[[ZS/0002]]

-''この国が戦国で、この世が乱世であった頃のおはなし'' --  &new{2023-06-08 (木) 19:16:54};
--(臥待山での怪異討伐が始まるよりも少し前の話。京都に&ruby(えんじゅ しきざえもん){槐識左衛門};という異端の刀鍛冶が居た。)&br;(世はまさに戦国。だというのに戦の為の刀は全く打たない。人里離れた地に工房を構え、変わった刀ばかりを作る変人であった)&br;(それがある日、臥待月の里を訪ねてきて 残月を名指しし、是非とも使って貰いたい刀がある…と持ち込んだのが哀月鉄刀。)&br;(それからというもの、時々里に足を運んでは誇大妄想じみた話をしていくようになった)&br;……でな?俺の打った哀月鉄刀…そいつをお前さんがもう必要ねぇと思った時…その時こそが、俺の求めていた最強の刀「月刀」の完成の時っつー事だ。 -- [[識左衛門>ZS/0002]] &new{2023-06-08 (木) 19:25:40};
---&color(darkred){話が見えん。 何故この刀を放棄することで、貴様の打っている刀が完成する?(怪訝そうな視線を向ける)&br;ならば今ここでコイツを捨てれば済む話、ということでいいか。(鞘ごと、帯から外して見せる。だが不思議と手に馴染む刀だった。月魄には及ばぬが、捨てるのが惜しい程に)&br;貴様の腕は認める、人の身にありながらこれ程の刀を打てる鍛冶はこの戦国の世を見渡したとて、5人とおるまい。}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-06-08 (木) 19:29:40};
---(残月が「だが…」と続けようとしたところを、遮る)そういう意味じゃねぇ。今は手に馴染むだろ?だがいずれそいつじゃ物足りねぇと思える時期がやってくる。(確信を持ったように、言い切る)&br;俺の一族ってのぁ刀鍛冶じゃなく、占い師の家系だって話はしたっけか? いずれ来るでっけぇ災厄を防ぐために…俺が刀を打つって未来は、決定されてたんだ。&br;んで、その為にはただの刀じゃあ足りねぇ訳よ。自身を一振りの刀のように在る事ができる…生きた刀が必要だ、それも最強のな。&br;(それがお前さんだ、と無精髭の顎で示し)哀月鉄刀も今の世界じゃ飛び抜けた刀だ。何せ未来から拝借した技術を盛り込んで打った刀だからな…が、いつかそいつも時代遅れになる。 -- [[識左衛門>ZS/0002]] &new{2023-06-08 (木) 19:39:32};
---&color(darkred){いつもながら思うが、貴様の話は夢と現の区別がついておらんようだ。今日はそれがいつにも増して顕著だな…&br;俺が人の世の災厄を防ぐ義理も無い。(一振りの刀のように在りたい、と思っている事だけは表面に出さずに)&br;自分の打った刀を捨てさせるために、俺に渡したというのか…それだけでも理解に苦しむぞ?&br;挙句、妖狐を最強の刀にしたい? 寝言は寝て言え、としか答えられん……}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-06-08 (木) 19:44:18};
---今はそう思うだろうよ、今はな。(得意げに笑い)まぁ最強っつっても…「陽刀」と「月刀」、どっちが強ぇかはまだ俺にも測りかねてるとこだ。&br;ほれ、隣の山に狸どもが住んでんだろ?あっちの有望そうなのにも渡してあんだよ、俺の打った「&ruby(じんせきみとう){塵赤魅刀};」をな。そっちが陽刀だ。&br;現状での見立ては、陽刀が完成形なら…月刀は、完了形といったところか。 ま、どっちにしても俺が生きてる間にゃ完成は拝めねぇ…ってのが残念なところだな。&br;完成の為の鍵は…異界の同胞と出会う事、だ。流石の俺も、今の技術で世界の壁までは越えらんねぇのよ -- [[識左衛門>ZS/0002]] &new{2023-06-08 (木) 19:52:21};
---&color(darkred){咎のたわけ共にまで手を貸していたのか、貴様の酔狂も度し難い域にある…(あちらの最強の剣客といえば、一人しか思い当たらぬ)&br;貴様の夢物語は兎も角、異界など行くつもりもないぞ。 刀はこのまま使っていくつもりだが…コイツが物足りんと思う時か……}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-06-08 (木) 19:57:37};
---お前さんがそうしたいかどうかって話じゃねぇのよ、未来はそうなる運命だって話だ。&br;暗い部屋に広げられたバカでかい白い布の上に描かれた、動く絵の中で…お前さんは異界の同胞と出会う。そん時に思い出せ、俺の今言ってた事を。&br;そいつと力を合わせて、敵を討つことだ。 ま、覚えてなりゃそれまでの話だがな…? -- [[識左衛門>ZS/0002]] &new{2023-06-08 (木) 20:00:42};
---お前さんがそうしたいかどうかって話じゃねぇのよ、未来はそうなる運命だって話だ。&br;暗い部屋に広げられたバカでかい白い布の上に描かれた、動く絵の中で…お前さんは異界の同胞と出会う。そん時に思い出せ、俺の今言ってた事を。&br;そいつと力を合わせて、敵を討つことだ。 ま、覚えてなけりゃそれまでの話だがな…? -- [[識左衛門>ZS/0002]] &new{2023-06-08 (木) 20:00:42};
---&color(darkred){俺の未来を勝手に決めるな。貴様が人の世に馴染めん理由が改めて納得いった…&br;(この時点で気づくべきだったのだ。ただの人間が、魑魅魍魎の跋扈する臥待山をたった一人、平然と歩いてきている事実に)&br;(そして、5百年の後、定められた運命どおりの道筋を歩んでいく。本人の意志とは無関係に)}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-06-08 (木) 20:04:53};
-''2024年1月 京都駅付近のホテル'' --  &new{2023-06-05 (月) 19:47:38};
--&color(#c82c55){(滞在先のホテルの一室。仕事が済めばいつでも引き払えるように、私物は最小限に抑えてある)&br;(そんな部屋のドアが、外からノックされた)…どうぞ。鍵は開いてますわ?(実際にはオートロック、開いてなどいないがその言葉が重要なのだ)&br;(来訪者の入室を許可する、というその言葉が。 と同時、その一室だけが外界と遮断される。 物理的にも、魔力的にも。)}; -- [[リーセ>ZS/8000]] &new{2023-06-05 (月) 19:53:07};
---&color(purple){はぁーい、お邪魔しますよーぉ…(入室してくるのは、右目に眼帯をつけた白狸。服装の雰囲気もどことなくリーセに似ており)&br;お久しぶりですねーぇ、クウリ様ぁ。お元気でいらっしゃいますかーぁ?(ドアを開けたその向こうの景色は廊下ではなく…異様な空間が広がっていた)&br;ボクをお呼びになったって事はぁ、そのぉー…厄介ごとの気配がするんですよねーぇ ジアリウスからの「扉繋ぎ」はかなぁーり疲れるんですからーぁ…はふぅ。}; -- [[マルレーネ>ARA/0099]] &new{2023-06-05 (月) 19:58:55};
---&color(#c82c55){えぇ、お久しぶりですの…そちらもお変わりないかしら?シグレちゃん…(互いに、現在名乗っているものとは別の名で呼び合う)&br;厄介ごとかどうかは、そうですわね…少し見回してみたら分かるんじゃないかしら? けど、相変わらず時間通り…見事なものですわね。}; -- [[リーセ>ZS/8000]] &new{2023-06-05 (月) 20:02:57};
---&color(purple){あらぁー……あらあらあら、これはこぉーれは……(実際に見回す訳ではない。京都に範囲を絞り、魔力的な探りを入れたのだ)&br;こんなに同時多発的にぃ、面倒そうな案件が出てくるものですかーぁ? しかも腐竜モルテ・ドート級の龍が絡んでるのまでぇ…あはぁ、凄いですねーぇこれは。&br;(笑う、といっても呆れ混じりのそれ)この、キョートという地は魔境かなんかなのですかねーぇ…それでぇ、クウリ様がその一つ、あるいは幾つかーに関わっていらっしゃる、とぉ…?}; -- [[マルレーネ>ARA/0099]] &new{2023-06-05 (月) 20:10:25};
---&color(#c82c55){話が早くて助かりますわ、念のために京都まで対話水晶持ってきておいて正解でしたの。(流石に異世界間での通話が可能な代物は、これ一つきりのワンオフ品だ)&br;なんかこう、今シグレちゃんが見た…視た?観た?いえ、どれでもいいですわ とにかくその相手をばばーん、と手軽に倒せちゃいそうな手段を分けて下さいな?(ジュース買ってきて、的なノリだ)}; -- [[リーセ>ZS/8000]] &new{2023-06-05 (月) 20:20:22};
---&color(purple){一応とはいえぇ、袂を分かった世界への介入はー…気が引けるんですけどもーぉ、それでしたらぁ…(デスクに紺色の魔石を置いた)&br;ザリアライト…別名、夜明けの石。重力魔法でぇ…限界まで凝縮したマナを注入した後、起爆させることでーぇ、何から何まで消し飛ばせますよーぉ?&br;(壁面に映し出されるイメージ映像。スケールがどう見ても戦略核級の爆発だ)}; -- [[マルレーネ>ARA/0099]] &new{2023-06-05 (月) 20:31:17};
---&color(#c82c55){………。(宇宙猫みたいな背景になった)&br;却下!却下ですわー! 誰が京都ごと消し飛ばしたいなんて言いましたの!?クレーターしか残りませんわよこんなの!?&br;なんならわたくしごと消えますわよねこれ、仲間もいるんですからもうちょっと、こう……規模を加減してくださいな!?}; -- [[リーセ>ZS/8000]] &new{2023-06-05 (月) 20:35:19};
---&color(purple){仕方ありませんねーぇ…ではぁ、こちらはどうでしょうかーぁ…(映像が切り替わる)戦略級クリスタルドラゴンゴーレム…アバローナちゃん2号ですよーぉ&br;(滅茶苦茶でかい紫水晶製のドラゴンを模したゴーレム もはや怪獣大決戦なレベルだ)&br;目には目を、歯にはハニワをー…ドラゴンにはドラゴンを、ですよーぉ? 自律行動してくれますのでぇ、クウリ様は乗ってー…命令するだけで敵を灰にできますねーぇ}; -- [[マルレーネ>ARA/0099]] &new{2023-06-05 (月) 20:40:50};
---&color(#c82c55){……(宇宙猫再び)あの、シグレちゃん? どうしてこう、シャレにならなそうな殺意に満ちたものばかり出てくるんですの?}; -- [[リーセ>ZS/8000]] &new{2023-06-05 (月) 20:46:08};
---&color(purple){えぇ?ですからぁ、怪物を…あー、こっちではぁ、怪異というんでしたっけぇ? それを滅したいわけですよねーぇ…?&br;なのでぇ、ボクが考えうる最大火力をお出ししてみたんですがぁー……(なんかおかしな事した?という顔で)}; -- [[マルレーネ>ARA/0099]] &new{2023-06-05 (月) 20:49:34};
---&color(#c82c55){あのですね、シグレちゃん。 この日本って国は、あなたがかつて居た頃よりもずぅーっと人口密度の高い国になってますの。&br;それこそゼイムの帝都でそんな物使うような真似に等しいんですの、どう転んだってわたくしテロリストにしかなれませんわそんなの…&br;んんー……と、そうですわ!シグレちゃんの魔法を教えて下さいな、あとなんかいい感じの杖を貸して頂ければ…魔法も術に通じる所があるのでしょう?}; -- [[リーセ>ZS/8000]] &new{2023-06-05 (月) 20:58:54};
---&color(purple){あぁー……それはー、マズイですねーぇ。いっぺんやってみたいなーぁとか思ってはいますけどぉ、愛弟子のためにもやりませんよーぉ?えぇ。&br;ボクの魔法ですかーぁ、それこそクウリ様なら一週間もあればぁ…7〜8割は習得できるとは思いますねーぇ(それから杖、と言われて)&br;アリアケは貸せませんからぁー……んん、そうですねーぇ これなんて、如何でしょうかーぁ(何の変哲もなさそうなステッキを、空間の裂け目から引っ張り出す)&br;愛弟子がコレクションしてる杖の一つですよーぉ、なんでも、もう3本目なので預かって欲しいとかでーぇ…こっちの世界でも、違和感ないデザインですよねーぇ(伯爵のステッキを差し出した)}; -- [[マルレーネ>ARA/0099]] &new{2023-06-05 (月) 21:33:13};
---&color(#c82c55){杖といって本当に杖そのものをお出しされるとは思いませんでしたわ…(ステッキを手に取ると、確かにこれは魔導器であると感じる。魔力を秘めたアイテムだ)&br;壊さないように気を付けないとですわね…それでは、少しレクチャーして頂けます?(ようやくまともな手段が得られそうだと、安心し)&br;(その考えが甘かった、と思い知るのはすぐ後の話なのだが…結局何だかんだで結晶魔法をある程度扱えるようになったという)}; -- [[リーセ>ZS/8000]] &new{2023-06-05 (月) 21:48:44};
- 
-''2023年11月 京都市内 某所'' --  &new{2023-05-27 (土) 21:33:34};
--&color(darkred){(本来であれば修学旅行の筈だが、当然のように行かず…京都に残っている。それは学生の肩書があくまでも建前上のものにすぎないゆえ)&br;……どうした、探偵ごっこには飽きたのか?(細い夜道を塞ぐように停められたナッシュ・メトロポリタン、その脇に立つ人影に対し)&br;飽きたのであれば、名と姿を偽ることもやめたらどうだ。 &ruby(とがめ くうり){咎 咼狸};よ}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-05-27 (土) 21:38:15};
---&color(#c82c55){お断りいたしますわ、その名は随分前に捨てて久しいんですの。 探偵ごっことは心外ですけれど&br;(トランクの上に腰を下ろし)今のわたくしはリーセ・ファン・ヘームスケルク…リーセとお呼び下さいな? 臥待月残月さん&br;今の姿で、こう名乗るようになったのは…ちょうどこの子を手に入れた頃でしたわね。進駐軍の米兵が持ち込んだんですけど、帰国するそうで手放すって…(まるで関係なさそうな話を始めた)}; -- [[リーセ>ZS/8000]] &new{2023-05-27 (土) 21:47:31};
---&color(darkred){俗世にまみれている事はよく分かったが、貴様の愛車に関するエピソードに興味は無い。&br;貴様ら咎一族からすれば、俺の現状はさぞかし愉快な事だろう…笑いに来たのでないなら本題を切り出せ。&br;(さもなくば此方が斬る、と言わんばかりの眼光を向け…)}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-05-27 (土) 21:59:42};
---&color(#c82c55){はぁー…(オーバーなリアクションで溜息をついた)なぁんにも分かっていませんのね、ただでさえ寿命も長いんですから 楽しまなければ損ですわ?&br;それなりに現世に執着を残しておけば、生きる気力にも繋がるものですわ。欲は生きるための原動力ですわよー?&br;忍耐力の無い残月さんに免じて、用件から先にお伝えしますわね… わたくし、少しだけ待つことにいたしましたわ。&br;本来であれば、残り時間に関係なく…あなたが九尾に戻る兆候を見せた段階で、始末する計画でしたの。これは2課の承認もきちんと得てありますわ}; -- [[リーセ>ZS/8000]] &new{2023-05-27 (土) 22:06:45};
---&color(darkred){始末だと?片腹痛いな、五百年前であっても貴様と俺の決着はつかずじまいだ まして今の貴様では、俺を殺すことなど到底できん。(呆れたようにそう断言した)&br;たとえ万に一つ、それが可能だったとして…その後の百狐夜行をどう処理する。無傷で俺に勝つぐらいの奇跡を成し遂げねば、後が続かん}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-05-27 (土) 22:20:54};
---&color(#c82c55){できますわよ?(すとん、と道路に下り…トランクを開ける。中から取り出す脇差サイズの直刀…)これが何かはご存知ですわね?そして何を意味するかも。&br;たった一太刀ぐらいでしたら、わたくしにも浴びせる事ができましてよ? 事後処理はわたくしの余力次第、といっても…2課のバックアップは必須ですわね&br;わたくし、一から十まで全部自分でやろうなんて思っていませんもの わたくしが一番必要とされる場面で頑張る、ただそれだけですわね。}; -- [[リーセ>ZS/8000]] &new{2023-05-27 (土) 22:32:53};
---&color(darkred){善刃御刀……(臥待月に返却された筈のそれが、再び2課の手にある。それが意味するのは)…保険をかけたつもりか、あの老いぼれめ。&br;だが……不愉快ではあるが、貴様の言葉にも一理ある。俺は…臥待月家の信頼を完全には勝ち取れていなかった、そういう事だな?}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-05-27 (土) 22:46:46};
---&color(#c82c55){善なる心の持ち主でなければ、鞘から抜く事はできない ですから前提条件が成り立たない、とおっしゃるかもしれませんわね…ほら。(するり、何の抵抗もなく鞘から抜いて見せた)&br;今のわたくし、お仕事と言うよりも私情で動いてますの…守りたいと思う方たちの望む、ハッピーエンドのために。それは紛れもなく、善ですわ。(何の迷いもなく言い切った)&br;そして面白くない事ですけど、その中にあなたの生存という条件も含まれてしまっていますの…ですから、これの出番があっては困るわけですわね}; -- [[リーセ>ZS/8000]] &new{2023-05-27 (土) 22:51:42};
---&color(darkred){人の台詞を勝手に想像した上で、一人芝居をするな。 善は善でも独善だな…ユヅキのたわけめ、ロクな物を残さん…&br;どこの誰に感化されたかも、概ね想像がつく。あの男が言いそうなことだ…(それから、月魄の柄に手をかけ)…ならば俺が生存し、貴様が消えるルートはどうだ?&br;(一瞬。ほんの一瞬だけ刀身が、テールランプの赤を反射し煌めいた。音さえも置き去りにした抜刀術)…零式閃52丙型。}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-05-27 (土) 23:07:31};
---&color(#c82c55){(見えない何かに弾かれたように、火花が散る)残念ながら、それも条件から外れてしまいますの。(ただ、何かを握るような手つきで)&br;(手の周囲の空気が熱気に揺らぐのは、その灼熱ゆえ 持ち主が斬りたいと思うものを斬る熱量の刀。灼刀殺尽)&br;口ではそう言っておきながら、お遊びの技でわたくしを試すような真似するんですのね…五百年越しの決着はお預けですわ。&br;あなたに足りない物は提示したつもりですし…ここからどうするかも、あなた次第。(善刃御刀をトランクにしまい、手の中の灼熱もふっと消えて)……そうそう。&br;咎の一族も滅びましたわ、臥待月の里とほぼ同時に。あなたもよく知る誰かさんが下手人だったようですけど…わたくしも謀られましたわ&br;暗殺されたフリをしておかなければ、また命を狙われたかもしれませんし…(最初に名と姿を捨てた理由は、そこにあった)}; -- [[リーセ>ZS/8000]] &new{2023-05-27 (土) 23:19:36};
---&color(darkred){…ふん、久々に不可視の刀を見たくなっただけの事だ。(柄から手を離し、続く言葉には目を細めた)…なに?&br;紫月め…つくづく度し難い外道だな、地獄に落ちる程度では生温い。(湧き上がりかけた怒りの感情を、静かに落ち着かせ)&br;昔話は…全て終わらせてからにしろ。貴様の言うハッピーエンドとやらの、その先だ…俺は、必ず乗り越える。このふざけた運命…土足で踏みにじってやらねば気が済まん&br;(再び歩き出し、車の脇を抜けて…立ち去る。ヘッドライトの光を背に浴びながら)}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-05-27 (土) 23:32:12};
---&color(#c82c55){(その光が背を照らす事も無くなるほど、遠くなってから 一人、運転席に戻り)&br;わたくしに出来るのはこれぐらいですわね…やるだけは、やってみましたわよ…ミスタ・ブレイズ。&br;(これが良い方に転べば兎も角、悪い方に転んだなら…次は頭痛薬では釣り合わないだろう…そんな思いを巡らせながら)}; -- [[リーセ>ZS/8000]] &new{2023-05-27 (土) 23:43:04};
-''2023年8月 京都市内 皓月荘'' --  &new{2023-05-24 (水) 20:04:22};
--&color(purple){(臥待月家に滞在して3日目。 相変わらず黄昏月は慌ただしく動き、時折妙なゴスロリ狸も訪ねてきたりで変化に富んでいた)&br;(そんな中、調査が完了したとの報告が弦月からもたらされたが、急用の為報告に立ち会えないため代理の者を立てるとの連絡。応接室で待つ二人であった)&br;これで結局「何も分かりませんでした!」とかいうオチだったらどうしようと思うボクだ。いや、どうしてくれようかと思うボク、の間違いだな。&br;けど、妙な言い方だよね…代理の者、って。 月羽さんあたりなら、そういう表現しないだろうしさ…?(ソファーに座り、用意されていたミネラルウォーターを飲む)}; -- [[フェル>MI/0007]] &new{2023-05-24 (水) 20:09:02};
---(応接室で待ちながら)そう言うなフェル。真実というのは得てして手が届かない位置にあるものだ。&br;調査にリソースを割いてくれたことに感謝こそすれ…(言葉を途中で切って)確かに気になるな。代理の者、か。&br;心配になってきたな……しかし身重の体でできることは限られる…(気もそぞろにソファに座ったままあちこちを見て) -- [[アリシア>MI/2000]] &new{2023-05-24 (水) 20:13:39};
---&color(purple){ボクの愛する妻は達観していらっしゃる…まだそこまでの視点は持てないよ、まして君の身体に関わる事となればさ。&br;勝手に人んちの蔵を漁る訳にはいかないしね…客人扱いもなんだか申し訳ないっていうか(自分たちが入ってきたドアの方を、まだかと見つめていると…)}; -- [[フェル>MI/0007]] &new{2023-05-24 (水) 20:17:38};
---&color(plum){な、何も分かりませんでしたとかいう事はありませんので…ご安心下さいっ…!(突如、対面のソファーにぽふんと煙が上がり 現れる子供。なんか半透明だ)&br;お待たせいたしました、アリシア様、フェルディナント様。灰ヶ丘アマネと申します…!(ぺこーり、丁寧にお辞儀した白狐)}; -- [[アマネ>BN/0005]] &new{2023-05-24 (水) 20:19:33};
---そうだろう?(キラッと目が輝く)身重の時こそ人に気を使えとたまごクラブに書いてあった。&br;すごいものだ、最近の書籍というのは。心構えまで書いてあって数百円だ。申し訳ないというのは確かに…&br;(煙が上がり、驚く)……なんと。(お辞儀をして)はじめまして、アリシア・フェルスターです。&br;(思わず半透明の姿を見てしまい)すまない、ジロジロ見てしまった。(と、謝罪) -- [[アリシア>MI/2000]] &new{2023-05-24 (水) 20:28:59};
---&color(purple){コンビニで何買ってるのかと思ったらそれだったのかァ…(熱心に雑誌コーナー見てたなーって顔)&br;まぁ、ネットでちょいと調べれば出てくる情報も多いからだろうね… おわっ!?(どういう登場!?と突然のエントリーに面食らって)&br;アンダーソン姓じゃなくなってる…(しみじみ)…じゃなくって、えーと 臥待月姓じゃない?のと……そのー、もしかして君…死んでる?(透けてるよね?と)}; -- [[フェル>MI/0007]] &new{2023-05-24 (水) 20:33:18};
---&color(plum){はい、もう肉体はこの世に存在しませんね…20年ぐらい前から。元々はぼくも臥待月の者です…が、諸事情で祀られるにあたって姓が変わりました&br;当家の敷地内にある祠がそれなんです…敷地内は特別な結界が張られていますので、こうして霊体のぼくも出てくることができるという訳です&br;…と前置きが長くなってしまいました!本題の調査結果でしたよね、えっと…蔵に残っているのは幕末以降の、臥待月が人の世に馴染んでからの記録です。&br;人間の血は幾度となく妖狐の血と交わり…本来の要素を薄めながら、人に徐々に近づく形で臥待月家は現在に至っています。(つまり、妖怪と人間の間に子を作った事例はここにある、とした上で)&br;ですが、怪異と人間…という組み合わせでの、その…妊娠という事例は、書いてありませんでした…っ(申し訳なさそうに)}; -- [[アマネ>BN/0005]] &new{2023-05-24 (水) 20:40:42};
---&color(purple){(ガタッ)}; -- [[フェル>MI/0007]] &new{2023-05-24 (水) 20:41:04};
---&color(plum){ひぃっ!?(びくぅ)}; -- [[アマネ>BN/0005]] &new{2023-05-24 (水) 20:41:33};
---もう私はフェルスターを名乗る。そう決めている。(コホン、と咳払いをして)&br;なるほど、霊体のままでも活動できる下地があるというわけか……&br;(フェルを手で制して)いや、いい。手間を掛けさせた。元々、自分の子には親が責任を持つもの。&br;調査足労、真に痛み入る。(頭を下げて)だがかえって覚悟ができた。&br;人の子のように普通に入院して普通に出産する。それでいいんだ、きっとな。 -- [[アリシア>MI/2000]] &new{2023-05-24 (水) 21:25:55};
---&color(purple){(スッ、と座り直し)ちょい待ち、アリシア。 今聞いた話だと、幕末以降の記録にはなかったって話だよね。&br;で、代理として君が出てきた……別に黄昏月の他の人でもいいのに、だ。 つまり……あるんだろう?「記録に残せていない、臥待月の過去」ってやつが。}; -- [[フェル>MI/0007]] &new{2023-05-24 (水) 21:32:13};
---&color(plum){はい……本来であれば表に出せない、そういうお話です。(と、前置きして)&br;残月様が封印された後、黒狐が弾圧されるようになってからの事です…彼らはただ殺されるだけではなく、時には恐ろしい実験の材料とされる事もありました。&br;その中には、怪異…当時でいえば魑魅魍魎ですが、そういった存在との間に子を作るといったものも、あったのです…&br;で、ですが、そんな非道な事をしていたのはごく一部の人で……たまたま、それをぼくが知ってしまったというだけで…}; -- [[アマネ>BN/0005]] &new{2023-05-24 (水) 21:37:47};
---(息を呑んだ、まさか、そんなことが)&br;戦争や魔女狩りの時も思ったが………(目を瞑り)人が持つのは輝きだけではない。&br;そのことを理解していながら……私は。(自分のことのように悔恨の表情を浮かべた)&br;(悲劇は繰り返された、私が殺した“黒狐”も凄惨な運命の成れ果てであるとすれば) -- [[アリシア>MI/2000]] &new{2023-05-24 (水) 21:40:56};
---&color(purple){うへぇ……そりゃ怪異の因子が根付いて、怪異化するってことも十分にある話だ…&br;そもそも、ボク自体…そういうクソみたいな実験で人工怪異を植え付けられた実験台だしね。 いつの世も、種族が違ってもやる事は一緒かァ…}; -- [[フェル>MI/0007]] &new{2023-05-24 (水) 21:44:11};
---&color(plum){その実験を水面下で行っていたのが…ぼくを殺した相手、臥待月紫月…です。既に2年近く前に、厚労省によって討伐済みとのことですが…&br;この話だけですと、怪異と妖狐の間での子というだけで終わってしまいます。 彼は、それだけでは飽き足らず、人里から人間を誘拐して…似たような実験を行ってもいました&br;母体側が人間であった場合…出産時に負荷が大きすぎ、死亡する事が大半でしたが、その逆は…実際に妊娠さえすれば、特に問題なく産めるそうです。&br;ですので、アリシア様の言うように普通の産婦人科でもいいのですが…現在は怪異がらみの治療を行う医師も多いです。&br;弦月さまから、何か所かそういった病院の紹介を受けておりますので…よろしければそちらをと思いますっ(複数の病院の連絡先が書かれた書類をテーブルに置き)}; -- [[アマネ>BN/0005]] &new{2023-05-24 (水) 21:51:53};
---(フェルの顔を見る)お前も……そうなんだ、世界の悪意は好奇心で猫を殺す…&br;(項垂れていたが、話を聞いて)臥待月紫月、か。(それが死んだ元凶の名前、深く心に刻み込んで)&br;そう、なのか。(連絡先を受け取り、黒い装丁の手帳に書き写して)私は臥待月の犠牲に助けられているのだな。&br;……今は体を休める時間が必要になる。早急に手出しは出来ないだろう。&br;だが……十年、二十年、いや百年経とうと。&br;私たちは臥待月を助けに世界中どこからでも来る。だから……今は感謝する。ただそれだけだ。 -- [[アリシア>MI/2000]] &new{2023-05-24 (水) 21:59:29};
---&color(purple){そういう外道が始末されたってのはスカッとする話だね、君にとっちゃ複雑かもしれないけど…さ。&br;猫を殺すのはいただけない、猫は吸ったりモフったりして愛でる存在だからね…まぁ、とにかく何から何まで世話になったね}; -- [[フェル>MI/0007]] &new{2023-05-24 (水) 22:07:28};
---&color(plum){それは人の世も同じです、アリシア様。先人の膨大な努力と犠牲の積み重ねの上に現在があります…&br;ぼくも僅かではありますが、お力になれて嬉しいです…残念なことに、ぼくはこの敷地から出る事はできませんから 臥待月以外の誰かの力になれるのは、久しぶりでして。&br;重苦しいお話ばかりになってしまいましたが…ええと、どうかお幸せにですよ!元気な赤ちゃんを産んで下さいっ(満面の笑みでそう伝え、またぽふんと消えていった)}; -- [[アマネ>BN/0005]] &new{2023-05-24 (水) 22:11:29};
---(消えていくアマネを見送った後に)フェル。(彼の手を握り)&br;子供の名前を決めよう。(無理して笑って)今、なんとなくそういう気持ちになった。&br;結局、自分が立つ場所が“全”だと考えていた過去の私は傲慢で。&br;歴史という先人の文化の橋渡しに乗っかっていただけの存在だった。&br;……お前たちは。(まだ大きくもなっていないお腹を撫でて)間違わないようにな。(そのままフェルに頭を預けるように寄りかかって) -- [[アリシア>MI/2000]] &new{2023-05-24 (水) 22:14:36};
---&color(purple){名前、かぁ……そうだね、双子なのだから、できればボクとアリシア、それぞれの頭文字は使いたい。つまりFから始まる名と、Aから始まる名。&br;もちろんアリシアにいい案があれば、そっちに乗っかるけどさ?&br;傲慢、かなぁ…人って、そんなもんじゃん 自分の見える範囲のことしか分からないもんだよ、だからその範囲が全て。&br;なんかこう、歴史の重みとか先人の有難みとかは、たまに感じるぐらいでちょうどいい…ずっと感謝し続ける相手は、アリシアだけでいい。これからは、お腹の二人も含めるんだけどね?&br;(そう言って、預けられた体重を感じ…頭を撫でる。この日の滞在を境に、臥待月家を離れ…彼らの京都旅行は拠点をホテルに移すこととなる)}; -- [[フェル>MI/0007]] &new{2023-05-24 (水) 22:22:07};
-''2023年8月 京都市内 皓月荘'' --  &new{2023-05-18 (木) 19:24:22};
--…それは大変でしたね、お二人ともお怪我はございませんか?(応接室にて。無事到着した二人を出迎えたのは長女の月羽。長い髪が特徴的な女性だ)&br;(季節と相手を考慮し、アイスティーをテーブルに置き)今、祖父を呼んで参りますね。それまで、お寛ぎ下さい…&br;(ひと騒動あった後の到着、という事もあり 黄昏月は事後処理等のために動いている最中であった) -- [[月羽>ZS/0002]] &new{2023-05-18 (木) 19:30:59};
---&color(purple){あぁ、どうもありがとう……ございます。(いかにもな洋館に、和装の女性。なんだかタイムスリップしたような心境で)&br;まさかさっき戦った怪異が、臥待月家の抱えている案件だったとは…あぁ、こっちはそちらが落ち着いてからで結構ですので…&br;(そう言って、廊下に出ていく月羽を見送り…二人だけに戻ると)…なんか、落ち着かない空間だなァ……}; -- [[フェル>MI/0007]] &new{2023-05-18 (木) 19:34:04};
---ありがとうございます、勝手な手出しをした後に暖かくお迎えいただき感謝す……します。&br;(一礼して座り)ここは変わらないな。いや……(視線を下げて)なんでもない。&br;応接室というのは……客を完全にリラックスさせるものではないような気もするが…それも西洋的な考え方のような…(人間の文化そのものに不慣れなあやふや) -- [[アリシア>MI/2000]] &new{2023-05-18 (木) 19:39:11};
---&color(purple){(敬語のアリシアに不思議なものを見たような顔をした)ここでもいつものノリなのかと思ってた…。&br;前にも来た事あるんだ? それって、どれくらい前の事なんだろ…(ソファーに深く腰を落とし、アイスティーを一口)&br;じゃあ寛げって言われても無理じゃんっ… まー、どう見ても…商談とかする場所だよねこれ(華美な装飾はないが、安っぽくも見せない。そんな空間)}; -- [[フェル>MI/0007]] &new{2023-05-18 (木) 19:44:47};
---私だって母になるんだ。誰彼構わず尊大に構えていてはいけない。子は親を見て育つと本にも書いてあった。(真面目。)&br;ほんの数十年前……私が自身の怪異としての頸木を断ち、独自の考えで怪異を倒して回っていた頃だ。&br;そうだな。(アイスティーを手に、飲まずに下ろした)カフェイン……(惜しいものを見る目、香り高い茶だ) -- [[アリシア>MI/2000]] &new{2023-05-18 (木) 19:49:56};
---&color(purple){至極当然のことを言われているのに、ボクは今感動している…なんだこれ。そうだなァ、礼儀もきっちり教えないとなのか…&br;ボクまだこの世に居ないな!?戦後間もない頃とかそんな感じかなそれ…じゃあ、イギリス政府とも無関係な戦いだったのか。&br;あっ……(カフェイン……)流石にそこまで気遣いを求めるのも酷だよっ…}; -- [[フェル>MI/0007]] &new{2023-05-18 (木) 19:54:12};
---…失礼します、一応デカフェではありますが、お気に召さなければ水を今お持ちします。&br;(ノックの後、入室してきたのは老齢の6尾の銀狐…年齢にそぐわぬ筋骨隆々とした肉体は、未だ鍛練を怠っていないことの証左。)&br;お久しぶりで御座います、アリシア様。そしてお初にお目にかかります、フェル様。 黄昏月の代表を務めさせて頂いております、臥待月弦月と申します。 -- [[弦月>ZS/0002]] &new{2023-05-18 (木) 19:57:28};
---我が子が幼少から私みたいな喋り方をしてみろ、私は嫌だ。(頭を抱えて)いや待て…それは、それで可愛いか…? ママって言われたら許しそうだ…&br;そうだな、あの戦い自体は……だが。(首を左右に振り)変わったよ、この国は。強く復興している。&br;わかっている……!! &ruby(ジャバウォック・オリジン){空論の獣・起源種};…!!&br;(眼の前のカップのカフェインを無毒な成分にした)よし。(飲んだ、幸せそうに)&br;(入ってきた家の者に慌ててカップを下ろし)いや、その。大事無い。(何が?)&br;息災か、弦月。(入ってきた男に微笑み)まだ戦える体を作っているのか?&br;後の世代も育っているだろうに……いや、口さがなかったな。(咳払いをして)こっちがフェルディナント・フェルスター。私の愛する者だ。 -- [[アリシア>MI/2000]] &new{2023-05-18 (木) 20:04:29};
---&color(purple){少なくともボクは許す。けど、TPOは弁えるように教育していこうね…(子供に恥かかせたくない)&br;異能の使い方…!(なんて贅沢な使い方だろう)まぁ、結果オーライ?みたいです(そうアリシアを示して、弦月に挨拶し)&br;初めまして、アリシアの夫のフェルディナント・フェルスターと申します…この度はお世話になります。(ソファーを立って会釈し)&br;…しまった、2課の名刺忘れた……}; -- [[フェル>MI/0007]] &new{2023-05-18 (木) 20:10:39};
---いやはや、私もだいぶ年を取りました…アリシア様は相変わらずお若い。常在戦場の心得が染みついて抜けませんでな…&br;(アリシアと共に共闘した頃は能力的にも身体的にもピーク。大重量の金棒を自在に操り、雷系の術を使いこなしていた)&br;万一の時の為の保険、とも言えますな…現に、長男の藍月は今回の件で入院中でございまして。この老体も、まだまだ出番がある次第&br;(紹介を受けるとこちらも改めて会釈をし)お噂はかねがね…2課の入谷から、事前にお話も伺っておりますので。いやぁ、アリシア様がご結婚とは…感慨深いものですな -- [[弦月>ZS/0002]] &new{2023-05-18 (木) 20:16:32};
---名刺………(ああ、と思いついて)確かこれだろう。(覚えていた名刺を創り出して机に置く)&br;内助の功というのだろう。日本語にも慣れてきたぞ……ククク。(悪い顔)&br;いつまでも若いのは呪いだった。アリスと名乗っていた頃はな。だが、今は感謝している…弦月、お前が私をアリシアと呼んでくれることにも、な。&br;そうか……大変な時期に押しかけてしまった。すまない。(小さく頭を下げる)&br;そう、話はそれだ。私は妊娠している、双子だ。だが私のようなタイプの怪異の出産は前例が少ない。よって力を借りに来た。&br;だが……それとは別に懸念もある。件の妖狐の話だ。まずは黒い妖狐の話から聞いてもいいか? -- [[アリシア>MI/2000]] &new{2023-05-18 (木) 20:22:03};
---&color(purple){あぁ、使い方合ってるかわかんないけどナイスアシスト…!(そうして、滞りなく名刺交換が行われた)&br;……昔っからこういうノリだったんです?(悪い顔して笑うアリシアを横目に、弦月にそんな問い)}; -- [[フェル>MI/0007]] &new{2023-05-18 (木) 20:28:44};
---呪いを打ち破ったというのであれば、かつての戦友として喜ばしい限りですな。アリスという名は、アリシア様の大事なお方に託されたとお聞きしました。&br;いえ、他からの協力も受けておりますのでお気になさらず…(そしてフェルの問いには)…まぁ、概ねこのような感じでしたな。だいぶ丸くなられた…とは思いますが&br;なんと、双子とは… 蔵に残っている古い文献を当たってはみますが、少々お時間を頂くことになります。それまで宜しければ、当家でお過ごし頂ければと…お部屋も用意して御座います。&br;……(妖狐の話になれば、表情を引き締め仕事モードに)畏まりました。事の発端は今年の1月、当家の遠い祖先である残月様が封印を解かれ、復活なさった事に起因するのです&br;(そうして語り出す、封印のいきさつと、過去の一族の罪業。今も行き場を失った怨念は、抑えきる事叶わず京都を彷徨っているのだ) -- [[弦月>ZS/0002]] &new{2023-05-18 (木) 20:35:08};
---では数日世話になる。そこから先はホテルを取る、旧知の仲とはいえあまり世話になると心苦しい。&br;……それにイギリスにあるアリスのグランパの会とかいうフザけたお偉方が祝い金をよこしたしな……(頭痛、いつまでも子供扱い)&br;残月……(そこから聞く話は)私は……そんな相手を激情に任せて消し去ったのだな…&br;(悔恨の表情、事情を知らないまま倒した自分が許せなくなる) -- [[アリシア>MI/2000]] &new{2023-05-18 (木) 20:43:22};
---&color(purple){アリスのグランパの会……なにその初耳のトンチキ集団(お金貰っておいてあれだけど、と苦笑い)&br;では、暫くの間ですがお邪魔させて頂きます。(多分ホテルよか豪華だなここ…と思いながら)}; -- [[フェル>MI/0007]] &new{2023-05-18 (木) 20:48:08};
---このような案件を抱えているさ中でございますので、居心地の悪さはご容赦願いたい…その、残月様も滞在なさっておりますので。(当人が居る、というのだ)&br;いえ、アリシア様が気に病むことでは御座いません。 我々とて対処法は他に無く、救う事はできないのです&br;今我々がすべきは、それによって引き起こされる怪異災害の阻止…そうですな、いわば「百狐夜行」を阻止する事にあります。&br;こちらも可能な限り動いてはおりますが、先程のように偶然誰かが巻き込まれてしまう…という点については私も心苦しい限りです -- [[弦月>ZS/0002]] &new{2023-05-18 (木) 20:53:02};
---私に人間の祖父は居ないと言っているのにそれを言うとあいつらは喜ぶ…&br;そうか、残月もいるのか。(目をゆっくり開いて)世話になる。&br;怪異災害………か。(窓から外を見る)この街も……あるのだな。怪異災害の危険が。&br;(渡り鳥が空を渡っていく、夏の空を斬り裂くように真っ直ぐ)&br;(それは新たな事件の始まりを告げるかのような景色だった) -- [[アリシア>MI/2000]] &new{2023-05-18 (木) 21:04:31};
---&color(purple){正統な祖父が居ない、つまり自分達が祖父を名乗っても良い!という理論なんだろうなァ…めんどくさいファンだ…(頭を抱えた)&br;何て言うか…伝説的存在が一堂に会する、みたいな状況になってません?ここ…(ちょっとだけアウェー感を味わいながら)}; -- [[フェル>MI/0007]] &new{2023-05-18 (木) 21:08:10};
---残月様は、その、何というか…気難しいお方でしてな、悪い方ではないのですが…(なんか色々、配慮とか足りない奴なんですよ感を醸しつつ濁す)&br;えぇ、これ以外にも我々が把握している怪異災害の危機は複数ありますので…京都滞在中は日中の活動のみをお勧め致します。&br;では、本日は一旦お休み頂いた方が宜しいでしょう…夕食の準備ができるまで、部屋でお休み下さい(こちらです、と月羽が案内した洋室は 貴賓室を思わせるゲストルームだった)&br;(そうして、臥待月家での一日目は過ぎていく…) -- [[弦月>ZS/0002]] &new{2023-05-18 (木) 21:12:06};
-''2023年6月 京都市内 皓月荘'' --  &new{2023-05-08 (月) 20:25:21};
--&color(darkgoldenrod){んまぁーい、この最中うんまぁーい!!(応接間にて、がつがつと最中を齧るメカクレ女子が一人)&br;西条先輩の実家が和菓子屋さんだったとは、このりっちゃんの目をもってしても見抜けなかったー!(もぐもぐ)}; -- [[梨月>ZS/0015]] &new{2023-05-08 (月) 20:28:48};
---りっちゃんは良い食べっぷりするわねぇ…でも、お客様の分もちゃーんと残しておかないといけませんよ?&br;(にこにこしながらも視線で圧をかけてくるおっとり姉)話が逸れてしまいましたが、今回いらしたのは…残月さんの件でして? -- [[月羽>ZS/0002]] &new{2023-05-08 (月) 20:31:20};
---&color(#c82c55){では、わたくしも一つ頂きますわね(京都の街並みでは一際浮いていたゴスロリ姿も、この屋敷内では不思議と馴染んでいた)&br;藍月さんの件はこちらの耳にも入っておりますの、ですから…万一の事態が起きた場合に 黄昏月だけでは手に余る、という事を危惧していますわ。&br;既に、市内数箇所において…妖狐怪異の出現が確認されていますわ。このまま伏せておく事も困難…というのはわたくし個人の見解ですけれども。}; -- [[リーセ>ZS/8000]] &new{2023-05-08 (月) 20:37:13};
---&color(darkgoldenrod){むぐぐ……ザン兄、尻尾増えてたもんねー あれ、戻り切るとやべー事になるんだよ その前に何とかしないと…}; -- [[梨月>ZS/0015]] &new{2023-05-08 (月) 20:38:59};
---確かに、兄は退院にもう一か月は要するところ…リハビリ期間を考えれば、復帰は更に先になるでしょうね。&br;実際のところ、わたし達の知らないところで怪異狩りをしているようで…聞いてもはぐらかされてしまうんですよねぇ&br;もっとも、うちの者で彼の手綱を握っておける人間など居ないのですけど… というより、これは2課のあなた方にも難しい案件でしょうか。 -- [[月羽>ZS/0002]] &new{2023-05-08 (月) 20:44:53};
---&color(#c82c55){そのために、わたくしが派遣されてきた…というのは言い過ぎでしょうけれども。本来であれば2課が取り仕切るべき案件ですの。&br;ただ、現状で京都市内に不穏な動きが多数見受けられていますから…そちらの対処にも人員を割いてまして&br;…あ、この最中美味しいですわね(もぐもぐ)あくまでこの案件は黄昏月主導のもので…わたくしはそのサポートというか、なんでしょう…いわゆる保険のようなもの、とお考えいただきたいのですわ?}; -- [[リーセ>ZS/8000]] &new{2023-05-08 (月) 20:58:02};
---&color(darkgoldenrod){やっぱ、この前電話あった時の…あの映画館も、なんかあるのかなー…(あの時一緒に居た生徒は、同じクラスの子だった)}; -- [[梨月>ZS/0015]] &new{2023-05-08 (月) 21:00:31};
---残月塚に慰霊碑の建立…というのも効果はありそうですが、間に合わない可能性の方が高そうですね&br;こちら主導で、リーセさんは協力者…兄の代わりをして下さるという意味では御座いませんね?&br;(目の前の少女(?)に、果たしてどんな異能があるのか…全く読めない。だが、自身の経験から見る限り…リーセの仕草は素人のそれだ。戦いと無縁そうな存在に見えた) -- [[月羽>ZS/0002]] &new{2023-05-08 (月) 21:05:57};
---&color(#c82c55){異界と化した映画館…(梨月の言葉に、ポツリと反応して)そんな案件に、七瀬君を連れ出す訳にいかない…入谷さんなりの配慮、ですわね(一人、納得した様子で)&br;藍月さんのような活躍は期待なさらないで下さいね?わたくしに出来るのは…時間稼ぎと、僅かな軌道修正ぐらいのものですの&br;まぁ、市内における2課の窓口的なものとでもお考え下さいな?(そう言って、差し出す名刺。「厚生労働省衛生2課 リーセ・ファン・ヘームスケルク」とあった)&br;ケブラー繊維の名刺ですわ。30枚あれば9ミリホローポイント弾が止められますの…痛いですけど。}; -- [[リーセ>ZS/8000]] &new{2023-05-08 (月) 21:16:57};
---(名刺を受け取った途端「あぁ、やはりこれも2課の人間…」とすぐ理解できたが、なんとか思考を切り替えての名刺交換)…頂戴いたします。&br;(結局、現状において明確な解決案は出なかった 残り時間がどれほどなのかもわからぬまま、刻々と減っていく)&br;(それは月羽に…いや、臥待月家の人間にとって最悪の展開を想像させるものでもあった) -- [[月羽>ZS/0002]] &new{2023-05-08 (月) 21:40:41};
-''2023年6月 京都市内 某所'' --  &new{2023-05-07 (日) 19:57:34};
--&color(#c82c55){(郊外。静かな住宅街の一角にある公園のベンチでスマホを片手に誰かと連絡をとっているゴスロリ姿)&br;えぇ、状況はフェーズ2に移行していますわ。 このままですと、予定よりも早くフェーズ3まで到達しかねないかと思うんですの…&br;…はい、そうですわね。 我々は、戦う前に勝利を得るのが本分…でしょう? 分かっていますわ…}; -- [[リーセ>ZS/8000]] &new{2023-05-07 (日) 20:05:27};
---&color(#c82c55){監視対象Zの行動には、注意を払っておきますの… えぇ、それでは。(通話終了、スマホをバッグに入れ)&br;んんーっ……入谷さんも人使いが荒いですわね、先々代の入谷さんの頃はもう少し楽でしたのに…。&br;伊上、水白と面白そうな案件の時に別行動だった分、今回は楽しませて貰いませんと…せっかくですし旧知の顔も、見ておきましょうかしら。&br;(ベンチを立つと、バイオリンケースを片手に市街地の方へと歩き出す)}; -- [[リーセ>ZS/8000]] &new{2023-05-07 (日) 20:11:13};
-''2023年5月 京都市内 某所'' --  &new{2023-05-04 (木) 23:56:49};
--&color(darkred){(真夜中。静かに、しかし足早に歩くのは林の中 木々の間から見える空を見上げ…月が出ているのを確かめる)&br;(それから地面に視線を移す…小さな水たまり…否、血だまりが、ごぼごぼと音を立てて広がりつつある)&br;……(それを視認すると、自身の周囲に4つの狐火を浮かべ…血が噴き出す地点を囲むように配置、簡易的な結界を作り出す)}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-05-05 (金) 00:04:30};
---&color(darkred){(噴き出す血は、引力に逆らうように上へ上へ…人の背丈ほどになれば、人型のシルエットを形成し)&br;(残月と同様、妖狐の姿をとったそれは、虚ろな目で正面の相手を捉えた)&br;…久しぶりだな、我が同胞。(それを直視すれば、苦い表情で…黒い狐面を被る)}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-05-05 (金) 00:09:52};
---(それは残月と比べると、随分幼く見える姿だった 共通しているのは、黒い毛並みという事、瞳に強い憎悪を宿している事)&br;許せ、ない…… あいつらが… ぼくは、なにも 悪い事なんて……してない…&br;(ぶつぶつと呟きながら残月の姿を認識すると)…同、胞…… なか、ま……?(口の端から血を垂らしながら、かくんと首を傾げる)&br;な、かま…… 一緒に、倒そう あいつら あいつら!あいつら!あいつら全部!!(唾を撒き散らし、喚き始める)&br;そうだよ、あいつらに……やり返して… あ、れ…? あいつらって、誰…… ねぇ、わかんないよ?何?誰? -- [[妖狐怪異>ZS/0002]] &new{2023-05-05 (金) 00:23:27};
---&color(darkred){…すまん、それはもう出来んのだ。(他の妖狐と比べれば、生まれつき秘めた力は大きい黒狐。その使い方さえ知らぬまま処分されたであろう目の前の存在。かつて同胞だった何か)&br;(もはや何を恨んでいるのか分からず、誰かれ構わず襲い掛かる怪異と成り果てた後でも、残月は同胞と呼ぶことを止めなかった)&br;討つべき怨敵の名は…(月魄を静かに抜く。月光を反射し黄色く煌めく刀身)…臥待月 雪月だ。(手元が微か、残像のようにぶれた。それだけのこと)&br;そしてそやつは、もう黄泉の国へ行った。}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-05-05 (金) 00:30:53};
---えっ……(着物の胸に赤い線が走る そこから血が噴き出し)あ……いた、い……&br;い、痛い…… 痛いよ…!(急激に力を失い、倒れ伏す)たす、けて…… 残月…さ、ま………&br;(自分を斬った相手が誰なのかも認識できていないのだろう 目の前にいる筈の相手の名を呼び…元の血となって溶け、地面に染み込んで消えていった) -- [[妖狐怪異>ZS/0002]] &new{2023-05-05 (金) 00:46:32};
---&color(darkred){……っ!(自分の名を呼ばれれば、その最期を直視することはできなかった)&br;(同時に結界も解除されるが、瞬時に狐火が強く燃えて消える…という投げやりなもので)&br;許せとは言わん、恨むなら…恨め。許しなど乞えるものか… くそ……(怒りに身を委ねてしまいたい気持ちを必死に抑え込み、刀身を握りしめる)&br;(掌から溢れ出た血が地面の染みと混ざり合い、赤く染めて行く)……俺は…まだ一歩も進めていない、あの時から… 五百年前から何も…!}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-05-05 (金) 00:56:51};
-''2023年3月 京都 臥待月家'' --  &new{2023-04-29 (土) 19:03:29};
--&color(darkred){(七瀬から事の経緯を聞かされ、暫し黙考。それは感情をできる限り波立たせないようにするため必要な時間だった)&br;なるほどな、全ては俺のあずかり知らぬところで勝手に終わってしまった…という話か。&br;…………馬鹿な奴らだ。}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-04-29 (土) 19:07:11};
---&color(sienna){僕はそのすぐ後、また別の仕事で宮城の水白市ってとこに行くことになって…結局、あなたが復活する場に居合わせることはできなかったけど。&br;もし、力になれることがあれば…協力したいと思ってる。 これでも、一度は怪異に取り込まれた経験もあるし…ね&br;(自嘲気味に語り…訪ねてきてからずっと脇に置いていたケースを残月の側に差し出した)…これを。}; -- [[七瀬>IG/0007]] &new{2023-04-29 (土) 19:12:03};
---&color(darkred){雪月の謝罪など、今更受け入れる気も無いが…貴様には身内の下らん諍いで迷惑をかけたな。&br;では遠慮なく問おう、怪異になる…というのはどんな感覚なのか。 予兆ぐらいは把握しておきたい。&br;(そして、差し出されたケースを開けると)…善刃御刀と、月虹…か。 俺には不要だ。}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-04-29 (土) 19:15:28};
---&color(sienna){何て言うか…負の感情が心地良くて、それにもっと浸っていたい そんな、変な高揚感があったかな。&br;怒りとか、悲しみとかもだけど 狂気に身を委ねたくなるっていうか…けど、それを真っ向から拒否してもダメだと思う&br;逆に、そういうのも全部吞み込んで これが自分なんだ、って肯定できるなら…そんな強い自分があれば、簡単には吞まれない筈…だよ。&br;…え、要らないって… 入谷さんに返してくるように言われたのに。じゃあ、臥待月家で預かってもらうことにするよ&br;何だかんだで曰くつきの代物だから、相応しい人たちが保管すべきだろうし …長居しちゃったね、それじゃあ僕はこれで。&br;(そう言って立ち上がる)……あ、足痺れた…。}; -- [[七瀬>IG/0007]] &new{2023-04-29 (土) 19:21:56};
---&color(darkred){''…待て。''俺の用はまだ終わっていない。(有無を言わさぬ圧力をもって引き留める)}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-04-29 (土) 19:23:55};
---&color(sienna){え、な、何……?(背筋が凍り付くような感覚に、足の痺れを一瞬忘れる)}; -- [[七瀬>IG/0007]] &new{2023-04-29 (土) 19:25:16};
---&color(darkred){貴様、LINEはやっているか? 連絡先を交換しておけば、この場に居らずとも話ができる…便利な代物だ。&br;(そうして、真顔でスマホを取り出すのだ 五百年前の大妖怪が)}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-04-29 (土) 19:27:26};
---&color(sienna){……はい?&br;(七瀬は後に回想する。後にも先にも、拍子抜けしてギャグ漫画のようなコケ方をしたのはこの時ぐらいだった、と)}; -- [[七瀬>IG/0007]] &new{2023-04-29 (土) 19:29:24};
-''2023年3月 京都 臥待月家'' --  &new{2023-04-25 (火) 21:19:37};
--この二か月で、それなりに現代の人間社会というものを把握してきた残月。徐々にだが臥待月家の面々とも打ち解けてきた&br;厚生労働省の入谷の協力もあって、ひとまず遠い親戚という体で戸籍も得て、来月からは高校生となる&br;流石にあの外見のまま、昼間から出歩いていては補導されかねない…と言う配慮からであり、制服は藍月が高校時代に着ていたものを借り受けた。&br;入院中の藍月にも見舞いに行き、誤認だったことを詫びつつ、彼の抜けた穴を自分が補うと約束。&br;ただ、それでも自身の抱えた問題解決の糸口は見つからず…同時に、何故雪月が死んだのかも知る事ができず、釈然としない日々が過ぎていく --  &new{2023-04-25 (火) 21:32:34};
---そんな折、見知らぬ少年が残月を訪ねてきた。羊人の特徴を持った彼は、厚生労働省衛生二課の、七瀬奈々斗と名乗った。&br;穏やかそうな外見と裏腹に、その身には多くの傷跡があり 視力を失った右目と、重度の火傷が残る右頬は…長い前髪で隠されている。&br;残った左目を見るだけで、残月にも一目で分かった。これは幾つもの修羅場を潜り抜け、幾つもの死を見てきた者の目だと。&br;彼は語る。約一年前、T県の山中…小さな町で起きた怪異事件の解決に駆り出された七瀬は、そこで雪月に遭遇し…その最期を見届けたのだと。 --  &new{2023-04-25 (火) 21:46:55};
---封印に使われた氷結の術が解けたのは、術者本人が死んだから…というのは合点が行く。だが、何故どのようにして死んだのか…残月が知りたかったのはそこだった&br;事の発端は、町の住人が何者かによって次々に殺され…生ける屍として蘇生し、生き残った人々を襲い始めたことだ。&br;一人の住人が隣町の警察署に駆け込み、そこで事件がようやく明るみに出る。目撃談によると、犯人の容姿は雪月のそれと一致していた。&br;県警が町に通じる道路を封鎖、衛生二課が現地入りし…雪月と遭遇、戦闘を開始したが…相手は積極的な反撃をしてこずに、こちらの無力化を試みながら逃走を続けたのだという&br;実際、この時点で二課の隊員に負傷者は出ても、死亡者はゼロだった。明らかに手加減をしている風だったと七瀬は語る。 --  &new{2023-04-25 (火) 22:00:46};
---それでも雪月の戦闘力は凄まじく、一人二人と脱落し…廃工場に追い詰めた頃には七瀬一人となってしまった。異能を出し惜しみせず、一騎打ちを試みるも力及ばず…&br;しかし相当の消耗を強いる事はできた。ここで都合よく援軍でも来てくれれば、邪悪な怪異を仕留める事もできる…現実に、それは起こってしまった。&br;その場に現れたのは、警察署に駆け込んだ青年だった。まるで雪月を以前から知る風な様子で、恐れる様子もなくその場に割って入る&br;「いいザマだね、雪月。そうだよ、ボクはその顔が見たかった…守るべき民を、居場所を失い、名誉も地に落ち…悪党として今ここで、お前は死ぬ。ありがとう、こんなにも綺麗に術中に嵌まってくれて!」&br;哄笑する青年の姿が歪み、雪月と瓜二つの姿へと変わる。そこで七瀬は全てを理解した 真犯人はこの青年であり、雪月を犯人に仕立て上げて始末するため、この事件を引き起こしたのだと。 --  &new{2023-04-26 (水) 22:00:16};
---「そっちの君も、予想以上の善戦に感謝するよ。せめてもの礼として、雪月と刺し違えて死んだ…という名誉ある死をプレゼントしよう!ははははは」&br;雪月を模した青年の姿が更に変容し…薄紫の髪をした妖狐へと変わる。右手には古めかしい火縄銃、左手には抜き身の直刀を持っているのがまた異様であった&br;「紫月……おぬしの仕業か!」そう叫ぶ雪月の意図を、七瀬はこの時点では履き違えていた。この事件に対するものではなく、視線は刀に向けられていたのだ&br;今しがたまで戦っていた相手の真意はさておき、この場は一時休戦…共闘が最善であることは七瀬も理解していた 互いに紫月に向けて構えたのが何よりの証拠。&br;「あはははは、死にかけ二人が力を合わせて何をしようって?絶望と苦悶の表情でも堪能させてくれるのかい?」&br;雪月に対しては刀を、七瀬に対しては銃口を向け愉快そうに笑った。これが先に相手を動かす為の挑発なのは分かっているが…この外道を許す気にはなれず、七瀬は飛び出す --  &new{2023-04-26 (水) 22:12:56};
---伊上での一件以来、七瀬の異能「栄華を偲ぶ扉」は更なるステージに到達していた。それはこの世界の時間軸にさえ干渉ができる…ほんの僅かではあるが。&br;相手が引き金を引くその寸前、異能を発動し…自分だけをこの時間軸から切り離す。停止した世界の中、ほんの少しだけ射線から頭を逸らす…それだけでこの一発は無効化できる…筈だった。&br;放たれたのが鉛玉であったならの話であり、現実に銃口から飛んだのは、眩いばかりの閃光。圧倒的な熱量をもって、廃工場の壁と言う壁を貫き、その向こうの木々さえも焼き払う。&br;月虹。持ち主の妖力を変換し、閃光として撃ち出す古の火器。当然その威力は使い手に左右されるが、今の一発をまともに受ければ人間など蒸発してしまうだろう&br;最低限の動作で避けようとして、顔面の右半分を焼かれた七瀬は既に紫月の術中にあったのだ&br;激痛に顔を押さえて蹲るしかできない七瀬を嘲笑い、初めから眼中になかったとばかりに雪月を標的に戦闘を開始する。 --  &new{2023-04-26 (水) 22:34:10};
---「善刃御刀…アマネから奪ったか」&br;「悪用されないよう、あれこれ仕掛けをしてたようだけど…抜け穴が多すぎるのさ、お前は悪用する側の視点で物を見れない。」&br;曇りない真っすぐで綺麗な刃。外道の手によって振るわれるそれが、氷刀とぶつかり合う 疲弊してはいても、剣の腕では雪月が勝る&br;否、紫月の太刀筋は、もとより相手を弄び、いたぶることを目的としたそれであり 致命傷を浴びせることが目的ではないように見えた&br;対する雪月の防御は、正確かつ的確で そこまで本気で防ぐ必要性があるのか…疑問に感じられるものである&br;それは、善刃御刀という刀が持つ特性ゆえのものだと七瀬が理解したのは 刃先がほんの僅かに雪月を傷つけた直後のことだった --  &new{2023-04-27 (木) 21:27:00};
---斬りつけた筈の刀の方が、砕けて使い物にならなくなってしまったのだ。あれほど浅い傷で壊れるものか?&br;その傷一つで、善刃御刀の役割は十全に果たされてしまうからだ。傷は決して塞がらず、そこから血だけでなく、ありとあらゆる力が抜き取られ、霧散していく。&br;傷が小さい分、即死とはいかないが この時点で雪月の死は確定してしまったも同然である。その場に膝をつく雪月と、砕けた刀を放り捨てて笑う紫月の対比が、それを証明していた&br;「ようやくだ。ようやくボクの願いが叶ったよ、他人の願いは幾ら叶える事ができようと…自分の願いだけは自力で叶えるほかなかったからな」&br;「ぐ……おぬしの、その歪んだ願いを叶えるため、一体どれだけの犠牲を…積み上げてきた…」&br;残された時間は僅か。それでも雪月はまだ戦う事を諦めてはいなかった 力の入らぬ膝を自ら凍結させ、固定し…氷刀を拾い上げる --  &new{2023-04-29 (土) 18:27:04};
---「犠牲ってのは…アマネの事か、それともこの街の連中?あぁ、それとも…臥待月の里の馬鹿共かな?どれも大した価値なんてない命さ、お前の命も含めてね…」&br;「一太刀振るえば、どんな相手でも打ち倒す刀…か。よりにもよって、わしがそれを受ける羽目になろうとは、な……」&br;完全に蚊帳の外、と思われた七瀬だが…雪月の視線が一瞬こちらに向いたのに気づく。彼の真意までは分からないが、注意を逸らす為に会話を長引かせている…&br;紫月に気づかれないよう、静かに軸をずらして…雪月と反対側、挟み込むような位置へと。 --  &new{2023-04-29 (土) 18:34:47};
---「残月の封印に力を割きっぱなしで、随分老けたもんだよな 見た目は取り繕えても…衰えが隠せてない。封印を解けばもう一分ぐらいは生き長らえるかもなぁ?けど、お喋りは終わりだ!」&br;「ぬぅっ……させん!」&br;背後から軍刀で切りかかる七瀬に対し、振り返りざまの手刀でその刀身を折り。体を捻ったことで雪月の方を向いた左手で、彼の氷刀を受ける。&br;万事休す。雪月が文字通り決死で稼いだ時間も、今ここで全て無駄になってしまった。 --  &new{2023-04-29 (土) 18:40:54};
---希望は潰えてしまったのか?…否。 折れた軍刀には目もくれず、七瀬はその足元に落ちた残骸を手にした。&br;つい先ほどまで善刃御刀だったもの。役目を終えて砕けてしまったその残骸に、七瀬の異能「栄華を偲ぶ扉」が作用する。&br;起きてしまった事実は覆せないが、刀を砕ける前の状態には戻せる…それは、この場で七瀬以外には為しえない事であり、誰もそれが可能などとは思いもしなかった。&br;ゆえに、七瀬以外の二人の反応は驚きに満ちたものであった。動揺…その一瞬の隙だけで充分、異能を使うまでもない。&br;「これで…終わりだぁっ!!」&br;拾い上げた姿勢から、すくい上げるような突きが紫月の脇腹に吸い込まれていく。 その一撃で、決着はついた。&br;本来あり得ぬ二度目の役目を果たし、善刃御刀は再び砕け散る。 そして倒れ伏した紫月が、信じられない物を見たような表情で血を吐く&br;「こんな事が……あっていい訳、ない…! ボクこそが、全てを……が、はっ……」 --  &new{2023-04-29 (土) 18:52:24};
---「終わりじゃよ、紫月……わしも、おぬしも。 お若いの…すまんな、巻き込んでしまって」&br;「お、終わり…だと…? 残月が…ヤツがいるのを、忘れたか…… は、ははは…これからが、本当の地獄……さ………」&br;そう言い残し、息絶えた紫月。傷の大きさが僅かだった雪月も、そう長くはないように見える。&br;「しっかりして下さい…回復魔法が、効いていない…!?」&br;自分の傷も顧みず、雪月の回復を優先するのだが 全く異なった種類の力が働いているのだろう、雪月は弱っていく一方で&br;「いや、わしの事はいい… ひとつ、頼まれてはくれんか…? 京都の、臥待月家に……残月塚を…」&br;そうして雪月が語ったのは、封印の術が解け、じきに残月が現代に蘇る事。末裔の臥待月家と協力し、それを阻止して欲しい事。最後に、自身のかつての愚行を悔い…&br;「もし……残月に、会ったら 伝えてくれんか…   すまなかった、と…わしが、間違っていた……と」 --  &new{2023-04-29 (土) 19:02:36};
-''2023年1月 京都 臥待山'' --  &new{2023-04-23 (日) 22:03:38};
--山の麓にある、臥待月家の別邸…この場合「黄昏月」の訓練施設といった方が妥当であるが&br;武家屋敷風の土塀に囲われた広大な敷地、その隅にある倉庫内。黄昏月のメンバーが今しがた作戦会議を終えたところであった&br;代表である弦月が交流を持っている、厚生労働省衛生二課の入谷という男…彼から齎された情報が事の発端だった。&br;「遠くない将来、残月塚の封印が解ける。残月が復活すれば、大規模な怪異災害が起こる可能性がある為、早急に対処を」&br;掻い摘んで説明すればそういった内容だった。怪異狩りの経験が長い者であれば、即気づけるほどの異変が山に生じている…&br;そのため、復活は近いと悟って監視と阻止を目的として残月塚へ向かわんとしていた --  &new{2023-04-23 (日) 22:12:36};
---黄昏月は基本的に家族運営の組織であるため、作戦行動時に全員が現地に向かうという場面は非常に少ない。&br;前線で戦闘を担当するメンバー、移動司令部である月影からそれを補佐するメンバー、拠点で待機し、必要に応じて他の怪異狩りに協力を要請する連絡メンバー&br;主にこの3チームに分かれての活動が主となる。 老齢である弦月は今回、訓練施設に残って連絡要員として待機。&br;弦月の息子である柊月(しゅうげつ)、並びにその長男…即ち弦月の孫である藍月(あつき)、長女の月羽(つきは)、次女の梨月(りつ)が戦闘チームとなる&br;月影からのサポートに、柊月の妻である琉唯(るい)、柊月の妹である世月(せつ)が入り…皓月荘での待機に、最年少となる次男の紗月(さつき)が配置された&br;本来であればまだ見習いの梨月は連絡かサポートいずれかに配置されるべきだったが、今回用意された作戦の為に特別に同行を許可されている --  &new{2023-04-24 (月) 20:39:54};
---&color(darkred){(1月の底冷えするような夜の空気さえ、心地良く感じる。当然だ、少し前まで冷凍されていたのだから)&br;(月明かりが眩しい。当然だ、五百年ぶりに浴びる光なのだから)&br;(楓の木の向かいに立つ鳥居を見上げ、次いで…周囲の景色を見渡す。やはり世界は、あるがままで美しい。そう感じられるのは、久々の外界だからというだけではないだろう)&br;(だが、忘れてはいけない目的がある。)……ユ、ヅキ… ……おのれ…!(全身より立ち上る熱は、解けた氷でびしょ濡れだった着物を瞬時に乾かした)&br;(そして遠くに、移動する奇妙な光を見つけた。現代に生きる者であれば、それが車のヘッドライトである事は容易に想像がつく)}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-04-24 (月) 20:53:07};
---いかん、既に彼は復活を……!(石段を駆け上がる戦闘チームの面々、そのいずれもが残月を目の当たりにしなくとも気づいた事だろう)&br;(凄まじいまでの圧力、妖力に。もしも伝承通り、この荒ぶる神が解き放たれたならば 優秀な怪異狩りの多い京都といえども無傷とはいかない。) -- [[柊月>ZS/0002]] &new{2023-04-24 (月) 21:00:57};
---&color(teal){父さん、下がって!ここは俺が引き受けます…(薙刀を構えた柊月の横に立ち、柄だけの刀に冷気を纏わせ…氷の刃を作り上げる白狐。)&br;(黄昏月の若きエースとして頭角を現し、雪月の再来とまで言われた青年。少なくとも並みの怪異であれば、彼の敵ではない。)&br;(しかし、相手が悪かった。その外見は、よく観察すれば雪月と別人であることは一目瞭然だが…今の残月にはただ一人の倒すべき標的にしか見えず、実力差も桁違い)}; -- [[藍月>ZS/0002]] &new{2023-04-24 (月) 21:07:36};
---&color(darkred){そこに居たかぁ、ユヅキィィィィィ!!!(怒りに我を忘れていなければ、こんな初歩的な見間違いも起こらなかったかもしれない)&br;(藍月が構え終えるよりも先に飛び出し、繰り出すは一月三終。一度目の斬撃が氷刀を粉微塵に砕き、二撃目が逆袈裟に藍月を裂き…致命となるであろう三撃目が…)&br;……何のつもりだ、小娘!(突如、二人の間に割って入った梨月によって遮られる。 いや、その身体は残月の愛刀である、月魄に貫かれているように見え…透過している 斬った手ごたえすら無い)}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-04-24 (月) 21:17:01};
---&color(darkgoldenrod){アツ兄、しっかり…!(振り返る事はせず、残月と対峙したまま)えーと、残月サン? まず最初に言っとくけど、それ人違い!&br;あとこれを見て! わたし達を斬るっていうなら、その後でも遅くなーいっ!(ばっと取り出すのは古風な装飾の施された鏡。)}; -- [[梨月>ZS/0015]] &new{2023-04-24 (月) 21:21:46};
---あっくんが一撃って、とんでもないわねぇ…(和傘を手にしたまま、柊月が藍月を引きずって下がる様子を見守る)&br;(残月がそちらへ向かうのであれば、和傘に仕込まれた各種の武器が迎撃を行う 援護のための備えであり…)&br;りっちゃんも、こういう場面で思いのほか…肝が据わってるわよねぇ 頼むわよ…? -- [[月羽>ZS/0002]] &new{2023-04-24 (月) 21:28:04};
---&color(darkred){これは……月蝕鏡…すると貴様らは(見覚えのある鏡。臥待月の一族だけが持つその鏡に映し出された姿に目を見開く)}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-04-24 (月) 21:32:39};
---&color(plum){残月様っ、どうかお気を鎮めてくださいっ!お怒りをぶつけるべきは彼らではありませんっ…&br;(鏡に映し出された姿は、残月のよく知る者…ただし、どことなく輪郭が揺らぎ 向こう側が透けているようにも見える)&br;雪月様は、もう…この世にはおりません!ですから、どうか…刀をお納めくださいっ…彼らは、あなたの敵ではないのです!}; -- [[アマネ>BN/0005]] &new{2023-04-24 (月) 21:37:28};
---&color(darkred){アマネ…貴様も既に、死んでいるのか。(だが、それでも認める事はできなかった)奴が死んだだと…? たわけが!&br;俺は奴を討ち、同胞の無念を晴らすためにここに居る!それが叶わぬというなら、何の為に俺は……!!&br;(激怒と、落胆と、悲愴と。様々な負の感情が混ざり合い、溢れ出す。それは残月塚自体に異変を生じさせた)}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-04-24 (月) 21:44:05};
---&color(darkgoldenrod){うぇっ!? ちょ、アレ何……(鏡を持ったまま、鳥居の奥…楓の木の根元に視線を向ける)&br;(ごぼごぼと音を立て、穴から溢れてくるのは血液。血なまぐささが充満し…)ヤバイんじゃないの、あれ…&br;(それが盛り上がったかと思うと、人型を形成し…古の妖狐の姿をとった。残月と同じく、黒狐である)}; -- [[梨月>ZS/0015]] &new{2023-04-24 (月) 21:48:50};
---&color(plum){お気持ちは分かりますが…残月様の感情が、ああして亡き同胞達に影響を与えてしまっています…!&br;このままでは、見境なく怨念のままに暴れる魑魅魍魎…怪異と化してしまいます、そんな事…残月様も望んでいないでしょう!?&br;今のままでは残月様自身でさえ、最後には……(手の付けられない怪異災害そのものと化す、と)}; -- [[アマネ>BN/0005]] &new{2023-04-24 (月) 21:55:11};
---梨月、月影まで戻ってすぐに世月と琉唯に藍月を運ばせるんだ。応急処置はしたが、すぐに病院へ連れて行かなければ…&br;残月様、どうかこの子達に同行願います…我々の話を聞いてからでも、遅くはありますまい。&br;(薙刀を拾い上げ、血から形成された妖狐怪異と対峙する)月羽、すまないが援護を頼む。 彼らが下がる時間稼ぎぐらいはしなければね -- [[柊月>ZS/0002]] &new{2023-04-24 (月) 22:03:18};
---&color(darkred){すまぬ……俺は、まだ約束を果たせん………許せ…(絞り出すような声を、妖狐怪異へとかけ…刀を納めると背を向ける)&br;俺は…どうすれば、いい…… 何故俺は、今になって……くそ…。}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-04-24 (月) 22:06:42};
---結果として、藍月は数か月の入院が必要なレベルの負傷を負い…暫く戦線復帰はできない状態となった&br;そして怪異化した妖狐1体に対し、ベテラン2名で挑んで、負傷しながらも辛うじて勝利を収めた…1体でも相当な脅威であることが判明したのだ。&br;これまで残月塚に投げ込まれた遺体の数を考えれば、その全てが地上に出てきた場合…災害級の被害を齎すであろう予測が立つ。&br;そして何より、残月自身が怪異化しかねない特大の爆弾であることも付け加えると、臥待月家の面々の心中は穏やかではなかった --  &new{2023-04-24 (月) 22:12:11};
-''この国が戦国で、この世が乱世であった頃のおはなし'' --  &new{2023-04-23 (日) 13:59:54};
--氷漬けにされたとはいえ、残月が死した訳ではなかった。一連の事件は、龍を喰った残月の乱心として処理され…その身体は、封印された&br;楓の木が立つ丘、岩盤深く掘られた穴の奥にその氷像は置かれ、復活しないようにと祀られた。残月塚と呼ばれたその地は、よほどの事が無い限り、誰も訪れる事は無い。&br;日の光届かぬ奥底で、意識だけが目覚めた残月は 自身への仕打ちに更なる怒りを募らせる。だがどうする事もできなかった --  &new{2023-04-23 (日) 14:07:02};
---数か月が経過した頃…一度だけ日の光が差し込み、何かが投げ込まれた。 それは同胞の、黒狐の死体であった。&br;その残留思念に意識を傾ける。何事があったのか、と問いかけた。&br;村では例の事件が原因で、黒狐が迫害されるようになった。何も悪い事はしていないのに、だ。彼らが憎い。&br;そう告げる死者に、残月は久しく怒り以外の感情を抱いた。そしてこう約束した&br;&color(darkred){「俺が必ず、奴に…雪月に復讐する。貴様らの無念を、代わって晴らすと誓う。」}; --  &new{2023-04-23 (日) 14:16:12};
---それからというもの、時々同じように死者が投げ込まれ…幾度となく同じやりとりを繰り返す残月。&br;葬ってやることでもできず、眼前で朽ちていく事を見届けるしかできない無念を噛み締めながら、その度に決意を新たにした。&br;それが2百年ほど続いた後…ぱったりと途絶えた。 思考は途切れ、疲弊しながらも…決して怒りの炎を絶やす事だけはしないまま。&br;そうして、更に3百年が経過した……共にこの地に眠る、大勢の同胞の恨みを背負い、ついにその時が来る。 --  &new{2023-04-23 (日) 14:21:51};
-''この国が戦国で、この世が乱世であった頃のおはなし'' --  &new{2023-04-17 (月) 20:25:34};
--紫月が離れると同時、打ち合わせ通りに雪月へ向けた狐火の合図を送る。もはや一刻の猶予もない&br;そして最悪な事に、龍は目を覚ましてきた。未知数の強敵を前に、対峙するは残月ただ一人…仲間の到着まで、持ち堪えなければならない。&br;夜の冷たい空気が、殊更に張り詰めていく… --  &new{2023-04-17 (月) 20:29:00};
---…ふあ〜ぁ、まだ眠いな…(大きな欠伸をしながら、洞穴の入り口に立つのは20代後半から30代前半といった風体の特徴のない男)&br;(しかし外見はさほど重要ではない。この龍にとって、仮初の姿など幾らでも自由がきく…老婆だろうと赤子だろうと)&br;んで……あんた、誰?(気の抜けた声で、目の前の黒狐に声をかける)あー…名前を聞くならまずは自分から名乗るべき、なんだけどな 名前…ないんだわ -- [[名も無き龍>ZS/0002]] &new{2023-04-17 (月) 20:46:57};
---&color(darkred){名前が無い…? 親にでも捨てられたか…あぁ、そうか。トカゲは卵から生まれるのだったな?親の顔も知らん訳か…不憫だな&br;臥待月残月…自らを葬る相手の名ぐらい、知る権利はあろう(空気が、ほんの少し揺らいだ。一瞬の静寂の中に、納刀の音だけが響く)この名だけ…覚えて逝け。&br;(龍の着ていた羽織の袖が、はらりと落ち…その向こうの洞穴の壁に大きな刀傷がつく)…零式閃21型。 今のは挨拶代わりだ}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-04-17 (月) 21:11:41};
---ひどい奴だな、あんた(落ちた袖の下から覗く腕は、人のそれではなく 鱗に覆われたもので)しかも、袖だけ落とす風に見せて 腕の一本持っていくつもりだった。&br;親がどうこう言うのなら、どういう教育を受けてきたんだって…おれだって言ってしまいたくなる(だが、さほど気にした様子もなく)&br;名前ってのはな、他と区別するためにつけるんだ。 つまりだ、唯一絶対…他に並ぶものがない存在に、名前は要らないってことだ。&br;満腹なのが残念だけどな、この前のに比べれば絶品の料理が目の前にあるとなったら…食わない訳にはいかない。九尾は初めて食うからな、美味いといいな&br;(そう言って、一歩踏み出すと…袴が風に揺れ、土煙が舞った) -- [[名も無き龍>ZS/0002]] &new{2023-04-17 (月) 21:54:52};
---&color(darkred){(直前まで、蹴りが来ると予測していたが…実際は違った。その僅かな対応の遅れが…)&br;ぐっ……!?(蹴り以上に間合いを測りかねる一撃は、龍の尾によるもの それは黒の狐面の左目部分を砕き…その下の赤い瞳が怒りの形相に歪む)&br;お互い様だろう、首を飛ばすつもりだったようだが…残念、まだ繋がっているぞ、たわけめ(挑発するように言うが、実力差は今の一撃で十分すぎるほどに理解できてしまった)&br;ついでに質問に答えてやろう、名無しよ。 俺は親にこう教わった…仲間を殺められたら必ず報復しろ、とな!&br;(怒りの感情で思考を塗りつぶさねば、不安がすぐにでも首をもたげる。それは敗北への第一歩だ)&br;(しかしながら、二人が戻ってくる気配はない 紫月はもとより期待していなかったが、雪月が戻らないのは何故か?)&br;(残月は決断を迫られる。約束通り仲間を信じ、時間稼ぎに徹するか…余力のあるうちに全力をこの場で出し、少ない勝ち目を拾うか)}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-04-19 (水) 20:58:38};
---あぁ、面倒だな……この姿だとやりづらいんだ まあいいや、運動すれば腹も減るかもしれないからな&br;報復、か…できるといいな? ただし、その頃にはあんたは…おれの腹の中だろうけどな&br;(けだるそうな表情でまた欠伸をすると、その体が大きく膨れ上がる 爆ぜるようにして周囲の地形を削りながら現れる巨体は…真の姿)&br;(長大な身体は強固な鱗に覆われ、鋭利な爪が手足に備わる…角と牙もそれだけで致命的な破壊力を持つ、理屈抜きに強大な存在) -- [[名も無き龍>ZS/0002]] &new{2023-04-19 (水) 21:15:09};
--龍が時間稼ぎ自体を許さなかったことにより、選択肢は事実上無くなったに等しい。そして仲間の到着はまだ…&br;全力でぶつかることを決意する残月だが…それでようやく五分…いや、僅かに届かない。&br;隙を狙うたび、カウンター気味に貰う傷…積み重なれば、それもいずれ致命傷となる。勝負を決めるための時間も、刻々と失われつつある中…残月は賭けに出た --  &new{2023-04-19 (水) 21:32:50};
---&color(darkred){(もはや満身創痍。だが…それこそが賭けの成立する要素でもある)…本当は、こいつを最初に拝む羽目になるのは、雪月の奴だと思っていたんだが&br;とっておきだ…とくと味わえ、貴様には勿体ない程の技だ(二刀を両の手に。そして広げた9本の尾、その傷口から噴き出す血が形成する刃は、9本の刀と化し…合わせて11本)…孤月・拾壱連!&br;(残月が初めて他者に披露するこの技は、正確には11種の技を混成接続したもの。その一つ一つが必殺技であるならば、これはもはや…超必殺技と呼ぶべき代物)}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-04-19 (水) 22:01:27};
---&color(darkred){(赤い斬撃が直線状に飛ぶ「紅月千里」(こうげつせんり))&br;(自分を中心に衝撃波を放つ「封月無辺」(ふうげつむへん))&br;(刀を振り上げることで、上空から無数の斬撃が降り注ぐ「戴月緋星」(たいげつひせい))&br;(一振りで一往復半、三度の斬撃を繰り出す「一月三終」(いちげつさんしゅう))&br;(強風が発生するほどの速度で二刀による突きを繰り出す「銀風弄月」(ぎんぷうろうげつ))&br;(刀の峰と柄尻で続けざまに殴打する「年災月殴」(ねんさいげつおう))&br;(瞬時に間合いを詰め、開いた両手の二刀を閉じるように斬りつけ、尻尾の妖血刀で突く「抹月緋風」(まつげつひふう))&br;(背を向け、尻尾の9刀を花のように開いた状態から一気に閉じる「終月閉花」(しゅうげつへいか))&br;(振るった刀から払った血を無数の刃として多方向へ飛ばす「誅秋無月」(ちゅうしゅうむげつ))&br;(六本の刀を上から下、五本を下から上へ 刀を牙に見立てて相手を噛み砕く技「落月臆霊」(らくげつおくりょう))&br;(月魄の抜刀に合わせ、数本の妖血刀を時間差で振り抜く「風清月魄」(ふうせいげっぱく))&br;(その全てを受けて、生存可能な生物などこの世には存在しない。 そう思わせるに十分な破壊…当然、その代償も絶大であり)}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-04-19 (水) 22:08:05};
---&color(darkred){(果たして、最後に立っていたのは瀕死の黒狐であった。 その立つ力さえ、すぐに失われ…バラバラになった龍だった肉塊共々、地に倒れ伏す)&br;(元々の負傷に加え、大技を11回連続で繰り出す気力、体力、妖力の消費…その最中も龍は無抵抗などではない。熾烈なまでの反撃を試み、残月自身にも致命傷を残していった)&br;……こ こまで、か………俺、も…(血と体温と共に、色々なものが失われて行く感覚。自己という存在が消えていくのを感じながら…思うのは、同胞の…村の未来)&br;(長にはなれなかったが、その役は雪月が果たしてくれることだろう。 待て……本当にそうだろうか?肝心な時にこの場にいない、奴に務まるものか?)&br;(加えて不安要素の紫月の存在も無視できない 他人を操る事に長けた外道は、いつか破綻を引き起こす毒となるだろう)&br;お、れ……は…………!(終われない、ここで終わる訳になど、いかない。四肢の先から力が抜けていく中、生存の方法を求めて思考を巡らす…その結果は。)}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-04-19 (水) 22:23:13};
--夜明け。 一方、雪月はといえば難航した交渉を纏め上げ、咎一族から借りた数名の増援と共に村に到着、村民から事情を聞いているところだった&br;確かに残月は合図をした筈であったが、それは雪月の知るところではなく…龍の居場所が分からず、合流を急ごうとしていたのだが…&br;そこへ遅れて現れたのは、満身創痍の残月だった。一歩も動けぬ筈だった彼が、命を繋ぎとめ、何故ここに立てているのか&br;答えは単純、龍の血肉を喰らったのだ…龍自身と同じように。その身に僅かながら龍の力と気配を宿し、割れた狐面の奥から怒気を孕んだ眼光を雪月に向ける --  &new{2023-04-23 (日) 12:56:51};
---&color(darkred){何故だ……雪月。(肩で息をしながら何とか立つ様子は、軽く小突いただけでも倒れてしまいそうな有様だ)&br;何故…来なかった。 合図はした筈だ……!}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-04-23 (日) 12:59:16};
---&color(teal){残月!その傷は……合図など無かったぞ!? まずはその傷を…龍についてはそれから…&br;(雪月は何一つ嘘を言っていない 現実に彼に合図は届いていなかった。駆け寄ってその手を取ろうとしたところで…伸ばしかけた手が止まる)&br;っ…… 残月、おぬし……もしや、龍を…(その身から感じる、数時間前とは異なる気配。だが龍が化けている、という訳でないのも分かる)&br;(この時、初めて雪月は目の前の親友に対して恐怖した。)}; -- [[雪月>SLV/0004]] &new{2023-04-23 (日) 13:03:01};
---&color(darkred){ふん……(咎一族の面々を一瞥し)大方、手柄を自分のものにするための…立会人か 抜け目が無いな。&br;やはり貴様を長になど…させる訳にはいかん!(怒りは頂点に達した。自らをも焼き尽くさんばかりの怒りの炎。それとは真逆、その場を見ていた者、全員の肝が冷えた事だろう)&br;(月魄の柄に手をかける あとは抜き放てば全てが片付く…筈だった)}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-04-23 (日) 13:14:54};
---&color(teal){(残月が柄に手を伸ばすよりも早く、彼に差し伸べる筈だった手が…それを凍結させた。ほんの一瞬の差が、明暗を分けたのだ)&br;許せ、などとは言わん……俺も最善を尽くしたつもりだ。だが、話が通じんのでは…こうするより他無い…&br;(冷気が、残月の腕を伝い全身に波及する 白く凍結していくその身体を見ながら思った。「自分は何を言っているのか」と)&br;(だが恐怖に駆られ、後には引けない行動に出てしまった。それは咎一族の見ている前だったから、残月が刀を抜こうとしたから…幾らでも言い訳は思いつく)&br;(この時の選択を、雪月は生涯…後悔する事になる。)}; -- [[雪月>SLV/0004]] &new{2023-04-23 (日) 13:23:09};
---&color(darkred){ユヅキィィィィィ!!!(そう叫ぶ声も長くは続かない。全身が凍り付いてしまえば、何もできず)&br;(万全の状態であったなら、こんな展開はあり得なかった事だろう 思考はただただ憎悪に支配されていく)&br;(許せぬ。雪月だけはこの手で、いつか。 意識は薄れ、そこで途絶えた)}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-04-23 (日) 13:31:09};
--その光景を、遠くの樹上から眺めてほくそ笑む者がいた。この件に関わっていながら、途中で姿を消した紫月である --  &new{2023-04-23 (日) 13:32:58};
---&color(seagreen){いいの?行ってやらなくて…なーんか剣呑な空気になってるよ?&br;(音もなく、隣の木の枝に立つは忍び装束の化け狸。村の方角へ視線を向けたまま)}; -- [[剪狸>NJ/0004]] &new{2023-04-23 (日) 13:38:58};
---&color(purple){こういうのは特等席でじっくり鑑賞したいんだ、ふふ…まずは一人。しかし雪月もそれほど頭は回らなかったなぁ&br;龍が釣れてしまったのは計算外だったが、他は全部ボクの掌の上だったっていうのに…まだ友情ごっこにかまけてる。&br;…きっとボクらが手を結んでいる事さえ、気づいてない。あぁ、愉快だ(初めから、紫月は咎の者と通じていた。彼らの妨害工作も、交渉を渋って長引かせることも、合図を見えぬよう術で阻害することも…作戦通り)}; -- [[紫月>ZS/0002]] &new{2023-04-23 (日) 13:44:29};
---&color(seagreen){んで、いい感じの頃合いを見計らって…自分も被害者でしたーって顔で現れるわけだ。紫月ちゃんあくどいなー、やる事が&br;ま、最後に勝つのがうちらだったら…あんまりそういうトコ気にしないけど?卑怯卑劣も、手段として必要なら…使わないのはバカだからねぇ}; -- [[剪狸>NJ/0004]] &new{2023-04-23 (日) 13:48:07};
---&color(purple){そういう事。まだあっちでやるべき事が残っているからな… もう少し、争いの種を捲いて…芽吹くまで育ててやらなきゃいけない。&br;それまでは甲斐甲斐しくお世話してあげようじゃないか。}; -- [[紫月>ZS/0002]] &new{2023-04-23 (日) 13:51:00};
-''この国が戦国で、この世が乱世であった頃のおはなし'' --  &new{2023-04-15 (土) 20:14:59};
--京都は愛宕山、その北にある小さな山。そこを臥待山と呼ぶようになったのはいつの頃だったか、定かではないが&br;魑魅魍魎が跋扈するこの地に、そうとは知らず移住して、これまた小さな集落を築いた妖狐の一族が居た。&br;彼らは臥待月と名乗る集団で、元より争いは好まなかったが 自身の生活を脅かす存在…現代でいう所の怪異は一掃するべきと考えていた&br;この時点で、集落の長は決まっておらず…「最も多くの怪異を狩った、最も強き妖狐を一族の長とする」 という事で皆が納得した。&br;有力な候補者は4人、この中の誰かが長となるのだろうと集落の誰もが思っていた --  &new{2023-04-15 (土) 20:29:40};
---氷結の術を得意とし、柄だけの刀に氷の刀身を形成する氷刀の使い手…雪月(ゆづき)&br;物怖じせず、実戦経験も豊富 集落開拓に必要な知識を持つ九尾の白狐である やや慎重派な面は長所とも短所ともとれた --  &new{2023-04-15 (土) 20:41:03};
---荒南風、沖南風、黒南風、白南風の4刀を携え、風の術を操る翠月(すいげつ)&br;温和で他者の言葉に耳を傾ける人格者にして、一児の父。六尾の狐で、四人の中では最もリーダーシップがあった人物だ --  &new{2023-04-15 (土) 20:46:26};
---最新武器であった火縄銃「月虹」を手に、罠や闇討ち、卑劣な手段を好む紫月(しづき)&br;狡猾で知恵が回る、ある意味において最も妖狐らしい存在だったが それゆえに人望は薄かった&br;その者の才能や特技を代償として、願いを叶える異能を持っていた 集落の中では新参者で、四尾の薄紫の狐である --  &new{2023-04-15 (土) 20:57:05};
---月魄と哀月鉄刀の二振りを提げ、自身の血をも刀身とすることができる剣客、残月(ざんげつ)&br;雪月とは最も長い付き合いで、親友と呼べる間柄であった 四人の中では最も気性が激しく、野心家である&br;力を信奉し、徹底した実力主義は他者を遠ざける事も多いが 根本的には善性であり、支持者も少なくなかった九尾の黒狐だ --  &new{2023-04-15 (土) 21:03:01};
---四人は、思い思いの手段で臥待山の怪異討伐を開始した。彼らの性質もあるが、互いが競争相手となってしまった事で…共闘という選択肢が失われた事。&br;これ自体が最大の失敗だったと気付く者など、この時点では誰も居ない。初めの一週間はそれほど順調に進んでいたのだから&br;だが、山の勢力図が描き変われば また新たな問題が外部から齎される。隣の山に以前より住んでいた化け狸、咎(とがめ)一族との小競り合いである&br;危険が排除されたならば、と自らの縄張りを拡げるために手を変え品を変え、妨害行為を開始したのだった --  &new{2023-04-16 (日) 13:36:05};
---異変が起きたのは翌週のこと 翠月が何者かの手によって殺害された。当然疑いの目は咎一族に向けられたが…それはすぐに否定された&br;彼らの間にも、同様の手口で殺害された同胞がいることが明らかとなった為である。 では、本当の下手人は誰なのか?&br;答えは、龍である。 その、名も無き龍は強大な妖力を持つ獲物を好み、各地を放浪し、気の向くままに捕食と殺戮を繰り返す存在であった&br;普段は目立たぬよう人の姿をして、狩りを終えれば暫く眠りにつく。 臥待山は今や、「龍」にとって格好の餌場となっていたのである --  &new{2023-04-16 (日) 13:43:34};
--&color(darkred){…翠月の遺品の四刀は、妻子に渡してきた。翡月は…父の刀を継ぐ気らしいが、気丈なものだ。&br;(人払いの済まされた集会場に、最後に足を踏み入れる黒狐 その表情は決して穏やかではない。怒りと苛立ち、無念さを隠せないものであった)}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-04-16 (日) 13:51:42};
---&color(teal){すまないな、辛い役割を頼んでしまって。暫くは、あの二人の様子を見てやらねばなるまいよ…&br;こうなってしまった以上、今後最優先すべきは…例の、龍討伐だな これも討ち取るべき魑魅魍魎に含めて然るべきと、俺は考える。}; -- [[雪月>SLV/0004]] &new{2023-04-16 (日) 13:56:13};
---&color(purple){アイツは真っすぐな奴だったもんなぁ、大方…ド正面からぶつかっていったんだろうさ(愚かなことで、と鼻で笑い)&br;とはいえ、競争相手の脱落は好ましい時期じゃなかったな?せめてアイツが無事なら、皆で束になってかかれば楽な仕事だったかもしれないってのに}; -- [[紫月>ZS/0002]] &new{2023-04-16 (日) 13:59:28};
---&color(darkred){口に気を付けろ、紫月。貴様が一人で道化を演じるのは勝手だが、それで村に余計な混乱を起こす事は許さん。&br;…して、雪月よ。貴様もこの期に及んで競争を続行しようという腹積もりか? 翠月を葬る怪物を前に……現実が見えているのか?&br;(この場に居る自分以外の二人へ向けて、鋭い視線を向け…問う)}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-04-16 (日) 14:05:46};
---&color(teal){現実を見ているからこそ、だよ…残月。 村民は皆、不安を感じている…こういう時こそ、纏め役が居なければならない。&br;だが、龍の討伐に関しては…個別にではなく一丸となって当たるべきと考える。長を決める競争の範囲外とすべきかは、事が済んでから改めて…考えよう&br;(黒の狐面を被ったまま、その表情を見せようとしないのは 彼自身も迷いが生じているからだろう)}; -- [[雪月>SLV/0004]] &new{2023-04-16 (日) 14:10:48};
---&color(purple){ま、各個撃破されちゃ話にならないんだ ボクぁ雪月に賛成だな…龍のヤツは、満腹になって今はどっかですやすや眠ってるだろうさ&br;ソイツを見つけ出して、寝首を掻くんなら…案外楽かもってな? なんにせよ、時間は少ない&br;で、やるべき事は山積みときた(腰を上げると、襖を開け)ヤツの寝床を見つけてきてやるよ 勿論、見つけても手出しはしない…まだ。&br;こういうのは、お前たち二人じゃ目立ちすぎるからなぁ…他の仕事を、今のうちにやっといてくれよ(じゃあな、と集会場を後にして)}; -- [[紫月>ZS/0002]] &new{2023-04-16 (日) 14:19:13};
---&color(darkred){勝手な奴だ。だが…あの言葉に嘘はあるまい 奴一人では太刀打ちできん事、奴自身が一番理解しているだろうからな&br;(閉じられた襖の向こうを見通すような目で、そう言い)…寝床を突き止めた後は、三人で合流…目を覚ます前に仕留める。&br;だが、万一の為に…村の守りも固める必要があるだろう それを俺達でやっておく……雪月?おい、聞いているか?}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-04-16 (日) 14:24:19};
---&color(teal){すまんが、それはおぬしに任せたい。俺は、今から咎の連中に協力を打診しに向かう…村だけの問題ではないのだ。&br;交渉がうまく運べば、討伐の戦力も揃うやもしれん …が、万一龍が目を覚ましそうであれば、狐火で合図を送ってくれ&br;交渉を切り上げ、即座に俺も駆けつける…約束だ。}; -- [[雪月>SLV/0004]] &new{2023-04-16 (日) 14:29:12};
---&color(darkred){貴様はよくよく俺に面倒を押し付けるのが好きらしい(趣味か?と肩を竦めて)…いいだろう、行って来い。&br;だが、あまり待たせてくれるな?待ちきれん場合は、俺が討ち取ってしまうかもしれんからな&br;…さて、まずは戦えるものを集めるか(そうして、直ちに龍討伐の為の準備が進められていった)}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-04-16 (日) 14:37:42};
--雪月が咎一族との交渉に向かい、紫月が索敵を行う間 残月は万一の際の避難場所の指示や、戦えるものに村の守りを任せていた&br;同時に、自身も同胞を失った気持ちを切り替え…戦いの前の準備を着々と進めていた。&br;それもあらかた済めば、出発前に雪月に頼まれていた用事を片付けに…彼の家へと出向く --  &new{2023-04-16 (日) 15:00:25};
---&color(plum){おかえりなさいませ、雪月様!お早いお戻りです……ね…?(開いた戸を見て駆け寄るが、家主とは違う姿にようやく気付き)&br;す、すみません残月様… どうなさったのですか?(そこで相手の神妙な面持ちに、何かあると察して)}; -- [[アマネ>BN/0005]] &new{2023-04-16 (日) 15:03:37};
---&color(darkred){雪月はまだ交渉先に出向いたきりだ、ゆえに雪月からの伝言と…これを渡しに来た。(細長い包みをアマネに差し出す)&br;奴が留守の間はアマネ…後継者である以上、貴様が雪月の代わりだ。よってこれを貴様に託す…&br;「善刃御刀(ぜんじんみとう)」…どのような相手であろうと、一太刀浴びせれば必ず滅せられる。しかし、使えるのは一度きり…その一太刀だけで刀身は耐えきれず、砕け散る。&br;もしもの時は、これを使って皆を守れ…それが雪月からの伝言だ。}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-04-16 (日) 15:09:46};
---&color(plum){これを、雪月様が……けど、それなら僕よりか、残月様が使った方がよろしいのでは…ないでしょうか?&br;(脇差サイズで、扱えない事もなさそうだが…自分よりも心得のある者が使えばよほど有用だろうと、素人ながらに考えて)&br;雪月様の代理、お任せされるのは嬉しいですけどっ…}; -- [[アマネ>BN/0005]] &new{2023-04-16 (日) 15:13:53};
---&color(darkred){正しき心の持ち主でなければ、その刀は抜けないようにできている…生憎俺には抜くことができん。&br;鞘を壊して無理に抜こうとすれば、刃諸共崩れ去る。…まぁ、貴様であれば抜けるだろう…アマネ。&br;それに…俺にはこいつがある(腰に差した二刀を示し)長年、手に馴染んだ刀の方がやりやすい いざという時、全力を出せんのではお話にならんからな&br;…用件は以上だ、俺としてもそいつの出番が無い事を祈る。 龍を村には一歩たりとも入れん…(約束だ、と告げて 雪月の家を後にした)&br;(困惑と不安に満ちているであろうアマネの顔を、見てやるべきではないだろうと判断し…速やかに踵を返した)}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-04-16 (日) 15:19:56};
--龍の寝床発見の報は、程なく齎された。気配を隠して先に敵を発見する、という一点においては紫月の技術は確かなものだったのだろう&br;残月も現地へと急ぐ…その寝床は、さほど深くない洞穴であった。が、不用意に侵入を試みれば勘付かれる恐れもある&br;合流した二人は、中の様子に注意しながら…雪月の交渉終了を待つ。交渉自体が終われば、雪月側からも合図をする手筈だ --  &new{2023-04-16 (日) 20:53:09};
---&color(darkred){(刀の柄に手を置き、瞬時に抜刀できる姿勢のまま…何時間経っただろうか。洞穴の奥の音に気を配り…)&br;確かに…中に奴が居るのだろう。 龍の睡眠がどれほどの長さかは知らんが…下手に刺激せねば、まだ起きはしまい&br;(こういった手合いは、とりわけ殺気の類には敏感だ それゆえ極力それらを抑えていたのだが)&br;………!(耳が、衣擦れの音を捉えた)…紫月。(視線は入口へ向けたまま 短く声をかける)}; -- [[残月>ZS/0002]] &new{2023-04-16 (日) 20:58:37};
---&color(purple){あぁ、手筈通り村に知らせてくるさ …ま、寝返り打っただけかもしれないけどな?&br;(残月のやや後方、木の上で構えを解き)ボクが戻るまでは適当に時間稼ぎだ、功を焦って先走るなよ?&br;(とん、と身軽に枝を蹴って木から木へと 村へ一旦引き返していく)}; -- [[紫月>ZS/0002]] &new{2023-04-16 (日) 21:02:06};