名簿/479693
- （いつものように大きなリュックを背負い、聞いていた住所を訪ねてきた）
おや、思ったよりも普通の住居。豪邸とか期待してたんですけどね。こーんにーちわー、ニパちゃんですよー。商品のお届けにあがりましたー。 -- ニパール
- （しばらくした後、何かにぶつかる音を引きずりながら扉が開く）
はぃ……どこのニパちゃんでしょうか……？（寝癖を派手に立たせた寝巻き姿の少年が顔を出した） --
- はーい、こちらのニパちゃんになります。ロップイヤーでピンクの髪した可愛いニパちゃんですよ。どうも、レヴィンさん。おはようございますですか？
案外お寝坊さんなんですね、そして低血圧なんですね。もう結構いい時間ですよー。 -- ニパール
- いつものニパーちゃんなら間に合ってまぁすよ……おはよーございます……
（と扉を離れ、中へと戻って行った。扉の閉まり際、ブレーキを掛けようとせんばかりに体を壁に擦りながら歩いている少年の後姿が見えただろう） --
- おや、なんか新聞勧誘断るみたいな感じの対応されましたよこれ。寝ぼけてるにしてもこれはひどい
お邪魔しまーす。（お邪魔しますという事で不法侵入を正当化するテクニック）はいはいレヴィンさん、とりあえず顔を洗いましょうねー。 -- ニパール
- （部屋の中に現状家具はほとんど無く、ベッドと小さなテーブルのみと非常に質素な物となっている。洋服類はクローゼットの中だろう、あと取り立てて言えば本がそこら中に山積みになっているのが特徴的か）
（再びベッドに潜ろうとしてた所を捕らえられ、冬眠から眼が覚めたばかりの動物めいた声を上げると首がかくんと落ちる。そしてその時の衝撃で逆に眼が覚めた）
……？………？（振り向き、ニパールと眼が合うとにこりと笑う。そして思考が鮮明になっていくにつれ、今の状況も比例して理解していく） ニ、ニニパちゃん！？で、出てってください！（とりあえず叫んだ） --
- （予め部屋の中をしっかりと見回しておく、生活感がまだ薄く、散らかってもいないが本が沢山ある辺り勤勉なんだろう、と理解して）
アッハイ、普通男女が逆のシチュエーションですねこれ、納品に来たので準備できたらお呼び下さいな
（悪びれた様子も無くにこりと笑って、テーブルの上に缶コーヒーを置いて出てくうさみみ） -- ニパール
- （女性の身支度は時間が掛かると言うが、それに及ばずとも劣らない程度の時間を要し、再び扉を開ける）
どうもニパちゃん、お待ちしてましたよ（慌てていたからか、緊張してか、寝起きだからか、若干顔が赤く息が軽く切れている）。
いやはや、見ての通りまだ殺風景な部屋なものでして、楽しみにしてましたよ（寝癖は全て整えられ、服も皺の無い、いつもの青いシャツを羽織っている。）何も無い部屋ですが、どうぞ上がってください。あ、コーヒーご馳走様でした（それと小さく、いつもはこんな事無いんですよ？と注釈を入れた） --
- （手帳に何やら書き込んでいたところに扉が開き、手帳を閉じて再び室内へ）改めましてお邪魔します。素敵な部屋、になるでしょうねこれから
（率直に今はそうでもないと匂わせつつ）そんなに慌てずとも、息くらい整えてからでも良かったんですよ？
いえいえお粗末さまです、お得意さんになってもらう予定ですからこれくらいのサービスはしますとも。それじゃ、早速ですが
（リュックを入り口近くに下ろすと、そこから注文された家具を取り出して）何処に置きます？それとも、とりあえず置いといて配置は後でご自分でなさいます？ -- ニパール
- あまり女性を待たせすぎるのは、マナー違反でしょう（素敵な部屋、という単語にはにわかに表情を綻ばせた）
えーと、そうですね（積まれた本山の一つの上に、一枚の紙があり、それを広げる。家具の配置図を記したものだ）
あまり女性に力仕事を任せるのもこれもまたマナー（振り向くと鞄から家具を取り出すパワフルな姿）……アフターサービスと言う事でお願いしましょうかね。えーと、まずは本棚から……（と支持出しと協力を始めた）
//文通スイッチ！文通スイッチオンです！ --
- やっぱり紳士でいらっしゃる、これでちょっと油断していたらポイント高かったんですけどね。寝癖一個だけ跳ねてるとか（くすくすと笑う）
…そんなものまで用意してるんですか、マメですねえ。割と完璧主義だったりします？何度もシミュレーションした結果がそれだったりします？
（リュックの重みに比べれば家具の一つや二つ大した事ではないのだろう、自分より背丈の大きなチェストやら本棚やらを軽々と持ち上げて指示された通りに家具を配置していく）
（レヴィンよりも背丈の小さい、華奢そうに見える体躯からは想像の付かないパワフルさだ）
こんなもんですかね。うむ、やっぱり素敵なお部屋になりました。注文受けた時から思ってましたけど、良いセンスしてますねえ -- ニパール
- （寝癖は隙を見計らって直した、もう無い）
うーん、と言うよりも予定無しの行動が苦手な、あっとそれ少しずれてるんでもう少し右へ、そうそう、だけですよ。出来る限り予定は立てるようにしてます。
閃きや衝動も大事ですけど、ベッドは流石に大きすぎますよね、片側持ちます、それだけじゃままなりませんし（と作業を続けていく）
（家具の配置を終えた部屋を一歩離れた場所から見渡し、満足そうに）うん、思っていたよりも調和が取れた気がします。流石に空気感は現物を並べないと分からないので、怖かった所もあるんですけどね。
これもニパちゃんのおかげですよ、良い家具を揃えてくれてありがとうございます --
- （指示された通りに動かすが、基本的にこういう部分に大して大雑把なので何度も指摘されたりする）
きっちりと型にはめるのもいいですが、時にはちょっとくらいずれてたほうが味が出るってもんですよ？所謂ワビサビってやつですか？（違う）
（微調整を何度も繰り返したりしつつ、完成した部屋を眺めて）なんだか真面目な人の部屋っていう感じがしますねー。レヴィンさんらしいですけども。
あ、これサービスです。ちょっと無機質な感じがしたんで、アクセントに（ベッドの枕元に可愛らしいクマのぬいぐるみをそっと添える）…よし！
いやいや普通空気感まで考えないと思いますよ。完璧主義というか、凝り性なんですかねえ…一度作業を始めると没頭しちゃう方じゃないですか？
いえいえ、こちらこそお買い上げありがとうございました。これからもどうぞご贔屓くださいな -- ニパール
- 味わいはきっと生活感と一緒について来ると思いますよ。良いんです、最初はこれで。まぁきっと最後までこれですけど。
あと、確かに没頭する性質だとは思います。（図面に眼をやり）これも結構時間を掛けてしまいましたし、それに実は今朝の件もあれ、本を読んでたらいつの間にか時間が……（気恥ずかしそうに頬を赤らめる。枕元に添えられたぬいぐるみもその原因の一端ではあるが）
さて！（一つ大きく手を叩く）約束通り食事をご馳走させてください！と言っても残念ながら僕は料理が出来ない人間なので外出になりますが、何か食べたいものはありますか？（そう言って、笑った） --
- あぁやっぱり、道理で随分と確り書き込まれてるなと…所謂寝オチというやつです？没頭出来るのはいいことだと思いますけども
あんまりそれが過ぎると身体を壊しますし、気をつけてくださいねー。（熊のぬいぐるみの位置を直しにベッドに膝立ち、ミニスカートが危うい）
（手を叩かれ、耳をピコンと動かす。大きな音に反応して無意識に動くようだが）あぁそういえばそんな事言ってました。冗談のつもりでしたけどお言葉には甘えてしまいましょう
あれ、なんか料理とかも出来そうなイメージあったんですけどね。エプロンが似合いそうですし。（んー、と暫し悩んだ挙句）
あ、そういえばこの近所に美味しそうな店があったの思い出しました。そこにしましょう。ボク、奢りだと容赦しないので覚悟してくださいねレヴィンさん
（そう言って、レヴィンを引っ張っていった先は色気の欠片も無い居酒屋だったが、出される料理は非常に美味かったという） -- ニパール
- （街の宿屋の食堂にて）よぉ、レヴィン。一人で食事かい？
その大事な服が汚れちまうんじゃないのかな？ -- ドマドーラ?
- あ、ドマドーラさん。お久しぶりです（来客に際し、ナプキンで口を拭きつつ）
はは、食事の作法ぐらいは心得てますよぉ。ところで、そちらも一人ですか？ 良かったら一緒にどうです？と言っても僕はもうすぐ食べ終わってしまいますが --
- これはこれは、やっぱりマナーも身につけてらっしゃる（大仰な身振りで驚いて見せて）
いや、俺も食事は済ませて来た。だけどお茶くらいならご一緒しても宜しいかな？
君に用事があってね。魔術の事以外でも情報を知りたいと思ったんだ（向かい合うように座りレモンティーを注文して）
この街に来て、変わった事はあったかい？ 俺もあったけど、まずは君から -- ドマドーラ?
- またまた、からかわないでくださいよ。でも良かった、では少しお話でもしましょうか（店員に追加でエスプレッソ注文した）
はて、変わった事ですか。そうですね……（幾ばくか思慮を巡らせ）、流石にちょっと抽象的過ぎますね。変わった事が多いですよ、この街は（苦笑いを見せる） -- レヴィン
- うーん、確かに。それじゃあ少し具体的に俺から話してみよう
これはニパちゃんって言う兎の商人の女の子に聞いたんだけど。この街には必要以上に沢山の種族がいる
ここ最近じゃあ吸血鬼が多いらしい。それに加えてそいつらを狩るハンターも増えてるらしい。君も気を付けなよ
後は魔法使い。とりわけて魔女が多いらしい
忠告ばかりになるけれど、気を付けなよ。でもそれ以上に彼らから得られる情報も多いと思うよ -- ドマドーラ?
- はは、本当に忠告ばかりだ。ありがとうございます。しかしなるほど、確かに改めて整理すると物騒で奇怪な街ですね。……吸血鬼なら1体屠りましたけどね
その手の変わった話で今挙げた物以外となると、僕が聞いたことがあるのは黄泉帰り、ですかね。よくあるらしいですよ、この街だと今なお。どこまで本当かは知りませんけど --
- はは、君が言うと冗談に聞こえないな……本当かよ。相手はほぼ不死の夜の眷属だぜ？ （届いたレモンティーに口をつけ）
黄泉帰り……本来は死の淵の向こう、黄泉の国へ向かった魂が顕界に戻ると言うのは聞いた事があるけど……
実際にそんな術を使えるのなら怖いもの知らずだし、本当に居るのか疑わしいね
レヴィンは、永遠の命についてどう思う？ -- ドマドーラ?
- 不死と言っても、弱点はありますよ。日光、流水、暴力、十字架、杭、その他諸々。そういうのについてはしっかりと教え込まれましたからね、父親に（濃いエスプレッソを口に含み、一息置く）
それが誰かの術や意図によって行われているのならば、最も危惧すべき事でしょう。世の理に反した事象は、およそ碌な結果になりません。そも軍隊になど使われよう物なら……恐ろしい話です。
僕は……いりませんね。短くても太く、高貴な死こそを望みます --
- 強力だからこそ弱点がある。それが無い奴らは存在なんかしちゃあ……いけないよね（にやりと笑い）
俺も詳しくは知らないし、企みが絡んでるかどうまでは分からない。だけどそれだとしたら恐ろしい事だね
はは、中々気高い精神をお持ちの様だ。俺は……あがくね。だって死にたくないし、そんな力が使えるのな満足するまで何度でも生き返ってやる
大凡君とは反対の考えだけど……ククク……（レモンティーを飲み干して） -- ドマドーラ?
- そうです、いてはいけないんですよ。弱肉強食の世にあったとしても、絶対の存在なんてね（普段の少年からは似つかわしくない、暗い瞳で笑う）
僕はまだこうして生きていて、死の際にすら立った事が無い人間の言葉ですけどね。それでもやはり、死ありきの生ではないでしょうか。
花が枯れるように人もまた。そして撒かれた種がまた次の花を咲かせるように、人もまた --
- 綺麗事だねぇ。でも俺は他人のソレは認めないけど、自分の目の前にソレがあれば選んじゃうような人間さ（くつくつと笑い）
君と俺とじゃあ中々対照的の様だ。ともすれば、刃を交えるかもしれないなぁ（大袈裟に言って見せて）
だけど君のその気高い精神、嫌いじゃないよ。相容れている内はこれからも宜しくしたい所だね（それだけ言って代金をテーブルの上に置いて去って行った） -- ドマドーラ?
- 否定はしませんよ、子供の青臭さ溢るる妄言だと言われても。ただ僕がそうありたいと言うだけの事です。貴方の事を否定もしませんよ
だから、出来れば仲良く行きましょうよ。対照的だからこそ、面白くもあると思うんですよ。折角の同い年ですしね（置かれた代金はそのまま、こちらはゆっくりとカップに口を付けた） --
- △
- ▼
- さて、腹も膨れたし今日はこれからどうするか。食道にこびり付いた油を水で流し込み、腹を摩りながら考える。
この店に来るのは初めてだが、というかこの街に来て日も浅いからどこも基本的に初めてになるが。しかし今日は手帳の減りが早い、良い事だ。
やはり初めての街、そして初対面との会話は良い。適度を超えた刺激と材料になる。自分の中で創作意欲がこの胃袋の様に膨れ上がっていくのが手に取るように分かる。 --
- ただ如何せんこの店にも長居しすぎた。腹ごなしも兼ねて次に行こうか。そう思い立ち上がると、視界の隅に気になる物が映った。
歳は15、6ぐらいだろうか、この店の客層に似つかわしくない少年が、これまた少年と似つかわしくない相手と談笑しながら食事をしていた。
興味が云った。はて、彼は何者か。もしや若くして此処一帯を占めるマフィアの顔役か、相手は連れか、はたまたただの無知蒙昧な迷子か。
おっと、どうやら連れ合いは帰ったようだ。丁度良い。こんにちは、ちょっと話相手になってくれませんか？ 我ながら穏やかな声が出せたと思う。 --
- 話し相手、ですか？ （突然の来客、申し出、相手の顔を見定めるように注視する） ええ、いいですよ。もう少し居るつもりだったので。どうぞ（にこやかに返答した）。
僕はレヴィン、レヴィン・イルムフェルネルトと言います。貴方は？ --
- 予想外に素直な応対だ。正直警戒され、遠慮される事と思っていたが……このスムーズな展開願ったり叶ったり。どうも、***です、と椅子に腰を降ろす。
ああ、私はしがない物書きをやってましてね、誰か会話するのも創作活動の一環みたいなもんなんですよ。ところで、さっきの人は連れ合い？お兄さんとか？ --
- へぇ、作家さん！小説とかですか？ もしかして僕も題材の一部にして頂けるんでしょうかね？ なんて、はは、調子良すぎですね。
あの人ですか？いえ、初めてお会いした人ですよ。たまたま相席になったんですけどね、とてもユーモラスな方で楽しく食事が出来ました --
- はは、内容によってはあるかも、とだけ。 うん、この1度のやりとりでこの少年の育ちが良い事は十分わかった。これが演技だとしたら逆に大したもんだ。
初対面？いやそれにしても随分と自然に会話してなかったかな？それに正直あの人、堅気には見えなかったけど……私なら遠慮するぐらいには。君もそっち側って事……なんでしょうか？ と、最後に敬語を出してしまう辺り、情けないと思った。 --
- まさか。僕はこの街に多く居る冒険家業を生業とする内の1人です。先程の人とは本当にたまたま。あ、ただ最初に話掛けたのは僕の方ですけどね。
確かに強面ではありましたけど、人を見かけで判断してはいけないと昔から言うでしょう？ --
- ……肝が太いのか、それとも本当に無知蒙昧なのか。それにしても冒険者、か。確かに、私がこれまで接してきた中にも多く居たし、この少年よりも年下と思えるのは少なくなかった。
冒険だなんて命がいくつあっても足りないだろうに、何がこんな年端も無い子供まで引き付けるのだろうか。私には理解できない。思わず本音が零れてしまった。 --
- 他の方がどういう理由なのかは分かりませんが、僕の場合は興味とは違いますね。一言で表すと『使命』です。
そういう一族なんですよ、昔から魔物の討伐に命を懸けた。そして僕も『誇り』を持ってこの使命に当たっています。 --
- 参ったな、からかわれている感じがしない。まっすぐに私を向けている眼を見ると、本気だと言うのが否がおうにも分からせられる。使命とか、誇りとか、そういう古風然とした言葉をこうもはっきりと口にする人間に会うのは初めてかも知れない。
これは私も物書きを名乗る上で恥ずべき所なのかもしれない。 ……こちらも少し本気の質問をしてみようか。
その歳でその志の高さ、とても立派だと思うけど、君は怖くないのかい？冒険者を名乗る人間の大多数を、無残な死体へと変えていった魔物に挑む事が。私は怖い、人生を棒に振りたくない。
それに、侮辱する訳ではないと前以て言っておくよ、君は小柄で、正直私には強そうに見えない。魔物に勝つヴィジョンより、牙と爪を突き立てられるヴィジョンの方が容易く想像できる。 --
- ありません、と言えば嘘になりますね。怖いと思う事も多いですよ、勿論。ただそれよりも、何もしないままで居る事の方が嫌なんです。
どこかの村が襲われたとして、後から新聞を見て「こんな事があったのか、大変だな、ただ今日も自分の周りは平和だな」と思うだけで居たくはないんです。
正直にそう言っていただくのは返ってありがたいです、それが周りから見える自分の現在地だと認識できます。父からももっと大きくなれと言われてまして、はは。
ただ昔からそういった教育は施されていますので、自信はあります、と言う回答でご容赦下さい。 --
- 渦中に飛び込みたくなるのは若さゆえなのか、彼の言う所の一族の使命ゆえなのかは私には分からない。が、なるほど、彼が理想主義者だと言う事は分かった。
自分自身と、自分を取り囲む一帯は自分の掲げた理想通りであって欲しくて、その為には惜しむ事も無い。 なるほどなるほど、青臭いとも取れるその在り方はそれを聞く私に心地良ささえ与えてくれた。
ありがとう、と心の中で謝辞を述べながら、私の口はその青臭さを突付こうとしていた。例えば人間と交友を計ろうとする、心優しい魔物が君の前に現れたとしたら、君はどうする？ --
- 殺しますね。例え本当に無害な魔物が居たとして、それらもまた繁殖します。次代に撒かれた種が全て同じ花を咲かせるとは限りません。禍根の種は残してはならない。それが教えです。 --
- ……OKありがとう。私はてっきり捨て犬を拾った子供が親に懇願する前までにする葛藤めいた解答が来ると期待していたが、即答とは恐れ入った。
最後にパンチの効いた解答をありがとう。そろそろ話疲れたでしょう、ここで締めにしようか。とても有意義な時間だった、本当にありがとう。
お礼には物足りないかも知れないけど、ここの御代は私に持たせてくれ。いや、それぐらい感謝してるんだよ、そう考えると安いものさ。おっと、私はここで失礼させてもらうとするよ、君の検討を心から祈っている。 --
- （遠慮する間も与えてもらえなかったので、渋々ながらその好意に甘える事にした）では、お言葉に甘えさせていただきますね。また、お会いできると嬉しいです。それではそちらも、執筆活動頑張ってください。 --
- 私はその場を後にした。伝票を店員に渡してみれば確かに安いもので、私の天秤では釣り合いが取れていないが、次もしもどこかであったならその時は少し奮発してご馳走しよう。
支払いを終え、財布を懐にしまい、店の入り口へ向かう。途中、やけに筋肉質な大男と痩せ細った狐の様な小男のペアに続けざまでぶつかったが、どちらも下手な態度で謝罪をしてきた。
なるほど、彼の言う通り、人は見かけによらないものだ。私もまだまだ物を知らない小童と言う事か、と自嘲気味に笑いながら扉に手を掛けた。
「んだ小僧！っぞコラァッ！」と、後ろから先程の大男の怒号が響き、私は思わず振り向いた。扉から背後へと向ける私の頭の動きに合わせてその声が苦痛を孕んだ悲鳴へと変わっていく様を、私の鼓膜と脳は首の骨の駆動音だと勘違いしていた。
いよいよ以って振り向き終わると、まぁなんて素敵な光景なんでしょうか。先程私とぶつかった大男が、そのまた先程私と会話していた少年に後ろ手を固められ、地べたに押し付けられているではないか。
狐男はナイフを手にしていた、が、これもまた手首を返され苦悶の声を上げていた。これは何かのショーに違いない、と私の脳は答えを出したが、おやっ、彼らの足元に落ちている財布と手帳、見覚えがあるような…… --
- 危ない所でしたね（と、事も無げに） --
- 見覚えがあるなんてもんじゃない！私は自分の懐を叩く、無い！無い！いや、ある！無いんだけど、目の前にある！それからしばらく私の脳内は目まぐるしい思考の交錯を重ね、一つの疑問へと終着した。
彼の好物ってなんだろう？ --
- ----
- レヴィン・イルムフェルネルト……お前も冒険者か。まだガキだろ、そう命を無駄にする様な事はやめた方が良い
無理にとは言わんが限界を感じたらすぐにやめるこったな（それだけ言って帰って行った） -- トガロ?
- 折角のご忠告ですけど、辞める気はありませんよ。僕は自分のあり方、一族の歴史に誇りを持っていますので（キッパリ）
でもやっぱりトガロさん、良い人ですよね。そうやって心配してくれて……あ（去られた） 忙しい人なのかなぁ……？ --
- せっくーす！（あいさつ） -- 風斗
- くっ、厳しい洗礼ですね…… --
- こういう挨拶だからおこっちゃやーよ、笑ってー…ねっ（くるっと一回転してｷﾗｯ★ﾐ）
ここ、初めてなんだ？（来て間もないという感じがする少年に馴れ馴れしく話しかける桃栗） -- 風斗
- はぁ……そういうものですか（相手の調子に流され理解は追いついていないが、言われたままに笑って見せる）
ええ、先ほど到着したばかりです。失礼ながらもっと荒れた街かと思っていたんですが……そうでもないようですね --
- そう、スマイルスマイル！仕事以外ではなるたけ笑顔でいれたほうがいいから（若い身空でこの街に出てくる、彼も冒険者で、これから多くの困難に直面するだろう彼に自分が言えるのはこれくらいだった）
ううん、そう思っても仕方ないよ…住めばいい所なんだけど（無機有機、生物非生物を問わず雑多なものが徘徊する街がはたからどう思われているかくらいは解っていた）
僕、風斗サイダー！ここで冒険者をやってるんだけど…きみは？（軽く自己紹介をしたあと促すような視線で見つめる） -- 風斗
- （屈託の無い態度に、今度は自然に笑みが出た）えぇ、そうですね。僕も笑って入れた方が良いと思います。その方がなにより、元気になれる
風斗さん、ですね。僕はレヴィン、レヴィン・イルムフェルネルト。貴方がこの街で初めて知り合った方です。今後、どうぞよろしく（そう言って右手を風斗の前に差し出す） --
- いえす！元気があればー！なんでも…できるっ！（うずくまるようにしてタメの動作を作ると勢いよく右拳を天に突きだす）
よろしくレヴィンくん！（こちらも右手を差し出して握手、その後拳を握るように促すとごちごちと当てて友達のサイン！を行う）
下町のほうに住んでるからさ、気が向いたらおいでよ（身なりもよく、話し方や態度から察するに貴族さんだろうと当たりをつけたので下町でなく都市部住まいだろうと推理した）
なんだったら娼館にもご案内しちゃうから！またねー（年頃の少年に不道徳な誘いをかますと小走りでその場を後にした、買い出しの途中らしくその手にはエコバッグに満載されたネギなどが覗いていた） -- 風斗
- はは、なんですかそれ（握手とその他一連を行いながら、その振る舞いに笑いで返す）
下町、ですか。そうですね、まずはこの街を色々見て回らないと。その際に寄らせてもらう事もあるでしょうし、それ以外でも。娼館は……流石に遠慮させてもらいますけどね。
それでは、また（軽く手を振り見送った）
買い物帰り、だったのかな。下町……かぁ。 あ、そうだ、僕も早く住む場所探さないと --
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- 見えてきましたよ、坊ちゃん。お父上の仰ってた街です（御者が告げる）
- 坊ちゃんは止めてって……（馬車に揺られて1ヶ月と半月、このやり取りも既に何度繰り返しただろうか）
いや、やっぱり良いです。坊ちゃんのままで（と、諦めが付いたような、はたまた名残惜しさを噛み締めるかのように笑って返す）
えぇ、見えましたね！（客車の窓から車外へ頭を出すと、前方に小さく現れ始めた街並みを視認し、声を返す）
- あと10数える内には着きますよ（はは、と笑いながら御者が言う）
しかし物寂しいもんですね、帰りは同じ道を今度は私一人ですよ。話し相手は、この馬だけだ。
- それは僕も同じですよ。初めての土地で、一人でやっていくんですから。でも僕はそれ以上に、楽しみです！
- なら良かった。健闘を祈ってますよ
じゃ、あと少しの間は馬車の揺れをお楽しみ下さい坊ちゃん。この揺れが懐かしくなっても向こう5年は迎えに来てあげませんので。
- はは、厳しいな（頭を引っ込め、椅子に再度腰を降ろす。体に伝わる揺れもどこか馴染んだ物で、これが無くなるのもやはり寂しさがあり、いとおしむ様に目を閉じた）
（時は夕暮れ、黄昏から宵闇へと変わり始めた空が放つ朧な光に照らされた街の姿は、これから歩む路が楽ではない事を暗示しているかのようだった。）
（しかし、その覚悟はある。名誉ある血を継ぐ者として、吹き荒れる嵐の中にこそ飛び込み、そこで尚、翼を広げる覚悟が。）
えぇ、準備は出来てる （誰に向けたでもない言葉と共に、拳を強く握り締めた）
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