施設/クリア後ダンジョン/洋上祭

  • 「学園祭……ですか?」
    ある日の昼下がり、それは唐突に告げられた。
    あまりに唐突なその発言に、つい少女……公安委員会直轄第七特別教室異能疾患対策室雑務の視線も険しいものとなる。 -- 雑務 2015-02-11 (水) 01:55:56
    • 「そ、学園祭だよ。雑務ちゃんはそういえば初めてだったかな?」
      そんな少女の訝しげな視線に肩を竦めながら、男にしては長めの金髪を結わえた男……公安委員会直轄第七特別教室異能疾患対策室副室長は笑う。 -- 副室長 2015-02-11 (水) 01:56:17
      • 「前やったのはえーと、何年前だっけかな? とりあえず雑務ちゃんが来る前だったような気もするな。まぁ、毎年やってるわけじゃねーからな、これ」
        そういって、ガタイの良い長身の男……公安委員会直轄第七特別教室異能疾患対策室書記は蓬髪を掻きながら、記憶の糸を辿るように目を細める。 -- 書記 2015-02-11 (水) 02:13:16
      • 「フッ……そういうことだ」
        書記に続くように明後日の方向を見ながら、白髪赤瞳の男……公安委員会直轄第七特別教室異能疾患対策室会計は眼鏡をかけなおした。 -- 会計 2015-02-11 (水) 02:18:33
      • 三者三様でありながら、限りなくワンパターン且ついつも通りな三人の先輩の反応に、つい溜息を漏らす。
        「例の如く、会計さんが何も知らないのはよーくわかりましたけど……学園祭が仮にあったとしても、私たちにもやることあるんですか? この教室、半ば隔離病棟みたいな場所なのに」 -- 雑務 2015-02-11 (水) 02:29:35
      • 「それは勿論あるともさ。我々は公安委員でもあるんだからね」 -- 副室長 2015-02-11 (水) 02:34:22
      • 「それだけじゃねぇぞ。教室ごとに模擬店とかするからな。当然俺達も頭数に入ってる。もし、部活入ってるならそっちでの活動もあるぞ」 -- 書記 2015-02-11 (水) 02:35:43
      • 「逃げることは……赦されない」
        意味深に眼鏡をまたかけなおす。勿論意味などない。 -- 会計 2015-02-11 (水) 02:40:00
      • 「ま、会計がいうとややこしいけど、拒否権はないんだ。これは統治会主催の興業でもあるからね。この学園祭の間だけはこの洋上学園の全ゲートが解放され、内外へ様々な人物が出入りする。公安委員でもある我々はそれらを監視し、時には捕縛する任が与えられている。これはお仕事なのさ」 -- 副室長 2015-02-11 (水) 02:48:28
      • 「ま、そっちの仕事は同僚が死ぬほどいるから俺達のやることはあんまりないけどな。公安委員会は勿論のこと、風紀委員会もスタッフとして全面的に活動する。学園祭期間だけ特別に設置される運営委員会も当然動く」 -- 書記 2015-02-11 (水) 02:53:04
      • 「実力派揃いの各委員会執行部もな……くくくく」 -- 会計 2015-02-11 (水) 02:56:32
      • 「当然我らが公安委員会執行部も動くけれど、まぁ今回は同じ仕事仲間だ。みんな、ちゃんと仲良くするんだよ?」 -- 副室長 2015-02-11 (水) 03:13:03
      • 「向こうからつっかかってこねぇかぎりは善処しますよ」
        若干不機嫌そうにそう呟く。 -- 書記 2015-02-11 (水) 03:16:52
      • 「えーと、なんとか飲み込めましたけど……ようするに、お仕事なんですね……うんうん、お仕事じゃ仕方ないですね。じゃ、私は当日は外回りしますね!」
        そういって一人頷きながら、黒板に向かって歩いていき、予定表を書きだす。 -- 雑務 2015-02-11 (水) 03:20:46
      • 「サボる気満々じゃねぇか」 -- 書記 2015-02-11 (水) 03:24:06
      • 「可愛い子には旅をさせてあげたいのは山々なんだけど、人手が足りないからねぇ。そうもいかないんだよ雑務ちゃん。ごめんね」 -- 副室長 2015-02-11 (水) 03:25:03
      • 「逃げることは……赦されない、そういった筈だ」
        そういって、また意味深に眼鏡をかけなおす。当然意味などない。 -- 会計 2015-02-11 (水) 03:25:54
      • 「は? サボる? そんなわけないじゃないですか。当日は目いっぱい外回りしなきゃですよ。だって……」
        そういって、ビッと黒板のチョークを走らせ、予定表を……それはもう自分勝手な、自分のやりたいことだけを書き散らした予定表を見せる。 -- 雑務 2015-02-11 (水) 03:42:00
      • 「この面子で何をするにしたって……ビラ配りとか売り子が出来るのは私くらいなもんでしょ? 庶務さんは部活のほうにいくでしょうからね」
        あの短時間でも目一杯、模擬店の予定やら当日のシフト配置やらをこれでもかと書き連ねた予定表を。 -- 雑務 2015-02-11 (水) 03:46:46
      • そんな夢一杯、妄想一杯の予定表を見せられれば、男の口元もつい緩む。
        「まぁ、そうだね。確かにそういうことなら当日は……目一杯働いてもらわなきゃかな?」 -- 副室長 2015-02-11 (水) 23:19:57
      • 「もし喫茶店とかやるなら、呼び込みとウェイトレスが野郎じゃあ客足遠退きそうだしな」 -- 書記 2015-02-11 (水) 23:21:50
      • 「あ、いいですね喫茶店! メイドさんの格好とかしましょうか」 -- 雑務 2015-02-11 (水) 23:29:59
      • 「華やかでいいねぇ。好きだよ私そういうの」 -- 副室長 2015-02-12 (木) 00:03:06
      • 「フッ……なるほどな」 -- 会計 2015-02-12 (木) 00:03:37
      • 「ま、そういうことなら……準備、すすめるか。時間もねぇしな。そんじゃま、みんな揃って頑張りましょうかね」 -- 書記 2015-02-12 (木) 00:04:45
  • ――Have a nice daydream. -- 2015-02-12 (木) 00:06:56
  • メイド喫茶 -- 2015-02-24 (火) 04:09:59
    • 普段は隔離されたその教室も、洋上祭ともなれば無縁ではいられない。
      手作り感に溢れた紙細工やら垂幕でそれらしく教室は彩られ、黒板には「メイド喫茶!」と気合いの入った大きな書き文字が色取り取りのチョークによって描かれている。 -- 2015-02-24 (火) 04:13:48
      • 場所が場所であるだけに客足はなく、ひたすらに暇をしている公安委員会直轄第七特別教室 異能疾患対策室の面々ではあったが、それでも模擬店として店を開けている以上、人員は配置せねばならない。
        故に、客はなくとも給仕はいた。喫茶店故に。 -- 2015-02-24 (火) 04:32:06
      • メイド喫茶を掲げる以上、当然ながらそこにいる給仕はメイドであり、メイドというのだから当然ながらフリルが適度にあしらわれた質素なエプロンドレス……メイド服に身を包んでいる。
        控えめなヘッドドレスを付けたそのメイドは羞恥のあまりか頬を赤く染め、ぐっと握りこんだ拳でスカートを握りしめ、キッと口元を引き締めながら、目端に涙をためてこういった。 -- 2015-04-13 (月) 22:31:25
      • 「くっ……殺せッ……!」 -- 会計 2015-04-13 (月) 22:31:42
      • 「死ぬほど似合ってますね会計さん……」 -- 雑務 2015-04-13 (月) 22:33:49
      • 「冗談でやらせてみたんだけど、予想以上だったねぇ」 -- 副室長 2015-04-13 (月) 22:36:06
      • 「まぁ、童顔でちっちゃくて銀髪赤目の眼鏡さんですもんね……そりゃ似合いますよね……なんというか、私より似合ってます。女として認めたくはないんですけど……!」 -- 雑務 2015-04-13 (月) 22:37:25
      • そういって、自分の姿を見る雑務。黒髪を大きなリボンでまとめたメイド服姿は確かに似合ってはいるが、銀髪、赤目、眼鏡、女装と属性のバーゲンセールと化した会計と比べると、パンチ力不足は否めない。 -- 2015-04-13 (月) 22:39:53
      • 「しかし、思った以上にお客さんこないね」 -- 副室長 2015-04-13 (月) 22:41:24
      • 制服姿のまま窓際のテーブル席……普段、自分の執務机がある場所に腰かけ、クッキーを齧りながら外を眺める。
        交通の便の悪さも相まって、近場の通りにもあまり人影はない。隔離棟であるがゆえ、仕方がない事なのだが。 -- 2015-04-13 (月) 22:44:07
      • 「フッ……いい気味だな」 -- 会計 2015-04-13 (月) 22:46:43
      • 「いや、他人事みたいに言ってますけどこれでお金入らなかったら前借した予算返せないんですからね? そしたら借金ですよ借金! 来年度予算さっぴかれちゃいますよ!」 -- 雑務 2015-04-13 (月) 22:48:06
      • 「会計の大好きなお菓子とかもあんまり前より食べられなくなっちゃうねぇ」 -- 副室長 2015-04-13 (月) 22:53:04
      • 「くっ……!!」 -- 会計 2015-04-13 (月) 22:53:28
      • 「なんにせよ、このままだと大赤字のまま終わりですよね」 -- 雑務 2015-04-13 (月) 22:54:53
      • 先行き暗い未来を想像して、三人揃って溜息をつく。
        何がなくとも金である。可笑しい、自分たちは学生のはずなのでは? と雑務は思った。
        しかし、次の瞬間にはむしろ学生だからこそ金に苦労するのでは? と思いなおした。 -- 2015-04-13 (月) 23:01:47
      • 「いや、でもこの苦労の仕方はやっぱり絶対違うと思う」 -- 雑務 2015-04-13 (月) 23:02:31
      • 「雑務ちゃん何かいった?」 -- 副室長 2015-04-13 (月) 23:03:33
      • 「いえ、こっちの話です。それよりも、ただ手を拱いているわけにもいきませんし、ビラ配りでもしましょう!」 -- 雑務 2015-04-13 (月) 23:13:27
      • 「ああ、それはいい案だねぇ。メイド姿の会計や雑務ちゃんが外で宣伝すればきっといい宣伝に……」 -- 副室長 2015-04-13 (月) 23:15:28
      • と、言いかけた副室長の目前に差し出されるビラの山。 -- 2015-04-13 (月) 23:16:25
      • 「当然私もやりますけど、関係各者によろしくおねがいしますね。副室長」 -- 雑務 2015-04-13 (月) 23:17:09
      • 満面の笑みで差し出されたそれは、どうみても雑務の分量よりも多く、関係各者とやらに配り終えても余るほどであったが……例え抗議したところで聞き入れられることは絶対にないだろう。
        ただ、窓越しに差し込む午後の日差しだけが、労うように副室長を暖かく照らしていた。 -- 2015-04-13 (月) 23:19:14
  • ――Good luck have fun. -- 2015-04-13 (月) 23:20:53

Last-modified: 2015-04-13 Mon 23:20:53 JST (3293d)