[[名簿/479955]]/[[相談欄へ>#n]]
 &br; &size( ){ }; &ruby( ){ }; \/ '''' #C41A41 &new{now?}; キリル>名簿/479955 #0097a2 マルチナ>名簿/479955#f9cd2e23
//|BGCOLOR(#000000):COLOR(#ffffff):#pcomment(:太陽と月の魔女,1,below,reply)|
|BGCOLOR(#ffffff):#pcomment(:太陽と月の魔女,1,below,reply)|
|BGCOLOR(#000000):COLOR(#ffffff):&aname(n){ };''相談欄。''|
|BGCOLOR(#000000):COLOR(#ffffff):[[&ref(http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079479.gif,編集);>編集::姉妹の日記帳]][[&ref(http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079480.gif,差分);>差分::姉妹の日記帳]][[&ref(http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079481.gif,直接コメントページへ);>:姉妹の日記帳]]|
|BGCOLOR(#FFFFFF):#pcomment(:姉妹の日記帳,1,below,reply)|
//#region(http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079485.gif )

-http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079485.gif ''ここではない、どこか。''
--&COLOR(#800080){&br; http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079876.gif &br; &br; &COLOR(#C41A41){[[     「''星たちは生まれてはまた死んで 永遠に同じことを繰り返す''」&br;      「''次の日も次の世もまた次も 生まれては消えてゆく星たちよ''」&br; &br;      「''めぐりゆく時の流れに沿って 失った過去の中を生きてる''」&br;      「''一寸の狂いなき光で 彷徨える旅人を照らすよ....''」>つべ:RTLSQgpCjsc]]&br; &br; &br;      (草原の中銀の髪の女は歌う。低く伸びやかな声を風に乗せて、誰かに届くようにと…………)};&br; &br; http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079861.gif &br; &br; &br; &br; &br; (街灯の下大きな赤い帽子を被った女が一人佇んでいる)&br; (そこはとても冒険者の街によく似ていて……だけど全てが純白の色)&br; &br; (どこかから聞こえてくる歌にあわせて、女も小さく口ずさむ)&br; &br; 「''手と手つないで 心ひらいて 真昼の光を探しましょう''」&br; 「''声と声重ね 息を合わせて 綺麗な響きを作ったら....''」&br; &br; (そして、誰かの足音が聞こえてきた)&br; (女はその足音が待ち人だとすぐに気づいて、彼が声をかける前に振り返る。歌いながら)&br; &br; 「''....私たちの子を守りましょう....''」&br; &br; &br; http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079876.gif &br; http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp021025.jpg &br; http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079861.gif &br; &br; &br; ……ふふ、遅かったわね。カテン。&br; 女の子を待たせるなんて、いけない人ね?&br; &br; でもいいわ。娘たちのためだもの。許しちゃう。&br; &br; &br; http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079876.gif &br; http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp021026.jpg &br; http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079861.gif &br; &br; &br; (ピアスだらけで短い金の髪のカテンに微笑みかけながら、首をかしげる)}; -- [[ヴィヴィ>名簿/473083]] &new{2012-06-08 (金) 03:23:26};
---&color(blue){悪ィな、待たせた。&br; (歩いているうち、男の姿は変わっていた)&br; (いくつもの傷は消え、けれど彼女と出会った頃のものは消えず)&br; (髪は短くなり、けれど彼女と出会った頃と同じように傷んでいて)&br; (失われた右目が元通りになり、その双眸に青い輝きが戻る)&br; (彼女がいなくなった時にやめたピアスもいつのまにか元通り)&br; (葉巻の代わりにタバコを銜えて、いつものように青い炎を灯し)&br; 本当、遅くなっちまった。いろいろ、寄り道してきたからな。&br; (それ以上の言葉は要らないだろう)&br; (自分がどんな道を歩んできたか、彼女は十分知っている)&br; (いつもそばにいてくれたのだから)&br; (そして今、こうして)&br; 約束通り、&br; (約束通りに)&br; 迎えに来たぜ。&br; (彼女の元へと、帰ってこれたのだから)&br; &br; そういや、アレだな? その歌。オレも知ってるよ。&br; アイツらもよく、唄ってたからな。&br; ……あー、いや。そうだな、思い出話はあとにすっか。&br; (頭をかいて苦笑いして、タバコを消して、改めて彼女を見つめ)&br; ただいま、ヴィヴィ。……長かったけど、これでもう終わりだ。&br; これからはお前を離しやしねェよ、ずっとな。……ずっと、ずっとだ。&br; (そして両手を広げて、にこりと笑う)&br;  http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp021027.jpg &br; おいで。もう、どこにも行かねェからさ。&br;}; --  &new{2012-06-08 (金) 03:52:49};
---&COLOR(#800080){長い間、娘達と私のために頑張ってくれてありがとう。&br; 貴方は私の誇りよ。&br; &br; ああ、言葉だけでは言い表せないの。やっと会えた…やっと、触れることができる……。&br; この日をどんなに待っていたか……。&br; ……ずっと側にいたの。あの日から、貴方に抱かれて天使になった日から……。&br; &br; 傷つく貴方を抱きしめてあげられなくて、辛かった……。&br; 弱音を吐かないで戦う貴方を見るのが苦しかった。&br; &br; ……でも、いくらだって待っていられた。&br; いつか、貴方が約束を守って懐かしい未来から帰ってきてくれるって信じていたから。&br; いつだって、信じていられたの。&br; &br; だって貴方はいつも笑っていたから。&br; 真っ直ぐに、前を見て。&br; &br; ……そんな貴方を信じられないわけないじゃない。ね?&br; &br; &br; (手を後ろで組んで、少女のように笑う)&br; (彼の一言を待っているだ)&br; &br; (おいで。って、呼んでくれるのを)&br; &br; &br; &br; (…………そして、待ち望んでいた言葉を彼が囁く)&br; &br; (あとはもう、飛び込むだけ)&br; &br; &br; http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079876.gif &br; http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp021028.jpg &br; http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079861.gif &br; &br; &br; (ハイヒールの靴音を鳴らして、走り出す)&br; &br; (その姿は見る間に15歳の少女のものへと変わっていく)&br; (赤い帽子が落ちて、髪を結う赤いリボンがなびいた)&br; (ふわふわのローブを翻して、少女は走る)&br; &br; http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp021029.jpg &br; &br; &size(20){''おかえりなさい…!!!!カテン…!!!!!''};&br; &br; (両手を広げたカテンの腕に、花のような笑顔で飛び込んだ)}; -- [[ヴィヴィ>名簿/473083]] &new{2012-06-08 (金) 04:26:22};
---&br; &br; &br; &br; &br; &br; http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079876.gif &br; &br; キリルは日常へ戻った。&br; &br; 改装の終わった娼館で相変わらず娼婦と歌手を続けている。&br; 小さな妹は側にはいないけれど、必ずまた会えると信じて待っていた。&br; &br; &br; だって、彼は約束を守る。&br; &br; &br; ……それからしばらくして、ヴィヴィアンが妊娠したという話を聞く。&br; そして数ヵ月後、右手に紅い痣を持った女の子が生まれる事になる。&br; &br; その痣は&br; &br; ''月''と&br; ''太陽''と&br; ''十字になった槍''&br; &br; &br; &ref(http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079955.jpg,nolink,50x50);&br; &br; &br; ……こうして、約束は果たされたのだった。&br; &br; http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079861.gif &br; &br; --  &new{2012-06-08 (金) 04:58:35};
-http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst080167.jpg
--&COLOR(#C41A41){(アイリスを教会の椅子に寝かせて、銀盃花の咲く草原に戻る)&br; (青く茂る草を踏みしめ、楽園の香りに包まれて…金色の月の下を歩く)&br; &br; &br; &br; (魔力ももう底を尽く。体の魔力回路が妹の消失でおかしくなっているのか、回復する気配がない)&br; (''……目の前のサーヴァントを、もう現界させていられなくなる'')&br; (''本当に、本当に、ひとりぼっちになってしまう'')&br; &br; (戦いを後悔はしていない。妹の意思を尊重したことを、後悔はしていない)&br; (でも……胸にぽっかり穴は開いたまま)&br;  (……歩きながら右手の呪印が目にはいった)&br; (……最後に一つ残った、太陽のような模様の印……)&br; &br; &br; http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079876.gif &br; &br;    &COLOR(#000000){&COLOR(#0097a2){姉様。これが呪印というのですね?不思議な形なのです。&br;    ……これは月かな?この真ん中のは太陽で……このつんつんしてるのは何でしょう?&br;    ……剣かな?ただの十字架かな?&br; &br;    ……ああ、槍にも見えますね?};&br; &br; (まだカテンで出会う前、聖杯に選ばれたことを自覚したばかりの頃、妹が言った言葉)&br; (その後カテンに知り合い、彼をサーヴァントとして召喚した時、妹はとてもはしゃいでこう言った)&br; &br;    &COLOR(#0097a2){姉様、やっぱりこのしるしの十字架は槍だったんですよ!&br;    出会う前からきっと、先生がサーヴァントになってくれることが決まっていたのです。&br;    嬉しいな……きっと、これを運命というのですよ。};};&br; &br; http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079861.gif &br; &br; &br; (妹の笑顔が浮かんでは消えていく……消えてしまった、たった一人の愛しい存在)&br; (あの子が初めて笑ってくれた時、この子を守ろうと思った。命を懸けてでも)&br; (魔法陣の上で妹を喰らった時も、自分の体を妹に捧げるつもりだった)&br; &br; (なのに)&br; &br; (あたしだけが生き残ってしまった)&br; &br; (…運命だと嬉しそうに言ったマルチナ)&br; (これも運命なのだろうか……)&br; &br; http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp021016.jpg &br; &br; (妹の思い出と共に歩き……金色の月を背に佇む男のもとにたどり着く)&br; (涙で濡れた頬が、吹き抜ける風で冷たい……思えば、彼の前ではよく涙を見せていた)&br; (どうしてか、気が緩んでしまって……今もそう。妹の影響だろうか)&br; (ただ慕って、信じていた…マルチナの想いの) &br; &br; ……ひとりぼっちに、なっちゃった……あたし。&br; &br; (微笑みかけて、呟く)}; -- [[キリル>名簿/479413]] &new{2012-06-07 (木) 21:40:30};
---&color(blue){……いや、お前は一人ぼっちなンかじゃねェよ。&br; (涙を流す赤毛の女に対し、男は憮然とした様子で答え)&br; (葉巻に火をつける。外装が解除され、黒のコートへと変じた)&br; たしかにマルチナはお前の肉体から消えてった。だがその魂自体はまだ残ってる。&br; マルチナを救うためにはこれが必要だったンだ。聖杯を手に入れたとしてもな。&br; (キリルとマルチナの関係は非常に危うい。繊細な均衡の上に成り立っている)&br; (そこにむやみに奇跡を挟み込めば、マルチナの蘇生の代償にキリルが死ぬこともありえるのだ)&br; (ゆえに、マルチナの魂をキリルから分離させる必要があった)&br; (とはいえ、魔術的な儀式では、先の理由からおいそれとそうした事を行うことは出来ない)&br; (可能な方法はただひとつ……聖杯の奇跡によって現出した、宝具によって吸い出すことのみ)&br; マルチナはここにいる。まだ全ては終わっちゃいない、諦めるな。&br; (右目を指さす。そこにはめられた蒼の魔法石は、今なお金色に輝いている)&br; ……この間、約束したよな? 「3つ目の令呪の使い道はオレに決めさせてくれ」って。&br; (キリルの手に刻まれたままの令呪を示す)それが残っててよかったぜ、うまくいく。&br; あとはお前の覚悟次第だ。今更、約束を違うなンて言うなよな。&br; &br; (男は渋い顔のまま葉巻をくわえ、煙を吐き出す)&br; (約束を違うことはできない、それは自分自身もそうだ。これはマルチナ達との約束のため)&br; (……しかし、そのためにキリルには結局、つらい選択をさせることになる)&br; 悪ィな。(短くそう言って、深呼吸をした)&br; こいつ……《小さな奇跡》は、3つまでオレが願った事柄を叶えることができる。&br; 言うなればちっとばかし都合の効きづらい聖杯だ。&br; オレ達の求めていた聖杯が、オレのような……つまり、サーヴァントの魔力を必要とするように、だ。&br; こいつも、ヴィヴィや……オレの大切なヤツの力を借りていても、現界がある。&br; ストレートに言えば代償が必要なンだよ、マルチナの命と2つ目の令呪の魔力で補ったみてェに。&br; こいつにはあと1回、オレの願いを残す力が残されてる……。&br; まず遺されたヴィヴィの力を使う。だがそれでもまだ足りねェ、令呪の力が必要だ。&br; ……それでもまだ足りない。だから、お前に命じて貰う必要がある。&br; (一拍置いて、告げる)&br; &br;http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp021017.jpg &br; ''令呪を以てオレに命じてくれ。「その命を妹マルチナのために捧げよ」……ってな。''&br; サーヴァントとしてのオレに残された魔力はもう殆ど空っぽだ。このままだと消える。&br; だが……今のオレは、人間だ。&br; (その言葉が宝具の発動を示す。《英雄不要論序説(ヒロイック・エフォート)》がランサーの有り様を変える)&br; (感じられる気配が変質し、キリルの魔力を奪っていく感触が消える)&br; (英霊としての枷と力を失い、人へと還る力。今そこにいるのは、命を持つただの人間だ)&br; ……わかるな? 「人間としての」オレの命は、この通りここに在る。&br; マルチナの魂が還るべき身体を作り出し、アイツに未来を与えるためには十分なくらいに、な。&br;}; -- [[ランサー>名簿/480600]] &new{2012-06-07 (木) 22:22:08};
---&COLOR(#C41A41){(もう妹には会う事はできないと思ってた)&br; (魂は溶けて消失してしまったはずだ。そうなるのだとホムンクルスを生み出した鬼が言ったから)&br; (その実感もある……体の一部が、たとえば手や足が一つ消えてしまった様な…そんな感覚が)&br; &br; (''……でも'')&br; ……ほん、とう…?&br; あの子は……消えていないのかい?&br; ホムンクルスの魂は人のそれよりも弱く脆い。魔術の重ねがけを繰り返された者が……。&br; &br; (体が震える。信じたいけど、信じられなくて)&br; (彼の金色の瞳をまともに見つめるのが怖くて………目をそらそうとした、その時、)&br; (………見えた気がした)&br; (妹が自分を見つめる………真っ直ぐなまなざしを)&br; &br; ……そこに…いるの……?&br; (手を伸ばして、男の目元に触れる)&br; &br; &br; (妹を取り戻す、それには代償があると彼は言った)&br; (女は瞳を輝かせて涙を拭い、即答する)&br; そんなの、何でもするしなんだって捧げるに決まっている!!&br; 令呪を使えばいいんだね?そんなのお安い御用さね。&br; 残り少ない魔力を使い切って、自分の体にかかった魔術を暴走させたって奇跡を……!!&br; (呪印に魔力を通して光らせ、彼の言葉を待つ)&br; &br; (そう、何もかも犠牲にするって決めていた)&br; (だから、迷わないはずなのに…………)&br; &br; &br; &br; (''……でも'')&br; &br; &br; &br; (……彼の一言で、呪印から魔力が消えて、紅い光も消えて行く……)&br; (彼との魔力のつながりも……)&br; &br; (目を見開いたまま長い沈黙。強い風が髪を巻き上げる)&br; (目の前の大きな男を見つめたまま、銀盃花の花びらが舞う)&br; (風が吹きぬけ、静かな空気になるまで、動けなかった)&br; &br; (月明かりに、泣き出しそうな顔が照らされる)&br; (けれど、女は笑った)&br; &br; …………………………………わかった。約束だもんね。&br; あんたが約束する時、珍しく歯切れが悪かったから嫌な予感はしてたよ…まったく。&br; ……本当に、酷い約束。&br; でも……マルチナのためだ。躊躇うわけ、ないだろう?&br; &br; &br; ……ああ、でも、ちょっと待って。魔力使い果たして、へとへとだからさ……一服させてよ。&br; 煙草、頂戴。&br; (男のコート、いつも煙草をしまってあるポケットから一本引き抜き)&br; ……火、分けて。&br; (口にくわえると、背伸びして煙草の先同士を合わせて息を吸う)&br; &br; http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp021018.jpg &br; &br; (青い火が、二つになって、紫煙が月へと昇っていく)&br; &br; &br; (''嘘。躊躇わないなんて嘘'')&br; (何もかも犠牲にするつもりで、外の何でも、きっと迷わなかった)&br; (目の前の男は何もしなくても時間がたてば消えて行く……)&br; (……わかっているのに)&br; (妹のためなのに……ためらってしまう)&br; (煙草を吸い尽くすまでは、と、僅かでも先延ばしするくらいに……)&br; &br; &br; (でも女は口に出すことはしない。普段はなんだってすぐ言うのに、大事なときには上手く言えなくなってしまう)}; -- [[キリル>名簿/479413]] &new{2012-06-08 (金) 00:15:57};
---&color(blue){(嘘だな、と)&br; (思ったが、言葉には出さないでおいた)&br; (それを言ったところでどうにもならないし)&br; (彼女にウソをつかせたのは、自分だからだ)&br; &br; (火を分けてやり、キリルがゆっくりと紫煙を呑めば、ふと)&br;  http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp021019.jpg &br; (左手を、ぽん、と)&br; (キリルの頭に乗せてやった)&br; ……悪ィな。&br; (言わないでいる彼女の優しさに、詫びるように頭を撫でる)&br; 本当はもっとうまいやり方が、あったかもしれねェ。&br; けど、オレにゃ、これしか浮かばなかったンだ。……悪ィ。&br; 手前ェが男なら、一発ブン殴ってもらって帳消しにするところだがよ……。&br; (ぽん、ぽん、と、二回頭を優しく叩く)&br; お前らには世話になったよ。これからも二人ともども、元気でやれよな。&br; 一番それがラクな道だったのかもしれねェがよ、いつまでも娼婦なンて続けてンなよ?&br; いい男の一人や二人捕まえて、玉の輿でも乗ってやれ。お前ならできるさ。&br; (いつものように、そんなことを軽口で言う)&br; そういや……ホムンクルスの魂がどうとか、って話あるだろ。&br; 実際な、オレがお前達にああいうことを強いてきたのは、それもあるンだ。&br; &br; ホムンクルスってのは作られた命だ。親もなく、家族もなく、故郷さえない。&br; だから寄る辺をもたねェ。心がふわふわあっちこっちで、すぐに軽くなっちまう。&br; けどよ、手前ェの中に揺るぎないものがひとつあれば、絶対に地に足付けられるンだ。&br; (自分の胸を、こつんと叩く)&br; ここにな。お前も、マルチナも、しっかりと自分を貫き通した。&br; だからお前もあいつも、ホムンクルスなンかじゃねェ。人間だ。ちゃンとした、人間だ。&br; ……で、オレ達が親だっつったら、多分嫌な顔するだろ。&br; (くつくつと、答えを先読みしたように笑い)&br; 実際、血も繋がってねェし、お互いの過去だって聞いたとおりにしか知らない。&br; けどよ……オレと、そしてヴィヴィにとっちゃ。&br; お前も、マルチナも、大事な家族だよ。かけがえのない、家族だ。&br; &br;  http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp021020.jpg &br; ……ありがとな。お前達のおかげで、オレは本当の意味で全部を終わらせられた。&br; 聖杯戦争を勝ち抜くって約束は守れなかったが、願いは叶えてやれる。それが嬉しいよ。&br; じゃアな、キリル。また会おうぜ、三千世界の彼方で、いずれ「オレ」とな。&br; オレの記憶は「オレ」に受け継がれる。たまにゃ顔見せるだろうが、その時はイヤな顔しねェでやってくれ。&br; その時にゃ恋人でも作ってりゃ安心できンだがね……と、小言言ってもいけねェか。&br; (笑いながら、男は一歩退いた。その時を、待つように)&br;}; -- [[ランサー>名簿/480600]] &new{2012-06-08 (金) 01:00:16};
---&COLOR(#C41A41){(沢山の気持ちを抱えて、押し殺して、笑って見送ろうと思ってた)&br; (彼の犠牲にしてきたものに報いたくて、せめて、大丈夫だってなんてことないって笑ってありがとうと言いたかった)&br; (でも)&br; (でも……)&br; &br; (…………頭に置かれた手が、そんな強がりをどこかへやってしまう)&br; (ぽたぽたと涙が零れて、白い服にあとをつけて行く)&br; &br; (あったかくなんてない。義手だから)&br; (……だけど妹はこの手をいつもあたたかいと笑ってた)&br; (自分も…この時初めて、そう思った)&br; &br; …謝らないで。&br; 謝るのはあたし達の方なんだ。あんたをヴィヴィアンから引き離して、死んでまで戦いの中に引き込んだ。&br; 後悔してる…もっと外の道があったかもしれないのに、あんたに頼って、背負わせた。&br; (ずっと黙っていた事を口にする。言ってもしょうがないとわかっていたから黙っていたのに、口にしてしまった)&br; (流れる涙を隠したくて俯いても、雫が草を揺らして、わかってしまう)&br; ………だから…優しくしないで、いいんだ。そんな資格ないの………。&br; &br; ……ったく、酷い男だよ。人がせっかく、笑って見送ろうと努力してんのに…!!&br; ''おせっかい!!お人よし!!でくのぼう!!''……馬鹿っ……っ…!!&br; (そのまま子供みたいに声を上げて泣いた。彼のコートを握り締めて)&br; &br; http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst080153.gif &br; &br; あー……煙草の煙が、目にしみるわ。&br; (ぐすっと鼻を啜って、煙を吐き出す。散々泣いたのに、煙草のせいと言うつもりらしい)&br; (それから玉の輿と言われるとくすくす笑ったりして。泣き笑いが忙しい)&br; (彼の瞳を見つめて自分の胸に手を当てる)&br; (金と青の瞳。金は秋の実りの色。青は全ての母の海の色。どちらも命を育む色だ)&br; (大いなる存在の、尊い色……)&br; &br; ……あたしはただの娼婦で、ホムンクルス。それでいい。それ以上は望まない。&br; でも…そうだね、あんたが人間と言ってくれるのなら、それでもいいな。&br; 娼婦以外の何かを見つけるのも悪くないね。考えとくよ。&br; (少しだけ震えた声で、でも明るい声で、彼の軽口に答える)&br; ふふっ、思いっきり嫌な顔して間に入ったヴィヴィを困らせてやることにしよう。&br; 最後の最後で女を泣かせた仕返しさ。&br; ……あんたの記憶はカテンに引き継がれる。あいつもまたあんたなんだろう、それは解る。&br; でもさ…ここにいるあんたは一人だ。忘れないよ、あたし達のカテンを。&br; &br; (そう笑って、彼もまた、笑う。笑い合う)&br; &br; (ありがとうと言ったカテンの笑顔は、一生忘れないと思った)&br; &br; (……短くなった煙草を炎で燃やし尽くして)&br; (彼が、一歩離れた)&br; (''……………………………………時間だ'')&br; &br; (………………呪印が光る)&br; (令呪を使うための言葉を、紅い唇が紡ぎ出す……)&br; &br; &br; http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079876.gif &br; &br;    &COLOR(#000000){&size(15){''令呪を以て命ずる!!''};};&br; &br; http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079861.gif &br; &br; (印は紅く輝き、魔力と共にキリルの想いが、カテンに流れ込んで行く…………)&br; &br; (彼へのこの感情を言葉にするのは難しい)&br; &br; (恋だったら、もっと色んな事が楽だった)&br; (友情だったら、もっと素直に話せてた)&br; (そんな一言で表せる感情を持つほどあたしは真っ直ぐでも素直でもなくて……)&br; &br; (……なんだろう、なんて言えばいいのかな、あたし達は)&br; (家族ではあるんだろうけど。マルチナは、あんたのこと親って言うんだろうけどさ)&br; (あたしは親ってぴんと来ないし、何より歳が近くてそんな風に思えない)&br; (兄っていうほど、似てないしねぇ……)&br; &br; http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079876.gif &br; &br;      &COLOR(#000000){''聖杯の規律に従い…''&br;      ''この者、転生者・カテンに…戒めの法を重ね給え…''};&br; &br; http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079861.gif &br; &br; (あたしはあんたをマルチナほど無条件に信じられない。けれど、誰よりも信じてる)&br; (対等で、肩を並べて戦ってきた)&br; &br; (そういうのは……なんて言うんだっけ)&br; &br; (…………………………ああ、思いついた)&br; &br; http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079876.gif &br; &br;      ……じゃあね。''ありがとう……相棒。'' &br; &br;&ref(http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp021023.jpg,nolink,500x258); &br; &br; &br; &COLOR(#000000){&size(15){''…その命、我が妹マルチナのために捧げ……その魂は、ヴィヴィアンのもとへ''};};&br; &br; http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst079861.gif &br; &br; &br; (眩い金色の光が、彼を包み込み………………………………そして)&br; &br; &br; (草原にはひとり、魔力を使い果たし銀の髪になった女が残った)}; -- [[キリル>名簿/479413]] &new{2012-06-08 (金) 02:14:19};
---カツン、コツン。&br; 暗い回廊に足音が響く。&br; &br; 男がやってきた。&br; 傷んだ金髪を腰まで伸ばし、ボロボロの風体で歩く厳しい男。&br; 右手は肩から先が青銀の義手、左手も肘から先が同様。&br; 右脚は銀色の義足で、顔にも体中にも傷が刻まれていた。&br; 不具である。&br; しかし男は然と、歩いていた。&br; 右目がない。&br; だが笑い、歩いていた。&br; &br; &color(#3366cc){「よう」};&br; ふと、男の行く先に、もう一人の男がいた。&br; 傷んだ金髪を項のあたりで切り、同様に厳しい男。&br; 五体満足だが、顔には傷が刻まれ、なによりも。&br; いくつものピアスをしている、不良のような男。&br; 剽悍である。&br; しかし男は笑っていた。&br; やってきた男もまた、笑った。&br; &br; &color(blue){「相棒、だとさ」};&br; &color(#3366cc){「へェ、竜二以外にそう呼ぶヤツがいるとはな」};&br; &color(blue){「アイツにも詫びねェとな……だいぶドラゴンハートを借りちまった」};&br; &color(#3366cc){「まァ、いいさ。神様なンだ、このくらいしてもらわないとだろ?」};&br; &color(blue){「……で、相棒だとよ」};&br; &color(#3366cc){「ハ。よほど嬉しかったか?」};&br; &color(blue){「まァな。あと、アレだ」};&br; &color(#3366cc){「ン?」};&br; &color(blue){「おとうさん、だとさ」};&br; &color(#3366cc){「…………そうかい」};&br; &color(blue){「嬉しいだろ? わかるぜ」};&br; &color(#3366cc){「うっせェ、当たり前だろ」};&br; &br; &color(blue){「手前ェはオレで」};&br; &color(#3366cc){「ああ、オレは手前ェだ」};&br; &br; 男はともに青い光を灯していた。&br; 力強い青の光。何ものにも屈せぬ蒼の命の炎。&br; &br; 待っていた男が、右手を挙げた。&br; やってきた男も、右手を挙げた。&br; &br;  http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp021024.jpg &br; 小気味いい音が響く。&br; &br; &color(blue){「アイツらのこと、よろしくな」};&br; &color(#3366cc){「あァ。……ヴィヴィに、よろしくな」};&br; &color(blue){「あァ。ンじゃな」};&br; &color(#3366cc){「おう。ンじゃな」};&br; &br; 男たちは歩き出す。&br; 男は懐かしい未来へ。&br; 男は輝かしい未来へ。&br; それぞれのままに、歩き出す……。&br; --  &new{2012-06-08 (金) 02:48:44};
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