[[名簿/451361]]
|BGCOLOR(White):#pcomment(:さよならを教えて,1,nodate,below,reply)|
//|BGCOLOR(black):#pcomment(:さよならを教えて,2,nodate,below,reply)|
-&color(darkkhaki){15回の死を噛み締める&br;1度目より2度目の方が、2度目より3度目の方が味わい深く、途中不意になくなった『味』に驚くが&br;それでも、充分すぎるほどに腹は満ちた};
--&color(darkkhaki){次いで、飲み込んだ人間の心を噛み砕く&br;そこには純粋な好奇心と、希望とか期待とか夢とかそんなものしか無くて&br;つまりそんなものの為にこの個体は15度の死を迎えたのか、と&br;それは少女にとって理解するに難しかった 悪意がなくてもこんなことが出来るのか、感心こそしたが…気に入らない&br;気に入らないけれど これを裁くに相応しいのは自分ではなく、きっとこの固体か 彼らと同じ人間だろう};
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--&color(darkkhaki){指の先に少し力をいれれば砕けてしまいそうなそれ&br; 僅かにこびり付いていた蒼色の髪が指先に絡まって煩わしい。&br; けれど、それのお陰で手の中のこれは、人間の頭部だということがわかった。&br; &br; 「……んー?」&br; &br; わかったけれど、本当にこれがかつて肉を纏って動いていたのか…確信が持てなく首を傾げる。&br; これからは何も伝わらない&br; 死の間際の恐怖も後悔も、悲しいだとか嬉しいだとか悔しいだとか&br; そう言う感情の残滓も感じられない。&br; こんなものは生き物だと認められない。};
---&color(darkkhaki){人間だというよりは、人形と言われたほうがしっくり来る。&br; 良く出来た贋作 例えば演劇に使ったりするような&br; &br; 彼女にとって人間であるか人間でないかの判別は、一緒にいて空腹が満たされるか満たされないか&br; 例え僅かでも感情の動きがあるなら、それは彼女にとって人間だ&br; それが死体であったとしても、死の間際まで持っていた感情ぐらいは読み取れる&br; それが全くもって、どれほど読み取ろうと試みても感じられないのなら…これは人間のものではない。&br; &br; 骨を置く。&br; 辺りを見渡せば、同じようなそれは幾つも転がっていた。&br; きっとそのどれもが、いつかは足だったり腕だったりしたのだろう。今はただの白い塊だとしても。};
---&color(darkkhaki){次に手に取ったそれからは、僅かに感情が読み取れた&br; &br; 「……?………んー」&br; &br; しかし、薄い&br; 気のせいだったのか、と思わせるほどに薄いその感情の残滓。&br; 骨を置く。&br; 3つめは大きな感情の動きが読み取れて、少し安心した。&br; なるほど、これは人間だ と&br; そして漸くわかった&br; &br;ここにある骨は&br;       一つ残らず全部&br;               同じ個体の骨だ};
---&color(darkkhaki){&br;「は…」&br; 笑えてくる&br; 望もうと望むまいと、それに触れただけでこんなに空腹が満たされる自分に&br; 所詮自分はそういう生き物だと強烈に思い知らされて&br; &br; 指から落ちた骨は床に軽い音を立てて落ちる。&br; &br; 一つ また一つ、骨を拾い上げるたびに伝わる感情&br; 積もる埃の量と、その脆さに比例するように大きくなっていく&br;&br; &br; https://lh3.googleusercontent.com/-jjAhIx6ELqU/Tr_AsQKmG9I/AAAAAAAABzA/3OHB_5HNpls/s665/%2525E8%2525A8%252582%2525E6%2525AD%2525A3.jpg &br; &br; &color(red){やり場の無い謝罪、求められず受け入れられないのに叫ぶ無様さ&br; 逃避できない痛みが脳髄を焼く苦痛&br; 喉を震わせる悲鳴が自分の物かすらもう分からない&br; 悲鳴より先に切れる意識、終わったという安堵&br; そしてまた来る目覚めは次に待つ死の為に&br;すりきれる すりきれていく 心の柔らかい部分から};&br; &br; 「……あー」&br; 空腹が急激に満たされていく。&br; 望もうと、望むまいと};
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---&color(darkkhaki){『ここ』は静かだ&br; 虫の一匹すら残らず、皆逃げ出した};
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---&color(darkkhaki){皆察知したのだろう&br; 『怖いもの』が来ると};
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---&color(darkkhaki){…その怖いもの、というのが 彼であるのか 自分であるのか&br;そこまでは分からないけれど};
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---&color(darkkhaki){濁っていく意識、澄んでいく感覚&br; …あといくらもしない内に、きっと彼が来る&br; その前に少しだけ、仕事をしないと&br; &br;};