The Invisiblesという組織の根幹を成すソフトウェアの実態は、ツイッターに類似した設計の招待制SNS。
緩い繋がりと、少しの実利。当事者意識の欠落と、アウトローへの参加による満足感。
それらを兼ね備えた、中小規模のオンラインコミュニティ。それが『The Invisibles』。
チーフを名乗る人物が開発・運営者であり、頻繁に発言をしているが、
通信回線の迂回や秘匿、リアルでの人物像を掴ませない配慮は当然のように行っている。
基本的には独自の暗号化技術を用いたP2P形式ではあるが、基幹となるサーバがサンアッシュクロスに存在している。
主な活動内容は違法薬物売買と仮想通貨の取引。またそれらに関わるクラッキング行為の互助。
リアルでの活動に際しては、アプリを通してのコミュニケーションで人工的に空白地帯を作り取引を円滑に行う。
実働に参加したものには尊敬と報酬が与えられる。
なお、参加にあたっては端末のアクセス権限を結構な量要求するため、
コミュニティ参加者の多くはいわゆる「捨て端末」を用いているのが特徴。
その関係か型落ち機種が多用されるため、アプリの軽量化が有志によって頻繁に行われている。
ヘヴィユーザーはむしろ最新機種を捨て端末にする場合もある。
ログイン時、また閲覧中には独自方式の顔認証を自動で行っている。
これによって所有者以外の閲覧を妨げており、
また一定条件を満たすとアカウントの自動削除も行われる為に、捜査を困難にさせていた。
また、独自VPNも存在する。態々回線を変更したり迂回するのが面倒な構成員向け。
しかし、各組織から執拗に追跡・解析の標的とされているため、
『どちらかといえば捨て回線を経由するより秘匿性が低い』という奇妙な逆転現象が起き、
専ら警戒心が比較的薄い尻尾切り要員となるメンバーばかりが利用している。
一部メンバーの間では『技術的にはより秘匿性を高められるが改修を後回しにされている。参加者を篩に掛ける為のシステムなのでは?』とも。
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