HMK/0001

  • (2022年晩夏。まだまだ暑さの残る昼下がりの鎌倉の町並みを、巫女装束に身を包んだ女が駆ける)
    (風に流れる豊かな髪は夏の日差しを受けて銀に輝き、汗の光る肌は白の装束に映える健康的な褐色。九鬼・刀琉その人である)
    (身に溶け馴染んだ魔剣の力か、超人的体力によって早朝から今までほぼ走りっぱなしであるが呼吸は平常とさして変わりない)
    (そしてそれは、今現在絶賛追跡中の相手──前方を走る銀の髪の小柄な少年と思しき人影──もまた同じであった)
    (「人間の体力じゃないなぁ……」などと、自分の事を棚に上げて思いつつ右耳のインカムに指を当てる)……あ、熱田先輩。今由比ヶ浜の方向かって走って……うぉっと左に急カーブぅ!
    (ズザッ!と音を立てクイックターン。更に通行人を回避するステップを織り交ぜて、ロスを最小限に追跡を続行する)
    -- 刀琉
    • えっ鹿島さんも来てるんですか!?助かりますけど引っ張り出しちゃって良いんですかねぇ……アッハイ。後でかき氷、了解です。
      (その後、小声で二人に待機してもらう場所を指定し、そちらへ追い込む動きをしつつ通話を切る)
      (それから紆余曲折、鎌倉海浜公園由比ガ浜地区へと追い込む事に成功する)だはぁーっ、んもぉぉぉぅ……何が、目的なんですか……!
      -- 刀琉
      • (相対する少年は刀琉に向かって振り返る。九鬼神社の御神体の一つ、大太刀を抱えて……微笑んだ)
        (挟んで向こう、黒髪ロングストレートの長身美女と金髪ツインテのちんちくりんが構えている)
        事と次第によっては容赦しませんからね……!(それに追従して「駐車代だって馬鹿にならんのだぞ!」だの「お休みなのに走り回って疲れまシター」だの)
        -- 刀琉
      • (銀髪の少年は更に笑みを深めると、おもむろに口を開いた)──可愛い姪と海岸で夕日を見たかった……というのでは、ダメですか? -- ???
      • ……?(頭の上に沢山はてなマークを浮かべながら、自分と少年を交互に指差す)
        (対する少年はほら、とばかりに海の方を指差す。確かに夕日である)んんんん……どこからツッコんだものか。
        (「どう見たって年下だろう!?」だの「朝から走る必要ありませんネー?」だの代わりのツッコミが入る)……や、まあそんな感じでその説は飲み込めないんですが。
        (ほとほと困った、がとりあえず)……差し当たってですね、刀、返して頂ければ。(そこへスマホの着信音)へわっ、ととと……
        (胸元からスマホを出す……必要なかった、耳のインカムをタップ)……あ、がー兄。何?今ちょっと取り込み中で……え?
        えぇぇ……それほんと?っ、あー…そう。うん、分かった(インカムをタップ)
        えとですね、熱田先輩に鹿島さん。どうも私の叔父というのはホントのようでして……
        -- 刀琉
      • (かくかくしかじか。父である刀利の幼い頃亡くなった双子の弟が、御神体の大太刀に憑依して育ったモノだという説明をする)
        (「そんなことが……」だの「オーゥ、ジャパニーズシントーのミラクルですネー」だの)
        (そんなやり取りを見ながら少年は穏やかな笑みを浮かべている)……や、笑い事じゃないですって。朝から走り通しで……私は疲れてませんけれども。
        -- 刀琉
      • (少年はほらほら、と海の方を再び指差す。太陽は既にその身を半分ほど海に沈めている) -- 神楽
      • ……兎に角。もう逃亡の恐れはないようですので。少し休憩しましょうか……飲み物買ってきますね。
        (その後4人で夕日を眺め、暫し夏の夕暮れを楽しんだ)……ふぅ。んー、と。おじさま?今後こういった事をする前に、何かしら説明して頂けると助かります。
        (「かーおじ、じゃないの?」といたずらっぽく笑う少年はとりあえず無視して)……あ、熱田先輩と鹿島さん。今日は本当に有難う御座いました。
        ……もう遅いですし、よかったらウチ泊まってってくださいな。それで、明日は一緒にどこか行くという感じで埋め合わせをですね……
        -- 刀琉
      • (神社への帰り道、なんだかんだで話に花が咲くうら若き乙女3人。警視庁超常部魔術課魔剣事件対策室のエース部隊の夏は過ぎ行く)
        (尚、おふざけで姪を始め方方に迷惑を掛けまくった神楽少年は、兄・刀利にこっぴどく叱られたそうである)
        -- 刀琉
  • ふぅ……今日も遭遇ナシ、と。何も無くとも報告書が無くなる事はありませんねー……(今日の探索範囲が記録された用紙に脅威ナシの一文と日付とサインを書き加える)
    (そしてその一枚をペラっと持って立ち上がる……と声を掛けられる)……あら、どうもー。やー、後半研ぎに出す機会が来ませんで、顔が出せずスミマセン。そちらはお変わり無く?
    (刀琉に声を掛けたのはエンジニア……というより刀匠、である。この一年は専ら剣禍対職員の刀剣のメンテを主に行っていた、初老の男性である)
    今回の一件、本当にお世話になりましたねぇ……有難う御座いました!(ぺこり。45度の美しいオジギ!)……はい?私にですか?
    (男は「丁度良かった」と提げていた中型の剣櫃と一通の封筒を差し出す)……これは?
    (封のされていない封筒の中には一枚の紙。魔剣登録証である。記載は「脇差:無銘」とある)……?あ、次こっちの櫃ですか。
    (剣櫃を開封すると、中には一振りの脇差が収められている。その拵えにどこか既視感を覚えるが、心当たりが無い)……これは?(目をぱちくり)
    (聞けば、先日斬鉄剣に折られた支給品の刀──『まごろくちゃん』と呼んで愛用していたあの刀──を、鋳潰して脇差として打った物であるという)
    (暇に任せて戯れに打った物だが、出来上がりを一見して様子が妙なので念の為鑑定に出した所、めでたく魔剣が出来上がってしまっていたとのことであった)
    えぇ……そりゃあ、おやっさんの腕は確かですけれども、そんな簡単に魔剣って出来るものなんですかね?
    (「長いこと鍛冶やってるがこんなこたぁ初めてだよ!」と言って笑う男)
    ぬ、抜いてみていいですか……?(「ちぃっとだけな?」と許可を得て、手にした脇差を、ゆっくりと鞘から抜き出してみる)
    わ、ぉぉ……なるほど、これは……(刀身からは、疎い者でも一見して分かる程に、ある種の凄みのようなものが漂っている)
    -- 刀琉
    • あー、でもこれ……悪い感じはないですね……すごく、ドキドキしますけど(抜いた時と同じ様に、ゆっくりと鞘に収めていく。引っ掛かりもなく、心地良い程にぴったりと収まった)
      (そのままシームレスに剣櫃に収めようとして「いやいやいや」と止められる)……?や、これ封印……記念品に、ですか?あ、鑑定のついでに許可貰って……なるほど。
      (脇差を胸に抱き、もう一度、今度は深々と頭を下げ)……有難う御座います。大事に、しますね!(ぱっと顔を上げれば少し涙ぐんだ、笑顔)
      (新しいのに、何故だか手に馴染む。思わず口元が緩んでしまう刀琉であった)
      -- 刀琉
  • ……あ、もしもし兄さん?っ、う、スミマセン連絡遅くなりまして……(スマホで通話中。相手に見えるはずもないのについペコペコしてしまう)お正月手伝い行けなくてごめんね。大丈夫だった? -- 刀琉
    • (電話の向こう、兄と呼ばれた人物はカラカラと笑い)だいじょぶだいじょぶ、バイトの巫女さん増やして乗り切ったよ。来られないのは分かってたしね? -- 刀雅
      • それはそれは、大変申し訳なく思っており……えっ、なんで?予知能力でも芽生えた?(予想外の回答に突拍子もない空想が飛び出す) -- 刀琉
      • あっれ、話してないのか〜。言っちゃって良いもんかな……まあいいか。熱田さん、知ってるよね?あの人、月1くらいでウチ来ててさ。
        近況話、しっかり小一時間していくわけさ。や、まあ……さ。るー(刀琉の家族内での呼び名である)が心配掛けまいと細かいこと話さないってのもわかってはいるんだけどさ。 -- 刀雅
      • えぇぇ、熱田先輩そんな事してたの……有り難いやら申し訳ないやら……あ、後で何かごちそうせねば…… -- 刀琉
      • 熱田さんはウチでちゃんともてなしてるから、安心し給えよ。まあそれは置いといてさ、そういう訳だから……家の事は心配しなくていいよ。
        こっちが心配するのでもうちょっと頻繁に連絡くれると嬉しいのは確かだけど。 -- 刀雅
      • うぅっ、大変申し訳無い……最低週一は連絡します……はい…… -- 刀琉
      • 忙しかったらメールでも、LIMEでもいいしさ。そうだ、るー。風邪とか引いてないか?なんかウチから送るか? -- 刀雅
      • ぐすっ、あ、うん、大丈夫。支給品しっかりしてるし……ありがと、がー兄。父さんと母さんにもよろしく言っといて…… -- 刀琉
      • ははは、ホームシックか〜?るーは昔から泣き虫だからねぇ……あとそういうのは本人に言いなさいな。居るから。ハンズフリーで話してるから。 -- 刀雅
      • えぇぇ、居たのぉ……居るなら言ってよー…父さん、母さん、元気? -- 刀琉
      • 父です。元気ですが娘が昔のように、りー父と呼んでくれないので悲しいです。 -- 刀利
      • 母です。元気ですが娘が昔のように、かー母と呼んでくれないので悲しいです。 -- 刀華
      • やめ、やめて……ここ一応人居るからやめて…… -- 刀琉
      • 泣いちゃってる時点で恥ずかしいので諦めるんだね〜 -- 刀雅
      • ぐっ、ぬぅ……りー父、かー母、おげんきですか〜 -- 刀琉
      • 父です。小さくて聞き取れません。悲しいです。 -- 刀利
      • 母です。小さくて聞き取れません。悲しいです。 -- 刀華
      • それは歳……(ぼそっ)ぐぇっ -- 刀雅
      • もぉぉ……電話口で何してるの皆……分かった、分かったから。
        (こほん、と咳払い)……りー父、かー母。それと、がー兄。る、るーは……元気です。そちらも、お変わり無いと嬉しいです(言ってから耳まで赤くして周囲を見回す。誰も居ない。大丈夫)
        -- 刀琉
      • (電話の向こうで満足気に頷く気配) -- 九鬼家一同
      • 切るぞ!切るからな!じゃあまた!(通話終了タップ!)……あーもう、ウチの人達はほんとにもう…… -- 刀琉
  • …ん?九鬼の姉ちゃん、なんか雰囲気変わったか?(今日も今日とて街を探索中、九鬼を見つけて片眉を上げて言う)
    どうにもしっかりしてきたっつーか…身が馴染んでるっつーか(所は新宿区にほど近い千代田区。強力な魔剣使いも未だ散見される場所だ) -- 正国
    • (見た目は概ね変わりない。ただ、腰の得物が支給品ではなくなっている)
      んんー、雰囲気と言われますと自覚は無いのですが……馴染んだ、という話ですと心当たりがアリ、という感じですねぇ。
      かくかくしかじか〜(今災害初日辺り、他の使い手との交戦の結果体中に魔剣の破片が埋め込まれたような状態になったこと)
      (そしてややあって、それが体に馴染んだらしいというのをかいつまんで話した)
      ……というのが大筋ですね。調子としては以前よりも好調なくらいで……正国さんはその後お変わり無く?
      • あーだこーだ、ってぇ訳か(なるほど、と顛末を聞き頷く男)身体に纏ったり、剣自体が人の形を取ったりてぇのは聞く話だが、身に溶かすたぁ珍しい(と、彼女の身体を眺める。前と違ってやましい所のない、刀匠の視線だ)
        てぇと、その腰のモノが、それかい?正直前に見たときゃあ魔剣使い相手にゃちぃと頼りねぇなとは思ってたんだが…今なら大丈夫そうだな(と若干の失礼をぶつける)
        ああ、オレの方は健康そのものよ、むしろ四六時中動き回って切った張ったしてたせいか前よりも調子がいい塩梅なくれぇさ(ぐ、と力こぶのポーズを取る男の袖から見える腕は、以前よりも引き締まって)
        …それに、ずっと探してた捜してた刀も、見つかりそうなんでな。身体を壊す訳にもいかねぇ(そう呟き、新宿区の方を見る。ほぼ一年が経った今も、魔剣たちの勢力圏で有り続ける場所を) -- 正国
      • あはは。流石に偶発的な現象だとは思いますけれども……やっぱりなにか変わって見えます?(なにかポーズでも取ろうかと思ったが歩き辛いので止める)
        ええ、ですです。あの子はあの子で良い物ではあったんですが、終わる時はあっけなく、でした。凡そ何でも斬れる、なんてのはズルですよー。
        (そして正国は知らない。腰に差している物は一見すると以前より更に頼りないものであるということを……)
        それはそれは、重畳ですねー。確かに、そろそろ正念場と言った感じはひしひしと……諸々含めて、いい加減決着付けたい所です(同じ様に新宿区の方を見据え)
        ……このままですと私実家帰れませんしね(シリアスに言うことではない)
        -- 刀琉
      • 見た目は、特に。だが…あんた自身の気配と、魔剣の気配が混ざり合って独特な感じになってんな(じぃ、と隅々をガチ見する。傍目にはどう見ても絶賛視姦中だ)
        前みたときゃ、なんかの魔剣を隠し持ってんのかって思ったが、今はあんたが魔剣の化身体って言われても信じそうだ(からからと笑いつつ)
        いやぁ、魔剣としちゃポピュラーな部類、むしろ王道路線だぜそりゃあ。だからこそ対抗手段とかも多く考えられてたりするが…
        (などと言っていれば、実家という妙に生活じみたボヤきを聞けば、ぷ、と軽く吹き出す)や、悪ぃ悪ぃ。いや、でも重要だよな、それ。
        オレもタンカ切って家を飛び出してきた口なんで、中途半端なトコで戻るにもいかねぇ状態だわ。いいんじゃねぇの、仕事頑張る理由が、そういうのでも、よ。家、好きなのかい?(くつくつと楽しそうに笑う) -- 正国
      • なるほどなるほど。まあ、ある意味隠し持ってはいましたねぇ……刀剣として使えるようになったのは割と最近ですけれども。
        ……にしてもー…まじまじと観察されるのはなんだかこそばゆいですね?(視線にスケベ色は感じられないので嫌ではない。しかし、じっと見られるのは久々で、思わずくすっと小さく笑う)
        まあそれはそうなんですけどねー、初見殺し感が強いと言いますか……(実際ポピュラーなタイプはある程度講習で対処法を教わりはする。するのだが、知らずに初太刀を受けてしまえばそれまでなのは致し方ない)
        ほほう。そういう事情がお有りで……ちなみに私は物理的に帰れません(百剣翁セーフティで)そりゃあ、勿論。両親も兄も優しくて、いい人です。
        あ、場所的にもいいとこですよ。実家(うち)、神社なんです。鎌倉にあって、小さいんですけど。とっても静かで……リスすごいですけどね(と小さく笑って)……一年も経ってないのに、なんだか懐かしいなぁ。
        -- 刀琉
      • (流石に見すぎかと、視線を外して苦笑する)ははっ、すまんな。これも職業病みてぇなもんでね、珍しい刀と来るとどうしても気になっちまうもんさ。
        もっとも……この刀を鞘から抜くのは難しそうだが。銃刀法いわんや公務執行妨害が婦女暴行罪か。ま、オレの刀と一緒で色気のねぇ黒鞘だってのは味気ねぇがな(などと黒スーツの彼女を示してけらけらと笑う)
        初見殺しもまたままあっことだがな。オレの魔剣は、そういうのに性質上強かったりすっから慣れてってのはあっかもな(何でも切る魔剣だとしても、この刀は容易には切れないだろう、と自身の刀の力を説明しつつ言う)
        ……そういう難点が。そっかそりゃぁそうだわな(やれやれと肩を竦め)ん、良いこった。ウチはやたら厳しかったからちぃと羨ましいねぇ。
        ほう…となるとあれか、巫女さんやったりとかか。九鬼の姉ちゃんがリスと遊んでたりしたら絵になりそうだねぇ。…ちなみにリスすごいって、何がだ?数が多いとかか?(首をかしげる) -- 正国
      • あー、それはちょっと分かります。相手の持っている魔剣がどういう能力を持っているかーとか、ちょっと見ちゃいますね(封鎖区域あるあるトーク)
        んー、それはちょっと……セクハラと言いますかー、オヤジ発言一歩手前と言いますかー(ジト目を送る)まあ常在戦場、じゃないですけれども、今はほぼ常に仕事ですからねぇ。
        まー確かにそうなんですけどねー(お気に入りを斬り折られたのを根に持っているのだった)その辺り、とっても頼り甲斐ありますよね正国さんは。
        ウチも厳しいのは厳しかった……かと。早朝起きて朝食前に装束に着替えて境内の掃除ーとかですからね。物心ついた時からなんでふつー、でしたけど。友達に言ったら結構びっくりされましたねー…(遠い目)
        そそ、数が多いんですよ。や、まあどどどーっとやって来るわけでもないんですけど、なんせあちこちで見かけるので。なので子供の頃は仰るとおりちょっと遊んだりおやつあげたりしてましたけど。
        大きくなって裏事情知ると中々こう……あれ外来種なんでいっぱい居たら本当はダメなんですよねー。外来種で思い出しましたけど、巫女の格好してるとやたら外国人に話しかけられるんですよね、英語で。外国人雇ってるんだと思われるらしくて……
        -- 刀琉
      • そうそう、ちゃんと見て見極めないと死ぬしなー(ほのぼの言うも、だいぶ常識が崩れかけている世紀末東京の住人たち)
        へっ、年の割にゃ老けて見られるのは昔っからよ。まー、それも早く九鬼の姉ぇちゃんも可愛らしい服でも着れるようになりゃいいねぇ。
        わかる…(わかる…)オレも日が上がる前から鍛冶場の仕込みをやらされたりとか、一日中槌を振らされたりとかだったわ…姉ぇちゃんも苦労してんな(うんうん頷く)
        まあ、そういう意味の凄いなら、可愛らしいもんじゃねぇか?子供とかに人気出そうだ……って、え、外来種なんかあいつら(などと九鬼を囲んであちこちからひょっこり顔を出すメルヘンな光景想像してたら水を差される)
        (そうして、彼女の言葉に納得する。輝く銀色の髪、翡翠の瞳、焼けたのとも違う、褐色の肌)だろうねぇ。九鬼の姉ぇちゃん、ちぃと日本人っぽくねぇからなぁ。
        よく研いだ刀の刃先みてぇで、綺麗な髪だとぁ思うんだがね(と、彼女とは対象的な、くすんだ灰色の髪をぼりぼり掻く。狂極派の法術の影響で色の抜けた髪、鍛冶場焼けの黒い肌で苦笑して) -- 正国
      • なのですぐわからないようなのはズルいんです(暴論を振りかざす世紀末東京人)そーう、です……ねぇ……(自宅のクローゼットの中身を思い出してとても遠い所を見る目になる)
        あー、やっぱりそちらの方が厳しそうですねぇ……私のはなんだかんだ手伝いの域を出ないので(分かるのはちょっとだけですね、と笑う)
        そう、彼らはタイワンリスなのです……やれ台風で江ノ島の動物園から逃げ出しただの、別荘地で飼われていたのが逃げ出しただの……(年間500匹前後捕獲されているらしいぞ!)
        おかげで特に英語の成績は良かったですとも……ええ、ご先祖様にそういう方がいらっしゃったそうでー…ぇへへ、いやぁなんか照れますね!?(照れを笑いで飛ばそうとする)
        ……正国さんはー…そうですね、これは想像ですが、きっと直向きに刀に向き合ってこられた証なんだと思います。カッコいいですよ、そういうの……これ言う方が倍は照れますね……!(熱い顔を手でパタパタ扇ぎながら)
        -- 刀琉
      • (一周回ってちょっと納得した顔)…なるほど、確かにズルいかもしれねぇな(と暴論に苦笑しつつ)
        まー、こっちのは将来的にもきちんとした刀匠になるための修行でもあったからな、それに、そりゃぁオレが望んだことでもあったから、逆に文句が言えねぇのが歯がゆいとこさ(と肩を竦めて)
        知らんかった…(マジで知らんかった…という顔)てっきり昔から居るもんだと思ってたぜ…あれか鯉とかと一緒で定着しちまった系か!(我天啓を得たり、という顔をしていたが)
        ……まあ、でも、可愛いからいいんじゃねぇの(と、彼女の顔を見て言う)ほれ、外から来たものだろうと、周りと違おうと、良いものは良い。
        むしろそのご先祖さんが居てくれたおかげでこうしてオレも美人を拝めてるって訳だからな。(などとにやりと笑い言っていたが)
        (その笑みが、なんとも言えない複雑な顔に変わる)……うむ、まあな?オレもな?打った刀を讃えてもらえんのは感無量ってなものだがな?まさかオレ自身を言われるたぁ思わんでな?(反撃を食らい、目を泳がせ)
        ま、まあアレよ!お互い大手を振って家へ帰るためにももう一踏ん張り、頑張ろうじゃねぇか!それじゃあな!九鬼の姉ぇちゃん!
        (こちらも明らかに照れているのを誤魔化すような大声を発して、ぶんぶん手を振りその場を去っていった) -- 正国
      • まー、世の中自分でやると言いながら文句垂れる人も居ますし、言わないだけ立派ですとも。言わぬが花……はそぐわないですかね。
        あはは、実際彼らからすれば昔でしょうけれどもー。いっぱい居ますねぇ、そういうの……鯉なんかは私もびっくりした口ですけれども。
        やー、そうも行かない事情がですね……リスはまあ、鎌倉限定の話ならあんまり農業やっていない関係で、被害は家庭菜園だけ、なんですけどねー…(他の地域では外来種が固有種の生存を脅かす事も多々ある、というような説明を付け加える)
        またそういう事をー…ふっふっふー、おあいこということで(にこーっと笑う。強力な魔剣も未だある中、朗らかに)はい、ですねー。
        ……あ、今日は私の話ばっかりしちゃいましたから、今度は正国さんのお話もお聞かせ願えればー(微妙に職業病な言い回しで返事をして、こちらはこちらで業務遂行に戻っていった)
        -- 刀琉
    • (斬鉄剣──それは、世に名だたる名刀が一つ。よく知られるのは大怪盗の仲間の剣豪が振るう物であるが)
      (それは飽く迄、現代の創作である。とはいえ実在しないわけではなく、とある刀匠の作を指して居合道家がそう呼んだ、であるとか)
      (あるいは試斬にて兜を割った、であるとか、戦で鉄砲を斬った、であるとか。枚挙に暇がない……程ではないにしても、そう謳われるに足る名刀は存在する)
      (今、刀琉に振り下ろされんとしている凶刃もまた、紛う方無き「鉄をも斬り裂く無双の妖刀」であった)
      • (ギラリと剣呑な輝きを宿した刃が、頭上に迫る。ゆっくり、ゆっくりと、空を裂いて振り下ろされるのが、良く見えた)
        (以前にも、こんな事があった。剣道の全国大会、決勝戦。周囲は静まり返り、時が止まったかのようで)
        (面の向こうの相手の形相、相手の振り下ろす竹刀さえ、止まって見えた)
        (だから、私は簡単に横合いから相手の竹刀を払って、面に打ち込んだんですよね。それで優勝が決まって。本当に、呆気ない位で)
        (その時と今とで違う点があるとすれば……こちらの手は空で、相手の得物は真剣、それも妖刀で。そして何よりも──)
        (実戦だ)
        -- 刀琉
      • (刀琉は、前に踏み出した。真っ直ぐに降りてくる妖刀の、僅かに左へ。そうしながら右手の甲を鎬に添えて、押した)
        (「死」が己を捉え損ねるのを横目に、それを払い除けた右の手をその形のまま、掌を正面に向けて真っ直ぐ突き出した)
        (その先にあるのは、男の顔。必殺の一閃を逸らされたことを悟り、驚愕に見開かれていく目。その下中央にある鷲鼻を掌が捉え──)
      • (手応え。打音。軟骨を破砕する音。吹き飛んだ男の体が、路上を転がっていった)
        ──フ(短く、鋭く、息を吐く。掌底の姿勢を保ち、残心。相手の手にはまだ、刀がある)
        (顔面を強打されて吹き飛んで尚、得物を手放さないとは、敵もさるもの)
        (──と、突き出した右手の甲に赤い線が一筋走り、一拍遅れて、つう、と雫が流れる)
        (鎬に切れ味無いのが普通ですよね。エンチャント雑ー。もしくは美学がないんでしょうか、ね)
        (兎に角、刃でもないのにほんの一瞬触れただけでこの切れ味、同じ手はもう使わないほうが良さそうです……手の甲にカットラインが沢山入ってパッと見、メンがヘラい感じになってしまうので。ええ。)
        -- 刀琉
      • (残心、残心ってなんだ、と問いたくなる程ゆるゆるなノリの思考が繰り広げられる向こう、刀を持った男がよろよろと立ち上がる)
        (男は悪態を吐きながら頭を振り、潰れた鼻を摘んで伸ばし、息を吹いて溜まった血を飛ばす)……お主、やはり鬼の類だな?我が一太刀を避ける身のこなし、そしてこの怪力……
        面白い。これまで拙者が斬ったつまらぬ物とは違う事、示してみせよ……ッ!(そう叫ぶと男は一旦腰の鞘へ刀を納め、深く腰を落とす)
      • こんな美女捕まえて鬼とは、失礼なお侍さんも居た物ですねぇ(軽口を叩きながら、残心を解いて構え直す。愛刀の「まごろくちゃん」は初手で叩き斬られ、既に無い)
        (声を掛ける前に、周りの惨状をもっと良く見ておくべきでした。相手の魔剣が推定『なんでも斬れる丸』と分かっていれば……分かった所でどうにもならない気がしますね、ええ。)
        (さっきと同じ様に出来たとして、相手の戦意を削ぐのにどれほど掛かるか。抜本的な解決方法を見つけ出さねばなるまい)
        -- 刀琉
      • 鬼も冗談を言うか。良い事を知れた……役には立たぬだろうがな(腰を落とした姿勢は、力を溜める物だ。踏み込みと同時、紫電一閃の抜き打ちを放つ、その予備動作である)
        (先の一手では、敵を牽制の後、抜いた相手の得物を斬り、大上段からの止めという必殺の流れであった)
        (が、どうした事か最後の唐竹を逸らされてしまった。だが次はそうは行かぬ。次は抜き打ち、胴を一太刀にバサリ、だ)
        (溜めに溜めた男が一気に伸び上がり、必殺の一閃を放つ)
      • だから鬼じゃないですって。いい加減にしてくださいよ、色々と(軽口の応酬と裏腹の、身を切るような緊迫感。次は十八番で決めてくるだろうというのは容易に想像がつく)
        (──あの構えは、いわゆる居合ってやつですね。ここでいう居合は狭義の居合、すなわち座ったりした姿勢からの迎撃術ではなく、世間でイメージされる居合です。超高速の抜き打ち、ですね)
        (ああして体のバネを溜めて溜めて、伸び上がると同時に抜刀、体と刀が最速になる瞬間を相手に叩き込むという感じの……ああ、やだなあ、真っ二つになるのは)
        -- 刀琉
      • (やはり、先程はマグレであったか!)
        (紫電一閃、男の放った抜き打ちの右薙ぎに鬼の女は反応する素振りさえ見せなかった。知れず、口の端が釣り上がる)
        (だが、男の会心の笑みは次の瞬間、驚愕へと変わるのだった)
      • (半ば無意識に手をやったのは、バックパックに括り付けられていた、刀の柄であった)
        (それは、刀琉が全身に魔剣の破片を受け倒れた夜、共に回収された砕けた魔剣の一部と思われる物)
        (──その頭金が、放たれた一閃を、止めていた)……わお。
        -- 刀琉
      • (男は俄に総毛立ち、刀を引くと同時に後ろへ飛び退った。有り得ない物を見た、そんな顔で)
        (一体アレは、何だ?タダの刀の柄ではない。先だって斬って捨てた鬼女の刀とは、まるで刃触りが違った)
        (先の試斬で門松のようにしてやった「でんしんばしら」とやらは、石と鉄とで出来ていた。戯れに斬った「じどうしゃ」とやらは単なる鉄より硬かったが、余裕だった)
        (だがアレは、アレは何だというのだ。単に止められたのとは訳が違う。我が無双の一刀をして、触れるに能わずとは)
        ……な、なんなのだ、それは……
    • (九鬼 正宗──それは、世に知られざる名刀が一つ。現代によく知られる九鬼 正宗とは異なる作である)
      (時は鎌倉末期、相州のとある山村に移り住んだ鍛冶師が居た)
      (その男は高名な刀鍛冶の弟子であり確かな腕を持っていたが、人を斬る刃物を厭ったが故に職を辞し、自身を知る者のない所へ住もうと考えたのである)
      (男は気の良い村の者たちに助けられ、男も農具を直して報いた。さして時の経たぬ間に男は村に溶け込み、村の娘を嫁を貰い幸せに暮らした)
      (──だが、しかし。隣山に鬼の一団がやって来た事でその幸せはいとも簡単に奪われてしまう。その凄惨さたるや筆舌に尽くし難かったようで、記録は殆ど残っていない)
      (細々と語り継がれた所では、村は鬼の略奪を受け、鍛冶師の妻も拐われてしまう。その後瀕死の状態で戻った妻は炉に身を投げ、鍛冶師はその鉄で一振りの刀を打ち、死に絶えた)
      (それから程なく都より武士が、鬼を追ってやって来る。その武士は村人の生き残りに請われ、その刀で鬼を討伐したのだそうである)
      (その後、銘も無いままの刀は近隣の神社に奉納されたが、幾度も訪れた時代の動乱によって逸失。そして時を経て、百剣翁の手に渡った)
      (その折、九の鬼を討ち果たし刃こぼれ一つしなかった逸話と、作風の良く似る相州の名工に肖って、九鬼正宗と密かに銘付けられたのであった)
      • 九鬼正宗。魔を断つ……だとどっかで聞いた感じになるので、そうですねー…闇を払う刃、とでもしておきましょうか(逆手の形で手に収まったその柄をゆっくり、掲げて見せる)
        (──調査結果を聞いた時は運命だと思いましたね……まあ、うちは「くかみ」、こちらは「くき」ですけれども)
        (聞けば、波乱の刀生?を歩んできたらしい。家族を、親しい人を奪われた恨みを一身に受けて生まれ、神社で一時の平穏を得るも世に紛れ、蒐集家の手に渡り──)
        (刀身砕かれて、溶け込んじゃって、今はこれだけ……あ、なんだか申し訳無さが)
        -- 刀琉
      • くっ……(歯噛みする男は、自身の背に冷たい汗が流れ落ちるのを感じた)
        (何を恐れる必要がある!あのように折れ果てた、ほぼ柄ばかりの刀など!)
        (女が柄を掲げる。身が強張るのを押し殺しながら、再び刀を鞘に収めた。次の一刀こそ、決める)
      • (なんで、いちいち納刀するんでしょうね?確かに抜刀のタイミングをずらすとかしてフェイクを掛けたりは出来なくもないですけど……五エ門でも取り憑いてるんでしょうか?)
        (五エ門は基本逆手持ちですし、まあ恐らくはフェイバリットなんでしょうねーなどとのんきに考えながら、刀琉は刀の柄を手の中で回し、切っ先……のあるべき方向を男に向けた)
        (両の手でしっかりと持ち正眼に構える。相手もまた、腰を落とし溜めを作る。すべてが見える。心が、澄み切っていく)
        -- 刀琉
      • ──ッ!!!(裂帛の気合を込め、全身全霊の一閃。その踏み込みは、抜刀は、斬撃は、一筋の紫電となって──)
      • (まさに甲乙付け難し。男の右薙ぎが紫電ならば、刀琉の唐竹割りは雲耀。見る者があれば、息を呑んだであろう)
        (しかし僅かに、ほんの僅かに男の刃は刀琉に届かず、振り下ろされた刃無き刀の前に沈む事となった)
        -- 刀琉
      • ああ、あ……?
        (刃が女の胴を断つ、その直前で体から力が失われ、手から何かが転がり落ちた)
        ば、かな……
        (落としたのは刀だ。半ば程で真っ二つに折れている。それをようやっと認めるが、何やら見え方がおかしい。左右が上下にずれて)
        負け、た……の、か……?
        (左は天を、右は地を。己の身に何が起きたか分からぬまま、男の意識は闇へ溶けた)
      • ……っはぁぁぁぁぁ……(残心を終え、一気に息を吐く。目の前に倒れ伏す男は、五体満足。ただ、手にしていた刀だけが折れている──否、斬られている)
        ゃー、一か八かの一発勝負でしたが、どうにかこうにか大成功ですねー…(余韻に浸る前に現場写真を撮り始める辺り、仕事が体に染み込んでいる)
        (斬鉄剣と呼ばれるであろう妖刀を、剣櫃に納めながら独りごちる)……どうにも口調が現代人らしくないので、何かしら憑いてるのかなーと思ったのが切っ掛けでしたが。
        (九鬼正宗を正眼に構えた時、文字通り全てが見えた。男の体に重なる、侍のような影。それこそが元凶であると分かったのだ)
        (故に、磨きに磨いた魔力コントロールで九鬼政宗の失われた刀身を再現し、それを以て霊体を斬った──つもりだった)
        (実際には霊体と一緒に妖刀も斬れてしまったが)……まぁ、結果オーライということで……
        (スマホで要看護者の救助要請をすると、新たな愛刀?となった九鬼正宗をとりあえずバックパックに括り付けて)
        ……さぁて、帰りましょうかね(帰路に就いたのだった)
      • 尚、病院に担ぎ込まれた男は数日の昏睡の後、目を覚ましたとの事である。
  • ミ🗞
    • っっっっっっごく、こう……言い辛いんですけど、今や9mmじゃパワー不足と言いますかー。
      いえね、きちんと当てられてますよ?当てられてはいるんですがー…魔剣で強まってる人に対してストッピングパワーがいまいちでして。
      まして剣獣なんかは弾かれちゃってですねー…ええ、ええ、諦めて刀で殴れと。全くその通りなんですが。
      -- 刀琉
      • …….45ACPオヌヌメってアメリカ人じゃあるまいし……大体オヌヌメっていつの人ですか。
        パワー不足とか言っておいてなんですけど、あんまり破壊力上げたくないんですよねー。ご遺体は可能な限りご遺族にお返しする以上、損壊は極力避けたい訳で。
        と言うよりそもそも、殺さずに済ませたい訳ですよー。ええ、全くその通り……諦めて刀で殴るべきですね、ええ。
        -- 刀琉
      • すると必然的に、魔剣に当たり負けしない刀が欲しくなってくる、という……無理?ですよね。
        金属ムクのスレッジハンマーをぶち当てる……まあ、そこそこの魔剣なら勝てそうですけど、それなら刀で十分ですねぇ……え?ゴリラ?またまたー。
        -- 刀琉
      • 大体の魔剣使いは素人が魔剣拾っちゃったタイプでしょうから、私が勝てるのは当然……そうでもない?またまたー。
        んー、あー…言われてみたら確かに、命の危険を感じた事は無いですねー…皆さん素直に負けを認めてくれますし。
        -- 刀琉
      • 魔剣より先に心を折ってる?なるほどー、そうかもしれませんねー。
        何しろ最近とっても調子が良くてですね、相手の動きが手に取るように分かるんですよー。ええ、比喩表現ではなく、常に先手が取れてしまうと言いますかー。
        -- 刀琉
      • っと(会話相手が視界の外から投げてきたボールペンを人差し指と中指の二本でキャッチする)そうそう、こういう感じですねー。
        今のはそうですねー…気配とか、空気の動きとか、その辺りですかね(手首のスナップで投げ返す。その先で『うわっ』と声がした)あ、スミマセン、変な方投げちゃいました?
        -- 刀琉
      • まあとにかくそういう感じで……何の話でしたっけ?ああ、拳銃のパワー不足。
        丁度いい選択肢がないなーと。それともアレですかね、遠距離から安全にーってのがダメなんですかね。
        魔剣バトルは顔を突き合わせてやるからあたたかみがあるとかそういう……無いですね、ええ。
        結論、レベルを上げて物理で殴る、ですねー(先程からずっと巻き直していた柄糸をぐっと結んで)……よし、と。
        じゃあ、行ってきます。何事もなければ今日もいつもと同じ時間に戻りますので(そう告げて、魔剣探索へと出掛けて行った)
        -- 刀琉
  • (ある時、九鬼が街を警邏していれば割とアレな光景を見ることになる。それは、大きな箱を背負った色黒な男が、町中で地べたを張って地面を睨みつけている風景だ、加えて)
    あっ!ちょっと姉ぇちゃんそこで止まれ!今この辺立ち入り禁止!(などと剣禍対職員に対し命令までのたまう。貴方は無視して進んでもいいし威嚇発砲をしてもいい) -- 正国
    • (全体的に黒い感じの男が血眼になって地を這う光景は、怪しい事この上ないのは間違いない。無いのだが、その動きには見覚えがあった)
      むう……あの奇っ怪な動きは魂太苦斗煉頭性死(こんたくとれんずさがし)……!
      (知っているのか雷電……!?と脳内桃太郎を展開しておいて無視しながら)……お手伝いいりますー?(普通に声を掛ける第三の選択肢)
      -- 刀琉
      • (そう、おわかり頂けただろうか…どう見ても繊細さなど無さそうな男が辺りを探す様は、かなり慎重だ。ほぼほぼ壊れ物を扱うような手付き)
        む…!手伝ってもらえんならありがてぇ!(と、そこでようやく九鬼へまともな視線を向ける。その黒スーツを見れば)こりゃ丁度いい、剣禍対の人かい?
        今、ここにゃ魔剣があるんだよ。見つけられたら手柄にしちまっていいから、ちょっくら頼まぁ(見た所周辺には何もない。ただの町中の道路に見えるが)…針みてぇにちっせぇ刀でな、難儀してる所さ。
        (はあ、とため息。魔剣の気配を探れるのであれば、確かに周囲には魔剣特有の強い力を感じるだろう、が一見ではその出処は掴みづらい。単純に物理的に小さすぎるのだ) -- 正国
      • はいー、剣禍対の九鬼、と申しますー(一応手帳を見せながら)あ、別にコンタクト探してる訳じゃなかったんですね。
        ええ、ええ、手伝いましょうとも。お仕事ですからね……!なるほど極小サイズの魔剣、ですかー、それは難儀な話ですねぇ……
        (自身に溶け込んだ(っぽい)魔剣の持つ魔力と、他の魔剣の魔力とが干渉する為、存在を感知するのは容易である)
        (……が、正直使いこなせているとは言えず、精度はイマイチであった。故に──)
        (手伝おうとなれば当然、正国と同じようなポーズにならざるを得ないのである!)……えーと、あー…色とか分かります……?(黒スーツ、今日はうっかりタイトスカートが這いつくばっている)
      • オレは狂極派の正国だ(と懐から立入り許可証を見せつつ)ウチの昔の刀工が打ったもんでな、『針一寸/はりいっすん』っつー銘で、文字通り針の如くな刀さ。持つと自分もちぃさくなれるっつー。
        鞘とかはねーから、まあ普通に銀色になるのかね…そう、姉ぇちゃんみてーな髪の色さ。たぶんな(目を細めてじぃぃ、と地面を睨みつけながら言う)
        この道の半分くれーは探したから、もう半分のどっかには落ちてると思うんだが…(ふう、と顔を上げて九鬼の様子を伺えば、そこには大きめの張った丸い黒クッション。じっと見る。いや違う、ヤケにラインがはっきりしてるスカートだ)
        すっ(慌てて地面見る)すまねーなっ、うん!街を颯爽パトロールって時にこんな泥臭ぇ仕事やらせちまって!(その上、人の尻をガン見してました、となれば若干の公務執行妨害を食らうのではないだろうか?と一筋の汗が垂れる) -- 正国
      • はい……(許可証が発行されている人間についてはリストがある。記憶している物と照らし合わせて)……了解ですー。
        ははぁ、なるほど。針のような刀、と聞いて一寸法師を連想しましたが、まさにそういう感じなんですねー(あ、そっち側ですね、と言いながらずりずり移動していく)
        (脚が前後するたびに力の入り具合が変わって尻のラインの起伏が変わる。大層見応えのあろう光景を繰り広げながら)
        いえー、公僕は市民の皆様のために働いてこそでー…あ、刀ですしもしかしたら磁石にくっつきませんかね?
      • そいつが元ネタだかんな。まー正確に言や一寸の一寸法師が持ってる時点で刀の長さは半寸じゃねーのか?なんて思わなくもないが…。今のオレらにとっちゃ一寸も半寸も変わらんか。
        (九鬼が移動してくるのに合わせて体を起こし場所を空ける。そうすれば嫌でも視界に入ってくる形の良い張った臀部。そこから下る太ももは女性らしい嫋やかなラインを描き、それは上質な刀の峰の如く艶めいた曲線で伸び地面に膝を…)
        (という所で我に帰る。そうだ、地面だ。アスファルトだ。どっちも黒だけども。すべすべしてそうなタイツではなく)いかん…邪念が…!!(そういう魔剣ではありません)
        …ん?(このままでは日が暮れるな、と心配を少し覚えた所で)…それだ…!術は込めてるが材質は普通に鋼のはず、磁石には付くはずだ…!(その発想はなかった、という顔をして手を叩く) -- 正国
      • 身長超えるくらいの大太刀もカッコいいと思いますけどねー。振るえるかは別として(どの道小さければ大差ないのだが)
        (その体で剣道大会優勝は無理でしょ と言われかねないボディラインであるが、あるいは何かしらの幻惑効果があるのかもしれない)
        邪念、何か別の魔剣の……!?(ぐっと上体を持ち上げ膝立ちで周囲を伺う。すごいホールド力の下着のおかげでそんなに揺れないが存在感は十分だ!)……他の気配はないですね。
        あ、それじゃあ良かったですー(バッグをごそごそ。そこからなにかの金属ケース、そしてジャジャーンとばかりに飛び出すU字のベタな形の磁石であった)
        物は試しという事で……(手にした磁石をほうぼうに向けながら、再び這い回る。紐にぶら下げるとかそういう発想が出てこなかった!)
        -- 刀琉
      • (防具の胴に収まるの?剣道連の多方面に謝罪せよ、とばかりの圧迫感さえ覚えるスーツを押し上げるそれを心頭滅却しながら意識からどける。どけるにはだいぶデカい)
        ある意味では男が誰しも持ってる魔剣というか…いや忘れてくれ(ギリギリな下ネタを思わず口にしつつ、取り出された磁石におおーと感嘆の声)
        剣禍対って警察の鑑識みてーなこともすんだな…(これならば目だけで虱潰しにしていくのよりはよっぽど効率がいい)やれやれ、刀鍛冶なんてやってるとやっぱ固定観念が出来ちまってるなぁ。
        (刀を磁石で探す。自身にはなかった発想だ。そうしてしばしの時が経つ。九鬼の手に持った磁石から、ちん、と小さな金属音がする)
        (道路にあった細かい砂に含まれる微小な砂鉄などとは違う、それ。見れば指の先ほどの、細くすらりと伸びた針のような直刀があるはずだ) -- 正国
      • (おかげで警察官の癖にサラシ巻きの達人である)……?男性も中々難儀な生き物なんですねー(下ネタに、分かっているのかいないのか、といった感じの返事)
        まあ、こういう事態ですしねー。出入りする人数は少ない方が良いので、出来ることは出来る人がやろう、と(とは言え警察出身ではない人員も多いので、鑑識作業はかなり自己満足に近い)
        柔軟な発想は、難しいですよやっぱり。警察官なら警察官なりの固定観念がありますから……あ、私一応警察官なんですよ。警視庁から出向という形でして。
        ……っと。手応えありです。針金とかじゃなければ良いんですがー(自分で見た後、「一応ご確認下さい」と刀の張り付いた磁石の先を正国に向ける)
        -- 刀琉
      • (男を勘違いさせる系か…?とか思いつつ、九鬼が見つけた刀を、じぃ、と確認する。柄に巻かれた糸、すっと落ちるような直刃の刃文。そして何よりもそのサイズに見合わぬ、強い魔力)
        うむ、針一寸に間違いねぇ。いやはや、手柄にしちまえ、なんて言ってたが普通にお前さんのお手柄だな。助かったよ(やれやれと立って背を伸ばし、凝った体をほぐすために大きく伸びをする)
        はは、警察からの出向なんてこの様子だとなかなかのやり手さんと見たぜ。世のため皆のため、身を削ってってなもんか(まあ、削れているのは腰回りだけにも見えるが)
        じゃ、その刀についちゃ九鬼の姉ぇちゃんに任せたわ。封印なり後方に送るなり、とにかく悪用されねぇようにしといてくれ。お互いお疲れさん。
        (そう言うと、箱を背負い直し男は去っていく)…ああ、一つだけ。スカートで這うのは、やめといた方がいいぜ、目の毒だ(なんて、余計な一言を残していって) -- 正国
      • (無自覚なので質が悪いかもしれない)確認どうもです。いえいえ、刀という情報がなければ磁石を使う発想も中々出なかったでしょうし。
        まあおかげで警察組織という枠組みからは爪弾き者、出世街道から転げ落ちた身ですけどねー(あはは、と気楽に笑うがその表情は明るい。よほど今の仕事が性に合うのだろう)
        了解です。こちらは私が責任を持って処理いたします。お疲れさまでした!(上体を15度傾ける敬礼)……へ?
        あー…それはまあ、ズボン全部クリーニングに出しちゃった私の落ち度ですねぇ……(苦笑しながら見送り、剣櫃に磁石ごと針一寸を仕舞い込んだ。帰還後、磁化されてしまっていて軽く怒られたのはまた別の話である)
        -- 刀琉
  • (時折剣禍対に善意の通報が入る、主に魔剣使いを斬って捨てたので回収宜しくという非常に物騒な代物だが)
    (当然緊急事態下でもそういった行為を私人逮捕として認めるかに関してはかなりの議論が必要となるだろうが…)
    (今回九鬼は幸か不幸かその通報現場を発見する事となる、刀を持った男が直ぐ側の通路で魔剣使いを斬り捨てた事を通報していたのだ) -- 三厳
    • //思いっきり読み間違いしてたので書き直し中でござる
      • //承知致した! -- 三厳
      • (そういう通報があったと聞く度『善意、善意って何だ?』という疑問が脳裏を駆け巡る)
        (善意という事になっているが、早い話が『人を殺したので遺体を始末しろ』という要請、とも取れる)
        (そりゃまあ?こちとら人材豊富とは口が裂けても言えませんし?クソジジイ、もとい百剣翁の保有していた魔剣の総数すらきっちり把握出来てない体たらくですから?)
        (回収に協力してくれる一般人という存在は有り難いっちゃぁ、有り難い。とは言え、だ。無力化ならまだ可愛い方で、胴体が上下に泣き別れ、なんてのもざらにある話というのはいただけない)
        (人を殺しておいてお咎めなし、なんていうのは警察官として非常に許し難い。の、だが。剣禍対の方針として『敵対的でなければ放置』というのがある以上、放っておかねばならないのだ)
        (大体、しばらく無害なフリをして力を蓄えておいて、突然こちらに牙を剥かない保証もないというのに)
        (なんて愚痴を(豊かな)胸の中でぐるぐるしていると、まさに、そうまさに、その現場に直撃してしまったのであった)
        (どうしたものかなこれ、と思いつつもとりあえず剣禍対の手帳を取り出して身分証の部分を広げて、さしあたり通報が終わるのを待つ姿勢)
        //偶然通報中に遭遇したところを通報を受けたと読み間違いしてた!申し訳ない……!!
      • (通報を一頻り終えれば男は煙草を取り出すと口に咥えて火を付けると一服)
        ふぅ〜〜〜…相変わらずまっずいなこれ、さて剣禍対も早けりゃ5分以内には来る筈ですし離れましょう
        しかしここも外れとなると…んー剣禍対に入らなかったのは失敗ですかねぇ、いやいや弱音はいけません
        …ん?(歩き出そうとしたところで男はぐるりと首を捻る、九鬼と視線が合った)おや、まあ -- 三厳
      • //良いんだ!読み辛いこちらこそ申し訳無い…! -- 三厳
      • (「すみません、剣禍対の九鬼と申します。二、三お尋ねしたいことが……」と声を掛けてスマートに切り出すつもりが──)
        (口を開いた間抜け面のタイミングで目が合ってしまった。大失敗である。妙な空気が一瞬通り抜けて)──あー、あ、どうもぉ。
        ええ、剣禍対の。九鬼と申します。えと、それでですね……(一回大失敗するともうボロボロである。何を言おうとしていたか、すっかり頭の中が真っ白だ)
        ああ!そうそう通報!通報してましたね今!宜しければ事情を聞かせて貰っても?(なんかもうしっちゃかめっちゃかだが一応言うべきことは言えた)
      • 思ったより断然近くに居たんだな…(参ったなーという風に火の付いた煙草を口でピコピコしながら)
        はい深呼吸してー、どーもどーも私現在魔剣探しの旅に出ている疋田三厳と申しまして…(へへえと謙る様子を見せるがおや?と男は首を傾げた)
        いやまあ一先ず通報に関して…あそこの通路に死体が一つと黒曜石のマカナとナイフが一つ
        恐らく能力的に二つで一つの魔剣なんで普通に封印処理しちゃっていいと思いますよ
        (男は淡々と語る、それは人斬りに関して何の感慨も持たない現代人離れした様相だ…何より剣禍対の手口を知っている) -- 三厳
      • //ちゃんと読んでなかっただけなので申し訳ない……通報と聞いて我慢できずに駆けつけてしまった……
        (先の愚痴に付け加えると、大概の場合、下手人もとい通報者はすでに現場を立ち去っているので、通報中に遭遇するのは僥倖と言えた)
        (言えたのだが。キャリアと言えど研修もなくいきなりOJTなド新人。どうしたものか、頭の中が猛回転である)あ、はい。魔剣探しの旅人の疋田三厳さん。
        (出していた手帳のメモ欄を開いて、三厳の供述……供述と言えるのか、を書き込んでいく)
        (一通り、報告書に必要な情報は取れた……っぽい)なるほど、了解ですー……あれ?お兄さん、もしかして随分慣れてらっしゃる?
        (普通、人を殺めた場合上下方向どちらかに動揺するものだ。そうではないということはつまり、こうした場面に慣れた人物という事になる)
        (ましてこちらの手順を良く知っているようだ。本部に戻って身元を洗ってみようかしらん……などと思いながら)
        (ひとまず、ここでは深追いはしない。無用な衝突は避けねばならない、というのは剣禍対の基本方針もそうであるが、何よりも──)
        (勝てる気がしない。どれだけの場数を踏めば、人を斬って平然としていられるのか)
        (それを思うと背筋も冷えるが、おくびにも出さないテクニックは、多少はあった)じゃちょっと、剣の方、処理してきますねー(こともなげ、を装って通路の方へ向かった)
      • //職務に実に真面目で良い事だ…
        ええまあ前職がそういう切った張ったが多い仕事だったものでねぇ
        (などとヘラヘラと笑いながら語る男だが男の前職を洗えば簡単に正体に辿り着くだろう)
        (国の退魔機関で働いており本来であれば今回の事態に於いて招集を掛けられる側なのだ、ただ現在は何故か休職中だが)
        (一方で男の報告では会話を試みようとしたがいきなりこちらの心臓を熱烈に求められた事)
        (マカナには身体能力強化、そしてナイフは他者の心臓を抉り出しマカナの能力強化に用いるであろう事が語られた)
        はいはーい行ってらっしゃーい(と…通路の方へ九鬼が向かえば男は立ち去る準備)
        (一方通路の方と言えば片手首が切り落とされ心臓を一突きされた死体と魔剣が置かれていた) -- 三厳
      • なるほど。と……行ってしまって大丈夫ですよー。後はやっておきますので、ええ(と通路に入る前に思い出したように、三厳に声をかけた)
        これは鮮やかな……手首を落として無力化、返す刀で一突き……ですかね。
        (やっぱり勘は間違ってなかったなぁ、と思いながら現場写真を撮る。人手不足の現状、出来る人間が出来ることをやるのだ)
        (とは言えこの状況下でまともな捜査が行われるわけもなく、この男の死も刀琉が作成する報告書と、後ほど病院で医師が作成する死亡診断書に残るのみとなるだろう)
        (一通り写真を取り終えると、次は剣櫃を出し、トングでそれぞれを回収する。念には念を入れ、片方ずつを別々に封印)
        (続いて本部に連絡)……あ、どーも、九鬼です。先程通報があった件ですが、たまたま通りがかってしまいましてー……はい、はい。ではお願いしますー。どうもー。
        (でオシマイだが、こうなると当然その場を離れるわけには行かないので、通報者の代わりに待機となる。通路から顔を出し、三厳が居るかどうか、だけ見てみる)
        -- 刀琉
      • (丁度帰る所に入る瞬間だったのでギクリとした様子を見せつつもペコリと頭を下げて)
        (現場の様子から無力化という点だけならば殺害に至らずとも可能である、と感じられるだろう)
        (その上で心臓を貫いて殺した以上は殺人を楽しんでいるかもしくは殺すべきだと判断したかのどちらかだ)
        (ただ…もし後日この殺害された黒曜石の魔剣使いの根城に辿り着いた時心臓を抜き取られた数多くの死体を目にする事となる)

        (現場の検証を終える頃には男の姿はもう見えなくなっていた) -- 三厳
      • (右を見て、左を見て……男は既に去った後。安心なような、そうでもないような)
        (危険な男を野放しにしているという感覚がある反面、楽しむような殺し方ではないような気もした。遺体の損壊が最小限であるのがその理由だ)
        (尤も、芸術的なスキルをもって最小限のダメージで殺す事に快感を見出す異常者である場合は別であるが)

        (後日諸々の情報を照らし合わせた結果、そっとしておいてよかったかも……と思ったとか思わないとか)
  • はい。 -- 刀琉

Last-modified: 2021-06-22 Tue 23:22:33 JST (1030d)