ZS/0573

  • 突如襲いかかる強めの幻覚) -- ハルト 2023-06-29 (木) 22:42:53
    • (同時通訳でお送りしております)
      一見すると肌の露出は少なめですが、それを補って余りある透け感。白のレースが上品かつ清楚、それでいて大人っぽい雰囲気を醸し出しています。
      隠しているのに透けている、この破壊力たるや凄まじいの一言に付きます。
      -- ハルト 2023-06-29 (木) 22:48:45
      • (……と臨海学校の時にコメントしたっていう夢を見たんだ……) -- ハルト 2023-06-29 (木) 22:49:12
  • ✞ -- 2023-06-29 (木) 22:42:13
  • ✞ -- 2023-06-29 (木) 22:42:09
  • (どこかが違えば、今この場で繰り広げられていたのはエーベルハルトと矢部島のなんとも言えないバディものになっていたかも知れない。絵面が厳しい。華がない。吸血シーン辛すぎ。そんなもしもは有難い事に否定された)
    (繋ぐ手は互いの指を組み、祈りの形(こいびとつなぎ)に)……有難う。一応、説明しておこう……あの女は、あそこに転がっている、魂を喰らう妖刀で人を殺めた。数は多くはないが──その中には俺の、母も含まれている。
    (妖刀は先程の戦いで折れ、力を喪った。だが、その刀身に閉じ込められ怒りや恨みの念に染まった幾多の魂は解放され、その矛先として女に憑依した)
    (そこを停滞(ステイシス)の魔術を用いて自体の進行を止めている状態だ、という説明をして)
    ……今から閉じ込めている術を組み換えて、怨念から穢れを引き剥がす。同時に俺の気の流れを君の物と同調させて、引き剥がした穢れを祓う(物忌等準備は足りないが、同調が純化(ピュリファイング)の術の更なる効果向上を期待しての事である)
    (繋ぐ手から脈拍を読み取り、呼吸を整えリズムを合わせていく。同時、円形に整列した血の刃は赤い光跡を残しながら宙を舞い、中心に置いた九角 一刃(くずみ かずは)を中心に新たな術を展開していく)
    (術の完成に合わせて、叫び顔の女は凍りついた時間の流れから急速解凍されたように動き出した。恨みの籠もった、しかしどこにも焦点の合わぬ目でエーベルハルト達に向かって一歩、二歩──)
    -- ハルト 2023-06-18 (日) 22:10:48
    • (こら“御手洗さんX”の出番はナシやな……と思いながら魔術の展開を見守る矢部島)
      (因みに京都府警超常犯罪捜査壱課が誇る秘密兵器“御手洗さんX”とは悪性の霊的エネルギーを吸引し、浄化の後・排出する機能を持った強力な除霊装置とも言うべきものである)
      (特筆すべきはやはりその外観。御手洗陶器株式会社の手による腰掛大便器を使用し、優美な外観と素晴らしい洗浄浄化能力を両立している点に尽きる)
      (便器の持つ、『不浄を受け止めつつも清浄を保つ』という概念がこの上なく体現されていると言っても過言ではない)
      (ただ、実際のトイレとは動作が異なっており、レバーを倒すと排水口へと悪性の霊的エネルギーが吸い込まれ、パイプを通じて通常貯水タンクとなっている部分へと送り込まれ──)
      (吸引された霊的エネルギーはタンク内部に幾層にも設けられた浄化装置の中を通り抜け、最上部に設えられている女神像の瓶から排出される仕組みだ)
      (この女神像がまた美しいと評判で、一部では御手洗の令嬢をモデルにしている等と噂されているようだが、今の所御手洗グループから公式の発表は無い) -- 矢部島 2023-06-19 (月) 23:13:22
      • (吸血鬼といえば、うら若くて容姿端麗なる乙女の鮮血でないと承服しかねるような好き嫌いのイメージがあった ハルトがそうかどうかはわからない)
        (矢田部刑事のような血中コレステロールが高いドロドロの血はたしかに美味しくないのかもしれなかった そんなとりとめもない思考は一瞬のうちに彼方へと去って)
        (いかなる儀式をするのであれ、御手洗の血統に息づく浄化の術式がきっと助けとなることだろう 今なら単純に呪力を補う予備タンクとしての役割も果たせるに違いない)
        (凛々しく表情を引き締めてはいるものの、膀胱の圧迫感が増してゆくたびに呪力の桁が爆発的に高まってゆく)………それは……何と申しましょうか
        いったいどれほどに………苦しんで参られたことでしょう…(幽鬼のような形相で歩む彼女は彼にとっては親の仇で、一片の同情にも価しない相手なのかもしれない)
        (それでもこの眼には、慟哭し叫喚し絶望に沈んでただただ嗚咽を漏らすより他ない人の苦しみを読み取ってしまって)…………私のような者に……
        貴方様の供がつとまりましょうか…………ですが、ハルト様がそう仰るのでしたら…信じたい、と思います 貴方様の御言葉を………(こくり、と頷きをひとつだけ) -- 華子 2023-06-19 (月) 23:21:37
      • (──三歩。歩みを進めた所で女は立ち止まり……やおら膝から崩れ落ち、ぺたりと座り込んでしまった。その表情は、吹き荒れる怒りも悲しみも憎しみも何もかも忘れたような、茫然自失。しかしどこか安らいだようにも見える)
        (何故かと言えば、先程まで停滞の囲いとなっていた力場が純化のフィルタとなってそれらの怨念を濾し取った為であった。ここから浄化の最終段階が始まる)
        (苦しんだ。それは否定のしようがない)そうだな……だが、殺すつもりも、死なせるつもりもない……正当な裁きを受けて貰う。
        どれ程の悪人であっても、その死を母は望むまい(母はそういう人だったと、父や叔母から何度も聞かせて貰って育った)
        (供は十二分に務まる。そう信じるに足る呪力が、圧として感じられそうな程に高まっているのを隣で感じながら)……では、終わりだ。
        この者は現世の法で裁かれる。そして、いずれ幽世の法で裁かれるだろう。その時にこそ、応報は成る。故に今は鎮まり給え(日本でメジャーな神道や仏教の文言ではなく、自分なりの鎮魂の言葉を紡ぎ)
        (術を閉じる。直方体の空間に囚われた怨念が純粋なエネルギーに昇華し、空へと消えていく。同時に、女に憑依していた数多の魂も解き放たれ──)
        (淡い光の玉が一つだけ、ゆらゆらとエーベルハルト達の前へやってくると)
        -- ハルト 2023-06-19 (月) 23:51:29
      • (暫し周囲を漂って、どこか嬉しそうな雰囲気を伝えると空へと昇って行った) -- ??? 2023-06-19 (月) 23:52:53
      • (彼は最後まで冷静さを保ち、非常の手段に訴えることなく他者に裁きを委ねる道を選んだ そのことに安堵を覚えたような心地がして)………それが、貴方様の想う…
        本懐、にございましたならば………(その判断を是としたい、と強く思った 偶然に駆けつけたに過ぎないだけの立場にあるとしても、縁浅からぬ身としては)
        (安堵と、そして今少しの喜びを覚えずにはいられなかった 血で血を洗うような業を断ち切り、血の誘惑をも泰然自若として拒んでみせたのだから)
        …………(可憐な蝶に、小鳥に指を差し伸ばすかのようにきらめくものへと手を伸ばし、指先が触れるか触れないかの距離から天高く昇ってゆくさまを黙して見送った) -- 華子 2023-06-20 (火) 00:16:38
      • (最後のは……母、だろうか。この結果を喜んでくれているのか、それともこうした判断を是としてくれる人が隣に居る事を、か……両方、だな)
        ……最後まで有難う、華。君が居なければ、この様に上手くは行かなかったかも知れない(手の甲に口吻したい衝動に駆られつつも早々に繋いだ手を離した。さっきちょっとだけ切羽詰まった雰囲気を感じ取ったからなのは言わぬが花だ)
        後は、矢部島さんに任せよう……此処から先は、警察の仕事だ(そう言って、伸びと大きな深呼吸。ブーストも終わって少しクラっとした)
        -- ハルト 2023-06-20 (火) 00:29:03
      • 「はいはいはいはい、矢部島にお任せあれ……!」(どこからバレてたのか、と焦りながらわたわたと小走りに駆け寄り、座り込んだままの女、九角 一刃の状態をチェックしながら諸々の事後処理を始めた) -- 矢部島 2023-06-20 (火) 00:31:20
      • ハルト様………!?(彼の身体がぐらりと傾いだ気がして咄嗟に身体が動き、手折れてしまう前にと支えに入った)………お話によれば、この近場の邸宅から参られたとか
        私がお送りいたします……ですが、その前に…(いつか自分にも、白馬の王子様のような人が現れるのではないか そんな漠然とした予感をずっと抱えて生きてきた)
        (腕の中に収まる先輩こそが、どうやらその「王子様」らしい 彼の冒険を見届けた今、パズルのピースがはまるように不意に腑に落ちて、気づけばこちらから唇を重ねていた)
        ………貴方様は立派にお役目を果たし、本懐を遂げられました ですので、せめてもの祝福を………と、思いまして……(そのまま足側も持ち上げて綺麗なお姫様抱っこが完成した)
        矢田部様、お久しゅうございます 後のことはよしなにお取り計らいを下さいませ(しずしずと首を垂れるや、足早に王子様を運び去っていった) -- 華子 2023-06-21 (水) 00:35:45
      • (まず車を呼んで総領事館に戻って、リアさんに報告して……目眩なのか、真っ直ぐ立てていないのか分からなくなってきた。と、そこへ支えが入った)
        んぁ、済まない。暫く肩を……(借りるつもりが胸を借りている。胸を借りるってこうだったか?温かくて、柔らかくて、良い香りがして……心配そうに覗き込む顔さえ、ずっと見ていたいくらい美しい)
        (……梅雨のあの日、初めて出会った時にはこの様な関係になるとは思っていなかった。気になる人ではあったが、その後全く学内で遭遇するとかそういう事もなく)
        (かと思えば修学旅行の後で奇跡の邂逅を果たし、紆余曲折を経て今や掛け替えの無い大切な人……その前にって何を、ぅぉぉ顔が近い近い……)
        ……っ!(触れた。その柔らかな感触が、傍目にやや死にそうな顔色に少しだけ赤みを取り戻させる)
        ……しゅくふく……(頭の中が真っ白なのは口吻の衝撃か、はたまた貧血故か。自分が今どんな顔をしているかも分からないまま、それは見事なお姫様抱っこで運ばれていった)
        -- ハルト 2023-06-21 (水) 22:28:15
      • 「お久しぶりでございます!へぃ、きっちり仕事させて頂きますんでご安心なすってください!」
        (「矢部島!矢部島です!」とアピールしたり「王子と姫逆やないかーい!!」とかツッコんだりとかそういう野暮はしない矢部島であった)
        (遠くに警察救急、複数のサイレンの音が聞こえて……いよいよこの1軒も一先ず幕を下ろす事となった) -- 矢部島 2023-06-21 (水) 22:33:34
      • //お付き合い有難う御座いましたー!ボスドーン!して終わるつもりが中々長くなってしまった……お疲れさまでした -- ハルト 2023-06-21 (水) 22:38:45
    • (その後)
      (九角 一刃は殺人未遂の現行犯、及び危険呪物取締法違反で逮捕。更に殺人容疑でも余罪を追求されているが、妖刀から解き放たれた魂達が霊能捜査官と共に捜査に尽力しているようだ)
      (一方、九角 刃次郎は犯人蔵匿罪、危険呪物取締法違反などの罪に問われている。反省しており、捜査にも協力的だという)
      (エーベルハルト達は事情聴取を終え、後々裁判で証言などもあるが一先ず平穏を取り戻した)
      (……というわけでもなかった。エーベルハルトにはまだやるべきことが残っている)
      -- ハルト 2023-06-20 (火) 01:05:15
      • (九角家、先日にも使った応接間。黒革張りのソファの上に老婆が待ち受けていた)「ふん……来たね。座りな」
        (九角 一葉(かずよ)──九角前当主大刃の妻であり、現当主不在の今、九角家を取り仕切っているのがこの老婆だった)
        (固辞するエーベルハルトにつまらなそうに笑うと、無駄話は要らぬとばかりに切り出した)「単刀直入に言おう。お前、九角の跡を継げ。妾腹の子でも血は継いでるんだ、お前にはその義務がある」 -- 九角 一葉 2023-06-20 (火) 01:12:47
      • (ここへ来る前から言われる事は分かりきっていた。故に答えも既に用意してある)
        断る。
        (間を置かず、きっぱりと言い切った)……相続についても放棄する。必要な手続きはこちらで行う。俺は今後一切この家と関わりを持つつもりはない。
        (一つ、深呼吸)……あなた方が母に対してどの様に接していたかは聞いている。その結果どうなったか……あなたも良く知っているだろう。
        -- ハルト 2023-06-20 (火) 01:21:56
      • 「……っ」
        (バッサリと一太刀に切り捨てられると、カッとなって立ち上がり何か言おうとしたが……その後に続く言葉に勢いを失い、音を立てソファに身を沈めた)
        「アタシが悪かった……アタシたちが、悪かったよ……」 -- 九角 一葉 2023-06-20 (火) 01:29:19
      • (だから、と続くのを遮るように)……謝罪は不要だ。あなたの子等は正しく裁かれ、罪を償う。その結果、そちらの稼業がどうなろうと知った事ではない。
        ……刃納がどういうつもりで居るかは知らんが。では失礼する(踵を返すと部屋を出、九角家を後にした)
        -- ハルト 2023-06-20 (火) 01:36:05
      • (その後を、走って追ってくる少女。追い付くと弾んだ息遣いを抑えながら)「ま、待って下さい……!」
        (振り向いたエーベルハルトに、しかしうまく言葉が継げないまま)「えっと、はぁ、なんて……言ったらっん、良いのか……っ」 -- 九角 刃納 2023-06-20 (火) 01:39:11
      • ……君には、礼を言わなければな。君のお陰で母の無念を晴らす事が出来た。有難う(それだけ言うと、再び踵を返し足早に去っていく) -- ハルト 2023-06-20 (火) 01:40:23
      • (去っていく背中に、思いつくまま言葉をぶつける)「あの、えっと……ぉぉぉぉ、お兄ちゃんっ、って呼んでいいですか!?」 -- 九角 刃納 2023-06-20 (火) 01:41:26
      • (振り返るなり鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして)……ハァ!? -- ハルト 2023-06-20 (火) 01:41:52
      • 母の死の謎を追え!〜fin〜 -- 2023-06-20 (火) 01:42:35
  • っ……はぁ、血が……足りないな(傷は既に塞いだものの、零れ落ちた血を身体の中に戻すのは難しい。何故ならば──)
    停滞(ステイシス)の魔術を使って、怨霊を飲み込んだ九角 一刃(くずみ かずは)を一時的に封印している為だ)
    (この魔術はヴァンパイアの不死の力を解析し、その一部を転用して父が編み出した物だ。指定した範囲に結界を張り、その中の時間の流れを数百から数千倍まで遅くする効果を持つ)
    (対象を取って発動するタイプではないので、動き回る相手には使えない。その為専ら重傷者の保護等に使われるが、今回は事態の進行を遅らせるために用いている)
    (強力だが、維持にはかなりの魔力(コスト)を消費する。妖刀に吸収された魔力は戻ったが、血と共に流れてしまった分は取り戻せていない)
    -- ハルト 2023-06-14 (水) 22:27:10
    • (流石にその辺の人に「ポケットから血液パック取り出してチューブ口に咥えさせて貰えませんか」等と言える訳がない)
      (そもそも、まるで人気が無いので頼み様がないのだが。あの妖刀は、何故こんな所を選んだのか……腐っても鯛、磨上げられても退魔の太刀、という事か)
      (先程覗き見た刀身に織り込まれた呪法がもし十全に機能していれば、飲み込んだ魂を放出する能力も携えていたはずだ。さもなければ早々に制御不能な呪物になりかねない)
      (だが恐らく使用法が失伝してしまったのだろう。どういった呪法が刻まれたのかも知られぬままに磨上げられ、その後のケアもなく、ただひたすらに魂を喰らう妖刀へと堕してしまったのだ)
      -- ハルト 2023-06-14 (水) 22:52:43
      • ……………ハルト様……(これは京都府警の誇るセキュリティホールこと矢田部様から偶然にも電話が繋がってしまい、そう全くの偶然にもひとりごとを耳にしてしまい)
        (何やらできたばかりの恋人の身の上にただならぬ状況が出来していることを理解して現場に馳せ参じてはみたものの、ド派手な破壊の後を見つけて戦々恐々)
        (恐る恐る、そして恐々と派手な血痕の飛び散った先をたどってみれば、今まさに干からびてしまいそうになっているハルト様を発見した時の私の表情)
        何とおいたわしいことにございましょう……(側に膝をついて、今までの人生で見たこともない出血量にさすがに動揺を見せておろおろしている) -- 華子 2023-06-15 (木) 22:13:53
      • (片手で術を維持しつつポケットを探ればいけるか!?と試みてみたものの……案の定というべきか、ポケットごと血液パックは切り裂かれていた)
        (落胆に思わず術の維持が緩みそうになって、慌てて両手で改めて維持し直しながら)
        (まあほら、飲んでも血が戻る訳ではないし、一時凌ぎだし?と自分を慰めていたその時──)
        (この場に居たら嬉しいが、危険に晒したくないので来て欲しくない人物の声が耳に飛び込む。貧血でとうとう幻聴が聞こえたか──否)
        ……ぅ、えぇっ……華……!?(色々呼び方を模索してみよう第一弾、華、こと愛しの御手洗華子がそこに居た)
        (何故ここに!?とか矢部島警部は!?とか色々あったが、今は状況説明の時間さえ惜しい)……あれが、見えるか?
        (エーベルハルトがぐっと腕を伸ばし掌を向けた先に、天を仰ぎ叫ぶ様に大口を開けたまま固まっている女が居る。その手の素養がほんの僅かでもあれば、その身の内に渦巻くドス黒い怨念が見えるだろう)
        ……あれを、浄化したい。力を……貸して欲しい(以前何気なく交わした叔母との会話の中に、御手洗の元々の家業の話があったのを思い出したのだ)
        -- ハルト 2023-06-15 (木) 22:30:53
      • (一方その頃、矢部島は──華子に連絡を取ろうとしたが繋がらず(掛けてない時に限って繋がってた)仕方がないので直接迎えに行ったものの、見事にすれ違いのコンボが成立していた)
        (今は祈りながらエーベルハルトの居る現場に向かっている最中である) -- 矢部島 2023-06-15 (木) 22:34:16
      • はい、華子はここにおりますが……(御手洗の元々の家業、そして今も隠然と続く御手洗の裏の顔について知らない訳ではなかったものの)
        (創業家はとうに俗世の人となり、実業の世界に身を置く中で神秘の行使とは縁遠い存在となってしまっていた ゆえに浄化と言われても、何をしていいかわからなかった)
        (それはそれとして抜き差しならない状況であることは一目見ただけで十分すぎるほどに伝わってきて、ものすごい形相をした女性の禍々しいさまにもドン引きをして)
        …………力……でございますか(心からの応援をしてみたところでどうなるものでもないし、民俗学でいうところの妹の力が必要とされる局面でもなさそうだった)
        (そこでふと思い出したことといえば、ドラッヘンゾーンの人々が東欧の旧き吸血鬼の一族であり、紛れもなきノスフェラトゥであるということ)
        (力とはつまり、遠回しに血を捧げよと言っているのではないか? などと思い至るも、あの通り当人がぐったりとしているのでは首筋を差しだすのも一苦労だ)
        ………………(ひとしきり考えてみて、ローファーを脱ぎ)…………………どうぞ……(少し蒸れたつま先をハルトの口元へと近づけた ここから吸うようにとの心遣いだ) -- 華子 2023-06-15 (木) 23:37:53
      • (どうにかこうにか、倒れ伏すギリギリと言った所で片膝立ちしているが、少し目が霞む。今なら心からの応援でも充分効き目がありそうだ)
        ……んん……!?(と自分では思うのだが実際の所、意識がかなり朦朧として来ているらしい。恋人がやおらローファーを脱ぐと、爪先を差し出してきたではないか)
        (そういう趣味は無いと予め断っておくが、それはそれとしてなんかちょっと、日頃楚々とした恋人がどこかほんのり恥じらいながら、緊急事態だからと爪先を差し出す姿ってさ……良いよね……)
        (……いかん!これは大量失血から来るショック症状だ!!(ギュッ)……いや、これは恐らく恥じらい以外は幻覚ではないな!?)
        (どこか美味しそうにも思える蒸れ感に釣られ、無意識に噛もうとした所で正気に戻る。血を飲むにしても爪先はちょっと厳しそうだ。それと多分体勢的に華子も辛い所だろう)
        (それとそういう趣味は無いが(二度目)口を付ける事自体は吝かではないが、痕が残りそうな傷を付けたく無い)
        (……いやしかし新雪に足跡を残す、みたいな仄かに後ろ暗い悦びはちょっと理解出来そうな気がする。そういう趣味は無いが(三度目))
        (相当血液不足が効いているな、と自覚しながら)待て……待て……せめて血管の太い足首……いや、そうじゃないんだが。
        (尚も術を維持しながら膝に手を付いて、身体を起こそうとするが、立ち上がるにはやはり今一歩足りない)
        (首元でもないのだから牙を突き立てる必要もない、と言うか立てられない。少し傷をつけて啜ればいい。スペアの血液パックもない今、意識を失えば守るもへったくれも無くなるのだ)
        (呪うならば己が未熟を呪え。責任はどの道取るつもりではあるのだし)……少しだけ、傷を付けても……構わないだろうか?
        -- ハルト 2023-06-15 (木) 23:58:35
      • (見れば見る程に立っているのもやっとの風情、彼はきっと今日もまた、見も知らぬ誰かのために傷つくことになったのだろう たとえ報われることなどなくとも)
        (昼を駆け夜を駆け、やんごとなき事情とお役目を負ってあの狼男のような者たちと戦い続けているのだろう そう思うと胸が苦しくなってしまう様で)
        (彼の当惑ぶりを眺めて小首を傾げる 間違っていなかったけれど間違っていた 部分部分では正解していたはずで、それは血を欲しているという一点がそれであろうと察した)
        …………楽に…………なさって下さいませ(とん、と肩をついて彼を優しく押し倒す 優しく、とは言ったものの細指の先には有無を言わさぬほどの力がこもっていて)
        (体勢が辛いのならば別の手立てを考えないといけない)……………太い、足……でございますか(最初の方と最後の方がよく聞こえなくてほんのりとショックを受けた表情)
        (首筋に手首、そして第二の心臓と言われる両脚だ 黄金の瞳でじっと見降ろした後、一刻を争う事態と承服して彼の顔を跨いだ)……ハルト様、ごめんあそばせ………
        (生きるか死ぬかの事態であれば恥も外聞も語るに及ばず スカートの裾をつまんで、ゆっくりと腰を下ろしていく ダークブラウンの化学繊維が視界いっぱいに広がって)
        (最後に少しだけ身をよじって腰の向きをずらし、ふとももの内側を晒した たくし上げていた手が離れると、黒い生地が彼の視界を遮った)………どうぞ、必要なだけ…… -- 華子 2023-06-16 (金) 23:23:40
      • 楽にとは……ぅぉっ!?(生まれたての子鹿のような挙動をしていれば、いとも容易く押し倒されるのは当然の事。まして決意を持ってそうしたのだから、平常時であっても勝てなかったかも知れない)
        いや、それは言ってない(思わず即否定するが、健康的な脚線美をして太いというのならば、そうだと言わざるを得ない。だがそれがなんだというのか。そこも華子の良い所ではないか)
        (美しい金色の輝きが射竦める。邪な感情を見透かされたような気がし……)ああ……うん……!?(紳士ぶっても、死にかけていても、男の子である。むしろ生存本能的にはセイが奮い立つ場面だ)
        (しかしまさかこんなタイミングでスカートの中を見る事になるとは。意図が読めな……ああ、いや、そうだな。確かにそこなら充分に太い血管があるのは間違いない)
        (間違いないが、そこかぁ〜〜〜〜〜〜〜という感想を禁じえない)……ん、むぅ(太ももの内側が丁度良い位置にある。これ以上女性に恥をかかせてはなるまい……出来ればこの状況で思いたくはなかったが)
        (いい匂いのする暗闇の中、牙が化繊を貫き、柔らかくも程よい弾力に突き立つ。それ程深い傷ではないが、充分だ)
        (ときに、吸血鬼は同じ獲物の血を何度も吸う事がある。理由や目的はそれぞれだが、毎度首筋に痛みを与える行為を何故、獲物側もまた許容するのか?)
        魅了(テンプテーション)。即ち相手の精神を完全に支配し、己を主として従わせる力である。それが痛みを無視させ、場合によっては快感へと転じさせる)
        (無論エーベルハルトはそれを行使するつもりは毛頭無い。無いのだが、無意識にほんの僅かに漏れ出していた。華子の痛みを軽減したい意志の表出だろうか)
        -- ハルト 2023-06-17 (土) 00:00:08
      • (超常犯罪捜査壱課に保管されていた秘密兵器“御手洗さんX”を携え現場に到着した所、なんやらとんでもない場面に出くわした矢部島です)
        (『お顔に跨ってはるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!?』とか叫ばないだけ偉いと思うので褒めてほしいです。現場からは以上です) -- 矢部島 2023-06-17 (土) 00:03:13
      • ……………ん……(鋭利な牙に身を裂かれた痛みにささやかな反応を示しながらも、採血の折に感じる僅かな痛みのようなものなど彼を苛む激痛に比べれば無いも同然だ)
        (急報?を受けて慌てて飛び出してきてしまったために、僅かに膀胱が張っているような感覚もあって、今はその分だけ血中の呪力も高まっていることだろう)
        (恋人の顔に粗相をするなど万が一にもあり得ない、と信じてはいるものの、この状況がいつまでも続けばそれもどうなるかはわからず、時折小さく震えて身をよじっている)
        (傍目に見れば、凄まじい鬼の形相をした女とスカートに顔を突っ込んだエーベルハルト そして未知なる感情に戸惑いながらもそれを見下ろす我が身があって)
        …………………あの、ハルト様………よろしゅうございましょうか…?(ふとももに噛みつかれて吸血行為に勤しまれているというのに、そこから未知の快感が巡りだしている)
        (新しい世界の扉が開いてしまいそうな事態に首を振って、プリーツの入ったスカート越しにハルトの金の髪をそっと撫でた) -- 華子 2023-06-17 (土) 00:38:41
      • (血液パックの血を飲む時は「血だなあ」程度の感想しか出て来ない。実際、ある程度保存の効くように処理を施した血液に過ぎないのだから、当たり前の事だ)
        (それがどうだろう。乾きに任せ吸う度に口を満たし喉を通り抜ける温かな命の証は、どれ程の美酒を持ってしても太刀打ち出来ぬ程の芳醇な香りと深い味わい。体中の残り少ない血が沸き立ち、活力が漲っていく)
        (……そうすると、気持ちにだいぶ余裕が出来て来て、頭が勝手に現状の再確認と整理を始める。今は母の仇を追い詰め、溢れ出した怨霊を一時的に封印している。失血で気を失う一歩手前という所で──)
        (恋人が現れ、血を捧げる為に顔に……なんだこの状況。元々夜目の利く身体であるが、目を開けたらダークブラウン。色味が違うのは太ももの肌色と……見てはならないもの)
        (現代の感覚に則するならば、別に婚前だろうが構わないのだろうが……ひと目で高価な物と分かる)んむっ?(何の許可申請だろうか。頭を撫でられている)
        (スカート越しに恋人が新たな扉を開きかけている事等つゆ知らず。充分に力を得たと判断して口を離すと、溢れた血を舐め取る)
        (まさか、直接血を吸うという行為がこれ程、言い表し難い高揚感に似た気持ちを齎すとは……しかし、よくよく考えなくてもキスより先にとんでもない事をしたな、というのは一先ず頭から追い払って)
        ……もう、大丈夫だ(どこがどうなっているのか分からないので手探りで、肘の辺り?をタップする。土気色一歩手前だった肌色はいつもどおりか、それより少し血色が良く見える程だ)
        -- ハルト 2023-06-17 (土) 01:04:42
      • (エーベルハルト・ドラッヘンゾーンが吸血鬼の血を引いていることを情報として知ってはいたし、彼らの故地を訪ねて真実味をもって実感していたはずだった)
        (けれども、その事実に軽々しく触れることは種族が関わる話でもあり、こちらから尋ねてみることがなかったのもまた事実で)………んん………はい、それは…………
        (ほんとうに血を啜るのだ、と実感を伴って思い知ることとなった驚きたるやいかばかりか 体液を吸われる、ということは本質的に生命の危機にも通じる事態であって)
        (緊張に身を固くしていたのもつい先刻までのこと、今では緊張も解けていて、ふとももで窒息させないように意識して腰を浮かせていたような始末だ)
        (噛まれた場所はふとももの内側、脚の付け根にほど近い場所 ダークブラウンの化学繊維とスカートの短い丈でも十分に隠せる場所だ)
        ……………何よりでございました(膝立ちになって、片足ずつ立ち上がる 彼の頭上から立ち退いて裾を整えた)どうか……本懐を、遂げられますように -- 華子 2023-06-18 (日) 00:03:31
      • (あくまでハーフなので普段は普通の食事で事足りる。仕事に於いても血を必要とする場面は滅多に無く、今回はイレギュラー中のイレギュラー)
        (……なのだが一瞬、常飲したいと考えてしまう程に恋人の、華子の血は甘美だった。種族の話はまた後で改めてしておかねばなるまい)
        (さて、もう既にだいぶ手遅れだが一応ギュッと目を瞑ってスカートの中から意識を外し、華子が動くのを待つ)
        (暫しの後、顔の上から籠もった熱気が去り、春の爽やかな風が頬を撫でた。ささやかで邪な欲望もまた全て醒めていく)……ああ、有難う。助かった。
        (普段以上に軽い体を丸め、倒立から腕のバネを効かせて飛び、立ち上がる。その力に満ちた瞳は、平素よりもぐっと赤みを増して淡く光った)……では、さっさと終わらせてしまおうか。
        (先程まで維持にも四苦八苦していた停滞の術式は既に安定している。それ程までに血液によるブーストは強力、という事だ)
        ……と、その前にこれを巻いておくと良い(懐から手当などに使う白いリネンの大判の布を華子へ差し出す)
        (その逆の掌の上には、球状の血液の塊が浮かんでいる。新たな術に再利用する為、服に染み込んだ自分の血を集めた物だ)
        (それを6振りの赤黒い小さなナイフの姿に転じさせると、恐ろしい形相のまま停滞させられている女の周囲へ、円形に配置する)
        (停滞の術式を外部から操作し、純化(ピュリファイング)へと再構築していく。概念上は錬金術の応用だが、今回は霊的エネルギーの操作に代用する)
        (無数の渾然一体となった怨霊を“負の霊素”と“それ以外”に篩い分ける。それによって恨みや憎しみといった感情に歪められた霊魂をあるべき姿へ戻そうというのだ)
        (それは即ち“浄化”であり、御手洗の血脈として華子が受け継いだであろう力)
        (手を繋ぐなどして接触面からこちらから魔力を流して循環させれば、それを一時的に活性化させる事が出来るのではないか)
        (リネン布を巻き終えただろうか、と確認しながら再度手を差し出す)……手を。君の力を借りたい。
        (……まあそれが出来なくても手を繋いだりとかしたら、気持ちの上では無敵なんじゃないかな、というのもある)
        -- ハルト 2023-06-18 (日) 00:29:11
      • (なんかめっっっちゃカッコつけてはるけど、さっきまで顔に跨がられていたハルトくーーーーーーん!!!と叫びたい衝動に駆られるが矢部島は、じっと我慢の子であった) -- 矢部島 2023-06-18 (日) 00:30:25
      • (人の縁とは不思議なもので、あの日人狼に襲われることがなければ、修学旅行の旅先がイタリア半島でなければ、ドラゴニアでの再会がなければ)
        (彼から思いの丈を告げられることがなければ、そして周りの人々が応援してくれなければ、今こうしていることもなかったことに疑いの余地はなく)
        (精緻な歯車のように噛み合ったさだめのどれか一つでも外れていれば、彼の窮地を救う者が現れることはなかったはずだ そんなもしもはたった今否定された)
        (状況はいまだ把握しきれないままだが、彼の力になれたらしいことは素人目にもよくわかった)……………危急存亡の秋、とお見受けいたしました
        私のことは、どうぞ……お構いなく……………(後顧の憂いがわずかにでもあってはいけない、というのであれば、と布は受け取って脚に巻く)
        (潔斎をもって不浄に抗し、穢れを祓いその根源から断ち切ってしまう 御手洗の受け継ぐ呪力はそうした方法論に最適化されたものだ)………………
        …………貴方様が、必要として下さるのであれば…(もう出番は終わったものと考えていたが、とにもかくにも彼を助けに来たのだ 差しだされた手をとった)
        (増幅された危機察知能力をもって矢田部刑事が居合わせていることを察してはいたものの、お互い気付かないふりをしていた方が幸せであろうと思われた) -- 華子 2023-06-18 (日) 02:03:17
  • (その時玄関の方からドタバタと人の争う音が応接間へ近付いてきて)
    「……京都府警や!危険呪物取締法違反で捜索差押許可状が出とる!神妙にお縄に付けぃ!!」
    (矢部島警部率いる超常犯罪捜査壱課の面々が、黒スーツの男達を引き摺りながら雪崩込んで来た)
    「おおっ!ハルトくんやないかー!奇遇やなぁ!!」
    (登場は良かったのに、この一言で一気に三文芝居感が出て、一瞬場が凍りついた) -- 矢部島 2023-06-13 (火) 21:20:56
    • (エーベルハルトは呆れた雰囲気を出しつつも、九角 一刃(くずみ かずは)から片時も目を離さない)
      (妙な緊張感の中、最初に沈黙を破ったのは一刃であった。多勢に無勢と見たか、脇差の突き刺さった祈念盾を投げ捨てると人の居ない、中庭へ面した廊下の方角へ軽やかに跳躍した)
      (そしてそのまま襖を突き破って中庭へ躍り出、更に跳んで向かいの屋根に登る)
      (そのまま逃げるのかと思いきや、付いて来いとばかりにエーベルハルトを一瞥。屋根の向こうへ消えた)
      -- ハルト 2023-06-13 (火) 21:29:43
      • 「ハルトくん!ここはワシに任せてはよ行け!!」(玄関に脱いだままだったエーベルハルトのシューズを何故か持ってきていた矢部島は、それを投げ渡す)
        (少年は、鳩が豆鉄砲を食ったような顔でそれを受け取ると中庭へ出てシューズを履いて、後を追って跳んでいく)
        「さ!詳しいお話をお聞かせ願えますかね?九角 刃次郎(じんじろう)さん」 -- 矢部島 2023-06-13 (火) 21:33:13
      • (頷きぐったりとソファに身を沈める主を見て、黒スーツ達も観念したのか刑事達を開放。それぞれ聴取をする事となる)
        (ドタバタの内に起き上がり、ぺたんと床に座ったままの九角 刃納(はな)には女性の刑事が手を差し伸べ、別室へと連れて行った)
        「……さて、刃次郎さん。ありゃあ……やっぱり、魂喰らいなんですか?」
        (刃次郎の向かいに座り手帳を取り出した矢部島はいつになく真剣な面持ちで、そう切り出した) -- 矢部島 2023-06-13 (火) 21:44:18
      • 「あれは……そう。姉が……一刃が、偶然蔵で見つけました。父が亡くなった後、遺産の整理をしている所でした」
        (妹の真莉愛が出ていった数年後、前当主、九角 大刃(だいじん)が亡くなった。溺愛していた真莉愛が出ていった失意の末だと噂されるが定かではない)
        (大刃の妻が半分、残りを娘と息子等で三等分。その取り分を決める最中、一刃が蔵の中で厳重に封印されていた脇差を見つけた)
        (一目惚れした、と言っていたが今にして思えば既に魅入られていたのかも知れない。その後、退魔師一派としての九角は跡目争いで揉めに揉めた)
        (だが、後継者として名乗りを上げていた者たちが次々に怪死を遂げ、結果として刃次郎が正式に後継者となったのだ) -- 九角 刃次郎 2023-06-13 (火) 22:07:39
      • 「私は……私は、気が付いていました。ですが……言えなかった。怖かった……姉が、その手を血に染めたという……事実を思い知るのが」
        (流石に同業他社まで手には掛けなかったようだ。しかし怪異を楽々と、次々に屠る一刃は恐れられ、九角家は跡目争いで落とした業績をすぐさま回復した)
        (順風満帆と思われたがある日、ある雑誌記事を見つけたことで事態が急変する)
        (それは行方を眩ませた妹、真莉愛の記事だった。遠い欧州の小国で幸せな家庭を築いている事をを知り……)
        「私は、正直安心しました……遠くで幸せにやっているのだと、そう思えて。ですが一刃は違った……まだ、自分達を邪魔する者が居ると、そう考えたのです」 -- 九角 刃次郎 2023-06-13 (火) 22:46:04
      • 「そうは言いますけども、いじめとった訳でしょう?こう……憎んでいたとか、そういう感情がこう……メラメラと再燃したりはせんかったのですか」
        (矢部島の目の前の男はひどく小さく、弱く見えた。退魔師の一派を率いる頭目とは思えない程) -- 矢部島 2023-06-13 (火) 23:15:36
      • 「私は実は……嫌々でした。そうしなければ母と姉にいびられるから。ただ、母は祖父の遺産で土地や金を選ぶような普通の人で」
        「……一刃は……身内の私がこういうのもなんですが、執念深い蛇のような女でした」
        (刃次郎の母は義理の娘、真莉愛に抱いていた妬みの感情などすっかり忘れていた。矢部島の言う通りに憎悪を再燃させたのは一刃だったのだ)
        「その記事を見つけた翌日には、一刃はどこかへ消えていました。そして数日後には戻ってきて、ケロッとした顔でもう安心だよ、と……」
        (ニュースで真莉愛の死を知ったのは更にその翌日。殺人事件であり、捜査が難航していると知って……刃次郎はゾッとした)
        「それで私は……捜査の手が及ばぬように一刃を行方不明として届けを出し、屋敷の禁域の一つに押し込めておくことにしました」
        (そして七年待って、失踪人が死亡したと扱う事の出来る失踪宣告の手続きを行った。それでおしまい)
        「……なんてなるはずがない。一刃は夜な夜な抜け出して、怪異を斬っていました。あの妖刀に操られるように……」 -- 九角 刃次郎 2023-06-13 (火) 23:24:30
      • 「せやったら、ますます危険呪物取締法違反でしょっぴかにゃなりませんなぁ。余罪も含めて署でじっくり聞かせて貰いますわ」
        (先に黒スーツの聴取を終えた部下を呼び、刃次郎を連行させる)
        「ん?ワシ?ワシゃちょっとした用事があるさかい、先戻っといてや」
        (そうして矢部島は屋敷を出ると「車借りるで!」と自分が乗ってきた一台を走らせどこかへ向かった) -- 矢部島 2023-06-13 (火) 23:42:50
    • (屋敷の外へ出ると、遠くの屋根の上に一刃の姿が見える。エーベルハルトはそれを追って屋根の上へ)
      (さながらニンジャの如く、屋根の上での追討戦が始まった)
      -- ハルト 2023-06-13 (火) 21:39:09
      • (脇差を手に、並んだ町家の屋根伝いに跳ぶ様に走る一刃は、時折こちらを伺ってペースを調整しているようだ)
        (誘導されているな、と感じつつも追い縋る。ヴァンパイアハーフの身体能力を持ってしても尚、屋根瓦を破壊せず静かに全力で追うのは容易ではない)
        -- ハルト 2023-06-13 (火) 21:53:16
      • (二人はぐんぐんと速度を上げ、今やF1並の速さで追走を続けている)
        (頭上で瓦を叩く音が響いて、何事かと近くの通行人が上を見上げる。だがその時にはもう音の主は視界の中には居ない)
        (にしても妙だ。人質でも取れば手出しは難しくなるが、相手はそれをしない。機動力の低下を厭っているだけなのか、それとも誘導先に何かがあるのか)
        (次第に家屋が減り、跳躍の頻度も減る。通行人の間を風が吹き抜け、信号機が揺れ、街路樹が撓る)
        -- ハルト 2023-06-13 (火) 22:20:38
      • (と、一刃が足を止めた)……随分と人気のない所だな。どういうつもりだ?(一刃は脇差を逆手に構え、ニタァと笑い) -- ハルト 2023-06-13 (火) 23:07:57
      • 「ここなら、存分に殺りあえるだろぉ?この所チンケな怪異ばかりで飽き飽きしていた所さぁ!!」
        (ぐっと身を沈める様に縮めて力を貯め……次の刹那、放たれた矢の如くエーベルハルトに襲いかかった!!) -- 九角 一刃 2023-06-13 (火) 23:10:56
      • (速い。魔人の如き力を持つエーベルハルトを以て、そう感じさせる速さで迫る白刃を紙一重で躱す)
        (しかし一刃はまるで狭い部屋で思い切り投げたスーパーボールの様に、振り向く動作さえも省略して二の太刀三の太刀と跳ね回って襲いかかる)
        (少年はそれを踊るようにひらひらと躱していく……が、徐々に着ているスーツの生地が削り取られて)
        -- ハルト 2023-06-13 (火) 23:31:42
      • 「その程度かぁ!?吸血鬼のガキぃぃ!!」(妖刀の力なのか、或いは鍛え抜かれた技と力なのか。目まぐるしい速度で縦横無尽に往復しながらエーベルハルトを次々に斬りつけていく)
        「霧にでもなりゃあ服もボロボロになりゃしないだろうにねぇ!!」(態としっかり当たらないように脇差を振るっているのだ!) -- 九角 一刃 2023-06-13 (火) 23:37:58
      • (魂喰らいの類の武具や呪具という物は、多くの場合物理的に斬れない者に対抗するべく生み出された物だ)
        (それ故に、霧になって避けるという行為は命取りとなる可能性が高く、相手の発言がその裏付けとなった)
        (作戦は順調だ。霧にならずギリギリ避け続け、焦れて確実なヒットを狙いに来た所を止めるのが狙いだ)
        -- ハルト 2023-06-14 (水) 00:05:19
      • 「ハッ!舐めプかい?これだから近頃のガキは!!」(苛立った様子を隠さずに、しかしまだヒット狙いの一撃は繰り出さず、更にスピードを上げていく)
        (態々止められるリスクを負う必要はない。ちょっとでも掠れば、こちらの勝ちなのだ) -- 九角 一刃 2023-06-14 (水) 00:07:56
      • (躱し続ける事10分を超えた辺りか)……っ!(左上腕がさっと熱くなったかと思えば、すぐに氷のような冷たさに覆われる)
        (力が抜ける感覚。だが)……この程度か?(大した事はない。まだやれる)
        -- ハルト 2023-06-14 (水) 00:16:07
      • (決まった。その慢心が足を止めた。だが、少年は倒れる様子もなく、むしろ軽口を叩いてくる)「ハァ!?何だよそれ!ったく吸血鬼とかいうやつズルだろうがぁ!!」 -- 九角 一刃 2023-06-14 (水) 00:18:37
      • (こちらは力を奪われ、相手は速度を上げる。そうなれば当然傷口は増え、更にその傾向を増していく)
        (しかし同時に、吸われていく力が、禍々しい刃の裡に秘めた物の輪郭を浮かび上がらせていく)
        (凶刃に啜られた幾千の魂とその怨嗟、そして玉鋼と共に幾重にも折り重ねられた呪い。だがその呪いは十全ではなく、肝心な部分を失っていた)
        (あの妖刀は元々太刀か何かで、後の世に磨上げで脇差にされた物なのだ。元来持っていた機能の半分が失われており、それが今の状態に繋がっている)
        (妖刀に呑まれた力を以てその裡を探る間も傷は増えていく。母、マリアの魂を見つけられれば、と思うがそろそろ厳しい状況だ)
        -- ハルト 2023-06-14 (水) 00:36:59
      • 「……そろそろ息切れしてきたようだねぇ」(という一刃も流石に速度を維持するのが限界になってきている)
        「そろそろ……止めと行こうかね……ッ!!」(再び沈み込む様に力を貯め、銃弾の如く一直線に凶刃を突き出す!!) -- 九角 一刃 2023-06-14 (水) 01:00:26
      • そろそろ……を2回はそちらも相当頭が回らなくなっているようだ(尚も挑発して、ニヤリと笑う)
        (そして突き出された心臓狙いの一撃を──)
        (避け損なった)
        -- ハルト 2023-06-14 (水) 01:02:35
      • 「殺った、殺った……ふふ、ふ……?」(手応えに顔を歪め、ギラついた目をより一層ギラつかせ……しかし、その表情には次第に怪訝な色が混ざり、強まっていく)
        (深々と刺し貫いたはずの刃が、止まっている。押せども引けどもびくともせず、狂女の顔は焦りに歪んだ) -- 九角 一刃 2023-06-14 (水) 01:05:56
      • (ナムサン!と言わんばかりに胸の前に合わせた手が凶刃の征くも戻るもを阻んでいる。ゴウランガ!シラハドリ・アーツである!)
        剣魔よ!今こそ忠義を果たす時!!
        (応と風の唸りが空を裂き、何処かより飛来した剣の魔物が、主を貫かんとする刃の横腹に突き刺さって──)
        -- ハルト 2023-06-14 (水) 01:11:22
      • (きぃん、と甲高い金属音が響き渡り)「ああ、あ……?」(妖刀は真半分に断ち切られた)
        (脇差の破断面から大量の黒い煙のような物が立ち上り、京の空を埋め尽くしていく)
        (狂女はよろよろとよろめきまろび尻餅をついて、呆けたように立ち上る黒い奔流を眺めていた) -- 九角 一刃 2023-06-14 (水) 01:16:38
      • (黒の流れが良い物であるとはとても思えないが、さりとて今のエーベルハルトになにかできる訳でもない)
        (ただ、妖刀に吸われた力が戻ってきているのを感じるので、恐らくあれが先程見た怨嗟に彩られた幾千の魂なのだろう)……あの中に、母も……居るのか……?
        (暗澹たる魂の雲は、ゆっくりと渦を巻き……竜巻の様にその触手を下へと伸ばし始めた。その行く先は──)
        -- ハルト 2023-06-14 (水) 01:24:54
      • 「ああ!ああ!ごめんなさい!ごめんなさい!すべてわたしが!わたしが!わたしが!」
        (ごめんなさいと喚き散らしながら天を仰ぎその両手を伸ばす。己が罪を受け入れんとするためか、それともいよいよ狂いきってしまったのか)
        (エーベルハルトが止める間もあればこそ。黒の魂の奔流は顎の外れんばかりに開け放たれた狂女の口から、その身体へと飲み込まれていった) -- 九角 一刃 2023-06-14 (水) 01:27:42
  • ✞ -- 2023-06-12 (月) 21:47:30
    • (九角家急襲作戦として、2つの方策が練られた)
      (まず1つ目──九角 刃納に困っていた所を助けて貰った等理由をつけてエーベルハルトを紹介して貰い、反応を見る案)
      (そして2つ目──危険な呪物が適切に管理されていない恐れがあるというタレコミの元、矢部島刑事等による強制捜査をする案)
      (正直どちらも強硬策も良い所で、確実性の薄い現状ではリスクがあまりに大きすぎる)
      -- ハルト 2023-06-12 (月) 21:55:35
      • 「マリアさんの霊でも出て来てくれればサクッと片がつくんやろうけども……そういや、ドラゴニアには霊能捜査官がおるっちゅう話を聞いた覚えがありますが、どないやったんです?」
        (頷いて答えるアドリアーナの言では「霊能捜査官も現場に派遣されたが、霊魂は見つからなかった」という)
        「……ほなやっぱりおかしいですわ。普通、よっぽど霊的に荒れた場でもあらへんかったら、暫くその場に留まりますやろ?」
        (霊体を喰らうような邪霊の類が居たという報告もない。そもそも邪霊が霊体を喰うために犯行するならば、態々全く証拠を残さずに殺害する必要など無い) -- 矢部島 2023-06-12 (月) 22:08:40
      • 「だから我々も人間の犯行だと考えはしたんだけど……霊的証拠まで余さず消して去るなんて、尋常じゃない」
        (人の霊体、或いは思念はその場に残りやすい。殺人等の理不尽に命が奪われた場合には特に、だ)
        「犯人が魂喰らい(ソウルイーター)の類を使った事も考えたよ。でも、特別厳重に監視されているそれらの呪物が持ち出された形跡は見られなかった」 -- リア 2023-06-12 (月) 22:17:34
      • (少なくとも、ヨーロッパにある物は、だが。もしかするとどこか誰も知らない所に秘匿されていた可能性も無いではなかったが──)
        (そんな物が持ち出されたとして、被害がただ1件で終わるとは考え難い。魂喰らいという呪物は常に魂を欲する性質から、連続殺人に発展するケースが大半だ)
        (当時魂喰らいの存在が疑われた際には、ヨーロッパ中で同様のケースが発生していないか、協力の得られる範囲で徹底的に調査が行われた)
        (しかし該当するケースは見つからず。これらの事実から、魂を喰らう呪物も捜査線上から外された)
        ……しかし、もしそれが日本にあるのだとしたら……?
        -- ハルト 2023-06-12 (月) 22:29:04
      • 「お恥ずかしい話やけれども……否定はでけへん。個人所有のそういったもんは適切に管理されとるっちゅう建前の上で、ワシ等も片目を瞑らざるを得ん状態やさかい」
        (無論、銃砲刀剣類所持等取締法と同様にそうした物品を取り締まる法律はある)
        (あるにはあるが、こうして怪異と異界が隣り合わせにある状態では細かく取り締まるのが難しい、というのが現状だ。ひょんな事からやっべぇ呪物を手に入れちまったんだ!なんて日常茶飯事なのだ)
        「……ま、せやからこそ第2案が成り立つわけやが」 -- 矢部島 2023-06-12 (月) 22:35:22
      • あればあったで万々歳、無ければ矢部島さんが引責辞任ですね分かります(真顔)
        ……いっそ、同時並行してやったら良いんじゃないですか?俺が突撃して、ちょっと挑発などして……
        -- ハルト 2023-06-12 (月) 22:39:54
      • 「ヤバい伝家の宝刀を抜いた所を矢部島くんがガッチャ?」(頗る軽いノリで応じる、が)
        「ダメに決まってるじゃないそんなの。魂喰らいっていうのはね、ヴァンパイアだろうがなんだろうが斬られたら魂吸われて死ぬんだよ?」 -- リア 2023-06-12 (月) 22:41:43
      • 「せやでー、ハルトくん。おば……お姉さまの言う事は聞いといた方がええ。特にこういうんに関しては実質プロやからな」
        (「ほんでワシがセミプロ……ってなんでやねん!ほんまもんのプロやっちゅーねん!」と一人ボケツッコミをしてから)
        「……ま、いうて奴さん等も快く協力、なんてしてくれるとは思えへんし……どっかでリスクを取る必要がありまっせ、リアさん」
        (「あ、そういえば」とぽんと手を叩く)「御手洗さんにはお声掛けんでよろしいの?」 -- 矢部島 2023-06-12 (月) 22:47:06
      • ……危険に晒す様な真似する訳がないでしょう。大体、彼女が行って何をどうするんです?
        (今の所、何か手伝ってもらう様な事はない。ないが……内緒にしておくのはどうなのだろうか、と思わないでもない)
        -- ハルト 2023-06-12 (月) 22:48:57
      • 「あー、危険なことしようとしたら止める役は良いかもね〜?」(によによした感じの笑み) -- リア 2023-06-12 (月) 22:50:21
      • (余計なことは言わんでよろしい、という視線を飛ばす)
        ……まあ、話くらいは……しておこうかと(その日の作戦会議は終了となった)
        -- ハルト 2023-06-12 (月) 22:51:32
    • (結果、エーベルハルトが刃納に伴われて九角家を訪問し、色々とカマをかけてみる事になった)
      (そしてもし何かあれば、外で待機している超常犯罪捜査壱課の面々が危険呪物の管理不行き届きで踏み込む手筈だ)
      (正直な所、かなりの賭けであった。因みに華子には話しそびれている)
      -- ハルト 2023-06-12 (月) 23:08:15
      • 「……心の準備は如何ですか?」(と言っている少女のほうが緊張している。それはそうだ、父親に対して初めて大それたウソを吐くのだから)
        (そしてその結果如何では、家庭が崩壊するのだから。我ながらよくこんな話を請けた物だと思うが──)
        (これは自分で始めた話だ。であると同時に父が始めた話なのかも知れない。もやもやを抱えて生きていくのは、ハッキリさせるよりも怖かった) -- 九角 刃納 2023-06-12 (月) 23:13:44
      • ああ、大丈夫。君の方こそ……今からでも台本を『彼氏が出来た報告』に変えようか?(と冗談めかして、刃納の緊張を解そうとする)
        (少女は尚も緊張の面持ちだが、冗談で少し笑って幾分気が紛れたようだ)……始めよう。
        (待機場所から屋敷の門前へ。刃納が「只今戻りました」と声を掛けると、重厚な門扉に設けられた小さな扉が開いて、いかつい黒スーツの男が出迎える)
        (反社会的活動で生計を立てている家かな?と最大限配慮した感想を抱きながら、いかつい男の脇を軽い会釈で通り抜けようとして……止められた)
        -- ハルト 2023-06-12 (月) 23:36:33
      • 「先日スマホを落としてしまって、その時その方に助けて頂いたんです。今日はお礼をしようとお招きしたんです」
        (すると黒スーツの男は頷き、耳元の通信機に指を当て何事かボソボソと話し始める)
        (それを見守ること暫し……許可が出たらしい。エーベルハルトは開放され、少女共々屋敷の中へと入っていく) -- 九角 刃納 2023-06-12 (月) 23:40:10
      • (こんな屋敷、時代劇で見たな……などと思いながら、純日本風の邸宅の広い廊下を進んでいく。二人の前を女中のような女が先行している)
        (途中、刃納は着替えのために自室へ、エーベルハルトは女中風の女に応接間へと通された。勧められるままソファに腰を下ろす)
        (するとさして間を置かず別の女中が茶を盆で運んできた。何たる連携か。女は茶を卓に置くと「お嬢様がいらっしゃいましたら、旦那様をお呼び致します」と言って下がっていった)
        (敵地……という訳では今の所はないが、それでも茶に口をつける気は起こらず、応接間を見渡す)……ふむ。
        (退魔師の一派と聞くが、極普通の応接間だ。こういった部屋で依頼の話をするのだろうか。或いは……そうした客は別の部屋へ通されるのだろうか)
        -- ハルト 2023-06-12 (月) 23:47:40
      • 「お待たせ致しました。父もすぐに参りますので」(シンプルな私服に着替えた刃納がエーベルハルトの隣に腰掛けた。すると女中がすぐさま茶を運んで来て、そしてとんぼ返り)
        (刃納と、向かいにもう一つ湯呑茶碗が置かれた辺り九角家現当主、九角 刃次郎は本当にすぐ来るらしい) -- 九角 刃納 2023-06-12 (月) 23:51:59
      • (果たして目的の男はすぐに現れた。エーベルハルトと隣の少女は立ち上がり、少女がそれぞれを淀みなく紹介する)
        (その間、刃次郎の表情を観察するが……こちらに気が付いては居ない様子。もちろんそれは想定内だ)
        (例えこちらを認識していたとしても15年の時の流れがある。男子は青竹の如く、3日の内に背を追い越す……とはドラゴニアの諺だ)
        (ドラゴニアに竹が伝わった時代に生まれた諺のようで、その歴史はそれ程長くはない)
        (……というのはどうでも良い。娘を助けた親切な好青年を演じながらの歓談を繰り広げていかねばなるまい)
        本当に、大した事はしていないのですが……娘さんがどうしても、ぜひにと仰るのでつい、今日はお言葉に甘える事に致しました。
        ……ええ、ですので、望むような物などありませんが……一つ、お耳に入れたいお話が御座いまして、ね。私は早くに……本当に早くに母を亡くしておりまして……
        (そうして、本題を切り出した)
        -- ハルト 2023-06-13 (火) 00:03:14
      • (隣の少年の話に耳を傾ける父を注視していた。その表情を、顔色の変化を、発汗や視線の動き、etc……これは退魔師の修行の一環として身に着けた、読心術)
        (専ら人間のフリをした怪異を見つけ出すのに用いると教わったその技術を、今人間に……父親に、向けている)
        (このまま特におかしな様子もなく終わって欲しい。父が何かを隠している事に気が付かなければいい。父が何も知らなければ……)
        (ああ、だが、しかし。見えてしまった。父の胸の裡に浮かんで流れる密かな焦りが、恐れが……) -- 九角 刃納 2023-06-13 (火) 00:10:17
      • (なんと残酷なことだろう。隣で父の顔を具に観察する少女は何も悪くない。ただ父の必死に隠した悪が時を超え、巡り巡ってこんな形で父娘共々を打ち据えている)
        (復讐を考えたのは一度や二度ではない。だが、空想の中でさえ躊躇ったそれを、今、為している。吐き気がした)
        ……酷い、話でしょう?人を殺して、のうのうと生きている者が居る……世の中そうした物だとしても、許し難い事でしょう?
        -- ハルト 2023-06-13 (火) 00:16:57
      • (ついに……父の表情に罪を見出してしまった。何事か反論、或いは言い訳をしているが、その全てが罪を補強している様にしか思えない)
        「もう……止めて、お父様。顔を見ていたら私、お父様が嘘吐いてるって……分かるから」
        (呻きながら頭を抱えて崩折れる父の姿が、涙で歪んていく) -- 九角 刃納 2023-06-13 (火) 00:26:23
      • (その時。刃次郎の背後の襖が軽快な音を立て勢い良く開き)
        (その向こうに立つ女の手にした何かが銀に閃いた)
        (隣に座る少女を突き飛ばし、自分もまた反対へと身を反らす)
        (その間を銀の凶光が一直線に切り裂いて)
        (今まで座っていた背後の茶箪笥の上の、祈念盾か何かに派手な音を立てて突き刺さった)
        -- ハルト 2023-06-13 (火) 00:33:36
      • 「いったたた……何?」(涙を拭いながら何が起こったのか確認する。さっきまでソファに座っていたのに、今はサイドの肘掛けに脚を引っ掛けて床に寝転んでいて)
        (体を起こしながら、父の方を見る。父は後ろを振り向いて、開いた襖の向こうへ何事か呟いた)……かず、は……?
        (その先へ目をやると、呼ばれたと感じたらしい“かずは”と目が合ってしまった)
        ……っ!(言葉にならぬ、声にもならぬ悲鳴。滲み出した狂気が絡み付いてくるようで思わず、目を逸らした) -- 九角 刃納 2023-06-13 (火) 00:41:09
      • (エーベルハルトはすぐに動けるよう体勢をすぐさま整え油断なく、投じられた銀光とそれを投じた女を見た)
        (茶箪笥の上、倒れた祈念盾に刺さっているのはギラリと妖しい光を放つ脇差)
        (一見すると美しく見えるが、深淵が如き狂気に呑まれた眼光を放つ女)
        (女がくいっと手招きの様な動作をすると脇差は祈念盾に刺さったまま、その手に戻った)
        (魂喰らいかは分からないが妖刀の類であるのは間違いなく、刃次郎の口から溢れた言葉から察するに恐らくあれが)
        九角……一刃(噛みしめるように呟いた。刃次郎は姉と妹を殺害したのではなく、妹を殺した一刃を隠していたのだ)
        (そしてあの日、刃納が聞いた会話とは、刃次郎と一刃の間で交わされた物だったのだ)
        -- ハルト 2023-06-13 (火) 00:52:37
  • ✞ -- 2023-06-12 (月) 21:47:27
  • ✞ -- 2023-06-12 (月) 21:47:21
  • (2月第4週。珍しく雨の降る、底冷えする京都の夕刻)
    (既に明かりの灯る瀟洒な喫茶店。入店したてのエーベルハルトはコートの水気を払うと、通りに面した大きな窓のある二人掛けの席へと座った)
    (待ち合わせ……というより呼び出しだ。少年は相手の顔を知らないが、メールを見た叔母が一瞬、署名欄で眉を顰めたのを見逃さなかった)
    (心当たりがあるのだとして、それは良い物ではなさそうだが……件名が『マリア・ドラッヘンゾーン様についてお話があります』である以上、無視は出来なかった)
    (そんな訳で注文したホットコーヒーと呼び出しの相手を待ちながら、雨の降り頻る通りを眺めていた)
    -- ハルト 2023-06-11 (日) 22:10:17
    • (エーベルハルトがコーヒーカップを傾けていると、ドアベルがカラカラと鳴って一人の少女が入店する)
      (少女は接客に来たウェイトレスに待ち合わせと告げ、店内を見回し……コーヒーを飲む少年の姿に目を留めた)
      「あぁ、済みません。お足元の悪い中御呼び立てしましたのに……遅れてしまいました」
      (「いや」と鷹揚に答える少年の向かいに少女は座ると、ウェイトレスにミルクティーを注文しながら居住まいを正す)
      「えと、メール……見ていただけました、よね。あなたの、お母様について……私が知り得た情報をお話します」
      「……っと、その前に改めて自己紹介させて頂きますね」 -- ??? 2023-06-11 (日) 22:18:11
      • (少女の名は“九角 刃納(くずみ はな)”。奇しくも先日恋仲になった華子と似通った名だった。年の頃は14、市外の中学校に通っているという)
        (京都市内に拠点を置く退魔師の一派の一人娘で、恐らくエーベルハルトの従姉妹だという事だった)
        ……つまり、君のお父上と俺の母が兄と妹の関係らしい、という事か。
        (母、マリア・ドラッヘンゾーンは日本人だったと聞いている。となれば縁者が居るのは当然の事……だが、父や叔母からそういった話は聞いていないし、接触を保っているという様な話も無い)
        (母の旧姓についても聞いた事がない。これらの情報を併せると、朧気ながらその理由については察せられた)
        -- ハルト 2023-06-11 (日) 22:29:32
      • 「……はい。お恥ずかしい話ですが幼い頃、兄が欲しいと駄々を捏ねていた時期がありまして……その折に実は従兄弟が居るのだと、母に聞かされました」
        (『この話はパパには内緒ね?』と言っていたのをやけに印象深く覚えていて、先頃ふと思い出して改めて訊いてみたのだそうだ)
        (相変わらず父には内緒、という事ではあったがもう少し細かい話が聞けて、そこからネット等を使って自力で調べ上げ、エーベルハルトに辿り着いたのだ)
        「それで、ここからが本題なのですが……」 -- 九角 刃納 2023-06-11 (日) 22:37:53
      • (少女の話はこうだ──実はその“マリア・ドラッヘンゾーン”、旧姓“九角 真莉愛”死亡の後を追うように、一人の人物が行方不明になっている)
        (“九角 一刃(かずは)”、マリアの腹違いの姉であるこの女は、マリア死亡の3日後に捜索願が出された。しかしその後7年見つからず失踪宣告の申立により、法律上死亡した扱いになっている)
        ……つまり、一家の腹違いの姉妹が近い時期に相次いで居なくなった、と……
        (偶然でなければ、母の死と一刃の失踪は何らかの関係があると見ても良さそうだが──)
        -- ハルト 2023-06-11 (日) 22:49:38
      • 「それで私……恐ろしい考えが頭から離れなくなってしまって」
        (九角家の遺産相続。姉と妹、二人を亡き者とすれば、刃納の父──“九角 刃次郎(じんじろう)”の一人勝ちとなる)
        (だが、刃次郎の当日のアリバイは完璧。日本を離れるどころか、京都市内の邸宅から一歩も外に出ていない事が、複数人の証言から明らかになっている)
        「ですが、何の根拠もなく……父を、疑っている訳ではないんです」 -- 九角 刃納 2023-06-11 (日) 22:58:33
      • (刃納は聞いてしまった。普段出入りを禁じられている部屋の中から、父と何者かが話しているのを)
        (曰く、『お前が今の生活を手にしたのは誰のお陰だ?』『アタシがこっから出ていって、全部バラしたって良いんだ』『可愛い可愛い■■■の為だからねェェ……』)
        ……確かに、疑いを持つ根拠としては十分かも知れないが……残念ながら明らかな証拠が無いのではな。
        (そう、証拠がない。その何者かが刃次郎と結託し、母や一刃を亡き者としたという確たる証拠が)
        だからと言って、君が無理をして証拠を集める必要は無いぞ。予め釘を差しておく。
        -- ハルト 2023-06-11 (日) 23:08:34
      • 「それは……分かっています。でも……誰かを殺したナニカが家に居るのだと思うと、恐ろしくて……」
        (温かいミルクティを飲んでいるにも関わらず、一向に体が温まらない。ともすれば先程よりも冷えている、気がした)
        (しかし、カップに顔を伏せちらりと盗み見たエーベルハルトは、僅か2~3歳の年の差とは思えない程、頼もしく見える) -- 九角 刃納 2023-06-11 (日) 23:15:18
      • (小さく嘆息する。こういう時大抵損をする自分に、だ。勿論無関係ではないのだが、これだけの情報で何か出来るとも思えない)……俺は所詮一高校生、一外交官に過ぎん。あまり期待はしないで貰おう……
        (さしあたり、矢部島刑事に連絡を取る辺りからか……とアタリを付けながら、名刺を差し出す)何かあればこちらへ。総領事館にメールを出すよりも早い。
        (二人分の飲食代を払うと、店の外に出た。雨こそ止んでいるものの、どんよりと淀んだ暗い空はこの件の行く先を示すように思えてならなかった)
        -- ハルト 2023-06-11 (日) 23:21:26
    • 「……いやいや、こういう時真っ先に話聞くの私じゃない?」
      (その後すぐ領事館に戻ったエーベルハルトが、九角 刃納との話について報告をした反応がこれだ)
      「まあ、遠慮してるのかも知れないけれども。私やアディ兄だって……なんでマリアさんが死ななきゃいけなかったのか、知りたいし……さ」
      (それからアドリアーナはマリア・ドラッヘンゾーンこと、九角 真莉愛について知っている事を話し始めた) -- リア 2023-06-11 (日) 23:31:41
      • (九角 一刃、刃次郎は嫡出子として九角の家で生まれ、真莉愛は非嫡出子として後に引き取られてきた。幼い頃は3人仲良く遊ぶ姿が見られたという)
        (しかしやがて、3人の退魔師としての訓練が始まると、2人と1人の間に亀裂が生じ始めた)
        (退魔師に必須となる身体能力、霊力、戦闘センス、どれ一つ取っても真莉愛は図抜けており、メキメキと頭角を現していったのだ)
        (嫡出子の2人にも才はあったが、真莉愛のそれと比較すると見劣りしてしまって、それがどうにも面白くない。それは2人の母親もまた同じだった)
        (となれば、どういう事になるか想像は容易だ。師たる父はもとより厳しく、更には姉兄や養母からも冷遇される日々が続く)
        (そして15歳、1人で行きていける年齢までどうにか耐え抜いて、さっさと家を飛び出した。その後は各地を放浪しながら、流しの退魔師として糊口を凌ぐ日々)
        (やがて登録退魔師として活動するようになり、偶々日本を訪れていたドラッヘンゾーンの兄妹と運命的な出会いを果たす)
        ……そして結婚してドラゴニアに移り住んで、俺が生まれて……と。九角家との確執は分かりましたが……ドラゴニアに居た母を態々殺す理由が見当たりませんね。
        -- ハルト 2023-06-12 (月) 00:02:36
      • 「そうなんだよねぇ……仲が悪いからって態々……ねぇ。だから疑う根拠としては薄いと考えられて、そっちまで捜査が及ばなかったんだよ」
        (当時既に日本との国交はあったものの捜査協力を取り付ける程ではなくまた、由緒正しい九角家ともあろうものが、というのもあって殆どノーマークで終わったのだ)
        「でもこうして新たな情報が出てくると……なんだか疑わしくてならない。でも流石に、どうアプローチしたものか……」 -- リア 2023-06-12 (月) 00:07:11
      • やはり遺産争い……(そんな事のために、母は殺されなければならなかったのか?怒りが込み上げる)
        (……が、ふっと短く息を吐いて怒りを抑え付ける)何にせよ、本格的に調べるには材料が足りません。やっぱり矢部島さんとも話してみますよ。
        (矢部島ならば九角家に関する情報を何か持っているかも知れない。早速スマホを取り出し、アポイントメントを取り付けるのだった)
        -- ハルト 2023-06-12 (月) 00:14:06
    • 「いやいやいや……おめでとうございます」(翌日、待ち合わせ場所に現れた矢部島は開口一番そんな事を口走った。何故知っている)
      「おーおー、そんな怖い顔しなさんな、刑事の勘っちゅう奴や。とまあ世間話はここまでにして」
      (懐から手帳を取り出すと声を潜めて読み始めた)「うん、まあ……アレやな。九角家はイガミ?にある神社の分家っちゅう奴や」 -- 矢部島 2023-06-12 (月) 00:30:23
      • (“九角”、古くは“九頭見”と言い、稲穂県伊上市近隣にある“九鬼(くかみ)神社”の分家であるという。“九(の)頭(を)見(る)”という名の通り、“九鬼”を見張るオブザーバーの様な役割だったとされる)
        (その性格上、他に存在する“◯上”系の“九鬼”分家と異なり、独立性がとても高かった。その為、現代では単独の退魔師一派として存在している)
        (請け負った仕事等で手に入れた呪物をしこたま(矢部島メモ原文ママ)溜め込んで居て、屋敷の中は禁域が沢山あるらしい)
        ……もし呪物の仕業となれば、やはり証拠集めは難しいな……
        -- ハルト 2023-06-12 (月) 00:44:59
      • 「せやなぁ……ってなんの証拠ですのん」(この刑事、信用が先走って要件を聞く前に情報を流している)
        「や、まあ、さっきのんはちょいと図書館ででも調べたら分かる事やさかい……呪物云々は兎も角として」
        (かくかくしかじか、エーベルハルトから事情を聞いてほんほんと頷く。その度怪しい頭髪がふぁさふぁさと揺れた)
        「ソイツぁ厄介な話やな……下手すりゃそのお嬢ちゃんの命もアブナイ。ハルトさん共々出来ればこの件、忘れてもろうた方がええんやけれども……」
        (んなぁ〜みたいな唸り声を上げて頭を掻き毟……らない。手が空中を掻いている)
        「そらまあ、おかん殺した犯人やったら捕まえたいわな……んー、あー…よっしゃ、不肖矢部島、協力させて貰いますわ!」 -- 矢部島 2023-06-12 (月) 00:54:56
      • 有難う御座います、矢部島刑事(そんな神妙な面持ちのエーベルハルトの肩を、矢部島はバシバシ叩いて豪快に笑う)
        (その後、超常犯罪捜査壱課の会議室(パーテーションで区切っただけの一角)で作戦会議が始まった)
        -- ハルト 2023-06-12 (月) 00:58:09
  • (ハルトの下駄箱に草花模様の透かしが入った和紙の封筒が収まっている 達筆な手紙に差出人の署名はなく、体育館裏で待つ、とだけ簡潔に告げている) -- ??? 2023-06-10 (土) 22:01:04
    • (この約二ヶ月、なんとも言えないもやもやを抱えてこの期間を過ごした。折良く挟まった冬休みが考える時間を与えてくれたが)
      (結局、普段と変わらぬ過ごし方を選択した。態度や接し方を変えれば、それもまた双方の心の澱となりかねないと考えての事だ)
      (だから、下駄箱に封筒が入っているのを見つけた時は思わず声が出そうになった。ついにこの日が来たのだ。差出人など書いておらずとも、この様な古風な呼び出し方が自ずと物語る)
      ……まあ、他に心当たりも無いのも確かだが(内容を手早く確認すると、さっと懐にしまい込む。そしてさしあたり、昼休みから体育館裏に足を運ぶ事としたのだった)
      -- ハルト 2023-06-10 (土) 22:27:49
      • (作法通りに書状をしたため、体育館の裏まで呼び出しをかけては見たものの、ものの本には待っている間の過ごし方までは書いていなかった)
        (先輩は手紙を見ただろうか? イタズラだと思いはしなかっただろうか? 達筆すぎて読めないなんてことはなかっただろうか?)
        (いざ待つ側になってみると、想い描いた通りに事が運ぶかどうか確信を持つことができず、心配の種もまた尽きることなく)
        (そもそもの話、昼休みのことか放課後のことかも書き忘れたのでは?などと思い至って、念のため昼休みから訪れてみることにした)
        (特別な日のことで、同じことを考えた生徒たちは数えきれないほどいた様で……体育館裏は大変に混雑していた)これは……… -- 華子 2023-06-10 (土) 22:52:01
      • (……もしかしたら果たし状という事もあるな、等と内心で冗談を言って笑っていられたのは現場に着くまでで)
        (よもや体育館裏が混むというやや珍しい現象に出くわすとは思わず、少し固まる。しかしまあ、いくらなんでも180cm超の生徒がわらわら集まっているという訳ではないので、目的の相手を探すのはそう難しい事ではない)
        来ていれば……だが(なので、人の群れの頭頂のラインを辿って行って、抜け出した顔を探していく)
        -- ハルト 2023-06-10 (土) 23:01:42
      • ………ハルト様、こちらでございます(すっと手が伸びて袖をつまんだ)おいで下さったのですね お忙しいところに、お呼び立てしまい申し訳ございませんでした
        (普段あまり多く接することのない身から見ても顔の造形が秀でていることは言わずもがなで、今日のような日には彼を探す人も多いであろうことは想像に難くなく)
        (あたりの賑わいを気にすることもなく、緋色のリボンがあしらわれた包みを差しだした)こちら、お収め下さい(中身は専用の焼き型で作った暗褐色のフィナンシェだ)
        (ココアパウダーを入れすぎてほろ苦かったり焼き色にムラがあったりするものの、食べられないではない程度に仕上がっている) -- 華子 2023-06-10 (土) 23:11:27
      • (……居ない!やはり放課後か……!?と思った瞬間、袖を引かれ声が掛かる)ん……ああ、いや、大丈夫(昼食をいつもの倍のスピードで食べたので)
        (『華子様はバレンタインどうされるのかしら?』『きっとGODIVAも真っ青な素敵なチョコレートですわ!』というような会話を数日前小耳に挟んだ)
        (……うちの学校そんな感じだった?と疑問しつつ、そうした期待をする者は多いだろうなとも思った)
        (まあそんな事は、包みを受け取る瞬間まで忘れていたし)あ、ああ、有難う……(受け取って中身を察した瞬間、またどこかへ吹っ飛んでいった)
        (そして吹っ飛んでいった思考の間隙に、飛び跳ねたいくらいの喜びが一気に湧き上がってあっという間に満たしていく。顔に出てないか確かめるように口元に手をやりつつ)
        ……昼休みが終わるまでまだ少々時間もある。良ければ少し、話さないか?(と言って何を話すかなどろくすっぽ思い浮かばないまま、人の多くない所へ場所を移さないかと提案する)
        -- ハルト 2023-06-10 (土) 23:31:41
      • (こちらは物理的に目に付きやすく、対するハルトも人目を惹く美男子だ 受け渡しの瞬間を目撃したギャラリーからは驚きの声が上がったりもして)
        (いつものように物静かに聞き流して、彼ら彼女らの口にする憶測に反応を示すこともなかったものの)……はい、是非に 私からもお話がございましたので………
        (人目を避けられ、聞き耳を立てる者もいないような場所へと移った)先日は、大変な失礼を致しました 心づくしのおもてなしを頂きながら、あのようなことになってしまい……
        (さぞやお恨みになったことでございましょう、などと続けようとして、それは違うのではないか?と考え直した 彼の人となりは「そう」ではないと)
        ただただ心苦しく思っておりました(ゆっくりと一度だけ首を垂れた)……早いもので、あれから二月になりますが、御心にお変わりはございませんでしょうか -- 華子 2023-06-10 (土) 23:45:59
      • (二人の後を追おうとする者もあったようだが、あまり見慣れぬ生徒がそっと制止を掛けたという。生徒に扮したエーベルハルトの侍女であった)
        (さて、二人きり。密かにチョコの喜び冷めやらぬ所であるが、ぐっと堪えて華子の言葉に耳を傾ける。気にするな、と言いたい所ではあったが、何か考え直すようでもあり、口を差し挟む事はせず)
        (想いを告げたのは間違いだったとは思わないがしかし、苦しい思いをさせてしまったのは良くない。軽い考えだった訳でもないが、シリアスさが足りていないというのもまた確かだ)
        ああ。あれから……良く、考えた(今ならば分かる。思いの丈を述べたあの言葉は、単なる“好き”という意味を遥かに超えている。ともすればプロポーズ、簡単にその場で答えられるような話ではなかった)
        沢山、考えた。暇さえあればその事を……君の、事ばかりを(顔が、耳の先まで朱に染まって熱い)……変わらない、変わっていない。あの日、君に伝えた通りだ
        -- ハルト 2023-06-11 (日) 00:21:29
      • そうですか………ずいぶん長患いになってしまわれたのですね(恋の病とはこれほどに人を変えてしまうものか、と今もって新鮮な驚きを感じ取っている)
        あの日にいただいたお言葉を、幾たびも考え直しました 父に伝え、母に伝え、じいやにも意見を求めました その上で、ひとつわかったことがございます………
        (好意を伝えられることは、その好意を受け止めるということ 関係を見つめ直し、自身の意志をたしかめて、然るべき返答をもって示すということ)
        …………私は………華子は、恋をいたしませんでした 貴方様の胸を焦がし、今も高鳴らせているものを……存じておりません これはひとつの事実にございましょう
        (ただ、とすぐに言葉を続ける 彼の心にこれ以上の傷跡を刻もうとする考えはなく)知らないことを、知らぬままにしておくつもりもございません
        幸いに、私を大切に想って下さる方がいらっしゃいますので………(紫色の瞳をみつめる 落ち着き払って、その続きを)よろしければ、貴方様から…………ご教示を頂ければと -- 華子 2023-06-11 (日) 00:44:02
      • (少なくとも変わった自覚はないが、普段接する時と違う一面が見えているというのは受け手には変化と取れるのかも知れない)
        (当然といえば当然だが、御手洗家の中でかなり広まってるな……?となんとも言えない気恥ずかしさのような物が胸の内に渦巻く)
        ん……(箱入り娘ならばさもありなん。府立である瑞祥高校ならまだしも、中学以前で華子を相手に恋バナをする庶民的な友人はちょっと想像出来ない)
        (漫画や、所謂ティーン向け雑誌なども読んだ事がないのだろうな、というのもまた察する。要はその手の情報の一切が無いのだ)
        (ただ、とすぐ続く。そこに彼女の優しさとか、誠実さとか、そういう所が現れているのだなあ、としみじみ思う)
        (……そんなしみじみも束の間、見つめられると自分の心拍数が上がっていくのが分かった。なんなら相手に聞こえそうな位だ)
        ……分かった。と言っても、俺も経験がある訳ではないからな……教える、というより共に分かち合えたら、と思う(ここでふと、肝心要の一言を言っていない事に思い至る)
        (深く息を吸い、程々に吐く。こちらを見つめる琥珀色の瞳を改めてまっすぐに見つめ返して)好きです、御手洗華子さん。俺と付き合って下さい
        -- ハルト 2023-06-11 (日) 01:10:11
      • (お世話になっているのだしお付き合いでもしてみたらいいんじゃない、的な母の論調が細々した異論を駆逐し御手洗家の総意というところに落ち着いていた)
        (今回の参考にしたものの本というのは古い恋愛小説だった 書かれていた内容はといえば、現代でも有効らしいということは彼の様子からも見て取れて)
        …………ええ、そう、でしょうね、教えて教えられるものではないのでしょう 貴方様との交わりの中で、私自身が感得するより他に途はございません
        (先の一件に至るまでも長い懊悩の日々を過ごしていたであろうことも想像に難くなく、先の一件以降にはよりいっそう焦がれ続ける日々だったことだろう)
        (十分に時間を置いたことで、彼にとっても一時の気の迷いではなかったことが確認できたと思っている そんな彼にどう向き合うべきか、考えをまとめることもできていて)
        (エーベルハルト・ドラッヘンゾーンが夢見ていたであろう答えを口にすることに、今は少しも抵抗を感じなかった)…………はい、私でよろしければ… -- 華子 2023-06-11 (日) 01:35:43
      • (一方こちらは懊悩の日々の間に間に、侍女が珍妙な自説を吹き込もうとしていた)
        (曰く『きっと今急いで婚約者をでっち上げてるんですよ。んで結婚まで強引に進めちゃうんです。そこで若旦那さまは式に乗り込んでいってですね……』等。応援したいのかただ面白がっているだけなのか)
        (叔母はただただ心苦しく思っていたようだが、今日の話をすればさぞかし喜ぶことだろう。父もまた然り。母へはいずれ墓前に報告する日も来るだろう)
        (さておき。過ぎてみれば早くもあった二ヶ月、希望して希望して、待ちに待ったその答えが……来た。耳から入って脳を駆け巡り、血と神経を走って全身へと染み入るように広がる……というのは大げさかもしれないが)
        (それは自然と熱持つ頬を綻ばせ、照れまじりの満面の笑みの形を取って表出する)……よろしく、お願いします。
        (その後フィナンシェの感想を交えつつ、連絡先がどうとか、二人きりの時の呼び方がどうとか、そういう話をしたそうな)
        -- ハルト 2023-06-11 (日) 01:51:43
  • 〜♪(歴史の重みを感じさせる壮麗なる鉄道駅の構内に人だかりができていて、その渦の中心から瀟洒なピアノの音色が響く)
    (ここは欧州の小国ドラゴニア、首都の玄関である中央駅 ローマ・テルミニ駅からウィーンを経由して16時間ほど特急列車を乗り継ぎ、ようやくたどり着ける場所だ)
    (駅の待合室に設置された公共ピアノ、いわゆる駅ピアノを奏でる黒髪の乙女は名前をHannaというらしい SNSで昨日からバズっていた) -- 華子 2023-05-29 (月) 22:34:07
    • (その名から想像する姿からはかなり遠い、ちょっとしたホールのような広さの『待合室』は頗る音響に優れていた。無論その用途で作られた訳ではないが)
      (音楽好きのイーヴリン王妃の鶴の一声でピアノが置かれて以来、人気のスポットであり、且つ密かな腕試しの場ともなっていた。ここがきっかけでデビューしたピアニストも居るとか居ないとか)
      (そこへ通りがかったのは)む。随分な人集りだな……(修学旅行を終え、日本に居るはずのエーベルハルトだ)
      (実の所、実家での諸用があり日本への出国を遅らせていたのだった。ピアノの存在は知っていたが、ここまでの人集りはやや珍しい。有名人でも居るのだろうかと首を伸ばしたり背伸びしたりしてみるが)
      ……見えん(まさか顔見知り等とは露知らず。しかしその美しい旋律は耳に届いているので、一先ずはそれで良しとした)
      -- ハルト 2023-05-29 (月) 23:18:35
      • (奏でる調べはボロディンのオペラ『イーゴリ公』より「韃靼人の踊り」 夢見るようなフルートの音色も今はピアノの独奏で賄っている)
        (この曲には別の名があって、英語の歌詞が付くと『楽園の異邦人(Stranger in Paradise)』とも呼ばれるようになる 第8曲から第17曲の序奏へと、旋律は情感を増して疾走してゆく)
        (「娘たちの踊り」「男たちの踊り」そして豪華絢爛なる舞踏会を思わせる「全員の踊り」へと至れば駅舎はしんと静まり返って、ただグランドビアノだけが高らかに歌う)
        (東方の見も知らぬ夢の国のロマンを鍵盤に乗せて、異邦人たちの舞踏は11分の長きに及んだ 余韻も去ったあと、椅子を立って恭しく頭を垂れる奏者に割れんばかりの拍手が沸いた) -- 華子 2023-05-29 (月) 23:36:31
      • (途中からだったので気が付くのが遅れたが……これは好きな曲だ。原曲はもちろん、歌曲にアレンジされた物はドラゴニアの歌手によるカバーもあり、非常に親しみ深い)
        ……(正に聞き惚れると言った感じで目を閉じ、流れるメロディに暫し時間を忘れて浸っていた。それは周囲も同じようで、首都の中央駅という絶えず人の行き交う中にあって雑踏さえも消え失せていた)
        (やがて鍵盤の上の舞踏が終わり、余韻の後湧き上がる拍手にエーベルハルトもまた続いた。惜しみない賞賛が降り注ぐがしかし、その中でも急ぐ人は居て)
        (人集りにも隙間が出来る。そして漸く見えた奏者の姿に)……!?(絶句、しつつもどうにか声を掛けたくて、人集りを遠慮がちに掻き分けて行く)
        -- ハルト 2023-05-29 (月) 23:58:25
      • ………!?(気づいたのはほぼ同時だったか、いるはずのない人間がいることに目を見開いたのもつかの間、小首を傾げながら椅子に掛け直す)
        (鍵盤にふたたびその指が触れる瞬間を、聴衆の誰もが待ち望んでいるのだった 今ひとたび駅舎を満たしてゆくその調べは、切ない旅情を掻き立てるシャンソンの名曲
        Je te téléphone(電話をいたしましょう) Près du métro Rome.(ローマの地下鉄駅のそば) Paris, sous la pluie(雨のパリは) Me lasse et m'ennuie.(くたびれて退屈ですもの)(口ずさむ、本来の演奏技術と語学力を遥かに凌駕して)
        La Seine est plus grise(セーヌ川は灰色に染まって) Que la Tamise.(テムズ川よりひどい有様) Ce ciel de brouillard(空は霧にかすんでしまって) Me fout le cafard.(胸が塞いでしまいますもの)(一度きりの旅を懐かしむように、歌声は切々と)
        (歌う、歌う、高らかに歌う、鍵盤に細指を躍らせて、イタリアの夢を歌う)
        Viens voir l'Italie(イタリアに参りましょう) Comme dans les chansons.(歌に聞くあの場所へ) Viens voir les fontaines.(噴水を見るのです) Viens voir les pigeons.(鳩たちも一緒に)
        Viens me dire "je t'aime"(愛している、と仰って下さいませ) Comme tous ceux qui s'aiment,(愛し合う皆様方と同じように) A Capri la belle,(美しきカプリの島) En toutes saisons.(移ろう季節に)
        -- 華子 2023-05-30 (火) 00:11:20
      • (人集りを掻き分け掻き分け、その度に「何だコイツ」「……あれコイツ知ってる顔だな?」というような反応をされながら、牛の歩みで前に)
        (……と、次の曲が始まり、足を止める。先程よりだいぶ視界は良くなった。視線の先で指は踊るように鍵盤を跳ね、そこへ歌声が切なく寄り添う。「選曲激渋……」という囁きが聞こえる通り、今度の曲はエーベルハルトも知らない物だ)
        (しかし、少年元来の耳の良さと語学力、そして華子の表現力も手伝って、つい先日までいたイタリアの光景が目に浮かぶようだった)
        (……にしてもこの歌、対比に出されるパリの酷い事……その分、イタリアへの憧れを強く感じもするが)
        -- ハルト 2023-05-30 (火) 00:33:21
      • (甘い旅情に駆られるままに、細指は軽やかに躍り続ける 心は遠く、翼を得て羽ばたいてゆく イタリアの果てしなく青い空の下へと)
        Taxi, menez-moi(タクシー、連れて行って下さいませ) A la gare de Lyon.(リヨンの駅へ) J'ai un rendez-vous(約束があるのです) Près du portillon.(入口のそばで待ち合わせを)
        Je vais prendre le train(列車に乗って参りましょう) Pour Capri la belle,(美しきカプリ) Pour Capri la belle(美しきカプリの島へ) Avant la saison.(季節のはじまるその前に)

        (この場にたまさか居合わせた誰もが、見も知らぬ異国の景色へと心を掴まれ奪われる ドラゴニア中央駅から続く、レールの彼方にある場所へと)
        Passant par Vérone,(ヴェローナを行き過ぎて) Derrière les créneaux,(胸壁の彼方) J'vais voir le fantôme(幽霊にまみえましょう) Du beau Roméo.(美しきロミオに)
        Je vais dire "je t'aime"(愛している、と申しましょう) A celui que j'aime.(愛おしい方へ) Ce sera l'Italie,(それはイタリアのことなのです) Comme dans les chansons.(歌に聞く御名のとおりに)
        Taxi, vite, allons !(タクシー、急いで下さいませ!) A la gare de Lyon(リヨンの駅へと)...

        (余韻が去って、再び椅子から立っての一礼 しんと静まり返ったような静寂が万雷の拍手で満たされ、恥じ入るような仕草を見せた後)
        (聴衆の間を抜けていこうとして、捕まってしまった 口々に寄せられる賛辞に一言二言応えながら、だんだん顔色が悪くなっていく)Merci. Je suis honoré... -- 華子 2023-05-30 (火) 00:43:14
      • (シャンソンにはあまり触れてこなかったが、良い物だと思った。同時に他の歌手ではそこまで好きにはなれないかもしれない、とも思ったが)
        (今一度拍手をして……今度こそ声を掛け……いやどう掛けたら良いんだ?等と、一瞬の逡巡。今度こそ去っていく人波を掻き分けながら見れば、華子は見事に捕まっていて)
        (何やら顔色が悪い。尚も人波をすり抜け……いや、すり抜ける必要はない。久々ゆえに忘れていた力を使えば良い事を思い出すと、その身を霧に変え、華子の元へ)
        (囲みの間をするりと抜けて実体化すると、半ば強引に道を作る)……ドラゴニア外務省の者です。この方は大事な賓客ですので、これ以上は御容赦願います。(半分嘘だがそれくらい言ってもバチは当たるまい)
        -- ハルト 2023-05-30 (火) 01:01:30
      • やはり貴方様でございましたか……ごきげんよう、エーベルハルト様 奇遇なこともあるものでございますね、よもや…(ゾク、と悪寒のような感覚が走って膝をすり合わせる)
        このような場所でお目にかかるとは、私夢にも思いませんでした(状況が切迫の度合いを増しているほどあらゆる能力が強化される ピアノも歌も語学さえもささやかな余技のひとつで)
        (興が乗って手遅れになりかけたことも一度や二度ならずあり)ごめん下さいませ(じわ、と脂汗をにじませながら会釈をひとつ 雑踏にまぎれて、お手洗いへと足早に向かった) -- 華子 2023-05-30 (火) 01:13:20
      • ああ、挨拶はいいから早く先へ……(具合が悪いのならば救急車の手配もしなければなるまい、などと考えながらモーゼの如く人垣を真っ二つに割って)
        (そこを抜けていく間も挨拶が続く。なんとも律儀というかなんというか、という感想を得つつ、足早に進んでいったあの方向は……と察する)
        (待っているのもおかしな話では?という考えにちょっとだけ苛まれつつも、お手洗いの向かい、出たらすぐに見える所で待っている事にした)
        -- ハルト 2023-05-30 (火) 01:25:09
      • (何ごともなかったかのような顔をして出てきた 待っていたらしいことを察すると驚いた様子で)エーベルハルト様? ここにいらっしゃったのですか
        私のような者が何故ここに、とお思いでございましょう あれはイタリアの旅より帰国の途に就く間際のことでございました……(ほわんほわんほわんと話は一週間くらい前に飛ぶ)
        ローマのテルミニ駅で私、見つけてしまったのです このドラゴニアまで一枚で旅することのできる魔法の切符を……せっかく近くに参りましたし、これは是非にと思いまして
        貴方様の御国にも当家ゆかりの者が駐在しておりましたので、宿を手配させました 短い滞在ではございますが、街の様子などを楽しんでおりました 貴方様は、ご公務で? -- 華子 2023-05-30 (火) 01:47:16
      • (あの顔色の悪さと悲壮感が嘘の様で安堵を覚えつつ、片手を上げて会釈。人の流れの緩やかな端の方へ誘導して)
        (そして話を聞けば)……なる……ほど……?(ここに居る理由は分かった。分かったが、そんなふらっと『ついでにちょっとそこまで』みたいなノリで良いのか!?とも思う)
        ……それは、さぞかしその縁の方も驚いた事だろうな……ああ、俺の方は実家の用事を済ませて、ついでに故郷を満喫していた所だ。
        今、家族は皆日本に住んでいるのでな、こうして故郷に戻るのは久々だ……まさか日本での知己に出会おうとは思わなんだが。
        (ここで会ったのも何かの縁だろう。やや……結構……いや、かなり勇気を振り絞って切り出す)……この後、時間は?もし良ければ、食事等どうだろう、か……
        -- ハルト 2023-05-30 (火) 02:16:16
      • 以前、御国のお話をお伺いしたことがございました いつかは訪れてみたいと、心密かに願い続けておりまして…その機がたまさか訪れたまでのことにございますれば
        今日こうしてお目にかかれましたのも何かのご縁、お導きにございましょう(食事の誘いには一呼吸を置いて頷きを返し、この王都での宿所についても伝えておいた)
        故郷の空を遠く離れて、この身ひとつで当地に参りましてございます 何分不案内でございまして、私のような者に付き添って頂けるなど勿体のないお話にございますが……
        心細くも感じてございましたので、もし、お許しを頂けるのでしたらご厚情に与りたく存じます…ええ、誠に有難く存じます、エーベルハルト様(しずしずと頭を垂れて)
        久々の御国はお懐かしさもひとしおにございましょう………まだ数日はこちらに留まる予定でおりますが、貴方様はいつお戻りに? -- 華子 2023-05-31 (水) 00:57:19
      • (だからと言って急に修学旅行を延長するという例は、寡聞にして知らない。淑やかな雰囲気と裏腹に機を見るに敏にも程があると言うか、行動力の化身と言うか)
        (日本ならば神やお天道様の導きというのが一般的だろうか。これをドラゴニア風に直すと“竜角の導き”となる。王族である白金竜の、冠の如く頭に戴く角は常に良き未来へと導くという)
        (華子の、丁重極まる振る舞いは堂に入っており、いやらしさを感じさせない。が、同時にまあまあな心の距離は感じる)
        どうしてもと言うならば致し方ないが……俺に対してはそこまで謙らないで欲しい。呼び方もエーベルハルトでは長いのでハルトで構わない……して予定だが。
        (実は華子と遭遇する少し前、明日にでも戻るつもりで京都の叔母に連絡したのだが、『君、結局夏休み働き詰めだったでしょー?暫くそっちで羽伸ばしなさいな』などと言われたばかりだった)
        俺も、もう数日ばかりこちらに居る。迷惑でなければ、君がこちらにいる間……行きたい所があれば案内しよう(と、ここである一つの仮説が脳裏に浮かび上がった)
        (良家のお嬢様ならば普通にあり得る事。そしてそうだったら少し嫌だな、と思う自分に気が付いてしまった)
        ……と、誘っておいてなんだが。君には、許嫁やそれに類する相手が居たりは、しないのだろうか?
        (別に、今の所どうという関係ではないが、それでも気分を害する者が居るならば配慮が必要だろう、と思う)
        -- ハルト 2023-05-31 (水) 01:39:25
      • (知らない国の知らない都を案内もなく彷徨い歩き、ささやかな語学力の許すかぎり、市井の人々の暮らしの中へと溶け込んでみるのも旅の醍醐味ではあるものの)
        (ホテルのロビーで貰った観光ガイドの主だった場所、王都の手近な名所旧跡は半分くらいも見て回ってしまったところ あと数日は地方に出ていくことも考えていた矢先のことで)
        (たまさかの出会いに、この風変わりな先輩に任せてみるという選択肢がにわかに浮上して)慮ったことはございましたが、過ぎれば謙ったように映ってしまうのですね
        言葉も所作も、私というものを映す鏡と教えられて参りました 一言二言の言の葉で、貴方様の関心を贖おうなどと考えたことはございません すべて、私のためなのです
        貴方様は、心ばかりの礼節をもって接するべき御方にございます エーベルハルト様、失礼、ハルト様のことをよく存じ上げている訳ではございませんが……
        そのような御方であってほしい、と願います その願いを、口舌に託して申しましょう 礼節とは、因果の倒錯をもって行使される呪法…のごときもの、と心得ておりますれば
        (急に許嫁の話を振られると思いもしないことに目を見開いて)将来を誓った殿方、でございますか? 昔はそのような仕来りもあったと仄聞いたしましたが、今はおそらく……
        すこし、我儘を申してもよろしいでしょうか?(王都の観光ガイドを開いて、この一週間の間に見て回った場所を伝えておく)同じ場所を巡るのもよろしゅうございます
        天気の良い日には都の外にも参りましょう 僅かばかりの時間ではございますが、風の向くまま気の向くままに、いずこへなりともお供させて下さいませ -- 華子 2023-05-31 (水) 02:24:25
      • (華子の言に、納得したように頷いて)成程、理解した。俺の受け取り方にこそ、相違があったという訳だ。日本語という物は実に奥深い……
        (親しき仲にも礼儀ありという言葉もある。砕けた調子に親しみが宿る訳ではなく、そこに込めた意味や気持ちこそが大事なのだろう。心の距離など勝手に感じていたに過ぎない……のかもしれない)
        (敬意を払うべき人物であって欲しい、という言葉には擽られるものもあり)その願いに応えられるよう努力しよう。
        (良かった……旅行中の話を聞いて嫉妬に狂う許嫁は居なかったんだ……まあ自分が何処の馬の骨とも知れぬ者ではない、と証明するのは簡単なのだが)
        ああいや、そういった配慮をすべき事があるかの確認をしたかっただけだが……ん?(美人の我儘なら大歓迎!等と言う程軽薄ではないが、それでも多少の事なら吝かではない、等と思い始めている)
        それならば少々長旅となるが我がドラッヘンゾーン領へ足を伸ばすのも良いだろう(高速鉄道で片道3時間程)……だが今はさしあたってすぐに見せたい物がある。
        (ディナーの予約変更の電話を店に入れつつ、案内したのは議会庁舎最上階の展望デッキ。駅からは程近く、観光ガイド等にも載ってはいるものの庁舎内の見学コースからは外れている為、一般公開されているにも関わらず観光客はそれ程多くない)
        (ここからは新市街を背に、駅を挟んで王城と旧市街、そしてその向こうの山並みが一望出来る。時間は折よく夕暮れ、山の向こうへ日が沈もうとしている)
        -- ハルト 2023-05-31 (水) 22:55:48
      • いえ、いいえ、ハルト様 慇懃であれば礼節に叶う、というほど簡単なお話でないことは承知しております とはいえ、一朝一夕に変わるものでもございませんので……
        まずは無理なく、ということでよろしゅうございましょうか?(他人行儀に過ぎる、と言われればきっとその通りで、控えめな笑みを見せた)
        ハルト様はこちら、ご存知でございましょうか? 不敬に当たるかもしれませんが、王女様のぬいぐるみを見つけてしまいまして……私、一目惚れにございました
        何とお美しく、気高くそして愛らしきお姿にございましょう………(王女エレーナ殿下のドラゴン形態がデフォルメされた品を鞄に忍ばせて持ち歩いているらしい)
        (先ほどもストリートピアノの上に飾って演奏に勤しんでいたのを、今は両手の中に包み込むように後生大事に抱えている)お店にたくさんの種類がございました………
        (案内されるままについて行き、たどり着いた場所は王都を一望する絶景スポット 街並みの古色蒼然として歴史を重ねたさまはエディンバラにも似ていて)
        (百塔の都と讃えられるプラハもかくやとばかりに起伏に飛んだ壮麗なる建築の数々に小さく息を飲んだ)これは……大変にお美しくございますね -- 華子 2023-06-01 (木) 00:03:44
      • ああ、無論だ。俺も先だって、この口調を許して貰っても居るしな(少し冗談めかして笑う。歩み寄ろう、という気持ちを嬉しく思った)
        んぉ?おお、ああ(妙な反応になったのは不敬と思ったからではなく、思わぬ所で親しい人物の思わぬ話が飛び出した所為だ)本人もとても気に入っている、というかノリノリで企画に関わっていると聞く……
        (幼い頃は“エル姉”等と呼び親しんだが、15歳の辺りで止めた。「分別の付く年頃になりましたので」と言ったら、喜びと寂しさの入り混じった複雑な表情をしていたのを思い出す。今でも姉のように慕っているのに変わりはないのだが)
        (因みにぬいぐるみはバリエーション豊富な上に定期的にバージョンアップしており、結婚記念モデルを皮切りに伴侶も企画に参加するようになったらしい。玩具会社曰く、以前より監修が物凄く厳しくなったとか)
        (そうこうする内に日は山の端へ沈みゆき、空は朱色から紫、紺へと青みを増していく。眼下の王城や街には火が灯り、暖かな色合いに輝き始めて)……ああ。
        俺は、王都ではこの時間をここで過ごすのが特に好きでな……新市街の夜景もそれは良いものだが、この旧市街の街並みと、山の影を背にした王城を見ていると心が安らぐ。
        ……そう言えば、先程の演奏はとても素晴らしかった。実を言えば直前の出来事で少々……くさくさ?していたのだが、そんな心の蟠りがどこかへ行ってしまった(心の晴れた理由には思わぬ出会いも含まれてはいたが)
        -- ハルト 2023-06-01 (木) 00:36:17
      • あのようなお城は、京都の寺社や日本の城郭とは趣の異なるものにございますが……まるでおとぎ話の絵のようにお美しくございますね
        (四方の眺望を一度写真に収めただけで、あとはスマホを仕舞って、暮れてゆく王都の繊細な色彩の変化を目に焼き付けようとするかのようにじっと眺める)
        そういえば、王女様は日本にお住まいになっているのだとか 若くしてご結婚をなさっておいでで、お相手の方は女性である……ともお伺いいたしました
        当地の王家の皆様方は、とても開明的で進んでおいでなのですね ご縁はまことに奇異なるものにございますが、そのご縁を育むのは人の意志にございますれば
        エレーナ殿下は深く深く愛されておいでなのでございましょう まさしく、おとぎ話のようではございませんか(胸に手を当てて、口元には控えめな笑みを)
        お恥ずかしながら、音楽の心得は元より左程もないのです 手遊びのようなものにございますが、お楽しみ頂けたのでしたら何よりでございました
        明日も奏でてご覧に入れましょう よろしければ……当地のお歌なども教えて下さいませ、ハルト様(滞在はそのまま一週間も伸びて、イタリアに勝るとも劣らぬ思い出深い旅程になったという) -- 華子 2023-06-02 (金) 01:32:43
      • ああ、そうだな……(そんな美しい夕景と一緒に華子の横顔を見ていた……比重的には横顔の方をやや多めに)
        (若くして……?と一瞬怪訝な顔になりかけたが、何の事はない。高校2年生で結婚したという報道を見ればそう思うのも已む無しである)
        (……まあ竜としては若い部類ではあるし、物理的な性別は然程重要ではないらしいし、愛の深さは結婚式と自分が日本で暮らす挨拶をしに行った時の二度、目や口から砂糖が出そうな位に味わった)
        (自分の耐性の無さや、人前でセーブしているのを考慮しても恐らく、二人きりの時は蜜月の蜂蜜漬けのようなだだ甘カップルなのではなかろうか)
        (しかし結婚式の模様を改めて思い出せば、確かにおとぎ話の様であった。であれば、わざわざ水を指すような事を言う必要も無い。控えめな笑みにさえ少しドキッとしつつ、首肯して頷く)
        ふふ。楽しみにしている……と、それより寒くはないか?(マフラーやらコートやら懐から何でも出てくる不思議な先輩を演じつつ、夕食の為レストランへと移動し──)
        (そうして始まっためくるめく(?)延長修学旅行の中には、実家の城ツアーやワイバーン騎乗体験等、異世界ばりのファンタジー体験が含まれていたとかいないとか)
        -- ハルト 2023-06-02 (金) 02:03:55
  • ハルト、はいこれ (教室でいつだったかの約束の飲料を唐突に渡してきた。ジュースではなくペットボトルのカフェラテになっている)
    そういえばドラゴニアで人気のローマスポット! ってあるの? (自分の分のペットボトルを開けながら。これはミルクティーだ) -- 2023-05-25 (木) 22:14:00
    • ん?ああ、有難う……?(ちょっとの間ピンと来ていなかったが、いつだったかの話を思い出して小さく笑う)……本当に忘れた頃だな。
      どうだろう……日本で広まっている情報と大きな違いは無いと思うが。ローマが推したいスポットの情報を公開して、そこへ旅行者が訪れる。良い所であれば人気の場所として定着する……というのはどこの国でも同じだろう?
      そこに、旅行者間での情報というのも加わってくるが……うちの国の場合は雑多な種族が暮らしているので、それぞれが気に入る場所というのがまちまちになってくるな……(ペットボトルを開封して口を付ける)
      ……要約すると俺には大した情報が無いという事になる(役に立たぬヨーロッパ人である)
      -- ハルト 2023-05-25 (木) 22:30:48
      • 正直忘れてたからね、でも今朝ふと思い出してその日のうちに買ってきたあたしの律儀さに感謝しといて
        まぁそれはそうか、空が飛べたら絶景スポットも片なしだもんね。うーん名所はともかくおいしいレストランとかはたぶん隠してる気がするのよね
        こう、地元の人しか知らない隠されたスポット、的なのがありそうじゃない? (同じく飲料を飲みつつ) -- 2023-05-25 (木) 22:43:25
      • 忘れていたら律儀とは言えない気がするが……思い出すだけ良い方か(苦笑しつつ、幾分軽い調子で「有難う」と)
        これは一般論だが、観光地にあるレストランよりも、そこから少し離れた所にある店が美味しい、というのは良く聞くな。
        ……そして隠されたスポットという物は得てして、地元の人の生活と直結している事が多い印象だ。それを踏まえると、暴き立てるのは良くないかもしれん。オーバーツーリズム、などという話もある位だ(真面目ーな顔してカフェラテくぴくぴ)
        -- ハルト 2023-05-25 (木) 22:54:52
      • ちゃんと思い出したんだからセーフでしょー? (「どういたしまして」と受けながら)
        飲食店は立地が大事って言うからそこで多少不利でもやっていけるところがいい、ってことかな (ふむふむと頷きつつ)
        あー……それはそうか。京都でもまま聞く話ではあるわね、こじんまりした場所に押しかけるのも考えものか
        それに本場の味すぎると他所者にはわかりづらいかもしれないし……ええいなんかえらく冷静ねあんた
        修学旅行で海外に行くのよこう、テンション上がらない? 永遠の都ローマよ? コロッセオでフォロ・ロマーノでスペイン広場よ!? -- 2023-05-25 (木) 23:13:55
      • きちんと整備してある場所であれば、比較的安全だというのもある。整備されていない場合、地元民は勝手が分かっているので不用意に近づかないが……というような話だな。
        ああ、味については賭けになってくる……ん?ああ、いや……本来その気になれば手続きも無く行ける所なのでな。海外に行くという意味でも、既に自国から日本に出て来ている身では……
        -- ハルト 2023-05-25 (木) 23:34:59
      • えっそうなの、あーヨーロッパは国境超えるのに面倒なことなくいける、みたいなの聞いたことあるけどそのアレ?
        ……たしかに極東に来てる方がよっぽど大事ね、それはそうだわ (よく考えなくてもそうだった)
        それじゃあここに来た当初ってやっぱりあちこち見て回った? っていうか真っ先に行ったのはどこ? -- 2023-05-25 (木) 23:43:06
      • ああ。それをシェンゲン協定というのだが、授業でやらなかったか……?(授業でやったかあやふやなのはその辺りは聞き飛ばしていたからだ)
        真っ先に、というとこの学校の下見(は流石に面白くないので二番目を言おう)……のついでと言っては何だが、斜向かいの東寺を見に行った。
        -- ハルト 2023-05-25 (木) 23:50:18
      • やったかな……やったかも……(おそらく、いや間違いなく忘れているだけだ)
        なるほど東寺かー、……渋いチョイスね……まず学校って真面目さからするとむべなるかな、だけど金閣や清水寺より先とは……
        ふむ、まぁ参考に……かはともかく心得的な部分では話が聞けてよかったわ。ありがと、じゃあまたね (飲み干したペットボトルをふりふりして去っていった) -- 2023-05-26 (金) 00:08:46
      • 協定を法律として盛り込んだアムステルダム条約はやった……な……?(あいまい)
        しばらく住むのだから焦る事もないし、一度にあちこち巡ってもじっくり見られないのでな(高校の下見と東寺では東寺の方が見る時間が長かったという)
        結局の所一般的な話しか出来なかったが、それでも少しは役に立てたのならば幸いだ。ではまた……(と言いつつ結局ペットボトルを片付けるので一緒に出たのだった)
        -- ハルト 2023-05-26 (金) 00:16:09
  • 👿
  • 🏰
  • 🌔🌃🎶
  • 「いやぁー、お疲れさん。ほんっっっっっっっま助かりましたわ」(と言いながらギョロ目の男はおしぼりの袋を破り手を拭き顔を拭き。ここは喫茶店である)
    「いやね、お高い店連れて行きたかったんやけども、ハルトくん未成年やし、ワシも財布は心許なしでや……あいやいや、だからといって安い店連れてきたんとちゃいまっせ?」(メニューを広げてしげしげ眺める)
    「……あ、遠慮せんと好きなもん頼んでな?まー、おっさんと喫茶店デートなんぞおもろないやろうけども、そりゃせやろなーってワシが一番思っとるとこやさかい、な」 -- ??? 2023-05-18 (木) 23:06:33
    • (このちょっといい雰囲気の喫茶店で今まさに行われようとしているのは……お疲れ様会だ。何のかと言えば、先日の狼男達の件。それが存外長引いたのだった)
      「いえ、お気持ちだけでも、充分に嬉しいです」(おしぼりで手を拭くとメニューを手に取る。並んでいるのは何の変哲もない、喫茶店らしいメニューばかりだ)
      (時は昼下がり。昼食は済ませてあるし、夕飯には時間がある……自ずと選択肢は軽食に絞られてくるわけだ)
      (狙ってやってるんだろうなこの人……と思いながら、糖分が欲しい気分だったのでスペシャルパフェとアイスコーヒーを頼む事にした)
      -- ハルト 2023-05-18 (木) 23:11:41
      • 「相っ変わらずのビジネストークやな〜。ま、今日はお疲れさん会や、文句は無しにしときましょか」(ギョロ目の男、矢部島はウェイトレスを呼び止めると手早く注文を済ませる)
        (スペシャルパフェ2つにアイスコーヒー2つ。それらが来るまでの間、会話に花が……咲くでもなく。二人して物思いに耽る)
        (クラシックが静かに流れる店内。ふと、ポツリと矢部島が呟く)「……奴さんら、ワシが分からんと思ってベラッベラとよう喋ってくれて良かったわ。あんまし未成年には聞かせた無い話やったけどな」
        (あの惨状から移送可能になるまでの二ヶ月間毎日のように病室に通い詰め、会話が出来るようになってからは根気強く英語で話しかけた)
        (矢部島はそうして狼男らの懐へ入り込み、彼らの自慢話を引き出すことに成功していた。と言っても大半は矢部島には分からないであろうと高を括って英語・日本語以外の言語で語られたものだったが)
        (エーベルハルトはそれを夏休みのほぼ全てを費やして、細大漏らさず書き起こしと翻訳を行ったのだ)
        「専門家が軒並み出払っとって途方に暮れるとこやって、ほんま……有難う御座いました」(頭髪を気にしながら矢部島は頭を下げた) -- 矢部島 2023-05-18 (木) 23:35:27
      • 「警察に協力するのは市民の義務ですから……例えこの国の民ではなくとも」(これはビジネスでもなんでも無く、本心からの言葉だ。既に起こった事はどうにも出来ないが、せめて被害者遺族の気持ちが救われる事を願いたい)
        (それからまた少しして。顎から頭の先より高さのあるパフェが到着する)「……ちょっと大き過ぎましたねこれ」
        -- ハルト 2023-05-18 (木) 23:40:35
      • 「おお……マジかいな」(パフェの大きさにたじろぐ矢部島。しかし気を取り直し、スプーンを手に)
        「男矢部島、頼んだモンはきっちり食べきったるさかい。ほな、頂きます……やほんと、お疲れさんな」(何回言うねん、とセルフツッコミをしながらパフェを食べ始めた) -- 矢部島 2023-05-18 (木) 23:42:31
      • 「はい。矢部島さんも、お疲れさまでした」(そうしてパフェに舌鼓を打ったそうな) -- ハルト 2023-05-18 (木) 23:43:08
      • 「……ほんで、あのお嬢さんとはその後どうなりはったんです?」(ギョロ目を更にギョロッとさせながらニヤニヤと尋ねる矢部島。パフェはすでに半分くらいになっている) -- 矢部島 2023-05-18 (木) 23:44:39
      • 「話終わりじゃなかったんですか。どうもなにも、無いですよ……校内で遭遇もしませんし」(中々減らない、と思うもののうんざり感もないので黙々と食べ進めていく) -- ハルト 2023-05-18 (木) 23:46:26
      • 「かーッ!なっっさけないのぉ〜、ロックオンしたらガッと行ってギュッとやってズドーン!これで決まりや!」(アイスコーヒーを流し込む……とスマホが鳴る)
        「おう、どした岩原……なんやて、鴨川で両手をアイラブユーにしたがに股のご遺体!?」(ガタタッ!いつの間にかパフェは空だ)
        (残りのコーヒーを流し込むと財布から5千円取り出してテーブルに置く)「すまん、そういうこっちゃ。支払い頼むわ!釣りは取っといてや!!」 -- 矢部島 2023-05-18 (木) 23:51:21
      • 「おぉ……お疲れさまです」(矢部島が店員に会釈しながら店を飛び出していくのを見送りながら、残りのパフェとコーヒーを楽しんだということだ) -- ハルト 2023-05-18 (木) 23:52:58
  • ✙ -- 2023-05-06 (土) 00:22:45
  • ✙ -- 2023-05-06 (土) 00:22:42
  • ✙ -- 2023-05-06 (土) 00:22:38
  • このツリーでは特に断りがない場合ドラゴニア語で会話しています -- 2023-05-07 (日) 23:01:50
    • ……さてハルトくん。こうして私の執務室に来て貰った理由は他でもない……ちょっとシフト減らそっか☆ -- リア 2023-05-07 (日) 23:02:36
      • 呼び出されるなり開口一番シフト減らすって何事です?俺なにかやらかしました?(心当たりがない。本当に心当たりがない) -- ハルト 2023-05-07 (日) 23:04:09
      • あーいや、君がなんかしたっていうんじゃないのだよ。時に君、ちゃんと青春してる?ほら、好きな子とかさ……? -- リア 2023-05-07 (日) 23:05:52
      • それは、何らかのハラスメントでしょうか(真顔)先んじて行っておきますが、別に総領事館の仕事は自分が好きでやっていますし、職場の皆さんとは関係も良好です。
        心配されるようなことは……なにも……
        -- ハルト 2023-05-07 (日) 23:07:31
      • うん、ものすごい真顔で諭されたね、ごめん。いやね、分かっては居るのよ?ちゃんと忠実に、熱心に職務を遂行しているってのは。他の皆の評判もすこぶる良いしね。
        ただ、ほらそういうものすごく言い淀んでる所もあるわけでしょう?私としてもさ、兄上とマリアさんからお願いされている訳でして。 -- リア 2023-05-07 (日) 23:09:50
      • ……そこで父と母を出すのはズルいです。でも現実問題、人手が足りているとも言えないですよね? -- ハルト 2023-05-07 (日) 23:11:50
      • うん、そこなんだけどね……しばらく前から本国に増員要請はしてたのよ。で、今季から何人か増やせそうだって話だったんだけど。
        色々ごたごたして来られなかったのね。で、それがようやっと……って訳だ。どう?これなら納得せざるを得まいよ(クックック、と無駄に悪そうな笑い) -- リア 2023-05-07 (日) 23:13:45
      • そこまで言うなら、仕方がありませんね……あ、でも仕事が減った所で……(遠い目) -- ハルト 2023-05-07 (日) 23:15:23
      • あーまあ、ねー…空いた時間で何をするかってのは私も分からない……本当に分からないんだ……(一緒に遠い目をする、一年の殆どを総領事館で寝泊まりする事が多いワーカホリック)
        まあそれはさておき、具体的に人員決まったら新しいシフト出すからさ。多分20時〜が多くなると思うけどよろしくね? -- リア 2023-05-07 (日) 23:18:11
      • 承知しました。では失礼します(それはそれで高校生としては不健全ではないだろうか……そう思うエーベルハルトであった) -- ハルト 2023-05-07 (日) 23:19:20
  • エーちゃんってよ、たしか泳げねえんだよな(日本のロックスターみたいな呼び方をして前の席に座る男子の背中を突っついている) -- しらせ 2023-05-03 (水) 21:37:59
    • (次の授業の支度の手を止め振り向く)……確かに泳げないが。なぜそんなカリスマ性溢れそうな呼び方を…… -- ハルト 2023-05-03 (水) 22:16:06
      • 「エーちゃん」か「ベル」か「ハル」か「ドラちゃん」ならエーちゃん一択だろ 今年はオレが水泳部の勧誘やってんだよ
        泳ぎがすげえ達者なやつに、お前みたいに沈んじまうやつもいる プカプカ浮いてるのが好きなやつとか、まあ色々だ いざやってみるとよ、センパイってすげえんだなって -- しらせ 2023-05-03 (水) 22:23:57
      • その中ならばハルを希望するが……ああ、そういう事情か(大学受験の準備は早いに越した事はない。となれば2年生にそうした役目が回ってくるのは当然の事)
        確かにな……更に言えば泳ぐのが好きと一口に言ってもその内容は人それぞれ。
        となれば部活に所属してタイムを競いたい、という者をピンポイントで見つけ出すのは容易ではない、か
        -- ハルト 2023-05-03 (水) 22:37:05
      • うーん、ハルねえ、ハル? ハルでも構わねえっちゃ構わねえが、今更変えんのも何だしよお(一年この調子で呼び続けていた)
        おう、その通りだよ わかってんじゃねえか 何だかんだで頭数は揃いそうだが、一人でも多く集めて賑やかにしてえんだ オレたちの後に続く後輩たちのためによ
        競技水泳のシーズンは春夏に集中してる 来週には関西選手権があるし、そろそろ勧誘も手じまいの時期になっちまう 今は最後の追い込みってとこだな
        ちなみにガチ勢は全然いねえし、遊びに来てるやつがほとんどだ オレもそれでいいと思ってる 楽しくなくっちゃやってる意味がねえからよ -- しらせ 2023-05-03 (水) 22:47:35
      • 抗議をしれっと聞き流していたのは君ではないだろうか……まあ良いか(一年ぶつくさ言って今やっと諦めましたが無害です)
        どの様な競技でも選手層は厚いに越した事はない、か(怪我や不調など、スポーツには付き物だ。あるいはストイックすぎてついて行けなくなる事もある)
        (尤も、最後の部分は杞憂のようだが)……そうだな。例外はあるが基本的には何をするにも楽しいというのは重要な事だ。負けたくないとか、上手くなりたいとか、そういった気持ちの土台になる……
        ……それで。俺が泳げない事を確認したのは一応勧誘するつもりだ、と考えて良いのだろうか?
        -- ハルト 2023-05-03 (水) 23:00:47
      • バッチバチの勝負がしてえやつには相応の指導があるし、センセもコーチもマネージャーも応援してくれる 偉いの偉くねえのって話じゃなくってさ
        大切なのは、みんなが泳ぎを楽しんでるってことだ 時々オレみたいなやつがフラッと紛れ込んで、それなりの記録を残していく ウチの水泳部はそういう所帯だ
        でもって、お前のことなんだけどよ ガタイはいいし、ヒョロガリってわけでもねえだろ ところが、どういうわけか沈んじまう 不思議な話もあるもんだが
        エーちゃんのこと、誘えないかってずっと考えてたんだよな ちなみにだけどよ、放課後とかって何してるんだ? 週に一日、二日でも空いてる日とかねえかな -- しらせ 2023-05-03 (水) 23:27:32
      • (しらせの話に相槌を打ちながら聞いている。ガチガチの体育会系の高校ならこうは行かないだろうなと思うのと同時に、だからこそ、しらせのような生徒が時折現れては大記録を打ち立てるのかもしれない、とも思う)
        残念だが、断る理由は幾つかある……まず1つ。基本的に空いている日が無い。放課後はアルバイト……という名目で身内の手伝いをしている。毎日重要な仕事がある訳ではないが、緊急を要する場合すぐに出られるよう待機しなければならない。
        2つ。水泳という競技は泳がずに成り立つ物ではないだろう?実の所、全く泳げないという訳ではないのだが……泳ぐにしてもプールの底を這うようなものだ。それが元で、大事な『楽しむ気持ち』が今ひとつ湧いてこないというのもある。
        (いっそ『潜水したまま女子の下半身を見て楽しむ』位の一般高校生的(?)な若い性欲でもあれば、そういう下心で入部もしただろうが、年齢の割には老成しているレベルで落ち着いているのだった)
        -- ハルト 2023-05-03 (水) 23:44:47
      • だいたい予想の範疇だな いやさ、当然の道理としてそんなとこだろうって話だ お前の言い分はよくわかったし、放課後のことも教えてくれて助かったよ(真剣な顔になって)
        その上でオレからも話がある 結論から言っちまうとだな、オレをマネージしてみないか? 言っちゃ何だが、オレは近畿の枠じゃ収まらねえ 全国で戦えるタマだ
        マネージャーは他にもいるし、データは溜まっていく一方だが分析のできるやつがいねえ レース展開の作戦立案もフォームの研究もほったらかしだ
        そこでお前が、専属マネージャーになる 部室には出られる時だけ出てくれればいい お前の知恵を借りてえのさ どうだハル、オレと一緒に戦ってみねえか? -- しらせ 2023-05-04 (木) 00:09:19
      • (非常に珍しいことだが、頭上に『きょとん』と文字が浮かんで見えそうな……ともすれば背景に宇宙が広がりそうな位の表情をしている)……俺のどこを見てその考えに至った……?
        (どちらかと言えば肉体派に分類されるだろうと自分では思っているが、別段成績が悪い訳ではない……というより出来る方ではある)
        (体育にしても水泳以外は軒並み好成績だが、だからこそしらせの言うようなマネージメントが向いているとは思えなかった。大抵の種目を力技でこなしている、それは詰まるところ──)
        貸せるような知恵は持っていない。熱心に誘ってくれる気持ちは勿論嬉しいが……君を全国、世界へ連れていけるような力は無いだろう
        -- ハルト 2023-05-04 (木) 00:30:04
      • いや世界なんざ目指してねえが!? さしものしらせパイセンだってよ、オリンピックは無理だと思うぜ テレビで見るような連中は格が違えんだ
        訳がわからねえがも知れねえが、お前を巻き込む算段をずっと考えてたんだ それも駄目ってなると、思案の種が尽きちまった 一旦は引き下がっとくよ
        おっと、勘違いするんじゃねえぞ 諦めたって意味じゃねえからな 次の算段を練ろうってだけだ また今度ゆっくり話そうぜ(チャイムが鳴った) -- しらせ 2023-05-04 (木) 01:17:53
      • 全国の次は世界と相場が決まっているだろう?(くつくつと笑う。その才が無いと考えているのは言葉通りだが、半分位は冗談も含まれていたのだった)見上げすぎて潰れぬ程度には夢を見ても良いのではないか、とも思うがな。
        確かに訳が分からない……(なぜそんなにも熱心なのだろうか?エーベルハルドは訝しんだ。普通の男子高校生なら『コイツもしかして……』と勘違いする所だ)
        ……無碍に断る方も心苦しいのだが?妙案、楽しみにしている(等とまた冗談を言って笑いながら、次の授業の準備をやや急いで再開した)
        (それはさておき思いの外、断る言葉にリソースを割いていたらしく、呼び方がハルになっていた事に後で気がついたのだった)
        -- ハルト 2023-05-04 (木) 01:38:48
  • ドラッヘンゾーン、アレ、アレとって (何故かロッカーの上にあるバケツをさす。教室の掃除に使うようだ)
    …ドラッヘンゾーンって申し訳ないけど常々言いにくいと思ってたのよね、エーベルハルトでいい? -- 2023-04-30 (日) 22:20:27
    • ああ……はい(事も無げにひょいと取ると差し出して)
      ……日本人の名と比べれば、エーベルハルトも大概長くて呼び辛いと思うが。ハルトで構わない
      -- ハルト 2023-04-30 (日) 22:26:09
      • 長いけど言いやすさではエーベルハルトに分があるわ。でもハルトはよりいいわね、採用!
        で、ハルトくんあたしはこれからこの教室の掃除をかわいそうにも命じられたんだけどなにか言うべきことが…ないかしら? (明らかに手伝わせようとしていた) -- 2023-04-30 (日) 22:33:20
      • 掃除当番が掃除をするのは当然の事ではないだろうか(エーベルハルトは訝しんだ)
        少々失礼(……訝しみつつもスマホを取り出すと何処かへメッセージを飛ばす。それからさして間を置かずスマホがム゛ッム゛ッム゛ッと3回振動。画面を確認して小さく頷く)……手伝おう
        -- ハルト 2023-04-30 (日) 22:38:54
      • 当然だけど! もう一人いたはずのヤツがいないの! いやー助かるわいよっ男前! 高身長! (調子のいいことを言ってほうきとちりとりを押し付けた)
        じゃあちょっとあたしは水くんでくるから(スマホをいじる様子を見ながら出ていった)
        ……ひょっとしてなんか用事あった? 手伝わせといてなんだけど無理はしなくていいわよ? (戻ってくる途中で気になったのか今更聞いてきた) -- 2023-04-30 (日) 22:44:51
      • (大方そんな事だろうと思ったが、なるほど正解であった。掃除など30分と掛からぬであろうに、と顔をやや渋面にしつつ箒と塵取りを受け取る)
        ああ……いや、バイト先への連絡だが、身内の手伝いのようなものだ、遅れた所で然程困りはしない(手際良く埃やゴミを掃き集めていく)
        -- ハルト 2023-04-30 (日) 22:50:15
      • そう言うんならいいけど、ヤバくなったら途中でも行きなさいよ? (手早く済ませようと少し急いで絞った雑巾で窓を拭き始める)
        ふーんバイトかぁ、……なんかぜんぜんそんなイメージなかったわ。……家庭教師とか? (高校生でそれはなかろう、と思いつつレジ打ちや接客は更になさそうだと考えている) -- 2023-04-30 (日) 22:56:34
      • いや、慌てなくて良い……有難う(隅に集めたゴミを塵取りに集めてゴミ箱へ。丁度一杯になったので袋を取り出して口を縛り、換えの袋をセットする)
        (説明をするため総領事館の業務内容を思い返す……自国民の保護、査証の発行、証明書の発行、他国の情報収集、友好親善、国際会議の準備等……どう説明したら良いんだこれは)
        (勿論、全部をこなしている訳ではなく一部の手伝い、自国民の保護と友好親善の為の動画制作、辺りがメインか)……力仕事だな(上手い説明が思い浮かばず、至極ざっくりした返事になった)
        -- ハルト 2023-04-30 (日) 23:06:28
      • ありがとうはこっちのセリフでしょ、あんたも人がいいわねえ……これも言い出したあたしが言うようなことじゃないけど
        それ帰りに捨ててくるから置いといて (ゴミ袋を指しつつ) あとはー……黒板消しぐらいかな。レトロねえ、ホワイトボードに変えればいいのに(ヴォーンとなるクリーナー)
        ……めっちゃ意外な答えが帰ってきたわ、いやバイトなら定番だろうけど。見た目によらず苦労してんのね (工事現場の兄ちゃん的なのを想像して納得していた) -- 2023-04-30 (日) 23:21:32
      • 確かに掃除に付き合っているのは頼まれたからだが、断る事も出来た。そうしなかったのは俺の意志だ。故に、気遣って貰った事に対して礼を欠くべきではないと思ったまでの事(堅い)
        いや、それなりに重い。俺が帰りに持っていこう、通り道だ(ゴミ捨て場は駐輪場に近いのだ。チョークが付くと目立つので学ランを脱いで、黒板のチョーク置きを雑巾で手早く拭いていく)
        ……まあ、慣れぬ異郷の地で大変さを味わう事も無いではないが(なんて話をしているうちに大体終わったのではないだろうか)
        -- ハルト 2023-04-30 (日) 23:33:06
      • カッチカチねえ、京都だとその辺からかってくる人いるかもしれないから気をつけなさいよ。分かりづらいことを分かりづらく言う事を趣味にしてる人もいるんだから
        ……よっし終わった! なにからなにまで悪いわね、いや〜助かったわ! あれ、あんたひょっとして自転車通学だったの? 気づかなかったわあたしもなのに
        ともかくありがとハルト、助かったわ、忘れた頃にジュースかなんかおごったげる。あたし鍵を返して報告してくるから、またね! (かちゃん、と教室の鍵をしめて手を降ったあと職員室へ向かっていった) -- 2023-04-30 (日) 23:44:21
      • ああ……そういった手合の予習はしてある(対処出来るとは言っていない)
        お疲れ様。やはり二人で行えばその分早く終わるな……(今日の当番誰だったかな、と確認して後で詰めようかと思っている奴)ああ……君もか。
        どういたしまして、ではまた(忘れた頃というのは本人も忘れているのでは?と訝しみつつバッグを肩に掛け、ゴミ袋を手に提げて教室を後にした)
        -- ハルト 2023-04-30 (日) 23:51:04
  • (ソウルスチール!!) -- ハルト 2023-04-29 (土) 22:03:17

Last-modified: 2023-06-29 Thu 22:49:12 JST (274d)