サヤ>名簿/314486
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 ”彼”>&fpage;
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|#pcomment(:仮面の告白,1,below,reply,nodate)|

-''告白''
--COLOR(#DC143C){ボクが厳密に人間とは呼べなくなってから、もうどの位の時が経ったのだろう。&br;魔剣と共に在るこの生は、ともすれば時間の感覚すら曖昧にさせる。長い眠りと途切れ途切れの人生。&br;出会いと別れは何度も何度も繰り返されて、それがいつだったのかを思い出すのも少し大変だ。} 
---COLOR(#DC143C){別にこの生き方を後悔している訳じゃない。&br;ボクに魔剣の扱い方を教えてくれた師匠にも、何度も命を救ってくれた魔剣そのものにも感謝はしている。&br;けれど、ボクが普通の人間とは別の時間を生きているのは確かで……それを共有出来る人も、そう多くはない。} 
---COLOR(#DC143C){&br;そんな長い生の中。&br;&br;ボクは一度だけ、人を愛した。&br;&br;これは、その告白。&br;&br;} 
---COLOR(#DC143C){”彼”と出会ったのはいつだっただろうか。&br;弟子のアキが冒険で死んだ、その暫く後だったように思う。彼はこの街で冒険者をしていて、いつも馬鹿な事をしては、相棒に殴り倒されていた。&br;ボクはその時直接彼と知り合いだった訳じゃなかった。騒がしいそのやり取りを、酒場でよく目にしていたってだけ} 
---COLOR(#DC143C){言葉を交わした記憶はない。だけど、その相棒との微笑ましい姿は覚えていた。&br;&br;暫くして。ボクはこの街を後にして、また気ままな旅暮らしに戻った。&br;不老の呪いを受けていたアキ。長い人生を共有出来るかも知れない彼が死んで、少しばかり感傷的になっていたのだと思う。&br;&br;それから、色んな場所を、長い時間をかけて回った。} 
---COLOR(#DC143C){繰り返すが、ボクは時間の感覚が非常に曖昧だ。だからその時街を離れてからどれぐらいの時間が経ったのか正確には分からない。&br;&br;”彼”と再び出会ったのは、北界圏の寒い港町だった。&br;夜な夜な港に出現する怪物を討伐して欲しい、と言う依頼を聞いたボクは、そこでばったり、遠目に見るだけだった彼と同じ依頼を受けることになったのだった。}
-  --  &new{2013-01-12 (土) 03:55:07};