[[名簿/468950]]
-''【蘇る 終焉の 焔】''&br;赤い月が浮かぶ、ホラーチックな観光エリア。このエリアを知る物に聞けば、10人中10人が同じに答える。&br; 風も、大地も、空も、月も。平時ならば冒険者を迎える静寂が、今日は一際冷え切っていた。&br; その中央部に、三つの人影があった。&br; 一人は首から下を黒い鎧に覆われた騎士。右手にはこちらも黒い剣身の得物を構え、他の二人を濁った瞳で睨め付けている。&br; 一人は頭部に丸い耳を備えた少女、力なく項垂れているが、生命の灯は僅かな篝火を残している。&br; 一人は白い装束に身を包んだ少女。魂を最後の一滴まで絞り取られ、息を吹き返す様子はない。 --  &new{2012-02-06 (月) 23:19:15};
--(僅かに残った意識の端で、藁にもすがる思いでレムレースのPTステータスを確認する。体力…ゼロ)&br;(胸の鼓動はかつてなく、今のアスキアのウィルス強度はかつて感じたことの無いほどの強さだと教えてくれる)&br;(導きだされるのは…彼女が未帰還者になってしまっているだろう、という事実。どうしようもないその事実)&br;(痛い。全身から血を流す傷がではない。手が、彼女が、自らを振り払った、その優しい痛みが、痛い)&br;(躍動する胸の内。震える胸。それが送り出すのは血ではない)&br;(それは激情、刃を下げた漆黒の剣士への、最後までその意思を貫いた彼女への、何よりも)&br;''うあああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっ!!!!''&br;(躊躇った末に、届くはずの手を握れなかった自分への思い)&br;(思いだせ)(成すべきことを)(まだ)(終わって)(…)(いない)&br;(一際大きく胸の鼓動が高まれば…ゆらりと赤い草原に立ち、漆黒の剣士へと向き合う) -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-06 (月) 23:33:25};
---(伊吹を見やる深淵の騎士の挙動はこれまでと異なり、やや力が込められている)&br; (激情に胸を焦がす伊吹を本腰を入れて戦うに値すると判断し、精神状態を切り替えたか)&br;(霧の中の真意を知る者は黒騎士のみ)&br; (心を鋼鉄の殻に押し込め、右手から伸びる狂刃を無造作に振るう)&br; ''Curse Blast!''&br; (空が凪がれる度にバレーボールほどの黒玉が次々剣から吐き出され、退治する伊吹へと一直線に飛んだ) -- [[アスキア>名簿/468950]] &new{2012-02-06 (月) 23:45:42};
---(伊吹は気づいていない。その胸から血液でない目の前の漆黒の剣士と同質の闇が溢れ、全身を濡らしていくことを)&br;(全身の経穴から九頭竜勁によって引き起こされる通常の黒いオーラではない、瘴気とも呼ぶべき色の気を発していること)&br;(そうだ)(黒騎士が剣を振るう。当たれば頭が吹き飛ぶであろう威力の玉が放たれて)&br;(進め)(片手がひらめく。半ば勝手に体が動き、何をすればいいかがわかる。その指先は、伊吹の前へ、つ、と差し出され)&br;(前へ)(陽炎のようにその手が揺らめくと、手品のように玉は歪み、逸らされ、遙か彼方へと飛んでいく)&br;(朧気に聞こえていた声、それは、きっと自分の声。ずっと寄り添っていた、誰でもない自分…今はそれに感謝する)&br;まだ…終わってません…レムレースさんは…返してもらいます(そしてそのまま歩を進める。どこにも淀みのない歩みを持って) -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-06 (月) 23:57:21};
---(遠距離攻撃が伊吹への有効打にならないと知ると、戦闘スタイルのスイッチは早かった)&br; (気が入れどもその根本には機械的なロジックがある。最も有用な手段を用いての攻撃を行う)&br; ''Wonder Walk!''&br; (即ち接近戦。一気に距離が詰まると、存分に剣の性能が発揮されるポジションへと収まる)&br; (当然選択された技は、近距離で最大の威力を誇る、レムレースを黄泉路に送り伊吹をも屠ろうとした死の宣告)&br; ''No.13!''&br;(一打目の予備動作として、黒剣が僅かに右の位置へ移動した) -- [[アスキア>名簿/468950]] &new{2012-02-07 (火) 00:05:31};
---(分かる。漆黒の剣士が何をしたいかがわかる。それはきっと彼女が身を挺して与えてくれた時間のお陰でもあり)&br;(ことここに至れば伊吹も自らの手が闇へと染まっていることが分かる。だがしかし不快感はなく、意識ははっきりとしていて)&br;(自動的なのであろう、故に今の伊吹には、触らずとも気流を見て、我がこと取れる伊吹には酷く読みやすい)&br;(こちらへ迫る漆黒の剣士、続けて放とうとしているのは先ほども受けた一瞬にして襲い来る連撃であろう、剣の位置取りが、黒気の流れがそう言っている)&br;(剣の間合いから一歩外へ出て、素早く機先を取り、間を外す。次いで、刹那の瞬間、瘴気を濃く宿した指先を持って大きく腕を回し…)&br;(生まれるのは世界の穴。切り出された奈落の穴、そのもの。それはどこに繋がっているかもわからず、どこへも繋がってないのかもしれない)&br;(続く瞬間、振るわれる黒剣。それは間合いの外からをも必殺の威力を持とうが…。知っている。するり、と柳のようにすり抜け剣士の後ろへ)&br;(靠。剣士と伊吹の背中の接触点にありえない量の勁が威を発し…剣士を奈落の穴へと吹き飛ばした) -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-07 (火) 00:27:18};
---(レムレースが決死の覚悟で伊吹へ託した希望は実を結んだ)&br; (有効射程、剣先の軌道、体躯の重心。全ては予め決定されたレールの上で扱われ、伊吹のとっての予定調和となった)&br; (無敵の剣も最強の魔法も、命中することで初めて効力を得る)&br; (初撃を外されたアスキアの剣捌きだが、13打目までの流れは忠実に再現される)&br; (1打 2打 3打 4打……。滑稽に剣を振り続けるアスキアへ、捕食者と化した伊吹は、無情に手を下す)&br; &br; (ほどなく、黒い鎧が拘束していた狂気と悪夢と絶望は、最後の一人の犠牲者により終焉を告げ) &br;(世界には、静寂が戻った) -- [[アスキア>名簿/468950]] &new{2012-02-07 (火) 00:45:04};
---(漆黒の剣士が世界の狭間へ落ち込んだのを確認すると、間を置かず再度腕を振り、奈落の穴を閉じる)&br;(おそらくは今の身でも受ければただごとでない攻撃力を剣士は備えていただろうが…彼女のお陰でこういう搦手への対処方法がないことは解っている)&br;(それに…今優先されるのはこの力に溺れ、アスキアを倒すことではない。追い遣ればそれで充分。もっとも、もっともすべきことは…)&br;レムレースさん!!…レムレースさん!!(足長い草原のベットで眠るレムレースに駆け寄り、…冷たい手を取る)&br;(リアルでの彼女が心配だが…まずはギルドへ連れ帰り、治療を試みよう。大丈夫、ウィルスに侵されていたって、きっと…) -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-07 (火) 00:56:20};
---(一度離れた手と手は、二度と繋がれることはない)&br; (瞳を閉じた少女の身体は、戦いに疲れて死んだように眠っている)&br; (既に伊吹は理解しているはずだ。バグに傷つけられた者たちの末路を)&br; (例外なく彼らは『未帰還者』として現実世界から姿を消した)&br; (では、ゲームの世界に存在するPCはどうなってしまうのか)&br; (地面が泥に似た柔らかさを帯び、レムレースの身体を飲み込み始めた)&br; (徐々に、徐々に。戦いを終えた戦士は、その術に抗う術はなく)&br: (差し出された手はまたも拒絶され、沈んでゆく)&br; (沈んでゆく……) --  &new{2012-02-07 (火) 01:12:06};
---(一度離れた手と手は、二度と繋がれることはない)&br; (瞳を閉じた少女の身体は、戦いに疲れて死んだように眠っている)&br; (既に伊吹は理解しているはずだ。バグに傷つけられた者たちの末路を)&br; (例外なく彼らは『未帰還者』として現実世界から姿を消した)&br; (では、ゲームの世界に存在するPCはどうなってしまうのか)&br; (地面が泥に似た柔らかさを帯び、レムレースの身体を飲み込み始めた)&br; (徐々に、徐々に。戦いを終えた戦士は、その術に抗う術はなく)&br;(差し出された手はまたも拒絶され、沈んでゆく)&br; (沈んでゆく……) --  &new{2012-02-07 (火) 01:12:06};
---(冷たいレムレースの手を握りしめ、抱き上げようとその体に手を回そうとすると)&br;これは…っ!(地面が黒い汚泥のようになり、ノイズを交えながらレムレースの体を飲み込んでいく)&br;(指先に瘴気を集め、状況の性質を見極め、目の前で行われているエリア操作を無効化しようとするも…出来無い)&br;(これはアスキアを強力に浸していたウィルスそのもの成す現象。まだ力に目覚めたばかりの伊吹には荷が重い)&br;(最後まで握っていた手も…掬い上げること叶わず…、ただ、膝を付き…見ていることしか出来なかった)&br;…終わってません…まだ…!(しかし、立つ。アバターそのものが消滅した訳ではない…ならばと)&br;(赤い月を見上げ、思いを秘めた光を内包する瞳に映していた) -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-07 (火) 01:28:53};
-//''ここは相談用ツリーになります''
--今日中に絶対終わらせる 今日中に絶対終わらせる 今日中に絶対終わらせる よし --  &new{2012-02-05 (日) 22:25:19};
---頼もしい!いけない覚醒のイメージしてたの微妙に忘れかけてます…。&br;佳境まで、締めは月曜でも私は大丈夫なのであんまり無理はなさらずです…。ああでもそうなるとリベンジが間に合わなくなりますかねぇ…? -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-05 (日) 22:33:57};
---伊吹に押されて一旦アスキア撤退→ラストバトル手前で再出現・やられるにしたら無駄がなさそうな気がしてきましたよ --  &new{2012-02-05 (日) 22:55:19};
---ああそれじゃ、私は半覚醒で押し込んで、リベンジで本覚醒にしましょうかねぇ?&br;丁度良く能力が空間操作だし倒すんじゃなく追いやるならやりやすいですし。それに恐らく今日最後まで覚醒までやると多分結構遅く…すいません -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-05 (日) 23:00:32};
---では〆は明日、今日は頑張って未帰還者になります! --  &new{2012-02-05 (日) 23:05:36};
---了解しました!明日締めて、今週は公式イベントが1回かニ回挟まるようですから合間を縫って討伐隊募集を打診してみます。&br;…ああっ!レムレースさんのファイトクラブが終わったっ! -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-05 (日) 23:10:12};
---うぉオンげんかいです! ねます! うおおおおおお明日は大覚醒だ -- [[レムレース>名簿/469137]] &new{2012-02-06 (月) 00:49:49};
---乙でしたーーー!私ごとざくーして団子二兄弟になっちゃうんだわ…おやすみですー -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-06 (月) 00:52:46};
---ちょっと追記しつつ待機。まあ届かないんですけどね!それで後ほど殆ど覚醒して、リベンジで完全覚醒…かな?&br;あ、主な能力は空間操作と気操作です。ツボ付いて、んん〜?間違えたかなぁ〜?とかそんな感じです。 -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-06 (月) 21:47:17};
---がんばれわたし --  &new{2012-02-06 (月) 22:28:58};
---ふぁいとなのです!次あたりにハジケる感じになると思われます。そんで一回二回殴り合ったら追い出し攻撃ですかね -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-06 (月) 23:05:50};
---退場完了! よし上に新しいツリーうえます   --  &new{2012-02-06 (月) 23:07:29};
---なんか微妙に勘違いして間違えちゃった気が…ま、まあ気にしない!(ぺこぺこしながら)&br;了解しましたー! -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-06 (月) 23:11:24};
---もう覚醒して空間捻じ曲げて押し込めてもいいっスよ! --  &new{2012-02-06 (月) 23:47:08};
---了解です!今のは一応気(エネルギー)の操作のつもりだったんですが分かりづらいなぁ&br;んでは次で空間操作するます。 -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-07 (火) 00:06:52};
---あ、すいません聞き漏れてました、エリアの外に出していいんですか?それともこのエリア内で飛ばした方がいいですか? -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-07 (火) 00:19:41};
---別に飛ばしちゃってくださいなー そっちの方が%%不安を煽れる%%  --  &new{2012-02-07 (火) 00:23:07};
---飛ばしましたー!れむれすさんの仏様はどうしましょう…展開的にギルド持ち帰っちゃいましょうか?&br;それともアスキアさんのウィルスパワーに引き寄せられて消えちゃうとか? -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-07 (火) 00:30:17};
---消しちゃおうかなって思ってたので次あたり消します 死体が残ってるからもしかしてと思わせてドーン! --  &new{2012-02-07 (火) 00:46:40};
---ですよねー!そっちの方が私的には辛いんですが、残ってるとそれはそれでじっくり浄化すればいいんじゃね?になるので&br;その場合、それはそれで理屈付けが必要になっちゃうなぁ、なんて思ってました。 -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-07 (火) 00:57:41};
---消えることも復活フラグなんですよ マジで 最終決戦には間に合って出てくる……はず --  &new{2012-02-07 (火) 01:08:34};
---なにそれ熱い。メール着てた。なにこれ切ない。わー!撫子ちゃんぎゅーしたーい! -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-07 (火) 01:13:03};
-''【蘇る 終焉の 焔】''&br;赤い月が浮かぶ、ホラーチックな観光エリア。このエリアを知る物に聞けば、10人中10人が同じに答える。&br;風も、大地も、空も、月も。平時ならば冒険者を迎える静寂が、今は不安感を煽る材料でしかない。&br;夜空に浮かぶ血の満月の下に、二人の挑戦者が降り立つ。 --  &new{2012-02-01 (水) 21:35:18};
--ここが…その黒PKの…(なんとも異様な風景だ。吹く風も、足元を撫でる草も草原のものだが…全てが、赤い)&br;ひとまず、降りていきなり、ってことはなさそうですね(言いつつも覚悟はとっくに決まっている。今すぐアスキアが現れても戦いに応じる準備は万端だ)&br;まあ…ある意味これで狙い通りには行けそうです、けど(とはいえ、今回の目的は二人での応戦ではない。あくまで自分はアスキアを見極める役)&br;(そして…いざとなればその身を盾にしてでもレムレースを帰す役、だ) -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-01 (水) 22:01:15};
---以前にアスキアに挑んだPTも、先手を仕掛ける余裕はあったらしいわ。&br;その上で返り討ちにされたって話だから、随分なタマね。それだけ自信があるのか、あるいは……&br;(転送門を経由したフィールドはやはり平坦で、そのほぼ全てが視界に収まる。心の準備をする暇もなく、ターゲットとする存在を捉えることができた)&br;(黄金のラインに縁取られた見知らぬ黒鎧に身を包んだ、やや幼さの残る少年剣士が、空虚な瞳で、赤い月を映していた)&br;やっと……(声が震える。歓喜か怒りか、心の奥から沸き上がる漆黒の感情に身を任せ、レムレースは咆哮した)&br;&size(16){''見つけたわよ、アスキアァアアアアアアアアアアアアアア!''}; -- [[レムレース>名簿/469137]] &new{2012-02-01 (水) 22:23:27};
---(その叫びに思わずレムレースを見てしまう。普段は冷静沈着を絵に書いたようなレムレースが上げた声なのか?と)&br;(これ程までに激しい感情をあらわにする彼女は見たことはない…それほどまでに…許してはならないものなのだろう…あの'過ち'は)&br;……レムレースさん…死んじゃ、ダメですよ(声をかける。今のレムレースは明らかに頭に血が登っている、少しは落ち着いてくれるといいのだが…)&br;(そして、自分自身は身を引きながら大地に伏せ草陰に身を隠し、気を殺して陰身を始める。レムレースの覚悟を、見届けるために) -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-01 (水) 22:33:47};
---(あの日、黒い霧から早々に離れていれば)&br; (あの日、あのエリアに近づかなければ)&br; (あの日、ログインの時間を普段より遅らせていれば)&br; (あの日、趣向を変えてPTでのプレイを選択していれば)&br; (アスキアが奪われて以来、あらゆるもしもと後悔が鎖となって撫子を襲った)&br; (G.L.Oを忘れようとした、離れようとした。それでもたった一つ残った『この世界が好きだ』という感情に突き動かされ、歩き続けた)&br; 伊吹、黙って見ていて。私は大丈夫。&br; (伊吹の心遣いであるステータスアップのバフが心強い。息を大きく吸い込むと、一歩前に出た)&br; &br; アスキア、私をこれまでのプレイヤーと同じに思わないことよ。&br; 私が誰だかは、一番あんたが分かってるでしょ? -- [[レムレース>名簿/469137]] &new{2012-02-01 (水) 22:53:52};
---(静かに息を潜める、レムレースの歩みは力強い。アスキアと相対する彼女の中ではあらゆる思いが渦巻いているのだろうが)&br;(それでも彼女は足を止めない。それが彼女の矜持。誇りでも、あるのだろう)&br;(紅い月の元、紅い草原に、紅い月光を浴びて…黒い剣士はただ、佇んでいる。そしてレムレースが言葉を放ち…伊吹は静かに息を潜め続ける) -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-01 (水) 23:03:01};
---(レムレースが煌く輝きを纏えば、その姿は一瞬でアスキアの元へ。元から二人を注視するのが目的でなければ即座に見失ってしまったであろう速さ)&br;(だが…近い。近すぎるのではないか?レムレース自身も近接でその真価を発揮することはよく知っている。しかし、相手はバグに侵されたPC)&br;(近づけば一太刀で終わってしまう可能性も高い。しかし…それでも、行えたはずの遠間からの様子見を選ばなかったのはレムレース、彼女自身だ)&br;(頭の悪い自分には戦略は分からない、だから、その行動を潔いと、ただ感じた) -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-01 (水) 23:31:05};
---(アスキアが動く、その動きはまるでBOTのように人の心なく、正確で…早い。この容赦無き斬撃が廃プレイヤーたちを貫いていたのか、と思えば)&br;(…しかしレムレースはその剣撃に難なくついていっている。それはその攻撃が来ることがわかっていたかのよう。防御壁を生み出し、刃を食い止める)&br;(レムレースの戦いは狩りでよく見ている、そんな普段の動きから言ってもこの対応速度は明らかに早い。何かはわからないが…やはり、策はあったのだ)&br;(内心唸りつつも、じっと二人の動きを見つめる。このまま、レムレースの攻撃が…アスキアを倒してしまうことを儚く期待して) -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-03 (金) 00:52:24};
---(押している…明らかにレムレースはあの漆黒の剣士に対して優位となっている。舞い散る鎧の欠片、揺らめく黒炎…)&br;そのまま…行ってください…!(思わず、ほんの小さな声で思わず声が出てしまう。レムレースが築いていた戦略が功を奏したのだ)&br;(ならば、そのまま型にハマってしまえばいい、無機質なウィルスに肩まで浸かっているであろうその身こそ、緻密な策に崩れ去るべきだ、そう思う) -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-05 (日) 21:50:35};
---(効いている…効いているはずだ…。少なくとも漆黒の剣士のアバターには、傍目からはちゃんとダメージが通っているように思える)&br;(だが、しかし…自らのことを思い出す。あの時、自分の体力はどうなっていた?ステータス状態は?…そう、Dead状態であり、HPはゼロだった)&br;(幾度か膝をつき、血を流したものの…ウィルスは闇の体を復元しつづけ、結局、最終的にはリヴェルの手により浄化されるまで再生が止まることはなかった) -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-05 (日) 22:25:48};
---(レムレースは健闘している。そう、健闘していると言っていいだろう。触れれば即死の恐れさえある刃を潜りぬけ続け)&br;(着実に、確実に、地道に攻撃を繰り出し、その数々を漆黒の剣士に叩きこむことに成功している)&br;(しかし…漆黒の剣士の動きは止まらず、それはまるで柳へと吹きつける風のよう。どうしてもその幹を揺らすことができていない)&br;(心に、じわじわと焦燥が溢れ出す。今はいい…だが、訓練されていない人間の精神は戦闘状態では長く持たない)&br;(時が経ち、ある決定的なその時、栗色の髪を振り乱し、果敢に戦っている彼女はどうなってしまう…?) -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-05 (日) 22:51:41};
---(レムレースの動きが変わった。普段の冷静さに似合わぬ勇猛さは成りを潜め…)&br;(スキルを使って、高速移動。素早く距離を取り、今更ながら間合いを取った。まだ策があるのだろうか?)&br;(なにか残されている手を使うために間合いを取ったのであれば…、今までの注視に更に注意を払い)&br;(ここからは、瞬きの間さえも目を離してはならない、と、胸の奥で膨れ上がる焦燥を抑えこんで、ぐびり、と唾を飲み込んだ) -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-05 (日) 23:19:01};
---≪伊吹、このまま黙って戦いを見届けて≫&br; (PTチャットの回線を使えば、多少PCの距離が離れていても会話ができる)&br; (レムレースが攻撃の手を緩めてから、伊吹の下へ声が届いた) ≪私の攻撃はきっとアスキアへ届いていない。他のバグPCと同じように、コイツも無敵の存在だったってワケね≫&br; ≪コイツへの有効打となるのは因子の力だけよ。私はこれからコイツの攻撃をあなたの目に刻み込ませる≫&br; ≪因子を持つPCも、バグの攻撃を完全に防ぐことはできない≫&br; ≪報告を聞くに、コイツは他のバグより性質が攻撃に寄ってるらしいわ≫ &br;≪だから誰かがコイツの攻撃を除けられる……イージスの盾として機能する必要があるの≫ -- [[レムレース>名簿/469137]] &new{2012-02-05 (日) 23:20:29};
---(二人のアバターに集中していた伊吹の元へと届く声、それは僅かに息の上がった…それでも冷静な彼女の声)&br;(一瞬眉をひそめるも…指示に従い、二人の動きを見つめたまま静かに声を聴き続ける)&br;(彼女の見解、実際に身を合わせ、得た結論。それはやはり絶望的で…普通には倒せないことを確信したようだ)&br;(つまり、彼女にはもう策が無くなったのか?ぴくり、と拳を握り締める。なのであれば…)&br;(続く言葉に力が抜ける。いや…策はあるのだ…。それは無謀とも言える策。圧倒的な攻撃力を持つ漆黒の剣士に対するための)&br;(何者もを傷付けないため盾を創り上げる策。しかし、そのために払われる代償は…?) -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-05 (日) 23:33:51};
---(アスキアの剣から放たれる禍々しく、圧倒的なエネルギー。それは、バグPCでしかありえない、通常放出されることがない程の威力を秘めていることを感じさせる)&br;(あまつさえ、それは星がかけるが如き速度でレムレースへと迫り…、辛くも一撃目を外したものの、続く攻撃にレムレースが身を折る様までその瞳に焼き付ける)&br;(思わず声を上げたくなる喉を意思の力で押さえつけ、拳を握りしめ我慢する。ここでそれをすることは、レムレースの意思を侮辱することでもある。だが…しかし…!) -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-05 (日) 23:50:41};
---≪多分、私はここまでよ。あなたに重荷を背負わせてしまって、ごめんなさい≫&br; ≪でも、あなたが私の意志を汲んでくれるなら、探してほしい≫&br; ≪仲間を、世界を守るための力を秘めた、因子の光に選ばれた戦士を!≫ -- [[レムレース>名簿/469137]] &new{2012-02-05 (日) 23:50:50};
---(聞こえてきた声は先程までに比べ、明らかに消耗している。当たり前だ、あの攻撃を食らって普通にしていられるなら…)&br;(それは苦痛を消し去るスキルを持つものだけだ。レムレースは違う、今も貫くような痛みを耐えて声を届けてくれている)&br;(ここまでだなんて言うな!貴方は…ずっとこの世界を守り続けていくんじゃないのか!…心の中だけで、叫ぶ。いつしか握りしめた手の平からは血が流れ始め)&br;(共倒れになってはならないという冷静な思考。レムレースの意思を尊重すべきだという理性の囁き。そして…) -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-05 (日) 23:58:44};
---(どくん、と胸が跳ねる。内に秘めた激情、その思いに反応してか、かつては痛みを伝えた疼きは何かを訴えていて)&br;(見ているだけか?)(まだ、間に合う、PTステータスで確認できるHPは僅かにまだ残っている。紅く塗られた空間でさえ、よく分かる血霧。未帰還者へと近づく彼女)&br;(お前はそこにいるだけなのか?)(刃の竜巻を相手にして彼女は耐えている。見に徹し、アスキアの型を見て取り、その動きはほぼ把握できた…) -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-06 (月) 00:38:26};
--(挑発に対してもアスキアは微動だにしない。これも想定のうち)&br;(幾度となくシミュレートした結果到達したビジョンの通りに、最初の一撃を繰り出す)&br;''Excelsior Dive!''(魔力の粒子に包まれ、全身がさながら一発の弾丸と化す。魔力を参照して突撃しダメージを与えるスキルだが、真のねらいは別にある)&br;(テレポートのスキルより長距離を、テレポートのスキルより高速で移動できる。即ち、アスキアの懐へ一瞬で!) -- [[レムレース>名簿/469137]] &new{2012-02-01 (水) 23:16:28};
---(置物よろしく鋼鉄の沈黙を保っていたアスキアにようやく動きが見られた)&br; (接近がスイッチであったのか体半分を左方向に捻り、右腕に携えた黒い剣を淀みない、機械に似た感情を排した動作でレムレースへ突き出す)&br; (まるで予め予定されていた確定事項のように)&br; ''Sword Barrier!'' --  &new{2012-02-03 (金) 00:41:36};
---(計画通り。想像以上こちらのお膳立て通りに動いてくれている)&br; (変質しているとはいえ、あれは紛れもなくかつて手足として使っていたアスキアだ)&br; (バグに侵された現在でも人の形を保っているのならば、データは残されているはず)&br; (すなわち通常のPCであった、この世界のスキルとしてのプログラムを)&br; ''Air Bell!''&br; (空間を遮断するために出現した虹色の防御壁は、寸分違わぬタイミングで斬撃を阻む)&br; ''Excavation!''  (間髪入れずの追撃。カウンター技の弱みは、カウンターを防がれた際に一時の隙が生まれること)&br; (当然距離が狭められているほどに追撃の速度は上がる。接近戦を選んだのはこのためだ)&br; (凝縮された魔力の塊は小型の台風にも似て、黒鎧の剣士の胴元を抉り取ろうと吹き荒れる)  -- [[レムレース>名簿/469137]] &new{2012-02-03 (金) 00:41:51};
---(派手な粉砕音と破裂するエフェクトが顕現すると、アスキアの身体がたじろいだ)&br; (『よろけ』『ひるみ』と呼ばれる人間の動作を、G.L.Oのシステムは忠実に再現する)&br; (鎧の上からと言えどもその威力はドリルによる超震動に近く、確実にダメージを蓄積させる)&br; ''Midnite Blaze!'' (続いてレムレースから放出されものは黒い炎。魔術の発動に伴うタイムラグはおよそ0.5秒ほど)&br; (反撃の間も許さず、棒立ちの黒騎士は魔術の威力と手数に押され、防戦一方に回っている) -- [[レムレース>名簿/469137]] &new{2012-02-04 (土) 23:10:19};
---(ライフがゼロになれば倒れる。これはG.L.Oに限らずあらゆるゲームのキャラクターに設定された摂理だ)&br; (プレイヤー、モンスター、物語の果てに待つ魔王に至るまで。全てがシステムというルールに則っている)&br; (もしも)&br; (もしもルールの枠を逸脱し、世界の摂理を乗り越える者がいたとしたら)&br; (対抗する術は、あるのだろうか?) --  &new{2012-02-05 (日) 22:09:13};
---(戦いが始まって数分が経過し、レムレースの挙動が鈍り始めた)&br; (アスキアに与えたはずのダメージを換算するとどれだけになるか)&br; (ライフゲージが見られない相手との攻防は思いの外神経を削り、ともすれば攻撃の手が緩みそうになる)&br; (攻撃サイクルに伴って、自分のMPがフルからゼロになるまでおよそ30秒。その時間を体内時計で計り、切れ目切れ目にMPを全快させるポーションを飲み込む)&br; (贅沢にアイテムを使用しているにも関わらず、撃ち続けている相手から手応えが帰ってくる気配は、ない) -- [[レムレース>名簿/469137]] &new{2012-02-05 (日) 22:20:25};
---(MPポーションはまだ大量にストックがあり、一時間程度は戦闘が継続できる)&br; (しかしその全てを使い果たして戦闘が終わるという保証がどこにあるのか)&br; (ライフゲージが見えないだけ。ライフがゼロになっていないだけ。鎧にあたる上澄みを削って本体の箇所へ到達していないだけ)&br; (言い訳はいくらでも考えられる。自分を納得し安心させるための『逃げ』口上は)&br; (ここで自分に課せられた役割は一つ)&br; (目を背けず、事実と向き合うことだ)&br; &br; (レムレースではアスキアを倒せない、という残酷な事実を) -- [[レムレース>名簿/469137]] &new{2012-02-05 (日) 22:40:45};
---(不意にレムレースの攻め手が止まる。同時にサンドバッグだったアスキアが剣を振り被り、攻守の役割が逆転した)&br; (第一指令を破棄。速やかに当初想定したもう片方のミッションへ移行する)&br; (そのミッションとは、自分がデコイとして攻撃を受け続け、伊吹に突破の糸口を開かせるというもので)&br; (最初から伊吹に伝えていれば、確実に猛反対にあったはずの、危険な試みだ)&br; ''Quantum!''&br; (二度三度後方への瞬間移動を行う。距離は十分に開き、通常の剣士ならこの間合いでの攻撃手段は持たない) -- [[レムレース>名簿/469137]] &new{2012-02-05 (日) 23:04:45};
---''Hungry Ghosts!'' &br; (巨大な暗黒の流星群がアスキアの剣から放たれる)&br; (赤い世界によく映える神秘的な光景は、美しくも不気味だ。ここが戦場でさえなかったら) --  &new{2012-02-05 (日) 23:40:54};
---(音速。光速。未だ未体験の速度で傍らを駆け抜けてゆく黒い塊)&br; (意識の外から襲ってきた攻撃に反応することもできず、続け様に放たれた二打目は容赦なくレムレースへ降り注ぐ)&br; (片膝を附き息を整えた。まだやれる。魔法の威力を散らす装備を装着したおかげで、どうにか致命傷は免れている) -- [[レムレース>名簿/469137]] &new{2012-02-05 (日) 23:44:11};
---(獲物の弱体化を知っても死神の攻め苦は終わらない)&br; (「ここからが始まりだ」 無機質なテクスチャを張り付けられた少年の瞳はそう言いたげに見えた)&br; ''Wonder Walk!'' &br; (空間を圧縮して俯いたレムレースの傍まで現れると、無慈悲に剣先を前方に構え、体を軸に捻じ曲げて巨大な竜巻となった)&br; ''Saber Vortex!'' --  &new{2012-02-05 (日) 23:57:49};
---ーーーーーーーーーーっ!&br; (剣の回転に身体が引き裂かれ、掠れた叫び声が漏れる)&br; (物理的なダメージを軽減する秘策はなく、高い防御力も圧倒的な暴力の前では紙も同然) (ライフの数値は容赦なく死へのタイムリミットを刻んでゆく)&br; まだ、戦える……!&br; ''Laser Cruster!'' ''Laser Crust'' ''Laser''&br; (アスキアのスキルに劣らぬ速度で、光の帯が次々と放たれる)&br; (抵抗の力は最早虫の息、伊吹にすら一目瞭然だ) -- [[レムレース>名簿/469137]] &new{2012-02-06 (月) 00:24:22};
---(友を…)''うるせぇぇぇぇぇええええーーーー!!''(それ以上は言わせない。叫ぶより前に体が勝手に動いている)&br;(石のように固めていた体から黒いオーラを吹き出す。この体崩れても構わないとばかりに、かつてないほどの疾さを持って)&br;(健気に煌く光を放つレムレースと、暗闇を塗り固めた剣を振るう剣士の間に割って入り込まんと、草の中から赤い世界へ身を投じ)&br;(九頭竜勁によって感覚が鋭敏化され、ゆっくりと世界が引き伸ばされている。ある種馴染み深い、この感覚)&br;(しかし今この目に見えている世界は、それよりもなお遅く…一足ごとにその踏み込みの勁に草が千切れ、舞い)&br;(前方に圧縮された空気が、極小のかまいたちとなり、頬を僅かに割き赤い涙滴がぷつりと珠を作り)&br;(それでも、それでもその疾走は伊吹にとってしては水の中でもがくよう。まるで、呼吸を求めて溺れた者のように手を伸ばし)&br;(彼女の華奢な手を取らんと、手にした温もりを無くしてはならないと…)-- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-06 (月) 00:39:46};
---(光芒は蚊が刺すほどの効果も与えていない。鎧の端を掠めるも、これまでと同じように無為な足掻きで終わるだけで)&br; いよいよ、ね。&br; (弱さが憎い。デュランダル、リヴェル、トラヴィス。彼らのような強さを、資格を、自分が持っていれば)&br; (迫る漆黒の暴君を前に、朽ち果てた心を曝け出す)&br; (自分は手番の終了を宣言した。ここから盤面を返すことはマナー違反だ)&br; &br; 「本当に?」&br; (耳に届いた絶叫は、執拗に待機を命じていた伊吹のもの)&br; (一方通行なアスキアの暴虐に憤慨したのか、我を忘れて我武者羅に走っている)&br; 「本当に終わりなの?」&br; (このままでは駄目だ。アスキアの攻撃軌道に伊吹が挟まれてしまう)&br; (伊吹だけは、大切な親友の生命だけは守る。掲げた信念を守れずして、この世界と向き合う資格があるものか!)&br; 「終わってない……!」&br; &br; (一度は手にした温もりを振り払い、少女は死の先へ身を委ねる)&br; (その先にある未来と輝きを掴むために)&br; &br; ''Excelsior D Di Div...'' -- [[レムレース>名簿/469137]] &new{2012-02-06 (月) 22:28:44};
---(黒騎士が吼える。生気が抜け落ちたかのような木偶の様子に、初めて感情の色が現れた)&br; (それはこれから贄となる存在への憐憫ではなく、待ち侘びた獲物を喰らえることへの歓喜)&br; (大地を足蹴に跳躍し、自らの意思で魔物の胃袋の奥へ飲み込まれようとする少女は、&br;  今日まで無数に噛み砕いたデータの塊とは違った芳醇な喉越しを味わわせてくれそうで)&br; &br; ''No.13!''&br; &br; (全身全霊を持って、その敬虔な行動に応えた) --  &new{2012-02-06 (月) 22:45:37};
---(届かなかった)&br;(その手は届かなかった)&br;(血に濡れた身で、しかし慄然と有り、誠実さをその身に変えたかのような少女の手には触れること叶わず)&br;(彼女が煌めく。障壁を展開した。違う、それは違う。もういいんだ、もう休んでもいいんだ、貴方は走り切った…!)&br;(最後まで、最後の最後に彼女はスペルを唱え、この身を盾にせんと、手を取り守らんとして伸ばした手は弾かれ)&br;(その光景を見続ける。スキルにより、激情により、圧縮された時間の中で、突き出された漆黒の剣が障壁をあっさりと割り)&br;(それは彼女を彩る光のシャワーになって、ゆっくりと、ゆっくりと彼女の体に形ある暗闇が押し込まれていく)&br;(もう手の届かない彼女へと、ゆっくり、ゆっくりと) -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-06 (月) 22:49:42};
---(13、という数がある)&br; (処刑台に登るための階段の段数だとか)&br; (ジェイソンが現れる日は13日の金曜日だとか)&br; (タロットで死神のカードは13番に設定されているだとか)&br; (とにかく不吉な意味で13の数は使用される機会が多い)&br; (レムレースの首を刎ねるため最後の一刀として選択されたスキルは、奇しくもその13の数を冠していた)&br; &br; (既に初撃でライフはゼロに。スキルは対象となった相手が倒れたとしても、最後の瞬間までのモーションは継続される) &br;(制止する手段を失っては、後はもう嬲られるがままだ)&br; (13回目の剣撃が終了した時には、意識は既に、この場から消え失せていた)&br; &br; (「伊吹は……私を見捨てて逃げてくれただろうか」)&br; (最後まで損で辛い役回りをさせてしまった。もし、帰ってくることができたなら)&br; (素直に謝りたいな、と人知れず軽く笑ったところで)&br; &br; &br; (視界は、無明の闇に包まれた) -- [[レムレース>名簿/469137]] &new{2012-02-06 (月) 23:04:48};
---(何もかもを捨て走っていた伊吹は動けない。その体はそれまでの勢いに流れ、呆然とレムレースを見たまま脱力している)&br;(次なる漆黒が襲い来るは自分。そのことさえ、今は頭から抜けてしまっている。だから)&br;(無防備に、一瞬にてあらゆる角度から放たれた13もの暗黒の刃をその身に受け、弾き飛ばされ赤く染まる草原へと放りだされて)&br;(痛みの声一つあげず、一回、二回と跳ね飛び…倒れ伏した) -- [[伊吹>名簿/469493]] &new{2012-02-06 (月) 22:56:37};
-   

-''そこは赤の支配する世界であった。&br; エリア名こそ炎を連想させるものでも、中身まで同じことは稀だ。&br; 草原のフィールドは風の音すら感じさせない静寂に包まれており、上空には赤い― 血のような満月が地上を照らしている。'' --  &new{2012-01-13 (金) 22:54:31};
--''ほどなく、20人余りで構成された一団が一斉に転送門から現れた。&br; 肩に大剣を担ぐ者、両手に一対の双剣を構えた者、身の丈をゆうに超える槍を携えた者。&br; 殆どは男性だが、時折女性の顔も混ざる。衣服と得物は様々でも、ただ彼らの視線は一点へ注がれていた。'' --  &new{2012-01-13 (金) 22:59:08};
---''草原の上に立つ、一人の男。&br; 少年と言っていい。成人しているかも疑わしい顔立ちは、ともすれば少女のように思える。&br; 多少手入れを怠ったために伸びてしまったらしいブロンドが目に掛かると、煩わしそうに指で寄せた。&br;人間臭い挙動とは相反し、その機械染みた瞳は虚空の一点に注がれている。&br; 赤色に染まった月光を浴びながら、天に聳える月をただ、瞬きもせずに。'' --  &new{2012-01-13 (金) 23:06:42};
---''「あのクロスケめ、見つけたぜ! 俺の仲間をやりやがって!」&br;「今日こそ年貢の納め時だ! 覚悟しな!」&br;「何とか言ったらどうだ、あーん!」'' --  &new{2012-01-13 (金) 23:12:19};
---''集団のからは罵詈雑言が飛ぶ。&br;彼らは志を同じくして集まった共同体であり、その目的とは、眼前にいる男を屠ることに他ならない。&br;黒鎧の男性は百人以上を『殺害』した大悪党として手配されていた御尋ね者である。&br;栄光、名誉、怨恨、様々な感情を背負い、彼らは此処に集結した。'' --  &new{2012-01-13 (金) 23:16:46};
---''何人かが集団から一番槍として弾かれた。&br; 待ち焦がれた恋人が手の届く距離にいるというのに、お預けを喰らうことは我慢ならない。&br; 敗北など頭から抜け落ちた、勝利を確信した表情で、下卑た欲望と共に。飢えた獣たちは獲物へと牙を突き立てた。'' --  &new{2012-01-13 (金) 23:25:51};
---''そして挑戦者たちは思い知る。相手にした男がいかなる存在であったのかと。&br; 男に組みついた何名かが前兆なく吹き飛ばされ、身体が消失した。&br; 彼らと組んでいたPTメンバーの幾人かは、仲間のライフが一瞬で削られる瞬間を見てしまった。&br; そして知る。『これは手を出してはいけない存在なのだ』&br; 転送門へ逃げ帰った数名を尻目に、残された野獣の群れは咆哮した。&br; &br; &br; ほどなく、怒声は黒い鎧が拘束していた狂気と悪夢と絶望に飲まれ―&br; &br; &br; 世界には、静寂が戻った。'' --  &new{2012-01-13 (金) 23:42:37};