『旱天に慈雨の降る』の変更点

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|BGCOLOR(white):#pcomment(『旱天に慈雨の降る』,2,below,reply)|
-''結．''
-- &color(#274a78){ &br;雨月樒は、今はそうとわかる母が、ただ眠っているだけのことを確認し。 &br;そして、魃の元へと歩みを進める。 &br;もはや何の熱を齎さず、何をするでもなく蹲っている彼女の前で九字を切る。 &br; &br;「''昇還式・『天泣』''」 &br;神を天に還す。魃がこれほどに弱りきった状態であるのなら、神との合意を結ばずとも、強制的に送還出来る。 &br;それは雨月の家に伝わる秘儀を、樒が再現したもので。 &br;かつての死期見の眼の持ち主が、何かを予見して遺した術式なのだという。 &br;「異邦の神よ。あるべき場所に還れ&#8212;&#8212;&#8212;急急如律令」 &br;かくして術が発動すれば、魃の姿は光の糸の如く紐解けて、それがするすると天に昇ってゆく。 &br; &br;かくして蒼穹に雨が降る。 &br;同胞との再会にか、魃という神が、かつて願い願って果たされなかった、故郷である天上への帰還にか。 &br; &br;天が、さめざめと泣いていた。 &br; &br; &br;そして、最後に最早跳べぬ有翼の蛇を片方しかない眼で見下ろすと。 &br; &br;「殺せ。白狼。黒狼。」 &br;二頭の忠実な式神が、その野性と暴威を見せつける。 &br;肥遺は、粉々に噛み砕かれて死んだ。 &br; &br;こうして――旱神の脅威は消え、雨月樒は母親を取り戻し――&br;そして、今後もはや、死期見の運命に晒されることは無くなった。 &br;彼は、生き残ったのだ。}; -- [[樒>ZS/0009]] &new{2023-06-11 (日) 23:23:29};
---終わったかぁ？　終わったなぁ　（奪い取った霊刀をぽんぽーんぱしりと）&br; あかんでぇ　こんなんでヒトを刺そうとしたら？&br; そんなんで済んで　むしろ　運良かったなぁ思いぃや？&br; （片目が潰れた状態では流石にぶっ飛ばすのは勘弁しとこうかなぁ　思う） -- [[片刃>ZS/0013]] &new{2023-06-11 (日) 23:33:44};
---&color(#274a78){片刃がそれ言う？……神の本体だと思ってたんだよ。 &br;神気がすごくて、依代に……母さんに宿っているなんて考えもしなかった。 &br;（あれほどの神の器になれるなんて、そう簡単にいるはずもないしね。と、そう付け加え）}; -- [[樒>ZS/0009]] &new{2023-06-11 (日) 23:37:17};
---（息を吐き、ぺいっと銃を捨てる）終わったか･･･あっつ･･･（しきみんの前に出て魃との間に割り込んだんだから熱いに決まってる）やっぱ熱は嫌だなぁ&br;終わったか･･･（左目を失ったしきみんの様子を見てる）･･･しんどいか？（なぐるか？の意） -- [[かなえ>ZS/0004]] &new{2023-06-11 (日) 23:37:58};
---（希未くんが樒くんの左眼を突き刺したとき、舞華は心底驚いた。）&br;（が、そのまま…舞華からすれば「よくわからないけど成り行きに任せた」結果、すべてが良い塩梅に治まった事は理解して）&br;………うんうん！（と頷いて、後方教師面をすることにしたのだった！） -- [[舞華>ZS/0010]] &new{2023-06-11 (日) 23:38:27};
---終わりはあっけない物だったのお……（神は還され、肥遺は獰猛な式神によって食い散らかされた）&br; （戦った皆に被害もなく、樒の左目のみが犠牲らしい犠牲と言える）通り雨月当主の運命は変えられたぞ死期見番よ、いや……&br; （あれは目の元々の持ち主なのであろうか、とせん無き事を考えながら物思いにふけるクロでった）&br; 終わりましたね、ところでシキミン、死期見番って知っていますか？（目のことを心配しながらも、経緯を話そうとして） -- [[マヒナ>ZS/0020]] &new{2023-06-11 (日) 23:39:06};
---（空が、泣いている。見上げたその雨は、しとしとと身を打ち、しかし不快感を覚えさせない）&br; ……。樒先輩。ありがとう（生きてくれて。自身の運命を遂げてくれて）…お母さんのこと。よかったね。本当に。&br; （眠る彼の母を見る。彼の家の祭壇で見た顔だ。もう…あの写真の、片方は必要なくなるのだろう。心より良かったと思う） -- [[キミ>ZS/0026]] &new{2023-06-11 (日) 23:39:59};
---&color(#274a78){しんどいけどしんどいの意味が違うからグーはいい。今されたら死んじゃう。（そう言って肩を竦めた）}; -- [[樒>ZS/0009]] &new{2023-06-11 (日) 23:40:23};
---（変身解除。その場に膝をつく、必死に意識を保とうとして）&br;ファイネストアーツ二連発はさすがにキツいな……&br;（辛いのは、それだけじゃない。しきみんセンパイの死を見たことが一番精神に負荷をかけていた）&br;（こんなことを彼は何年続けていたのだろう、精神が苦しい） -- [[千歌>ZS/0001]] &new{2023-06-11 (日) 23:41:47};
---（コーザリティが解け、いつもの高校生然とした姿に戻り）お前の恐れていた事態が来てしまったわけだが、その表情ならば大丈夫か（死期見の瞳を失った彼の穏やかな表情を見て微笑む）&br;お前は最前線をドロップアウトか？それとも鍛え直して前まで這い上がってくるか？&br;（その問いは運命に縛られず戦い続けるのか、と言う問いでもあった） -- [[刹那>ZS/0003]] &new{2023-06-11 (日) 23:41:55};
---……ほんとなら、その目もなんとかしてやりたかったんだけどな（肩をすくめる。取捨選択というやつだろう、何かを得るためには何かを切り捨てねばならない。去年の年末に学ばされたことだ）&br;ま、とりあえずは……ベストじゃあないかも知れないけどベターな、俺達の……しきみんがいままで築き上げてきたものの勝利だ。そーゆーことにしとけ（とん、と軽く胸をつつき）&br;……''あっもしかして「コイツ誰？」とか思ってる！？''エドワード！おれエドワードだからそこんとこよろしくな！（そういえばいまコーザリティでおとなの姿だったわ！） -- [[エドワード>http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp037457.jpg]][[8世>ZS/0018]] &new{2023-06-11 (日) 23:42:21};
---（ぷっと噴き出して）冗談だよ、（ばしっと労う様に平手で背を叩いた、叩いたぞコイツ）少し前より、いい顔になった&br;･･･よかったな、しきみん -- [[かなえ>ZS/0004]] &new{2023-06-11 (日) 23:42:26};
---&color(#274a78){ありがとう、は、俺が言う言葉だよ。（しとしとと降る雨が、左眼の夥しい出血を、洗い流していく） &br;君があのタイミングでやってくれなければ、俺はきっと死期見の力を捨てられずに……いつかきっと、その力に殺されていたと思う。 &br;ああ。母さんも戻って来た。どういうわけかは、よく分からないけど……。}; -- [[樒>ZS/0009]] &new{2023-06-11 (日) 23:43:20};
---(左目の件もキミがうまくやったと確認すれば一つ頷き)&br;これでわんわんの借りは返したぞしきみん。問題ないな？(ニッと笑ってからそういって)&br;さて……事後処理の連絡とかは任された。ゆっくりしておきな&br;(周囲に軽く挨拶しつつ、一般退魔士でもできる事後処理やら各所への連絡をしつつ。終わったらつばさと一緒にその場を辞した) -- [[灯華>ZS/0023]] &new{2023-06-11 (日) 23:45:00};
---言うよぉ　うちぃそれ間違えたコト　今んとこ無いからなぁ&br; 判断ミスやぁて　潔ぉ認めときなぁ？&br; （あ　罰としてこの　霊刀　貰っといてええかなぁ　とおねだりしておこう） -- [[片刃>ZS/0013]] &new{2023-06-11 (日) 23:45:12};
---（何かを守るためには、何かを捨てねばならない）&br;（だとすれば樒が、そして皆が守り抜いたのは樒とその母親。それに京都の街）&br;（そのために捨てられたのは死期見の目と…）&br;ありがとね、多津那美比売さま。&br;（神の沽券の一かけらと言ったところか）&br;「…かわりに、衛星放送を導入せい」&br;（それは照れ隠しか、はたまた本気の要求か）&br;（雨の中、和気藹々と勝利を喜び合う皆の様子を眺めながら）&br;（菫はわかったと頷く）&br;ていうかしきみんせんぱい！目！目だいじょぶなの！？&br;こ、これって治癒しちゃっていいのかな…？&br;（死期見まで戻ったら元も子もない。なのでちょっと困る菫だった） -- [[菫>ZS/0008]] &new{2023-06-11 (日) 23:45:16};
---人生は……失うばかりじゃないから…………こういう結果が待ってて、良かったんだよ。きっとね。&br;（結局、一人で帰れなくて同じ部隊の復活女子中学生ズの力を借りて帰りました。ああ、中学生たちに助けられる） -- [[千歌>ZS/0001]] &new{2023-06-11 (日) 23:48:35};
---&color(#274a78){誰このおじさん、とは思ってた。コーザリティカードか、なるほどね。俺も使ってたんだよ、今回。 &br;時間稼ぎ中に一回死に掛けて、そこで全盛期の姿に戻った。つまり、平常時の雨月樒に。疑似的な回復薬だね。 &br;俺に『先』が無いのは、その時になんとなく覚悟したけど。みんなが来るなんて思ってなかった。 &br;……刹那先輩。もう一度コーザリティカードを使えば、結果は違う。つまり、そういうことです。俺は俺に出来ることをやり続ける。 &br;痛い。（叩かれてけっこうぐらっとした）うん、ありがとう。 &br;ああ、血が足りないや。（眩暈と共に座り込む） &br;治癒はかけて大丈夫。死期見の眼は高度な術式の塊で、それはもう破壊されてるはずだから。血が止まって……視力は戻らないだろうな。}; -- [[樒>ZS/0009]] &new{2023-06-11 (日) 23:48:49};
---…ううん、何度でも言わせて。ありがとう。本当に。ありがとう（首を振り、袖から桃色のハンカチを取り出して彼の左目から流れる血を、拭う）&br; （そうして、同じく袖から取り出した包帯を使って、眼帯のようにしてぐるりと巻いてひとまずの止血とする。死期見の眼は、もうここで終わりだ）&br; ごめんね、痛かったでしょ。…でも、絶対に忘れないから。私が、樒先輩の左目を無くしてしまったことは。絶対に（そう、強く頷いた） -- [[キミ>ZS/0026]] &new{2023-06-11 (日) 23:51:18};
---&color(#274a78){問題ないです。本当に……ありがとうございます、灯華先輩。}; -- [[樒>ZS/0009]] &new{2023-06-11 (日) 23:52:07};
---そうか。（新たなる「最強の可能性」に思いを馳せれるようになった樒に、余計な言葉はもういらない　ニッと微笑んで、それだけ呟いた）&br;なら出来るだけ早く糸口をつけろよ。俺も最前線で待っていてやる（己も運命と戦い続けると告げ、長い髪を翻し山道を引き返していった） -- [[刹那>ZS/0003]] &new{2023-06-11 (日) 23:54:56};
---&color(#274a78){どういたしまして、でいいのかな。（眼帯のように、包帯を巻かれる。されるがままに） &br;それは本当に痛かった。でも、俺も忘れないよ。俺の左眼を……左眼から、解放してくれたこと。 &br;（それにはどれほどの覚悟が必要だったろう。人一人の運命を、己のエゴで完全に変えてしまうのだから）}; -- [[樒>ZS/0009]] &new{2023-06-11 (日) 23:55:10};
---（多津那美比売に「返しちゃってよかったのか？」と聞こうと思ってたが、代わりの要求が何だか可愛らしくて笑ってしまった）&br;（座り込む様を見れば）無理して立つことはねぇ、救急車呼んでやっから安心して休んでろ（誰かさんが叩いたせいかもしれない） -- [[かなえ>ZS/0004]] &new{2023-06-11 (日) 23:55:18};
---そういえば誰このおじさんって思ってけど８世くんだったんだね。魔法少女の人も…。&br;（正体を聞く前に持って帰られてしまった。変身ヒーローかくあるべし、と菫はうなずく）&br;よ、よーし、がんばるからね…。&br;かくなしては――死人も生反らむとぉ――祓いたまえ――…&br;（怪我を穢れとし祓う治癒の術を樒に使う。ガス欠ゆえほとんど力はないが、止血くらいにはなるだろう）&br;んじゃ、しきみんせんぱいは義眼をえらばないとだね！なんかカッコイイやつ！&br;（そう言って術を終えれば、菫もその場にばたーんと倒れる。霊力切れである）&br;（蒸気による火傷も多々あるが、痛みを「感じていない」ようだ） -- [[菫>ZS/0008]] &new{2023-06-11 (日) 23:58:18};
---&color(#274a78){うん、みんなで救急車だなあ。これは。 &br;（倒れてしまった菫を、痛くないように柔らかい草の上に寝かせてやる。……感じないのだとしても、そうしてやった） &br; &br;みんな。 &br;本当にありがとう。 &br;（そうして最後に、あらたまってそう言うのだ）}; -- [[樒>ZS/0009]] &new{2023-06-12 (月) 00:00:35};
---おじさん……（ずーん）いやおじさんだよな、いいんだ……おれだってこの姿に納得行ってるわけじゃあないから…（もうすぐ16になる15歳は軽くへこんだ）&br;くくっ、そりゃあ俺にはよくわからん「神かなんかの力を得ていた」頃が全盛期ならコーザリティもいまのしきみんの姿を作るだろーよ。&br;つまりここからは…「カードすら予見できなかった本当の雨月樒」の力の見せ所ってわけだ。せーぜー鍛えて強くなって「おれの全盛期があんなものかよ！」って…カードのハナ明かしてやりゃいいんだよ&br;じゃーな、助けを求めてたおめーを助ける……互助活動のひとかけらになれてよかったよ、またな（エドワード8世はクールに去るぜ）''いってえ！なんでこんなところにクギ生えてんだよ！？''（あんまりクールじゃなかったぜ） -- [[エドワード>http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp037457.jpg]][[8世>ZS/0018]] &new{2023-06-12 (月) 00:04:55};
---（一度目の守護結界で自身の霊力は殆どない。治癒術自体は菫に任せて、眼帯のようになってしまった彼の姿を見て…）&br; …うん。でもカッコいいよ。そんな樒先輩も。それに……私は、やるべきことを、やっただけだから。&br; いつも…樒先輩がそうしていたように。樒先輩なら、そうするように（滲ませるような、噛みしめるような言葉を放つ。そして）&br; （躊躇が無かった訳では無い。でも、彼なら、きっとそうするだろうと、そう思ったから、やれた）&br; ……じゃあ、私はこれで。ありがとうね、樒先輩（かけられた言葉には、…笑みを返して。近頃は笑えていなかった、自然な笑みを残し、少女は去った） -- [[キミ>ZS/0026]] &new{2023-06-12 (月) 00:07:06};
---You bet！いいんです気にしなくても！シキミンには色々と助けられていますから！みんなも同じ気持ちのはずです！&br; とりあえず、救急車ですね？さっきトーカが呼んでくれたみたいですけれど&br; （そう言うや遠くから独特の音が聞こえてくる、シキミンを始めとする怪我人を収容する手伝いをしてから、自分は歩いて戻った） -- [[マヒナ>ZS/0020]] &new{2023-06-12 (月) 00:09:43};
---&color(#274a78){誉め言葉は素直に受け取っておこうかな。 &br;俺を手本にしすぎると、やがて無理して倒れるかもしれないよ。……その前に、頼ってくれると嬉しいかな。 &br;（肩を竦めて苦笑して。それでも悪い気はしなくて、微笑みを浮かべた） &br;（最近は部室で見かけても、どこか固い笑みだったけれど。ようやく、自然な笑顔が見れたことに、どこか安堵して） &br;（その去っていく背中を見送った）}; --  &new{2023-06-12 (月) 00:11:42};
--&color(#274a78){かくして樒は死なず、また、死んだはずの母親を取り戻した。 &br;共に過ごした過去は、神の御心に届いた慈悲の一滴のみ。それだけであるとしても、また未来を作っていけるに違いない。 &br; &br;旱天に慈雨が降る。 &br;窮地に救いの手がやってきて、 &br;捨てるべきものを捨てた青年は、待ち望んでいた平穏を手に出来る。 &br; &br;今回の話は、おおよそこのようなものだった。 &br; &br; &br;''了'' &br;&br;&br;}; 
-''四．''
--&color(#a22041){天から放たれるのは、超高熱の熱線の掃射。 &br;それが六条、地面を溶解させるほどの爆熱を以て戦場を幾重にも薙ぎ払う。 &br;鮮烈な鏡の発光と、地面を溶解させる際の水蒸気で、この場にいる全ての者の視界が遮られる。 &br; &br;君たちが凄まじい反撃に怯む中、雨月樒の元に、魃が取り付きかけている。 &br;この接触を許せば樒は骨が残らぬほどに焼き殺され、旱除けの結界が消えた周囲は魃のもつ熱と渇きの力で満ちて、君たちは山ごと炎に飲まれることになるだろう。 &br;一方で、樒は諦めていない。密かに、懐から守り刀を取り出して構えている。それは水の霊力を秘めた短刀であり、青白く輝く浄化の霊刀だ。 &br;日常的に少しずつ余剰の霊力を溜め込み、それは一発限りの強烈な力を秘めることになった、雨月樒のもう一つの切り札。 &br;奇襲が通ればあるいは、魃を無力化できるかもしれない。樒にはそれだけの自信があり、また、君たちには樒の実力に対する信頼があるだろう。彼なら勝負を決められる。一度はそう思わせたかもしれない。 &br;魃による攻撃を妨害し、樒の攻撃を万全に通させる。それが君たちに必要なこと''だったが、今は違う。''&br;誰もが確信しているはずだ、ここが''運命の岐路''であると。};

---（雨と判断され砕かれ散った刀身たちが　ぎゅんと集まれば　ヒトの　片刃の形をとって復活する）&br; （それは既に魃の隣に位置どっていて）&br;&br;  （そこまでは先程と同じだ）&br; （魃の隣　というコトは樒の近くというコトだ）&br; 樒んはぁ　ほんまにほんまぁ&br; 助けを求めるんが　へたくそ　やなぁ！&br; （伸ばす手は樒の霊刀を止めるべく　樒と魃の間へと滑り込むだろう） -- [[片刃>ZS/0013]]@[[コーザリティ>http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp037413.png]] &new{2023-06-11 (日) 22:15:38};
---（時が戻るや否や）&br;とあーっ！！&br;（丁度いい位置、樒のすぐ背後にいる菫は樒の背に飛びつく！）&br;（それはまるでオバリヨンの様に）&br;（再び立ち上る水蒸気に身を焼かれるが、そんな事は知ったことではない）&br;（左腕を樒の首に回し、両脚も樒の腰にがっつりホールド）&br;（そして天細々波剣を手放し、右腕を樒の懐に突き入れ護り刀を奪わんとする）&br;せんぱい！せんぱいは結界だけしてて！鏡はみんながなんとかするから！&br;そしたらおかあさんが帰ってくるから！&br;（樒にしてみれば何を言っているかわからないだろう）&br;（しかし詳しく説明している場合ではない）&br;（その替わり、というわけではないが）&br;「まったく。世話を焼かせる巫女じゃ」&br;（菫の手から離れた天細々波剣、その緋い刀身から光の粒がひとつ、放たれる）&br;（それはふわりと宙を舞い、樒の頭へと）&br;（光の粒は情報の集積体。もし拒まないのならば）&br;（母親との、もっとも幸せだった時間の記憶。樒の生を願う母の記憶。それだけが）&br;（樒の心に戻るだろう）&br;みんな！おかあさんの方は、鏡は――お願い！！&br;（そして後は皆に託す） -- [[菫>ZS/0008]] &new{2023-06-11 (日) 22:16:17};
---ちっ･･･せめてもうちょっと前から頼むぜ･･･（この状況、どう見たって元凶は肥遺だ･･･だがあれを倒す暇はない）&br;（課題は二つ、①鏡を全部割る、②樒と魃の間に割り込んででも二人を止める）どっちもやらなきゃならねぇってのが、互助部の辛い所だなぁ！&br;（ムービーカード「ガンデッドアタック」をスキャン、続けて「マフィアスタイル」を再スキャン、今度はアサルトライフル･･もっと射程の長い武器に持ち変えると）&br;ガンデッド共！鏡を打て！（指示しながら走る、間違っても誘爆なんかしないよう手榴弾をはじめとした爆発物は捨て、アサルトライフル一本に賭ける）&br;しきみん！そいつを殺すなぁぁぁあ！！！」（躊躇なく樒と魃の間に滑り込みながら）らぁぁぁぁあぁ！！（上の鏡目掛け掃射する） -- [[かなえ>ZS/0004]] &new{2023-06-11 (日) 22:21:25};
---（戻ってきた、そう感じたのは真夏を思わせる空気をその胸に吸った後の事、まさにシキミンとその母親が会敵する寸前だった）&br; （迷っている時間はない、それはシキミを見たクロとて同じであっただろう）&br; シキミン！それはNOです！少しだけ、少しだけ待ってください！（具体的に理由を説明する時間はない、ただそれだけを口にして）&br; 雨月の当主は任せるぞ！（クロが叫び、魃を縛るはずであったそれを周りに浮かぶ鏡に向ける）&br; 貫けよ！！（黒き蛇が螺旋を描き、一つの槍となって残る鏡を貫き通す） -- [[マヒナ＆クロ>ZS/0020]] &new{2023-06-11 (日) 22:26:13};
---（戻ってきた瞬間、自分の限界を問うた）&br;（シャイニングプリンセスフォームというのは最終最後の力を何度撃てるのだろう？）&br;（それ自体が矛盾に満ちた問いだ、最終最後と言っているのだから）&br;（でも）う……うわああああああああぁぁぁ！！（奇跡を起こすためなら、私は何度だって自分を超える）&br;神鳴手ッ！！（鏡に向けて最終能力を撃った後）もういっぱぁぁぁぁぁぁぁつ！！&br;（死に体となった自分の体を無理矢理動かし、二発目の神鳴る手を導いた） -- [[プリンセスアベリア>ZS/0001]] &new{2023-06-11 (日) 22:26:23};
---（――十日菊舞華は、生徒たちが突然何を話し始めたのか、わからなかった。）&br;（だが…自分と樒以外の全員が、何か一つの意志の下に行動し始めた事だけはわかった。）&br;………くそう、くそう！　あたし以外の誰かが、また何かやっちゃいました！？&br;でもこういう時はぁ～、流れに身を任せて同化すればどうにかなりますっ！経験上！！&br;鏡ですね！？　桶丸水産！！！！！　舞華…''ジェノサイドカッター！！！！！''&br;（異常に出が早くて無敵時間が長くて当たり範囲がデカくて威力の大きい必殺技が魃の周囲の鏡を襲う！！！！！） -- [[舞華>ZS/0010]] &new{2023-06-11 (日) 22:27:51};
---（で。意識を取り戻したのは、コーザリティカードを、己が切り札を切った直後。樒が短刀を取り出した直後なわけで）&br;''しきみん！詳しい話はあとだ、いまはじっとしてろ！！''（バカは説明に割ける舌と理解力を持ってない、つまり…そのへんは俺以外のあたまのいいやつに任せる！）&br;（では、そんなバカにできることと言えば？もちろん答えは一つ。「みんなが本懐を遂げるためのサポート」つまり……先程と何も変わらない。ただ対象が変わるだけだ）&br;あいつの攻撃は俺とかこっちに回ってくれたみんながなんとかする、おめーらはおめーらがやるべきことをやれ！！おれのかわりに！！（そう、やることは何も変わらない。ただし今度は……ほんとの本気だ）&br;ブレストファイヤー……''全力だぁぁぁぁぁぁ！！！！！！''（空を埋め尽くさん限りの熱量で熱線を放つ！全ては魃の攻撃から皆を守るため、「皆がやりたいこと」を「やり遂げられる」ために！！） -- [[エドワード>http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp037457.jpg]][[8世>ZS/0018]] &new{2023-06-11 (日) 22:32:17};
---（時が逆巻いていき、恐るべき決断を迫られる直前へと戻ってくる　死期見の瞳のシステムに助けられた形か）&br;（それでもなお天を睨み）オマエを許したわけではないぞ、死期見番。（運命を押し付けるモノを憎む瞳を向けた　それでも、樒を救い出す機会を得たことで激情を飲み込む）&br;……雨月は任せた。私がやるべきは熱を断ち切ることとあの鏡を潰し切る、それのみだ（二人を止める搦め手には掛けると空を仰ぎ鏡に狙いを定める）&br;同じことをやるようだと笑うか？さっきは結界、今度は一点突破だ（時間稼ぎをしてはならない　短期でケリを付けるべく、架空のキューブは集中的に並び氷のルーンを描く）&br;''&ruby(イサ){&#5825;}; &ruby(ジオメトリック・プログレッション){Σ10^k(k→10)};''&br;（先程よりも強い関数が氷の魔術を反復し、冬茨が爆発的に空を目指す　旱魃をもたらす神の鏡を目掛けて）&br;（日照りに焼かれようと、乾きに朽ち果てようと、執拗に氷の茨は天を目指す　陽の光を失墜させんとそれ以上の勢いで反復され、巻取り、締付け、砕き割らんと） -- [[刹那>ZS/0003]] &new{2023-06-11 (日) 22:34:54};
---（戻ってきた、あのタイミングに）&br; （迅速に行われる役割分担　自分がするべきことは分かる）&br; もう間違えない……、とーか、あの鏡を割ろう！&br; 私が鏡まで届けるから、ぶち割ってきて！！（大人が一人立てる程度の円盤をレールガンにセット）&br; （円盤を弾として撃ちだすから乗れという無茶ぶりである）&br; （いつもの弾丸よりも質量も体積も大きいため弾速は落ちるがそれでも常人に可能なことではない）&br; （しかしそれが無理ではないと知っている　迷いはない）&br; ターゲット……空中の鏡、ロックオン！！&br; エネルギー……いつもよりもオーバーロード！　臨界突破！！&br; シュート！！！（砲身から青白い光を放ちながら円盤は撃ちだされた！） -- [[つばさ>ZS/0022]] &new{2023-06-11 (日) 22:35:42};
---(時間遡行は初めての経験だった。情報は把握した。やるべき事も把握している)&br;最近は凄まじい現象によく出会うもんだ……さて(周囲を見回す。鏡狙いの仲間と、その標的を正確に把握)&br;やるじゃないかアーサー。足止めは任せてよさそうだな…！　ってつばささんマジ？(無茶振りがきた。無茶振りなのだが応じる。)&br;狙いはあの鏡で！　他の仲間がまだ狙ってない！(照準指示だけだして、つばさが打ち出した円盤に飛び乗り)&br;標的……鏡！(かくして、レールガンごと打ち出された灯華はしかし。円盤の上で白い太刀を構え───)&br;''&ruby(Vulnerant omnes　ultima necat){時間はすべて傷つける。最後のものは殺す};''&br;(閃くは二度。音速超過の燕返しが、異能の発露と共に鏡に襲い掛かる！) -- [[『黒衣』の灯華>ZS/0023]] &new{2023-06-11 (日) 22:39:54};
---（自身にとってやるべきことは、必要なことは同じ。今も同じ。だけども、ほんの少しだけ…違う）&br; 義賢！（叫ぶ。青鬼がこくりと頷けば、小太刀のような金棒がひらりと舞う）&br; （そうして、白髪の少女は走る。ただひたすらに。樒の元へ。彼を、助けるために） -- [[キミ>ZS/0026]] &new{2023-06-11 (日) 23:02:33};
---（青鬼が金棒を掲げれば、それが二つに増え…更にその二つが四つに増える）&br; （架空の存在でも、影でもない。そのままのそれが、多重存在となって四つになり、青鬼の周囲へ舞う）&br; （そのうちの二つ。二つの金棒が走る少女を指し示し、鬼気を爆発的に増幅させる）&br; ＜歪曲の理：形象の夢：裏返された狒狒の首＞&br; （拡張鬼言。鬼の妖力が高まり、その妖力が世界へと干渉し理を捻じ曲げる）&br; ＜泥濘と惑乱：慟哭と錬鉄：滔々と降り落ちる蛆虫が踊る＞&br; （繰り返し呟かれる素早く低く重い声は、朗々と、しかし鋭く）&br; ＜喪心此処に非ず：捻転：怨嗟の愚風が野を駆ける＞&br; （その声が響き拡張鬼言が終われば走る少女の身体の回りの任意の空間が歪む。空間歪曲場だ）&br; ＜胸郭を埋め尽くせ酸水：輪唱：工程：音叉は謳う＞&br; （空間そのものを捻じ曲げる、それ。如何な凄まじい熱だろうと空間が曲がっているのであれば届かぬ）&br; ＜白夜に降りる闇：登らぬ日：時よ時よ：傲岸に吹き荒れよ＞&br; （五重全節鬼言。熱線もまた同様。仮に近接しようとしたとしても、魃は少女の身に触れることも出来ぬだろう）&br; （更に、二つ）&br; （二つの金棒が空の肥遺へと向かう。まだ行われぬ、しかし確実に行われるだろう奇襲を防ぐために）&br; ＜流転する草の息吹：凍りつく陽炎：燦燦たる風雨が天地を削る＞&br; （ぐにゃり、と金棒の先端の空間が歪む。しかしてそれは先の鬼言とは似て非なる）&br; ＜憧憬：さざめき：変異：疾く疾くと吠え立てよ＞&br; （歪み続けた空間は、孔が開いたように黒く、黒く。光さえも届かぬ深き虚）&br; ＜喚き湯がれ：万里を呪い：高天原の日よ陰れ＞&br; （三重全節鬼言。生まれたるは重力の穴。遥か宇宙にあるそれの超極小再現。それが空へと、肥遺へと放たれる） -- [[義賢>ZS/0026]] &new{2023-06-11 (日) 23:02:49};
---（少女が走り…樒の元へ到達する。少女の背負った背中側の半球の空間は捻じ曲がり、魃からの如何なる干渉も能わない）&br; （かなえが滑り込んだ二人の間、更にその樒側。彼と魃の間に走り込んで、彼と、向き合う。その二つの色の瞳と）&br; （菫が体全体で彼を留めている。助かる。だって、彼は我慢が得意だ。どうしたって今からすることを拒否する）&br; （袖から独鈷杵を抜き放つ。するどいその先端に、今からすることを思えば寒気が走る。でも、やらなければ）&br; （もう片方の手で、樒の顔を掴む。爪が食い込むほど全力で。絶対に眼を逸らさせないと。紫色の瞳を…五芒星の浮かぶ、その瞳に合わせ）&br; （生きていて、ほしいから。歩き続けてほしいから。ずっとソラを見上げていてほしいから。そのためにも）&br; ……生きて！！樒先輩！！！&br; （願いを込めて、叫び…独鈷杵の切っ先を死期見の瞳へと突き刺した。その感触は…きっとずっと、忘れない） -- [[キミ>ZS/0026]] &new{2023-06-11 (日) 23:03:48};
--- &color(#274a78){！？（短刀は片刃と菫に止められる。説教めいた言葉とともに） &br;（いったいなぜ、と思う間もなく　記憶が。生きていてほしいと願われた記憶のひとかけらが） &br;（樒の精神の礎たるその記憶ひとつが） &br;（その精神に蘇る） &br;母さんが戻ってくるって、どういうことだよ！？ &br;（結界は、精神に混乱が生まれたけれど、どうにか維持できている） &br;（攻撃を止める声は口々に。その通りに行動をやめている）}; -- [[樒>ZS/0009]] &new{2023-06-11 (日) 23:14:40};
---&color(#a22041){エドワードの大火力が、反撃の熱線を相殺する。 &br;それからだ。鏡が次々と破壊されていったのは。 &br; &br;かなえの銃撃は、辛うじて鏡の一つを叩き割った。残り４つ。 &br;ただしこれは浮遊している分で、鏡はもう一つある。つまり、顔を覆う仮面だ。 &br; &br;黒き蛇の螺旋の槍は、過たず鏡の一つを刺し貫いた。残り３つ。 &br; &br;刹那の放った反復する氷の棘が、残る鏡のうち２つを苛烈に痛めつけ。 &br;舞華のジェノサイドカッターが、股関節を軸とした軽やかな曲線を描き、二つの鏡をひとまとめに蹴り上げ破砕した。残り１つ。 &br; &br;つばさによって射出された円盤上から放たれる灯華の一閃、否、そう見えるほどの速さの二連撃が決まる。 &br;燕返し。これで、空舞う鏡の全てが砕かれた。 &br; &br;残るは鏡の仮面のみ。 &br; &br;プリンセスアベリアの、奇跡を起こす力。そして浄化の力が煌めく。 &br;極限状態から放たれる二発の神鳴手が、鏡の仮面を破砕する。 &br;一撃では足りず、その二発目で。奇跡的にも、その奥のかんばせには傷一つ付けることなく。 &br; &br;弾き出される。依代から力を喪った神が。 &br;さらに、元凶たる肥遺が、 義賢が生成した極小のブラックホールに蹂躙されて、苦しんで地に落ちる。}; --  &new{2023-06-11 (日) 23:15:43};
--- &color(#274a78){そして。 &br; &br;樒の／死期見の左眼が。 &br;ぼろぼろの樒が抵抗できぬままに。かつての埋め火を齎した少女の柔らかな手が、爪が食い込むほどにしっかりと固定して。 &br;五芒星の中心を、少女の持つ独鈷によって、貫かれる。 &br; &br;「''あ、があああああああああああああああああああああああああああああ！！！！！''」 &br; &br;絶叫が、響いた。 &br;無数の死を見、無数の災厄を止め、そして担い手の精神を犠牲にし続けた、忌まわしき魔眼が破壊され、莫大な霊力が溢れ出す。 &br;何が起こったのか理解しがたかった。 &br;だけど、生きていてほしい、と願われたことだけは理解した。 &br;そして、この眼がやがて自分を殺すであろうことも、雨月樒は既に、頭のどこかで理解していた。 &br; &br;その奔流が終わった時。残った橙の右目と、血に濡れた空亡の左眼でキミを見て。絶叫に枯れた声で。 &br; &br;「ありがとう」と。 &br; &br;確かにそういったのだ。 &br;そうして、少女と、止めようとした仲間達を残して。 &br;雨月樒は、後始末のために歩き出す。}; -- [[樒>ZS/0009]] &new{2023-06-11 (日) 23:18:43};
---ふぅー…&br;（思わず安堵の息が零れる） &br;（死期見番に課せられたミッションは達成できた。皆で力を合わせて） &br;（もう、樒が母を殺してしまう事はないだろう） &br;（なので守り刀を樒の手に押し付ける様に返し、背から降りる）&br;（それから天細々波剣を拾えば、再び魂振りを開始する）&br;（時間が戻った分だけ霊力も戻っている。すこしの間だけなら使えるはずだ）&br;布留部、布留部、由良由良止布留部――&br;（記憶が戻された衝撃。仮面の下の顔を目にする衝撃、目を抉られた痛み…）&br;（それらに惑わされぬよう、負けぬよう、魂を奮い立たせる祝詞を唱え、届ける）&br;（皆に。感謝と共に）&br;さあ、やっちゃえー！ &br;（そして剣を握る右の拳を振り上げた！） -- [[菫>ZS/0008]] &new{2023-06-11 (日) 23:32:12};
-''三．''
--&color(#7a4171){「……これが、死期見。雨月樒が日常目にしている人の死だ。」 &br; &br;仄暗く広がりを見せる空間の、鏡のような水面の上、君たちはその声を聞いた。 &br;この場所には、黒い狩衣を着て、覆布で顔を隠した人物が一人佇んでいるだけだ。 &br; &br;「私は死期見の眼の管理者だ」 &br;「死期見の眼を後世に引き継がせ、その時代時代の災厄を少しでも多く止めさせる。そうした役割を担っている」 &br;「死期見番（しきみばん）、とでも呼んでくれ」}; --  &new{2023-06-11 (日) 21:37:16};
---&color(#7a4171){「君たちはきっと知っているだろう。 &br;雨月樒はどうしようもなく優しくて、かっこつけで、痩せ我慢が得意で。 &br;自分の大切なものよりも、誰かが大切にしているものを優先してしまう。 &br;これだけ見れば理想的な死期見の担い手だが、 &br;どうも自己評価が低く、他人を頼ることが苦手で、強がりのくせ、精神的に脆いところがある。 &br; &br;こうした死期見の度に全力を出し尽くして、時に救えることもあるが、時にどうしようもなく、 &br;もしくは自分の実力不足から、あるいは致命的な見落としから死なせてしまう。 &br;そうしたことを続ける中で、無理が行き過ぎて壊れかけたところに…… &br;今回は不運だった。この眼ですら予見不可能な、どうしようもない運命というのは、確かにあるものだ」 &br; &br;死期見番は顔を伏せる。しかし、その表情は布で覆われていて分からない。}; --  &new{2023-06-11 (日) 21:41:47};
---（樒が母を刺した瞬間　片刃はその腕を確かに握っていた）&br; （握っていたのだ）&br; （その手を呆然と眺めつつ）&br; あれは　ヒト　やったんか？　怪異？　それとも　神　そのものやったんかなぁ？　 -- [[片刃>ZS/0013]] &new{2023-06-11 (日) 21:43:32};
---……ん？んん？？（おれさっきしきみんの葬儀出てなかった！？）　''えっ何！？管理者！？''（やめてくれないか！バカの脳細胞に過負荷を与えるのは！）&br;うるせー知るかニセしきみ！しきみんの視界とかおれは知らねーし理解もしねーぞ！だってそれはあいつの問題で！あいつの能力で！おれはそれを共有も共感もしてやれねえからな！&br;おれにできるのはあいつの重荷をちょっと借りてやることと……「いまてめーに見せられた未来を変えること！」だけだ！わざわざ見せた意味があるんだろ逆転のハッピーエンドへの手筋が！教えろ！&br;俺はあたまわるいからさっさと教えねえとおまえ殴り倒してしきみんのこと止めに行くぞ！？（あんな結末は認めない。友達に嫌われる結果になろうと絶対に。狩衣の胸ぐら掴んで叫ぶぞ） -- [[8世>ZS/0018]] &new{2023-06-11 (日) 21:44:28};
---･･･（「かなえ」は親という物に失望していた、厄介事を持ち込む種でしかなく、自らの死の遠因となった人たちでしかなかったから･･･）&br;（だが「今のかなえ」は少し違う･･･魂となっている伊邪那美が母だから、息子に会いたくて出てきてしまう気持ちが分かった･･･言い残す言葉に込める想いも）親の心、子知らずか･･･馬鹿野郎&br;（死期見番を見る）それで？アタシ等にこれを見せた理由は･･･こいつを止めてくれって事か？ -- [[かなえ>ZS/0004]] &new{2023-06-11 (日) 21:44:32};
---（軽い眩暈、そして胃の中がぐるぐると巡っている感覚に思わず口を押える、以前「死期見はどんな感じか」と聞いた事があった）&br; 映画とか、そんな生ぬるい物じゃ……ありませんねこれ（その答えをそのままの意味で捉えていたが、実際にそれを体験し、改めてシキミンの苦悩を想わずにはおられない）&br; （そう、死期見番の言う通りだ、なのにそれを表に出すこともせず一人背負っている、そこに今見た死期見、運命と簡単には割り切れる物ではない）&br; どうして、私たちにこのシキミを見せたんですか……？（諦めさせるためか、運命に抗わせるためか、まず彼「死期見番」の意図を知りたかった） -- [[マヒナ>ZS/0020]] &new{2023-06-11 (日) 21:45:22};
---……(冷徹にその運命を見終えた。嫌な予感が当たったちまったな。というくらいで。)&br;(大切なモノとそうでもないモノを切り分け終えている灯華にとって、悔やめども脚を停める事はない程度の反省。)&br;(それよりもこの空間は……つばさの姿をまず探して確認すると、語っている死期見番に視線を戻し)&br;ブレイズがいたら深く共感したのかもな……死期見の目ね。人間の精神に持たせていいもんじゃねえがこんなん&br;質問。今、俺達は意識だけでこの空間に来ているのか？　この空間から出たらどうなってるんだ。(現状確認から入る) -- [[『黒衣』の灯華>ZS/0023]] &new{2023-06-11 (日) 21:45:45};
---（がたがたがたと全身が震えている。極寒の極地にでも居るような。いや、それよりも寒く冷たく、暗い所に居るような）&br; （これが、死期見。これが、先輩の眼。これが、これを、樒は、ずっとずっと見続けていたのか）&br; （止められなかった。止められなかった。……これも、こんな思いを、彼はずっと抱えていたのか。こんな、こんな）&br; ……ま、まって。…待って！！あなたが誰かなんてどうでもいい！そんなことじゃない！知りたいのはそんなことじゃない！！&br; どうしようもない運命なんて要らない。そんなものも要らない！！樒先輩を、あの人を助けられる運命を！教えて！&br; （少女が、叫ぶ。強く、強く。覆布で覆われた顔へ。あれはまだ確定した未来ではないはずだ。きっと、だって自分の時だって） -- [[キミ>ZS/0026]] &new{2023-06-11 (日) 21:48:10};
---（座り込んでしまった）&br;（先輩が最悪のバッドエンドを迎えた、その光景が網膜に焼き付いて）&br;（ショックと友人の葬式を思い出したことで吐き気を堪えるのが精一杯だった） -- [[プリンセスアベリア>ZS/0001]] &new{2023-06-11 (日) 21:49:05};
---（怪異による親しいものへの被害。母親を己の手で殺めてしまう罪の意識。そして……躊躇なく己の生命を断った後輩の無常）&br;（その全てを一度に叩きつけられ）っ……！う、げぇっ……（ぐちゃぐちゃに撹拌された感情が嗚咽を呼び、歴戦の退魔師である刹那にすら嘔吐を催させた）&br;（死期見。これが最悪の形だとしても、他者の死と向き合い続けることは生半可なことでは出来るものではない）&br;オマエ……！（死期見番に食って掛かるように立ち上がる　そうでなければ、今見たモノを振り切れなかった）&br;雨月が、どれほどの気持ちで死を覆し続けてきたと思っている！！高々高校生にこれほどの瞳を宿らせることが、どれほど恐ろしい事だと思っている！！！&br;ああそうだ。奴がやらねば覆らなかった死はいくらでもあるだろうな。だが、その為にヤツの心はどれだけ引き裂かれた！？&br;替えが居ないなんて言い訳は通用せん！！アレでは生贄ではないか！！！！&br;（激昂したのは己も怪異と戦う運命を押し付けられたからか　やらなければ他に誰も対処できぬ恐るべき怪異と相対する事を義務付けられたからこそ） -- [[刹那>ZS/0003]] &new{2023-06-11 (日) 21:51:10};
---（樒の変わり果てた姿を前に、菫は光の無い目で）&br;（何故、こうなったのだろうかと思う）&br;（母親の記憶。それを失わなければ樒は魃をそれだと看破出来ただろうか）&br;（出来たとしたら、母親を魃から取り戻す事は出来ただろうか）&br;（恐らくは出来た。出来たものだと思いたい）&br;（だとすれば、そもそもを辿れば菫の所為だ）&br;（樒は自分のために記憶を捧げた。それがこの様な結果に繋がった）&br;けど、どうすればいいんだろう。&br;（過ぎた時間は戻らない。成された選択は覆らない）&br;（当たり前だ。それが出来たら人の決断など何もかもが茶番になってしまう）&br;（けれど、今見ているものが、樒の悲惨な死が死期見による予知のビジョンだと言うのなら）&br;まだ、間に合うのかな？&br;（菫からの問いはそれだけであり）&br;菫はね、しきみんせんぱいにも生きてほしいと思うんだ。&br;（言う事もこれだけだ） -- [[菫>ZS/0008]] &new{2023-06-11 (日) 21:53:22};
---（撃ち抜いたのだ　確かに撃ち抜いた）&br; （魃を、狙って、撃ち抜いて）&br; （私は喜んだ　樒は取り込まれず魃に一撃を与え　魃は消え去った）&br; （それで、それから…どうなった？）&br; （数日後に仔細明らかになって）&br; （魃は樒の母親が依り代になっていて　樒は魃を刺して　母を　母を）&br; （酷く孤独な死を選ぶ樒　躊躇は一切なく命の灯は消えた）&br; （そうしてそうして残ったのは空っぽの死骸）&br; &br; ……う、うわあああああああああああ！！！！！！！！！！！&br; 嫌だ、こんなのは…こんなはずじゃなかった、こんなつもりはなかった！！！&br; どうして…っ（そこまで叫んで死期見が終わる）&br; （これが樒が日常的に見ていた死期見なのだと、どこか遠くで声がした）&br; ………？&br; （状況に追いつけないまま周囲を見渡し這いずるように灯華に縋った） -- [[つばさ>ZS/0022]] &new{2023-06-11 (日) 21:54:21};
---…で、ここはどこ？死期見番さん、あなたは何をしたい…あるいは、私の生徒たちに何をさせたいんです？&br;（能面のような顔で…人間が静かに深い怒りを感じているときの顔で、死期見番を見据えて、ただそれだけ簡潔に） -- [[舞華>ZS/0010]] &new{2023-06-11 (日) 21:55:30};
---よしよし(縋ってきたつばさを抱きしめて落ち着かせるように背中を撫でる。落ち着くまで事情の説明はあえてしない。自分も然程分かっていないのだし。) -- [[『黒衣』の灯華>ZS/0023]] &new{2023-06-11 (日) 21:58:21};
---&color(#7a4171){「あれは、人に神が宿ったものだ。」 &br;かなえの質問には、『そうだ』と答える。エドワードには『手段はある』と。 &br;「それは今から説明しよう」 &br;死期見番はどうも無感情だ。自動的で、人工的な存在なのかもしれない。 &br;「私は樒に死んでほしくはない。貴重な、適性のある死期見の担い手だからだ。」 &br;それは真実なのだろう。ほんの少しだけ、人間性のようなものが覗いた &br;「意識だけでここに来ているよ。現時点は、樒によって彼の母が死に、樒の自死が確定した直後だ。」 &br;「彼は一度死んだ。その事実は覆せない。普通ならばね」 &br;そうでない手段がある、と言っているようなものだった。 &br;「……そうとも。彼は生贄のようなものだ」 &br;「過去の死期見の眼の持ち主たちは、 &br;その全てが、戦いの中で命を落とすか、惨い死を見過ぎて発狂するかして死んでいる。 &br;死期見の眼を持ちながら、天寿を全うした者は、一人としていないのだから。」 &br; &br;「……君たちがもし、彼を死なせたくない、と思うなら。 &br;一度だけやり直すことが出来る。」 &br; &br;「私の力で、人の死が伴う現象を、 &br;全て死期見だったことにして、ある時点まで強制的に時を巻き戻す。 &br; &br;これは、そう何度も使える力ではない。 &br;今回の機会では、この一回限りだと思ってくれ。 &br; &br;樒が生き残るために必要なことは……さっきの死期見でもう十分だろう。 &br; &br;魃に樒を殺させてはいけない。 &br;樒に魃を殺させてはいけない。 &br; &br;付け加えるなら、あの力ある鏡を全て叩き割れば、魃は依代から追い出せる。 &br; &br;それと。君たちが樒に本当に、この先もずっと、生きていてほしいと願うのなら。 &br; &br;''樒の左目を潰す、という手段がある。'' &br; &br;そのせいで未来の災厄が防げなくなるかもしれないし、 &br;彼を苦しめ、彼に憎まれるかもしれないが、どうしても樒に生きていてほしいと願うのなら。 &br;それも、ひとつの選択だ。」 &br; &br;「どうか彼に、生き抜ける道を」 &br; &br;風景が歪んでゆく。 &br;先ほどの一瞬まで、早回しに時間が巻き戻る。 &br;樒の未来の死が確定し、この場の仲間達を巻き込んだ死期見が発動する、そのほんの少し前。 &br;樒が短刀を構え、魃と交錯するその直前から。 &br;君たちは一度だけ、行動をやり直すことが出来る。 &br; &br;時は再び、運命の分岐点。 &br;どうか、正しい選択を。}; --  &new{2023-06-11 (日) 22:00:13};
---（あれはヒトであり神であったと聞けば）&br; なら　あの対処法は全然に外れや　大外れやなぁ！&br; 樒はこれを見たうえで　ほんまにこれでええ思たぁいうコトなんかぁ？&br; あかんあかん&br; 全部あかんやん&br; （戻れるのなら）&br; ちょっと樒んぶっ飛ばしに行こうやぁ？ -- [[片刃>ZS/0013]] &new{2023-06-11 (日) 22:07:52};
---（身体の震えが、止まった。覆布の淡々とした言葉を聞きながら、紫色の瞳に意志の光が灯った）&br; ……ごめんね。…ありがとう。あなたも…樒先輩を助けたいと思ってたんだね。なら…&br; （あとは、やるべきことを、やるだけだ。そう、あの人が…いつもそうしていたように） -- [[キミ>ZS/0026]] &new{2023-06-11 (日) 22:11:29};
---俺はしきみんの人となりを知らねー。おれが知ってるしきみんは「互助部の創始者で、いつも人助けしてるやつ」でしかねーし…あとけっこうボケたらノッてくれることくらいしか知らねー。おれは友達だと思ってるが向こうも思ってくれてるかは怪しいもんだ&br;んで。そんな胡乱な俺が思うことは……「しきみんの目玉も、しきみんのお母さんも、両方助ける」ってことだけなわけだ。なんでって？そっちのほうがあいつが幸せだからに決まってんだろうが！&br;この俺の前で！互助部員の前で！助けられることを拒否するやつなんかぜってー認めねーぞ意地でも最大限の幸せを拾ってもらう！気張れてめーらおれの自己満のために！（悲しい結末だけは決して許さない。みんなの意志は無視して好き勝手なことを言うぞ！） -- [[エドワード>http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp037457.jpg]][[8世>ZS/0018]] &new{2023-06-11 (日) 22:16:18};
---（撫でられて少しだけ精神が落ち着いた）&br; （未だ状況は飲み込めないが必要な情報を頭に叩き込む）&br; しきみんに魃を殺させないこと&br; 鏡を全部割ってしきみんのお母さんから魃を追いだすこと、&br; これらをする間にしきみんに魃を殺させないこと&br; だね………　まだ間に合うんだもん、絶対に…結末を変えなきゃ&br; （左目に関してはまだ悩んでいる） -- [[つばさ>ZS/0022]] &new{2023-06-11 (日) 22:16:50};
---わかった！&br;（こういう時、菫の決意と決断は早い。「教育」の賜物ではあるが）&br;しきみんを止める！鏡割る！死期見の目をくりぬく！&br;（自分に出来る事はと考える。鏡は無理。目は前の二つを終えた後でもいいだろう）&br;（ならば自分がするのは、樒の行動の阻止だ）&br;（そのためにならどんな事でもする）&br;（己に課した、課された使命は果たすのだ。命以外の何を差し出す事となろうと） -- [[菫>ZS/0008]] &new{2023-06-11 (日) 22:25:17};
---目があるから、いずれしきみんは死ぬ･･･か&br;（んーと唸ってる）叩いてくれとは言われたが目玉抜いてくれとは言われてねぇんだよなぁ･･･ -- [[かなえ>ZS/0004]] &new{2023-06-11 (日) 22:26:39};
-''二．''
--&color(#a22041){天から放たれるのは、超高熱の熱線の掃射。 &br;それが六条、地面を溶解させるほどの爆熱を以て戦場を幾重にも薙ぎ払う。 &br;鮮烈な鏡の発光と、地面を溶解させる際の水蒸気で、この場にいる全ての者の視界が遮られる。 &br; &br;君たちが凄まじい反撃に怯む中、雨月樒の元に、魃が取り付きかけている。 &br;この接触を許せば樒は骨が残らぬほどに焼き殺され、旱除けの結界が消えた周囲は魃のもつ熱と渇きの力で満ちて、君たちは山ごと炎に飲まれることになるだろう。 &br;一方で、樒は諦めていない。密かに、懐から守り刀を取り出して構えている。それは水の霊力を秘めた短刀であり、青白く輝く浄化の霊刀だ。 &br;日常的に少しずつ余剰の霊力を溜め込み、それは一発限りの強烈な力を秘めることになった、雨月樒のもう一つの切り札。 &br;奇襲が通ればあるいは、魃を無力化できるかもしれない。樒にはそれだけの自信があり、また、君たちには樒の実力に対する信頼があるだろう。彼なら勝負を決められる。そう思わせるに違いない。 &br;だが、このままでは差し違えることになる。 &br;魃による攻撃を妨害し、樒の攻撃を万全に通させる。それが君たちに必要なことだ。 &br;正念場だ。誰しもが確信する、ここが''運命の岐路''となると。};
---はは！生きてんならいい！気張れよ！！あとちょっとだ！&br;（鏡が砕けた！）へへんっおーけーおーけーっ種が分かってきた！（この調子で砕いていけば、奴の力は削がれ、その分シキミンも楽になるだろうと踏む）&br;（六つの鏡が空へ上がる･･･サブマシンガンの有効射程外･･･）･･ﾁｯ（ならばと次の手を打とうと構えるも）&br;マジか！？（腕で庇い強烈な発光から身を守る）･･･！？しきみん！やれんのか！？（樒の実力とここまで観察した魃の力を比較すれば･･･樒が無事で済まない事は明白だ）&br;（ならばと見上げ、再度カードをスキャン、「災害の余波」を起動、空に上がった鏡に看板を直撃させんとする） -- [[かなえ>ZS/0004]] &new{2023-06-11 (日) 20:55:47};
---（雨と判断され砕かれ散った刀身たちが　ぎゅんと集まれば　ヒトの　片刃の形をとって復活する）&br; （それは既に魃の隣に位置どっていて）&br; あんなぁ　自分　おしゃべり出来へんタイプなんかぁ？&br; なんでこんなコトしとるん？&br; 説明も意図もないなら　せめてぇちょっと落ち着いてぇくれへんかなぁ？&br;&br;  （その熱と渇きが　刀すら　鉄すら融かすレベルならこの身も流石にヤバいかなぁ　と思いつつ）&br; （樒に取りつかんとする魃のその手を阻むように掴まんと） -- [[片刃>ZS/0013]]@[[コーザリティ>http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp037413.png]] &new{2023-06-11 (日) 20:58:44};
---熱線だとぉ……？''この俺を相手に高温・炎勝負でイニシアチブ取れると思うな神ふぜいが！！''（コーザリティカード。『解放器に通すと、自分にとって最強の姿になるムービーカード』……ここが勝負どころと見て、迷うことなく切り札を切る）&br;（一瞬にして青年の姿になったエドワードは……しかし、神に攻撃を仕掛けるでもなく、神の放った熱線に目を向ける）&br;せーの……''ブレストっ、ファイヤぁぁぁーーー！！！''（己が胸を起点に放出される炎の波は、天より降り注ぐ熱線を迎撃するために！樒に本懐を遂げさせるために放たれた！）&br;しきみん！いいか！？お前がやりたいことをやれ！おれは！おれたちは！おまえのためのサポートだ！！（胸から光熱を放ちつつ呼びかける。このよくわからん状況の起点がお前なら、終局もお前でしかないんだ！） -- [[エドワード>http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp037457.jpg]][[8世>ZS/0018]] &new{2023-06-11 (日) 21:01:06};
---（樒が短刀を取り出すのを見た。ひと目見ただけで強い霊力が籠もっているのが分かった。自身も同じような法具を持っている、が）&br;……！？だ、…それは…ダメ…！（少女は、瞬間、走り出す。理屈ではない。それと認識した時には走っていた）&br; （それは何処へか。即ち、魃と樒のその間へ。自身へ守護の結界を掛け、割り込むように走る。攻撃の邪魔になるかもしれない。でもそれは）&br; （守護結界がじりじりと魃の熱に侵食されるのを感じる。樒なら、その刀を魃へと届かせるだろう。分かっている、でも、それだけは、ダメだ、と） -- [[キミ>ZS/0026]] &new{2023-06-11 (日) 21:04:10};
---…くぅっ！！（流石の舞華も強烈な熱光線から身を躱すも、）&br;（幸いなことに肉体と五感すべてが強靭ゆえに、強烈な光や水蒸気に行動を遮られることなく周囲の状況を一早く把握し）&br;危ないっ！（身を護る手段が少ないであろう生徒たち――おそらくは、マヒナ、菫、つばさたちいずれか数人の身体を引いて魃の猛攻を避けさせる。）&br;（そして………樒は、自分よりずっと思慮深いことを舞華は知っている。ゆえに、この状況でも反撃の策を持っていると理解して）&br;（片刃と同じく…あるいは樒も片刃も助けるために…魃に向かって突っ込んで、燃え滾る太陽の如きその腕を掴み、引き止めんとす！） -- [[舞華>ZS/0010]] &new{2023-06-11 (日) 21:05:08};
---（死期を見る目がなくてもわかる）&br;（ここで一瞬の判断をミスったら先輩が死ぬ、と）&br;う……（咄嗟に体が動いた、もう手札から&ruby(ファイネストアーツ){最終能力};を切ることしかできないと）&br;うわああああああああぁぁ！！（“敵”の鏡に向けて神鳴手を放つ、最大の力で放出される白の極光は敵と見做したものを決して許しはしない） -- [[プリンセスアベリア>ZS/0001]] &new{2023-06-11 (日) 21:06:04};
---チッ…！（普段冷静さを崩さない青鬼が舌打ちを漏らす。…少女が走っていった事にではない、その少女を止められたのに、止めなかった自分にだ）&br; ─────！（再度鬼言を発動。三重単節連結鬼言。山々の木々など容易く刈り取る巨大な氷の刃が幾本も現れ、魃を断たんと迫る） -- [[義賢>ZS/0026]] &new{2023-06-11 (日) 21:07:00};
---チッ……（熱線を躱しはしたものの、振らせた雨が瞬く間に蒸発し、蒸し返るような熱気が立ち込める　樒の結界と自身の風雨があってこの殺人的な熱）&br;（もはや風雨では凌ぎきれない　もっと直接的な冷気で持って熱を殺さなければならない）&br;（コーザリティカードを起動、己の全盛期を引き出し）やれるんだな、雨月。なら私はお前の刃を届くように奴を封じるだけだ&br;熱量だけならばお前に匹敵する者とも刃を交えている。「レーヴァティンの欠片」を封じるよう求められているのは伊達ではないぞ（周囲に浮かんだ数多のキューブが一直線に並び文字を描く　氷と停滞を意味するルーンを）&br;''&ruby(イサ){&#5825;}; &ruby(ジオメトリック・プログレッション){Σ3^k（k→10）};''&br;（周囲に浮かんだ&#5825;のルーンが冷気を放ち、魃の熱気を停滞させる　樒の結界の内側に更に日照りを阻む氷の結界が出来た形になる）&br;（冬茨の魔女の任を引き継ぎ、カオスに取り込まれ災害級の危機をもたらした「レーヴァティンの欠片」を封じ込めたその氷の魔術はかの怪異の力をどれほど封じるか） -- [[刹那>ZS/0003]] &new{2023-06-11 (日) 21:08:21};
---水、いや雨を否定するか、なるほど魃と呼ばれるだけはある（カタノハと義賢の攻撃を防がれた、否、拒否されたのを見てそう判断する）&br; （かなえの銃撃とマイカの常識はずれな攻撃で鏡が割れ、魃が自分の身を守れば守るだけその力が弱くなっていくのを感じられた）&br; なるほど、力押しが速そうではあるが……そう簡単にはやらせてくれぬであろうな（熱戦の直撃を避けるも、吸っただけで喉と体内を焼かれる程の超高温の水蒸気が溢れた）&br; （それを影の蛇を伸ばし片っ端から喰らう、熱はともかく魃の日の力は影の属性であるクロには堪えるが……雨月の当主が何も用意しておらぬはずはない）&br; 「クロ！シキミンを守って、シキミンに攻撃させる隙を！」（契約によるマヒナからの念話が届いたのはまさにその時）&br; うむ、では悪いが足止めさせてもらうぞ（やはり周囲の影から現れるのは無数の手、それが魃の足と手、そして体に絡みつかんと地面を蛇の如く這った）&br; （斥力があろうと、その力場ごと捕らえて見せる、無言の決意を表すかのように、影が焼かれ消え散ろうとも、何度もでも繰り返す） -- [[マヒナ&>ZS/0020]] &new{2023-06-11 (日) 21:08:21};
---おおおおーなんかみんなすごい…！すごさが…！&br;（弾振りを続けながら、次々と現れては旱神に攻撃を加える皆の様子を見る）&br;（特に目立つのは氷を用いた攻撃。怪異が炎系ならば効果覿面か）&br;やった！？&br;（しかし敵なる怪異もまた神と崇められたもの）&br;（十人もの退魔師らによる攻撃は利いてこそいるのだろうが）&br;（どうにもタフな相手。どれほどの効果なのか見てとれない）&br;（力のぶつけ合いでは不利と感じるが、それでも樒は力を削りとれと言う）&br;大丈夫。菫は死にに来たんじゃないよ（菫は笑顔で樒に答える）&br;「既に命以外のすべてを捧げた菫は、我を使えんしのう」（天細々波剣が補足する）&br;それよりもアイツ…バツ？なんか弱点とかないのかな？&br;（そう尋ねながらも魂振りは続ける）&br;（この場を支える樒の気力と、皆の闘志を支える。そのために）&br;（問題は、菫自身の霊力だ。一般人の半分程度のそれを菫もまた振り絞るしかない）&br;（そうこう考えている間に、魃の鏡が空へと昇る）&br;わわ、なんかヤバそう！&br;（即座に頭に浮かぶのは、ソーラシステムに焼かれるソロモンだ）&br;（それを口にするより先に熱線が照射される）&br;（幸い、直撃はしなかったものの、溶けた地面からもうもうと立ち上る蒸気に肌がちりちりと焼かれる）&br;（しかも樒の方に魃が直に迫ってくるではないか！）&br;（ならば樒の盾になるべく、魃の前に立ちはだかろう。そう思った矢先）&br;（樒が切り札。守り刀を構えるのが見えた）&br;（それが如何なる刀かは分からないが、そこに秘められた霊力は感じる）&br;「ほう！神をも葬りさるほどの霊気かえ」（天細々波剣もそれを感じとり、関心を示した）&br;（樒が刀を魃に突き立てる。そのチャンスを作らねばならない）&br;（そのためには、魃を怯ませねばならない。ほんの一瞬でいいから）&br;大津邊に居る大船を――舳解き放ち艫解き放ちて――大海原に押し放つ事の如く――&br;彼方の繁木が本を燒鎌&#917761;の敏鎌&#917761;以ちて打ち掃ふ事の如く――遺&#917761;る罪は在らじと――&br;（祝詞を大祓詞に替える。大きな、大きな声で）&br;祓へ給ひ淸め給ふ事を――！！&br;（この国の天にまします神という神に浄化を願うその詞は）&br;（神々の威光を以って、外つ国の邪神を苦しめる事が叶うだろうか）&br;…っく！&br;（暑さのせいもあるだろうが、あっと言う間に霊力が突きかけ菫は眩暈を覚える）&br;（魂振りに祓い、以前なら年単位でもし続ける事が出来ると思えたのに）&br;（以前の白依菫、それに未知の力を用いて戦う皆との差を感じ、少々愕然とする）&br;（霞む目を擦り、しかし祝詞を続ける） -- [[菫>ZS/0008]] &new{2023-06-11 (日) 21:11:05};
---入ったが…！(一撃では無理か。と追撃の構えに移ろうとした所で……)&br;…ッ！？(手を取られる。そして投げ飛ばされ…！)&br;(投げられる瞬間にこちらも手首を捻り、破壊するような力を返して反撃したが……人体ならともかくこの相手に通じるとは思えない)&br;同僚以外に投げられたのは久しぶりだな…やるじゃん(目論見通り、距離を開けられてしまった。)&br;刹那の攻撃は効くようになっていくはずだが……(空を見上げれば、熱線の照射！　視覚だけが封じられても周囲は把握できるので問題はないが…)&br;閃！(つばさの元に降り注ぐ熱線を、異能で切り裂いて弾き飛ばす！)&br;&br;(つばさの安全を確保しながら水蒸気の煙の中で直感する。ここが最初の勝負の分かれ目だ。ここでミスれば全滅しかねない)&br;(樒が何か策がある事に気付き、それを支援すべく再び間合いを詰めた。恐らく、成功しても不味い事になると直感しても。確実に敵を斃す為に踏み込んだ。)&br;(腕を狙う者。全力で攻撃する者。それらの脇を駆け抜けて。魃の心臓を狙い音速超過の三連突きを放った) -- [[『黒衣』の灯華>ZS/0023]] &new{2023-06-11 (日) 21:14:53};
---よし、しきみんはちゃんとお話できる程度にはしっかりしてるね&br; まったくー先輩に頼ってもいいってちゃんと言ったのに！（言葉が交わせることに安堵してつい軽口を）&br; ……（まるで効果はないように見えていたが灯華による一閃でやや通るようになったように見える）&br; （刹那のディザスター・リポートの効果により少し熱が抑えられたように感じる）&br; ん？　鏡……？（目を細めて上昇する鏡を見た）&br; （それらが眩しすぎるほどに光を放ったところで目を瞑った）&br; （白狼が動いて慣性を感じたところでぐいと舞華に引かれ灯華が熱線を裂いたことで直撃を避けることはできた）&br; （あとはもう濛々とした水蒸気で何も見えなくり、本人が何が起きたのかを理解したのは大分後だった）&br; （水蒸気を散らす様にあおぎ、目を細めて樒の方を見れば魃が近づいており…）&br; しきみん！！（その顔には諦めはない、きっとあの刀に何らかの策があると見て取れる）&br; （無謀なことをするタイプではないのも分かっている…であれば、魃を削ぎ樒の策を成就させるのが最適である）&br; （できるだけ気を逸らしその隙に樒が刺せばいい　樒に害が及ぶという考えはなく純粋にそう考えた）&br; （自分ができる最速の攻撃を、レールガンを構えて魃へと撃ちこむ）&br; （十分にチャージする時間はない、それでも12.6km/sの速度で弾は魃へと迫る！） -- [[つばさ>ZS/0022]] &new{2023-06-11 (日) 21:19:47};
---&color(#a22041){かなえのムービーカードは、鏡の一枚を砕かないまでも弾き、 &br;その熱線のベクトルを狂わせた。それは明後日の方向を焼いてしまう。 &br; &br;鉄を瞬時に溶かすレベルでは無いが、長く触れ続ければ不味いだろうと、片刃は思うだろう。 &br;その身を大人しくさせようと力を籠めるが、その抵抗は思った以上に大きい。 &br; &br;神の力には魔神の力で抗う。 &br;エドワードの放った熱線は、確かに魃の放った熱線のひとつを相殺した。 &br; &br;キミの身を挺した妨害はしかし、上からの奇襲によって阻まれる。 &br;相竜を振り払った肥遺による、急降下の爪の一撃に、身体ごと弾かれてしまう。 &br;義賢の氷の刃は、魃の持つ熱量で減衰され、その身の斥力場に負荷をかけるだけに留まった。 &br; &br;舞華の行動は確かに、非戦闘員達を護った。 &br;この場では、結果の如何に関わらずいずれにしろ必要で、彼女としては最も適切な行動であったろう。 &br; &br;プリンセスアベリアの神鳴手は、過たず命中し、魃の力の象徴たる鏡を一つ破砕した。残りは５つ。 &br;徐々に日照の力が弱まっているのを感じるだろう。狙うべきは鏡である。 &br; &br;刹那の放ったルーンによる氷の結界は、雨月樒を確かに保護した。 &br;このおかげで、彼は相討ちになることは無いだろう。一方的に攻撃が通るはずだ。 &br; &br;クロの纏わりつく影の手は、諦めず繰り返されるうち、魃の動きを止めることに成功した。 &br; &br;菫の八百万の神への祝詞は、神話体系の差異からか通りは悪いようだが、 &br;魃のもつ力のうち、その身に秘める熱を押し込めるように働いた。 &br; &br;心臓を狙う灯華の三連閃は、魃を貫くことは無かったものの。 &br;つばさの放ったレールガンの弾丸と、奇しくも同じ一点を攻め立てる形となった。 &br;すなわち、魃のその身を覆う斥力場、その心臓周辺に穴を開けた。 &br; &br;その間隙を見抜くのは、死期見の魔眼だ。そこに吸い込まれるように、焦点を合わせて。};

---&color(#274a78){雨月樒の一撃が、見事に魃の胸に吸い込まれた。 &br;突き刺さった青白い短刀から、純然たる浄化の力が魃の内部で炸裂し、 &br;魃の周囲を巡るすべての鏡が、身震いするように蠢いてから動きを止めて、地に落ちて砕けた。 &br; &br;自身を攻撃する行動や、自由を拘束するような行動には特別抗っていた魃は、 &br;この行動にだけは、抵抗しなかったように見えた。 &br; &br;魃の顔から、その神気によって事前の判別は叶わなかったが、 &br;厳密には、&ruby(・・・・・・・・・・・・){魃の依代になっていた人物の顔から};、鏡の仮面が落ちて砕ける。 &br;それは穏やかな顔をした、妙齢の女性だった。 &br;口の端から血を流しながら、雨月樒の頬を覚束ない様子で撫でて、 &br;『&size(9){おおきく、なったわね};』 &br;と、震える声音で溢し、それから、樒にもたれかかるようにして息を引き取った。 &br;樒はその女性が誰だか分からなかった。顔にも、声にも、その手の温もりにすら覚えがなかったからだ。かけられた言葉の意味すら理解できなかった。こんな知り合いはいない。&#8212;&#8212;それだけだった。 &br; &br;ほんの僅か、雨月の家に足を運んだことのある者のうち、両親を祀る祭壇に手を合わせ、 &br;そこに飾られた写真に覚えがあった者だけが事態を飲み込み、 &br;取り返しのつかないことが起きたのだと、悟ることができたかもしれない。 &br; &br;事態は一旦、これで終わった。 &br;肥遺は何処かへ消え失せ、魃は雨月樒とその仲間によって滅ぼされた。 &br;駆け付けた国家退魔師達の再編部隊によって、現場は収集されることになる。}; -- [[樒>ZS/0009]] &new{2023-06-11 (日) 21:27:57};
---&color(#7a4171){&br;それから数日後。樒の元に事件の仔細を伝える報告が届いてしまう。 &br;雨月神奈は、肥遺により、魃の依代として拉致されていた。 &br;その後3年の間、魃に憑依されながらもそれを意志の力で封じていたのを、息子を近くに感じたことで、現世に歩み出てきてしまったのだ。 &br;それを討伐したのは、他ならぬその息子、雨月樒自身だった。 &br; &br;心臓を突いたときの、あの生々しい、鼓動する肉を貫きそれが弱まってゆく感覚だけが、母親との思い出になってしまったのだと悟った時。 &br; &br;''雨月樒は躊躇いなく自死を選んだ。'' &br; &br;その死骸の有様、それがいかに惨く醜く孤独かまでを、君たちは死期見する。};



---&color(#7a4171){&br; &br; &br; &br; &br; &br;……これが死期見。雨月樒が日常的に目にしている人の死だ。 &br; &br; &br; &br;};


-''一．''
--&color(#a22041){雨月樒は山道に一人、崩れるように座り込んでいた。 &br;周囲には誰の遺体も無い。彼が殿を務めたことで、国家退魔師達は撤退に成功したのだろう。 &br;その姿は傷だらけの血みどろで、蹲っているようにすら見えたが、 &br;両の手は結印を崩さず、両の瞳は魃を睨んで爛々としていた。 &br;樒への呪詛を肩代わりする&ruby(ピアス){装飾品};は全て弾け飛び、周囲には式神『荊棘』の残骸がまばらに、幾つも崩れ落ちている。 &br;翼持つ蛇の姿を持つ旱神、肥遺は時折竜形の、君たちは初めて見るであろう式神と組みあっては、隙を見て樒を傷つける。 &br; &br;そう、空には一匹の竜がいた。 &br;それは雨月樒の奥の奥の手、竜形の式神で、名を相竜と言い、呼び出せば天候を制圧し、凄絶な嵐を巻き起こす。 &br;その力を補助として、樒はオルタードゥームとの戦いで見せたものに似た、旱除けの結界を張っていた。 &br;だが、結界を張って尚、この場は真夏ほどの日照であった。&br; &br;それほどに強力な、旱を齎す存在がこの場には居るのだ。 &br;樒の前に揺らめく影がそれだった。 &br; &br;それは、女性の姿をしていた。 &br;古代の中国のものと思しき、高貴な絹の衣を纏い、容貌は伺い知れない。 &br;煌めく鏡の仮面が、それを眩しくも覆い隠している。 &br;いでたちは天女のようだが、羽衣の代わりに、八つの円形の鏡を宙に舞わせている。 &br;それぞれの鏡は、莫大な熱量を発して輝く。 &br;ひでりの時の太陽のように。};
---&color(#a22041){&br; &br;すなわち、これは&ruby(ばつ){魃};だ。&br; &br;最も強力な旱神。旱魃の魃といえば彼女を指すほどに、彼女は熱と渇きそのものだった。 &br;かつては、黄帝の娘であり善神、身体に宿る大きな熱を以て、風水害を収め民衆を救ったとの逸話が残る。 &br;後に、黄帝が蚩尤と戦った際、蚩尤の配下である、風雨を司る雨師と風伯をその身の熱で焼き殺したという。 &br;その時に力を使い過ぎたせいで、天女であった魃は天界に還ることが出来なくなり、やむなく黄帝は彼女を北に幽閉した。 &br;しかし魃は時折中原へやってきて旱魃を起こすので、人々は「神よ、北へ帰りたまえ」と言って魃を帰すのだという。 &br; &br;これは後に分かることだが、その魃を、どうやら中国から持ち込んだ者がいるらしい。 &br;二次大戦期に、旧日本軍の支配域で。 &br;偶然に封印されていた彼女を発見した軍属の呪術師が、兵器として確保したのだという。 &br;だが、あまりの力の強さから、彼女は実際に気象兵器として役立てられることは無かった。 &br;秘密裏に、そして強力に封印されてはいたが、戦後の混乱によって忘れ去られた彼女が、何故今になって姿を現したのかはわからない。&br;とにかく彼女が野放しになれば、起こるのは大旱魃では留まるまい。 &br;すなわち、京都の大火は避けられない。 &br;樒がその眼で予見したように、それは夥しい死を招く。 &br; &br;旱除けの結界が魃の周囲に満ちている旱魃の力と相剋し、そのせいで魃はすぐには樒に近づけずにいた。 &br;じりじりとした相反する力の押し合いが続いているが、それもあとほんの僅かで、樒の元に手が届く。 &br; &br;そんな時だった。君たちが二頭の忠実な式神、白狼と黒狼に導かれて樒の元へ駆けつけたのは。 &br;彼が任務を帯びてここにいて、退却のために殿を務めた、その事情は把握していてよい。 &br;白狼と黒狼に、状況を吐かせるために頭を咥えて連れてこられた、哀れな退魔師が一人いたからだ。 &br; &br;とにかくも、近づけば焼け死ぬほどの魃の熱は、樒の結界によって機能していない。&br;また、敵は未だこちらに意識を向けておらず、魃と肥遺に奇襲が決められる好機である。迷っている時間は無い！};


---''色即是空''&br; 「&COLOR(#C7A252){木蘭};（もくらん）」&br;&br;  （日照りあがった山道に　黒い黒い刀身の雨が降る）&br; （ざくりざくりと　ともすれば味方である相竜や樒にも掠らんばかりに　大量に）&br;&br;  あかんやんかぁ　樒ーん&br; 式神（ペット）に　心配かけたら&br; 飼い主　失格　やーん？&br; （まずは救護が必要かなぁ　と思うが回復技もないのでその辺は仲間に任せるコトとする） -- [[片刃>ZS/0013]]@[[コーザリティ>http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp037413.png]] &new{2023-06-11 (日) 19:42:05};
---ったくよー……%%ましろとかのり%%白狼と黒狼がいきなり現れて袖すっごい引っ張ってくるから何かと思ったら……なーにがどうなってんだこりゃ？&br;おいしきみん！俺はおめーと違って怪異だの旧い神だのに関する知識ねーんだ説明しやがれこちとらいと高き父なる主の子なんだぞ！？（と、いちおう現状への文句は言ってから）&br;まーなんでもいいやおめーがピンチなことだけはわかるからな！おいよくわからんきらきらでピカピカの女！そのツートンカラーは俺達の大事な部長さんだ、勝手に独り占めすることは許さねーぞ！&br;くらえ燃素力ビぃぃぃぃんム！！（最初から全開の、並の人間なら照射点から焼け熔けるほどの高温の熱線を放つ！だって絶対やべーやつだから！） -- [[8世>ZS/0018]] &new{2023-06-11 (日) 19:53:35};
---シキミン！（血みどろの彼を見て、そして空の竜とそれが戦っている敵を見る、が見たところであれが何かなど分かるはずもない）&br; クロ、お願いします！（だから一番頼りにして一番信頼している式神に任せる、状況を聞き、ここに来るまでの間に既に呼び出していた）&br; 「任された、マヒナは結界より前に出るでないぞ、あれは一筋縄ではいかぬ！」&br; （クロが手を振る、周囲の影と言う影から黒き槍がその切っ先を覗かせ、相竜が離れた瞬間に四方八方より魃に向かい放たれた）&br; （カタノハの木蘭と相成って、まさに黒き刃の雨あられであろう） -- [[マヒナ＆クロ>ZS/0020]] &new{2023-06-11 (日) 19:57:27};
---（魔法少女の姿で駆けつけると同時に息を呑む）&br;なんだ……あれ…………（見ただけで全身が水を欲するような、原初の危険を感じさせる）&br;（あれは神だ、祟る神……日照り神！！）&br;アレなんとかしないといけないのキツいな……（勝てる気がしない、でも）&br;負けてらんねーよな……しきみんセンパイのために！！（両手から不意打ちの光弾連射、ホワイトルシファーで“敵”を狙う） -- [[プリンセスアベリア>ZS/0001]] &new{2023-06-11 (日) 20:11:22};
---（式神に導かれ、バイクを走らせる）しーきーみーーーーん！！&br;･･･何か熱くね！？（そして魃と結界を見て取れば）･･･あれだな！（勢いそのままに魃へと飛び掛かり･･･ムービーカード「マフィアスタイル」を起動）&br;（サブマシンガンの掃射を見るからに妖しい鏡目掛けてぶっ放す）&br;生きてっかーしきみん！あと何か熱くねぇ！？ -- [[かなえ>ZS/0004]] &new{2023-06-11 (日) 20:15:06};
---（立浪神社に居るのは引退を余儀なくされた神主と）&br;（抜け殻になった神への供え物）&br;（それにも関わらず、二体の式神が菫のもとを訪れたのは――）&br;わかった。すぐ行くよ！&br; （詳しい事情を聞くよりも早く、菫は駆け出していた）&br;（社務所の居間に飛び込むと、今日もテレビにかじりついている剣…）&br;（祭神たる清らかなる波の神、多津那美比売命が変じた天細々波剣を右手で引っ掴み）&br;（それを懐に収めるや否や、白い狼の姿をした式神の背に飛び乗った）&br;（宮内庁に車を頼むより、この方が早いだろう） &br;「なんじゃなんじゃ！？何事じゃ！？何ぞおかしなものが訪れているようじゃけど」&br;（驚き慌てふためく天細々波剣に構わず、菫は式神らに頼む）&br;さあ連れていって！今度は菫の番、そうだよね。&br; （――恩を返す。その機会をくれるためだと）&br;（ならば行くも行かないもない）&br;（たとえ、戦う力が無くとも）&br;&br;（そして辿り着いた市外の山中）&br;（まるで真夏の様に、熱された空気がゆらゆらとゆらめいている）&br;（道中、ざっくりした事情は式神に聞いた）&br;「ほほう、ひでり神か。豊葦原の国を干上がらせようとする怪異が、また現れたというわけじゃ」&br;「しかも大陸生まれの大物の様じゃのう」&br; （ならばもう１人の菫を、３号を動員するべきではないかと多津那美比売は考えるが）&br;（恐らく現場に集う者らは３号を犠牲にする事を望むまい、と早々にその案は忘れる事とした）&br;しきみんせんぱい、だいじょうぶ！？いきてる！？&br;（まずは結界の中に飛び込む。外に居ればこんがり焼けてしまいそうだ）&br;（菫は樒の元に駆けよると、まずは安否を確認）&br;（疲れてはいるが、大きな負傷はない様だ。ならば）&br;（菫は息を整え、天細々波剣を抜くとそれを片手に、剣先をゆっくりと振りだす）&br;ひふみよいむなや――こともちろらね――しきるゆゐつわぬ――&br;そをたはくめか――うおえにさりへて――のますあせゑほれけ――&br;（魂振りをはじめる。祝詞を耳にする者達の）&br;（意気を、気力を、闘志を揺さぶり高める一種のバフ魔術。神聖魔術に分類されるものだ）&br;布留部、布留部、由良由良由良由由止、布留部――… -- [[菫>ZS/0008]] &new{2023-06-11 (日) 20:16:38};
---（白狼と黒狼が現れた時、正直、身を一瞬引いてしまった。けれども、二匹の連れた退魔師から状況を聞き、その身体を抑え込んで彼らへと付き従った）&br; （今は、胸の痛みなど知らない。今は、そんなことは、気にしない。助けなければいけないから、あの人を。どうしたって、助けなければ）&br; ……あれがっ！（真夏のように熱が支配する現場。樒の結界があってなおこの状況。自体は既に危険な状態だ）&br; （直前で既に招来していた義賢と視線を合わせる。たちまちに青鬼は小太刀のような金棒を振るい、鬼言を重い声で詠唱）&br; （中空へ現れ放たれるのは十数本に及ぶ大きな氷の槍。合わせ撒き散らされるは凍てつく風。少しでも旱魃の力を削ぐ目論見） -- [[キミ>ZS/0026]] &new{2023-06-11 (日) 20:17:27};
---（強烈な陽光から生物を守るものの一つが、片刃とクロの放った黒の刃…影だ。そしてもう一つは――）&br;　　　十日菊流退魔術奥義ぃ！　射法ッ！！''&#32703;射九日ッッ！！！''&br;（土煙を上げながら現場に駆け付けた舞華は、即座に目にも止まらぬ速さで腕を振るい、まさに文字どおり矢継ぎ早に放たれる…九本の氷の槍！）&br;（しかもこれはただの氷ではない。舞華がその超握力によって水を圧縮し作り出した、氷Xと呼ばれる高温下でも溶けない結晶構造の氷だ！）&br;（陽を祓う水の力そのものである九本の槍は、まるで&#32703;が9つの太陽を射落とした神話の如く、魃とその周囲の8つの鏡を狙い撃つ！） -- [[舞華>ZS/0010]] &new{2023-06-11 (日) 20:22:21};
---白狼と黒狼に連れられてきてみればこれはひどい……見るだけで暑すぎるし…むしろ熱い！&br; （散々お世話になった白狼と黒狼ががうわうと危機を訴えればもちろん行きますとも）&br; （いつものように白狼に乗り、荒事の予感しかないので会話途中だった灯華にも来てもらった）&br; ………きっといつもみたいに結界を張ってくれてるんだよね、しきみん&br; とりあえずは奇襲あるのみ！&br; （デュアル・ハーロゥを宙に投げる　くるくる回る二つのリングに音声コマンドを入力）&br; デュプリケイト…クアドロプルで氷晶、いっけー！&br; （開発を進めていたデュアル・ハーロゥの新機能により4つのリングとなりそれぞれから氷晶を振りまいた） -- [[つばさ>ZS/0022]] &new{2023-06-11 (日) 20:30:49};
---(異常な気温と暑さに顔を顰める。国家公認退魔士複数で仕留められなかったのも頷ける話だ。)&br;奇襲する奴としきみん拾って病院に直行する奴の二手に分かれるべきか…？　それにしても女神タイプの魃？　中国から誰が持ち込みやがった。&br;しかしまずいな…あの式神がなくなったらこの辺燃え上がるぞ避難が間に合う前に…&br;(念のために持ってきた解放機とカード群を確かめつつ。白い太刀を収めた鞘を腰に佩き。)&br;(黒い板を握り割れば黒いロングコートとボディスーツが身を包む。暑くなったようにしか見えないが、逆に異常な熱を遮断している。)&br;&br;(疾走、地を這うような低空姿勢で仲間の攻撃を盾に走る。菫が樒の治療に辿り着いたのを見ればその脇を駆け抜けて庇うように魃と樒の間の空間に割って入り。)&br;''&ruby(Vulnerant omnes　ultima necat){時間はすべて傷つける。最後のものは殺す};''&br;(概念殺しの異能が歯向かうは、本体でも熱でもなく「風雨を否定する概念」　白太刀の電磁抜刀と共に、概念そのものに攻撃を放つ！) -- [[『黒衣』の灯華>ZS/0023]] &new{2023-06-11 (日) 20:32:46};
---（冬真っ盛りに夏の日照りを想起させる程の熱気が立ち込めた山道に駆け込んで見れば、樒は結界を残して倒れていて）&br;雨月！？クソ、あれだけの手練がいてこのザマかよ……（狼に連れられ来た女は状況が最悪であることを把握した　通りがかりに退却していった退魔師達はどれも顔見知りの一流だった）&br;（普段水を担当する樒が倒れている間は自分が代役を務めねばと、「ディザスター・リポート」を起動）&br;（龍が巻き上げる嵐に続き、気象予測モデルの残した天候操作が更なる風を巻き、雲を作り、雨を降らす）&br;……この熱量相手に何処までやれるかは疑問だけどな（魃の発する熱気の輝きを怪異の嵐は何処まで遮れるか　コーザリティは奥の手にしたい　魃がどんな手を伏せているかわかったものではない） -- [[刹那>ZS/0003]] &new{2023-06-11 (日) 20:43:22};
---&color(#274a78){みんな、どうして……（一番槍の片刃の言葉で、白狼と黒狼が助けを呼んだのだと知れた） &br;白狼、黒狼。……ごめんな。ありがとう。 &br;（声を出すのも苦しそうだが、辛うじて意識は保たれている） &br;これは……これは魃（ばつ）だ。旱魃の魃。中国のひでりの神。 &br;どうしてここに居るのか分からないが、街の方に向かおうとしているみたいだ。そう死期見した。 &br;俺が結界を解けばみんな焼け死ぬ。俺はこのまま結界を維持するから、皆は攻撃を頼む。 &br;伝説によれば、魃の力は有限だ。攻撃を続ければいずれ息切れするはず。そこを叩きたい。 &br; &br;……ついでに一匹、空に翼を持つ蛇、『肥遺』がいるが、あれは気にしなくていい。式神が……相竜が対応してくれている。 &br;旱の凶兆となるのと、多少の炎の力はあるが、相竜が止めてくれる。 &br; &br;まだ生きてるよ、かなえ。正直死に掛けだけどね。 &br;（結界は、死期見の眼が齎す霊力と、あとは精神力で維持している状態だ） &br; &br;菫！？　危ないから離れて……とも言えないか。俺より前に出ないように。いいね。 &br;（神聖魔術が通れば、樒を賦活することに成功するだろう）}; -- [[樒>ZS/0009]] &new{2023-06-11 (日) 20:39:25};
---&color(#a22041){魃が襲撃に気付いた。一番槍は片刃の黒い剣雨。……それは雨であった。 &br;魃が無造作に手を払えば、黒い剣雨は悉く砕け散る。 &br;それが雨である以上、魃はそれを概念によって否定することが出来る。 &br;　 &br;エドワードが放ったビームの前に、鏡が一枚展開される。 &br;魃は鏡によってその熱線を弾いた。鉄を溶かすほどの熱量があっても、魃には相性が悪そうだ。 &br;だが、防ぐということは、当たれば効くということでもある。 &br;ここまで攻撃は届いていないが、対応力は少しずつ削れており、いずれ命中する攻撃もあるだろう。 &br; &br;クロの放った黒い影槍は、影から放たれたものであるが故、雨を否定する概念では防げない。 &br;雨は天に向かって降るものではないからだ。 &br;魃にいくつも突き刺さるが、その表面には斥力場のようなものがある。当たる寸前で止まってしまっている…… &br;だが、バリアはいずれ砕けるものだ。樒の言う通り、魃の力が有限であるのならなおのこと。 &br; &br;プリンセスアベリアの不意打ちの光弾は、棒立ちの魃にいくつもが着弾した。 &br;鏡が壁となって防いでいるが、浄化の力によるダメージは通ったらしい、いくつかの鏡が傷つき、その輝きを曇らせている。 &br; &br;鏡自体を狙ったかなえの攻撃は有効だった。マフィアスタイルのサブマシンガンの連射、その文明の暴力は。 &br;プリンセスアベリアの攻撃と合わせて、鏡のひとつを砕くことに成功した。魃の周囲を舞う鏡はあと７つ。 &br; &br;義賢による氷の嵐は、風雨を否定する魃の概念干渉によって無力化された。 &br;だが、力を使わせることには確かに成功している。 &br;樒への負担は減った。続ける価値はあるかもしれない。 &br; &br;舞華の放った九本の槍、現代科学の結晶、高温下でも溶けない氷は。 &br;鏡から放たれた迎撃の熱線を貫通し、果たして魃の元へと到達する。 &br;幾つもが魃にぶち当たり砕け、鏡がひとつ破壊された。残りは６つ。 &br; &br;つばさの氷晶は、魃がその身に持つ熱量によって蒸発してゆくが。 &br;青鬼が放ったそれと同じように、魃の力を削いでゆく。 &br; &br;灯華の放った概念斬りの一閃は、確かに目標の概念を傷つけた。 &br;完全に破壊することは出来なかったが、味方の風雨による攻撃は、今後100％ではないが通るようになるだろう。 &br;意想外だったのは、魃による体術。斬り終えた後、刀を握る拳を取り、灯華を柔らしき技で放り投げてしまった。 &br;樒への道がまた開く。 &br;&br;刹那のディザスター・リポートが嵐の概念が通ることを証明した。&br;それは力を削がれたが、真夏の日照は幾許か弱いものへと変じた。 &br; &br;そして。邪魔をするな。そういう意思を示すかのように。 &br;六つの鏡が、天へと昇る。}; --  &new{2023-06-11 (日) 20:41:56};

-''序．''
--&color(#a22041){死だ。 &br;夥しいほどの死が見える。 &br;人々は焼けて、渇いて、乾き切った炭か、焦げ上がった薪のようになって死んでいる。 &br;空に輝くのは異常に大きな、そして無慈悲な太陽だ。 &br;旱（ひでり）の中を、一首・二身・四翼・六足の蛇が飛ぶ。 &br; &br;かつて中国は殷王朝にて最悪の旱を齎した凶兆とまるで同じもの、肥遺と呼ばれる干魃の神が、旱の中を舞っている。 &br;京の街は悉くが燃えている。そこら中の建物が焼け、水気は失せ去り、 &br;逃げ遅れた人々は一杯の水すら得ることが出来ず、焼けるか渇くかして絶命する。 &br; &br;これが今回の死期見。 &br;これほどの大規模な死期見は初めてのことだった。 &br; &br;そして、雨月樒に国家退魔師としての任務が下る。 &br;今回の任務は肥遺の目撃例の確認と、可能であればこれの討伐。対策チームの一員として、雨乞いの術を以て旱に抗せよ、とのことであった。 &br;国の仕事である以上、部外者である互助部の手は借りられない。 &br; &br;例え&#8212;&#8212;&#8212;雨月樒が、この一件で死ぬことになるとしても。 &br;その日の朝、ふと覗いた鏡に、自分の死に様を垣間見たとしても、 &br;不思議と、助けを求める気にはならなかった。 &br;自分の運命が、ようやく定まった。 &br;そんな気がしたからだ。 &br;つまり、現れた旱神が街に到達するのを遅らせるため一人時間を稼ぎ、孤独に焼け死ぬことになるとしても。 &br;その結果、友人達を含む多くの市民は避難を済ませ、退魔師たちは旱神討伐の用意を済ませるであろう。 &br; &br;それは自分には勿体ないくらいに、価値のある死に方だと思えた。死期見の眼が導く、災厄からの守護のかたち。 &br; &br;だから、肩の荷は軽く、表情は清々しい。 &br;やっと終われるのだと思った。 &br;母親に無償の愛を与えられ、生きてほしいと言われた記憶の欠落は、果たして樒にとって致命的な空乏だった。 &br;『自分を大切に思えない』。狂ってしまった歯車は、日々樒の肉体と精神を擦り減らす。 &br; &br;元々母がいなかったのとは違う。 &br;前提として存在していた柱を丸ごと抜けば、その建物はあとは崩壊を待つだけだ。 &br;数々の大事件をこの一年で経てきた樒の心はもう限界で、そこに重なった母の記憶の喪失は。 &br;それは彼を、死期見の過酷な運命に耐えさせない。 &br; &br;雨月樒は任務のことを誰にも告げずに、京都市郊外の山中へと出発した。};
『旱天に慈雨の降る』 の変更点

『旱天に慈雨の降る』の変更点
