ムリ家出身 ゴメン・ムリ 18424 †気がついたらもう2年以上過ぎていた 今更詳細とか ごめん無理 黄金暦89年 7月 忘れもしないこの月、俺は仲間を3人も失った。 どれもこれも私が至らないばかりに……。 襤褸切れのような姿で酒場に辿り着いた時に、酒場に居た冒険者達は言ってくれた。 「あれだけの罠と敵の連続じゃ仕方ねぇよ」 だが、命を落とした仲間に俺は同じ顔で同じ事を言えるだろうか。 ごめん 無理 あれから一年余りの冒険、そのうち半年はひたすらリザードマン退治に明け暮れた。 明日はまた一期一会の仲間達とヂザードマン共を屠りに行くことになっている。 俺はあとどれぐらい奴らを屠ればいいのだろうか。 そんな事でわずかの間の友は浮かばれたりなどするのだろうか。 ただの自己満足に過ぎないという意識が永遠の渇望へと繋がるのだろうか。 生きて再会を誓った仲間の記憶はすぐに薄れるのに、死んだ仲間の顔は いつまでも心から拭えない。 待っているのだろうか、俺を。 磨き上げ組み直したクロスボウを傍らに置き、ひたすら目を閉じるだけの 朝陽までの長い時間を耐える。 夢を見ないのは、もう慣れた。 |