**イベント用 [#q7e7631e] '''''''''' &ruby(){}; &color(MediumVioletRed){}; &color(OliveDrab){}; &color(DarkOrchid){}; &color(DarkBlue){}; &color(#CA4775){}; |BGCOLOR(LavenderBlush):900|c |[[http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst048231.gif>編集:カラダはココロのお人形]] ''←ほつれを直す''| |#pcomment(カラダはココロのお人形,2,below,reply)| ---- **[[http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst070691.gif>名簿/438811]] 臨時退避ページ [#bd912e72] #region(魔女の館での交友) -魔女の館での交友 --先輩魔女[[ルサルカ・シュヴェーゲリン>名簿/70827]]:ベルメーユがベルチアで怪事件を引き起こしているところを発見した~ 彼女が普通の社会では生きられない魔女ということを同じ魔女として見抜き、ベルメーユに接触~ 当初はその精神的幼さを利用して色々悪巧みする腹積もりだったが、その力が厄介なこと~ そしてベルメーユが思った以上に「狂って」いることを知った後は、無難に妹のように扱うようになった~ ベルメーユの「遊び」に巻き込まれないような立ち振る舞いができる点は流石は人生経験の賜物~ ---自分の欲望に忠実なダークサイド魔女ではあるが、ベルメーユに対する理解力は1番。しかも意外と話が通じる~ ベルメーユの保護者的立ち位置にいるので、情報は持っているが、相談するには少々危ないかもしれない~ 決して目的=ベルメーユを救うor殺すetcを彼女の前では言ってはいけない。言ってはいけない~ 大事なことなので2回書きました!! --[[レナータ・カサリーニ>名簿/333754]]:魔女の館の新入り、ということでベルメーユの素性に気付かず~ 一度「人形劇」に取り込まれかけ、脱出した前例がある裏設定~ 攻撃と速度全振り魔女なのでベルと相性最悪。子供好きだがベルメーユとだけは疎遠にしたい悩める年頃~ 最初に「可愛い子だな〜」と近付いてしまったのが運のつき。ベルメーユに懐かれて何度も「人形劇」に誘われる~ ベルメーユの劇から脱出できる術の持ち主であり、彼女の技の特性を経験から知ってはいるが~ 心のどこかでベルメーユをどうにかしたい、と思っている点は理解が足りないとも言える ---ライトサイドの魔女、良き白魔女。某マギカの影響で最近魔女のイメージが悪いけどちゃんとこういう人もいるんです!~ 馬鹿っぽいけど知識も知恵も豊富でちゃんとした魔女。ベルメーユのことを相談するには最適な相手~ ただし、ベルベルは「レナータさん曇らせ隊」のキャラ性質が強いので直接解決手段は持たない~ でもベルメーユの情報を一発で得るには彼女で事足ります。調べるの面倒な人用 --(先輩魔女その2)夜目鳥の魔女:ルサルカちゃんって版権キャアじゃん!!てめーオリジナルの魔女作れや!!~ という天の声が強迫観念的に聞こえてきたので設定だけはある人。東洋人、腕を翼に変えての飛行魔術が得意な魔女~ 「起きている間は常に移動し続けなければならない」という呪いを受けているので、この100年間くらい世界を飛び回り続けている~ 呪いの細かい内容に「目的を持って移動しなければならない。次の目的が見つかるまでは(目的を探すために)留まっていい」~ というルールがあり、酒場の街や魔女の館に一晩くらい滞在することもあった~ 基本的にはその飛行速度を活かし、郵便の仕事を作業的にこなしているようだ……~ ---この人も一応ライトサイドの魔女なんだろうか? 善も悪もない、かも。取りあえず古株ってだけ~ クールな性格でベルメーユに何の反応も示さないため、関わりは希薄~ だが、性格が悪いわけではないのでベルメーユは仲良くしたいと思っているらしい --(先輩魔女その3)薔薇の魔女:梃入れオリジナル魔女第二弾。CV.根谷 美智子~ 「薔薇の魔女」や「美の探究者」等という二つ名で呼ばれる高慢高飛車高笑いの三拍子が揃ったバ//バア~ 美人ではあるが少々化粧が濃い、服装も派手。性格は勿論核弾頭級に悪いので言わずもがな……~ 彼女の得意な魔術は「薔薇の蔦を伸ばす」「自己再生」等だが、特に異色な魔術がある~ 魔術でありながら「斬撃」を再現し、敵を切り刻む魔術だ。なんでも、「赤い血」に美を感じるらしく~ 「美しくない敵を美しい華を散らすように殺せる至高の魔術」と自分で豪語している ---なんか突然ティンときた!ビュー○ィ市ヶ谷さんです。ダーク?ライト?なにそれ美味しいのってレベルの自分流魔女~ 自分が美しさを保つことにしか興味がなく、ぶっちゃけベルメーユのことは子供としか思っていない。眼中にあらず~ ベルベルの「人形劇」に巻き込まれた際のマイペースっぷりは凄まじく、まるで動じなかったある種の大物 #endregion ***厨 [#of06dee6] #region(魔女の踊壇・&br;禁じられた人形劇の詠唱 ) '''あの子は持っていた 三つのお洋服&br;二つは黄色で もうひとつは紫&br;お天気しだいで 着わけているのよ&br;ああ ああ 本当に あの子は良い子&br;&br;あの子は持っていた 三つの目の玉&br;左目で左を 右目で右を見る&br;よく見えない時は 遠眼鏡で見るの&br;ああ ああ 本当に あの子は良い子&br;&br;あの子は持っていた 立派なサーベル&br;とても長いけど 錆びていたのよ&br;これじゃあ鳥たちを つつくのが関の山&br;ああ ああ 本当に あの子は良い子&br;&br;あの子は不死身 決して死なない&br;だって元気すぎて 死ぬ暇がないの&br;でもその時のために 準備してるんだって&br;ああ ああ 本当に あの子は良い子&br;&br;さぁ、今宵は一緒に踊りましょう?&br;禁じられた人形劇を……&br;ああ ああ 本当に あの子は良い子'''~ ~ ~ ※元ネタ:ルセルちゃんでググる~ オカルトな由来を持つフランス民謡だそうで、なにこれ怖い。日本の「かごめかごめ」みたいなものかしら #endregion ***繰り糸の魔女の誕生 [#ide819cc] http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst072510.png -[[北西の魔導王国ベルチア>設定/ベルチア]]出身。彼女の両親は夫婦で魔術師だった~ 夫も妻もメイガスクラスで、特別高位というわけでもない凡才努力型。彼らは魔術で大成したい一心で研究を始める~ 魔術師のサラブレッドを作ろうとして最初はホムンクルスで、次に魔術適性の高そうな身寄りの無い孤児達 だが、研究は頓挫。結局最後は自分達の娘を……という段まで追い詰められてしまい、禁忌の所業に手を伸ばしてしまう~ 夫はハーフエルフ、妻はハーフフェアリー。元々魔術適性の高い両親を持つ子ならば成功するに違いないと思ったらしい~ ただし、その両親がメイガス止まりの有様なのだ。娘に様々な実験を施すが、思ったように上手くいかない~ 勿論、最初はまだ倫理観から軽い実験だった。しかし成果が出ないとなると段々とエスカレートする~ 「自分の娘を手にかけて、それでも研究は成功しない」という状況が夫婦の精神を追い詰めていった……~ ~ #region(ベルメーユの思い出 1) &color(MediumVioletRed){「ねぇ、パパ、ママ。ベルね!ベルね!あのね……!」};~ &color(Blue){「すまないヴェルメィユ、パパ達ちょっと今お仕事が忙しくてね」};~ &color(Red){「だから、時間がかかるなら後にしてくれるかしら?」};~ &color(MediumVioletRed){「やーだー! この前も、この前の前も!その前も、ず〜〜〜〜っとお仕事! ベルと遊んで!遊んで!!」};~ ~ パパもママも、「おしごと」がいつも忙しいって言って遊んでくれなかったの。だから、ベルは「おしごと」が嫌いだった~ ~ &color(Blue){「うーん、困ったなぁ……ベルがあんなんじゃ、俺達が研究する時間が無くなっちまうぞ」};~ &color(Red){「これでも、合間を縫って遊んであげてるつもりなんだけどね……あ、そうだわ!」};~ &color(Blue){「何かいいアイディアでも浮かんだのか?」};~ &color(Red){「ええ、要は話し相手を用意すればいいのよ!」};~ &color(Blue){「は? ……おい、まさか2人目が欲しいって言うんじゃ……」};~ 妻は夫の頭をパシーンと叩いた~ &color(Red){「ふざけないで。子供を増やしたら手間も2倍じゃない? だから……お人形よ」};~ &color(Blue){「いてて……なるほど、人形か。でも、話し相手になるかな? ペットの方がいいんじゃないか?」};~ &color(Red){「ペットだって世話がかかるじゃない。高いし……あのくらいの歳の女の子はお人形遊びが好きなのよ」};~ &color(Blue){「なるほどなー……さすが俺の妻だ! よし、その作戦でいこう」};~ ~ ある日、パパとママがにこにこしながらベルにプレゼントだって言って、お人形をくれたの~ ~ &color(MediumVioletRed){「わぁ……可愛いお人形! ねぇ、これをベルにくれるの?本当に!?」};~ &color(Red){「そうよ、ベルのために買ったのよ。新しいお友達だと思って大事にしなさいね?」};~ &color(Blue){「パパ達が忙しい時は、そのお人形と遊ぶんだぞ?」};~ &color(MediumVioletRed){「うんっ!分かったの!! パパ、ママ……ありがとう!大事にするね♪」};~ ~ わたしはパパとママが好きでした。忙しくて遊んでくれないけど、こんなに可愛いお人形をくれたのだから~ そして、その日からお人形が私の大事なお友達になりました~ #endregion 「グランギニョルの日曜日事件」についてのレポート 1 私は魔導王国ベルチアの一都市で起きた惨劇を調べた。まずはその概要は簡潔に纏めよう その都市は王都にそれなりに近く、研究機関の施設もあった。特別田舎と言うわけではない。ただ、日曜日は安息日であった 市長が十字教徒であり、日曜は街の人々が全員休むので土曜から日曜日にかけて、その街からは他の都市に連絡は無い (その土日に深い霧が発生していたのも発見が遅れた大きな要因だったかもしれない) しかし、月曜になってもその街から手紙やら荷物やら人やら諸々が他の都市に届かない この事態を不審に思っていると、日曜日にその街へ発った高名なドミナスが血相を変えて王都に報告しに帰ってきた 「あの街の住人は全て人形となって殺し合い、街は死臭とどす黒い血で酷い有様になっている」 ドミナスはそう報告したとのことである #region(ベルメーユの思い出 2) &color(MediumVioletRed){「ねぇパパ!この子がね、新しい服欲しいって言ってるの。買って欲しいなぁ……?」};~ &color(Blue){「……ベル、さっきのお薬はちゃんと飲んだのか?」};~ &color(MediumVioletRed){「え? あ、えと……あれ、苦いからあんまり好きじゃなくて……ま、まだ……」};~ &color(Blue){「駄目じゃないか!ちゃんとお父さんとお母さんの言う事を聞くいい子じゃないと何も買ってあげないぞ!?」};~ &color(MediumVioletRed){「ひぅっ……!? ご、ごめんなさい……すぐ、すぐ飲んでくるの……」};~ ~ お人形を貰ってから数ヶ月。この間誕生日を祝ってくれた日は優しかったけど……あれから何だかパパとママが怖い~ お仕事が上手くいってないんだって。あと、私は苦〜いお薬を飲む回数が増えたの~ ベルはお仕事もお薬も嫌い。パパとママがお仕事の時、私に変な魔術をかけるのは別にいいんだけど……~ ~ &color(MediumVioletRed){「ママ、今日の晩御飯は私……トマトソースのハンバーグがいいな」};~ &color(Red){「……」};~ &color(MediumVioletRed){「ね、ねぇねぇ。ママ聞いてる? 知らんぷりはね、いけないんだよ……?」};~ 何気なくそう言って彼女は母親の袖に手を伸ばし、引く。すると……~ &color(Red){「ああもう、うるさいっ!今忙しいの!話しかけないで頂戴!!」};~ 母親は大きく手を払った。すると娘は後ろに飛ばされ、もう片方の手で抱いていた人形が落ちた~ &color(MediumVioletRed){「あっ……! ご、ごめんなさい!ママごめんなさい!」};~ ~ わたしは落としたお人形と、その取れてた腕を拾って自分の部屋に戻ったの……ママ、凄く怖かった……~ 晩御飯のことなんて言わなきゃ良かった……そうだ、きっとわたしがいい子にしてないから~ わたしが悪い子だからパパとママはいつも不機嫌なんだ。じゃあ、いい子にならないといけないの~ お人形さんの服も自分で作って、取れた腕も直してあげて……泣いたり、おねだりしたり絶対しない~ そうしたら、パパとママも昔みたいに笑ってくれるハズ。その日からわたしはいい子になるって決めたの #endregion 「グランギニョルの日曜日事件」についてのレポート 2 この事件の「日曜日」という部分は間違いの可能性が高い。実際は金曜日の夜から始まっていたのかもしれない では、どのようにして街の住人が全て操り人形のように自我を無くして殺し合いを始めたのか その方法が問題だ。街1つ、その住人全て一度に精神干渉するなんて大規模な魔術を行える術師がいるだろうか 無論「否」である。調査によると、何らかの結界魔術のようなもので街を包み込み 結界の副作用が人々の心を壊したという説が濃厚である。俄かには信じがたい話だ…… 正気を保てた優秀な術師も、その結界を作った犯人または操られた街の住人相手には歯が立たず死んだと見られる 尚、犯人は行方不明。月曜の夜に到着した王都の軍隊が発見したのは沢山の死体と、未だ戦い続ける傀儡のみ 兵士達は血の匂いと血そのものに塗れながら「元住人」達を殺し、街を制圧したとのこと グランギニョル、つまり恐怖劇という名前がついたのは彼らの証言に由来する #region(ベルメーユの思い出 3) その日のお夕飯はいつもと違ってたの……ハンバーグも、スープも、食べたことの無い味……~ &color(MediumVioletRed){「ま、ママ……今日のご飯、何だか珍しい味なの……」};~ 嫌い、とは言えない。私はいい子になるって決めたから。好き嫌いする子は悪い子だもん~ &color(Red){「今日はね。ベルがいい子にしてたから猫さんのお肉を使った特別ディナーにしてみたのよ」};~ &color(MediumVioletRed){「えっ……ね、猫さん?」};~ &color(Blue){「なんだ、ベルは知らないのか? 大切な人には猫料理を振舞うという風習があるんだ」};~ そんなの知らなかった。だって、あの可愛い猫さんを食べるだなんて……最初はおかしい、って思ったの~ &color(MediumVioletRed){「なんで……? だって、猫さん何も悪い事してないのに……こんな、酷いよ……」};~ &color(Red){「どうして泣くのかしら? 折角ヴェルメィユのために作ったのに……お母さん悲しいわ」};~ &color(Blue){「そうだぞベル。じゃあ牛も豚も鳥も可哀想なのか? そうじゃないだろう。なら猫を食べて何が悪い?」};~ &color(MediumVioletRed){「で、でも…………ごめんなさい」};~ &color(Red){「分かればいいのよベル。さ、残さず食べなさいね?」};~ &color(Blue){「あんまりお母さんを困らせるなよ?」};~ ~ そう、最初だけ。私が知らなかっただけ……だから、ぐずったらパパもママも困っちゃうの~ それに、味は美味しいし……そうだよ、私は子供だもん。まだ知らないことが沢山あるの~ それでパパとママを困らせて、悪い子になったら絶対駄目。2人には、笑顔でいてもらいたいから…… #endregion 「グランギニョルの日曜日事件」についてのレポート 42 街を全て包み込むような結界魔術であるのならば、犯人は当然街の中心部近くで犯行を行ったと思われる 私は事件後、怪しい物件に目星をつけて未だ復興中の街を訪ねた。その中で手掛かりらしきものを 発見できたのは一箇所のみ。魔術研究施設……当然、魔術による犯行ならばそこは一番怪しい そこは夫婦のメイガスが構えていた研究所らしい。そこにあった資料によれば 「人為的に優れた魔術適性者を作る」実験が行われていたらしい。ベルチアにおいて魔術の才は重要なものだ つまり、魔術師の先天的エリートを生み出す研究なのだろう。後天的な努力も才能あってこそ そういう、思想こそ研究者らしいごくありふれたものだった。しかし、実験の記録を読んで唖然とした 「幼児期における未成熟な精神への特殊アプローチ」 魔術において精神力というのは大事だ。術の理論のように簡単には語れず、術者が鍛え辛い項目である そこで、「心」が不安定な幼少期に自己同一性や倫理観などの様々な面に刺激を与え どういった刺激が術者としての才能に繋がるのか……それをひたすら、実験していたという 問題はその「刺激」である。精神を不安定にする効果のある薬品投与。身体の不調を促す薬品投与 ストレスを極限まで溜める。猫のような子供に身近な動物を食べさせる 爪を剥がす。さらに、麻酔をかけて痛みを感じない状態でその様子をしっかり見せる 釜茹でにして全身火傷を負わせる。強酸性の液体に全身を浸す。それを治癒魔術で綺麗に治す…… そんな、もはや拷問に近い「刺激」の数々が記録してあった。勿論、ここに記述するのが憚られる事も #region(ベルメーユの思い出 4) 目の前にあったのは水槽。でも、中には水もなければお魚さんもなかったの~ 黒くて足がいっぱいある変な、気持ち悪い虫がいっぱい……あれに噛まれると、頭がぼーっとするから嫌いだった~ &color(MediumVioletRed){「ぃっく……いや、やだぁ……!」};~ &color(Blue){「大事な実験なんだ……分かってくれヴェルメィユ。終わったら褒めてやるから。な?」};~ &color(Red){「もう少し、もう少しの辛抱だからね……? 他の子もやったことだし、あなたも耐えられるわ」};~ &color(MediumVioletRed){「ぅぅ、ぐすっ……うん……ベル、頑張るね……」};~ そう、私はいい子になるって決めたの。だから、どんなに嫌なことでも我慢する~ 大好きなパパとママのためだもん。私はどんなことだって頑張ってみせるの~ そして、私は虫さんの池に入れられた……我慢するって言ったけど、その後かなり泣き叫んじゃった~ でも、パパとママにも褒められたの。だから、私は嬉しかった……~ ~ &color(Red){「もう限界よ……これ以上自分の娘に酷い実験できないわ!」};~ &color(Blue){「じゃあ今までの研究はどうなるんだ!? 全て水の泡にしてしまうのか?&br; それに、他の被験体の子供達にもやっている安全な実験なんだ。自分の娘だけ特別扱いできん」};~ &color(Red){「ううっ……一体、いつになったら終わるのよ? どうして!?&br;使い魔として重宝される黒猫やカラス、魔力を宿す虫に霊樹の実……どれもこれも結果が出ない!」};~ &color(Blue){「既に人道を外れた実験までしているというのに……クソッ まだ足りないというのか」};~ &color(Red){「……私達がこんなんじゃ駄目なのかもしれないわ。中途半端はあの子達のためにもならない」};~ &color(Blue){「そう、だな。覚悟を決めなければ俺達は平凡な魔術師のままだ……さ、薬を投与する時間だ」}; #endregion 「グランギニョルの日曜日事件」についてのレポート 375 ここである問題が浮上する。例えば、汚れた毒水を吸って咲いた花があるとシよう。綺麗な花だ この花は劣悪な環境にありながらとても綺麗な花を咲かせた。だが、その蜜は猛毒である 掘り起こし、その根を見てみれば禍々しい髑髏のようであった または、死体を苗床にして咲く花というのでもいい。兎に角、そのような花があったとする 果たシて人はその花を無残に摘み取れるだろうか? 焼き払えるであろうか? そういった問題が掘り起こされてしまったのである。ちなみに私は、「否」の意見を持ってしまった #region(ベルメーユの思い出 5) &color(MediumVioletRed){「あははっ、パパ!ママ! 今日も楽しかったね? また明日も遊んでね?」};~ 今日もパパとママと一緒に遊んだの、とっても楽しかったよ。最近は毎日遊んでくれるから嬉しいな……~ でも、不思議なの。何だか2人はあんまり楽しそうじゃない……いつもパパとママが遊びを誘ってくるのに~ どうしてだろう? パパとママは、お人形遊びあんまり楽しくないのかな……?~ ~ &color(Blue){「ヴェルメィユ、どうしてあんなに平気そうな顔をできるんだろうか?」};~ &color(Red){「分からないわ……とっくに心が壊れても不思議じゃないのに」};~ &color(Blue){「まさか、今回の実験にももう慣れてしまったのか? 馬鹿な……くそっ!まだ駄目なのか」};~ &color(Red){「やっぱり、自分の娘だからって無意識に実験が中途半端になっているのかしら?」};~ &color(Blue){「……かもしれないな。いかんいかん、これでは徒にあの子を痛めつけているだけだ」};~ &color(Red){「新しい実験を考えましょう。まだ使っていない拷問器具があった筈」};~ ~ 私は気持ち悪いことも痛いことも、全部「お人形遊び」だと思うことにしたの~ だって、どんなことをされてもパパとママは私の身体を綺麗にしてくれるし、終わってみれば何も変わらない~ だったら、全然我慢できるの。「いい子」でいられるし、その方が楽しい……~ パパとママは私のためにやっている事なんだから、それは楽しいことに違いないの #endregion 「グランギニョルの日曜日事件」についてのレポート 64 数々のおぞましい実験。それを行った夫妻は一体どのような心境だったのだろうか どこまでが正気で、いつから狂気へと転じたのか。今となっては誰にも分からない だが、実験体となった身寄りの無い子供達についてはその経過記録から、どの段階で狂ったのか分かる 早ければ3日、遅ければ半年。どれもこれも失敗というのがむごい話だ…… だが、ずっと成功しなければ街が惨劇の舞台になることも無かった。皮肉な結果だろう 記録において、どんな非道な実験を受けても狂わなかった子供がいた。彼女が唯一の成功例であり、犯人だ いや、夫妻は壊れたことに気付かなかっただけで、実際その少女はずっと以前から壊れていたのかもしれない 心の強い少女だったのか、それとも弱い少女だったのか。それも推測には至れない ただ、その少女が夫妻の実の娘「ヴェルメィユ・ベルベーヌ」という名前である事は分かった #region(ベルメーユの思い出 6) ある日、私は気付いたの。私にはこのお人形以外にもいっぱい友達がいるんだって……本当だよ?~ パパとママが会わせてくれないけど……このシセツの奥にみんな集まってるんだって~ 眠っている時にね、その子達が話しかけてくるの。色々お喋りするけど、その事はパパとママには内緒なの~ ……そうだ、会いに行ってみよう。直接お話して、もっと仲良くなろう~ ~ &color(MediumVioletRed){「この扉かな? んっ、しょ……あれれ、鍵が掛かってるのかな……開かないや」};~ &color(CadetBlue){'''「……違う、よ……それは、鍵だけど……魔法の鍵なんだ……」'''};~ &color(MediumVioletRed){「えっ、声……?」};~ それは、寝ている時に話すお友達の声だってすぐ気付いたの~ &color(Tomato){'''「それは……結界……。でも、大丈夫……ベルが念じれば、すぐに開くわ……」'''};~ &color(RosyBrown){'''「……さぁ、早く開けて……僕等を、助けて……?」'''};~ &color(DarkSeaGreen){'''「ベル、早く逢いたいよ……君も、わたし達の仲間……可哀想な、仲間……」'''};~ &color(MediumVioletRed){「ん……念じれば、開く……分かったの。やってみるね!」};~ 私は言われるままに念じた。頭が割れそうな、胸の奥から熱くなるような……自分で魔力を使うのはこれが初めてだった~ そして、パリンと何かが割れる音がして鍵は壊れて、部屋の中へ……そこにいたのは―― #endregion 「グランギニョルのついてに」 44444444444が日曜日事件 私の文章がレポート後半において乱れていたことを謝罪する。これが最後のページとなるだろう はじめの頃に気付くべきだったか。この事件を調べてはいけなかったようだ 正しき情報、真実を追い求めた結果……私は知ってはいけないことを知ってしまったらしい 気持ちが悪い。今この文章を書いているのも辛い健康状態だ。酸鼻を極める事件の真相を暴いてしまったのだから でも、私には義務がある。知ってしまった以上、こうやって書き記す役割をこなす必要があった はなからそのつもりで調べてきた。そのことについては納得している…… ナらば何故後悔するのか……それは私がここからもう出られないということ。私もまた、禁じられた人形劇の中にいた イやだ……私は死にたくない。私は人形になどなりたくない。これを読んでいるお前も来い 私 は 正 気 で は ナ イ #region(ベルメーユの思い出 7) そこにいたのはお人形。動けない。喋れない。壊れたお友達……だから私が動かしてあげないと~ だから私がこの子達の声を聞いてあげないと。だから私がこの子達と遊んであげないと~ 私はその日の夜、夢の中でこの子達と沢山遊んであげようと思った……私には、それができるから~ ~ &color(CadetBlue){'''「可哀想なベルメーユ……僕等も、沢山痛い思いをしたけれど……苦しい思いをしたけれど……」'''};~ &color(Tomato){'''「あなたが一番痛くて、苦しい……あなたもわたし達と同じなのに……可哀想なベルメーユ」'''};~ &color(RosyBrown){'''「だから僕等はベルメーユ……君が一番、僕等なんだ……もう我慢しなくていいんだよベルメーユ」'''};~ &color(DarkSeaGreen){'''「わたし達はずっとお友達……これからは、ずっと遊べるよ? ベルメーユは何をして遊びたい……?」'''};~ ~ 人形劇。それは人形劇だったの。沢山のお友達とパパとママも一緒になって遊んだよ~ 釜茹で遊びに虫遊び。針遊びにおままごと。お料理もして、楽しい楽しい人形遊び……~ ~ &color(MediumVioletRed){「……ん、ぁ……さ……?」};~ ちょっと遊び過ぎちゃった。目が覚めたら喉がカラカラで……よく、声が出せなかったの~ &color(MediumVioletRed){「……パパ、ママ……? ……どこ、なの……?」}; #endregion ~ -夫婦の実験は最終的に言えば成功した。成功し過ぎてしまっていた。最悪の形で~ 優れた魂によって大きな力を宿す子供は存在する。が、夫婦の実験は意図せず違うことを証明する結果となった~ 「人体が宿せる魂の質の上限」をベルメーユの身体で試すことになっていた~ 彼女の身体がその上限を超え、「グランギニョル」が発動することとなったのだ……~ 彼女は器の存在しない魔女となる。動く体は人形であり、人形を壊しても彼女は新しい人形に移るだけ~ 肉体を傷つけられても滅びない魔術師……ある意味理想的だろう~ 夫婦の実験は間違いなく優秀な魔術師(魔女)を生み出した。その存在が「生物」という概念からある種外れてはいるが