#navi(../)

* アイエムジー家出身 ウィン・ガーランド 466103 [#m33f09fe]
|[[http://notarejini.orz.hm/up3/s/exp009064.jpg>http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp009064.jpg]]|ID:|466103|
|~|名前:|ウィン・ガーランド|
|~|出身家:|アイエムジー|
|~|年齢:|27|
|~|性別:|#listbox3(男,server,sex)|
|~|前職:|#listbox3(猟師,server,job)|
|~|理由:|#listbox3(立身出世を目論んで,server,reason)|
|~|状態:|#listbox3(冒険中,server,state)|
//////////
|~|方針:|#listbox3(護衛を優先,server,type)|
|~|難易度:|#listbox3(多少の危険も辞さない,server,diff)|
|~|信頼性:|#listbox3(気にする,server,conf)|
|~|その他:|&areaedit(){[[ステータス>ステ:466103]]/[[戦歴>戦歴:466103]]/[[''昔話''>冒険中/466103]]};|
|~|[[&ref(http://notarejini.orz.hm/up2/s/qst073260.jpg,養成学校);>http://notarejini.orz.hm/?%B4%EB%B2%E8%2F%CB%C1%B8%B1%BC%D4%CD%DC%C0%AE%B9%BB]]| &ref(http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst065598.png,nolink,種族:エルフとかアールヴとか); &br; &ref(http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst065601.png,nolink,戦闘RPしたいキャラ用に,戦闘スイッチON); &br; &ref(http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst065600.png,nolink,よく置かれるものの詰め合わせ−2); |
//
// ※ ご注意「//////////」より上は変更可能個所以外はそのままにして下さい。
// タイトルの「家出身」の記述も含まれます。
* 3 lines [#kd92f840]
-ロンゲの射撃手が
-ちょっとナンパに
-冒険者兼バーテンダー!
* details [#p09fe15e]
-*[[見た目>http://image2.atgames.jp/selfy.swf?&hair=10423434&face=10373003&acceh=10339464&coat=10421641&top=10517893&bottom=10425391&shoe=10347831&bgFlg=1]]
-ハーフエルフと猟師の子供
-クォーターエルフなのでそれなりに長生きで若い期間が長い
-狩りの腕前を生かして軍に入隊、山岳部隊において支給されたマークスマンライフルで兵役を終えた
-腰の上まで伸ばした金髪を適当に縛ってる
-耳は人間よりは尖ってるけど目立つほどではない
-女の子に頼まれたら嫌とはいいにくい便利な奴
-一人称は僕
-女性や年下の子が喜んでいる姿を見るのが喜びだと公言してはばからない
-194年4月より[[BAR Alberich>施設/BAR Alberich]]のマスターバーテンダーとして冒険者と兼業している
--得意な物は肉料理とパフォーマンス、カクテルの腕はそこそこおいしく独創性に優れるといった所
* battle details [#j1a35afa]
-払い下げのマークスマンライフル(弓)を使うがハンドガンやサブマシンガンも一通り扱える
--死亡報告時に取得した装備を一度全てギルドに譲渡。
-狙撃よりの遊撃手といった戦闘スタイル、ある程度の柔軟性がある
-腰には補充弾薬にスモークグレネードやフラッシュグレネードなどを収納したバトルポーチ
** [[Dungeon Items>http://notarejini.orz.hm/?%CD%DC%C0%AE%B9%BB%2F%A5%B3%A5%E1%A5%F3%A5%C8%2F%C8%EB%CC%A9%A5%C0%A5%F3%A5%B8%A5%E7%A5%F3]] [#n3d38e85]
-192年10月にスモークグレネードの一種を取得
--投げると周囲の光の屈折を歪めて自分の位置を見誤らせる効果がある
-193年4月にスナイパーライフル用のスコープを取得
--使用者が望む最適な倍率(2〜30倍)に任意で変化する

----
* event [[http://notarejini.orz.hm/up2/s/qst074814.jpg>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst074807.png]] [#gbc2cf78]
[[http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst036509.gif>http://notarejini.orz.hm/?cmd=edit&page=%A4%D0%A4%C3%A4%AD%A4%E5%A1%BC%A4%F3%A1%F9]] [[http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst036510.gif>http://notarejini.orz.hm/?cmd=diff&page=%A4%D0%A4%C3%A4%AD%A4%E5%A1%BC%A4%F3%A1%F9]]&br; &br;
 ウィン>名簿/451391   
#pcomment(ばっきゅーん☆,3,below,reply)
* bar [#we6057b4]
#pcomment(コメント/施設/BAR Alberich,1,below,reply)
* Friend&Feeling [#mab68274]
-female
|[[カノちゃん>名簿/451117]]|神秘的な雰囲気があるよね。&br;一見すると近寄っていいのかな?って感じる受け答えなんだけど、知り合ってみると単なる自分の思い違いだって事にみんな気がつくと思う。&br;人が集まる時には一歩引いて皆のことを見ているのも近づき辛い訳じゃなくて一人になってる人がいないかを見ていてくれてる。&br;人と違うことをコンプレックスに感じる訳でも優越性を誇る訳でもなく、素直に認めてその中でどうやって他人と関わっていけばいいのかいつも考えて努力しているって印象があるな。&br;もちろん僕に出来ることは何でもしてあげたいね。|
|[[ピピルンちゃん>名簿/16942]]|とても女の子らしい分かりやすい可愛さで守ってあげたいなって気持ちになるよ。&br;女の子達の話題の中心にいて楽しげに笑ってる姿がまぶしいな。&br;それでいてノリがいいし本当にあんな子が近くにいたら毎日楽しいだろうなっていつも思うし実際そうなってるのが凄いよね。&br;これからもっと仲良くなって色んな一面が見たいとすごく思ってる子の一人だよ。|
|[[マツリカちゃん>名簿/451405]]|自分の感情に素直なマツリカちゃんは何をしたいのか何をして欲しいのかを分かりやすく伝えてくれるのが嬉しいな。&br;民族衣装に身を包んでる姿が印象深いけど、最近身につけてるメイド服姿も新鮮な感じがあって僕はとてもいいなあって思うんだ。&br;それにいつも作ってるマスクも東洋的な雰囲気を感じるいい物だと思う、特に僕に審美眼がある訳ではないんだけど。&br;にじみ出てくる物があるっていうか、何かを伝えられる物を作り出せる人って尊敬できると思うんだ。|
|[[エレットちゃん>名簿/451360]]|んー、一見して分かるその大きさは割とどうでもいいって言うか、仲良くなるのに特に障害に感じたことはないな。&br;それだけ本人の性格が明るく前向きでそれを感じさせないって言うのが大きいと思う。&br;もっとみんなと一緒に色んな事を体験して立派な大人になってほしいな…や、サイズがどうとかじゃなく心がね。&br;でもやっぱり年頃の女の子が人と違うっていうのはストレスになるし、それを抱えてるのは辛いと思う。&br;僕にできる限りの事を手伝ってあげたいね、まずは一緒に遊んだり勉強したりして思い出を作ってあげたいかなって。|
|[[リースちゃん>名簿/451377]]|バレンタインのチョコレートに広告を入れるぐらい仕事熱心なのがまず思い浮かぶな、でも教室では意外と引いた位置から見てるのは流石にクレバーな面もある商売人って感じだね。&br;金銭感覚がしっかりしてるだけじゃなく気を使ってくれる優しさもちゃんと持ってるんだ、普段は変わった喋り方と明るい調子でそう見えないことも多いけれどね。&br;クラスの中に必要な一人だと僕は感じてるな、いてくれると便利っていうのももちろんあるんだけど、それをさし引いてもいて欲しいっていうか。|
|[[ハーネちゃん>名簿/451463]]|いつも元気で自分の夢にまっすぐ生きてるよね、僕はそういう子大好きだな!&br;羽や空飛ぶものを見てる時のキラキラした瞳は誰にも負けない綺麗な物だと思う、無くさないでほしいね。&br;とはいえ僕が振り回されるぐらい一直線な時があって、生死の境でそれは驚いちゃったかなって…でもそれはどこまでも自分の夢に正直な証拠なんだよね。&br;一緒に隣を歩いて行くというよりは、ハーネちゃんが走っていくのを追いかけていく形が楽しいかなって考えてるんだ。&br;そしてハーネちゃんが見ている物を後ろからそっと見せてもらいたいなって。|
|[[コヒナタちゃん>名簿/451487]]|年が若いのにみんなのまとめ役を頑張ってるよ、孤児院の出身って言うのも関係しているのかな。&br;ホント全方位に気が回るというか実技も得意だし座学もできるし顔立ちは整ってるし髪は艶やかでため息が出るぐらい綺麗な黒髪で…わりと完璧超人だよねこれ!?&br;皆の人気者になるのも分かるよ、僕だって一目見た時に見とれちゃったから。&br;でもみんなの期待を背負ってるってことはどこかでそれだけ無理してるってことだよね。&br;それを見付けられる事ができたら支えてあげたいなってつくづく思うんだ。&br;隣を一緒に歩いていけるならコヒナタちゃんみたいな子が理想なんだろうね。|
|[[ソラちゃん>名簿/445579]]|いい声をしてるんだ、鈴のように誰もがはっとするきらびやかな特徴はないけれど。&br;普段からその音と生活したいって自然に思わせるような優しい温かな響きがあって、来客を運んでくれるように何か良い事を連れてきてくれるような気のする。&br;また聞きたいと思わせる、そんな声を持っていて皆のことを近くで見守っている可愛さと優しさを兼ね備えた女の子だね。&br;でもたまにハッとするぐらい違った表情を見せるのはどうしてだろう?僕の知らない激しい一面を持っているのかな。|


//-male
//||||||

//[[>名簿/]]
* comment out [#fff8f087]
//ナンパな行動にはちゃんとした理由があったりする
//女の子に優しくしたいだけで見返りは求めていない
//トラウマからなのか女性に銃を向ける事はない
//女を撃たなければならない時は、仲間の命がかかっているような場面以外は逃走する
//たまに素の自分に戻ることがある
//見分け方は声のトーンの変調と一人称(僕→俺)


//恋愛スイッチ
///んー、相手の子が嫌じゃなかったらONかな?
//戦闘スイッチ
///ON、やる時はやるよー
//文通スイッチ
///ONだよー
//レイプスイッチ
///OFFかなー!?でも逆レイプは考える
//セクハラスイッチ
///OFN?
//エロールスイッチ
///できなくはないって感じでON
//ガチ死にスイッチ
///死に過ぎたらONかなー
//引きこもりスイッチ
///OFFにしたい!
//シリアスキャラスイッチ
///半々ってことでー
//大人数コメ参加スイッチ
///ONだよー

//しまった
//この昔話誰に打ち明けたらいいのかさっぱり思い付かないぞ

//しばらくダンジョン浸りになろうかな

//先程もお話しましたが、教会のイベント日程が一応黄金暦193年の4月と5月(=7月24&25日)の予定です
//何か不明瞭な点、リクエスト、お小言、愚痴、懺悔、だらだらetcがありましたらイベントページにコメント下さいな〜
//はいなー、とは言っても特にはないです
//サポート中心の立ち回りで頑張ります


//アンケートの様なものです、よろしければご協力ください
//卒業と同時にキャラを〆るよスイッチ
//ぶっちゃけありえな~い


#region
*** Family [#xd170877]
俺は山脈が近い寂れた寒村で生まれた。冬は雪に埋もれ、夏でも見上げる山頂には雪冠がうっすらと残るような高所にある過疎の村だ。
&br;人間の父とハーフエルフの母はこの村へ追われるようにやって来た、と聞いている。この街以外の地方では当然のことだろう。
&br;森の番人であるエルフと人間が交わることは、森と人のバランスを崩す事に繋がりかねない。あまりにも高齢化の進んだこの村以外には行く場所がなかったはずだ。
&br;
&br;父さんは寡黙で真面目な人だったが、村人との関係は悪くはなかったように思う。
&br;以前はライフルを扱っていたらしいが、鉄を嫌うエルフの血を引く母を気遣って、村に来る頃には弓を使っていたそうだ。
&br;俺は5歳の頃には父の後を追いかけ、山に入ろうとしては拳骨を貰っていた。
&br;言葉少なに別れの挨拶を交わしてから村の狩人と一緒に出かけ、数日後に獲物をしっかりと獲って帰ってくるその姿が大好きだった。
&br;
&br;母さんは物静かで器量の良い人だった。
&br;たおやかで美しいブロンドの長髪を一つ結びにして、てきぱきと家事をしている後ろ姿が脳裏に焼き付いている。
&br;誰にでも優しく、ハーフエルフ特有のエルフの美貌を受け継いだ姿はとても一介の農婦だとは思えない。村にいる誰もがそう語っていたほどだ。
&br;母さんと一緒に畑の仕事をして、夕暮れ時を家へ帰る途中に繋いだ手の暖かさを覚えている。短いその時間が大好きだった。
&br;
&br;二人とも俺の自慢だった。あの事件が起きるまでは。

*** Accident [#iebd0d91]
その日は俺がこの街に来る17年前、秋も深まり冬を迎えようとしていた頃だった。
&br;俺と母さんは、数日前からいつものように出かけて行った父さんの帰りを、畑仕事をしながらいつ帰るだろうかと話しながら待っていた。
&br;厳しい冬に向けて少しでもいいからと、食べることのできる野菜を何とか育てようと作業していたそんな折。
&br;道の向こうから近所のお爺さん―俺は猟師を引退したこの人にライフル銃の扱い方を学び始めていた―が道の向こうから駆け足でやって来るのが見え、手を止めて何かあったのかと母さんと一緒に近づいた。
&br;「狩人たちが熊にやられた」
&br;近くに来たお爺さんが発した言葉は、俺たちにはひどく現実感の薄い響きだった。
&br;そんな馬鹿な、父さんはいつもと同じように少し照れ臭そうな微笑みと一緒に、「無事に帰ってくる」と言って出かけていったはずだ。
&br;
&br;村の広場まで駆けつけた俺たちが見たのは、知り合いの猟師のおじさん達が何人も木とぼろ布でできた簡素な担架に乗せられ赤黒い染みを包帯に作っている光景だ。
&br;皆口々に痛みを訴えるか、もしくは何も喋らず荒い息を吐いているだけで、父さんがどこにいるのかさえも分からなかった。
&br;父さん、父さんと叫びながら村中の人が集まっている中を探し回るが、見つからない。
&br;気付けと消毒を兼ねた強い酒を傷口に掛けられたリーダー役の人が意識をようやく取り戻すと、俺の母さんの名前を呼ぶ。
&br;急いで近づいた俺と母さんは、事の顛末をそのおじさんから聞くことになった。
&br;
&br;…あの日から一週間、ずっと母さんは泣いて暮らしている。
&br;家事だけは何とかこなしているがとても辛そうで、畑のことは全て俺がやっていた。そろそろ寒さに手がかじかむ頃だ。
&br;俺は泥まみれの両手に息を吹きかけ、高所にあるため麓に比べて明らかに低い鉛色の空を、空の色と同じような重い心で見上げる。
&br;
&br;その熊とは全員で移動している最中、突然遭遇したそうだ。
&br;きっかけは何だったのか今となっては分からないが、そいつは相当に怒り狂っていたらしく出会い頭に一人の猟師を殴りつけた。
&br;彼は頭を半分削り取られて即死したらしい。
&br;動揺する猟師達に向かって熊は突撃し、彼らを弾き飛ばしては手近な者に爪で痛恨の一撃を加えていく。
&br;猟師たちの殆どが何らかの攻撃を受けて身動きが取れなくなり、爪で肩を裂かれたリーダー格のおじさんに再度攻撃の矛先が向けられたその時。
&br;熊の片目に深々と矢が突き刺さった。突撃を受けたがどうにか体勢を立て直した父さんの物だった。
&br;絶叫を上げ、怒り狂う熊を挑発するように父さんは山の斜面を走っていく。
&br;だが獣の速さに人が敵うわけもない、さらに斜面は所々自然石が見え、平時でも谷底まで転げ落ちる危険性のある場所だった。
&br;父さんはついに捕まり、立ち上がった熊が振り下ろした爪の一撃であばら骨が丸ごとはじけ飛ぶほどの傷を負う。
&br;それを見ていた皆の目の前で、父さんは熊に抱きつくと自分から斜面を転がり落ちるべく、重心を下に向けようと地面を蹴り出したのだ。
&br;熊と父さんはバランスを崩し、一緒になって谷底まで石や木に衝突しながら落下していく。
&br;ガクンと落ち込むように切り立った石で構成された谷底まで落ちてしまうと、お互いにどちらの物とも分からない臓物をぶち撒けて一緒に死んだそうだ。
&br;それがおじさんの語った全てで、今も傷口の腫れと高熱に苦しんでいる。助かったのにそれで死んだ人もいた事を考えると詰め寄ることもできない。
&br;
&br;銃ならば。
&br;母さんが鉄を嫌う故に手放した銃であったなら。
&br;あるいは弓を引くことができないような体勢からでも熊を仕留められたのではなかっただろうか。
&br;父さんは死なずに済んだのではないだろうか。
&br;それを思うと、頭では違うと分かっていても母さんに対して黒い気持ちが湧き上がるのを感じてしまう。
&br;あの広場に行った日から俺は変わった。
&br;それまでも良く喋るほうではなかったが、はっきり無口といえる程度には言葉を発さなくなった。
&br;そして、お爺さんにライフル銃の扱い方を真剣に学ぶようになった。
&br;母さんが何度止めてくれと泣いて頼んでも、これだけは頑として譲らなかったのだ。
&br;
&br;父さんを死なせる原因になったかもしれないアンタに止められる筋合いはない。
&br;俺は半ば本気でそう考えていた。

*** Army [#w1d66689]
&br;数年後、今から13年前の話になる。
&br;猟師として問題ないほどの実力を身につけた俺は、村長の勧めで軍学校の試験を受けることになった。
&br;もちろん士官学校のような上等な教育を受けるわけではない、環境のせいもあって俺に学はそれほど身に付いていなかった。
&br;猟師の経験を生かして狙撃兵としての教育を受けるのは俺の望みでもあった。
&br;その頃ちょうど軍事改革の一環として導入された選抜射手、マークスマンを早期に育成するために大きく取られた募集枠に採ってもらう話が付いたのだ。
&br;父が手放したライフル銃で俺は多少なりとも世の中の役に立つ、国を守るのだと意気込みに溢れていた。
&br;今にして思えば、多分に母への意趣返しとかあてつけの面も大きかったように思う。
&br;しかし村は寂れる一方で、先行きを得るために誰かが軍役について国から補助金を貰いでもしないと立ち行かなくなるという大義名分も俺の背中を後押しした。
&br;ストレスによって痩せた母さんは、出迎えと郵便を兼ねた荷馬車が俺を乗せ、山道を下って見えなくなるまで村の入り口に立って見送ってくれた。
&br;それが最後に見た母さんの姿だ。
&br;
&br;軍学校での三年間はあっという間に過ぎ去った。
&br;四則演算から始まって狙撃に必要な数式、基礎教養、国の成り立ちと国軍の歴史。
&br;何よりも実践的な訓練課程に生活時間のほぼ全てが費やされた。
&br;睡眠と排泄、入浴以外の自由な時間など存在しなかったほどだ。
&br;幸いにもいじめのような目には会わなかった。
&br;全員がへとへとになるまでシゴキ上げられ、とてもではないがそんな余裕はなかったのだ。
&br;確かに辛く苦しい物ではあったが、自分が何かの目的のために最適化されていくのを実感するのは悪い物ではなかったし。
&br;世の中には様々な人種や体制、食事や文学があるのだと知ることができたのは有意義に変わりはなかった。
&br;総括するとそれなりに幸せな日々であったように思う。
&br;何人か仲のよい友人もできた事も大きい。村には自分と同じ年頃の子供がいなかったのだ。
&br;矢のように三年という月日を過ごし、卒業式を迎えると一週間の休暇を与えられた後にそれぞれの場所へ配属される事になっていた。
&br;友人達は一度故郷に帰ることにしていたが、俺は休暇を返上してすぐに任地へ赴いた。
&br;その時の自分には、村は酷く進歩のない停滞した物としか思えなかったのも理由のひとつになる。
&br;さらに母に対してもわだかまりが胸の奥に、しこりのような不確定の硬さを持って存在し続けていたからに他ならない。
&br;とかくその頃の俺は、自分がこの国とそこに住むか弱い人たちを守り通すのだという無邪気な愛国心に溢れていたのだ。
&br;
&br;最初に任官したのは、国境にほど近い山地にある陸軍基地の強行偵察部隊だった。
&br;偵察、と名が付いているがその実態は相手に襲撃を行い、反撃から敵の火力と規模を割り出すという危険に溢れた物も任務に含まれる極めて実戦的な即応部隊だ。
&br;俺は着任すぐに小隊内唯一のマークスマンとしてあちこちに駆り出される事になる。
&br;
&br;配属先の分隊長は口ひげをたくわえた、厳しくも温かみのある人物だった。
&br;山野育ちの俺を山出しと馬鹿にすることもなく、ほかの部隊員と平等に厳しく平等に評価してくれた。
&br;おかげで俺は軍学校で鍛えた自分の技術を正当に評価してもらえる場をすぐに手に入れるという、得がたい環境に恵まれることになった。
&br;彼の元で俺と部隊の皆は国境を守るため、果ての見えない戦いに飛び込んでいくのだった。
&br;
&br;俺の所属する国軍と隣国軍は山沿いの国境をめぐって散発的な戦闘を繰り返していた。
&br;正直なところお互いに明確な侵攻の意図はなく、一度占領した土地もすぐに撤退できる程度の兵力しかおく事はなかった。
&br;末端の兵に、この戦闘の目的は危機意識を煽ることによる双方の軍事予算の獲得にある、いわゆる出来レースなのではないかと陰口を叩かれていたのを覚えている。
&br;それでも命令が下れば戦いに出る必要がある、俺たちの分隊は山岳戦に長けた重要な歩兵戦力としてせわしなくあちらこちらに投入された。
&br;繰り返される任務と基地での休息の日々。終わりの見えない占領と奪還の繰り返し。
&br;そんな日常に心を磨り減らしていた俺は、母さんからの手紙に返信することも滅多にしなくなっていた。
&br;第一、あんな寂れた村に今更いったい何の用があるというのだ。
&br;そのように思っていたので自然と筆も鈍くなる。
&br;よほどの事があるならば手紙をよこしてくるだろう、それはチェックしているので問題はないはずだと信じていた。
&br;
&br;結局分隊には七年間在籍する。
&br;最終的に階級も曹長まで昇進し、通例少尉もしくは准尉が受け持つ分隊長の補佐役を任せられるようになった。
&br;女性と手を握った事もない俺の女性経験の少なさから、時折チェリー・サポーターとからかわれる事があった。
&br;だがそれも本気ではなく、良くあるレクリエーション交じりの軽い組み手に誘われる合図のような物だ。
&br;部隊の行く末に不安がない訳ではなかったが、分隊長と隊員みんなでかかればきっと乗り越えて行けると信じられた。
&br;だがその日々は突然終わりを告げる。
&br;大部隊との遭遇戦によって部隊は文字通り半壊し解体、再編される事になったのだ。
&br;ここから先の不思議な体験の記述は、以前学校で百物語として話した時の口語体で書かれていることに注意してほしい。
&br;
&br;
&br; んー、それじゃ僕も少しだけ話をさせてもらおうかな。といっても僕のは怖いというより不思議な話になるんだけどね。
&br; 大体の子には話したけど僕は前に兵士をやっててさ、それも前線でバリバリ戦う歩兵だったんだ。
&br; ある時侵攻作戦の一環で以前戦闘があったらしき廃墟に、僕のいた部隊が偵察に行かされてね。特に敵もいないようだしご飯を炊くことにしたんだ。
&br; その時はたまたま僕ともう一人以外の手空きがいなくて、ブーブー文句を言ったんだけど、結局飯盒を持たされて小川に米を洗いに向かったんだ…。
&br; こうなったらしょうがない、さっさとお米を洗ってテントに戻ろう、そう思ってやっつけ仕事で米洗いを済ませて飯盒を持ち上げた。
&br; すると隣にいた片割れが「一緒に連れていってくれ」って言うんだよ。
&br; 「いいよ、飯盒を一緒に持とう」って言いながらテントまでの道を歩いたんだ、他愛のない話をしながらね。
&br;
&br; 「ただいま帰りました」って僕が言ったら あれ?おかしいな、一緒に飯盒を持って帰ってきたはずのそいつがいるんだよ。
&br; そいつが言うには急に催したらしく、一人でも大丈夫だろうと思って茂みに入って、用を足した後勝手に帰ったそうなんだ。
&br; おかしいなあ、お前と一緒に帰ったはずなんだよ、と言いながら飯盒を地面に置いたらカチャリと金属の音がする、それに妙にグラグラして不安定だ。
&br; 底に手をやると、こう…片手に収まるぐらいの割れたヘルメットのかけらが一つ、金具に引っかかってる。
&br; 明らかに歩兵が被っていたような奴で、破損のひどさからとてもじゃないけど生きてはいないだろう。
&br; 妙なこともあるもんだねって事でその場は終わって、部隊みんなでご飯を食べてその夜は野営することにした。
&br; そのヘルメットのかけらに、何となく十字を切ってからその辺の木の根元に埋めて、僕も眠りについた。
&br; 僕は確かに埋めたんだよ。
&br;
&br; …次の日、僕のいた部隊は敵の大部隊と遭遇戦に突入した。
&br; とてもじゃないけどこのままでは全滅する、そういう規模の敵とかち合って隊長はやむなく撤退を命令した。
&br; でも撤退する以上、必ず列の最後に並ぶ奴が出てくる。相談の結果、部隊で一番射程の長い銃を持っていた僕にお鉢が回ってきた。
&br; もう駄目かな、と最後尾に立ってライフルを構えたその時、ガツンと胸に凄い衝撃を受けて、電源が切れるときみたいに目の前がぶっつりと消えちゃったんだ。
&br; ああ、これが死ぬっていうことか それだけ感じたのを覚えてるよ。
&br;
&br; …次に目を覚ましたのは野戦病院のベッドでだった、僕はライフル弾の直撃を腹に受けていたんだ。
&br; でも確かに腹は痛むけど銃弾による傷が全然ない、これはどうした事だろう?
&br; 痛む腹を探りながら不思議に思ってると、隊長が見舞いに来て
&br; 「これが無かったらあの場ではらわたブチ撒けてたぞ」と生々しい銃痕の付いた…あの時のヘルメットのかけらを手渡してきたんだ。
&br; 確かに埋めたはずのヘルメットのかけらが僕を救ってくれた。
&br; あの時もしも、誰かの声に返事をしなかったら、かけらに十字を切らなかったら。僕はここにはいなかったかもしれない。
&br; …そういうお話、ちなみにそのかけらは牧師さんに頼んで教会に納めてもらったよ。おしまいっと。
&br;
&br;
&br;…奇跡的に銃弾が貫通することはなかったが、それ以前に負った負傷が膿んで高熱を発し、俺は不本意ながらしばらくの療養を余儀なくされた。
&br;病床にあった俺に故郷から一枚の封筒が届く。
&br;既に代替わりしていた村長からのそれに、いったい俺に何の用があるのだろうと封を切って目を通したそれには驚愕の内容が記されていた。
&br;母さんが死んだというのだ。
&br;話によるとストレスで体力を長らく損なっていた所に、荷馬車の御者がたまたま流行の風邪に掛かっていた物を貰ってしまったらしい。
&br;母さんは病床で筆が持てなくなるその日まで俺への手紙を綴っていたのだという。
&br;ベッドを転がり落ちるようにして自分の私物入れに向かい、手紙の一つ一つを確認する。
&br;目を通すだけでは分からないことだったが、日にち順に並べてみると日時が新しくなるほど、最後の方は文面の始めから終わりにつれて筆の力強さが衰えていくのがはっきりと分かった。
&br;崩れ落ちるようによろめくと、背中を壁に付けながら床へずり落ちみっともなく尻餅を突いて放心する。
&br;俺は母さんの失調にも気付かずいったい何をしていたのだ。
&br;父さんの死に目にも、母さんの死に目にも会えないまま俺は、俺は。

*** Trampling down [#c7f1d9d1]
&br;軍務に復帰した俺に下ったのは、山をひとつ越えた前線基地への転属命令だった。
&br;分隊は解散したのである意味当然の処置だといえるが、それでも寂しさや悲しさは募る。
&br;特に母さんを亡くして天涯孤独の身の上になった俺にとって、分隊長と別れるのは辛いことだった。
&br;それでも俺の中には、まだ国を守りそこに住む人たちを守るのだという愛国心が残っていた。
&br;心のよりどころの大半を失った俺は、そう信じることでどうにか軍人として、人間としての外面を保つことができていた。
&br;
&br;…任官した先の部隊長は傲慢な人物であった。
&br;部下の功労をともすれば自分、もしくは自分の取り巻きの物にしようとする事が何度もありトラブルの多さに俺は辟易した。
&br;特に人種差別意識の酷さは特筆する物があり、俺自身クォーターエルフであることから、組み手で何度か手荒い歓迎を受けることになった。
&br;だが何度かの転任をこなしてきた基地員の一人にしてみれば、よくいるタイプの人間であるという。
&br;毎度の出撃のたびになにかしらの問題を起こす彼やその一行と行動をともにせざるを得ないのはうんざりする。
&br;最低任官期間が過ぎたらすぐに転属願を出そうと思っていた矢先、俺の人生をもっとも大きく変えるあの事件は起こった。
&br;
&br;それは基地から三日ほど離れた山麓にある国境付近の村の奪還作戦で起きたことだ。
&br;決して大きくはないが、キャラバンの通行する街道の途中にあり確保しておきたい要所である。
&br;幸いにも駐留していた敵戦力は多くはなく、大した被害も出ずに村を制圧することができた。
&br;ところが敵は撤退したというのに、いまだ部隊長は村人の拘束と監視を解かずに教会にその全ての人間を集めていた。
&br;「ガーランド曹長、貴様は反撃が来ないか門から見張っていろ」
&br;部隊長は顔をしかめたくなるような汗の臭いを起たせながら命令してくる。
&br;クォーターである為に嫌われていた俺には「了解しました」と返すより他になく、村長の役目も果たしていた教会の牧師に解放は待ってくれと言って歩哨に立った。
&br;そうしてマークスマン用の使い慣れたセミオートライフルを軽く構え、いつものように一人小間使いか二等兵のような仕事をこなすのだった。
&br;
&br;三時間ほど過ぎただろうか、一人の兵が交代を志願する。
&br;そいつはへへへ、と意地汚く笑って「自分はもう十分楽しんだんで、だいたいは中古になりますが」とよく分からない軽口を叩いて見送ってきた。
&br;いったいどういう意味だろう、と部隊長がいると言っていた建物に近づくと何だかバタバタと物音が聞こえる。
&br;銃声もしないし敵襲ではないようだが…そう考え、部屋の扉を開ける。
&br;そこには女性の悲惨さと男性の持つ残虐性が端的に表現されていた。
&br;
&br;少女から熟年にはまだ余裕のある女性まで、ほぼ全員が裸に剥かれて逃げ出さないよう部屋の奥に立たされている。
&br;部屋の中央に敷かれた布地の上では、部隊の兵が二人掛かりで少女を押さえつけ、時には殴りつけてまで大人しくさせてからその獣性を解放していた。
&br;その場の空気は男女の体液と血によって独特なむせそうになる物に置き換わっており、俺は強い吐き気を覚えて姿勢を崩した。
&br;よく見れば、部屋の隅には抵抗した末に行われたのだろうか、十四、五ぐらいの少女がこめかみを撃ち抜かれて横たわっている。
&br;涙の涸れた痕を付けたまま宙を仰いで物言わぬ姿になっているその遺体と、視線が重なった。
&br;何だこれは。
&br;こいつらは何をやっているんだ。
&br;
&br;俺を見つけた部隊長は腰を上げると近づき、笑いながら肩に手を掛けてきた。
&br;「ご苦労さまだったな。必要ないのかもしれんが奪還作戦でいい所を見せたのはお前だからな。殆ど使った後だが好きにしろ」
&br;その言葉を認識すると、倒れ込みそうになるほどの感情の渦に震える自分の視界がぐにゃりと歪むのを自覚した。
&br;
&br;俺はいったい何をやっているんだ。
&br;守るべき国民を、力のない人たちを。
&br;蹂躙するために今まで自分の能力を培ってきたというのか。
&br;俺はこの男達、いや人の姿をした獣達と同類なのか。
&br;「違います」とだけ返事をして、俺はすぐにその部屋を立ち去った。
&br;扉の向こうでは意味不明に聞こえたであろう俺の返事を笑う、男達の粗野な声がくぐもって響いている。
&br;
&br;違う。俺はこんな獣とは違う。
&br;これはしてはいけない事だ、人が人に行ってはならない事だ。
&br;それを証明しなくてはいけない。
&br;本来的な意味での自決の後。
&br;蹂躙してしまった人達にこの蛮行を謝罪しなければならない。
&br;
&br;俺は黙って装備を担ぐと教会に赴いて、件の神父に鐘のある小さな塔への出入口を尋ねる。
&br;ライフルを担いで問いただす俺は相当顔色が悪かったのだろう、意外な問い掛けに怯えながらも素直に粗末な階段の場所を伝えてくれた。
&br;すぐにそこを登り、風向きを確かめライフルのスコープで先程の部屋を覗き込んだ。
&br;ガラス戸の向こうでは相変わらず暴挙が繰り広げられている。
&br;その中心になって自分の分身に奉仕させている、部隊長と呼んでいた獣の頭部をスコープ内のサイトに捕らえた。
&br;身を焦がすほどの義憤に震える俺は、部屋以外の部隊員がどこにいるかを続けて把握する。
&br;この配置ならば各個撃破は十分に可能だと確信する、何よりあの部屋に彼らの殆どが集まっていた。
&br;
&br;教会の鐘と枠の隙間を通して天を仰ぎ、風を感じる。
&br;これまでの自分の生きてきた道を軽く思い返して目を閉じると、もう迷うことはなかった。
&br;
&br;普段と同じように構え。
&br;目標を選定し。
&br;呼吸を止め。
&br;トリガーを、引く。
&br;
&br;短い戦闘の後、俺は部隊全員の死体と携行していた武器を一箇所に集め村人達に投降した。

*** After [#of05a782]
&br;投降した後、駆けつけた軍の督戦隊に引き渡された俺には軍事法廷の被告席が待ち構えていた。
&br;元から死罪は覚悟の上での行動だった、そもそもたった一人で反乱を起こした時に、戦いで死んでも構わないと考えていた。
&br;それが一週間ばかり伸びただけの事だ。
&br;どうせ死ぬなら自分が傾倒したライフル銃に殺されるのがいい、それが似合いの最後だろう。
&br;だが、法廷では長い審議が行われている。
&br;いったいどうした事だ、上官を含む六名を個人的な理由で殺害した俺に死刑以外の選択肢があるはずがない。
&br;僅かに戸惑う俺の前にようやく裁判官が全員並ぶと、判決を読み上げる。
&br;
&br;「被告を不名誉除隊とし、罪状を不問とする」
&br;
&br;そんな馬鹿なことがあるか、いったいどういう事だ。
&br;思わず食って掛かろうとした俺を衛兵が速やかに取り押さえる。
&br;なぜだ、どうして死刑にならない、連れ去られながら叫ぶ俺の声を残して法廷は結審した。
&br;半日後、檻の中で頭を垂れ、壁や柵を殴りつけてボロボロになった俺の手を治療しながら軍医はぼやくように話し始める。
&br;
&br;「世論がお前を応援しておるんだ。
&br; 今のお前は長らく軍に欠けていた自浄作用の代弁者として、ヒーローか何かのように祭り上げられておる。
&br; 軍としては、事が公になる前に督戦隊が部隊ごと始末できれば良かったのだろう。
&br; だがお前が動いた事で内々に処理することができなくなった。
&br; そこに来て新聞や週刊誌の連日の特集と来た、ここでお前を銃殺刑にすれば更に酷く叩かれる事は目に見えておる。
&br; 力の論理でお前は命を拾ったのさ。…もう軍にはいられんがな」
&br;
&br;処置を終えると軍医は檻から出て行く、柵は閉められ俺が自殺を図らないように衛兵が監視を始めた。
&br;俺はただ脱力して何も行動する気になれなかった。
&br;湿っぽい陰鬱な空気と消毒薬の臭いの中でうずくまり、ただただ朝が来るのを待っている。
&br;月が雲間からからかうように顔を見せては灰色の茂みの中に隠れていった。
&br;
&br;荷物を引き払い、基地司令の前で除隊手続きを済ませ基地の門をくぐった俺に待っていたのは、新聞各社の寄こした記者の手帳を持った手とフラッシュの光だった。
&br;
&br;除隊した今の気分は。
&br;これから故郷に帰るのか。
&br;この判決を下した軍についてどう思うか。
&br;被害者の方に向ける言葉をお願いします。
&br;
&br;言葉と視線の洪水に揉まれ、俺は何もかも嫌になり黙って荷馬車に乗り込んだ。
&br;どこの安宿でもいい、そう考えて近くの適当な宿に泊まりしばらく過ごすつもりだった。
&br;だが、泊り込んだその日の夜中に誰かが部屋の戸を叩いてくる。
&br;応対すると宿の主人が弱りきったような非難の色を含んだ声をあげた。
&br;
&br;「外を見てくださいよ、あんたのせいで記者がそこら中を尋ねてある事ない事を記事にしようとしてるんだ
&br; 家内なんか熱を出して寝込んじまった、朝になって記者がおきだしてくる前に早く出て行ってくれませんか」
&br;
&br;厄介者扱いで放り出された俺は、月明かりの中を荷馬車の駅までとぼとぼ歩いていた。
&br;もうこんな国にいるのは嫌だ。
&br;心に決めるとすぐに駅員に切符売り場を尋ね、どこ行きでもいいから一番早く国を出る馬車の席を買って乗り込む。
&br;既に故郷の村には帰る理由もない、墓の写真は見たが今更こんな俺がどの面を下げて墓前に立つというのだ。
&br;身も心も疲れきっていた。はやくどこかへ行きたい。
&br;揺れる荷馬車の幌の中、俺は考える事を止めて昔の思い出に浸ろうと努力する。
&br;荷馬車は南へと向かっていた。
&br;
&br;
&br;数日後に荷馬車は知らない国の大きな街に着いた。
&br;街の中心にある観光ガイドによると、ここは冒険者の派遣業で栄えている街らしい。
&br;ひとまず二ヶ月ほどをこの街で過ごし、自分を街の空気に慣れさせ一から新しく出直そうと決心した。
&br;そして今、冒険者ギルドの登録窓口に書類を持って立っている。
&br;あれから随分と自分を変えるために努力した。
&br;身に付けたこともないようなアクセサリーや香水、女性の好むような服の知識を勉強する。
&br;礼儀やマナーの本も大量に買い込み、日夜身を削るように修練し自分の体に作法を刻み込んだ。
&br;発声法も練習した、声がよく通るように今までとは真逆の話し方を身に付ける事に成功する。
&br;足を踏み込んだ事もないような女性向けのいかがわしいバー、ホストクラブという所にも出入りして女性のもてなし方も必死で学ぶ。
&br;
&br;もう国のためにも自分のためにも行動するのは嫌だ。
&br;できる事ならば、踏みにじってしまったあの人達のような力を持たない人の為になることをしたい。
&br;笑われたっていい、むしろ自分が道化になる事で近くにいる人が笑ってくれるのなら、これほど嬉しい事があるものか。
&br;俺は古い自分を捨てる。
&br;そして、僕は女の子や子供達のために生きるんだ。
&br;

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