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* マダオ家出身 アンサー・ストレイト 394142 [#o50b0bf5]
|ID:|394142|
|名前:|アンサー・ストレイト|
|出身家:|マダオ|
|年齢:|51|
|性別:|#listbox3(男,server,sex)|
|前職:|#listbox3(ごろつき,server,job)|
|理由:|#listbox3(立身出世を目論んで,server,reason)|
|状態:|#listbox3(冒険中,server,state)|
//////////
|方針:|#listbox3(探検を優先,server,type)|
|難易度:|#listbox3(実力相応,server,diff)|
|信頼性:|#listbox3(あまり気にしない,server,conf)|
|その他:| [[ステータス>http://gold.ash.jp/main/?chrid=394142]]/[[戦歴>http://gold.ash.jp/main/advlog.cgi?chrid=394142]]/[[名簿>名簿/394142]]|
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// ※ ご注意「//////////」より上は変更可能個所以外はそのままにして下さい。
// タイトルの「家出身」の記述も含まれます。




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*アンサーの過去 [#o5a51eba]

//アンサーが生まれる数百年前
//かつて建国王と呼ばれた男が居た
//王となる夢を見た男は一振りの剣と共に生まれ育った名も無き村を出た
//そうして男は旅をし夢に見た未開の地を見つけた
//男は剣を一振りし多くの木々を切り倒し土地を開く
//男が切り開いた土地に人々が集い人々は男を王と呼んだ
//王の剣は人々を傷つけようとする盗賊全てを一振りで打ち倒した
//王の剣は土地を奪おうとする侵略者全てを一振りで切り倒した
//こうして王に守られた土地は栄え一つの国が生まれたのだった
//後の人々は尊敬を込めて男を建国王と呼んだ
//男の名はアーサーといった
//
//アンサーが生まれる23年前
//北の国々の中にある二つの大国に挟まれた小さな国
//常に争い続ける大国の間にありながら三方に山を囲まれ一方が海に面したその国は
//幾度も両国に攻められながらも堅牢な守りにより長き歴史を保ってきた
//その小国の中にある特に何も無い村
//建国王発祥の地と名乗るその村に二人の男児が生まれた
//建国記念日に生まれた二人は建国王のように育つようにとアーサーと名付けられた
//
//アンサーが生まれる18年前
//二人のアーサーはすくすくと育ち悪戯好きな少年へと育った
//同じ日に生まれたからか小さな村だからか二人は兄弟のように仲良くなり
//悪戯をしては大人に叱られ悪戯をしない日は入ってはならないという森で遊んでいた
//
//アンサーが生まれる15年前
//二人のアーサーが8歳になる日に転機は訪れた
//いつもと同じく森で遊んでいた二人の前に巨狼が現れたのだ
//普通の狼の倍以上もあるその体と瞳に射竦められ動けない二人
//そしてその二人を喰らうべく近寄る狼
//その時少年達の後ろから現れる狼よりも小さく、しかしとてつもなく早い影が現れ
//影は狼、そして少年たちが瞬きをする間も無く一瞬の銀閃と共に狼を切り捨てたのだった
//影は偶々村に用事があり立ち寄っていた冒険者だった
//冒険者は巨狼が隣村で暴れた事を伝えに来たが子供達が居ない事を知らされ追いかけてきたのだ
//二人はそのまま冒険者に連れられ村へと戻り盛大に叱られる事となった
//
//アンサーが生まれる15年前
//冒険者は剣士であり同時に学者でもあった
//建国王の実在を確かめようとしていた彼は幾つもルーツを唱える村々を調べ
//同じく唱える村に滞在し建国王が遺したであろう何かを探していた
//そんな冒険者に二人のアーサーは頼み込む
//自分達を弟子にしてくれと
//恐怖で何も出来なかった自分達とは違い一振りで狼を倒した冒険者に二人のアーサーは憧れを抱いていたのだ
//冒険者は子供達に剣は必要無いと幾度も断るが数日、数週間、数ヶ月
//毎日頼み込む二人の少年達に折れ調べ物が見つかる、または何も無いと分かるまで
//その条件を付け冒険者は二人のアーサーの師匠となるのだった
//
//アンサーが生まれる14年前
//冒険者は建国王について極めて重大な古文書を見つける事となる
//それは建国王の剣術書、御伽噺の剣術の証明となる代物だったのだ
//しかし文字は非常に古く学者である冒険者ですら読み解くには時間のかかる代物
//こうして冒険者は何も無い村へ住む事を決めたのだった
//
//アンサーが生まれる13年前
//冒険者は剣術書から一つの技を読み解いた
//それは見えぬ程の速さで突き進み進路上を切り開く奥義
//かつて建国王が土地を切り開く時に使った技であった
//冒険者はこの技を再現し二人のアーサーへと授けたのだった
//
//アンサーが生まれる11年前
//冒険者は更に剣術書から一つの技を読み解いた
//それは圧倒的な剣速により斬撃を飛ばし全てを薙ぎ払う奥義
//かつて建国王が土地の収穫物を狙う多くの獣や盗賊へと放った技であった
//冒険者はこの技を苦心し再現し二人のアーサーへと授けたのだった
//
//アンサーが生まれる9年前
//冒険者は剣術書に残る最後の技を読み解いた
//剣術書に書かれていた多くの技はこの国の騎士団に受け継がれている技
//しかしこの技は全くの異質、鎧を着た騎士にはとても使える代物ではなかった
//それは例え相手が何処に居ようとも瞬時に寄り切り捨てる奥義
//かつて建国王が国を奪おうとした王達を切り捨て国を守り続けた技であった
//冒険者はこの技を再現する事は生涯出来なかった
//しかし二人のアーサーはこの技をまるで己が技の如く再現して見せたのだった
//
//アンサーが生まれる8年前
//二人のアーサーが冒険者の下普段と変わらぬ修行を続けていたある日
//それまでの平穏を覆すかのような報が届いた
//二つの大国が軍備を増強し始めたというのだ
//二人のアーサーが居る国は二国に食い込む形で存在する為征服した場合
//補給地としての利便性、相手国に対して侵攻の幅が広がるなどの利点が多い為戦争が起こる度に巻き込まれた
//今回もまた巻き込まれるのだろうとかという空気が村に漂う中村に徴兵の報が届く
//兵士により幾つかの要項が掲示板に貼られ二人のアーサーは幾つかの要項の中に16歳以上と書かれているのを知ると
//冒険者の下へ走り兵士になる許可を出して貰えるよう頼み込んだ
//未だ15歳の二人が兵士になろうとするのを冒険者は最初は許さなかったが二人の顔を見て折れ
//もしも本当に戦争になったその時は生き残る事だけを考え必ず生き延びろと告げ二人のアーサーが兵士になる事を許したのだった
//後日二人のアーサーは両親も冒険者の許可は得たと説得し兵士となるべく旅立つのだった
//
//アンサーが生まれる8年前
//
//二人のアーサーは森の中の街道を歩き訓練所を目指していた
//自前の剣を使うのか、それとも支給される物を使うのかといった他愛の無い会話を続け
//歩き続けている二人の下に獣の咆哮が届く
//それは子供の頃聞いたそれに酷似ししかし子供の頃に聞いた物よりもずっと小さなもの
//その時の恐怖を思い出し身構える二人の前に現れる狼の群れ
//本来は森に住み街道には出てこないその獣達は餓えた瞳をぎらつかせ二人のアーサーを見据えた
//しかし二人のアーサーは恐怖を捨て去るかのように剣を抜き構えると襲い来る狼と戦いを始めたのだった
//僅か数分後の街道には獣の血で酷く汚れる事となった
//かつて狼に怯えるしかなかった二人のアーサーは傷つく事無く狼を切り捨て
//自分達がかつてとは違うという自信を胸に目的地へと再び歩みを進めたのだった
//
//アンサーが生まれる7年前
//二人のアーサーは国による短い訓練を終え兵役に付くと冒険者の下修行を受けていた事もあり
//他の兵士達よりも監督を務める騎士の覚えも良く二人は北と南の最も重要で最も危険な
//錬度の高い正規軍が回される拠点へと別々に配置される事となった
//この時二人のアーサーは別々の事を思った
//一人は「これでより国を守れる」と
//一人は「これでより力を示せる」と
//程なくして両国より宣戦が布告され大きな戦の火蓋が切って落とされる事となった
//
//アンサーが生まれる6年前
//北と南の大国はほぼ同時に二人のアーサーの国に進軍を始めた
//大国同士が隣り合う国境線にその殆どの兵力が向けられているとはいえ
//小国を攻めるには多すぎる程の軍が北と南、二人のアーサーが配属した拠点へと攻め入る
//だが大軍と言えども攻め辛く守りに堅い拠点を陥落させるのは難しく膠着状態へと入るのに然程の時間も必要としなかった
//戦争に巻き込まれる度にこうして膠着状態に陥り北と南の戦況もいずれ膠着していき大国側が自然と撤退していく
//二人のアーサーの国はこれを繰り返し己が国を守ってきたのだった
//しかし大国同士の戦争が膠着状態に陥るのには数年はかかり幾ら侵攻を防いでいても近隣の村は被害を受け
//更に兵糧などの問題で戦争の間は他の農村なども税が重くなったりと被害を被る事となっていた
//北のアーサーはその事を知ると直ぐにでも敵軍を撤退させるべく騎士に進言する
//打って出るべきだと
//しかし守りに入っているからこそ膠着状態に持ち込めているのであり
//兵力に関しては相手の方が上である以上打って出る事は自殺行為に他ならず
//当然の事ながらアーサーの進言は却下される事となった
//しかしアーサーは諦めずに進言を続けると騎士は呆れ撤退させられるものならばさせて来いと返した
//その言葉を聞いたアーサーは待っていたと言わんばかりに一人拠点を飛び出し敵軍へと躍り出たのだった
//
//アンサーが生まれる6年前
//誰もがアーサーは何も出来ずに死ぬかまたは捕虜にされると思いその背を見ていた
//遥か遠くまで布陣する北の国の軍へとアーサーは一人歩みを続け
//北の国の軍の前まで行くと北の国の軍に変化が起きた
//突如兵士達が消えアーサーの前に赤い道が出来たのだ
//そして赤い道が出来ると共にアーサーの姿は忽然と消えたのだった
//何があったのかと拠点の者達は顔を見合わせるが、半日もすると再びアーサーは赤い道の前に戻っていた
//そしてアーサーは来た道を戻り拠点へと戻るとこう叫んだ
//俺達の勝利だと
//突然の叫びに意味の分からない拠点の者達は更に偵察の兵からの報に驚きを見せた
//北の国の軍が後退命令を出しているというのだ、事実拠点の前に居た兵が徐々に後退を始めていた
//拠点を預かる司令官はアーサーを呼び出し何をしたのかと問うとアーサーは答えた
//ただただ北の国の兵達を指揮していた者達を切り捨て続けただけだと
//そして誰も抵抗をしなくなったから戻ってきたのだと言う
//その言葉を誰も信じる事は出来なかったが僅かに血に塗れたアーサーの鎧が事実なのかも知れないという事を告げていた
//こうして北のアーサーの初陣は誰もが信じられぬ結果として終わったのだった
//
//アンサーが生まれる5年前
//捨てるには惜しく攻めるには勿体無く、しかし無視する事も出来ない存在であった小さな国によって
//多くの指揮官の命を奪われ、更にその中には次代の北の王の候補の一人である王子すら居たのだ
//北の国はこの変化を許す事は出来ないと更なる大軍を差し向けた
//更に指揮官を後ろに下げどれだけ兵士に被害が出ようとも構わないという考えの下
//王子の仇を討つという名目の下に止まる事無き進軍と近隣への徹底した蹂躙を命じたのだった
//こうして戦闘が激化した事と前回の活躍による上の者達の期待により北のアーサーは最前線で戦い続ける事となったのだった
//
//アンサーが生まれる4年前
//北のアーサーは戦場において尋常ではない武勲を上げ続けた
//その一振りは大軍へと振るえば血路を開き
//その一振りは部隊へと振るえば瓦解させ
//その一振りは遂には後退していた指揮官の一人すら切り伏せた
//更にはその快進撃を止めるべく一騎打ちを申し込んだ強き兵を尽く切り捨てた
//だが北のアーサーは背を向け逃げる者には一度たりとも剣を振るう事はなかった
//その姿を見た友軍や北の国の兵士達の間でとある噂が流れ始める
//彼の者は建国王の再来なのではないかと
//北と南、そして小国において親が子に聞かせる建国王の武勇譚
//猛き王の御伽噺の剣術を今正に自分達が目にしているのではないかと
//その噂が流れる頃に北のアーサーはその武勲を称えられ騎士の称号の授与
//そして北の国の軍との戦いにおいて頭角を現してきた拠点の者達を集めた
//精鋭部隊を率いる事を命じられたのだった
//その中には後に北のアーサーの妻となる魔術師の姿もあった
//
//アンサーが生まれる3年前
//北のアーサーが部隊を率い奮戦している頃南では大きな出来事が起こっていた
//南の大国が小国と停戦協定を結び撤退を始めたのだ
//それも捕虜の返還に伴い南の大国が多額の賠償金を払うという事実上の小国側の勝利であった
//繰り返されてきた戦争においていつも巻き込まれるだけ巻き込まれ失うだけであった国民にとって
//北のアーサーという英雄の出現と南の大勝利は小国の民に長きに渡る戦争の疲弊も忘れさせ
//国を挙げての盛大な祝杯を挙げたのだった
//
//アンサーが生まれる2年前
//南の大勝利による興奮もまだ冷め遣らぬ頃にとうとう北の大国も小国から完全撤退を始めたのだった
//そもそもの戦争の発端は数百年前、建国王の3人の子が自らが正当な後継者であると広大な国を3分割し戦争を始めた事であり
//大国が小国に対して攻めきれずむしろ被害を増やし続けている現状、更には兵士だけではなく将軍の中にすら
//自分達が相手をしているのは建国王の再来でありこの戦争は己達に非があるのではないか?
//そういった考えが広まり士気の低下を否めずにいたのであった
//そして小国側は建国王の再来と共に戦っているという自信と南の大勝利により士気は非常に高く
//北の大国側は最早小国相手に戦争を継続させる利は無いと撤退を始めたのだった
//こうして数年に渡る戦争は英雄の出現と勝利という小国の歴史において初の快挙で幕を閉じたのであった
//
//アンサーが生まれる2年前
//戦争が終わり国全体が勝利に酔いしれる中北のアーサーは王都で南に回されたもう一人のアーサーと再会をした
//南のアーサーもまた戦場で大きな功績を挙げ騎士として取り立てられており
//北のアーサーと共に王都付きになった事で再会をしたのだった
//互いの無事と再会を喜ぶ北のアーサーだが南のアーサーは何処か余所余所しく対応をするが
//北のアーサーは戦場で互いに長く離れ互いに心身共に疲労しているだけであり
//また王都で二人で頑張ればかつての兄弟のような仲に戻れると考えたのだった
//そして暫くの間語り合うと南のアーサーは別れ際に北のアーサーにこう告げたのだった
//ありがとう、と
//
//アンサーが生まれる2年前
//北のアーサーは戦場を共に駆け抜けたある女性と結婚をした
//北のアーサーが指揮する部隊の女性であったがその女性とは部隊を共にする前から
//互いに通じ合っており戦争が終わったら結婚をする事を約束しあっていたのだった
//その約束通りに結婚式を挙げた二人は部隊の仲間達や多くの人々に盛大に祝われたが
//人々の中に南のアーサーの姿は何処にも無かったのだった
//
//アンサーが生まれる2年前
//結婚式を終え暫くした後北のアーサーは路地裏で不思議な少年と出会った
//少年は路地裏で人々に様々な事を語っていた、戦争の発端、戦争の愚かさ、生まれた悲しみ
//それは勝利に酔いしれる者達にとっては心地の良いものではなかったが
//不思議と道行く男性や女性、子供の耳に届き足を止めていたのだった
//遠くにも届くその幼い声を耳にした北のアーサーもその言葉を耳にしていたが
//これは国家に対する反逆的な行為なのではないかと思い人を散らせ少年に忠告する為に近づくが
//その少年の顔を見た北のアーサーは驚愕するのだった
//何故ならばその少年は平民の服を着てはいるがこの国の二人の王子の内の兄であったからだ
//驚く北のアーサーに王子は唐突に告げた
//剣を振るわずに済む世界が、誰もが戦争で悲しまずに住む国が欲しくはないか
//それを望むのならば僕にその剣を捧げたまえ、と
//平和を勝ち取る為に戦い続けた北のアーサーは王子の言葉に大きく動揺するが答えは出さず
//その日は一旦別れるとそれから後路地裏で度々国について語る王子の話を聞き
//国を守る、その為に戦い続けた北のアーサーは王子に剣を捧げる事を誓うのだった
//
//アンサーが生まれる2年前
//二人のアーサーが生まれた国には二人の王子が居た
//兄は賢いが変わり者であり弟は愚かだが誠実であった
//二人の王子の父である王は賢き王ではあったが病弱であり自分が長くは無い事を悟り
//兄が国を継ぎ兄の一所に留まらぬ所を実直な弟が支え
//二人の力を以って国を守るようにと度々二人に聞かせていた
//兄王子は国を守る事を弟共に父に誓い父を安心させるのだった
//その為にもまずは民を知り民に何を教えれば良いのかを知る為に平民に扮し
//王都へと降り民の話を聞き民に良い国とは何かを伝えていた
//北のアーサーとの出会いは丁度その時であった
//
//アンサーが生まれる1年前
//元々強くなかった体が原因なのかそれとも別の理由があるからなのか
//突如王の体調が崩れこの世を去った
//王の逝去により兄王子の王位継承の儀式が行われる事となり新たな王が生まれたのだった
//その儀式には北のアーサーも列席し妻と共に王の死を悼むと共に新たな王による
//より良い国へと生まれ変わる第一歩たる日を喜び合うのだった
//しかし賢き新たな王の誕生を喜ばぬ邪な大臣は王の暗殺を企てるのであった
//
//アンサーが生まれるその年
//北のアーサーにとって最大の転機は訪れた
//白昼の王の暗殺、そしてその犯人は北のアーサーだというのだ
//大臣のその発表に多くの者は異を唱えたが同時に多くの者が証言をした
//それは風の如き速さで現れると一振りの元に城を守る多くの兵を切り倒した
//それは北のアーサーだけが使える筈の剣技を持って駆け付けた兵をも切り倒した
//そしてそれは刹那の間に遠く多くの壁に隔たれている筈の王に寄り切り捨てた
//北のアーサーが戦場にて多くの隊長と将校を切り捨てた技により王は殺された、と
//その発表と共に北のアーサーの逮捕状が出され北のアーサーは追われる身となった
//しかし日頃から出会う者と良く話し良く笑い良く泣く北のアーサーを知る者達は
//犯人は北のアーサーではないと信じ北のアーサーを王都から逃がすのだった
//その者達の中にはかつて共に戦場を駆けた仲間達の姿もあった
//
//アンサーが生まれるその年
//北のアーサーは故郷の村へとその足を進めた
//自分が生まれた村を知る者が少ない事もあるがそれ以上に王を暗殺した者に心当たりがあったのだ
//最も犯人と思いたくない人物が犯人ならば追っ手も直ぐに来る筈
//そう考えた北のアーサーは故郷へと帰るが故郷は想像もしていなかった光景へと変わっていた
//殆どの建物は焼かれ村人は全て無惨に殺されていたのだ
//自分達の師匠であった男の建物は特に酷く壊されており、凄惨な光景の中掲示板だけは焼かれずに残っていた
//父や母と思しき死体を埋葬し絶望に打ちひしがれている中それに気付いた北のアーサーは一枚だけ貼られていた紙を見つけた
//その紙にはただ「王城で待つ」とのみ書かれていたのだった
//
//アンサーが生まれるその年
//北のアーサーは只管王都へと急いだ、何故このような事をしたのか?何故王を暗殺したのか?
//ただただ浮かぶ疑問と怒りをぶつけるべく走り続け王都へと辿り着くと不思議と王都には人が居らず
//まばらに人と兵士が歩みを勧めているだけであった
//見つからないように兵士達の会話に聞き耳を立てた北のアーサーは
//弟王子が王位を継承した事、自分を庇った多くの人達が処刑された事
//そして子を身篭っていた最愛の妻をも反逆者の一味として処刑されてしまった事を知ったのだった
//兵士達の間には本来処刑されない筈の妊婦を処刑した事への不満や
//処刑された者達が最後まで北のアーサーの無実を唱えていた事と関係が無い筈の兄王子の腹心達までもが処刑された事などで
//大臣への疑惑の声もあったが更に絶望を上塗りされた北のアーサーの耳には届かず
//ただその足を自分を待つ敵の元へと向けたのだった
//
//アンサーが生まれるその年
//城へと辿り着いた北のアーサーは城を守る兵士に見つからないようにと城の中へと忍び込むと
//今回の事件に関わっているであろう大臣の下へと向かうのだった
//そして大臣の部屋へと繋がる広間に辿り着くと兜を深く被った一人の騎士が北のアーサーの前へと立ち塞がった
//その騎士は剣を抜き放つと北のアーサーにも抜くよう手で示し北のアーサーもそれに応え
//二人の騎士による戦いが始まった
//北のアーサーの剣閃は鋭く兜の騎士を狙うがしかし兜の騎士はそれを軽々と防ぎ
//兜の騎士の剣閃は北のアーサー以上の鋭さを以って北のアーサーを狙うが
//北のアーサーは読んでいたとばかりにその剣閃を全て防いでいた
//二人にとっては長い間、他の人間にとっては極々短い時間の打ち合いを終えると
//北のアーサーは兜の騎士に向かって悲痛な叫びを聞かせた
//何故王を殺したのか、何故自分に罪を着せたのか、応えろアーサーと
//叫びを聞いた兜の騎士は笑い声を一つ出すと兜を取りその顔を見せた
//その騎士はもう一人のアーサー、南のアーサーその人であったのだった
//
//アンサーが生まれるその年
//北のアーサーが確信を得ていた真実を知り怒りと絶望に苛まれた顔をしている中南のアーサーは語りだす
//俺は今回の戦争で得られるような小さな功績に興味など無かったと
//だから更なる戦場を求めた、そしてお前はそのお膳立てをしてくれたのだと
//全ては南の大国と南の大国と通じていた大臣と自分が仕組んだ事であり
//聡明ではあるが戦争を望まない王と兄王子を殺し愚かな弟王子を操る事で南の大国と手を組み
//北の大国との戦争に参入し長きに渡る戦争を南の大国の勝利で終わらせる
//それが南の大国と自分達の間で交わされた事なのだと南のアーサーは語るのだった
//
//アンサーが生まれる3年前
//南のアーサーは戦争当初北のアーサーと同じ剣技を用いて戦場で多大な功績を挙げていた
//そして勝利を導き続ける中遂に南の大国の王子の咽元まで近づいたのだった
//しかし南の大国の王子は一目見て南のアーサーが野望に燃えている事を見抜くと裏切りを持ち掛けた
//もっと大きな戦争で活躍する機会を与えよう、その剣はこのような小国では得られぬ富と名誉を得られるものだ
//何故ならばその剣は建国王の再来であり真に三国を統治すべき王子である自分に捧げられるべきものである、と
//南のアーサーは考えた、真に自分が忠誠を尽くすべきはなんなのかと
//それは北のアーサーとは違う平和でも守りたい人々でもなく己自身だと確信した南のアーサーは
//南の大国の王子の申し出を受け入れ南の大国のスパイとなるのだった
//そうして同じく通じる者として大臣とも通じ合った南のアーサーは自分がより力を奮うために
//更なる戦乱を巻き起こすべく計画へと乗り出すのだった
//
//アンサーが生まれるその年
//南のアーサーは一旦言葉を止めると北のアーサーへと再び語りかけた
//お前が北で多大な戦果を挙げてくれたお陰で北の大国は少なからず疲弊した
//しかし南の大国も自分の剣によって随分と兵士を減らした、ならば何かで補充する必要がある
//剣は1本よりも2本ある方がいい、自分と共に南の大国の騎士とならないかと北のアーサーを誘うのだった
//家族が居ればお前は必ずこの国に忠を尽くそうとするだろう、だから大臣に処刑させた
//もうお前に守るものは無い、ならばこの建国王の剣を以って南の大国を勝利に導き
//多大な名誉と富を手に入れよう、そうすれば女などまた幾らでも手に入るし仲間も得られる、と
//その言葉を聞いた北のアーサーは絶叫と共に南のアーサーへと剣を向けるのだった
//
//アンサーが生まれるその年
//打ち合いは先ほどのものよりも更に長く続いた
//その間北のアーサーは戦場で共に戦い続けた仲間達の事、妻の事、焼かれた家族達の事を叫び続けた
//大事な者達であった事を叫ぶ度に南のアーサーはそれを嘲り笑った
//守る事と己が力を示す事を誓った二人のアーサーはその戦いの中で自分達が同じものを見る事はもう無く
//北のアーサーは南のアーサーが既にかつて兄弟同然に育った時とはかけ離れた存在であると知り涙し嘆き
//南のアーサーは北のアーサーがかつて兄弟同然に育った時となんら変わらない事を知り喜びと侮蔑の笑みを浮かべるのだった
//そして二人のアーサーの戦いに決着は着いた
//
//アンサーが生まれるその年
//その年は三国において大量の事件が起こった
//一つは小国の兄王子の暗殺
//一つは小国の大臣の殺害
//一つは南の大国の王族の大量死
//一つは三国間で結ばれた停戦条約の更なる延長
//そして最後に北のアーサーと呼ばれた騎士の失踪
//人々の間ではその多くの事件に北のアーサーが関わっていたのではないかと噂された
//北のアーサーは北の大国のスパイだった、建国王の再来となる為に邪魔な王族を殺した
//その他多くの噂が流れる中小国を離れただ何処に行くという訳でもなく南へと旅する男が居た
//己と他人の血で汚れきった衣服に身を包み疲れきった顔で旅をしている男はただ歩き続けた
//男の名はアンサーと言った
//
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//
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//
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//
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//ここまで来てやっと載る設定
//建国王の物語
//二つの大国と小国で語られる剣一本で国を打ち立てた男の物語
//眉唾な物から本当にありそうなものまで様々だが三国の子供達はその話を聞き育っている為
//物語の英雄と言われれば皆がその男の名前を出す程度には知名度がある
//国を築くまでの様々な冒険や物語が今も語り継がれている
//最近の研究によって建国王が実在した事が証明されており三国に伝わる騎士の剣術の源流であったり
//三国は元は一つの国であり戦争の発端は真実であった事などが証明されている
//物語の中には建国王の扱う様々な剣技があるがどれも常人には実現不可能な代物であった為
//何時からか剣術の中から抹消されたり御伽噺と思われる理由の一因となっていた
//北のアーサーや南のアーサーが使う剣技はそれを現代に蘇らせた物である
//
//二人のアーサーが生まれた村
//建国王が生まれ育った土地でもある
//その為剣術指南書などの多くの物が保管されたりしているが
//村人には客寄せとして作られた偽物に過ぎないと思われていた
//学者にとってはかなり価値の高い資料のある村だったが
//殆どの資料は南のアーサーが南の大国への手土産にする為に手にしそれ以外は塵へと消えた
//そうして持ち出された資料も南の大国の王族の大量死と共に何者かに宝物庫が焼かれ塵へと消えた
//
//追記した方がいいかしら?的な事名簿で聞かれたり思いついたら追記
//
//