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ユーリのとこジーニのとこ・・・・・・・・・・二人の相談欄へ相談ページへ直行
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お名前:
  • http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079485.gif 黄金暦251年 4月(港近くの古い教会)
    • (北の雪国へ向かうために待ち合わせ。旅行の時と同じように船で行くことになったのだった)
      (恋人には事前に待ち合わせの場所と時間を送っておいた。白い上品な封筒と手紙で)

      「港の近くの古い教会で待っています。ちょっとだけいい服で来てね?」 -- 2013-09-03 (火) 02:10:00
      • (ようやく馴染んできた新しい店を引き払って、扉に貼ってある売り出し中の張り紙を撫でると少女は教会へ向かう)
        (手には大きなトランク。ぎゅうぎゅうにつまっているから酷く重い。それを片手で持っているのだからよたよたしてる)
        (もう片方の手には別のもの……白くて、かわいくて、綺麗で、いい匂いなの)

        (たどりついたのはもう神父すらいない古い教会。手入している信者のおばあさんに、鍵を開けてもらう)
        (教会の中には、その木造の建物と同じくらい古いデザインの大きなステンドグラスがあった)
        (百合を抱いた天使。ただその翼は白いものではなく青みがかった黒いもの。身に纏っている服もそうだ)
        (一見禍々しくも見えるけれど…少女にとってはとても馴染みのある色。黒は神様の色だからと、子供の頃から教わってきた)
        (そんなステンドグラスの前に、白いワンピース姿に白いヴェールを被った少女が立っている)

        (両手に、白くて、かわいくて、綺麗で、いい匂いの……ブーケを持って)
        -- ジーニ 2013-09-03 (火) 02:11:07
      • (色々な事を抜けて。青年は道を歩く。)
        (頬に出来た擦過傷を親指で撫でれば、指の通った後、肌は傷を消して。)

        (ジャケットの肩を払った。ツィードの生地の上から汚れが払われると同時。)
        (服が僅かに揺れたように見えて、破れ、解れた布地が元の通りに。)

        (そしてジャケットの裾から、右手を背へと差し入れる。)
        (手を引き抜いたと同時。そこには小さなサイズの、革のボストンバッグが握られていた。)

        (港近くのこの場所。旅立ちの客を対象としたであろう店、道端のショーウインドウの中。)
        (映り込んだ己の姿を見て、髪をぐしぐしと整えて。)
        (ボタンダウンの胸元、何となく落ち着かなさそうに触れた。)

        (息を吸って、吐いたと同時。)
        (足を撫でるウール生地の感触を感じながら、最後の一歩で足を止めた場所。)
        (木造の古い教会が、そこにあった。)
        (なんとはなしに、見上げる。)
        入った瞬間に足先から消えたりしたら、なんだろ。笑うな。
        (神様は化物を見逃してくれるだろうか、なんて馬鹿げたことを思って。)
        (小さく笑いながら、教会の扉に手をかけた。)

        ジーニ。
        (開いた扉の向こう側。教会の床を、消えないままの靴底が叩く。)
        (愛しい少女の名を呼んだ声が、反響した。)
        (求めた姿は、探すまでもなくて。黒の目立つ、教会の中。唯一白い、雪百合の色に覆われて在る。)
        (薄布、ヴェールの向こう。その瞳を見ながら、青年は微笑んだ。)
        悪い、遅くなった。 -- ユーリ 2013-09-09 (月) 00:46:28
      • (扉が開かれる木の軋む音。虹色の薄い光の中、振り返る)
        (待ち望んでいた人がそこにいた。お願いしたとおり、いつもよりもちょっとフォーマルな姿で)
        (見慣れない姿。でも良く似合っていて、そんなんだからドキドキしてしまって、一瞬言葉に詰まってしまった)
        …えへへ。いいよ、船が出るまでまだまだ時間はあるし。
        それに…
        (理由はなんとなく、わかるから)
        (そう続けようとして、やめた)

        (青年がそれを隠そうとする限りは、知らないふりをしようと決めていたから)

        (人ではないもの、狩人に追われる身)
        (そんな存在が同じ場所にずっととどまればどうなっていくのか少女にも想像できる)
        (ただの人のように暮らすのは、心が磨り減ってしまうような努力が必要)
        (今までどんな風に生きてきたかも教えてもらっていた)

        (無理やりにでも四六時中傍にいて彼を守ろうかと考えた事もあったけれど)
        (そうしたら自分を守るためにさらに普通の人として振舞えなくなってしまう気がして)
        (だから彼が普通の人間のふりができるように、知らないふり)
        (扉を開けて、笑顔を見せてくれるのを信じて待つ生活が続いていた)

        (けれど、そんな生活ももう終わり)

        (今日からはずっと一緒)


        (ステンドグラスの下、少女は小さな祭壇の前で右手を差し出す)
        (左手には結婚式で勝ち取ってきたブーケ。はにかみ笑顔で)

        ユーリ、ジーニと結婚式ごっこしよ?
        立会人も神父様もいないけど、二人で。

        向こうに行ってからでも良かったんだけど…やっぱり、ここでそれっぽいことしておきたいなって。
        もうひとつの故郷の、この町で。

        (普通に式をと考えてもいたけれど…人を呼んで目立ったら、ユーリがまた危険な目に合うんじゃないかって思ってやめにした)
        (事前にこのことを言ったら色々気にするかなと、彼にも詳しくは言わないでおいた)
        (本当にささやかな、子供みたいなごっこ遊びで少女は十分だったから)
        -- ジーニ 2013-09-15 (日) 07:47:48
      • (少女の姿は、己の格好よりも余程教会に相応しく。)
        (けれど青年の表情に驚きの色がなかったのは、それを予想していたからか。)
        (ほにゃっといつもの様に笑ってこちらを許すジーニへと、ありがとう、と一つ礼を告げれば。)
        (教会の硬い床、青年の靴底が叩く。)

        (左右、普通の建物とは異なる建築様式。)
        (なんだか、場違いとも感じてしまうその場所が擽ったくて。)
        (まだ少女の元へたどり着くには、入り口からの半ば辺り。)
        (少しばかり、歩みが遅くなった。)
        (そこへ差し伸ばされた、少女の手。)
        (こちらを招くような。いや、誘うその仕草。)
        (青年は、眉を上げて。それから、微笑んだ。)
        (何となく己の中にあった小さな萎縮など、この少女が誘うのであれば、灰の如く散る。)
        (手の中のバッグを近くの椅子へと置いて、再び少女へ向けて歩みを進めて。)
        (そんな青年へ向けて、伸ばされた手を追った、少女の言葉。)
        (それを聞けば。向けられた笑顔を見れば。)
        (青年は、笑った。悲しさ、申し訳なさ。そんなものの入り混じった苦さを、喉の奥へと押し込んで。)
        はは。ごっこ、か。…ごめんな、ジーニ。
        (普段は、謝ることはやめようと決めていたけれど。)
        (今だけは、謝罪の言葉一つ。それはきっと、女性にとっては特別なものだと思えたから。)
        (そしてそこでようやく、青年は少女の前へと辿り着いた。)
        (はぁ、と。深く息を吐きだして。)
        親父と母さんに怒られるな。こんなとこまで真似なくていい、って。
        (後頭部をかりかりと掻きながら、眉間に皺を寄せ、口をへの字に曲げて。)
        (気まずそうに俯いてから。一拍の間。)
        (息を吸い込むと同時、青年は顔を上げて、右の手を伸ばした。)
        (祭壇の、少女より一段低い所から。)
        (まるで、尊い人を、低き場所へと誘うように。)
        (昔話に語られる、人を闇へと引きずり込む、化物のように。)
        (こちらへと伸ばされた少女の手を掴む。)
        ジーニ。
        (名を呼んだ。他に代えられぬその響きを。) -- ユーリ 2013-09-23 (月) 01:29:49
      • (こんなことしなくったって、誓いはもう十分沢山立ててもらっていたし)
        (自分のただのわがままなだけなのに、ユーリがごめんって言うこともわかっていたのに)
        (ブーケに少しだけ顔を隠して)

        …謝らなくていいのに。ジーニのわがままなんだから。
        (やっぱり、我慢すればよかったかな)
        (俯くユーリを見て、ほんのり後悔)
        本当に、本当に、ちょっとだけの思いつきだからっ
        そ、そんなにきにしなくてもいいのよ?
        誓いの言葉とか、ジーニ調べてきてないしっ…ほ、ほんとに、てきとうで……!
        (慌てて明るい声で言い、そのまま手を引っ込めそうになった時……)
        (……待ち人の手が届いた)
        (冗談で流してしまおうかって思って作った笑顔は、ふっと消えてしまって)
        (薔薇色に染まった頬。嬉しさを隠し切れない瞳)

        (ヴェール越しに彼の顔が見えて、どきんと胸がまた高鳴る)
        (ステンドグラスの鮮やかな光に照らされた少女の影の中、見つめる青年)
        (とても明るくて優しいのに、とても深いところはずっと暗闇の中)
        (どこか危うくて、いつの間にか夢中で追いかけていた黒い瞳)

        ……ユーリのお父さんとお母さんの結婚式も、こんな感じだったの?
        じゃあそのまねっこをしよっか。そういうの、素敵よね。

        (初めて会ったときよりも少し低くなった気がする声で、彼が名前を呼んだ)
        (少女は闇に誘われるようにヴァージンロードの段をひとつ降りて、青年に近づく)
        (薄暗い闇の中、その姿は光るように白い)
        ……はい。
        (ひとつ返事をすると、光と同じように柔らかく、あたたかく微笑んで)
        (言葉の続きを待った)
        -- ジーニ 2013-09-28 (土) 15:42:41
      • (少女の瞳の中、揺らぐ感情、喜びの色。己の舌の上、触る甘い感触。)
        誓いの言葉とか、俺も知らないけど。
        いるのかわからない神様よりも、俺はお前に誓いたい。
        (降り注ぐステンドグラス越しの光彩は、少女へと白百合の色。青年へと暗い翼の色。)
        ここよりももっと崩れかけた、おやじの故郷でやったんだってさ。
        詳しい話は聞いてないけど。けど、うん。
        (それでも彼らは、未だに仲睦まじいと。言葉は続けぬまま。)
        (青年は、少女が己と同じ段へと降り立てば、膝をついた。)
        (握った繊手を両の手で包むようにし、額を寄せて。瞳を閉じる。)
        (深呼吸一度。そしてそれは、囁きかけるような。)

        お前がいれば俺はきっと病まず、悲しまず、貧することはない。
        (人としてあろうとする化け物であるが故に。)
        (人としての在り方を決めるのは、その心のみであるが故に。)

        だから。もしもお前が傍に居てくれるのなら。
        (額を少女の手から離し、そして暖かな微笑みを見上げて。)

        その代わりに、お前に全てを捧げたい。
        (薄闇の中、白く仄か浮かび上がるような相手へと、請うた。)

        お前だけを愛し、敬い、慰め、助けよう。
        (黒の瞳のその中心。揺蕩う色は血色の真紅。)

        いつか、死が二人を分かつまで。
        (死すらも曖昧なモノは。)

        一年か、百か、千か、あるいはそれよりもずっと長く。
        (死すら死する永劫へ向けて。)

        俺たち二人在る限り、真心を尽くすと誓う。
        (在ろうとする姿。己の定義。情報から為るに近い身を定める。)
        俺と一緒に歩いてくれ。ジーニ。 -- ユーリ 2013-10-07 (月) 23:48:38
      • (祭壇からひとつ下に降りた場所)
        (きらきら差し込むステンドグラスの光から遠ざかって、薄暗く)
        (ここからじゃ祭壇に…神様のいるに手が届かない)

        (でも、神様からも手が届かない)

        (二人がお互いに誓い合うのに、とても相応しい)

        (優しく囁く愛の誓いは形式にのっとったものではなく)
        (彼らしいまっすぐな言葉)
        (息苦しくなるくらいドキドキしているのに、心はとても優しい気持ちで満たされて)

        …ジーニも、ユーリに誓いたいな。
        (跪く青年を見下ろして微笑む)

        神様には、黒竜様には、もう旅行の時誓ってきたから。

        ユーリが全部くれるなら。ジーニも、スニェグーラチカも、全部あげる。
        そばにいるよ。
        悲しい時も、苦しい時も、お金がない時だって、病気な時だって
        つらい時は辛くなくなるまでずっと一緒にいてあげる。
        ずーっとね、ユーリが笑顔でいられるように頑張るから。
        だからずっと一緒に笑って生きていこう。
        (あどけなく、子供のように誓う)

        (………けれど)
        (ふいに、その歳よりも幼い笑顔はとても大人びたものになった)
        (ブーケを手放して、彼の頬へ………)

        (愛しげに見上げる、混沌の人)
        (大好きな黒い瞳の奥底に、少女の片目より尚紅い色)
        (紅は命の色。だけど、死の象徴の色でもある)
        (彼のすぐ傍に常にあるもの、死の匂い)
        (永遠に逃げられない。それも彼なのだから)

        (どんなに人のふりをしても、人にはなれない)
        (彼はこの事に苦しみ続けるだろう)
        (死すら死する永劫に)

        永遠に、私は貴方だけのものよユーリ。

        ………貴方が望むのなら、私は何にでもなるわ。
        死んだって、わかれられないくらいにユーリのこと愛してあげる。

        人の子のようにいたいのなら、人の子でいられるようにしてあげる。
        ずっと一緒に人のふりをしよう、ユーリ。

        (頬を撫でて、そして)
        (とても優しく囁く)

        でも………
        もし、いつか………人の子でいるのがどうしょうもなく苦しくなったら………。

        ………一緒に、ばけものになってあげるわ。

        だから、永遠に……貴方はジーニだけのものよ。
        (左右色違いの瞳には慕情。それは狂気にも似た、とても強い想い)



        (船の出港を告げる鐘の音が鳴り響く)
        (………もうすぐ、時間だ)



        (少女はまた元のあどけない笑顔に戻り、彼の唇に軽く触れた)

        えへへ……誓いの証、ちょうだい?
        -- ジーニ 2013-10-15 (火) 00:41:52
      • (少女の二面は青年の希望も絶望も手に入れようと。或いはそれは、貪欲に過ぎる愛の形。)
        (けれど、それはきっと、青年の死を少しでも遠ざける、少女の想い。)
        (少女の全てを欲しいと望む青年と、青年の全てを叶えようと望む少女と。)
        (青年は少女に誓い、少女は青年に誓う。)
        (這い寄るように青年から少女へと投げ掛けられた言葉。)
        (許しを与えるかのように少女から青年へと下された言葉。)
        (互いの間に揺蕩う誓い。瞳の中の熱と熱。交わされて融ける。)

        (それを揺らすのは、響く鐘の音。)
        (この島を象徴するような、海越え届かんと鳴る金音。)
        (旅立ちの時を告げるそれは、あるいは祝福の。ウエディング・ベルであったのか。)
        (教会の中。反響し、鼓膜を揺らす。)
        (青年は、唇に触れた柔らかな感触と少女の言葉に、微笑んで。)
        (両の手で握っていた、少女の右手から手を離す。)

        (代わり、ブーケを離し、こちらの唇へと触れていた少女の左手。)
        (それを己の左の手で受ければ、立ち上がると共に、身を折って。)
        (少女の繊手、その薬指へと口付けた。)

        (ちろり、と。舌先が、ジーニの肌を僅か舐めて。継いで、ふぅ、と小さく息を吹きかけた。)
        (身を起こし、青年の口元から離された時、少女の薬指、白い肌の上。)
        (気づけば薬指を一周取り巻く、金属の細い輪。)
        (青年の髪の色にも似た、白栗色。細かな文様の入った。)
        (そこから手を離した青年の左薬指にも、同じ色の輪。)
        (悪戯げな笑いを浮かべて、そして。そのまま青年の左手は少女の頬へと伸ばされた。)
        (手の中に触れる、柔らかな感触。)
        (こんなにも近くに。)

        (からん、からん、と。響く鐘の音の下。)
        (交わされ、揺蕩う誓いを定めるように。)
        (愛しい少女の頬を撫でて。)

        ありがとう。愛してる、ジーニ。

        (舌の上。感じる熱い甘さは、相手の恋情か、己の愛情か。)
        (わからないけれど、わからないからこそ、それは殊更に甘く。)
        (それを伝えようと、青年は少女へと口付けた。)

        (誓いはここに。)
        (ユーリ・カミクラの物語だった。)
        (そしてここからは、二人の。) -- ユーリ 2013-10-17 (木) 21:01:11
      • (誓い。つまりはキスを待ち、どきどき胸をときめかせていると)
        (とられて左手の方に唇が触れて…ちょっとだけくすぐったさ)

        (キスは左手の薬指だけかな?唇にしてくれないの?とう訪ねようとした時)
        (……視界に入る、自分の左手に)

        (………………………………………金と白のあいのこの色に光る、細い指輪)

        (繊細な模様。どこかあったかい、優しい色)

        ……あ…これ…っ…………!

        (左右色違いの瞳をまんまるくして、驚きと嬉しさで上手く声が出ない)
        (金魚みたいにぱくぱくしてるほっぺたに触れる大きな手にも、おそろいの色が光っていた)
        (見上げる瞳に涙が揺れる。こぼれそうな嬉しい涙)
        (自分の左手と右手、両方を重ねて)
        (薔薇色の唇がとても小さく「ありがとう」と囁く)

        綺麗…大事に、するねっ……!
        ジーニ、指輪の事なんて、今すっかり忘れてて…だから…びっくり…うれしー…
        (嬉しさを必死に伝えようとして、まとまりのない言葉)


        (……でも、それも)

        (”愛してる“)

        (彼の一言で、不意に途切れた)
        (その言葉をくれた唇が、今度こそ、少女の唇に触れる)

        (キャンディを口に入れているみたいに、甘くて蕩けそうな口付け)
        (そっと閉じた瞳から、一筋の涙がこぼれた)

        (少女の望むままの、誓いの証)
        (言葉で、形で、口付けで……これ以上何も思いつかないくらい、沢山の証を受け取って)
        (時間が止まったような静かな教会の中、唇をはなして、微笑みあう)

        exp026861.jpg

        あ、いけない。ずーっとこうしていたいけど、船が出ちゃう…!!
        ……行こう、ユーリ!
        (少女は青年の腕からするりと抜けると、赤いヴァージンロードを軽い足取りで走り、扉を開いた)
        (眩しい光が、教会に満ち溢れる)
        (白い少女の姿がその光を柔らかく受け止める)
        (あと一歩、光の中に入る前。後ろに手を組んで、振り返り)

        http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026862.jpg

        ジーニも、私も……愛してるわ、ユーリ!

        (見た目よりも幼い声が、教会に響く)
        (少女は無邪気な笑顔)

        (…………その笑顔はいつかの夏の終わりに見せたものに、よく似ていた)

        (そして、光の中を差し伸べた手を、青年が取る………………………………)




        (ひとりひとりの物語の終わり)
        (ここからは、夫婦となった二人の物語のはじまり)

        (二人は眩しい光の中に歩き出す)
        (光が眩しければ眩しいほどに、足元の影は深くて濃い闇が現れる)
        (常にその闇に足をとられ続け、苦しむかもしれないけれど……でも、ふたりなら、きっと)


        (きっと、ずっと、幸せに)


        -- ジーニ 2013-10-19 (土) 20:24:17
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相談欄   編集
お名前:
  • http://sma.itigo.jp/yuri/haikei.png
    • なぁ。こんなところで寝てたら、風邪引くぞ。
      (起きる気配の無い少女の姿に、少年は一度、むっとした顔をして。)
      (それから一度、ため息を吐いた。)
      しゃーないなぁ。……面倒見るのもお兄ちゃんの仕事だって、イチにいも言ってたし。
      (一言ぼやけば、少年は少女の前にかがみこんで。)
      (よっこいしょ、と。少女を背に負った。)
      お 重い 重い…… -- ―― 2016-09-30 (金) 23:56:22
      • (そして。)
        (少年は歩く。)
        (辺りの風景は移り変わる。)
        (森へ。岩山へ。砂漠へ。廃墟へ。草原へ。)
        (順繰りに順繰りに移り変わる中。)
        (少年は歩き続けている。) -- ―― 2016-10-01 (土) 00:00:17
      • (ゆらゆらと)
        (久しくなかった懐かしい感覚)

        (まぶたを開けると、見知った後ろ頭)

        …あれ…ゼンだ。
        迎えに来てくれたんです?
        珍しいーいつもはこういう役目イチにいさんなのに…。

        (むねむにゃとかろうじて聞き取れる言葉をつぶやいて)
        (そのまま降りずにもたれかかる)
        (迎えに来てくれて、おんぶまでしてくれて)
        (嬉しいのに、素直じゃない言い方をしてしまった)

        ねえ、ゼン。

        皆がね、わたしの名前言いにくいって言うんです。
        おばばもここの子になるなら名前を変えようかって
        ……でもここの子らしい名前って思いつかなくて。

        ……ゼンが何かいいの思いついたら、
        それにしてあげてもいいのです。
        -- 夢の子供 2016-10-01 (土) 00:01:31
      • お前ほんとに偉そうなのな。
        まったくもってまったくもう……
        (ぶちぶちと呟きながら、少年は少女を背負いなおして)
        ここらしい名前って、そんなの誰かについてるだろ。
        かぶっちゃうじゃん。だめじゃん。
        お前の名前、長いんだよ。
        みんな、呼びづらいんだ。だから、つけるなら、短いやつで、えっと――……
        (数瞬の沈黙の後。) -- ―― 2016-10-01 (土) 00:03:37





      • 『シータ』




        -- ―― 2016-10-01 (土) 00:04:08
      • (いつかの残響が、呟いた気がした。)
        (足音が聞こえる。)
        この間イチにいが、木の高さを測るときに、言ってた。
        シータはどんな数字でもいいんだって。
        何になっても、θはシータなんだってさ。すごい字なんだ。
        それで、シータが変われば、木の高さも、あの丘までの距離も、全部変わるんだって。
        (少年と少女二人分の体重のかかった、足音。)

        (実際にそんな意味があるわけじゃない。)
        (XでもAでもNでも。代数記号であれば、なんでも良いのだ。)
        (幾何学では角度の意味で、その文字が使われているというだけ。)

        (けれど少年の中に、その言葉は”その意味”をもって在って。)
        (だから少女に、その名をあげた。)

        -- ―― 2016-10-01 (土) 00:05:06
      • だからさ。シータ。

        (そして夜が訪れて。)

        別に周りのこと気にしなくたってさ。

        (二人の周りに昼が巡って。)

        シータも好きなようにしたらいいんだよ。

        (いつしか朝は遠くへ去って。)

        お前が全部変えるんだって思ったらいいんだ。

        (天星が空を流れ落ち。)

        もう、うち来たときと違って、首輪に鎖はついてないだろ。

        (月明かり注ぐその場所を越えて。)

        だから。だから、シータ。

        (いつしかその場所へ辿り着いた。)

        もう目覚まし時計のベルを止めて、歩きださなきゃいけないんだ。 -- ―― 2016-10-01 (土) 00:06:25




      •   -- 2016-10-01 (土) 00:06:53
      • (暗い暗い森の中。青年は、木に寄りかかって眠る少女を見下ろして。)

        おはよう、シータ。 -- ―― 2016-10-01 (土) 00:07:38
      • (ゼンの肩越しに巡る季節が見えた)
        (それはいつか見た景色)
        (雪と呪いから逃れ、星空の下たどり着いた理想郷の……)

        (……)

        (流れていた涙の冷たさと、青年の声に目を覚ました)

        …あれ…イチ兄さん。

        (小さな手で目をこすってあわてて起き上がる)
        (泣いていたなんて恥ずかしい)

        お、おはようございますっ!
        迎えに来てくれたんです?
        ごめんなさい、眠っちゃったせいですっかり遅くなっちゃった…!
        お母さんのご飯がさめてしまうってまたゼンに怒られちゃう!

        ゆ、夢を見てたのです。
        ゼンに名前をもらった時の… ……

        (照れ隠しをするようにいきおいよく立ち上がって)
        (杖を取った)



        (カチ、と金属音)
        (杖の先についた飾りのわっかが揺れる音)


        (それは夢の子の杖でなく、ゼンの持っていたものと同じ)
        -- 夢の子供 2016-10-01 (土) 00:09:08
      • (小さな子供は)
        (赤い民族衣装を着た少女へと変わり……)

        (年頃の少女らしく伸びた手で、その杖を胸に抱いた)

        ……夢を見ていました。
        理想郷に住む少年に、ゼンにあの名前をもらって、
        生まれ変わった日の。

        ……懐かしくて、幸せで、もう戻れない、悲しい夢。

        ……夢を見ていました。
        子供の姿で、あきらめたはずの塔を旅する夢。

        自分で決めたんです。スニェグーラチカに戻ろうって。
        でも苦しくて、森の中で神様はいつもひとりぼっちで……。
        ……気がついたら、子供の姿で…ここにいたの。

        (体のむこうに景色が透ける。本体ではない。幻のような姿)

        好きなものに、なってもいいのでしょうか。
        私は…シータになって…

        …また、あなたを追いかけてもいいの……?

        ……ゼン
        -- シータ 2016-10-01 (土) 00:10:38
  • (少女の幻影の姿に、青年は目を閉じて。)
    (数瞬の沈黙。)

    全ては。

    (ぽつり呟き、目を開く。)

    全ては失われた。
    過去は代謝され、幾度もの繰り返しも消失した。
    幾千、幾億の生も、死も、その二つの間にあったものも。

    (事実だけを告げる声は、ただ静かで。)

    けれど、シータ。

    (青年は腰元に手をやった。)

    その中で、過去無き今で。

    (差し出された、マニ車。)

    お前は、何を願う。 -- ―― 2016-10-02 (日) 21:38:05

  • (杖についた、くすんだ色のリボンが風に揺れる)

    (目の前にいるのはイチ兄さんだ)
    (幼心に憧れて、彼がいなくなってからずっとあいたいと願っていた)
    (でも、記憶にいるあの人と、どこか違う)

    でも…でもあなたは私に名前をくれたの。
    それはゼンにしかできないことなのです。

    (ここにいるのは誰だろう)
    (知っているのに知らない人)
    (あいたかった人だけど)
    (あいたかった人じゃない)

    私は夢の続きを見ているのでしょうか。

    (でも、確かに)
    (大切な人)

    (私に名前をくれた人)


    イチ兄さんの姿をした、兄さんでもゼンでもないあなた。
    あなたにまた名前をもらえたから、私はもう大丈夫。

    ……私の願いは

    (抱きしめていた杖を大地に突き立て、マニ車に右の手を伸ばす)
    (ひとつまわして、来世の幸せを祈る、子供のおもちゃによく似たもの)

    (それに近づくごとに、呪いの紋様が消えてゆく…)
    (繰り返しで積み重なった神の呪いが、解かれてゆく…… …)



    ……ゼンにまたあえます様に。



    (たった一つ、手の甲に小さな黒いあざだけが残った手で)
    (からん、とマニ車を回した)


    森から出て、きっとまたあいに行きます。
    あなたにまた名前をもらえたから、私はもう大丈夫。

    過去には戻らない。幸せな頃をもう求めない。
    私は私の罪をしりたい。知らないまま幸せになりたくない。
    ……失ったものの傷を抱えて、生きていきたい。

    そして…許されるなら……

    ……今度こそ、ゼンとほんとの家族みたいに、一緒に旅をしたい。


    (いつの間にかまた涙がこぼれていて、隠すこともできなくて)
    (恋焦がれた青年を見上げて、ぎこちなく笑った)

    都合のいい願い事すぎますでしょうか。
    でも、いいですよね、夢なんだから。
    -- シータ 2016-10-02 (日) 22:31:57
  • (廻らぬはずのマニ車が回った。)
    (青年は笑う。)

    いいんだよ、都合が良くて。

    (少女の涙を拭うこと無く。)

    これはお話なんだ、シータ。

    (かつて少年と少女の前に在った、青年のままに。)
    (けれど、何処か違うと。少女にそう判る笑顔で。)

    お前が主役のお話だ。
    世界は都合良く出来ているし、ハッピーエンドがきっと待っている。

    (そして、手を伸ばした。)
    (地面に突き立てられた杖を、掴んで。)

    シータ。俺の識っている、俺の知らない君よ。

    (肩に杖を担いだ姿。少年の影はもう重ならない。)

    シータ。俺を知っていて、俺を識らない少女よ。

    (よく知っていて、知らない目前の相手を、青年は見下ろしながら。)

    なぜならお前はここに居る。
    お前が、己を見失わない限り。
    その影に縛られて、”在ろう”としない限り。
    世界の在り方を決めるのはお前なんだ。

    (不意に、森の中、風が吹いた。)
    (杖に巻かれたリボンが宙を泳ぐ様、恰も雲が棚引くようで。)

    そして、お前がこれを。
    失われた杖を、心の中に持ち続けていたのであれば。

    (糸紡ぎ、幾重にも折り重ね、それは。)
    (刻み刻む。連なる糸の束、さらに連ねて描き出す。)
    (記録を残そうと、誰かが作り上げた薄膜。ソノシートのように。)

    今のお前が、過去を思い出すのなら。
    過去はここから、広がるんだ。

    (リボンは風に靡き、伸びて、広がって。)
    (織り糸が解けるように、幾筋にも、幾筋にも。)

    さようならシータ。俺が嘗て救えなかった君よ。

    (気づけば、少女の後ろに在った筈の。)
    (寄りかかり、眠っていた筈の木は消えていて。)
    (其処には。)

    もしもお前が、何処かに居るあいつを、諦めないのであれば。
    俺を、よろしくな。

    (笑った青年の瞳の中に映り込んだもの。)
    (果てのない水面。)
    (気づけば森のさざめきとすり替わっていた、水音。)
    (強い風が一度。湖面を震わせる。)
    (それは少女の身体を煽って。)
    (湖面へと、軽い身体を倒れさせる。)

    (仰向けになった少女の瞳に映るもの。)
    (山で見た、空の青。)










    (目覚めた少女の手の中に、マニ車一つ。) -- ―― 2016-10-07 (金) 23:09:35

  • http://sma.itigo.jp/yuri/01.png 

    ……違う、私はずっとあなたに救ってもらってた…!
    何度も、何度も、数え切れないくらいに……!!

    (もう声は届かない)
    (それでも)

    だから生きていけたの。呪いすら必要なものだったと思えたの……!!

    (湖が鏡のように空を映す)
    (空と空の間でマニ車がまわる。時間を進めるために)

    http://sma.itigo.jp/yuri/02.png 

    (あんまりにも綺麗で、泣き出してしまって)

    (どうして泣くのかわからなくて戸惑っているゼンが)
    (シータ、とつけたばかりの名前で私を呼ぶ)

    (あの時、ここで自由に生きていいと神様にも言ってもらえた気がして)
    (うれしくて泣いたの、そう伝えるのもできないくらいにわんわん泣いた)


    (私の神様は貴方でありゼンだった)
    (自由に生きていいのだと言ってくれた、青い空)









    (それから)

    (目が覚めるとマニ車だけがそこにあって、森に光が入っていた)
    (昼間でも暗闇の中にいるようだった森が、雪と陽の光で眩しい位に輝いている)
    (森の神としての力で鎮め続けていた魔力を持つ森が、ただの森に変わっていたのだ)

    (眩しい光をさえぎろうと伸ばした右手の甲に、呪いの印の紋様が小さく一つだけ)

    (その日のうちに森を出た)

    (もうここにいてもできることは何もない)
    (神殺しの女として処刑されるくらいしか……)


    ……ああ。ふふっ…まるで最初に国を出た時と同じですね。

    (懐にまわらないマニ車を抱えて、雪を踏みしめながら歩く)
    (マニ車はいつの間にか動かなくなっていた。自分の怪力をもってしてもびくともしなくて)

    ……でもあの時とは違う。

    (逃げるんじゃない。私は自分の意思でここを出て行くの)

    私はシータ。好きなものになれる名前をもらったの。
    それならば、貴方の家族になりたいと願うのです。


    (諦めなければ、逢えるとあの人は言った)
    (それをただ信じて)

    よろしくと頼まれてしまいましたしね…。

    (自分の力で歩いていこう)


















    あはは、子供みたいな髪型だってよく言われますよう。
    でもいいの。私はずいぶん歳をとってしまったから、
    髪型だけでも同じにしておかないと兄が気づかないかなって…。

    無花果のドライフルーツもわけてもらえます?ええ、あとオリヤの葉と…

    (独特のスパイスの香る賑やかな町)
    (周りと肌の色も顔立ちもまったく違う異邦人の女が、行商人に金を差し出した)

    http://sma.itigo.jp/yuri/03.png 

    (少年の返事があった…聞きなれた声で)
    (弾かれた様に女は振り向く)
    http://sma.itigo.jp/yuri/04.png 
    -- シータ 2016-10-17 (月) 22:23:15

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  • http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079485.gif 黄金暦251年 4月(港近くの古い教会)
    • (北の雪国へ向かうために待ち合わせ。旅行の時と同じように船で行くことになったのだった)
      (恋人には事前に待ち合わせの場所と時間を送っておいた。白い上品な封筒と手紙で)

      「港の近くの古い教会で待っています。ちょっとだけいい服で来てね?」 -- 2013-09-03 (火) 02:10:00
      • (ようやく馴染んできた新しい店を引き払って、扉に貼ってある売り出し中の張り紙を撫でると少女は教会へ向かう)
        (手には大きなトランク。ぎゅうぎゅうにつまっているから酷く重い。それを片手で持っているのだからよたよたしてる)
        (もう片方の手には別のもの……白くて、かわいくて、綺麗で、いい匂いなの)

        (たどりついたのはもう神父すらいない古い教会。手入している信者のおばあさんに、鍵を開けてもらう)
        (教会の中には、その木造の建物と同じくらい古いデザインの大きなステンドグラスがあった)
        (百合を抱いた天使。ただその翼は白いものではなく青みがかった黒いもの。身に纏っている服もそうだ)
        (一見禍々しくも見えるけれど…少女にとってはとても馴染みのある色。黒は神様の色だからと、子供の頃から教わってきた)
        (そんなステンドグラスの前に、白いワンピース姿に白いヴェールを被った少女が立っている)

        (両手に、白くて、かわいくて、綺麗で、いい匂いの……ブーケを持って)
        -- ジーニ 2013-09-03 (火) 02:11:07
      • (色々な事を抜けて。青年は道を歩く。)
        (頬に出来た擦過傷を親指で撫でれば、指の通った後、肌は傷を消して。)

        (ジャケットの肩を払った。ツィードの生地の上から汚れが払われると同時。)
        (服が僅かに揺れたように見えて、破れ、解れた布地が元の通りに。)

        (そしてジャケットの裾から、右手を背へと差し入れる。)
        (手を引き抜いたと同時。そこには小さなサイズの、革のボストンバッグが握られていた。)

        (港近くのこの場所。旅立ちの客を対象としたであろう店、道端のショーウインドウの中。)
        (映り込んだ己の姿を見て、髪をぐしぐしと整えて。)
        (ボタンダウンの胸元、何となく落ち着かなさそうに触れた。)

        (息を吸って、吐いたと同時。)
        (足を撫でるウール生地の感触を感じながら、最後の一歩で足を止めた場所。)
        (木造の古い教会が、そこにあった。)
        (なんとはなしに、見上げる。)
        入った瞬間に足先から消えたりしたら、なんだろ。笑うな。
        (神様は化物を見逃してくれるだろうか、なんて馬鹿げたことを思って。)
        (小さく笑いながら、教会の扉に手をかけた。)

        ジーニ。
        (開いた扉の向こう側。教会の床を、消えないままの靴底が叩く。)
        (愛しい少女の名を呼んだ声が、反響した。)
        (求めた姿は、探すまでもなくて。黒の目立つ、教会の中。唯一白い、雪百合の色に覆われて在る。)
        (薄布、ヴェールの向こう。その瞳を見ながら、青年は微笑んだ。)
        悪い、遅くなった。 -- ユーリ 2013-09-09 (月) 00:46:28
      • (扉が開かれる木の軋む音。虹色の薄い光の中、振り返る)
        (待ち望んでいた人がそこにいた。お願いしたとおり、いつもよりもちょっとフォーマルな姿で)
        (見慣れない姿。でも良く似合っていて、そんなんだからドキドキしてしまって、一瞬言葉に詰まってしまった)
        …えへへ。いいよ、船が出るまでまだまだ時間はあるし。
        それに…
        (理由はなんとなく、わかるから)
        (そう続けようとして、やめた)

        (青年がそれを隠そうとする限りは、知らないふりをしようと決めていたから)

        (人ではないもの、狩人に追われる身)
        (そんな存在が同じ場所にずっととどまればどうなっていくのか少女にも想像できる)
        (ただの人のように暮らすのは、心が磨り減ってしまうような努力が必要)
        (今までどんな風に生きてきたかも教えてもらっていた)

        (無理やりにでも四六時中傍にいて彼を守ろうかと考えた事もあったけれど)
        (そうしたら自分を守るためにさらに普通の人として振舞えなくなってしまう気がして)
        (だから彼が普通の人間のふりができるように、知らないふり)
        (扉を開けて、笑顔を見せてくれるのを信じて待つ生活が続いていた)

        (けれど、そんな生活ももう終わり)

        (今日からはずっと一緒)


        (ステンドグラスの下、少女は小さな祭壇の前で右手を差し出す)
        (左手には結婚式で勝ち取ってきたブーケ。はにかみ笑顔で)

        ユーリ、ジーニと結婚式ごっこしよ?
        立会人も神父様もいないけど、二人で。

        向こうに行ってからでも良かったんだけど…やっぱり、ここでそれっぽいことしておきたいなって。
        もうひとつの故郷の、この町で。

        (普通に式をと考えてもいたけれど…人を呼んで目立ったら、ユーリがまた危険な目に合うんじゃないかって思ってやめにした)
        (事前にこのことを言ったら色々気にするかなと、彼にも詳しくは言わないでおいた)
        (本当にささやかな、子供みたいなごっこ遊びで少女は十分だったから)
        -- ジーニ 2013-09-15 (日) 07:47:48
      • (少女の姿は、己の格好よりも余程教会に相応しく。)
        (けれど青年の表情に驚きの色がなかったのは、それを予想していたからか。)
        (ほにゃっといつもの様に笑ってこちらを許すジーニへと、ありがとう、と一つ礼を告げれば。)
        (教会の硬い床、青年の靴底が叩く。)

        (左右、普通の建物とは異なる建築様式。)
        (なんだか、場違いとも感じてしまうその場所が擽ったくて。)
        (まだ少女の元へたどり着くには、入り口からの半ば辺り。)
        (少しばかり、歩みが遅くなった。)
        (そこへ差し伸ばされた、少女の手。)
        (こちらを招くような。いや、誘うその仕草。)
        (青年は、眉を上げて。それから、微笑んだ。)
        (何となく己の中にあった小さな萎縮など、この少女が誘うのであれば、灰の如く散る。)
        (手の中のバッグを近くの椅子へと置いて、再び少女へ向けて歩みを進めて。)
        (そんな青年へ向けて、伸ばされた手を追った、少女の言葉。)
        (それを聞けば。向けられた笑顔を見れば。)
        (青年は、笑った。悲しさ、申し訳なさ。そんなものの入り混じった苦さを、喉の奥へと押し込んで。)
        はは。ごっこ、か。…ごめんな、ジーニ。
        (普段は、謝ることはやめようと決めていたけれど。)
        (今だけは、謝罪の言葉一つ。それはきっと、女性にとっては特別なものだと思えたから。)
        (そしてそこでようやく、青年は少女の前へと辿り着いた。)
        (はぁ、と。深く息を吐きだして。)
        親父と母さんに怒られるな。こんなとこまで真似なくていい、って。
        (後頭部をかりかりと掻きながら、眉間に皺を寄せ、口をへの字に曲げて。)
        (気まずそうに俯いてから。一拍の間。)
        (息を吸い込むと同時、青年は顔を上げて、右の手を伸ばした。)
        (祭壇の、少女より一段低い所から。)
        (まるで、尊い人を、低き場所へと誘うように。)
        (昔話に語られる、人を闇へと引きずり込む、化物のように。)
        (こちらへと伸ばされた少女の手を掴む。)
        ジーニ。
        (名を呼んだ。他に代えられぬその響きを。) -- ユーリ 2013-09-23 (月) 01:29:49
      • (こんなことしなくったって、誓いはもう十分沢山立ててもらっていたし)
        (自分のただのわがままなだけなのに、ユーリがごめんって言うこともわかっていたのに)
        (ブーケに少しだけ顔を隠して)

        …謝らなくていいのに。ジーニのわがままなんだから。
        (やっぱり、我慢すればよかったかな)
        (俯くユーリを見て、ほんのり後悔)
        本当に、本当に、ちょっとだけの思いつきだからっ
        そ、そんなにきにしなくてもいいのよ?
        誓いの言葉とか、ジーニ調べてきてないしっ…ほ、ほんとに、てきとうで……!
        (慌てて明るい声で言い、そのまま手を引っ込めそうになった時……)
        (……待ち人の手が届いた)
        (冗談で流してしまおうかって思って作った笑顔は、ふっと消えてしまって)
        (薔薇色に染まった頬。嬉しさを隠し切れない瞳)

        (ヴェール越しに彼の顔が見えて、どきんと胸がまた高鳴る)
        (ステンドグラスの鮮やかな光に照らされた少女の影の中、見つめる青年)
        (とても明るくて優しいのに、とても深いところはずっと暗闇の中)
        (どこか危うくて、いつの間にか夢中で追いかけていた黒い瞳)

        ……ユーリのお父さんとお母さんの結婚式も、こんな感じだったの?
        じゃあそのまねっこをしよっか。そういうの、素敵よね。

        (初めて会ったときよりも少し低くなった気がする声で、彼が名前を呼んだ)
        (少女は闇に誘われるようにヴァージンロードの段をひとつ降りて、青年に近づく)
        (薄暗い闇の中、その姿は光るように白い)
        ……はい。
        (ひとつ返事をすると、光と同じように柔らかく、あたたかく微笑んで)
        (言葉の続きを待った)
        -- ジーニ 2013-09-28 (土) 15:42:41
      • (少女の瞳の中、揺らぐ感情、喜びの色。己の舌の上、触る甘い感触。)
        誓いの言葉とか、俺も知らないけど。
        いるのかわからない神様よりも、俺はお前に誓いたい。
        (降り注ぐステンドグラス越しの光彩は、少女へと白百合の色。青年へと暗い翼の色。)
        ここよりももっと崩れかけた、おやじの故郷でやったんだってさ。
        詳しい話は聞いてないけど。けど、うん。
        (それでも彼らは、未だに仲睦まじいと。言葉は続けぬまま。)
        (青年は、少女が己と同じ段へと降り立てば、膝をついた。)
        (握った繊手を両の手で包むようにし、額を寄せて。瞳を閉じる。)
        (深呼吸一度。そしてそれは、囁きかけるような。)

        お前がいれば俺はきっと病まず、悲しまず、貧することはない。
        (人としてあろうとする化け物であるが故に。)
        (人としての在り方を決めるのは、その心のみであるが故に。)

        だから。もしもお前が傍に居てくれるのなら。
        (額を少女の手から離し、そして暖かな微笑みを見上げて。)

        その代わりに、お前に全てを捧げたい。
        (薄闇の中、白く仄か浮かび上がるような相手へと、請うた。)

        お前だけを愛し、敬い、慰め、助けよう。
        (黒の瞳のその中心。揺蕩う色は血色の真紅。)

        いつか、死が二人を分かつまで。
        (死すらも曖昧なモノは。)

        一年か、百か、千か、あるいはそれよりもずっと長く。
        (死すら死する永劫へ向けて。)

        俺たち二人在る限り、真心を尽くすと誓う。
        (在ろうとする姿。己の定義。情報から為るに近い身を定める。)
        俺と一緒に歩いてくれ。ジーニ。 -- ユーリ 2013-10-07 (月) 23:48:38
      • (祭壇からひとつ下に降りた場所)
        (きらきら差し込むステンドグラスの光から遠ざかって、薄暗く)
        (ここからじゃ祭壇に…神様のいるに手が届かない)

        (でも、神様からも手が届かない)

        (二人がお互いに誓い合うのに、とても相応しい)

        (優しく囁く愛の誓いは形式にのっとったものではなく)
        (彼らしいまっすぐな言葉)
        (息苦しくなるくらいドキドキしているのに、心はとても優しい気持ちで満たされて)

        …ジーニも、ユーリに誓いたいな。
        (跪く青年を見下ろして微笑む)

        神様には、黒竜様には、もう旅行の時誓ってきたから。

        ユーリが全部くれるなら。ジーニも、スニェグーラチカも、全部あげる。
        そばにいるよ。
        悲しい時も、苦しい時も、お金がない時だって、病気な時だって
        つらい時は辛くなくなるまでずっと一緒にいてあげる。
        ずーっとね、ユーリが笑顔でいられるように頑張るから。
        だからずっと一緒に笑って生きていこう。
        (あどけなく、子供のように誓う)

        (………けれど)
        (ふいに、その歳よりも幼い笑顔はとても大人びたものになった)
        (ブーケを手放して、彼の頬へ………)

        (愛しげに見上げる、混沌の人)
        (大好きな黒い瞳の奥底に、少女の片目より尚紅い色)
        (紅は命の色。だけど、死の象徴の色でもある)
        (彼のすぐ傍に常にあるもの、死の匂い)
        (永遠に逃げられない。それも彼なのだから)

        (どんなに人のふりをしても、人にはなれない)
        (彼はこの事に苦しみ続けるだろう)
        (死すら死する永劫に)

        永遠に、私は貴方だけのものよユーリ。

        ………貴方が望むのなら、私は何にでもなるわ。
        死んだって、わかれられないくらいにユーリのこと愛してあげる。

        人の子のようにいたいのなら、人の子でいられるようにしてあげる。
        ずっと一緒に人のふりをしよう、ユーリ。

        (頬を撫でて、そして)
        (とても優しく囁く)

        でも………
        もし、いつか………人の子でいるのがどうしょうもなく苦しくなったら………。

        ………一緒に、ばけものになってあげるわ。

        だから、永遠に……貴方はジーニだけのものよ。
        (左右色違いの瞳には慕情。それは狂気にも似た、とても強い想い)



        (船の出港を告げる鐘の音が鳴り響く)
        (………もうすぐ、時間だ)



        (少女はまた元のあどけない笑顔に戻り、彼の唇に軽く触れた)

        えへへ……誓いの証、ちょうだい?
        -- ジーニ 2013-10-15 (火) 00:41:52
      • (少女の二面は青年の希望も絶望も手に入れようと。或いはそれは、貪欲に過ぎる愛の形。)
        (けれど、それはきっと、青年の死を少しでも遠ざける、少女の想い。)
        (少女の全てを欲しいと望む青年と、青年の全てを叶えようと望む少女と。)
        (青年は少女に誓い、少女は青年に誓う。)
        (這い寄るように青年から少女へと投げ掛けられた言葉。)
        (許しを与えるかのように少女から青年へと下された言葉。)
        (互いの間に揺蕩う誓い。瞳の中の熱と熱。交わされて融ける。)

        (それを揺らすのは、響く鐘の音。)
        (この島を象徴するような、海越え届かんと鳴る金音。)
        (旅立ちの時を告げるそれは、あるいは祝福の。ウエディング・ベルであったのか。)
        (教会の中。反響し、鼓膜を揺らす。)
        (青年は、唇に触れた柔らかな感触と少女の言葉に、微笑んで。)
        (両の手で握っていた、少女の右手から手を離す。)

        (代わり、ブーケを離し、こちらの唇へと触れていた少女の左手。)
        (それを己の左の手で受ければ、立ち上がると共に、身を折って。)
        (少女の繊手、その薬指へと口付けた。)

        (ちろり、と。舌先が、ジーニの肌を僅か舐めて。継いで、ふぅ、と小さく息を吹きかけた。)
        (身を起こし、青年の口元から離された時、少女の薬指、白い肌の上。)
        (気づけば薬指を一周取り巻く、金属の細い輪。)
        (青年の髪の色にも似た、白栗色。細かな文様の入った。)
        (そこから手を離した青年の左薬指にも、同じ色の輪。)
        (悪戯げな笑いを浮かべて、そして。そのまま青年の左手は少女の頬へと伸ばされた。)
        (手の中に触れる、柔らかな感触。)
        (こんなにも近くに。)

        (からん、からん、と。響く鐘の音の下。)
        (交わされ、揺蕩う誓いを定めるように。)
        (愛しい少女の頬を撫でて。)

        ありがとう。愛してる、ジーニ。

        (舌の上。感じる熱い甘さは、相手の恋情か、己の愛情か。)
        (わからないけれど、わからないからこそ、それは殊更に甘く。)
        (それを伝えようと、青年は少女へと口付けた。)

        (誓いはここに。)
        (ユーリ・カミクラの物語だった。)
        (そしてここからは、二人の。) -- ユーリ 2013-10-17 (木) 21:01:11
      • (誓い。つまりはキスを待ち、どきどき胸をときめかせていると)
        (とられて左手の方に唇が触れて…ちょっとだけくすぐったさ)

        (キスは左手の薬指だけかな?唇にしてくれないの?とう訪ねようとした時)
        (……視界に入る、自分の左手に)

        (………………………………………金と白のあいのこの色に光る、細い指輪)

        (繊細な模様。どこかあったかい、優しい色)

        ……あ…これ…っ…………!

        (左右色違いの瞳をまんまるくして、驚きと嬉しさで上手く声が出ない)
        (金魚みたいにぱくぱくしてるほっぺたに触れる大きな手にも、おそろいの色が光っていた)
        (見上げる瞳に涙が揺れる。こぼれそうな嬉しい涙)
        (自分の左手と右手、両方を重ねて)
        (薔薇色の唇がとても小さく「ありがとう」と囁く)

        綺麗…大事に、するねっ……!
        ジーニ、指輪の事なんて、今すっかり忘れてて…だから…びっくり…うれしー…
        (嬉しさを必死に伝えようとして、まとまりのない言葉)


        (……でも、それも)

        (”愛してる“)

        (彼の一言で、不意に途切れた)
        (その言葉をくれた唇が、今度こそ、少女の唇に触れる)

        (キャンディを口に入れているみたいに、甘くて蕩けそうな口付け)
        (そっと閉じた瞳から、一筋の涙がこぼれた)

        (少女の望むままの、誓いの証)
        (言葉で、形で、口付けで……これ以上何も思いつかないくらい、沢山の証を受け取って)
        (時間が止まったような静かな教会の中、唇をはなして、微笑みあう)

        exp026861.jpg

        あ、いけない。ずーっとこうしていたいけど、船が出ちゃう…!!
        ……行こう、ユーリ!
        (少女は青年の腕からするりと抜けると、赤いヴァージンロードを軽い足取りで走り、扉を開いた)
        (眩しい光が、教会に満ち溢れる)
        (白い少女の姿がその光を柔らかく受け止める)
        (あと一歩、光の中に入る前。後ろに手を組んで、振り返り)

        http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026862.jpg

        ジーニも、私も……愛してるわ、ユーリ!

        (見た目よりも幼い声が、教会に響く)
        (少女は無邪気な笑顔)

        (…………その笑顔はいつかの夏の終わりに見せたものに、よく似ていた)

        (そして、光の中を差し伸べた手を、青年が取る………………………………)




        (ひとりひとりの物語の終わり)
        (ここからは、夫婦となった二人の物語のはじまり)

        (二人は眩しい光の中に歩き出す)
        (光が眩しければ眩しいほどに、足元の影は深くて濃い闇が現れる)
        (常にその闇に足をとられ続け、苦しむかもしれないけれど……でも、ふたりなら、きっと)


        (きっと、ずっと、幸せに)


        -- ジーニ 2013-10-19 (土) 20:24:17
  • http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079485.gif
  • http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079485.gif 黄金暦250年 12月(真夜中。もうすぐ外が少し明るくなる時間)

    • exp026519.jpg
      (真冬なのに汗だくになった体を綺麗に拭いて、部屋の薪ストーブに火を入れる)
      (部屋があったまるまでベッドに避難)
      (下着は汚れてしまったから、二人は裸のまま毛布に包まっていた)
      (今更すごく恥ずかしくなったので、ストーブの明かり以外は消してしまった)


      ……ん…ストーブつけなくてもユーリがあったかいからいいかも…まだ上手く、動けないし。
      (もぞもぞ動いて、ユーリの横で頬杖をつく。つんつんと恋人のほっぺをつっつきながら)
      えへへ…これで全部、ジーニはユーリのものだね?嬉しい…ユーリも、ジーニのなの。
      (恥ずかしいことを言って、つっついてたほっぺにキス)
      (照れ笑いで頬を赤くして、その後もじもじ、しばらくいいにくそうにしてから、口を開く)
      あ、あのね……今日は、ほんとは、話したいことあったの。
      卒業したら…ジーニね、北の雪国に帰ろうと思ってて……ほにゃほにゃ…。
      (その上にさらに何かあるのか、まだまだもじもじ)
      -- ジーニ 2013-07-20 (土) 20:36:23
      • (ゆらゆらと揺れる炎が照らす部屋の中。)
        (外は静かで、耳に届くのはストーブの中、薪の時折爆ぜる音。)
        (身体を綺麗に拭っている時もそう思い、二人毛布の中でもそう思うこと。)
        (着飾らねば可愛くない、などと言っていた、己の隣の少女だけれど。)
        (身ひとつの姿でさえ可愛らしく見えるし、それを見ることが出来るのが、なんとなく、いや。嬉しい。)

        人が二人いる、ってだけで、部屋って随分暖かくなるしな。…あー、えと。
        (少女を動きづらくしたのは己である。けれど、いう言葉は「ごめん」ではないだろうし、礼の言葉であるはずもなくて。)
        (笑んだ少女に頬を突かれつつ、むむむ、と唸って。結局何も言えないまま。)
        (指の代わりに触れた唇。青年も少し笑った。)
        等価交換、っていうには少し俺がもらいすぎてる気がするけど。これ以上は財布も空っぽだぞ。あげられるもんないぞ。
        (冗談めかしてそんな言葉。)
        (間近の少女から言われた言葉に、ん、と少し眉を上げて、言葉を待って。)
        (もじもじとしながら告げられた言葉を、うん、と頷いて聞いて、から。)
        (続かないそれに、口をへの字にして。)
        言いたいことがあったらちゃんといいなさい。
        (毛布の上から、少女の頭をぐしぐしと撫でる。) -- ユーリ 2013-08-02 (金) 22:26:29
      • (青年のささやかな葛藤に気付かないで、くすくす笑う)
        …ジーニのほうがいっぱいもらってると思っているのだけどな?…魔王から助けてもらって、好きになってもらって。
        だから、おあいこなのかも。ふふっ
        (この体温からちょっとでも離れるのが寂しくて、くっついたまま)
        (二人の将来の話、大事なことだからどう伝えようか迷ってしまって)
        (さらに今更の気恥ずかしさもどんどん積もって言葉に詰まると、頭を撫でられる。わんこみたいにされたので髪がもしゃもしゃ)
        (もつれた髪のままこくんとひとつ頷いて、決心)
        う、うんっ…あのね…ジーニは、故郷に行ったらミハイロフのお家を継ぐつもりなの。
        ユーリも一緒に来て欲しいの。その……じ、ジーニの、こ、婚約者と言う扱いになると思うので。そのつもりで。
        (ずっと傍にいるって誓った仲だから、プロポーズのようなものも通り過ぎているはずなんだけれど)
        (間柄を言葉にするとどきどきしてしまって、言いにくそうにしていたのはこのせい)

        (伝えたらようやく胸のドキドキが収まってきた。さらに本題は、ここからなのだ)
        ミハイロフのお家を継いだら、ジーニ達北の雪国からめったに出られなくなっちゃうの。
        でもそんなの嫌だし、ユーリと一緒に色んなとこ行ってみたいし、でもでも、ジーニのせいで誰かに当主を押し付けるの嫌だし。
        ミハイロフの当主としての責任を果たしつつ、ユーリと自由になるにはどうしたら……ってずっと考えてたの。
        …………それで、ひとつ作戦を思いついたの。
        当主になったらまずお城で盛大なお披露目のパーティがあってね、
        その後当主は国の地下に張り巡らされた守護魔法陣に魔力を注いで天災から国を守る儀式をするの。
        一度やれば100年以上何もしなくても魔法陣は安定する。
        その間はジーニ達お外でいっぱい自由を満喫したって大丈夫ってことなの。
        だから、儀式が終わったその時に………………
        (真剣にユーリの瞳を見上げ、そしてにっこり微笑む)

        …………ユーリ、ジーニを殺してくれる?

        正確には、殺したふり。あとそのせいでユーリ100年位お尋ね者になるけど……えへへ。
        -- ジーニ 2013-08-03 (土) 00:01:53
      • (己が乱した少女の髪を、指で梳いてから、指先でちょいちょいと整えて。)
        (言いよどんだ少女から、告げられた言葉。)
        …………。
        (婚約者、という言葉を聞けば、青年は一瞬硬直して。)
        (あー、とか、えー、とか、そういうなんとも言いがたい唸り声を小さく吐いた後で。)
        ……親戚同士の顔合わせとかあったら、俺の親は死んだということで一つ。
        (中学校の授業参観前の如き台詞を吐いて、少女のどきどきとは反対に達観した表情。)
        でもなんかジーニのとこ名門っぽいしな…馬の骨扱いされるんじゃないかな…
        (少女のどきどきが納まるのとは逆に、違う意味でどきどきしている青年。)
        (どうにも格好がつかないが、少女が言葉を継ぐのを聞いている。)
        (告げられたのは、きっと己には想像もつかないような、壮大な悪巧み。)
        (ふむふむ、と聞きながら頷いている表情が、次第に眉間に皺を寄せて。)
        (最後の問いかけに近づけば口がへの字に近づいて。)
        (最後の最後。いつか聞いたことのある少女の言葉に、開いた口からため息が漏れた。)
        どうせここを出たら、ハンターに付け狙われるのは決まってたけど。
        まさか、国に狙われるとか、俺も大物になったもんだな…そんな大物さ加減いらないな…。
        小市民って素敵だな…っていうかジーニさん欲張りだな…。
        (やれやれ、というように、ゆるりと首を振って。)
        (右の手を伸ばせば、少女の鼻先を、指先で摘んだ。)
        どうしようもなくなったら、ってあの時言ったけど、自分からどうしようもない状況に飛び込むのはひっどい話だぞ。
        (まったく、というように、鼻先を軽く引っ張ってから、手を離して。)
        でも、俺が万が一にも断ったら、お前一人でやるんだろ。
        それにそもそも、俺が断るとも考えてないだろ。
        (人差し指で、相手の眉間をついつい、と突いてから。)
        …百年経ったら、どうするんだ? -- ユーリ 2013-08-06 (火) 00:20:58
      • ふが。
        (鼻を摘まれて、変な声)
        (少女の考えてる事なんてお見通し。そんなユーリに照れたように笑って)
        えへへ……ユーリはジーニをいつだって助けてくれるって、信じてるからね?
        ……ちょっと荒っぽいけど、これしか思いつかないんだもん。
        ジーニが沢山の人の目の前で死んだと思われたら、探されないでしょう?
        そしてユーリが「ミハイロフ家当主を殺すほどの存在」って思われたら、指名手配にはなるけど実際は追いかけられることはないはずなの。
        あの国で一番強い魔法使いが、ジーニなんだもの。それ以上の人間を追いかけ捕まえるなんて大変な事、王族でも殺さない限り負わないはずなの。
        それに、一人でやったらユーリ心配するでしょ?ジーニうっかり体質だから失敗するかもしれないし!それだったら二人でやったほうがいいって思わない?
        ……ほーら、すごくいい考えに思えてきたはず!(自慢げ)
        (そんな自信満々な表情を指でつつかれて軽くのけぞり、「んー」としばらく考える仕草をして)
        百年たつ頃には、国の事情も変わっているかもしれないし……その時また考えればいいかなって!
        (ノープラン!という満面の笑み)
        (ユーリの黒い瞳をのぞきこんで、髪を撫でる。母親みたいに、姉みたいに)
        ……自由を満喫したら、あの国へ落ち着いてもいいかなって思うの。
        二人で氷の森の黒竜様のお城へ行けば、追いかけられる事からユーリを開放してあげられるかもしれない。
        雪と氷と黒竜様が、ハンターからユーリを隠して守ってくれるの。
        ユーリが穏やかな暮らしを望むのなら、そんな方法もあるの。

        ま、ジーニがいちばんユーリを守るからどこで生活しても大丈夫だと思うけどね?ふふっ
        ……旅をしながら一緒に探しましょう。二人がもっと幸せになれる方法を。
        (囁いて、唇に軽くキスをする)
        (そして離れた少女の髪は銀色。見つめる瞳も菫色に変わっていて)
        (触れた唇を指でなぞり、大人の様に微笑む)
        ……愛してるわ、ユーリ。
        ねえ、スニェグーラチカにも沢山言って?
        (指と指を絡ませて、甘えた声でねだる)
        -- ジーニ 2013-08-06 (火) 02:44:24
      • ジーニの国の事情はそんなに知ってるわけじゃないから、そういわれればそう思えてしまう俺の頭の悪さが辛いところではあるが、やっぱり行き当たりばったりじゃねーか!ひっでえ話だな!?
        (顔を顰めれば、表情を半分隠すように。右手で顔を覆って、溜息一つ吐いた。)
        ……いいよ。わかった。やるよ。
        私のために国を一つ滅ぼして、とか言われないだけマシだよな。
        そう思おう。思おう…。思……別に追われるのはいいけど、何より一番イヤなのは、ポーズでもジーニ殺すことだな……。
        (少女の繊手が、青年の髪を撫でる。なんとなく擽ったくて落ち着かないような、暖かで安心するような、不思議な気分の中。)
        (視線の絡みあった向こう側。少女の瞳の中、瞳孔の丸い形をじっと捉えるように見て。)
        百年経ったら、ジーニが落ち着いてもいいなら、別にいいけどさ。
        俺の追っ手防ぐとかそういうのは、いいよ、別に。
        追いかけられるの自体は慣れてるし。それに。
        (こちらの髪を撫でる少女の手の上に、己の手を被せた。)
        誰かに守られて自由になっても。結局誰かが、その分の割を食う。
        (結局の所、自由を求めて他の何かに縛られる。世の中とはそんなものだと、青年は笑って。)
        そしてジーニの国の竜なのなら、割りを食うのは、それはきっと、お前だ。
        なら、別にいいよ。俺にはいらない。
        (そこで青年は、ん、と眉を上げて。視線を斜め上へとやって、考えこむように。)
        ……あぁ、でもハンターがジーニに手を出すのは嫌だな。
        旅に出る前に、本拠地を…俺が言って、親父にも頼めばいいかな…
        多分もう、親父の知り合いも、死んでるし…
        (目を閉じて眉を寄せて、どうにかうまいこと行かないものか、と、むむむ、と唸ってから。)
        ……恋人に守られる男ってそれ完全にヒモ状態ですよね?なんとかしたいところですよね?
        (こちらへと微笑みかけた少女へと、への字口の、苦味の混ざった表情で問いかけた。)
        まぁ、百年見越すなら、先は長いし。なんでも探せる、考える時間は、ある―――……。
        (唇へと触れた柔らかな感触に、一瞬目を閉じて、再び開いた向こう側。見えた色彩。)
        (真紅は菫へと。黄金だけを残してそこに。)
        (少女の動きに合わせてさらりと揺れる銀の髪が、こちらの頬へと触れた。)
        (向けられた笑み。少女の一側面。大人びた表情の、同じ顔。)
        (大人と子供をひとりずつ。二人で一人の、己の恋人。)
        (けれどそれはきっと、人の持つ多様な側面を、顕著にしただけで。)
        (間近に在る互いの手、指が絡む。)
        (己の全てを受け入れた少女の中の、まだ、愛を囁いていないところへ向けて。)
        …あぁ。愛してるよ。スニェグーラチカ。
        (少年はとりあえず、考えることは明日に回して。小さく笑ってそう言った。)
        (そして、囁きかけた愛の言葉を追いかけるように、互いの身体、上下をくるりと逆さまに。)
        (愛する少女の上へと、覆い被さった。) -- ユーリ 2013-08-14 (水) 00:06:04
      • (少女達は二人で一人。同じ存在。だからジーニと触れ合う事で銀の少女も満足できるはずなんだけれど)
        (恋する女は欲張りだから。どちらの自分も同じように触れたくて、触れて欲しくて)

        (愛してる)

        (素敵な響きねと、彼の腕の中で囁く。こんなに満たされた気持ちになるのは初めて)
        (夢みたい。今でもそう思う。黒い瞳に恋焦がれて、こうして愛を囁かれる事を少女は何度夢見たか)
        (もう一度溶け合って、望んだ以上の愛の言葉をもらって、朝を迎える)
        (眠る彼の肩越しに、窓の向こうに薄明かりの町が浮かんでいる)

        (…国のために力を使う。その後に自分が存在していられるかはわからない)
        (ジーニが魔力を使い切ってしまったら、スニェグーラチカは表に出てこられなくなる)
        (もしかしたら、消えてしまうかもしれない……そんな予感がして)
        (だから、スニェグーラチカとしても愛される事を望んだのかもしれない)
        (自分が存在していた証として)

        (傍のユーリの顔を見上げて、そっと唇にキスをする)
        (彼の心にも、雪が残りますように)
        (ユーリ自身も追われる身、二人の進む道はけして穏やかなものではないけれど)
        (もう不安はないの)
        (消えてしまうことすら、怖くない)
        (だって、ユーリに愛してるって言ってもらえたから)
        (ユーリを愛しているから)
        (自分の幸せだけを願っても罪にはならないはずなのに、それで誰かが苦しむのならいらないと言いきれるこの人を)

        スニェグーラチカは、生まれてきてよかった…ありがとう、ユーリ。

        (もう一度、愛してると囁いて、幸せそうな顔をして眠りにつく)




        (もうすぐ、雪解けの季節。春が来る)
        -- スニェグーラチカ 2013-09-02 (月) 23:58:42
  • http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079485.gif
  • http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079485.gif 黄金暦250年 12月(空に月が高く上がる頃)
    • (回りくどいキスの催促。口下手もなかなかに負けてない)
      (耳朶を遊んでた指が離れて、ユーリの一言)
      (呆れられたかなって思ったけど、声にはそんな響きはなくて)
      (顔を見ようとしたら、前髪に触れる大きな手)
      (子供をあやす様な口付けが……額へと、降りてくる)

      ……………………………………………………………………………………。
      (ようやく上げた顔は、恥ずかしいのと嬉しいのとで真っ赤になってた)

      (無言で体を起こして、お菓子の袋から飴を一つ口に放り込むと………)

      http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026330.jpg

      (……唐突に抱きついて)
      (ユーリの背中がふわふわの毛皮の上にくっつくように押し倒して)
      彼の唇を自分の唇で塞ぐ

      ん…ぁむ。
      (赤い苺味の飴玉をぎこちないキスで彼の口の中に移動させて、やっと唇開放)

      (恥ずかしい事してる自覚はあるから頬は薔薇色)
      (上に乗っかったまま覗き込んでる少女の顔は、小悪魔みたいにちょっと意地悪な笑み)

      ……駄目よ、ユーリ。唇がいいって前にも言ったでしょ?

      もう、このまま食べちゃおうかな。もちろん……食事的な意味でなく。
      ユーリは、積極的な女の子は……嫌い? ほら、くっついてる胸、すごくドキドキしてるでしょう?
      ジーニ、耳くすぐられてたら変な気分になっちゃった……ユーリのせいよ。
      (思いっきり媚びた声で囁きながら、細い指で頬を撫でて…首筋へ)

      http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026345.jpg

      (くすぐるように鎖骨をなぞって)ね、ユーリ……ジーニと………



      http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026343.jpg

      (……ついさっきと同じくらい唐突な沈黙)
      ……………………………………………………………………っ。
      (赤かった顔はさらにゆでだこみたいになってて、表情を隠すよう手で口元を覆う)
      (照れの限界が来たのだ)
      『なんだか余裕ありげなユーリに意地悪するつもりだっただけなのに、すごいこと言ってるしてる…!!』
      (…………………………………少女は土壇場で、素になった)
      -- ジーニ 2013-06-21 (金) 21:03:14
      • (顔を近づけた髪から香る、少女の甘い匂い。すん、と。音のしない程度に、それを確かめるように呼吸してから、顔を離した。)
        (己の膝元。こちらを向いたジーニの顔の赤色を見れば、微笑んで。)
        ご希望には応えられたか?
        (声に混じる悪戯気な色。しかし、少女が体を起こせば、不思議そうに眉を上げて。)
        (首の後ろに感じた、少女の腕の重みと。己の身に感じた、少女の体。)
        (そのまま後ろへと倒れこむ。受け止めた、毛皮の絨毯の感触よりも。)
        ――――――…………っ。
        (触れた唇の感触の方が、衝撃は強くて。)
        (柔らかな感触。ふわりと触れてから、強く押し付けられる。)
        (少女の香りを強く感じる。それと同時に、甘い、イチゴの匂い。)
        (匂いの元は、そのまま己の口内へと滑り込んできた。)
        (ぬるりとした、融けた飴玉の表面は、舌にも似て。)
        (それを残したまま、少女は唇を引いた。)
        (口内を転がる飴玉が歯に当たる。こつん、と。硬い小さな音。)
        (目前に見える少女の顔は、赤く染まっていて。)
        (それを見てようやく、現状に気づいたか。少年の顔も徐々に赤く。)
        (こちらを見下ろすジーニの表情。それは、もう一人の彼女にも似て。)
        (やはり二人で一人なのだ、と、今更なことを頭のどこかで茫洋と考える。)
        (誘うような声色は、普段のジーニにはないもので。)
        (少女よりも女を感じさせるその仕草とともに降る声は、避けようもなく耳を侵す。)
        (自分の輪郭をなぞる様な指の動き。二人の境界を確かめるような撫で方。)
        (声出さず少女のことを見上げていた少年は、続く言葉を待って、待って。)
        ………………………………………………ん?
        (いつまでもこない続きの代わりに、少女の頬が真っ赤になった。)
        (それを見ればようやく気づく、誘惑の終わりと主導権の位置。)
        (おかしさと、少しばかりの残念さを感じて。残念さの理由に一瞬だけ不思議を覚えて。)
        (それから少年は、まだ赤みを残す頬を笑みの形に変えれば。)
        よっと。
        (ごろん、と。少女を乗せたまま横転した。)
        (互いの上下が変わる。少年は上へ。少女は下へ。)
        (膝と腕を、少女を跨ぐように絨毯へとついて。相手に体重をかけないように。)
        (そしてそのまま、相手の首筋へと顔を近づける。)
        (首もとの生地を、鼻先で押し下げるようにして。露になった素肌へと、舌先を触れさせた。)
        ……食べられる前に食べればいいのか? -- ユーリ 2013-06-26 (水) 06:47:51
      • (やりすぎた)(どうしよう)(呆れられたかな)
        (彼と出会ってから何度思ったかしれないことが頭をよぎる)

             (出会ったときからいつもそう。突っ走りきった後でいつも後悔に押しつぶされそうになって…)
             (……やだ、涙でてきた。はしたない子だって軽蔑されたら死ぬわ)
             (……あ、でも全裸デフォだからこれくらい大丈夫?)
             (い、いや大丈夫じゃない!大丈夫じゃないわ!そんなデフォ!!)

        (……ぐるぐるいろんな事考えて、ユーリが笑ってくれるまでの数秒がとても長く感じた)

             (……あ、よかった、笑った…全力でからかわれる事も甘んじて受け入れるのだわ)
             (それともジーニがからかった方がユーリも恥ずかしくないかな…?)

        (小さな決心。何か言おうと唇を動かそうするのと同時に)
        (……くるんとユーリの後ろの背景が、白い毛皮の絨毯から、木の天井へ)

        …あれっ?ごめん重かった?ジーニダイエットしてるんだけどあんまり減らな…
        (別の意味での恥ずかしさがこみあげてきて、わたわた謝っていたら)

        (ユーリの顔がもっと近くになって、ニットで隠れていた首筋を吐息がくすぐる)
        (それだけでも少女はびっくりして目を回しそうになるのに)
        (イチゴの甘い香りのするユーリの舌が、肌を滑って)
        んっ……ぁ ゆ、ユーリ…っ?
        (小さな声が勝手に漏れて、びくんと体が逃げようとする)
        (くすぐったいけど、それだけじゃない、体の力が抜けてしまうような…知らない感覚)

        (すぐそばに見える彼の顔はさっきと変わらない距離なのに)
        (部屋に漂う花の香りとイチゴの香りにまじって、ユーリの、男の子の匂い)
        (今更さっきのキスの時に触れた舌と舌の感覚を思い出して)
        (意識すると鼓動の音が聞こえてくるくらいドキドキしてしまって、息も苦しくなってて……)
        (……その後に囁かれた言葉で、取り繕おうとしてたほんの小さな余裕も完全に消し飛んでしまった)

        ……あ…あの えっと…うう、これは意地悪されてるのかな、仕返しかな?
        ほ、本気にして覚悟きめたら、笑うつもりでしょう、お、おのれ…!!
        (涙をにじませてうろたえて、裏返った声も入り混じる)

        (けれどそんな情けない言葉も、すぐに途切れた)
        (潤んだ瞳が、ユーリの黒い瞳をすがるように見つめる)

        (いつもは少し冷たいのに、恥ずかしさで熱いくらいになってる手で、ユーリの服をぎゅっと握って)
        ………………………………………………………………うん。
        ユーリから、たべてほしい……ジーニ、あんまりおいしくないかもしれないけど……。
        -- ジーニ 2013-06-26 (水) 10:45:45
      • それ以上痩せたらジーニは痩せすぎだし。
        (味見のように少女の喉を舐めた舌。離して、口はそのまま耳元へと。)
        (腕の下、捕らえた少女の耳朶に一度口付けてから、身を起こした。)
        (互いの間の狭い空間。その下に見えるジーニの顔は、涙目で、頬の紅はより深く。)
        (青年の浮かべた笑み。真っ赤な頬の少女。何時も通りの、距離の近いじゃれ合い。)
        (最後もまた、何時も通り、待って待ってと照れる少女をからかって終わるかと思えば。)
        (服を引く力は、己を少女の間近に留めるには十分で。)
        (交わした瞳。その向こう側。揺蕩う熱。間近感じる少女の体温。)
        (そして、紡がれた言葉。)

        (縁を歩き続けていれば、何時かは墜落するのが道理であれば。)
        (それが今であった、と。そういう話。)

        (見上げる少女の。女の視線の先。青年の浮かべていた笑みは、すっと退いて。)
        (その顔に薄く昇った、頬の朱。小さく開いた口から息を吸う音。)
        (それから、そのまま。青年は、先程よりも穏やかな笑みを顔に浮かべて。)
        (ゆるりと身を落とせば、こつん、と。互いの額を合わせた。)
        (瞳同士の合わせ鏡。けれどその奥には確かに熱情の色。)
        ジーニが不味いなんてこと、あるはずない。
        (そのまま、相手の唇へと。己のそれを軽く触れさせて、離して。)
        (続く二度目の口づけは深く。女の唇を撫でる、舌の感触。)
        (舌はジーニの口先を撫でてから、離れて。そこに、代わり触れるものがあった。)
        (丸みを帯びた、それは恐らく、先程口移された、赤い球体。)
        (青年は、受け取ったそれを、相手へと返す。互いの間に香る、甘い匂い。)
        ……なぁ、ジーニ。
        (口づけを止めれば、名を呼んだ。)
        (本当にいいのか。であるとか。後悔しないか。であるとか。)
        (そういう言葉は、もう、ずっと昔に通りすぎたであろう地点。)
        (だから。)

        好きだよ。

        (青年は、少女だった相手へとそう告げて。)
        (その唇で、柔らかな頬へ、耳元へ、首筋へ。口付けを落とし、下っていく。) -- ユーリ 2013-06-27 (木) 23:08:36
      • (ちょっとだけ抽象的な誘い文句。伝わらなくて笑いに変わったらそれはそれで)
        (そんな逃げ腰な言い方。余計な事はぽんぽん喋れるのに、こういう時だけ言葉に詰まる)
        (知識では知ってるけど、実際に感じるのは初めての気持ちに戸惑って)
        (恥ずかしくて逃げ出したいのに、それ以上に…もっと触って欲しい)

        (少年の表情が変わった。それだけで眩暈がするほど恥ずかしくて、後悔が押し寄せる)
        あ、あの…っ い、いまのは…その …………っ!!
        (ここまできてごまかす言葉を捜して、情けなさにやっぱり同じくらい恥ずかしくて)
        (でも)
        (見つめる先には優しい笑顔。少年じゃなくて、大人の)
        …………そ、そうかな…。
        (どきんと胸がひときわ高く鳴って、すぐに大人しくなってしまう)
        (大好きな笑顔の黒い瞳の中に、見たことのない色を見つけたから)
        (同じ気持ちになってくれてるのかな)
        (優しい言葉は、受け入れてくれた証かな)
        (そう思うと、嬉しくて)

        (自然に触れた唇。強張っていた体が解れるようなキス)
        (舌が少し触れただけなのに、熱が出たときみたいに体が熱くなる)
        (もっとキスを続けようと、服を握ったままの手を彼の背中に回そうとした時)
        (吐息と同じ香りのいちごの飴が口の中に入った)
        (唇がはなれて…名前を呼ばれる)
        (熱に浮かされた瞳で見つめて、言葉の続きを待った)

        (きっと、いいのかとか、そういうこと言われるって思ってた………だけど)

        (………………囁かれたのは、違う言葉)
        (いつも一番言って欲しくて、あれこれ策をめぐらして必死に求めてた言葉が)
        (甘いキャンディと一緒に、与えられる)

        ……ずるいひと。こんな時に、好きって言うなんて。
        そんな風に言われたら…怖くても、逃げられなくなっちゃうの。
        (柔らかく、だけど大人びた笑顔。服を握っていた手を、彼の背にまわして)
        ジーニも…好きよ。
        (唇が触れるたびに)
        好き。
        (同じ言葉を繰り返す)
        …す…き。
        (繰り返す声は段々途切れて、荒い吐息が入り混じる)
        (胸元に唇が触れると、びくんと体がはねた)
        ぁ……っ!
        ユーリ…ま、待って……
        (力の入らない体。ゆっくり起きあがると)
        (灯りの下でニットのワンピースを躊躇いがちに脱いで、白い下着だけの姿)
        (初めて晒す訳でもないのに、羞恥心でしばらく顔が上げられない)
        (髪を解いて、ようやく彼を見る)
        (両手をユーリの方へ広げて)

        http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst084080.jpg
        ユーリも、脱いで?
        ……もっと、ジーニにいっぱい触って。
        とけちゃうくらい、くっつきたいの。
        (大人みたいに笑うのに、子供みたいに甘えた声)
        (大人と子供の狭間で、少女は笑う)
        -- ジーニ 2013-06-28 (金) 00:31:01
      • (柔らかな服の布地の上から、口付けは下って。ジーニの体のラインを確かめるように。)
        (そして胸元、服を着て尚大きく弧を描くその場所へ辿ったと同時、留める声に。胸元からジーニの顔へと視線を向けた。)
        (己の下から抜けだそうとする相手。けれど、それを留めるでなく。女の向かい、床へと座って。)
        (脱ぎ去られるワンピースから、視線をジーニへと移す。顔を伏せたままの少女の、姿。)
        (裸なんて見慣れてる、なんて言っても、そんなのは照れ隠しが半分で。)
        (実際こうして間近で見れば、綺麗だという思いとともに、少しばかりの恥ずかしさ。)
        (髪を解いて、こちらを見た相手。その視線の先、青年の顔は、明かりの下仄かに朱く。)
        …うん。やっぱりジーニは、可愛いし、綺麗だ。
        (言ってから、乞われるままに、青年も服を脱ぐ。)
        (ジャケットを脱いで、半分に折って傍へと放って。シャツの襟元を掴めば、そのまま一息に身を抜いた。)
        (一度首を振れば、白栗の髪が揺れて。先に脱いだジャケットの上へとシャツをなげ、そして腰元、ジーンズへと手をかけた所で。)
        ……なんか俺だけ脱ぐ手間多くて、恥ずかしいな、これ。
        (冗談めかしてそんな言葉。けれど、ジーンズのベルトを外し、するりと足を抜いて。)
        (シャツの上へと放り捨てれば、少女を見て、一度笑いかけた。)
        とけるくらいとかそういうこと言ったら、本当に融かして食べるかもしれないぞ。
        (言いながら、腕を差し伸ばす。こちらを受け入れるように、腕を開いた少女へと。)
        (二人の距離が縮んで、ゼロになって。青年の腕は少女の背へと回されて。)
        (ぎゅう、と。壊さないように、けれど強く、力を込めた。)
        (衣服を纏っていた時よりも、確かに伝わる相手の身体。)
        (当然の事ながら、己の身体よりも柔らかで。触れた部分は暖かく。)
        (寄せた頬だけでなく、身体と身体で感じる、相手の体温。)
        (己の鼓動は強く伝わっているだろうか。少女の鼓動は己へと伝わるだろうか。)
        (胸の右側と左側。二人分の鼓動は一つに聞こえているだろうか。)
        (少女の背へと回した青年の手は、見えぬ場所のその肌を、指先で、掌で優しく撫でた。)
        (触れるか触れないか。力込めず、手触りを楽しむようにも思える触れ方。)
        (それから、正面。抱き合っていた身を僅か離して。衣服を纏っていたときにした事をなぞるように。)
        (少女の頬に唇が触れた。それから、耳元へ。首筋へ。肌を啄んで、降りる。)
        (左の手は少女の背の肌から、滑るようにして腰のラインをなぞって。)
        (そのまま、少女の右足へとたどり着けば、一度撫でた後、そこに手を当てたままで。)
        ジーニさ。
        (唇が、レース地に覆われた胸元、肌が膨らみへと変わる場所まで下ると同時。)
        やっぱりダイエットなんてしなくていいよ。今のままがいい。
        (柔らかな少女の身体の中でも、ふわふわと感触の異なるその場所へと唇が降りる。)
        (白磁の肌へと色を付けようと言うように。強く、啄んだ。) -- ユーリ 2013-06-29 (土) 10:41:56
      • (幼い誘い文句。青年に褒められるとはにかむ照れ笑い)
        (ありがとうと小さな声。お互い頬は赤くて、初々しさがまた照れを呼ぶ)
        (言われるままに青年が服を脱ぐのをじっと眺めながら、いつかこういうのも平気になるのかなってぼんやり思う)
        (見ないほうがいいのかって気がついたのは彼が恥ずかしそうにジーンズを脱ぐ頃で)
        (見慣れてるからいいじゃないって言おうと思ったのに、顔が赤くなってしまった)
        (海で泳ぎを教えてもらったときとか、初めて会ったときとか、散々見てるのに)
        (細い体なのに筋肉はちゃんとついてて、男の人の体だなって思ったら)
        (……この体に、抱きしめられる、それ以上のこともされるって思ったら)
        (急に胸がドキドキし始めて。それがなんだかおかしくて、くすくす笑う)
        ……変だね?脱いでくのも見たことあるのに、ふたりっきりだと恥ずかしくなっちゃうなんて。

        (ぎゅっと抱きしめられて、肌と肌が触れ合う)
        (大事に抱きしめてくれてるのがわかって、嬉しい)
        (ドキドキしてるのはユーリも同じで、嬉しい)
        ユーリがジーニ食べたくなったら、いつでも食べていいのよ?
        それでジーにはユーリの一部になるの…あ、でもこうやって抱きしめてもらえなくなっちゃうのはやだなぁ。
        (甘えるように頬擦り。背中をなぞる青年の指にくすぐったそうに体を彼にくっつけて)
        ふふっ くすぐったいっ 服着てないからちょっと触っただけでも背中へんなかんじ…!
        素肌がくっつくと、すごくあったかいね……それに男の人の体ってかたいんだね?ジーニと全然違うの。
        今日は初めて知ることいっぱいあるの。
        (少し体を離した青年に笑いかける。無邪気な笑顔)

        (その笑顔は頬に唇が触れると、艶のある女のものに変わっていく)
        ……今日はもっと…いろんな事教えてね。
        (甘い香りのする吐息交じりの声で、続きをねだる)
        (さっきと同じように触れていくユーリの唇。だけど胸を苦しくさせて頭をしびれさせる感覚はさっきよりずっと強くて)
        …ぁ……っ ん…っ ユーリ…
        (媚びるような声が勝手に口から出てしまう。体が自分のものじゃないみたいにびくついてしまって)
        (ゆるく彼の頭を抱いて、髪に触れて、答える)
        ユーリの好きな、ジーニでいたいから、そうするね。
        (そう言ってまた笑いかけようと思ったのに)
        あ…っ!!
        (胸に触れた青年の唇が肌を吸うと、一際大きな声が出て、あわてて自分の口をふさいだ)
        ご、ごめん、うるさかった、かも……。
        ユーリがいっぱい触ってくれてうれしいのに…胸がぎゅってなって、逃げたくなって、変な感じ……。
        ……でも、もっとして欲しくなるの。ジーニ、おかしいかな…?
        (初めて与えられる感覚に戸惑い、震える声。ぎゅっとユーリの頭を胸に抱きしめる)
        -- ジーニ 2013-06-29 (土) 12:04:59
      • そりゃそうだ。自分と全然違うから、欲しくなる。
        (向けられた笑顔。場に合わぬ無邪気なそれ。合わぬからこそ、輝いて見えて。)
        同じは嬉しい。だけど違うから。一緒になりたくて。一緒にしたくて、欲しくなる。
        (そんな綺麗に輝くものを。褒められぬ色に染めるという、冒涜に対する罪悪感と暗い快楽。)
        (唇の触れる先。己が歯を立てればきっと、真っ赤に痕を残すであろう白の肌。)
        (強く噛めば、恐らく内側の紅を現すだろうその皮膚に、印をつけようとする。)
        (愛した痕を。普段であれば服の内側で外から見えぬその場所に、互いにだけ解る痕跡たちを。)
        (耳に届く熱い息と、融け始めた声。)
        (は、と。息を吐く。少女の香りを吸い込んで。)
        (甘い香り。互いの違うところ。欲しいと思う。源の肌を強く吸えば、耳に届いた大きな声。)
        ……いいよ。煩くない。聞かせて欲しい。
        (答えると同時、ぎゅう、と。抱きしめられ、少女の胸の膨らみに顔が埋まる。)
        (強く伝わる相手の香りを吸い込んで。顔に当たる、少女の下着の布地。)
        (柔らかな生地だけれど。より柔らかな少女の肌に触れるには少しばかり邪魔で。)
        っ、と。
        (左右の手で、顔の間近、双丘の間。布地を留めているフロントホックを外した)
        (顔の触れているその場所が、ふわり、とより柔らかくなったように思えて。)
        (留め具を外されて左右に分かたれた布地を、両の手で横へと退けた。)
        (直に触れる少女の乳房。はぁ、と。一つ息を吐いて。)
        おかしくないさ。何が起きてるのかわからないなら、逃げたくなるのは、普通だし。
        (抱きしめられたまま、言葉を紡ぐ。ジーニの胸元、顕になった肌を擽るように、青年の口元は動いて。)
        (でも、と。青年は首を動かして、視線を少女の方へと向ける。)
        逃がさない。
        (少女の肌に抑えられて篭った声でそう言って。)
        (大きく開けた口。抱きしめる力も相まって、少女の肌へと強く押し付けられれば。)
        (柔らかな乳房は形を変えて、青年の口内へと。)
        (一度そこへ舌を這わせ、濡らした後。)
        ……ん。
        (青年は開いた口をゆっくりと閉じて。少女の肌へと、甘く歯を立てる。)
        (左の手は少女の腿へと当てられたまま。右の手は、背筋を滑って降りて。)
        (腰を過ぎて、ショーツに包まれたままの少女の下半身へと辿り着けば、手触りを楽しむように動かす。) -- ユーリ 2013-07-01 (月) 00:39:57
      • (そばの顔を見ようとすると胸元に残る赤いキスのあとが見えた)
        (薄く痣になってきっとしばらく残るはず。嬉しいと思うのと同時に、また「変な感じ」が強くなって)
        (熱病にかかったみたいにあたまがぼうっとする。頬が赤いのは、恥ずかしいせいだけじゃなくなってくる)
        んっ…じゃあ我慢しない…うるさかったら言ってね?
        (胸に触れたユーリの吐息にすら、甘い声。彼が喋るとくすぐったいけど、気持ちよくて)

        (少女のとろんとした目が、青年を見つめた)
        (胸を包んでた特注の下着が外れて恥ずかしいのに、ぼんやりしてうまく動けない)
        (視線が合って、胸がどきんと鳴って少しだけ意識がはっきりする)
        『逃がさない』
        (篭った声にびくんと体が竦んで、熱が出たときみたいに背中がぞくっとなった)
        (優しく触れて欲しいはずなのに、乱暴にされたいとも思って)
        (それが満たされたような……暗いのに、熱を持ってる、変な気持ち)

        (少女の心の底の仄かな期待に応えるみたいに、青年の愛撫は強いものになる)
        あ…っ ……んっ…あ… ユーリ…
        (声は我慢しないって言ったから、少女の甘ったるい声が行為の最中ずっと部屋に響いて)
        (それが感覚をさらに高めて自分を余計に苦しくさせてるのも、初めての彼女は気付かない)
        ひぁ…っ!
        (甘く噛まれた刺激に一際高い声。さっきよりもずっと媚びた響きの)
        か、噛んじゃ、だめ……!痛くない、けど…。
        (瞳に涙をためて首を振るのに、ねだるような甘えた喋り方。そうされるのが「好き」だけど、恥かしくて言えないから)
        (優しく触るのに時々怖いくらいに大胆で、そこに彼の熱を感じて、戸惑いながらも幸せで)
        (もっと、酷くして。いっぱい噛んで、ジーニに消えない痕を残して)
        (……そんな風に言ったら、ユーリはどうするかな)
        (考えてると、彼の手が背中をなぞり、胸と同じくらい柔らかい場所を撫でた。また勝手に背中がのけぞってしまう)
        (彼の顔に胸を押し付けるようになってしまって、歯形が残るくらいに胸に深く食い込み……)
        ……っ!!
        (その感覚に声にならない叫び)
        (頭を抱いてた腕がずれて、爪が彼の背中に赤い線を引いてしまう)
        あっ…!!…ごめんなさ…い……どっちも…一緒に触るから、ジーニ、逃げられなくて…
        ……………………あ…の………ユーリ……
        …………………………………………………
        (しどろもどろの謝罪の後、言いかけて、言葉が途切れた)

        (青年の左手が触れてる腿が動いて、何かを隠すようにぴったりと足を閉じ)
        …………ユーリ…
        (訴えかけるような瞳。小さな声でもう一度、名前だけ)
        (見つめながら彼の左手を取ると、その指を口に入れて、飴みたいに舐める)
        -- ジーニ 2013-07-01 (月) 03:47:22
      • (冬の夜。屋外は煌々と照らす月明かりの下、空気は冷え切り、身を切るよう。)
        (けれど、二人の睦み合う部屋の中。暖かかったその場所は、互いの吐息で徐々に熱を持つように感じられて。)
        (其れが果たして、頭の芯を染める熱故の勘違いなのか。)
        (それとも本当に互いの身体の熱故事実温度が上がっているなのか。)
        (判別するには、既に頭の芯の真まで熱に染まっている。)
        (柔らかな少女の身体はまるでこちらを受け入れるように、指が沈むもの。)
        (思わず噛み付いた己を拒む言葉。けれどこちらへ伝わる、声の奥にある色は。)
        (拒絶は舌へ乗らなかった。甘い味だけ。)
        (歯ざわりを楽しむ中、強く抱き寄せられ、少女の胸へと歯型を残すと同時。)
        (がり、と。鋭い痛覚。ん、と。喉の奥、声を漏らした。眉を寄せる。)
        (何だろう、と考える間もなく、少女があげた声。それで理由を悟った。)
        (開放された頭を、少女の胸から離した。)
        (ぷぁ、と。口で呼吸をする。眼前には、白い肌に、円形の赤。己の歯の形をした。)
        ………。(何故だか、笑みが浮かんだ。)
        いいよ。お相子だし。傷、つけても。
        (そう告げて、歯型へと舌を這わせる。ぺちゃ、と。濡れた音が数度。舌先で肌に円を描く。)
        (青年は、獣が傷を癒すように少女の肌の赤を舐め続けて。)
        (其れを終えたのと、何かを言いかけた少女の声が止んだのとは同時だった。)
        (不思議そうに見上げた先、少女の顔とは、逆側。左手の触れている少女の足が閉じられる。)
        (合わせた瞳。その中に揺れる、懇願の色。)
        (呼ばれた己の名前。なんでもないことなのに、それだけで、背首に熱を感じる。)
        (左腕を取る動きには逆らわなかった。そのまま、待てば、ぬるり、と。)
        (指先が暖かな感触に包まれる。濡れた、熱い、肉の感触。)
        (少女の舌が水音を立てて、青年の指を舐めている。)
        (は、と。漏らした呼吸が熱い。手指。何かに触れるもの。左右に二つ。常に晒している。)
        (それを舐められているだけで、どうして、ここまで。)
        (少女の後ろへと回していた右の手が滑る。ショーツのサイドを留めるリボンの上を過ぎて。)
        (そしてそのまま、少女の左足へと。外腿を、ゆっくりとした手つきで撫でて。)
        (徐々に、より柔らかな方へと。内腿へと、手は動く。少女の足の付根の方へ。) -- ユーリ 2013-07-02 (火) 00:49:36
      • (お互いの肌に残った愛し合った証の傷。そのぎこちなさが嬉しい。自分も初めてで、彼も初めてっていうことだから)
        (いたわる様に青年の舌が歯型のついた場所を滑ると、その嬉しい気持ちすらわからなくなってしまうくらいに、胸が苦しくなってしまう)
        (……その「苦しい」が「快感」なんだと、少女は気付き始めていた)

        (そっか……これが「気持ちいい」なんだ)
        (胸がぎゅってなるのに、おなかの中から溶けちゃいそうな変な感じ…)

        (そこを触って欲しくなった事を言うのは恥かしくて、言葉の代わりに、そこに触れるための指を舐めた)
        ん……ぁむ(上目遣いに彼を見て、大きな手を小さな舌で愛撫する)
        (指の間をくすぐったり、指先を吸ったりと、拙いけれど彼も気持ちよくなったらいいなって思って、一生懸命)
        (青年が熱の篭った息を吐く。自分が与えてもらった感覚と同じものを与えられてる証かなと思うと嬉しくて)
        (行為をねだるためのものだったのに、いつの間にか夢中になっていた)
        (唾液で滑る舌の奥にユーリの指が触れると、小さく喘いでしまうくらい甘い感覚。口の奥まで気持ち良くなるなんて初めて知った)
        (吸い付く音と唾液の水音。乱れる息も気にならないくらい、その感覚に溺れる)
        (行為の最中ずっと、視線はずっと彼の黒い瞳に向けられていた)
        (自覚はないけれど、それは確かな「誘惑」)

        (体を撫でる手が、期待する場所へ近づく。白いお気に入りのショーツごしに、一番柔らかい場所にユーリの手が触れる)
        (……直前、ぱっと口から指を離して、開きかけてた太ももを閉じた。ユーリの手を挟み込むような形になってしまう)
        (触れられるのが嫌なわけじゃないのに、して欲しいのに、恥ずかしい理由があったから)
        (唾液の糸を引く唇をぬぐって、小さな声)
        ……ぅ。あの、ね…ジーニ、ユーリにさわってもらってたら、おなかの中がぎゅーってなって、それで…
        そのたびにぬるぬるしたのが出て…おもらしじゃないのなの。ジーニえっちな子でもないのに…………………………だけど。
        (ユーリが少し手を動かせば、腿の付け根についたぬるりとした液体に触れられる)
        (腿をこすり合わせてたせいでその液体は太腿の内側にまで溢れていたから)

        (うまい言い訳も思いつかない。それに、欲求を我慢するのも、無理で)
        (太腿の締め付けを緩めると、外の冷たい風の音にかき消されそうなほどに小さな小さな声で)
        ………………だけど……さわって、ほしくて。さっきから切なくて…気が変になりそうなの…。
        いっぱい、さわって、ユーリ。
        -- ジーニ 2013-07-02 (火) 08:25:57
      • (少女の口内。舌で触れ得ども、手指で触れることとなるとは思いもせず。)
        (熱篭る吐息が少女の喉を過ぎる度、唾液に濡れた指を擽る。)
        (小さな歯列。時折甘く指を噛む。笑う度に覗いていた白を、己の指先が撫でる。)
        (喉の奥へと誘うように吸い付く水音。まるで赤子のような行為であるのに、こんなにも淫靡な。)
        (少女の視線は溶けるようで。己の瞳の奥の其れと混ざり合うように。)
        (くらり、とした。頭の奥。己の内側の芯。そこに少女の視線が絡み付いて、こちらを縛り付けている。)
        (だからこそ、こんなにも頭の芯が赤熱して、茫洋と――――否。)
        (それは、つまるところ己の熱情が揺り起こされているだけ。)
        (少女に捉えられたのではなく。少女を求めるからこその、熱。)

        (右の手は、ゆっくりと少女の芯へと距離を縮めて。そして、少し恐れるように、触れた。)
        (少女の口内と同じ。普段は触れ得ぬその場所。力加減など解る筈もなく。)
        (触れたと同時、濡れている、と呟いたとともに、手が少女の腿に挟まれた。)
        (びくり、と青年の肩も驚いたように震えて。ぱちぱちと数度の瞬き。少女の顔を見返す。)
        (少女の口端から己の指へと伸びた銀糸は、少女の手によって拭われて。)
        (継がれた言葉、恥ずかしがる声色。その示すものを確かめるように、青年は右の手を腿に挟まれたままに、指先だけを動かした。)
        (それは、濡れた少女の内腿を、擽るような動き。ぬるり、と。白磁の肌の滑らかさ以外の、手触りがある。)
        (あぁ、こういうところは、男も女も、変わらないんだな、と。)
        (そんなことを頭の片隅で考えるけれど、それも茫洋とした意識の向こう側へと消えていく。)
        (しかしそれでも、細く、途切れそうな声は、耳へ届いた。)
        ……あぁ。ジーニ。俺も、お前に、触りたい。
        (腿の間に挟まれた手は、自由を取り戻している。その指二本、人差し指と薬指。)
        (先程一瞬だけ触れたその場所へと、また、触れる。)
        痛かったら、言ってくれ。
        (最初は触れるだけ。それから、その場所を、ショーツの布地越しに撫でて。)
        (薄布一枚の向こう側、少女と己の性差の象徴。力加減を探るように、少しずつ、手の動きは大胆に。)
        (少女の唾液に濡れた左手は、顕になった少女の乳房に当てられて。)
        (その先端、周囲の肌とは色を変えた場所を、唾液にぬるついた指が擽る。)
        (いつもは達者な青年の言葉も、数少なく。恐らくは必死に、己を抑えている。) -- ユーリ 2013-07-08 (月) 01:04:05
      • (何もかも彼の与えてくれるものが気持ちいい。快感は「好き」と強く想う時の胸の甘い痛みに似ていて)
        (低く響く声すら、少女の体を溶かすよう。恥ずかしくて泣き出してしまいそうなのに)
        (その「恥ずかしい」が、もっと欲しい)
        (優しく労わる言葉と共に同じくらい優しく、求める場所に指が触れた)
        …ぁん…っ
        (待っていたのに、どんな風になるかわかってたのにびくんと体が震えてしまう)
        (指のわずかな動きにも大きく反応してしまって怖いくらい)
        ひぁ…! やぁ…っ あ、あんまりつよくしちゃ、だめ…っ!やだぁ……っ!
        https://lh6.googleusercontent.com/-H5LkhtlDVrM/UeWed9aZLXI/AAAAAAAAARs/zBSWynYr-pw/s800/%25E3%2581%2588%25E3%2581%25A3%25E3%2581%25A1.jpg
        (甘く痺れるような、力が抜けるような感覚。腰が浮いてしまって、膝で立つように体を起こした)
        (逃げたつもりなのに余計に触りやすくしてしまった自分が恥ずかしい。でも、与えられる快楽には逆らえない)
        (両手を青年の肩に置いてもたれかかる。口では「やだ」といい続けているのに足が閉じられる事はなくて)
        (濡れた下着にさらに透明で粘り気のある液体が滲む。布越しなのにかすかに水音。青年の指の力が強くなればなるほど溢れていく)
        (背中がぞくぞくしてそらした胸に、唾液のせいで滑る左手が触れて、桜貝と同じ色の場所が触れる指を押し返すように盛り上がって)
        ……っ!!
        (体の中で一番敏感な場所二つ、同時に攻められると声にならない悲鳴。ひぅ、と息を飲み込むような音だけ)

        (静かな部屋に淫靡な少女の喘ぎ混じりの荒い息と水音。それを自分で意識するだけで理性が削り取られていく)
        (下着越しに触れる彼の指が唾液で濡らしたみたいに滑る頃には、「やだ」とももう言えなくなって、媚びた声が勝手に出ていた)
        (もたれかかっているから喘ぐ声は彼の耳元。自分の乱れる姿を見た彼に、同じ熱がうつっていくのがわかったから、それを煽るように甘い声)
        (青年の吐息も体も熱くて、余裕のなくなっていく表情を見ると嬉しくて)
        (もっと見ていたい、もっと違う顔にしたい。理性をなくして、戸惑ってしまうくらいに)

             (男の人はどうやったら気持ちよくなるんだっけ……あ、そうだ)
             (…………触ってもらって、ジーニが気持ちいいんだから、ユーリも)

        ユーリ、待って…ジーニも、ユーリ気持ちよくしてあげる。
        (口に含んでた耳を開放して、彼の前に四つんばいになった)
        (ちょっと躊躇った後に、下着に手を伸ばして、ちらりと上目遣いで表情を伺う)
        じっとしてて……に、にげちゃだめ、だからね?
        (真っ赤な顔でぽそぽそ言うと、おっかなびっくりと言った様子で下着越しにはちきれそうになってる部分に唇で触れる)
        (……男の人は、どきどきするとこういう風になるんだ。初めて見るから、直接触る勇気はなく)
        ん…あむ… しかえし、なの……ユーリも…変になってしまうと、いいの。
        (初めてなのにこういうことするの変かな……と思ったけど、他に彼を気持ちよくする方法思いつかなくて)
        (唇で甘く噛み付いたり頬で擦ったりして、猫が甘えるみたいにつたない愛撫)
        (もどかしく感じるだけの刺激でも、少女には精一杯で)
        (それでも、口数の少なくなって我慢してる青年の理性を奪ってしまおうと一生懸命に唇は動き……………)

        ……ふぁ……気持ちいい、かな?
        (たっぷりじゃれた後に体を起こし、自分の下腹部に手を当てて……とろんとした笑顔)
        ね、ユーリ……一緒に…気持ちよく、なる?……ジーニのおなかの中、いっぱいにして。
        -- ジーニ 2013-07-08 (月) 07:04:40
      • (触れれば触れるだけ。その体から返ってくる反応が愛おしい。)
        (愛を囁きかけて、照れた顔を見る時と、似ているようで違っている。)
        (言葉すらも、相手を傷つけないようにと選ぶのに。)
        (物理的に傷つけてしまいそうな、この触れている瞬間は、自制と欲望の天秤がぐらぐらと。)
        (強くしては駄目だ、と。少女のあげる嬌声は、むしろ欲望の側の皿へ錘となって。)
        っ、どれくらいなら、いいんだ?
        (耳元で囁くようにしてから、一際強くその場所を擦り上げる。)
        (己がどう触れれば、少女はどのように反応するのだろう。)
        (分からぬ其れを、知りたいという思い。脳を溶かす声をもっと聞きたいという思い。)
        (己の方に触れた少女の手、そこに篭る力。触れる部分によって、反応が変わる。)
        (少女の乳房と秘所と。二箇所攻めれば、聞こえた余裕のない少女の吐息に、脳の奥の何かはぼんやりと霞がかかったようになって。)
        (自身の下着を押し上げるそれも、硬く、未だ訪れぬ快楽を求めて屹立する。)
        (けれど、その場所に己で触れるよりも。今は相手の身体に触れていたくて。)
        (耳朶を舐め、咥える少女の唇から与えられる感触だけでも、十分な快楽。)
        (かっと熱くなった身体の中、熱はグルグルと回り、吐息の熱は焼け付きそうに。)

        (最中、ふと、少女がこちらを留めた。ぐっ、と喉の奥、熱を飲み込んで、手を止める。)
        どうした、ジー、ニ?
        (肩に載せられていた腕がするり、と離れて。そのままに、少女はまるで己の前に跪くように。)
        (不思議そうな表情で見下ろしていれば、ふと、視線が合った。)
        (その手は、己の腰元へと伸ばされて、下着の布地へと触れていて。)
        (聞こえた言葉の次の瞬間には、腰が引けそうな快感。触れられただけなのに。)
        (これまでに無かったくらい、がちがちに張り詰めたその場所へと、布地越しに触れる、柔らかな唇。)
        (感触の快楽と、視界に入る光景の快楽。)
        (目前の少女が、自身の欲望の象徴そのものへと、布地越しではあれど口付けるという背徳的な感覚。)
        (背中の奥、ぞくぞくと走りそうになる快感を、必死に留めた。)
        変に、って。そんな、お前――……っ。
        (布地越しだからこそ、曖昧な快楽が己を嫐る。)
        (直に触れられていれば、恐らくそう長くは保たなかっただろう。)
        (それでも、青年を高めるには十分な快楽に対して、必死に歯を食いしばって、腰の奥、渦巻くものを押し留めて。)
        (漸く少女が唇を離した時、もう、限界だった。)
        (は、は、は、と。快楽が迸りそうで留めていた呼吸は荒く。酸素を必死に取り入れるように喘いで、そして。)
        ジーニ。
        (名を呼んで、少女の誘惑のままに。相手の体を柔らかな絨毯の上へと、押し倒した。)
        (ジーニ、ジーニ、ジーニ、と。名を呼んで、首筋に、頬に口付けながら。)
        (青年の手はもどかしそうに、少女の腰の、下着の結び目を解いてから、己の下着も脱ぎ去った。)
        (少女の愛撫によって零れ落ちた先走りが、室内の灯りにてらてらと光って。)
        (それが相手の視界に入ったかどうか。それを気にすることはなく、少年は、少女の上へと覆い被さる、寸前。)
        (ぐっ、と。奥歯を噛み締めて。震える呼吸で、一度だけ深く深呼吸してから。)
        ジーニ。愛してる。
        (そう、相手へと告げて、ゆっくりと身を重ねた。互いの一番敏感な部分を、重ねるために。) -- ユーリ 2013-07-20 (土) 18:37:32
      • (自分の思いつきでやったことでも、ユーリは気持ちよく感じてくれたのがわかって嬉しい)
        (びくんと動いて唇から逃げてしまうから、本当の猫みたいに夢中で追いかけて捕まえて)
        (最初はそんな風に楽しいだけだったのに)
        (自分の喘ぐ声がないから余裕の無くなった荒い吐息がよく聞こえるようになって)
        (彼の押し殺した呻き声が耳に入るたびに、触ってもらってもいないのに、「変」な感じ)
        (男の人の、ユーリの匂いがさっきよりもずっと強くて)
        (布越しでも形がわかるくらいにおおきくなっているものが、自分の中へ入るんだって思うと)
        (怖いと思うのに、おなかの中がきゅっと求めるみたいに動いて)
        (猫は獲物を追いかけるのにさらに夢中になった)
        (捕まえて、あんまりいじめるすぎると駄目なことは知らないから、本当に彼の限界寸前まで)

        (その後の、遊んでって子供がねだるみたいな誘い文句。それでも彼の背中を一押しするのには十分だった)
        (素肌に毛皮の絨毯が触れて、キスの嵐。どこに触れられても同じくらいに甘い感覚が背中を痺れさせて)
        あ…っ ユーリ……っ ひぁ…っ
        (衣擦れの音もかき消す、嬌声がまた部屋に響き続けた)
        (そのうちに身につけていたものがお互いなくなって……)
        (……初めて見る形のものに、一瞬だけ怯えた顔)
        (自分の指すら入れた事のない場所に、これが…)
        (思わずぎゅっと目を閉じてしまった。痛いというのはよく聞く話)
        ……っ

        (でも、同じように震える呼吸をする青年が)
        (優しく、愛してると告げてくれたから)

        (不安で逃げそうになってた気持ちが、消えていく)

        ……ジーニも…、私も……愛してるわ、ユーリ。
        (ジーニと、スニェグーラチカの入り混じった答え。愛してると一緒に伝えたかったから)
        (……答えた声は震えてしまっていたけれど)
        (両手を伸ばして、重なった体をぎゅっと抱きしめる)

        (おなかの中に待ち望んでいたものがゆっくり、ゆっくりと入ってきて)
        (小さな入り口が拡げられて、息がつまるような痛みが襲ってくる)

        (痛みに声を上げたり、それをなだめるように撫でてもらったり)
        (そのうちにまたゆっくりと動いてもらって、痛みじゃない感覚が少しずつ、体を支配していく)
        (触ってもらっていた時のものよりもずっと、怖いくらいの強い快感)
        (血の混じった潤滑液があふれ出して、どんな動きも快楽へと変えていく)

        (さっきのユーリと同じように、沢山恋人の名を呼んで)
        (同じくらい沢山、好きと囁く。そうすると気持ちいいのがもっと、もっと、強くなって……)
        (望んだ通り、とけちゃうくらいに二人はひとつになった)



        (…………そうして、少年と少女とは、ひとつまた大人になったのでした)
        -- ジーニ 2013-07-20 (土) 20:10:37
  • http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079485.gif
  • http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079485.gif 黄金暦250年 12月
    • http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026239.jpg とったどー!!!!!!!
      (今日は朝から結婚式。ユーリに店番を任せると綺麗にお化粧して、ふんわり白いコートで鈴蘭と出かけていった)
      (……はず、だったのだけど……夕方に帰ってきた彼女は軍服のような衣装で、ポニーテールという勇ましい出で立ち)
      -- ジーニ 2013-06-18 (火) 20:13:15
      • (卒業の後。いうなればフリーター生活の青年。)
        (身分上はどこぞの研究科の学生である、が、授業には気が向いたときくらいしか出ていない。)
        (一年で出て行くつもりであれば、学生の身分は精々滞在パスと身分証代わりのようなもので。)
        (色々行ってきたアルバイトの引継ぎであるとか、手伝いであるとか。そんなこんなで日々の生活は成り立っていた。)
        (そんなある日。頼まれた店番。手馴れた様子でこなして、頬杖着いてぼーっとカウンターの後ろから、ドアの方を眺めていれば。)
        ………あれ?結婚式って戦場だっけ。いや、ある意味戦場ではあるだろうが。
        (見えた相手の格好に、眉を寄せた。) -- ユーリ 2013-06-18 (火) 23:58:57
      • ほにゃっ?!……喜びすぎて着替えてくるの忘れてた…!!(怪訝そうなユーリの顔にはっとなって)
        (もう取り繕っても遅いんだけど、そっとカウンターにブーケを置いて、軍服のジャケットを脱いだ)
        ぶ、ブーケが欲しくてですね…ちょっと気合を入れるために、うん(もじもじ)
        これもらうと、次に、その、あれよ……………………だから、どうしても、ほしくて……………………
        ………………あ、み、店番ありがとうなの!!毎日してくれれば養う事もやぶさかではないのよ?
        (赤くなって照れながらわたわた話をそらす。に、にぱー)
        -- ジーニ 2013-06-19 (水) 00:17:43
      • なんで結婚式に行って花嫁じゃなくてジーニがお色直ししてるん…?チキチキジャングル大ブーケ争奪戦とかだったの…?
        (カウンターに置かれたブーケから仄かに香る、この部屋のものとは違う花の匂い。物珍しそうに眺めて。)
        気合入れすぎ問題。っていうか、その衣装わざわざ持っていってたのか…新郎新婦もびっくりだわ…サプライズ婚だわ…
        (照れた様子のジーニを見て、首を傾げていたものの。続いた言葉に納得したようで。)
        あー はい うん………
        (なるほど、なるほど。うん、うん、と呟いてから。互いの間に沈黙。)
        (意思の疎通に難がある故ではなく、理解できるからこその、次の言葉を選ぶ静けさ。)
        (少年が口を開きかけたところで、それを先に破ったのは少女から。)
        (んむ、と一度口をつぐんでから。)
        あ、いや、まだ呼んでくれる所もあるし。店の中で自堕落な生活はしてられない!
        (相手の焦りが少しばかり移ったように、少年も、ははは、と笑って。)
        ていうかそれヒモですよね? -- ユーリ 2013-06-19 (水) 00:33:04
      • あら、ブーケの争奪戦は戦争よ?兄様にそう聞いて半信半疑だったのだけどほんとにその通りだったわ…
        (沈黙が辛い。かつてこれほどまでに二人一緒の時に気まずい気持ちになった事があっただろうか)
        (…あったきがする!!)(必要以上にわたわたっぷりはさらに加速)
        い、いいじゃないひも!!ユーリの仕事はね、お店が暇な時ジーニをお膝に乗せたりとか
        一緒にジーニが作ったごはんを食べたりとか、おふろで背中を流されたりとか…そういうのでいいのよ?
        (ブーケをまた手にとって、片手で花をつっつく)
        ……研究科になったからもっと一緒にいられるかなって思ったのに、前と同じような感じで……寂しいんだもん
        (ほっぺふくらませて、ぽつりとわがまま)
        -- ジーニ 2013-06-19 (水) 00:52:12
      • 慣用句ですよね?物理的に戦場ではありませんよね?それもう結婚式ではないですよね?
        (本格的に戦場。普通であればありえない話だが、この学校であれば、ない、とは言い切れない。)
        (想像が容易すぎてドン引きする青年。乾いた笑いを浮かべて。)
        そしてひもはよろしくないかんな!後前二つはまだ良いとして一番後ろはちょっとジーニさん落ち着いてください?
        社会的な評判とかそういうのはどうでもいいとして、ヒモになるのは俺のちんけなプライドが許してくれない。
        (少女の小さなわがまま。仕方ないだろ、というのは簡単だけれど。)
        (青年はカウンターの向こう側から手を伸ばして、膨らんだ少女の頬を、人差し指と中指で撫でるように軽く叩いた。)
        ごめんな。そんじゃ、ブーケゲット賞ってことで、明日は一日ごろごろするか?
        (柔らかく笑んで、緩く首を傾げて。膨らんだ頬を二本の指で優しく押す。) -- ユーリ 2013-06-19 (水) 01:13:18
      • http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026276.jpg
      • 聞かせてあげたかったわ、鈴蘭の雄叫び……あんな綺麗な子でもあんな声出るのねってびっくりしちゃった。
        (だいたいユーリの想像に近いという事を肯定する発言。こくこく)
        (実際女の子がそろって普通にブーケを狙っただけなんだけど、雰囲気的にはまさに戦争だったのだ)
        (……自分が一番鬼気迫る様子だったであろうことは口が裂けても言えない)

        (……だって)
        (ブーケをもらえたら、次は自分)
        (ユーリの仕事先を全部つぶさなくったって、ずっと一緒にいられるようになるんだもの)

        …裸見慣れてるから動じないんじゃなかったの?
        (そんなジンクスに必死になってる自分が恥ずかしくて、それを隠すためにふくれっ面)
        (そんなほっぺに優しくユーリの指が触れる。同じくらい優しく笑って。卑怯だと思うくらいに大好きな笑顔)
        (触れた指を押し戻すつもりでさらにほっぺを膨らませた。だけどすぐに吹き出して、空気が抜ける)

        もー!謝らなくていいの!!「おとこのぷらいど」、ジーニだってわかるし!
        ジーニのわがままなんだから、馬鹿の一言で……それでいいのに。
        で、でもユーリがごろごろしたいのなら、ジーニは喜んで付き合ってあげるのだわ うん。記念に。

        ………………………………………………あ、明日一日じゃなくて、今から&明日一日がいい。

        (変な意地を張ろうとしたけど一瞬で崩れ去り。返事を聞く前に店の外にクローズの札を下げてきてしまう)
        (それからの行動は驚くくらいきびきび素早く。部屋着に着替えると前より広くなった部屋にユーリを引っ張り込んだ)
        (欲望に負けきった恥ずかしさで始終真っ赤で無言で)

        (敗北者はふかふかの白い毛皮の敷物にごろんとなって、その隣をぺしぺし叩いている)
        -- ジーニ 2013-06-19 (水) 02:21:38
      • http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026273.jpg -- ジーニ 2013-06-19 (水) 22:02:59
      • 見慣れてるのと風呂に入るのはいろいろな意味で全く別物なんですが。見せる方も違うだろ?
        (ふわふわと柔らかな頬の感触を楽しむように、指先は少女の頬を弄ぶ。)
        きっとジーニが思ってるのよりも、ずっとちんけなプライドだとは思う。でも捨てきれない。
        わがままでも、俺を好きでいてくれてるからだろ?なら、応えきれないのは、俺が悪い。
        はいはい。俺がゴロゴロしたいから、どうぞジーニさんお付き合いして おい店主。閉店のお時間はまだずいぶん先じゃないですか店主。
        (ぐいぐいと腕を引っ張られれば、傾いた姿勢で部屋へと引きずり込まれる。)
        (倉庫の合間にベッドがあった頃に比べれば、随分と広くなったその部屋。)
        (店をほっぽり出して完全に誘惑に負けた様子の少女に、僅かばかり眉間に皺を寄せていたけれど。)
        (真っ赤なその顔を見れば、ふぅ、と一息吐いて。しょうがないな、というように笑った。)
        (ジーニの手が示した場所へと腰を下ろせば、あぐらをかいて座って。)
        寝転がって菓子を食べるのは行儀悪いぞ。
        (準備万端な絨毯の上を眺めながら、ジーニの頭の上へ左手を載せて。)
        (右手でお菓子の袋を拾い上げて眺めながら、少女の頭を撫でる。)
        絵本に旅雑誌に、お前完全にこの場から動かずに過ごすつもりだな。ゴロゴロモードだな。
        だがその意気や良しと言ってやろう……
        (絵本、旅雑誌、と順に手にとって眺めつつ、左手は少女の頭から頬を下って、顎の下を撫でた。) -- ユーリ 2013-06-19 (水) 23:05:36
      • http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026275.jpg
      • (クリスマス前だし年末年始だしかきいれ時ではあるのだけど、そんな事は今日は忘れることにした店主)
        (あきれられるのわかってたけど、素敵な結婚式を見て舞い上がってる女の子にはお店よりも彼との時間が大事で)
        ユーリは乳母やみたいなこと言うーこぼしたら掃除するからいいのよ?
        …いつも思うけど、ユーリはこまごまと真面目よね?だらしなくなってべったり甘えてるのもみてみたいのよ。ふふふ。
        (「応えきれない俺が悪い」できゅんとしてたジーニさん)
        (そんな自分なりのルールをしっかり持ってるユーリが好きなのだけど……)

        (幸せそうに撫でてもらいつつ、隣に座り込んだユーリの膝にあごを乗せる。犬か猫みたいに甘える気まんまん)
        ん…ふふっ にゃーんくすぐったい…もーペットじゃないのよー?こいびとなのよー?
        (すっかりペットのような気分で喉をごろごろ鳴らしてみたり。そのあとにとってつけたような文句)
        (……あいかわらずロマンチックとは程遠いのが気になってはいるのだった)

        (そんな時、視界にブーケが入ると、急にじーっとユーリを見つめて、しばらく無言)
        脳裏にはきらきら輝くような二人の姿。ロマンチックの塊みたいな)

        ……にゃー(見つめたまま、ユーリのくすぐってた指をかぷかぷあまがみ)
        (ぷは)…ね、ユーリは、ジーニのこと、すき?

        (唐突な質問。幸せそうな夫婦になった二人を思い出して、なんだか羨ましくなったのだ。らぶらぶろまんちっくが)
        (こんなにくっついてかまってもらってるというのに、女の子は欲深い)

        (じー……指にじゃれつきつつ、答えを待つ)
        -- ジーニ 2013-06-19 (水) 23:35:42
      • 汚すと洗っても生地は傷むしさ。折角良い絨毯なんだし……んむ(暗に口煩い、と言われてしまえば口を噤んで。)
        ……親父に似たんだよ、親父に。(お菓子の袋をジーニの背中に積んでいく。)
        俺は怠惰になるととことん怠惰になるからな…見ないほうがいいぞ、そんなの。
        (我が事ながら情けない台詞を吐いて。溜息一つ。)
        (膝の上に少女の顔が乗れば、手は顎の下から移って少女の髪を手櫛で梳く。)
        (量の多い翠の髪をゆっくりと撫でるように梳きながら。)
        ペットだったらもっと厳しく躾タイムだっての。恋人だから甘やかしてる。
        (視線を雑誌から外せば、膝の上の少女へと眼差しを落として。)
        (目に入った少女の瞳。それは己から外れていて。)
        (後を追えば、目に入ったのはブーケ。それから再び少女へと視線を戻せば。)
        痛い痛い。やめなさい。お腹壊すぞ。食中毒になるぞ。
        (口をへの字にして、なんとも言いがたい表情で指先の感覚に耐える。)
        ……噛むか爆弾をぶち込んでくるかどちらかにしなさい。
        (飛んできた疑問を受けて、ふぅ、と息を吐いてから。)
        少なくとも俺は、好きでもない女子にこんなべたべた出来るほどに器用じゃない。
        (少女のじゃれつく手指が離れた。そのまま、その左頬に手を当てて。)
        (人差し指がジーニの耳朶を撫でる。) -- ユーリ 2013-06-20 (木) 23:22:20
      • ユーリのお父さんってどんな人かしら?見た目はユーリはどっちによく似てる?
        お二人とも元気なのよね?わ、わたし気に入ってもらえるかしら…きゅ、急に緊張してきたわ。
        (想像の中のユーリのご両親はとてもしっかりした大人らしい二人)
        (お菓子を背中に乗っけられつつ固まってしまう。気に入られる要素を思いつくほうが難しい)
        (ふわふわ長い翠の髪をすいてもらいながら、うんうん悩む)
        ……会った時は頑張って猫かぶるので、笑ってはいけない「両親に彼女を紹介」になると思うのだわ。
        (悩んだ挙句にそんなことをポツリ)

        (真剣に悩んでたつもりなんだけど、「恋人」とユーリの口から自分の子といわれると、頭は真っ白)
        (実際そのとおりだから特別な表現というわけでもないのに。ふにゃふにゃになってしまうくらい嬉しい)
        (かぷかぷしてたでっかい恋人猫のテンションもあがりきってしまうというもの)
        (乙女モードになってしまうのもやっぱり無理もなくて)
        やだ。噛みつつドッキリさせつつかまってもらうの、にゃーん
        ジーニはユーリすきすぎて食べちゃいたいのよ
        でも食べたらなくなっちゃうからこうやってかぷかぷする。ふふっ
        (とさとさ、背中に乗ってたお菓子たちが、じたばたする少女の背中から落ちていく)

        (ため息混じりの答えに、ふにゃっとうれしそうなゆるゆるの笑顔)
        (ちょっとだけ回りくどいお答え。だけどそれがユーリらしくて嬉しい)

        そういう時は 「好きだよ」 の一言でいいのよ?
        でも、ユーリのそういう言い方も好き…素直じゃなくて、恥ずかしがりやなとこ、すき。
        ユーリがいいにくい分ジーニが言っちゃう……わっ?
        (頬擦りして遊んでた指が離れて、耳に触れた。笑顔だったのがびくっと身をすくめて、)
        (触れられた手からは逃げないで、ほんのり赤くなった頬でまたくすくす笑う)

        …ジーニも、こうやって触れられて嬉しいもの、触りたいなって思うのも。好きな人だけよ?
        ………………キスして欲しいなって、思うのも……触って欲しいなって、思うのも。
        (段々声が小さくなっていって、もじもじ、恥ずかしいので視線をそらす)
        -- ジーニ 2013-06-21 (金) 00:16:27
      • ……両親の間の子的な感じだと思う。髪の色は母親だな。背は親父。顔は……
        (右の手で、自分の顔をぺたぺたと触ってから。)
        自分じゃ顔はわからないな。後親父は俺より痩せてるよ。
        元気元気。めっちゃ元気。もうさっさと静かにして欲しいくらい元気だ。
        (話している内に思い出したようで、げんなりとした表情でそんな台詞。)
        (言葉の端から家族に対する複雑な感情が見て取れる。)
        いいよ、別に素で。うちの両親、正直俺に負けず劣らずどうしようもないしさ。
        それに嘘ついて気に入られても、これから先、逆に辛いだろ。
        (だから普通でいいよ、と。笑みながらそう言って、ぽんぽん、と少女の背中を軽く叩いた。)
        多少なら食べてもなくならないだろうが、食べてる最中に謎の奇病で死んでも知らんぞ…
        やだな恋人の死因が俺食って食中毒って…葬儀でどんな表情すればいいのかな…
        少なくとも死因は心臓発作で発表するわ…
        (ジーニの背中からおちたお菓子がじたばたする身体に潰されないようにと、離れた所に押しやって。)

        話がくどい事に定評のある俺に、そんな端的な一言が言えるはずも無い無い。
        別に恥ずかしがり屋ではないですし?口下手とかそういうのですし?
        互いに一言で済ましてたら即会話終了ですし?そういうのは30年後でいいですし?
        (少女の耳朶の柔らかさを感じるように、人差し指は柔らかな手つきで。)
        (ジーニの表情の笑みが深くなるのが、手の中、頬の感触でわかる。)
        (合っていた視線が、少女の尻すぼみの言葉の後に外された。)
        (少年はそれを見れば眉を上げてから、左手を少女の頬から離す。)
        ジーニさんは全く欲しがりですね。
        (誂うように言ってから、身を折って。少女の額、降りた髪をそっと上へと抑えて。)
        (その額、髪の生え際辺りに唇をつけた。) -- ユーリ 2013-06-21 (金) 01:12:25
      • 髪の色、お母さんのなんだ。あ!あの真っ黒な空の世界で見た黒髪はお父さんのかな?
        ユーリより細いって、相当よね……お母さんも細いのかなぁ?
        (話を聞きながらほわほわ想像。どんどん勝手に両親のイメージが出来上がっていく)
        (自分の考える「理想の両親像」に)

        (自分の両親はまともだとは口が裂けてもいえないような夫婦だし)
        (……でも、大好きなの。駄目駄目なパパとママだって)
        (多分、ユーリも同じ)
        (もしかしたら親子って結構皆こういうものなのかな?)
        (少しだけあった劣等感のようなものが消えていくような気がした)

        家族の話をする時のユーリはなんだか面白い顔するね?
        眉間にしわ寄せて、嫌そうなんだけど…でもどこかちょっと嬉しそうなの。
        きっと、素敵で楽しいご両親なんだろうなって思うのよ。
        ユーリと同じように、ねー?
        ……だから、ジーニも気に入られたら嬉しいなって。がんばろっかなって。
        (背中に触れる大きな手。ありのままでいいと言ってくれる気持ちと同じくらい嬉しくて)
        (乗っけたほっぺで膝にすりすり)
        でも……ユーリがそう言うなら普通にしておくの。えへへ。

        ユーリ中毒でジーニ死んじゃったら、「馬鹿な女だ…」って笑えばいいと思うのだわ。
        なんかキャラ違うけどかっこよく悪役っぽく笑えば死因のどうしょうもなさがフォローできると思うの!
        ジーニは「あたしってほんと馬鹿…」って青い空にいい笑顔で浮かんどくわ。
        ほら、シリアスに〆られた。よし。
        好きな人を食べて逆に侵蝕されて死亡って言うとすごく浪漫があるような気がするしね?
        ものは言いようよね。(うんうん)
        …っていうか!!んもー!何その言い方!!
        そういう意味じゃないんだけど??!おのれ!ぼくにんじん!!(朴念仁といいたいらしい)
        (しゃー!と猫みたいに威嚇して、でもすぐにふきだしてしまって)

        でも、そういうところも、すきよ?
        (何度目かわからない台詞を口にする)

        それにくどさ長さならジーニのほうが圧倒的に勝ってるのでユーリは気にすることないのだわ
        (何故かふふんと自慢げな顔。でもすぐにぱっと顔を輝かせて)
        …あ!!
        その定評を生かしてジーニに愛を囁いてみるのはどうかしら?!
        三十分にわたりあらゆる角度から「好き」を表現!みたいな!!
        ……うん、言いながらこれほど「無茶だ…!」って思ったことは今までにない感じなの。
        (耳朶をふにふにされて、くすぐったそうにまた身を捩じらせて)
        ん…ふふっ 三十年後も同じ事言ってそうな気がする。
        ユーリのそういうとこ、ずーっと変わりそうにないもの。
        -- ジーニ 2013-06-21 (金) 12:58:27
  • http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079485.gif
  • http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026254.jpg 黄金暦250年 2月 (明け方近く)
    • (それからケーキの残りを食べたりして、シャワーあびて着替えて……)
      (…ジーニの薬草の箱だらけの倉庫みたいな部屋のベッドに二人ではいる頃には、外がうっすら明るくなっていた)
      (※ちなみにおふろは一緒に入ろうとしたけどだめでした)
      (※ユーリには娼館から借りてきたパジャマを着せました)

      (明かりを小さく絞って、薄暗い部屋の中)
      ……えへへ。ユーリ、おいで?
      (ぶかぶかのパジャマ姿で両手を広げて、半ば強引にベッドに引っ張り込む翠の娘)
      娼館が近くてよかったと思ったのははじめてなの。ユーリとおそろいのパジャマ、貸してもらえてよかった。
      (ぎゅうーっと抱きしめてから上に乗っかる。ちょっと重いかもしれないけど)
      (胸に頭を乗っけて、布団かぶって、ごろごろ。すぐ近くのユーリの顔見つめて)
      …さっきの話、雪の話ね、
      きっと、ジーニがユーリと今日はずっと一緒にいたいって思ったから
      スニェグーラチカは”雪娘”だから。無意識に魔法を使ったのかも。
      (ベッドの枕元、窓の外をちらりと見て、またユーリに視線を戻す)
      (にへらーっとなんかたくらんでるような、顔)

      http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026253.jpg 

      ね、ね、あとさ、寝るだけって言ってたけど…ジーニも初めからそのつもりだったのよ?
      もしかしてーユーリは他の事まで、想像したの?えっちー
      (うにうに、ユーリのほっぺつついていじめる遊び)
      -- ジーニ 2013-06-16 (日) 01:27:09
      • (娼館の香りのするパジャマ。己の衣服から普段しないその匂いに、どこか擽ったそうな少年。)
        (注:お風呂の話は出た途端に窓ガラスを突き破る素振りを見せたので無害でした)
        (薄暗く狭い部屋の中。けれど少年にすれば、気にする様子無いどころか、むしろ落ち着くといった様子。)
        (引きずり込まれたベッドの中。巨大な熊のぬいぐるみのごとく、抱き寄せる少女の動きに逆らわず。)
        (ぶつぶつと、これはおかん、これはおかん、と呟いていたが、途中から、いやここでおかんだと認識すると今後に支障が…?と悩み始めて首をぶるぶると振った。)
        俺は今日に至るまで娼館という場所にパジャマが常備されている事を知らなかった……知らないままでよかった知識だこれ……
        (抱きしめられれば抱きしめ返すように、背に手を回して。ぽんぽん、と背中を軽く叩いて。)
        (少女の重みを身体の上に感じながら、最初だけ態とらしく「ぐえー」と声を漏らしたものの、それから後は、重たそうな素振りも見せず。)
        (己の胸元に覗く少女の顔を間近から見返した。)
        俺を夏場の竹すのこか何かと勘違いしてるんじゃないか……ん。
        (少女とともに、窓の外へと視線を飛ばしてから。)
        …そんなこと言われてるけど、スニェグーラチカ、否定しとかないと今後も雪を頼まれるぞ。大丈夫か。
        (外側からでは覗き込めないジーニの内側。そこに居るであろうもう一人の少女へと、苦笑い一つ。)
        (そんな言葉をかけた相手。翠の少女は悪戯染みた笑いを浮かべてこちらを見下ろしている。)
        (嫌な予感がしたが、まさにそれは当たっていて。頬を突かれれば、擽ったそうに目を細めて、眉を寄せた。)
        お前なー。数時間前にあんな発言してリボンで簀巻きにされておいてその台詞か。
        またぐるぐる巻きにしてその横で朝まで寝てやろうか…。
        (倉庫と化した部屋の中。その辺りにロープくらいあるのではなかろうかと視線を飛ばす。) -- ユーリ 2013-06-16 (日) 23:23:18
      • (恋人に甘えるというよりは親に甘えてるみたいな行動だけど、少女なりの愛情表現)
        (なすかままに受け入れてくれて、甘やかしてくれるユーリに猫みたいに頬すりすり)
        (重そうな声出されてもくすくす笑って嬉しそうにごろごろ)
        ジーニ、ユーリのお母さんでもいいよ?ユーリいっぱい甘やかしてあげるの。
        (ぶつぶつ呪文みたいにつぶやいてた彼に無邪気な笑顔をむけて)
        (同じシャンプー使って、同じパジャマで、ユーリをパジャマごしにくんくん)
        えへへ…すっかり同じ匂いになったねー?娼館はおとまりするところだもん。パジャマ色々あるんだよ。
        和服とかね、ガウンとか、あ、女の人にはすけすけネグリジェとかね?
        (そっちの方がよかったのかなーなんて何にも考えてなさそうな顔で言って)
        竹すのこみたいに涼しくないから、なんだろー…抱き枕!抱かれ枕?そんな感じで。

        (外はまだまだ雪が止まなくて、部屋の中はとても寒くなってきていた)
        (くっついているので気にならないけど)
        (呼びかけられた銀髪の娘は翠の娘の中で笑う)
        (ジーニの口を借りて答えようとしたけど、何か思いついて、答えずにそのまま引っ込む)

        さっきのリボンはまだあるけど、だめ!
        あーでもユーリがぎゅーってしてくれるなら巻かれててもいいかな…?
        (ころんとユーリの上から隣にうつる。肩に頭を乗っけてくっついて)
        (同時に反対側にも、同じ重み)
        (ジーニと同じ顔の銀髪の少女がいつのまにかそこにいた)
        ……ふふっ 二対一で二人とも巻き巻きにすることが出来るかしら?
        逆にユーリを巻き巻きにして二人で朝までいじめてくれるわ、なの。
        ……ああ、もっと雪を降らせて、明日の夜も帰れないようにするのもいいわね…。
        この雪は私のせいじゃないけど、できなくもないのよ?

        (同じ顔だけど、気の強そうな表情でにんまり笑う。その笑顔はさっきのジーニとそっくりで)



        (そして、二人して身を起こして、並んでユーリの顔をのぞく)

        ユーリ、大好きよ。
        ユーリ、大好きよ。

        (愛しげに言うその表情も、そっくり同じもの)

        何でもあげる。
        欲しくなったら、言ってね?

        (小さく両耳に囁いて、両頬に軽くキス)
        (二人同じタイミング)

        ……おやすみなさい。

        (真っ赤な顔を隠すように二人ともユーリの横に逃げて腕にくっつく)
        (…………………………しばらくすると、すやすやと安らかな寝息…)
        -- ジーニ 2013-06-17 (月) 00:18:49
      • http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026268.jpg
      • 恋人に母親になってもらうとか倒錯的にも程がある過ぎる…それにそもそも、名目上でも親父にジーニを渡すのも嫌だしお断りさせて頂きます。
        (両の手を己の顔の前まで持ってきて。左右の人差し指でバッテンを作った。)
        (胸の上、少女が服越しに己の匂いを嗅いでいる。慌てた様子で相手のパジャマの首元を掴んで引っぺがす。)
        やめなさい。なんかこう、ちゃんと風呂で身体は洗ったものの、なんか、なんか恥ずかしい。
        和服…夏場はソッチのほうが涼しいのかもしれないな…いや、ネグリジェとかはありそうなイメージあったけどさ。
        男性用のパジャマまで、っていうのhネグリジェは風邪をひくからやめたほうがいいんじゃないかなやめるべきやめなさい。
        (こいつ確信犯なのではないか、という疑いを篭めた視線を向けながら、三段の活用で思い留まらせようとする少年。)
        抱枕は上に寝るものではないし、抱かれ枕は隣に寝るものだからな…しかし布団に引っ張り込まれる前の発言を鑑みると抱枕が近いのか…
        (達観した表情を浮かべながら、少女の後ろに回した左手で、二つにまとめられた髪の一房を手にとって。指先で弄ぶように。)
        (布団の外側、少女と触れていない顔はひんやりとした空気を感じている。)
        (何らかの返答が帰ってくるかと思った銀の少女から、リアクション一つ無ければ、不思議そうな表情を浮かべながら。)
        なんだ。スニェグーラチカ、寝てるのか?
        (ジーニが起きて、スニェグーラチカが寝ることもあるのだろうか、と。首を緩く傾げる。)
        ぎゅーっとしません。簀巻きにしたまま、隣で俺はぐっすり眠ります。
        しいていうならば布団を温める行火代わり、(に。口は言葉の形に動くが、喉は鳴らない。)
        (胸の上の少女は、己の隣へと降りた。そちらへと顔を動かして確認している。それならば。)
        (逆側へと、首を、こてん、と動かした。視界に入ったのは、銀の少女。)
        (瞬きを数度。それから首を左右へと数度振るようにして、己の両側を見て。)
        え?
        (寝転がった頭の上に、疑問符が幾つか並ぶ。混乱している間にも、並べられた不穏な発言。)
        いや、とりあえず、状況がよくわからないんだけど、二人くらいなら縛り上げてくれるわ、じゃなくて。
        できるんだ…雪降らせられるんだ…俺一人のために運送業者大混乱だな…バレたら俺の首が物理的に折れるな…ていうか二人共同時に出てこれるのか。
        (ようやく、シンプルに疑問を口にした。)
        (二人の顔を見比べてみれば、当然のことながら、そっくりで。)
        (しかし、浮かべた表情の端々には、僅かな違いが散見される。)
        (それこそやはり、双子のような。一つから生まれて二つに分かたれた。)
        (そんな二人が、己の顔を覗きこんでくる。まるで立体視用の写真のよう。)
        (薄暗い部屋の中。髪型以外は同じ姿形をした二つの色彩が、こちらを見下ろしている。)
        (その口から零れ落ちた言葉は同じ。)
        (継がれた言葉は二人で一つのセンテンス。そして最後は再び、同じ行動を。)
        (少年は固まったままに、それを受けて。灯り少ない室内、ベッドの上。果たしてその頬は赤らんでいたのだろうか。)
        (少女たちはそれを確かめる前に、少年の両隣へと。)
        (左右の腕に感じる僅かな重み。少年はしばらくの間、硬直していたものの。)
        ……俺も好きだよ。ジーニ。スニェグーラチカ。
        (果たして少女二人の寝息は、真実寝入った故のものだったのか。)
        (わからないままに言葉を口にしてから、少年もそっと目を閉じた。)
        (蕭々と積もる雪の音はまだ聞こえているだろうか。)
        (ただ部屋の中には、少年と少女たちの寝息だけが残って。) -- ユーリ 2013-06-17 (月) 01:02:57



      • (すぐ引っ込んだのは、答えを聞くのが怖かったからとか、怪訝な顔されたらどうしようとか)
        (ほんとは二人同時に存在できるようになった事を教えるだけのつもりだったのに、何言ってるんだろう自分とか)
        (そんな理由で)


        (早くなった胸の鼓動が落ち着いたって、眠れるわけなんかなかった)
        (たぬき寝入り。そのつもりだったんだけど)
        (沢山話して、はしゃいでいたせいか本当に眠くなってしまって……)

        (大好きな彼が返してくれた言葉はゆめうつつの中)

        (でも夢じゃないって、知ってる)
        (ユーリの温かさが同じ気持ちなんだって、教えてくれるから)


        (雪の積もる音と彼の寝息を子守唄にして)
        (幸せいっぱいで、二人は眠る)



        (……こうして、二人の三度目のバレンタインが終わった)

        http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026267.jpg 

        (ハッピーバレンタイン!)
        -- ジーニ 2013-06-18 (火) 13:15:21
  • http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079485.gif
  • http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026176.jpghttp://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026177.jpg 黄金暦250年 2月 (夜中の12時)
    • (いつの間にか、娼館から時折聞こえてくる賑やかな笑い声もなくなっていて)
      (窓の外は雪がちらついていて、時間は深夜になろうとしていた)
      (話の終わりに、壁掛けの古い時計がタイミングよく鳴る)

      (しばらくは何もいえなかった。心を整理するのでせいいいっぱい)

      あ……紅茶、入れるね。雪が降ってきたから寒い……。

      (やっと出た声は掠れていた。その上こんなどうでもいい台詞で)
      (立ち上がってカウンターの上、お湯を沸かす用のビーカーを火にかけて)
      (こぽこぽ。平和な音が響く。その間も、やっぱり何も言えなかった)
      (熱い紅茶に蜂蜜を少しと、ラム酒をたっぷり。ユーリの前に置いて)


      ………………そのまま彼をぎゅうっと、抱きしめた


      ………ジーニ、馬鹿だから、頭の悪さ選手権二位だから。
      いっぱいいっぱい考えたけど、何も上手く言えないから、ぎゅーってするわ。

      ありがとう、ユーリを助けてくれて。
      マリアが助けてくれなかったら、ジーニは一人ぼっちのままだった。
      痛かったかな、苦しかったかな、悲しかったかな…。

      (ユーリの頭を胸に抱いて髪を撫でる)
      (彼の中では、二人の中では、もう遠い昔の事)
      (だからもう苦しくもないし悲しくもないかもしれない)
      (だけどそれでも、抱きしめたかった)

      ジーニ、嬉しいの。
      マリアも、ユーリも、お母さんも、お父さんも、
      どんなに酷い目にあっても人を好きでいてくれて、嬉しいの。

      人を好きでいてくれてありがとう。
      私たちは人ではないものが言うのもおかしな話と思うけど。
      ジーニもね、スニェグーラチカもね、人のこと、大好きよ。

      自分勝手で、つらい事を全部人ではないものに押し付ける人間達。
      私達を尊敬し崇めるふりをして、薄気味悪い化け物だと思っているくせに
      でも、それでも恐ろしいと思っていても小さなジーニが転んだら助けおこしてくれた。
      恐ろしいものにすら優しい気持ちを向けてくれる…人間て不思議ね。
      私たちはそんな人間を、愛さずにはいられない。

      同じで嬉しい。
      人を好きで、人の中にいてくれたから、私達は出会えたの。

      (そして、幸せいっぱいの笑顔を腕の中の愛しい人に向けて)
      (色の薄い栗色の髪を指で梳きながら)
      私たちの大好きなユーリは、二人で一人の、ユーリ。

      天使でも、悪魔でも
      王子でも、乞食でも
      人でも、人じゃなくても
      ユーリと、マリア、二人で一人でも
      どんなに恐ろしい生き物でも

      ……私たちは今ここにいる貴方が、大好きよ。
      話してくれてありがとう…。



      (壁の時計がまた鳴った……バレンタインの終わる時間。真夜中の、12時)

      あ…もうだいぶ遅くなっちゃったね。雪もどんどん積もってる…。
      ……ね、泊まっていって?ジーニ、ユーリを抱っこして寝たい!
      今日は離れたくないの…いいでしょう?
      (とんでもない事を言い出して、祈るように、ユーリを じー……)
      -- ジーニ 2013-06-15 (土) 06:00:10
      • (最初は少女の笑い声や、先を急かす言葉を交えた語り。)
        (途中から、それは潮が引くように、すっ、と途絶えて。)
        (最後には、少年の声と、時計の針の動く音だけが店内に響く。)
        (外から聞こえる歓楽の声が途絶えれば、いよいよ雪の降る音すら聞こえるようで。)
        (そして少年の昔語りは。片割れを語る少年の言葉は、二つが一つになった所で最後となった。)
        (語り終えた少年は、ただ静かに微笑んで。それはともすれば、塔の上の竜があの日浮かべていた笑顔にも似て。)
        (響いた時計の音を聞けば、そちらへと視線をやった。)
        (間近であるがゆえに。少女から伝わる動揺が、舌の上に感じられる。)
        (かけられた声。そして続いて立ち上がるジーニを見る視線は、穏やかで。)
        (静かな店内。甘い花の香の中に、仄かに混ざる紅茶の香りと、花とは異なる甘さ。)
        (置かれた紅茶のカップ。ありがとう、と一言礼を告げて、手を伸ばそうとした所で抱きしめられた。)
        (僅かに驚いたように、眉を上げて。それから、再び表情に微笑み。)
        (そのまま、少女の胸元に身を任せる。髪を梳く、細い指の感覚をしっかりと捉えながら。)
        (間近から聞こえる少女の声。愛する人の穏やかな声。)
        (まるで寝付かされようとしている幼子のようだ、と頭の片隅でぼんやりと。)
        (ジーニの言葉は、己の片割れへと届いているのだろうか。)
        (きっと届いているのだろう。自分がそれを知ることは無いだろうけれど。)
        (己の内側、そこに居るはずの片割れへと、きっと。)
        …あぁ。そんな人間の、綺麗なところも、汚いところも。
        俺達はきっと、大好きで、しょうがないと思っていて。
        だから会えたんだろう。
        (少女の腕の中。緩く首を動かして、視線を上へと。こちらを慈母の如く見下ろす少女。)
        (髪を梳く指の擽ったさに、少しだけ目を細めた。)
        ……ありがとう、ジーニ。
        俺はきっと、ユルールミルでもなくて、マリアテロルでもなくて。
        混ざりものの、混ざりものなんだろうけど。
        それでも、俺を愛してくれてありがとう。
        (そっと、両の腕を少女の背中へと回して瞳を閉じた。)
        (少しの間。静かに。少女の鼓動だけを感じていて。)
        (そして、最後に聞こえたのは時計の音。時は今も進んでいる。)

        雪、か。なんでだろう。ジーニの店を始めて手伝いに来たときといい、ここに来ると、雪に縁があるなぁ。
        (ちらりと、窓の外へと視線をやる。見えた光景は、白が積み重なり、色彩は単色に。)
        寮帰るまでに転ばないようにっておおおおおおおおおい!!!!
        (唐突なジーニの言葉に、腕の中に抱えられたまま、思わず少女の顔を二度見して。)
        突然何を言い出してるんですかジーニさん。俺はぬいぐるみじゃありませんので?
        (やれやれですわ、というかのように、視線を逸らして肩を竦めて溜息一つ。)
        (ふふん、と薄く笑いながら目を閉じていても感じる少女の視線。)
        (ぶすぶす刺さる。物凄い勢いで刺さる。針山地獄状態。)
        ………………。
        (額に汗が浮かぶ。少女の口から冗談であると訂正が出てくることもない。)


        ………………………………………………………………寝るだけだからな。
        (片方の目だけを開けて、じろりとジーニの顔を見て。少年の頬は微妙に赤い。) -- ユーリ 2013-06-16 (日) 00:24:28
      • (外は雪。凍えそうなくらい寒い。けれどそれは自分の故郷の景色)
        (雪は結界のように、二人のいる店を優しく包む)
        (それと同じように、ユーリを抱きしめた)
        (ありがとうと言って抱き返してくれる彼)
        (精一杯の想いがきっと、ちゃんと伝わったんだ。そう思った)
        (今まで感じた事がないくらい、とても静かで、温かい気持ちになる)
        (……この気持ちはなんていうのかな?)
        (恋よりもう少し、深い気持ち……)

        (やっと、本当の「ユーリ」に逢えた気がした)
        (やっと、本当の自分を見せることができた気がした)
        (ずっと前から感じていた形のないものに、ようやく触れる事が出来たんだ……)

        (幸せで、このまま時が止まってしまえばいいって前なら思ってただろう)
        (でも、今は……一緒に時間を進めて行きたいって思う)


        (自分のお願いに盛大にうろたえるユーリにくすくす笑って)
        なんでそんなに慌てるの??ジーニのリボン巻き巻き姿にもそんなに動揺しなかったのに。
        ……………………………………………………寝るだけ、だよ?
        (ほんのり赤くなってる頬をつっついて、首をかしげてにんまり。無邪気を装う小悪魔な笑顔)
        (ジーニだけど、スニェグラーチカみたいな、気の強そうな表情)
        (思いっきりいじめたいけど、今は笑うだけにしておく)
        -- ジーニ 2013-06-16 (日) 01:26:29
  • http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026176.jpg 黄金暦250年 2月 (魔法薬店のカウンター)
    • (店の中の品物は前と同じ…ちょっと怪しげな名前の薬が増えたかな?という程度)
      (前よりは少し広くなって、外の娼館とは別世界に見えるくらい落ち着いた雰囲気)
      (必死に前の店を再現した努力の結果だ)
      (…全く変わらないのはひとつ。店内に漂う、甘い花の香り)

      (しばらくすると紅茶のセットと一緒に、自称笑顔のお薬の少女は戻ってきた)
      (いつもみたいにひらひらした服ではなく、白くて地味なざっくりニット編みのワンピース)
      (何故か室内なのに赤いマフラーをぐるぐる巻いて)
      …とっさに部屋着に着替えちゃった…何故かしら、リボンだけの姿より恥ずかしいのだわ…。
      地味なジーニを見ないで…(こそこそ)
      http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026207.jpg
      (紅茶のカップをカウンターに置いて、ユーリのケーキを見る)
      …「God bless you」…ふむ。ジーニのはね、これ。
      (そう言って、自分の箱をあけて並べてみせた)
      http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026176.jpghttp://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026177.jpg
      「My best friends」…あわせると、えっと……………………
      ………………………………………………………(英語よくわかんないっていう顔)
      (ユーりさんわかりますか?という目)
      -- ジーニ 2013-06-10 (月) 23:24:43
      • (視界に入る見覚えのある薬はつまり、クリスマスの夜、如何わしい目的に向けて販売されたもので。)
        (それを眺めて、遠い目になってぼんやりと。)
        (すん、と小さく鼻を鳴らした。香る花の匂い。スニェグーラチカに初めて会ったときも、この匂いが強かったのを思い出して。)
        ……そういえば、これ、何の匂いなのか聞いてなかったな。
        (思い出したようにぽつりと呟いて首をかしげた。)
        (店の中をきょろきょろと見回すも、少年には匂いの元が何なのか判別はつかず。)
        (うーむ、と首を逆側にかしげたタイミングで、少女の足音。)
        ん。戻ってきたな、ちゃんと服着てきたか。
        (室内を巡らせていた視線をそちらへと向ければ、視界に入ったのは、普段の少女とは異なる印象。)
        (お。と一声出して、少し驚いたように眉を上げた。)
        (普段見るのとは違う、どちらかといえば飾り気のない格好。)
        (見慣れない類の衣装をまとった少女を見れば、へぇ、と感心したように頷いて。)
        いいじゃん、ジーニ。そういうシンプルなのも似合う。(笑ってそんな台詞。)
        ジーニ自体がふわっとした感じだから、逆に際立つ、ってよくわからない表現だな。 ただそのマフラーだけは何故だ…なんか赤頭巾みたいになってるぞ。
        (隠れるようにされれば、逆に顔を覗き込むようにして。悪戯染みた表情。)
        (そして開かれたジーニのケーキ箱、その中身に、ほー、と口を小さく開けて。)
        やっぱり言葉、違ったのか。えーっと。繋げると。……ジーニさんその顔で俺を見られても、俺頭悪い枠だからな?
        うーむ。私の親友に、神様が微笑みますように、とかそんな感じ…?おい誰か頭良さそうなやつ連れて来い。 -- ユーリ 2013-06-11 (火) 23:06:44
      • (普通の格好、やっぱりだらしなく見えるかな?と一瞬思って)
        (恥ずかしくて赤いマフラーに顔隠そうとすると、意外と高評価)
        (笑顔で褒めてくれるユーリをしばらくきょとんとした顔で見て)
        ほにゃ…そ、そう?かわいい格好してないとっていつも思ってたんだけど…
        こういうのでも、いいのかな。えへへ…ありがとう。
        (今度は照れて顔隠す。なんでも顔に出ちゃうので、嬉しさ丸出しな顔が恥ずかしいのだった)
        や、やめてのぞいちゃだめ…!!えっち!!
        (間近の彼の顔。近くて嬉しいのに、にやけた顔をばっちり見られてまふらーのはしっこでぺしぺし)
        (落ち着いてくるとマフラーを緩めて、ユーリにも巻きつける。それでもまだ余裕あり。長い)
        このマフラーはね、このケーキと一緒にルフィールにもらったの。
        二人で巻けるらぶらぶマフラーというやつみたい。ユーリにもみせようと思って。
        (そう説明しつつ、並んでケーキを眺めて)
        …頭悪い枠はジーニのものなので譲れないんだけどな…た、多分そんな意味できっとあってるよ!
        ジーニはてっきり、神様の息がかかるくらい近くに、とかそういうような意味かと思った…

        ……これくらい近くかな?
        (肩をくっつけて、ユーリ顔を覗き込む。近い。ちょっと後ろから押したら顔がくっつくくらい)
        (そしてにへーっと笑ってみる)
        -- ジーニ 2013-06-11 (火) 23:37:44
      • 見た目がいいと何着てても様になるという理論もあるけど、なんていうんだろな。
        凝った料理の載っている皿は、柄の多いものよりも白磁の方がいいというか、ってなんかこの言い方色々とよろしくないな…
        かわいい格好してないと、ってのは何だ。女子的なプライドが許さないとかそういう感じの?
        (不思議そうに首を傾げつつ、そのまま覗き込み続けようとして。)
        エッチっておかしくないですかイタイイタイ顔はやめてください殴るならボディにして!!!
        (特に理由の無いマフラーがユーリを襲う状態に、両手で顔をかばいつつ最終的に)
        このまま絞め殺されるのかな…(おとなしくマフラーを巻きつけられる)
        ルフィールから?あいつほんと、なんだろ、おかんみたいだな……。
        (首に巻きついたマフラーの端をつまんで、しげしげと眺めて。)
        部活で服飾やってるっていってたけど、ほんとに出来いいな、これ。

        見せようって言うか 巻かれてますよね?

        まぁ細かいことは気にするまい…お前俺と頭の悪さを勝負して勝てると?勉学的な意味以外で致命的にあほな俺に勝てると?
        神様の息がかかるくらい近いとなると、それもう天に召されてるんじゃないかな……
        ルフィール「我が親友よ…一思いにあの世に送ってやろう」
        ってケーキ渡されたらそれどう考えても毒入ってるんじゃないかな……
        (心臓真っ二つよりひでえ、とげんなりとしているところに、近づいてきたジーニの顔。)
        (それを見れば、一度視線を右上にそらしてから、んー、と呟いて。)
        これくらいじゃないか?
        (そのまま顔をずらして、ジーニの耳元へと口を近づければ、ふぅ、と息を吹きかける。) -- ユーリ 2013-06-12 (水) 00:05:36
      • 褒められてる?褒められてるよねいま?(絶妙な表現ゆえ確認を取りつつ)
        …じ、自分で自分の事かわいいってジーニはいうけど、自信はあんまりなかったりだから…
        一番かわいいって思う格好してないと落ち着かないのよ(小さな声でぽそぽそ乙女心の解説)
        でも、ユーリがこういうのすきだったら、たまには普通のかっこもしてみる。えへへ…。
        (半分のマフラーに顔半分埋めてふにゃふにゃ嬉しそう)

        (そんなやり取りの後覗き込んで笑った顔。てっきりちょっとは赤くなると思ってたのに)
        (耳に息吹きかけられて、そう来るとは思ってなくて)

        http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026217.jpg
        (背中がしびれるみたいな、くすぐったいような、へんな感覚)

        ひゃあ…っ…?!
        (店の外まで響く悲鳴)
        (真っ赤な顔でぱくぱくしながら耳押さえる)
        ……っ!!!!もう!!ばかばかゆーりのいじめっこ!!えっち!!女殺し!!もてもて!!だいすき!!!
        (やっと搾り出した叫びは情けない裏返った声で、なんか最後の方罵倒になってないし)
        (おかえしにがぶっと耳に噛み付く。がぶがぶ)
        (がぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶがぶ…)
         http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026218.jpg 
        (ユーリがじたばたして桃逃げようとしてもがぶがぶし続ける確定ろーる)
        (……ひとしきり噛みおえあごが痛くなってきたあと、すとんとカウンター前に並べた椅子に座って)

        …ふう。仕返し完了なの。たべよたべよ!(フォークを並べて、赤い顔をマフラーであおぐ)
        (編み目のそろった綺麗なマフラー)
        こういうのジーニも作れたらいいんだけどなー綺麗に編むのは難しいんだ。
        ……ルフィールは、何でもジーニの上だったの。うらやましいなって、いつも思ってた。
        いつもユーリの隣にいたし。かわいいし…うるさいだけのジーニよりずっと、ユーリに……
        (マフラーをみつめたまま、ぽつり)

        …………なんでもない。
        (言いかけた言葉を首を振ってやめて、にぱーっと笑う)
        毒なんて入ってないの、わかってるけど
        ジーニ、ユーリとなら一緒に死んでも嬉しいよ?
        たべさせあいっこして、一緒に死んじゃうか試してみる?
        (おっかないような事を言って、くすくす)
        -- ジーニ 2013-06-12 (水) 00:39:31
      • 褒めている様で褒めていない少し褒めているユーリ。嘘嘘。思ったままの事いっただけだよ。
        ……そういう時は言えば言うだけ自信なくなるかんな。いっそ言わないのも手だぞ。
        まぁ、着飾りすぎて変な方向に行く、とかじゃないなら別にいいんだけどさ。
        俺はそういう格好のジーニもいいと思うぞ。
        (制服ばっかりの俺が言うのもなんだけど、と笑って。)

        (吹きかけられた息に慌てた様子の少女を見れば、ししし、と悪戯っぽく笑う。)
        驚きすぎだ、驚きすぎ。息が届くくらい、って言ったから、実際届く距離にしただけだよ。
        いじめじゃありませんこれは愛情表現の痛い痛い痛いやめろ俺は観賞用であって食用じゃないっ!
        (耳に噛み付いたジーニを引き剥がそうとするものの、無理に押し離せば自分の耳が痛くて身動きがとれない状態。)
        (漸く開放されれば、ぜぇぜぇと肩で息をしながら、暴れたせいかそれ以外のせいか、赤くなった顔の額を拭って。)
        畜生俺の耳がエルフみたいになったらどうしてくれるというのだ……
        (手近な鏡のないこの場所であれば、己が耳の現状を知ることも出来ず。)
        (左手で耳を抑えて、その表面をなぞるように手指を動かして、歯型を探る。)
        (右の手は、並べられたフォークをとって。)うむ。いただきます、とはいうものの、ここまでしっかり作られてると食べづらいなぁ。
        (どこからフォークを入れようか、と悩んでいれば、何やら異なる理由で悩んでいる様子の少女に気づく。)
        (その独白をしばらく聞いて。ケーキには手を付けぬまま、黙ったまま。)
        (そして最後、誤魔化すように少女が口にした言葉を聞けば、すぱっと。)

        やだ。俺は今お前と死んでも嬉しくはない。
        (少女の意に反する言葉を断言した。)

        死んだら離れず一緒にいられるとか、若いうちからそういうの好きじゃない。
        俺は生きてるジーニと一緒にいたいんであって、あるかわからないあの世でジーニといっしょにいたい訳じゃない。
        歳食って、身体動かなくなって、あっちでもいっしょ、とかならいいけどさ。俺たちまだこっちでできること、沢山あるだろ。
        (フォークを皿の上に置いた。手を付けぬままのケーキの前。)
        ていうかさ。(少年は、己に巻かれたマフラーの、少女と逆の側を掴めば、ぐいっと引っ張った。)
        (互いの距離は近くなって、額と額がぶつかる距離。)
        あのさぁ。俺が今こうして、お前の横にいるんじゃ、不満足?
        そんなことよりも、ルフィールのこと気にしたい? -- ユーリ 2013-06-12 (水) 23:27:26
      • ジーニだって愛情表現だもーん!食べちゃいたいくらいだいすき!みたいな?
        エルフみたいに長くないけど、ジーニも耳もとがってるし、おそろいの耳になっていいかもなの。
        (ユーリの赤くなった顔を見て、しっかり仕返しが出来たと満足げ)
        (ししし、とさっきのユーリの笑い方をまねっこ)

        (そんな風に、このひとのそばにいるととっても楽しいのに、幸せなのに)
        (時々すごく不安になる。前と同じ、好かれていないんじゃっていう不安じゃなくて)
        (もっと、別の)
        (自分を卑下してもしょうがないのに、黙ってようと思ったのに、つい口にしてしまった)
        (「いわなくていいこと」自分でもわかっていたから、笑ってごまかした)
        (その後言った事、一緒に死んでもいいって思った事は、半分は冗談。だけど……)

        (ユーリの答え。初めの一言を聞くと、不安を隠して無理な笑顔だった少女の顔が緩む)
        ……ユーリなら、そういってくれると思った。

        (着古した白いニットのワンピースに目を落として、また彼を見る)
        ありのままでいいって……こんな飾りっけのない姿もいいって言ってくれる
        そんなユーリなら…そういうと思ったの。

        http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst083963.jpg

        (ぐいっとマフラーが引っ張られて、まつげが触れそうなくらい、顔が近くなる)
        (真っ黒な瞳。吸い込まれそうな夜の色。その瞳から逃げるように、目を伏せた)
        (ユーリの服につけてある桜貝。それを指でなぞる)

        ……ジーニもね、ユーリとずっと生きていたい。
        同じもの食べて、同じもの見て、一緒に笑って、笑顔のユーリをずっと見ていたいよ。
        真っ白いドレスを着てユーリの隣で愛を誓ったりとか、ユーリに似た鬼の子を、抱いたりとか。
        そんな夢を、この頃よく見るの。それも夢じゃないんだって、叶えられる事なんだって思うと本当に幸せ。
        (でも)
        ……ユーリの気持ち、疑ってるわけじゃないんだ。
        (幸せだなって思うほど、大好きだと思うほど)
        ……大事にしてくれてるの、すごくよくわかるし。
        (後悔することがあるの)
        だけど、ジーニでよかったのかなって、思うの。
        私みたいにうるさくて強引で、ややこしいお家の子じゃなくて。
        ルフィールみたいに、他の子みたいに、優しくてかわいい子だったら、ユーリはもっと幸せだったんじゃないかって。
        ジーニに関わらなかったら、命がけの戦いなんてしなくてよくて、平和に……笑っていられたんだ。

        ……ごめんね、言わなくていいことだわ、これ。
        それでも、ジーニはユーリにそばにいて欲しいし、誰にも渡したくないんだもの。
        ……大好きなの。
        (伏せていた視線を彼の瞳へ)
        (涙がこぼれそうな、左右色違いの瞳を細めて)
        好きだから、幸せにしたいのに、幸せを奪ったんじゃないかって、時々不安になるだけなんだ。
        それだけなの……。



        ……ね、ユーリ。ジーニね、聞きたいこと、あるの。
        -- ジーニ 2013-06-13 (木) 00:21:37
      • (あの日から色彩の変わった少女の瞳。それが目の前で閉じられても、変わらず。)
        (少年はまぶたの向こうのその色を見通そうというかのように、じっと見つめたまま。)
        (己の胸元、少女の指先が触れたのはきっと、桜色の思い出飾り。)
        (間近、継がれる言の葉を耳にして、少年の表情は静かに。)
        あのな。俺は頭が悪い。だからこういうとき、上手に言えないけどさ。
        俺は飯食ってるときに、「この飯まずい」とか「前に食べたのの方が美味しかった」とか聞くのが嫌いだ。言うのだって嫌いだ。
        幸せなんてのは主観だろ。千差万別どころじゃない。
        お前は前に、俺が幸せなのが幸せだ、って言ってくれた。
        でも俺みたいなのは、辛酸を舐めた挙句に死ぬべきだと思ってるやつだってきっといる。俺だって時々そう思う。
        けど、俺はできる限り、それを言わないようにする。お前の幸せを馬鹿にすることになるから。
        もしもそれでも、お前が納得しないのならさ。卑怯なことを言わなきゃいけなくなる。
        (左の手を伸ばす。ジーニの頬を撫でた。その曲線を覚えようとするように。)
        ジーニの、その、悩みの形はさ。そのまま抱えてれば、俺がお前のそばにいればいるだけ、深くなる形だと思う。
        お前がそうやって悩んでるの、俺は嫌だよ。
        頑張ってお前を幸せにしようとすればするだけ、お前が不安になって不幸せになるのが嫌だ。
        それこそ、そんなんじゃ、俺もお前も、幸せじゃない。
        最後には罪悪感でいっぱいになって、離れるしか選べる形がなくなる。
        きっと俺たちは、離れ離れになる。
        (すっと互いの額を離した。先程まで肌の表面に仄かに感じていた相手の熱が消える。)
        (それから、眉間に皺を寄せて、口元をへの字にして、言いづらそうに逡巡してから。)
        …ていうか、その、あー。俺、ルフィールのこと、振ってるからな。
        お前の考えてるその幸せがどういう幸せなのかわからないけど、それは「ないもの」だ。
        なぁ、ジーニ。
        (右の手も少女の頬に触れさせた。両の親指が、少女の目尻、溜まった涙へと触れて。)
        俺にはお前が必要だって、俺はきっと、ずっと言う。俺はお前に近づくよ。
        お前は俺に近づいてくれるか?
        (再び、こつん、と。額をあわせて。少年は問いかけた。)

        なんだよ。スリーサイズなら別にメジャー持って来て測っていいぞ。 -- ユーリ 2013-06-14 (金) 23:42:37
      • (彼の答え。泣き出しそうになるのを我慢するのに必死だった)
        (自分が言った事はただのわがままみたいなもの)
        (言ったらユーリが困るのはわかっていたのに……)

        (左手が頬に手が触れて、あったかい)
        (こんな風に触れてもらえるくらいになったんだって実感が幸せなのに)
        (なのに、ずっとそばにあった顔が離れてしまう)

        あ……っ
        離れる もしもの話なのに、その一言に全てが凍り付いてしまうくらい、怖くなって)
        (とっさに両手で、ユーリの上着をぎゅうっと握る。これ以上遠くへいってしまわないようにと)
        (こんなに近くにいるのに、不安な自分が嫌だった)

        やだ…!!離れたくない。ずっと、一緒にいたい……。
        平気になるから、ジーニ、きっとこんな気持ち平気になるから…っ!!
        (その声は叫び声のようになっていたかもしれない)
        (離れた彼の何かを考えるような仕草が)
        (もっと怖いことを言われるんじゃないかって、思えて……)

        ……えっ。
        (でも、帰って来たのは予想とはちょっと違う)
        (ユーリが、はっきり伝えているとは思ってなくて)
        (泣きそうな顔が、ぼふっと音を立てるように赤くなった)
        (ユーリの右手が、そんな真っ赤な頬に触れる)
        (涙を拭う手に瞳を閉じて、開くと、また彼の顔が近くにあった)

        (望む答え。それ以上の言葉が囁かれる)

             (ああ)
             (やっぱり、私は、このひとがすき)

        ごめん…ね。ジーニはずるい子ね。
        罪悪感でいっぱいになって、苦しくて。どうしていいかわかんなくなってたの。
        必要だって言ってもらって、安心したかったんだわ……一時的にでも。

             (離れたくない)

        笑顔をずっとみていたいから、全部飲み込んでいようって思ってたのだけど…
        それは、だめな事なのね。
        …えへへ、嬉しい…ユーリから近づいてくれるなんて。

        (幸せそうに微笑んで、添えられた手に自分の手を重ねる)
        (触れたおでこは、いまはじぶんのほうが熱い)
        (だから笑顔はちょっとだけはにかむ)

        ジーニも、ユーリに近づきたいよ。
        だって、大好きだもん。

        (幸せなユーリがジーニには必要で)
        (そのためには、幸せなジーニが必要で)
        (……そのためには)
        (胸に押し込めた気持、なくしてしまわないと)

        (スーリーサイズの話にぷっと吹き出して)
        (少しだけ躊躇って、それから唇を開いた)

        あのね、ジーニは、ユーリが傷つくかもしれないような事、聞いてもいいかな。
        ……ユーリのこと知りたいの。
        あれから…一年前の魔王と戦った時から、ジーニは上手く聞けなくなってた。
        貴方の笑顔が曇ってしまう事が怖くて。
        聞いたら、ユーリがいなくなっちゃうような、そんな気がして。
        不安も、なにもかも、ジーニが全部抱えてれば二人で幸せになれるって思ってた。

        でも、それは違うんだよね。

        ……あの時、ジーニが魔王の手から離れた時。
        女の子の声が聞こえたの。矛盾の魔王がマリア…マリアテロルって、呼んでた。
        あの子のこと、聞きたい。

        ジーニはちゃんと、ユーリに近づきたいから…聞きたいの。

        ……スリーサイズは、後で計らせてもらいます。ふふ。卒業の後の服、作りたいから。
        -- ジーニ 2013-06-15 (土) 00:46:00
      • (掌の中の少女の頬が、ほんのりと暖かくなる。)
        ここで俺が突然ルフィールに「一度振ったけど付き合おう」とか言い始めたらもう俺が俺を殺すからな…欠片も残さず打ち殺すことになるからな…
        俺だってずるいやつだよ。
        ジーニへの返事をずっと待たせたので、そんなことくらい知ってるだろ。
        幸せすぎて怖い、ってのなら許す。俺も時々そう思うから。
        でもさ。罪悪感を言葉で薄れさせて、一時的に気分が良くたって、また不安になるんじゃ、その不安から離れられなくなるからさ。
        だから、ずるくたっていいけど、それは、飲み込みっぱなしじゃ駄目な想いだ。
        (己の手へと重ねられた、少女の手。小さなそれに包まれて、少年も笑って。)
        そっか。なら、お前が俺から後退らないなら。
        きっと俺達は、ちゃんと近づける。
        (先程まで合わなかった視線は、確かに正面からぶつかって。)
        (互いに互いの瞳を覗きこんだまま、少年と少女は笑う。)

        (少女の躊躇いに対して、少年の返答は早くて。)
        いいよ。聞いても。
        何を聞きたいのか、わからないけど。それを秘め続けても、きっといつかは話すことだし。
        俺は居なくなったりしない。だからさ。気になることは聞いていいよ。
        すぐに答えられることばかりじゃないかもしれないけど、ちゃんと、考えまとめて、話すからさ。
        二人いるなら、荷物も二人で持ったほうが、きっと楽だ。
        男だし、俺が多めにもつようにはしますが。
        (なんて、冗談めかした言葉。言って、問われたのは。一つの名。)
        ………あー。(思い返す。今となっては一年の昔のことを。)
        (魔王が振り向いた先。そこにはきっと、居たのだろう。)
        (鏡写しの己であった、魔王であるからこそ。それをきっと聞いた。)
        (己に聞こえぬその声を、魔王と繋がる少女も聞いたのだろう。)
        (逡巡は僅か。緩く笑って。)
        マリアテロル。俺の姉で妹の、双子の名前だよ。
        あいつの事って言ったって、何を話せばいいんだろう。
        (うむむむむ、と。悩んだ様子で首を傾げて。それからふと、思いついたように。
        ジーニとスニェグーラチカ。俺とあいつも、同じような感じだ。
        俺達はかつて一つで、そして違ってた。
        (迷いながら、話し始める。一人の少女の嘗ての姿を。)
        (頭が良く、活動的で、己の手を引いていた少女の事を。) -- ユーリ 2013-06-15 (土) 02:36:06
      • (冗談だってわかっているのに、ルフィールと付き合うなんていわれたら慌ててしまって)
        (添えられた手をぎゅーっと握ってしまう)
        だ、だめ…!!もう、ユーリってばいじわる…!!
        ……お返事は、ジーニがゆっくりでいいっていったからいいんだもん。
        ジーニがお返事すぐに聞いて断られるのが怖かったから、いいんだもん。
        でも……ずるいのも同じって、なんかうれしい。ふふっ。

        「幸せすぎて怖い」

        ……多分、ジーニはこれなんだと思う。
        ジーニ、はじめての恋だし。ユーリも、はじめての恋だし…恋だし。
        (最後の言葉はちょっとだけ小さく。恋って言っていいのだろうけど、なんとなく恥ずかしくて)
        だから、自分の気持ちすらよくわかんなくて、それがきっと怖かったんだわ。

        好きという気持ちは同じなのに。そうなったら何も怖くないと思ってたのに、
        不思議ね、こんな「怖い」もあるなんて。


        (笑いあう二人。打ち明けてみればこんなに心が軽くなる)
        (また一歩近づける。いいことばっかりなのに、どうして怖がっていたんだろう)
        (ユーリが、自分の事でジーニが苦しむの嫌だってわかってたはずなのに)
        (どうしてそれを忘れていたんだろう)

        (恋は盲目)

        (その言葉は、まっすぐな想いを表現するだけの言葉じゃないんだ)
        (大事にしたいと想いすぎて、大事なものが見えなくなってしまう、そんなこともあるんだ)

        (また一つ大人になれた気がする)

        (きっと、こういう風に人は大人になっていくんだ)
        (大好きな人と二人で歩いて、一歩ずつ……)



        (……そして)
        (一年間抱えていたままだった疑問に、答えをもらう心の準備)

        おぼろげにおぼえている女の子の声。
        ずっと、気になっていたの。
        でも、その子の事を聞けば、きっとユーリの「ばけもの」の部分に触れることになる。

        ずっと、怖かった。聞きたいのに、聞けなかった。
        あの子が怖いんじゃない。ユーリの力が怖いんじゃない。
        ……あの時のようにユーリが泣いてしまうんじゃないかって……それが一番怖かったの。

        ユーリの荷物。…ううん、荷物じゃないものかもしれないけど。
        ……ジーニも一緒に背負わせて。全部。

        (晴れやかな笑顔で、しっかりとした口調で告げる)

        (もう、何も怖くない)
        (貴方を傷つけることさえも、必要ならば……)


        http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079876.gif 

             (少年の昔語りがはじまる)

        http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079861.gif 


        (冷めた紅茶を魔法であたためなおして、)
        (二人並んで甘いザッハトルテを食べながら少しずつ、あの時の少女の話)

        (それはユーリが子供の頃の話で)
        (他愛もない子供らしいエピソードからはじまって……)

        (かわいい話に笑顔になったり、初めはそんな雰囲気だった)
        (どことなくスニェグーラチカに似てるような、そんな気がして嬉しかったり)
        (あの子も、いつもジーニの手を引っ張ってくれていたから)

        (やっぱり双子なんだからユーリにそっくりなんだろう)
        (だけど想像の中のその子はスニェグーラチカの顔で笑ってユーリの隣にいた)
        (勝手な想像。それなのに子供の頃に一緒にいたような気持ちになれた)

        (…………………………けれど)
        (とある国。とある領地。とある村で)
        (少女と少年は……………… ………… …)
        -- ジーニ 2013-06-15 (土) 05:57:23
  • http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026177.jpg 黄金暦250年 2月 (娼館の敷地内、中庭の片隅にある魔法薬店には休憩中の札がかかっている)
    • 〜♪ゆーりはやくこないかなっ!……くしゅん!!
      うーさむい…はやくこないかなー(そわそわ)
      -- ジーニ 2013-06-05 (水) 20:14:02
      • (毛布持ってきて、もこもこくるまる)…よし。
        (ルフィールにもらったハートの半分のザッハトルテのはいってる箱をあけたりしめたり)
        -- ジーニ 2013-06-05 (水) 22:45:47
      • (ばたばたばたばたっ、と店の外から足音。何事かとざわつくような周囲の声。そして足音は店の前で止まって。)
        だから早めに呼べっていったじゃねーか!!!(ずばーん、と扉が開かれた。) -- ユーリ 2013-06-09 (日) 22:37:00
      • (開け放った翠の扉の向こうは開店中にしては薄暗く、というかごった返してるはずの人もおらず)
        http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026193.jpg ほにゃ…はーひまやな…(店主は毛布に包まって大あくび)
        http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026194.jpg (と言う瞬間に来られて)
        …ほにゃ!!!あっ あれっゆーり!!(しばらくうおうさおうおろおろ)
        えーとえーっと…ハッピーバレンタインなの!!
        http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026195.jpg
        (毛布をぽいっと脱ぎ捨てると、リボンを巻きつけ服のようにした姿をみせて)
        じゃーん!今年のバレンタインはジーニがチョコです!!

        ……えーとえーっと……あの、今日はお店おやすみにして…ユーリとすごそうと思って
        んでせっかくだからびっくりさぷらいず?みたいなのをですね?うん(解説中)
        -- ジーニ 2013-06-09 (日) 22:58:18
      • (ジーニの格好にリアクションなく、そっと微笑みながら後ろにバックして店から出て扉を閉める)
        (休憩中 の札をつつく音が扉越しにする)
        忙しいどころか暇そうじゃねーか!!!(ねーか ねーか ねーか か か か と自分でやまびこ風に語尾を繋げる様子が扉の向こうから聞こえてくる)
        (しばらくの後。)なんやなんや。結局特に忙しいわけと違うんか。畜生勢いだけで押し切れると思うなよ…もぐもぐしてお前の中の悪意をむさぼりつくしてやろうか…(扉を開けて再入店。) -- ユーリ 2013-06-09 (日) 23:09:24
      • あ、あれぇ?!何?!どこいくのユーリ!!赤くなったりあうあうしたりしないの!?
        (笑顔で外出ちゃったユーリにあうあうわたわた。すぐに娼館中に響くような叫び声が聞こえてきて)
        セルフやまびことは結構余裕があるようなないようなリアクションだな…これは意外とどっきりしてる?
        …あ、おかえりなさい!おちついた?ジーニから勢い取ったらかわいいくらいしか残らないよ?
        (帰ってきたユーリを扉の前で迎えて、にぱー)
        って えっ? もぐもぐされちゃうの?!むさぼられちゃうの?!そんなっキスもまだなのに?!
        ど、どうしようそんな、ユーリがおろおろするのを楽しむはずだったのに そんな やじゅーのよーなっ!!

        ……………………………………………………………………………………………………………………っ
        (急に無言になって体を結んだリボンの端っこをさしだす。その手はプルプル震えてて、頬は薔薇色、潤んだ瞳)
        (その瞳には何かの覚悟)
        ……どうぞっ なの。
        -- ジーニ 2013-06-09 (日) 23:27:33
      • http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026199.jpg -- 2013-06-09 (日) 23:38:38
      • 落ち着いたって言うか諦めたって言うか……
        (手に持っていた、ジーニも見覚えあるであろう、ザッハトルテの箱を眺めて)中身崩れてないだろうな…ダッシュで来たからな…
        自分を可愛いっていう女子はじm 初めてではないな…この島結構多いしな…
        しかし勢いと可愛さだけでできているって自称するのはどうなんだろうな…彼女の発言ながら首を傾げるな…(審議中)
        言っておくけどもぐもぐって物理的にだからな…?おかん譲りの子供に言うこと聞かせる拷問だからな…?なお人間だと精神的に死ぬ。
        (一人芝居に興じているジーニの様子を見つつ、そういえば三日前の晩飯思い出せないと痴呆早いらしいなー、と思い出す表情で。)
        ……ひとつお前に突っ込むべきポイントがあるとするならば、俺とお前のほぼ初対面は脱衣トランプから始まっているから、これくらいの肌色面積だともう見慣れている域に入るからな?
        (渡されたリボンの一端を持ち、解くどころか逆にぎゅうぎゅうと引っ張って締め付ける) -- ユーリ 2013-06-09 (日) 23:46:21
      • 後半分はやさしさでできてる感じかなー…他にジーニに人より何か特出したものがあったら知りたいなみたいな(きりっと胸を張って)
        物理的にもぐもぐ…?そういうぷれいがすきなの?ジーニそういうのにも耐えられる体だけど初めてでそれはちょっとな…
        全身が激痛の初体験はちょっとハードすぎるの…あ、でもユーリがどうしてもって言うならいけます!!
        王子でも乞食でも人間でも人間でなくてもどんな性癖でも受け入れるって言っ …ぐえー?!
        苦しいのだわ!!ジーニ唯一の個性の胸がつぶれちゃう…!!(締められつつじたばた)
        とんだ激しいプレイだわ……お付き合いする前から裸を見慣れあってる仲って言うと破廉恥すぎるし…

        あれ?その箱…ジーニがルフィールにもらったのと同じだ。ほら、あれ(カウンターにのってる白い箱を指差す)
        一緒に食べてねって言われたから、用意して待ってたの。
        -- ジーニ 2013-06-10 (月) 00:02:32
      • やさしさ以外の部分が頭痛薬どころか現在進行形で俺に頭痛を引き起こしている件についてはどうすれば……そこは自信満々に言うべきところじゃ ない
        ジーニさん基本むっつりスケベですよね。男子なんて比べ物ならない勢いですよね。しかしプレイではなく丸呑みおしおきなのでどちらかというと拷問だ…
        (必殺仕事人ばりにリボンを引っ張りつつ)勢いと可愛さとやさしさと胸が個性って少なくとも俺より個性あるじゃねーか!!!
        (正直いちゃついているというよりは盗人をふんじばっている状況に近い構図である。)
        ジーニさんあんまりがっついてエロ方面行かれると男子はそそるどころか萎えるからね…気をつけようね…
        (何故女子にこんな教えを…と遠い目をしながらリボンを引っ張ったり緩めたりしている内、相手の指した先に視線を移して眉を上げた。)
        俺のところのカードにもそう書かれてたから、持ってきたんだよ。…てことは、あれか。心臓の残り半分はそこに?
        (自分の手の中の箱と、カウンターの上の箱を見比べるようにして。) -- ユーリ 2013-06-10 (月) 00:15:30
      • おかしいな、ジーニの存在自体がユーリの心を癒すお薬のはずなんだけどな…?笑顔になれるお薬なのにな?
        さすがに丸呑み系はジーニも耐えられないかも…って!ジーニすけべじゃないし!!ユーリが隠語ばかりいうからだわ!!
        ユーリのえっち!!ぐえー!!えっち!!(合間合間に締められて女の子にあるまじき悲鳴を上げる)
        http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp026203.jpg
        (↑個性についての議論を交わしつつ。しかえしに意地悪。
        (舞踏会の時に着せられるドレスのためのコルセット、あれを締める様な光景と言う女の子らしい表現にしておきたい)
        (そして遠い目で恋人から切ないお説教を受け、沈痛な面持ち)
        (◞‸◟)はぁい…ユーリが照れて困ってる顔が見たくてなの……ほんとにリボン引っ張られたらジーニ固まる方なの…
        (リボン直されつつへたれ丸出しな告白もする)
        あ、じゃあハートの半分はそこに?
        (ユーリと同時に同じような台詞。ぷっとふきだして)なーにそれー心臓って言うとなんか怖いのよ!
        並べてみよっか!ケーキに文字が書いてあったんだ。それだけでも意味が通じる言葉だったけど、ユーリのにも書いてあるかな?
        (わくわく、しおらしい態度はすぐに消え、好奇心一杯の瞳を輝かせる)
        …あ、でもその前に着替えてきますなの。箱開けてていいよー!
        (そういうとカウンターの奥へと消えていく)
        -- ジーニ 2013-06-10 (月) 00:42:16
      • おいこのお薬表示に嘘があるぞ。表示法違反だぞ。薬事法どっかいったぞ。おい薬屋…
        お前普通の会話でも隠語にするじゃねーか!!!ふふふ幾ら叫ぼうとも立地的に「あぁそういうプレイなんだ…」としか思えないから助けは来ないぞ…俺の世間体と引き換えにな!!!!
        (全てを捨てて戦う姿勢を見せる青年であるがその引き換えに何かが手に入るかといえばそうでもない。)
        ……(己の個性が何なのか地味に気になるので待つ。)
        (待つ。)
        (待つ。)
        おまえー!!!!(リボンを本来の巻き具合から更に三回くらい巻けるほどに締めこむ。)
        (最終的に新聞を紐で巻き終えた時のような満足感とともに額の汗を拭って。)
        これで本当においしくいただこうとしてたらお前永遠に残る汚点になってたんだかんな…慣れないことはするべきじゃないかんな…
        (とりあえず締め付けたリボンを元通り緩めながら肩を落とす。その手付きを見れば、地味に肌には触れないようにしているのがわかる。)
        怖いって言うか怖かったって言うか…最初箱開けたら半分に割られたハートだったから、「お前の心臓を二つにぶち割ってやる」っていうメッセージかと思って…
        (ははは、と笑いながらも額に地味に冷や汗。)
        文字?あぁ、俺のにもあったよ。同じことかいてるのかな?
        (少年の方も興味を持ったようで、互いの箱を見比べる。とりあえず、自分の箱の中身を空けようとして。)
        ん。そうしなさい。その格好で横にいられると、その、えーと……いろいろ。色々困る。
        (ギャグをしないと色々と耐えられない状況であったらしく、ジーニがカウンターの奥へと去るのを見届けつつ、自分の箱の中身を、カウンターの上へと出した。)
        (書かれている文字は「God bless you」。ジーニのほうには何が書かれているのかと気にする様子ながらも、自分で勝手に箱をあけることなく、少女が戻ってくるのを待って。)
        (そうしながら、店の中、落第街にあった店とは違う店内をぼんやりと眺める。) -- ユーリ 2013-06-10 (月) 22:59:39
      • (自分の部屋…と言っても薬の箱がそこらじゅうに積まれてて、大きなクローゼットまであるから倉庫みたいな場所)
        (そこでリボンを解きながら、緩めてくれた時のユーリを思い出す)

        (カエルかな?ジーニかな?っていうようなうめき声をだして巻き巻きにされるジーニ)
        (このまま放置プレイかなって思ってたら胸がつぶれるほどだったリボンが緩められて)
        (おっかなびっくりみたいな手つきで触るからくすぐったくて、くすくす笑ってしまった)
        ジーニはユーリのなんだから、別に触ったって怒らないのに、変なの。

        (でも、笑っていたかと思えばふにゃんと元気がなくなって、着替えの手が止まる)
        初めての出会いがお互い全裸の祭りという事実がこんなとこでぼでぃぶろーのようにきいてくるとは…なの。
        …裸になっても、どきっとしてもらえないジーニは、魅力がないのかな。

        (あられもない姿を鏡に映して、その向こうの自分に語りかける)
        (鏡の向こうのもうひとりの自分は、短い銀髪をかきあげて困った顔で笑うだけ)


        「その格好で横にいられると、その、えーと……いろいろ。色々困る。」

        (ジーニが着替えに行く前にユーリが言った言葉を思い出す)
        (ぽつんと言ったひとこと)

        でも……ちょっとはドキッとしてくれた、かな?
        顔は赤くなかったけど。
        ……えへへ、そうだったらいいね?
        (ほんのり頬を染めて、その辺にあった部屋着を着る。浮かれてるので選ぶのも忘れて、普段着)

        …そうだ、このマフラーももってこ。
        (赤い長いマフラーを自分にぐるぐる巻いて、急いで彼の元へ…)

        (マフラー二人で巻いて、近くに寄ったらまた、どきっとしてくれるかな)
        (そんなこと、考えながら)
        -- ジーニ 2013-06-11 (火) 20:39:09
  • http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079485.gif
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  • ほにゃほにゃてすと -- ジーニ 2013-06-14 (金) 00:26:03
    • -- ジーニ 2013-06-14 (金) 00:42:28
      • -- ジーニ 2013-06-14 (金) 00:42:37
      • -- ジーニ 2013-06-14 (金) 00:42:48
      • -- ジーニ 2013-06-14 (金) 00:42:57
      • -- ジーニ 2013-06-14 (金) 00:43:04
      • -- ジーニ 2013-06-14 (金) 00:43:12
      • -- ジーニ 2013-06-14 (金) 00:43:21
      • フフフ…誰も突っ込めない状態でひとり大空寺はたのしいのう なの -- ジーニ 2013-06-14 (金) 00:44:03

Last-modified: 2013-10-19 Sat 20:24:17 JST (3834d)