#navi(../)
*森の王は篝火に蹲る [#g277817b]
|&ref(http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp034188.png);|~名前|ジェローム・アンフェット|
|&ref(http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp034188.png);&br;画像右のけだものがおれっす|~名前|ジェローム・アンフェット|
|~|~性別|男|
|~|~年齢|戸籍上は13|
|~|~出身地|知らない|
|~|~役割|住み込みの警備員兼ファミリーの戦闘員|
|~|~組織にいる理由|兄貴に誘われたから|
|~|~企画|[[&ref(http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp033841.png);>企画/ファミリー]]|
|~|>|~行動方針|
|~|~RP傾向|安定して霊圧が不安定だよ!|
|~|~好み|肉、魚、果物、あたたかあじ、安息の時間|
|~|~苦手|子供(うるさい)、もふってくる奴、にがあじ、くさいもの|
|~|~曲|ジェロ−ム用[[ジェロニモ>つべ:CSEuqL3ew0Q]]|
|~||シア用[[ハートに火をつけて>つべ:drr7KKmZL3s]]|
|~|~外見|[[だいたいこんなかんじ>http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp034008.jpg]] [[キカクリニンサンありがとう>http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp034106.png]]&br;[[近い未来のガラガラ組>http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp034188.png]]|
|~|~霊圧的なアレ|#listbox3(働いてる振り,server,stay2)|
**三行 [#vc2a4581]
-退治された怪物が
-人里でやくざになって
-別に何もしない…

**このへんにコメント欄がくる予定 [#ea9b61cb]
[[&ref(http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp033656.png,伯爵をもみもみすると発言を編集できるハイ・テックなシステムです);>http://notarejini.orz.hm/?cmd=edit&page=%A4%B3%A4%CE%A4%B1%A4%C0%A4%E2%A4%CE]]   &ref(http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst077514.jpg,匠かわいいよね);
 ジェローム>MF/0051 &color(#A55A4A){まつざきしげるいろ}; &color(#DF3A01){何色かよくわからんいろ};
|#pcomment(このけだもの,3,below,reply)|
**設定 [#h8cabfec]
-全身を毛皮で覆った狐顔の獣人 というより二足歩行の狐 身長171cm体重58kg
--後述する能力である程度可変するが基本形態はこのくらい
---尻尾はとてももふもふだが触られるの嫌い
--どうも純粋な獣人ではないみたい
---満月に興奮しないしケモノの本能も薄い 異能探知技能持ちの院長いわく「妖狐とナニかのハーフ」っぽいとか~
~
-構成員になる前は街からほど近い森で追い剥ぎをしていた
--「森の怪物」と呼ばれ、冒険者ギルドに討伐依頼も出ていたところを組員の一人に叩き伏せられる~
組員の気まぐれで捕縛・飼育された結果、人間並みの知能と社会性を持つことが判明してファミリー入り
---ジェロームの名は組員がペット時代につけたもの、アンフェットの姓は組が確保していた戸籍を適当に与えたもの。~
なので姓にはあまりこだわりがない~
~
-孤児院「&ruby(せいしんのかがりび){聖森の篝火};」の住み込み警備員
--基本的には離れで寝起きして施設内をぶらつくだけの人 こんなところを警備する価値はあるのか……?
---子どもたちからは「キツネのおじさん」と人気だが子供嫌いなので奴らが寄ってくると逃げる
--目立つ外見なので組主催のイベントなどでマスコットをやらされることもある
---孤児院の仕事もイベントの仕事もとても嫌がる 静かにさせてくだち!~
~
-誰にでも敬語
--元々は「目上/年上にだけ」敬語だったが、どうにも人間は見た目と年齢が一致しないことが多いのでめんどくさくなった
---戸籍上も13だし自分の本当の年齢知らないし…じゃあ全員敬語でいいや!
--本来は獣人らしく明るく人懐こい性格だが、やくざとして生きる以上、そういった性分は抑えるべきだと思っている
---必然、よく知らない大人ばかりの寄り合いで形見狭そうにしてる高校生男子みたいな喋り方になった~
~
-戦闘スタイルはボクシング
--やくざになる前はプロボクサーで身を立てようとしていた兄貴分にみっちり仕込まれた本格派
---待ち伏せと瞬撃を旨とするキツネの狩りに擬えた、カウンター主体のアウトボクシング型
--手の構造上、拳を形作るのが難しいので、掌底のような形でパンチが飛んでくる
---イヌ科の肉球の硬さを知れ!
#region(ジェロームくんの必殺ブロー)
-だいたいサミュエル兄貴直伝 なお兄貴はリンかけ世界の住人だったので無茶なパンチを平気で撃ちました撃てました
-サイクロン
--左腕を関節可動域ギリギリまで捻り、超高速で回転させながら放つことで腕周辺に竜巻を巻き起こすパンチ~
右の強打者であったサミュエルがあまりに右を警戒されることに業を煮やして編み出した必殺ブローで、~
この技に開眼して以降は公式非公式問わず左でKOを量産した
-サイクロンマグナム
--大きく踏み込み体重を乗せた右腕で放つサイクロン 利き腕の一撃は左のそれとは比べ物にならない威力を誇った…のはサミュエルが使ったときの話~
ジェロームは両利きなのでどっちで打とうと踏み込んで体重乗せてればマグナム
-ドラゴンライズ
--全身に溜めた力を開放しながら放つアッパー。兄貴はこれで瀑布から流れ落ちる水を堰き止め、逆流させることができた(自称)~
理屈はよくわからんがとにかく問答無用のすごい威力を誇る
#endregion
~
-特技は肉体操作
--体内に膨大な魔力を蓄積しており、これを操作することで「化ける」ことができる~
顔や性別は変えられないが、筋肉や骨格を操作して巨大化・縮小化などが可能。手足がちぎれたくらいなら修復もできる
---なぜかこの魔力は体の外には放出できないので魔術の類は一切使えない。~
また、この体内魔力が体外からの魔力に強力に反発するため、魔術が極端に効きにくく、敵の魔術で傷つかない代わりに味方の魔術で癒やされない
--最大で4m1100kgの怪物に、最小で20cm500gの小人になれる
---一部だけ巨大化といった複雑なことはできない あくまで大雑把な拡大縮小~
~
**関連登場人物 [#mfc482b6]
#region(長い上にどうでもいいよ!)
-サミュエル・グラント
--ファミリーの構成員にして、森の王を気取っていたジェロームの鼻っ柱をブチ折った「兄貴」 享年38~
己以外何もなかった怪物に、名前と居場所と仕事を与え、家族になってくれた人。
--孤児の出身で「昔の自分のような子に少しでもいい目を見せてやりたい」という思いから、潰れかけていた聖森の篝火に個人で出資~
//する財力なんてチンピラにあるわけないよねっ!マワしてあげたんだよっ!たっぷり!
物置を改造した小屋に住み込み、やくざ稼業のかたわら院の雑事や用務員的な仕事もしていた
---いまジェロームが住んでいるのは、この兄貴の住居だった場所。兄貴との思い出が詰まった小屋でゆっくりする時間が最大の喜び
--数年前に「デカい仕事のチャンスが来た」と言い残し失踪。~
ボス含めファミリーの誰にも詳細を告げていなかったため、組の情報網を以てしても行方がつかめていない
//捌くうちに興味が出ちゃったんだろうねっ!後半はもう会うたびキメッキメだったよっ!
---保険会社も死亡と判断し、まとまった額の保険料が下りたので、故人の遺志を尊重して孤児院の運営費にまわされた
---ジェローム自身は「兄貴が死ぬはずねぇ」と公言しているが本心では諦めてもいる~
//自分で殺しといて何言ってるんだろうねあのイヌ科!
~
-シア・ヴェパル
--聖森の篝火院長。修道服に身を包んだ黒髪の兎獣人 33歳 156cm54kg 上から98・64・96~
サミュエルの兄貴の幼馴染にして恋人。兄貴がファミリーでのし上がり孤児院の経営が安定したら結婚する約束をしていた
---もともとは純粋に神の信徒として一生を捧げるつもりだったが、サミュエルが孤児院を建て直すにあたり~
法王庁の支援を取り付けるための「お飾り」を欲しがって修行先の修道院から無理やり連れてこられた~
最初のうちは文句も言ったが子供かわいいしまあいいかなーって。慣れた。
--[[健康的な肢体と不健康極まる顔 目の下とかクマがすごい>http://notarejini.orz.hm/up3/img/exp034029.jpg]]
---私室の外に出るときはちょっとした改造レベルのメイクをがっつり施して隠す。子供の前で疲れた顔はできない
--元・異端審問官という珍しい肩書持ち
---所属していた修道院がそういうところだったというだけだが、今となってはこれはこれで役に立つと神に感謝している
--治癒や解毒といった一通りの僧侶魔術にも堪能
---一番得意なのは異端を誅するための各種処刑魔術。神の家を脅かす不信心者にもよく効く
--構成員ですよね?
---ちゃうよ?~
~
-淡口さん
--聖森の篝火副院長にして実質的な経営者。国立の保育園を定年まで勤め上げた幼児教育のプロ 69歳~
「おっきな子は難しいわねぇ」が口癖だが、圧倒的保護者オーラに逆らえる院生は淡口さんの就任以来一人としていない
---本来なら院長職をお願いするところなのだが、法王庁からの支援のためには信徒を据える必要があり~
先祖代々仏教徒の淡口さんが改宗に難色を示したため、兄貴がシアを引っ張ってきた
--スッカスカの運営費に頭を悩ませ、ぴっかぴかの子供の笑顔に顔を綻ばせる、どこにでもいる普通のおばあちゃん
---ジェロームが所属するファミリーについても「よくわかんないけど支援していただけるのはありがたいわねぇ」と実にゆるい~
~
-子供達
--下は3歳から上は15歳まで、16歳の卒院までめいめい好き勝手に楽しくガキライフをエンジョイしてる
---純人間以外にもエルフやらオークやらいろんな種族の子供がだいたい50人ほど暮らしてる わりと大所帯
---虐待や育児放棄で行く場所の無くなった子やストリートチルドレンなどがファミリーや役所の世話でやってくる~
もっと受け入れたいけど今でもかなりキャパぎりぎりで歯がゆい思いをしてるとか~
~
-職員のみなさん
--さすがにシアと淡口さんだけじゃ子供の世話なんてままならないのでモブ職員もいるよ、という項目
---法王庁から派遣されてきてる若い修道女が3人、子供達の面倒を見てくれる先生が5人、経理やら何やら担当の事務の人が1人~
みんな女性なのでジェロームは肩身が狭かったり狭くなかったりしてるよ
#endregion

**むかしばなし [#zf3c30f9]
#region(さいしょ)
おれの記憶の最初は森の中だった。~
森の中の開けた場所で、半分から少し丸くなったくらいの月が、おれがおれを「おれ」であると認識した瞬間に見ていたものだった。~
なんでそんなところで月なんか見ていたのか。いつから、どこから、ここまで来たのか。さっぱりわからなかったが、とにかく、どうやらおれはぼんやりしていたようだ。~
月から視線を外すと、ひどく腹が減っていた。何か食えるものを探そうと思ったが、何が食えるものかわからなかった。~
腹が減りすぎて力の入らない体を引きずりつつ歩いていると、うまそうな匂いがした。~
我ながら何をもって「うまそう」「まずそう」と判断したのかはわからないが、頭の何処かが「食べられるものの匂い」と判断したのだろう。~
おれは走った。ついさっきまでふらふらだった足取りは力強くなり、口の中に唾液が溢れた。~
鼻が嗅ぎつけた匂いの元には、何かの動物がいた。~
今でもなんの動物だったかは思い出せないが、動いてたし鳴いてたし、動物だと思う。魔物かも、へたすると人間かも知れない。~
なんでもよかった。おれはなにかの生き物に飛びかかると、噛みつき、引き裂き、血を飲み、骨を齧り、肉を喰った。~
味なんてわからなかった。ただ、喉を熱い血肉が通り過ぎるたび、身体は喜びに震え、胃袋に重みを感じるたび、おれの脳に快感が走った。~
~
食事が済むと、頭にかかっていたもやが晴れ、視界が開けたような感覚を覚えた。とても清々しい気分だった。~
いい気分のまま眠るのによさそうな場所を探したが、森の土はどこも湿っていたし、落ち葉や枯れ草の類も見当たらなかった。~
どうやらおれが意識を取り戻すまでの間に雨が降っていたらしい。そういえば身体はびしょびしょだし、妙に肌寒い。そんなことにも気づかないほど飢えていたようだ。~
面倒になったので、その日はあまり濡れていない木の根元にうずくまって寝た。~
おれが誰でここがどこかはわからなかいままだし、ひどく寒かったが、その瞬間のおれは、幸せだった。
#endregion

#region(つぎ)
最初にこの森で眠った日からずいぶんと経った頃、おれはいろいろわかるようになっていた。~
まず、おれは一匹だった。おれに似た動物はいたが言葉は通じないし、親や兄弟の類も見つからなかった。~
次に、おれは強かった。たまに人間の猟師だとか腹を減らした動物や魔物に襲われたが、おれの牙と爪を喰らって無事なやつは誰もいなかった。~
最後に、おれは孤独だった。おれから逃げたり、おれに襲いかかってくるやつはいくらでもいたが、おれと話したり、一緒にいてくれる生き物はいなかった。~
つまり、おれには家族も仲間もなく、ただ一匹で、森には敵しかいなかった。~
おれが見つめても逃げないのは、木と、石と、太陽と、月くらいだった。~
おれは、たぶん寂しかった。~
~
その頃から、森に来る人間の中に猟師以外のやつらが混じるようになった。~
当時のおれは「猟師」という言葉と職業を知らなかったが、とにかく、おれや動物達を弓とか銃で撃たないやつらだ。~
そいつらは木を切り倒して道を作り、切った木を使った小屋に住んで、普段はどこかに出かけているが、たまに戻ると毎晩うるさく騒いでいた。~
その小屋の場所がおれの根城のそばだったので蹴散らしてやろうとも思ったが、そいつらが笑いながら騒いでいるのを聞いていると、おれも楽しい気分になれた。~
小屋が暗く静かだと元気にしているか心配になったし、小屋に明かりがついているとほっとした。~
どうせ覗きに行けば襲われるのはわかっていたので小屋には近寄らなかったが、仲間が出来たようで嬉しかった。~
~
仲間ができると、おれは腹が減った時に動物を見つけても「あいつにも仲間がいるんだろうな」と考えるようになった。~
殺して肉を食うのが、なんだかとても悪い事のように思えた。群れて泳いでいる魚も食えなくなった。仲間で集まっているからだ。~
おれが仲間だと思ってるのは知らない人間に過ぎないが、魚や動物の仲間はほんとうの仲間だ。~
おれは、草や果物を食べるようになった。肉ほどうまくはないが腹は膨れたし、果物の中には意外とうまいものもあった。~
仲間のおかげで、おれは新しい味を知った。仲間とはいいものだと思った。
#endregion

#region(つづき)
おれの会ったこともない仲間達は、小屋にいる時はいつも楽しそうだ。~
何を言ってるかはわからないが、声のトーンで楽しいかそうでないかくらいはわかった。~
声のトーン。そう、トーンの問題だ。トーンが問題だ。~
ここしばらく、仲間達の楽しそうな声に混じって、やけに甲高い悲痛な声が混じるようになった。~
おれは仲間の声がする時はそちらに意識を向けていたし、聴くことに集中したときのおれの耳は、離れた小屋の人間達の声を聞き分けるくらいはできた。~
だからわかったんだが、この甲高い声の持ち主は毎回違う奴だ。そして、同じ声は二度と聴くことはなかった。~
おれは嫌な予感がした。おれが仲間と思っている奴らはとんでもなく悪い奴らなのではないかとと思った。~
当時のおれにいいことと悪いことの区別はできなかったが、おれが嫌な気分になるのは悪いことだし、おれを嫌な気分にする奴は悪いやつだ。そういうことだ。~
おれは仲間達がいない時に、こっそり小屋に近寄ってみた。扉には鍵がかかっていたが、こんなものはないのと同じだ。当然壊した。~
~
最悪だった。小屋の中は血の臭いで満ちていて、あたりには人間の骨や食べかけの肉がごろごろしていた。~
庭に掘られた穴の中には骨がどっさりあった。小屋の奥には死んでいないだけで生きているとは言いにくい人間も何人かいた。みんな胸があってちんちんがなかった。たぶんメスだ。~
おれが仲間だと思ってた奴らは、どこかからメスをさらってきて、おもちゃにして、飽きたら殺して食う奴らだった。~
おれは、無性に腹が立った。~
まだ死んでないメスに果物を取ってきて食べるよう促したが、みんな齧る気力もなくて、少ししたら全員死んだ。~
骨の穴に死んだメスを放り込むと、おれは小屋の中で仲間が帰ってくるのを待った。~
夜になって、朝が来て、また夜になったが、おれは一歩も動かなかった。~
怒っていたから腹も減らなかったし、眠くなかった。~
~
眠くなかったのは嘘だった。少しうとうとしていると、遠くから仲間達のがやがやした声が聞こえてきた。~
少し前までは心が弾む仲間達の声だったが、今はただ怒りを掻き立てる敵の声だ。~
怒れば怒るほど、体の端々に力が満ちた。今のおれならなんでもできる気がした。なんでもできるおれをこれだけ待たせたことに腹が立って、また力が増した。~
先頭のやつが扉に手をかけ、鍵がかかってないことを訝しみながら開いた瞬間、そいつの首に噛み付いてやった。口の中に血の味が満ちる。~
臭い。人間の血は臭くてまずい。~
ざっくり10人くらいいる奴らが、何か叫びながら武器を取り出す。~
剣で切りかかってきたやつの顔に爪を立てて、思い切り引っ掻いてやると、頭が3つに分かれた。~
槍を突き出して構えているやつは、その槍を咥えて振り回し、弓でおれを狙っていたやつに投げつけてやった。~
槍のやつと弓のやつはぐしゃぐしゃになって、どっちがどっちだかわからなくなった。~
脆い。人間の身体は貧弱で脆い。~
メスを担いでいた奴らが2人いたが、こいつらはメスを下ろすのに手間取って武器を抜いてなかったので、抜く前に飛びかかって噛み殺した。あと5人。~
とにかくおれは怒っていたから、残りの奴らが散り散りになって逃げようと容赦しなかった。~
出くわした時に臭いを覚えていたから、一人ずつ追いかけて、殺した。~
遅い。人間の足はのろいし逃げ方も下手だ。動物追いかけるほうがずっと難しい。~
仲間だと思っていた奴らを全員殺すと、俺の怒りは収まって、とてもすっきりした気分になった。~
さっきまで体中に満ちていた力が抜けて、なんだか身体がしぼんだような気がした。~
小屋に戻ると、手足を縛られたメス二人が逃げようともがいていたので、縄を切ってやろうと近づいたら、甲高い声を上げて倒れた。~
おれは少し悲しくなったが、縄を切って、ぐったりしてる二人のメスを道のそばまで引っ張ってやった。~
メスがそのあとどうなったかは知らないが、おれの森はそれから少しして、やたら人間がうろつくようになった。~
猟師とか、メスや仲間だった奴らのような人間じゃない、鎧をがちゃがちゃ言わせたりする、うるさい奴らだ。~
うるさかったが、仲間の声がなくなって寂しかったから、ほっといた。~
おれは、また一匹になった。
#endregion
**うらっかわ [#d4493465]
//もうちょっとなんか描くべきだと思うけどまぁそのへんはおいおい