名簿/451361

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  • 15回の死を噛み締める
    1度目より2度目の方が、2度目より3度目の方が味わい深く、途中不意になくなった『味』に驚くが
    それでも、充分すぎるほどに腹は満ちた
    • 次いで、飲み込んだ人間の心を噛み砕く
      そこには純粋な好奇心と、希望とか期待とか夢とかそんなものしか無くて
      つまりそんなものの為にこの個体は15度の死を迎えたのか、と
      それは少女にとって理解するに難しかった 悪意がなくてもこんなことが出来るのか、感心こそしたが…気に入らない
      気に入らないけれど これを裁くに相応しいのは自分ではなく、きっとこの固体か 彼らと同じ人間だろう
      • https://lh3.googleusercontent.com/-7BvFL8fT8GQ/TsFcT0qWXWI/AAAAAAAAB1Y/SWabKe9PPYg/N.jpg

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  • 15回の死を噛み締める
    1度目より2度目の方が、2度目より3度目の方が味わい深く、途中不意になくなった『味』に驚くが
    それでも、充分すぎるほどに腹は満ちた
    • 次いで、飲み込んだ人間の心を噛み砕く
      そこには純粋な好奇心と、希望とか期待とか夢とかそんなものしか無くて
      つまりそんなものの為にこの個体は15度の死を迎えたのか、と
      それは少女にとって理解するに難しかった 悪意がなくてもこんなことが出来るのか、感心こそしたが…気に入らない
      気に入らないけれど これを裁くに相応しいのは自分ではなく、きっとこの固体か 彼らと同じ人間だろう
      • https://lh3.googleusercontent.com/-7BvFL8fT8GQ/TsFcT0qWXWI/AAAAAAAAB1Y/SWabKe9PPYg/N.jpg
  • https://lh3.googleusercontent.com/-R1kitiK2WA4/Tr-rzZ2GgxI/AAAAAAAAByQ/g6qG2Z9W3Mc/s605/%2525E3%252581%2525A6%2525E3%252581%252584.jpg
    • 指の先に少し力をいれれば砕けてしまいそうなそれ
      僅かにこびり付いていた蒼色の髪が指先に絡まって煩わしい。
      けれど、それのお陰で手の中のこれは、人間の頭部だということがわかった。

      「……んー?」

      わかったけれど、本当にこれがかつて肉を纏って動いていたのか…確信が持てなく首を傾げる。
      これからは何も伝わらない
      死の間際の恐怖も後悔も、悲しいだとか嬉しいだとか悔しいだとか
      そう言う感情の残滓も感じられない。
      こんなものは生き物だと認められない。
      • 人間だというよりは、人形と言われたほうがしっくり来る。
        良く出来た贋作 例えば演劇に使ったりするような

        彼女にとって人間であるか人間でないかの判別は、一緒にいて空腹が満たされるか満たされないか
        例え僅かでも感情の動きがあるなら、それは彼女にとって人間だ
        それが死体であったとしても、死の間際まで持っていた感情ぐらいは読み取れる
        それが全くもって、どれほど読み取ろうと試みても感じられないのなら…これは人間のものではない。

        骨を置く。
        辺りを見渡せば、同じようなそれは幾つも転がっていた。
        きっとそのどれもが、いつかは足だったり腕だったりしたのだろう。今はただの白い塊だとしても。
      • 次に手に取ったそれからは、僅かに感情が読み取れた

        「……?………んー」

        しかし、薄い
        気のせいだったのか、と思わせるほどに薄いその感情の残滓。
        骨を置く。
        3つめは大きな感情の動きが読み取れて、少し安心した。
        なるほど、これは人間だ と
        そして漸くわかった

        ここにある骨は
               一つ残らず全部
                      同じ個体の骨だ

      • 「は…」
        笑えてくる
        望もうと望むまいと、それに触れただけでこんなに空腹が満たされる自分に
        所詮自分はそういう生き物だと強烈に思い知らされて

        指から落ちた骨は床に軽い音を立てて落ちる。

        一つ また一つ、骨を拾い上げるたびに伝わる感情
        積もる埃の量と、その脆さに比例するように大きくなっていく


        https://lh3.googleusercontent.com/-jjAhIx6ELqU/Tr_AsQKmG9I/AAAAAAAABzA/3OHB_5HNpls/s665/%2525E8%2525A8%252582%2525E6%2525AD%2525A3.jpg 

        やり場の無い謝罪、求められず受け入れられないのに叫ぶ無様さ
        逃避できない痛みが脳髄を焼く苦痛
        喉を震わせる悲鳴が自分の物かすらもう分からない
        悲鳴より先に切れる意識、終わったという安堵
        そしてまた来る目覚めは次に待つ死の為に
        すりきれる すりきれていく 心の柔らかい部分から


        「……あー」
        空腹が急激に満たされていく。
        望もうと、望むまいと
      • https://lh4.googleusercontent.com/-3GcYI93oLQE/Tr_LlvVK2aI/AAAAAAAABzY/Xbwsy98UycA/s716/%2525EF%2525BC%252591.jpg
      • 『ここ』は静かだ
        虫の一匹すら残らず、皆逃げ出した
      • https://lh3.googleusercontent.com/-Zvh2qU1oVb8/Tr_LmicZvLI/AAAAAAAABzg/uzwyNflUAn8/s716/%2525EF%2525BC%252592.jpg
      • 皆察知したのだろう
        『怖いもの』が来ると
      • https://lh3.googleusercontent.com/-yhyD0N2C6b4/Tr_Ln8P4BgI/AAAAAAAABzo/CJOx7Tu5QTM/s716/%2525EF%2525BD%252592.jpg
      • …その怖いもの、というのが 彼であるのか 自分であるのか
        そこまでは分からないけれど
      • https://lh5.googleusercontent.com/-hmeZ9UeGo4M/Tr_LqDEtepI/AAAAAAAABzw/Sco7Fd-QqU4/s716/%2525EF%2525BC%252595.jpg
      • 濁っていく意識、澄んでいく感覚
        …あといくらもしない内に、きっと彼が来る
        その前に少しだけ、仕事をしないと


Last-modified: 2011-11-15 Tue 03:23:40 JST (4517d)