名簿/280953
イーニャ>名簿/280953
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- (暗い洞窟の奥から、数人の黒服の男たちが這い出てくる。時刻は既に深夜を回っており、男たちの姿は闇に溶けるように黒い)
(最後に出てきた男二人組みは、丁度人程の大きさの袋を二人がかりで運び出している) --
- (黒服の一人が、周囲を警戒しつつ口を開く)
「散々手間をかけさせられたが、回収には成功か。全く、修了生も思ったよりも使えんな」
「お陰で貴重なデータが取れたというものだが…それにしてもこの怪我でも死なんとは。スリープモードのテストベッドとしても優秀、と言う訳か」 --
- メルツェルの情報通りか……流石だな(呟きながら無造作に2人組みに近づいていく男)
悪いがその少女は譲れんな、手を引いてもらいたい、出来るなら事を荒立てたくないのだがな?(男は手ぶら、芝居がかった動作で手を広げ口を開く) -- ステイシス
- (ステイシスが姿を現すなり、男たちの気配が鋭くなる)
「傭兵か…コレも厄介な事をしてくれる。取り繕うのも無意味だな。潰せ」
(リーダー格と思しき男が命じると、周囲の黒服が一斉に飛び掛る。手に持つ得物は様々で、中には銃器を構える者も居るが、それぞれの攻撃が重なるような位置取りはしない。かなりの手練だ) --
- やはり言葉では済まんか……(内側と外側が入れ替わるように変質、濃紺の装甲、細身の異形へと変化、両手には大型の銃)
この選択、選んだのは貴様達だ、後悔するなよ?(腰の付属品が閃光を放ち一気に後ろに下がる、開いた距離を埋めるようにアサルトライフルが断続的に弾丸を放つ、何の躊躇もなく黒服の頭部を狙っている) -- ステイシス
- (近接武器と銃弾が弾かれ、黒服たちが飛びすさる)「…何だこれは。ネクストと言う奴か…」
(リーダーが周囲の黒服に指示を飛ばし、一気に距離を開けたステイシスに追いすがる)
「侮れんな。狙いも正確だ」(だがそれ故避けやすいか、呟くと袋を持った二人組へと撤退指示を出す)
(黒服の一人が頭部を撃ち抜かれくずおれるが、全く構わず周りの黒服も距離をつめんと手持ちの火器を連射する) --
- ほう、養成所とやらの情報収集能力も侮れんな……(銃弾を装甲で弾くが、この身はあくまで軽量級、受け続けるのは危険だ、限定された空間では性能を発揮できないが……)
指示には忠実か……兵としては優秀だが、個々の判断力は甘い!(背の4連ミサイルが起動、洞窟の天井に撃ちこまれる)
(舞い上がる粉塵とミサイルの煙を盾に手近な黒服に接近、アサルトライフルのバヨネットを突き刺しゼロ距離射撃、死体はそのまま盾に利用) -- ステイシス
- (鮮血をぶち撒けて盾にされた男の死体は、死して尚能面のように無表情である)
「厄介だな。流石に量産品では潰しきれんか。だが…」(時間は稼げた、と続けると、洞窟内の黒服を残しリーダー格も撤退を開始する)
(袋を持った黒服は、既にかなりの距離を稼いでいる) --
- 量産型か……救われんな(バヨネットを引き抜き目標の姿を捉える)
フン、この程度でこのステイシスから時間を稼いだつもりか、止まっているのと変わらんな!(PA未展開、OB使用不能、だがそれが何だ)
(背で閃光、一気に加速、慣性が残っている僅かな時間で右肩が同じ閃光を放ち、再度背で光の爆発、僅かに浮いた身を音速まで加速させリーダー格の前でターンする、左手の大型の銃器は持ち上がっている) -- ステイシス
- 「…何ッ!」(突如目の前に現れたステイシスに驚愕の声を上げるリーダー格)
「…なんてな?」(と、その口元を笑みの形に歪めた男は一気に身を沈みこませ、手にした得物をゼロ距離からステイシスに突きつけ、トリガーを絞る)
顕ッ!(銃口から発生するのは、魔力で編まれた火炎弾。それもイーニャの使うものよりも強力なソレだ) --
- (鋭い流線型の頭部は表情が浮かばない、だが仮に表情があれば、嘲笑が浮かんでいただろう)
(装甲が抉れ複数枚の板が剥がれ落ちる、だが致命傷ではない、ネクストにとって、この程度の損傷は常に想定されているのだから)
(同時にほぼゼロ距離、レーザーバズーカのトリガが引き絞られる、警告は既に終えている、交戦を選んだ以上、躊躇する必要はどこにもない) -- ステイシス
- 「…何ッ!?」(今度こそ本当に、黒服の顔が驚愕に歪む)
(高出力のレーザーを受け、悲鳴を上げる暇もなく男は四散した)
「…。」(一瞬背後を振り返る運搬係だが、すぐにその足を撤退へと向ける) --
- (やはり人に使う火力ではないな……、そう思いつつもターン、QBを発動)
(連続QB中であろうとおかまいなしに運搬係にアサルトライフルを叩き込む、ただし弾は足元に集中させている、目的が奪還である以上過剰な火力は使えない) -- ステイシス
- (狙い過たず二人の黒服はもんどりうって倒れた。どさり、と地面に袋が落ち)
『最早貴様らのみでの回収は不可能か…撤退しろ。元々イレギュラーな状況だ』(先ほど蒸発したはずの男の言葉が、夜の森に木霊する。それきり、黒服の気配は消えうせた) --
- 逃げた、か……禍根が残ったな(袋を大事に抱えて通常ブースト起動、レーダーを注意深く確認しながら場所を変える) -- ステイシス
- (地に落ちた拍子に袋の留め具が外れ、長い金髪が血に塗れ、傷だらけの顔が覗く)
(恐らく意図的に仮死状態となっているのであろう、呼吸は長く、浅いものだ) -- イーニャ
- 蘇生可能な範囲か……メルツェル、すまないが手筈通りに頼む、面倒を掛けさせるな……(通信を行い再度上昇、闇に溶け込むように濃紺の装甲が小さく消えていく) -- ステイシス