* プーティン家出身 ファーベル・プーティン 28394 [#tce5eef9]
|ID:|28394|
|名前:|ファーベル・プーティン|
|出身家:|プーティン|
|年齢:|28|
|性別:|#listbox3(男,server,sex)|
|前職:|#listbox3(学者,server,job)|
|理由:|#listbox3(平凡な生活に飽きて,server,reason)|
|状態:|#listbox3(冒険中,server,state)|
|状態:|#listbox3(引退,server,state)|
//////////
|その他:| [[ステータス>http://gold.ash.jp/main/?chrid=28394]]/[[戦歴>http://gold.ash.jp/main/advlog.cgi?chrid=28394]]|
~
http://notarejini.orz.hm/up/d/hero6901.png
~
私の肖像画だ。[[テトロン・ポリエステル嬢>名簿/15190]]が描いてくれた。感謝の極み。
~
~
元は都で大学の教授をしていたが、平凡な毎日に退屈し、最近流行の冒険者になって~
魔物について論文を書こうと思い、大学を辞めて冒険者となった。~
子供のころから魔物に興味を抱き、「魔物は何処から来るのか?」という疑問を解くため、研究を進める。~
横長の眼鏡を掛け、大学教授のときの同じ格好のまま世界を練り歩く。魔物の研究や学問以外には特に興味を示さない。~
ある冒険者から預かったコボルト(コボルド)の赤子を育てている。雌で、名前は子ボルト(ド)。~
あくまで、ペットではなく家族としての扱いである。~
他にも魔物の赤子を育てている。しかし、冒険者で魔物を殺すこともある自分に矛盾を感じて~
葛藤している。~
(このページの推奨BGMは腐り姫の伝説です)
~
#contents
~
*子ボルド成長記 [#p4f2b84b]
**黄金暦89年3月 [#x64f9aad]
子ボルドはすくすくと成長していっている。なかなかかわいいものだ。~
現在、子ボルドは二本足で歩けるようになってきた。体つきもまるで5歳の幼女のようだ。~
なかなか顔も人間に似ているが、耳がまだ犬のようだ。尻尾もある。~
たまに四本足で移動するので、まだ立って歩くのにはなれていないのだろう。~
ところで、私はコボルドを見直さなければならないだろう。彼らは教育と環境によっては人間に匹敵する知識をもてるのだ。~
恐らく、私との会話で覚えたのだろう。彼女はつたない言葉ではあるが、私の名前を呼んだのだ。~
「ふぁ……べる……」と。~
私はこの出来事に驚嘆し、感激した。コボルドはもしかするとかなり人間に近いのではないだろうか。これは貴重な事実だ。~
子ボルドの成長についてはまた後に記すとしよう。~
~
*はじめに [#y4be18cb]
私は子供のころから魔物の魅力に取り付かれ、いつも魔物の研究をしたいと思っていた。~
しかし、魔物は非常に獰猛であり、強大な力を持つため、普通では近寄って研究することはできない。~
そこで私は考えた。冒険者になろうと。そうすればいつでも研究が出来るではないか。~
私はこの考えを思いついたとき、神託のようなものを感じた。恐らく、私は魔物の研究をするために~
この世に生まれたのだろう。~
とにかく、出会った魔物を研究し、その魔物は何処から来たかを纏めていこうと思う。~
*魔物は何処から来るのか [#m5775fda]
-[[序文>http://notarejini.orz.hm/up/d/hero0510.txt]]

***ゴブリン [#x93c6562]
http://notarejini.orz.hm/up/d/hero0699.jpg
~
ゴブリンはこの世界の中で1,2を争うポピュラーな魔物だろう。~
世界中に分布し、あらゆるところに現れる。我々が最もよく見かけることの出来る魔物である。~
しかし、そのゴブリンですら確かな研究はされてこなかった。今回は、ゴブリンの生態や、起源を纏めたいと思う。~
~
まずはゴブリンの生態について。~
私が決死の思いでゴブリンの後をつけ、ゴブリンたちの巣を観察したところ、彼らは普段、大勢で生活しているようだ。~
大勢で行動はしているものの、協調性は無く、食料の奪い合いや、雌の奪い合いは頻繁に起こる。~
強力な打撃や、爪での攻撃が主な攻撃手段である。~
ゴブリンは主に肉食であるが、人肉でも何でも食べる悪食である。~
また、雄のゴブリンは人間にも欲情し、今までにゴブリンに強姦された冒険者も多いという。~
しかし、上位のゴブリンとなると話は変わってくる。~
これは全ての魔物にいえることだが、上位のものほど知能は高く、協調性がある。それゆえに危険である。~
冒険者たちも注意してもらいたい。~
~
次はゴブリンたちの起源について。~
魔物の起源そのものについては詳しいことはわかっていない。恐らく、人間よりも昔から存在していたのだろう。~
私が研究したところ、ゴブリンは世界の南端で誕生した可能性が高い。それは、南の村で~
発見した、およそ1000年前の文献に、ゴブリンらしき存在が確認できたからだ。~
 其は鬼の如き姿にて、人に害を成すものなり。しかし、鬼といえども人に近く、
 背丈はそれほど大きいものにあらず。其は南の方角から食料を求め、我が村へと進軍せり。
 不可解な言葉を放ち、人を愚弄するものなり。長曰く、天の禍神が齎した悪鬼なり。
この文章に表される鬼のようなものとはゴブリンのことであろう。~
オークの可能性もあるが、オークは今のところ南では確認されていない。~
ゴブリンは食料を求め、北へ北へと向かい、その内に、世界全体に繁殖していったのだろう。~
ゴブリンに関する伝承は各地で見られるが、やはり南が一番伝承が多く残っている。~
「ゴブリンの恩返し」、「人鬼と妖精」、「幼女の神隠し」~
これらの伝承が興味深かったが、これはまた後の機会に記すとしよう。~
~
最後に冒険者達へ。~
ゴブリン単体ではさしたる強さではないが、集団で現れると厄介な存在である。~
また、ゴブリンの上位は決して侮れない強さであるから、注意が必要だ。~
それでは、諸君の健闘を祈る。~
~
***大鼠 [#pee05403]
http://notarejini.orz.hm/up/d/hero0726.jpg
~
大鼠も、ゴブリンと同じく、冒険者の間では頻繁に見かけられる魔物である。~
大鼠は世界中で見かけられるものの、北ではあまり存在していないようだ。~
これは大鼠が南で誕生したからだと思われる。北の地方では気温が低く、鼠が住むのには適していないからだ。~
恐らく、大鼠も元は小さな鼠だったのだろう。大鼠は古くからの文献には載っておらず、比較的新しい魔物である。~
~
大鼠は鼠の突然変異と考えることができる。だが、ちょっと待って欲しい。本当にそうなのだろうか?~
確かに突然変異だと考えれば事は楽である。しかし、ここ何百年の世界の記録を調べてみたが~
突然変異を起こすような要因は見つからなかった。餌が大量に増えたわけでもなく、機構が急激に変化したこともない。~
私はこの謎で頭を悩ませたが、ある1つの文献の発見により、謎を氷解させることができた。~
その文献は南の都の大図書館に保管されていた。その謎を解明するに至った部分を引用しておく。~
 巨大な鼠は異世界より来たる。南の海より来たる。遥か南の大地より鼠は来たる。
 大鼠はミーキ・マースという神の使いなれば。大鼠は遥かなる南より来たる。
 この国に暗黒と狂気を齎しにやって来た邪悪な神なり。見えぬ神の使いなり。
この文献は約200年ほど前のものである。我が大陸の最南端に位置する廃都で発見されたものだそうだ。~
この記述は大鼠が、我々の大陸よりもさらに南に位置する大陸からやって来たことを神話調で表している。~
丁度200年前、この都は遥か南の大陸と貿易を始めたそうだが、その際に南の疫病が~
貿易船と共に南の疫病を運んできたのだろう。この文献には、その南の大陸の文化についても書かれており~
南の大陸には巨大な鼠が大量に住んでいたという。恐らく、荷物の中にその巨大な鼠が紛れ込んでいたのだろう。~
暗黒と狂気とは疫病を表している。この都はその疫病によって滅んでしまったそうだ。~
私はこの疫病を、南の大陸の者の侵略行為と考えている。わざと大鼠を放し、疫病を流行らせ、我が国を侵略しようと~
しているに違いないだろう。事実、南の国は我が国に何度か戦争を仕掛けてきたことがある。~
~
長くなってしまったが、要するに、大鼠は南の大陸からやって来た外来種の鼠だったのだ。~
この大陸の大鼠は、その外来種の末裔だと言えよう。速めにこの大鼠を何とかしなければ我が国は疫病によって滅ぼされるだろう。~
~
大鼠の生態に関してはまだまだ調査が必要なようだ。もし、有力な情報を掴んだら私に知らせて欲しい。
~
***オーク [#y3284a6b]
http://notarejini.orz.hm/up/d/hero0699.jpg
~
オークは巨大な魔物で、この大陸の北側に多く生息している。~
その背丈は人間の倍ほどもあり、常に目をぎらつかせている。動きは鈍く、頭も悪いが、~
破壊のみを追求するためその攻撃力は途方もないものがある。~
オークは冒険の初心者にとっては辛い相手と言え、中でもオークロードという上位種になると、上級者でも~
かなりの苦戦を強いられるという。オークは獰猛で破壊だけを目的とするので、注意が必要だ。~
それでは、今回も生態と、起源を纏めてみようと思う。~
~
オークの生態については、調べるのにとても苦労した。何せ、私が巣に忍び込んでいるのが分かれば~
死は免れないからだ。しかし、今回は依頼ということで、他の冒険者もいたため、何とか調べることができた。~
オークの生活は基本的に、嬲り殺した冒険者の肉を喰らうか、もしくはゴブリンを喰らうか、食事はそれだけである。~
彼らにとって食事はさほど重要なものではなく、破壊活動のための儀式に過ぎない。~
オークの知能は低いため、協調性は皆無と言っていい。仲間割れも頻繁に起こり、血みどろの内乱が起こることも多い。~
しかし、いざ戦いとなれば、彼らは一心同体となり冒険者達を破壊しようとする。彼らは戦闘のために生まれた種族なのだ。~
オークがどのように誕生したのは不明である。これからも研究を続け、解明したいと思う。~
~
次にオークの起源であるが、オークの歴史はとても古い。~
既に、人間が文字を作り出すころからその存在は文献や、神話として残されており、人間の有史以前から存在していたことをうかがわせる。~
オークは北の地方の多くの神話に登場する。昔、オークは鬼と呼ばれ、破壊の神の遣いとして信仰されていたときもあったようだ。~
北のある村では、毎年5月に鬼神鎮魂祭というものが行われており、かつてオークが神として祭られていた歴史を裏付けている。~
その村では、オークを破壊神の遣いとして祀っていたことを記している文献があった。少し引用してみるとする。~
 荒ぶる神の御遣いは村を襲わん。数多の魑魅魍魎を引きつれ、人々を襲いしものなり。
 長曰く、これまでの鬼神の遣いの行為は、荒ぶる神の怒りなり。生け贄を求むる神の怒りなり。
 獣を供えよ、神の怒りを沈めよ。其は、我らが平穏を齎さん。
このように、オークが様々な魔物を使役し、人間の村を襲ったため、鬼神の遣いとして恐れられていたのだ。~
その信仰の名残が、鬼神鎮魂祭と言えよう。~
しかし、地方によっては邪悪な神の遣いとされ、ある地方を支配していたオークロードを討伐した英雄の伝説も残されている。~
何とその英雄は幼き姿の女だったと伝えられているが、その伝説はまた後の機会に記すとしよう。~
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最後に冒険者達へ、オークロードには気をつけるように。~
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***コボルト [#b4b349e0]
http://notarejini.orz.hm/up/d/hero0699.jpg
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コボルトはほぼ世界中に分布する魔物の一種である。特に北に多く生息している。~
知能はゴブリンと同程度で、戦闘能力はゴブリンよりも少し劣る。~
コボルトは、ゴブリンと同じくこの世界ではかなりポピュラーな部類に入る魔物である。~
実際、冒険の途中で出合った者も多いだろう。コボルトはゴブリンと非情によく似ている魔物である。~
だが、それは当然の事だったのである。私はこの事実にとても驚いた。~
コボルトとゴブリンは祖を同じとする魔物であり、血が繋がっているのである。つまり、コボルトもゴブリンも、同じ種族であるともいえる。~
では、何故コボルトとゴブリンは二つの種類に分かれたのか? これには深いわけがあった。~
~
かつてコボルトとゴブリンが同じ種族で合ったことは前述した。では何故コボルトとゴブリンは二つに分かれなければならなかったのか。~
これは太古の出来事らしく、2000年ほど前に二つの種類に分かれたとされる。この事実は、~
この世界の最古の歴史書である「黄金郷伝記」という書物に記されていた。~
それでは、何故コボルトとゴブリンの祖は二つに別れ、進化していったのか、「黄金郷伝記」から引用するとしよう。~
 子鬼はかつて一つであった。子鬼は群れで暮らし、集落を襲うものなり。
 ある時、このことを憂いた一人の豪傑現れ、子鬼の討伐を買って出たなり。
 豪傑は千の義勇兵を連れ、その巧みな知略と、破壊神の如き力で子鬼を叩き潰せる。
 子鬼これに驚き、急いで応戦するものの、千の義勇兵には敵わず、敗走す。
 豪傑これを追い、完膚なきまでに子鬼どもを抹殺す。これにより、残った僅かな
 子鬼の一つの集団は北へ、一つの集団は南へと逃亡せん。
 以来、子鬼は村を襲うことは少なくなり、平和取り戻されん。
 現在、子鬼は世界の二つに分かれ、違った形を取りながらも生存す。
これは一見、人々の苦しみを解消させた英雄譚であるが、実はそうではない。~
確かに現在でも人々は魔物に苦しめられている。しかし、それは魔物が生きるために必要な行為でもあるのだ。~
「黄金郷伝記」以外の書物によると、ある男により子鬼の大量虐殺が行われたとされている。~
このある男とは、「黄金郷伝記」の豪傑に他ならない。~
2000年前、魔物という存在は悪魔の遣いや神の遣いだとされていた。神の遣いならば手厚く祀られるものの~
悪魔の遣いとなれば一気に殲滅させられるのだった。~
コボルトとゴブリンの祖先は、この考え方によって、一方的に滅ぼされようとしていたのだった。~
魔物は獰猛ではあるが、人間のように欲望だけで動くことは無い。
事実、彼らは必要以上の食料を奪うことはない。自然の掟に従っているのだ。~
かつて、魔物と共存していた村もあったという記録がある。人間たちが、食料を分け与えれば~
共存は十分可能だといえる。しかし、これは大変難しいことだ。~
それでも、私は人間と魔物の共存はするべきだと思っている。~
冒険者である私がこういうことを言うのは偽善だが、両者が殺し、殺される仲など、不幸でしかない。~
読者の方はお分かりだろうが、北に逃げた子鬼はコボルトとして進化し、南に逃げた子鬼はゴブリンとして進化した。~
彼は順調に繁殖し、現在に至る。今でも人間との争いは絶えていない。~
いつか、人間と魔物が共存し合える世界が来ることを、私は切に願う。~
コボルトとゴブリンの祖のような被害者を二度と出さないためにも。~
~
***ブラックプティング [#uc880f6a]
http://notarejini.orz.hm/up/d/hero1939.jpg
~
ブラックプティングは奇妙な生命体である。体は粘液状で、アメーバにも似ている。~
黒い液体が動いているように見え、泥水や土に擬態して、冒険者を狙うことが多い。~
主に森や洞窟に多く分布し、湿気があるところを好んでいる。体が液状なためか、北の地方の寒冷帯にはあまり出現しない。~
ブラックプティングは謎が多い魔物である。冒険者達と戦うときは常に単体で出現し、決して群れることは無い。~
個体数が少ないのか、仲間意識が貧弱なのか、理由はわかっていないが、二体以上のブラックプティングは殆ど見かけることは無い。~
他の動物や植物から進化したとは考え難く、アメーバの異種だと考えられるが、それにしては大きすぎる。~
この魔物は文献にも殆ど登場しないため、私はほとほとに困り果ててしまった。ここまで生態や起源が謎である魔物は少ないだろう。~
~
ブラックプティングは単体で現れるが、その戦闘力は高く、侮れない。個々の力が強いため、群れる必要が無いのかもしれない。~
動きは素早く、冒険者に連続で攻撃を仕掛けることが多い。体力もかなりあるようで、冒険初心者の攻撃ではなかなか倒れることは無い。~
主な攻撃方法は、自らの体を伸ばし、相手の体に張り付き締め上げることだ。~
これ以外にも、体を硬化させ、突撃するというものもある。どちらも侮れない技だ。~
~
私がブラックプティングを尾行し、その生態を調査したところ、彼らは肉食であるようだ。~
動物の肉を喰らうが、時にはゴブリンやコボルトを襲うこともあり、性格が獰猛であることを示唆している。~
私が幾ら調査しても、ブラックプティングの繁殖方法や仲間との暮らしはわからなかった。~
アメーバの一種であれば分裂して増えるのかもしれない。だが、私は分裂する姿を未だ見たことは無い。~
ブラックプティングの繁殖方法については現在調査中である。~
~
ブラックプティングの起源であるが、この魔物は文献などに殆ど登場しない。どうやら、最近突然現れた種のようだ。~
私は古い文献を漁るのをやめ、最近の記録に目を通してみることにした。~
すると、山岳のある村の男の日記に、途方も無い出来事が記されていた。~
それを少し引用してみるとする。~
 奴らが村に現れてからもう一週間が経つ。一体奴らは何なのだろう。
 一週間前の夜に、突然空から降ってきた。子供たちが空に何かが見えると騒ぎ、
 俺達が駆けつけたときには、そいつらは地面に降り立っていた。
 黒い粘々としたゼリーのような体をしている生物だった。今までこんな生物は見たことがなかった。
 子供らが石を投げると、そいつらは体を伸ばし、子供を掴むと、その体に取り込んでしまった!
 こいつは魔物だと思ったときにはもう遅かった。そいつはら次々と空から落ちてきて、
 村の人々を襲った。俺達が剣や槍を持って攻撃して、奴らの体を砕いても、奴らはそのたびに空から降ってきた。
 村人は次々とそいつらに飲み込まれてしまった……。
 飲み込まれてしまった者はどうなってしまうのだろう。考えるのも恐ろしい。
 そして、今日。ついに村の人間は俺一人になった。今は地下室に隠れているが、見つかるのも時間の問題だろう。
 あいつらは危険すぎる。このままではこの世界全体が危ない。だが、最早俺は外に出ることはできない。
 だから、もし誰かがこの日記を見つけてくれれば、やつらへの対策を考えてくれ。
 音が聞こえる。扉を突き破る音がする……奴らが来る……。
 俺はもうだめだ。誰かがこの日記を発見してくれることを天に祈る。
 ああ、窓に、窓に映る影は。あれは――
日記はここで途切れている。男は絶命したのだろう。~
この事件は、山岳の村人が突然消えたということで、話題になったことがある。私もこの事件は知っていた。~
どうもこの事件の事が気にかかり、今は誰一人も居ないあの村を探索していると、この日記を発見したのだ。~
この日記に書かれている「やつら」とは間違いなくブラックプティングのことだろう。~
さて、私がこれから記すことはにわかには信じられないことだろう。私の事を阿呆だと馬鹿にする者もいるかもしれない。~
だが、この村の記録が本当であれば、大変なことになる。どうか、真面目にこの考えを捉えてほしい。~
私が推測するに、ブラックプティングはこの星の生物ではない。広大な宇宙の別の惑星から飛来した異星の生物だと私は考える。~
これはあの日記に、
>一週間前の夜に、突然空から降ってきた

と記されているため、彼らが宇宙からの来訪者ではないかと考えたからだ。~
この星ではあり得ない特性を備え、1つの村を崩壊させてしまうほどの力を持っている。~
以上の事から、彼らはこの星の生物ではなく、宇宙からやって来たものだと私は考えている。~
この村の出来事からして、彼らはこの星を侵略しようとしているのではないだろうか。~
読者の諸君は私の考えを笑っているだろうか。私の妄言だと思う者もいるだろう。~
それはそれでいい。私もまだ確信はしていない。~
現在、ブラックプティングは侵略らしき活動は行っていない。侵略と呼べるものは、山岳の村を崩壊させたことだけだ。~
もし、彼らが本格的に侵略を行えば、無防備なこの世界の生物はあっという間に消え去ってしまうだろう。~
まだそうと決まったわけではない。だが、警戒はすべきだと私は思う。~
~
余談であるが、ある村ではブラックプティングを冒険者が捕らえ、食したという記録が残っている。~
私は人間の食欲に狂気を感じる。~
~
***ゾンビ [#y23f0559]
http://notarejini.orz.hm/up/d/hero0699.jpg
~
ゾンビはとても有名な魔物である。様々な民話や神話、小説などによく登場する魔物だ。~
死人が生き返った、あるいは生きた死体として話の中には出てくる。強力な腕力を秘め、人間の肉を喰らうともされている。~
ゾンビは魔物なのか人間なのか、判断に困る生物である。それ以前に、本当に死体が生き返ったものなのかどうか、証明した者はいないのだ。~
確かにゾンビの外見は腐った死体そのものである。だが、何故死体が蘇り、ゾンビと化すのかはわかっていない。~
もし死んだ人間が全てゾンビになってしまうのであれば、この世は既にゾンビの国となっているだろう。しかし、そうなってはいない。~
つまり、何かゾンビとなる要因があるはずなのだ。しかし、今まで死体がゾンビになっているところを見た者はいない。~
私は古代の魔術に関する書物を紐解いてみた。もしかすると、古代の秘術によりゾンビは生まれているのではないかと思ったからだ。~
ゾンビは古代の神話の中にも登場することから、その歴史は古い。基本的に悪魔が死体に宿ったものだとされることが多いので~
古代から、人間に害を成す存在であったようだ。~
すると、私は魔術の書物に興味深いことが記されているのを見つけた。何とゾンビの生み出し方である。~
すこし引用してみるとする。~
 始めに腐食した死体を用意する。死体は腐れば腐っているほどよい。
 次に、巨大な窯を用意し、その中に15個ほどの死体を入れる。
 窯の中に人間の精液、数種類のハーブ、馬糞、そして生きている一人の人間を入れる。
 その後、Ωの印を四つ窯の周りの地面に描き、――――という呪文を唱える。
 呪文を唱え終えると、窯一杯になるほどの水を注ぎ、中の死体を煮る。
 暫く待ち、死体が煮え始めると今度は、窯を中心とした六芒星を地面に描く。
 そして、――――という呪文を唱え、ヨー・ソートに祈りを捧げる。
 さすれば、窯の中は名状し難い光に包まれ、死体の強靭な兵隊「ゾンビ」が誕生せん。
呪文の部分は何者かによって塗りつぶされていた。この知識が外に漏れるのを好ましくないと思う者が消したのだろう。~
ヨー・ソートとは恐らく神の名前だろうが、私はこのような名前を聞いたことが無い。魔術に通じているものだけが知っている神なのかもしれない。
もしこの方法が本当に正しければ、ゾンビは何者かによって量産させられている可能性がある。~
今の世では、冒険者の死体は完全に処理できては居ない。腐食した死体なら簡単に手に入ってしまう。~
最近、「黒き屍の殉教団」という地下組織の動きが活発になってきている。彼らは黒い装束に身を包み、墓などを荒らしているのだという。~
また、ゾンビの近くで彼らを見たという証言もある。もしかすると、彼らがゾンビを作り出しているのではないだろうか。~
そうなれば、彼らは何か恐ろしい計画を練っているのではないか。ゾンビを量産し、世界を暗黒へと陥れようとしているのではないか。~
確証はまだ無いが、後々、私は「黒き屍の殉教団」を調べてみることにする。~
~
今回は関係の無い話が多くなってしまった。ゾンビの詳しい研究はまた後ほど記そう。~
~
***超巨大ムカデ [#fe4ab09b]
http://notarejini.orz.hm/up/d/hero10275.jpg
~
最近は研究が停滞しているため、何か大きな魔物を研究しようと思い、この魔物を選んだ。~
超巨大ムカデは一時、とても恐れられた魔物である。六度の攻撃を一気に行い、膨大な数の冒険者を葬ってきた。~
このことから、超巨大ムカデが初目撃されてから暫くは、混乱が続いた。~
冒険者達は、「あれはムカデなんかじゃねえ」「あれはドラゴンか何かだよ」「イア! イア!」~
と、無数のムカデの姿に関する証言があり、またムカデ討伐から帰ってきたものも少なかったため、その姿は不明瞭だった。~
だが、最近になって、さらに強大な魔物が現れ始め、冒険者達も成長したために、こういう混乱は少なくなった。~
現在目撃されている超巨大ムカデの姿は~
[[これ>http://notarejini.orz.hm/up/d/hero1082.jpg]]や[[これ>http://notarejini.orz.hm/up/d/hero3393.jpg]]そして最強の固体であると思われる[[この姿>http://notarejini.orz.hm/up/d/hero1031.jpg]]がと割れている。~
超巨大ムカデは、固体によってかなり強さのばらつきがあることが判明している。場合によっては、僅か数回の攻撃で倒せてしまうこともあるという。~
これは超巨大ムカデの目撃証言にばらつきがあるように、一概に超巨大ムカデと言っても様々な種類が存在するということである。~
それでは、超巨大ムカデの生態と起源について書き記したいと思う。~
~
ムカデ族は超巨大ムカデと巨大ムカデからなっているが、両者の違いはハッキリしない。両方共にいえるのは、節足動物のムカデとは違うということだ。~
//ごめん、節足動物だってこと全然忘れてたよ。
確かに目撃証言の中には、節足動物のムカデの巨大化したようなものもあるが、節足動物のムカデとは別物と考えたほうがよさそうだ。~
超巨大ムカデの生態についてはあまりにも謎が多い。~
恐らく、主食は他の魔物や冒険者である。冒険者の証言の中には、同行した冒険者が食べられたというものもあった。~
私はかなり遠くで彼らの生活を観察していたが、どうやら集団で生活するわけではないだようだ。~
彼らは主に何処にでも現れる。そして何処にでも住んでおり、その生命力の強さが伺われてる。~
私が観察したところ、彼らは超巨大と言っても、人の二倍ものや、~
或いは人の10倍ほどの大きさを誇るものも存在するのがわかり、前述した数種類のムカデも証明できた。~
そして、その繁殖方法は語るにもおぞましいものだった。~
私が直接見たわけではないし、冒険者達から聞いただけの話なので、確実とはいえないが、巨大な生物の間ではよくあることである。~
彼らは女性の冒険者を捕まえると、その女性の体を苗床とし、孕ませ、子を産ませるのである。~
一気に数十匹が生まれるとされ、苗床にされた者は正気ではいられないという。~
彼らは生物なら何でも選ばないようで、魔物でも人間でも、子を産ませられるものならば何でもいいという証言もある。~
どこまで事実なのかは私にはわからない。だが、いずれは研究しなければいけない日がくるのだろう。私には耐えられそうにないが。~
~
次は起源について書き記したいと思う。~
超巨大ムカデは古くから民話や神話に多く登場する。それも、神の姿、神の化身として多く登場する。~
あらぶる神や破壊神、大いなる古のものと伝えられ、古くから非常に恐れられていたと思われる。~
それらの話では、超巨大ムカデは空から舞い降りるものとして描かれる。空を切り裂き、怒涛の雄叫びを上げ、雷と共に舞い降りる神。~
これにより、超巨大ムカデは東洋の龍と同一視、或いは龍そのものとしてみられていたことがわかる。~
古代に超巨大ムカデを神として崇めていた村も多いという。~
しかし、今の超巨大ムカデは冒険者なら倒せてしまうほどの強さである。~
私が考察したところ、この世界の超巨大ムカデは神である超巨大ムカデの眷属なのではないだろうか。~
荒唐無稽な話になるが、私は超巨大ムカデが別世界からやってきたものだと思っている。~
これには理由がある。神話や民話などでは、超巨大ムカデが登場するとき、必ず空が割れて、数匹のムカデが現れるのである。~
これは、ムカデが、或いはムカデの神が時空を切り裂いて、超巨大ムカデを送り込んでいるのではないのかと思われる。~
現在でも、その目撃情報が得られるときがある。超巨大ムカデはブラックプティングのように、異世界の生き物で、我らの世界を侵略しようとしているのではないだろうか。
ある文献にはこういう記述がある。引用してみよう。~
 其は果てしなき虚空から現れるものなり。神の遣いにして、神の化身なり。
 破壊を尽くし、破壊による世界の崩壊を目論むものなり。人を喰らい、魔を喰らものなり。
 其は永久に横たわるものの遣いにして、測り知れざる時の果て、この世界を覆いつくすものなり。
 人よ聞け、其の名こそ――
文献はここで終わっている。この文献はある名もなき都市から発見されたものである。~
最後の名は何者かによって削られており、見ることは出来ない。何故そうしたのかは私にもわからない。~
これにより、超巨大ムカデは異世界からのものだという可能性が高いが、あまり信じられたものでもない。~
真実は現在調査中である。~
~
超巨大ムカデは、超巨大トカゲ、サソリ、巨鳥と同一種族ではないのかという指摘もなされている。~
これはどういうことかまだわからないが、私は研究を続けていくつもりである。
~
~
追記、冒険者達へ。~
上に、今ではさほど強敵ではないと書いたが、決して超巨大ムカデは侮れる存在ではない。~
場合によっては鬼神の如き強さを発揮し、冒険者を全滅に追い込むこともしばしばだ。~
初心者冒険者は気をつけるべきである。~
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#pcomment(,10,below,reply)