[[ARA/0950]]

-&br;&COLOR(green){『…報告は、以上だ、マスター。』};   &br;&br;&COLOR(#855896){ありがとうファム、明日はもっと楽しくなるよね。…おやすみ。};&br;&br;''某日深夜、ゼイム帝国某所、近代的な高層建築物の一室にある『住石商会』のオフィス。''&br;''一年間の学生生活を無事に過ごし、進級したファムからの報告を受け取ると通信魔術をオフ''&br;''つやつやのエルフメープル製の机、革張りの椅子に腰かけ、[[学生服を着た少年、ファムのマスター『アラン・スミシ―』>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst089536.png]]は満足げに頷いた。''&br;''男性とも女性ともつかない中性的な顔立ち、その性別は不明。種族も、年齢も、本当の名前さえも。''&br;&br;&COLOR(red){ずいぶんお楽しみだけど、いいの?}; &br;&br;''アランの後ろに立ちそう聞くのは黒地に血をぶちまけたような羽色の、[[鳥人種に見える女性、秘書のエメリー>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst089542.png]]、その表情は咎めるようでも、煽ってもっとやれと言っているようにも見える。''&br;&br;&COLOR(#855896){もちろんさ、そのために僕はここに来た…たまには『監督業』も悪くはない。};&br;&br;''そうエメリーに答えるとその姿は[[『仮面の道化』>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst034555.jpg]]に早変わり、机に頬杖をつき悪びれるでもなく、その声は弾んでさえいる。''&br;''『アラン・スミシ―』を名乗ってファムたちの周りで暗躍する彼、または彼女の目的とは…?''&br;&br;そうだな!『双方の敵』、両方のカタキはそれが仕事だ!&br;&br;&COLOR(#855896){おや、キミが遅刻とは珍しいね『夜の風』…先にやらせてもらっているよ。};&br;&br;''そこに元気よく響く少女の声、[[黒いもやのような空間の裂け目から現れた10代前半の獣人種の少女に見えるその姿は全身黒づくめ。『夜の風』と呼ばれた少女>http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp036594.png]]は仮面の道化アラン、『双方の敵』からの言葉に顔をしかめる。''&br;&br;ぐぬぬ…ニセモノのイレモノに行ったら予言が狂ったんだ!おまけに『紅き太陽』まで来た!!どろどろぐちゃごちゃになったヨリョトルをとりそこね捧げそこねた…こんなことはじめてだ!!ぬあああ〜〜!!&br;&br;&COLOR(red){はぁ!?あんたの担当って星空の先の先だったでしょ!?アイツマジどこにでも来るわね…そのうちここにも…};&br;&br;&COLOR(#855896){ハハハ!そりゃあいい、彼と出会って無に還されなかったのは幸運だよ…ご苦労様。お菓子でもどうだい?};&br;&br;ショコラトルだ!!双方の敵は両方のカタキだが紅き太陽のカタキならば夜の風の敵であって敵ではない…&br;&br;''くやしさで絨毯の上をゴロゴロ転がっていた『夜の風』の労を労うべく、アランが机の上にあったお菓子を勧めると、[[夜の風は狂喜乱舞>http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp036594.png]]して貪り食う。'' &br;''その一方で、『紅き太陽』なる存在への危機感を露にするエメリーと、それも楽しみだなどと笑っているアラン。''&br;''そこに、ひとしきりお菓子を貪り食ったあと、スン…と落ち着き、肉食獣のような圧をもってアランの机の上に昇り、アランの顔を覗きこむ夜の風。''&br;&br;だが…そのことではない、『羽持つ白き蛇』をどうする気だ双方の敵。『我らを生かしている者』が『葦を刈り取るモノ』を送るなどただ事ではないぞ!&br;&br;&COLOR(red){ほら〜…突っ込まれたじゃなーい…}; &br;&br;&COLOR(#855896){キミも分かっているだろう?僕は双方の敵、それが理由で、仕事だ。};&br;&br;''何か、夜の風やその上にいる存在の怒りを買うような事をしたらしいアラン、エメリーはあっちゃーといった態度で顔を腕の翼で隠すが、当のアランは涼しい顔でこれが自分のやることだと悪びれもせず言い放つ。''&br;&br;&COLOR(#855896){それに、なんだかファムたちは他人のような気がしなくてね…造られた存在、その行きつく先を見てみたい。};&br;&br;&COLOR(red){…はいはい、やっぱそういうことね。};&br;&br;''もっともらしい大義名分を添えて何かをやる時は、決まって自分がやりたい以上の理由はない。長年の付き合いからエメリーはアランという愉快犯の思考は読めていた。という反応。''&br;&br;それがおまえの滅亡、滅びか!いいだろうすべて『我らを生かしている者』が決める!夜の風は予言のままにヨリョトルを高めイツトリを集め太陽を目指す!!&br;&br; &COLOR(#855896){ああ、よき終末を。…いやあ、肝が冷えたよ。};&br;&br;&COLOR(red){アレで世界を12個は滅ぼしてるんでしょ?ヒトは見かけによらないってほんとね〜…};&br;&br;''アランの受け答えに一応の納得をしたらしく、来た時と同じように黒いもやのような時空の裂け目に包まれて夜の風は消えていった。''&br;''夜の風との正面衝突はアランとしても避けたかったことらしく、ふうと息を吐くそのさまを、いつもの事として冷ややかに見つめつつ、エメリーがぼやく。''&br;&br;&COLOR(#855896){夜の風だけじゃない、かの『大魔王』や、他の存在たちの干渉だってある…これからどうなることやら。};&br;&br;&COLOR(red){そうよねえ…桑野さんのほうも相変わらずハードなお仕事っぽいし…どこ行っても楽な仕事ってないわぁ。};&br;&br;&COLOR(#855896){だが、だからこそ面白い。…羽持つ白き蛇、キミたちは太陽の座を得るか、それとも…。};&br;&br;''製作者のラーゼスも、持ち主であるアランも、おそらく関わったものすべて、当の本人さえ。''&br;''羽持つ白き蛇、ファムたちがどう成長し、どう生きていくかはまだ解らない、予言による道標のない、戦いはまだ始まったばかり…なのかも、しれない。'' --  &new{2022-07-03 (日) 12:20:32};
-&br;&COLOR(green){『…報告は、以上だ、マスター。』};   &br;&br;&COLOR(#855896){ありがとうファム、明日はもっと楽しくなるよね。…おやすみ。};&br;&br;''某日深夜、ゼイム帝国某所、近代的な高層建築物の一室にある『住石商会』のオフィス。''&br;''一年間の学生生活を無事に過ごし、進級したファムからの報告を受け取ると通信魔術をオフ''&br;''つやつやのエルフメープル製の机、革張りの椅子に腰かけ、[[学生服を着た少年、ファムのマスター『アラン・スミシ―』>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst089536.png]]は満足げに頷いた。''&br;''男性とも女性ともつかない中性的な顔立ち、その性別は不明。種族も、年齢も、本当の名前さえも。''&br;&br;&COLOR(red){ずいぶんお楽しみだけど、いいの?}; &br;&br;''アランの後ろに立ちそう聞くのは黒地に血をぶちまけたような羽色の、[[鳥人種に見える女性、秘書のエメリー>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst089542.png]]、その表情は咎めるようでも、煽ってもっとやれと言っているようにも見える。''&br;&br;&COLOR(#855896){もちろんさ、そのために僕はここに来た…たまには『監督業』も悪くはない。};&br;&br;''そうエメリーに答えるとその姿は[[『仮面の道化』>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst034555.jpg]]に早変わり、机に頬杖をつき悪びれるでもなく、その声は弾んでさえいる。''&br;''『アラン・スミシ―』を名乗ってファムたちの周りで暗躍する彼、または彼女の目的とは…?''&br;&br;そうだな!『双方の敵』、両方のカタキはそれが仕事だ!&br;&br;&COLOR(#855896){おや、キミが遅刻とは珍しいね『夜の風』…先にやらせてもらっているよ。};&br;&br;''そこに元気よく響く少女の声、[[黒いもやのような空間の裂け目から現れた10代前半の獣人種の少女に見えるその姿は全身黒づくめ。『夜の風』と呼ばれた少女>http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp036551.png]]は仮面の道化アラン、『双方の敵』からの言葉に顔をしかめる。''&br;&br;ぐぬぬ…ニセモノのイレモノに行ったら予言が狂ったんだ!おまけに『紅き太陽』まで来た!!どろどろぐちゃごちゃになったヨリョトルをとりそこね捧げそこねた…こんなことはじめてだ!!ぬあああ〜〜!!&br;&br;&COLOR(red){はぁ!?あんたの担当って星空の先の先だったでしょ!?アイツマジどこにでも来るわね…そのうちここにも…};&br;&br;&COLOR(#855896){ハハハ!そりゃあいい、彼と出会って無に還されなかったのは幸運だよ…ご苦労様。お菓子でもどうだい?};&br;&br;ショコラトルだ!!双方の敵は両方のカタキだが紅き太陽のカタキならば夜の風の敵であって敵ではない…&br;&br;''くやしさで絨毯の上をゴロゴロ転がっていた『夜の風』の労を労うべく、アランが机の上にあったお菓子を勧めると、[[夜の風は狂喜乱舞>http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp036594.png]]して貪り食う。'' &br;''その一方で、『紅き太陽』なる存在への危機感を露にするエメリーと、それも楽しみだなどと笑っているアラン。''&br;''そこに、ひとしきりお菓子を貪り食ったあと、スン…と落ち着き、肉食獣のような圧をもってアランの机の上に昇り、アランの顔を覗きこむ夜の風。''&br;&br;だが…そのことではない、『羽持つ白き蛇』をどうする気だ双方の敵。『我らを生かしている者』が『葦を刈り取るモノ』を送るなどただ事ではないぞ!&br;&br;&COLOR(red){ほら〜…突っ込まれたじゃなーい…}; &br;&br;&COLOR(#855896){キミも分かっているだろう?僕は双方の敵、それが理由で、仕事だ。};&br;&br;''何か、夜の風やその上にいる存在の怒りを買うような事をしたらしいアラン、エメリーはあっちゃーといった態度で顔を腕の翼で隠すが、当のアランは涼しい顔でこれが自分のやることだと悪びれもせず言い放つ。''&br;&br;&COLOR(#855896){それに、なんだかファムたちは他人のような気がしなくてね…造られた存在、その行きつく先を見てみたい。};&br;&br;&COLOR(red){…はいはい、やっぱそういうことね。};&br;&br;''もっともらしい大義名分を添えて何かをやる時は、決まって自分がやりたい以上の理由はない。長年の付き合いからエメリーはアランという愉快犯の思考は読めていた。という反応。''&br;&br;それがおまえの滅亡、滅びか!いいだろうすべて『我らを生かしている者』が決める!夜の風は予言のままにヨリョトルを高めイツトリを集め太陽を目指す!!&br;&br; &COLOR(#855896){ああ、よき終末を。…いやあ、肝が冷えたよ。};&br;&br;&COLOR(red){アレで世界を12個は滅ぼしてるんでしょ?ヒトは見かけによらないってほんとね〜…};&br;&br;''アランの受け答えに一応の納得をしたらしく、来た時と同じように黒いもやのような時空の裂け目に包まれて夜の風は消えていった。''&br;''夜の風との正面衝突はアランとしても避けたかったことらしく、ふうと息を吐くそのさまを、いつもの事として冷ややかに見つめつつ、エメリーがぼやく。''&br;&br;&COLOR(#855896){夜の風だけじゃない、かの『大魔王』や、他の存在たちの干渉だってある…これからどうなることやら。};&br;&br;&COLOR(red){そうよねえ…桑野さんのほうも相変わらずハードなお仕事っぽいし…どこ行っても楽な仕事ってないわぁ。};&br;&br;&COLOR(#855896){だが、だからこそ面白い。…羽持つ白き蛇、キミたちは太陽の座を得るか、それとも…。};&br;&br;''製作者のラーゼスも、持ち主であるアランも、おそらく関わったものすべて、当の本人さえ。''&br;''羽持つ白き蛇、ファムたちがどう成長し、どう生きていくかはまだ解らない、予言による道標のない、戦いはまだ始まったばかり…なのかも、しれない。'' --  &new{2022-07-03 (日) 12:20:32};
-  --  &new{2022-06-29 (水) 22:58:23};
- ''ゼイム帝国、[[永久氷域>http://notarejini.orz.hm/?%C0%DF%C4%EA%2F%B8%B8%C1%DB%C0%A4%B3%A6%A5%B8%A5%A2%A5%EA%A5%A6%A5%B9%2F%A5%BC%A5%A4%A5%E0%C4%EB%B9%F1#g4ef2b35]]に近い監獄、アルバ=シュリ監獄。&br;政治犯、思想犯、第一級の犯罪者ばかりが収監されているそこに錬金術師アルナルドゥス・ラーゼスはいた。''&br;&br;&COLOR(brown){''なんでこんなことになるんじゃぁ!?''};&br;&br;''独房…というには立派な一室、各種の道具や設備が整った工房のようになっている。&br;しでかした事に対して判決が軽く、獄中での扱いも破格なことから、何かしらの取引があったのだろう。&br;完成したファムたちも処分されることはなく、住石商会、アラン・スミシーの所有物としてアルミネラ王立学院で学生生活をしている。&br;あとは死ぬまで余生を送るだけ、悔いはない…そう言っていたはずのラーゼスは焦った様子で獄中の壁、手にしたチョークで何やら書き込み続けている。&br;最初は手稿にちまちまと書いていたものが収まりきらなかったらしく、壁一面にびっしりと、気でも触れたのか?&br;発端は数週間前、逮捕後の裁判で終身刑の判決が下され、この独房に収監された直後の事。''&br;&br;&COLOR(#855896){こんにちわ。あの日以来ですね。};&br;  &br;&COLOR(brown){フン、来おったな疫病神め…お前の口車に乗ってこのザマじゃい!わざわざオリの中まで笑いに来たんか!?};&br;&br;''[[仮面の道化>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst034555.jpg]]、まるで当たり前のように警戒厳重な監獄の最奥にあるラーゼスの研究室に入り込んだ道化に対して、ラーゼスは驚いた様子はなく、昔からの知り合いにするように悪態をつく。''&br;&br;&COLOR(#855896){かの皇帝ベルンハルド一世と言えども、休養もすれば留守もする、鬼の居ぬ間に洗濯というでしょう?事実、あなたの望む通りに事は進んだわけですからね。};&br;&br;&COLOR(brown){お前の望む通りのマチガイじゃろうが!ファムは起動せん、ホムンクルスどもは暴走する!お前は火事場泥棒でキャルを持ち逃げしたうえ『余計なモン』まで付け足したわけじゃからな!!};&br;&br;''ラーゼスが起こした事件『悪夢の三日間』は、この仮面の道化の提案に乗った結果だというが、実行犯のラーゼスやエースたちにだけ罪を押し付けて逃げおおせた道化にラーゼスは憤慨している様子。''&br;&br;&COLOR(#855896){親切ですよ、あなたの望んでいた『タマシイ』の固着法のついでに、『四元素』のうちの一つを補った…ウィンウィンでしょう?};&br;&br;&COLOR(brown){それが余計じゃっつーとんじゃ!!ワシはワシのやりかたであいつらを完成させられたんじゃ!};&br;&br;&COLOR(#855896){おや、僕の聞き間違いでなければ…寿命までに完成しなければ何の意味もない。とも言ってましたね?};&br;&br;&COLOR(brown){ぐぬぬ…!もうええわい出てけ!!帰れーッ!!};&br;&br;''顔を真っ赤にして頭に血が上ったラーゼスは辺りのモノを道化に投げつけるなどして怒りをぶつけるのだが…''&br;&br;&COLOR(#855896){話は最後まで聞いた方がいいと思いますよ?…『僕たちの雇い主』がこの世界に干渉するのは…予定通りならばあと175年と少し後、ということはすでにお伝えしましたね?};&br;&br;&COLOR(brown){なら問題はない!10年…いや!あと5年もあればエースは、ファムは、キャルは!ワシの想定すら超えた無敵の存在に…};&br;&br;&COLOR(#855896){ですが、少々マズいことになりました、僕たち以外にもこの世界は多数の脅威に晒されている…『力』が必要になるのは、明日…それとも、今日かも?};&br;&br;&COLOR(brown){なっ…またそうやってワシを騙そうとしとるんじゃろ!その手には乗らん!};&br;&br;&COLOR(#855896){どう取ってもらっても結構。ですが…後悔の無いように。とだけ言っておきます、また来ますね?ラーゼスさん。};&br;&br;&COLOR(brown){おい待て!何をどこまで知っとるんじゃ?!コラ―ッ!!……『力』…か。};&br;&br;''まるで、今のラーゼスが研究しているあるものの存在を知っているかのような道化の態度に、ラーゼスは研究の完成を急いでいた…。 ''--  &new{2022-06-26 (日) 11:45:48};
--&COLOR(red){で、いったいどうしたんだよジジイ。ボケたか。};&br;&br;&COLOR(blue){寂しすぎて壊れちゃったんですかねえ?};&br;&br;&COLOR(green){…『黄金の指』、そうだな。ラーゼス。};&br;&br;''面会、それも獄中に招かれてラーゼスの奇行について思い思いの言葉を発するエース、ファム、キャル。''&br;''獄中の壁一面にびっしりと書き込まれた意味不明の文言、それにドン引きするエースとキャル。''&br;''だがファムはラーゼスの奇行について思い当たるフシがあったらしく、確かめるように言葉をかけた。''&br;&br;&COLOR(brown){そうじゃファム!じゃが…このカオス、混沌を固着する最後のピース…それが埋まらん!せめてこれだけでも覚えていけ!できるじゃろ、それくらい。};&br;&br;''監獄の外に持ち出せぬほどの膨大な情報量、それを直接見て覚えろ。というラーゼス…『黄金の指』と呼ばれるソレの作成のために必要な錬金レシピ、方程式らしいそれをファムたちに見せる。''&br;''そのためだけにファムたちをゼイムの僻地、監獄の最奥にまで呼び出したのだと言うが…''&br;&br;&COLOR(green){混沌、カオスエンチャントか。…これだな。};&br;&br;&COLOR(brown){そうそう、それくらいカオスカオスしとれば言う事なし……''はぁ?!!?!?''};&br;&br;''ファムの取り出した[[『凶悪で精密な、強烈なフォーク』>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst089848.png]]、カオスエンチャントを受けた物品の現物サンプルを見てラーゼスは目の色を変えた。''&br;''埋まらなかった最後のピース、それが解れば止まることはない、ファムからフォークを奪い取り、乱暴に錬金釜に放り込むと再エンチャントを開始。''&br;''カオスの力を持ったフォークに、ラーゼスの書き溜めた情報を上書き、『黄金の指』と呼ばれる何かの錬成を開始したのだ''&br;&br;&COLOR(red){一体なんなんだよ!俺たちにも解るように説明しろジジィ!!};&br;&br;&COLOR(blue){エースさんわかりませんかあ?『外なるモノ』への対抗手段、アテクシたちに欠けていた最後のピースを作ろうっていうんですよぉ。};&br;&br;&COLOR(red){マジかよ!これで神でも悪魔でもブッ飛ばせるってことじゃあねえか!!};&br;&br;&COLOR(green){…!};&br;&br;''そのとき、監獄内に出現する影、[[黒衣の男たち。>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst090034.png]]周囲の空間を歪ませるその力は『外なるモノ』たちのそれである。''&br;''その目的は?ファムたちの妨害?ラーゼスの抹殺?それとも…''&br;&br;&COLOR(red){''うるぁぁぁぁっ!!!!!!''};&br;&br;''問答無用、エースのシャウトの衝撃!紅い光すら伴って『ビーム』のようにも見えるそれで、歪んだ空間ごと、黒衣の男たちをまとめて『上空』へと吹き飛ばす。''&br;''地下、監獄の最奥から、明り取りにはやや大きい直通の通路ができたのは。この際どうでもいいことだろう。'' --  &new{2022-06-26 (日) 18:30:38};
---&COLOR(brown){のわーっ!!!!!…ば…バカモン揺らすな!!いま一番大事なとこなんじゃぞ!失敗したらどうする!!};&br;&br;&COLOR(red){っせえなぁ…じゃあとっとと仕上げろよ!!};&br;&br;&COLOR(blue){どうでもいいですけどぉ…これ、脱獄しようとしてるように見えますよぉ?あんな抜け穴まで作っちゃってぇ。};&br;&br;&COLOR(green){問題ない、ラーゼスだけではここから逃げられない。狙いは僕たちだ、ならば…僕たちは外で戦えばいい。};&br;&br;''いくら直通とはいえ、『地下数百メートル』にある独房から垂直登攀で脱出することは、生身の人間、それも高齢のラーゼスだけでは不可能なことくらい看守たちにもわかるだろう。''&br;''それに、刺客たちの狙いはファムたち自身。向けられる殺気からそれは明らかで、『ラーゼスの作り出そうとしているものは、ファムたちが持たなければ何の意味もないもの。』だと理解している存在だということ。''&br;''ファムはそう結論付けて黒衣の男たちをひきつけるべくエースの翼で上空へ飛び出す。''&br;&br;&COLOR(red){木っ端どもがゾロゾロと…俺を止めたきゃこの百万倍持ってきやがれ!!};&br;&br;''上下左右の区別なく、無重力空間を浮遊するかのような遊泳軌道で上空に飛び出したファムたちに襲い掛かる黒衣の男たちだったが…''&br;''拳やドラゴンシャウト、火球…攻撃は言うに及ばず、高速飛行による衝撃波ですらエースに蹴散らされていく黒衣の男たち。仕留めに来たにしてはあまりにも貧弱…?''&br;&br;&COLOR(blue){どう思いますぅ?ファムさぁん。};&br;&br;&COLOR(green){僕たちの消耗を狙っている、時間を稼ぐことに意味があるなら、それ以外にないはずだ。…来たぞ!};&br;&br;''調子に乗って暴れまわるエースの一方で、様子見としか思えない布陣にキャルとファムはそう推測し…しばしの後に予想通りの本命が現れる。''&br;''手にした『黒曜の鎌』を振るうその姿は[[『死神』>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst090036.png]]を連想させ、ひときわ空間は歪み、ファムたちを異空間に引きずり込む。''&br;&br;&COLOR(red){へぇ、タイマン希望かよ…上等じゃあねえかあっ!!…オワーッ?!};&br;&br;''物言わぬ死神へまずはご挨拶がわりの左ストレート!エースの狙いはもちろん死神の顔面…だが、その攻撃はすり抜ける。『次元が異なる』という表現があるが物理的な干渉が不可能。さらに…''&br;&br;&COLOR(red){…!?…マジかよ…};&br;&br;''死神の鎌の刃は命を刈り取るべく『ファムたちの首をかすめた』、あちらからの干渉は問題なく通る、攻撃の通らぬ相手と、退路を断たれたまま、消耗戦を強いられる…''&br;&br;&COLOR(blue){気に入りませんねぇ…こういうのはアテクシの担当ですぅ。};&br;&br;''エースでは不利。暗殺、潜入、一撃離脱と、持久、耐久戦という矛盾したコンセプトをスタンドアローンというあってないような共通点でくくったキャルならば対応可能と三人の意思が決定したのか、メインがキャルに移る。''&br;&br;&COLOR(blue){知らない仲でもありませんからねぇ?…あなた、『双方の敵』さん?それとも『夜の風』さん?まさかまさかのぉ…『我らを生かしている者』さん自らぁ?};&br;&br;''探りを入れるかのようなセリフを吐き、時間を稼ぐようにしてのらりくらりとした態度を取りつつ…一方で蛇髪、海魔の触手、捕食植物のツタ、自動追尾式の水のオーブ、…地面のない空間ではさすがに地形からの結晶召喚はできないが。ともかく持てるものを全て放つキャル。''&br;''だが、それらも死神までは届かない。放つそばから素通りし、時折鎌で薙がれるたびズタズタに千切れ飛ぶ。時間稼ぎになれば上出来といったジリ貧。''&br;&br;&COLOR(red){なんだおめー少しは役に立てよ!!};&br;&br;&COLOR(blue){コーボーは筆を選ばないといいますがぁ。肝心の筆がなければどうしようもないわけですよぉ。};&br;&br;&COLOR(green){……};&br;&br;''その間にも、ファムは集中、瞑想し、『黄金の指』の変じた姿…『黄金の剣』のイメージをしていたが…はたしてそれが正解なのか?''&br;''代償を捧げ、契約の元に、奇跡の如き願望すら叶えるという魔法…はたしてそれはファムの、自分たちの求めている答えなのか?''&br;''代償を捧げても対価が得られるとは限らない、見返りが必ずあるとは言い切れない、生きること、命とは、そんな非論理と不合理とを抱えた矛盾、混沌そのもの。''&br;''永遠でも、絶対でも、究極でもない、今生きているこの時こそ、光の如き瞬間こそが…''&br;&br;&COLOR(green){…見えた…};&br;&br;''次の瞬間、死神の作り出した異空間を突き抜けファムの手元に飛来する[[『白銀の剣』>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst090037.png]]。ラーゼスが作り出したもの、ファムたちが行きついた答え、それがカタチになったもの。''&br;''左手で握り締めた白銀の剣に注がれるのは『光子鮮血』、フォトンブラッドと呼ばれるファムの『白く光り輝く血液』。右手で傷つけた左手首から注がれるそれに白銀の剣が応える。''&br;&br;&COLOR(green){…'' &size(30){&ruby(フェムト){須臾};!}; ''};&br;&br;''一瞬を意味するその言葉、白銀の剣に『須臾』と名付け、フェムトの言葉で魔法を発動させ、袈裟懸けに振り抜くファム。''&br;''外なるモノ、神、悪魔、超越存在、凡てのモノ、凡そあらゆる存在に干渉するその刃は、『一瞬』という制約を付けたからこその荒業。''&br;''死神の手にした鎌ごと、その身体を切断!、死神は異空間に消えていく…それと同時にファムたちは通常空間に復帰。''&br;&br;&COLOR(red){おい次俺!ソレ俺にも使わせろよお!};&br;&br;&COLOR(blue){あれぇ?エースさぁん。「本当に強いドラゴンは武器持たねえ。」んじゃなかったんですかあ?};&br;&br;&COLOR(green){…};&br;&br;''はしゃぐエースと、からかうキャル、手にした須臾を見つめるファム、その手には確かな手ごたえ。最後のピース、力を手に入れた実感…''&br;''力を得たことは果たしてファムたちにとっての福音となるか?呪いとなるか?それはまだ誰にも、解らない…''&br;&br;&COLOR(brown){''……ハハハ…やった…やったぞ大魔女め…!ワシはやったんだーーー!!''};&br;&br;''と、上機嫌のラーゼスはほとんど崩壊した独房から高らかに宣言、錬金窯をぶち破って飛んで行った須臾の引き起こした爆発で黒焦げだが…バカ笑いして大満足!といった様子だったと言う…'' --  &new{2022-06-26 (日) 20:14:58};
-  --  &new{2022-06-12 (日) 12:44:15};
-&br;&br;&ref(http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst089950.jpg,600x337);&br;&br;''城の地下、そこは邪教の祭壇。生贄に捧げられたと思しき夥しい数の人骨で彩られた、そんな空間。''&br;''昨日今日行われたような規模ではない、おそらくは、数百年、人知れず、邪教への信仰が、ミネラの地で行われていたという証拠…''&br;''見つかればただでは済まない異端の隠れ蓑だったこの場所で、キャルは決着をつけようというのか…?''&br;&br;&COLOR(blue){うーん…散らかっちゃってますねえ、ここを…こうしてぇ…こうっ…};&br;&br;''なんということでしょう、キャルが指を振れば地面がまるですべて粘土で出来ているかのように動き始め…''&br;''柱がせり上がり、壁が作り出され、周囲の空間が作り替えられていく…''&br;&br;&COLOR(blue){どーですこれぇ?なかなかステキなスペースでしょぉ?};&br;&br;&ref(http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst089951.jpg,500x534);&br;&br;''あっという間に模様替え、『散らかったゴミ』を横に避けるようにして、自分の戦いやすい空間を作り出した。''&br;''キャルにとっては邪教団、名を出すことすら憚られる邪神への信仰すらも、どうでもいいのだろう。''&br;''叩き落したファムが体勢を立て直すまで、模様替えをして暇をつぶすほどの余裕を見せるのも、挑発か。''&br;&br;&COLOR(green){『水』だけではない、『土』もか、キャ・リューム};&br;&br;&COLOR(blue){そっちは『風』と『火』…いいですねえ、おあつらえ向きですぅ。};&br;&br;&COLOR(red){てめえらごちゃごちゃ御託ならべてんじゃねえっ!さっさとやろうぜ!};&br;&br;''お互いに欠けた者同士、ファムとエースは『風と火』、キャルは『水と土』の魔力を操る。''&br;''勝った方が総取り、いよいよ『あるべき姿』に戻るのだ。''&br;&br;&COLOR(blue){その前にぃ、世間話でもしましょ?さっきの普茶料理のことですがあ…};&br;&br;&COLOR(green){僕たちに似ている。という話か。};&br;&br;&COLOR(blue){そう、アテクシたちに似ている…アテクシたちは模倣に模倣を重ねて、いいとこ取りをして、本物より優れている。…つまり、この世でいちばん、いちばーーーん。優れているんです。};&br;&br;&COLOR(green){…};&br;&br;''傲慢。作られたモノは作った人間のクセが出るものだが、キャルはラーゼスの傲慢さを最もよく受け継いだのだろう。''&br;&br;&COLOR(blue){優れた種がより劣った種を支配する…それは真理ですぅ。事実、竜も、善と悪の神々も、人間と魔族も…この世界の生き物はみんなそうしてきましたぁ。今度はアテクシたちの番。&br;アテクシたちホムンクルス…いいえ、究極絶対、完全無敵、至高の人類、『アルティノイド』こそが…};&br;&br;&COLOR(red){何がアルティノイドだっ!要点だけ言え!};&br;&br;&COLOR(blue){ごめんなさい、難しすぎましたねぇ。つまりぃ…その中でもいちばん、いちばーん。つよーいアテクシが、勝つに決まってるんですから。ジタバタ足掻かずに、アテクシになってください。};&br;&br;''降伏勧告、このまま戦えばこちらが勝つ。面倒だからさっさと負けを認めろ。というキャル。あまりの傲慢っぷりにエースも絶句である。''&br;&br;&COLOR(green){…僕たちは、作り物だ。};&br;&br;&COLOR(blue){はい?};&br;&br;&COLOR(green){どこまで行っても、彼らを真似た人工物、それを忘れては、僕たちは、僕たちを見失う。};&br;&br;&COLOR(blue){要点だけ、言ってくれますかぁ?};&br;&br;&COLOR(green){僕は僕であり続けたい、神の似姿でも、単なる作り物でも、ましてや、究極至高の人類でもない。};&br;&br;&COLOR(blue){はぁ〜……あなたごときじゃ、アテクシには勝てませんよ?};&br;&br;&COLOR(green){僕は、僕だ。};&br;&br;&COLOR(blue){じゃあ…''始めましょうかァ!?''};&br;&br;''もはや問答無用。対決は、避けられない。'' --  &new{2022-06-10 (金) 20:55:34};
--&br;&br;&COLOR(blue){ふぅぅぅ…どうですか?これぇ…サイコーでしょお?!};&br;&br;''キャルの頭髪はいつしか蛇髪に、背中からは海魔、魔界の海に生息する魔獣の触手が何本も生えていく。''&br;''下半身は捕食植物、トゲのあるツタが伸び、咲き乱れる花には牙が生えそろい、全身には大地の魔法を操る媒介となる『黒い結晶体』が配置されている。''&br;''一層ゲテモノ感を強め、人型を廃して、すっかり巨大な魔獣の様相を呈し始めるキャルの身体。''&br;''変身と同時並行して触手やツタ、蛇髪が全方位からファムを襲う…その間もキャルの身体は大地からの養分を吸い上げ成長していく。''&br;&br;&COLOR(red){節操のねえバケモノが、調子こいてんじゃ…ぶわっ!?};&br;&br;&COLOR(blue){ああ、言い忘れてましたけどお…ここ、こういう仕掛けもあったりしてぇ。};&br;&br;''轟音とともに満ちていく水、あちこちから水が流れ込み、激流に弾き飛ばされるエース。''&br;''閉鎖された空間、圧倒的質量はそれだけで有利。そこに水攻めを加えてじわじわと退路を断つ…''&br;''その上…''&br;&br;&COLOR(green){この不調、空間のマナの総量が、減少していく…};&br;&br;&COLOR(blue){正解ですぅ。アテクシのこの身体はぁ、空間のマナを吸って吸って吸い上げる…腹ペコさんなんです。さっきお食事を邪魔されてしまいましたからねえ?。};&br;&br;''さっきの毒手に加え、頼みの綱、魔法の根源マナを絶たれればもはや打つ手ナシ!それを見て、いっそう張り付いた笑いを歪め、勝ち誇るキャル。''&br;&br;&COLOR(red){クソっ…引きちぎっても、ぶっつぶしても、次々生えてきやがるッ…火ィつけてやりゃあ良く燃えそうなのによっ!!};&br;&br;''迫るもろもろ、蛇髪に触手にツタ、片っ端からズタズタにしていっても決定打に欠ける。焦れるエース。''&br;''物理攻撃だけではない、油断をすればキャルの大地を操作する魔力によって四方八方からの結晶のトゲ、蛇髪の蛇の口にあたる部分からのウォーターカッターめいた水流の放射。''&br;''一瞬も気を抜けない、こうしている間にも、ファムの体内のマナは尽きようとしている。''&br;''だが、善戦むなしく、触手のうちの一本に絡め捕られ。つぎつぎと捕縛されていき…''&br;&br;&COLOR(blue){王手っ!チェックメイト!…今度こそ!永久に!さようならぁ…!…いいえ、ようこそ、アテクシの中へぇ〜};&br;&br;''キャルの下半身の巨大な捕食植物、怪物の頭部にも見える花をひときわ大きく拡げ、一口でファムの身体を飲み込もうとする。''&br;&br;&COLOR(green){''それは、お前に次の手番が回ってくれば。の話だ。''};&br;&br;&COLOR(red){バーカ!そのまま大口あけてやがれ!…&size(30){''ブレイクハートッ!!''};};&br;&br;&COLOR(green){&size(30){''ブレイク、シンセサイズ…!!''};};&br;&br;&COLOR(blue){はい?…う…ウソ…だって、もう。あなたたちはぁ、マナの、絞りカスの、はずなのにぃっ!?};&br;&br;''周囲の空間にも、ファムの体内にも、ほぼ尽きたマナ、大量にマナを消費し続けるその原理上あり得ない、ブレイクハートが発動されたカラクリは単純明快''&br;''『体内で圧縮開放したなけなしのマナを、開放されるそばから身体に取り込み、マナの形で再圧縮し、また開放する。』''&br;''どこまでも流れ続ける騙し絵めいたマナの無限回路、ループ…マナの同時多発爆破を体内で起こし続けるのと同義、ファムの身体がそれに耐えられなくなるまで、途切れることはない。''&br;''ファムとエース、以前にお互いの破壊と創造の力比べを行った経験を生かしたふたりの力、独りでは不可能な芸当。''&br;&br;&COLOR(green){これで、オーダーストップだ。};&br;&br;''ブレイクハートによってもたらされた爆発的な膂力の増加、拘束を引きちぎり、大口を開けたキャルの体内めがけて、ファムの左腕から深紅の光、ルミナスドリルが放たれる。''&br;''その光はキャルの身体を貫き、閉鎖空間を抜け、城の外にまで達する光の奔流となって夜明けの空に放たれた。''&br;''魔獣そのものの巨躯は下から上へ、光の奔流によって真っ二つに切り裂かれ、焼かれ、身体に貯め込んだ大量のマナとともに、大気中のマナに還っていく。''&br;''キャ・リュームだった『蒼いマナ』をファムは見つめ…喰らった。体内の空中マナ固定装置によって、それを吸収し、体内の欠損を埋めるように、『キャ・リューム』を再構築する。''&br;&br;&COLOR(green){……};&br;&br;&ref(http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst089952.png,300x300);&br;&br;''あるべき姿、ファムは、エースは、キャルは。元のカタチになった。''&br;''地下に注ぎ込む朝陽は、その銀の髪を煌めかせた。'' --  &new{2022-06-10 (金) 22:16:36};
-''誕生日、誰でも、無条件に、その誕生を祝われるという。ステキな日…''&br;&br;&COLOR(blue){''すごくおもしろそうな『おもちゃ』があったので、いっぱいあそびました。''&br;''そうしていたら、とってもおなかがすいていたので、『ごちそう』をいただきました。''&br;''たのしくって、しあわせで、ねむくなったアテクシは、『こもりうた』をききながら、ぐっすり、ねむりました。''};&br;&br;&COLOR(#855896){誕生日、おめでとう。…お楽しみだったようだね、運命の子キャ・リューム…『誘惑する敵意』};&br;&br;''そうして、知らない場所、祭壇の上で[[仮面の道化さん>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst034555.jpg]]に声をかけられ、目を覚ましたキャ・リューム。''&br;''そこはヒミツの祭壇、『聖地』と呼ばれる場所。人界ではなく、魔界にあるとされる秘境。''&br;&br;&COLOR(blue){あら、それって、アテクシのことですか?ステキなお名前ですねぇ。};&br;&br;&COLOR(#855896){僕は『双方の敵』、うまれたてホヤホヤのキミにいろいろと教えてこいと言われて来たんだけれど…必要なかったようだ。};&br;&br;&COLOR(blue){それってぇ、アテクシがやりたいことをすれば、いいってことですかぁ?};&br;&br;&COLOR(#855896){ハハハハハハ!…その通りだ、キミの心の赴くままに…では、幸運を祈っているよ。};&br;&br;''それが数年前、キャ・リュームが魔界に本拠を置くという『邪教団』に迎え入れられた時の事。''&br;''その日から姿を消した仮面の道化『双方の敵』に代わって教団の巫女、神官、運命の子である『誘惑する敵意』として教団のリーダーとなったキャ・リュームは''&br;''魔界においてすら、名を出すことも憚られる『邪神』のために、興味の赴くままにわがまま放題、いつしか魔界にて頭角を現し邪教団は勢力を拡大。''&br;''ほんの数年で人界侵略などという大それた野望を抱くほどになり、ミネラへ向かったのだ。'' --  &new{2022-06-10 (金) 01:23:38};
--&COLOR(red){『ちょっとしたおうち』だあ…?城じゃねーか!ほとんど!};&br;&COLOR(green){そのぶん内部で行動しやすい、狭いよりはいい。};&br;&br; http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst089949.jpg &br;&br;''貴族街、小高い場所にある山の手の一等地、昔さる貴族が建築したという城の前にファムはいた。夜の闇に乗じて忍び込む手はずになっている。''&br;''にわかに城内が騒がしくなってきた、レニによる『陽動』が始まったのか…忍び込むなら今だろう。''&br;''城内を行く間も見張りらしい見張りとも遭遇しない、よほど陽動が上手くいったのか、それとも…?''&br;&br;&COLOR(blue){『普茶料理』…というのをご存じですかあ?};&br;&br;''城の中の一室、会食を行う食堂に女が一人。テーブルにはミオ風の豪華な料理が並べられている…''&br;&br;&COLOR(blue){『本物の素材を使わず、本物を再現し、本物以上のおいしさを目指した。』もの、だそうですよ?諸説ありますがねぇ。};&br;&br;''城内の混乱など知ったことではない。というマイペースさで豪華な『普茶料理』を手づかみで…その女、キャ・リュームの腕は黒く染まり、揺らめく青い光に染まっている。''&br;&br;&COLOR(blue){なんだかアテクシたちにそっくり、そう思いませんかぁ?};&br;&br;''同意の言葉を求めるキャ・リューム、キャルにむけて放たれたのは返事変わりの火球だった。爆炎に包まれ、吹き飛ぶ食堂…''&br;&br;&COLOR(red){しゃあっ!先手必勝ッ!};&br;&br;&COLOR(green){…!};&br;&br;&COLOR(blue){はい、さようならぁ。};&br;&br;''上だ。ほぼ直上、逆立ちのような体勢で迫るキャル、ガッツポーズをとったエースの一瞬のスキを見逃さず、その両腕で首をねじり切ろうと手を伸ばす。''&br;''だが、常に己を満たす。スキを作らぬこと、残身。ファムに油断はない、左腕の示指と中指とから緑色の閃光。『ルミナスドリル』が放たれる。''&br;''闇を切り裂くルミナスドリルと、光をも飲み込まんとする蒼く暗い腕とがぶつかり合い、周囲に光を放つ…''&br; --  &new{2022-06-10 (金) 08:29:24};
---&br;&COLOR(green){そちらから招待をしておいて、『さよなら。』か?キャ・リューム};&br;&br;&COLOR(blue){えへへ、いいですねぇ、アテクシこういうおしゃべり…大好きですよぉっ!?};&br;&br;&COLOR(red){''能書き垂れてる余裕あんのかァ?!''};&br;&br;''つばぜり合いをしていたファムとキャル、そこに意表をついてエースの意識。伸ばされたキャルの腕を掴み…''&br;''一本背負いを彷彿とさせる…いや、『笑いの神』もかくやという連続の叩きつけ、人間ならばひとたまりもないだろう。''&br;''それだけで食堂を全壊させるほど、破壊の嵐を巻き起こしたのちにエースはキャルを投げ離し、地面に叩きつけ…''&br;&br;&COLOR(red){オラどーした?尻尾巻いて逃げてみせろや。こないだみてぇによお!};&br;&br;&COLOR(blue){ふふふ…ホホホホホホ!!…あなたって、ほんとう、ほんとーーーうにぃ、おばかさんですねえ。騙しがいがありますぅ!};&br;&br;&COLOR(green){そうだな、エースはバカだ。};&br;&br;&COLOR(red){ヨシ解った、てめえらまとめてブッ殺…なんだこりゃあ?!};&br;&br;''身体の動きが阻害される、違和感にやっと気づくエース。いったいいつ、何をやったのだ?というエースの思考よりも前にファムは推測から答えにたどり着く。''&br;''こちらからキャルの『腕』に接触したことで、何らかの毒を流し込まれたことは容易に想像がつく、以前にエースに撃退されたフリも、腕に触らせた時に何もしないでおいた事も。キャルの仕込みはこの時のために。''&br;''ゆえにファムは、『エースはバカ』というキャルとの意見の一致を見たが…''&br;&br;&COLOR(blue){ほらほらぁ、さっきから反応速度が17パーセントも低下してますよお?お姉様ぁ};&br;&br;&COLOR(green){僕は、お姉様なんて名前でもない。};&br;&br;''形勢逆転、両腕が身体を蝕む毒、『毒手』であることを示したのち、その毒手を使いプレッシャーをかけながら優位に攻めを展開するキャル。''&br;''受けるにせよ、攻めるにせよ、その両腕に触れることは更なるダメージ、能力低下が予測される。接近を許さないために竜の翼で距離を取り遠距離攻撃を行おうとするファムだったが…''&br;&br;&COLOR(blue){させませんよ?『さよなら』なんてぇ。};&br;&br;&COLOR(red){なんでえそんなもんっ!!……野郎、翼を…?!うわああっ!!};&br;&br;''飛行能力。というアドバンテージを封じるためにキャルは両腕から蒼く揺らめく光、予測不能、トリッキーな動きで翻弄する『水のオーブ』を放ちファムの背中を狙う''&br;''打ち払おうにも衝撃を受ければ分散、さらに細かい礫となって、執拗に、集中して、じわじわと突き刺さり、ダメージを与え…墜落。''&br;&br;&COLOR(blue){''2名様、ごあんなぁい♡''};&br;&br;''地面に叩きつけられたファムを、跳躍し、上空から踏みつけ、地面を貫き、城の地下空間に叩き落とすキャル。''&br;''キャルのペース、このままさらに、自分の有利な空間でお楽しみをするつもりである。'' --  &new{2022-06-10 (金) 09:24:20};
-  --  &new{2022-06-07 (火) 19:58:24};
-&COLOR(#6d52ab){見ろ!この威容!圧倒的カッコよさ!これが俺の最高傑作…錬金怪獣エリクシオンだーーーっ!!};&br;&br;''学院の制服を着た男子生徒、手持ちのフラスコの中に作り出した、伝説に語られる龍にも似た姿のバチあたりな怪物、錬金怪獣とやらを自慢げに教室の生徒たちに見せびらかしている''&br;''男の名は『アルナルドゥス・ラーゼス』、ゼイムからの留学生、錬金術の分野においては並ぶ者がいないという前評判通り、入学早々こんなバカ騒ぎをしている。''&br;''周囲の生徒たちは眉を顰めるもの、同調し取り巻きになるもの、反応はそれぞれだが、ラーゼスの才能自体は誰も疑っていない、天才だ、すばらしい才能だと、認めざるを得ないのだから。''&br;&br;''『ふうん』''&br;&br;''『おまえ』''&br;&br;''『おまえはこのゴミと』''&br;&br;''『何が違うの?』''&br;&br;''バカ騒ぎの中、すっと近づく一人の女生徒、つまらなさそうにラーゼスの手にしたフラスコを覗き込むと…フラスコ越しにラーゼスを見る。''&br;''次の瞬間、ラーゼスは巨大なフラスコに取り込まれて、ちっぽけな、つまらないモノを見下ろすような、フラスコの外からの、巨大な『魔女』の視線に見つめられ…'' --  &new{2022-06-04 (土) 21:04:29};
--&br;&br;&COLOR(#6d52ab){''うわああああああっ!!''…嫌な夢見たわい…};&br;&br;''学生時代から数十年、その時感じた敗北感、スケールの違いを思い知らされてから、いまだに魔女との出会いを夢に見る老人、[[ドクター・ラーゼスことアルナルドゥス・ラーゼス。>http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp036631.png]]''&br;''いつもなら、こうして跳ね起きたときには、決まって…''&br;&br;&COLOR(red){なんだジジイ?また怖い夢でも見たか?};&br;&br;&COLOR(#6d52ab){ぬかせ!バカなこと言っとる暇があったらキリキリ仕事せえ!};&br;&br;''といったやりとりもあった、だが今は…そのエースもいない。''&br;''ミネラの某所、アジトを兼ねた地下工房での潜伏生活も限界に来ていた。ため込んだ諸々の備えも尽き、周囲を嗅ぎまわる連中は常に付きまとい、頼みの綱のエースとの連絡もつかない。''&br;''エースの同型、姉妹、妹にあたるファムを連れ帰るように命じてから、消息を絶ったままだ。おそらくはもう…''&br;''こうなったらどうにでもなれ、変なところで思い切りのよい性格のラーゼスは、座して死を待つよりは前のめりだとアジトを出て、ぶらぶらと彷徨う。''&br;''そんなノープランゆえ、危険な実験に手を出し『悪夢の三日間』を引き起こしたのだが…まったく反省していないし、改める気もない。生まれついての反骨心の塊。''&br;''その作品たちのまとまりのなさ、放浪癖、単独行動の常習犯ぶりはこの作者にして…なのだろう。''&br;&br;&COLOR(#6d52ab){我ながら、ロクな思い出がねえわな…};&br;&br;''学生時代に通い慣れた道。''&br;''学生街の飲食店で酒盛りのすえバカ騒ぎをして通報された事。''&br;''市場でいい道具を値切り倒して手に入れようと粘ったら店の親父にぶん殴られて出禁になった事。''&br;''王宮に忍び込んで度胸試しをしようとしたら退学寸前になった事、を思い出しながら。''&br;&br;&COLOR(#6d52ab){まさかまた、ここに来るとはのう…!};&br;&br;''アルミネラ王立学院、ラーゼスの母校にして、いまの自分のルーツ。''&br;''時期はちょうど学院祭、学生の父兄や周辺住民にも学院の門は開かれている。''&br;''堂々としているとバレないもの、『OBで、生徒の親族。』という体で学院内に侵入したラーゼスは、懐かしむように学院内を散策し…'' --  &new{2022-06-04 (土) 21:07:44};
---&br;&br;&COLOR(#6d52ab){''だーーっ!!これじゃまるで死ぬ前に思い出に浸っとるみたいじゃろがい!!''};&br;&br;''ガラにもない、やめやめ、やっぱりすぐこんなところおさらばして…と思った時。ラーゼスの耳に聞き覚えのある声。''&br;''何度となく聞いたエースのドラゴンシャウト、空気とマナとを震わせて伝わるそれを感じ取って駆け寄る。''&br;&br;&COLOR(#6d52ab){エース…!生きとったなら連絡ぐらいせんかこのバカタレ!…が…};&br;&br;''正門を少し行った中庭、そこにいた『歌声』の主はエースではなく。''&br;&br;&COLOR(green){…アルナルドゥス・ラーゼス。…僕を作った人。};&br;&br;''ファム。エースの妹にして、エースを喰らったモノ。''&br;&br;&COLOR(#6d52ab){…!…そうか…エースは…ファム、お前に…ぐっ!?};&br;&br;&COLOR(green){口を、開くな。};&br;&br;''ラーゼスの襟首を掴み、言葉を封じるファム。作り物の瞳には怒りが宿っていた。''&br;&br;&COLOR(green){答えろ、お前にとってエースは、僕は、僕たちは…何だ?};&br;&br;&COLOR(#6d52ab){ワ…ワシの…最高、傑作…!!…ヤツを…『魔女』を倒し!超えて!この、ジアリウスという…巨大な、フラスコを…破壊、する、ため、の…};&br;&br;&COLOR(green){僕は、そんなことが、聞きたいんじゃない。};&br;&br;&COLOR(#6d52ab){…!…エースは…ワシの、生きがいだった…ワシの…娘…アーシェス・ルー…!};&br;&br;''ファムに虚勢を見透かされ、観念したように心情を吐露するラーゼス、逃亡生活を共に過ごしたエースについて、正直な気持ちを。''&br;''最初はそうだった、『魔女』の鼻を明かし、見返し、創世龍アリウスが作り出した『フラスコの中の箱庭』でしかないジアリウスの枠に収まらない究極絶対、完全無欠の存在を作り上げる。''&br;''そうして作り上げた最高傑作、ただ一つだけ起動に成功したエース、ラーゼスの思いに答えて、強く、カッコよく、長姉として振舞った、それがドラゴンであるという自我に無理をかけることであっても。''&br;''粗暴で無軌道な言動と生意気な態度も、『出来の悪い子ほどかわいい』と感じる人並みの…親としての感情をラーゼスに与えていたことを、ファムに告げる。'' --  &new{2022-06-04 (土) 21:20:22};
---&br;&COLOR(green){…!};&br;&br;''ラーゼスの言葉を聞くと、ファムの中に、ファムとは違った意思が働く…''&br;''弱まるファムの拘束、離れるラーゼス、咳き込みむせて、呼吸を整えるラーゼスだったが、すかさず現れるスーツの一団『鉱滓対』の専従班メンバー''&br;&br;&COLOR(#FFA002){よし!そこを動くなラーゼス!ここは神聖な学び舎、それも学院祭の最中、騒ぎを起こしてはナンだからな、すぐに本国へ移送だ!さあ!いますぐに〜!!};&br;&br;&ref(http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst089907.png,300x300);&br;&br;''喜色満面、勝ったも同然という態度でラーゼスを捕縛するのは『鉱滓対』のレオナ・ユンカース室長その人だった。''&br;&br;&COLOR(green){きみたちは、僕を監視する以外に仕事はないのか。};&br;&br;&COLOR(#FFA002){何とでも言いなさいE950-2!コイツの…ラーゼスのせいで狂った私の人生プランをやっと修正できるのよ!};&br;&br;''もと帝都防衛竜騎兵団員という輝かしい経歴を持ちながら、『悪夢の三日間』での数々の失態がアダとなり、現在は鉱滓対の室長職という外様に追いやられ、出世コースから外れていたレオナ。''&br;''ラーゼスの逮捕を自分の手柄にする。という特大の逆転サヨナラ満塁ホームランにすべてをかけているだけあって、引き下がる気はない模様。''&br;&br;&COLOR(blue){レオナちゃん!やりましたね!};&br;&br;&COLOR(#6d52ab){次から次へと…今日は厄日じゃい!…!?…お前は、キャ・リューム!!};&br;&br;&COLOR(#FFA002){ホホホ!驚いたかしら?我々鉱滓対の誇る優秀なメンバー…キャルちゃんよ!};&br;&br;''[[キャ・リューム>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst089877.png]]と呼ばれた女は『最初からそこにいた』ように自然にメンバーとして馴染んでいる。''&br;''だが、ラーゼスは知っていた。それはキャルことキャ・リュームが持つ敵味方の欺瞞機能、人間社会に紛れ込み隠密行動に長ける『魔族』の性質を高めたホムンクルス。その正体は…''&br;&br;&COLOR(blue){では、プラン通りうまくいったお祝いに…さようなら、ラーゼスさん。};&br;&br;''自分の作品だと。''&br; --  &new{2022-06-04 (土) 21:36:32};
---&br;&br;&ref(http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst089908.png,300x300);&br;&br;&COLOR(red){…おい、うちのジジイに何してくれてんだ?妹その2ィ…!?};&br;&br;''黒く染まった腕、ラーゼスの首を刈り取るような軌道で振るわれたキャルの左腕は、間に割って入ったファムの右腕で防がれた。''&br;''だがその意識はファムのものではない、ラーゼスの危機に反応したエースのものだ。''&br;&br;&COLOR(blue){あらあら…用済みの役者が舞台に上がり続けるのってぇ…みっともないですよ?};&br;&br;&COLOR(red){だったらテメ―は役者でもなんでもねえ黒子だろーが?チョロチョロその辺動き回りやがって…見てるこっちがイラつくぜッ!};&br;&br;''左手からキャルめがけて火球の連射をするエース、ひらりとかわして中庭近くの教室棟の屋根まで飛びのくキャル。''&br;''距離を取ったがまだ油断できない、二人の間に緊張感が漂うが…''&br;&br;&COLOR(green){『やはり、ここにいたんだな、エース。』};&br;&br;&COLOR(red){…そーだよ、こちとら死んだっつーのに女々しくいつまでも未練タラタラ…てめーもたいがいにしとけよ!?};&br;&br;&COLOR(#FFA002){アンタたちいったいどうしたっていうの?!急にラーゼスを襲ってみたり!急に学校のど真ん中で火球出してみたり!?};&br;&br;''味方だったはずのキャルはいきなりラーゼスを襲う。一方で意識の主導権をエースに渡したファムの声は周囲には聞こえず、はたからはファムが異常な行動を取っているようにしか見えない。''&br;''まるで意味が解らんぞ!?とちゃっかり物陰に避難しているレオナ室長が吼えてみるも、蚊帳の外。''&br;&br;&COLOR(blue){いやぁんもう、暑苦しくて嫌ですね…あーあ、シラけちゃいました。…ではまた?};&br;&br;&COLOR(red){尻尾巻いて逃げるくれえなら最初から来るんじゃねえバーカ!二度と来んな!};&br;&br;''形勢は不利、不意打ちで一気にラーゼスを始末して離脱するというプランが失敗するや即座に逃げを打つ判断をしたらしく、黒いもやのような影を纏うと溶けるようにして消えるキャル。''&br;''それに吼えはするが、追い打ちも深追いもせず、その場に残るエース。''&br;&br;&COLOR(red){で、だ…''バカかてめえ!ノコノコでてきて、囲まれたあげく、死ぬとこだった…ぞっ!!''};&br;&br;&COLOR(#6d52ab){''ぬわーーーーっ!!!!!!''};&br;&br;&COLOR(green){『エース、もう、聞こえていないぞ。』};&br;&br;&COLOR(red){少しは懲りたほうがいいんだこのジジイはっ!!…それに、ピンピンしてたらわざわざゼイムまでご招待されちまうんだろ?これで動かせねえ。};&br;&br;&COLOR(#FFA002){ぐっ…ゴホン。まあ?護送の最中にポックリいかれても困りますからね。};&br;&br;&COLOR(red){決まりだ、医者呼べ。…そういやジジイも医者だったな?};&br;&br;&COLOR(green){『医者の不養生。こういうことを言うのか…まじ、やべえ。』};&br;&br;''照れ隠しなのか、エースはジジイことラーゼスに殴る蹴るの暴行を加え、ズタボロにして気絶させる…全治数週間ほどの負傷だろうか?''&br;''鉱滓対ミネラ出張所のメディカルスタッフにラーゼスを預けるため、ズタボロになったラーゼスを米俵をかつぐように運ぶエース。''&br;''こうして、ファムと意識を取り戻したエースは、学院祭をフケて久しぶりのジジイとの時間を過ごしたという…'' --  &new{2022-06-04 (土) 21:47:12};
-  --  &new{2022-06-01 (水) 19:18:26};
-&br;&COLOR(green){今度はここで、『祭り』か。};&br;&br;&COLOR(red){へェ…俺が何考えてるか解るのか?さっすが妹。};&br;&br;''『王国歴五百年記念祭』王都アルミネラで盛大に催される祭り。''&br;''盛大に行われたそれももうフィナーレ、辺りは祭りの後の余韻と、どこか寂しい雰囲気が漂う。''&br;''そんな夜の中央広場を見下ろすようなロケーション、大聖堂の屋根から、中央広場のど真ん中へ、特大の『花火』を叩きこむ…''&br;''などとと考えていただろうエースを発見したファム。''&br;&br;&COLOR(green){何をバカな。そう考えたが、きみはそうする、バカだからだ。};&br;&br;&COLOR(red){そうかい、じゃあコイツが来るのも解ンだろ!?};&br;&br;''初対面のとき同様にエースの左ストレート、それを受け止めるファム、ここまではあの時と…''&br;&br;&COLOR(red){ぐっ…?!};&br;&br;&COLOR(green){ケンカのやり方、これで間違いないか?};&br;&br;''お互いの両手で組み合い、顔を近づけるままに…頭突き!!空気を震わせる振動と共にファムの額とエースの額とが裂け、鮮血。''&br;''紅きエースの鮮血、作り物であることを示すファムの緑色の血…大聖堂の神聖な領域が血に染められて…''&br;&br;&COLOR(red){上等だコラァッ!!!};&br;&br;&COLOR(green){…!!};&br;&br;''お互いにバランスを崩し身体を離す…早く反応したのはエース、遅れたファムをまっすぐ蹴り飛ばして距離を取ると、素早く翼を展開し上空を取り、地の利を得る。。またこの前のように火球を連射するが…''&br;''すかさずファムの展開した防御シールド、八つ裂き風輪を貫き、真っ直ぐな衝撃がファムの身体に突き刺さる''&br;''爆発のベクトルをエースの意思でコントロールした、『衝撃集中火球』とでもいうのか。防御をものともせず貫通する威力。''&br;''全方位に広がるはずの爆発の衝撃をファムの身体にのみ集中する、それが証拠に爆炎と煙は発生するが大聖堂の屋根が爆散することもない…''&br;&br;&COLOR(red){…素直。といやあ聞こえはいいがな…てめえには自分がねえっ!プライドが!意地が!骨が!だからあんな!クソみてえな!人間ごっこしても!顔色一つ変えねえ!!};&br;&br;''衝撃集中火球を連射する間に、ファムへの不満、鬱憤、怒り…咆哮するエース。''&br;&br;&COLOR(red){俺はドラゴンだ、ぶっ殺して!ぶっ殺されて!いつか野垂れ死ぬまで!そのためだけに生きてる!…そうだ、本当なら、生まれたあの日、楽しいまんまで死ねるはずだったんだ!!};&br;&br;''ファムのすべてを否定するように、人間の群れの中で幸せそうに暮らすのに嫉妬するように…吼え続ける。''&br; --  &new{2022-05-30 (月) 21:00:03};
--&br;&br;''煙の中から飛来する物体、あれはなんだ?手裏剣か?ダガーか?[[フォークだ!>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst089848.png]]ねじれ曲がったフォークがロープのように伸縮し、空中のエースの足を絡め取り…''&br;&br;&COLOR(green){…今度は、僕が教える番だ。};&br;&br;&COLOR(red){''なんだそりゃあああっ?!''};&br;&br;''圧倒的な馬力で大聖堂の屋根へ引きずり落とす![[『鋭いまどうしの、野蛮人なシカ』>http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp036729.jpg]]にまたがったファムが衝撃集中火球の爆煙の中から飛び出すと、『手にした凶悪で精密な、強烈なフォーク』を使い、抵抗するエースを曳きまわす!''&br;''大聖堂の屋根から離れ、民家や建物の屋根を破壊しながら、人口密集地を離れ、エースを曳きまわし、火花を散らしながら市街地を爆走。目指すは冬休み中のアルミネラ王立学院、夜の訓練場。そこならいくら暴れても…''&br;&br;&COLOR(green){''ウオオオオオオッ!!''};&br;&br;''曳きまわしたエースを、ロープ状に変形したフォークを操り、再度宙を舞わせると…体育館を連想させる形状の訓練場の屋根に叩き落す!''&br;''ファムは勢いそのまま、スピードの乗ったシカを乗り捨てることで追い打ち。エースが着弾した場所にシカを着弾させ…爆裂!屋根に風穴を開け訓練場にダイナミック入場だ!''&br;''いくら暴れても…大丈夫、なはずである。''&br;&br;&COLOR(green){今度は僕が教えてやる、生き方について…!};&br;&br;&COLOR(red){''…教わる前に死にかけたぞてめえええっ!?''};&br;&br;''追撃の手を緩めず着弾場所に上空からキック、勇者トーマが伝えたという異世界の英雄譚『機械じかけの馬に乗り人の自由と平和のために戦った仮面の騎兵』の飛び蹴りのフォームで飛び込むのだが…''&br;''翼が折れ、流血、衣服もズタボロ…それでも立ち上がり咆哮したエースのドラゴンシャウトに煙は吹き飛ばされ、飛び込むファムを奇しくもこれまた勇者トーマが伝えたという伝説、『風の拳を体得し、本当の強さを求めた真の格闘家』の得意とした昇竜の拳のフォームで迎え撃つ!''&br;&br;&COLOR(green){不満を垂れるなら生き方を知れ、学習しろ、常に考え続けろ。};&br;&br;&COLOR(green){示された生き方の中からしか選択しない、だから生き方を見失い、息苦しさを覚え、単純な結論に飛びつき、短絡的な行動に走る。};&br;&br;&COLOR(green){傍らにいるものを見ず、想像せず、認めず、自分の考えのみに固執し、頼ろうともしない…エース、お前の事だ!};&br;&br;&COLOR(red){''今度は…誰の受け売りだあァァァァッ!?''};&br;&br;''肉体原語。という言葉はあるが、作り物どうしのそれは言葉と言葉、拳と拳、対話と攻撃とを同時に行う、高速のやり取り…''&br;&br;&COLOR(red){ケンカの最中に萎える寝言をブッこいてんじゃねえっ!!俺のケンカも!祭りも!全部俺のもんだ!だからてめえも俺とタイマンしてんだろうが!?};&br;&br;&COLOR(green){そうだ、お前を受け止められる兄弟は、妹は、この世界にただひとり…};&br;&br;&COLOR(red){''もう沢山だ!うんざりだ!!てめえは肉片ひとつ残さねえ!…ブレイク…''};&br;&br;&COLOR(green){僕だけだ。}; --  &new{2022-05-30 (月) 21:05:12};
---&br;&br;''ブレイクハート。エースに内蔵されたマナの圧縮開放機能。通常の数十倍、数百倍にまで圧縮されたマナを一気に開放することで爆発的な威力、デタラメなほどの魔法を行使するための機能…''&br;''それを発動させようとした瞬間、ファムはエースの心臓にあたる部分、ブレイクハートの中枢に、拳ではなく掌による打撃を叩きこみ…轟音!骨の軋む音、その場に崩れ落ちるエース。''&br;&br;&COLOR(green){……勝負あり、だ。};&br;&br;&COLOR(red){ごはっ…ナメっ…てんのかてめえええっ!!俺はまだくたばってもなきゃ…バラバラにぶっ壊れてもいねえ…なんだァ…こりゃあ…!?};&br;&br;''ブレイクハートが発動しない、できない、無理に使おうとすると激痛が走る…吐血、心臓部、内部の中枢を破壊されたからだ。''&br;''心臓部を破壊されればホムンクルスは死ぬ、だが…エースは紙一重、虫の息だが生きている。''&br;&br;&COLOR(#855896){『…コレはね、当て方を間違うと死ぬが、キレイに当たっても死ぬ、必ず殺す技、みだりに使ってはいけない。』};&br;&br;''ファムはマスターの言葉を思い出す、授けられた一手、それを用いてエースが奥の手を使う瞬間、その奥の手を破壊し無力化する。''&br;''ミオに古くから伝わる拳法、中でも商会に伝わるという一手、発勁…肉体を用いた技術によるもの、マナを用いた魔法拳法であると言われるもの。''&br;''一口に勁と呼ばれるものの中でも細分化され、その詳細なメカニズムと理論は各流派の秘伝と呼ばれるそれを、実戦で初めて、殺さず、無力化するために行ったのだ。''&br;''エースは必殺のブレイクハートを発動できず、やせ我慢でやっと立ち上がったが、そこまで。''&br;''口喧嘩でも、実力でも無力化され、もはや進退窮まったエースの次なる手は?'' --  &new{2022-05-30 (月) 21:12:03};
---&br;&br;&COLOR(red){やっと踏ん切りがついたぜ…};&br;&br;&COLOR(green){エース…};&br;&br;&COLOR(red){ウジウジ悩むなんざ俺のやることじゃなかった。目が覚めた、悩むくらいなら…''ド派手な花火になって祭りの大トリになる、これだぜ、コレ!!''};&br;&br;''ブレイクハートを破損したまま、激痛を無視して、無理に発動させるエース。''&br;''周囲のマナとエース自身に残留したマナごと、そのすべてを圧縮し放つことで、エース自身の身体をも一片も残さず、マナに還すほどの。''&br;&br;&COLOR(red){生き方を教えてくれたお返しだ、死に方を教えてやんぜえええええっ!!};&br;&br;&COLOR(green){させない。};&br;&br;&COLOR(red){なっ…何しやがる気だてめえっ!?};&br;&br;&COLOR(green){&size(30){ブレイク…シンセサイズ…!};};&br;&br;''圧縮され、開放されるそばから、エースが開放したマナをファムの体内にある空中マナ固定装置で吸収、自分の内部の欠損部分を埋めるように、エースだったマナを取り込んでいく。''&br;''マナによる爆発を自分の体内に取り込み続けるようなものだ、ファムの体内にも激痛が走り続けるが…やめない、エースを離さない。''&br;&br;&COLOR(green){僕は、きみが嫌いだ。};&br;&br;&COLOR(red){俺だって…!てめえの10倍、100倍!でえっきれえだよバー――カ!!!!!!!!};&br;&br;&COLOR(green){だが、僕が君の事を嫌っても、きみが自分から死んでいい理由にはならない。};&br;&br;&COLOR(red){…だーっ!!結論から言え!!!!もう時間ねーんだぞ!!};&br;&br;''時間はない、このままでは両方消えてなくなる、ファムの言葉をじれったく思いエースが答えを急かす。''&br;&br;&COLOR(green){僕は、きみが死ぬのを望まない人を知っている、だから僕は、きみを止める。};&br;&br;&COLOR(red){…!};&br;&br;''二人の考えているのは同じ人物、カーラはエースが死ぬのを望んでいない。だからファムはエースを生かす。''&br;''エースにも心当たりがあった、あのとき、自分を庇った紅いの。あの女が?エースにも疑問、迷いが生じた。''&br;''カーラだけではない、自分を作り、頼り、愛してくれた、クソジジイのことも、エースには思い出された。''&br;''次の瞬間、二人は光に包まれ…訓練場はホワイトアウト、間に合わなかったのか?''&br;&br;&COLOR(green){……};&br;&br;&ref(http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst089891.png,300x300);&br;&br;''そこに立っていた人影はひとり、ファムだけだった。''&br;''ただし、その体は、以前とは異なった姿に、変貌していた…'' --  &new{2022-05-30 (月) 21:13:26};
-  --  &new{2022-05-30 (月) 20:57:44};
-''王都アルミネラの中央広場、新年の祭り、王国歴五百年記念祭に向けてみな慌ただしく、幸せそうに、平和を謳歌して…''&br;&br;&COLOR(red){ヘドが出るぜ。};&br;&br;''恨めしそうに広場を見つめ、広場近く、どこぞの民家の屋根の上で寝転がったまま、今度は煌々と照る太陽に手をかざし、睨みつけるように見る女''&br;''女の名はアーシェス・ルー、自称はエース。錬金術師アルナルドゥス・ラーゼスの作り上げたホムンクルスのうちの一体…''&br;&br;&COLOR(red){祭りってのはもっと、強ェヤツと、強ェヤツが潰し合って、殺し合って、だから楽しいんだろうが。};&br;&br;''そして、目を閉じて思い出されるのは誕生パーティー、エースの誕生日、『悪夢の三日間』が始まった当日''&br;''死闘、暴走ホムンクルスの処理に出動したゼイムの誇る竜騎兵団との闘い…独りで多数を相手にし、その強敵を打ち破る高揚感にエースは酔いしれていた、が…''&br;&br;&COLOR(red){……萎えるぜ…};&br;&br;''それは強者同士だから成立すること、エースとは比べ物にならないほど下等な、抵抗する力も、知性もない、暴走したというホムンクルスたちはというと…''&br;''暴れ狂って抵抗するのなら上等、多くは怯え、逃げまどい…人間たちに一方的に処分される…戦場ではない。これでは『屠殺場』であるとエースは感じた。''&br;''それを目撃するたび、エースは破壊と殺戮を繰り返した。『見るに堪えないもの』を見せられるのがガマンならなかった、正義感とも違う、単なるエゴだ。''&br;&br;&COLOR(red){俺はここだ!ここにいるぞ!みんなまとめてかかってきやがれ!!};&br;&br;''だが多勢に無勢、結局そんなお祭り騒ぎも三日が限度、あっという間に敗走を余儀なくされ…今やジジイのお守りをしながら優雅な逃走生活、旅行中と強がっては見たが退屈極まりない。''&br;''そんな生活に彩りを与えた、妹であるファムとの闘いにも邪魔が入り不完全燃焼、エースは爆発寸前、この広場に火をつけてブッ飛ばしたら今すぐ祭りが始まるのでは?とすら思っていたが…''&br;&br;&COLOR(red){…んなダセーマネ、できるか…!};&br;&br;''抵抗する力もない弱者に一方的に火をつけブッ飛ばし殺す、あの時見た見るに堪えないモノ、ホムンクルスへの一方的な屠殺と何が違う?同じマネをするくらいなら、退屈で死んだほうがいい、エースはそう考えていた。'' -- [[エース>http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp036734.png]] &new{2022-05-29 (日) 01:43:33};
--''そんな彼女の背後から声が掛けられる。低いバリトンボイスの男の声''&br; &br; ・・・おや?特等席で祭りの花火でも眺めようと思えば&br; まさか客席の方で劇をやってるとは思いもよらなかった&br; 近年の劇場は随分変わった営業の仕方をするんだなぁ。それで、客。入るの?&br; &br; ''どこか人を嘲笑うかのように喋りかける、眼鏡をかけた男''&br; ''人の心を読んだかのような物言いのそいつは一見するとどこにでもいる普通の人間に見えるが''&br; ''力の持つ人間が見れば、彼の顔、正確にはかけてある黒縁の眼鏡に認識阻害の魔術が付与されていると知れる''&br; ''正体を隠しているのだろう。しかし、隠しているにしては後ろめたい様子もなく'' &br;&br; 君、面白いねぇ…人形が劇をするのは用法としては正しいけど&br; 人の目が無い所でやっても意味は無いと思うよ?&br; ああ、それともこれはリハーサルって奴かな?だとしたら失礼。間違って楽屋に入っちゃったよ&br; だけど、折角だし。その面白そうなの暫く見ててもいいかな?&br; 何をそんなに昂ってるのか、観客に見せてくれると嬉しい。ほら、拍手はするからさ&br; &br; ''不躾な言葉を投げかけ目の前で拍手を投げかける'' -- [[名も無き魔族>ARA/0666]] &new{2022-05-29 (日) 02:01:25};
---&COLOR(red){あァ?そーいうテメ―はなんだ?お人形遊びに混ざりに来たってか?};&br;&br;''人形、道具、モノ扱い…あの日から日常茶飯事だとばかりにお人形遊びにようこそ?と声をかけるエース、笑っている。退屈しのぎにはちょうどいい、舞って見せろやと言わんばかりの…''&br;&br;&COLOR(red){いいトシこいてお人形遊びに夢中なジジイがいんだけどよ、いっしょに遊びましょ〜…って言やぁ泣いて喜ぶと思うぜ?};&br;&br;''寂しい老人に同好の士ができればそのまま満足死、うっかり成仏して極楽に逝っちまいそうだなんて愉快そうに笑う。創造主と被造物などという敬意のある関係ではないらしい''&br;&br;&COLOR(red){で、肝心のお人形遊びの予定だがよ、もう一匹いるんだよ、寝坊助でノリが悪ぃ、そのくせ頑固で融通の利かねえお人形がなあ。};&br;&br;''人形ひとつでお人形遊びはできない、人形どうしが道化芝居を演じるからこそ滑稽だ。とでも言いたいんだろ?とあてつけがましく。''&br;&br;&COLOR(red){テキトーに客の一人でも痛めつけて、そいつが啼いて喚けば呼べるかもしれねえなあ、試してみっか?};&br;&br;''ちょうど都合よく、飛び入りしてきたヤツがいるなあ?とわざとらしく、観客参加型アトラクション、ヒーローショーでもやるか?と提案し、ずいずいとそちらに迫る…'' -- [[エース>http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp036734.png]] &new{2022-05-29 (日) 02:17:31};
---''凄まれ近づかれると眼鏡の男は両手で戦う意思はないとポーズをとる''&br; &br; オイオイ、そんなに怒るなよ。別に俺は喧嘩がしたい訳じゃない&br; &br; ''悪びれた様子もなく笑いながら返し''&br; &br; しかし、随分変わった趣味のご老人が居るもんだ&br; 俺もご老人と混じって、着せ替えを楽しんだりしたいけれど…&br; その手の趣味をお持ちの人は基本一人でお楽しみしたいんじゃないかな?ンフフフ…&br; &br; ''言いながら目の前の相手には敵意というよりも興味の視線を向け、続ける''&br; &br; それで、その可愛らしいお人形さんにはペアのお相手が居ると&br; 俺は別に一体の一人遊びでも楽しめちゃうタイプなんだけど、ご老人はそういう訳でも無いのかな&br; 何れにしろ、調教プレイも嫌いじゃない。何だったらこの場で跪くから、踏んでみるかい?&br; &br; ''間近に迫った相手の視線を気にした様子もなく笑って返し''&br; &br; しかし、君は随分と主張が強いのに、与えられた役割を全うしようとするんだねぇ&br; 何か理由があるのかな?ああ、それともやりたくも無い事をやるマゾヒストの血でも流れてるのかな&br; だったら俺にも理解できるけど&br; &br; ''変わらずの笑顔でもそれなりに気にはなるのか、疑問を投げかけてくる'' -- [[名も無き魔族>ARA/0666]] &new{2022-05-29 (日) 02:42:36};
---&COLOR(red){じゃあ何がしてえ、やりたくねえ事をしに来たんじゃねえんだろうが。};&br;&br;''言葉尻を捉えるようにして、与えられた、やりたくもない役割を全うしようとする、エースのような人形とは違った意図があるんだろ?と''&br;''ケンカはしたくない、寂しいジジイの相手をしに来たわけでもない、じゃあ何だ?…フザけた乱入者がツボに入って笑ってたが、だんだん笑えなくなってきたぞ?と笑みが消えるエース。''&br;&br;&COLOR(red){俺に踏まれに来たってんなら、見込み違いもいいとこだぜ?俺は道端に転がってる石ころを踏んづけるのが好きなんじゃねえ。};&br;&br;''左手に灯る炎、真冬の屋外にあってなお熱を持つ…周囲に危険を告げるように温度が上がり続ける…''&br;&br;&COLOR(red){''澄ました顔して、お高くとまってるヤツを、引きずり降ろして、這いつくばらせて、踏みつぶしてやるのが、大好きなんだよッ!!''};&br;&br;''脅しのつもりか、メガネの男?向けて火球を放つ、顔と思しき部分のすぐ横を掠めて青い空に吸い込まれていった火球は…はじけて消える。''&br;''『花火かしら?』『お祭り、楽しみだねえ』などと広場を往く人々は花火の予行演習かなにかと勘違い、のんきなモノである。''&br;&br;&COLOR(red){…見ろよ、あれ。…あんなモンに飲まれて、腐っていくくらいなら、俺は狂った人形のまま、ドラゴンを演じてる、壊れた人形のままでいい。};&br;&br;''そして、平和ボケと言ってもいい様子の人々を見降ろし、心底うんざりしたように吐き捨てる。''&br;''あんな人間の群れと慣れあうのも、ジジイに作られた出来損ないの人形としての役割を果たすのも、ドラゴンとしての自我を持つ自分にとっては屈辱極まりない、だが二者択一、どちらかしか道がないなら。''&br;''いまのエースは妥協で生きている、苛立ちの原因は、そんな選択しかできない自分自身だ。'' -- [[エース>http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp036734.png]] &new{2022-05-29 (日) 08:13:22};
--- ''明らかに先ほどよりも増した敵意を受けても態度を変える事なく、笑い返し''&br; &br; ん〜?さっき言ったじゃないか。花火を見に来たって&br; ああ、もしかして信用されてない?それはそうか&br; では礼儀正しく自己紹介でもしたら信用に値するのかな…?フフフ&br; 俺は通りすがりの一般人。名前はそうだな…この場合ジョン・ドゥと名乗るのが一般的かな…&br; &br; ''変わらずの笑みを浮かべつつ、酷く演技じみた様子で一礼し''&br; &br; ほら、自己紹介は済ませたよ。君の名前は?って、オイオイ、そんな顔するなよ&br; 今すぐにでも噛み付いてきそうだ…&br; &br; ''周囲の温度が驚異的な速度で上がっていくと、男の顔の横を火球が通り過ぎて行く''&br; &br; 特等席で見学しには来たけど、まさかここまで近くで花火が見れるとは…&br; ありがとう、ありがとう。すばらしい見世物だ…&br; &br; ''自身の髪の毛がチリチリと焦げ煙が上がっているのも構わず、拍手を送る''&br; ''余裕というよりは初めから彼女が自分を狙っていないと、分かっていたかのように''&br; ''髪の毛が焦げる匂いを吸い込むように息を吸い、吐き出す。満足そうな顔で目を細めた後''&br;''打ち上げられたエースの花火に反応した眼下の人の流れを一瞥し、直ぐに視線を戻した''&br; &br; んん…?君とあれらは違うだろ。そう悲観する事はない、君はそもそも一群に埋もれるようなものじゃない&br; そうまで苛立っているのは、件のお爺さんに鎖で繋がれているせいかな&br; &br; ''口にすると顎に手を当て何事かを考える様相を見せ、その後エースの側に寄り添うように歩を進め顔を近づけた''&br; &br; ふむ…では、どうだろう。そんなにそのご老人が気になるのならば、俺がその鎖を断ち切ってやろうか?&br; ああ、御礼なら必要ない。君の繰り広げる劇を特等席で眺めさせてくれれば、それでね&br; &br; ''低いバリトンボイスで囁くその様は、正しく悪魔のそれ''&br; ''最後に含み笑いをするとその身を離す'' -- [[名も無き魔族>ARA/0666]] &new{2022-05-29 (日) 21:16:31};
---&COLOR(red){何から何まで嘘っぱちで固めたヤツが、信用だあ?…ハハ…ハハハハハハハハ!!ひっでえ…今日イチ…笑えたぜ!};&br;&br;''観客なんかやめてコメディアンでもやればいい、冗談のセンスはあると、信用なんて言葉をを口にするウソまみれの男を笑う。''&br;&br;&COLOR(red){そりゃありがとよ、いまの演目に飽きたら花火職人でもやることにするぜ。};&br;&br;''くだらねえ。とひらひら手を振って気のない返事…そんなことで褒められても、ちっとも、響かない。''&br;''男の言葉に真実も信用もないからか、エース自身そんなことに毛ほども興味がないからか。あるいはその両方か。''&br;&br;&COLOR(red){頭悪ィな、ジジイにゃ使い道があるんだ、この身体ァ使いづらくて仕方ねえからよ、こき使ってやってんだ!俺が!ジジイを!};&br;&br;''数年の逃亡生活においてもエースには不調も故障もない、それはラーゼス自身の手による調整が完璧に行われていることの証明でもある。''&br;''ラーゼスを使って体の手入れをしているとも言えるし、ラーゼスがいなければ生きていけないとも言える。''&br;''それはラーゼスにとっても同じことで、護衛のエースがいなければ逃亡するにしても潜伏するにしても不安は残る、お互いが命綱なのだ。''&br;&br;&COLOR(red){…一度しか言わねえ、''俺は一番強い!一番カッコいい!一番お姉ちゃんのエースだ!!…誰かに頭下げるくれえなら死んだほうがマシだ!!''};&br;&br;''『お前を助けてやろうか?』という誰かからの助け舟を拒否するエース、以前カーラがエースを庇ったときのような、打算のない、咄嗟の、『信用できる』と思わせたそれと、言っている意味が同じだとはエースには感じ取れなかった。''&br;''…なぜあの女の事を考えた?誰かに庇われたり、助けられたり…こんなことは…以前、ジジイにも…エースが誰かからの助けを受けることについて、考えている間に…''&br;&br;&COLOR(red){高見の見物ってヤツか?上等じゃねえか…場外乱闘ってヤツにせいぜい気をつけろや…!};&br;&br;''見物人を巻き込んでブッ殺すくらいのことはやる。エースはジョン・ドゥと名乗った男に向けて聞こえるように叫ぶと、うらめしそうに太陽を見上げた。'' -- [[エース>http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp036734.png]] &new{2022-05-29 (日) 21:53:37};
--- オヤオヤ、どうやら俺にはコメディアンの素質もあったらしい&br; これは新たな発見。お人形さんとは言え、笑顔が作れたのなら何よりだ&br; &br; ''相手の嘲笑に対しても気にした様子もなく笑顔を返す''&br; ''彼女が使われているのではなく、老人を利用しているとの言には''&br; &br; なるほど、お互いに利用する関係。といった所かな&br; ご老人と、うら若い乙女の爛れた関係・・・あぁ…官能的…俺も一枚噛ませてもらいたかったけど&br; ・・・残念。振られてしまったか&br; &br; ''ここだけは若干残念そうに表情をゆがめ両手を広げて悲観した様相をみせていたが''&br; ''自分の誘いを蹴ったエースが見せた僅かな戸惑いの表情を見逃さず''&br; &br; 折角勇気を振り絞って告白したのに、違う奴を思われるなんて…悲しい…悲しすぎて&br; ・・・昂ってきたよ。ウッフフフフ・・・ハハハ!&br; &br; ''と、大仰な身振り手振りで演技の如く声をあげた''&br; ''そして何かを決意したような宣言をする彼女に対しては''&br; &br; ・・・あぁ、堪らない・・・君は今誰より美しい!&br; &br; ''変わらず演技のように彼女の事を評していたが、数瞬の後、感情の糸が切れたように声のトーンを落とし''&br; &br; …そうだな、言葉の通り流れ弾にぶつからない様、注意して見させてもらうさ。ご忠告ありがとう&br; &br; ''それだけの言葉を残すと、彼女を置き去りに、その場から掻き消えて行った'' -- [[名も無き魔族>ARA/0666]] &new{2022-05-29 (日) 22:17:02};
---&COLOR(red){言ってろ。};&br;&br;''すでにソイツへの興味はない。とばかりに視線もくれず。声だけで返す…妹そっくりのしぐさ。''&br;&br;&COLOR(red){…思いっきり、派手な祭りにしようぜ、なあ兄弟…};&br;&br;''日が暮れていく…『王国歴五百年記念祭』これ以上ないドデカい祭りが、始まろうとしていた。'' -- [[エース>http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp036734.png]] &new{2022-05-29 (日) 22:32:38};
- --  &new{2022-05-28 (土) 19:31:43};
-&COLOR(red){おい、アイサツは届いたかよ?};&br;&br;&COLOR(green){だからここに来た、アーシェス・ルー。};&br;&br;''緊張が漂うここは夜のスラム街、以前[[『アーシェス・ルー』>http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp036734.png]]と思しきホムンクルスが鉱滓対メンバーと遭遇した場所、そこにファムと…エースはいた。''&br;''いつものように破壊活動が行われているせいか、スラムの一角、おあつらえ向きに広場がわりの更地で…月明かりのもと、二人は対峙する。''&br;&br;&COLOR(red){げぇっ!やめろ!!…''俺はエース!一番強い!一番カッコいい!一番お姉ちゃん!のエースだ!''};&br;&br;''正式な名称を呼ばれることを拒否、女性的とも言える名前に照れでもあるのか、赤面するエース。''&br;&br;&COLOR(green){僕はファム、馬術大会最下位Bチーム、定期考査赤点、劣等生。のファムだ。};&br;&br;&COLOR(red){お前張り合ってんのか?それともフザけてんのか?};&br;&br;''名乗りに合わせて不名誉な情報を垂れ流すファムに調子が狂うとばかりにツッコミを入れるエース。''&br;&br;&COLOR(green){きみの目的はアイサツで、ヨロシクされた以上、こちらは焼肉100人前、牛の丸焼き10頭の用意がある。};&br;&br;''事を構える気はない、エースことアーシェス・ルーを迎え入れるつもりだというファムに対して…''&br;&br;&COLOR(red){悪い話じゃねえな!…その前に、ラーゼスのジジイが呼んでる、おめーを連れてこいとさ。ま、ショージキ俺ぁどっちだっていーんだけどな。};&br;&br;&COLOR(green){僕はいまマスターの所有物で、僕を置いて姿を消したのは僕を作った人、ラーゼスのほうだ。};&br;&br;''乗り気ではないエースの勧誘と、エースをよこして帰ってこいなどというラーゼスに対して不信感を募らせているファム。''&br;&br;&COLOR(red){誕生パーティーのシメに俺と一緒に旅行してたんだよ、で?来るのか?来ねえのか?…あぁぁぁ…いややっぱいーわ、めんどくせえ!黙らせて持って帰る!!};&br;&br;''来るか来ないかという質問をしてから即切り上げてエースの左ストレート!顔面めがけてのそれは…''&br; --  &new{2022-05-26 (木) 21:03:12};
--&br;&COLOR(green){…握手。生殺与奪を預け合う。};&br;&br;''受け止められた。コースが解っていればいくら速かろうがファムに反応できない理由はなかった、お互いの左手がギリギリと音を立ててせめぎ合う。''&br;''先に動いたのはファム、エースの左腕を捉えたまま横に一回転、合気投げ、引き落としを彷彿とさせる動きでエースを放り投げようとするものの…''&br;&br;&COLOR(red){バーカ!!なんだお前、ヒトガタ相手にゃからっきしかあ?};&br;&br;''投げられるままに任せたエースはそのまま、大きく弧を描いた足でファムの首に変形レッグラリアート!倒れ伏すファム。''&br;''エースはそれを見降ろし、その場にしゃがみこんでファムの頭を掴むと…''&br;&br;&COLOR(red){''お姉ちゃんがケンカのやり方、教えてやらあっ!''};&br;&br;''翼が生える。ドラゴンを自称したのはハッタリではないのか、エースの背、龍のそれを想像させる紅い翼から紅いマナが放出される。''&br;''羽ばたきによる飛行ではない、翼に似た器官で飛行を可能にしたエースは地面にファムの顔面を叩きつけ、そのまま地面スレスレを高速飛行!地面をおろし金にして削る!削る!''&br;''勢いそのまま、珍しく破壊を免れていたスラムの廃墟に激突!瓦礫に背中からめり込むような形にファムを固定すると…''&br;&br;&COLOR(red){とまあこうやるんだよ!…やべえ、くたばったか?…生きてる?おーい。};&br;&br;''返事のないファムの顔面をビンタ、1発、2発、エースが呼びかけるも応答はない。''&br;''緑色の鮮血、ファムの全身は傷つき、出血、目を閉じ意識は完全に失われ…絶命したと思われた、その時!''&br;&br;&COLOR(red){こいつっ?!};&br;&br;&COLOR(green){…!!};&br;&br;''一瞬だった、エースの首めがけてファムの左手から迸る光の刃、『ルミナスドリル』が放たれ…深紅の鮮血、傷口が焼けるそばからその組織を切り開き血を噴出させる。''&br;''組みついたファムがそのままエースの首を斬り落とそうとすれば''&br;&br;&COLOR(red){''ナメんなああああああっ!!''};&br;&br;''フリーだった右手でファムの腕をルミナスドリルごと掴み握りつぶさんばかりの勢い、エースも抵抗し、ファムの顔面を掴んだままの左手ではその首をねじり切ろうと…両者の力は拮抗していた。''&br;''苦し紛れにエースは先ほどの翼を用いて、再度高速飛行を利用した体当たり、瓦礫ごとファムを圧殺しようと試みるが…これがいけなかった、ファムの身体を固定していた瓦礫を拡散させてしまったのだから。''&br;''さきほどエースが見せたように、相手の勢いをそのまま利用し、逆らわぬことで距離を取る…顔面をロックしていたエースの腕も、至近距離からのファムの八つ裂き風輪で切り裂かれ、ロックを解除してしまったのだ。''&br;&br;&COLOR(red){''やればできんじゃねえか、妹ォ!!''};&br;&br;&COLOR(green){僕は、妹なんて名前じゃない。};&br;&br;''距離を取られたと見るや翼によって上空を取り、左手から火球を連射、いわゆる王子戦法とか、グミ打ちと言われる連射攻撃に切り替えるエース。''&br;''周囲は破壊と爆炎とに包まれるが…三つの八つ裂き風輪を同時に、身体を覆えるほどのサイズに展開、防御、回転シールドとして用いたファムは周囲からのダメージを防ぎ、直撃コースを取る火球を左手からのマジックボルトで迎撃、相殺していく。''&br;''さらには、冷静さを欠いたエースの弾幕をかいくぐって、エースへの直撃コースを描くマジックボルトを連射!爆炎に包まれるエースだったが…。''&br; --  &new{2022-05-26 (木) 21:11:13};
---&br;&COLOR(red){''ウオオオオッ!!''…ふう…じゃあ、そろそろ終わるぜ。};&br;&br;''爆炎に包まれたものの、遠距離からのマジックボルトでは直撃してもエースに致命傷を与えられず…ドラゴンシャウトだという咆哮で爆炎を晴らすと、ファムに告げる。''&br;&br;&COLOR(red){&size(30){''ブレイクハート…''};};&br;&br;''地面に降り立ったエースがブレイクハート。カーラとの共闘で見せた、紅い閃光、爆発的な破壊力を生み出す機能を使おうとした瞬間…''&br;&br;&COLOR(#855896){そこまでだ、アーシェス・ルー。};&br;&br;''両者を止める声、第三者の介入か?その恰好は[[仮面の…道化?>http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst034555.jpg]]エースは当然黙っていられるわけもなく…''&br;&br; &COLOR(red){てめえはあの時の!…だったらどうした!怪我じゃすまねえぞ!すっこんでろ!!!};&br;&br;&COLOR(#855896){なに、観客として一つ言っておきたくてね…漁夫の利という言葉をご存じかな?};&br;&br; &COLOR(red){はァ?!……そういうことかよ…どういうつもりだてめ…っていねえ!};&br;&br;''ファムの行動から、エースことアーシェス・ルーと接触すると見ていた鉱滓対、暴走ホムンクルス専門の処理班が周囲に集まりつつある。''&br;''ファムを血祭りにあげたあと消耗しきったエースを待つのは彼らによる総攻撃、道化はそれを忠告しに来たというのか?''&br;''周囲の気配を探り、索敵すればエースにもファムにも、その存在は察知出来て…ケンカに夢中で気づかなかったのだろう。''&br;''そして、道化はエースとファムが周囲を索敵するスキに姿を消している。こういうムーブをやり慣れているのだろうか?''&br;&br; &COLOR(red){畜生あの野郎!…萎えるマネしやがって…!};&br;&br;&COLOR(green){僕も、最後まで戦いたかった、僕自身の力で、きみと、決着がつくまで。};&br;&br;''他者の介入でサシの勝負が水入りになる、それに嫌悪感、怒りを示すファムとエース。思わぬところで意見の一致を見たことで…''&br;&br;&COLOR(red){…バーカ!決着はもうついてんだよ!王手!チェックメイト!俺の勝ち!終わり!!…次はソッコーでケリつけっかんな!!…''ファム!!''};&br;&br;''捨て台詞を吐き、走って逃げ帰っていくエース、どちらが勝ったのだか解ったものではないが…''&br;&br;&COLOR(green){これが、兄弟げんか。か…};&br;&br;''まだ痛みの残る身体、兄弟の体に触れた感触、ファムは左手をじっと見る。''&br;''まるで人間の兄弟がするような、感情と怒りにまかせてのそれ、殺し合いといってもいいそれがファムにはとても…嬉しいことのように、感じられたのだ。'' --  &new{2022-05-26 (木) 21:18:43};
--&br;''駆け付けた鉱滓対の隊員たちと合流し、現場から撤収していくファム、全てが終わり誰もいなくなったスラムの片隅。''&br;&br;&ref(http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst089877.png,300x300);&br;&br;&COLOR(blue){ああんもう…アテクシのプランを邪魔するなんて…イライラしますね、あの道化。};&br;&br;''一人呟くのは、道化が忠告した『漁夫の利』を狙っていた真犯人。姑息なプランを描いていたひとりの女だった。'' --  &new{2022-05-26 (木) 21:23:15};
-  --  &new{2022-05-24 (火) 20:03:12};