![[PukiWiki]](image/pukiwiki.png "[PukiWiki]")
#navi(../) * ヴィオレ家出身 イザヴェル 508107 [#ecebe9b2] |ID:|508107| |名前:|イザヴェル| |出身家:|ヴィオレ| |年齢:|16| |性別:|#listbox3(女,server,sex)| |前職:|#listbox3(徒弟,server,job)| |理由:|#listbox3(立身出世を目論んで,server,reason)| |状態:|#listbox3(冒険中,server,state)| ////////// |方針:|#listbox3(特になし,server,type)| |難易度:|#listbox3(安全第一,server,diff)| |信頼性:|#listbox3(あまり気にしない,server,conf)| |その他:|&areaedit(){[[ステータス>ステ:508107]]/[[戦歴>戦歴:508107]]/[[名簿>名簿/508107]]};| // // ※ ご注意「//////////」より上は変更可能個所以外はそのままにして下さい。 // タイトルの「家出身」の記述も含まれます。 今すぐ[[名簿>名簿/508107]]に戻りなさる ***1年目：[[Stand Alone Beat Masta>http://www.youtube.com/watch?v=DtZoN3DCFqw]] [#b3d32214] 変死体の発見から発展した麻薬の密売、犯人の摘発の顛末。&br; 犯人は4年生（当時）園芸部部長へロン・フェニデート。&br; 麻薬の原料となる花を秘密裏に栽培し、麻薬を精製することで私腹を肥やしていた。&br; 最終的に密売の証拠が全て抑えられ、退学処分となる。 #region -''黄金歴269年6月 貧民街'' --密売通り ---「……オイ、今日の分だ。早く寄越してくれよ」&br; 「へへへ、先輩も好きだねェ」&br; （密売通りでは普通の光景だ。需要と供給は常に均衡を保っている）&br;、 （売るものと買うものが交わる小路。故にそこは「密売通り」という不名誉な愛称で呼ばれていた） -- &new{2014-01-23 (木) 00:03:52}; ---「最近は一日一度はこれやらないと気が済まなくてよォ」&br; 「オイオイオイ、先輩死にますぜ？ これ結構常習性高いんスから」&br; 「ヘーキだよヘーキ。へへっ待ちきれねえぜ」&br; （数枚の金貨と引き換えに取引のブツらしき革袋が渡される）&br; （バイヤーと購入者は共に学生服を着ており、学園の男子生徒であることは間違いない） -- &new{2014-01-23 (木) 00:12:20}; ---「んじゃ俺はこれで。先輩、くれぐれも一日一錠を守って下さいよォ？&br; でないと……�鼎犬磴Δ�もしれませんから」&br; 「分かってるつってンだろ！」&br; （そそくさと別れてゆく二人の男子生徒。彼らの姿は貧民街の闇に溶け、やがて消えた） -- &new{2014-01-23 (木) 00:15:08}; -''黄金歴269年8月 貧民街'' --ストリート ---「ハァ……&br; ハァ……」&br; &br; （学生服の男が、ストリートの中央を闊歩している）&br; （闊歩と表現するには難がある。その姿は幽鬼かあるいはと見間違うほどに顔色が悪く、血に塗れ薄汚れた学生服が、一層外からの干渉を阻む防護壁と化していた）&br; （男は助けを求め周囲を見渡すが、その姿に手を差し伸べる者は誰もいない） -- &new{2014-01-25 (土) 22:36:45}; ---「切れた……切れちまったんだよヤクが…… あれが、あれがないと俺は……''げふァっ！''」&br; （吐血と共に男の身体が大きく跳ね、力なく地面にダイブする）&br; （関わりになりたくないとばかりに、遠巻きに形成されていた人垣が一気に疎らになった） -- &new{2014-01-25 (土) 22:48:30}; ---（男が動かなくなるまで、そう時間はかからなかった）&br;（少し時間を置いて、人垣の中から一人の生徒が姿を現す）&br;（生徒は死体となった男にこべりついた血液をビンに採取したり、死体の状況を何やらメモに書き移し、野次馬をドン引きさせた後）&br;（早々に立ち去って行った）&br;&br;（この時死体と接触した者は「身長が低く」「長髪で」「黒髪の」「男子生徒」であったとの目撃情報がある） -- &new{2014-01-25 (土) 22:58:50}; -''黄金歴269年8月 職員室'' --職員室 ---失礼します（コンコン、と扉をノックして入る）。&br;一年生のイザヴェル・ヴィオレです。''私用で''研究室を使わせていただきたいのですか構いませんか。 -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-01-25 (土) 23:14:06}; ---焼き肉と聞きました（ずあっ） -- [[フェティ>名簿/507839]] &new{2014-01-25 (土) 23:14:25}; ---私用っていいんだったか？ -- [[メイクレア>名簿/497125]] &new{2014-01-25 (土) 23:15:12}; ---ぶっ壊したり犯罪じゃないなら私用で使ってもいいんじゃねーかな？アタシも偶に使うし&br;この前の賭けなー、アタシが8人予測だから誤差8の最大でボロ負けだったんだよ、だから来月焼肉！生徒も来るけど -- [[ディアナ>名簿/508264]] &new{2014-01-25 (土) 23:16:18}; ---ぶかつでつかってるひともいますからねー とりあえずかつどうほうこくしょはだしてもらいます？ -- [[スズ>名簿/505907]] &new{2014-01-25 (土) 23:16:56}; ---この学校じゃぶっ壊れされる確率は結構高そうだ。誰かが見張るとか？ -- [[メイクレア>名簿/497125]] &new{2014-01-25 (土) 23:19:11}; ---もしも私がイザヴェルさんでしたら、何も言わずこっそりと使いますわね。すごいどきどきして、忘れられない体験になると思いますわ、フフッ&br;ああ、補修の人数でしたか。１６人も来たのですか？ 勤勉で良いことですねえ、おまけにご飯まで食べられるなんて！ -- [[フェティ>名簿/507839]] &new{2014-01-25 (土) 23:19:32}; ---んだねー、じゃあじゃあ、この紙〜、教室使用申請書だから必要事項書いてねー。ここに名前と使用目的とかー…（申請書を差し出して） -- [[陽子>名簿/508356]] &new{2014-01-25 (土) 23:19:33}; ---（活動報告書 活動報告書 活動報告書 ……アウト！）&br; ……やはり私用で学校の備品を使用することは好ましくないことだと考えます。&br; 失礼しました（頭を下げて去る。多少後ろめたいことだったので）。 -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-01-25 (土) 23:19:39}; ---報告できない事だったようだぞ -- [[メイクレア>名簿/497125]] &new{2014-01-25 (土) 23:22:22}; ---あ、あれれ〜〜？？使わないの〜？？……行っちゃったよ。何する気だったんだろ？ -- [[陽子>名簿/508356]] &new{2014-01-25 (土) 23:22:38}; ---一夏のアバンチュール……イケナイ実験……とかだとといいですわねえ -- [[フェティ>名簿/507839]] &new{2014-01-25 (土) 23:23:27}; ---なんか秘密の実験とか使う予定だったのかな？&br;まさかの15人オーバーでアタシもビックリだったよ、暇だったのかな -- [[ディアナ>名簿/508264]] &new{2014-01-25 (土) 23:25:13}; ---（わりと暇だった生徒A） -- [[猫又シー>名簿/508094]] &new{2014-01-25 (土) 23:28:19}; ---アバンチュールで研究室の使用許可は求めないんじゃないだろうか？ヤバイ実験はありえるかも -- [[メイクレア>名簿/497125]] &new{2014-01-25 (土) 23:29:03}; ---（遠くで鳴るくしゃみの音） -- &new{2014-01-25 (土) 23:30:18}; ---イザヴェルさんはまほうのせいせきもよかったですからしっぱいでばくはつとかはさせなかったでしょうが・・・&br;うぅん、ちょっときにかけておきましょうか -- [[スズ>名簿/505907]] &new{2014-01-25 (土) 23:30:52}; -''黄金暦269年8月 庭園'' --花園 ---困った。別の手段を模索する。&br;（大して困ってなさそうな口調で庭園にまで歩いて来て。何となく並んだ花に目をやりながら歩く） -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-01-25 (土) 23:21:53}; ---研究室を利用するプランを破棄。&br; 部活動……（ペラペラ部活動の紹介チラシを捲りながら）全て却下。&br; 他、個人間を当たり協力を取り付ける……。&br; ミッションの遂行は困難。まず達成目標の前提を覆すべき。 -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-01-25 (土) 23:30:54}; ---（独り言を繰り返した後、多少眉をひそめて花園の一角に目をやって）&br; （目を細めてしばらくその一角を凝視した後、花園を後にした） -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-01-25 (土) 23:38:44}; -''黄金歴269年9月 庭園'' --花園 ---（手にはスコップとビニール袋。目標地点は以前訪れた花壇の一角だ）&br; （人の気配がないことを確認すると、腰を降ろし）&br; （引き続き周囲の状況に気を配りながら、花壇の土に切り込みを入れる）&br; （土に深く食い込んだ花の根を傷つけないように） -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-01-26 (日) 18:32:13}; ---（とりあえず一株。多少時間をかけて、土の残ったままの株をビニール袋に詰める）&br; （土壌の状態をそのまま利用するため、少量の土をついでに袋内に混ぜ）&br; 目標達成。&br; （足早に花園を後にする） -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-01-26 (日) 18:46:17}; -''黄金歴269年10月 貧民街'' --密売通り ---（ああ、そのときの俺は切羽詰っていたよ。かなり切羽つまってた）&br;（だって考えてもみろよ、最初に入学日を間違えて一ヶ月、実習で怪我してもう一ヶ月、そして夏前にまた怪我して一ヶ月）&br;（最早、授業にきてんだか怪我しにきてんだかわからねぇよ。そんな有様だぞ？ 成績的に切羽詰らないほうがどうかしてる） -- [[アウラ>名簿/508324]] &new{2014-01-27 (月) 20:28:04}; ---（だから俺がそんな行動をとったのはもうしょうがないことだ。仕方ないことなんだよ。誰も俺を責めることなんて出来ない）&br;（届かないものに手を届かせるためにはどうすればいいか？ 願ってもそれが手に出来ないときどうすればいいか？ 力が欲しいか？ ならくれてやるか？）&br;（ようするにこれはそういうことで、誰でもやることで、誰だっていざにっちもさっちもいかなくなったらそうすると思ってあたりまえであり、ようするに俺は次のテストの問題の写しを非合法ルートから入手しようとしただけの善良で一般的で普通の生徒なのである） -- [[アウラ>名簿/508324]] &new{2014-01-27 (月) 20:30:47}; ---たけぇな！ 足元みてんじゃねぇよカンニング部！！！&br;こっちは実習失敗して本来もらえるはずの特別褒賞もらってねぇんだぞ！？ そんな金あるわけねーだろ！&br;もうひとこえ！ もうひとこえ頼むよ、な？ ほら助けるとおもってさぁ&br;（非公認かつ非合法部活であるカンニング部員につめよる） -- [[アウラ>名簿/508324]] &new{2014-01-27 (月) 20:33:48}; ---ぼっちゃん…ぼっちゃん…いい薬がありますよ&br;嫌なこと全部忘れられてハッピーになれますよ -- [[怪しい生徒>空中学園都市/コメント/貧民街]] &new{2014-01-27 (月) 20:51:49}; ---あ？&br;（カンニング部員の胸倉を掴みながら、そう話しかけてきたいかにも怪しい生徒にガンをつける）&br;何？ 薬？ 頭よくなったり透視できるようになったり次のテストの問題がわかったりする？ -- [[アウラ>名簿/508324]] &new{2014-01-27 (月) 20:57:22}; ---ええもう、どこまでハッピーになれるかはぼっちゃん次第でさあ…&br; （怪しいフードを被り小太りの男子生徒が、懐から包み紙を取り出す）&br; （勘のいい人間なら分かる、いわゆる例のアレ、麻薬という種類に大別されるもの）&br; お代？ いいんですよお代なんて！&br; わたしゃぼっちゃんにハッピーになって欲しいだけなんです！ -- [[怪しい生徒>空中学園都市/コメント/貧民街]] &new{2014-01-27 (月) 21:05:08}; ---へー、あれか、なんかお試し的な奴か&br;（なんかこういうのって、最初に無料サンプルとかいって配るとかきいた覚えがあるな）&br;まぁタダなら貰っとくわ、ありがとう&br;（折角の御厚意だし、素直にうけとっておこう） -- [[アウラ>名簿/508324]] &new{2014-01-27 (月) 21:12:30}; ---ハイヨロコンデー！（包みを一旦開いて中身が白い粉末であることを教えた上で包みを渡す）&br; いいですか、一度に多量は服用せず！ どうしても辛い時、困難に負けそうになったときに使って下さいハイーッ！&br; それではわたしはこれで！ よい学園生活を！ -- [[怪しい生徒>空中学園都市/コメント/貧民街]] &new{2014-01-27 (月) 21:16:21}; ---よくわからんけどわかった、ありがとー&br;（何か知らんけどつらい時か……風邪薬かなんかだろうか？）&br;（目的のもんは手に入らなかったけど、まぁいいか）&br;でも薬をただでくれるだなんていい人もいるんだなー、得しちゃったぜ&br;（そんなわけで、そのときは鼻歌交じりに家路についたのだった） -- [[アウラ>名簿/508324]] -''黄金歴269年11月 庭園'' --花園 ---（何度か訪れた花園の一角。忌々しいものでも見るかのようなイザヴェルの視線の先には、赤い、毒々しい花弁が見えた）&br;（その手には大型のスコップ。両手で抱えてまだ有り余る巨大さの得物を勢いよく掲げると、花壇の中に杭をぶち込んだ） -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-01-28 (火) 20:38:44}; ---（『花を大事にネ！』の看板が衝撃の余波で弾き飛ばされる）&br;（掘る。砕く。切る。断つ。放つ。伐る。斬る。葬る）&br;（傍から見たら精神の触れた異常者の行動としか思えない暴虐の限りは、花園の一区画を占拠した赤い花だけを駆逐し、ほんの数分で終わりを告げる）&br;（切れる息を整え、スコップを杖によろめきながら立ち上がり）&br;これで……一先ずは……。 -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-01-28 (火) 20:42:44}; --ベンチ ---！…！？（再びびくりと身体を震わせる…今度は近くて響いた音の為だ）&br;（花畑で荒々しくスコップを扱う人影、それが音の主だった）&br;&br;（荒らすように赤い花弁を舞わせて…何がそうさせているのか分からないが）&br;（諫めることすらできずに呆然と見届ける結果となった） -- [[カルロ>名簿/508289]] &new{2014-01-29 (水) 00:14:00}; -''黄金歴269年11月 魔法研究会'' --学園第二天文台 ---（部員が増えてもやることは変わらない。一心に自分の研究を進めるのみ）&br;……なるほど、納得できた。&br;（無数の試験管と顕微鏡が並ぶ山から顔を上げる。ペンが叩きつけられたノートには「証明終了」文字が記された） -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-01-28 (火) 21:00:45}; ---（しかしどうしたものか）&br; （とりあえず一息はついた。原因を特定してどうなる、という話はまた違う気がする）&br; （今後は生徒の自浄作用に任せるとしても、下手に騒ぎたてすれば騒動の渦中にいる張本人に逃げられてしまう可能性が非常に高い）&br; （結果論だが、こうなるまで放置しておいた学園側も完全に信頼できるとは言い難いのだった）&br; （一先ずの仕舞いはつけたい。誰にも迷惑が掛からない形で）&br; （友人と呼べるいくらかの人物や、袖擦りあった部活の人間に、悟られないよう）&br;&br;（一人の天文台で思考は続く） -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-01-28 (火) 21:32:51}; - ''黄金歴270年1月 貧民街'' --密売通り ---（その日は良く曇っていた。現在学園都市が通過している魔力異常地帯の目に見える影響というなら、月の消えた霞がかった空がそうなのだろう）&br; （年が明けたにも関わらず貧民街の輝きは活発で、将来を儚んだ退廃的な生徒が多数存在しているのだと分かる） -- &new{2014-01-30 (木) 21:08:10}; ---（密売通りは相も変わらずの閑古鳥）&br; （電柱に凭れかかっているのは、肥満気味な巨体を持て余した男子生徒）&br; （密造した麻薬を捌くことで多額の利益を得ていたその男は、卒業後の「推薦」を間近に浮かれ気分だった）&br; （このまま何事も無ければ、二ヶ月後には自分も甘い汁を吸える）&br; （緩みがちになる表情はをフードで隠す）&br; （―甘い方へ流れ続けていた幻想は、一人の予期せぬ来訪者によって終わりを告げる） -- &new{2014-01-30 (木) 21:10:22}; ---4年生、へロン・フェニデート。尋ねたいことがある。&br; いや、端的に言わせてもらう。&br; 今すぐに保有している麻薬を全て廃棄し、出頭しろ。&br; （一人の生徒が、良く通る澄んだ声で糾弾の叫びを上げた） -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-01-30 (木) 21:11:54}; ---……おやァ、何を言っているのかどうか分かりかねますが？&br; （丸太のような首を大仰に曲げ、しらをきる）&br; （ふざけるな、と言いたい。教師にも、誰にも気づかれずに秘密裏に進めてきた計画が）&br; （よりにもよって、卒業間際のタイミングで嗅ぎつけられるとは）&br; おかしな因縁つけてくると袋にすっゾ、そこんとこよろしくね。&br; （喉を唸らせて威嚇する。見慣れない顔からすれば一年生、どうせ凄まれるだけで引く） -- [[へロン・フェニデート>名簿/508107]] &new{2014-01-30 (木) 21:14:11}; ---（ふう、と溜息を吐く。この期に及んでまだ逃げられるつもりであるとは、そのず太い神経を認めざるを得ない）&br;昨年の夏頃、貧民街で一人の生徒……Aが亡くなった。&br; 確か一般生徒には『急性心筋梗塞』と伝えられていたはず。&br; しかしその死は、急性心筋梗塞と位置づけるには不審な点があった。&br; 一つ。死亡直後のAの死体に不自然な点が多かった。顔に斑点があったり、皮膚が不自然に爛れていたり。&br; 一つ。そもそも心筋梗塞は高齢者を中心に発病する。若年層でも起こり得ることはないが、真っ当な生活を送っていれば患う可能性は低い。&br; 一つ。Aが死亡する直前に「ヤクが切れた」といううわ言を発していた。&br; とこれだけの材料では不審死として扱うには説得力が弱いかもしれない。 -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-01-30 (木) 21:16:46}; ---（額に一筋の汗が浮かぶ。何を言っているんだこいつは？） -- [[へロン・フェニデート>名簿/508107]] &new{2014-01-30 (木) 21:17:59}; ---実は、数年前から似たケースが頻発している。&br; 一年間で何人もの生徒が死亡し、死因を心筋梗塞とされている。死体の発見場所は貧民街。&br; もはや偶然の一致とは考え辛い。&br; &br; ということで、私はAの死亡直後の体液と血液を検分してみることにした。 -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-01-30 (木) 21:18:32}; ---（Aだなんて白々しい言葉を使いやがって）&br; （薬を売り付けた男の名前くらい覚えている。そうだその男は確かに夏に死んだ）&br; （血液？ 体液？ 死体はすぐに学園側に回収されたはず）&br; （そんなものをどうやって―） -- [[へロン・フェニデート>名簿/508107]] &new{2014-01-30 (木) 21:22:00}; ---分析結果は、通常の構成物質の他に異物が混ざっている。通常人間の体内から生成されない酵素。&br; 外部から取り入れられたその正体は何なのか。&br; 定義することは簡単。&br; 「致死性があり、依存性が強く、長期の服用を断つことで人体に様々な影響を齎す薬物」&br; ……つまりは麻薬。&br; &br; Aは麻薬によって死亡した。これは確実。&br; おそらくは、Aの他に貧民街で死んでいた生徒も麻薬によって命を奪われた。&br; &br; ここは学園都市。需要が生徒にあるならば、共有はどんな人物にあるのか。&br; 一番警戒なく近づけるのは、同じ学園生徒。学園生徒が麻薬をバラ撒いていた。&br;ここで一つの疑問が生じる。どうやって犯人が麻薬を用意― -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-01-30 (木) 21:23:37}; ---''もういい！ お前のお喋りに付き合うのはウンザリなんだよ！''&br; （分厚いフードを脱ぎ捨てると、その正体が露わになる）&br; （どこにでもいそうな、肥満体系の男。そんな印象の生徒だった）&br; ああそうさ！ 全部俺がやったんだ！&br; 大方、庭園を荒らしたのもテメエだろ。よくあの花が麻薬の原料だって気付いたもんだ！ ハッハッハ！&br; （乾いた笑いを見せると、途端に声のトーンを落とす）&br; それでどうする？ 俺を学園に突き出すのか？ -- [[へロン・フェニデート>名簿/508107]] &new{2014-01-30 (木) 21:27:49}; ---あの花は高原地域にのみ存在する希少種。&br; 超高度で浮かぶ学園都市の季候だからこそ生育し毒と成る。その点に目をつ麻薬に転用した点だけは評価に値する。&br; &br; 私は出頭しろ、と言っている。&br; これ以上の抵抗や隠蔽は無意味。状況証拠は全て私が握っている。&br; 多少でも罪の意識を感じるならば、まだ遅くはない。&br; （実力行使で説き伏せても意味がない。彼の男の魂に敗北を刻み込ませる）&br; （悪事を働いたことは、必ず白日のもとに晒されるという、世の断りを教えるために） -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-01-30 (木) 21:34:52}; ---（項垂れていたへロンの身体がビクリ、と跳ねる）&br; お前……アレだろ？ 一人で来たんだろ？&br; お前も一歩間違えたらお縄になるような、非合法の研究してるんだもんな？ 誰か協力者がいるわけじゃないよな？ な？&br; （ニタリ、蛇に似た厭な笑いが形作られる）&br; ''じゃあお前をブチ殺せば解決するってことジャン！''&br; （懐に隠し持っていた秘密兵器に手を伸ばす。こんなこともあろうかと）&br; （こんな、探偵気取りの正義の味方が現れた時のために）&br; （大口を開けると、手に握った白い粉包みごと胃の中へ流し込む） -- [[へロン・フェニデート>名簿/508107]] &new{2014-01-30 (木) 21:40:32}; ---抵抗は無意味だと― -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-01-30 (木) 21:41:07}; ---（へロンの巨大な体躯を覆っていた肉が膨張し、さらなる隆起を産む）&br; （凸凹の身体からは緑色の苔が生え、足が裂け二又に別れる）&br; （手は身体に埋没し、捻じれた指を一本化して細い鞭と化してゆく）&br; &br; （人間の殻を破り現れた[[異形の怪物>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst084724.jpg]]は、口内から伸びる舌を伸ばしイザヴェルの身体を絡め取る） -- [[へロン・フェニデート>名簿/508107]] &new{2014-01-30 (木) 21:46:34}; ---！&br; （想定した事態を上回る現実に反応が送れる）&br; （予期してしかるべきだったのだ。追い詰められた鼠の力を）&br; （猫をも噛み殺す、生にしがみ付く執着を）&br; （巻きつく粘液が滴る舌はすなわち縄、すぐに四肢の動きが封じられる） -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-01-30 (木) 21:49:28}; ---いだぶっでやろうとおもっだげど、おべぇはごろず！&br; ごろざないときがすばべぇ！&br; ぼろぞーぎんみたいび、ぐちっとつぶヴぃてばう！&br; （舌はさながら万力、か細い人間を砕こうと、より一層力みが強まる） -- [[怪物>名簿/508107]] &new{2014-01-30 (木) 21:52:45}; ---チャーリー！（その時だ、密売通りに男の声が響く･･･同時）&br;&br;「Cレイヴンス！！」&br;&br;（片言の声と共に上方より怪物の舌めがけ･･11羽のカラスが一気呵成に襲いかかった）&br;ようイザヴェル、･･･変わった化粧だな？･･正直どうかと思うぜ？（いつもとなんも変わらない調子で歩いてくる） -- [[ジョン>名簿/507820]] &new{2014-01-30 (木) 21:57:58}; ---（「あっけないものだったか、私の命も」 分かっていた、死は無慈悲なものであると）&br; （そんな絶望を切り裂いて、横から殴りつけてきた多数の黒鳥）&br; （伏兵の登場に緑の怪物が怯む）&br; （やはり不測の事態に弱いのは生物として当然のことで）&br; ……すまないが、私は最近の流行には疎い。&br; （舌による拘束からは開放されるも、まだ体力が奪われたまま壁を背にして息を切らせ）&br;（怪物は舌をチロチロと小出しにし、怒り狂っている） -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-01-30 (木) 22:03:21}; ---（くつくつと肩を震わせて）ま、俺もあんま詳しくはないがな‥今度街にでも出てみようじゃねぇの、こんな辛気臭いトコじゃなくてさ&br;「ジャックー 怒ﾗｾ ﾁｬｯﾀ ﾐﾀｲﾖ」（ばさばさとカラス達が周囲を飛び回り、今か今かと待ち受ける）構わねぇよ&br;（用意してある短剣や矢じりはアイツ特化だ･･･だからあくまで自分は格闘のみ･･･普通の武器も必要かと考えながら構える･･･怒り狂う中に飛び込むのは危険だ･･･狙うはカウンターからの挟み撃ち･･）&br;よう･･あー･･植物くん？･･･その格好でレディをダンスに誘うのは･･ちょっとどうかと思うぜ？御呼びじゃぁない（来いよ遊んでやると手招き） -- [[ジョン>名簿/507820]] &new{2014-01-30 (木) 22:13:36}; ---（「善処を検討する―」）&br; &br; （ジョンの背中に投げられたイザヴェルの返事は、戦いの幕開けの合図）&br; （体重も体躯も人間の二回りを超えるほどに巨大化した怪物は、力任せに両の腕を振るう）&br; （単純な打撃であるが、質量と速度を十分に兼ね備えた鈍器だ。命中すればただではすまない） -- [[怪物>名簿/508107]] &new{2014-01-30 (木) 22:17:37}; ---「ジャックー ﾐｷﾞー 次 ﾋﾀﾞﾘﾏｴー」 言わんでもわかってる！&br;（待ち構えている相手というのは得てして隙がない･･･だが攻撃に転じる時、打点以外の場所には隙が生じる･･体格差があるなら飛び込めばいい･･･その飛び込むタイミングを操作する為の挑発だ）&br;（鈍器の如く振り込まれる腕を身を沈めて回避･･･）ぅおぉおぉぉおおっ！！（そのままぐるっと回り･･･飛び後ろ蹴りで怪物の首の部分を狙う･･同時）&br;「ﾚｯﾂ ｺﾞｰ！」（そんなのんきな声と共に反対側から再びカラス共が襲いかかった） -- [[ジョン>名簿/507820]] &new{2014-01-30 (木) 22:25:56}; ---おぶぉぁが！ ぐそ！ ごんぼ！&br; （攻撃が当たらないことへの苛立ちが濁った悪態となる）&br; （次こそはと下された鉄槌も空しく宙を切り、その隙を相手は逃がさない）&br; （首に打ち込まれた爪先と嘴、一発一発の殺傷力はさほどでもないが、とにかく多い手数に圧倒される）&br; ぢじょうじに、のぶばぁっ！&br; （カラス共を散らそうと背後へ、そして今度こそジョンを叩き落とそうと再び怪物の鞭が襲いかかる） -- [[怪物>名簿/508107]] &new{2014-01-30 (木) 22:32:06}; ---散れチャーリー！ 「ｱｲﾖｰ！」（こんな状態になっても前後の概念はあるのか‥兎に角後ろへの打撃は遅れた･･故にカラス達は分散し、回避に成功する）&br;（だがこっちは流石に間に合わない･･腕をクロスし、打撃を受ける･･･）･･･っ！（脳天から股下にかけて結構やばい衝撃が走った･･･変化が解けるかとも思ったが･･･まだだ･･まだいける）&br;ちょーしに･･（がっつりと振り込まれた後の怪物の鞭を掴む）乗んなよクソがぁああ！&br;（どっちが悪役だか分からなくなる声を上げながら力任せに引っ張り、つんのめらせる･･･つんのめったその顔面･･その口めがけ）っらぁ！（腕を突っ込み、舌を引きずり出し、ちぎらんとする） -- [[ジョン>名簿/507820]] &new{2014-01-30 (木) 22:43:13}; ---（視力は既に亡い。単純にダメージを与えてくる方向だけを狙った勘に頼った攻撃である）&br; （確かに前方に手応えを感じたことに気を良くした怪物は、追撃を加えようとして）&br; （腕を固められ、あからさまに露出した弱点、すなわち口内に収められないほど伸長した舌までをも捕えられてしまう）&br; が……ぎぃいいいいいいいいいいききききぃぃ！&br; （苦悶と知れる耳障りな金切り声と共に、怪物がのたうち身体を傾ける）&br; （取りついたジョンを体重で潰し、圧迫死させてしまおうと）&br; ぢねぇええぇええええ！ -- [[怪物>名簿/508107]] &new{2014-01-30 (木) 22:50:01}; ---ぬぅ！？･･（やばい･･逃げられない･･･このまま押しつぶされたら後はないだろう･･･だがチャーリー達も下手には手を出せない･･･重い･･体重･･下への力･･･）&br;'''──思い出せっ父より受け継ぎし魂を！求めろっ母より賜りし肉体を！我らは渇望する･･兄弟達と駆け抜けたあの空を！！ 融合人化呪術限定解除！！──'''&br;（掴んでいた舌を離す･･･その腕が肥大化する･･･膨れ上がりささくれ立ち鉤爪が生える･･･人よりも巨大な大ガラス、その足へと”戻す”）&br;らぁ！！（のしかかる体重に乗せる形で鋭い爪を怪物めがけ突き立てた） -- [[ジョン>名簿/507820]] &new{2014-01-30 (木) 23:04:57}; ---（ジョンの輪郭を腕で撫でると、顔のないはずの怪物が口の端を吊り上げる）&br; （相手が手を離したことからも分かる、勝利の確信。このまま骨を砕き、呼吸を止めてやろうと今一度力を漲らせた時に）&br; （それは起こった。人間のはずだったジョンの腕が異形の凶器と化し、明確な殺意を抱いた）&br; （当然逃れられるはずもない）&br; （羽を揺らし、強く空を蹴って、レイヴンが羽撃ばく）&br; ''―――ッ！''&br; （深々と緑色の皮膚へと鍵の爪が突き刺さる。四肢を力なく動かしもがいた怪物は、ほどなく動きを止め）&br; （新緑の鎧を溶かしながら、元の人間の姿へと戻った。返事はない、気絶しているだけのようだ） -- [[怪物>名簿/508107]] &new{2014-01-30 (木) 23:16:06}; ---（当面の脅威が去った今、色々とジョンに尋ねたいことはある）&br; （どうしてあの怪物に立ち向かってくれたのか）&br; （どうしてこの場所が分かったのか）&br; （ただそれを訪ねても、目の前の飄々とした男が真実を教えてくれるとは限らないので）&br; ……助けてくれと頼んだ覚えはない。&br; （始末の悪さに顔を背け、つい強がりを言ってしまう） -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-01-30 (木) 23:21:45}; ---はぁ･･･はぁっ･･！･･麻薬で死んだ･･奴の骨も･･･採取しとくんだったぜおい･･･（咄嗟だったから”戻り”の浸食を制御しきれない･･肘から肩、顔の半分くらいまで黒い羽毛で覆われて）&br;「大丈夫 ジャック 腕ｦ 足ﾆ 戻ｽﾅﾝﾃ 無茶ﾈ」 るせぇ･･･（これだけやってまだ死んでないヘロンを見て「勘弁してくれ」と呟く）&br;（鉤爪をワキワキとさせて油断なく男を見据えながら）おいイザヴェル、コイツどうすんだ？（殺っていいと言えば殺ってしまう･･そういう声で）&br;･･･ぁん？･･こっちも頼まれた覚えはねぇよ、ダチが一人でなんかしてるから気になっただけだよ･･･でもそいつ素直じゃねぇからどうしていいか分かんなくてな･･･（疲れているからかいつにもましてぶっきらぼうだ） -- [[ジョン>名簿/507820]] &new{2014-01-30 (木) 23:32:32}; ---（白目を剥いたへロンは、しばらく起き上がらないだろう）&br; （彼の処遇をどうするか決断するのは自分たちではない。あるべきところで裁いてもらうのみ）&br; 彼の人生は終わり。目先の利益に惑わされて将来を棒に振った事を後悔して、惨めに生きるといい。&br; 通報だけはしておく。違反薬物でトリップしている生徒がいる、と。&br; 検査をされれば、先程身体を変化させた薬物が陰性反応で退学は免れない。&br; その後は芋蔓。あとは学園側に任せればいい。&br; （投げやりなジョンの言葉に、口を噤んでいたが、やがて）&br; ……ありがとう、とだけ言っておく。&br; 助けてくれたことも、私をダチと言ってくれたことにも。 -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-01-30 (木) 23:45:00}; ---人が人を裁くなどおこがましい･･･ましてやカラスになど･･ね（自嘲気味に笑う）&br;･･一応、拘束できたらしとけよ、手が自由なら何するかわからん･･･（念の為そう付け加えて）&br;････････（突然のお礼に一瞬きょとん･･だがすぐにニカっと笑って応じた）おうっ&br;&br;･･所で･･･お礼ついでに髪の毛一本貰ってもいい？（顔の下半分は既に羽毛に覆われ、左腕も変容を始めている･･･このままでは人の形を保てない） -- [[ジョン>名簿/507820]] &new{2014-01-30 (木) 23:54:33}; ---カラスは頭がいい。人間の言葉を理解できる。ジョンのように。 （ポケットから取り出した縄で肥満男の手を縛る。ついでに足も）&br; 髪の毛？（不審に思いながらも一本を千切ってジョンに渡す）&br; おかしな趣味がある、ジョン。その姿が……本来の姿？ -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-01-31 (金) 00:04:30}; ---頭が良けりゃ裁いて良い事にはならないさ･･･だから司法ってのは難しい･･･（でも「ありがとよ」っと呟く）&br;おう･･（慌てて右手を伸ばして髪の毛を受け取る･･体の端々からカラスの頭が覗き始めている）&br;ととっ･･あんまり、見てても良い気分にはならねぇぞっと･･（受け取ったそれをぱくりと食べる）'''■■■──'''（呪文を唱えれば浸食は止まり、またすぐに人の姿に）&br;（ただ変わっている所がある･･･髪の色や質、目の色、そして顔立ちがどこかにイザヴェルに似ているのだ）後で調整するか‥&br;いや･･正確には･･･（顎で建物に止まっている11羽のカラス達を示す）あれと同じ姿だ、魚の群体ってあるだろ？あれと同じさ･･11羽のカラスが一つにまとまって、人間みたいな姿を取ったのが俺だ -- [[ジョン>名簿/507820]] &new{2014-01-31 (金) 00:14:53}; ---（世間一般では人外、化物として形容されるその異様な光景にも、何ら大きな反応を示さず）&br; 興味深い。また今度、詳しく教えて欲しい。&br; （短くそう答えると、ジョンの前を足早に駆け出した）&br; （背後では徐々に人の声が増してゆく。気絶したへロンが貧民街の住人に発見されたのだ） -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-01-31 (金) 00:27:36}; ---（そして、二人が立ち去った後に）&br; （気絶しているへロン・フェニデートが、こう漏らしたという）&br; &br; 俺は……グリー……。 -- &new{2014-01-31 (金) 00:41:49}; -''黄金歴240年1月 貧民街'' --密売通り ---（普段よりも少し厚着をして、地下に降りていく）&br;（先日、薬を譲ってくれた奴を探して）&br;……そう都合よく見つかったりはしないかね -- [[アウラ>名簿/508324]] &new{2014-01-31 (金) 00:17:57}; ---（数人の生徒が寄り集まって話をしている） 「……なあ、知ってるか？ 退学になったらしいぜ、最近荒稼ぎしてたあのデブ」&br; 「ああ、おかしな噂が立ってたからな。正体がバケモノだっただの」&br; 「馬鹿じゃねえの、本気で麻薬なんで売り捌くつもりだったのかよ」&br; 「面倒なことしてくれやがって、ここも居心地悪くなっちまった」 -- &new{2014-01-31 (金) 00:23:03}; ---（路地裏の片隅）&br;（まるで、光を嫌う虫のように、物陰で寄り添っている連中の後ろに立つ）&br;（微かに届く光すら、遮るように）&br;面白そうな話してるじゃねぇか&br;なぁ、少し詳しく聞かせてくれよ&br;（それとなく、道を塞いで） -- [[アウラ>名簿/508324]] &new{2014-01-31 (金) 00:29:59}; ---（たむろしていた生徒たちがアウラを認めると、口々に話しかけてくる）&br; （誰も胡乱気な目つきではあるも、敵意は持っていない）&br; 「あぁ？ おい何だよテメエ！ 聞いても実のある話じゃねえぞ？」&br; 「ここでハッピーになれる薬だとか言って麻薬を売りつけてたイってるバイヤーがいたけど消えちまった」&br; 「それも噂だらけだ、何でもカラスの化物に襲われたとか、バイヤー自体が怪物だったとか、噂と情報が錯綜してる」&br; 「確実なのはその噂の渦中の男がもう学園にはいねえ、って話だな」&br; 「バイヤーだったのは4年のへロン・フェニデートだ。丸いデブで、こんな」&br; （ジェスチャーで身体の丸さを表現する。体型は、アウラが以前遭遇した怪しい生徒とそう離れていない） -- &new{2014-01-31 (金) 00:40:12}; ---ハッピーになれる薬……（売人の特徴を聞くに、ほぼ間違いない）&br;（それがカラスのバケモノに、ねぇ）&br;まぁ、それはいいや&br;その薬ってまだどっかで手にはいったりする？ -- [[アウラ>名簿/508324]] &new{2014-01-31 (金) 00:47:09}; ---「さあ？ ねえだろ。何せ作ってたらしい当人が消えちまったんだからな」&br; 「でもよォ、案外誰かが引き継いでシマを乗っ取ってたりするかもな」&br; 「オイオイオイ、見つかったら退学だわソイツも」&br; 「「「ギャハハハハハハ！」」」 -- &new{2014-01-31 (金) 00:57:45}; ---そう、かい……&br;（いずれにせよ、これで足取りは途絶えた）&br;（まぁいい、たいした用事があったわけでもない）&br;ありがとよ、手間とらせたな&br;（男たちの下卑た笑いを背に、踵を返す）&br;（下手人がいない以上、もうここに用はない） -- [[アウラ>名簿/508324]] &new{2014-01-31 (金) 01:08:57}; #endregion ***2年目〜： [#jfda307e] 夜中に遭遇した巨大な蜘蛛に始まる一連の事件。&br; 現在未確認で進行系。 A・B・ニュー~ 水鏡御蔵~ #region -''黄金暦270年 5月'' --住宅街裏通り ---うぃー、いいねえこの艦は！&br; 実にいい！ 知的探究心と股間のなまくらが年甲斐もなくいきり立つよ！&br; （5月の、雲が月を完全に多い隠した夜）&br; （男は酔っていた。酒をしこたま飲み、歓楽街のバーで女の子相手に武勇伝を聞かせ）&br; （称賛と羨望の眼差しと引き換えに、財産のほんのいくらかを失ってしまったが） -- &new{2014-02-03 (月) 21:43:03}; ---（男が表通りへ足を踏み入れようとした時に）&br; （後ろから�鏑鼎噺�を叩く者がいた）&br; 何かね、わたしゃ忙しいんだ！ サインなら後に―&br; （怒りも顕わに振り返る男。その両の双眸は、驚愕に、いや恐怖に見開かれ―）&br; &br; ''ぎ、ぎぃやぁああああああああーーーーーーーーーーーー！'' -- &new{2014-02-03 (月) 21:45:31}; ---（その翌日。同じ場所で、大量の血痕が発見された） -- &new{2014-02-03 (月) 21:49:16}; ---（KEEPOUT！のテープが張られている内側で、警察が現場の確認をしている）&br; 「被害者はメロ・ディーリアン、66歳。高齢ながら地上の魔法学校の非常勤教師。&br; 精霊研究家としても名高く、今回は精霊エンジンの買い付けのために船に乗った。&br; いやー身分証残ってるからまだいいんスけどね。ホントにこれ、爺さんの血なんですか？」&br; 「そう考えるしかないだろう。実際にディーリアンは宿に戻っていない。この現場に残されていたものがその身分証である以上、な」&br; 「血液をDNA検査するまでお手上げってところスか。人間にこんな残酷なことできるンすかね」&br; 「余程鋭利な刃物が使われたか、あるいは……。お前は知らないだろうが、前にも似た事件があった。&br; 血痕だけが残されて、結局犯人も捕まらず迷宮入りのままだ。その時は同時期に失踪した学園生徒がいて、DNA鑑定で被害者だと断定された」&br; 「うわホラーじゃないですか！ いやですよ俺も殺さ……れ……」&br; 「どうした？」&br; 「……ありましたよ……爺さんの死体っス。&br; &br; 肘から下の、腕だけですけど」 -- &new{2014-02-03 (月) 22:03:25}; ---（そう、この学園艦には『いる』。未だ全容が暴かれていない、様々なものが―） -- &new{2014-02-03 (月) 22:05:48}; -''黄金暦270年6月 庭園'' --ベンチ ---「……オイ、本当かよそれ？」&br;「最近この手の与太話多いよなー」&br;「本当だって！ 真夜中に俺見たんだよ！ 蜘蛛の化け物！」 -- &new{2014-02-05 (水) 22:27:27}; ---「ハイハイ嘘つき嘘つき、そんなもんいるはずねー」&br; 「見つかって駆除されて終わりだろ、常識で考えろよ」&br; 「常識常識ってお前ら、そういう思考のままでいたら常識に殺されるぞ！」&br; 「おーこわ、ほらいいか現実見ろよ、レポート溜まって現実逃避したくなったんだろ？」&br; 「嘘じゃねーって絶対いるんだって」 -- &new{2014-02-05 (水) 22:37:00}; -''黄金暦270年8月 商店街'' --（発端は「部室の物品が傷んでいるので新しいものを用意しよう」と誰かが鶴の一声を上げたことから）&br; （部長は当然買い出しに行くべきだと満場一致で決まり、誰かお目付け役と荷物持ちを用意しないときっとルィンディが散財すると懸念され）&br; （じゃんけんという古典的な方法で勇士が選抜され、負けた一人がめでたく死地に送られることになったのだった） -- &new{2014-02-06 (木) 21:52:58}; ---（日が沈めば、流石に8月の殺人的な日光も、蝉のオーケストラもなりを潜める）&br; （昼間商店街を彩っているネオンサインも照明を落とした頃）&br; （早々に帰ってくる予定が、ルィンディの「そうだラーメンを食べよう」という何時ぞやの唐突な試みが採択されたことにより大分伸ばされた）&br; （文句を言っても仕方のないことだ、もう慣れた） -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-02-06 (木) 21:54:21}; ---（鮮やかな美味であった。鹹水で発色させたフラボンが金色を呈す、縮れた歯切れのよい麺。魚介ベースのスープに絡み、２４金に燦めく）&br; （財宝の山をそのまま啜り込むかのような贅沢である。満足し得ないはずもなく、日没後の空も爽やかに見えた）&br; （イザヴェルのよりか幾分重い袋を提げて、足取り軽く帰路を征く）&br; どうした、イザヴェル。……みそ派、だったである……？（真剣な視線） -- [[ルィンディ>名簿/508104]] &new{2014-02-06 (木) 22:05:38}; ---いや何でも。（そっけない返事を返す）&br; （随分とルィンディはご満悦なようだった。確かに彼が前から気になっていた店だと力説するに見合う味はあった。あったのだ）&br; （この学園で海産物を絡めた食事がお出しされることは稀だし、大海を包み込んだ汁の味は、食事に無頓着な自分を唸らせ納得させる程度には洗練されていた）&br; （特に予想外のアクシデントを望んでいたわけではない。が、こうも期待通りすぎる行動を取ってくれると、どうしても頭が痛くなり回転が鈍くなってしまう）&br; さっきの店、女の子とのデートで連れていくのは止めて。絶対止めて。 -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-02-06 (木) 22:16:06}; ---そうであるか。（上の空で返事をする。彼の舌には余韻が満ち満ちている。特に何かを語るでもなく、味蕾の響きを反芻していた）&br; （「表通りの店もなかなかやるである」貧民街の屋台などを渡り歩いてはや一年と四ヶ月。しかし広い学園艦でまだ巡りあえていない味は沢山あるのだ）&br; （イザヴェルの心の機微もいざ知らず、ルィンディの心は食い気だらけ。こちらの頭も、空転するいっぽうだ）&br; おんなのことのでーと……？（共通語に慣れたはずの頭は、徐々に浸透させるようにしてその言葉の理解を始める）&br; （「そういえば先日は屋台でラリサとラーメンを食ったである」「そういえばイザヴェルも女子であったな」）&br; ……。そんな機会があり、憶えていたらな。（こう答えたが、この男は別の店に連れていくだろう。ヘルシーなラーメン屋とかに）&br; （「しかし、こやつ猿のように頭を短くしてからに」「しかし、楽といえば楽といえよう。しかし、辛うじてあった女子らしさが摩滅しているである」）&br; （「勿体ないのであるなぁ」いまはじめて事実を認識したような、いささか落胆するような、そういう表情を見せた） -- [[ルィンディ>名簿/508104]] &new{2014-02-06 (木) 22:31:27}; ---（ルィンディの落胆の様子に、さてはスープを全て飲み干さなかったことを悔んでいるな、と目星をつける。どこまでも残念な男だ）&br; （まあいいか、と思った。別に自分はルィンディの保護者でも後見人でもないのだ）&br; （勝手に珍妙な行動をとって、三行半を突き付けられてしまえばいい）&br; （むしろこんな朴念仁が社会で通用するよう心配してやる私は、中々どうして慈悲深い）&br; （勝手にうんうん納得すると、商店街を離れて学園側の領域に入るまでにはすぐになった）&br; （これで大任も終わる。軽く溜息をついたところで）&br; &br; ''ザグリ'' ''ドグリ''&br; &br; （間違えもしない、日常的によく聞く、不協和音が耳に届いた）&br; （生物が屠られる音、肉が裂かれる音、何者かが死を迎えている音だ） -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-02-06 (木) 22:48:28}; ---（年頃の男女二人が並んで歩くにしては、あんまりだ。ちょうど、白黒二色刷りの娯楽漫画のように、色気のない一幕であった）&br; （１８歳の男にしては、意識をしなさすぎる彼がいけないのだが。まるで、家族に接するかのように部員との仲を考えているようだった）&br; （──音を聞くと、脚の筋肉が硬直する。音を聞くために、自然と耳が澄まされた）&br; （生肉を部位に分けて解体する音でもなし、烏が生ごみを漁る音でもない）&br; （大きな水音、滴る粘性の高い水音、蛋白の固まりを抉る音がする）&br; （イザヴェルより数歩先を歩いていた彼は、そっと音を立てぬようイザヴェルの傍へ寄り、彼女へ目配せをした）&br; ……。（「……異常であるな」「逃げてしまったほうがよいかもしれない」） -- [[ルィンディ>名簿/508104]] &new{2014-02-06 (木) 23:08:03}; ---（当然ルィンディも気付いている。長きに渡り生と死の交差する場に身を浸しているからこそ、赤信号を察知する能力も高い）&br; （障害物は避ける。危険には近づかない。それが人間として正しい生き方だ）&br; （しかし折れたくなかった。背を向けたくなかった）&br; （早死にするタイプだと、十分に納得しているつもりだ）&br; （親不幸ではない分、幾分かマシか。既にこの世に生を与えてくれた愛すべき両親は、きっと既にいない）&br; （「逃げる？」 どこへ、どうやって。どうせ狭い学園都市、再び巡り合う日は訪れる）&br; &br; （ルィンディのアイコンタクトへ沈黙の返事を返す）&br; （黒真珠に似た双眸は引き締まり、一切の反論も受け付けない構え）&br; （「一人で帰れ」との無慈悲で直接的な表現を抑えて、無言で首を横に振った） -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-02-06 (木) 23:21:13}; ---（鋭く睨み返されて、こちらも目つきが悪くなる。「正気なのであるか？」とでも言いたげに、紅の目を細める）&br; （しかしながら、さりながら。これも、寄り道をした因果なのかもしれない。明るいうちに通りすぎていれば接触をすることもなかったのだから）&br; （全責任を負う、なんて。履き違えた自己陶酔的思考をするでもない）&br; （さりとて、置き去りにする選択肢もない。「……手を引いて、強引に帰ってしまうか」そんな考えもよぎる）&br; ……。（思惟のあと、「じゃ、できる限り離れないようにするである」音の方向を顎で示し、気になるのなら寄って確認するよう促した）&br; （精霊灯は、遠くであかあかと輝いている。二人のいる場所は、薄暗く、また、湿っていた） -- [[ルィンディ>名簿/508104]] &new{2014-02-06 (木) 23:35:51}; ---ありがとう。（聞こえるか聞こえないか、我儘に付き合ってくれたことへのかすかな感謝）&br; （音の発信先は、すぐ傍の脇路地。平時から灯りと人の目の届かない、闇と静寂の地）&br; （足を踏み出した二人が見る、街の光から逃れた漆黒の世界に紛れていたモノは）&br; &br; （一般には学園や、もちろん地上のあらゆる場所で散見される生物）&br; （分類としては昆虫や甲殻類が属する、一般的には嫌悪感を齎す節足動物。それは蜘蛛）&br; （今しがた胃の中に収められた麺よりも汁よりも輝く金月を背に伸びた影が、直立する二人を覆い隠す）&br; （そう正しく[[蜘蛛>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst084767.jpg]]だった。実在の生物に照らし合わせた場合の話は） -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-02-06 (木) 23:43:51}; ---（蜘蛛は嫌いではない。害虫、害獣を駆除してくれるし、不潔な感じがあまりしないからだ。それに、銀色の糸を編む姿は何やら美しい）&br; （旅の途中、幌の中で大きめの蜘蛛を観察したことがある。例の黒い害虫がその目の前を匍うのだが、蜘蛛はじっと動かない）&br; （しかし、突如火が燃え上がるように飛びつき、糸で雁字搦にして瞬く間にそれを仕留めてしまった。鮮やかな手腕であるなと感心した） （でも、それは、人の目線で見てのこと。こうして８つの目から見下されてみると、成程、身が竦む思いが全身を駆け巡る）&br; （理解が及んだ瞬間、ぞっとした。「私達は、害虫と同じサイズだ」影が視界を、塗りつぶした）&br; イザヴェル。（感情の色を含まないその声は、様々な意味を内包している。蛇杖を咄嗟に構え、イザヴェルの眼前へ躍り出た）&br; （息を吸い、背の入墨へ魔力が巡るのを感じながら、蜘蛛を見る。やはり、大きい。冗談でも、嘘でも、見間違いでもなかった） -- [[ルィンディ>名簿/508104]] &new{2014-02-07 (金) 00:03:39}; ---（まず目を惹くのは異様に肥大化した体躯）&br; （本来蜘蛛に八本四対存在する歩脚が、六本三対しか存在しない）&br; （変わりに餌を掴む手の役割を成す触肢がより発達し、歩脚としての役割も兼用しているようだった）&br; （節は人間の筋肉に似た隆起を見せ、内部に血管でも通っているのか錯覚するほど朱色に脈動している）&br; （引き続き肉を細切れにする行為が織りなす最悪のセッションを奏で鼓膜を浸食しながら、大蜘蛛は忙しなく動く）&br; （食事の実態は蜘蛛の巨体に隠れて見えなかったことが幸運か。しかし怪物の『御馳走』は容易に想像できる）&br; （二人の足元に投げ出された、物言わぬ千切れた犠牲者の腕を見れば）&br; &br; （人間の気配に気づき、大蜘蛛が愚鈍な動作で身体を反転させる）&br; （鋏角と触肢を擦り合わせる蜘蛛の所作は、飲み残しの体液でも拭っているのか）&br; （次のターゲットとして品定めをされていると悟った瞬間に、腹は決まった）&br; （恐怖を上回る生存本能に刺激され、闘う意思を肺から絞り出す）&br; ルィンディ。（自分を守ろうと身を呈してくれている、ほんの一分前までは世界で一番頼りなかった魔法使いの名を呼んで） -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-02-07 (金) 00:14:34}; ---（獣にでも貪られたほうがマシかもしれない。そう考えるとフラッシュバックする悪い思い出があった。「どちらも変わらない……」血の臭いが吐き気を催す）&br; （すぐ傍にいるイザヴェルがああなるところが思い浮かびもした。酷く穏やかではない気持ちになる。波立つ心を落ち着けられそうもなかった）&br; （それは悪夢ではなく、数多ある未来の一つなのだから）&br; （「捕食行為に罪はないのである。そして、私は警察でも自警団でもないのである。空学のいち生徒であるし、またいち市民である」）&br; （権利も義務もない。だが、部員を守るべき責任がある。魔法研究会の首長として、精神の奥底が奮い立つ）&br; もしかしたら私は死ぬほどのめに合うかもしれないのである。だが激昂するのではないぞ。落ち着いて判断をするのである。&br; （無謀なことに、彼は──蛇杖を逆さに構えて、単身蜘蛛に躍りかかる。恐らくは、死の領域へ進んで脚を踏み入れて）&br; （その太い足馘を、全体重を乗せて、迷いなく貫いた。木製とは思えぬ強度のその杖は、重く、鉄のようである。大きな抵抗のあとずぶりと沈み込んだ）&br; （それはまるで致命でもないし、まして、脚一本を引き換えに奪ってこれるような一撃でもない） -- [[ルィンディ>名簿/508104]] &new{2014-02-07 (金) 00:35:28}; ---（賽は投げられた。いつでも選択するのは自分だった、微塵の後悔もない）&br; （あるとすれば、黄泉路への伽を作るかもしれないことが、恐ろしい）&br; 死なせない。私が死なせやしない。&br; （ルィンディの先駆けに間髪入れず、懐に忍ばせておいた古びた古書を開く）&br; （攻撃を彼に任せるとして、今の場面で繰るには最も適している、氷の魔法を使うための魔導器だ）&br; （ページが捲られ、全身に張り巡らされたバイパス回路に魔力が注入されると、発動までのタイムラグはコンマゼロ）&br; （真夏の地面を霜が覆い、立ち上る冷気が空気を変質させる）&br; （ここは既に氷花の舞う庭。絶対零度の世界）&br; （瞬く間に伝播する白景色が大蜘蛛を包み、自由な動きを阻害する）&br; （杖の強撃が直撃するのも当然のこと、足の一本を貫かれた蜘蛛は通常なら身悶えするところ）&br; （それすらも剥製めいた蜘蛛は叶わない） -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-02-07 (金) 00:51:19}; ---……いいじゃないか！（イザヴェルのほうを一瞥もしない。だが、口元は大きく開き、白い犬歯が露出している。夜闇を浴びて、輝いた）&br; おい、イザヴェル。その出力を維持。神経のはたらきを鈍らせ、抵抗をなくすである。（白い呼気が、夏に似つかわしくなく流れた）&br; （杖を引き抜くと、どろりとした体液が溢れでて、蠢く脚の肉がのぞく。傷口の表面に霜が立って、凍りつきつつあった）&br; &br;&color(dimgrey){ '''いつか話した夢は 解けない魔法へと姿を変える 真実を語れ 約束は今果たされる'''&br; &br; '''鳥の歌声が いつも同じ調子にしか聞こえてこないというのは 無頓著な人の粗野な耳においてだけ 耳を傾けて 静かに息を落ち着けて&br; 微笑みをたたえて 立ち止まる 私はこの場所で過ごすさだめ'''&br; &br; &br;白魔法 ''スペル・エンハンス──ステイシス。''};&br; &br;（詠唱を手早く終えると、白い光の帯が、氷結した路地の空気を匐う）&br; （冬の眠りに誘うかのように、光の帯は雪のごとくほどけた。ちょうど、牡丹雪の降るような恰好で、巨大蜘蛛の身全体を光が包んだ）&br; （冷気に鈍り始めていた蜘蛛の六本足は、へたりこむようにして地面に縫い止められる）&br; ……。（彼は、自らの魔導が敵を捕縛したことを確認するとまた無造作に接近し、脚を踏み台にしてその背へ上がった） -- [[ルィンディ>名簿/508104]] &new{2014-02-07 (金) 01:07:55}; ---了解。（凛とした声は、人口の雪原によく通る）&br; （使用したのは冷気を発生させ敵を覆う単純な魔法）&br; （理論だけはあった。ただ、実戦で使用することは終ぞないだろうと棄てていた）&br; （魔法の発動と維持にキャパシティを喰われて、攻撃に転ずる余裕が埋まっていたからだ）&br; （別の手段でダメージ源を補填すれば実用に耐えうるとこの土壇場で証明されたのは、皮肉としか言えない）&br; （内心自嘲する。やはり才能がないな、と）&br; （ルィンディが怪物の背に翔け登り、取りつく。この状況を維持し続ければ、負けの選択肢が突然に湧いて出ることはない） -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-02-07 (金) 01:25:56}; ---（イザヴェルの内心を察してやれるほど余裕のある状況でもない。毛の生えた足柄を引っ掴み、遮二無二に背へ取り付く）&br; （登ってみると成程高い。象ほどもあろうか。象に乗ったことのない彼は、どこか弛緩した調子になりながらそう考える）&br; （先程確かめた肉質から、背の柔らかい関節へ蛇杖を刺すことは容易に思えた）&br; （ずるりと、神経部へ打ち込むように、彼の身長ほどもあった杖が奥深くめり込む。蛇の彫刻の頭のあたりだけが背から露出する恰好になった）&br; （やはりそうなると、魔法の拘束を抜けださんとして、神経の芯部を傷つけるその“棘”から逃れんとして、大蜘蛛はどたんばたんと暴れだす）&br; （蟲の単純な神経構造は、一部分を傷つけただけで停止するほどやわなものではない）&br; （ペール型のゴミ箱が倒れて生塵が撒かれ、例の“ご馳走”が勢いよく踏んづけられた）&br; &br;&color(dimgrey){ '''手を伸ばす 望むままに 星まで'''&br; &br; 白魔法────''レビテイト''};&br; &br; （背にしがみつきながら、緩慢に、大きな魔力を籠めて詠唱をする。背の入墨が淡く輝きを放ち、光が彼ごと大蜘蛛を取り巻いた）&br; （ふわり）&br; （重力を離れ、支点をなくした蜘蛛は宙ぶらりんに吊り下げられ、じた、ばたと力なく象のような脚を振り回した）&br; （上空からイザヴェルへ視線を投げる。「離れろ」）&br; （ビルの５階ほどまで浮かび上がった巨体は、月に影となって映った）&br; すまんである。（呪文を解除すると、彼だけが宙に浮かぶ）&br; （大蜘蛛はみるみる地面へ落ちてゆく。凍り付き、鋭くなった地面へと真っ逆さまに、重力の加速をつけて巨体をみるみる加速させていく）&br; （''ぐしゃっ''）&br; （大蜘蛛は地面へ情けも容赦もなく叩き付けられた） -- [[ルィンディ>名簿/508104]] &new{2014-02-07 (金) 01:40:46}; ---（『昆虫は本能で動く生物である』 一般的に昆虫を語る上での定説である）&br; （当然のことながら蜘蛛は昆虫ではないが、同じ節足動物で括った場合、蜘蛛も本能で動いている）&br; （食べたいだけ食べ、眠りたいだけ眠り、繁殖したいだけ繁殖する）&br; （他の野生動物と同じ営みを、蜘蛛は続けた。繁殖だけは同程度のお相手が見つからないため無理だったが）&br; （今夜もディナーを終え、寝床に帰ろうとしたところで、二つの極上のステーキを目に止めた）&br; （普段食べている肉より美味しそうな臭いがする。蜘蛛にとって、襲う理由は十分すぎた）&br; &br; （蜘蛛は謎だった。何故普段は抵抗もせず嬲られるがままの餌が、強固に抵抗する？）&br; （不快さは増していくばかり。自慢だった殻を、足を、理不尽に傷つけられて）&br; （どうすればいい？）&br; （本能のまま殺す。殺すだけだ。腕で、脚で、牙で蹂躙し尽くして、殺してやれ）&br; （そう、本能のままに）&br; （いや今は殺すより優先事項がある）&br; （腹の中に溜まった肉を消化し身体を軽くする）&br; （このステーキたちを食むのはそれからでいい。次の得物は決まりだ）&br; &br; （本能の思考はほどなくブラックアウトする）&br; （ドロドロのペンキと見間違うような濁った体液が、死体からぶち撒けられる）&br; （自分の死に様を終ぞ理解せぬまま、学園都市の闇に生きた暗殺者は、真夏に振る雪の中で息絶えた） -- &new{2014-02-07 (金) 01:54:55}; ---（魔法継続の必要がなくなったことを悟り、周囲に充満する冷気を解除する）&br; （蜘蛛は完全に死んでいる。自重があるだけに、落下で与えられる衝撃も相当なものだ）&br; （染み込んだ冷気で節が弱っていたのかもしれないが、今となっては霧の中）&br; （再び千切られた腕が目に入った。どんな身分の人間だったのかは、やがて分かる）&br; （今は不幸な事故に遭ってしまったことを悼んでおきたい。少しの間瞑目し、哀悼を表す）&br; ……帰ろうか。&br; （披露した身体で、ルィンディにそう伝えることが精一杯だった。事情聴取だの検分だのに付き合わされ、時間を奪われて縛られることは、避けたかった） -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-02-07 (金) 02:06:50}; ---（高空から見る死に様は、足裏で踏んづけたのと変わりないように見えた。ぐしゃりと潰れ、ぴくりとも動かない。いや、脚が微かに蠢いているか）&br; （死してなお生命にしがみつくような姿。この蜘蛛は悪ではなく、彼に裁く権利などないはずだった）&br; （だからこれは天罰でもなく、ただ、食物連鎖の上下争いにすぎない。“彼”を殺したからとセンチメンタルな気分になるのは傲慢だった）&br; （ゆっくりと降下し、イザヴェルのそばへ着地する。冷え冷えした空気が大地の表面部を流れている）&br; （霜は溶けはじめ、銀世界はその姿を夜闇へ沈めようとしていた）&br; おかげで助かった。調度良い支援だったのである。（彼が握る蛇杖には、辺り一面に撒かれた体液と同じものがこびりつき、糸を引いて滴っている）&br; （礼を言った直後にはにこりともしなかったが、しだいに、自分らの無事を確認できるようになるとほっとして微笑みを向けた）&br; 遺体を……引き渡さねばな。（「なんだったのだろう」痼のような、不安が胸に残っている）いや。&br; これだけの騒ぎである。じきに、警察が来るか。……帰ろう。（遺体の腥い臭いを、吸うのが嫌だった。形をとどめているかわからない屍体を見るのもだ）&br; （顔を青褪めさせて、しかし、内心、誇らしい気持ちもあった。己は成すべきものを成したのだと）&br; （路地の入り口に放置されていた買い物袋を左手で拾い上げ、駆け足でそこから離れていく。「……部員らはどう思うのだろうか、これを見て」新たな心配が湧いてきた） -- [[ルィンディ>名簿/508104]] &new{2014-02-07 (金) 02:12:28}; -''黄金暦270年12月 第二天文台'' --魔法研究会部室 -（期末考査の直前、全ての部活動が一時的に休暇に入る頃）&br; （唐突にルィンディを部室まで呼び出した）&br; （実際のところ他人に話を聞かれない密室であればどこでもよかったが、そんな隔絶された空間は意外と存在しないもので、最も安直な選択肢に身を委ねた）&br; （備蓄のスナック菓子をバリバリ貪るルィンディに冷たい視線を注ぎながら、秘密の会合の主旨について述べ始める）&br; 覚えてる？ 夏頃に遭遇した、巨大な蜘蛛。あれから、私なりに情報を集めてみた。&br; 推測が混じりながらになるけれど、いくつかの疑問は解決すると思う。&br; （長机に積まれた冊子の中身は、学生のお供のA4ノートが殆ど、他新聞の切り抜きが綴られたスクラップノートも伺える） -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-02-10 (月) 22:26:51}; --&color(dimgrey){ （彼は勉強家であり努力家でもある。ただ、それが空回りする割合が大きいだけのことだ）&br; （共通語も随分達者になった彼だが、まだ文章の読解などはよく詰ってしまう。そのため、堅苦しい言い回しの座学などはどうしても苦手なのだ）&br; （糖分を渇望する彼の脳は、エネルギーを必要としていた。キャラメル味のコーンスナックはそれを十分に満たしてくれる条件をクリアしていた）&br; （冷たい視線がいくら注がれようとも、彼はそれを貪る）&br; &br; （そうでなければ態々呼びつけて話がしたい、などという要求に応えられそうもなかったからだ）&br; （第二天文台は学園内から孤立していると言ってよい。メイクレア教諭が用意した移動の魔法陣はともかく、ここに来る手段は階段しかないのだ）&br; （ドーム状の建造物が屋上に突き出たような恰好をしているので、声は漏れても空へ霧散する。内緒話には絶好であった）&br; ……憶えているのである。かっきりとな。忘れようはずもないであろうよ。（食べかすを口の端につけた状態なのでなんともしまらない）&br; わかった、聞こう。“あれ”について不安を抱えたままだと精神衛生上悪いのである。……これは？&br; （出された書類へ手を伸ばす。ノートに手が触れそうになった瞬間、引っ込めた。「……」ポケットから白い無地のハンカチを取り出し、指先を拭いた） }; -- [[ルィンディ>名簿/508104]] &new{2014-02-10 (月) 23:55:30}; ---（彼は生来律儀で生真面目な人間だ。それが少々羽目を外したり、友人に囲まれたりすると、タガが外れて暴走してしまう）&br; （再々自分が行儀の悪さとマナーを指摘していたからか、ルィンディに殊勝な心掛けが身についたものだ）&br; （その甲斐あってか、いい加減長くなりつつある細くて強い付き合いの中で、食べ粕が残る指でノートを触ったくらいで口煩く言われると理解されているのは、複雑な心境だ）&br; 資料。今の段階で目を通すよりは、説明に合わせて確認してもらいたい。手間が省ける。&br; まずは、『あの蜘蛛の正体は何だったのか』という点から。&br; 幸運か不運か、巨大蜘蛛の体液が購入した物品の袋に残っていたことにより、成分を解析することができた。&br; （ノートの1冊を取り、開いて見せる。グラフや数字が並んでおり、一目で読みとることは難解だ）&br; 結論から言う。元々は普通の蜘蛛だった存在が、外部要因により巨大化、モンスター化した。&br; その外部要因とは……。&br; （淀みなく進んでいた口が止まる。事実を告げることが、怖い）&br; （動揺を悟られまいとしても、きっと心の機微は感じ取られるはずだった）&br; &br; 魔力。あの蜘蛛の体液から、魔力が検出された。 -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-02-11 (火) 00:18:16}; ---&color(dimgrey){あれを拭いた時に採取してたの、このためだったんであるか。（苦労をきわめた後処理を思い出してげんなりする）&br; （“資料”を拝見。なるほど、珍紛漢紛。古典的な魔法使いであるため、そういう分析作業には疎いところがある）&br; （きっと、イザヴェルの話をよく聞いたほうが理解できるだろうと、彼は清聴する）&br; 私も少々図書館で調べた。エリュシオンに巨大蜘蛛の固有種が生息しているという情報はなかったのである。&br; （沈黙を繋ぐようにそう挟む。イザヴェルの目が泳いだ。床に目を落とし、口を引き結んでいる。「いつも無愛想であるけど、これは……」）&br; （彼女が資料を置いた手に力が入ったように見える。ここから逃げ出すことを避けるような為草に感じられた）&br; &br;（彼はそれを聞いてもあまり驚かない。イザヴェルの動揺がかえって彼を落ち着かせた。どこか、予期できたところもあった）&br; じゃ、事故でもなんでもないのであるな……。ありゃあ、誰かが。（今度は、こちらが口を止めた）&br; （誰ともしれぬ、曖昧模糊な人物像が頭に浮かび、いたずらに不安感を煽ったからだ。「目的はなにか？」「方法はなにか？」「次に起こることは？」）}; -- [[ルィンディ>名簿/508104]] &new{2014-02-11 (火) 01:16:11}; ---（口を噤んだルィンディと交代し、説明を続ける）&br; そう、誰かが。間違いなく何かを意図されて、人為的に引き起こされた事象。&br; 基本的に自然界に存在する野生動物は魔力に触れる機会がない。触れた前例も、ない。&br; だから私のように、好奇心の誘惑に負けてしまう者が現れるのかも。&br; （蹂躙し尽くされたあの蜘蛛は、自らの運命を暗示しているようであった）&br; （モルモットに魔力を浴びせ続けた実験の先に待つ未来は、正か負か、光か闇か）&br; （沈黙の間を繋ぐように、別々のケージの中の二匹のモルモットが小さな唸り声を上げた）&br; &br; 誰が、という問いには残念ながら正確な回答を返すことが困難。情報が不足しすぎている。&br; 今の段階では「誰か」と曖昧な返事をせざるを得ない。&br; 次は、『蜘蛛を巨大化に至らせた手段』について。&br; （スクラップブックを開き、ルィンディに目を通させる。新聞の切り抜きはその全てが最近の記事）&br; （どれも変死体が発見されただの、失踪者の報告だの、明るさを欠く項目ばかり）&br; （情報を整理しやすくなるよう、付箋でプロフィールや身分等が付け加えられている）&br; 実はこの死者たちには、ある一つの共通点がある。&br; （概ね、ルィンディにも悪い意味で予想されているはず。今度は淀みなく、その事実を告げる）&br; 犠牲者は全て魔導士。蜘蛛は人間を襲うことで進化を遂げた。 -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-02-11 (火) 01:57:32}; ---&color(dimgrey){（放浪部族の旅の最中、精霊と親しむ鹿を見たことがある。変わり者の精霊だったのだろう。それを見たのは一度きりだ）&br; （つまりは、“魔法の側から歩み寄らなければ”動物は魔力を利用できないということ。この記憶はイザヴェルの話の裏付けになる）&br; （「話すのはまたの機会であるがな」いま重要なのは、それが事実であるということだけ）&br; &br; ……わかってるなら、貴様の性格上さっさと衛兵にたれこむであろ。&br; （切り抜かれた新聞記事が並ぶ。鼠色をした粗雑な紙質だが、それは一様に真新しい。日付もそれに準ずるようだ）&br; （「屍体」この言葉だけは、慣れない。むしろ、目にすればするほど、聞けば聞くほど、見れば見るほど、その言葉は呪力を増すように思える）&br; （プロフィールの伝える数行の情報が、その犠牲者のミニチュアのように見えてくる。目的なくやっているなら猟奇のそれだ）&br; （「あるのだろう、意味が？」イザヴェルの声を聞き、ノートに見入る）&br; （言葉と同時に、共通点を見つけた。点と点が線で結ばれるなんて言うが、わかってみれば簡単なこと）&br; ……魔力を、食ってる……？（理解はぎこちない。それは、“生物”の域を越えた“魔物”だ）……て、ことは。}; -- [[ルィンディ>名簿/508104]] &new{2014-02-11 (火) 02:40:37}; ---正解。全ての犠牲者に該当している以上、疑う余地はないと判断する。&br; より詳細に説明するならば、人間の体内に蓄積された魔力を狙い行動を起こした、となる。&br; おそらくは、日常的に魔力に触れ続けた結果、そのものが魔力を探知する機構を備えたのだろう。&br; 厭な表現をさせてもらうと、効率よく『霜降りの肉』を探し続けた。&br; もしかすると、先に私たちのどちらかが、あれの眼鏡に叶って先に犠牲者になっていたかも。&br; （無傷で切り抜けられたのは行幸だったと言わざるを得ない）&br; （二人だったからこそ、攻撃と防御を分断し、生を掴むための役割を全うできた）&br; （魔力を糧とし食い繋いだ巨獣の最期が魔導士によって齎されたのも、また皮肉）&br; &br; （探し集めた情報を収束させ、正解の不鮮明なパズルを組み立て続けた）&br; （ようやく外枠が埋まり、徐々に抜けた穴に欠片が嵌りつつあるも、既に消失したピースは探すことができない）&br; （先程も呈した、誰があの蜘蛛を創造したのか、という疑問）&br; （生徒、教師、学園外の住人、地上からの訪問者。選択肢は膨大すぎた）&br; 目立てば学園側の知るところとなる、先日まで駆除がされなかったのは、人目を避けて潜んでいた。&br; 他に何匹も潜伏していたならば、既に問題が表面化して駆除がされているはず。&br; 現在まで魔導士死亡の情報も、新聞や掲示板に上がっていない。&br; ひとまず決着がついた、と思おう。&br; ……楽観的な思考だと言われれば、否定はしない。&br; （考えたくなかった。あんな異形が学園都市の裏側で這いずり回っていることを） -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-02-11 (火) 21:35:25}; ---&color(dimgrey){飛んで火に入る夏の虫。焼かれないだけの力を持ち、人の火へ誘われる。そしてそれを喰らい自分の血肉とする……。&br; 整理してみると成程、単純きわまる行動パターンである。まさしく蟲そのもの。疑う余地もないのであるな。&br; （イザヴェルが思い描く、暗い展望は彼にも伝染した。エリュシオン全体が猜疑の対象である。足の裏が、むずむずとして落ち着かなくなった）&br; で、あるがゆえに……高度な知能を要する潜伏などという真似はできないであろうな。&br; “進化”そんな行動を身につけるかもしれないであるが、進化は個体の死によって推し進められるものである。&br; 魔導師を喰らい、魔力を蓄積させていくには長いこと生きなければならない。これはきっと確実である。&br; ……だから、潜んでいないと推測するのは。自然なことである。（歯切れは悪い。「楽観的であろうな」）&br; 気を揉んだところで……。どうしようもないか。（大きなため息をついた）……いちおう、魔法研究会の連中には、警戒を呼びかけよう。&br; 人より魔力の高い者が……襲われるとも限らないである。少なくとも、一人で帰らず何人かで纏まるぐらいは、難しい話しではないし。&br; （根本的な解決には、なりはしない。だが、何もせずにはいられない。この提案にどれほどの意味があるだろうか。少し、自分を嫌悪した）}; -- [[ルィンディ>名簿/508104]] &new{2014-02-11 (火) 22:28:47}; ---（示された結果を全て胸の中に仕舞いこむ選択肢もあった）&br; （そうしなかったのは、真実を闇の中に葬るまいとする、多少でも白日の元に晒してやろうとする反骨心が半分）&br; （残りの五割は、仮初でも今の安寧を共有したかったため）&br; （この事件はこれで最後。尾を引くことはありはしない。唾棄すべき甘えた希望的観測であると呼ぶならば、きっと正しい）&br; そうしてくれると助かる。混乱を避けて、一般生徒には秘匿しておきたい。&br; 私も引き続き、最悪の事態を想定して目だけは光らせておく。&br; （力を抜き、椅子の背凭れに身を任せると、ふと視界の隅にモルモットのケージが目に入る）&br; （飼い主の心配を余所に野菜を食み、遊具の回転車で遊ぶ彼らの姿を見て、最初に去来する感情は、謝罪だった）&br; （「お前たちを、処分することになるかもしれない」）&br; ……もう、こんな時間。&br; （内心の動揺と不安をを象徴するかのように、太陽は落ち、夜が訪れていた） -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-02-12 (水) 00:06:04}; -''黄金暦271年2月 第二天文台'' --魔法研究会部室 ---以前の会合から時間を置いて）&br; （二人の間に流れる空気は、そういえばバレンタインねだとか、スカート似合ってる？だとか、そんなロマンチズムに溢れた世間話とは程遠い）&br; （練りワサビを一杯に盛られたようなルィンディの表情は、概ねどんな話題を提供されるか予想がついているようだった） &br;（待ち人が訪れると、座るよう促し、今回の本旨を切り出した）&br; 私の下に、一人の生徒が貴方へのメッセージを携えて現れた。内容をそのまま復唱する。&br; '''「君のところの大きな蜘蛛が逃げ出した どこまで行ってしまったのか私にはわからないけど、一匹捕まえておいた」'''&br; '''「できれば、取りに来てほしい」'''&br; ……これをどう判断する？ -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-02-13 (木) 23:12:48}; --&color(dimgrey){（ホワイトデーなので出会い頭に白く細長い紙包みを渡した。『ありがとう』とある意味素っ気無い対応でそれはすぐさま為舞われる）&br; （「あそこのチェストに入ってたチョコってイザヴェルのしわざであるよな」とにかくそういう話をする雰囲気ではない）&br; （第二天文台は春霞に覆われている。ぼんやりとしてほんのすこし薄暗い。それは、光の季節の前兆であるが、ことここに至っては悪い予兆だった）&br; （座り慣れた椅子に腰掛け、イザヴェルの話を聞く。なるほど、色気も素っ気もない話題だ。「髪、伸びたであるな……」「いかん、いかん。真面目な話だ、これは」）&br; 考えられる状況はふたつ。あの大蜘蛛を生み出した、いわば“犯人”が我々にコンタクトをとりに来たということ……。&br; 理由如何は不明瞭である。どうやって私達があの蜘蛛を始末したことを知ったか。そしてなぜ呼び出すような真似をするのか。&br; 普通なら、こんな怪しい物に乗ったりはせんであるし、よしんばダメ元でやったことだとしても、その行動で足がついてしまうであるね。&br; （気のない口調でぺらぺらと、イザヴェルが口を差し挟む隙もなくつらつらと話しきる。彼は、それから真面目な顔になった。深堀りの目元に影が落ちる）&br; もうひとつは。……私達が“アレ”を作ったと思われていて、脅しをかけられている？（疲れたような表情）&br; こう、考えると……筋が通ってしまうのであるよな……。}; -- [[ルィンディ>名簿/508104]] &new{2014-02-13 (木) 23:57:51}; ---（チョコレートケーキは自分用に作って消化に困り、腐らせるよりはと横流ししてきたもの）&br; （特段内訳の説明をしなかったため、他の男子部員は皆イザヴェルがその他大勢用に用意した、買ってきたと勘違いして、ありがとー美味しく食べまーす程度の感謝に留まっていた）&br; （バレンタインデーという季節柄の行事は結局無意味という認識にしかならなかったのだ）&br; [[ラリサ・ヴィシネフスカヤ>名簿/508268]]。彼女が私に情報を齎した。&br; （流石にルィンディは自分より同学年の情報は周知しているだろうと思うので、ブロンド髪でエルフの、という最小限の身体的解説に留め）&br; 彼女は第三報道部という部活動の首魁、生徒たちへの情報発信源となっている。&br; つまり新鮮なニュース、スキャンダルを欲していることは想像に難くない。&br; 貴方の言う通りに、彼女が黒幕で我々を掌で躍らせた上でアプローチをかけてきたか。&br; また、化物蜘蛛の存在を知り、創造主を突き止めて真実を糾弾してやろうという義憤に駆られた可能性も、十分にある。&br; ここでもう一つのパターンを示唆したい。&br; （人差し指を立てる。立てた指を90度動かすと、その矛先はルィンディへ向く）&br; ルィンディが黒幕で、私はずっとピエロを演じていたとか。しかしこの場合実験を始めた私の方が黒幕としては説得力が高くなるので、冗談。&br; （ふう、と溜息をついた。似合わないユーモアに頼った自分を嫌悪するような、これまた疲れた表情）&br; ラリサ・ヴィシネフスカヤもまた、状況を計りあぐねているとすれば、どうか。&br; 彼女はこうも言っていた。私たち―私とルィンディか、それとも魔法研究会のことかは分からないけれども。&br; 私たちには敵がいる、と。 -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-02-14 (金) 00:35:27}; ---&color(dimgrey){（頷く。軽い相槌も加え、その名と大まかな人物像はちゃんと知っている、と）&br; （「そういうことをするタイプには見えないのである」「熱心であるが、捏造はしそうにない……」「記事に興味はあるが、探偵まがいのことをするか？」）&br; （しかし、指摘はしない。先程自分がやった前半の語り口に酷似していたからだ）&br; （つらつらと語り立てるイザヴェルの口が止まり、指先がぴしりと動くのと同時に、空気の入れ替わりが起こる）&br; ！ 何？（一瞬、妙に不機嫌な雰囲気を醸したかと思うと、それはまた一瞬で収まった）&br; （『冗談』と聞けば「はぁ……」と溜息を落として肩をがくりと落とす。「力が抜けるのである……」「強張った頭はいい感じにほぐれたであるが」）&br; ふむ。つまりこう言いたい？ ラリサは、この大蜘蛛の一件を見ているのではなく、その裏に隠れている何かしらの“真実”……。&br; その、敵の存在を見ていると。（しっくりくる。言葉に出してみるとなおさら、足元が定まるような気がした）&br; （「しかし……」）ラリサの“勘”みたいなのが正しいとして……。どうすべきなのであろう。ううん、また、前と同じ話に着地してるである。}; -- [[ルィンディ>名簿/508104]] &new{2014-02-14 (金) 01:03:07}; ---理解が早くて助かる。&br; （軽く頷く。ルィンディの発言も至極当然。「どうもできない」が正直な意見だと思う）&br; （得られた情報を統合しても、何をもって事態の解決となるのか終着点は不透明のまま）&br; （深い霧の中で遭難した際は道標を探すことが先決とされる）&br; （この場合の道標とは、ラリサだ。ラリサが情報を得るに至った切欠が必ず存在する）&br; ラリサ・ヴィシネフスカヤは、貴方に接触するつもりがあるようだった。&br; 彼女に考えがあるならば、私たちが先走りするよりは、思惑に乗ってやる方が、より事態の理解と収集に繋げやすいと考える。&br; &br; ルインディ。&br; （その呼びかけは、二人して陥りかけていた思考の迷宮を脱出せんと、閉塞しかけた空気に新しい風を起こす）&br; （ピシィ、とまやもや人差し指を立て、今度中指と薬指と小指を折り曲げて作られる形は、ピストルの構え）&br; ラリサ・ヴィシネフスカヤと接触したならば、彼女から可能な範囲で情報を引き摺り出して欲しい。&br; 彼女の行動はどこか迂回的。どこか距離を計っているような、見極めているような。&br; もし彼女が自分で情報を掴んだなら、容赦なく記事して披露すれば済む話だと思う。&br; だから、彼女もきっと、何者かに入れ知恵をされた。自分の手を汚さないためか、またラリサ・ヴィシネフスカヤと私たちと共倒れするようにか画策して。その何者かが。&br; （ピストルの構えのまま、虚空へ指を引き絞る。ここではないどこかの空に存在する、インビジブル・マンを狙って）&br; きっと、本当の敵。 -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-02-14 (金) 21:31:56}; ---&color(dimgrey){（目から出る見えない力が視線なら、それは“指”線と言うべきだろうか）&br; （拳銃型の指先が彼の意識を射竦める）&br; （虫ピンで縫い留められた昆虫標本のような気分だ。彼は聞き入るというよりか、心奪われる）&br; （それから虚空へと向けられた手は、何もない場所へ狙いを定める。言葉の弾丸が、装填される。「本当の敵」）&br; （これは儀式だった。「私達はそれを討つ」と、心を揃えるための。意識のする、しないに関らずそうなのだ）&br; （どこか人事のように考えていた。それが、形も色もわからない虚空の目標へ真っ直ぐ向いた）&br; （「団の諜報班のように私は上手く立ち回れるのだろうか」そういう不安が過ぎった。それ以上に「……私は、これを放っておけないのである」）&br; わかった、イザヴェル……。なんとか掴んでみようか、尻尾を。&br; （「私は変わった」「きっと、過程も結果も変わるだろう」「だけれど、成すべきことは変わらない」）&br; まあ、口の立つ相手である。なにしろ三文記事を武器にして戦い続けているあの第三報道部の部長であるからな……。&br; どこまで通じるかはわからないけれど、どうにか頑張る。}; -- [[ルィンディ>名簿/508104]] &new{2014-02-14 (金) 23:20:27}; ---（一年余を越える付き合いの中で、ルィンディ・タンバルグスという人間をつぶさに観察してきた）&br; （正しくは否応なく観察してしまった。学園に入学してから、最も近距離で時間を重ねた同輩だからだ）&br; （入部当時に彼に抱いていた、ひと時の感情に任せ一喜一憂するだけの、文字もまともに読めない図体だけが立派なウドの大木、蛮族然とした印象は、完全に払拭された）&br; （女性の身体の中で性的興奮を覚える部位、常連と化した拉麺専門の定食屋、実は休日に密かに共通語を学習している隠れた努力家である点）&br; （くだらないプライベートの情報に始まり、美点も欠点も等しく言える）&br; （今、心の底から。あの日生死を共にした人間が、彼であったことに感謝する）&br; （この胡散臭い風体の長髪男ならば、ここから先歩む暗闇の中において、背中を預ける信頼に足る）&br; ありがとう、ルィンディ。&br;（自信を欠く言葉とは裏腹の、強い使命感の自負を帯びた声色を聞き届けた頃には）&br; （今年に入ってもう珍しくなくなった降雪が、窓の外で始まっていた） -- [[イザヴェル>名簿/508107]] &new{2014-02-15 (土) 00:38:41}; 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