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  • http://notarejini.orz.hm/up2/file/qst051942.jpg -- 2014-03-02 (日) 00:52:58
    • 足元には遠浅の空の鏡。蜃気楼みたいに遠くに見える色鮮やかな緑の楽園。
      人が作ったものは何もなくて、空と鏡と、無数にいるピンク色のフラミンゴ達の鳴く声。

      白いワンピースを翻して、鳥達の合間を走る。
      驚いたフラミンゴが飛び立って、空に新しい色が増えた。
      見上げたらとても素敵な光景が見られるけれど、視線はまっすぐのまま。

      その先には、大好きな人がいるから。

      舞い散る桜みたいに降る羽根のむこうに。

      「ゆるにゃー!!」

      駆け寄って、黒髪の青年を見上げる。こういう仕草をするのも久しぶりって思った。
      あれからずいぶんたったんだけど、目覚めるたびに隣にいる青年にびっくりする。
      ずっと彼は自分より小さかったから。人の腕の中で目覚める事になかなか慣れない。
      ……それはとても幸せなこと。

      「ごはんできたよ?遅いから迎えにきちゃったにゃ」
      落ち着きなくて嬉しそうな顔を見せて、にっこり笑う。
      「……ここはきれいだから、つい時間を忘れちゃうのはよくわかるけどにゃー?」
      空を見上げて、寄り添う。
      -- リラ 2014-03-02 (日) 00:54:26
      • ああ、空を見ていた。(青年は藍と青の交わる蒼穹を見ている)
        (実際の所、ここでは空と海と、うんざりする程いる色鮮やかな鳥たちの他には見るべきものなど何もないのだ)

        明日も快晴だな?そろそろ雨が欲しいけど。
        青年は恋人を傍らに抱き寄せ、風に揺れる柔らかな髪を感触を楽しむように撫でる)
        (青年はこの場所を訪れて以来、飽きもせず毎日空を見上げていた)
        (日に日に変わる微妙な空の色合いや、雲の形が楽しいのだと
        (自分の生まれ育った土地の、埃の積もった灰色の空とはまったく異なる眩い日差しが、心地いいのだといつだか恋人に語っていた)

        さて、今日のメニューはなにかな?すっかり腹ペコだ。
        こいつらも餌が待ちきれないとさ。
        (傍らにいる一羽のフラミンゴの頭を小突く)
        (ふたりがこの島を訪れ野鳥の楽園に居を構えたとき、はじめは遠巻きに見知らぬ闖入者を睨んでいた鳥たちも、今ではすっかり二人に馴れ、
        食事の時間になるとこうして集っては餌を求めるようになっていた)

        まいったな…初めは物珍しさで可愛がってたけど、こいつらすっかり図に乗り始めたぞ?
        どうする?ソテーの材料にでもしてやるか。
        (意地悪に笑って恋人の髪をくしゃりと撫でる)
        (無論本気などではない。
        (朝や夕、宵の口などベランダに腰掛け、鳥たちを眺めるのも二人にとっての日々の楽しみなのだ)


        (他に住むものもいない二人だけの世界──彼らがこの地に求めたものはそれだった)
        (羽色鮮やかな水鳥に囲まれ、何の憂いもなく愛し合う)
        (聞こえるのはただ波の音と、風の音と、鳥たちの羽ばたきと虫の声)
        (時折嵐が吹いてバラック作りの家を揺らすが、そんな時は互いに抱き合い、身を寄せ合って過ぎるのを待つ)
        (やがて陽光と共に青天の空が戻れば、静かに波打つ砂浜を二人で歩く)
        (訪れる人も稀な鳥達の小さな島には、恋人達の穏やかで満ち足りた時が流れていた)
        -- ユルナート? 2014-03-02 (日) 02:06:07
      • 雲が多いから急に降るかもしれないにゃー。こないだは雲あんまりなくてもざーって降ったし。
        (見上げると、彼の横顔越しに青い空)
        (髪を撫でる手は自分よりも大きくて)
        (そんなとても小さなことに、いちいち感動してしまって)
        (ユルナートが子供の姿から大人の姿に戻ってしばらく、事あるごとにうれし泣きして困らせていた)

        あっ だ、だめにゃ!鳥いじめちゃ…おいしくないにゃんよ、ピンクだし!
        (わたわたと、冗談だって解ってても間に受けたようなことを言ってしまう)
        (フラミンゴを手で遠ざけようとしても、何か持っているのかと集まってきて、ため息)
        もー…喰われても知らないにゃんよ!
        ……今日はね、あんちょびとーあさりとイカとかエビとか入れたトマトのパスタ!
        プッタネスカ・リラにゃんこさん風ですにゃ!
        (沢山沢山買い込んで保存の魔法をかけて持って来た食材で、毎日彼のために凝った料理を作っていた)
        (街だと頼まれ仕事なんかでこんな風に毎日じっくり作るなんてできてなかったから楽しい)
        (おいしいって沢山食べてくれる人がいるから毎日何を作ろうかって悩むのも楽しい)
        (時間がとてもゆっくりで、誰も邪魔をすることのできない世界)

        (本当は、すぐに飽きてしまうかもってどこか思ってた)
        (だけど、ぜんぜん飽きなくて)
        (空が綺麗で、全ての緑は命に溢れていてまぶしい。光の当たるところでは生きられなかった自分達にも分け隔てなく優しく、厳しく)
        (美しさに気づいて、分かち合える人が隣にいるのが何よりもとても嬉しくて)

        (ふわふわのくせっ毛を遊ぶように撫でられると、抱きついて身を任せる)
        (体を預けられる幸せを、かみ締める)

        この子達には後で焼きすぎたパンをおすそ分けにゃ。ご飯食べたら二人でいっぱい千切ろう。
        (こんな他愛の無い会話も、小さな約束も、何よりも大事な事のように笑顔で言う)

        (そんな笑顔に、ぽつりと水滴……雨だ)

        (一斉に飛び立つ鳥達。舞い散る羽と、勢いを増していく温かな雨)

        わっ 雨だ…!!
        急ごうゆるにゃ、びしょびしょになっちゃう!!

        (恋人の手を引いて走り出す。嬉しそうに子供のような笑い声を上げて)
        (陽を覆っていく雲の隙間から零れる日差しがきらきらと雨を輝かせる)
        (屋根のあるベランダまで、二人で笑いながら走っていく)
        (たどりついた頃には水浴びしたのと同じようにびっしょりだった)
        (そんな事も嬉しくて、笑いながらタオルを持ってきて恋人にかぶせた)

        (……そっと背伸びして、タオルを引っ張り隠れながら唇を重ねる)
        ……えへへ。
        (娼婦だったとは思えない、触れるだけの、初々しいキス)
        虹がでるかもにゃー…すぐ気づくようにベランダで食べようか。
        -- リラ 2014-04-04 (金) 14:24:53
      • そうだな…(雨曇りの空を見上げて眉根を寄せ)
        なあリラ、これからお前はどうしたい?一生ここで皺くちゃになるまで生きるのもいいが、これから俺達はなんだって出来る。
        再び冒険の海原に戻るのもいいし、どこかに小さな城を立てて、千人の家臣をかしづかせる事もできるかもしれない。
        (恋人の額に優しい接吻を返しながら、黄金に輝く豪奢なドレスと王冠に飾られた姿をイメージする)

        物語の終わりはいつもこうだな…『二人はその後一生幸せに暮らしました』──でも、一生たって長いんだぜ?
        きっと些細な喧嘩もあるし、どうにもならない困難だってあるだろう。それを含めて『一生幸せ』って事なのかな?(小首を傾げて不思議な表情を浮かべ)
        想像してみよう、リラは物語の主人公さ。エンドマークが付いたその後を、ここから広がるのは無限の余白だ。
        リラはどうしたい?ここはようやく辿り着いた楽園だけど、世界の果てって訳じゃない。
        リラがまた先へ進みたいのなら俺はずっと着いていくし、ここに留まりたいのなら、俺はずっと傍にいるよ。
        羽ペンはリラの手に今握られてるのさ、わくわくするだろ?

        (ダンスを踊るように恋人の手を取り腰に腕を添えると、雨音のメロディに合わせてくるりと回る)
        (遠くに聞こえる水鳥達の声は、久方の雨を喜んでいるのかいつもの食事を待ちわびてのものか) -- ユルナート? 2014-04-04 (金) 15:06:52
      • (沢山のやさしいキスのあとに、雨音にあわせて優雅に踊る。ベランダの屋根の下は小さなステージのようになって)
        (雨はキラキラした薄いカーテン。二人だけの世界にまた小さな箱を作ってくれる)

        (回りながら、踊りながら、答えを考える)

        (間近には大好きな人の顔)
        (……それで十分。今は)

        (倒れこむように抱きついて)

        今はここでいい……ここがいい。
        もうどこにも行きたくない……ずっと、ここで一緒にいて。
        離れ離れになる怖さから開放されて…今とても幸せなの。

        ゆるにゃと一緒に、ずっとここにいたい。

        ……えへへ、ゆるにゃがここ飽きちゃったら、また考えてもいいけど。

        それでね

        僕ね……子供が欲しいな。

        僕の体じゃ無理だと思うけど…いつか…って、夢を見ながら一緒に穏やかに暮らしていたい。

        (それはとても小さな夢)
        (普通の人間なら簡単に手にはいる)
        (でも、リラには届かないもの)
        (恋人でいることが自慢ではあった)
        (けれどいつからだろう。小さな恋人を抱きしめるたびに少しずつ)
        (二人に良く似た子供が欲しいって思うようになっていた)

        (それが叶わない夢でも)
        -- リラ 2014-04-04 (金) 15:49:51
      • そうか。リラが望むなら。(憂いのない笑顔で恋人に応え、優しい口付けを返す)
        子供かー…ふん。何人くらい欲しいんだ?この島が手狭になって溢れちまうくらい?(からかうように顔を顰め、リラのお腹を優しくくすぐる)

        そうだな…のびのびと育てるにはここはいい場所さ。きっと生まれたらやんちゃな子供になるぜ?
        そしたら俺達の話をしてやろう。パパとママがどんな人生を送って、どんな困難を経てここにいるのか。
        いい事も悪い事もさ…残酷な世界でも生きていけるように。折れない心と手足を持った、丈夫な子供になるように
        (カーテンのような雨に煙る曇天の空を見上げ、呟くように語る)

        でも、そんときゃ覚悟しなきゃだぜ?俺は嫉妬深いからな。
        きっと子供のおっぱいも奪いたがるぜ?大きな子供が増えるようなもんさ、リラママは気の休まる暇もない。
        (大袈裟に悪そうな笑顔を作ると、恋人の胸に顔を埋めて)

        俺はリラが傍にいてくれればそれでいいさ…その手を離さないでいてくれるなら。眠る時も、愛する時も。
        心配掛けたな?これからはずっと一緒さ。
        (恋人の手を取ると、動脈の温かさを確かめるように細い手首に唇を沿え、やがて首筋、こめかみ、額へと接吻を移していく──)

        さて、腹も減ったな。食事にしようか。
        見なよ、そろそろ雨も上がる。鳥達もじきに戻るだろう。
        (青年が目を細めて彼方を見れば、言葉通り雲の切れ間からわずかな光が差し始める)
        (天使の階段と誰がそう呼んだのかは知らないが、薄明を背に優雅に舞う水鳥達の群れの姿は、まるで完璧な絵画のように、地上に在らざる天上の風景のように鮮やかに二人を照らし出す) -- ユルナート? 2014-04-04 (金) 16:33:17
      • いっぱいもいいけど、三人くらいかなぁ…女の子の姉妹がいいな。男の子はゆるにゃひとりで手一杯だもの。おっきい子供。
        (背伸びをして、キスをして、くすぐられるとくすくす笑う)
        きっと皆お父さんの事大好きになるにゃ。
        僕に良く似たくせっ毛で、ゆるにゃに良く似た黒い色で。
        ああ、僕の口真似しないようにしつけないとにゃ。僕が直してもいいんだけど…それはちょっと寂しいのにゃ。

        大丈夫、きっとね、すごくかわいく思えるようになって、子供に嫉妬どころかめろめろになるから。
        妹も、父親も皆そうだった……大丈夫だよ、父親って言うのは子供と一緒になっていくものだっていうもの。
        にゃふふ、母親もね?子供の世話はよくしたけどにゃー「育てる」はまた違うよね。
        (胸に顔を埋める恋人の髪をやさしく撫でながら、子守唄のように未来を囁く)

        (優しい口付けに言葉ではなく笑顔でゆっくりと頷いてみせる)
        ……ありがとうユルナート。ずっとそばにいるよ。キスだって、抱きしめるのだって、好きなときにしてあげる。

        (雨音はいつの間にかとても小さくなっていた。雲間の光が増えてきて……また緑と海を輝かせていく)
        ん、そうだね。ご飯を鳥達も待っているだろうし。
        (遠くの鳥達を見る彼に、自分から頬にキスをする)
        (くすくす笑って二人だけの家の中へ)

        (それから)
        (ベランダのテーブルに、かわいいチェックのテーブルクロスをひいて、できた手のパスタを二人分)
        (羨む水鳥性質の声を背に、楽しい食卓)
        (鳥達に餌をあげたあとは何にしようかなんて話しながら)




        (朝は恋人の腕の中で目を覚まして、おはようのキス。今日は何をしようかって話しながらシャワーを浴びる)

        (昼は鳥達にご飯をあげて、散歩をしたり、釣りをしてみたり、生活のための道具を作ってみたり)

        (夕方に、遠くへ帰っていく鳥達を見ながら二人で夕食のための準備をして)

        (夜は満天の星を見上げながらお酒を少し口にして、沢山愛し合う。お休みのキスは忘れずに)


        (そんな毎日の繰り返し)
        (夢のように繰り返し)


        (……夜中にふとと目を覚ますと、恋人の寝顔がすぐそばにあった)
        (穏やかな、少年みたいな、かわいい寝顔)

        ……愛してる。ユルナート。

        (小さく小さく囁いて、もう一度腕の中で眠りに落ちる……)


        (幸せな、憧れ続けた楽園が、今ここにあった)

        (でも、本当は知っていたの)
        (二人でいるならどこにいたって楽園だった事を………………)


        -- リラ 2014-04-04 (金) 17:28:27
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Last-modified: 2014-04-04 Fri 17:28:27 JST (3646d)