フランメ家出身 エメリヒ 249703 †
街から二日程離れた、古びた遺跡の一角で
小さな、小さな大地の
鉱精としては余りに短いその生涯を
静かに、静かに終えようとしていた
残り少ない力を振り絞り、己が身を預ける大地に
蚊の鳴く程の声で語り掛ける
大地よ、全ての生命を抱える大地よ この体、御返しします
言い終えて、静かに身を横たえる
刹那、体は淡い光の粒子となって、地へと溶け去った
残されたのは小さき者の精神のみ。それも何れ、一度大地に溶け去って、眠りに付くのだろう
何年か、何十年先か……再び体を得て目覚める時まで
でも、その前に
瞳を閉じてしまうその前に
帰ろう あの街へ
伝えなければ、ならないから
姿は無くとも、彼は此処にいる
地の深く。何時か目覚める時を待ちながら
再び、会いに行ける事を願いながら
もう一度、大切な人の胸に抱かれる事を夢見ながら……
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