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斡旋所からいただきました
ボクっこけも神子
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ある国の守護を担う「神子」の家系に生まれた。 上には9人の兄弟がおり、全員男だったため、男同然にのびのびと育ってきた。 しかしいざ跡継ぎを生まなくてはとなったとき、嫁の貰い手がなかったのである。 この一門は、男が魔物退治をし、女は跡継ぎを生むものとされている。 親は大変苦労をしたが、下に妹が生まれ、その苦悩は解消した。 跡継ぎを生む役目は妹にすべて託され、その一方で、 シスマは男ではないため魔物退治の役割も負うことができず、 親からも兄弟からも、国中からも「いらないもの」とみなされた。 そんなシスマに親は言った。 「ここでは嫁の貰い手がないし、もう妹ができて、お前を閉じ込める必要もなくなった。 広い世界へ出て、強い男に嫁いで、強い世継ぎを生んできなさい。待っているから。」 何もかも分かっていた。厄介払いであることも、帰りなど期待されていないことも。 だからこそ、外に出るよりほかには道がなかったのである。 この町でも嫁の貰い手はいなかった。シスマは次の場所へと、彷徨い続ける。