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CENTER:かつて、愛に身を焦がした者がいた。~
蠍の炎に身を焼かれようとも、透明な硝子の破片に成り果てようとも、~
旧友たちと違う時間を歩もうとも、けして心は折れず。~
冒険者として生きることで、遠く遠く離れた女と繋がっていられると信じて。
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その魂は今だ健在。~
しかし、遂に彼は歩み出す。諦め、別の生き方を模索しようというのではない。~
未知なる可能性を追うために、遙か世界へ旅立つのだ。~
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言葉にしてしまえば簡単だろう。無限の命を持って、異世界へと向かう方法を模索する。~
現実的に言って、それは限りなく不可能である。そういう理がそこに立ちはだかる以上、如何ともし難かろう。~
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それでも。~
それでも諦めぬものがいるとすれば?~
「諦めちまえばそこで終わりなら、オレはとことんやってやるさ」~
赤い外套を翻し、光の前に立つ男。~
その手には師より授かった魔術手袋が黒く鈍く輝いている。~
色々な思い出の詰まった、古びたトランクケースに視線を落として、そして。~
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「行くか。遅れずについてこいよ、ルナ」~
背後に立つ女に声をかける。使い魔たる彼女は、明るい笑顔を見せて。~
「ああ、言われずとも。アマンハ嬢の元へ向かうのだろう? ならば急ごうじゃないか。一刻も惜しい」~
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夏九は呵呵と笑った。そして一瞬だけ、この街で過ごした時間を思い返して――~
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光の中へと、ルナを伴って消え去った。~
彼は戻ってくるだろうか? この街に。――それは、誰にもわかるまい。~
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他ならぬ彼自身にも、ルナにも、そして愛すべき少女アマンハにすらも。~
けれども。彼らが再びまみえ言葉を交わし、そしてこの地に戻ることを「観測者」は願わずにはいられなかった。~
願わくは、そこに幸福な終わりがあらんことを。~
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RIGHT:&size(16){&color(gray){'''――Le trajet de la vie continue'''.};};
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[[&ref(http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst073960.gif,nolink);相談室>http://notarejini.orz.hm/?%3ATuning%20room]]  最終更新:&lastmod(:Tuning room);~