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-登場人物
--白の少女:146cm。細い体躯で、瞳以外が純白の色彩で埋められている少女。&br;ワンレングスの長い髪は足元まであり、絹のように体に柔らかに沿って流れている。&br;クロニカに先んじて神学研に閉じ込められていた。&br;大統領の計画の中では重要な位置を占めているらしいが、当たり前ながら本人は乗り気ではない。&br;この場所に来る前は旅人であったとも、学生であったとも言われている。&br;『繋ぐ』事に関して適性を持ち、あらゆる物をつなぎ合わせることができる。&br;その代わりに、他者を傷つけるための技能を失っている。&br;かつては名前を持っていたが、今は名のないもの。
---神は力あればある程、その権能、「つかさどるもの」を己の内側から失い、力として発露させる。&br;断ち切ることを司るのであれば、武断や決断を失っていく。&br;繋ぐことを得意とするのであれば、それに繋がる何かを失っていく。&br;完全性の不完全こそが、神の内側に求められるものとなる。 --  &new{2013-03-03 (日) 00:56:06};
--大統領:182cm。体格のいい、白髪交じりの黒髪の壮年男性。&br;年齢的には60前後だが、見た目は4,50代に見える。&br;孤児出身で後ろ盾のない中で出世した、と”されていて”、支持率は高い。&br;本案件に関するあらゆる災厄の原因。&br;戦争が生じたのも、作られた子供たちを生み出したのも、&br;足抜けした黒猫の周辺状況を操ったのも、クロニカを送り込んだのも、全部この男。&br;大統領となる前には軍人であり、炎を操る魔法少女をこの国に縛り付けたというが、詳細は不明。&br;無手にて剣閃を放つが、魔法の系統に照らし合わせても道理の通らない技術である。
--白衣の青年:178cm。不健康そうな白い肌。伸ばされたままの柔らかい黒い髪。&br;髪に隠れて見えない後頭部に大きな傷跡があり、そこに触れると皮膚に埋もれたごつごつとした感触がある。&br;手指は長く細い。&br;左耳に小さなエメラルドのついたピアス。髪に隠れてほとんど見えることはない。&br;羽織った白衣の内側に大量の絵筆を持ち、それを使用して患者の患部を描くことによって治療する絵式医。&br;筆で描くことができる範囲ならば、生命以外のものなら何でも作り出すことができる。
-用語説明
--計画:当初神の素体として見込まれたのは、「神を模した泥人形」と呼ばれたもの、即ち人体であった。&br;しかし、幾度実験を繰り返せども成功には近づかず、最終的には計画の継続を辛うじて成し遂げる程度の結果しか、手に入れることはできなかった。&br;そんな中で、ある協力者が一つの提案をする。&br;ATGCという並びを模して、ATCCという並びが作られたとき。&br;ATCCという並びを真似て作ったものの中には、ATGCという並びを現す存在が、生まれうるのではないかと。&br;「神を模して作られた」人にそもそもの欠損があったのだとすれば。&br;「人を模して作られた」人形、即ちホムンクルスの中に、その欠損を埋めうる何かがあるのではないか。&br;いくつもの試行を経て、計画は、次の段階へと進もうとしている。
--作られた子供たち:神の素体として見込まれていた人間たちの中には、東の果てで仙人と呼ばれる類の者たちもいた。&br;要するに、世界と同化して己を消去することのできる存在であれば、神との同化も容易いのでは、と考えられたのである。&br;そこで研究所は、世界を構成する精霊たちとの親和性の高い子供たちを集め、さらに教育によって純度を高めることとした。&br;このとき選ばれた子供たちは様々な試験を行われ、あるものは世界に溶けて消え、あるものは自我をなくして舌を噛み、あるものは体を変質させて処理された。&br;計画の最終段階まで残っていたのは一握り。しかし、その子供たちを消費しても、計画は進展しなかった。&br;理由は単純で、世界に溶けるほどに純度を高めた存在が、神の濃度に耐え切れなかったためであった。&br;そうして計画は頓挫し、自然発生した特殊個体を用いた実験を除いて、規模を縮小することとなった。