聖杯/狐面

  • ――黄金暦 ?年 ?月  とある廃村にて。 -- 2010-05-23 (日) 22:01:44
    • (空間を指先で切り裂き、降り立ったそこは、廃村だった。もう幾年も前に滅びたそこは人の気配はない)
      (ぐるりと睥睨すると、静かに狐の面を外す。それを左手に持ち、どこか寂しげにその情景を見る)
      ……着いたぞ。セルマ。(虚空に向かって言葉を投げる) -- 狐面 2010-05-23 (日) 22:02:16
      • (その場に実体化し、廃村を眺める)
        なんだ……ここは。(そこは足音がやけに大きく聞こえる程に空虚な、コミュニティの残骸) -- セルマ 2010-05-23 (日) 22:10:58
      • かつて、鉱山で栄えた町だった。だから、鉱物が取れなくなれば、こうなるのも早かったみたいだ。
        ……オレはこの町で育ち、過ごした。こうなった、って知ったのは、皮肉にも、オレが一度死んでからだったけどな。
        (振り返る。金色の髪を持つ青年が、セルマを見る)初めまして、かな。
        喜べよ。目の前にいるのが、お前の最後にして最大の敵だ。約束しただろう、戦いの日々と癒えない罅、鉄を呼吸し血を滾らせる戦場を。お前の望む、戦場は、ここだ。
        (その全身から、矛盾の瘴気とも呼べる黒いオーラが消えている。そこにいるのは、一人の冒険者でしかない)オレの本当の名前は、バッ ーノ=エリオルネッドだ。(言葉は、不自然に千切れる)
        一度壊れ、組み替えられた名前は、まだ完全には名乗れないが、覚えておくといい。
        これが――お前を倒す英雄の名前だ。 -- バッ ーノ 2010-05-23 (日) 22:21:39
      • (皮膚にぴったりと張り付くような空気、親指の腹で唇を撫でて自らの主の言葉を聞く)
        ――矛盾の魔王の力がかなり浸食しているらしいな。マスター…もう自らを成した名前すら朧か。
        くっくっくっくっく………(女の全身から魔力が放たれる。それは足元から凍てつかせるような、負の力)
        くっきかかかかかかかかかかかかッ!!(心から可笑しそうに笑い声を上げ、髪をかきあげる)
        ひっひひひひひひひひひひひゃっひゃひゃっはっははははーっははっはっはっはっはっはっはッ!!!
        英雄? ただの人間が私に戦場をくれるだなんて最高、カッコいいッ抱いて!! ひゃあっはっはっはっはははははははははは!!!
        でッきるワケねぇえええええええええええェェ!! 出来るわけねぇだろォォォォォォオオオォォォォ!?
        残った最後の令呪は? 矛盾の魔王を取り込んだ絶大な力は? 全部放り出して生身で戦うつもりかッ馬鹿がぁぁぁ!!
        (思う存分金髪の青年を嘲笑い、その後にふっと真顔に戻り)魔人を舐めるな。人間。 -- セルマ 2010-05-23 (日) 22:34:04
      • (哄笑するセルマを見据え)――笑えよ。英雄だってな、皆笑われてきたんだ。人間であることを辞めるために、皆幾千幾万の嘲笑の中を歩いてきたんだ。
        何一つ捨てられず、何一つ諦められなかった。今まで何度もあった選択で、両方を選び続けてきた。そしてそのたびに笑われてきた。
        (闇の衣を脱ぎ出すと、バッカーノとしての姿がある)安心しろ、最後の令呪は、今から使う。――『自由を』。(頬の令呪が消える。これで完全に生前と同じ――違うところは、髪が完全に金色と化した点のみ)
        舐めちゃいねーよ。なんせ、オレが作り出した魔人だからな。お前は。
        オレは、どっちでも良かった(・・・・・・・・・)んだよ。
        オレの目的はただ一つ、拾い集めた全ての欠片を持ったまま、先へ進むこと。語り継ぐこと。黄金の伝承となることだったんだ。
        だから、オレは本当は魔王であろうが、英雄であろうが、どっちでも良かったんだ。
        どちらだろうと、セルマ、お前やランサーのように、永遠の輪廻の中を生きられるなら、な。
        だからオレは。……あるときから、こう思い始めた。――魔を倒して、英雄となるのも、悪くないとな。
        そのときから、オレはお前と言う最高の魔人を作り出し、それを打ち滅ぼすことによって、英雄になろうと決めた。
        (ここにはいない英霊に向けて呟く)――これが、答えだ、ランサー。オレは、どれか一つを選ばず、全てを抱えて先へ進む。
        人間(バッカーノ)であり、魔王(クローベル)であり、英雄(エリオルネッド)であれば――何一つ捨てずに、未来(さき)へ進めるッ!!(モード【(バイル)】身体の筋繊維が増大する。手に持つスレッジハンマーをぎゅっと握った) -- バッ ーノ 2010-05-23 (日) 22:49:37
      • ああ――お前は自分が英雄たらんと思っているようだな。
        だがお前は今まで戦ってきた英霊を見てきただろう?(尚も喉の奥でくっくっくと笑い)
        アカシャを統べし勇者ブレイブアークを! 混沌をも玉鋼に打ち封ず終世の鍛冶師アンダーテイカーを!
        血と闘争に切り出された白銀、剣聖リオットを!! そして―――
        人としての力と一振りの剣で危難万魔を払うランサーという男を!!
        お前が及ぶと思っているのか? 本気で、一片の疑いもなく己の中の『英雄』を信じられると思っているのかよォ? キヒヒヒヒヒヒッ!!
        私を討ち、座にて英霊と成るか。(白と黒の入り混じる魔道兵装、その袖を破って右腕は異形のそれへと変わり)
        さっぱりがっかり愕然呆然ッ! 全ッ然駄目だぜぇ……are you serious?
        (異形の肉塊となった右腕が虚空からハルバードを掴み出し)【突撃槍の異形騎士】!!
        人間は殺す! 魔王は消す!!(女性の身に不釣合いな腕は不釣合いな超重武器を振り上げ)
        英雄はヒトッ欠片も残らねぇように黄金の伝承(ゴールデンロア)から消し去る!! お前の存在もなぁぁぁぁぁぁ!!!
        (その場から一歩も動かず、相手へ向けて凄まじいリーチの腕とハルバードを横一閃に薙ぎ払った) -- セルマ 2010-05-23 (日) 23:14:20
      • (モード【(アクア)】応用――無呼吸運動。呼吸なしに踏み込み、ギリギリのところで横一線のハルバードを避ける)
        (が、神速の領域の一撃に、本能が色濃く死を予言する。同時に、発動させる――モード【(セシリー)】)来いッ!!(セシリーより受け継いだ深緑の自動人形が、鎧となって身体を覆う)

        ――ッ。

        (視界は反転し、明滅し、自分が横薙ぎのセルマの一撃によって吹き飛ばされたとようやく気付く。地面を肘で抉りながら砂煙を上げて止まる)
        がふっ……!(鎧でも殺しきれなかった衝撃に、黒血を吐く。鎧がなければ、即死どころか、消滅していただろう)……はぁ、は。
        (モード【(アクア)】を再び発動させ、口元を拭い、立ち上がる)見たさ、特等席でな……。どいつもこいつもバカみてーに強くて、再び現世に戻ってくるくらいの譲れない願いを両手に持って……!
        だけどな、それならオレだって、譲れない物くらいはある!!それ以外の全てを一度捨て、もう一度拾い上げるくらいに、大事なものがッ!
        確かにオレはよえーよ。生きてるときは言うまでもなく、ここまで戦争を生き返るのだって、誰かの力を借りなければ、成し得なかった!
        (モード【(ニコール)】――高速飛翔。開いた距離を飛行能力で詰める。来るであろう宝具での一撃に備え、七重に重ねたパネルを盾に、突っ込んでいく――モード【(オーガニック)】)
        だからオレは、その弱さも纏めて持っていくことに決めたんだァッ!! (まるで玉砕覚悟の突進のような無謀な一撃に映るだろう) -- バッ ーノ 2010-05-23 (日) 23:34:08
      • (空気が焦げ、空間が裂け、次元が割れ、世界が悲鳴を上げるたった一振りの暴力)
        (吹き飛んだ青年を見遣ると異形には似合わない優雅さでハルバードを地面に下ろし、脈動する異形の右腕を小刻みに震わせた)
        そのまま特等席に居れば良かったんだろォ……? 私を前線に出し、矛盾の魔王の力で幻実の境目をたゆたえばよかったんだ。
        くっくくくくく!!(異形の肉塊からずるりと生身の右腕が抜け出て一本の刀をその手の中に投影する)
        弱さと夢を抱えたまま突撃して死ぬのがお前が考える英雄かァ? キヒッ――【終怨の亡霊武者】
        ガァーナダーンス?(切っ先をこちらへ突撃する青年、その楯の中心点に向け)
        死ッ(こちらから身を乗り出すよう白刃を突き出し)ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!! -- セルマ 2010-05-23 (日) 23:55:26
      • (――瞬きをする間も)
        (――息を呑む暇も)
        (――攻撃に備える間もない)
        (その圧倒的な暴力に対して、一点集中させたはずの盾は、まるでガラスのように爆ぜ割れた)

        (なのに)
        (二つに分断されることなく、まるで雪のように舞い散るパネル片の輝きの中)
        (――真っ直ぐに。セルマを見つめる影)

        (その手には。セルマと同じ白刃が握られている)
        (その形は歪で、まるで不出来な模造品(レプリカ)のようだが、大理石をも両断するはずのその一撃は、確かに受け止められていた)
        (身体が、受け切った衝撃で、軋みを上げた。口の端から、再び黒血があふれ出す)

        ――【終怨の亡霊武者】ッ。――モード【(セルマ) -- バッーノ 2010-05-24 (月) 00:09:53
      • (息が止まった―――いや、呼吸すら忘れた)
        (自分がそうなっているのが、驚きに因るものだと理解するのに思考のラグがあった)
        (目の前の男が持つ武器は形こそ歪だが確かに。紛うことなく。『自分が持っている刀と同じ紛い物』)
        うわああああああああぁぁぁぁぁ!!
        (自分の口から何故叫びが零れるかも分からず、力任せに刀を振り払いながら大きく後ろに下がった)
        あ、ああ……!!(言い知れぬ感情を振り払うためにダイゴの刀を持って青年に斬りかかる)
        (袈裟掛け、逆胴、そして再び確実に息の根を止めるための心臓を狙った平突き――がむしゃらにも見える三連斬) -- セルマ 2010-05-24 (月) 00:26:55
      • (纏った自動人形が、ギリギリでそれをいなす。一打ちごとに盛大に火花が散るが、紛い物であろうともかつての侍が手にした刀は削れもしない)
        (袈裟懸けをいなし、胸板を切断される。心臓には届かず。死なない)
        (逆胴によって避け損ねたわき腹――鎧の隙間を狙われた。――内臓が零れ出しそうになるのを鎧が封じる。死なない)
        (心臓を狙った平突き。――左肩をくれてやった。鋭い刀は左肩を貫き、そのまま身体を横に倒したので左肩の肉を抉っていった)
        (人間の赤い血が口腔から零れ、その中で凄絶に笑う。死なない。――死ねない)

        (後ろに大きく跳ぶ。その顔には、バッカーノとしての笑み)一度失ったものは取り戻せる。でも、一度壊れたものは直せない。だったら。
        (ビッ、とその手の剣を振り)オレは、拾い集めることにした。一つずつ、失った自分を、兄弟姉妹の手によって。
        (バイル)(アクア)(セシリー)(フローレンス)(ニコール)(オーガニック)
        オレは兄弟の力で、オレとして成り立っている。――家族の力で、オレはできている。
        これが、答えだ、セルマ(Celma)
        オレは、弱い。弱いから、誰かと共に。記憶と共に。……家族と共に、歩んでいくことにした。
        そして。
        これだけ長く歩いてきたんだ。――お前も、もうオレの家族ってことにした。(生前の笑顔で笑い)
        オレは弱いから。誰かに助けられねーと、オレとしていられねーからな。
        だから……(真っ直ぐ。今度は微塵の笑みもなく)お前も未来(さき)へ連れて行く。(セルマを、見た)
        (家族としての力。バッカーノとしての力によって具現化したセルマの『万象顕現す箴言の律動(トライアンフ・カレイドスコープ)』)
        ――英雄、バッカーノ=エリオルネッド。魔王、クローベル=シィナノード。どっちでも、好きな名前を抱いて眠れ。魔人、セルマ=レイネス。 -- バッカーノ 2010-05-24 (月) 00:41:05
      • (自動人形と白刃に弾かれ、散る火花に浮かび上がる相手の顔が恐ろしかった)
        (斬り付けた一刀が浅いと分かった時、自らを呪った)
        (致命の一刀を持ってしても鎧が相手の命を繋ぎとめた時、喉の奥から込み上げる悲鳴を必死に飲み込んだ)
        (深く相手の肩を刺し貫いても、この男は――バッカーノ・エリオルネッドは笑っている!!)
        あ……あああああぁぁぁ!?(相手の肩に刀を刺したまま手から力は抜け、そのまま武器を手放して後退りしてしまう)
        バイル……アクア…セシリー……(一歩、また一歩と後ろへ下がる)ニコール…フローレンス……オーガニック…
        (背後に急に何かが出現した。しかしそれは認識を違えただけ――何時の間にか廃墟の壁に背がつくほど追い詰められていて)
        エリオルネッド―――バッカーノ・エリオルネッド!!(自分が恐れる者がそこにいた――)

        (死んでからも怨嗟と汚染の真っ只中である聖杯、その座に囚われた)
        (自分は自分が今までしてきたことが解っている。こうならなくても、間違いなく地獄へ落ちただろう。)
        (暗くて寂しい、死と苦痛の世界にいられるならそれで良いと思ったはずなのに。)
        (こいつは。この男は。私を未来へ連れて行こうとしている――)
        (それは魔人と呼ばれた存在にとって何よりも恐ろしいもの。人が『救い』と呼ぶものだった。)

        う、あ……(嘲る言葉が出ない。代わりに自分の目に涙が滲んでいることが信じられなかった。) -- セルマ 2010-05-24 (月) 01:04:10
      • (腕をヘアゴムで縛る。出血はこれで食い止める)真ん中は、お前のために空けておいた、っつーわけだ。
        再び、現世に出てきて、願いが全ての人類に苦しみを、ってお前は言ってたな。
        オレは、あれだけは信用ならねえ。そんなに何年も続く気持ちが、愛情以外にあってたまるかよ。
        ――来いよ。セルマ。好きなようにぶつけて来い。
        怒りも、悲しみも、苦しみも、衝動も、狂気も、慟哭も、怨嗟も、悉皆全部受け止めてやるからよッ!! -- バッカーノ 2010-05-24 (月) 01:14:30
      • (血と惨劇だけを世に溢れさせた女のエメラルドの瞳から、涙がヒトシズク)
        (殺意も魔力もない、英霊セルマ・レイネスの剥き出しの魂がそこにあった)

        (しばしの沈黙、青年へ顔を挙げ)私は奪われてきた……
        子供だった私は無力だった。理不尽と、屈辱と、不満と、無気力感と、暴力になすすべなく生きてきた。
        (その手にスレインの剣が投影され、緩やかな壊れた幻想(ブロークンファンタズム)によりただの魔力への分解された)
        生まれると同時に捨てられ、体が女として完成する前に犯され、ちっぽけな尊厳さえ余さず踏み躙られた。
        (アトリアの短剣が、アールヴァンの大剣が、セルマの投影した英霊たちの歪められた幻想が崩れていく)
        怖かった……ここが。どんなに背伸びをしても見渡せない広大な世界。
        どこからか不意に私を傷つけ、私が傷つけたものは私の知らない何かを抱えているこの大世界が……
        (虚ろな表情。女の独白の間にも天地を別つ乖離剣が淡雪のように虚空に消え去り) -- セルマ 2010-05-24 (月) 01:35:49
      • (独白を、無言で聞く。その顔に、表情を隠す仮面はない。ただ、女の涙を直視できるほどの残酷さもその胸にはなかった)
        (……違う、と。心の中で思う)
        (目の前の少女は、与えられてすらいない。最初から、人間なら当たり前に与えられているものを、与えられていないのだ)
        (理解、できなかった。その世界を。少しずつ奪われていく人生と、最初から与えられない人生。どちらの方が不幸かなどと、考える意味すらなかった)
        (失っていく。破壊のために歪められた殺傷本能そのものを)
        (その姿は――どこか、美しく。二つとない芸術のように、その目に映っていた)
        ……セルマ=レイネス。 -- バッカーノ 2010-05-24 (月) 02:05:06
      • (天を仰ぐ。誰の許しも願いも聞きはしない絶対の空へただ、顔を向ける)
        アンダーテイカーにも言った。これは、これらは私の力ではない。全て借り物だ。
        魔王も英雄も人間も全て世界を際限なく広げていくものだった。
        英霊の投影も私に知らない記憶を見せ、覚えのない技を手に刻んだだけ。
        (その手に漆黒の大鎌が投影される)……不要なんだ。
        (それは矛盾の魔王が持つ闇そのものである宝具、矛盾と背理を内包せし漆黒の大鎌(ネガ・ゼピュロス)
        (その大鎌がゆっくりと分解されると、セルマの手によって分解され無色となって周囲に満ちていた莫大な魔力を漆黒に染め上げていく)
        要らない。
        (矛盾の魔力は逆巻き、意思がある流動体であるかのように蠢いてセルマの足元から這い上がってくる)
        私の大世界(ダスカ)はこの目から見える160度、800メートルだけで十分だ。
        救いも、未来も、家族も、お前も。要るものか――――(明確な拒絶の言葉、セルマの心臓に矛盾の魔力は満ちていく)

        (全てを覆うように広がり、周囲を黒く塗り潰す『何か』)

        (霧が晴れるように黒が薄れると、そこに立っていた女の姿は一変していた)
        (埋葬された者の召し物のように朽ちかけた衣服、両手にあって何本かが欠けた指、精気の感じられない肌)
        (ただ瞳だけが狂気を湛えてバッカーノを見据えている)
        (乾いた唇が、言葉を思い出すかのようにかすかに動く)彼女の大世界(ダスカ)
        (それは英霊ではなく、何万という人間を意思なく殺したセルマ・レイネスの姿そのもの――饐えた血の匂いが廃村に満ちた) -- セルマ・レイネス 2010-05-24 (月) 02:27:40
      • (突き刺すようなその痛みが、寒気だと分かったとき、咄嗟に身体をかばっていた。――不要。セルマは、そう言った)
        (宝具ですら不要と断ずる、セルマの相貌には、何も映っていない。ぶつけていた灼熱の殺意も、絶対零度の害意も、何一つない)
        (無色透明の、温度のない拒絶だけが、世界を包んでいく)
        ……ようやく、会えたな、お互い。(頬を、冷や汗が落ちる。台詞とは裏腹に、心の中まで埋め尽くしそうな無に侵食されそうだった)
        (何人がこの英霊と手を合わせただろう。その中の、何人が気づいただろうか。本当に仮面をつけていたのは――セルマのほうだったことに

        (血の匂いに、その姿に、余りにも暗いこの大世界に――心が折れないように、自問だけが心の中で渦巻く)
        (救えるのか。本当に、これを――救えるのかッ!?) -- バッカーノ 2010-05-24 (月) 02:40:20
      • (女は一歩足を踏み出した。そこには足音がない。)
        (女はバッカーノへ向き直った。そこには意思がない。)
        (女は無造作に左手を前へ向けた。その手には人差し指と小指がない。)
        (歪な手、虚ろを映す瞳。薬指には魔導器としての体裁だけを簡素に取り繕われたような粗悪品の指輪。)
        (瞬間、放射状に業火が放たれた。ただ炎の魔導器に魔力を通しただけ、たったそれだけの術が青年に迫る――) -- セルマ・レイネス 2010-05-24 (月) 02:59:12
      • (まるで、救いを求めるかのような左手に、一瞬だけ判断が遅れた)
        (そこに、感情や意思など存在しない。それは、何よりも純粋で、透明な、排斥行為(リジェクション)
        ――【絶対氷壁の魔女】ッ!!
        【宝具・内在せし氷点下の蒼空(ネガ・コキュートス)】ッ!(投影が充分に行われていない状態の宝具は、歪な氷の障壁と、余波の凍結をを生み出す)
        (咄嗟に身をかがめていなければ、比喩でなく、蒸発していただろう。生み出した純度の低い障壁は、一瞬で気化していた)
        (宝具、ですらない。道具ですらないかもしれない。単純な素養だけで――魔力を、あの粗悪な変換装置に注いだだけで、骨すら溶かす業火にしてしまう)
        ……これが、セルマ……。
        英霊セルマ・レイネスじゃねえ……魔術師・セルマ・レイネスか……! -- バッカーノ 2010-05-24 (月) 03:18:14
      • (絶対氷壁の魔女のネガ・コキュートスが溶解、蒸発し周囲に水蒸気が広がる)
        (乾いた唇が湿るのが心地いいのか、口元だけを動かして笑うと左手に残った三本の指を天上へ向けた)
        バッカーノ……エリオルネッド…(掠れた声、それにチリチリと枯れ草が捩れるような音が混じる)
        (セルマは周囲を無差別に爆破、炎上させようと魔力を集中させ始めていた)
        (女の足元を中心に廃村の地面は煌々と黄金色に輝きだす。その幻想的な光景は、あと数秒で地獄に変わるはずだった) -- セルマ・レイネス 2010-05-24 (月) 03:37:25
      • (名前を、呼ばれたのは、それが無意識の産物でも、救いだった。いくらなんでも、物体には言葉は通じない)ああ……オレは、お前の世界の中でも、ここにいるッ……!
        (魔力の質により、行使しようとしている魔術の規模が理解できて、総毛立つ。なにより恐ろしいのは、その展開速度と範囲)
        (瞬く間に術式がくみ上げられ、余波による黄金色の発光に、目すら眩む)
        ぐッ――!(出血と、連続投影により、視界が歪む。無様に黒と赤の混ざった血を撒き散らしながら、叫ぶ)
        (死んでも投影したくなかったはずのそれを――死なないために)――【一振りの鉄の剣】ッ!!
        (右手に生じたハルバード。かつてどれだけ逃げても刺し貫き穿ち、手元に戻ってくるその攻撃を受けた苦しみが、顕現を可能にした)――ウォァアッ!!(全力で、風斬り音のするほどの速度で、セルマに向かってハルバードを投擲する。狙うは、掲げられた左手――!) -- バッカーノ 2010-05-24 (月) 04:21:25
      • (目の前に投影されたもの、それはかつてアイゼンと呼ばれた男の振るう剣の顕現)
        (手を引く。身を引く。間に合わない、女の左腕が半ばから血を吹き出す)
        アアアアアアアアアアアァァァァァァァアッァァァァッ!!
        (女が大仰に痛がると黄金の魔力は夕日が宵闇に暮れてしまうかのように消え果て)
        (一向に塞がらない傷と止め処なく流れる血、それは――)
        我が名はセルマ・レイネス……(痛みに震え、初めて会った時の言葉を紡ぎながら敵意に染まった眼を向ける女)

        (バッカーノの言葉通り既に女は英霊ではない。か弱きそれは膨大な魔力により仮初の受肉を果たした人の身…) -- セルマ・レイネス 2010-05-26 (水) 00:11:23
      • (それは、聞く者の心胆を凍らせるような悲痛な叫びだった。思わず耳を塞ぎそうになる自分を押し留めたのは、何よりその叫びを上げさせたのが自分だという事実だった)
        ……ああ、そして、オレごときが、お前のマスターだ。
        自分の欲望に負け、苦しみを重ねさせるためだけに、お前を蘇らせた、お前のマスターだ。
        (視界が揺らぐ。あまりの出血に、目が霞んできた)……お前がオレの家族で、オレの罪の形なら……。
        オレが、永遠に背負っていくよ。……お前を倒せば、オレは英雄だ。だったら、次も、その次も、その次の次も。英霊となって、聖杯戦争でお前を倒し、永遠に苦しんでやるよ。
        全ての人間の苦しみがお前の望みなら、オレは、全ての人間の分、ちゃんと苦しんでやるから。
        だから――(金色の髪に、黒のメッシュが入る)――矛盾の英雄(エリオルネッド・オブ・エリオルネッド)。その苦しみを、オレに、寄こせ(金色と黒の魔力が練り合わさり、異形の剣を作る) -- バッカーノ 2010-05-26 (水) 00:32:47
      • マスター……罪……永遠…家族………
        (初めて見る姿であるはずなのに、女はブレイブアークと戦った時のことを思い出していた)
        (その時もこの男は見える位置にいて、そして目の前にいた(ブレイブアーク)は―――こうしたはずだから)
        踏み躙られし者の綺剣(ルールオブライラック)(歪な両の手が黄金の炎を掴み、剣として形作る)
        バッカーノ………(右に大きく灼剣を振り被り)…や、   (走り出す、最後の一撃のために) -- セルマ・レイネス 2010-05-26 (水) 00:54:29
      • (それは、時間にして刹那、瞬間にして須臾。一呼吸の間にも満たない時間だったが、永遠のように感じられた)
        (身体を傾け、セルマを迎え撃つ姿勢を取る。吐く息には血が混ざる。もう動かない左手のことは忘れた)
        (永遠に近いその時間の中で、今まで歩んできた道が振り返られた。まるで走馬灯だと笑う気にもならない、かけがえのない日々)
        (何度も間違った。何度も悔やんだ。それでもまだ間違って、間違った末にここに来た)

        (だけど、自分はこの人生を愛そう。何度繰り返しても、またここに来よう)
        (どこかで選び直せば、誰かに会えないのなら……オレは間違ったまま、先に進もう)

        セルマ。

        ――ありがとう。

        (真っ直ぐ、フェイントも一切混ぜず、ただ単純に真っ直ぐ、交錯と同時―― 一拍だけ、セルマより遅れて――剣が振られた) -- バッカーノ 2010-05-26 (水) 01:18:00
      • (自分はなぜここにいるんだろう)
        (自分はなにをするつもりだったんだろう)
        (それでも今は、今だけは――前を見なくちゃ)
        (奪われたから奪って、傷つけられたから傷つけて、呪ったから呪われてしまったけれど)
        (前に出なきゃ……辿り着かなくちゃ…)

        (全く同じタイミングで振り抜かれた剣。一拍遅れた同時に二人の聖杯戦争は終わった。)

        や、くそく……(二つの影が交差したその先――――女が纏った服に赤い染みが広がっていく) -- セルマ 2010-05-26 (水) 01:42:45
      • (左腕が、根元から消失している。溢れ出す鮮血に、意識が飛びかけるが―― 一歩のたたらで持ち直す)
        (倒れるわけにはいかない。自分は、勝者なんだから)
        (膝の一つもつけない。背負ったものの重さに潰れるなんて、許されない)
        (全て拾い上げて、先に進むと決めたんだから)
        ああ。やくそくだ。(ぼろり、と、涙が溢れた――背後で倒れているセルマを振り返ることは許されない)
        オレは、お前を、幸せにする(ころしつづける)
        すげぇ、苦しいわ。正直。……すげぇ、苦しい。

        セルマ・レイネス。オレが、永遠に、お前を覚えていてやるよ。英雄でも、魔人でもない、オレだけが見た―― 一人の、少女を。 -- バッカーノ 2010-05-26 (水) 02:03:01
      • (相手に表情を見せないままセルマ・レイネスはその場で膝を折り、倒れた)
        (赤い染みは地面にも広がっていく……それは人を殺し続けた魔人が英雄に討たれた、それだけの話)

        人の地に降り立った魔人は死に、英雄譚ではごくありふれた結末と約束だけがそこに残った。
        人はその二つを呪いとも希望とも言い表すだろう―― -- セルマ 2010-05-26 (水) 02:16:48
  • ――黄金暦 ?年 ?月 エリオルネッド邸 -- 2010-05-12 (水) 23:38:26
    • (自室で月を見上げている。姉が死に、何一つ終止符を打てないまま、身体からは徐々に力が抜けていっていた)
      (もう、どれだけそうしていただろうか。魔王の身体は死すら許してくれはしない。消耗せず、磨耗せず、ただ時間だけが過ぎていく) -- クローベル 2010-05-12 (水) 23:41:12
      • (片付けられ、自分の匂いのしない部屋に、指先を伸ばす。指先は何もつかめないまま、床へと落ちる)
        (ふと、その指先が何かに触れる)

        (――それは、小さな、パズルの欠片だった)

        (誰かが忘れていったのだろう。生前についぞ完成しなかったパズルの1ピース)
        (それを拾い上げ、何かも分からない絵柄を夢想した)
        (全て拾い集めれば。どんな絵柄になるのかを) -- クローベル 2010-05-12 (水) 23:45:43
      • ………(完成しなかったパズルの1ピースは、指先の上で踊る)
        (最後のひとかけら。それさえハマれば、もうこの争いに終わりは見える)
        (今まで、自分を取り戻したあの日から、ずっと思い描いてきた「終わり」)
        (あとは、その手で。……最後の1ピースを、そこに収めるだけ)

        ……酷いな。
        こんな、終わりかよ。……大好きだったんだぜ、バカ騒ぎ(バッカーノ)

        (闇に呟き、狐面を取る。静かに、それを机の上に置いた)

        (夜闇になお映える、金色の髪。そして金色の瞳)
        (バッカーノでも、クローベルでもない……今はまだ名前のない、『エリオルネッド』がそこにいた) -- クローベル 2010-05-12 (水) 23:53:00
      • (まるで闇に溶けるのを拒むかのようなその色を称えたエリオルネッドは、静かに夜闇を見た)
        (口内で、小さく呟く)

        終わらせよう。……セルマ。
        (呟くと、まるで最初から誰もいなかったかのようにその姿は闇に混じり、目に映える金色も一瞬で消え去った)

        (終わりは、ここから始まる) -- エリオルネッド 2010-05-12 (水) 23:57:12
  • ――ここではないどこか -- 2010-04-28 (水) 23:13:58
    • 白いライラックが地平の果てまで咲き乱れているが、空は赤黒く木々は全て歪なオブジェのように狂った色と枝葉を見せている
      その空間は紛れもなく地獄であるように映るだろう -- 2010-04-28 (水) 23:15:24
      • (世界にヒビが入り、割れた中から女がその世界に入り)
        くくくく……矛盾の魔力で創り出した空間だ。(首を鳴らし、ヴァルキサスの投影を解除し)
        無色の魔力、つまり令呪に近い魔力で満ちている。
        ここまで説明されれば刃物でも私が求めるものがわかるだろう? -- セルマ 2010-04-28 (水) 23:20:14
      • (セルマからいくらか離れた位置に、同様にとはいかず、宙に生まれた罅割れから落ちてくる)
        (重い着地音は本人ではなく棺桶のものだ)ふむ……ここまでとはな(美しい花と、捻じ曲がった風景が同居した、狂人の脳内をそのまま現出させたかのような世界)
        ああ、ありがたいことに私も恩恵に与れているようだ(負傷したはずの手を数度開閉し、戦いに支障がないと確認)
        分かるさ、分かりすぎるくらいにな。せっかくのお誘いだ……存分に応えてやろうじゃないか(周囲の原色の魔力を取り込んで、今までに無い力が溢れている事を感じながら構える) -- アンダーテイカー 2010-04-28 (水) 23:32:19
      • (棺桶の落下に舞い上がる白い花弁が吹雪のように周囲を舞う)
        キヒヒヒ……私が欲しがった力を見せろよォ、刃物!!(両者に収束し、潤沢に満ちる魔力――セルマの殺意がそれに形を与える)
        さぁさぁ御出でなさいな! 40万の冒険者! その力を、技を、知識を、知恵を、魔力を、契約を、武器を我が身に宿せ!!
        【終怨の亡霊武者】!!(一本の刀を創り出し、花を散らしながらアンダーテイカーへ駆ける) -- セルマ 2010-04-28 (水) 23:43:31
      • 焦らずとも見せてやるさ…だが、見たお前の無事は保障せんがな!(二人の闘気とでも言うべきものがぶつかり合い、舞い上がった花びらは吹き飛ばされ散る)
        お、おおおぉぉぉ!!(宝具である鎖付き棺桶を縦横無尽に回転させる)
        (走り来るセルマを寄せ付けまいとするそれは、さながら鋼鉄の嵐) -- アンダーテイカー 2010-04-28 (水) 23:58:13
      • (地獄に舞うライラックの白、その中心で地面を僅かに削るような軌道で刃を振るい)
        魔剣・瘴龍
        (瘴気と花弁を巻き上げながら刃を持って回転し、逆の回転を持って鋼の暴風へ斬りつけ)
        ッ!(瞬間、投影を解除し)【神槍龍ベルート・アグラ】!!(弾かれるように一歩分下がりながら二本の短剣を瞬時に創り出す) -- セルマ 2010-04-29 (木) 00:15:09
      • (ぶつかりあった二つの旋風は互いに相殺しあい、浮かぶ花片を塵に変えるにとどまった)
        差し伸ばせ指先――――百万の孤独(インザハンズオブザワールド)
        (セルマに対しては二度目となる、刃持つ模造品の腕の召喚)
        (何本も青白い腕の生えた棺桶をセルマに向け飛ばす。手に剣を持ったそれらは、無数の斬撃となって襲い掛かる) -- アンダーテイカー 2010-04-29 (木) 00:28:59
      • 凄まじい威力だが……まだ!!(二本の短剣を十字に交差させて前へ踏み出し)
        そうだ、その力! それを求めて私はぁ!!(宝具が漆黒の魔力を吸収し)
        因果穿つ神槍龍の剛角(アルノイディアド・グレイシア)!!(短剣から放たれる剣閃は左右交互の網目状に無数に放たれ)
        (因果すら曲げて無数の煌きと共に空間を断つ宝具は棺桶から伸びる青白い手の放つ斬撃を全て相殺していく)
        キヒヒヒヒヒヒッ!! その攻撃は見たぜ…おぞましく、美しいじゃないか!! -- セルマ 2010-04-29 (木) 00:43:03
      • クッ……量では厳しいか(数が同じでも、使う武器と腕前が違う。攻撃を相殺されたマネキンの腕たちは脆くもボロボロと崩れ、音を立てて剣が落ちる)
        そうだったな、これは再演だ。次は別のを出してやる……(手元に戻った棺桶が、一際赤く輝き)
        さあ、お前の力も見せて見ろ!(地鳴りに似た音を出して、貪欲に魔力を取り込む。新たな宝具の展開、その予兆) -- アンダーテイカー 2010-04-29 (木) 00:58:55
      • !!(赤光と今までにない威圧感に息を飲み)そうかよ…まだ力を隠してるってのかよォ……!
        (二本の短剣は中空に溶け、光の粒子として散った魔力が右腕に集まり)
        【突撃槍の異形騎士】!!(その右腕が怪物の持つ異形の剛腕へと変化し)
        死ねぇぇぇぇぇ!!(異形の腕にハルバードを持つと遠間から一気に距離を詰め、重量と速度を持ってその刃を叩き付ける) -- セルマ 2010-04-29 (木) 01:11:16
      • まだ半分も見せちゃいない…お前もそうだろう?(一人の敵を相手にここまで解放したことはあっただろうか、自分でもよく分からない喜びの笑みが浮かび)
        追い回せ言の刃――――二枚舌の猫(デュプリシティキャット)
        (異形の怪力から繰り出された、重く鋭いハルバードの一撃。それに対して、棺桶の側面から突き出たクワガタの角に似た二本の刃で挟み込み受け止めると)
        その言葉返すぞ…!(ハルバードを受けたままの双剣を滑走路に、赤熱した拳ほどの弾丸がセルマへと発射される) -- アンダーテイカー 2010-04-29 (木) 01:33:30
      • くっくくくくく……きひゃはははははははははははは!!(問いには喜悦に満ちた狂笑で答え)
        これは! 首はねの猫かァ!?(超重武器の一撃を容易く受け止められ、異形の剛腕が僅かにも動かせず)くッ!
        う、おおおおぉ!?(放たれた何かが腕を貫き、異形の右腕は半ばほどで千切れてライラックの上に落ちる)
        く……!(自己再生を促進し右腕を戻すと投影を解除し、生身の指を軽く握って感触を確かめ) -- セルマ 2010-04-29 (木) 01:48:03
      • これで1勝1敗1分けって所か。次は……熱いぞ(再び魔力を取り込む。宝具は、今まで以上に滾るように赤く輝き)
        噴きつけよ赤熱――――水焦がし(アクアスコーチ)
        (全体が紅色に染まった棺桶の前面に穴が開き、そこからドロドロに溶解した金属が放たれる)
        この温度……お前に防げるか!? -- アンダーテイカー 2010-04-29 (木) 01:57:37
      • ふん。(両手を前に差し出し)【見えざる手の】!!(真名解放と同時に溶けた鉄を浴び)
        温いなァ……?(溶けた金属は意思を持つかのように蠢き、滾るほどの熱気もなく女の手の中で形を変え)
        キヒヒ…(手の中の金属は急速に冷えて固まり、数十本の長く鋭い針が作られ)返すぞ!!
        (手を動かしもせずに針をアンダーテイカーへ向けて放出し) -- セルマ 2010-04-29 (木) 02:15:09
      • ……やったか?(溶鉄に飲み込まれたセルマに、流石に打撃を与えただろうと期待するが)
        なっ……!?(まるで無傷のうえ、金属を固め成形しての反撃に対応しきれず)
        (横っ飛びに避けながら棺桶を振るい弾くが、着地したアンダーテイカーのそこかしこに小さな穴が開いている)
        手痛いお返しを頂いたものだな……クッ(過剰なまでの魔力と傷の小ささにより穿たれた穴はすぐに閉じるが、流れた血とダメージは残っている) -- アンダーテイカー 2010-04-29 (木) 02:32:26
      • くっくくくくくく! 温い、温いんだよ! 私を灼くなら煉獄から種火を熾すんだったなァ!?
        (右手を無造作に相手へ向けて)見えざる破戒の御手(アカシャ・リヴェルムンディ)!!
        (宝具の真名解放と同時にアンダーテイカーの周囲の地面が格子状にせり上がり、一瞬の足止めを狙う) -- セルマ 2010-04-30 (金) 00:01:09
      • 鋼が融ける温度でも温いときたか……底の知れない事だな。火で駄目なら、次は……!
        掻き乱せ静寂――――夜鳴き刃(ナイトシュリーカー)
        (棺桶が音を立てて組み替えられる。持つ為の取っ手が生まれ、側面に作られた細い溝から円盤状の鋸がいくつも出てくる)
        この程度!!(耳障りな音を立て駆動しだした巨大なチェーンソーは、容易く土の牢を切り砕き)
        ああぁぁぁぁ!(咲き誇る白い花を踏み荒らしながら、セルマへと突き進んで行く) -- アンダーテイカー 2010-04-30 (金) 00:18:14
      • 魔神を灰にするなら鉄が気化する熱を持ってくることを勧めるぜぇ? キヒヒヒヒヒヒッ!!
        ならば!!(投影を解除し、新たなる刃をその手に求め)さぁさぁ御出でなさいな……
        【次元断つ暗殺者】!!(その両手に反りを持たない直刀を作り出し)
        おおおおおおぉぉぉ!!
        (白光が刃の部分を吹き飛ばすとすれ違い様に不可視の斬撃をアンダーテイカーの持つ旋回する暴刃と同じ軌道に重ねる――その斬撃の回数、10)
        村正!!(全く同じ瞬間に十の刃を相手の武器に浴びせ)

        (駆け抜けた先で振り返り)ふん。(その左腕がズタズタに裂かれていて)そこまで宝具を持っているとはな…
        (左の掌に流れる血を舐め、舞い散る白の花弁に溜息が零れる)ますます気に入らない。 -- セルマ 2010-04-30 (金) 00:42:22
      • (交差は瞬間で終わり、互いに位置を交換して止まる)気に入らないのは……私とて同じだ
        私と同じ名前の宝具……(視線の先にあるのは自らの宝具。1にして10の斬撃に耐え切れず、半ばまで断たれている)
        しかしお前自身の物という訳でもないのだろう、それは(対手とは対称的に右の腕は受けた衝撃に潰れ砕け、流れた血は地面を赤く染める)
        そろそろ、お終いにしようじゃないか……次の宝具で灰より細かくしてやろう
        (これまでで最大の量の魔力が、周囲からアンダーテイカーに吸い込まれていく)私の最高傑作だ……
        見終わるまで死ぬなよ!!(集った魔力は、アンダーテイカーから宝具へ注がれる。傷ついた棺桶はぎちぎちと音を立てて鳴動する) -- アンダーテイカー 2010-04-30 (金) 01:14:58
      • ………そうだな。(左手の中にライラックの花弁を握ると動かせる程度、最低限の再生をし)
        どれも私のものじゃないさ……(その言葉だけ、酷く弱々しく感じられて)
        くっくくくくく……(すぐに変わらぬ狂気を孕んだ笑みを見せ)その宝具より細かく裁断してやるぜぇ!!
        (女の瞳が煌々と燃える赤に染まり、その手にかつて天と地を分かったという伝説を持つ宝具――螺旋の刀身を持つ刃を作り出す)
        【最古の英雄王】!!天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)の切っ先をアンダーテイカーへ向け)
        気付く前に死なせてやるぜぇぇぇぇぇぇぇ!! -- セルマ 2010-04-30 (金) 02:03:30
      • ふん……そんな顔も、出来るんじゃないか(潰れた腕をセルマに向け突き出し笑う、その狂気に負けぬ獰猛な表情で)
        私は、私の宝具は一度砕けたくらいで終わりやしない! 失くしたものを…取り戻してみせる!
        産み落とせ黒翼――――黒の万影(ブラックディーム)
        (蠢いていた宝具は、刻まれた傷跡を完全に閉じるとそのまま形を変える。蝙蝠の翼に似た、漆黒の刃に)
        (黒翼はアンダーテイカーの腕の指す方、セルマへと飛び立つと空中で分裂を始める)
        黒き翼よ……命運すら切り裂き、細断せよ!(一はニに、ニは四に。八、十六、三十二――――漆黒の魔剣は白い花も赤い空も埋め尽くし、セルマへと襲来する) -- アンダーテイカー 2010-04-30 (金) 02:24:19
      • 砕くさ! お前の魂もろともなぁ!! 王の財宝(ゲートオブバビロン)!!
        (自らの後方の空間が割れ、その中から何百何千何万の刃が姿を現す)
        (空を覆いつくす漆黒の魔剣へ向けるは40万の冒険者、その英霊の姿が持つはずだった宝具たち)
        これは私の宝具ではない……だが私の伝説は、魔人セルマ・レイネスが持つ殺戮の逸話だけで十分だ!!
        刺し、貫け!!(大小に加え形さえ様々な白刃が放たれ、幾万の宝具が二人の間を覆い隠す)
        (白と黒の交わり、響くはただ金属音。作り出された空間はその力の衝突に耐え切れず崩壊していき)

        (ただ在るものは、降り注ぐ刃の破片と二人の女の姿) -- セルマ 2010-04-30 (金) 02:45:25
      • 砕いて見せろ…更に鋭くなって、お前を切り裂いてやるさ(相克し折れ砕けては倍増する魔剣と、尽きる様子の無いセルマの宝具のせめぎ合いをただ見つめる)
        だが、どうやら私の作り出した剣の伝説と、お前の大虐殺の伝説……同等のようだな(刃の毀れる音を聞く。揺らぎ歪み崩れる世界を感じる)
        さて、またな……と言っておこうか。次回もお互いに断ち砕き潰し貫きあうとしよう(無数の金属片は美しいほどに煌いて、戦場の終焉を彩っていた) -- アンダーテイカー 2010-04-30 (金) 03:14:29
      • (舞い散る闘争の欠片に目を細め)
        次は……
        『私』を見せよう。
        (多くを語らず、その場を雪深い森に戻すと背を向け)
        ムラマサ…く、くくくくく…………キヒャハハハハハハハハハ!!
        (狂った笑いだけが、影に消える女の代わりに残った) -- セルマ 2010-04-30 (金) 03:29:07
  •  
  • ――黄金暦 155年 4月 -- 2010-04-24 (土) 23:47:10
    • (月明かりが鬱陶しいくらい眩しい夜、酔っ払いも近寄らない目立たない通り──)
      (機械仕掛けのローブを広げ歩く女は、反って自然に見える姿なのかもしれない)
      ………まだ、誰もこないぃ…確かな情報のはずなんだけど、なぁ。
      (魔力を駄々漏れ状態にし歩く女、自身がサーヴァントだと隠さず歩くその姿は、関係者が見ればオイシイ餌である事は確実であるはず)
      ふぅっ、お酒買って帰って、あの情報屋殺しちゃおうかしら…(目標が来ない餌は、退屈そうに街を歩く) -- キャスター 2010-04-25 (日) 00:52:09
      • Fee Fie Foe Fum 血の匂い(どこからか歌声が響く。月明かりは翳っていないのに、街並みは急に暗くなり)
        生きているのか? 死んでいるのか?(深まる闇、建物と建物の隙間から聞こえる歌声)
        かくして骨は粉にされ、粉はパンへと姿変え……(闇から滲むように姿を現したのは、女)
        おい。(髪をかきあげてローブの女に話しかけ)お前は英霊だなァ…? キヒヒ、ランサーはどこだ。
        (果たし状に指定された場所、その場に現れた英霊に明確な殺意を向けて) -- セルマ 2010-04-25 (日) 01:01:15
      • (歌声が聞こえると歩を止め、声の主へ視線を動かす)
        ……(女の姿、存在、そこから溢れる圧力に心の中で「大当たり」と呟くと、にやぁ、と口を横に大きく尖らせる)
        えぇ、英霊ですともぉ?そういう貴方も…歌がお上手な所を見ると、シンガーさん、かしら?ふふふふふっ(問いには答えず、挑発するように笑顔を見せて殺意を交わす、余裕が見える、ふざけた態度に見えるかもしれない) -- キャスター 2010-04-25 (日) 01:06:26
      • (足を止め、こちらを挑発する意図を見せる女に肩を竦め)
        (瞬間、セルマが指を弾くと空圧と瘴気の弾丸がキャスターに向けて撃ち出され) -- セルマ 2010-04-25 (日) 01:09:52
      • ──出来損ない(フューチャーワーク)
        ガィィンッ!と鈍い音が建物に反響する、機械仕掛けのローブが禍々しい弾丸を半ば自動で防いだようだ、細い煙をあげ鈍く軋むローブが見える)
        ご挨拶ねぇ…まぁ、その方が手間がかからなくてわたし、だいっ好きなんだけどぉぉぉ!!(セルマへ向けて左腕を伸ばすとそのままなぎ払うポーズ、瞬間、上空に赤く光り熱く燃える炎の剣が現れセルマへと一直線に突撃する。射出される瞬間、僅かな月明かりが剣を鋭く照らし上げた) -- キャスター 2010-04-25 (日) 01:18:05
      • ほう。(指弾が弾かれたのを見て感心したように息を漏らし)
        シンガーに踊らされる程度の腕前じゃないみたいだなァ? キヒヒヒヒヒ。(ギリギリまで炎の剣をひきつけ)
        矛盾と背理を内包せし漆黒の大鎌(ネガ・ゼピュロス)(その手に現れるのは矛盾の魔力により創り出された大鎌、炎の剣を刃の丸みに沿って滑らせて軌道を反らし)
        威力も十分。(その場から一歩も動かずに炎の剣を捌く。焦げた空気の匂いに唇を舐め)
        ランサーの奴もまた良い助っ人を連れてきたなァ……くっくくくくく。(くるくると漆黒の大鎌を振り回し) -- セルマ 2010-04-25 (日) 01:25:26
      • ふふふっ、言うわね言うわねぇ。…腕前は十分、口先は十二分?あなたみたいな解りやすい人、好きよ?(巨大な鎌の能力について考えるが情報不足で結果は出ず、戦闘続行を決意し舌で自身の唇をぺろりと舐める)
        情報屋さんに感謝したい気分だわっ!(後方に飛び跳ねながら右腕をセルマの足元へ向け)─飛び跳ねる希望の大筒、魔術大砲(ポーリー)!(魔力の塊を放つ!
        …さぁ、その鎌さん、どんな能力(ちから)なのかしらぁ。見せてもらうわよっ。 -- キャスター 2010-04-25 (日) 01:35:51
      • くっくくくくく…(鎌を目の前で高速旋回させ)能力が見たいなら見せてやるよォ!!
        (放たれた魔力の塊はセルマに届く前に雲散霧消、鎌を回す手を止めて)キヒッ。
        (それは矛盾の大鎌の能力ではなく、セルマ自身の対魔力で弾いたもの――しかしそのままブラフとして伏線を張り巡らせ)
        このセイバー様にそんな魔法が効くかよォ!!
        (クラスを偽って叫びながらキャスターに飛び掛り、漆黒の大鎌で袈裟掛けに斬り付ける) -- セルマ 2010-04-25 (日) 01:48:40
      • …っ!(後方約1m後ろに着地し)あら、あらぁ…またセイバー……!困ったわねぇ(言葉とは裏腹、三日月のように唇を横へと尖らせる)
        (彼女が本当に剣の英霊なら、あの鎌がブラフ…?分は悪いけど勝ちを得る為に、避けずにそれを確かめる──!)
        出来損ない(フューチャーワーク)!(ローブが形を変え前方へキャスターを包み込むように展開する)防御ぉっ(キャスターを包んだローブに赤い直線が走ったかと思うと魔力のフィールドを形成、鎌の衝撃を正面から受け止めようとする!) -- キャスター 2010-04-25 (日) 02:00:51
      • お前の魔法などリスの睫毛ほども効くものかよォ!!
        (振り下ろされた大鎌は不快な金属音を響かせて魔力障壁の表面を滑り)
        !!(そのままの勢いで二人の間の地面をバターを切り出すかのように刳り貫くとその場に矛盾の大鎌を放棄し)
        なるほど……それほど見たいかよォ…キヒヒ。(両者の距離、セルマが小規模に跳んだ程度の3メートル)
        このセイバーの剣が!!(心臓に手を当てるとセルマの鼓動は跳ねて)おおおお……!
        (漆黒の魔力が波立つように周囲に広がり、女は自らの内部に【剣の英雄】を投影)
        キヒャハハハハハ!!(細長く、凡そ刺突武器に見えるその刃は剣聖の名に恥じぬほど鋭利―――スレイン・テクナーの剣を創り出してキャスターへ向け)
        教会の鐘にでもその首をくくりつけておいてやるぜェ… -- セルマ 2010-04-25 (日) 02:12:08
      • ……っくぅ!(切り裂かれていく自身のローブ、大きく引き裂かれたローブからセルマの顔が見えると冷や汗をたらし)
        ………っ!!?(現れた剣を見て笑みが消え、口を開くが言葉も出ず)
        ………なんだそれ…なんだそれ……なんだ、それ
        (セルマの言葉を遮るように)黙れ……なんだ、それ。その剣が、その剣がセイバーの証だっていうの?バカにするなっ!!!!
        …わかった、あなたセイバーじゃない。もっと別の、ただの対魔力があるクラスなだけ。わかった。本当にセイバーなら、その剣は出さない。残念だったわねぇ。
        わたし、その剣、知っているのよ(切り裂かれたローブが光の粒になって消えると、キャスターの体に巻かれた黒い革の内12本が宙に浮く、その革は瞬く間に炎の剣へと変わると、狙いをセルマの剣へと向け)
        それはあなた如きが使っていいモノじゃない……離せぇっ!!(3本、3本、6本と僅かな時間差をつけて放たれる、炎の剣!) -- キャスター 2010-04-25 (日) 02:29:46
      • ……ああ?(スレインの剣を見せてからのキャスターの様子、それは明らかに恐れではない震えが見え)
        何を言っている。確かにこの私、剣聖が持つ……ん。知っている、だと?(顔を歪め)
        キレたか! どういうことだ!!(身を捩って二本の灼剣を回避し、一本を切り払う)
        くっ!(魔力放出、大きく左へ跳んでさらに向かってくる三本の炎を回避し)
        おおお!(姿勢を立て直すとスレインの精妙なる剣捌きでこちらへ軌道を変えた七本を切り落とし)

        ……………そうかよ。

        (太腿に刺さり、冷めぬ炎熱を持って傷口を焼く炎の剣をゆっくりと抜くと地面へ放り捨て)
        BOL隊の制服。オーバーコートのことを覚えてるのか?(スレインの声を真似てキャスターに語りかけ)
        それとも俺とは出会わなかった世界の英霊かな。シノ?
        (その口元には嘘を見破られた苦々しさと、絶好の獲物を前にした喜悦が滲んでいる) -- セルマ 2010-04-25 (日) 02:48:44
      • (…致命傷にならないだけの腕はある、でもアイツならこの程度全部避けた。アイツなら!アイツなら…アイ、ツ…)
        (ひと瞬きの間に目の前の相手が変わってしまった事、その相手、数年ぶりに見た、ずっと会いたかった、その相手が目の前に。)
        ……っ!!?スレ、イン……。え、なんで、どうして?え…え…(目は隠されているが、震える手と言葉、何より声色で動揺しきっているのは誰にでも解る事だ)
        ……え、なんで?なんで、なんでこんなとこに?(足まで震えてるのかおぼつかない歩みでスレインに近づいてくる、先ほどまでの怒りは嘘のように感じられず) -- キャスター 2010-04-25 (日) 02:55:51
      • (口元の笑みが嘘のように消えるとキョトンとした表情で左手を前に出し)ちょっと待った!
        さすがのシノも俺が女の姿だったら疑うと思うんだ。むしろ俺がお前が本当にシノか聞きたくなった。
        (冗談めかして笑うと切っ先を下げて)もう少し落ち着きなよ。全く変わってないんだから…
        きっと触ればわかるな。(男の優しい声、頭を撫でるほどの手の高さ、そして手招き)

        (その記憶から読み取った言葉も、声も全てが女の演技。右手には今も剣が握られたまま――) -- セルマ 2010-04-25 (日) 03:05:26
      • ……でも、でも、その声!ずっと忘れられなかった、聖杯戦争終わってから、ずっと聞こえなくて、でも…女の姿だったのも宝具かもしれないし……え?
        う、うー…そうやって言われるのも懐かしいな、えへへ(自然な笑顔を見せると懐かしき戦友へ近づいていく……) -- キャスター 2010-04-25 (日) 03:10:51
      • 俺がどうしてランサーとして召喚されたのかって話した時もだったけどわからないのよね。
        まさか最後の令呪のことを忘れてない? だったらこれをしたら怒られそうだな。(そっと抱き寄せ)
        (――抱き寄せようとする左手と同時に、後ろに回された右手の剣がキャスターへ振り下ろされ) -- セルマ 2010-04-25 (日) 03:17:26
      • (抱き寄せられびくっと反応する体)っ……ん…

        残念。本当に、本当に残念だよ──

        (右手の剣がキャスターの身へ届く瞬間、彼女の全身に即時発動の防御結界が発動される、無詠唱発動の代償として消える一本の革)
        ぎゅっと抱きしめて。多分こっちの私なら死ぬ時にそんな事言ったと思う…。
        でもねスレイン?私は私でも、ちょっと違う世界の私だったの。ごめんね。だから最後の令呪は──言ってないの(左の脚にぽおっと輝く魔力の光)
        まやかしでも何でもいい、もう一度あなたに会えれば、それで良かったのに…こんな事、気付かないで最後まで騙されてれば良かったのに……(後ろを向くと涙をぬぐいながら数歩進める)
        (そしてスレインへ顔を向けると)もうやめて。もう、やめて?…わたし、怒っちゃったよ…。スレイン、殺しちゃうよ…! -- キャスター 2010-04-25 (日) 03:32:39
      • !!(完全なタイミング、しかし剣は防御結界に弾かれ)………っ!
        そうか。(左脚に輝く令呪の光を見ると一歩、また一歩と後ろへ下がって煌々と黄金の光を見せる月を仰ぎ)
        く、くくくくく……戦争の中での大切な者との再開。(スレインの声音、感情の篭らない言葉)
        っなわけねぇぇぇぇぇぇ!! んなことがあるわけねぇぇぇぇぇだろぉぉぉおぉぉぉおおお!?
        (月の光を反射する翡翠の瞳は狂気、キャスターへ浴びせられる声は既にスレインではなく、セルマ自身のもの)
        そのまま殺されてりゃ最ッ高の幻想の中で死ねたのによォ。(脚の傷口に触れ、血を舐める)
        ライダーであるセルマ・レイネスの技は人物の投影だ。別に私はスレイン・テクナーでもなんでもないのさ!
        キヒ、キヒャハハハハハハハハハ!!
        ロールプレイング!!(キャスターを指差し)演じて、遊ぶ。
        キャラシートの代わりにスレインちゃんの記憶を使わせてもらっただけさ。(心底可笑しそうに笑って)
        くっくくくくっく、うっひゃっはははははははは、くふひひゃははははははははァ!!
        結構、楽しい遊びだったけどなァ…(剣が分解され、その手に緋の光剣が作り出される)無垢なる剣光(ディバインソード)で両断してやる。
        終わらせてやるさ、その哀れな英霊の姿をさぁ! キヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!! -- セルマ 2010-04-25 (日) 03:45:37
      • (スレインの姿が消え、先ほどまでの女へ戻り、不意に現れた甘い夢は全て消え去って)
        (セルマの言葉を大人しく聴き、首を一振りするとどの感情も感じられない澄んだ声色)
        そう、自己紹介ありがとう。次の攻撃方法まで教えてくるなんて、ご丁寧ね。
        スレインの宝具だからどうしたの?それが何なの。
        いくら真似が上手でも、あなたはアイツじゃない。アイツの剣にそっくりでも、同じ宝具が出せても…違う、んだもん。
        いいよ、やってみなよ。それで殺せると思うなら。わたしも、あなたを殺すから。私の、私だけの力で。
        (キャスターの姿が風景と同化し、消えていく──極めて簡単な、瞳に届く色の情報を錯覚させるだけの魔術、セルマの能力なら居場所は簡単に解るだろう)
        (キャスターはセルマの後方へと走り抜けようとしているようだ) -- キャスター 2010-04-25 (日) 04:00:19
      • はぁ。(深く溜息を吐き)…お前なぁ……
        (思い出を捨てられない弱い女。それを弄ぼうとしているのに自らの望む反応が得られない、その嘆息)
        真似して笑ってやったんだぜ? スレインもシノもまとめて嘲笑ったんだぜぇ?
        その上、同じ宝具を出してやったのに「それが何なの」はねぇだろぉ………(禍々しい緋に染められた極光の剣が輝きを増し)
        ……そんなにブチ撒けられてぇかぁぁぁぁぁぁあああぁあぁぁぁぁああ!!(ディバインソードを構え)
        今更、視覚の混乱だぁ? チャチな術かましてんじゃねぇ!!!
        (振り返り様に放つ、極限まで高められた剣気と矛盾の魔力の奔流)
        深紅に染まりし無垢なる剣光(ディバインソード・ホルス)!! -- セルマ 2010-04-25 (日) 04:11:19
      • (自分へと向けられる宝具、それを解っていても走る、発動される直前まで)
        (背後を取ってやり過ごそうとは思っていなかった、最初から接近できるだけするつもりなだけ─)
        (深紅に染まりし無垢なる剣光を振り下ろされる直前、キャスターは跳んだ。飛翔道具のローブは消え、ただのジャンプ。だがこれでセルマへ届くはず)
        (迷彩魔術を解くと、詠唱破棄の力を持つ残り11枚全てを守護結界に割り当て、真正面から宝具を受ける)
        (一枚一枚は大魔術でさえ防ぐ強固な結界ではある、あるのだが剣の英雄の力には立ち向かえず、一枚一枚溶けていく結界、全ての結界が溶け消える一瞬の間に新たな結界を一枚一枚、張っては消され張っては消されを繰り返す)
        (結界を張る詠唱が追いつかなくなっていく、衰えない剣光)
        (こんなところで、こんなところで!絶対死ぬもんか!わたしが、スレインが作ってくれた、この───)(脚に残った最後の令呪が輝き出し、キャスターの右手から光り輝く炎の剣が現れる)
        (交ざり合う剣光と炎の剣、右手が、全身が剣光に焼ける──私ではない私の、死の瞬間が見えた──)
        ええええええいやぁぁぁぁっぁぁぁぁぁあぁあっ!!
        (剣光がキャスターを中心に割れていく、そのまま振り下ろした剣は、セルマを袈裟懸けに──いや、その剣を狙って振り下ろされる) -- キャスター 2010-04-25 (日) 04:36:43
      • (不意に現れたキャスターの姿に狂気の笑みは崩れもしない。ただ予定通りに両断して終わりだ、と)
        どうした! それが抵抗しているつもりかよォ!! ほらほらほらほらほら削られてるぜェエェカリカリコリコリガリガリゴリゴリとよォ!
        なんて薄くて情けないんだよ、お前のその薄っぺらな抵抗はお前が土壇場で男の温もりを求める意思によォォォォォォく似てるぜぇぇぇぇ!!
        (四枚、三枚、残り二枚。邪悪に染め上げられた極光の剣が防御結界を削り取っていく)
        (最後の一枚。出力はさらに高まり、それすら容易に打ち砕く)死ねぇぇぇぇぇぇ!!
        な…ッ!(脚の紋様から流れる無色の力、それは紛れもなく令呪が持つ魔力)

        (灼炎を放つ輝剣と緋に染められた光剣が交わる)

        ――――キヒッ
        (宝具は砕かれ、ディバインソードが赤の欠片を散らすと同時にセルマの右手が深く切り裂かれた)
        お、あああああああぁぁぁぁ!? 貴…様ぁァアァァァァ!! -- セルマ 2010-04-25 (日) 04:54:44
      • (自分の剣が剣光を裂き、セルマの腕をも斬る …それとほぼ同時にキャスターは地面へ落ち、倒れた)
        (令呪の力で作られた炎の剣が消え、残ったのは剣光を最も浴びほぼ形を残していない右腕、身を焼かれ英霊としての立派な井出達が感じられないキャスターの姿だった) -- キャスター 2010-04-25 (日) 05:02:10
      • このッ アーパー女がぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!(矛盾の魔力を左手に集中させようとし)
        う……うう…(今にも半分ほど地面に落ちそうな右手の痛みでも、勝負を焦る気持ちでもない)
        (強く在る人の意思を前に矛盾の魔王の力が集まらない――)
        く……(手を出し損ねるばかりかこの場に呼び出したランサーの姦計に踊らされていることに嫌気が差し)
        気に入らねぇ……お前は殺すぜぇ、シノ・インテシュタッド…!!
        (外灯に倒れ掛かるように一歩を踏み出すと、その全身は纏わりつく闇に包まれて姿を消し)
        (後には元通りの色彩バランスを取り戻した夜の街が月の光に照らし出されるのみ) -- セルマ 2010-04-25 (日) 05:15:22
      • わたし・・・だって・・・ゆる、さな・・・ぃ・・・次はっ・・・・・(力を込めて歯軋りをし、悔しさを露にするとそのまま霊体となっていく) -- キャスター 2010-04-25 (日) 05:21:37
    • 少し離れた屋根の上 -- 2010-04-25 (日) 01:20:00
      • おー、やってるやってる……って、ランチェスターの坊ちゃんちのサーヴァントってあのキャスターだったのか。畜生、いいおっぱいだなぁ……羨ましいぜあの坊ちゃん(実体化しないでなるべく気配を消してそれを見守る)
        ……なんか、セルマ君前より強くなってないかアレ? ……何かあったんかね -- ランサー 2010-04-25 (日) 01:22:53
      • ……!!(急に膨れ上がったキャスターの怒気に晒され、ゾクりと身が震える)
        ……あの剣は……確か、この地に伝わる英雄、スレイン・テクナーの剣……それ見て激昂した……?
        あのキャスター……生前にスレイン・テクナーと関係でも持っていたのか? それとも……? -- ランサー 2010-04-25 (日) 02:46:17
      • (背後から、声が掛かる)当然だ……それくらいやってもらわねば困る。……何しろ、セルマは、オレのサーヴァントだからな
        (ランサーの後ろから戦況を面越しに眺める男が佇んでいる。その表情は伺えない)
        心の間隙というのは……実に脆いものだな、ランサー。 -- クローベル 2010-04-25 (日) 03:09:53
      • ……!?(突如背後に現れたその気配)
        (まるで海底の氷塊のような……まるで森の暗がりそのもののような……)
        (おかしい、その声はクローベルの声だ。おかしい、あのサーヴァントはクローベルのサーヴァントだ。おかしい、だが、だがこの気配は……この、違和感そのもののような威圧感は……!)
        ……矛盾……の魔王……!?
        (飛びのくように……逃げるように実体化して背後に振りかえる) -- ランサー 2010-04-25 (日) 03:25:10
      • ……そう呼ばれるのは初めてだが、不思議と違和感はないな、ランサー。(確かめるように右手を開閉し)
        殺気を収めろ。どちらのサーヴァントに存在を気づかれても、不利になるのはお前だ。頭の切れるお前ならその状況が美味しいものではないことくらい理解できるだろう。
        (静かに、屋根の上に腰を掛け)……少し、話をしよう、ランサー(一転、人間の声で呼びかける) -- クローベル 2010-04-25 (日) 03:35:02
      • ……(一転して気分を落ち着け、再び実体化を解いてクローベルと対峙する。魔力の薄い気配だけが、そこにある)
        ……ついに完全に人の道から外れたか……かつての我が息子のように…… -- ランサー 2010-04-25 (日) 03:42:40
      • 外れた、か。……お前からはそう見えるか。オレには……人の道の先に枝分かれしている内の、その片方を選んだつもりでいたんだけどな……。(余りにも普通に言葉を零す)
        お前の息子がどんな道を歩んだかは、オレは知らないが、我の記憶には残っているぞ、ランサー。あれは……実に甘美な狂気であった。
        (頭を振る)……初めまして、かもな、ただの人間よ。(狐面を外し、ランサーを見る)矛盾の魔王だ(金色の瞳がランサーの目と合う) -- クローベル 2010-04-25 (日) 03:52:53
      • なるほど、今のお前は魔王でありながら魔王ではなく、魔族でありながら魔族でなく、人でありながら人ではなく……クローベルでありながらクローベルではない
        そんな存在になってしまった、いいや、成り果ててしまったということか……
        ああ、初めまして。そして久しぶり……矛盾の魔王よ
        (金色の瞳の彼に深紅の瞳を絡めて、ため息をつく)
        (実体化はしていないが、今の奴の前ではそんなことは関係ない)
        (そんなことはどちらでも同じことだ) -- ランサー 2010-04-25 (日) 04:09:13
      • まさしく矛盾した存在、か。……人々が望んだ魔のあるべき姿だよ。これがな。
        (戦場を眺め)ランサー。……セルマは、これから無尽蔵に力をつけるだろう。オレの矛盾の魔力をも飲み込み、魔神と化す。
        魔王の側近としての、殺戮の魔神に。……そうなったとき、お前はセルマを止められるか? -- クローベル 2010-04-25 (日) 04:14:23
      • ……ま、無理だな(割とあっさりそう語るが、)
        だが、君を止めることならいくらでも出来そうだ(と、クローベルを見て肩を竦めて苦笑する)
        君はもう脅威に値しない……君は既に私の障害とはなりえない……何故なら(強く、決意の篭った瞳でクローベルを見つめ、しっかりとその言葉を紡ぐ)
        世界の悪意にイジけた子供相手に負けるわけがないからだ -- ランサー 2010-04-25 (日) 04:22:23
      • ……何故、お前に、ここまで苛立つか、その答えが分かりそうだよ、ランサー。……お前は、オレより先に死んでいった兄貴たちにそっくりだ(狐の面を再び着ける)
        最後に一つだけ。聞かせろ。ランサー。お前はこの世に再び現世できて……幸福だったと言えるか?(人と魔王との境界が入り混じり、混濁する。狐面の裏の表情は読めない) -- クローベル 2010-04-25 (日) 04:28:58
      • また、矛盾の魔王らしくもない簡単な問いだな(愛嬌のある笑みを浮かべて、朗らかに言う)
        胸を張って幸福だといえるよ。やまほどあったやりたいことの続きができる。果たせなかった約束を果たせる機会が転がっている……そして何より、種子の育まれた先を知ることが出来た
        これ以上ないほどに、今の私は幸福だ。血塗られた人生の身に余るほどな
        だから分からないよ。全く分からないよクローベル君。私は君達が分からない
        そんなにも悲しそうに泣きじゃくる君とセルマ君が全く分からない
        ……君のお兄さん達がどんな人達だったか、私は知らない……私には分からない……君の生きた人生も、君の抱えた悲しみも……憤りも……
        だが、これだけはいえる
        君のお兄さん達とやらは君がそんな風になることなんて絶対に望んじゃいなかったはずだとね! -- ランサー 2010-04-25 (日) 04:39:07
      • ああ、憎めばいい。恨めばいい。吐き捨てるように唾棄すればいい。最初からオレなんて家族はいなかったと、そう言えばいい。
        世界中の誰に否定されたって構わない。誰にも望まれなくたって構わない。誰から許されなくても構わない。
        オレは、オレの意思で。――誰かを守れるのなら、その誰かから否定されたって、構わないんだ。
        お前には分からないよ、ランサー。お前が未来を見据えているように、オレは過去を拾い集めてるんだ。零れてしまった過去を、一つずつな。
        分かるか、ランサー。永遠に生き続ける命があれば――劣化しない記憶があれば――現象とも呼ばれる伝承の中であれば――そいつが覚えている限り、人の記憶は失われない
        ――ただ、それだけだ。
        幸福であるというお前の回答。オレには救いでもある。……オレにとっての黄金の伝承は、もうすぐそこにあるのだから(闇に身を溶け込ませるように、その場から立ち去る) -- クローベル 2010-04-25 (日) 04:59:40
      • (闇に消えた魔王の残滓を握り締めて、憤る)
        ……憎む、恨む……吐き捨てる……?
        違う、違うぞクローベル……きっと、きっと君の兄弟達は……
        (そこから先を言う意味はない。いや、私が言うべきではないだろう)
        ……未来を見据えることも過去を顧みることも違いなどない……
        どちらも自らの生きた証が欲しくてすることだ……
        魔王となることがそのための証となるのか? そのための道程をなるのか? ……君の、いいや、君を育てた家族の立てる証となるのか……?
        ……くだらない感傷……いいや、干渉だな……
        (頭を振って力なく苦笑し、魔王を見送った) -- ランサー 2010-04-25 (日) 05:11:42
  • ――黄金暦 155年 2月 -- 2010-04-22 (木) 22:15:17
    • (鏡に映る自らの姿。しなやかな指、流れるような薄紅の髪――)
      (鏡の向こう側に居る自分の碧の瞳と目が合う。透き通るような、生まれたままの肌にはシミ一つない) -- セルマ 2010-04-22 (木) 22:23:19
      • (自らの体に変質が起ころうとしている。白い肌に手を滑らせ、胸を押さえる)
        (自らの宝具そのものでもあり、自らの体内に固有結界を作り出す心臓『万象顕現す箴言の律動(トライアンフ・カレイドスコープ)』)
        (それは今、魔神セルマ・レイネスに相応しい肉体を作り上げようと矛盾の魔力を体の隅々まで送り出している) -- セルマ 2010-04-22 (木) 22:30:38
      • (自らの髪が漆黒に染まっていく……全身に走る悦びは新たな殺戮を待ちきれず)
        (瞳のエメラルドグリーンは血を落とし込んだような深紅に染まっていく)
        ……!
        (嗚呼、そこで。その時点で。英霊は気付いてしまった――)
        (自らが求めた至尊とは、最強の力を持つ姿は。自らの妹エスターク・レイネスと寸分変わらぬ姿を鏡に映し出していることを) -- セルマ 2010-04-22 (木) 22:36:36
      • ふざけるな!!
        (血が沸騰するのではないかというほどの怒り、そして拒絶)
        (姿見の鏡は英霊の拳に砕かれ、無残にその破片を散らした)
        私は……私が行き着く先はあの娘だというのか…?
        (残った鏡には今迄と変わらない碧の双眸、そしてたおやかな薄紅の髪が揺れている)
        (陽の光の下でシャボン玉を吹いている妹の写真、その姿が思い出される。感情はただ、我が身すら焼き尽くす憎悪のみ) -- セルマ 2010-04-22 (木) 22:44:03
      • 私はセルマ・レイネスだ!! 矛盾の魔王も妹も関係ない!!
        (拒絶の意思は女の内部を巡る漆黒の魔力をも染め上げていく)
        (女はまだ戦い続けるだろう。最後に残る物と、全てが消えた大世界に立つ自らの姿を遠く月に置き去りにして――) -- セルマ 2010-04-22 (木) 22:51:46
  • ――黄金暦 155年 1月 -- 2010-04-21 (水) 18:33:15
    • (夕闇が街を覆うように、「何か」によって弱々しい冬の日差しが遮られる)
      (訪れた闇に怯える様に、街が、そこに住まう人々が、建物が、無機物が、有機物が、歪み捻れてゆく)
      (流れる水が澱み、大地が爬虫類の皮膚の様に蠢き、風に腐臭が混じる)
      (そして)(重く)(不吉な足音が)
      ズゥ……ン
      (響く)
      -- 2010-04-21 (水) 18:56:09
      • (面の向こう、金色の瞳が視覚以外の感覚で以って、招かれざる来客の存在を捉える)………。
        セルマ。……お客様のようだ。(滲むように、光沢のない黒き光を全身に纏い、立ち上がる)
        (指先で円を描くと、その形に空間が開き、景色が一変する。街の中、見上げれば太陽まで覆い隠さんばかりの災厄が、全てを腐敗させていた)……ディザスターとは、よく言ったものだな。 -- クローベル 2010-04-21 (水) 19:04:10
      • (世界へ圧し掛かる夜の闇、影は偏在し黒と黒は溶け合う――その狭間から姿を現し)
        ………ふん。(いつもの皮肉った言葉がなかなか浮かばない。自らのマスターが強大で凶悪な何かに変質したことだけは理解できる)
        (しかしこの世の闇を映したような瞳の色からは何も窺い知ることは出来ない)
        この街から全ての命が潰えるまであと数時間ってところかァ? キヒヒ…手伝って来いとでも命令するのか。
        (自分の手に馴染む矛盾の魔力もまた溢れるほどで。今まで通り――今まで以上に戦えることは確実)
        (しかし来る敵は今まで戦った存在の中でも『逸した』英霊――今も足音は重く近付いてくる) -- セルマ 2010-04-21 (水) 19:11:32
      • ズゥ……ン
        (昼でありながら闇夜と化し、人の街でありながら魔の都と化したそこに)
        (漆黒の甲冑を身に纏い)(禍々しい鉄槌を手にした巨人が)(現れる)
        (「それ」が一歩足を進めるごとに世界は悲鳴を挙げながら歪み、人が魔に、獣が妖に、成り果て、殺し合い、喰らいあう)
        -- 災厄 2010-04-21 (水) 19:24:55
      • (……侵食。誰もが怯え、恐怖し、逃げ惑い、狂い果てる中、ただ一人、異質な視線でその漆黒の巨人を見上げる)
        欲しい、な。……あれは(面の裏で、魔王が笑う。自らも魔を使役する者として、生命を異物に変化させるその狂気は――まさしく垂涎の力だった)
        (セルマを振り返り、嘲るように矛盾の魔王の面が哂う)
        行儀がいいじゃないか、セルマ。アレは、お前以上の自由だぞ? お前が殺すはずの人間や、世界が、お前より先に蹂躙されている。
        (まるで災厄狂戦士の注意をこちらに向けるかのように、魔力が膨れ上がる。いつだって、命令は単純にして明快だ)
        (面の裏で笑い、呟く)――好きにしろ -- クローベル 2010-04-21 (水) 19:32:22
      • ………。(自身がナタナエルの持つ底知れない力を欲したように、この男は英霊の力を求めている)
        (いや、英霊の力すら飲み込もうとする『始原の魔』たる存在になったことを主と繋がる心臓が伝えていた)
        く、くくくくく……(影から踏み出す一歩、一つの頭に目玉を七つ口を二つつけた異形の犬が襲い掛かってくる)
        確かに聞いたぞ、マスター。
        (歩いた先にある草でも払うかのように無造作に手の甲を振り、異界のモノに成り果てた犬の頭部を破砕する)
        よォ、デカブツ!(異形が周りを取り囲む中、悠然と歩いて漆黒の巨人へ声をかけ)久しぶりだなァ? ちょっとは縮んだかよぉ。
        (武器も作り出さず、敵の真正面瘴気の真っ只中にあって女の禍々しい気が膨れ上がる) -- セルマ 2010-04-21 (水) 19:46:11
      • (漆黒の巨人は以前セルマと戦った時よりも更に巨大になっている)
        (しかし)(それ以上にセルマの気が膨れ上がり、その差を埋めている!)
        (巨人はそれを意に介する事無く、セルマの言葉に答える事も無く、その眼前に歩を進める)
        -- 災厄 2010-04-21 (水) 20:07:06
      • (ふわりと、まるで黒衣を纏っているような男は静かに浮かび上がる)……セルマ、地上からアレを足止めしろ。
        可能な限りの破壊を与えてやれ。どうやら、もっと熱烈な歓迎がなければ不服らしい……
        (真っ直ぐディザスターを見据える。その災厄が齎す全てを、余すことなくねめつける)
        (瞳が、人間性を取り戻す)構成を一度分解して、再構成しているのか……それも、無造作に。……使える、かもな。(その身に漆黒の魔力を纏い、セルマに最初から全開でいけ、と目配せをする) -- クローベル 2010-04-21 (水) 20:37:41
      • (不可避の速度、防ぐこともかわすことも難しい一撃。漆黒の災害(ディザスター)を前に自らを追い詰めた絶大なる力が思い出され)
        (それでもなお、邪悪な笑みが口元に浮かんだ)
        その命令、確かに聞いたぞ。(その場でオペラ歌手のように災害の戦士へ手を指し出し)

        『真珠母色の月』『聖ガブリエル』『大理石のテオフィルス』『一角獣座』『熾天使(セラフィン)

        (女は謳う、過去に滅んだ星の光を抱くジプシーの歌を)

        骨碑の占い師(フォーチュン・テラー)』『アムノン』『受胎告知』『パールヴァティの屍』『トランダフィル』『月の女神の手先たち』

        佳き時代(ベル・エポック)に或る幻想とロマンセは女の美しい声に拠って紡がれる)

        逃げろ、月よ、月よ、月よ。

        (腐り落ちる街に響く清らかな歌声、女の全身に幾何学模様――魔術回路が浮かび上がる)
        (矛盾の魔力を通していくそれは黒のアートにも似て)
        (女はディザスターを見上げ、清楚に微笑むと両手を広げた) -- セルマ 2010-04-21 (水) 21:11:10
      • (汚濁の街に清らかな歌声を響かせる、それはこの場所に於いて唯一清淨なる存在の様で……)
        (しかしその気配と魔力は巨人同様に……否、それ以上に黒く、禍々しく……そして美しい)
        (漆黒の巨人は両手を広げ微笑む女がまるで鉄床であるかの様に、ゆっくりと鉄槌を振り上げる)
        -- 災厄 2010-04-21 (水) 21:18:32
      • (詩。いつか、街角で聞いたのとは違う、悪魔を哀れむようなその歌)……人を殺さなくても、生きていけそうじゃないか(皮肉を、殺意の下に丁寧に折り隠して、口内で誰にも聞こえないように呟く)
        (禍々しい瘴気に彩られてなお美しいと形容しうるそれをはるか高みから見下ろし、指揮者(コンダクター)は静かにその両手を振り上げた)
        (――始まりを告げるかのごとく、大きく振り下ろすと、純然たる漆黒の魔力が、周囲に拡散し、その全てが人々から集められる羨望のごとく、セルマへと降り注ぐ!!) -- クローベル 2010-04-21 (水) 21:25:32
      • (槌が振り上げられ、周囲にある全ての存在が呼吸を止めるかのようにありとあらゆるものが静止して見える)
        (その静が動になった時、ディザスターの持つ破壊の力を前に世界は悲鳴を上げ、その絶対応報に(こうべ)を垂れる)
        (魔王の仮初の姿である吟遊詩人、そして魔人が陽光の元に身を潜めるための姿である歌姫は静止した世界で誰よりも優しい歌を謳った)

        そして眠れるウェヌスが来たならば、月の心臓で白い指輪は作られる――

        (女の心臓が。命を求め、決して止まることのなかった鼓動が夕闇に跳ねた)
        【ヴァルキサス】(女の顔は邪悪に酔いしれ、身に纏う魔術兵装は黒く染められた)
        歌に満ちよ、災害(ディザスター)。(英霊は構えを取り、腕を大きく撓ませた) -- セルマ 2010-04-21 (水) 21:40:55
      • (まるで月輪から降り注ぐように、女の頭目掛け鉄槌が振り下ろされる)
        (漆黒の歌姫へと漆黒の巨人の答えが……音よりも迅く、降り注ぐ!)
        バンッ!!
        (歌声の余韻を砕く無粋なる轟音は鉄槌の速度が音を超えた証、水蒸気の糸を引き、空気摩擦で赤熱し……その一撃は現界してから今までで最も迅く)
        (…………しかし)
        -- 災厄 2010-04-21 (水) 21:50:51
      • (見下ろす。指揮の下、舞台は幕を開いた。音を超えた一撃が視覚、音、風の順にその魔力を纏う身体を揺らした)………。
        開闢の時は来たれり。汝、漆黒の魔力を纏い、顕現せよ。顕現せよ。顕現せよ。(まるで呼びかけるように、その手の下へと魔力を注ぎ続ける)
        汝、そこにありてそこになく、そこになくそこにあらん。傍らにありて遠きにあり、不見()えずして誰もが認識()る。
        (面が、緩やかに狐から髑髏へと変貌する)その名を。恐怖の顕現――
        矛盾の魔神。……セルマ・レイネス。(見下ろす金色の瞳の下。自らの鯖に向けて呼びかける) -- クローベル 2010-04-21 (水) 22:01:38
      • 速いは遅い。(細く儚い手をそっと上げると空間を裂く一撃を受け止め)
        重いは軽い。(轟音が響き、女の足元の石畳は砕かれ、拉げて窪む)
        矛盾の魔神の名……受けておこうじゃないか。(その中心点にいながら受け止めた手も身体も傷一つついておらず)
        ふ、ふふ(黒装束の女は左腕を漆黒の甲冑に当て、そこから一挙動たりともなく掌から衝撃を放った) -- セルマ 2010-04-21 (水) 22:06:44
      • (女に受け止められた鉄槌が、張り付いた様に動かない……否、巨人の力であれば張り付いたとしても女の体ごと鉄槌を振り上げる事が出来るはずだ)
        (しかし、鉄槌はぴくりとも動かない……まるでピンで止められた虫の様に)
        (そして漆黒の巨人が、まるで紙細工の様にひしゃげ、跳ね飛ばされる)
        (歪んだ家屋の壁を三軒分貫き……魁偉なる巨体が瓦礫に埋もれる)
        -- 災厄 2010-04-21 (水) 22:13:30
      • ……概念縫殺、か。イカれてる。……この世の理すら操るか、矛盾の魔王(皮肉げに自らの名前を呼び、魔力の放射で倒れこんだ巨体との距離を詰める)
        災厄(ディザスター)の真上で静かにその巨体を見つめ、空気中の魔力に触れる)………(指先が侵食され、徐々に腐り始めた)
        (舌先で吟味するようにその魔力の質と色を眺める。侵食され、腐敗していく右腕を覆うように黒い魔力が新たな腕を作る)……成る程な、こういう使い方、か。
        (振り返り、セルマに目配せをする)よもや、そんなものではあるまいな?――その力の本質を、我に見せよ。 -- クローベル 2010-04-21 (水) 22:21:42
      • (家々に空いた大穴の向こう側に敵がいる)くっくくくくく……
        (手の出せない暴風のような存在が自らの手に吹き飛ぶその感触は脳を焼くほどの喜悦を英霊に齎して)
        ひっひひひひひひひひひひひゃっひゃひゃっはっははははーっははっはっはっはっはっはっはッ!!!
        いいだろうッ!!(その手に作り出すは闇を削りだしたかのような黒の宝具、『矛盾と背理を内包せし漆黒の大鎌(ネガ・ゼピュロス)』)
        (その場で振り被ると小さく呟く)ドン。(それはまるで自身がディザスターに吹き飛ばされた時の再現)
        (闇に溶け込み、闇から現れる――女の姿は宵闇を伝ってディザスターの前へ瞬間的に移動していて)
        死ねえええぇぇ!!(倒れ伏す巨躯、その右腕へ禍々しく啼く矛盾の大鎌を振り下ろし) -- セルマ 2010-04-21 (水) 22:31:51
      • (瓦礫の中、災厄の巨人は既に立ち上がり、鉄槌を構えていた)
        (自らに振り下ろされる漆黒の大鎌を迎え撃つ様に、巨大な鉄槌を振り上げ……刃と槌が衝突する!)
        (拮抗したのは一瞬、セルマの大鎌は音も無く鉄槌を切り裂き、それを握る漆黒の右腕を切断する)
        -- 災厄 2010-04-21 (水) 22:40:30
      • (目を細め、振り切られた黒き断ち切り線を見る。まさに乾坤一擲の一撃が、巨大な鉄槌を両断していた)
        (斬り飛ばされた鉄槌の一部が、頬を掠めてはるか後方に吹き飛んでいく。わずかな動作でそれをかわし、空中を舞う災厄の右腕の肉片を一つ、手に取る)
        (びくん、びくんとまだ血が通うをそれを掌で弄び、哂う)……余りにも、余りにもだな。なあ、セルマ。……これが、魔王か。(その言葉には、諦観が含まれている)
        (手の中の肉片を齧り、咀嚼する。口の端から垂れる血液を拭い、その肉の成分を身体に浸透させる。ぐずぐずに崩れる内臓の感触を胎の中で楽しみながら、空中に円を描く)
        (扉を出現させ、距離を無視した跳躍によりセルマの隣へと移動する)……どうだ、その力は -- クローベル 2010-04-21 (水) 22:47:43
      • (音は後から聞こえてきた)
        (肉を絶つ感触が先、そして忌まわしい槌を砕いたという実感が手を伝わる)
        (狂戦士の返り血が黒装束を淫らに濡らし、ゆっくりと大鎌を持ち上げて余韻を噛み締めた)
        キヒヒヒヒ……最高だ!! これほどの力が! これほどの理不尽がッ!!
        (口元に付着した返り血を舐め)もうナタリアなど必要ない。全ての人間の未来に我が手で影を刻んでくれる……!
        (クローベルに振るうその言葉、その瞳はより深い狂気が滲んでいて) -- セルマ 2010-04-21 (水) 23:00:14
      • (隻腕となった巨人は黒く濁った血を滝のように流しながら、その狂気に満ちた瞳で己が血を浴びる女を見据え……)
        (嗤う女の目の前で両足と左腕にぐ、と力を込める)
        -- 災厄 2010-04-21 (水) 23:08:20
      • (胎の中で己が魔力と、災厄の遺伝子が融合する感触を覚える。指先にまで行き渡る毒素に、静かな笑みを浮かべた)
        ――悔しいか、災厄そのものよ。奈落の更に奥より出でし怪物よ。
        (セルマの横で、右腕を上げる。矛盾の魔力が右腕より地面を這い、周囲に広がっていく)
        くくく、中々に、愉快な宴であった。だが、すでに演奏は終焉を迎えた。高らかに吼えよ、災厄の化身。
        災厄(ディ座スター)が変質させた生物の残骸や、家々の破片、生物の死体から無生物まで、全てが呼びかけに応えるように起き上がり、異形を成し、その(アギト)を災厄の身体に食い込ませようと襲い掛かる) -- クローベル 2010-04-21 (水) 23:15:10
      • キヒヒッ(トン、とその場を軽く跳躍し後方へ)お前はそれで十分だ。
        今まで使ってきた、喰らってきた、奪ってきた有象無象に骨まで食まれるがいい。
        (飛び越えたものはクローベルが作り出した下級なる矛盾の眷属、女と狂戦士の交わる視線は彼らに遮られて) -- セルマ 2010-04-21 (水) 23:26:04
      • (漆黒の巨人は自ら生み出した異形に集られ、噛まれ、喰われてゆく)
        (異形の群れが巨人を喰らい力を増す……そして、異形の群れが力を増せばそれは巨人の力となる)
        (災厄の力が循環し、高ってゆくそれに似た現象をセルマ・レイネスは見た事がある)
        (巨木の聖杯の地で……良く似た現象を見た事があるはずだ)
        -- 災厄 2010-04-21 (水) 23:37:17
      • (目を細め、その様子を見る)……なんだ、アレは。
        ……力が、集まって、るのか?(狐面を外し、素の目で見る) -- クローベル 2010-04-21 (水) 23:45:03
      • ……ふん。下がれマスター。(影をマントのようにたなびかせ、全身に纏いながら自らも闇に沈み)
        爆発する気だ……それも凄まじい規模のな。(肩を竦めて見せ) -- セルマ 2010-04-21 (水) 23:54:00
      • (際限の無い力の高まりは死にゆく恒星の如く膨れ上がり)
        (限界を超えたそれは音の無い純粋な光と熱に還元される)
        (それは魔術的に再現された極小規模の超新星爆発)
        -- 災厄 2010-04-21 (水) 23:57:44
      • (指を弾き、闇で身体を覆う。圧倒的な熱量は、闇すらも駆逐し、その熱を、光を身体にまで届ける)
        ………厄介な。(焼け焦げた頬を撫で、苦々しく呟く)
        これで、終わりというわけではないのだろう、セルマ。 -- クローベル 2010-04-22 (木) 00:00:44
      • 当然だ。(全身を覆う影を取り払うと再び姿を現し)
        この程度で終わらない…私も。あいつも。(更地になった場所から見える赤い月)だからこそ面白いのさ。
        だがこの場にはもう残ってはいまい……ここに生きている者は「いない」(クローベルを見て口元を歪め)
        キヒヒヒヒ…ヒャハハハハハハハッ!(その狂った笑い声は歌の清らかさを高く遠い場所へ忘れ去ってきたようで) -- セルマ 2010-04-22 (木) 00:11:11
    • (巨人の視界から事の始終を観るものがいる……) -- 2010-04-21 (水) 22:32:43
  • ――黄金暦 154年 10月 エリオルネッド邸 庭先 -- 2010-04-18 (日) 21:35:16
    • 幽鬼のようにぶつぶつと言葉を呟きながら、男が庭先を歩く)
      (赤色の着流し、黒い髪、眼帯。かつて、この屋敷にいた頃に比べたら、ひどく変わってしまったその外見)
      (空ろな目は、何も捉えていない。ただ、前に前にと進んでいく)……オレは。 -- クローベル 2010-04-18 (日) 21:46:45
      • なんで。
        こんなことを、忘れてたんだ。
        オレは。オレは……!!

        (墓石。立ち並ぶ墓石を前に、膝を突く)
        オレは……もう一度、エリオルネッドでの幸せを……。
        誰も欠けることのない家族を、取り戻そうとして。

        こんな殺し合いに参加してたんだろうが……! -- クローベル 2010-04-18 (日) 21:49:33
      • (一つずつ、墓石を撫でる)バイルの兄貴……ニコ……フーゴの兄貴ッ……!!
        ノスト、アクア、リーカ、シセル……!!!
        ヤマトッ、モーガン、カナァッ!!(涙に咽び、喉を反らして大声で叫ぶ)
        ああ、あああああああああああああああっっっっ!!!(どれは、怒号にも似た落涙の叫び。魂がねじ切られる様な声) -- クローベル 2010-04-18 (日) 21:55:00
      • オレがよえーからッ!! みんな、みんないなくなっちまうっ……!!
        何一つ守れなかった、何一つ救えなかったッ……!!
        オレは、誰か一人でも欠けることなく、ただお前らと一緒にいたかった、それだけだったのにっ……!!!
        オレはああああああッ……!!(墓石の群れの前で、泣き崩れる。ずっと溜めてきた思い)
        (一つ一つは小さな傷だった。今まで顔も知らずに暮らしてきた他人だと思い込むことでなんとか咀嚼してきた)
        (だが、一つ一つの小さな傷が、やがて膿み、腐り、大きな傷となる。――心を砕くには充分なほどに) -- クローベル 2010-04-18 (日) 22:02:21
      • (嘆きの声が挙がってしばらくすると、一人の困惑顔の青年がやってくる。)
        ……だ、だれ?(見知らぬ人間が墓石を前に泣き崩れているのだから困惑するのも無理はなかった。) -- フローレンス 2010-04-18 (日) 22:03:26
      • (振り返る。土と涙に塗れ、男の顔は陰が差していた。漏れ出る魔力は闇よりなお暗く、身体の周りを滞留している)
        (男が青年を目で捉える)……フロー、レンス(名前はすぐに出た)
        (当たり前だ。――兄弟なんだから) -- クローベル 2010-04-18 (日) 22:05:48
      • ……それは僕の名前だよね。僕を知っているの?
        (出た言葉は疑問。男の変わり果てた姿を見て、それがかつての友だとは夢にも思わなかった。その可能性も頭に浮かぶ事は無く、流れた時の長さがそれを闇へと葬ってしまった。) -- フローレンス 2010-04-18 (日) 22:12:48
      • (以前より、精悍な顔つき。青年に近づいた男の顔。長い。あまりにも長い月日が経ったことに、気づく)
        ………(静かに、狐の面を着ける)……昔。ここにな。知り合いがいたんだ。
        そいつが、いつもお前や、他の兄弟の事を教えてくれた。
        聞きもしないのに。どれだけ兄弟が好きかって。何度も何度も繰り返すんだ。
        まるで……そうしないと、誰もがその兄弟を忘れていってしまうかのように。(言葉は、小さく震えた) -- クローベル 2010-04-18 (日) 22:19:15
      • …そっか、そうなんだ………でも、その人の知り合いである君が、何故泣いている(・・・・・)の?
        (先程泣き崩れていた姿、震える声、そして今しがたこの黒髪の男が言った言葉にフローレンスは洞察する。可能性が闇から引き摺り出され、また日の元に当たろうとしていた。) -- フローレンス 2010-04-18 (日) 22:27:07
      • ……さあな。そいつも、死んでしまったから。代わりに泣いてやっただけだ(言葉を濁す)
        フローレンス。……一つだけ質問だ。
        (狐面は真っ直ぐフローレンスを捉える)……死んでしまった者たちは、どこに行く。
        誰もが望んでいるような、安らかなる天国か? 生まれてきたことすら後悔するような地獄か?
         オレの知り合いがずっと思っていたような、何もない無か? それとも(墓石を見る)……冷たい土の下か? -- クローベル 2010-04-18 (日) 22:33:05
      • (その問いにフローレンスはどれともつかない答えを出した。)
        僕は…僕はどこにも行かないと思うな……でもどこかには居るんだよ、きっと。少なくとも僕はそう思ってるよ……バッカーノ
        (最後に自信なさげに人の名を呟いた。目の前の男がそうである保障はないけれど、少しだけ希望を込めて。) -- フローレンス 2010-04-18 (日) 22:41:43
      • ……ああ。
        オレも、そう思う。
        ずっと。……ずっと、オレといてくれたんだな。みんな。(狐面の裏から、とめどなく涙がこぼれる。堪えきれない嗚咽を漏らす)
        (今まで何も考えずに使っていた力。それは、兄弟を思う気持ちが生み出した幻想)
        ―――。(呼ばれた名前は届かない。すでに名前を分解された男に、その名前だけは届かなかった)
        ありがとな。フロー。(返事をしたわけではない。答えたわけでもない。ただ、小さくそう残して、狐面の男は大きく飛び上がり闇夜に消えていった) -- クローベル 2010-04-18 (日) 22:46:04
      • ま、待って!?バッカーノ!待ってよ!
        (『フロー』、その呼び名が心の内で思っていた人物だと確信させた。だが、その身のこなしに常人がついていける訳も無く、突き出した手がむなしく夜の闇を掴むだけだった。) -- フローレンス 2010-04-18 (日) 22:53:56
  • ――黄金暦 154年 10月 -- 2010-04-18 (日) 20:30:11
    • それは、日常の風景だった。
      どこにでもあるような家族があり、その中に自分がいて。

      ――嗚呼。これは夢なんだ。そう気づいた。

      奇妙な感覚。
      何が奇妙かを、表現できない。
      日常から何かが欠けた、その風景。
      バイル。ニコール。セシリー。メロ。フローレンス。ヤマト……。とても楽しかったあの日々。何一つ足りないものはない。
      兄弟。
      ――オレの兄弟。 -- クローベル 2010-04-18 (日) 20:30:55

      • 欠けているものに気づく。
        誰も、オレの名前を呼んでくれない。
        いや、呼んではいる。名前を呼んでくれているのは確かなのに、その名前だけがオレに届かない。

        なあ、教えてくれ。
        ……オレの名前は? -- クローベル 2010-04-18 (日) 20:31:25
      • (目を覚ます。夢からの覚醒はいつもけだるい。二、三度頭を振って、セルマの就寝を確認しながら台所へ)
        (コップに水を溜め、飲む。喉元を通り過ぎる水が、秋口にさしかかろうというのに残った暑さを緩和してくれる)

        (ビキリ、とコップにひびが入る)――思い、出した。
        なん、で、オレは……なんでオレは、こんな当たり前のことを忘れてたんだ……!!
        (コップを静かに置き、ドアを蹴破るような速度で男は部屋を出て行った) -- クローベル 2010-04-18 (日) 20:35:41
  • ――黄金暦154年 6月 -- 2010-04-14 (水) 21:47:29
    • どうもー、では私とセルマさんはこっちですので。縁があればまたお会いしましょう、そのときまで無事にいられますように(とうとう依頼の最中一度も崩れることのなかった微笑をそのままに、依頼を共にした冒険者数人と別れ、今街道にいるのはセルマとこの青い髪の青年のみ)
      ――さて。何度も依頼を共にしてなんですが、ようやっと二人きりになれました、セルマさん -- マジシャン 2010-04-14 (水) 21:49:23
      • 冒険者としての姿で他の同行者へ穏やかに手を振り)
        お疲れ様でした。次に同行する機会がありましたらよろしくお願いしますね。(他の冒険者と別れて青年と共に歩き出し)
        そうですね。(口の端を持ち上げ、奇妙な笑顔を向け)キヒヒ……まさかサーヴァントと同行とはなァ…
        くっくくくくくく! 依頼中にがっつかなかったのはお互い、我慢ができてるほうだ。(相手を見もせずに歩き続けて) -- セルマ 2010-04-14 (水) 21:57:30
      • ま、セルマさんはそうなんでしょうが……おにーさんはほら、あんまり積極的に戦いたいほうじゃありませんから(うちのマスターはとっても穏健派です、とカマかけの意味もあって肩を竦める)
        サーヴァントの皆さんならキャスターさんにセイバーさん、デクレアラーさんとかグレイヴガーダーさんとかアンダーテイカーさんとか、色々同行してますしね。…ひとつ質問をよろしい? -- マジシャン 2010-04-14 (水) 22:02:30
      • ふん……戦わずに聖杯が手に入るものかよォ。(長い髪に手をかけて指で梳き)
        聞いた名前も多いな。で、何人と戦ったんだ? キヒヒヒヒヒ。(街道にはただ強い夏の日差し、そして二人分の乾いた足音)
        ああ。それはもう。答えられる範囲なら、な。 -- セルマ 2010-04-14 (水) 22:08:58
      • 聖杯なんておにーさんはさほど興味のあるブツではないのですよ。それに、久しぶりの娑婆ですから楽しまなくっちゃ
        デクレアラーさんくらいかなぁ……情報収集で浮きながら窓から覗いてたら見つかっちゃいまして(あの時は困りましたーと照れ笑いしながら小さく舌を出す。あまり可愛くはない)
        一度…私は2度か。依頼に同行したクローベルというキツネのお面のお兄さん。あなたのマスターでしょう?いくら私だってあれだけ近くにいればあなたに注ぐ魔力の流れくらい見える
        ……あんな不愉快な魔力まで身に纏って、あの人は一体何をするつもりなのでしょう?(不愉快な魔力、とはつまり右腕の矛盾の力を指しているらしい) -- マジシャン 2010-04-14 (水) 22:14:20
      • 求める気のない者が座から呼び出されることが実際にあるとはなァ……まぁいいさ。人サマの理念に拘泥する気もない。
        (不快そうに顔を歪め、青年と戦うか家に着くまでこの調子で探りを入れられることに内心辟易して)
        キヒヒ……そうだ、あいつは私のマスターさ。素性は知れないが私に必要な魔力を供給できるなら利用価値は十分。
        ……知らん。これは本当のことだ。(並木が作り出す影に差し掛かり)
        私はあいつを利用している。あいつは私を利用している。実に健全で正常な関係だろう?(荷物を道の脇に放り)
        キヒヒヒヒ……お前の目的も聞いておこうじゃあないか…真意を語らず死ぬのは惜しいだろう? -- セルマ 2010-04-14 (水) 22:26:36
      • ……そうですか(別に嘘でも本当でも構わない。この謎かけ自体、いわばマジシャンの楽しみと化している)
        おにーさんの目的…というとこのまだるっこしいらしい情報収集の?それともおにーさんが現界した理由?(応じて荷物をセルマとは反対側に降ろし、立ち止まって向き直る) -- マジシャン 2010-04-14 (水) 22:31:12
      • 後者だ。(女の輪郭が黒く滲み、空間に黒く穴が開いたかのように塗り潰され)
        あるはずさ。お前が英霊であるならなァ…(不自然なる黒が霞み、元のように戻ると女の姿は鷲の紋章を持つ英霊としての正装に変わっていて)
        ……………。(無言で対峙したまま、その手に漆黒の大鎌を作り出す) -- セルマ 2010-04-14 (水) 22:40:07
      • そうですねえ…いつの間にかサーヴァントになっていたんですが、これがまた暇で暇で。強いて言うなら暇つぶしってところです(青年の姿は変わらない、特に構える様子もない。)
        私はマジシャン、魔術師の英霊。魔術の果てを求め、人の身をも捨てた冒険者。真名はお互い依頼書で知れてるでしょう? -- マジシャン 2010-04-14 (水) 22:48:50
      • …お前の全てを理解できそうもない。(その顔が狂気を孕んだ笑みに歪み)なら殺すだけだなァ!?
        智者は林檎が落ちれば世の理を知る!(大鎌を軽く廻すと刃の先が地面を抉り)
        だが愚者は自らに向かって林檎が落ちねば何も知ることはできない
        空に投げた林檎こそ、自分の真上から落ちてくると知っていながら放り出したカルマだ!
        我が名はセルマ・レイネス! 気付けぬ者の命を刈り取る魔人なり!!
        我を崇めよ!! 讃えよ……そして畏れよ!!!
        (魔人は名乗り、そして疾駆する)おおおおおおぉ!!(男の胴を狙い、大鎌を薙ぎ払う) -- セルマ 2010-04-14 (水) 23:03:55
      • 結構(ひとつうなずくと、疾駆するセルマに向けて肘を軽く曲げる。両の袖口を彼女に向ければそこからはそれぞれ1枚の符が飛び出してきた)
        雷技・雷閃刃(プラズマブレイド)(符はそれぞれ紫電を走らせる雷の刃となりマジシャンの手に装着される。交差させたそれで大鎌を防げば、その勢いに逆らわず宙を舞う)
        氷技・五月雨氷結弾(アイシクルメイレイン)(さらに空中で回し蹴りのような動作を放てば。術師服の裾から飛び出した符により、鋭い氷の槍が産み出されて時間差でセルマに襲い掛かった。その総計は8) -- マジシャン 2010-04-14 (水) 23:12:10
      • !!(こちらから見て突然符が現れたように見え)奇術師(マジシャン)…!
        (振り抜いた大鎌は雷の刃にその威を殺され、男は目の前で舞うような流麗さで中空へ)
        ふん!(左手を前に突き出すと全ての氷の槍は女に向かう途中でその存在を薄め、届く前に消滅し)
        無駄だッ!(対魔力により符により生み出された魔術を消滅させ)ッ シャァァァ!!(体を捩ると男へハイキックを放つ) -- セルマ 2010-04-14 (水) 23:32:12
      • やっぱり魔術じゃ分が悪い……かな?白技・防盾(シールド)(またも袖から飛び出した符は、今度はマジシャン自身の手に張り付き物理障壁となって相手のハイキックを掴み、止め、マジシャン自身はその間に着地する……足を掴んだまま)
        至近距離ならどうですか?光技・白熱矢(ブライヒートレイ)(それは極限まで圧縮され、物理的魔術的威力を秘めるに至った光の熱線である) -- マジシャン 2010-04-14 (水) 23:43:00
      • 英霊に魔術など!!(撓るように青年へ襲い掛かるハイキック、足を掴まれても構わず手に持ったままの漆黒の大鎌を振りかざし)
        ッ!?(咄嗟に大鎌と両腕で顔を庇う)ギッ、ああぁ!!(熱線は両腕を灼き、強引に足を掴む手を振り払うと大きく後ろへ跳び)
        貴、様ァ………(セルマの持つ対魔力の綻び、それは零距離(クロスレンジ)での魔術の発動)
        (焼け爛れた腕のまま力なく持っていた大鎌を虚空に消し、それでも不敵に笑う) -- セルマ 2010-04-15 (木) 21:01:22
      • …ふむ。どうやら勝機はこの間合いにありそうです(特に逆らわず間合いを取らせ、感慨もなさそうに頷く)
        風技・浮遊駆動(ホヴァービークル)(術師服のズボン裾から左右それぞれに飛び出した符は、同時に同じ術を発動させる……すなわち、運動性と機動力を大幅に引き上げ、短時間ならば空中機動さえ可能にするスピード強化の術)
        雷技・射雷針(ヴォルトニードル)(無効化されるのは承知の上、防御させて間合いを開けられるのを防ごうという術)
        (無数に射出される雷の針を追うように、空中を滑ってまさしく迅雷の速さをもってセルマに迫る) -- マジシャン 2010-04-16 (金) 00:03:13
      • ええい、次から次に……!(腕から伝わる痛みもそのままに両腕に魔力回路を走らせ)その余裕が最ッ高にイラつくぜぇえぇ!?
        (目に見えて速度の上がるマジシャンを前に心臓に魔力を集中させ)相手が手数で来るなら…私はこうする。
        (漆黒の魔力を一箇所に集中させ)来るか、道化!(左手を前に出すと雷針を対魔力で打ち消す)
        おおおおおおおぉおぉぉ……ッ!!(ドクン、と一際大きく鼓動が波打つ。律動の重なる先―――それは最古の英雄) -- セルマ 2010-04-16 (金) 23:18:59
      • 余裕というわけではないのですよねー…おにーさんこれが素なんです――っと!?(相手の気配が変わる、ここでの深追いは危険だ)
        炎技・炸轟弾(バーストイクスプロージョン)(セルマの眼前で急上昇。飛び越えながら頭上から着弾とともに炸裂する火球を連続して撃ち込み、反対側に着地と同時に同じ速度で距離をとる) -- マジシャン 2010-04-16 (金) 23:33:49
      • 【最古の英雄王】!!(女がその名を叫ぶと同時に放たれた火球に包まれ)
        (セルマに直撃してなお、連続して撃ち出される火球。その姿は爆炎に包まれて)
        くっくくくくく……(炎の中に揺らめく影)この程度で私を倒そうなど思い上がったものだ。
        (天上を焦がさんとする火柱から歩を進めるその瞳は煌々と赤に輝いていて)
        本来ならば()く黄泉路を渡らせるものだが―――(セルマの背後の空間が二つに分かれ)
        (蒼にたゆたうそこへ無造作に手を入れ、ハルバードを取り出す)
        (女の傷は浅くはない。あちこちに熱傷を負い、鷲の紋章も炭に似た焦げが見える)
        (しかし炎から優雅に歩くその姿、その気品はまさに――王の威厳を一切損なうものではなく。ハルバードを片手で持ち)
        今一度来い。この魔人に刃向かうことを一時の間赦そう。(高圧的な言葉、そして眼差しはマジシャンへ向けられて) -- セルマ 2010-04-16 (金) 23:55:07
      • 能力コピーですか。なかなか賞賛に値する子供だましです(特に身構える様子もやはりなく、笑顔すら変わらず――むしろ、嘲るように喉の奥で2,3度引きつるような笑いを漏らす)
        態度までおにーさんの猿真似みたいに余裕ぶっこいてないでいらっしゃいな。まねっこばかりの自称魔人が何処までお遊戯できるか、おにーさんが採点して差し上げます(くい、とばかりに小首をかしげ、手のひらを上にしてくいくい、と指で手招き)
        (つまるところ、どこの何をどう見ても、完全にバカにしているようにしか見えない) -- マジシャン 2010-04-17 (土) 00:17:44
      • (身動ぎ一つせず言葉の一切を聞くと)ふん。(片手で扱っているはずの重量武器、ハルバードを凄まじい速度で男へ投げつけ)
        無礼者が。(王の財宝(ゲートオブバビロン)から長刀を抜き)私が示してやった行動に乗らぬならば()く自害するのが礼であろう。
        (長刀をゆらりと構え、一足飛びにも斬りかかりそうなほどの殺気を見せ)
        道化遊びと手混ぜの癖が直らぬならば私が直々に処断してくれよう……
        (投げたハルバードの後を追うでもなく、ゆらりと相手へ向けて駆け) -- セルマ 2010-04-17 (土) 00:38:25
      • できるものならね、ふふっ(反対側にひゅい、と首をかしげると、頬を掠めてハルバードが飛んでいく。木にでも当たったか、樹木が2,3本倒れる音が重々しく響いた)
        (放たれる殺気も何処吹く風と微笑で受け流し、動くでもなく駆けるセルマを待ち受ける。その手にはいつの間にか指に挟んで符が幾枚も保持されている) -- マジシャン 2010-04-17 (土) 00:46:25
      • 道化が。奇術でいつまで遊んでいるつもりだ?
        (接敵、右足を強く踏み込むと長刀を逆袈裟に斬り上げ) -- セルマ 2010-04-17 (土) 03:45:41
      • マジシャンですから奇術は否定しませんが、道化と言われるのは心外ですねー…おにーさんマジシャンであってクラウンではありませんから(風で風船が飛ぶような、そんなふわりとしながらも早い動きで長刀の軌跡から逃れ)
        白技・魔弾(バレット)(手にした符を扇状に投射、符そのものが弾丸になってセルマを襲う)
        ときにセルマさん、戦闘の際に聖杯戦争と関係のない冒険者、または一般市民を巻き込んだ経験はありますか? -- マジシャン 2010-04-17 (土) 13:24:59
      • くくく、気付けぬなら鏡を見れば良い。これ以上ない道化が笑みを返してくれるだろう。
        (長刀を振り抜く勢いで手放すと両手に因果穿つ神槍龍の剛角(アルノイディアド・グレイシア)――龍の剛角の顕現である二本の短剣を取り)
        ふん、魔力が足りねば何百人でも殺して足すに決まっている。(大きく跳躍、全ての符を神速の斬撃で切り払い)
        戦争にも礼儀と覚悟が要る。
        (緋色の瞳が持つ王の威が青年を捉え、肉薄と同時に左から四、右から四の斬撃がその軌跡で網目を成すように襲い掛かり) -- セルマ 2010-04-17 (土) 18:29:11
      • なるほどねえ……なるほど。あれはアトリアさんの角か(今まで自分がいた位置に符を一枚ひらひらと残し、蹴飛ばされたように自分からも接近)
        (斬撃の軌跡に自らの両手を広げ、刃がその手に食い込んだ瞬間、袖口から飛び出す符)
        炎技・爆炎弾(ファイアーボール)(符は左右同時に拳大の火球と化し、短剣が触れた途端に小爆発を起こし、炎と熱と衝撃を撒き散らす 自分の手を諸共に短剣とセルマの手を吹っ飛ばそうというのだ) -- マジシャン 2010-04-17 (土) 18:40:18
      • 神槍龍ベルート・アグラを知っているようだな。(刃から放たれる神速、その先が肉を斬る寸前の刹那)
        (符から膨れ上がる火球を前に宝具である短剣を魔力構成単位に分解、青白い光へと転換する)
        (それは全ての英霊が持つ唯一共通の技、壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)
        (本来は魔力の圧縮、集積体である宝具をオーバーロードさせる、宝具を自爆させる技である)
        (だが投影を扱う者にとってそれは切り札ではなく手段の一つ――)
        (ごく小規模に分解した宝具の魔力反発により衝撃波を作り出し、爆風で身を焼く前に自らを後方に弾き飛ばした)
        光栄に思えよ、道化――(セルマの口元が歪む)かつて天と地を分かった一刀をその目に刻めることをな。
        (その両手に漆黒の魔力、その大半が集中していく。作り出された宝具には柄がある。鍔がある。刃渡りも長剣程度にある)
        (だがそれは決して剣と呼ぶべきか――三段階に連なる刃は螺旋状に捩れ、原初の暴虐をその威容で見せ付けている)
        エヌマ……エリシュ!!
        (青年との接近距離から後方へ弾かれ、その最中に剣を振った――)
        (ただそれだけのことに女が持つ魔力の大半が込められている)
        (英雄王の記憶から複製されたものとはいえ、原初の混沌を切り裂いた暴虐の一断、始原の極光が純粋な破壊の力としてマジシャンへ向かう) -- セルマ 2010-04-17 (土) 19:04:17
      • 古いお友達ですから。…古すぎて忘れられてるかもしれませんが(微笑を崩さぬままに言い返す。腕を振って二の腕から先が炭化した手を振り落とした)
        これは……私一人で防御するにはさすがにおっつかない…壱式、肆式、陸式、漆式、白技・防盾・激(シールド・エクストリーム)(さすがにマジシャンもその宝具の秘める力を悟る。声と共に裾からバラ撒いた4枚の符は、それぞれマジシャンと寸分違わぬ姿の式神へと変化した)
        (その4人の式たちに魔力の力場障壁を多重展開させ、押しとどめさせている間に本体は空中をすべり本体へ突撃する)
        (間に合うか否か、式神たちは早破壊力に耐え切れず、揃って突き出した腕の先から崩壊を始めていた) -- マジシャン 2010-04-17 (土) 19:24:52
      • (純化された破壊の螺旋は光の渦となって全てを無へと飲み込んでいく)
        (セルマが作り出した乖離剣エアは言えば贋作であり、実物から比べれば全てが物足りない)
        (だが。それでも。女が振るった天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)は蒼穹を切り裂いた。空に点在する雲は遥か彼方まで裂け目を見せている)
        (二人の戦いの場に木陰を作り出していた林は消滅し、地平までの景色の一切を眼前に広げている)
        ――何故だ。(切り取られた景色、投影は解除され、熱傷に傷んだ体と実体化も怪しいほどの魔力だけが残され)
        (されど天を割る一撃を放って尚、呆然と立つ女の目に映る、それは)何故だ!
        何故、貴様は斬れない? -- セルマ 2010-04-17 (土) 19:40:32
      • 私の式たちを盾にさせてもらって、私はあの剣の軌道上から逃れた。それだけの話ですよ
        …申し訳ないのですが、おにーさんそこでセルマさんの心に響くような含蓄あるお話とかできないのです(眉を下げて微笑にやや困った色を混ぜながら、1/3ほど短くなった腕で肩をすくめて見せる 刃の軌道上にいた4体の式神たちは、ことごとく塵も残さず消滅している)
        さて、おにーさんは符が切れてしまいましたしセルマさんも今のでだいぶ疲れたでしょう?そろそろこのあたりにしておきたいなーって思うんですが -- マジシャン 2010-04-17 (土) 19:59:52
      • 耐えた!? ただ耐えたというのかぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!(その手に矛盾の大鎌を作り出そうとし)
        そのッ 千切れた腕でぇぇぇ!!(しかし一向に魔力は集まらず、それどころか全身の熱が端から消え去っていく感覚すら覚え)
        う、あ………ッ!!(出来たことは、ただ男にあちこちが焦げた右腕を伸ばすことのみ) -- セルマ 2010-04-17 (土) 23:36:17
      • ……伍式(耐えたのじゃなくて避けたと言った方が正しいのですが、などという思いをこの期に及んで揺らがぬ微笑の裏に隠しながら、残った式神の一体を呼び出す)
        (やはりマジシャンと瓜二つの姿をしたその式神は、セルマの右腕を掴んで抱え上げ、マジシャンに並んで歩き出す 道端の荷物はまた同じ姿の式神が運んで後ろに従った)
        帰りますよ、セルマさん? -- マジシャン 2010-04-17 (土) 23:44:31
      • ………!!(その、能力を隠しているという素振り。そして自分を軽くあしらう態度を取ったこと)
        くッ!(腕を強引に振り払い、荷物をひったくり)
        貴様だけで帰れ。お前と並んで歩くなどこの状態で戦いを続けるより苦痛だ! -- セルマ 2010-04-17 (土) 23:54:32
      • ……(手ひどく断られて目に見えてしょんぼりした顔をするが、無理に同行させるようなことでもなく、そのまま伍式を符に戻して服の中へしまう)
        あ、そうだ。最初に戦ったのデクレアラーさんくらいって言いましたけど、そういえばレンジャーさんとも戦ったの忘れてました。ごめんなさいね
        一般人を躊躇なく巻き込むというのであれば、おにーさんのマスターと敵対する十分な理由になります。次はもっと沢山符をストックしておきますね。では(式と一緒に笑顔で目礼し、そのまま街道を街へと去っていった) -- マジシャン 2010-04-18 (日) 00:02:01
      • ふん……私の前に立つ人間全てが私の敵だぜェ……?
        それを止めるならまた力づくで来いよ色男。キヒッ……(その背に狂笑が響いて)キヒャハハハハハハハ!! -- セルマ 2010-04-18 (日) 00:14:56
  • ――黄金暦154年 1月 -- 2010-04-09 (金) 19:39:37
    • (――暗い)
      (――とても暗い)
      (ああ、これは知っている。……これは、死だ。一度経験した)
      (叩き潰しても叩き潰しても立ち上がってくる包帯仕掛けの化け物)
      (感じた恐怖に従って逃げ出したその先が行き止まりだった、ただそれだけの滑稽な話だ)

      頼む。死にたくない。死ねないんだ。オレは、まだ遣り残したことがたくさんあるんだ。
      誰でもいい。なんでもいい。頼む。オレを助けてくれ。

      (答えがあった。答えは、YESと言った。だからオレは)
      (弱いオレは、その手を握り返して――)

      (静かに瞳を開ける。ベッドの上、酷い頭痛の中、ぼんやりと天井を眺める)……寝て、いたのか。 -- クローベル 2010-04-09 (金) 19:44:22
      • 随分と寝坊したな、マスター。(リリス・マーレンの姿で蛙に変わり果てた王女の物語、その本のページを捲っていて)
        サーヴァント相手に派手にやりあったようだな……ランサーめ、やってくれる。(本をパタンと閉じ) -- セルマ 2010-04-09 (金) 19:57:35
      • (頭を振る。胸に頭痛を超える疼痛を覚え、押さえる。そこには十字の傷)
        (セルマに言われ、頭が明瞭になる。最初に湧き上がってきたのはとてつもない憤怒だった)……ラン、サァ……!
        (一瞬矛盾の黒い魔力が膨れ上がるが、すぐにそれを収めるように額を押さえ、目を閉じる)
        セルマ。今……何月だ。 -- クローベル 2010-04-09 (金) 20:01:23
      • キヒッ。(膨れ上がる魔力と負の思念を肌で感じ取り、思わず声を漏らす――魔人に匹敵する魔力、そして憎悪)
        一月だ。マスターが眠っていた間も小競り合いがあったから傷の治りは良いとは言えないかもなァ…?
        ―――興味本位で聞くことにしよう。(ベッドサイドに近付いてその目を覗き込み)お前は何者だ? -- セルマ 2010-04-09 (金) 20:07:42
      • (逆算し、自分が寝ていた期間を数える)……悪手、だったか(懐から狐面を取り出し、つけようとしてセルマの問いを聞く)
        (気がつけば、セルマの目が目の前にある。金色の濁った目がセルマを捉える)……それは。お前がオレのサーヴァントであり続けるために必要な好奇心の充足か? -- クローベル 2010-04-09 (金) 20:12:07
      • (翠の瞳が憎悪と矛盾に濁ったのか、凡そ人間のするものとは思えない眼を見る)
        いいや。(顔を離すと肩を揺らして笑い)お前はよくやっている。
        この魔人セルマ・レイネスに十全に魔力を供給しているということが全てだ。
        矛盾の魔王も。お前の過去も。私にとっては無関係だ。キヒヒ…
        (獰猛な笑みは胸の内を見せようともしない) -- セルマ 2010-04-09 (金) 20:21:58
      • (揺らされるままに揺らされ、感情も出さずに自分の左手を見る。黒く染まり、魔力に侵食される腕)
        そうか。お前は、魔人か。……ならば、こう、答えるべきか。
        (狐面を着け、起き上がる。滞留していた黒い魔力がそれに応じるように大きく波打つ)……オレの名は。――魔王クローベル。
        (獰猛な笑みに、狡猾な笑みを返し)魔人を統べるには、これくらいが適当だろう、なあ、魔人セルマ・レイネス。 -- クローベル 2010-04-09 (金) 20:26:22
      • くっくくくくくく…!(久しく忘れていた感覚が呼び起こされる)
        はははははははははははははははははっ!!(嘲弄のない笑い声、それは歓喜にも似て)
        いいだろうクローベル! 我がマスター! 魔人を統べし魔王!!
        その魔により私を従えて見せろ! 偽りであらばその心の臓腑を喰らおう!!
        (その姿が滲み、英霊としての姿に変わったセルマ・レイネスは漆黒の大鎌を持ち、その背の鷲は裾と共に翻り羽撃く)
        我が鷲、マアトの羽。その重さを忘れてくれるなよ……キヒヒヒヒヒヒヒヒヒヒッ!!
        (凍りつく月夜に、また狂笑は満ちていく――) -- セルマ 2010-04-09 (金) 20:53:58
  • …お嬢の言ってた奴の事も気になるとこだが…どうしたもんかね…(ぶつぶつ、と何か小言を呟きながら一軒家の前を一度通り過ぎ、慌てて戻ってくる)
    っとと…ここだったか。挨拶、なんつーのも久々だな(ドアをコツコツ、と叩き)誰かいるかー -- バーサーカー 2010-04-08 (木) 02:20:06
    • (ドアの向こうから聞こえる、ごく普通の女性の声)はい、リリスでーす。
      クローベルさんなら留守ですが、どなたでしょう。(ドアを開き、男と対面する) -- セルマ 2010-04-08 (木) 02:25:55
      • (ピク、とドア向こうから近づいてくる気配に違和感を感じる。普通の人間とは違う何か。サーヴァントに対するそれなのだが…男は、サーヴァントとの遭遇経験の少なさからか、気づかず軽く首を傾げるだけだった)
        …そのクローベルって奴は知らねえな、リリス…って事は来月の冒険に同行する…っていうのはあんたか。宜しく頼むぜ(ここ、と依頼書を見せるとその一角、ナックルという名前を指差して) -- バーサーカー 2010-04-08 (木) 02:32:51
      • (依頼書を見てにっこりと微笑み)そうですか……道中、気をつけてくださいね。(後ろ手に短剣を作り出し)
        ……黄泉路を渡る時は特になぁ!!(男が持っている依頼書を貫いて白刃を突き出し、心臓への一刺しを狙い) -- セルマ 2010-04-08 (木) 02:39:34
      • (目の前にいる女の微笑みとはまるで別物の気の歪み、それを感じ取り突き出された短剣を左腕で受け止める。突き刺した感触は単なる人の肉のそれではなく、柔らかくもあるが硬質的で、引き抜こうとしても凝縮させた筋肉がそれを許さない)
        …随分なご挨拶だなぁ?ここらを離れて随分と経ってたが、今はそんな挨拶が流行ってんのかい
        (動揺した様子もなく、涼しい顔でそう言い放つと小さく溜息を付き)…なるほどな、さっき感じたのが…この喧嘩の参加者に感じるっていう、それか -- バーサーカー 2010-04-08 (木) 02:47:41
      • !!(刺さった途端に微動だにしない短剣を手放し、素早く部屋の中に後退し)
        私だって流行り廃りが分かるほどこの時代に馴染んじゃいないさ。何せ私もお前も同じサーヴァントだろうしなァ?
        くっくくくくく………ひゃっひゃひゃっはっははははーっははっはっはっはっはっはっはッ!!!
        (狂笑と共に女の輪郭が黒に滲み、鷲の意匠の服に変化している)
        とんでもない鍛え方をしている。こりゃ切り刻み甲斐があるぜぇ、ナックルさんよォ? キヒヒヒヒッ!! -- セルマ 2010-04-08 (木) 02:56:09
      • 御名答、と。しかしまた破綻した奴が相手か…ま、こないだの奴程あからさまに滅茶苦茶でも無い、それに…今日はお嬢もいねえ…
        ったく、挨拶に来ただけのつもりが厄介な事になったもんだな…返すぜ(女の狂った笑い声を無視して呟くと、刺さった短剣を引きぬいて床に放り投げる。腕から流れる血は僅か)
        長々と付き合ってやるつもりはねえが…売られた喧嘩は買う主義だ、刻めるもんなら刻んでみりゃあいい…その前に、あんたの綺麗な顔がボコボコになってるかもしれねえがなぁ!
        (間合いは遠いが握られた右拳を女の顔面に向けて振り放つ。薄らと陽炎のようなものが揺らめき見えない気弾の拳が飛んでいく) -- ナックル 2010-04-08 (木) 03:09:50
      • 破綻しているのはお前のほうかもなァ? さぁ、マスターを連れて来いよ。お前の正気を証明させろ。キヒヒ…
        (出血量を確認し、その尋常ならざるタフネスを見て図り、舌打ちをし)
        何をッ!(あまりにも遠い間合いでの拳打、用心して顔を両手で庇うと見えない何かが重く衝撃を齎し)ぐ!?
        (姿勢を立て直すと破けた服の袖を見る)魔法じゃないのか…対魔力で消しきれないとは。
        ……んんんんあああイライラするぜェ…こんなに得体の知れない敵が…いや。
        (ナックル、という名前――それがもし真名であるなら。女の顔は喜色に染まり、服の袖を千切り捨てる)
        そうか……もしかしたら、お前は。 -- セルマ 2010-04-08 (木) 03:24:59
      • 寝言なら寝て言え、お前みたいな狂った奴に言われる程耄碌したつもりはねえよ(吐き捨てるように、露骨に機嫌を悪くしたようで眉間に皺を作り)
        ご生憎今日はお一人様だ、タイマンが嫌なら出直してきてやるぜ?そっちの気が済んでるならなぁ(首をコキコキ、と鳴らし眼前で拳を握って)
        こんな隠し芸なら出来るが魔法なんて大層なものは使えねえなぁ、まぁ俺にはそれで十分だがね(愉快そうな色を見せる女の顔に眉をぴくり、と動かし)
        どうした、殴られるのが好きな変態だったか?喜ばせてやるのは癪だがお望みなら幾らでも殴ってやるぜ -- ナックル 2010-04-08 (木) 03:37:08
      • お前みたいなタフな奴と一対一は疲れるもんでなぁ…どうしたものかと考えているのさ。
        キヒヒヒヒヒヒヒッ! 殴られる趣味はない……だが。フローライトお嬢様はどうかな?
        さぁさぁ御出でなさいな!(女が胸に手を当てると漆黒の魔力が鼓動の如き律動を持って周囲に広がり)
        ぐッ!(女が蹲ると鼓動のような音が収束し、顔を上げる)貴方…ナックルですの?
        (フローライト・エファンスが持っていた剣がその手に作り出され)ナックル、御願いがありますの。 私を……止め、て…
        (女の表情は苦悶に染まっていて)っ!(その体が大きく跳ね)
        キヒヒヒヒッ! フロゥの魂はこの私の中だ! どうだ、私ごと打ち滅ぼしてみろよ…ナックルさんよォ?
        キヒヒャハハハハハハハハハハハハハハハッ!!(女の構えは間違いなく、フロゥのものと同じ――) -- セルマ 2010-04-08 (木) 03:50:21
      • (とかく、距離を取られていてはやり辛いと構え、飛びかかろうとした瞬間聞こえた旧知の…今のマスターの、母親の名)
        …てめえがなんでその名を知っていやがる、惑わせようとしているなら無駄…だ…(女の動きにとっさに身構え、その挙動、空気の流れを凝視し何をしようとしているのか見定めようとする)
        (その姿は違えど忘れていないその声と、気配…驚愕に大きく目を見開いて)なんだ…と…?
        おい、フロゥ…お前…なのか…おい!?(返答を待つ前に、先程と同じ狂った女の意識へと戻ったようで、動揺を隠せないまま女の顔を睨みつける)
        狂っていやがるとは思ったが…ここまでの腐れ外道だったとはな…どうやったのかは知らねえが、知りたくもねえが…!!!
        (女の言葉が確かなら…今すぐにでも殴りつけたい激情を押さえ付け、歯噛みする)………ちぃっっ!!!
        (入ってきたドアを飛び出し、振り返りすら全速力で駆け出して、逃げて行く。)…こないだ言ってた願い…叶いそうにねぇぜお嬢…!!! -- ナックル 2010-04-08 (木) 04:08:06
      • (斜めを基本として剣を持ち、相手に対し正中線を見せない――それはアルベイン流剣術の基本的な構え)
        早く…。(その声は紛れもなくフロゥのものであり、苦しむ声音ははっきりと通り)私が貴方を傷つける前に!
        私はこの場所になどいません…。 ここにいるのは幻、構わずこの女ごと討ちなさい!!
        (再びビクンと体が跳ね)どうしたァ、ナックルよぉ……私を殴るんじゃなかったのか?(再びセルマの声)
        フローライトのお嬢様ごと殴れよ、気心の知れた女の悲鳴ってのも悪くないもんだろぉ? キヒャハハハハハハハハハハッ!!
        (飛び出していく男の背を黙って見送り、手の中から剣が消え去る)
        面白いオモチャが手に入ったな。(女の舌が艶やかな唇を舐めて)
        (セルマの万象顕現す箴言の律動(トライアンフ・カレイドスコープ)は魂を捉えるものではなく、その全ては模倣に過ぎない)
        (しかし記憶と声を写し取り、仕草を真似れば直情型のナックルを十分に弄べると踏んでのブラフ)
        (これからの大きな楽しみを見つけ、女は一際大きく笑った――) -- セルマ 2010-04-08 (木) 04:18:17
  • ――黄金暦153年 11月 -- 2010-04-07 (水) 23:29:21
    • (冬の冷たい風が吹き抜ける通りの向こうから、赤い髪の少女がやってくる。)
      (鼻を鳴らしているのは、身を切るような冷たさに難儀しているのか――あるいは、何かの臭いを嗅ぎつけようとしての事か。)
      …あのおねーさんの臭いは…えーと、この辺に残ってるんだけどなー。(きょろきょろと、周囲を見回して) -- ナタナエル 2010-04-07 (水) 23:34:01
      • (日用品の買い物を済ませて帰る途中の英霊、その姿は日常生活の偽装リリス・マーレン)
        (街角を歩く姿は華美な服飾が一切ないにも関わらず一目を引く何かを持っていて)
        (ナタナエルの姿を見ると目を丸くし)こんにちは。(視線で路地のほうへ誘導し)
        ああ、ここで話すのもなんですから… -- セルマ 2010-04-07 (水) 23:38:36
      • あ、おひさしぶりー。(声のした方へ向き直ると、いつか広場で見た女へにっと笑いかける)
        ん、そだねー。(ランサーからの情報を受けて、若干警戒した様子を見せながらも――路地へと足を勧めた) -- ナタナエル 2010-04-07 (水) 23:52:35
      • ええ、久しく会っていませんでしたからね。(にこやかに笑顔を返して)
        それで――(路地に入るなり振り返るその双眸は戦った時の凶悪な眼光を宿していて)何のようだ、女。
        ここで戦ろうって心算か?(喉を鳴らすように笑いながら木箱に腰掛ける。紙袋の中でオレンジが揺れて) -- セルマ 2010-04-07 (水) 23:58:12
      • (突き刺すような視線を真っ向から受け、のみならず、炯々とした瞳で見つめ返す――どうみても目は笑っている。)
        まさか、ほとんど情報もない相手と進んで戦おうなんて思わないよ〜。
        最近見かけなかったから…ちょっと気になっちゃってね、まさかやられたんじゃないかって。でも無事そうで何よりだよー。 -- ナタナエル 2010-04-08 (木) 00:06:41
      • ふん。私がそう簡単に負けるものかよ。(口の端に浮かぶは笑み)
        ほとんど情報もないのはお前が。(殺気をいなされて渋い顔をし)お前に戦う気がないからだろう。
        私と真正面から戦えば分かるさ。わかった時には情報料としてその首を貰い受けるがな…キヒッ。
        (その瞳に興味を持ったのか数拍置いて話を切り出し)お前が聖杯に求めるものは何だ? -- セルマ 2010-04-08 (木) 00:10:50
      • ふーん? …あたしこう見えても情報収集には一家言あるんだけどなー。
        (戦う気がない、という件を意図的に無視して――そも、聖杯戦争という盤上にいる以上、戦意がないわけではない…と暗に言いたいらしい――話を続ける)
        おお、急に核心ついてきたねー。…んー…でも、教えてあげない。こういうのは最後まで言わないのが淑女のたしなみだよ?(茶化すように笑ってみせて)
        むしろ、おねーさんこそ何を願うのさー。あたしはそっちのが気になるよ。 -- ナタナエル 2010-04-08 (木) 00:27:37
      • くっくくくくく、情報を過信する者は切り札(ジョーカー)に足をすくわれるものさ。
        (剣呑な空気は相変わらずだがお互い構えることなく淡々と話は続き)
        ハッ、随分とお転婆な淑女サマだなァ? 私は―――人間が嫌いなのさ。
        だからって人間の絶滅を願うわけじゃないから安心しろ。人が作り出した聖杯にそこまでの力も望めねぇしな…キヒヒ。
        (その口元が喜悦に歪み)お前。傘を持っていないのに、出かけた先で雨が降り出したらどう思う? -- セルマ 2010-04-08 (木) 00:36:27
      • イレギュラーに対応するためにはまず足場固めから。基本が疎かになってたら危ないと思うよー。(到ってマイペースに反論して、また朗らかに笑う)
        (相手の核心に触れられる好機と見て、些か過激な流れにあえて突っかかりもせず聞く)
        そうだなー。あたしだったら、ついてないなー…って思うかも。そして即雨宿り。 -- ナタナエル 2010-04-08 (木) 00:49:31
      • それは英霊のやることではない。私はお前は英霊か反英霊かどうかも知らない。
        だが――戦えば確実に負けはない。(口の端が持ち上がり、その笑顔は町娘の姿とは不釣合いなほどに邪悪なものへと変わる)
        そうだ。ちょっとした不幸、アクシデント。ま、楽しめる人であれば眉一つ動かしもしないだろうなァ。
        だが小さなアクシデントが重なったらどうする? 冒険者が思いも寄らない場所の罠を作動させてしまう。
        馬車が遅れて大切な人の死に目に会えない。ちょっとしたすれ違いから親しい共と疎遠になる……
        ククク、聖杯の力なら全ての人間にちょっとした不幸をプレゼントできるとは思わないか?
        少しだけ。僅かな。些細な――だがそれは人間の未来を少しずつ閉塞させていく!!
        私がやろうとしていることは人類の行く先に小石を転がすだけさァ。それだけで多くの人間が不幸になる。
        それなりに楽しんだら……おっと。(矛盾の魔王の名を出しそうになって止まり)話しすぎたか。
        ここまで話したんだ。名前くらい教えろよ。(買い物袋の中からリンゴを取り出し、齧る)
        お前は面白い。お前は存在そのものが――そうだな、生きるモノへの驚異となる。
        勘だが、そんな気がしたぜぇ? キヒヒヒヒヒヒヒッ! -- セルマ 2010-04-08 (木) 01:03:52
      • (言葉の端端に覗かせた狂気の一片に、思わずゾクリとした。…なるほど、あのランサーに警戒しろと言わしめる程の事はある、と心の中で頷き――)
        少しずつ、人の未来を縺れさせて…世界をどんづまりにまで持ってこうってことかな。(セルマの言から滲み出す悪意を拾い上げて、概要を理解する)
        最終的には身内で自滅してもらおうっていうオチだったら、おねーさんはよっぽど人に絶望してると見えるよ。うん。
        (そう言って笑うと、願いを教えてくれた礼といわんばかりに自らの名を名乗る――勿論、偽名だ) あたしはナタリア。セイバーのナタリアだよ。 -- ナタナエル 2010-04-08 (木) 01:28:50
      • たった一発の銃弾で戦争が起こる。流れ矢が歴史を変える。どれほどの悲劇が起こるか想像してみろ?
        何もかもこれで良しとするわけじゃない。存分に楽しんだら私自身の手で人間を皆殺しにしてやる……聖杯戦争が終わっても座になど戻るものかッ!
        くっくくくくくくくく……(人通りに近くなければ高笑いの一つもしたであろう、そのエメラルドの瞳は憎悪と狂気に染まりきっていて)
        絶望じゃあない。(心底不快そうに顔を歪め)失望だ。
        ライダーのセルマ・レイネスだ。(再びリンゴを齧る。真紅の果実が白い果肉を覗かせ)
        私は真名を隠さない。私の殺戮の伝説をせいぜい必死になって調べろ……それが私の力を高める。
        (リンゴを空に放ると落ちてくる前に朽ち始め、地面に落ちると土と見分けがつかなくなる)
        それでは。(淑やかに笑い)ごきげんよう、ナタリアさん。(その隣を素通りして街に戻ろうと歩き出し) -- セルマ 2010-04-08 (木) 01:46:33
      • (その言葉、その表情――全てに狂気を孕ませたセルマの姿は、怨嗟とはさかしまに、『人』への強い執着を感じさせた。最も、その事はけして億尾にも出さず)
        セルマねー、残念だけどあたし人の過去とか興味ないから調べたりはしないよ。うん。
        (また、子どもっぽい笑顔を浮かべた。それはけして相手に流されぬ、強い心の現われで――)
        うん、それじゃまたねー。(まるで、明日も会う友人へのそれと見紛うような、明るい挨拶で彼女の背中を見送ったのだった) -- ナタナエル 2010-04-08 (木) 02:05:34
  • ――黄金暦153年 10月 -- 2010-04-07 (水) 03:32:14
    • (深夜の街外れ。路地裏の一角)
      (ただ今日も情報収集のためにぶらぶら出歩いていただけだが、わかる)
      (……その闇に潜む男の存在が、わかる)
      ……いるのだろう? それだけ堂々と魔力を駄々漏らしているのだ。よもやそのまま隠れているつもりはあるまい? -- ランサー 2010-04-07 (水) 03:34:12
      • (闇の中、静かに男が立ち上がる)……生憎、漏らしているつもりもなくてね。
        溢れ出るこれを、どう処理しようか迷っていたところだ。
        (懐から狐面を出し、着ける)以前、セルマが世話になったな。その節で、礼がしたい。オレ個人の礼も含めてな。
        (スレッジハンマーを取り出し、黒い闇がそのハンマーを覆う)……殺すなどと自惚れたことは言わない。これはただの嫌がらせだ(闇の中暗く笑う) -- クローベル 2010-04-07 (水) 03:39:15
      • それは難儀なことだな、溢れるほどの矛盾の魔力ともなれば聖杯関係者以外からも引く手数多だろう?(闇に浮かぶ狐面に向き直り、紅瞳を細める)
        礼をされるほどのことはしたつもりはないが……くれるというなら貰っておくのが私の主義だ。だが……気をつけたまえよ?
        私は遠慮がないからな……油断すれば……懐を丸ごと持っていくぞ!
        (会話を区切り、即座に実体化させたハルバードをクローベルへと投擲する) -- ランサー 2010-04-07 (水) 03:44:22
      • ああ、お蔭様でな。――ありがとう、この力に気づかせてくれて。最高の気分だよ(両手からあふれ出す負の魔力が徐々に身体全体を覆っていく)
        (――まるで雷光がごとく真っ直ぐ飛来するハルバード。――モード《K》サヴァン。それを予測していたかのように一歩のステップでいなす。懐を掠めたハルバードの穂先が、脇の肉を抉っていった)
        まだ、完全ではないが、少しだけ先も視得(みえ)るようになってきた。
        (右手を覆う闇が、やがて大戦斧の形を成す)矛盾が力、とくと味わえ(まるで重さがないかのような勢いで担ぎ上げられ、鋭い前跳躍と共に縦に割るような上からの斧撃を放つ) -- クローベル 2010-04-07 (水) 03:56:23
      • 予測行動……未来視か……(不意に一人の教え子の顔が脳裏を掠める……関係ない、今はそれは関係ない!)
        ちっ……だが、予測に身体はついていかないようだな……!(先ほど投げたハルバードの実体化を解き、即座に手元に再実体化させ、相手の攻撃に合わせて横薙ぎに振るう)
        (槍の間合いなら問題ないはず……!) -- ランサー 2010-04-07 (水) 04:03:05
      • (再び顕現したハルバードに舌打ちをする)――成る程、ランサーとは、よく言ったものだ……!
        (唾ぜりをする相手ではない。即座に斧を消し、空中で一度跳ねる。――モード《N》スカイウォーク。ギリギリまでひきつけたせいで、ハルバードの一撃はかなり深く胸を斬りつけていく)
        (斬られた衝撃で上下逆さまになりながらも、空中で飛び跳ねた勢いでランサーの頭上から右手を伸ばす)
        ――食らえ(まるで氷雨のような黒い魔力の粒が、鋭利な刃となってランサーの頭上から降り注ぐ) -- クローベル 2010-04-07 (水) 04:10:28
      • (飛んだ……! いや、焦るな、相手は胸元に深手を負っている。結果的にまだこちらが有利だ)
        (ギリギリまで引き寄せられたせいで互いの距離はそれほど開いてはいない……危険な位置取り)
        (だが、ハルバードは実体化を解ける。一度それを解いて重さを消し、再び対空に突き返せば……)
        (しかし、直後に目前に写るのは空中で手を伸ばすクローベルの姿……そして、降り注ぐ黒い魔力の散弾)
        ちぃいい!(完全な不意打ち。理解の外の攻撃を受けきることはできない)
        やってくれるな……!(身体を魔力の散弾に晒されつつもハルバードの実体化を解き、手元で再実体化させて空中のクローベルへと突きを見舞う!) -- ランサー 2010-04-07 (水) 04:17:27
      • ……ッ!(返してきた……! 覆うことも、守ることもなしに、攻撃だけを返してきただと……!)
        (空中で体勢は入れ替えられない。空中に着地しようにも、上下が逆になっているために能力が使えない)
        (判断は早かった。左手で、思い切り穂先を殴る)――づ、ぇあ!(肉どころか骨まで裂かれる音が体内から響く。わずかにぶれた穂先は心臓を貫かず、浅く身体を舐めて中空を貫いたに留まる)
        (砂埃をあげて地面に着地する。狐面がズレ、夜闇に金色の目が光る)……ふ、はは。ははは(左手、そして胸の裂傷から、漆黒の血液が溢れている。――だが、それ以上に)
        愉しい、か。忘れていたよ、こんな感情(胸から血を掬い、それすら闇へと変えながら言う。周囲の闇を巻き込むように魔力がうねりを上げている) -- クローベル 2010-04-07 (水) 04:25:47
      • (対魔力のないランサーにとって、その散弾の嵐は尋常ならざるダメージを身体に与える)
        (しかし、それでもいい。たとえ重症をおったとしても……)
        (見返りに敵を打倒できるならそれでいい!)
        愉しい、か……私の息子も終は大層これが好きだったらしいが……私にはついぞ理解できんよ(今度は実体化を消さず、)
        戦いは目的ではない。手段だ……生きるためのな!(そのまま振り下ろして追撃する!)
        (呪文の詠唱など、させんよ……!) -- ランサー 2010-04-07 (水) 04:40:38
      • (既に死んだ身体に出血は致死の理由にならない。ただ、漏れ出した魔力がそのまま生命力の欠落となって体から力を奪っていく)
        死なないが、死なないだけか……!(見誤っていた自分の身体の性質に、小さく歯噛みする。すでに指先は小刻みに震えている)
        手段か……良く言う。では貴様にとっての目的とは何だ? その目的は、誰を殺しても、誰を利用しても成しえたい物か……!?
        生きることが目的であるなら、そのために他者を蹂躙し、聖杯に己が欲望を満たすことが本懐か……!? お前のマスターも、同盟関係を結ぶ誰をも利用してッ!(詠唱する間もない。先読みを繰り返し、攻撃を捌くことで精一杯になる。いなし、かわし、弾く。呼吸をする間すらない) -- クローベル 2010-04-07 (水) 04:49:26
      • ああ、成し得るだけの価値があるさ……成し得たいと思えるだけの価値があると胸を張っていえるよ(間を置かずに薙ぎ、突き、打つ。その全てを紙一重で避け、いなすクローベルに内心で若干の畏敬を抱くが……それを感じる間すら縮めて追撃する)
        一人の女の笑顔を見たい……そして、その先にある未来を私は見たい! 私はまだ何一つなし得ちゃいない、何一つ約束を果たしちゃいない!(徐々にスピードを吊り上げ、相手の読みを変則的に乱していこうとする)
        惚れた女との約束が果たせる機会が其処に転がっているのだ……どうして躊躇う必要がある? どうして怖気づく必要がある?(アトランダムな攻撃の波は絶え間なクローベルに襲い掛かり、最後の一拍)
        生きるとは常に前を見て進むこと……かつて諦めた理想を……野望を成しえるだけの時間と力が今の私にはある! ……それを成しえる為なら私はどんな手段も厭わない! それだけのことよ!
        (直前で実体化を解き、再び再実体化。タイミングを大きく一拍ズラし……勢い良く、上段から下段へと斜めに払いきる! 草伏せだ)  -- ランサー 2010-04-07 (水) 05:07:02
      • (痛覚すら遮断できるというのに、ピキン、と、脳を痛みが襲う。一人の女の笑顔。そして、その先にある未来)
        (しかし、意識を途切れさせれば目の前の凶刃を捌くことができなくなる。口の端で笑い飛ばす)一度死んでおきながら、随分と強欲だな……!
        (言葉の全てが胸を抉っていく。不可視の痛みに喘ぐ。徐々に攻撃に熟練の騙しが混ざれば、付け焼刃の対術では追いつかず、裂傷が増える)……黙れ。
        お前は……(目が、一瞬だけ輝きを取り戻す)てめえは、つええからそう言えるんだッ!! 前だけ向けるやつばかりじゃねえんだよッ!!  
        オレは、テメエだけは許せねえ。 利己を奇麗事で飾れば、輝かしい理想になると思うなッ!! テメエは、オレと――(同じなんだよ。言おうとした瞬間、防ごうと手を掲げたその手を、まるで擦り抜けるように草伏せが斜めに胸を撫で斬る)
        (バタバタッ、と――赤い血が、地面に落ちる。膝をつき、顔から地面に倒れこんだ。身体が、死ぬ。死のうとしている)
        (ここで、終わりか。――そう覚悟した瞬間、身体の中を……闇が支配した)――コロシテ、ヤル(既に、その声はクローベルのものではない)
        (倒れた体勢のまま、ランサーの足首を掴む。そこから、直接流し込まれる矛盾の魔王の魔力。心を蝕む、黒い魔力――) -- クローベル 2010-04-07 (水) 05:20:29
      • (一瞬輝きを取り戻した目に……その目の中にある過去の闇を、其処に見る)
        (そして、深淵の其処に潜む殺意の宣言を耳にした瞬間)
        くそ、まだ息が……ぐ、うおおおおぉおおおお……!?
        (流れ込んでくる、矛盾の魔王の魔力……人の心を闇に染める、ドス黒い負の感情のうねりそのもの)
        (それが身体を……心の中にある記憶を真っ黒に塗りつぶしていく)
        「壁に背を預けているうちは所詮そこまでの男よ」「裏切ったわけではないか……確かにお前はそういう男だったな」「本当にそこまでする必要があるのか!?」「怖いよ、*****、私は*****ほど心を押し殺したりなんて出来ないよ!」「」「鉄鋼伯。お前に似合いの名だな。それに見合う働きを期待する」「見ろ*****、我らの夢見た伝説だ。それが今此処にある」「平民出の薄汚い凡民」「良いんですよ隊長、行って下さい。アンタを生かすために死ぬのが俺の仕事なんだ」「いやだ、死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない……!」

        「これが最期の我侭だ。無理にでも聞いてもらうぞ? 私が愛した野望の詠手よ」

        や、やめ……やめろぉおおおお!!!
        いやだ、いやだあああ! やめてくれ、やめてくれぇええ……!
        違う、私はそんな結末望んでいない、そんな最期は望んでいない! 私は、私はぁあああああ!
        (頭を抱え、焦点の合わない目で喚く) -- ランサー 2010-04-07 (水) 05:48:14
      • (魔力を注ぎ込み続けながら、立ち上がる。叫び続けるランサーを前に、狐面が黒く染まっていく。やがて全てを塗りつぶすように黒くなった面が、形を変え――髑髏の面へと形を変える)
        くくく、闇に呑まれろ……人が元来より持つ邪悪な感情……ただそれを浮き彫りにするだけでここまで脆いものか……
        (立ち上がり、ランサーを見下ろす。胸部からの出血は依然止まらないが意にも介さず、声だけが虚空から響く)
        その身を安寧なる闇の中に堕とすがいい……かつての、貴様の……『  』のようにな……
        (闇から聞こえる声。全ては聞こえなかったが、心に突き刺さるような――冷たい声がランサーを貫く) -- クローベル 2010-04-07 (水) 06:00:35
      • (脳裏に直接囁いて来るようなその声……それは深淵の底に潜む、人心の闇そのもの……内側から響くそれは次第に自分の声と重なって囁き掛けてくる)
        (少しずつ、今まで歩んできた生の、人生の負の部分が重圧となって自分に襲い掛かってくる)
        (闇は甘美に、そして優しく、包み込むように心を深淵に誘おうとする……それは抗いがたいほどの快楽。それに身を任せてしまえば、どれだけ楽になるだろう……)
        ……私は……だ(細かく肩を震わせ、ゆっくりと立ち上がって口を開く)
        (見開かれた深紅の瞳には暗い焔が灯る。その奥にある光はどこまでも暗く、どこまでも深い……)
        私は……(だが……その瞳の光には)
        人間だ!(一切の狂気も、絶望も孕まれてはいない!)
        所詮はこの世をさまよう亡霊の身になれど……私の心は人のままだ。人の心は弱い。簡単に挫け、簡単に砕け……簡単に、染まる……だがな、クローベルよ……矛盾の魔王ではない、魔術師クローベルよ! 聞くがいい!(ハルバードの現界が解かれる、ゆっくりと、深紅の光をまとって徐々に『昇華』していく)
        闇は本来人の心の中にあるもの! 人の心は闇に染まって尚、暗い感情に囚われて尚……そこに己の信念がある限り……!(そして、光が収束し、深紅の魔力が辺りを蹂躙したその刹那……)
        人の心は力強く、闇と共に歩めるのだ!(その手に握られているのは、一振り、そう一振りの……!)

        『一振りの鉄の剣』(アイゼン)

        私が強いといったな、クローベル……強いと思うなら教えてやる、特別に講義してやるぞ若造
        私は強くなどない。貴様とも、息子とも同じだ……だが、私は弱くても貴様らとは違う。貴様らのような甘ったれた若造とは違う
        弱いからこそ努力する! 弱いからこそ考える! 弱いからこそ……前のめりに進む!
        ハナから諦めて綺麗事の一つも満足にこなせないガキには……私はきつい灸をすえてくれる……! -- ランサー 2010-04-07 (水) 06:28:23
      • (髑髏の面が、哂う。再び闇が面を覆うと、数瞬もないまま元の狐面へと戻る。狐面の裏で、髑髏の面がそうしたように、男は哂っていた)
        ……魔王を殺せるのは、英雄だけだ。人間であるなら、尚更、オレは貴様にだけは負けるわけにはいかない(すでに自分の物と化している矛盾の瘴気を纏いながら、人間に向かって魔王が言う)
        抜かせ……! 人は闇と共に歩むことはできない……! そして、人である限り守れないものがあるなら――
        オレは喜んで闇だろうが魔王だろうがなってやるッ!!(モード《M》――矛盾の魔王の力。右手には大斧。左手には刀。かつて、フランツ=リトアード、ヤマト=エリオルネッドが使用した、矛盾の力)

        矛盾の双牙(パラドクス・エリオルネッド)

        何を出すかと思えば、ただの鉄剣か……!!がっかりしたぞ、ランサー!!いや、すでに貴様はランサーですらない……!
        (膨れ上がる矛盾の瘴気と共に、両手の得物を振りかぶり、跳躍する)――説教は、あの世で繰り返せ、永劫にな!!(周囲の景色すら分断する黒き一撃が奔る) -- クローベル 2010-04-07 (水) 06:43:11
      • そうだ、ただの鉄の剣だ……一振りの鉄の剣……私の歩んだ人生そのもの(手馴れた仕草でその剣を握りしめ、構えるは真水平の脇構え)
        なるほど……確かに魔王の力は強大だ。人の身の限界を容易に乗り越え、超越者として魔性を意のままに繰る……悔しいが大した力だ(迫り繰る漆黒の一撃を見据え、疾駆……!)
        ……では、採点しよう
        リテイク!
        (刹那の間をさらに縮めて、神速の逆袈裟がクローベルへと放たれる) -- ランサー 2010-04-07 (水) 07:02:41
      • (漆黒が分断される。それは、造作もなく、ただの一振りの鉄剣によって、二つの武器が纏めて薙ぎ払われる)――。
        (叫びすらあげられない。宝具の力に圧倒されたわけでもない。自分の生み出した得物を断たれたショックでもない)
        (ただ純粋に――その感覚が――何かを自分に与えてくれる感覚が懐かしくて。一瞬、思考が停止をする)
        ――は。(空気の漏れるような音がした。奇しくも、袈裟に斬られた断ちと九十度で交差し……×の字(ふごうかく)をその胸に刻まれ、後方へと飛ばされる)
        (見える、見えないの話ではなく、気づいたときには既に斬られていた、そんな感覚)

        (――と。ランサーの目の前で、闇が膨れ上がる。まるでクローベルの身体を包み込むように広がった闇は、その身体を覆う)
        (空中に撒き散らした赤い血液もそのままに、クローベルの身体だけが闇に溶けるように霧散する。何かの力によって、逃がされた――そんな最後だった) -- クローベル 2010-04-07 (水) 07:09:42
      • (狐面の男の消えた闇の向こうを見据え、静かに目を閉じ、鉄の剣の実体化を解く)
        ……覚えておけ、クローベル
        ……お前は人間だ。私と同じ人間だ
        魔王にはなれない、なる必要もない
        魔王は、なりたくてなるものではないのだ。魔王は……
        ……誰かが、作り上げてしまうものだ……
        (その呟きも夜の闇に消える)
        (小さく肩を竦め、男も実体化を解いて消えた) -- ランサー 2010-04-07 (水) 07:23:11
  • ――黄金暦153年 9月 -- 2010-04-05 (月) 21:41:15
    • (月明かりのみの夜道。狐面の男が、墓地への道を歩いている)
      (視界が悪いため、時折周囲に気を配りながら、静かに歩を進める)
      ……月明かりだけを頼りにするには、あまりに暗い夜だな(着流しの胸元に片手を入れ、誰にともなく呟く) -- クローベル 2010-04-05 (月) 21:45:58
      • 男を追う影が一つ。
        (やがて影は、男の後ろに立ち、静かに構える)
        だが、死に逝くのなら、いい夜だ・・・。(振り向けばそこに、異形の戦士が立っている)
        ・・シャァッ!(構えから一閃。狙うは首元。) -- アサシン 2010-04-05 (月) 21:50:38
      • (殆ど距離のないはずの二人の間で実体化、闇夜の一撃を鎌の柄で受け止め)
        おいおい、いくら暗くても夜討ちにはまだ早いんじゃないかぁ? キヒヒヒヒヒッ!
        死ぬのに良い日なんていうのはな、戦いの中で生き残ることを諦めた奴が決めた勝手な記念日なんだ……よぉッ!!
        (武器ごと体当たりするように一気呵成に闇夜の暗殺者を押し返そうと) -- ???? 2010-04-05 (月) 21:55:26
      • (振り向いたその顔で金色の目が闇夜に光り、アサシンを睨めつける)……生憎、死に逝くのにいい夜ではあるが、死ぬ道理がない。
        直前まで悟られない気配の消し方は賞賛できるが、溢れ出る殺意が濃すぎたな。
        (周囲を漏れ出した黒い魔力が飛び交う)セルマ。後は任せるぞ。……どうやら、奇襲タイプのサーヴァントのようだ。 -- クローベル 2010-04-05 (月) 22:06:55
      • チィッ!(舌打ち一つ、刈り取れた命を刈れなかったからか。)
        ・・・。(目の前でしゃべる女には目もくれず、マスターを睨み付け)
        飼い犬の世話がなっていないな。これだったらチワワのほうがマシだ。(押し返そうとする女を軽くいなし、距離をとる)
        まぁ、そんなことはどうでもいい・・・。どの道、お前たちが死ぬことは変わりない。(静かな声で、呟く様に吐き捨て、刀を構える) -- アサシン 2010-04-05 (月) 22:11:53
      • (アサシンの背後から、少女の声が響く)
        あら、一人だと思ったらサーヴァントもいたの?困ったわね。これじゃ素直に殺せないわ
        でもまぁいいか。アサシン、そいつと少し遊んでやりなさい(無邪気に冷たく、少女は命じた) -- イシュ? 2010-04-05 (月) 22:17:01
      • くっくくくくくくくくくくく! ああ、駄目駄目。全く駄目だぜぇ。暗殺は失敗に終わってしまいましたってなぁ!
        っと!(その場で前につんのめるように姿勢を崩されながらも漆黒の大鎌で足元を狙って振り、暗殺者をクロスレンジから追い払い)
        遊ぶ?(黄金の髪を持つ少女を睨み)強がるなら相手を選べ凡愚。喋るな、凡愚。大人しくしていろ、凡愚。身の程を知れ、凡愚がッ!!
        相手のマスターまで来ているというのはちっと手強いかもなァ……マスター!
        (大鎌の重量など意にも介さず、雨の日に空を見上げるかのように両手を広げ)
        私の宝具を使う!!(女の宣言と共にその手の中から漆黒の大鎌が消失し) -- セルマ 2010-04-05 (月) 22:29:31
      • (狐面をズラし、イシュを見る)……ほう。成る程。戦争をしに来たわけか。歓迎しよう。
        (あふれ出す魔力を全てセルマに集中させる)湯水のように使え。マスターまで顔を出している理由は二つしか考えられない。どうしようもない凡愚か、もしくはそれでも勝つ自身があるか、だ。
        (指を鳴らすと一層セルマに送られる負の魔力が濃くなり)――存分に暴れろ、セルマ。 -- クローベル 2010-04-05 (月) 22:33:42
      • イシュ、下がっていろ・・・。すぐにケリはつく(言うと同時に四肢に力を込め)
        ・・・はぁっ!(先ほどよりも早い一撃!宝具を使おうとするのなら、その前に仕留めればいい。)
        (ヒュンッ、と軽やかな音と共に、死の三日月はセルマの首に迫る!) -- アサシン 2010-04-05 (月) 22:37:19
      • 身の程?知るのは貴方達よ、ここで散って、ね
        (後ろに下がりつつ、クローベルから流れ出る黒の魔力を感じ)…その魔力…なぁんだ。飼い主と犬かと思ったら魔王の犬とその更に犬じゃないの
        (言葉に篭るのは、呆れの感情) -- イシュ? 2010-04-05 (月) 22:43:14
      • その命令、聞いてやるぜぇ!!(マスターから黒の力が流れ込み、鼓動に似た感覚で周囲に魔力の波が広がり)
        (暗殺者の刃が首に届こうとした瞬間、簡素で無骨な作りの長剣が女の手に現れ、刃と刃が噛み合う)
        キヒッ!(月夜に火花が散ると同時に手首を捻ることで刃を返して攻撃を捌き)
        (反動、両手を使った柄の返し、災厄騎士の剣技が唸り素早く相手の腕を狙って切り返す)
        くっくくくくく……ひっひひひひひひひひひひひゃっひゃひゃっはっははははーっははっはっはっはっはっはっはッ!!!
        【災厄騎士】!! 魔王の威を借るただの狐だと思ったかお嬢ちゃんよォ?
        災厄騎士アールヴァン・ハーケルの伝説を確りと見ろ! 40万の冒険者、その全ての英霊を前に平伏すがいい!!
        キヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!(月夜に英霊の狂笑は満ちて) -- セルマ 2010-04-05 (月) 22:58:59
      • ほう。……面白い、知っているのか、この魔力を。確か、イシュと言ったな。
        (ゆっくりと闇の中に身を沈ませる。――わずかな間の後、イシュの眼前に姿を現す)……少し、話をしようじゃないか。
        (いきなり、少女の喉元に手を伸ばし道の脇へと連れ込もうとする――) -- クローベル 2010-04-05 (月) 23:06:48
      • ・・・!(変貌した相手に多少驚くも、すぐに冷静さを取り戻し)
        ふん、姿も借り物なら技も借り物。所詮は偽者・・・!(腕を狙う刀を切り払い、さらに続ける。)
        伝説?そんなものはどうでもいい。兵士にあるのは戦いに勝利する。それだけだ。哀れな女。貴様はただのケモノだ・・・!(そこまで言い切って構えたとたん、イシュに手を伸ばす狐面の男に気づき)
        イシュッ・・・!(一瞬だけ、注意がそれた) -- アサシン 2010-04-05 (月) 23:12:06
      • この街では有名な御伽噺。だけどわたし達はそうじゃない事を知っている――でしょう、クローベル?
        (喉元に伸びた手は掴み返し、しかし相手の動きに合わせ脇へと移動する) -- イシュ? 2010-04-05 (月) 23:22:36
      • いいや、本物さ。(注意が逸れた一瞬を見逃さず)キヒッ…
        (目の前の敵を確実に殺す、その気迫は二の太刀を考えない殺意と妄念を乗せた剣を八双の構えから繰り出す)
        余所見とはなァ!!(死に体になりながらも振り抜いた長剣は、アールヴァンが編み出した秘剣『不動剣』) -- セルマ 2010-04-05 (月) 23:32:04
      • (掴もうとした手は容易に掴み返される)誘いに乗ってくれると思ったよ、イシュ。……(狐面を外し、懐に仕舞う。背後の戦闘に目もくれず、まっすぐに金色の瞳でイシュを見つめる)
        ……わたし、達、だと(疑問に、周囲に漂っていた矛盾の魔力が霧散する)
        お前は――あの魔王の何だ。(その問いかけは、戦争の相手に問うものではなく、答えに窮した生徒が回答を求めるかのように細く、弱い) -- クローベル 2010-04-05 (月) 23:39:57
      • ・・・ッチィ!(一瞬の油断、それが命取りになることは知っていた。)
        (間に合うか・・・!?と思考する前に、刀の背に腕を当て、ガードを固める。が―――)
        ザシュウ!(僅かに間に合わず、肩口から胸元に至るまで薙ぎ払われる。)
        げふゅっ・・・・!はぁ・・・・!はぁ・・・!(身に覆っていた鎧は砕け散り、大量の流血と共に、膝をつく) -- アサシン 2010-04-05 (月) 23:56:35
      • (冷え切った手に掴まれた事に眉を顰めたが、次いで発せられた相手の問いに困惑の表情を浮かべる)
        (「あの魔王の、何…?いや、わたし達って言ったのは単に知識として知ってるってくくりだけど、コイツはそれだけじゃない何かがある…?」)
        (「何にしても、様子も変だし。いい所かしら?」…そう思考した少女は問いに答えず、相手の向こう――自身の使い魔に、負傷を無視して命令する)
        アサシン、コイツを切りなさい!(同時に身構える。クローベルが反応して何かしたとしても、アサシンが切り捨てる方が速いと信じる――!) -- イシュ? 2010-04-06 (火) 00:03:27
      • (長剣を構えなおして振り返り)キヒヒッ! 真贋も分からない奴は五分刻みで解体してやりましょうねぇ!!
        (その目に凶気の光を灯して女が再び剣を振り上げ) -- セルマ 2010-04-06 (火) 00:18:06
      • ・・・ククク・・・!いいぞ!中々面白いぞ女!これだ・・・これこそ生きる実感・・・!(なおも倒れない暗殺者。スキル:不屈の賜物か。または既に戦いに狂ってるモノの麻痺なのか。振り上げられる長剣も意に介さず)
        ・・・!(そして主の声が届く、と同時に。死に体の体が動く。)
        ・・・っ!!(イシュと狐面の男に降り立つ暗殺者。と同時に袈裟切りに男を斬る!その剣速はもはや・・・疾風!) -- アサシン 2010-04-06 (火) 00:20:37
      • (掴まれていた手に爪が食い込む。困惑の表情と、覚悟の表情が交互に浮かび、叫んだイシュに右手を離す)――チッ!
        (振り返る愚はない。斬れ、と言われれば斬るのがサーヴァントの役目ならば、その命令はもはや実行と同義だ)
        セルマァ! ――オレに構わず斬れッ!!(王手に対して王手を返す、悪手であることは理解していたが、最善手であると確信もしていた)
        (目の前に降り立つ銀光は、既に神速の粋に達していて――気づいたときには胸を斜めに走る灼熱感と共に、後方に吹き飛ばされていた。空中を、黒い血が舞う) -- クローベル 2010-04-06 (火) 00:26:49
      • (眼前に現れたアサシンがクローベルを切ったのを見届けた、恐らくは致命傷だろう。ならば後は――)
        わたしを抱えて逃げなさい!(どんな力を持っていようがマスター無しに現界出来るサーヴァントなど居ない。ならば、もはや相手をする必要は無い――!) -- イシュ? 2010-04-06 (火) 00:36:15
      • こいつ……これほどの深手でッ!(自分に構わず走り出す暗殺者、その先は――)……ッ!
        おおおおおおおおおおおぉぉ!!(アールヴァンの剣を持ってその後を追う)
        (間に合わない、マスターを殺されていれば自分も終わり――しかし自分のはマスターはこう言った)
        (『斬れ』と――疾駆、暗殺者の背を狙ってアールヴァンの長剣で斬り付ける)
        逃がすかぁ!!(こちらにとってもマスターの命、舞い散る血を他所に乾坤の一撃) -- セルマ 2010-04-06 (火) 00:40:24
      • (背後に迫る危険。無傷のサーヴァントはこちらを狙うのは必定。)
        ・・・詰めが甘いな、女!(男を切った勢いを殺さず、横薙ぎに刀を振り、ぎぃん、と長剣を叩く!)
        ・・今夜はここまでのようだな、次はその首、貰い受ける!(イシュを抱きかかえ、そのまま姿を消し逃げ去る) -- アサシン 2010-04-06 (火) 00:44:12
      • (黒い魔力が溢れ出る。まるで抱きかかえられるかのごとく、ふわりと身を横たえると、自分の足で着地する)
        ………(苦渋に塗れる表情を、懐から取り出した狐面で隠し、闇夜をにらみつける)――痛み分けか。……っ。
        (袈裟懸けに切られた胸からは、とめどない黒血が溢れている。ぬるりと、それを撫でる)……色は異なるが、血は流れているんだな。(どこか他人事のように呟く) -- クローベル 2010-04-06 (火) 00:51:20
      • くっ!?(放つ刃は弾かれて大きく跳ね上がり)逃げたか……(手の中から長剣が消え)
        マスター、おい――お前。(女が絶句する光景がそこにはある)
        (自分を喚んだ男の流す血の色はまるで闇が溶け込んだように黒く、血の粘度を持って流れている) -- セルマ 2010-04-06 (火) 00:59:35
      • (目の前で、黒血がまるで意思を持っているかのように、胸に吸い込まれていく)……死ねない、ようだ。
        これが、力の代償なのかもしれないな。瑣末なことだ。
        多少の傷であれば、即座に死ぬことはないらしい。潰れた器官は再生しないようだがな(右目の眼帯に触れる)
        ……セルマ。……感謝する。(何に、とは言わず、それはあまりにもクローベル自身にそぐわない言葉。返事も聞かずに、再び墓地への道を歩き出す) -- クローベル 2010-04-06 (火) 01:05:58
      • これが……矛盾の魔王の力…?(息を呑むことさえ忘れてその光景に見入り)
        ふん。(再びその姿が闇に溶け始め)令呪が一つ残っている間は英霊の力、正しく使うことだな…
        (実体化を解いた女の姿も消え果る) -- セルマ 2010-04-06 (火) 01:21:40
  • ――黄金暦153年 8月 某日 -- 2010-04-05 (月) 07:40:23
    • ――夢。
      これは、夢だ。
      誰かがオレの胸倉を掴み上げている。 -- クローベル 2010-04-05 (月) 07:40:44
      • qst060397.png

        「   の兄貴だったらわかんだろーが……!!」

        わかんねーよ。
        あいつは、オレに何も言ってくれなかったから。
        オレは、あいつに、何もできなかったから。

        「人間は死ぬ! 英雄もだ! オレだってそうだ!!
         バカが半端にやりゃ尚更だろうよ!!」


        そうだな。
        だから、お前は死んだんだ。
        オレだってそうだ。
        何も成せないまま死んでいくのは、弱いからだ。
        英雄に憧れてたお前ならわかンだろ、    。

        オレたちは、何かを成すには弱すぎた。
        力がなさすぎた。
        ただ、それだけだったんだ。 -- クローベル 2010-04-05 (月) 07:42:46
      • qst060398.png

        「そもそも頼りにしていなければこのような危険な物を持って来はしませぬ」

        ちげえ。
        きっと、兄貴たちなら、もっと上手く対処できたはずだ。
        あの人たちには、力があった。

        「その二人が健在でも拙者は兄上に相談しにきたと思うでござるよ」

        やめろ。
        オレは、結局、何もできなかった。
        お前、ホントにオレを頼りにしてたのかよ。
        最後まで、一人で抗おうとしていたんじゃないのかよ。
        きっとオレなら……お前がいなくなったあと、オレより頼りになる誰かを探し当てられると、
        そう思ってたからオレに相談持ちかけたんじゃないのか。

        そうだ。――結局、オレは、何もできなかった。
        いつだってそうだ。何かしようと思うときには力がなく。
        力を得たときには全部手遅れになっちまってる。
        オレには、力がないから。
        ――兄貴みたいな、力が。 -- クローベル 2010-04-05 (月) 07:44:23
      • qst060399.png

        ――兄貴。
        オレは、兄貴みたいになりたかった。
        いや、違う。

        オレは、兄貴になりたかったんだ。
        兄貴、そのものになりたかったんだ。
        きっと兄貴が家督をついでくれるって言えば、誰もがついてきただろう。
        それは信頼。そして、人望。加えて、兄貴には力があった。
        家族を守れる――力が。

        オレには、ない。

        兄貴。
        教えてくれ。
        オレは――どこから間違ったんだろう。 -- クローベル 2010-04-05 (月) 07:46:08
      • (目を開くと、そこには暗闇が広がっていた。それが面の裏側だと気づくまで、少しの時間を要する)
        ………。(狐面を取る。嫌な、夢を見た気がする。夢の内容は、覚醒と同時に霧散してしまった)
        (記憶の破片を追う。何かを、そう、何かを思い出したはずなんだ)
        (完全に途切れた記憶の残滓をかき集めて、おぼろげに、言葉を口にする) -- クローベル 2010-04-05 (月) 07:46:59

      • フランツ・リトアード……。

        (呟いた名前を、静かに脳裏に刻む) -- クローベル 2010-04-05 (月) 07:47:32

      • (夜は、何も答えない。ただ静謐に横たわり、咎人を無言で責めるのみ) -- クローベル 2010-04-05 (月) 07:48:35
  • 次の依頼での同行の挨拶に来たわ。貴方はクローベル、だっけ?よろしく
    …変なお面ね(ぼそりと呟く) -- イシュ? 2010-04-04 (日) 18:01:23
    • (壁にもたれて寝ていたが、声に気づくと狐面をずらし、イシュを見る)……どこかで会ったかな。生憎、物覚えが悪くてね。
      あまり長居するような楽しい場所じゃない、家に帰ったほうが懸命だ(言うと、再び眠りの中に落ちる) -- クローベル 2010-04-05 (月) 00:30:45
  • ――黄金暦153年 6月 某日 -- 2010-04-03 (土) 00:06:20
    • (街角で詩人と話し込んだ数時間後の黄昏時。帰途につく為に街の外れの森へと歩いていた。) -- ライダー 2010-04-03 (土) 00:10:28
      • 赤ずきんや――(森のどこからか響く女の声)ピンの道と針の道、どちらを行くつもりだい?
        (周囲に満ちる殺気、そして瘴気に近い漆黒の魔力) -- ???? 2010-04-03 (土) 00:24:05
      • ……生憎私はお針仕事は苦手なの(森から響く声を聞いて、すぐさま紅き剣と竜鱗を現界させ、構えた。サーヴァントの気配、同じサーヴァントであるライダーには判った。) -- ライダー 2010-04-03 (土) 00:29:12
      • 鉄の服は擦り切れて、ようやくお母さんに会いに行く赤ずきんちゃん……
        (紅き剣と漆黒、二人分の魔力。交じり合わない異質――)
        そぉら!!(蒼ざめた馬に騎乗して人馬一体に躍りかかり、幻獣の前足は振り上げられて蹄がライダーを襲う) -- セルマ 2010-04-03 (土) 00:36:38
      • !(振り上げられ、落ちる蹄。だが動くものならば風は読める。)
        (ヒュンと風切り音を残して刹那の内に馬の横、左方に降り立った。)
        ふん、狼のつもり?私、髪は赤いけど頭巾はかぶってないのよね。人違いじゃないかしら? -- ライダー 2010-04-03 (土) 00:43:25
      • (大地を破壊し、動きを止めるペイルホース)…避けたか。
        (幻獣に騎乗した女は漆黒の鎌を持って赤い髪の英霊を見遣り)
        いいや、違わないぜェ。(馬上で大鎌を旋回させ、柄を肩にかけ)
        額から上の皮を丸剥きにしてやりゃ遠目にはわからないさ。キヒヒヒヒヒ!(軽々と攻撃をかわした敵を前にその顔は邪悪に歪み) -- セルマ 2010-04-03 (土) 00:55:34
      • 趣味悪………ところであなたはライダーよね?少し困った事になったんだけれども。(少しおどけた調子で言う) -- ライダー 2010-04-03 (土) 01:00:42
      • あァ? ああ…私はライダーだ。イレギュラークラスじゃあないな…… -- セルマ 2010-04-03 (土) 01:04:28
      • ふん…それじゃ本当に困ったわ、呼び名にね。私もライダーなのよ?(相手のクラスについて確信し、少し笑った。) -- ライダー 2010-04-03 (土) 01:09:00
      • ほう。(一瞬目を丸くし、すぐに笑い出す)くっくくくくくくくくくっかかかかっはっはっはっはっはっはっはッ!!
        (鎌を同じクラスの英霊へ向け)困ったもんだなぁ? 片方要らないじゃないか。キヒッ! -- セルマ 2010-04-03 (土) 01:14:13
      • (鎌を向けられるも動じず、こちらもより一層笑った。今居る場所は森。馬のあるライダーがどれほど強いかわからないが、アドバンテージでは負けていない。)
        そうね、その通り要らないわ。私にとってはあなたが、ね!(言い終わる直前に上へ跳び、茂る木々を蹴って飛来する。剣閃は真っ直ぐセルマの首を狙った。) -- ライダー 2010-04-03 (土) 01:22:08
      • キヒヒヒ…(木々を飛び回る素早い動きにも撹乱されず、まるで自分の足と変わらないかのような自然体で)
        甘い!(直前で馬は僅かに後ろに下がり、大鎌の柄で刃を受け止めると強引に弾き返そうと鎌を振りきり) -- セルマ 2010-04-03 (土) 01:32:39
      • (後ろに一歩下がる──この刹那にそれだけの指示が与えられるのはライダーという事が嘘でない証明だった。)
        へぇ…(感嘆の声を上げつつ、振り切られた鎌によって難なく弾き飛ばされ、木々の間に姿を消した。) -- ライダー 2010-04-03 (土) 01:39:18
      • 森を味方につけるか。(幻獣に乗ったまま再び相手の出方を伺い)
        (木々の僅かなざわめきのみが耳に届き、周囲にサーヴァントの気配は満ちすぎていて特定はできず) -- セルマ 2010-04-03 (土) 01:52:39
      • そうよ、少なくとも馬で入る場所ではないもの
        (響く声の後、セルマに向け石が飛ぶ。それは矢の如く左から、右から、上から、まるで四方八方にライダー以外の誰かが居るかのように──) -- ライダー 2010-04-03 (土) 01:59:12
      • !!(飛んで来る飛礫を大鎌で両断し、次第に全方向から向かう数に押されて馬から飛び降り)
        帰れペイルホース。あいつの言う通り森では不利だ。
        (大きく嘶きを上げると幻獣は周囲の空間に溶け込むようにその存在を消し)
        よほど森が好きみたいだなァ……ならばッ!
        (女が胸に手を当てると心臓の律動に合わせて黒い魔力の波が周囲に広がっていき)
        さぁさぁ御出でなさいな――(全くの不利な立場にありながら、その口元が喜悦に歪んだ) -- セルマ 2010-04-03 (土) 02:08:42
      • (馬が消えるとぴたりと投石は止んだ。)
        あら、お馬さんごっこはもうお仕舞い?で、次はどんな手品を見せてくれるの?
        (余裕の表情でセルマの前に姿を表す。黒い魔力の波には薄々感ずいているが、それを待つかの如く佇む。) -- ライダー 2010-04-03 (土) 02:18:08
      • 手品よりもっと面白いもんさ……(周囲に響く鼓動はリズムの違うものが二つ)
        (セルマの隣にうっすらと虚像が現れる。緑の瞳、桃色の髪、発育の良いしなやかな体――学生服を着た少女の姿
        (ただ、セルマと違い俯きがちな表情が特徴的で)
        (少女の幻影と女の姿が重なり、セルマの瞳が全てに失望したかのように森を見上げ、ライダーの姿を探す)
        絶対氷壁の魔女……!(宝具の発動、八千々枝折を英霊としてその身に迎える高貴なる幻想(ノーブルファンタズム)
        (空に曇り空が広がり始め、周囲の森一帯に凄まじい冷気が漂い始める)
        アドバンテージなんて・・・あなたごと、全部・・(キヒ、と口元が歪み)凍り付いちまえよォ!! -- セルマ 2010-04-03 (土) 02:33:41
      • あれは……(薄っすらと見えた虚像を訝しげに見るが、流石に術の鍵か?としか判別できなかった。だが、一気に気温が下がるのを感じて危機を覚える。)
        馬鹿な、森ごとやるつもり?ここまで省みない人初めて見たわ…(ライダーの周囲に熱が帯びる。火の精霊の力を借りたものだが、ライダーの持つ精霊の中で火が一番弱い。この冷気漂う空間でいつまで持つかわからない事に焦りを覚えた。) -- ライダー 2010-04-03 (土) 02:48:05
      • (見えない敵の姿、周囲に滲む熱)……っ!(浅く唇を噛むと腕を右に向けて勢いよく振り)
        来るなぁ!!(拒絶の言葉と共に前方に八角形の氷紋を持つ氷壁が現れ)
        (加速度的に周囲に冷気が広がり、女の足元を中心に周囲の木々が凍りつき、樹氷と共に悲鳴を上げて樹木が拉げる) -- セルマ 2010-04-03 (土) 03:02:02
      • (セルマの拒絶の言葉と共に纏う熱が急に狭まったのを感じた。自身の対魔力では精霊無しにいつまで耐えられるか不明、だが情報は集めた──ならば)
        …多芸な人…精々ネタを切らさない事ね。手品のタネは確実に存在するのだから……!(樹を一瞬で樹氷させるその冷気から逃れるように跳び去って行った。) -- ライダー 2010-04-03 (土) 03:14:15
      • ぐ……(気配が遠ざかるとすぐに投影を解除し)やっぱこのスタイルはヤバいな……
        ふん。(心臓を手で押さえたまま)人間らしいだろう? 心臓(ハート)で勝負ってなぁ!
        キヒヒヒヒヒッ!(逆再生のように消えていく樹氷を前に、女は笑い続けていた) -- セルマ 2010-04-03 (土) 03:17:28
  • ――黄金暦153年 6月 -- 2010-04-02 (金) 22:02:52
    • (街角、人の足も疎らな通りで、一人若い吟遊詩人が噺を詠んでいる)
      (英雄譚、それもどこにでもある話が続く。客足は乏しい、少し耳を傾けていた客も、二つ目の話の途中にはその話の単調さに去っていく、そんな退屈さ)
      (男は客足も、放られるわずかな小金にも興味のない様子で、静かに詩を詠む) -- クローベル 2010-04-02 (金) 22:08:56
      • (その聴衆の中の一人、話の退屈さにも関わらず最初から立ち聴いていた者が居た。)
        (時たま、目を閉じて。時たま、髪を弄って。しかし足だけは全く動かさずに聴いていた。) -- ライダー 2010-04-02 (金) 22:13:58
      • (噺の区切りで、客足が途切れる。ふと、一人残る女性に静かに顔を上げる)……物好きだな。
        そんなに珍しいか、流浪の吟遊詩人は。(言いながら皮肉げに笑い、弦楽器を持ち直す) -- クローベル 2010-04-02 (金) 22:15:53
      • いいえ、そんな事はないわね。広場に行けばたまに居るし……で、続きはまだ?(少し笑いながら続きの催促をする。) -- ライダー 2010-04-02 (金) 22:22:12
      • ……そんな風に先を促されたのは初めてだ。(釈然としない顔で視線を逸らし)
        じゃあ、とっておきに、オレが一番嫌いな噺をしよう。子供の頃から嫌いで、噺に納得した今でもあまり好きになれない、そんな話だ。
        東洋の有名な話だ、知っているかもしれないな……その噺の題名は『桃太郎』という。(静かに弦を鳴らす) -- クローベル 2010-04-02 (金) 22:26:26
      • ああ、『桃太郎』!薄っすらだけど覚えてるわね〜、懐かしい。
        (「なんで嫌いなんだろう?」と思いつつそれは後に質問する事にして、静かに耳を傾けた。) -- ライダー 2010-04-02 (金) 22:29:35
      • (何度か弦を鳴らすと、噺に入る)……とある東洋の村に、老夫婦が住んでいた。老夫婦は、芝刈りで生計を立てていて、お世辞にも裕福だとはいえなかった。
        その日も、食い扶持を稼ぐため、老父は山へ出かけていった。老婆はその間、川へ洗濯に向かった。どこで区切っても同じな生活の、単なる一コマだった。
        老婆が川で洗濯をしていると、川上から、人知を超えた大きさの桃が流れてきた。……信じられない話だがな、その中には男の子が入っていた。(どこか話を思い出すように語る) -- クローベル 2010-04-02 (金) 22:34:09
      • 桃を割ると、『おぎゃぁ、おぎゃぁ』ってね。 -- ライダー 2010-04-02 (金) 22:37:42
      • まあ、そんなところだ。突飛であることは昔日譚の愉快なところだが、あまりにもだな(苦笑し)
        その後、この桃から生まれた男の子には桃太郎と名がつけられ、すくすくと成長していく。
        ある日、桃太郎は鬼ヶ島にいる鬼を退治にいくと言い旅に出る。途中であった犬猿雉を仲間に入れ、鬼ヶ島に向かい、見事鬼を倒して帰ってくる。
        めでたしめでたし、というわけだ……。(面倒そうに噺を終わらせる) -- クローベル 2010-04-02 (金) 22:43:20
      • あら、展開が速いわね……ところで、なんでこの話嫌いなの?ちょっと疑問に思ったんだけども -- ライダー 2010-04-02 (金) 22:50:04
      • (ライダーを見上げ、質問に肩を竦める)簡単なことだ。納得できない部分がある。
        桃から生まれることは、何らかの比喩だとすればいい。川から流れてきたということは、何かの器に入れて捨てられたんだという比喩だろうな。
        犬猿雉も何らかの象徴だということはわかる。
        ただ一つ、納得できないのは、何故桃太郎は、鬼を倒そうと思ったのか、だ。……何不自由ない生活を送っていながら、何故わざわざ根城にまで行き、根絶しなければならなかったのか。それが、納得できなかった。 -- クローベル 2010-04-02 (金) 22:53:24
      • それはきっと誰かに言われたのよ。今の話とちょっと食い違う部分があるけれど、私が聞いたのは…
        誰か…ええと、普通に村人だったかなー…殿様だったかなー……に言われて嫌々退治にしに行くというエピソードだったわね。
        どう?こう話を付け加えると目的に至るまでの道が見えてこない? -- ライダー 2010-04-02 (金) 23:01:00
      • 成る程な。確かに、それであれば納得だ。その話の創作家はオレと同じ疑問にぶち当たったと見える。なんにせよ、オレも同じ疑問を抱いていた。
        理由がない。ある日突然、そんなことを言い出した桃太郎は、気でも違ったのかと思った。
        鬼ヶ島というところに引きこもっていた鬼たちの根城で暴れ、宝を搾取して帰っていく一人の鬼畜と三匹の家畜を夢にまで見た。
        だから、オレもオレなりに考えたんだ……何故、桃太郎は鬼を退治しなければならなかったのか。 -- クローベル 2010-04-02 (金) 23:09:03
      • ふふっ、夢にまで見たの?(御伽噺にそこまで真剣に考える姿が少しおかしくて笑った)
        で、その考えた結果は出たの? -- ライダー 2010-04-02 (金) 23:16:06
      • ああ。二つ、答えが出た。答えは二つだが、結果は一つだ。
        まず、第一の仮説。まずオレは桃、まあなんらかの器に載せて捨てられた子供が、何故鬼を倒せるような力を持っていたかというところに疑問を持った。
        だから、オレはこう考えた……桃太郎とは、鬼ヶ島から捨てられた鬼ではなかったのか、とな。
        そう考えれば全てに理由はつく。物語は簡単な復讐劇になり、鬼を倒せた理由は彼も鬼だったから。……全て納得だろ? -- クローベル 2010-04-02 (金) 23:22:51
      • なるほど…御伽噺にはよくあるわよね。子供に聞かせるからこそ暗い部分を刳り貫くという事が。
        あ、でも鬼ヶ島って海に浮かぶ島なんでしょ?それだと桃太郎の入ってる桃が川の上流からやってきたのはおかしいわよ〜
        (話に乗ってきたのか冗談めかすかのように) -- ライダー 2010-04-02 (金) 23:27:44
      • では、川というのも比喩だったのかもしれないな。もしかしたらどこかから拾ってきたのを桃が流れてきた、という比喩にたとえたのかもしれん。
        その辺りはあくまで子供の想像力だ、それに、この話にオレを納得させればいい説得力さえあればよかった。
        なんとかして、この話をあるべき噺にと収める必要があったからな。オレの、平穏のために(こちらも冗談めかして返す) -- クローベル 2010-04-02 (金) 23:32:45
      • あなた、御伽噺にそこまでして納得したいのね…あはは。(「何の平穏なんだか…」と思いつつ乾いた笑いが出た。)
        でもま、ちょっと面白かったかな。今日は色々聞かせてくれてありがと(数枚の金貨を渡して街並みを颯爽と歩いて行った。) -- ライダー 2010-04-02 (金) 23:41:48
      • (金貨を受け取り、肩を竦める)……まいどあり。
        (誰もいなくなった街頭で、一人笑う)そしてもう一つ。……どこにも、鬼なんていなかったという説がある。
        皮肉なことに、鬼なんていなかったんだ。どこにも。
        それでも、桃太郎は金銀財宝を持って帰ってきた。
        じゃあ、それはどこから持ってきたものだったのか。
        答えは簡単。……やはりこっちの仮説でも……彼は鬼だったんだ。(ライダーの背中に向けて笑う)
        いつだって、怖いのは人間だという、そんなお伽噺さ。(やがて吟遊詩人は元通り、誰も聞くことのない話を語り始めた) -- クローベル 2010-04-02 (金) 23:47:31
  • ――黄金暦153年 3月 -- 2010-03-30 (火) 21:54:07
    • (薪売りに淑やかに礼を言うと数枚の硬貨を払い、両手で重そうに薪を一抱え持って歩く女の姿)
      (人もまばらな街外れ、空は今にも降り出しそうな曇り空)
      (英霊セルマ・レイネスが一般人を装う姿、リリス・マーレンがそこにいた) -- セルマ 2010-03-30 (火) 21:56:25
      • (セルマの頭上、暗い暗い空。その雲から雨粒がひとつ先走った、ようにも見えた)
        (それは棺桶、英霊アンダーテイカーを乗せた超重量の鉄塊が、明確な殺意を持ってセルマを押し潰さんと降ってくる) -- アンダーテイカー 2010-03-30 (火) 22:11:11
      • (吹き飛ぶ薪の破片、拉げる石畳、しかし粉塵が薄くなってもそこに血煙は混じっておらず)
        正気かァ…?(数メートル離れた場所で腕に刺さった石畳の破片を抜き)
        私が英霊じゃなかったら哀れな女のミンチが一人前仕上がってたぜぇ?
        (二の腕を流れる血を舐めて口元に笑みを浮かべ)キヒヒ。 -- セルマ 2010-03-30 (火) 22:17:47
      • (墓標のごとく地面に突き立った自身の宝具を引き抜き、相手の姿を確認する)
        流石に間違えたりしないさ、無駄な犠牲は出さない主義だ。それに……
        お前は臭う、血の臭いがするんだよ(指を曲げて誘う。奇襲から一転して待ちの姿勢に) -- アンダーテイカー 2010-03-30 (火) 22:28:41
      • (揺れる緑の髪から紫の瞳へと視線を移し)くっくくくくくくく!!
        ひっひひひひひひひひひひひゃっひゃひゃっはっははははーっははっはっはっはっはっはっはッ!!!
        (女の輪郭が黒く滲み、魔力により作り出された服を身に纏う――鷲の意匠は金色の禍々しさを女の胸に宿して)
        そうかよォ……つい殺りすぎちまったか。(漆黒の鎌を作り出し、口元の笑みには狂気を湛え)
        おおおおおおぉぉ!!(女の首を跳ね飛ばさんと大鎌を横薙ぎに振るい) -- セルマ 2010-03-30 (火) 22:37:43
      • ぴかぴかと派手な女だ…おまけに狂っているのか、いや……
        (後ろにステップして距離を取る。しかし大鎌の変則的な軌跡は肩をいくらか抉る。血が垂れ落ちる)
        その程度……かッ!(お返しとばかりに棺桶を、正面から真っ直ぐ撃ち出す) -- アンダーテイカー 2010-03-30 (火) 22:52:13
      • お前が地味なのさ。英霊は英雄たる威光を示さなきゃなんねぇぜぇ……?
        キヒッ!(引っ掛けるように――あるいは掠るように漆黒の大刃で肉を裂く)
        当たるかよッ!(大きく跳んでかわし)宝具をなァ!!(空中で大鎌を振り被る) -- セルマ 2010-03-30 (火) 22:59:22
      • 狂人に英霊の流儀を説かれるとはな……ははっ!(どこかおかしさを感じ笑う)
        中々厄介だな、なら…!(宝具の後を追うように走る。石畳に点々と血の跡を残し、セルマへと迫る) -- アンダーテイカー 2010-03-30 (火) 23:14:52
      • 規則正しく狂っているのさァ…多くの人間と同じだ。くっくくくひひひひひゃひゃ!
        (中空で喜悦の色を見せる緑の瞳、棺桶を回避し相手の頭を両断せんと相手のすぐ隣への着地と大鎌での振り抜きを狙う) -- セルマ 2010-03-30 (火) 23:21:10
      • 同じ等と、多数の人間の方が心外だろうな!(疾走し、その緑色を見上げる。セルマの瞳に宿っている危険すぎる喜びを捉えながら)
        お、おおおぉぉぉ!!(紙一重で刃を避わし、頬に血を滲ませながら肉薄し拳を繰り出した) -- アンダーテイカー 2010-03-30 (火) 23:34:55
      • キヒッ!(振り下ろした刃はアンダーテイカーには届かず、足元を抉るに留まる)
        …がッ!(攻撃の勢いのままに鎖骨の中央へ捻じ込まれる拳)あああああぁぁッ!!
        (カウンター気味に浴びせられたそれは中心点を貫き、女は大鎌を取り落として二歩三歩と蹈鞴を踏み) -- セルマ 2010-03-30 (火) 23:43:35
      • (突き入れた拳確かな手ごたえを感じたが、よろめくセルマはそのままに)
        ふぅ…前半戦終了か? それとも降参か(この程度で終わりではない事は分かっている、英霊というものはそれほど甘くない)
        (このままで終わらないというなら、それを見てやるのも面白いか) -- アンダーテイカー 2010-03-30 (火) 23:54:48
      • (左足が確りと地面を踏み締め、顔を上げるとそこに表情はなく)
        お前……(込み上げる血の塊を石畳に吐き捨て)ゲホッ、なぜ追撃しなかった。
        降参だと……おおおおぁあああぁあああぁあぁッ!!(咆哮。敵を睨みつける双眸には憤怒による激昂がありありと浮かんでいて)
        その余裕が最ッ高にイラつくぜぇえぇ!?(ドクン、と大きな鼓動のようにも響く魔力の波が周囲に広がり)
        来い!(両腕を広げると周囲にポツポツと雨が降り出し)死すら踏破して切っ先に宿る極みを求め続けた剣士!!
        一切の区別なく人を斬ることにより屍山血河の果てに続く道の頂を見た狂気の侍!!
        終怨の亡霊武者!!(無骨な刀が女の手に納まり、その鍔際に漆黒の魔力と殺意が宿る)
        (狂った笑みは既になく、降り始めた雨の中、左手に鞘を持ち居合い斬りの構えを取る) -- セルマ 2010-03-31 (水) 00:13:20
      • 簡単な事だ、まだお前の力を全て見てはいないからな
        (そういった命令を受けている訳ではない。ただこの凶悪な英霊は敵が多そうだし、だとすれば情報の類は他のチームとの交渉に有用だろう)
        くっ…(広がった魔力の波動に腕で顔をかばい)随分と雰囲気が変わったものだな(鎌の次は刀、読めない英霊だ)
        行くぞっ!(手始めに、しかし力の限りに。鎖を持つ手を振り上げ振り下ろす、宝具は構えるセルマめがけ雨粒を砕きながら上段に打ち下ろされる) -- アンダーテイカー 2010-03-31 (水) 00:30:29
      • (殺意と共に作り出した刀は未だ鞘内にありその視線は鋭く相手を見据えていて)…来い。
        (振り下ろされる破壊的暴圧、触れれば英霊の身をも軽く粉砕することは簡単に見て取れる)
        (くるりとその場で横方向に転回、長い服の裾を翻しながら大きく距離をとる――まるで踊るかのように)
        (お互いの武器の射程から離れ、再び柄に手をかける)キヒヒ…
        卑剣・鎌鼬
        (居合い一閃。放たれた真空の刃がアンダーテイカーへ襲い掛かる) -- セルマ 2010-03-31 (水) 00:43:04
      • 本当に、人が変わったようじゃないか(その身のこなしも、触っただけで切り裂かれそうな落ち着きぶりも)
        (重い一撃が外れ、宝具を引き戻し次撃を繰り出そうとするがセルマの居合いの方が早い)
        (風を裂いて迫る超高速の居合いに、咄嗟に棺桶を盾と構えて)
        ぐっ…ああ……(宝具に備わる鋼鉄の硬さなど存在しないかのように、中ほどでスパリと切れる)
        (重い音を響かせ断たれた宝具が落下。続いて太腿から血飛沫。若干軌道を変える程度にはなったようだった) -- アンダーテイカー 2010-03-31 (水) 01:02:05
      • (自らが理解し、投影した骸の侍が持つ経験のままに振るった刃)
        (その放たれた真空の刃が雨の中ではっきりとした軌道で見え、それが敵を裂いたことの喜悦に背筋を震わせ)
        キヒヒ……こりゃあいい。(刀を大上段に構え、疾駆)その宝具の残骸でいつまで防げるかァァァアァアアア!!
        (強くなる雨足の中、刀を真っ向から唐竹割りに振り下ろし) -- セルマ 2010-03-31 (水) 01:13:07
      • 失策だったかな、これは……(急激な戦闘スタイルの変化、やはりその性格と同じく凶悪な英霊だと理解する)
        私一人じゃ厳しいかもな、だが…!
        (断ち割られた宝具のうち鎖と繋がった方は、しかしまだ淡い輝きを失ってはいない。それどころか縦横無尽に走る溝から光を放つ、それは魔力のきらめき)
        差し伸ばせ指先――――百万の孤独(インザハンズオブザワールド)
        (棺桶から腕が生える。マネキンのように青白い、生気を感じさせない腕。何本も生えたそれらは手に剣を持っていて)
        (上段からの痛烈な一撃を、それぞれの得物を交差させて受け止めた) -- アンダーテイカー 2010-03-31 (水) 01:28:26
      • な!?(棺桶から伸びる無数の青白い手、それらが持つ刃に刀は完全に受け止められ)
        チッ!(得体の知れない力、そして心臓に宿した宝具の発動により減った内部の魔力に舌打ちを溢し)
        (大きく後ろに跳ぶと刀は空間に馴染むように消えて)お前…既存のクラスではないようだな。
        おぞましい力を持っている。キヒッ、マスターもいないのに真っ向からやりあうのはちと厳しい……
        (ヒビが入り、ガラスか何かのように砕けるセルマの背後の空間。日常に薄皮一枚隔てた虚無から出てきた蒼ざめた馬の背に跨り)
        マスターのいない状態で宝具を連発なんて愚は避けさせてもらおう。この借りは必ず返すッ!
        (嘶く幻獣、セルマを乗せてペイルホースは瞬く間にその場を駆け出して行き) -- セルマ 2010-03-31 (水) 01:42:40
      • ……終わった…か。(獲物を見つけたとばかりに襲撃したが、思わぬ痛手を負った)
        これは…まあくっつくだろ、たぶん(二つに分かれた宝具を苦々しく見つめ)
        鎌に刀を操りおまけに幻獣の類を使役する…そっちこそなんのクラスだってんだ。次は…
        次は、こっちの借りを返させて貰うさ -- アンダーテイカー 2010-03-31 (水) 01:47:38
  • ――黄金暦153年 2月 -- 2010-03-29 (月) 22:06:43
    • マスター。(お互い無言だった空間、突然に口を開いて)あまりまどろっこしいことは言わない。
      (憂鬱なほど淀んだ空からは冷たい雨が降り続けていて)
      矛盾の魔王とはどういう関係だ?(雨音が響く中でもその声ははっきりと通って) -- セルマ 2010-03-29 (月) 22:23:21
      • (部屋の端、まるで眠るように黙していたがセルマの声に目を開き)……さあな。だが、オレの力の源は、どうやらあいつらしい。その辺りはセルマも知っていることだろう。
        オレも回りくどく言うつもりはない。ただ、今あの無尽蔵に溢れる力は、否応なしに必要になる。難しく考える必要はない。
        利用できるものは、全て利用する。それだけだ。(かなり自在に操れるようになってきた矛盾の黒い魔力を指先でもてあそびながら返す) -- クローベル 2010-03-29 (月) 22:27:16
      • そりゃあなァ? キヒヒ。あいつを見るのは一度や二度じゃない上に自分にも同じ魔力が流れてくればわかるさ。
        その通りだ。(漆黒の大鎌を作り出し)あいつの力を使って有利にコトが運べるならそれでいい。
        (ただ持っているだけで周囲の空間を侵食し、破壊せんという意思が働くその大鎌はクローベルの魔力と共鳴していて)
        くっくくくくくく……仕掛けるぞ、マスター。相手は誰だっていい……そうすることが私たちの本懐だ。 -- セルマ 2010-03-29 (月) 22:32:59
      • ああ。使えば使うほど心が満たされていくのが分かる。失った何かの隙間に染み込んで行くような狂気が肺腑を満たす。
        今は傀儡でしかないかもしれないが、セルマ。お前ならあいつを殺し、力だけ奪うことも可能だと思っている。
        ……ああ、そうだな。(狐面を被る)殺しあおう。黒き力をより暗き力へ。……地獄をばら撒きに行こうか。 -- クローベル 2010-03-29 (月) 22:51:22
  • ――黄金暦152年 9月 -- 2010-03-25 (木) 00:37:50
    • ここか……!(魔力の残滓を追いかけてそれらしき場所に到着する)
      ……サリア君の顔を見られた以上、タダでは帰せん、ましてアレだけの危険なサーヴァントともなれば尚更だ……! -- ランサー 2010-03-25 (木) 02:54:20
      • (部屋の中で一般人に擬装するための服のあちこちを見て)さすがにペイルホースを見せたのはやりすぎか。
        私がライダーだとわかっても…(服のほつれをチェックし終えるとクロスボウを手の中に作り出し)
        追ってくるなんて。(邪悪な笑みを浮かべてクロスボウを扉へ向け) -- セルマ 2010-03-25 (木) 03:02:59
      • ドンッ!
        (轟音をあげ、扉を突き破ってハルバードが飛び込んでくる。サーヴァントの放つそれは光にも近い速度を伴い、周囲をなぎ払ってセルマへと迫る) -- ランサー 2010-03-25 (木) 03:06:05
      • !!(罠を仕掛けていたはずのハンターは狩られる側へ転じる)
        うおおぉ!?(それはクロスボウを破壊し、右肩を抉り、家の壁を粉砕する――)
        く、そぉ……!(噴出す血を左手で押さえつけ蹲る) -- セルマ 2010-03-25 (木) 03:09:04
      • (ハルバードは一瞬で消え、再びランサーの手に握られる。サーヴァントの武器は所詮魔力の集合体。手から離したら消せばいい。消したらまた出せばいい。少なくとも、このランサーのサーヴァントの持つ武器はそれだった。特別な部分が無い故にいくらでも使い捨てられ、特別な部分が無い故にいくらでも作り直せる)
        ……どうやら、お前のマスターはまだ戻っていないようだなライダー(ハルバードの切っ先をセルマに押し付け、低い声で呟く。ハルバードの間合いは遠い。切っ先を突きつけているとはいえ、それは優に数mはなれた場所から行われること……左手を押さえるセルマから見れば遥か彼方にすら見えるかもしれない) -- ランサー 2010-03-25 (木) 03:16:09
      • (足取りは重い。何一つ掴めず、ここに戻ってきたことに自嘲の笑みさえ漏れる。裏口から借家を見上げて、狐面越しに皮肉げな笑いを零した)
        ……? ……なんの、音だ。(表口から、部屋にかけて、何かが争うような、そんな音。静かに扉を開き、部屋の中に入る) -- クローベル 2010-03-25 (木) 03:19:04
      • (眼前に差し出されるそれは紛うことなき重量武器)こっちが矢の一本で済ませてやろうってのに…
        随分なものを投げたもんだな、ええ?(床に赤黒い染みを広げながら口の端を持ち上げ)
        (入ってきたマスターに目も向けず)帰れ!!(ランサーを睨み付けたまま一喝)
        聖杯戦争は戦いの場だ……決着は『死が二人を別つまで』(今にも自分の両断しそうな重厚な刃、その向こうにいるものは敵)
        割り込む覚悟が足りてねぇだろ、色男?
        (苦痛に歪んでいた顔は、最初にランサーに見せたものとさして変わらない表情へ切り替わる)
        ひーッひゃっひゃはっはははははははは!!! -- セルマ 2010-03-25 (木) 03:25:16
      • (セルマの言葉に答える寄り前に、それは動いていた。ランサーのクラスの恩恵を受けて強化された俊敏性……それは短距離においてのみなら、生物の知覚できる速度を凌駕する)
        ほう、どうやら君がマスターらしいな……(それは既に側面に居たそして既に振るっていた)
        (重厚なハルバードによる横薙ぎの一閃……それをクローベルに!) -- ランサー 2010-03-25 (木) 03:28:54
      • (コマ送りの世界の中。ハルバードの横薙ぎの一閃は、不可視の速度にもかかわらず、『よく視えた』。反応できるかどうかは別の問題だったが、その時間は粘性を帯びており――酷く長い一瞬だった)
        (セルマの恫喝にも、その血に塗れた姿にも、動けない。その光景はごくありふれていた。戦争に参加すれば、どこでだって見ることが出来る、強い者が弱い者を駆逐する姿)
        (目の前の誰かが、手を差し伸べるより前に、無力にも消え去ってしまう、その懐かしい感覚。背筋も凍るような、脳髄が沸き立つような、その感覚) -- クローベル 2010-03-25 (木) 03:33:33
      • (女はハルバードの一撃をクローベルの前に立って受け止めていた)
        (重量武器を英霊の力で叩き付けたもの、まともに受ければ結果は明白)
        (盾か何かのように長剣を添えていた左腕は奇妙な方向に折れ曲がっている――が、長剣はハルバードを食い止めてなお折れてはいない)
        災厄騎士の長剣が折れたって話はついぞ聞かなかったが……キヒヒ。
        確かに頑丈なもんだ……なぁぁぁぁぁあ!!(抉れた右肩、拉げた左腕でアールヴァンの長剣を振るい、ランサーを斬り付ける) -- セルマ 2010-03-25 (木) 03:42:26
      • 何ッ……!?(一瞬の動揺。長剣と言葉を聞いて生まれたそれは確かな隙をランサーに作り出し、セルマの攻撃がランサーの胸元に裂傷を作り出す。仕込まれたチェインメイルが斬撃自体は抑制するが、それでも英霊の放った一撃だ。浅からぬ傷が刻まれ、鮮やかな血華が咲く)
        ……そ、その長剣は、まさか……それに……(見慣れた作りの質素で、それでいて無骨な作りの長剣……そして何より……)
        災厄……騎士、だと……!?(その言葉の意味を、計りかねる) -- ランサー 2010-03-25 (木) 03:48:02
      • (それは、素人の目からも分かる虚勢。――拉げた腕のセルマから、色濃く漂ってくる死の気配。そうまでして、何かを成そうとしている女の後ろで、何を惚けている)
        (ランサーとセルマの問答すら耳に入らず、『闇』に問われた、質問が頭に閃く。――また、見殺しにするのか? あの時みたいに) ……違う
        (闇を、受け入れる。手に入れなければならない、力のために。――血が脈動した。周囲を素養を持たぬ者から溢れる、『矛盾の黒い魔力』が満たす!)
        (うわ言のように呟く)――ああ。そうか。忘れていた。……最初の動機は、まさにこれだったんだ。(指先で狐面に触れると、狐の面に小さく罅が入る)
        奪われるよりは、奪う側に回りたい。たったそれだけの単純な理由を、どうして忘れていたんだろうな。(半身を黒い魔力に蝕まれながら、引きつった笑みを零す。闇と取引して得た魔力は無尽蔵にあふれ出す……!) -- クローベル 2010-03-25 (木) 03:50:44
      • ……!(ぞくりと背筋が凍る。その男の纏う黒い……いいや、暗い波動に、本能が警鐘を鳴らす)
        (しっている。自分はその力を知っている。自分はその根源を知っている)
        ……矛盾の魔王……!? -- ランサー 2010-03-25 (木) 03:53:18
      • 知ってるのかよ……そうだぜ、災厄騎士アールヴァン・ハーケルは有名だもんなァ?
        (膨れ上がる魔力は今までにないほどの力をその腕に、足に、心臓に装填していって)
        これが私の宝具だ……人間の力を我が物とし、英霊として投影する!!
        勝ってみろよ、三十万の冒険者によぉおおおおぉッ!?(クローベルの黒の脈動とセルマの心臓の律動が重なっていく)
        (闇そのものがクローベルからセルマに満ちていく、アールヴァンの闘争本能が英霊の神経をさらに鋭敏にしていく)
        受けろよォ…(その場で長剣を構えて敵に背を向け、背後にいたクローベルと目が合う)キヒッ
        (一瞬の虚、心の間隙を縫う刃――振り返り様に放つ遠心力を味方につけた剣が逆袈裟に敵を斬る奇剣『竜尾返し』) -- セルマ 2010-03-25 (木) 04:05:25
      • ……なるほど、つまりはモノマネ屋か(災厄騎士、最早耳慣れた言葉を受けるが、分かれば微塵も動揺はしない)
        先達の技を模し、そこにアレンジを加え、そして更には目前の敵を模すこともまた視野に入れて戦闘することで相手の動揺を誘い、同時に技を盗む機会をうかがう……なるほど、面白いスタイルだ
        (一瞬背後を見せるその仕草。見逃しはしない)
        では採点しよう
        (当然だ。なぜなら……)

        (あれは『自分が教えた技』だ)

        リテイク(巻きをいれ、背中を見せた一瞬を狙い、その背中に神速の突きを放つ!) -- ランサー 2010-03-25 (木) 04:15:40
      • お前は勘違いを二つしている。
        (振りぬく直前に片膝を折り、極端に低くなった軌道を上げて放たれた突きを下から打ち上げ)
        模倣ではなく投影、布石なくこの技を放てばそう来るってのは本人の経験でわかる……そして。
        私のマスターが守られるだけの惰弱な人間じゃなくなったってことだ。(姿勢を低くしたまま叫ぶ)やれ、マスター!!
        (そして英霊は決別から初めてマスターと呼ぶに至る) -- セルマ 2010-03-25 (木) 04:35:17
      • 本人の記憶……そこまで……!?(つまるところ、その一撃はブラフ。背中を見せたのはこちらの攻撃を誘うため。そしてそれがいなされた今……)
        (生まれるのは致命的な隙……!) -- ランサー 2010-03-25 (木) 04:45:43
      • (セルマの後ろ、完全なる死角から、スレッジハンマーを振り上げた男がその隙を目掛けて飛来する)
        (――モード《B》。全身を黒い文様が這い回り、筋肉の密度を上昇させる。自己であり自己でないという矛盾が身体に眠る死者の記憶を呼び覚ましていた)
        (奇しくもそれは、サーヴァント(セルマ)と同じ力。――失った兄弟たちの記憶から作り出した仮初の力だ)

        解答は――まだ途中だ。

        (不自然に増強された筋肉によるスレッジハンマーの一撃はランサーのわき腹を目掛けて振られ――) -- クローベル 2010-03-25 (木) 04:49:53
      • (衝撃。凡そ、人間から放たれたとは思えない……魔性のそれを得た力がランサーの身体を弾き飛ばす)
        (家の壁と突き破り、瓦礫と地面に何度も殴打されてその身体がはねる。ガントレットとレガースはところどころ砕け、その身に纏うチェインメイルも断裂される)
        ……ぐぅおおお……! ぐ、ば、ばかな……人間がサーヴァントにこれほどのダメージを……くっ!
        (やむなく実体化をとき、撤退……ほどなくして、ランサーの気配はその場から完全に消えた) -- ランサー 2010-03-25 (木) 04:58:22
      • (指で弾いたチェスの駒のように弾き飛ばされるランサーの姿を見ても不思議には思わない――自分にも流れ込む力を思えば当然に思う)
        (突然に闇に沈む主の魔力の色とその力を見ても疑問は浮かばない――ただその力を素晴らしく思う)
        完璧だぜぇ、マスター。(災厄騎士の長剣を軽く振り)今のお前に文句なんかあるわけがない。
        くっくくくくはっはははははははははっはっはっはっはっは!!(魔人の狂った笑い声は勝利に酔っていて) -- セルマ 2010-03-25 (木) 05:05:57
      • (と、と地面に降り立ち、ランサーの去った方向を見る。単機で、魔力供給がない状態で、二人を相手に仕切ったという事実に、笑みがこぼれた)
        (セルマの哄笑に合わせるように、暗い暗い笑みを零す。周囲には漏れ出した黒い魔力が溢れている)
        セルマ。奪うぞ。希望を。生命を。――全てを。(溢れ出る殺意にも似た出所の分からない魔力は、全てセルマに向けられていて)
        (暗闇の中、笑う。――見ているか、     。願いは、夢は、こうやって叶えるものだ。一人心の中で思い、闇に身を委ねるのだった。――悪夢は、ここから始まる) -- クローベル 2010-03-25 (木) 05:14:15
  • ――黄金暦152年 8月 -- 2010-03-23 (火) 20:25:54
    • (狐面を外した状態で、新居の壁に手を這わせる)名義も金で売る時代か。……戸籍のない者でも、拠点を構えることが出来たので、時代に感謝すべきかもな……。
      ある程度、偽装のためのものも買い込んでおいた。具合はどうだ、セルマ(奥の部屋に向かって声をかける) -- クローベル 2010-03-23 (火) 20:32:41
      • いやですね。(笑顔で時計草の鉢植えを飾りながら)私の名前はリリス・マーレンですよ。
        しっかりしてくださいねクローベルさん。(それはどこにでもいそうな女、ありふれた服装) -- セルマ 2010-03-23 (火) 20:36:09
      • (額を押さえ、顔を下げて苦笑する)そうだったな……。
        (顔を上げ、笑顔で)中々の家だろう、リリス。歌姫を目指す君のために借り上げたんだ。共に夢をかなえようじゃないか。
        ……すぐに気に入ると思う。街中で、一番瘴気の濃い場所だ。魔力の残滓がそこかしこに見える。……同じことを考えている魔術師がこの街には多数潜伏しているようだ。(狐面をつけ、窓の外を見る) -- クローベル 2010-03-23 (火) 20:40:38
      • はい、クローベルさん。吟遊詩人のクローベル……ふふふ。(口調とは裏腹にその口元に歪む笑みは邪悪で)
        そうですか……では引越しのご挨拶をしなければなりませんね。(だらしなく鉢からはみ出た蕾を頭から切り落とし)
        歌が聞こえてきます……(笑顔のまま剪定鋏を動かし続け)聖杯戦争の始まりを謳うための。 -- セルマ 2010-03-23 (火) 20:47:57
      • そういうことだ……人は闇を疎むが、闇無くして魔性の力を得ることは出来ない……ならば恐れ、慄きつつも闇に擦り寄るしか術は無し……ここの前の住民もそういう住民だったのだろう……そう、丁度汝らのようになぁ?
        (地の底から響くような低音が……セルマとクローベルに『だけ』聞こえる……) -- 2010-03-23 (火) 20:48:09
      • (――反射的にスレッジハンマーを抜き、セルマに背を預ける)……セルマ。気づいたか。いや、気づけたか? 何かの気配があることを――。
        (虚空に向かい、狐面を向け)随分と悠長な宣言だな。……無言で襲い掛かる機会は何度もあったろうに。 -- 狐面 2010-03-23 (火) 20:53:00
      • (マスターと背中を合わせて短い刀を二刀作り出し)あァ……聞こえたぜぇ…!
        くっくくくくくく……気取った声だ、闇しか見ないか闇しか見えてない奴の傲慢な言い分だぜ… -- セルマ 2010-03-23 (火) 21:00:05
      • 襲い掛かる? これは異なことを聞く……何故汝に襲い掛かる必要がある?
        (横柄に闇は嘯き、物陰の暗がりから嘲笑を漏らす)
        我らが同類である汝に何故我らが襲い掛からねばならない? そうだろう、矛盾の魔導師クローベル=シィナノード
        (気付けばそれは背後に居た。いいや、背後になどいない。どこにも居ない。だがそれは確かに『其処』に居て、確かに『自分』に語りかけてくる) -- 渦巻く闇 2010-03-23 (火) 20:58:27
      • (――ぞくり)
        (全身の毛が総毛立つ。それは、生まれて初めて感じる、根源的な恐怖。存在自体への不安)
        (足元がぐらつき、視界が回る。上がってくる嘔吐感を払拭するように叫ぶ)――セルマぁぁ……!!! ――こいつを殺せぇぇぇ!!!(振り返り、狐面越しに相手を視る――) -- 狐面 2010-03-23 (火) 21:03:19
      • 殺すって……誰を殺すっていうんだよ、ええ?(背後。其処に居るのは狐面の男。面の眼窩から見える暗闇の向こうには何も見えない)
        折角生き返ったのに死なせるのかぁ? つれねぇじゃねぇかよ『兄弟』……もうちょっと一緒にバカンスを楽しもうぜ?(ぴたりとクローベルの背中ににじり寄り、それは優しく……どこまでも優しく耳朶を舐めるように語り掛けてくる) -- 渦巻く闇 2010-03-23 (火) 21:09:36
      • (聞こえてくる声は確かに自分の背後から――背中を合わせて警戒していたはずなのに、マスターと自分の間から響く声)
        ――なんだってんだッ!?(二人に僅かに間を開け、自分とマスターの間に短刀を二本抉りこむ)
        (目視したわけでもないのにそれが英霊ではないとはっきり理解できる…まさしくそれは『根源』)
        (闇を見ている側ではない闇そのものへの攻撃――……) -- セルマ 2010-03-23 (火) 21:10:00
      • (距離を置くように後ろに跳ぶ。頭が痛い。目の前の、もう一人の自分。仮面で自らを隠した、他でもない自分)
        黙れ……オレを、そう呼ぶな……ッ!!(兄弟、と呼ばれ、過剰な反応を返す)
        生き返った、だと……オレは……オレはッ……!(指先で呪を刻むが、そもそもその呪もどこで習ったものだったろうか。いつ自分はこの戦争のことを知った。なぜオレは聖杯を求める)
        (不完全な呪文は全て空気中に霧散していく) -- 狐面 2010-03-23 (火) 21:17:27
      • (短刀をその身に受けて、クローベルの背後にいた狐面の男が倒れる)
        (胸元からだくだくと血を流して倒れるそれ……狐面は未だつけたまま……少しズレた狐面からは、歪に吊り上げられた口元だけが見える)
        折角生き返らせてやったのに、酷いことするじゃねぇかよ、兄弟よぉ? なぁ、なんでだ? なんでまた俺を殺しちまうんだ? お前のせいであんなに一杯俺は死んだのになんでまた俺を殺しちまうんだよぉぉお……なぁあ? -- 渦巻く闇 2010-03-23 (火) 21:17:35
      • う…おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉおおおおぉぉ!!
        (鼓動が魔力の波を周囲に押し広げ、自分の中に固有結界を作り出す宝具『万象顕現す箴言の律動(トライアンフ・カレイドスコープ)』)
        灰も塵も血も肉も等しく剣閃に平伏せ! 来い、剣の英雄スレイン・テクナー!!
        (その右腕に柄の長い、奇妙な細身の長剣を作り出し)
        退けマスター!(投影した剣聖の刃を両手で構え)震えるだけなら部屋の隅で縮こまっていやがれ!! -- セルマ 2010-03-23 (火) 21:25:11
      • (心臓が跳ねる。触れられたくない場所に、触れるようなその台詞。一番見たくない自分の投影)
        (誰を思い出している。何を思い出している。捨てたはずの何を――また拾い上げようとしている)
        (先月、セイバーに投げた言葉。一度捨てたら拾えないものもあるという、その言葉が、自分に向けて返ってくる)
        ――はっ……はっ……!はっ……!(呼吸すら疎らだが、意識をつなげている唯一の理由は、魔力供給を怠った場合、目の前の化け物にセルマごと殺されるというもう一つの死の恐怖)
        (恫喝するセルマ。だが、縛り付けられたように動けない。セルマ。セルマ。セルマさえいれば。力さえあれば。――死ななくて済むんだ。オレも。……護りたい誰かも) -- 狐面 2010-03-23 (火) 21:27:32
      • おいおい、安心しろよ兄弟……俺はお前の味方だ、お前のトモダチでお前のキョウダイでお前のオマエだよ……何も怖がるこたぁねぇ
        (先ほどまで倒れていた。先ほどまで血を流して嗤っていた)
        (なのにそれはクローベルの目前にいた。血まみれの両手でクローベルの首筋を撫で、狐面からだらだらと血涙を流して抑揚のない声で言葉を紡ぎ続ける)
        俺はオマエの力になりたくてわざわざここまで来たんだ……だから大丈夫だ、オマエはもう一人じゃない。一人で死んだりなんかしない。死ぬときはみんなみーんな一緒……キョウダイナカヨク……なぁ?
        それに大丈夫だ、今度は大丈夫……危なくなったら俺達の王様がオトウサマの代わりに助けてくれるさぁ……オマエが死んだ時みたいにさぁ!? ひは、ひはは、ひゃひははははははははっ! -- 渦巻く闇 2010-03-23 (火) 21:33:36
      • ごちゃごちゃうるせぇな。

        魔を戒たる光騎の鎖(ライト・オブ・キャバリエ・チェイン)(左腕から放たれた光の鎖が哄笑を続ける闇の化身を捕らえんと迫り)
        おい、立てよマスター。そうじゃねぇ。そうじゃねぇだろォ? ああ駄目駄目、全ッ然駄目だぜェ。
        目的のために全てを踏みにじる側がアタマ抱えて震えててどうすんだ。相手がサーヴァントでもマスターでも神でも悪魔でも――
        私たちに楯突く身の程知らずにする態度じゃねェ……(最早放った鎖の行方など露も気にしておらず)
        笑えよ! くっくくくくくひっひひひひひひひひひひひゃっひゃひゃっはっははははーっははっはっはっはっはっはっはッ!!! -- セルマ 2010-03-23 (火) 21:40:29
      • (セルマの狂笑に呑まれるように、光鎖の極光の中に闇は消える……後には何も残らない)
        見事なサーヴァントだ……くくく、その分なら思う様恐怖をこの地に蔓延させてくれるであろう……我らが王は汝に期待している……その期待に応えられるよう、一掃邁進するがいい、我らが『兄弟』クローベル……ふはははははは……!
        (不気味な嗤声を残し、それは領土へ……物陰の暗がりへと還って行った) -- 渦巻く闇 2010-03-23 (火) 21:48:44
      • (触れられた血まみれの両手から伝わってくるのは甘美な誘惑の味。委ね、阿ってしまいたいというもう一人の自分が手を伸ばす)
        (その顔に触れる直前、セルマの鎖が闇を貫く――)
        はっ……!はっ……!(息も絶え絶えに、解放されたことに膝をつき、虚空を眺める)
        ………オレは。………(自問するが、答えは返ってこない)……く、くく……(力なく笑い、狐面を撫でる)
        (そこには何一つ痕跡はなく、すでに瘴気も拡散していて――握り締めたスレッジハンマーの冷たい重さだけが、現実感としてそこにあった) -- 狐面 2010-03-23 (火) 21:56:06
      • ふん……訳の分からないことを延々と並べて帰るか。気に入らんなァ…(投影を解除し、光の鎖と魔を断つ剣は消え去る)
        おい、大丈夫かマスター。(見下ろすその顔に表情は一切なく) -- セルマ 2010-03-23 (火) 21:58:32
      • ……大丈夫、か。……何が大丈夫かも、分からなくなった。(仮面を押さえ、立ち上がる)
        奴は、何だ。捨てたはずの、根源的な恐怖が――身体を縛り付けた。……なんてザマだ。(憐憫を誘うように首を振り) -- 狐面 2010-03-23 (火) 22:03:37
      • 違う。(立ち上がる青年を無造作に殴りつけ)お前の頭は大丈夫かと聞いたんだ。
        あれが何かは私はわからん……が、ロクに戦いもせずにガタガタ震える姿は私を失望させるに十分だったぜぇ!? -- セルマ 2010-03-23 (火) 22:08:13
      • (殴られれば、その衝撃に一歩だけ蹈鞴を踏み。言われてわが身を省みる)………。
        ――何の言い訳も、浮かばん。(自分の手を見つめる)……前回、アンサラーに二人がかりで歯が立たなかった理由が……今ようやく理解できたよ。(その手は、静かに震えている) -- 狐面 2010-03-23 (火) 22:11:28
      • (その姿を見て舌打ちし)やはり人間か……可能性などありはしなかった。
        (リリス・マーレンとしての服装になると背を向け)私一人でも聖杯を得てやる。お前はそこで一生怯えてろ!!
        (吐き捨てて散らかった部屋を出て行き) -- セルマ 2010-03-23 (火) 22:20:59
      • (セルマが出ていった部屋の中、一人仮面を取る)……何故だ。
        ……何故。オレは……これほどまでに渇望する聖杯を得たい理由を思い出せない。
        ……オレは。……オレは。(答えは返ってこず、静かに時間は過ぎていく) -- クローベル 2010-03-23 (火) 22:26:56
  • ――黄金暦152年 7月 -- 2010-03-22 (月) 22:39:19
    • (仮面を外し、頬の令呪には絆創膏を貼り、何食わぬ顔で町に降りている)
      ……やはり、効率を考えると、この辺りに一つ拠点を構えるべきか。(前を向いておらず、時折通行人にぶつかりながら、辺りの家々を眺めている) -- クローベル 2010-03-22 (月) 22:43:09
      • (ちょうど買い物のために街中を歩いていた魔女)
        (荷物を抱え、何とか人ごみを抜けていたが避けてくれる気のない相手、クローベルを避けられるはずも無く…派手にぶつかり、そして転んだ)
        きゃあああ!? すすす、すみません! 大丈夫ですか!?(荷物からいくつかのフルーツが転がり出て行った) -- シンシア 2010-03-22 (月) 22:51:16
      • ……と。(衝撃は小さかったが、騒がれはじめたので先んじて制しておく)悪い。余所見をしてた。
        (転がり出て行くフルーツを見て嘆息)……本当にすまないな。立てるか。(面倒なことになった、と思いながらも、自分の足元に転がってきたフルーツを拾い、シンシアに手袋をつけた右手を差し出す) -- クローベル 2010-03-22 (月) 22:55:50
      • こちらこそすみません…… 大丈夫です 拾っていただいてありがとうございます(笑顔で受け取ろうと手を伸ばす)
        (その際に羽織っていた上着が手に引っ張られるようにずれ、胸元に刻印のようなものがちらりと除いたがすぐに見えなくなった) -- シンシア 2010-03-22 (月) 22:59:02
      • 元はといえば、オレがぶつからなければ、転がりもしなかったからな……。怪我は……(と、呟いたとき、偶然刻印を目にする)
        (嫌になる。運がいいのか悪いのか、時々分からなくなるな。小さく嘆息する)
        (それがただの痣である、飾りであるという可能性がないわけではない。が、この時期にその巡りあわせを考えるよりは、この女もマスターだと、そう思う方が自然だ)
        ……迷惑ついでだ。すぐそこで落とした果実の代わりでも買おう。……クローベルだ。(出店の果物屋を指差し不躾に名乗る) -- クローベル 2010-03-22 (月) 23:05:09
      • <<…マスター。余り迂闊な動きはするな、令呪が見えて居たらどうするんだ?>>(霊体化したまま、溜息をついているような声で窘める) -- セイバー 2010-03-22 (月) 23:07:52
      • (袋にフルーツをしまい、首を横に振る)ええっ!? いいですよ、大丈夫です 怪我もしてないですし…フルーツだって痛んでいません
        (クローベルの思考を読んでいるわけではなく純粋に断りを入れる)
        <<大丈夫ですよ、セイバーさん 今日はちゃんと上着だって羽織っていますし…ね…??>> -- シンシア 2010-03-22 (月) 23:12:40
      • (少しだけ人好きのする笑顔を見せ)じゃあ、こうしよう。そのフルーツはオレが買い取る。その代金で、君はフルーツを買う。
        人助けだと思ってくれないか? 家で待っている同居人に、女性を突き飛ばしてそのまま帰ってきたとバレれば、殺されてしまう(額を押さえる、わざとらしい動作) -- クローベル 2010-03-22 (月) 23:18:00
      • <<その考え自体が甘いというのだが…分かってないな。それと、他人と交流するのもいいが深入りするなよ>>(霊体化したサ―ヴァントは静かに両者を見守る) -- セイバー 2010-03-22 (月) 23:36:20
      • (笑顔効果につられるように微笑み)ふふ、礼儀正しい方なのですね
        そこまで言われてしまっては…断るわけにもいかないですし、お願いします
        こちらのフルーツもきちんと洗えば大丈夫ですので…同居人の方とご一緒にどうぞ(落ちたものもそうでないものも入った紙袋を差し出した)
        <<セイバーさんは厳しいですね… こんなに優しい方ですし、問題ないですよ>>(この魔女、初対面の人に対してほぼ警戒心がないようだ) -- シンシア 2010-03-22 (月) 23:42:29
      • 初対面の相手に見せていい笑顔じゃないな、それは。特に、勘違いしやすいオレみたいなのには厳禁だ。(果物の袋を受け取り)
        (シンシアを連れて果物屋の籠の前まで来る)……果物を選ぶのは、オレも好きでね。よく選ぶといい。
        (完全に警戒心はない。あまりに無防備なその姿。果物を選ぶ、その首筋に目がいく)
        (細い首筋。一撃すれば、折れてしまいそうなその首筋。セルマを連れてくるべきだった、と思考する) -- クローベル 2010-03-22 (月) 23:52:32
      • <<いいかお嬢さん。仮に君がその優しい誰かさんと仲良くなったとしよう。それを他の戦争の参加者に知られれば…人質に取られたりするかもしれんな? 君に言う事を聞かせるために>>
        (突飛な例えだが。この少女にはひたすら現状認識が足りない。ある程度厳しくいく必要があると思えた。そして、その優しい男の視線…ある種の警戒を得る) -- セイバー 2010-03-22 (月) 23:55:24
      • ……っ!? お、お上手ですね…… そういう言葉こそ、女性を惑わせてしまいますから…気をつけた方が、いいですよ(何とかあしらったつもりらしい)
        (果物屋に到着すれば果物の餞別に集中し始め、視線は果物に釘付け)ひとつひとつ形も味も違いますからね、選ぶのは楽しいですよね
        こちらのものなんて、特に美味しそうです(楽しそうにフルーツを1つ手に取る)
        <<…はい、わかりました…… この方とはこの後、すぐにお別れしますね………>>(そう言いながらも、どこか上の空で果物を選んでいた) -- シンシア 2010-03-23 (火) 00:01:01
      • そうだな。選ばれるよりは――選ぶほうが、好きだよ。
        (……万が一、仕留めそこなったとしても、首筋を狙えば昏倒くらいはさせられる。一撃だ。一撃で、意識を奪う)
        ………。(ふわり、と、できるだけ折りたたまれた殺意で以って、左手が手刀の形に持ち上がる――) -- クローベル 2010-03-23 (火) 00:07:54
      • こんな所に居たのかシンシア、探したぞ
        (少し離れた場所で実体化。さも遠くから歩いてきた風を装い声をかける…その場所は、クローベルの死角だ。そして微かに響く…剣が鞘と擦れる音。抜き打ちで殺せるという合図) -- セイバー 2010-03-23 (火) 00:17:37
      • (その手が振り上げられても、確かな殺意を持った手でも、魔女は気付くことすらなかった)
        (果物から目を離し、顔を上げたのは単純に声をかけられたから……)あ、あれ………? どうかしましたか……??(ついさっきまで念話で話していた相手に顔を向け、首を傾げる) -- シンシア 2010-03-23 (火) 00:22:24
      • (パチン、という音。……恐らく、サーヴァントが気づいたのだろう。即ち、既召喚済み。当然か。振り上げた左手で、そのままシンシアの肩を払う)……ぶつかったときにゴミがついていたようだ。
        (分かってる。そう睨むな。お前がいてなお、交戦しようとは思わない、という意思を背中に受ける視線に返し、現れた男に投げる)
        知り合いか? ……連れがいるなら、ちゃんと見張っておいたほうがいいと思うぞ。危なっかしいからな(肩越しに振り返り、皮肉を織り交ぜて、セイバーに向かって言う) -- クローベル 2010-03-23 (火) 00:30:08
      • どうしたも何も。家に帰るのが遅いから迎えに来たんだろう?
        (さも兄弟か何かのように振舞い、西の方を指差す。ちなみにそちらに彼らの泊まる宿は無い)
        (男の視線にはサングラスの奥の目を軽く細めただけ。肯定も否定もせずに流し)
        ああ、そうする。すまないね。ドンくさくてどこでも転ぶような奴なんだ。面倒を見て貰って助かるよ<<話を合わせろ。少し街を無駄に歩いてから帰るぞ>>(空々しい事を言いながら、念話でマスターへ強く呼び掛ける) -- セイバー 2010-03-23 (火) 00:35:04
      • え……っ わざわざすみません… ありがとうございます(本当に埃を払われたのだと思い、クローベルに向き直ってお辞儀をした)
        <<…………?????>>(言葉にもならない疑問の気持ちだけを念話にぶつける)
        あの…お待たせしてしまってすみません…(辛うじてなんとか話を合わせようと) -- シンシア 2010-03-23 (火) 00:36:39
      • <<いいから、後で説明してやる>>
        ああ。買い物が終わったらそろそろ帰ろう(マスターを促して) -- セイバー 2010-03-23 (火) 00:43:49
      • いや、こちらこそ。今度会うときはもう少しロマンチックに会えるといいな。(哂って肩を竦める)
        (セイバーを見て)懸命だ。次に落とすのは、フルーツではないかもしれないしな。(少しだけ殺意をにじませ)……まあ、もっと大切なものを落とす前に、しっかり言ってやるといい。(すぐに殺意は霧散する)
        じゃあ、失礼するが……そうだな、名前を。……出会いの最後に名前を聞くのは、少しだけロマンチックだと思うんだが、どうだろう?(にこり、と花売りの魔女に笑み) -- クローベル 2010-03-23 (火) 00:48:15
      • ロマンチック……ですか…………?(どこかランサーと似た人だなあ、と暢気な感想を抱き)
        お帰りですか… 私の名前はシンシアーリーと申します シンシアとお呼び下さい
        (未だ理解できないことが多いのですぐに聞きたいが、一先ず別れの挨拶を先に済ます) -- シンシア 2010-03-23 (火) 00:56:04
      • ほう? 覚えておく事にするよ青年。落し物には拾える物と拾えない物がある、君も気をつける事だ
        (これはサ―ヴァントだと気付かれたか、と感じつつ。次は無いと告げた)
        名前の交換も終わったなら行くぞ、いい加減腹が減っているんだ(シンシアの肩を叩くと歩くように促し) -- セイバー 2010-03-23 (火) 00:57:54
      • (刹那――セイバーの言葉は、彼の目的とは違う理由で、青年の心を抉っていく。その痛みに、静かに目を閉じた。――なんだ、この痛みは)……ああ。多分、それは、知っている。確か、だがな。
        (す、と取り出した狐面を胸に当て、痛みを和らげるようにして)……シンシアそしてそちらの彼も。またどこか別の場所で出会えることを、楽しみにしているよ。
        (そのまま一礼し、二人の背中を眺めて見送る) -- クローベル 2010-03-23 (火) 01:02:59
      • (促され、足を進めながらも振り返り)はい、クローベルさん またどこかで会えるといいですね
        (他意のない言葉を残し、背を向けて帰っていった) -- シンシア 2010-03-23 (火) 01:05:20
      • 拾えない落し物…か。本当に人の事は言えんのだが…(皮肉気に言うとシンシアに続き姿を消す)
        (この後アサシンに尾行されている可能性を考えて凄い勢いでシンシアを街中に連れ回したそうだ) -- セイバー 2010-03-23 (火) 01:08:06
  • ――黄金暦152年 6月 -- 2010-03-21 (日) 19:37:56
    • 要らんお節介を焼いてくれたな……!
      (苛立たしげにマスターを睨みつけるその姿も決してダメージは少ないわけではない)
      (しかし相手にいいようにやられたこと、そして自分が助け舟を出されたことに痛めた自尊心は――)
      クッ!!(主に吐き捨てる言葉すら浮かばずそのまま背を向けてどこかへ立ち去り) -- セルマ 2010-03-22 (月) 03:28:32
      • ……セルマは、力としては強いが、ベクトルが不安定すぎるな。
        だがこの敗北が明日の糧となる。ここまで理想的な形で終われたことに鳥肌すら立つよ。
        ――何故、プリスが召喚を終えるまでセルマに攻撃させなかったか。本当の目的はセルマの試運転などではなく、ただ単にそうすれば敗北かそれに近いものが得られると思ったからに過ぎない。
        このままでは、勝てないんだ。セルマ、お前には殺欲に見合う、強者への殺人力を身につけてもらう。
        ……オレには……そうしなければいけない理由がある。……聖杯は、必ずオレが手に入れてみせる。 -- 狐面 2010-03-22 (月) 03:35:40
  • ――黄金暦152年 5月 -- 2010-03-20 (土) 20:17:37
    • (暗い洞窟の中、背中を洞穴の壁に凭れさせ、寝ている。物音に目を覚まし、セルマを見て、仮面の裏で暗く哂う)
      ……待ちきれないか。セルマ? -- 狐面 2010-03-20 (土) 20:19:27
      • (洞窟の入り口で、今にも降り出しそうな曇り空を目を細めてみていた)
        (青空を憂鬱げに睨んでいたことは昨日のこと、魔人の心も移ろいやすく)
        待つのは嫌いじゃねェのさ……だが今回ばかりは別だ。(腕を組み)
        わかるかマスター。もうすぐここまで届くぜ……血の匂いだ。聖杯を求める有象無象が流す赤。 -- セルマ 2010-03-20 (土) 20:29:18
      • (その様子を狐面越しに眺める。顔が面に覆われているため、その表情は読み取れない)
        もはや戦争は眼前にまで迫ってきている。その血の匂いが届く前に、悲鳴が届くかもな。
        セルマ。二つ目の令呪でお前に自由を与えた理由を、存分に発揮すればいい。いずれその血の匂いも気にならなくなるだろう。おまえ自身の匂いが、すぐにそれになる。 -- 狐面 2010-03-20 (土) 20:38:57
      • ……くっくくくくっく、うっひゃっはははははははは、くふひひゃははははははははァ!!
        駄目だなマスター。全ッ然駄目だぜェ? 血の匂いなんかさせちゃアさぁ!!(肩を揺らして笑いながら振り返り)
        人間は人間以外のものに敏感だ。違うものを恐れ、忌避し、排除し、それすら叶わぬ場合にようやく本能を思い出して逃避を企てる。
        だが逃げてもらっちゃ困るぜぇ!?(聖母像のように両腕を開き)殺すのに手間取っちまうからなァ!!(その哄笑は狂気そのもの)
        だからよォ……私はこうするのさ。
        (女の周囲が黒く切り取られたかのように変転すると次の瞬間には穏やかに微笑むごく普通の女性の姿になっていて
        ……どうですか、マスター。(優しく微笑みかけ)これで人間に警戒はされない。 -- セルマ 2010-03-20 (土) 20:51:22
      • (哄笑を受けるが、表情は変わらず――少なくとも外部からは変わったと観測はできず)
        成る程な。血の匂いを置き去りにするか。……生憎、オレは人殺しには素人でね。
        (仮面に手を置き、狂気から一枚、その仮面を隔てて目を瞑る。――あまりにも濃い、瘴気に軽い吐き気すら催す。仮面の裏で小さく笑った)
        (セルマの豹変に、眉を上げ、肩を竦める)……成る程。それは……有効だ。全く、本当にお前はプロだと思い知らされる。
        何百人殺してくれば、その殺した先でその笑顔を出せるんだ?(くつくつと暗く笑い) -- 狐面 2010-03-20 (土) 21:03:56
      • ええ。その点、人の殺し方は私にお任せください。(淑やかに手を合わせ)
        気付かれないように殺すやり方、気付いてもらってから殺す方法、あっさりと死んでもらう技術、生まれてきたことを後悔するほどの拷問!
        いやですね、マスター。(口元に手を当てて上品に笑い)桁が足りないんじゃないですか?
        (曇り空の下まで歩いていき)私は街に下ります。偽名を持ち冒険者としての身分も作りましょう。
        人当たりの良い笑顔で口当たりのいい言葉を並べるとしましょう。その果てに幾つもの絶望を作り出せるはずですから。
        (背を向けたまましばらく沈黙が両者を支配し)
        マスターにも来てもらいましょう。魔力のラインが繋がる先がこんな遠く離れた場所にあっては困ります。 -- セルマ 2010-03-20 (土) 21:17:46
      • ああ、口当たりが良すぎて反吐が出そうだ。まるで日常の中に人殺しが組み込まれているような感覚すら覚える。
        (長い沈黙の後、促されれば立ち上がり)ああ、せっかくお前に一番近い特等席にいるんだ。愉しませてもらおうか。
        (曇天は嘘に嘘を重ねた心境のように薄暗く。狐面の下で、笑顔という嘘を重ね、洞穴から外へと歩き出した) -- 狐面 2010-03-20 (土) 21:25:26
  • ――黄金暦152年 4月
    • (暗い洞穴、転々と火油の灯が灯る。床には光コケの溶媒で描かれた魔法陣を前に狐面の男があぐらを掻いて術式を唱えている)
      ――我、求め訴えたり。暗く冷たき刃を心に持ちし魔獣。
      喰らえ(みたせ)喰らえ(みたせ)喰らえ(みたせ)喰らえ(みたせ)思う様(みたせ)
      繰り返すつどに五度。流転の安定を描き原点に帰す。
      ――――告げる。
      汝の身は我の下に、わが命運は汝の御手に。
      聖杯のよるべに従い、この意、この理に従うのなら、わが呼び声に応えよ、気高き孤独よ。
      (最後に自らの握った手のひらから血を魔法陣に垂らし、術式を完成させる)――応えよ(きたれ)。 -- 狐面 2010-03-19 (金) 21:41:40
      • (男が魔法陣に捧げた血の一滴が落ちた瞬間、柔らかな光が満ち、収束する)
        (その中に人型の影が現れる。エメラルドの瞳、鷲の意匠を胸にあしらった奇妙な服)
        (端正な顔立ちは無表情に狐面の男を見る)
        問おう。(その唇から言の葉は紡がれて)お前ごときが私のマスターか!?
        (それは侮蔑に満ち、歪んだ、凶悪な笑み) -- セルマ 2010-03-19 (金) 21:51:57
      • ――残念ながらな。
        (ニィ、と狐面の裏で笑い、頬に令呪が灯るのを感じ、頬を柔らかく撫でた)思った以上のじゃじゃ馬が応えてくれたようで、嬉しいよ。
        (歪んだ笑みに多少混じる、漏れ出す本物の殺気を覚え)――ひとつ目の令呪、さっそく使わせてもらおう。
        ……『今から三つ質問をする。その質問に答えるまで、お前はオレを殺せない
        (キィ、と頬の令呪が赤く灯り、呼び声に応える) -- 狐面 2010-03-19 (金) 21:56:45
      • くっくくくくくくくくくくくくくくくくくく!! つまんねェなぁマスター? 我が主か、それともご主人様と呼ぶのがお望みか?
        じゃじゃ馬ってのは乗りこなせる範囲の女に言うんだったなァ、仮面魔術師さんよォオオオオオオオォォオ??
        ひーッひゃっひゃはっはははははははは!!(右腕に魔力が収束していき)
        なぁッ!?(振り上げる間もなく殺意と魔力は雲散霧消し)お前…バカがぁぁぁぁ!!
        こんなくだらない命令にッ令呪を!!(力ある言葉と強制力に縛られ、相手への攻撃が叶わない) -- セルマ 2010-03-19 (金) 22:03:50
      • (苦笑し、冷や汗の流れる仮面の下で笑う)――理想通りすぎて嫌になる。『当たり(・・・)』もいいところだ。
        そういう目ができる相手じゃなければ、どうしようもない。出会い頭に正義でも語られたらどうしようと思っていた。
        (もがく相手に静かに座り)逸るなよ。何も永遠にその力を縛ろうというわけじゃない。
        あえて三つの質問後にオレを殺せるようにした意図くらい理解する知能はあるだろ。――眼鏡に叶わなければ殺せばいいさ。
        まあ、いい。いつまでも縛っておける相手ではなさそうだ、手短に行こう。一つ目の質問だ。
        今、お前はオレの呼びかけに応え、現世へと舞い戻ったわけだが『そこまでしてお前が成したいことはなんだ』。
        と、質問はしてみるが……その様子では、大体想像はつくな。(狂人のごとき振る舞いに寒気すら覚えながら) -- 狐面 2010-03-19 (金) 22:11:49
      • ほう。私のような力を求めたというのはな。今までカルト宗教の連中か自殺志願者くらいなモンだったぜェ。
        そりゃあ違うだろうなァ……「座」にあれだけの英霊が居てわざわざ魔人を喚ぶんだからなァ…くっひひひひひひ。
        いいだろう。(男の前へ右手を差し出し)三つだ!(人差し指、中指、薬指が立てられ)
        そして最初の質問――『全ての人間が悶え苦しむ様が見たい』だ!!(折り曲げられる薬指)
        さぁ、マスター。次の質問をしなァ! この指がカウントダウンの代わりだぜぇ…
        くっくくくくくひっひひひひひひひひひひひゃっひゃひゃっはっははははーっははっはっはっはっはっはっはッ!!!
        (洞窟に響き渡る魔人の狂声、灯りが風もないのに不安げに揺れて) -- セルマ 2010-03-19 (金) 22:24:51
      • 生憎、そのどちらでもない三つ目にオレを分類してくれ。……する必要があれば、だがな。
        そういう意味では感謝されてしかるべきだと思うがな。まあ、いい、今選んでいるのはお前のほうだ。
        成る程。馬鹿でも分かるくらいに明瞭で明快な理由だ。
        では――二つ目。『オレがその願望の手助けをすると言った場合、それをどうすれば信じてくれる』。
        初めに言っておく。オレはお前に興味はない。少なくとも、今の時点ではな。
        もっと突き詰めて言おう。オレは、聖杯を手に入れるという目的以外に、この戦争に興味はない。
        例えば、サーヴァントが勢い余って何人殺そうが(・・・・・・・・・・・・・・・・・)さして興味はない。
        お前が独力で『それ(ひとごろし)』を成すというのならば、オレとの契約が切れるまでの数瞬で、オレを含めた何人を殺せるか試してみるといい。
        (立ち上がり、両手を広げ)オレが、わざわざこんな誰もいない暗い洞穴で、一人お前を呼び出した理由を理解してもらえると、なお嬉しいな。(狐面で隠れた表情からは読めないが、まっすぐに言葉を投げる) -- 狐面 2010-03-19 (金) 22:33:08
      • 安心しろよ。私にとってはみんな『人間』だ。(その瞳に狂気は深まり)
        それもそうだ……私も聖杯戦争に召喚された以上、マスターとサーヴァントの関係くらいはわかる。
        (質問を聞けば目を瞑り)好き勝手殺すことも咎められない。
        お前と組んで利益もある。利害は完全に一致だ、そこは疑いようもない。
        ここでお前を殺してしまえば宝具を使った瞬間に消滅、お前を含めて何十人か殺せればいいほうってわけだ。
        計算もできないほど馬鹿ではないというのも理解しておいてやろう……だが。(目を開き、凶暴な笑顔で見下し)
        『まだ信じるに足りん』なァ!!(中指は折り曲げられ、人差し指が男を指す)
        私は別にお前でなくてもいい。何百年か後に召喚されることもあるだろうなァ……その時にゆっくり全ての英霊を皆殺しにすりゃァいい。
        最後だッ!! もう後がないぜェ、言ってみろッ、言ってみろよォ、仮面の男(マスター)よォおおおおおおおおぉぉおおおおおおおおぉぉ!!!
        (二つの質問を答えた事で英霊は令呪の支配下から抜け出しつつあり、周囲には悪意と敵意、それととびきりの殺意に満ちる) -- セルマ 2010-03-19 (金) 22:48:48
      • ――人間ね。それも、間違いでないのが辛いところだ。
        (怒号ににた欲望の言葉を叩きつけられ、仮面の下の目を瞑る)………。
        成る程な。道理だ。死んでいるのであれば、時は永遠にある。お前にとって焦る必要はない、ということか。
        狂人かと思えば頭も回るじゃないか。オレなんかよりよっぽどキレている。いろんな意味でな。
        ……そうだな、最後の質問だ。短い付き合いだったが、楽しかったぜ。
        最後はそうだな。……お前の名前を教えてもらおう。これから『聖杯戦争が終わるまで、オレの命を奪わないお前の名前』は、何だ。
        (――二重陥穽。答えようが、答えまいが、殺せなくなる、そんな質問) -- 狐面 2010-03-19 (金) 22:59:35
      • そうだとも! わざわざ人間のマスターに協力してやる義理はこの私にはないッ!!
        どうだ、もうチェックメイトかァ? 下らん理詰めに付き合うのも飽きたところだ――
        人間のマスターに従う由なしッ! そのまま魔方陣の前で屍を晒すがいい、僅かな間のマスターよぉおおぉ!!

        (三つ目の質問を前に呆気に取られ、しばし固まり)

        ………く。(思わず笑ってしまう)くくくくくくっ!(目を押さえてその場で一歩後ろに下がり)
        やるじゃないか、見事だ。それに答えなければならないなァ……なかなか面白い奴だ。
        『我が名はセルマ・レイネス』。(令呪が解けてなお、男への殺意はなく)
        お前と組んで戦ってやろう。なァ……(邪悪に笑うその顔は僅かな灯りに揺らめいて)マスターよ―――― -- セルマ 2010-03-19 (金) 23:17:23
      • (恐らく、相手はこちらにあと二つの令呪があることを考慮に入れて退いたのだろう、と思わずにはいられない。冷や汗が落ちた)
        ……そりゃ、ありがたいな。こちらとしても、まだ死にたくはない。
        (狐面の下、くつくつと笑い)……感謝する、セルマ。戦いの日々と癒えない罅、鉄を呼吸し血を滾らせる戦場を約束しよう。
        ――二つ目の令呪だ。
        (ニ、と仮面の裏で哂い、その頬で令呪が輝く)
        『存分に暴れろ。セルマ』
        (その令呪には意味が無い。ただ、その言葉は闇に紛れるほどに黒く、暗闇に同化するように溶けていった) -- 狐面 2010-03-19 (金) 23:28:38

Last-modified: 2010-05-26 Wed 02:16:48 JST (5074d)