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自治区の深部にある湿地帯に、ある夜一台の馬車が現れる。 はちきれんばかりの筋肉とゆうに2倍を超える体躯を持つ黒い4頭の馬は、口中に馬にあるまじき鋭い牙を持つ吸血馬。 馬車の主は、吸血鬼だ。 朝の薄明かりが湿地帯を照らす頃、昨晩には存在しなかった建築物がそこに建っていた。 突き立てられた無数の剣を思わせるシルエットの広大な館は、城とも呼べる堅牢さを持っていた 黒々とした外壁のこの館が紅の館と呼ばれる理由は、中に置かれた紅玉卿のコレクションに由来する。 館の中には馬車にどう積載していたのか、数百を超える紅玉の像が並び、そのどれもが若く美しい女性の姿をしている。