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そう遠くはない昔、放浪の騎士が居た。彼は名家の貴族の出でありがらも冒険者に身をやつしており 呪いとも言える深刻な病を抱え、治療法を探し旅をしていたのだ。 そして旅の末、偉大なる時竜の噂を聞く。そこから更に激しい旅の末…祠を見つけることに成功した。 彼は家宝の双剣を携えその祠を進み、偉大なる時竜と対峙せんがため。 竜ともあらば視線を交わした瞬間にその爪が、牙が己が身を裂くことすらあり得る。 恐怖とも武者震いともとれる身の震えは止まらず。歩む足を鈍らせる…だが彼はたどり着いた。 だがそこに居た時竜はあまりにも神々しく、そして美しかった。 鮮血のように赤い真っ直ぐな右の瞳が騎士を見据える。 過去(ハクロス) 始めに騎士と相対した時竜の名。過去を司る時竜。 「偉大なる時竜殿とお見受けする!その過去・現在・未来を司る力を持って我が願いを聞き届けて貰いたい!」 赤い目が騎士を見据え、彼の願いを聞き届けた。だが過去(ハクロス)は私の力では無理だと述べ。そして未来(ハーディン)に頼めと言った。 未来(ハーディン) 翡翠のように深い緑の目が騎士を見据える。未来を司る時竜。 だが未来を司る時竜はその願いは汝を不幸とする。そう予言を残すと目を閉じる。 現在(ハミニル) 大海のように母のように自愛に満ちた青い額の第三の目が開く。現在を司る時竜。 騎士は、先程から己の身に宿る変化に戸惑っていた。始めての気持ちとも言えよう胸の高鳴りに。 だが、自分が祠を尋ねた理由を忘れてはいけない、大地に身を預けるように頭を下げ。己が願いを、この病を治す知恵と力を与えてくれと願い続けた。 だが時竜は刹那的に生きることなく、今の自分を精一杯生きろと告げた。 騎士は絶望に打ち拉がれ、暫し後、その場を立ち去ろうとした……… 最後に時竜に頭を下げ、顔をあげたとき…不意に優しく抱きとめられる。 赤い目、緑の目、青い目、全ての目が見開き、騎士の目を見つめていた 過去現在未来、全ての統一人格のハキナルノダン。 3の時竜が叶えられなかった願いは、全てを見通すその3の目の彼女によって叶えられた。 それと同時に、騎士の心もまた、美しく、慈愛に満ちたその目に…奪われていたのだ。 それから幾年月が流れ、騎士と時竜の間に子が産まれた。ハギナ・A・カサ。 父からは双剣を、母からは過去と未来を見る力を受け継いだ。少女の名である。