力は先程ご覧の通り。廃ビルを薙ぎ倒すために重機が打ち下ろす鉄球と遜色がない。
    差異があるとすれば、それは明確な敵意を持って、ただの一人の人間に振り下ろされようとしている点である。
    命乞いをするにも、彼らの距離はあまりにも近過ぎた。歩みを遮るものは何もない。戦士はただ当然のように、再び大剣を振り下ろす。 -- セイバー 2014-03-21 (金) 23:57:55
  • ―――闇夜に花びらが。幾篇かの桜の花びらが舞った。

    春風と共に。
    その柔らかなる風は暴風の向きをそっと、優しく逸らして、その対象から外してあげた。

    ―――やれやれ……難儀じゃのう。

    風は、止んでいた。ひと振りの日本刀を構えた和装の鎧を纏った少女が、少年の前に。
    暴力からその身を守るように。その奇跡をもって、両者の間に顕現していた。

    習わしらしいからのう。問うておくぞ少年よ。―――ヌシが、わしのマスターか

    満開の花びらのような笑みを携え、その背に守りしマスターへ。契約を結びし者への手を差し伸べる。 -- セイバー 2014-03-22 (土) 00:12:59

  • 一瞬答えに詰まる、殺されそうな所だった それなのに、舞う桜と少女に目を奪われていた。

    数瞬後、我にかえる。ボーっとしている時間は無い。
    ああ、そうだよ。お前のマスター 史楼 夕真だ。
    問いかけに答え、困り顔と笑みと混ぜると、差し伸べられた手を取り起き上がる。少し情けない。

    えーっと… 手を貸してくれるんだよな?

    マヌケな質問だと思った。オレはもう既に助けられてるんだから
    少女の姿をした英霊に、格好をつけたくなったオレは短剣を取り出し、構える

    ヤツらと視線が交差し、奇妙な間が生まれた。-- 史楼 274-03-21 (Earth) 00:01:04 New!
  • 颶風と殺意が威を振るい、桜と言葉が威を祓う。
    僅かな間に状況は流転し、狩る側と狩られる側は今や拮抗している。瓦礫の後に桜花が舞う中、新たな闖入者が少年を守るように前に立ち、そして少年もまた意を示すが如く短剣を構えたのを視界に捉え──
    久多良木アクタは深いため息と共に、口を開く。

    「あぁ……流れ変わったな。これじゃ手札の見せ損だ。
     セイバー、済まんが状況が変わった。まぁ見たら分かるだろうが、サーヴァント一騎に何の準備も無しに掛かるのはウマくない」

    銃口はピタリと史楼の額へ向いている──だが、先ほどまでは濃密だった死の気配は暫し薄れているようにも思える。

    「と言う訳で帰るぞ。運が良かったな少年。
     ああ、いや。実力ではあるか。今後オマエとはやり合いたくないね、手の内がバレた上に通じなかった訳だから」

    事も無げに言い放ちはするが、その心中は穏やかではない。やり合いたく無いと言うのも本音だ。
    自身のセイバーは掛け値なしに強力な英霊である。その剣戟を防ぐ相手に対する警戒は強い。然るに。

    空いた手を懐に突っ込み、放る。円筒形の物体はすぐさま多量の煙を生み出し、両者の視界を遮った。 -- アクタ 2014-03-22 (土) 00:55:44

  • 状況が変わったと見るや否や、煙に撒いて退散するヤツらに満足な反応も出来ず
    むしろこの煙だって罠なんじゃないかと息なんか止めたりして、身構える。

    当然、視界が通るころには姿もなく。ため息をついて、背を擦りながら座り込む。
    かすかに散る赤色に、自分がケガをしていることを思い出す、そういえばオレ、撃たれてた…

    助かった。えーっと…』少女に礼を言おうとして、困る。この子 何て呼べばいいんだ?
    感謝の行き着く先に迷いながらも、少女を見上げた。-- 史楼 274-03-21 (Earth) 00:07:48 New!

  • 『ん、わしの名か?教えても構わぬが、……今はセイバーでよいじゃろ。聖杯戦争の舞台なのじゃからな。』

    よくよく見ればその頭部には獣の耳らしきものが備わっており、其れが小さく揺れ。
    ――大丈夫じゃな、と一言発してから少年を助け起こした。

    『それでは、我が主よ。感謝の言葉を述べるつもりならば不要じゃぞ。それよりも重要なことがある――――。』

    助け起こされれば分かることだが、少年よりも幾分か背丈は小さい。それが、見上げるように笑みを浮かべ。その口元に八重歯を覗かせる。

    『―――おなかすいたのじゃ。わしは、早くごはんたべたい。』 -- セイバー 2014-03-22 (土) 01:26:49



  •                               Run Away  ――END

Last-modified: 2014-04-26 Sat 21:02:53 JST (3651d)