[[名簿/510392]]

-　 --  &new{2014-04-12 (土) 00:47:07};
-街から外れた、人気のない森に、ひっそりと建つ小屋がある、生前は&br;ハイエナを名乗る冒険者が塒としていたそこは、現在は彼のマスター&br;ヒラ・カワードが邪魔者を始末するための犯行現場として使い&br;また、その近辺は死体の臭いにつられた狼や巨大鼠達の住処となっている… --  &new{2014-04-08 (火) 20:35:45};
--その小屋の地下、かつてハイエナが自身が殺してきた犠牲者を捨てていた場所に&br;再び光が灯っている…照らし出されるのは、スラム街から連れ去ってきた、身寄りのない者達&br;「っあー…クソ、派手にやられたな、ヒヒ、あの女セイバー、マスターも結構やるじゃねえか&br;どっかの雑魚マスターとは大違いだな、なあ？」&br;そんな彼らを見やる二つの影の一つ…&br;かつてこの小屋の主であったハイエナという男は、隣にいるマスター…ヒラ・カワードに向け&br;煽るように喋りかける -- [[ハイエナ>名簿/510440]] &new{2014-04-08 (火) 20:40:32};
---「うう、うるせえ…てめえのせいでこっちだって酷い目にあったんだぞ…&br;だ、大体俺は反対だったんだ、あんな目立つ真似…運良く逃げられたから&br;よかったけど、もしそうじゃなけりゃあ…」&br;怯えるヒラの体は、既にそのほとんどが怪物のパーツに置き換えられ、最早元の姿は見る影もない -- [[ヒラ>名簿/510392]] &new{2014-04-08 (火) 20:44:52};
---｢オイオイ、そうビビんなよマスター」&br;震えるヒラに、馴れ馴れしく肩にをかけ、男は話を続ける&br;「確かにあいつのマスターがあそこまで強かったのは予想外だが、それならそれで別の奴に潰させりゃいい、他に強力な奴なんざ幾らでも居るしな&br;別に俺らだけであいつら全員何とかしなくちゃいけねえ訳じゃねえんだぜ」&br;その目が、怯えるヒラを覗き込むように見つめる&br;「それに、俺等にはつえー味方もいるじゃねえか、あのバーテンとこの奴等&br;あいつ等と組んで数に任せてマスター狙えば、どんな奴らだって余裕ってもんよ&br;ついでに、あいつ等の数も減らせるしな…誰がマスターしてんのか知らねえけど、駒減らしといて損はねえだろ」 -- [[ハイエナ>名簿/510440]] &new{2014-04-08 (火) 20:57:06};
---聖杯戦争の間の短い付き合いだが、ヒラはこのハイエナというアサシンと共にいて&br;わかった事が一つだけある、この男は本当に、自分以外の一切を欲を満たすためのモノとしか見ていない&br;&br;ただ腹が減ったから喰う&br;ただ邪魔だから、楽しいから殺し、踏み躙る&br;犯したいから犯す&br;欲しいから奪う&br;壊したいから滅ぼす&br;&br;獣…いや、それよりも己の欲望に正直で、かつ一切の人らしい感情を見せない&br;聖杯戦争について自分で調べるうちに知った事…マスターとサーヴァントには繋がりができ&br;時に互いの過去を夢で見るというらしいが、この男の過去を夢として垣間見た事等、今に至るまでただの一度もない&br;&br;「…ああ、そうだな」&br;恐れるように、視線から目を逸らし辛うじて返事をする&br;今さらになって痛感する、自分が呼び出してしまったものの凶悪さを、こんな存在を&br;そしてそれを呼び出し得た自分が、如何に同等の、救い難い存在であるかを&br;後悔と恐怖から、ヒラの顔が苦み走ったものになり、手に力が入る -- [[ヒラ>名簿/510392]] &new{2014-04-08 (火) 21:08:28};
---「あ？んだよその態度…あー、もしかしてティラの事とか考えてんのか」&br;ハイエナの顔が、邪悪な笑みで歪む、御伽噺の中の悪狼達も、きっと犠牲者に対し&br;この様な顔をいつも向けていたのだろう&br;「随分仲良くしてたもんなあ？&br;まあ安心しろよ、俺別にあいつにゃあ興味ねーし、マスター殺しても残る様だったら、生かしといてパシリとして使うからよ&br;ヒヒ、なんならおめえのモンにしたって構わねえぜ？使いやすい様手足切り落として…」 -- [[ハイエナ>名簿/510440]] &new{2014-04-08 (火) 21:14:04};
---「うるせえよ！」&br;自分でも驚くほどの大声をあげて、ハイエナの言葉に反論する&br;この男に逆らえば…マスターすら気分で殺しかねないような男に、何をされるかわからないというのに&br;あのティラシンとかいう子については、自分でもどう思っているかわからない&br;この異常者の事を先輩と慕い、甲斐甲斐しく世話を焼いてる、あの少女…&br;生まれた時から魔術師として落ちこぼれで、何の取り柄も無く誰からも見下され生きてきた自分に&br;偶然とはいえ、ハイエナのおまけの様な扱いとはいえ、唯一普通に接してくれた少女&br;&br;「…餌喰うんだろ、さっさとしろよ,俺は上に行く」&br;&br;何とかそれだけ返すと、さっさと上への階へ戻り、そのまま小屋の外へ出る&br;予想に反し、何やら面白そうににやにやしている&br;ハイエナに、これ以上いると何か余計な反論をしかねないのと&br;&br;これから始まる事を、見ないようにするために -- [[ヒラ>名簿/510392]] &new{2014-04-08 (火) 21:31:56};
---｢ヒヒ…ま、時間はあるんだからよ、ゆっくり考えて決めな、マスター…ヒヒヒ！」&br:しかめっ面で戻るマスターを見届けると、連れてこられた者達へと視線を移す&br;&br;「さあて…」&br;その体が膨れ上がり、人狼へと姿を変える&br;&br;安心しな、今の俺ぁ骨まで残さず食う性質だからよ、安心して成仏しろや&br;&br;&br; -- [[ハイエナ>名簿/510440]] &new{2014-04-08 (火) 21:36:14};
---(小屋の外で、煙草を吸おうと火をつけようとして、ライターのオイルが残っていない事に気づく）&br;…クソッ…何で、何で俺はこう…&br;（舌打ちをして、取り出した煙草をしまうと、男は小屋を後にした） -- [[ヒラ>名簿/510392]] &new{2014-04-08 (火) 21:38:52};
-　 --  &new{2014-04-08 (火) 20:32:49};
-「くそ、くそ…！！」&br;あの惨劇を起こした小屋の中で、男が必死に本の通りに儀式の陣を描いている。&br;「なんなんだよ…！何でいつも俺ばっかり…！」&br;目に涙を浮かべながら、描いた魔方陣の中心に立つと、本に書かれたとおりの呪文を詠唱し始める -- [[ヒラ>名簿/510392]] &new{2014-03-21 (金) 18:46:11};
--「おい、出てこい！いるのはわかってんだぞ！！」&br;「お前には殺人の容疑がかけられている！大人しく投降しろ！」&br;小屋の外からは、男二人の怒鳴り声が響いてくる&br;「くっそ、無駄な抵抗しやがって…おい、このドアぶち破るぞ！」&br;「は、はい！」&br;その掛け合いの直後、冒険者も武器としてよく使う、伐採用の斧が扉に振り下ろされ&br;扉を突き破り刃を覗かせる。 --  &new{2014-03-21 (金) 18:49:32};
---心臓が破裂しそうなほど高鳴る、そうでなくても早鐘のように鼓動を加速する心臓は&br;男の胸に痛みを訴えており、このままでは心臓が破裂してしまうのではないかという不安を、男に抱かせる。&br;（何で、何でいつもこうなんだよ！クソ…！）&br;心の中で怒りをぶちまけ、男は呪文を唱え続ける… -- [[ヒラ>名簿/510392]] &new{2014-03-21 (金) 18:51:44};
---―時間は数時間前に遡る。&br;あの惨劇を起こした後も、男は呑気に街に留まり、次なる金ヅルを求めて年若く、比較的裕福そうな少女に&br;甘い言葉をかけ、騙して金を巻き上げようと画策していた…しかし、思った以上に&br;うまくいかなかった男は、舌打ちをしながら、スラム街の角で煙草をふかしていた --  &new{2014-03-21 (金) 18:55:15};
---「もしもし、そこのかっこいいお兄さん、よければ占いなんて、いかがかな？」&br;と、その時であった。唐突に、男に声を掛ける声。&br;声のする方に振り向けば、そこにはいかにも怪しげな男性の姿。&br;銀色の長い髪に、人当たりの良さそうな笑顔、中東や欧州、中華にはては極東のありとあらゆる秘術の衣装をごちゃ混ぜに、何着も重ねてきたかのような姿は&br;胡散臭いの一言に尽きる容姿である。&br;「ねえねえかっこいいお兄さん、占い、どうかな？&br;お代は無料、もし占わせてくれたら、今なら更にいいものあげちゃう！」&br;怪しげな青年は、男へ向けまるで新聞の勧誘か何かのように、占いを勧めてくる。 --  &new{2014-03-21 (金) 19:01:53};
---「…じゃ、じゃあ頼もう、かな…」&br;目の前の青年の有無を言わさぬ強気なセールストーク、加えて&br;その紫の瞳や、全身から放つ形容しがたい、不思議な雰囲気にのまれた男は&br;つい、青年の頼みを了承する、それが、おのれの運命をこれから&br;大きく変える事になるとも知らず -- [[ヒラ>名簿/510392]] &new{2014-03-21 (金) 19:03:52};
---「オーケーオーケー！！まあ任せときなって！僕に&br;かかればどんなお先真っ暗な人生も明るくハッピーに光り輝かせてみせるさ！&br;さ、それじゃ始めようか」&br;青年は、男に手をかざし目を瞑ると何やら怪しげな呪文を唱え始める…&br;「…む、むむむ！おお、これは…！ああ、なんてことだ…！！」&br;大げさに驚き、眉を顰める。いよいよもって怪しさを増してきたが&br;やはり、その不思議な雰囲気が、目の前の青年の言葉が、嘘ではなく、本当に何かただならぬ運命が自分に起きようと&br;してるのではないかという不安や焦燥を、男に抱かせる --  &new{2014-03-21 (金) 19:07:50};
---「お、おい…なんだよ、何が起きるんだよ俺の人生…」&br;怯えた様子で、青年に話しかける男の脳裏を、あの日の殺人の記憶が掠めた -- [[ヒラ>名簿/510392]] &new{2014-03-21 (金) 19:09:39};
---かざした手を下し、先程までと変わり、真剣な表情の青年が、ぽつぽつ語り始める。&br;「あなた、つい最近…とても後悔する事をなさりましたね。&br;貴方の人生は今、そのせいで陰気に蝕まれ、底無し沼の様などん底へと沈みつつあります…」&br;青年は、懐から何か古びた本を取り出すと、男に手渡す。&br;「おそらく今のままでは、貴方は血かうちに確実に破滅するでしょう。&br;残念ながら私自身には貴方の運命を変える力はございません…ですが、ご安心を」&br;そこまで伝えると、青年は力強い、確信に満ちた笑みを浮かべ&br;「この本に書かれた魔術が、貴方をきっと救ってくれます！&br;この本に書かれているのは困難を払い、力をもたらし願いを叶える奇跡の魔術&br;必ずや、貴方の手助けとなる筈です」&br;不思議と安心感を齎すその言葉に、男はどこか、救われた気分を味わう。 --  &new{2014-03-21 (金) 19:16:19};
---「は、破滅って…追いなんだよそれ、どうすりゃ助かるんだよ…！」&br;くってかかろうとした男を遮る様に、青年から古びた本を手渡される。字がかすれて読めないが&br;手触りや質感から、相当な骨董品なのはすぐに分かった。&br;「この本が…」&br;青年の語る胡散臭い言葉の数々は、やはり彼の持つオーラとでも言うべき、独特な雰囲気により&br;言葉自体が力を持ったように、男へ安心感をもたらし、この本に書かれた魔術に&br;希望を感じさせる&br;「な、なああんた、あんたは一体、何者何d」&br;男が本へ視線を移し、再度青年の姿へ視線を移そうとした時には&br;もう既に青年の姿はどこにもなかった… -- [[ヒラ>名簿/510392]] &new{2014-03-21 (金) 19:20:24};
---「…一体、何だったんだ…あいつ…」&br;とにかく、もう一度女へ声をかけようと表に戻ろうとした時、不意に男に立ち塞がる様に二人の大柄な男が現れる。&br;「ヒラ・カワードだな、俺達はこの街の自警団のものだ」&br;「あんたが付き合っていた子がつい最近行方不明になっていてね&br;あんたのとこへ行くって最後に友人に伝えていたと聞いたんだ&br;ナンパに忙しい所悪いが」&br;&br;大男の片割れが最後までいいきるより早く、気づけば、男は森の隠れ家へ向け逃げ出していた。 -- [[ヒラ>名簿/510392]] &new{2014-03-21 (金) 19:23:43};
---―そして時間は現在に戻る。&br;&br;'''抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――！'''&br;&br;呪文を言いきると同時に、魔方陣から力が生み出されつつあるのを感じる、だがそれは、男が望んだようなこの危機を脱するもには到底感じられず…&br;「ちっくしょお！！何が願いをかなえる、だよ…！」&br；あれから小屋へ逃げたものの、しっかりと追いかけれていた男は逆に逃げ場をなくし&br;八方塞がりとなった結果、隠していた弾丸の入っていない銃を威嚇に持ち出し&br;相手が怯んでいる間にバリケードを築いた、だがうっかり弾が入っていない事を&br;誘導尋問にかかった男は、最後の手段としてあの青年から渡された本を元に、この魔術に望みをかけたのだ -- [[ヒラ>名簿/510392]] &new{2014-03-21 (金) 19:29:54};
---「冗談じゃねえ、冗談じゃねえぞ…！俺が殺したなんてばれて捕まったら、何年ぶち込まれるか…&br;嫌それだけじゃねえ、グイドや他のバカ女達を殺したことがばれたら…」&br;爪を噛み、恐怖に震えながら弾の無い銃をドアへ向け、恐怖に震える。&br;「いやだいやだいやだ、死にたくねえ死にたくねえ死にたくねえ…！！&br;消えろ、消えろ消えろ消えろよォ、どっか行ってくれ…！」&br;だが、男の願いも空しく、ついにドアは完全に破壊され、自警団の二人が部屋の中に入り込む -- [[ヒラ>名簿/510392]] &new{2014-03-21 (金) 19:33:10};
---「とうとう追い詰めたぞ！さあ、少女の居所を吐いて―」&br;続くその言葉が、踏み込んだ自警団の男が口にするよりも早く&br;何かが自警団の男の首を通り過ぎる。&br;一瞬遅れて、首が胴体から離れ地面へごろりと堕ちた自警団の男は、バランスを失い仰向けに倒れ込んだ&br;その義憤に燃えた顔は死してなお変わる事はあらず…おそらく、自分が死んだ事に気づく暇も無かっただろう --  &new{2014-03-21 (金) 19:40:13};
---「…先輩、先輩どうしたんですか！」&br;後輩らしき、年若い男が小屋へと踏み込む&br;そして視線の先に彼の先輩の死体を捕らえた直後&br;何か大きな、人型の影が若い男に飛び掛かり、その喉笛に食らいつき、一撃で喉の半分以上を食いちぎった。&br;「…っ！ッッ！ひ…ゅ…」&br;理解の追い付かないまま、人型の影に押し倒され、直後に腹部に感じる熱い感覚&br;下を見れば、影が持っていたのであろうショートソードが、自身の腹を貫き&br;更に影は間髪いれず若い男の腹名の中に手を突っ込むと臓物を引きずり出しぐちゃぐちゃと貪り始めたのだ&br;「〜〜〜〜！！！〜〜〜〜！！！」&br;首を食われ、碌に声を上げる事も出来ない若い男は&br;ただ声にならない、空気の漏れるような悲鳴をあげ、己が内臓を謎の怪物に貪られる恐怖と苦痛に、身を捩る --  &new{2014-03-21 (金) 19:46:58};
---「…は、はへ？」&br;涙と鼻水でぐしゃぐしゃに歪んだ顔が、突然の出来事にぽかんとする。&br;魔方陣から現れた黒い影は、突如踏み込んできた男に剣らしき物を振るいその首を切り落とし&br;更に踏み込んだ男へ飛びかかると、そのまま貪るように、まるで犬か何かのように捕食を始めた&br;&br;｢あ、お、おまえ…お前、いったい…何なんだよ…」&br;余りの出来事に理解が追い付かず、思わず突如現れた目の前の影に問いかける -- [[ヒラ>名簿/510392]] &new{2014-03-21 (金) 19:50:45};
---「っあ〜…うめえなあ…やっぱ肉は新鮮なモンに限るぜ…」&br;男に声をかけられれば、人影が立ち上がり、つかつかと男の元へ&br;「よお、俺の名前は今はアサシン、昔はハイエナっつわれてたんだ…&br;よろしくなあマスター様よ、ヒヒッ！&br;…あーってか、まずそれ聞いとかなきゃいけねえんだったなあ」&br;アサシン…ハイエナと名乗った、血走った眼の男は、ヒラへ問いかける&br;&br;｢問うぜ、あんたが俺のマスターかい？」&br;&br; -- [[アサシン>名簿/510440]] &new{2014-03-21 (金) 19:54:44};
-夜も更けた頃、森のとある小屋の中、男女の荒い息遣いが聞こえる。&br;だがそれは、愛の営みによるものではなく、どちらかと言えばもっと切羽詰まった&br;そう…まるでこれから、何か惨劇が起こる事を予感させる、そんな息遣いだ --  &new{2014-03-21 (金) 00:58:56};
--吐息の主の一人である女は、体を縛られ、床に転がされてる。&br;年の頃は10代後半と言ったところか、華やかさは無いが優しさを感じさせるその顔は&br;今は恐怖に引きつり、見る影も無い。&br;口には猿轡をされ、視線と唸り声だけが、その先にいる人物へ彼女の感情を訴えかける。 --  &new{2014-03-21 (金) 01:01:42};
---「はあ…はあ…おめえが悪いんだよ…」&br;そして、女の視線の先にいるのが、二つの吐息のもう1人の主&br;安っぽいスーツに身を包んだ、いかにも軽薄そうな若い男。&br;「お前があんな事言うからよォ、俺がこんな、こんなメンドくせえことしなくちゃならねえんじゃねえか…！！」&br;いらだたしげに、縛られた女へ向け男が怒鳴り声を浴びせる。 -- [[ヒラ>名簿/510392]] &new{2014-03-21 (金) 01:04:51};
---「…！！…！！！」&br;女は、猿轡をされているにもかかわらず、必死に何かを口にしている…と&br;偶然にも、猿轡が緩み、女の口が自由になる&br;「何で！何でこんなことするのよヒー君！あたし達結婚しようって…ずっと一緒にいようって…！」&br;涙目になりながら、先程の男に勝るとも劣らず声を張り上げ、女が男へ訴えかける。 --  &new{2014-03-21 (金) 01:07:32};
---「はあ！？そんなのお前から金引き出すための口実に決まってんじゃねえか！！&br;ってかよ、そんなのウソだってわかれよ！だから馬鹿な女は嫌いなんだよ…！しかもそのうえ妊娠しただあ？&br;責任とれだあ！？冗談じゃねえよクソが！」&br;自分の言葉に自分で怒りを煽り、ヒートアップした男が女の顔を蹴りつける&br;「しかもフッたら周りに言いふらすとか喚きやがって…そんな事言われたらよぉ」&br;男は引きつった笑顔を見せ、女に顔を近づける。&br;「そんな事言われたらよォ、もう殺すしかねえじゃねえかよ…！」 -- [[ヒラ>名簿/510392]] &new{2014-03-21 (金) 01:11:21};
---「っぁ！！」&br;避ける事も出来ずに、顔を蹴られた女が苦悶の声を上げ体を捩る、口の中を切ったのか&br;その口元からは血が垂れていた。&br;「何で…何でそんな事言うの…あんなに愛してるって、言ってくれたのに…」&br;目に涙を浮かべ、男へと自身の愛を告げる。&br;もしかしたら思いなおしてくれるかもしれない、或いは&br;改心して、自分と本当に付き合ってくれるようになるかもしれない&br;若さゆえの無根拠な自信からくる、或いは愛したが故に相手を見ない、盲目の愛から導かれた希望的観測は「…え、ヒー君、今なんて…」&br;次に男が口にした言葉によって、完全に崩れ去った&br;「ちょっと、嘘でしょ？お腹には赤ちゃんいるんだよ…？&br;まさか本気でやるわけじゃないよね？ねえ、ねえったら！？」&br;悲鳴じみた声で、縋る様に男へと叫びかける。 --  &new{2014-03-21 (金) 01:18:11};
---男は女の訴えには聞く耳も持たず、女の掌を、持ってたナイフで傷つけると&br;玄関へと引きずっていく。&br;「この辺りってよ…実は結構狼や巨大鼠がいてさ、すげえんだぜあいつ等、マジで跡形もなく食っちまうの」&br;緊張と嗜虐的な愉悦と興奮から、いびつに歪んだ笑顔の男は、まくしたてるように&br;女へ向け、自分がこれからしようとしている事を、簡単に説明した。&br;「安心しろよ、あいつ等腹が空いてたらあっという間に食い殺してくれるからよ…！！&br;グイドやお前の二つ前の彼女なんか、悲鳴上げる暇も無かったんだぜ…！」 -- [[ヒラ>名簿/510392]] &new{2014-03-21 (金) 01:22:16};
---ここへ来て、ようやく女は悟った、この男が自分を本気で、毛ほども愛していない事。&br;邪魔になった自分を、本気でこの森の怪物どもの餌にするつもりだという事を。&br;「あ…あ…お願い、やめて…もう結婚しなくていいから、あたし別れるから」&br;扉が開く、外の闇が、とても恐ろしいものに見えた。&br;「やだ、やだやだやだやだ！！！！！&br;お願い助けて！何でも言う事聞くから！妊娠したっていうの嘘だから！&br;もう二度と貴方の前に現れないからぁやだやだ！&br;死にたくない！死にたくないよ助けてパパ！ママ！！」 --  &new{2014-03-21 (金) 01:25:56};
---「んな事言ったってよ、もうおせえんだよ…グイドとあのバカ女の事口しちまったしよ…！&br;怨むなら自分の馬鹿さを恨めよ、間違っても俺を恨んだりするんじゃねえ、ぞ…！」&br;そう言って男は、玄関の前に女を放り出すと、勢いよく扉を閉め、カギをかけた&br;「俺は悪くねえ、あいつが悪い…あいつが悪い…あいつが悪い…」&br;呪文のように繰り返しながら、ただその時が来るのを、耳をそばだてて待つ -- [[ヒラ>名簿/510392]] &new{2014-03-21 (金) 01:29:30};
---「あ…！！」&br;暗く、冷たい夜の森へと放りだされる、咽かえるような草の臭いが、女の鼻をついた。&br;女は、体全体を使って芋虫のように這うと、頭で必死に扉を叩き&br;「やだやだ！冗談でしょヒー君！！ここ開けてよ！あけてったら！」&br;必死に中へ戻すよう懇願する…と、不意に、草むらの陰から、何かが姿を現す。&br;四本の足でひたひたとこちらへ迫る黒い影…月のあかりが照らし出した&br;それは、おそらく群れのボス格であろう、通常のものより一回り大きい狼が、獲物を前に、唸り声をあげていた --  &new{2014-03-21 (金) 01:34:19};
---「あ…ああ…」&br;恐怖の余り声も出ないのか、扉を押し込むように必死に後ろへ後ずさる。&br;血の臭いにつられたのだろう、ボス格の狼が姿を見せれば、その後に続き狼や、そのおこぼれを狙う巨大鼠達が何匹も姿を現す。&br;&br;「いや…やめて…こない」&br;&br;少女が言いきるよりも早く&br;狼が、彼女へと飛びかかる&br;&br;絶叫が、夜の森に木霊した。 --  &new{2014-03-21 (金) 01:37:28};
---「あああああああああああ！！！！！！！！&br;痛い痛い痛いぃぃいいいいいいいいいいい！！！！！！&br;やめてやめてやｍｔあたしのおっぱい食べないでよ離れて、離れ…いぎぃぃいいいい！！！&br;がぁぁあ！！だずげで、だれが、だれがだずげでぇえええ！！！ひーぐん！ひーぐぅぅううん！！１&br;あぁ、あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”！！！！お腹食べないでぇ！赤ちゃんもっでがないでぇええ…&br;あぎ、が…」 --  &new{2014-03-21 (金) 01:40:09};
---少女の絶叫を、心に罪悪感と興奮の両方を沸き立たせながら、その時が終わるのを待つ。&br;どれくらい時間が経っただろうか、やがて完全に声も聞こえなくなり、獣の気配もしなくなると&br;男はそっと扉を開け、女がどうなったかを確認する…&br;&br;外には、既に女の原型をとどめている物は無く、ただ大量の血だまりと、いくつか人の細かい残骸が残っているだけであった&br;&br;「…は、お前が悪いんだよ…お前があんな事、言いだしたりしなきゃよお…」&br;女の残骸へ八つ当たりするように踏みつけながら、言葉を吐くと&br;男は小屋へ戻り、残りの証拠を隠滅すべく&br;作業に取り掛かった… -- [[ヒラ>名簿/510392]] &new{2014-03-21 (金) 01:44:57};
-テストテスト -- [[ヒラ>名簿/510392]] &new{2014-03-15 (土) 02:14:54};