ヨルバ家出身 シャンゴ 480615 Edit

ID:480615
名前:シャンゴ
出身家:ヨルバ
年齢:30
性別:
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前職:
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理由:
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状態:
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方針:
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難易度:
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信頼性:
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その他:ステータス/戦歴/名簿Edit
個人企画:個人企画/聖杯戦争



マスターとして Edit


マスター
http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp020627.jpg
クリックで全身像
【設定】
聖杯獲得のため、とある組織から派遣されてきた魔術師。
黒い修道士の様な服を着た、筋骨逞しい2mを越える長身の黒人。
スキンヘッドに黒目の無い瞳
頭の右半分と全身に入れ墨の様に彫られた魔術式が特徴。
元ははるか南、未開の地域に住んでおり
ある部族の戦士であり、祈祷士であった。

【保有スキル】

近接戦闘:B
単純な白兵戦能力。
幾多の戦いを経験し、戦士として多数の武器を使いこなす。
魔術:C
実戦に使用するにたり得る魔術を修得している。
呪術:B
未開の地域、暗黒大陸と呼ばれる場所に伝わる術。
ごく単純な魅了から、低級霊の使役や身体の強化、減退、変化等が行える。

【武器】

剣、槍が主な武器だが、素手での格闘術も心得ている他
暗器、銃器の技術も習得している。
なかでも最も得意なのは巨大な戦斧を用いた戦法。
名前:シャンゴ・ソポナ(ヴァルチャー・グリード)
サーヴァント:キャスター
属性:混沌・悪
聖杯への願い:永遠の闘争、等活地獄の顕現
活動時間:
戦型:前衛〜後衛
その他:ステータス/戦歴


シャンゴ個人について Edit

表の顔
スラムの外れにある孤児院の経営者。
性格は温和だが見た目のせいで子供達にはいつも怖がられている。
場所が場所なためか孤児院はいつも子供達で溢れかえっており、財政はいつも逼迫している。
そのせいで常に金に困っており、おまけに自炊もできないので、スラムにある飯屋に出向いては
一番安い料理を物凄い時間をかけて食べているところを目撃できる。好きなものはガム。
裏の顔
異教の悪魔を崇める邪教の司祭。
かつては前司祭の元、儀式を補佐する立場にいたが
今は亡き前司祭の地位を継ぎ、儀式を取り仕切る立場にいる。
孤児院を開き、表向きは子供達を養っているように見せて
裏ではその子供達を悪魔への生贄を捧げている。

邪教について
炎を司る悪魔を崇めている。
悪魔は命を代価に力や名声を与えると言われており
信者達は生贄を捧げる代わりに現世での利益を得ようとする。
その魂は清らかで、無垢である程良いとされており、特に子供が良いとされている。
誕生した当初は皆怪しんでいたものの、生贄を捧げた者達が次々と
大成するや、権力者達が己の私生児や、誘拐した子を生贄にし、更なる富を得ようと挙って入信した。
数こそ大規模なものではない者の、前述の通り信者の内多くは権力のある者達であり
己が失脚に繋がりかねない事実を隠すためにも手を取り合い、この邪教の存在を秘匿している。

儀式について
孤児院の地下にある祭壇にて行われる。
祭壇の奥には巨大な悪魔の形を模した、青銅像型の魔導器が立っている。
中は大がかりな焼却炉のようになっており、儀式はこの魔導器を用いて行われる。
儀式の手順としてはこの魔導器の内部に藁と、特定の動物、そして子供達を閉じ込め
最後に司祭が魔力を像に通すことで、内部に炎が発生、中にある全ての物を焼き尽くす事で完了となる。
中に閉じ込められた子供達は生きながらに焼かれるため、当然想像を絶する悲鳴や異臭が辺りに漂う事になる筈だが
それらは全て魔導器の力により、外に漏れる事はない。
子供達が焼かれている間、信者達は麻薬の効果のある香の焚かれた祭壇前の広間にて、ある者は乱交に耽り
ある者は用意された豪勢な食事に舌鼓を打ち
またある者は表の世界のため、名のある者に媚を売る。
そこには全ての悪徳があるといっても、過言ではない。


戦闘技能 Edit


近接
戦斧を得意としており、それ以外にも剣、槍、槌…ほぼどんな武器も使いこなせる。
素手による格闘術もかなりのもの。
また、彼が持つ長柄の両刃斧は、彼の故郷の雷神に纏わる神具であり
雷魔術を強化する力を持っている。

遠距離、魔術
弓、銃を使える。
だが、基本的に魔術、呪術を使う事が多いため、何か魔術を使えない事情が無い限りは余り使用する事は無い。
使用する魔術は5大属性の攻撃魔術と、召喚術を扱う。
火を操る司祭故か、炎の魔術をよく使うが…その本来得意とする所は雷魔術である。

呪術
彼が最も得意とする術。多くの流派、更には派生した亜種があり、全てを修めるのは不可能と言われている。
その内、「彼の扱う呪術は補助魔法、死霊術の性質を強く持っており
相手に衰弱の呪咀を仕掛ける、精霊の力を取り込み自身を強化する。
倒した相手、動物の死体を喰らい、低級霊として使役する。
動物霊を憑依させ、人を強制的に獣人へと変えてしまう等多彩な力を持つ。
ただ、魔術と比べ触媒や簡易的にでも儀式が必要なものが多く、戦闘中即座に使える呪術は限られる。


個人用コメント欄 Edit


修正

お名前:
  • 激戦に敗退した黒衣の巨漢は、隙を見て己を縛る闇を焼き切り、脱出していた。
    向かう先は焼け落ちたかつての塒。
    炭化した子供達の死体は野ざらしにされ、生身の残っていたものも既に腐敗臭を漂わせている
    地下もまた、信者達の死体で溢れ返った、あの時のまま…腐敗した死体に囲まれた祭壇に、あの悪魔像は無い
    祭壇前の階段に男は座り込むと、静かに己が僕の帰還を待つ
    -- 2012-09-15 (土) 01:35:06
    • (夜闇はあっけらかんとしている)
      (ここで、屍体はゴミと同義。遺棄された人の抜け殻は、ただ、無造作に転がる)
      (二つぽっかり空いた眼窩がなければ、炭と見間違うような、ひときわ無残な屍体の傍に、影が立つ)
      (ぬらりと、影が立ち上がったような男がそこに居る。音も、光すらもなしに)
      -- キャスター 2012-09-15 (土) 02:02:19
      • 来ましたか、キャスター(姿すら見ずに相手の名を口にした男が、ゆっくりと立ち上がる)
        さて…手ひどく、やられてしまいましたな。まさかあの二人があれ程の実力を秘めているとは…
        バーサーカーのマスターにも裏切られ、正直戦況は芳しくありません
        (口とは裏腹に、冷静さを失わない巨漢、その内では新たな策を練っているのだろう…よりおぞましく、より無慈悲な暗黒の策を)
        -- シャンゴ 2012-09-15 (土) 02:06:22
      • (死を彫刻すれば、きっと、この場所のようになる)
        (シャンゴの存在が、静寂に色を与えている。石炭を熔かして塗り込めたような黒へ、染めてゆく)
        (俺は、祭壇の遺骸に立つその姿に死の祭司(ダンス・マカブル)を見た)
        (季節の循環であるような、自然的な、終わらない死の化身を……)
        (沈黙していた口を開き、死臭を肺に取り入れた)
        (それが当然であるかのように、黄金の短刀を懐から抜き、我が主人へ突きつける)
        (金の刀身は、あたりを反映して灰色に煙った。鋭利な切っ先が、震える)
        -- キャスター 2012-09-15 (土) 02:24:15
      • 何の真似ですかキャスター?
        (見せた表情は、怒り。鬼や悪魔等という言葉では到底表現しきれない、さながら地獄の裁判官たる閻魔の如き形相で)
        (巨漢は己が僕の向けた刃へ、視線を向ける)
        勝てなかったことへの苛立ちであれば、その剣を降ろせば許しましょう。
        私とてこんな下らない事で令呪は使いたくありません、さあ
        (見るだけで魂を抜かれそうな、恐ろしい重圧感を持って威圧する様子は、先程まで致命傷に近い重傷を負った怪我人とはとても思えない)
        -- シャンゴ 2012-09-15 (土) 02:36:37
      • (表情筋が連なり、その躰そのものが邪神の木像と化してしまったかのような、激怒を示す)
        (「御子を信ずる者は永遠の生命をもち、御子に從はぬ者は生命を見ず、反って神の怒りその上に止るなり。」)
        (そう、まるで神の怒り。従うには、慈悲と幸福を。背信には、天罰を。傲慢ではない、確かにそのようなのだ)
        (これが人の所業だろうか。呪術へ深く精通したとて、このようにはなるまい。絶対に。この男は、悪そのものだ)

        (黄金の短刀が、浅く燦めく。光なきこの場にて、何かの輝きを映し出す)
        …………令呪で、何を命ずる?(真摯な眼差しのまま、訊う)
        -- キャスター 2012-09-15 (土) 02:52:32
      • 貴方が思っている様な事ですよ(何を、とは明確に言わない)
        (万が一本当に発動でもしてしまえば、貴重な切り札を単なる仲間割れで使用してしまう、それだけは男は避けたい事であった)
        (加えて、巨漢には切り札もある)
        貴方の細君…名は確か、アスタリスクと申しましたかな、彼女を蘇らせたいのでしょう?
        (握っていた弱みを、ここぞとばかりに、わざわざ名を口にしてまで突いてくる)
        (信頼でも恐怖でも無く、この男がここまで付いてきたのは、正しく自身の悲願のため。ならばそこを揺さぶれば)
        (この手の手合はたいてい大人しくなる、最悪令呪を使おうとも、令呪はまだ二つ、一つ使っても0になるわけではない)
        (顔からは余裕が伺えた)
        -- シャンゴ 2012-09-15 (土) 03:02:13
      • (砕けた天蓋が夜空を覗かせている。黄金の儀礼剣のちょうど腹の部分で、反射した夜空から星が流れた)
        (古傷に棘を突き刺され、添って抉られたような痛みが心に湧き出る。……けれど、渇望はもうない)
        (今の心は、水鏡。煮え立ち、行き場を求める蒸気のようでなく、静かにただ揺れるのみで──)

        あいつは、死んだよ。

        (悲哀を込めた言葉が落ちる。一歩、足が進みだした。細かな炭が靴底に磨り潰され、砂利を踏んだような音を立てた) (刃は已然前へ向けられたまま、歩む)
        -- キャスター 2012-09-15 (土) 03:18:11
      • 貴方は…(怒りの色は更に濃くなる、シャンゴの近くを漂う低級霊が、荒れ狂う魔力に恐怖の悲鳴を上げた)
        失望しましたよ、たかが一度の敗北で、脆く崩れ去る程度の覚悟でこの戦いに挑むとは…これなら、ランサーの小娘の方がまだマシですな…
        (大げさに、哀しみを表す様に肩を竦める)
        策も、贄も、魔力もまだ用意する術はいくらでもあるというのに…まあいいでしょう
        ああそうそう、貴方の奥方は…生きていますよ
        ここは貴方が生きた世界と並行する、別の世界、ここでは貴方も、貴方の奥方も平穏無事に暮らしています
        (不意を突く様に出た、巨漢の動揺を誘う真実。そして、その唇が動く、宿す言霊の強さが、輝く令呪が、今まさに巨漢が奥の手を使用する事をあらわしている)
        -- シャンゴ 2012-09-15 (土) 03:39:38
      • (瞑目して、自分の瞼だけを見る。夢を見るように、眠るように)
        (砕けた天蓋から月光が差し込んだ。そして、想起されるは、いつもの記憶────)
        (俺が、俺にかけた呪い。月を見るたび、あいつが死んだその時のことを、鮮明に追体験する呪い)
        (決して、この痛みを忘れぬようにと。決して、揺るぐことなきようにと)

        死んだんだ……。(月明かりに頬が白む)
        生き返っても、別の世界で生きていても……俺にとって、あいつは死んだままだ。
        決して変わることはない。
        そうでしか、ないんだ。
        時は戻らない。起こった出来事は取り返せない。この悲しみも、何もかも。
        だから俺も……覚悟を決めたんだ。

        (儀礼剣に小さな光が宿る。小指から順繰りに柄を握りしめて、切っ先で空を撫添った)

        ぞぶり

        (嫌な音がした。斬撃の音だ。斬られたのは────令呪から迸る、命令の魔導。英霊が決して抗えないはずの、摂理)
        (シャンゴが口にした命令は、中空で斬られ、霧散した。青い、小さな光が舞った)

        宝具、《綾千波》(アサメイ)────概念すら断ち切る、俺の親友の斬撃、だ。
        …………俺たちの聖杯戦争は終わりだ、シャンゴ・ソポナ。引導は……俺が渡す。
        (言うと、もう一振り。先の、例の音がして、令呪ごと、シャンゴの腕を斬った)
        -- キャスター 2012-09-15 (土) 03:59:10
      • (至高の魔導が、英雄の御霊すら縛る絶対の規律が、ただの一振りで青い光となり散っていく)

        (美しいと感じた、そして、見惚れていたが故に、避けられなかった)

        っぐぉお…!!(令呪の描かれた右肩ごと、腕を切り落とされた男は、その場に膝をつく)
        …っふ、ふふ…素晴らしい、素晴らしい力ですよキャスター…ここで貴方と別れる事になるのが、惜しい程です…ですが、貴方は一つ間違えている
        (その体に、纏う死霊が吸い込まれれば、先の戦闘と同じく巨漢は禿鷲の獣人へと姿を変える、流れる血を強化された筋肉で締め、無理やり止血すると)
        私達の戦争に幕を引き、生き残るのは…この私です(片腕の醜悪な鷲の獣人は、告げる様に黒衣の魔犬へと言葉をかける)
        -- シャンゴ 2012-09-15 (土) 23:22:51
      • (朽ちた祭壇に、死肉を貪る怪鳥が羽を広げた。その翼に相応しい形容は、醜悪。死人の皮膚を剥ぎ、縫い合わせたような土色をしている)
        (音なき悲鳴を上げる死霊を装飾にして、痲れるほどの威圧を纏った睨みをきかせてきた)
        (手負いの獣が渾身を振り絞るのではなく、それは獰猛な、獲物を前にした猛禽に他ならなかった)
        (怯むわけにも、慄くわけにもいかない。足裏の地面を確かめて、最後の呼吸をして、視線を返した)
        (空気が戦慄く。英霊も、そのマスターも、尋常のものではない。ここがどこか、地獄に近い異界へ変わってしまったかのようだ)

        そうか。……なら。(握り締めた短刀を振り翳すと、突如、熱風がこの場所を吹き抜けた)
        (屍骸は、焼かれて炭から灰になる。燃されて死んだ時を今一度繰り返すように、屍骸は焼かれて跡形をなくす)

        お前が正しいというのなら……示してみせろ。冒涜された運命を手掴みにして、俺を打ち倒してみせろ!!
        (熱風は炎の渦へと変じてゆく。全てを巻き込み、無に帰してゆく)
        (半人半獣の化物へ向けて、両足で地面を蹴り、飛び込むように走り出した)
        -- キャスター 2012-09-16 (日) 00:08:58
      • (祭壇が炎に巻かれる、焼ける、焼けていく…何もかも)
        (罪に塗れた邪教の祭壇も、その信徒の亡骸も、哀れな生贄を囲っていた孤児院も、生贄の子供達だった墨屑も)
        (何もかもが、赤い炎に消えていく)
        行きましょうか…!(かつてアーチャーと対峙した時と同じく、召喚術を唱えフレイムデーモンを呼び出す)
        さあ、行きなさいお前達…(現れた3体の悪魔に命令を出しつつ、自身は斬られた腕を拾い距離を離す)
        (そして聞こえてくる異形の祝詞、それと同時に、その切り落とされた腕は徐々に繋がり始めていく…)
        -- シャンゴ 2012-09-16 (日) 00:31:56
      • 古びた納屋の隅に思いが吹き溜まる 刻まれた年月の 風の痛み
        杖をつき片足を引きずる老爺が それを見ている 不規則についた傷が伝えようとしていることを
        そこに浮かぶは 長い巻き毛と燃える目をもつ尨


        ヘアリー・ジャック!

        何かを知る彼は 螺子の数本外れた目覚し時計にそっくりにけたけたと笑うのだ
        怖い それは彼が怖いんじゃない いったい何を知り 僕を見て嘲り笑うのか!
        大口で笑う彼の唇が裂けて 鼻先が伸びて 毛むくじゃらに……!


        ギャリートロット!

        石畳に巨大な爪あとがある 一つではない この城に組まれた石材全てにそれがついている
        がらり がらり 鎖を引き摺る音がする 悲鳴や呻きのようだ 音が近づく 足はもう動かない
        炎のように赤い目が二つ 奥の闇に浮かんだ


        バーゲスト!

        大波の砕ける音に混じって 吠え声が聞こえてきた もう慣れっこになって それを誰も気にしない
        燭台が灯されて ぼんやりとした橙が 椅子や机や寝台や本棚や開いた扉を映して 影をつくる
        その中に一つ 主人を持たない影がある 横たわる大きな黒い犬 こいつが最初に現れた時にとらわれた恐怖はもう薄らいでしまっていた
        けれど これは危害を及ぼす正当な理由を待ちうかがっている悪霊なのだと思っているから みだりに罵言はけっして吐かなかった


        モーザ・ドゥーグ!

        美しい雪山が見えるこの村の外には 怪物が住まうのだと母親が教えてくれた
        けれど怪物を見た人はだれも居ないのだと言う とある人はこう言っていた 出会えば最後 巨大な尾の一振りで必ず殺されてしまうからなのだと
        それももう昔のお話 わたしが語り継ぐ番になった 相変わらずそれを見た人は誰もいない もう信じてはいない お伽話だ そう なのだけれど ある日 目の前に現れたこの 犬のような セイウチのような生き物は それそのものであるように思えて……


        アズ・イ・ウ・グム・キ・ムク・ティ!

        (濁流のように魔力が身から吹き出し、炎の渦に混ざり込む。そこから這い出してくる黒い犬たち)
        ガブリエル・ウィシュトの猟犬群……ワイルド・ハント!!
        (狗らは四肢を地面に伸ばし、フレイムデーモンの右へ左へ飛び掛りそれを噛み千切ってゆく)
        (炎は已然として勢力を増し続ける。乾いた屍骸はよく燃えて、孤児院の構造もまだ燃える)
        (魔力で創られた幻想の炎は、ここにあったはずの思い出を吸い込んで、この世のものとなり俺の手を離れる)
        (俄に、火が夜空を衝いた)

        終わりだ……!!(魔犬と悪魔が混濁する場所をすり抜けて足を踏みしめ、シャンゴへ距離を詰めてゆく)
        (右腕の先に握られたアサメイが輝き、渾身をかけて振り抜いた。命を刈る、心臓部を両断するために)
        -- キャスター 2012-09-16 (日) 01:18:08
      • はは!やりますなあ!!(腕はもう8割繋がっている、証拠に、その腕で両手斧を持ち、魔力を己に溜め始めている)
        (目前では悪魔と、伝承の犬達が激闘を繰り広げている)
        (まるで地獄を表す絵画のワンシーンを切り取ったかの様な場面を前に、躍り出たかつての僕はその心臓へ…)
        ふっ!(届かない、それより前に突き出された掌が、キャスターの短剣に刺し貫かれながらも、その手を掴み剣を振らせない)
        くくく…キャスター、これで頼みの綱の剣は振れませんな
        キャスター…自害なさい(明確に告げられる、最後の令呪、それは確実に死を齎す呪いとなり、キャスターへと向かってくる。防ぐための剣は…マスターたる巨漢に、がっちりと握り込まれ、そのまま掌ごと潰さんばかりの力で固められている!)
        -- シャンゴ 2012-09-16 (日) 01:51:07
      • (該を切断する短刀は、掌の骨までも空気のようにするりと切り裂く。斯くあれど、それは阻まれる)
        (戦いの時間が止まる。押し留めたのは、俺の腕。手に掴まれただけで、動かなくなっている)
        …………!! (令呪を無に帰すことで得ていた圧倒的な優位が、今崩れた。覚束無い足元が、思考をぐらつかせる)
        (前提が覆されれば、残りは簡単なものだ。雨の日に外を大手を振って歩けるのは傘があるゆえ、それがなくなれば、降られて濡れる)
        (簡単なものだ、それが今、振りかかる。悪魔と狗は、相討ちになって地面に骸を伏していた。それは、炎の嵐に巻かれた)

        シャンゴ・ソポナ……英霊キャスターの名に於いて、命令を遂行する。
        (抗う気持ちが空白になり、氷のように冷めた心が、慈悲もなく迅速にそれを成しはじめる)
        (令呪に含まれた魔力は、日常目にすること叶わないほどに強く、それを後押しする)

        (先程砕いた令呪の粒子が、炎の嵐に吸い込まれ、我が身の魔力もそれに追随して、濁流を混ぜ込んでゆく)
        (令呪の命令が施されて、ほんの数秒も経たないうちにそれは形成された)
        (六本足の、炎を纏った巨躯。それが、大口をあけて、主人と、隷属する英霊と、祭壇全てを口へ含み)

        最後まで、付きあわせたな…………アミアントゥス……。

        (摂氏幾度とも予想のつかない、神域の灼熱。ラージ・サラマンダーがそれを噛み砕いた)
        (後には灰も残らないぐらいに、大きな熱い閃光がその場に起こった)
        -- キャスター 2012-09-16 (日) 02:36:14
      • (勝利を確信した巨漢の前に立ちはだかる、地獄の業火の如き燃え盛る炎)
        (それは、今まで罪の重さを物語るかの様に、ごうごうと燃え盛っている)
        …ふ、ふはは…ふははは!!成程成程…この様な隠し玉を、用意していたとは…
        (ここへ来て、もはや残された手建ては無い、祭壇では召喚した悪魔達が、魔の域より呼ばれし猟犬達に、食い尽くされていた)
        くくく…実に、実に楽しい一時でした…キャスター、礼を言いましょう、貴方のおかげで、最高の舞台へ立てた事を…存分に武を、暴を振るえた事を…
        (貫かれた手を引き裂きながら、サラマンダーへ向け両の手を広げる)
        さあ、地獄の業火よ…私を誘い給え…更なる闘争へ、無限に続く地獄の底へ…!!!
        ははは、はははははは!!はーっはっはっはっはっはっは!!!!!!!!!
        (その最期に後悔も懺悔もなく、更なる地獄へ想いを馳せ狂ったように笑いながら)
        (黒き巨漢は灼熱の顎に消えていった…)
        -- シャンゴ 2012-09-16 (日) 03:12:05
      • あ、はは、は……!! 最高の皮肉だな、マスター! (尽き果てている。最期を互いに確信した。まさしく狂喜といったていで笑い声を上げる主人へ言葉を返す)
        (罪滅ぼしと口にして驕り高ぶる心算はない。ただ、もう、自分を縛っていた鎖のような何かから解き放たれるようだ)
        (英霊の見る走馬灯は、甘く、苦い。生きていた頃は確か、騎士団に所属して、異常発生したモンスター相手に戦っていた)
        (自殺をして天に昇れば妻から笑われる気がしてならなかったから、死に場所を求めていた)
        (ああ、そして、俺はどうやって死んだのだったか……祭壇の上で黒犬が吠える……あいつらとは、どう知り合ったのか……)
        (覚えていないが、碌な死に方ではなかったのだろう。死の淵へと誘う凶兆の黒犬と、仲良くなっているのだから)

        死に場所を求めて………………。(真紅の幕が、降りてくる)
        ああ……この死に様は……。(熱が身をぼろぼろと焼いてゆく)

        悪くない。



        ごぷん

        (全て、跡形もなく、焼き飛ばされて、消えた。)
        -- キャスター 2012-09-16 (日) 03:58:17
  • 尋常ではない魔力の流れを感知したセイバーと那智は、他の者達と同盟を組む間もなく
    スラムの一画へと立ち入る。そこに満ちるのは異常なまでの闇と炎の力に満ち
    一点へと向かい流れていく魔力
    キャスターとそのマスターの仕業である事を確信した二人は、魔力の流れる先…生きた魔法陣の中央へと進んでいった
    -- 2012-05-28 (月) 22:54:13
    • 陣の中央に位置する強大な魔力と、その付近にある禍々しい気配。
      二手に別れた那智は陣の中央付近、覚えのある邪悪な気配へと向かう…。
      果たして、そこに目的の人物はいた。
      黒いローブに身を包み、生贄に使うつもりであろう数人のスラムの住人を跪かせた状態で
      キャスターのマスター、シャンゴ・ソポナは静かに、現れた那智へと視線を向ける
      -- 2012-05-28 (月) 23:02:48
      • (魔力感知は弱いがこれほど大きな動きであれば流石に察知できる。急ぎその奔流の中心へと向かった)
        随分と豪勢な宴を用意したものだな。(静かな視線にこちらもゆっくりとそう答えるが、腹の底に鉛でも入っているかのような感覚がする)
        (あぁ、嫌な空気だ) -- 那智 2012-05-28 (月) 23:09:06
      • おや、まだ準備中なのですが…まあいいでしょう、これだけの異常な流れをした
        魔力なら、嫌でも他の者達も気づくでしょう。
        さて、こうなるとこの者達は用済みになりますが…(視線を、贄にする予定だった住人達に移す)
        (祭儀の時とは違い、そこにいるのは子供から老人まで様々だ。)
        まあいいでしょう、さあ貴方達、邪魔なのでさっさと失せなさい。
        (その言葉を聞くや、恐怖から我先にと逃げ出すスラムの住人達、だが…)

        爆ぜよ

        (男が一言、魔力を込めた言霊を放った瞬間、那智の方へと向け逃げ出した者達の体が、まるで内側から何かが飛びだそうとするかのように、歪に膨れ上がる)
        (そして…次の瞬間、体に埋め込まれた魔導器が暴走し、人間爆弾と化した住民たちが大爆発を起こす!)
        -- シャンゴ 2012-05-28 (月) 23:23:33
      • (この男がまっとうに解放する訳がない、それは分かっていた)
        (蜘蛛の子を散らすように逃げる住民を一人でも多く自分の後ろにと思ったその時、水疱が弾けるかのように命が消えた)
        (反射的にその場に這うように姿勢を低くして爆風をやり過ごすが、住民たちは連鎖するように爆散している)
        (ほんの一瞬だけ自分の周りから爆風が途絶えた好機を見逃さず、右拳を変形させアンカーを射出)
        (壁にめり込ませ巻き取る力でその場から離れる)
        (このことに関して何かを言うつもりはない、この男はこういった行為がお手の物なのだ。頭に上る血を抑えシャンゴの位置を確認する) -- 那智 2012-05-28 (月) 23:39:05
      • (巨漢は先程の位置から一歩も動かず。何か呪文を唱えている。)
        燃え盛れ!!
        (男が先程と同じく、魔力を込めた言霊を叫んだ直後)
        (巨漢の翳された手から、黒い炎球が勢いよく放たれる!)
        (本来、雷魔術を得意とする筈の男だが、陣の中にいる以上は炎の魔術を使う方が効果が高いと踏んだのだろう)
        (事実、普段よりも数倍強力な威力を持った火球が、恐るべき速度で那智へと襲いかかる!)
        -- シャンゴ 2012-05-28 (月) 23:45:56
      • なるほど、その陣は炎の力を強くする訳か。(迫る火球にタイミングを合わせ、懐から試験管のようなものを取り出しその蓋を開ける)
        (それと同時に詠唱もなく那智の目の前に大きな氷壁が現れ火球を防ぎ、自身はそのまま横へ飛び出す)
        (二本目の試験管を取り出し蓋を開けると中に水球が5つ現れ那智の周りをくるくると回り始めた)
        壱・弐射出。(その声とともに二つの水球から小さな水弾がシャンゴに向けて打ち出される) -- 那智 2012-05-29 (火) 00:00:14
      • ぬう!(放たれる水弾を視認するや、防御の呪文を唱え始める)
        我を守りたまえ
        (その言葉と共に、燃え盛る炎が、水弾とシャンゴの前に現れ攻撃を防ごうとする。)
        ふむ、早くも気づかれましたか…ただ、強化されるのは炎だけではありません…(水を扱うなら雷を放つべきかと、一瞬思案する。)
        (シャンゴの持つ斧は、彼の故郷においては嘗て雷神が武器として使った、神聖な武具として奉られていた)
        (事実、斧自身が常に微弱に帯電しているそれは、所持者の雷魔術の威力を高める効果を持つ)
        (雷を打つかどうか、一瞬迷った末男は、陣の力を頼り、闇魔術を行使する。)
        こういった術も、強化されているのですよ(死した者達の魂を弾丸とする、死霊術を放つ)
        (瘴気を放ちながら、那智へ向け明りに誘われる虫の様に迫る死霊)
        (当たれば何らかのバッドステータスを引き起こしかねない)
        -- シャンゴ 2012-05-29 (火) 00:10:16
      • (炎壁に阻まれ水弾は音を立てて蒸発し、届くことはなかった)
        (シャンゴの得意な属性などは知らなかった、風体や性格からして闇属性の魔術に長けていると考えており雷を操るなど想定外だ)
        (しかしそれを想定していなかったのはとある理由からであり、果たして死霊術を行使したシャンゴの選択はこの時に於いては限りなく正解に近かった)
        くっ、……ぐ、ぁ、ああああああ!!(いくつかの死霊を払い除けるも食らいついたそれの怨嵯の声に恐慌状態に陥りかけ、前後不覚となる) -- 那智 2012-05-29 (火) 00:46:16
      • (長柄の戦斧を肩にかつぎ、男が恐慌状態の那智へと歩み寄ってくる)
        くく、如何です…私に殺された者達の、怨念の味は?
        死霊術師というものは、恨まれれば恨まれる程、強くなるものでしてな…さて、それでは(死神の鎌の様に、斧を振り被ると)
        貴方も、我が操る死霊の仲間となりなさい(首を斬り飛ばさんと勢いよく斧を真横に振る!)
        -- シャンゴ 2012-05-29 (火) 22:28:09
      • ぐっ、ぁぁぁ……。(見えない何かを払うように腕を振る、その動きは一見不規則なようで確かな意味を持つ祓魔の挙動)
        ――絶!(死霊を祓い目に入ったのは首を断たんと戦斧を振るうシャンゴの姿、一瞬でも遅ければ首と胴が泣き別れになっていたことだろう)
        (その場にしゃがみ込みそのまま足払いを仕掛けると共に)参・肆!(周りを回る水球が円錐状に変形しシャンゴを突き刺そうとする) -- 那智 2012-05-30 (水) 00:31:08
      • 何と!?(那智にまんまと騙された形となった男は、足払いを踏ん張る事も出来ず、勢いよく転倒する)
        っぐう!!(背中を強かに打ちつけ、呼吸すらままならなくなった一瞬に、更に襲いかかる円錐状の水の槍は、容赦なく巨漢の上腕部分と脇腹を切り裂く)
        (そのまま血を流しつつも転がりながら、那智と距離をとる。握っていた斧を構え)
        まさか演技とは…。まあいい、死霊術が駄目ならこれで…
        (男が詠唱に入る、周囲の魔力が男の眼前に集まり、更に巨大な火球を形成し始める!)
        お前達、私の代わりに、少しの間彼の相手をしてあげなさい
        (そう言って合図をすれば、物陰から2体の獣人、彼の手下ではなく一般人を使ったのだろう。)
        (その体躯や、放つ気迫こそ通常の獣人より弱いものの)
        (かといって放置できる程度の弱さでも無い)
        くく、さあ、早く私を止めないと黒焦げですよ…
        (獰猛な笑みを浮かべ、魔術の詠唱を続ける、その火球は詠唱が進むとともに大きくなり、黒い炎を燃え上がらせる)
        -- シャンゴ 2012-05-30 (水) 01:00:46
      • 耐性だけはあるからな……!(魔を祓う仕事をしていたものとして自負がある)
        壱・弐・参射出!(離れるシャンゴに追い打ちをかけるかのように3つの水球から小さな水弾が連続して打ち出され、)
        (しかしそれは熱気を纏う魔力に酔って掻き消える、巨大な火球が形作られるのを見た)
        チッ。
        (舌打ちを一つ、それは火球とシャンゴを守るように出てきた二人の獣人に対してであり)
        (その立ち方から訓練されたものではないのが分かる)
        ……無関係の者か。(獣人化はその術式にもよるがあの魔術師からして元に戻れるような物を使うとは思えない)
        すまんな。(獣人から漂う魔の気配に血がたぎる。元が人間とはいえ容赦はない)
        (そのうち一人を右腕から展開した肉厚のブレードでずんばらり)
        (もう一人は手首から発射されるアンカーを巻きつけ縛り上げる) -- 那智 2012-05-31 (木) 00:01:23
      • く…!!(元より、急場凌ぎで用意した、一般人を使い作った獣人だ。時間稼ぎ以外の成果は期待していない)
        (だが、それでも予想以上の早さで倒される二体の獣人に、思わず舌を打つ。更に…)
        ぬぅ!?(シャンゴをも超える程に巨大になった火球が、今度は空気の抜けた風船の様に、徐々に縮み始める)
        どういう事だ、これは…!?(それは、魔法陣を作り上げた本人だからこそわかる異変。陣自体が保有している魔力が徐々に弱まり、効果が、薄れつつあるのだ…そう、まるで誰かに、陣の魔力を奪われているかのような
        …やってくれますな、あの女狐…!(そのイレギュラーな事態すらも楽しむかのように、狂気の滲む笑みを浮かべる、そして)
        焼け死になさい!(いくらか規模が縮小したとはいえ、それでも途轍もない熱量を誇る火球が、那智めがけ迫っていく!)
        (運悪くその進路上にいた、アンカーに縛りあげられた獣人はごく短い悲鳴をあげ、火球に呑まれ一瞬で灰と化す)
        (当たれば勿論、ひとたまりもない!)
        -- シャンゴ 2012-05-31 (木) 00:37:17
      • (その異変はこちらも気付く、縮む様子とシャンゴの表情の変化はこの事態がイレギュラーなものだと物語っている)
        (となればこれは好機、魔術が先程よりも弱るというのならばやりようはある)
        (しかしその考えを消し炭になった獣人の悲鳴で改め直す。陣の力は弱まってなお手に余るものだ)
        (アンカーを巻取りし、火球が那智を飲み込む直前にその場から姿を消した)
        危なかった……!(位置としては先ほど立っていた場所からそれほど離れておらず、超スピードで移動しただけである)
        (その方法は足の側面から展開されたローラーダッシュで)無粋だろう?
        (苦笑を浮かべながらシャンゴを見たあと火球を確認する。流石にあれだけ時間をかけて作ったものだ、ホーミングしないわけがないだろう) -- 那智 2012-05-31 (木) 00:58:09
      • やりますな…!(まるで起こりうる事すべてが楽しくてしょうがないと言うかのように、巨漢は嗤う)
        ですが、これは予想していましたかな!?(那智の予想通り、漆黒の炎球は那智めがけ、周囲のものを溶かし尽しながら大きくカーブを描きな、進路を修正、再度迫りくる!)
        (そして、それと同時、別方向から上がる超強力な、魔力の気配)
        …万全の態勢で、とはいきませんでしたが…どうやら陣が生きている内に間に合った様ですな(ローブの右肩を破り、全身に描かれた術式のその上、肩に浮き上がる令呪に左手で触れ)
        キャスターよ…令呪にて命ずる、セイバーを全力を以て殺すのです。(明確な、殺害の意思をのせ、キャスターへと令呪を使用する)
        (ローブの上半身を脱ぎ、その筋肉の鎧に覆われた上半身を顕にする、その全身には、入れ墨の様に彫られた魔術式)
        さて、では私も…陣に頼ることなく、私自身の本気をお見せしましょう…(巨漢が殺めた者達の霊が、従える無数の動物霊が…巨漢の体へと吸い込まれる様に集まる…何かをしようとしているのは明らかだ)
        -- シャンゴ 2012-05-31 (木) 01:11:40
      • (火球が迫るその時、一枚の符を取り出す)くそっ、使いたくなかったがしょうがない!
        (取り出した符は那智の祖父謹製の陰陽符であり、これを使うとドヤ顔でひよっこ呼ばわりされるのでできる限り使いたくはなかった)
        (しかしシャンゴの方から感じる魔力の鼓動はそんなことを言っていられないほどに大きくなっている)
        (奴は使えるもののほとんどを投入してこの戦いに臨んでいる。相対する者もまた奥の手を出し惜しみしていてはこの戦いには勝てないのだ)
        (那智の周りをゆっくりと回っていた五つの水球がその前面に飛び出し高速回転を始める)
        (回っている内に遠心力で水球はどんどん伸びていき、一枚の大きな膜となって火球を包み、そして音も立てずにそのまま消滅させた)
        ――水剋火。(五行思想の相剋にて火を消し止めたのだ)
        随分カッコイイじゃないか、えぇ?(火球の処理を終えシャンゴに目を移せばその様子は自分の戦いにも似ており、楽しくなった)
        セイバー! 令呪にて命ずる! キャスターを全力を持って打倒しろ!
        (その命令は同じようで違う。殺すための命令ではない、あくまで打倒だ)
        こちらも本気だ。(懐を軽く叩くと先ほど那智の周りにいた水球とは少し違うサイズの水球が飛び出した)
        精霊憑依!(胸に押し付けられた水球は那智の身体に沈み込み、程なくして全身へと行き渡る)
        (大気中の魔力を吸収し、そして死者の霊や動物霊を取り込むシャンゴとは正反対にその孤児院に微かに残された幸福の残滓を纏い那智は相対する) -- 那智 2012-05-31 (木) 01:55:50
      • カァア…アァアアアア…!!(死霊を取り込み終えた瞬間、男の体に変化が起きる)
        (メキメキと音を立て、その巨体が一回り膨れ上がったかと思うと、背中から何かが生える…それは、羽だ。漆黒の、鳥の様な羽が巨漢の体に生えたのだ。)
        (変化はさらに続く。体中に羽毛が生え始め、顔もバキバキと音を立てながら、姿を変えていく。そして、完全な変化を終えるとそこにいるのは最早黒い肌の巨漢ではなく…)
        お待たせいたしました…では、本気でいかせて頂きますよ。
        (黒い、巨大な禿鷲の獣人とかした男の姿。長柄の戦斧は電を帯び、空気中に微弱に放電を続け)
        (巨漢自身は、全身から死霊術師の様に、取り込んだ死者達の怨念を、己が力として纏っている…その羽には、犠牲者たちの苦悶の表情が、一枚一枚に刻まれていた…まるで、己がコレクションを見せびらかすかのように)
        しかし、あの火球を無効化するばかりか、精霊と同調して見せるとは…殺すのが実に惜しい実力。
        どうですか、私と組む気は、ありませんかな?
        -- シャンゴ 2012-05-31 (木) 02:09:02
      • なるほど、ヴァルチャー・グリードとはその身体を指してということか。(その姿に小さく頷いた)
        ……悪趣味だな。(その羽がシャンゴのこれまでの所業を物語っている)
        (こちらは人型を保っているものの身体には紋様が浮かび上がっており、いつその人型が崩れてもおかしくない様子である)
        組む気、だと?(少しだけ、驚いた。まさかそんなことを提案されるとは思わず)
        (しかし答えは決まっている)
        誰が組むか――!(意識の隙間に入り込むようにその間合いを詰める、シャンゴは一瞬にして目の前に現れたように感じるだろう)
        メテオドライブ!(右腕から展開されたブレードでシャンゴの頭上から真っ向両断と振り下ろす) -- 那智 2012-05-31 (木) 22:36:59
      • 残念ですな、貴方と貴方のサーヴァントと組めれば
        更なる闘争を味わう事ができたでしょうに
        (振り下ろされる刃を、両の手で握った斧の柄で防ぐ、地面に両足がめり込む程の威力に、内心感心するも)
        …では、次は私の番ですな、しかし貴方も運の無い人だ…(シャンゴの持つ斧が、金色に光り輝き始める…否、それは斧自身が纏っていた雷が、今まさに稲妻の矢として放たれ様としているが故の発光!)
        まさか、雷を得意とする私に、水で挑む事になるとは(次の瞬間、禿鷲の獣人が持つ斧から、那智めがけ二本の雷撃が放たれる!
        -- シャンゴ 2012-05-31 (木) 22:58:34
      • 闘争を目的にした時点でそれもう人ではあるまい。
        (防がれた斧の柄を押し込むようにすれば、地を砕く)
        ……ッ!(雷撃をもろに喰らいがくがくと震え、そのまま両膝をついた)
        (ダメージは深いようであるが、まだ倒れないところから何らかの方法で致命傷は避けたようだ) -- 那智 2012-05-31 (木) 23:28:07
      • ほう、手加減したつもりはありませんでしたが…(めり込んだ足を地面から引き抜き、那智に近づく)
        (人ではない、その言葉に、軽く鼻を鳴らし)ふう…貴方程の強者ならわかって下さると、思ったのですが…
        いいですか、マスター・那智。戦いこそが、争う事こそが人の性であり、この世の真理、無上の快楽なのですよ
        弱者を嬲り、虫けらの様に蹂躙する事も…嬉々として破壊のための力を、知恵を駆使して生みだす事も、己が持つ力の全てを出し尽し戦う事も
        全ては人の本性であり、そこからは逃れられない定めなのです。
        貴方も誰かが一度位口にしたのを、聞いた事があるでしょう?「何故戦争は無くならないのか」と
        考えるまでもない単純な事です、それこそが人と言う獣の、習性だからですよ。
        私はかつて、己が部族のために、他の者達を殺め続けました。戦う事は私にとって生き甲斐であり、敵対者の血だけが、酒でも、女でも鎮められない私の渇きを潤してくれました…。
        時が経ち、一国の王となった私は、戦いからは無縁の生活を送っていました、国も何事もなく、傍から見れば私の国は平和そのものだったでしょう。
        ですがね…その時こそ私は、かつてない地獄を味わっていたのですよ。あの心躍る様な兵達の雄叫びも、血も、悲鳴も、何もない…ただただ緩やかに腐るだけの日々。
        そんな時、ある日王となった私を打倒しようとする者達が現れましてね…理由は、今となっては覚えていませんが…彼等の目だけは、今も覚えています。
        アレは、あの目は…明らかに闘争を、殺戮を望む者の目つきでした。
        それを見て私は悟ったのですよ、人は、平和など求めていない。己以外の全てを、滅さずにはいられない…争う事こそが本性であると。
        私はただ、そんな人の本性に、少し素直なだけです。
        -- シャンゴ 2012-06-01 (金) 00:03:02
      • (膝をついたままシャンゴの言葉に耳を傾ける)
        (そして彼が話す間に大気に存在する魔力が精霊体となった那智の傷を癒していく)
        (彼の話に思う所が無いでもない、戦いは本性であるというのは間違いではないかもしれない)
        俺は……争うことを、否定するつもりはない。
        しかし……。(ぐぐ、と拳を握った。身体はもうほぼ全快状態に近く、むしろ先ほどよりも気力が満ちていると言ってもいい)
        それは、人の本性ではない。(ゆっくりと立ち上がり顔を上げる)
        それは、動物の本性だ。(左肘からブレードを展開し構える)
        人であると言いたいのならば、それを理性によって抑えなければならない。
        それを放棄した時、人は人でなくなる。
        お前が人でないと言うのならばそれもいい。そして闘争を目的にしようとお前の勝手だ。
        だがな……それを人間の本性だからなどと言って自分の仲間を作ろうとするな!(ほんの一瞬だけ巨大な殺気を放ち即座にそれを隠す)
        (殺気の差に那智の位置をほんの少しの間見失うかもしれない。それと同時にシャンゴの懐へと踏み込み肘から伸びたブレードをその中心に捻り込もうとする) -- 那智 2012-06-01 (金) 00:41:01
      • 人こそが最も獣らしい獣だと、私は思いますがね
        ふう…理解されないというのは、幾度体験してもやはり悲しいものです。まあいいでしょう、それでは…む
        (突風が吹きつける様に、全身に浴びせられる殺気。戦士の性か、反射的に眼前の敵からの反撃に身構えてしまう)
        これは…(そうして、見事術中におちた男は容易く敵の懐への侵入を許してしまう)
        ぐぅ、おおお!!(那智のブレードの一撃は、寸分違わず、男の胸元目掛け突き刺され…)…く…小癪な真似を…(どれ程体を強化すればそのような芸当ができるのか、男は咄嗟に斧から離した左掌を盾に、それでも止まらぬ那智のブレードを)
        (あろうことか極限まで力を込め、締め上げた胸筋で、辛うじて致命傷を防いでいる!)
        -- シャンゴ 2012-06-02 (土) 21:54:00
      • (鋭く鍛えあげられたブレードは差し入れられたその手をまるで無いものかのようにいとも簡単に貫く)
        (それ以上に驚くべきはシャンゴの肉体と、実践の中で練り上げられた強化の魔術)
        な……ッ!(ブレードの先端がほんの少し沈み込むのみで、その臓腑には至らない)
        (筋肉により締め上げられるそれを軽く下に押し込んで切り傷を広げ、引き抜く)
        ならば!(右拳をシャンゴの右脇腹へ静かに当て)
        八神無刀流――散花!(押し込むような一撃を放つ)
        (何もしないのならば衝撃がその肉を突き抜けシャンゴを内部から破壊するだろう) -- 那智 2012-06-02 (土) 22:33:37
      • がふ!!(辛うじて致死の一撃を免れ、再度反撃を試みるも、不意に当てられる那智の手)
        (寸剄の類かと再度体を強化し、那智の一撃に備える。だが、襲ってきたのは、内側からの、体を突き破る様な衝撃)
        ぐぅぅううう!!(たまらず背中の翼を羽ばたかせ、血へ度を吐き、傷口を押さえながらも空へ逃げようとする巨大な獣人。
        -- シャンゴ 2012-06-02 (土) 23:04:06
      • 一つだけ聞こう、シャンゴ。(空へと逃げるシャンゴを追撃するでもなく見上げる)
        戦うことが人の本性と言うが、そんな姿をしているお前は人であると言えるか?
        (投げかけられる問い、その答えが肯定にせよ否定にせよ、また返答がなくとも戦いが終わることはないのだが疑問を聞かずにはいられなかった)
        (お前はどの立場で物を言っているのだろうか、と) -- 那智 2012-06-02 (土) 23:20:22
      • (空へと逃げた獣人は、那智からの問いに傷口を押さえたまま、耳を傾ける)
        …人間ですよ。例え誰が何と言おうと
        内なる人の本性に従順に生きる私は
        欲望のままに、衝動のままに他の全てを犠牲にし、踏み躙り、貪る私は
        まさに人間そのものです。
        (人から大きくかけ離れたその顔は、どのような表情をしていたか判別し辛い)
        (だが、その声はまさに、あの巨漢の偽らざる本心であるという事を、那智に十分なほど伝えてきた)
        -- シャンゴ 2012-06-02 (土) 23:49:48
      • その衝動は人の本性ではなくただお前自身の嗜好だとは思うが……持論を並べあったところで交わることはないのだろう。
        (自身を人であることを肯定する姿は自分と重なるところもある)
        (この男のことは嫌いではない。だとしても、無関係の人間を巻き込むことを看過することは出来ない)
        (戦いを望むのならそれを受けて立ち、真っ向からへし折ってやるしか無い)
        (問いかけの間は音を出すのを忘れていたかのように静かだった世界がまたしても戦場の音を奏で始める)
        行くぞ……!(その言葉とともに那智がはじけ飛ぶ)
        (精霊体となった那智が自らの身体を霧状にしシャンゴを、そしてその周囲を広く包みこむ) -- 那智 2012-06-03 (日) 00:02:26
      • …やはり、理解されませんか(一瞬だけ、その瞳に悲しみの色が浮かぶ。だが、それもすぐに消え去り)
        …自殺でもする気ですかな、私の得意とする属性、忘れたわけではないでしょう(己が再び金色に輝く)
        (次の瞬間、霧を払うかのように、強烈な電撃が舞う様に、獣人を中心に八方へ射出される!)
        (それだけではない、斧に宿る雷が、男の魔力を吸い上げ更に強力な電気を帯電し始める…)
        この程度でやられるタマではないでしょう…
        さて、楽しい宴でしたが…そろそろ、幕を引きましょうか…(斧から放たれる雷撃は、既に持ち主自身も焼き焦がさんばかりの威力となっている…)
        -- シャンゴ 2012-06-03 (日) 00:24:00
      • (悲鳴のような雷撃の音が他の音を覆い尽くすが、その中に那智の悲鳴はない)
        電気は水を通す、それはたしかにそうだ。(霧の中から声がする)
        しかし、純水に限ってはその限りではない。(先程雷撃を二発モロに食らったにもかかわらず戦いが終わらなかった理由がそれだ)
        (霧は濃くなってゆく、シャンゴが手を伸ばしたらそれすら埋まってしまうほどの濃霧)
        ただ、完全に通さない訳ではない。(シャンゴの背後に那智の気配、顕現すると同時に切りつけ、また霧に戻る)
        その戦斧に込められた神鳴る力、それを全て放たれたらどうなるかは……分からないな。 -- 那智 2012-06-03 (日) 00:37:07
      • まさか…そうか、それで…!?(決して加減などしていないにも拘らず、二度の雷撃を生き延びたのはそのためか)
        (突如、背後に現れる気配、と同時に迫る殺気。辛うじて翼が斬られるのだけは避けるも、背中に切り傷を負った巨漢は睨む様な顔となる)
        (確かに、この斧の全力を以てすれば、この霧ごと那智を墨屑に出来るだろう)
        (だが、あの男は明らかに誘っている、それは…言い換えれば何かしらの秘策を持っているという事)

        …面白い!!その誘い、受けてたちましょう!!!!!!!

        (魔力を極限まで注いだ斧、それが纏う雷を、全力で解放する!!)
        (極大の雷撃はまるで暴れる大蛇の様に唸り狂い、霧を蒸発させんとばかりに乱舞する!)
        くかかかか!!!(己が手の焼け焦げる匂いが漂う中、巨漢は狂ったように笑う)
        (本来はこの雷撃は放つ物ではなく、地上にいる敵へ叩きつけ、放電させ、周囲の敵事爆心地にいる標的を打倒するものであり)
        (この様に力を全方に放射すれば当然、威力は一か所にぶつけるより減算する。)
        (だが、それを補って尚、脅威となり得る程の威力をこの雷撃は持っている!)
        -- シャンゴ 2012-06-03 (日) 00:59:59
      • (先程よりも強い雷撃はまさに神のものに近い)
        おおぉぉおぉッ!!(霧がシャンゴを中心に次々と蒸発してゆき、那智の身体も同じく消耗する)
        (外部から取り込む魔力よりも削り取られる方が大きく、そして、機は熟した)
        (まるで焦げてしまったかのように白い霧が黒くなる)
        (その黒の正体は――闇)
        (先ほどまでの那智が水の精霊体であったのならば今の那智は闇の精霊体に変化していた)
        (それに触れ、稲光は黒に塗り潰される)
        そろそろ終わりにしようシャンゴ。(闇からずるりと現れた那智はそれを掴みマントのように羽織った) -- 那智 2012-06-03 (日) 01:16:02
      • (倒した、そう確信するとともに、男は一抹の寂しさを覚える。他のマスターは皆、調べた限りでは非戦闘員)
        (恐らく、以後全力を振るえる相手などいないだろう。故に、これが男の、この戦争で唯一、最初にして最後の戦い。)
        (戦いは終わったとばかりに、地へ降りようとし…そこで今までに感じた事の無い気配に気づく)
        …これはまた、何という…
        (その姿に、その所業に、男はこの戦争で始めて、驚異を感じる。)
        (闇を、暗黒の力を手足の様に自在に操る姿、それはまるで、『混沌』と称される彼の主を思い出させ…)
        それが、本当の貴方と言うわけですか…(斧を握り、再び魔力を注ぐ。それだけで斧は息を吹き返したように再び雷を纏い、金色の光を放ち始める)
        -- シャンゴ 2012-06-03 (日) 23:38:56
      • どの俺だって本当の俺さ。
        (頭の横で指を弾いて一度鳴らせばシャンゴの下に出来た影が足にまとわりつく)
        少々不本意な力ではあるがな。
        (その腕を水平にもう一度鳴らせば周囲の闇が数多の剣となって打ち出される)
        しかし、これを使わなければ勝てそうにないからな。
        (シャンゴへ向けて三度指を鳴らせばその頭上から巨大な闇の刃が断頭台のように落ちてくる)
        さて、どう切り抜ける。 -- 那智 2012-06-03 (日) 23:48:54
      • ぬううううう!!(足元の影を己で一閃、金色の軌跡を残し、闇は一瞬で払われる。)
        くはははは!!!素晴らしい力ですな!全く、貴方も人が悪い…これだけの力を、出し惜しみする等!(斧を振りつつ一回りすれば、その剣を迎撃する様に雷撃が撃ち出される)
        (闇の刃を翼による高速移動で回避、片方の翼を中程から切断されるも、那智の真上に止まると、先程と同じく金色に輝く斧を振り上げ)
        ぉぉおおおおおお!!
        (全力で己を真下目掛け振り下ろす!金色の光を纏い天から降りるその姿は、まさに一筋の雷光の如く)
        (恐らく、これが男にとって最後の一撃となるだろう、その力を、その魔力を全てこの一撃に込め、巨漢が今まさに那智を両断せんと迫りくる!)
        -- シャンゴ 2012-06-04 (月) 00:11:40
      • ほう。(感嘆の声を上げる)
        (魔力によって作られた闇はそれ以上に高い魔力によって消滅するのだが、決して少なくない魔力で練った拘束である)
        (打ち出す剣は更に多くの魔力を込めたが、それもまた雷撃に触れ霧散する)
        (羽根を切断されてもなお迫りくるシャンゴ、頭上から振り下ろされる力は渾身である)
        ならばッ!(こちらもまた全身全霊を以って返さねばなるまい)
        (闇で出来たマントを翻せばその右手に握っているのは刀身まで漆黒の愛刀、黒鶴)
        (柄頭に付けられた朱の飾り紐が舞って――)
        八神一刀流――斬魔。(何気ない一振りで斧の纏う魔力を祓い、剣と斧がぶつかり合う音がした)
        (あとは落ちるシャンゴとそれを迎え撃つ那智の単純な力比べ)
        ぐぅ……!(肉体強化を解除してなお重いその斬撃に歯を食いしばり横に弾き飛ばし、それを追い)

        八神一刀流――無明。

        (八方から同時に放たれる斬撃は一筋の光もない、まさに無明) -- 那智 2012-06-04 (月) 00:52:31
      • バカな…!!?(纏った雷撃が、魔力が、一瞬で消滅する。先の戦闘における魔術への対応から、那智が魔術師殺しの技の持ち主であった事は、完全に誤算であった)
        く、ぐぅうう!!(それでもなお、呪術は解除されていない、獣人と化した自らの力と、斧の重量を以てすれば刀程度、苦もなく持ち主ごと両断できる筈)
        (だが、それすら敵わず横に弾かれ、空中で横に飛ばされる。血を撒き散らしながら体勢を直そうとした瞬間)

        ぐは!ば、馬鹿な…!?

        (白刃の軌跡すら無い、無明の斬撃の檻が、巨漢を捉え切り裂く)
        (両の翼を断たれ、限界を超えた一撃を受けた巨漢は両膝をつき、人の姿へと戻ってゆく…勝負は決したのだ)
        ゴボォ!!はぁ、はぁ…あのような、切り札を、持っていたとは……
        (水溜りの様な、大量の血だまりができる程の血を吐きながら、男は那智へ視線を向ける)
        -- シャンゴ 2012-06-04 (月) 01:15:52
      • 隠していた訳ではない、追い詰められなければ使えないだけでな。
        (それほどまでにお前は強い、と言おうとしてやめた)
        (辺りを包む闇はそのままに、空気が重苦しいものから軽い物へと変わる)
        (先ほど魔力を祓ったことの副次的で一時的にだが一帯の負の念が四散したのだ)
        さて、こちらの勝負は決したが……。(闇でシャンゴを縛り上げ、ここからは見えないサーヴァントの戦場に視線を向けた) -- 那智 2012-06-04 (月) 01:26:49
    • (黒人の邪神の僕と魔王の君の戦いを、遠くの影から眺める闇に溶けた少女が一人、見つめていた)
      (混濁した魔力の渦が蠢いてシャンゴの魔力の根源となっている)
      (灼熱の紅蓮と深淵の蝕みが其処に存在するかのような歪な魔力の織りなす空間と、目の前の獲物の青年を捉える事に夢中でこちらは眼中にないだろう)
      (戦況が彼に戦の女神も微笑んでいる事を確認すると)
      (闇に姿を溶かした少女もまた、小さく口元を歪ませる)
      ……ふふふ。せいぜい2人で戯れているがいいわ……
      (密かに囁くと、背を向けて歩きだす)
      (シャンゴの案内した、魔法陣のところへと) -- アイリス 2012-05-29 (火) 01:01:53
      • かつて黒衣の巨漢が案内した魔法陣からは、更に多くの残留思念と、魔力が放たれている。
        恐らく彼らとの決戦へ向け、更に『材料を足した』のだろう。霊的な感受性の強い者なら一瞬で
        精神が崩壊する程の思念の渦と、邪な力を付与された魔力が赤い霧の様に空気中を漂っている。
        これだけの濃度なら、アイリスでなくとも視認できるだろう。魔法陣は人の血管の様に脈打ち、魔力を漲らせている
        -- 2012-05-29 (火) 23:45:12
      • (魔法陣の近くへと、一歩一歩足を踏み入れる度にどろりと濃厚な負の感情と魔力が絡みついてくるように纏わりつく)
        (以前よりも更に濃度の濃さが増しているのは……きっとそれだけの数の犠牲者が増えたのだろう)
        (魔力から人肉や血、腐臭などが混ざり合い……死者の犠牲そのものの香りが色濃く匂い立つようで)
        (それだけで十二分に眩暈と吐き気を催しそうだった)
        (邪悪な魔力の根源は紅い霧のように空気中を漂うのが視えるが、もはやそれも材料と化した犠牲者の無念の血が滲んでいるかのよう)
        (人を喰らい、生命を喰らい、擬似的にこの世に生まれ落ちたかのように仮初の生命を与えられ息づくかのような魔法陣は、皮肉にも人体そのものに近いのは犠牲になった者が人間だからだろうか)
        (呼吸と共に脈を打ち、血が流れるようにして魔法陣からは魔力が流れ放出されている)
         
        (あまりにも、むごたらしく、傍に寄るだけでも気持ち悪い)
        (正直、近寄るだけでも勘弁蒙りたい程に関わりたくない念や負の感情や嘆きや呻きが)
        (死者達の叫びが聞こえ、助けてくれと救いを求めるかのように私の周囲を纏い絡む)
        (けれど)
        (今の私は魔力が足りない)
        (バーサーカーの消費が大きすぎる)
        (自分自身を蝕むと分かりつつも、其れに手を伸ばして魔力を奪い、バーサーカーの魔力の根源へと変換する為に自身の体内に取り入れて行く)
        (目を瞑り、ゆっくりとゆっくりと……呼吸を深くすれば。呼吸法を開始して……) -- アイリス 2012-05-30 (水) 00:05:45
      • アイリスが魔法陣に触れた瞬間、白黒の、砂嵐に塗れた、壊れたテレビの映像の様な光景が脳裏に浮かぶ
        触れる度に起きるそれは、恐らくは取り込まれた死者達の最期の記憶だろう。ニット帽を被った少女、赤いジャージの青年、黒いウィンドブレーカーの男、そして、視線の主…死者を引き摺る、褐色肌の青年
        あの神父の仲間と思われる面々の姿が映る中、最後にあの巨漢の姿がまるで目の前にいるかの様に、脳裏に浮かぶ。
        死した者達の恐怖から歪められた巨漢の貌は、正しく悪魔そのものであり、恐ろしい笑みを浮かべ合成音の様な笑い声を上げる。
        その映像が終わった瞬間、取り込まれた者達の魔力が、怨嗟の声が
        アイリスの脳神経を焼き切らんばかりに、濁流の様に流れ込んでくる!!
        犠牲者たちの生前の記憶、未練と怨念、そしてその身に宿っていた魔力…それら全てが、まるで仇を取ってくれと言うかのように、助けてくれと縋るかのように
        たった一人の少女の身に際限なく注がれる。その心身の負荷たるや、想像を絶するものだろう
        -- 2012-05-30 (水) 00:37:04
      • (魔法陣の魔力が手に伝わると同時に、目の前の映像が切り替わるかのように情景が"視える")
        (恰も、それらの惨劇が目の前で起こっているものを視るかのように)
        (死者達の、犠牲者たちの嘆きの最後が代わる代わる繰り広げられてゆく)
        (あの神父だけではなく、浮かび上がる彼らの仲間らしき姿……恐らく、それは組織ぐるみで行われていたのだろうか?)
        (面々の中に最後に浮かんだ黒人の神父は……まるでこの惨状の宴の首謀者を彼とでも告げるかのようでも、邪心の為の残忍なサバトの主催の悪魔のようにも視えた)
        (おぞましい笑みと、合成音の様な不気味で奇怪な嘲笑う声が耳に張り付いて不愉快だ)
        (それは、まるで)
        (この魔法陣自体が、無残に死んだ後も彼らを痛みや悲しみ、絶望から逃れられず 未だに魔法陣の中で餌となり、成仏することも安らかになる事も許されぬ……永久の牢獄の場でも拷問の延長戦でもあったかのように)
        (手を伸ばした私に、それらは救いを求めるかのように。縋るかのようにして流れ込んでくる)
        (蜘蛛の糸を思い出す……今の私は、彼らから見たらきっと 地獄からの救いの道を差し出した天の使いの様でもあるのだろう)
        (犠牲者達の生前の記憶や未練や無念が幾重にも重なり混沌とした感情と魔力が流れ込んでくる)
        (けれど)
         
        ……くっ……あは、あははははははははははははははははははははッ!
        (私には、それはそれは滑稽で……高らかに嗤う)
        (手を、救いを述べた者たちから見れば、もしかしたら私は仏にも似た存在なのだろうけれど)
        (私から言わせれば、見ず知らずの 赤の他人が……まして自分の未練を自分の代りに仇を取って欲しいと言うのは随分と図々しい願いそのものだ)
        (簡単に願いを託している犠牲者達が……仮に平和にこの世に顕在していたとして)
        (その時、私が困っていた時に手を差し伸べていた連中だろうか?)
        (たったほんの少し魔法陣に手を翳した程度の繋がりで。犠牲者達の未練を知った程度の相手に救いを求めるのは、身勝手すぎるのではないか?)
         
        蜘蛛の糸の逸話があるが……だとしたらお前達は生前どんな善行を積んだんだ
        ましてや見ず知らずの私が救いを求められて手を差し伸べる存在なのか?
        あはっ……あはっ……あはははっ……あははははははははははははははははっ!

         
        (――……あぁ、愉快だわ)
        (きっと。私が彼らに優しく微笑み助ける素振りを見せたところで……蜘蛛の糸を仏が立ち切るように絶望を見せたらもっと愉快だったのだろうけれど)
        (高らかに 高らかに嗤う) -- アイリス 2012-05-30 (水) 22:28:12
      • 余りに多くの意思を取り込み、半ば疑似的な生命体と化しつつあった魔法陣が、声無き悲鳴を上げる。
        それは己が生命を脅かす物への恐怖の叫び。上げるのは声でなく歪められ、集まった魔力の唸り
        アイリスを拒絶するかのように、更に数多くの残留思念が、魔力と共に激しくアイリスの頭に流れ込んでくる。
        こうなればもう、後はアイリスの精神力が持つか、魔法陣の魔力が尽きるかの勝負であった
        -- 2012-05-31 (木) 00:46:22
      • (亡者たちの声なき悲鳴が、唸るように魔法陣から叫ばれる)
        (勝手に救いだと思い込み、一方的に希望の光と勘違いした亡者たちの嘆きは凄まじく、全ての感情が怒りの色に染まるかのように 魔力が唸り、歪められてゆく感情を取り込んでゆくけれど……)
        (拒絶するかのような思念が取り込んでゆくたびに私の脳を揺さぶらんばかりに責め立てるのが、私には愉快で愉快で仕方なかった)
         
        (この場に限った事ではない)
        (他の場所でも、目が合うと、自分の事が"視える"と思われる人物に霊は近付いて助けを求めたり接触をしてこようとする)
        ("視える"能力を持ったところで親近感を寄せられるとは甚だ図々しいことこの上ない)
        (言い変えてしまえば、それは『趣味が合う』だけで、突如見知らぬ人に話しかけてくるのと何ら変わりは無いのだから)
        (ようするに、霊となり他者とのコンタクトが不可能な状態を。視える人にシンパシーを感じて寄っているのだから)
        (好き勝手一方的に自分の不幸話をするように映像を見せて)
        (自分は哀れだと、まるで悲劇の主人公の様な語り草だ)
        (どいつも、こいつも)
         
        あはははは……あはは、はははははは! あはははははははははははははっ!
        (可笑しくて可笑しくて、堪らない)
        (私は黒魔女の娘だ。呪術を学び、誰かの負の感情を喰いものにして生業にしようと思っている女だ)
        (幼い頃から母の仕事を垣間見ており、自分の欲の為に、自分勝手な願いを喋る者を数多く見て来た)
        (自分の好きな人に彼女が居る、そいつが邪魔だから呪ってくれ)
        (職場で自分を苛める上司が居て不愉快だ、邪魔だから不幸を呼んでくれ)
        (いつも自分の隣で幸せそうにしている美にも才にも恵まれた友人が居る。私は努力をしても足元に及ばないのに、隣で私を嘲笑っている。苦しい目に合えばいいのに)
        (願いの大小はあれど、どれもこれも自分の願いの為に他人を引きずり下ろす様な願いばかりだ……呪術だから尚更かもしれないけれど)
        (自分はろくな努力や行いもしないで、他者を羨望し、妬み勝手に運命を曲げようとする者ばかり)
        (そうでなくても。自分が呪術師であるが故に後ろ指を指し避難する人も多いのだ)
         
        (けれど。今のお前等はどうなのだ)
        (今はこうして不幸の惨劇の被害者と言わんばかりの顔をしているが……)
        (今ももし、平和に生きていたら呪術師の私を罵倒していたのではないか?)
        (自分が不幸になったから、代りに仇をうってくれだと?)
        (随分と虫のいい連中だ)
        (きっと。今も世に顕在していたら私を非難していたろうに)
        (自分の為に願いを託す存在の時点で、私と同類ではないか)
        (他者を呪うのが行けないだと?だったら見ず知らずの人間に一方的に望みを叶えてくれと唱えるお前等はどうなのだ)
         
        ……馬鹿馬鹿しい
        実に馬鹿馬鹿しいよ。あんた達、生贄も
        もしお前等の目の前に溝鼠やゴキブリが出て来て、殺さないでくれと非難して生かしておくか?
        喋れたところで躊躇いなく殺すだろ?
        それと、お前等は一緒だよ!
        下等生物の分際で、この世に未練を持って殺された怨念を他者に仇を討ってくれと望む存在が!
        上位存在の神や、生きとし生を全うし、人生を謳歌している人間になんて聞きいれて貰えないんだよ!亡者共め!
        怨むなら自分の不幸を、運の無さを……自分自身を呪うがいい!
        お前達の様な存在を呑み込み、喰い物にする為に存在する人種なのだよ!私は!
        嘆け! 喚け! 足掻け!
        お前等の呪いが、怨念が 私の中で更に糧となり力を得るだろうよ!
         
        あはっ……あはははは……あはははははははははははははぁ!

        (高らかに嗤って魔法陣を吸いこんでゆく)
        (亡者たちが呪うほどに、嘆くほどに、抵抗するほどに吸う勢いは増していく) -- アイリス 2012-05-31 (木) 22:09:09
      • その言葉が引き金となった。救いを願う声は踏み躙られ、方向性の無い、無差別に振り撒かれた憎悪と悲哀は
        全てがアイリスへと向けられる!
        何十人、何百人分の悪意が一斉に牙を剥き、取り込む魔力は内で嵐の如く荒れ狂い、アイリスを傷つけていく
        だが、それは同時に、魔法陣自身が、魔力を奪おうとする相手へむざむざ自分から差し出すのと同じ事であり
        魔法陣の魔力は更に加速度的に減っていく、そして…

        「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!!!」

        鼓膜が破れる程の、金切り声の様な、断末魔の様な思念の叫びと、魔力の唸りがしばらく続いた後
        赤く光を放っていた魔法陣は、色を失った不気味な肉塊へと変わり
        あれ程この場に満ちていた魔力も、偏った属性の力場も、完全とは言わないまでも殆ど消失してしまっている。
        そしてアイリスは感じるだろう、一歩でも間違えれば、自身を内から食い破らんとばかりに暴れる
        負の感情に染まりきった、どす黒い魔力を
        -- 2012-05-31 (木) 22:42:44
      • (引き金となり勢いを増した憎悪と悲哀が全て向けられる)
        ふんっ……!都合の良い解釈をしているようだけどね!
        もし私が白魔術師だとしても!あんた達を癒す存在だとしても!
        それは都合良くあんた達の憎悪も、悲哀も、全て受け止めて浄化する都合の良い存在であるには変わらないわ!
        自分で全うできない望みを!他者に望むなど……!
        それ自体が歪みであり身勝手な……!他者の人生に寄生する虫と何ら変わりのない存在なのよ!

         
        (例えばそれは、亡霊を癒す為に浄化するヒーラーや白き魔術師達に負担がかかる事や)
        (親が自分の出来なかった事を、自分の子に託し、人生を曲げるのにも等しい)
        (私も、所詮方向性が違うだけなのだ)
        (亡者を喰らい、自分の中に取り込み魔力に変換するだけ)
         
        未練で、欲望で現世に縋ろうとする亡者たちよ!
        滅すがいい……!消滅して、楽になればいいわ……!

         
        (加速度を増して自分の脳を、神経を、精神を攻撃して来る亡者たちに 今にも気が狂わんばかりだ)
        (けれど、私はこいつらを足元にして存在する為に戦っているのだ)
        亡者の分際で! 魔術師に……!それもお前等の憎悪や悪意が力の根源の呪術師に敵うと思うな!!

        (夢中になって、喰らい、吸いつくしかけて 魔力の残量が少なくなっているのがわかる)
        (けれど、最後の最後で、例えるならば汚水の下に沈澱して固まっていたかのように)
        (どす黒い負の感情のどろりとした塊が 自身を喰い破らんと暴れ出す)
        (眩暈がして気絶しそうになるのを耐えて、腕にしていたモリオンとヌーマイトとテクタイトのブレスを外し、握りしめて)
        (それに魔力を、彼らの負の念を送りこむかのようにイメージングして呼吸法を行う)
        (6のリズムで吸い、12で吐き、2で止めるを繰り返して)
        1 2 3 4 5 6 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2…………
        1 2 3 4 5 6 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2…………
        1 2 3 4 5 6 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2…………
        1 2 3 4 5 6 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2…………
        1 2 3 4 5 6 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2…………
        (回す、回す……ゆっくりと……)
        (ドロドロとした怨念は、黒水晶に吸収されていくようにして、私の中で暴れるのが収まっていく)
        (黒水晶は"強い浄化能力"と謳われるが、それはヒーラーが売れるように)
        (良い印象を与える為の建前であり……その真価は)
        ("黒い欲望を" "人前には到底晒せ無いような邪な想い")
        (それらが餌であり、それに対して働く石である)
        (発作のように暴れる怨念が収まれば、全てを吸いつくしきったと思って私はまた高らかに嗤う)
         
        (けれど)
        (許容を超えた怨念の様な欲望を受け止めて)
        (其れを餌として、糧として喰らい……自らのカルマを自ら塗りつぶし始める一歩を歩み始めたのだ)
        (少しづつ……少しづつ 狂気に蝕まれていくのに まだ本人ですら気付かなかった) -- アイリス 2012-05-31 (木) 23:20:17
    • 不思議なことに、歪んだ灼熱の核へ近づくにつれて、静けさが漸進的に深まってゆく。
      災禍の中心部であるところの魔法陣の中心などは、まるきり深海底のようで微かな音すら響かない。
      諍いが酒瓶を割り砕く喧しさもなければ、調理用ストーブの上でシチューがなみなみ満たされた鍋をかき混ぜる穏やかも無い。
      栄華の抜け殻たるスラムの廃墟群の中でさえ、その清寂は異様に目立つ。本当に静かで、寂しい空間がそこにある。
      そんなこの場所へ、深夜の街灯が作る影法師のごとく孤独な人影が一つ立っている。
      -- 2012-05-30 (水) 00:27:39
      • (影に近付いていくと腰の刀に軽く手を当てたまま目を細めた)
        ……最後の戦いをしましょう、キャスター。こんなことは終わりにしなくてはいけない。
        (彼女が何を思って「こんなこと」と言ったのか、それは言葉にすることなく。ただ銘刀・旋空の周囲から風が流れていく) -- セイバー 2012-05-30 (水) 21:11:14
      • (無言の返事を返した後に、向うを指し示す)見てみろよ、酷い世界だろう。(指先には地獄が広がっている)
        (人が爆ぜる瞬間など、まともに目にした者がどれだけ居ようか。戦争の末期に産れる非人道的な兵器といえどもあれはやらない)
        (越えてはならぬ一線を軽々と踏み越えて、生命を蹂躙する姿は悪魔と形容するに相応しい)
        (これまでも幾多と目にしてはそれを看過してきた。高熱炉で生きたままグリルにされる少年少女を眼の前で見た)
        (黒い犬は魔女の使い、悪魔の使いと言い伝えられている。俺はまさしくそれそのもので、そして、同罪なのだろう)

        (腕を力なく下ろすと、地獄を示した指先も下を向く。ここは未だにとても静粛で、向うの光景が全て嘘のように見える)
        もう、殺しすぎた。喩え、聖杯に願いを聞き届けられて、俺の永年の想い人が眼の前に現れようとも……。
        (満月の浮かぶ空に手を翳して、攫みとるジェスチャーをする。掌に残るのは虚無感と寂しさだけで、寒くて震えた)
        抱きしめたり、愛をささやいたり、泣き言を云ったり、甘えたり、声を聴いたり、頭を撫でたり、傍に居たり……。
        「ああ、ここに居るんだな」って確かめるような事を一つもできないだろう。こんなに穢れた奴にアストを触れさせたくない。
        (声も震えている。躰は正直なものだ。魔法陣が、溶岩に似た緋色で俺の顔を照らしているけれど、きっとそれは青い)
        もう、とっくの昔から絶望していて、今言ったように、重ねて絶望をしていて、もう、辛くて仕方がないのに。
        まだ諦めきれないんだ。(瞼が言う事をきかない。ぴくぴくとして眼窩を半開きにしては、涙をすそから零し続けている)

        もうすぐ目が覚めて、あいつが居て、「悪い夢でも見たの?」って、言ってくれないかなあって、思ってるんだ。
        なんでも願いが叶うのなら、そうして欲しい。聖杯に俺は、そう願いたい。
        ────……現実逃避? 馬鹿を言っちゃいけない。
        (ああ、世界の老年期が終わりを告げたかのように静けさはここに打ち破られる。魔力が金色の儀礼剣に集まっている)
        (その中心に嵌り込んだ紅いローズクォーツが、目映い程に輝く。綺麗な緋色の輝きは、原初の炎の証なのだろう)
        ───────ここは、夢だ─────。

        我は今日 この炎に火を燈す
        生命の光よ 我は汝を召喚す

        汝 我の前の輝く炎となり
        汝 我の頭上の導く星となり
        汝 我の足元の緩やかな径とならん

        我の心のうちに燃え上がる汝よ

        我の近隣のもの

        我の仇

        我の友

        我の血族

        地上に広く住まう人類全てへの 愛の炎とならんことを……


        (溶岩で水練をしているかのような熱気が満ちる。あらゆる熱がここへ集結していたから、空気は静謐だった)
        (けれど、今はもう違う。怨恨や哀しみや寂しさが黒く熱を持ち、濁流の魔力となり流れてゆく)
        (爪の先から心の奥まで、躰の中では小さな発火がたくさんたくさん起こっている。細胞が動く音が、耳に聴こえる程になる)
        (駿馬が蹄から火花を散らして走るさまが、頭に思い浮かべられた。南の地平線一杯に炎が燃えて、そこを駆け抜ける)
        (イメージを崩さずに手から出力する。アサメイが空に五芒星を描き始め、足先が鼓動の音を刻む)
        (我こそは、魔術の行使者。世界の大きな流れを指揮し、望むが如く奏でるものなり)

        パンタ・レイ・ウーデン・メネイ 全てのものは動き とどまるものはなし

        ヘーカス ヘーカス エステ ベーバロイ

        oh-ee-pay
        tay-ah-ah
        pay-doh-kay

        胸にきて 暖めてくれ
        ────────────《永劫に燃え尽き得ぬ紅水晶》(アミアントゥス・オブ・ファイアーズ)


        (火精が顕現する。あの、描かれた大きな魔法陣を舞台にして、漸くその姿を現す)
        (まるで山火事がそのまま立ち上がったかのような威容は、夜中であった筈の空を真昼の色に染めた事で表される)
        (ラージ・サラマンダー『アミアントゥス』は、炎のたてがみを靡かせてそこに座っている。おとなしく、そばに)
        -- キャスター 2012-05-31 (木) 00:25:25
      • ……ええ、酷い世界ね。(ゆっくりと目を瞑る。現実を直視したくないからではない、自らの罪を噛み締めるために)
        人の命は未来そのものだわ。それがこうも簡単に失われていくというのは…酷いことよ。
        (唇が爆ぜる人の脂に湿っていく。それはまさに地獄のような―――いや、地獄そのものだ)

        アスト。それがあなたの愛した人の名前なのね。(寂しげに俯いたまま)あなたは愛する人を取り戻したかった。
        あなたは悲しい人だわ。忌むべき運命に何もかもを奪い去られて、成す術もない大きな『流れ』に逆らうこともできなかった。
        ――――来なさいよ、キャスター。(刀をゆっくりと抜き放つ。見開かれる眼)我が名はリルカ。
        神を内在せし花盗人にして、剣の英雄。リルカ・バントライン。諦められないのなら、掴み取るために私の命を奪えばいい!!
        私だって退けない望みがある!! 許せない悪がある!! 信じたい道がある!!
        (ラージ・サラマンダーが召喚される。綺麗な綺麗な紅の色。あの世に咲く花の色)
        (それに臆することなく、女は立ち向かう。決戦のために―――目の前の魂を解放するために)
        (刀を脇構えに持ったままキャスターに向けて疾駆し) -- セイバー 2012-05-31 (木) 00:55:18
      • (「戦いの火蓋が切って落とされた」などとお決まりの文句が挟まる場面だけれど、心は踴らない)
        (勇躍する高潔な精神は、恋人の棺へ花と一緒に置き忘れてきた)
        (怪物を討ち倒し世界すら救う力はもう、他人の願いを踏み躙って簒奪する邪悪な暴力と化す。正義は、風化した)
        喃々と御託を並べるじゃないか。誰にでもそういう事を言うのだろう。優しく心強い、身を奮い立たせる勇気の言葉────。
        特価大廉売されている、そんな戯言は聞けないね。俺が聴きたいのは、あいつの無闇に活発な言葉ばかり。
        セイバー、貴様が何者であるかなど俺は知らない。そして、貴様の命を奪い去るなどという意識すら持たない。
        行く手を阻む、まつろわぬ者の独りとして、藁束のように滅びるのだ。

        物品作成(トレース・オン)

        (耳を劈く轟音が響く。空気を破壊する、雷撃が幾多も響く。建物が燃え、叩き割れる。自然の猛威が巻き起こる)
        (それすらもただの前兆にすぎない)
        (濁流の魔力は天へ昇り、音を響かせる。世界を洗い流す大洪水の引鉄となった、大雨の前触れに起こる雷撃である)
        (そう連想すれば見えてくる。幾多も響いた雷撃の次に降り注ぐものは雨。戦いを喚ぶ鉄の雨だ)
        既に対抗策は練ってあるんだ。ここに踏み込んだ時点で、もう、囲い込まれたようなものさ。
        (大火蜥蜴に疾駆するセイバーの眼前に突き立つものは──剣──洋刀型の剣が、大粒の雨とも言わんばかりに降り注ぐ)
        (空を埋め尽くす程大量の刃の雨が──魔術ではなく、魔術で実体を与えられた存在が──切っ先を鋭くして降り注ぐ)
        ああ、月が……綺麗だな……。(空を見上げて、微笑んだ)
        -- キャスター 2012-05-31 (木) 01:28:10
      • 誤魔化すための言葉は使わない!(刀を握る手に力が篭る)もう嫌なのよ、その場しのぎの嘘はッ!!
        あなたがいくら拒もうとも! 夢を司るガーディアン『アルテミドロス』の名にかけて、あなたの悪夢を切り裂いてみせる!!
        ………!(嵐の前に、静けさはない。嵐の前には、大暴風雨(テンペスト)がある。しかしそれは――)
        この街の命を全て刈り取るつもりなの……!?
        (上空に向けて刀を振る。実体剣を切り払う。刀を振る。剣を振り払う。きりがない)
        く……! こんなことをしている暇はないのに……!(降り注ぐ剣の雨を切り払うだけで手一杯になって)

        (狂気の満月は煌々と銀に輝くばかり) -- セイバー 2012-05-31 (木) 01:42:37
      • (“剣山”と称される生花の用具がある。針が整然と畳の目のように並んでいて、頗る暴力的な風貌をしている)
        (それに目を近づけた時と同じ風景が眼の前に広がっている。貧民窟のつたない地面に突き立つ無数の剣が、何千とある)
        (捌こうなどと思わばそれに呑まれるだろう、隙間なく降る雨を躱す手段などどこにも存在しないのだから)
        人の心に土足で踏み入る事を、まるで大業のように喧伝するなよ。(けれど、それでは終わらない)
        (戦闘への本能が戦略を積立て、第一の戦術を講じ、第二の戦術を講じる。ロジックが動き、連鎖して策を成してゆく)

        フレイムソード

        (突如、一帯に注いだ剣が一斉に燃え盛る。スラムは緋色の赤絨毯を敷かれて、熱気を空へ立ちのぼらせる)
        (剣に炎を付与するだけの、全く単純な術式が、全てを灼き尽くす劫火の大魔導へと姿を変貌させた)
        無数の術式を無数の媒体に乗せて無数の炎を産み出す。
        ほら、アミアントゥス。(傍に付き添う火蜥蜴へ手を差し伸べて、その肌に籠った熱を間接的に感じ取る)
        いっておいで……。(炎の海を掻き分けて、巨大な火蜥蜴が猛進する。形容し難いその姿は、喩えるならば炎の津波であろうか)
        (ひといきに呑み込み、浚ってしまう無慈悲な大口。セイバーへ向かって、ぼうと炎を唸らせて走ってゆく)
        (それを見届けた後に、細路地へ駆け込む。英霊の躰でも心臓は従順に高鳴っている。酷く怖いし、厭な感触だ)
        -- キャスター 2012-05-31 (木) 02:04:15
      • (瞬間、燃え上がるスベテノ剣――煉獄の刃は周囲を、街を地獄へと変えていく)
        うっ うう……!(燃え上がる手足に歯噛みをし、耐える)これがキャスターの力……!
        (襲い掛かってくるラージ・サラマンダーの巨大な口。咄嗟に刀をつっかえ棒にして飲み込まれることを防ぐ)
        ……私としたことが忘れていたわ。(風が、熱気を払いながらセイバーに収束していく)
        『目の前で消し去られそうな光があるのなら、この手で守りたい』そう誓ったことを。
        (令呪は効果を発揮する。それはシンプルに、目の前の敵を倒すために全力を出すということ)
        (白の極光が放たれ、サラマンダーを吹き飛ばす。奇跡と無限を孕んだ風は一帯の炎を、半分ほど吹き消しながら女に収束していく)
        はああああああああぁぁぁッ!! プログレスッ!!
        (光の粒子が舞い上がり、そこにいる女は純白の髪に真っ白な装束を身に纏い、血のように紅い瞳を輝かせてその場に再臨した)
        切り裂けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!(空へ向けて神の力を携えし一刀(ガーディアンブレード)を振りぬくと、夜空が断たれた)
        (そう形容するしかない事象―――空から降り注ぐ洋刀はその一切を次元の断裂に飲み込まれて消えていき)
        (今もラージ・サラマンダーはそこにいる。街を覆う炎も半分しか消えていない。ただ、空から降り注ぐ洋刀が断たれただけだ)
        (それでも依然としてセイバーの、リルカの眼差しから希望は消えないッ!)
        出て来い、キャスター! 姿を隠したまま吹き消せるほど安い命は持ち合わせていないッ!!
        (プログレス形態―――セイバー最強の姿がそこにあった) -- セイバー 2012-05-31 (木) 02:25:32
      • (気炎を上げるサラマンダーを前にし、緊迫した空気に包まれた)
        (キャスターの気配を見失ったのだ。よもやこの局面で逃げることはしないだろうが―――)

        (瞬間、背後から頭を捉まれる)……ッ!?(キャスターは既に半分以上詠唱が終えている。間に合わないッ!)
        うっ………(詠唱が終わると共に頭の中を深い霧が包む)こ、これは………!
        (一歩、前につんのめって踏み止まる)わ、私の対魔力を見切っていただけならまだしも……
        こんなにも完璧なロジックで術を行使できるというの……!?
        (唇を噛んで痛みで眠気を遠ざけようとするも、ただの睡眠ではなく魔術で行使された眠りに抗う術はなく)
        う、うう……(口の端から血を流したまま、白装束を身に纏った剣の英雄は)
        (その場に倒れ伏した) -- セイバー 2012-06-03 (日) 23:34:02
      • (灼けついた空気がのどもとや肺の中身を焦がしている。肌は爛れるほどに乾き、罅割れてしまうかのようだ)
        (頭皮から伝った汗の水滴が、頬で乾く。英霊らしからぬ生気が俺の中にある)
        (この生気は、嘗て生きていた頃を思い出して湧いて出たのか、剣士に打ち勝った歓喜によるものなのか)

        けほっ、あ、ははっ。呆気ない……! まだ、全然、余裕があるっ! 一発で決まるんだもんな、あ、はははっ!

        (古びた煉瓦に焦げ目がついて、ここはまるで暖炉の隅のよう。暗く光も届かず、塵芥だけが履き溜められる)
        (スラムの路地裏にあった、五分ほどの生活感は脆くも崩れ去り、ただ火に巻かれるそれだけの場所に変わってしまった)
        (そこを寝床にするのは、真白い銀灰色の猫。息すら苦しいこの場所でどんな夢を見るのだろうか)

            ぜ、ぇ……ひっ、げっ、ごほっ、……。

        (何かが俺の心を苛む。絹糸の一筋ほどのか弱い力であるのに、それを俺は振りほどけないでいる)
        (「こいつは、セイバーだ……」負傷もないのに、爪先が地面に引っ掛かる。歩きながらにして這いずるように、セイバーに近寄った)

        …………もっとだ。

        (横たわる姿に、泥沼のようなマナが触れる)

        引き摺り込んでやる。……そんなふうに強いお前の、底の、底の、底の部分……抗いようのない、孤独の悪夢……へ。

        (催眠の呪法は紡がれ編まれ、柔らかな毛布のように覆い被さる。眠りを深く、深く誘い、奥底にある闇へと導く)

        結局お前だって俺と同じだ。一皮剥けば、弱い心が剥き出しで、二度と、戦えなくなる。
        -- キャスター 2012-09-13 (木) 23:38:27
      • (夢を―――――夢を見ていた)
        (どこまでも静謐な闇が広がる、瞼の裏の暗がりにも似た安寧に包まれていた)
        (何か大切なことを忘れている気がする―――どこかで何かの焦げるような匂いがした)

        (途端、闇は変質し攻撃的にセイバーの心を蝕む)
        うっ う、ああぁ……! やめて……私の心に入って来ないで…!

        (セイバーがかつて、リルカ・バントラインという一人の少女だった頃から変わっていないもの)
        (それは表向きの強さで塗り固めた心の弱さ。その間隙を突く汚泥のような魔力が彼女を苛む)

        あっ あああぁ……! やめて、お母さん……! やめてよぉ…どうして、どうしてなの…っ
        愛して……お母さぁん…私を、愛して………


        (現実。苦しみ続ける彼女の頬を、涙が一筋伝った) -- セイバー 2012-09-13 (木) 23:48:47
      • (引き攣る肩に黒衣が揺れる。鑑賞する男の眦には歪んだ甘美が刻まれて、引きつり笑いの声がだらだらと漏れて出た)
        (俺には自分が他人事のように見えた。狂ったように燃え盛る緋色が、表情にまでヤケついた自分が、他人のように見えた)
        (どこの分かれ道で選択を誤ったのか、他ならない己の瞳に映る景色は、最も望まぬもの)
        (俺を動かしていた果敢なまでの愛は、どこへ消えてしまったのだろう)
        (抜け殻に残った執念しかなくなって、それに突き動かされる俺はまさに亡霊のごとくだ)
        (悲しみもなく、命を刈りにゆく)

        まるで赤子だ。(セイバーに視線をぽつりと落として、無感情に呟いたのはその言葉だけ)
        …………物品投影。(トレース・オン)
        (手のひらの上にある空間が悲鳴を上げながらサーベルを形成してゆく)
        心も躰も隙だらけ……。堰へと穴を空けるがごとく、一突きでおしまいだ。精々、絶望して逝きな。
        (セイバーの首元に白刃が滑る。冷え冷えとした鋭利が、喉に落ちた)
        -- キャスター 2012-09-14 (金) 00:48:52
      • (キャスターの放ったマナは、リルカ・バントラインが最も愛し、その愛を裏切られた母親の姿を取って彼女を苛む)
        (手足も伸びきらぬ童女の姿まで退行した夢の中のセイバーは、その白く細い首を母の手で絞められていた)
        (もう涙も流れない。ただ自分を産んだ母親の手で殺されるという結果に心が従ってしまっていた)

        (ふと、リルカ・バントラインの手に何かが触れる)
        (それは見ようによっては醜い、目と鼻のないネズミのような姿をした一匹の獣だった)
        アルテミドロス………(そう、それは彼女と共に在る守護獣(ガーディアン)――――夢を司るアルテミドロスの姿)
        (アルテミドロスは顔をリルカの手に擦り付ける。暖かな感触と共に、何かが心の中に流れ込んでいく)

        (浮かび上がるそれは遠い過去、自分がまだただの冒険者だった頃に出会った数々の仲間たちの顔)
        (それは和装の少女であったり、青い肌の悪魔であったり、あるいは―――人間の魔王であったりした)
        那……智…!(右手に触れる暖かな感触、それを強く掴み取る)
        私は……セイバー…リルカ・バントラインだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
        (右手が掴んだガーディアンブレードを振るい、目の前の母の幻影を振り切るッ!!)
        さようなら……お母さん……!!(それは過去との決別)


        (突如、眠っていた女が目を覚ます。喉元に突きつけられる刃を見て笑って見せた)
        レディを起こすのに、ソレは少し無粋じゃない?(ガーディアンブレード『旋空』を振るい、トドメの一撃を切り払う) -- セイバー 2012-09-14 (金) 01:05:57
      • (夢を見ている時ほどの孤独は、世界のどこを探しても無い。瞼越しの光は薄明で、映像の輪郭も掴めない)
        (頭蓋骨の中へ投射される、七色の電光が全てとなり、そこに他人の干渉は殆ど起こり得ない)
        (瞑想で見えるものよりも哲学的なものが見えて、そこにイデアを探し求める。大仰に表現すればこんなところだ)
        (誰の助けも借りないままに、睡魔の静まるその時まで、上下も区別しない場所を彷徨わなければならない)
        (そして、俺はそこへ手を伸ばし、背を押し、突き飛ばした。もう戻ってこれないぐらい深い場所まで、陥れた)

        …………なんだ……。(銀灰色の剣士は、心安らかで強い表情を顔に浮かべる)

        (それは悪夢を見る者の顔などではない。朝陽を見据え、背筋を伸ばした、快い覚醒を思わせるようなものだ)
        (自分が空目でも起こしたのかと疑った。けれど、瞼はするりと上がる。琥珀の瞳は瞳孔を乱さずに、鋭剣を捉えた)

        (剣の一振りがサーベルを砕く。──セイバーに見せていたはずの悪夢は、現実に抜け出て、今度は俺に絡みついた)
        ぞっ、とする。指先まで篭ったセイバーの心に、希望の光に、俺は嫌悪を感じている)
        (くらくらするような、吐き気がするような。ぐるりと、平衡感覚が狂ったような。強い嫌悪が呼び起こされた)

        (よろめきながら後方へ歩き、金色の短刀を懐から取り出して構えた。右肘を伸ばして、「これ以上近づくな」と怯えるように)
        (何に怯えているのか、自分にもわからない。ともかく、短刀の切っ先は小刻みに震えていた)
        なんなんだ……なんなんだ。その目は、なんだ。希望に満ちた目は、なんだ。……なんでそんな目ができる。
        お前が恵まれた者で……俺が恵まれていないからか……?(自分を嘲る笑みが、頬を引きつらす)
        -- キャスター 2012-09-14 (金) 01:48:33
      • (刃を切り払うとそのまま体を跳ねさせて跳躍、立ち上がり)
        違うわね……(白刃を構えると、その刀身を白い輝きが立ち上っていく)
        恵まれた人間なんていない。人間、誰だって不幸と折り合いをつけて生きているのよ。
        あなたにどんな大きな不幸が訪れたかは知らない。(刀身の白い光はどんどんその力を増していく)
        それでも、あなたが違う誰かの命を奪ってまで願いを叶えて良い理由にはならない!!
        (白の極光が周囲に満ちていく)
        (絆に、思い出に、人と人とが引き合う引力に――――全てを)
        …これが最後よ、キャスタァァァァァァァァァァァァァ!!!(白い輝きを迸らせる刀を携え、相手へ向けて走り出す) -- セイバー 2012-09-14 (金) 22:55:35
      • (「ハナから判っていたことだ」セイバーの静かな糾弾が胸を舂く。小難しい理論も何もない、ただ自然の摂理を述べたまでのこと)
        (高々それほどの言葉は、精神にできた綻びの糸を引く。ほどけてゆく)
        (この世を憂いで、自分の不幸に泣いて、逆うらみをした。それは、砕けた心を繋ぐ仮初めの縫合に過ぎず、このように、容易くとける)

        (紅蓮色の炎が四方を塗りつぶしていて、熱気は冷めやらない。セイバーの剣はその中で尚明るく輝いている)
        道理がどうした…………正しいことがいつも、どんなときも、正しいって言うのかよ。
        そんな説教が聞きたくて戦ってるんじゃない。
        こんな、結末のために、人を殺めてきたわけじゃないんだ……。

        (燃え立つ炎を仰ぐ。元凶の俺の意志と関係なく、炎は罅割れた壁を呑んで一段とその高さを増した)
        (この火災は俺そのものだ。最初は小さな種火程度の、暖かな輝きであったはずなのに、気が付けばもう手がつけられなくなっている)
        (唇を犬歯で噛んだ。がりっ、と、ぶちっ、の中間あたりの音がして、冷たい血の味が口に広がってゆく)
        (涙が滲んだ)
        (緋焔の毛並みを持つ巨大な生き物が、火中から首を伸ばす。炎嵐の風に乗って、するりと俺の傍へ擦り寄ってきた)
        アミアントゥス……。

        ごめんな。もう……後戻りなんて、できないんだ。…………負けても、勝っても……っ!
        苦しいことしか、待ってないのに……!!(溜まった涙が溢れて、炎に蒸発して消えた。悔しさに、焼け爛れる)

        (希望の光を、セイバーが翳す。迷いはない。朝陽は向かう先に迷うことなく、窓へと射す。それとなんら違いない、真っ直ぐさだ)
        (あれは嘗ての自分のようだ。希望に充ち満ちて、強くて、迷えども、正しい道を歩いて……)

        (周囲の炎が突然に、消え失せる。パチパチと爆ぜる音も、ごうと空気が唸る音もなくなり、熱気だけが残された)
        (炎は俺の右手へ集っている。高らかな炎の剣が、黄金の短刀(アサメイ)を芯にして形成されている)
        (ラージ・サラマンダーが宿り、夜空を明かすほどの煌めきが迸る。もう、退くことはできない)

        (記憶に、思いに、人同士を突き放す運命の皮肉に、磁石のように気紛れな運命に────全てを)
        示してみせろ……正しいって言うのなら、運命を味方につけてでも……俺に打ち勝ってみせろ。
        (炎が巻き上がる。膨張した空気が、突風になって吹き荒れた)
        (懴悔の念で頭は一杯なのに、どうしてだろう。躰が無暗に熱い。何もかも蹴り飛ばしたい気分だ)

        (駆け出し────互いは、人型のものではなく、打ち贏ちあう二つの風となり────)
        ─────サラマンドラ!!!
        (炎剣は極大の爆擁となり、爆ぜた)
        -- キャスター 2012-09-15 (土) 00:03:08
      • 私も私自身を正しいなんて思っていないわ。勿論、こんな綺麗事だけで片付けられないこともたくさんある。
        ……抱えきれないほどの業を背負うことも、人間だもの。あるわよね。
        それでも……それでも、私はあなたを超えて前に進まなきゃいけないのよッ!!

        (噴き上がる炎。ラージ・サラマンダーがキャスターの隣へと寄り添う)
        (この男がかつて持っていた『明るい未来』を取り戻させるために―――この男を、消滅させなければならない)
        (走りながら、唇を噛んだ)
        運命は………(ガーディアンブレードを振り上げる)誰の味方でもないッ!!
        (綺麗な綺麗な紅の色。あの世に咲く花の色。火の粉が金粉のようにぱっと舞い散る)
        (その中を、ただひたすら走り抜ける)

        アークインパルス!!
        (極光を宿す刃は、輝きの奔流となって全てを包んだ) -- セイバー 2012-09-15 (土) 00:24:54
      • (水素を燃やす恒星にも似た、大きな光へ指先から飛び込んでゆく)
        (恐怖はない。これは俺も持っていた光だから、懐かしさすら感じている)
        (海原に浮いて、仰向けで搖蕩うような……心に反して、炎の剣は砕けて空へ散ってゆく。滅びの痛みが俺を通りすぎてゆく)

        (本当は全部判っていた。阿婆擦な運命の女神様は、どこにもおらず、居たとしても俺なぞ気にかけていないのだと)
        (散った花びらは舞い戻らず、枯れてしまえばそれまでだ。時間は常に不可逆で、起こってしまったものは巻き戻せない)
        (けれど、納得はできなかった。因果も、宿命も、それどころか世界の全てを敵に回したって、叶えたい思いがあった)
        (硝子の向こうに願った未来がある。そこに爪を突き立てることを、俺は許されないことだとは思わない)
        (何度も爪を立てるうちに、分厚い硝子は傷ついて磨りガラスと変わって、向こう側が見えなくなった)
        (後悔などはしていない。何度人生をやり直したって、俺はこの選択をするだろう)
        (聖杯とは、願いの叶う事物とは、残酷なものを作りなさる。誰かは知らないが、趣味の悪い話だ)

        (……運命とは、運命とは……誰の味方でもない、敵でもない)
        (けれど思うのだ、運命はひとつではなく……寄り添う運命は、人の心によりけりなのだと)
        (そうだ、俺のような者に碌な運命は来ず……きっと、正しく、強い者へと……)

        …………アスト。

        (声は風に乗り、消えて。光が消えた頃には、その場にキャスターの姿も形もなく、世界は平和な静寂を取り戻していた)
        -- キャスター 2012-09-15 (土) 00:43:40
      • (炎の奔流を受けて少なからずダメージを受けたセイバーは、その場に膝を着く)
        どうして……(小さく呟く言葉は風に流されて消えて行った)
        (どうしてキャスターは最後に女性の名を呟いたのだろう? それが彼の望みだとしたら、私は)
        私は………(刃を足元に突き立てて立ち上がり)私は、勝ち抜くわよ…(ふらりと歩き出す) -- セイバー 2012-09-15 (土) 01:03:12

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聖杯相談用コメント欄 Edit


修正

お名前:
  • ただいま……! -- セイバー 2012-09-14 (金) 22:11:02
    • おかえりなさい、いよいよクライマックスですね… -- シャンゴ 2012-09-14 (金) 22:39:57
      • キャスただいま -- キャスター 2012-09-14 (金) 23:06:25
      • おキャオラッ!私は明日が早いのでいつまで入れるかわかりませんが、起きている限りはこの死闘のいく末を見守りましょう… -- シャンゴ 2012-09-14 (金) 23:15:59
      • お加藤ォッッ はーい、それでは今日は決着を目指して頑張る、という形で。 -- セイバー 2012-09-14 (金) 23:26:14
      • キャスターさんが全力で死亡フラグを積み立てておられる…(あ、これ助からないなという顔 2カウント目) -- シャンゴ 2012-09-15 (土) 00:14:30
      • 死亡フラグが現在剣山のようになってますんで、ええ。うふふ。 -- キャスター 2012-09-15 (土) 00:19:17
      • そしてここぞという時のアークインパルスぶっぱ…… -- セイバー 2012-09-15 (土) 00:25:24
      • さすがアークインパルス(勝率10割)さんやで! さて、消えました。あ、ごすずんごすずん。お願いがあるねん。
        縄抜けて逃げて?
        -- キャスター 2012-09-15 (土) 00:44:56
      • ご安心を、既に(行間で)脱出してあばよとっつぁ〜んしておきました故…
        (めっちゃぜえぜえいってる黒ハゲ)
        -- シャンゴ 2012-09-15 (土) 00:51:50
      • わーいセイバーおつかれー! 何ヶ月か越しに続きやってくれてありがとねー! このままセイバーはToBeContinuedして本筋にーと、
        いうわけで締めようぜごすずん。うん、脱出してくれていたのなら良かったよ。(瞳孔が歪んで平たくなったにちゃあ……という笑み)
        -- キャスター 2012-09-15 (土) 01:15:07
      • お疲れ様でしたー、こちらこそありがとう! 楽しかったわ! 本筋に行ってから優勝ですけん(どやぁ)
        〆、頑張ってね。ここで見守っているわ。 -- セイバー 2012-09-15 (土) 01:17:52
      • ここで面白黒人なら生き残るのでしょうが、私は生憎
        ホラーとかの怪しげな術使う黒人なので駄目でしょうな、ええ、では…終わりを始めましょう…
        場所はどうしますか?
        -- シャンゴ 2012-09-15 (土) 01:22:02
      • 脱出して逃走した先〜みたいな。神殿の跡とかいいんと違うかな? いえ、なに。しぶとく生き残ってくれちゃってもいいんですのよ? 「再生治療のツケを払えー!」みたいな感じになっても。ふふ……。 -- キャスター 2012-09-15 (土) 01:24:58
      • (あ、これ(私が)助からないなという顔)
        ふむ…出はそこで落ちあう事にしておいた、という事にしましょう、コメント欄は…上を流して、という感じでしょうかね、まずはシチュを打ってきましょう
        全て終わったら終わった記念に、下の決戦ツリーも再度表示させよう…
        -- シャンゴ 2012-09-15 (土) 01:28:05
      • そしてセイバー=サン、お疲れ様でした…本当に、本当にありがとうございます…!
        く、これが既に結果の確定しているものの余裕…!
        ええ、それでは、有終の美を飾りたいと思います…
        -- シャンゴ 2012-09-15 (土) 01:46:52
      • ゴメンナサイ、そろそろ限界が…!明日には、明日にはケリをつけます故…(どさあ) -- シャンゴ 2012-09-15 (土) 03:40:27
      • よし……うん、もうちょいなんだぜ。遅くまでありがとだぜおやすみだぜ。ぜ! -- キャスター 2012-09-15 (土) 04:00:04
      • ただいま、とうとうキャスターとの聖杯戦争もこれで終わり…あ、何か隙みて
        腕繋げつつアサメイ触れない状況にして自害しろや!とか残った魔力でデーモン呼ぼうとしてるけど
        もう対して余力ないので遠慮なくころころしてしまって問題ありません
        -- シャンゴ 2012-09-15 (土) 23:24:58
      • ただいまとそしてレス。いろいろ巻き込んで炎の渦してみました。 -- キャスター 2012-09-16 (日) 00:09:35
      • (わくわくしながら見守る) -- セイバー 2012-09-16 (日) 00:13:00
      • 折角なので全部載せ、狙いとしては悪魔けしかけてる間に腕繋げ
        攻撃しつつアサメイ使用不可にし令呪自害しろやあ!って感じです、正面切って英雄とやり合ったらしぬし…
        そして今晩はセイバー=サン
        -- シャンゴ 2012-09-16 (日) 00:34:50
      • ちゃんとガチで殺しにきてるねごすずん! 器用だけどぶっちゃけ火力ない俺の運命やいかに! セイバーさんチィーッス、御覧ください、戯れあう我らの図を。 -- キャスター 2012-09-16 (日) 00:39:37
      • 犬と鳥が仲良く戯れてますね、ムツゴロウさんも思わず笑顔ですよ
        (焼け落ちる邪教の祭壇で殺し合いながら)
        -- シャンゴ 2012-09-16 (日) 00:45:27
      • (悪魔と狗が戯れる心あたたまるシーン) -- キャスター 2012-09-16 (日) 01:24:28
      • そして必殺のレイジュ=ジツ発動!キャスターはしぬ(予定)
        そろそろクライマックスという所でしょうか…さあ、この無茶振りをジェラード=サンはどうする…!?
        -- シャンゴ 2012-09-16 (日) 01:55:18
      • なあに、それぐらいまるっと解決済みよ! 炎の嵐は無駄に起こしてたわけじゃないぜ!
        「短剣を捨てて無抵抗になれ」とか言われても、サラマンダーさんが勝手にバックリいってくれるぜ!
        そして結果的に自分ごとバックリいかれました。
        -- キャスター 2012-09-16 (日) 02:37:49
      • あの世で更に強い奴と戦えるぜーヒィーハァー!!!!!!
        とテンション投げつつ塵になる私でした…これにて、私の聖杯戦争は完全終了となります
        付き合って下さった関係者の方々、セイバー=サン、那智=サンペア
        そして何よりキャスター…本当に、本当にありがとうございました…
        -- シャンゴ 2012-09-16 (日) 03:26:38
      • きっちり終わらせてくる辺り流石だなと思った。いいなぁ、凄い。めっちゃ羨ましいわ……。
        絶対楽しいやろこんなん……。 -- アサシン 2012-09-16 (日) 03:59:56
      • 全く救いがないわけでもないエンドという感じ!!
        いや、まさか、こうですね、再開して完結できるとは思わなかった!! うん、ありがとう! こっちもありがとう! 全てにありがとう!
        おつかれさまでしたーぁ!!
        -- キャスター 2012-09-16 (日) 04:00:17
      • あさやんいたの!? ええ、もう、ごすずんのおかげですよ……終わらせられるとか全然思ってへんかったしもうっ……! -- キャスター 2012-09-16 (日) 04:01:57
      • 最高に灰になってますよ私(さらさら)
        アサシンさんも遅れましたがお疲れ様です。ええ、最高に楽しいひと時でした…
        最初はジェラード君のみりきを出し切れるか心配でしたが
        蓋を開ければ最高の終わりを迎えられました…みんなありがとう
        -- シャンゴ 2012-09-16 (日) 04:05:29
      • ほら、ごすずんは最高の地獄にいけたっぽいし。俺は死に場所ったし。あれ……?
        俺も「どうなるんだろう! どうするんだろう! どうしたらいいんだろう!」ってなってましたが、着地点に見事着陸できました。
        そして今回学んだのは悪役も案外悪くないということでした。ありがとうごすずん。ふふ……
        -- キャスター 2012-09-16 (日) 04:20:33
      • ジェラード君は実に曇り顔の似合う悪役でしたね、すばらしいですよ…
        心残りがあるとすれば明かされなかった二つの宝具位でしょうか、他人の設定は気になる人なので
        それではジェラード君の次回の悪役、期待しておりますよ、ふふふ…では、何れどこかで…(ふわっとした後地獄へストーン)
        -- シャンゴ 2012-09-16 (日) 04:29:55
      • 大したものでもないんだよ……?
        ランクEが「ジェラード」で、学園の制帽なのね。それ自体にはなんの効果もないけど、それを被ると失った自分の名を取り戻せるっていう。善落ちルート用とかに使えないかなみたいな。
        一番下のやつは、ええと、自分のできる強化魔法とか全部組み合わせて金色のフェニックスになって突っ込む宝具ね。具体的には聖杯にゲスト出演してたときにランサーへぶっこみにいったやつ。
        これやるには膨大な準備とか必要だから、ファイナルアタックって感じですかね。
        要は展開を選ぶ宝具だったわけですわあ。(サラマンダーに超がぶぅされながら)そうだね、またいつかどこかで会おう。多分近いうちに。あでゅー(焦げる)
        -- キャスター 2012-09-16 (日) 07:44:59

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聖杯戦争終了記念 貰った絵&漫画コーナー Edit



キャスター作、私の肖像画
アイリスさん作、バーサーカーの家庭内事情
アイリスさん作、メニークルシミマス
アイリスさん作、服を燃やせ!
アイリスさん作、プリティーなわ・た・し(はぁと)  漫画偏
マルチナさん作、おめでた。全てはここから始まった
孕め!
ライダー=サンによる追い打ち
キャスなめこ

聖杯なう Edit

お名前:
  • 優勝ペアであるセイバー&那智組の〆が、シナリオの〆を迎えたため
    本企画の終了を宣言致します。ご協力有難う御座いました。
    -- 2012-07-10 (火) 02:51:09
    • 無事終わってよかったですよーお疲れ様でした!
      先生と二人、めいっぱい楽しませていただきました。改めてありがとうございましたっ! -- マルチナ 2012-07-10 (火) 07:24:04
      • お疲れ様…最初に敗退したけれどそれでも満ち満ちた日々だったわ…
        参加させてくれて本当にありがとう、楽しかったわ -- エリーゼ 2012-07-10 (火) 23:08:38
      • めっちゃお疲れ様でした わ!
        まさかのロリ敗退といい相変わらず魔物が潜むのわ…楽しませていただきました のわ 本当にお疲れ様でした、ありがとうございました
        わー -- シルキィ 2012-07-11 (水) 00:38:58
      • お疲れ様でした、楽しい規格に参加させて頂いた事に、心からのありがとうを…
        またどこか別の地獄でお会いしたいものですな… -- シャンゴ 2012-07-12 (木) 00:59:33

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孤児院の地下 Edit


Last-modified: 2012-09-21 Fri 23:57:52 JST (4228d)