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- 第 四 章 - 計略の教団 -
- 厚い雲が街に闇を落とし、重苦しい夜霧の中を駆け抜ける朱の影がある
茜色にたなびく髪と胸を揺らして走る姿の名前は退魔師、梢。 退魔師としての訓練を積んだ彼女は息を乱すことなく夜の街を駆けているが、その心中は到底穏やかと言えるものではなかった 彼女の心中を惑わす原因、それは知己の仲にあるアリスの存在だった 先の凌辱で傷の癒えない梢の下に、差出人の書かれていない文が届けられた そこにはエクソシスター・アリスを捕えたこと、梢がこのままこの文を見なかったことにすれば彼女は帰らぬ存在になること それを由としないのであれば指定する場所に誰にも告げずに来る事と、かいつまめばこのような内容で締めくくられていた 当然、梢はアリスを見捨てる事を選べるはずもなく傷を押して彼女への救出へと向かっていた 文に記された目的地、この街に住む者ならば一度は耳にした事のある場所 ────── エンデルング教団、その本部の門が梢の前に現れたことだ''
- ――(早駆けの符を用いての疾走を緩める。きゅ、と音を立てる足元には気を向けず、小さく息を零した)
(エンデルグ教団。いろいろと噂を耳にしてはいる。そのほとんどがきな臭く、いかがわしいものではあったが) (しかし、今回の一件で、灰色だった疑いは一気に黒へと傾いた。こともあろうに、アリスが、彼女がここに囚われているというのでは―) …まったく。不甲斐ないわね、アリス(口端に登るのは、嘲笑めいた言葉。しかし噛み締めた唇と、緊が解けない表情が、彼女の本心を物語る) -- 梢
- エンデルング教団、数年前からこの街で台頭を始めた新興宗教団体である
堕落神であるはずのエンデルングを崇め、人間の潜在能力開放や成長を目的として活動を行っており 教団に入信すると病が傷が癒える、芽の出なかった才能が開花したお陰で有名になれたなど市井からの評判は上々である しかしどのようにして可能性を伸ばすかなど、それらは教団の秘儀とされ隠匿される上に入信すると必ずといっていいほど"人が変わってしまうのだ” 別人になるといってもいい変貌、これに疑問を持った有識者や記者もいたのだが…、その全てが調査の過程で消息を絶ってしまっているのだ 街のブラックホールとも一部では揶揄されるが、人は誰しも才能の開花を願う。そして今もこの門をたたく入信者の流れは途絶えない 渾然と構え堂々たる門構え、宗教団体の施設とは思えぬ豪勢な佇まい そして深夜にも関わらず、まるで梢が来ることを予期していたように門は開放されていた しかし周囲に人気はなく、梢からすれば正面の入口までの道が不気味に見えてしまったことだろう
- (人気はなく、しかし開け放たれた疑惑の教団の本拠への道。罠か、と口にするのもバカらしい、ある種の潔ささえ感じるその現実を前に、息を整える)
(夜霧が肺を満たすその感覚に身を震わせながら、腰のバインダーを展開する) (…体調は、万全であるとは言えない。あの醜悪な蛙顔の坊主によって体に打ち込まれた媚薬は思った以上に強く、気を緩めれば胸の奥から微細な電流が走る程だ) (しかし―)―こんなものに、日之杜の巫女が屈するものですか! (夜闇の中、それすらも照らし霞ませるのではないかと思う程の、静かな気迫。その整った身を全力で振り動かし、梢は、教団の敷地へ、敵陣へと、真っ向から踏み入った) -- 梢
- 静寂を破る快音と共に教団本部のドアは開かれ、梢の目には教団の利用する礼拝堂が入ったことだろう
一般的な礼拝堂に形は似ているが、奥には横幅をとられた説教壇はあるが十字架はなく代わりに見た事のない女神像が壁に掛けられていた …そしてその下段、説教壇の上には梢もよく知る人物。アリスが仰向けに寝かされている 彼女を囲むようにして緑の外套を目深に被った者達がおり、梢の侵入に対しても目を向けることもなくアリスに何らかの儀式を執り行おうとしていた
- (夜霧を通して薄まった月明かりを背に、小さな太陽がその静謐の場にその身を降ろす。揺らめく蝋の灯りに目が慣れれば、何が起きているのかはすぐに知れた)
アリス!(名を呼びながら、走り出す。スカートのバインダーから飛び出した符を両手の指で挟み取り、力を込めて巫女が前へ出る。並ぶ長椅子と長椅子の間、赤黒い絨毯が敷き詰められたその道を、解き放たれた鏃のごとく駆け抜ける) アリスを離しなさい! -- 梢
- 梢の一喝にさしもの信者たちも驚いたのか向き直り、檀上の供物には行かせまいとその進路を身を挺して塞ぐ
彼らの目は一様に充血したかのように赤く、爛々と灯ったその瞳には狂気にも似た覚悟が見えていた それを見た梢は生半可な術では彼らを止められない、そう思うかもしれない
- (その狂気に満ちた眼光を受けて、背筋が震える。それを一瞬で押さえこんでから、巫女は振り上げた札を、四方へ振り放った)
(紅の印が記された札は、信者の群れに到達するその直前、橙の色を放ち―次の瞬間、焔と轟音に変わった) 爆ぜなさい、《火槌》!!(耳を貫く爆発音、視界を、目を灼くほどの閃光。衝撃もさることながら、通常の人間を無力化することに長けた巫術を加減することなく放ち、異教の祭壇を制圧しようとする。傲岸不遜に振る舞う巫女の瞳には、爛々とした怒りの色が宿っていた) これ以上、彼女に手を出してみなさい。人であろうとなかろうと、焼き尽くしてあげるわ…! -- 梢
- 檀上のアリスと長椅子の回廊を走る梢、その合間に挟まれた信者と投じられた符が激突する
槌の名が示すようにさながら閃光の一振りとなって信者たちの意識を揺さぶる。ある者は狼狽え、ある者は目を押さえながら闇雲に手を伸ばし、ある者は昏倒して床に伏せっていた 彼らを無視して進むのもこうなれば容易で、檀上の人質を回収するのもまた一つの手だ。無論、無力化された彼らに留めをさしても良い
- ―ふん(壊滅寸前の信者を一瞥し、その脇を悠々と通り過ぎる。…一時の感情に振り回された己を恥じる心も、その頃には芽生え始めていた)
(自分の術は、その技は、魔を焼き祓うためのものであり、暴徒を鎮圧するためのものではない。その教えを、一時の感情で無にした己の未熟さには、心が曇る) (―しかし、それを反省し、律するのはもう少し後にすべきだろう。祭壇と思しき場に横たわる修道女へと歩み寄り、その頬を軽く叩いた)…さっさと起きなさい、アリス。ここは教会のベッドではないのよ? -- 梢
- 覚醒を促されたシスターの瞼が薄らと開き、まどろむ意識の中で彼女の名を口にする
「─── コズエ……」 巫女に背を支えられ身を起こす。夢現から覚めたアリスは人目はばかることなく、梢の腰に手を回して抱き着いた 腰を掴む手と肩筋は震え、プライド高く弱音を吐くことのないアリスがライバルへと見せてしまった泣き所 梢の胸に顔を埋めるかの如く顔を伏せ、表情を悟られまいとするアリスの姿を梢は何と思うだろうか
- わ、と…!(予想外の行動に出られて、戸惑いの声をあげる。気丈かつプライド高い振舞いを見せる彼女からは想像ができない反応だった)
…これで貸し一つということで構わないわよね、アリス。貴方程の人間が、こんなところで囚われるだなんて、油断が過ぎたんじゃないかしら?(口調は彼女を嘲るように。何か、言い返してくることを期待しての物言いだった) とにかく、早くここを離れましょう。長居は無用だわ。 -- 梢
- 梢の期待、それは普段のアリスを知っているからこその叱咤でもあった。
憎まれ口を叩きながらも安心して背を任せることの出来る仲間。そう願っての囀りだったのだが、返ってきたアリスの言葉は梢の予想に反したものであった
「にげ…逃げて……コズエ……」 直後、梢の腰に触れていた手が腰に備えられたバインダーへと伸びる アリスの言葉の意味を理解するまでの一瞬、だがその隙を持って不意の裏切りは敢行された バインダーを掴んだ手が横に開かれ、ハードポイント式に接続されていたバインダーが無造作に引き千切られる 符を収納しているバインダーは梢にとって敵地での生命線といえるが、その頼みの綱は床に乾いた音を立てて転がるのだった
- (憎まれ口が紡がれるはずだったその唇から洩れたのは、引き攣った声音、そして逃避を乞う内容)
え―?(予想とのギャップに、つい呆けた声をあげる。それが、致命的な隙になった) あっ―!? あ、アリス、一体何をしているの!?(金属が擦れ、カラカラと乾いた音を立てる。慌てて距離を取りながら、叱責めいた非難の声をあげた) -- 梢
- 力の抜けたアリスの拘束から抜け出し、距離を取った梢の視線に下唇を噛んで肩を震わせるアリスの姿が入る
抱き着いていたときと同様に肩筋を小刻みに揺らしているが、それは怯えや不安というよりも何かに堪えているといった面持であった だがそれを突き崩すかのように、アリスのボディスーツが内側より波打つ 肌とスーツの内側で大蛇がのたうつかの如く。青地のスーツが暴れ、堪えていたアリスの頬と声が桃色へと染まった 「ぁ…ああーーー! こ、これ以上は…コズエ…おねが…い、い…ああああーーー!!」 アリスの悲痛にして色のある声が深夜の礼拝堂に吸い込まれていった 絶頂に達し、身を仰け反らせたアリスがゆっくりと。気だるげに体勢を起こすとそこには梢の知るアリスはもういなかった 凛とした表情は蕩け、指を唇へと持って行けば舌で舐め熱を帯びた視線を梢へと向ける
『 ん…ふふ。存外と手こずらせてくれましたわね 』
- ―お前、何者…! アリスはどうしたの!?(ここに至り、ようやく巫女にも事態が理解できた。これこそが、ここに仕掛けられた《罠》だったということか―!)
(素早く、視線を巡らせる。肝心要の自分の力の源は、先ほどの隙を突かれてアリスの―アリスの姿をした何者かの近く、足元に転がっている) (それを取り戻すことができるか、否か―試算を胸で繰り広げながら、じりじりと間合いを整える日之杜の巫女) -- 梢
- 『何を言うかと思えば、私はアリスですわよ? ────── ただし 』
続きは言葉ではなく、冷笑するアリスの首が震動するように揺れればその口内からゲル状のスライムが尖塔を築くかのように吐き出される};
「中身は別だったりしますがね。…初めましてコズエさん」 アリスの口から伸びたスライムがその表面に水面のような表情を形作り、梢に向けて卑しい笑みを向けていた 「私、この教団の司祭をしているマティアスと申します。…が、あまり動かれないように 友人を犠牲にしてまで助かるつもりならばそれでも良いでしょうが」 マティアスと名乗った妖魔がアリスの喉元をゲルで包みこみ、効果したゲルが縄のように頸部を圧迫させていく 梢の戸惑う姿を見たとき、マティアスはしたり顔を浮かべてアリスの体内へと戻っていく
シスターの体を内側から支配している妖魔は、ソプラノトーンの声にて悪魔の囁きを持ちかける 『分かっていただけました? 無駄な抵抗…とは言いませんけど、私を見捨てたら恨みますわよ?』 口調も仕草も梢の知るアリスのものだが、違う点をあげるとすれば彼女にはない好色の視線で梢を舐めまわしてみていたことぐらいだ 間合いを整える梢に対し、一歩。前へと出ればまるでステージを歩くモデルのようにかつかつと足音を立てて
- …この、下衆…!(最大の侮蔑を込めて、吐き捨てる。それが、今の丸腰の巫女にできる最大の抵抗だった)
(いや、他にもできることはあるだろう。自分を見つめるその視線の意味を知ってか知らずか、肩を僅かに震わせながら、一歩、また一歩と下がっていく) く、しっかりしなさい、アリス! 貴女それでも、誉れ高いルシアンのエクソシストなの!?(いろいろな感情を滲ませた声で、呼びかける。そうしているうちに、足が何かにぶつかって、バランスを崩した) しまった…!(気づけば、長椅子に腰を下ろしてしまっている。焦りが、背後の確認を怠らせていた) -- 梢
- 梢が腰を落としてしまった長椅子に視線を配ったとき、腰に手を当てていたアリスが目の前へと立つ
ほんの一瞬、視線を後方に流したその合間が無防備となった 梢が心中で焦りを覚えたとき、ふくよかに膨らんだ胸の果実にアリスの手が押し当てられる 未だに恥辱の後遺症が残る肉体に、疼く痺れが乳房を中心として広がる 『いやらしい胸ですこと。ふふ。彼に犯されてから我慢できずに、その胸を使ってオナニーしていたのかしら?』 その口元が弦を引くように吊り上り、梢の胸を揉む力と速度が増していく
- う、あっ!?(自分に覆いかぶさるようにして行動を封じてくる、見慣れた女の姿。その手が自分のふくよかな胸を撫で擦り、強く掴んできた途端、巫女の口から掠れた声があがった)
くっ…離しなさい、汚らわしい!(指が胸に食い込むたびに、その奥から駆け上ってくる電流。ちりちりとしたむず痒さを堪えながら、両手でアリスの手首を掴んだ。どうにか力を込めて、引きはがそうとするが、上手く通らない) お、おな…だ、誰がそんなことをするものですか…!!(オナニー。自慰。その単語の意味は、知っている。早口に否定を告げるが、その顔は朱に染まっていた)ふ、く…う、あぅっ…!? -- 梢
- 蟇坊主の手によって行われた凌辱の傷は深く、性感帯を開花されてしまった巫女は否応なくその口から桃色の息を吐くしかなくなる
力が上手く入らないのに加えアリスの手は女性の細腕とは思えぬ力を発揮し、同時に先ほどスーツの内側で暴れていた物の正体も掌の触感で感じ取ってしまう アリスのグローブの裏側、肌とは別にぶよぶとよした弾力のある何かが犇めいていた 梢が力を込めてしまった手首から追い出されるようにそれは這い出て、アリスの肉体を支配するゲルが滴り出る 深緑の色をしたゲルは青色のグローブを伝い、アリスの手首から甲へ。甲から指へと這い進む 指に絡みついた粘液は梢の乳房をローションでも塗るかのように広がり、その刺激はあの妖魔の体液にも似た媚薬効果を生んで梢を苦しませることだ 『うふふ。彼から聞いて知ってますのよ? "これ”をコズエが大好きだって』
- ひっ―?(そのぶにょりとした感覚に、嫌悪感が先に出る。それでも手を離さないでいたのは、一重に彼女自身のプライドの高さやその他の賜物だったのだろう。しかし、それが裏目に出ることとなる)
う、あ、くっ…!?(白装束の上から塗りたくられる粘性の液体。それが布地を通して肌に、今も形を変える張りのある乳房に触れたその途端、奥から湧き上がる快感が跳ね上がった) (うっすらと透き通って見える柔肌、その先端に息づく桜色のものが、ぷくりと浮き上がる。それを掌で転がされる度に、腰を跳ねさせて巫女は身悶えた) マ、ティアス…だった、わね…う、あぅっ…! あ、あの男…あいつと、貴方…同類だってことかしら…!? あっちは蛙だから、さしずめ、蛇か何かかしら…!? -- 梢
- 『 同類? ふふ、違いますわ。…彼は私たちの同志ですのよ 』
口調はアリスのものだが、同志と名指したのはマティアスのものである。彼はアリスの体を使い、前のめりに身を傾け梢と頬が触れ合う近さでせせら笑う 『 蛇とは言い得てますわね。なぜなら、これからコズエを快楽で飲むのですから 』 梢の視界がアリスの額に塞がれ、唇に柔らかい感触が重ねられた マシュマロのような弾力で重ねられたのはアリスの唇。巫女の初めてを奪った接吻はあろうことか、同性からによるものだった どきりと鳴る鼓動を塞ぐようにアリスは唇と共に体を押しつけ、前のめりになった体を椅子に座らせられた梢の太ももへと腰を落とす 重ねられたアリスのボディスーツはグローブと同様、ウォーターベットにも似た感触を梢へと伝えた だがグローブだけでなくブーツや首元といった箇所からもゲルは溢れ、滴るスライムは潤滑剤となって重ねられた2人の体を滑らす 『ん、あ。あ、いいですわ…あ、は。コズエの胸がこすれて……あ、ぅ…ん』};
- (やはり、あの男が―殺意にも似たものが沸き起こるのもつかの間、与えられた感触に、一瞬だけ思考が真っ白になった)
ん、むっ…ん、むぅぅっ…!?(一体、自分は何をされている―そう自問する間にも、湿ったものが押し付けられ、唇を割り開き、艶めかしく蠢く舌が自分の口内を蹂躙していく。知らず、頬を熱いものが伝い、零れていた) ぷ、あっ…! い、いい加減、にぃっ…!?(修道女の全身から溢れ出す淫液が、体全てを濡らす。太腿の間、股間にそれが触れたと感じた瞬間、熱が、腰の奥深くを焦がすような勢いで燃え盛る)う、あっ…あ、あっ…!? やや、めっ…あ、うあぁっ! -- 梢
- 『 ほらほら。我慢しませんと、彼が来るまでに持ちませんことよ? 』
梢の腰を浅く抱き、お互いの体を押しつけ擦り合えばマッチのように欲情の火も灯る 『 妖魔の体液に冒された退魔師は後遺症に悩むと聞きますけど、コズエの場合は元々から淫乱だったのを開花されてしまったのかしら 』 くすくすとした嘲笑を耳元にて囁けば梢の自尊心を踏みにじり、唇・うなじ・腰・太腿と彼女の性感帯をなぞり快感へと導く 導きの手はクロッチによって守られた花園へと伸び、その表面を擦れば甘き疼きが梢へと与えられる
- い、やぁっ…!(女の腕による、しかし苛烈な拘束に身をよじる。それが二人の体の擦り合いを生み、疼きに拍車を掛けていく。押しのけようとする腕にも力は入らず、悔しさから溢れ出た涙が、巫女の目尻から零れ落ちた)
淫乱、なんて…ひっ…ん、ぐっ…そんなこと、ない、…ないぃ…! あ、ふああっ…!? (粘液によって透き通り始めた白装束、そこから見える秘所をなぞり上げられ、電流のような刺激を感じた。…自分が擦り上げたときよりも遥かに強い刺激を) (もし、直にそこを擦り上げられたらどうなるのか―一瞬それを想像し、顔を青褪めさせる)あっ、う…う、ううぅ…! (唇を噛み締め、舌を拒む。背筋を張り詰めさせ、迫りくる悪寒に身を震わせる虜囚の巫女) -- 梢
- レオタードの生地の上から擦られる快感、それは閉じられた扉をノックでもするかのよう上下を往復しては巫女の身を震わせる
操られたシスターの指は沼にでも沈むようにクロッチの窪みへと押し込まれ、禁欲を強いられてきた巫女にとっては未知の感覚が電流となった駆け抜けた その刺激は下腹部から脳天までを一瞬で支配し、動きの緩んだ梢の唇を割って舌を入れるアリスの姿がある 『ん、ちゅ…あ、はぁ。コズエの初めて…美味しいですわ……あ、んぅちゅ…』 興奮に駆られたシスターの指が引き抜かれては沈み、指の第一関節までが粘液に濡れたレオタードごと情感の窪地を刺激し続けていた
- う、あっ…!?(自分でも忌避を覚えてなかなか触れることができずにいた秘奥、その浅瀬が、浸食される。清い身を護るものであるはずの衣、それ自体が、巫女の膣を、容赦なく擦り上げた)
う、うくっ…う、うっ…!(唇は、すでに紅いもので濡れている。それほどまでの自制を強いても、すでに媚毒に冒されきった肢体は、彼女の意思などたやすく裏切り、まだ到達したことのない高みを望んで快感を受け入れていく) や、くっ…くる…何か、きちゃうっ…あ、っ…ああああぁっ…!! (全身が張り詰める。首を逸らして喉を曝け出し、腰を、伸ばした足を震わせて、巫女は絶頂に達した。ぷしゃぁ、と布地ごと潜り込むシスターの指の隙間から、僅かに濁った愛液が溢れ、椅子を、床を濡らした) -- 梢
- 絶頂に達した梢が肩で呼吸をし始めるとシスターはクレバスから手を引き、指の合間に糸を引いて滴る愛液を見て笑みをこぼす
まるで果実を口にでもするかのような仕草で指を咥え、梢の羞恥を液にして反芻すれば淫蕩に表情が緩む 『ん、ふ。ふふ…。素晴らしいですわぁ…コズエのお汁、すごく美味しいですの』 頬を手で支えうっとりとした表情を熱と共に浮かせば、体を操られるがままに身動きの取れぬ梢の下へ─── だが、それを遮る声があった
「 困りますな、マティアス殿。その巫女はワシの担当だといったはずじゃが…」
- はー…はー…!(だらしなく開かれたままの唇から涎を零しながら、迎えた絶頂の強さに身を震わせる巫女。頬が熱いのは、知らずに零した涙のためか、それとも、未だに燻り続ける媚毒のためなのか)
(さらに身を寄せようとしてくる囚われのシスターを、押し止める声。今の彼女に残されている精一杯の嫌悪感を視線に乗せて、どうにか首を巡らせた) 蟇坊主…っ! -- 梢
- 『ふふ、ごめんなさい。コズエのいやらしい姿を見ていたら我慢ができなくなってしまって
…でもあなたが出てきたということは傷が癒えたということかしら?』 -- アリス(マティアス) 礼拝堂の奥、闇の中より現れたのは梢にとって仇敵とも言える男だった。 アリスを操るマティアスが傷といったように男の表皮の殆どは酷い火傷の痕が残っている。 爛れた皮膚、膿んで水膨れとなったその表情はまさに蝦蟇と呼ぶべき形相であったことだ。
「久しいのう、梢…。お主にやられた傷を見るたびに今のお前の姿を思い浮かべておったわ」 -- 蟇坊主
(悶える梢の前に立つとその細顎を指で掴み、嬲るようにその視線をめぐらせた) 「ひひっ、いい姿じゃのう。どうじゃ大好きなシスターと戯れることが出来て楽しかろう」 -- 蟇坊主
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- 【 第三章 】 - 汚泥の罠 -
- 「忌々しいですわね、まったく…」
べちゃり、と音をあげて柔らかい形状のものが崩れ落ちる音がその場にて響く。 崩れた場所を中心として周囲の床に不浄の沁みを作るソレは俗にスライムと呼ばれる魔物のなれの果てであった。 先ほどの声の主、シスターのケープをかぶっているがその肉体は扇情的にもボディラインがあらわとなった密着したスーツを着ている。 その手には一挺の銃、しかしこれは私たちの知る一般的な銃とは異なり霊力を込めて放つ魔導式によるものだ。 その証拠として彼女の周りには薬莢は転がっておらず、息絶えたスライムには弾痕が焼け焦げたような形となって残っている。 魔導銃から放たれた弾丸は熱線となってスライムを貫いたのだろう。しかして若きシスターの表情は浮かず、うっすらと狼狽した様子さえうかがわせる。 「本当に忌々しいですわよ……。コズエ ─── 」 -- アリス
- 数日前、アリスには仕事の依頼とは別にある知らせが届いた。
それはアリスと既知の間柄である梢の話だ。妖魔との戦いで梢が負傷し静養を余儀なくされた事だ。 本来もこの仕事は梢へと回される仕事だったのだが行動のできない彼女に代わってアリスへとお鉢が回ってきたという次第。 周囲には先ほどのスライムとは別の個体のなれの果てが壁や天井、そして脇を流れる不浄の川に沈んでいた。 「下水道のスライム退治なんて駆け出しの冒険者まがいの仕事なんて…」 忌々しいと呟いた一言、それはライバルの負傷と自尊心を傷つけられるようなこの依頼に対して生まれた言葉であった。 -- アリス
- スライムが放つ特有のゴムとゲルが入り混じったような臭いとは別に、湿気と悪臭に満ちた下水道は思わず顔をしかめたくなるような惨状であった。
「旧市街の下水道を放置してたら妖魔が沸いたなんて職務怠慢もいいところですわね」 ここに来るまでにどれほどのスライムや瘴気にあてられ狂った大鼠などを相手にしてきたことだろうか。 本来、アリスの実力からすれば大鼠もスライムも相手にならないほどの実力差がある。…だが 「ふぅ…はぁ……」 アリスの口からついぞ疲労の息が出てしまう。このように数を相手にするのとスライムが相手ではアリスとは相性が悪いのだ -- アリス
- モンスターの中では下級の部類とされるスライム、その身を構成するのはジェル状の物質であることは周知の事。
液体に近い性質を持つスライムは物理攻撃が通じにくく、それは魔導銃を持つアリスにとっても同様の事が言えた。 「………く、こう数が多くてはキリがありませんわ」 魔導銃は持ち主の魔力や霊力を使って術式による効果を対象に与えるが、それも所詮は点での攻撃だ。 スライムは前述のように液体としての性質が強く、物理攻撃による線や点での攻撃は効果が薄い。 この場合、スライムに対して有効打となるのは術式による゛面゛での攻撃であろう。 したがって術符を得意とする梢がこの依頼には最適ではあったのだが… 「依頼者にしてもそうですけど、コズエもコズエですわ。妖魔ごときに遅れを取るなんて…」 -- アリス
- 退魔師の世界では日乃杜家の存在は大きい。分家を数多く持ち、その直系の巫女ならば然るべき実力と地位を持つ。
その直系の巫女が傷を負わせられた。それも静養を余儀なくされるほどのものを。 従ってこの事は内密に処理され一部の人間にしか伝えられず、アリスもルシアン修道院の情報網が無ければ知り得ぬ事であった。 「…私たち退魔師は女性が多く、妖魔に手傷を負わせられたというのは───」 普通の怪我ならばまだ良い。普通のモンスターとは異なり、妖魔は穢れの溜まった存在だ。 淫の気を持つ悪しき者たちは女性を性欲の捌け口として扱い、これまでに何人もの退魔師が依頼の失敗で凄惨たる末路を遂げてきた。 妖魔に傷を負わせられた。それはこうした事柄に対して比喩的な意味でも使われる。 「ですけど…。梢が妖魔にいいようにされたなんて思いません………わ!」 アリスが銃を構えて後ろを振り向き、その引き金を引けば布のように面積を広げたスライムの皮脂を撃ち貫く。 -- アリス
- 引鉄を連続して指で弾けば銃口からの熱線が枝分かれするように四方へと飛び、衝撃で揺れるスライムの身に十字の穴が開く。
聖なる十字の弾痕を刻まれたスライムは身を震わせ、その場にて力無く崩れてただの液体となる。 「う、…く。はぁ……」 しかし一度に銃を連射してしまったアリスの額に疲労の汗が噴き出る。ただでさえ相性の悪い妖魔との連戦なのだ。 だが下水道に巣食う妖魔はまだ到底討伐仕切れていない。 汗を手の甲で拭い、周囲を睨みつける視線を配ればまだ至るところからスライムが沸いて出てくるではないか。 自分に向けられる妖魔の敵意、だがこの状況下にあってもアリスの決意は揺るがない。 -- アリス
- 「この程度で弱音を吐いていたらコズエの先を行くことができませんものね…!」
彼女にとって良きライバルともいえる梢、自尊心の高いアリスの中でその存在は大きなものとなっていた。 この依頼も本来は梢が受けるべきものだった。そして次点で自分が選ばれたということが彼女にとっては許せないことだ。 「例え相性が悪くたって!」 アリスの右銃(みぎて)が砲声をあげ、壁に貼りついていたスライムを撃ち抜く。 「私は代役なんかじゃ!」 その左銃(ひだりて)から放たれた熱線が、天井のダクトから沸いて出たスライムを床へと叩き落とす。 苛立ち、そしてライバルへの対抗心。それを決意の糧としてアリスは二挺の銃に霊力を込める。 「コズエ………。負けませんのよ!」 二挺の銃が同時に火を噴けば正面にいたスライムが衝撃と共に弾けた。 -- アリス
- 二挺の銃を巧みに操るその姿はダンスでも踊るかのように。肘を曲げ背後に手を回しての曲芸撃ち、普通ならばそう長くは続かない芸当だ。
しかし髪と質量感のある胸を揺らして戦い続けるその表情に先ほどまで見せていた疲労感は無くなっていた。 それはライバルである梢への対抗心、彼女には負けてはならないと自分を叱咤したことで生まれた気力なのだろう。 下水道に巣食っていた妖魔はまた一匹と若きエクソシストによって浄化させられていく。 だが戦いの最中、アリスは予期せぬ物を見る事となる。 それは自分のいる場所よりも前方、下水道の通路がT字路となっている場所に見えた影であった。 下水道に設けられた橙色の電灯、それに照らされるように伸びていたのは見間違えるまでもなく人の影であった。 「……! 何でこんなところに人が…!」 -- アリス
- この下水道の入り口は施錠されており、依頼者から鍵を受け取ったアリス以外は入れない筈だった。
人がいることも驚きだが何よりもその何者かの安否が第一の考えとして頭を過ぎる。 「こんな所に迷い込む人がいるなんて考え難いですが…」 彼女の今の仕事は妖魔を討伐すること。下水道に迷い込んだ者を無視して戦い続ける選択肢もあっただろう。 だが彼女はエクソシストである前に一人のシスターだった。 「捨て置くことはできませんわ!」 その人影の下へ向けてアリスは走り出した。 -- アリス
- 戦闘の手を緩めて走り出したアリスに対して妖魔たちの追撃と妨害の壁が立ちはだかった。
進行方向を塞がんとしてスライムが身を押し広げ波となって寄ってくる。 下水道の中はただでさえ狭く、足場となる通路いっぱいに広がったそれを避ける術は無かった。 「ならばこっちですわ!」 駆け出した足のステップを小刻みすることで急な減速を加え、サイドステップでスライムを避けるとアリスの足は脇を流れる汚水の中へと飛び込んでいく。 -- アリス
- 汚水の中に飛び込むことは彼女にとって博打でもあった。
排水によって濁ってしまった流れの底には何がいるかは分からない。 しかしあのまま進んでいてもあの妖魔に阻まれていた事だ。 ずぶん、と足首まで沈んだ汚水はスーツに浸透してしまう。しかしそれだけに終わらず、 「………く!」 汚水も妖魔の体液によって穢されており、浸透した部分よりじわりとした火照りが生まれる。 「瘴気もここまで…。この排水が外へと流れてると考えれば手を抜く訳にはいきませんわね」 背後から跳ねて忍び寄るスライムたちを置き去り、走り抜けた彼女は先ほどの人影が見えた方向へと向かう。 -- アリス
- この角を曲がれば少なくともあの人影に追い付くことはできるはず。
汚水の河に足を取られそうになりながらもその身を横に傾けるようにコーナーを渡り、 「誰ですの!? ここは危険ですから早く逃げて…」 直後、腹部に重みのある鈍い音と衝撃が走った。 視線を下に落とせば腹部にめりこむ黒い粘体が鞭のようにしなってその身をめり込ませていた。 -- アリス
- 「う‥!」
腹部に衝撃が走った直後、生まれた力によってアリスは後方へと弾き飛ばされた。 下水に背中から落とされてしまい、背中にぬるりとした不快な感触が伝わる。 咄嗟の出来事だったが故、反応はできなかったが‥ -- アリス
- この状況、突き飛ばされた訳でもなく何か鞭のようなもので殴打されたとなれば相手はこちらに何らかの敵意を持ってそれを行った筈。
なので彼女が追った相手、それに向けて問うのは‥ 「何者ですの!?」 身構えるため受け身を取っていた両手を下水の底から引き抜こうとするが‥ 「(ぬ、抜けませんの‥!)」 -- アリス
- 濁った下水の汚泥の底、アリスのスーツグローブを掴む何かがいた。それは泥のように柔らかく、人の手のように力を加えてくる。
アリスがまさかという声をあげて身を急いで起こそうとすると、 「そんなに慌てられては危険なのですが」 薄暗い下水道の中、ランタンを持ってアリスの前に一人の男が立つ。 その男は白の法衣、一見すれば枢機卿や牧師にも見える風貌だが‥。十字架といったシンボルを見に付けていない 神経質そうな顔立ちの糸目がアリスを俯瞰するように見下ろしていた
- 「こんなところにいつまでもいる方が危険‥‥あ!」
身を起こそうとすると足首も泥の中から抜けず、腰のみが浮いて不恰好な形のまま戻される反動で再び尻持ちをついてしまう グローブの手首とブーツの足首を掴むぬるりとした感触、指先の合間で感じる生温かい感触は泥ではなく‥ 「不覚ですの‥」 直後、アリスの体が彼女の意思ではなく汚泥の底にいたものによって持ち上げられる。 緑色の粘体、表面を振動で波立たせるそれは彼女が先ほどまで相手にしていたスライムの一体であった -- アリス
- 手首と足首を飲み込み、ウォーターベットのような触感を彼女の背に与えながらスライムはその身を起こす
「だから言ったでしょうに、手足を掴まれているから暴れられては危険ですと」 男の言葉の意に介せず、アリスは是が非にでもと拘束から逃れようと身を捩っていた 男がやれやれと首を横に振り、指を鳴らせばスライムは表皮の軟性を高めて背を浮かそうとしていたシスターの身がスライムの中へと沈んだ
- スライムによって拘束されたシスター、上半身のみがレリーフのように露出している
だが拘束されているだけならまだいい。妖魔の体液は媚薬、普段ならば彼女のスーツではある程度は防げるものなのだが、 「‥ぅ‥ふぅ‥‥く‥‥」 スーツへと沁みこむスライムの媚液、じわりとした媚毒が皮膚より内へと忍び寄る 「‥‥ぅ‥はぁ‥‥く。その口ぶりですと、この下水道の妖魔は‥‥貴方が何か知っていますのね‥」 アリスは男に対して敵意を込めた視線を込め、捕らわれた状況にあっても気丈なその心を示してみせた
- 彫像のレリーフのようにスライムの表皮から上半身のみが生えるようにしてアリスは拘束されていた
側溝の通路に立っていた男は喜ばしそうに目を細め、 「はい。アリスさん、貴方をお待ちしておりました」 右腕を腹部に当て、会釈程度に丁寧に腰を折る男。だが頭を下げてもその視線はずっとアリスのみを注視していた 鋭い眼光に射竦められるというよりも、得たいの知れない何かを感じてアリスは唾を飲む 「私、教団に所属するマティアスと申します。長い付き合いになると思いますのでお見知りおきを」
- マティアスの告げた教団、アリスはその名前で男が着ている法衣に合点がいった
エンデルング教団。この街で着実にその勢力を伸ばしつつある新興宗教団体、彼らが崇めるのは神ではなく人間の可能性‥だが 「遂に化けの皮が剥がれたと言うべきですのね。‥このように化け物を使役しているのがいい証明ですわ」 かねてより教団には黒い噂がついて回っていた。表舞台に台頭してわずか数年にて信者数を増やしたこと、信者の異常なまでの教団への執着性‥ 金回りなども噂で聞くだけでも数えれば切りがない。‥しかし、教団はいずれも尻尾を掴ませることすら許しはしなかった
- 「どうやら我らのことを誤解されているようで。‥使役されていると言いましたが違いますよ、彼らもまた我らに帰依したのです」
いわば私たちの同志ですよ、とマティアスが笑えば妖魔のスライムがまるで人語を理解でもしているかのように表面を震わせて喜んでみせる 「それに貴方にもすぐに理解されるようになりますよ。私どもの"教団"の理念に」 マティアスが指を弾いて合図を鳴らす。それを皮切りにでもするようにアリスを包んでいるスライムが身を捩るような動きを見せた
- 両手足を拘束されているアリスはスライムが体を動かすことでその粘質のゲルの中で体が引っ張られ、
「ぁ‥ぅうう‥‥く‥‥」 その口から堪える甘い声色が出てしまう。それもその筈、このスライムは全身が媚毒の塊‥ 先ほど、下水の中に足を入れたときと同様の体の火照り。しかし体温の上昇は先ほどの比ではない 「や、やめ‥‥やめますの‥‥! そん、そんなに動いては‥‥」 スライムは左右に身を捩り続けることで体内に捕えたアリスを上下にグラインドさせていた 緑色のゲルの中でアリスの青色のボディスーツが媚毒を防がんと表皮を守っているが、それも気休めのこと。 妖魔に体液に浸されているアリスの堪える顔を見れば‥
- 苦痛そうに声を漏らせどその表情は痛みを堪えるものではない。ただひたすらに身に湧き上がる衝動を抑えるもの
アリスの肌にはスライムの体液が沁み込み、グラインドで擦れるスーツとの摩擦が彼女に堪えがたい感覚を与え続けている。 「(私は媚薬とは‥ただ気分を高揚と思っていたのですが‥これは‥‥感覚も過敏にされ‥‥ますのね)」 内心で思ったように媚薬とは彼女の触覚、ボディスーツと肌との摩擦を何倍にも引き上げていた
- 「(こ、こんなもの‥耐え切れば‥どう‥‥ということは‥‥!)」
今を凌げばスライムを退け、目の前にいる教団のマティアスを捕縛することが出来る。 幸いにも彼女の着ているボディスーツは一見すれば薄生地だが、教会の錬金術の粋を究めて作られておりその耐久性からスライムの溶解液も及ばない‥筈だった しかし服という仕様上、それは逃れられない弱点と言うべき個所がある 「‥ふ‥‥ぁ‥‥ん‥‥っ」 手首にひやりとした感触が巻きつくのを感じた。スーツが負けた、と一瞬頭を過ぎるが‥ 「(やぶられた形跡がないのに‥‥な、なんで‥う、内側に‥‥)」 粘液の中、アリスのスーツのグローブの中で蚯蚓腫れのように膨れ上がる動きが見えたことだろう
- スーツの内側から盛り上がる膨らみは蛇のように線を伸ばしていた。
「‥ぅ‥ぁ‥‥ぅ‥‥く‥‥‥ぅ‥‥」 アリスの呻きはより熱が籠り、端正だった声に色気が満ちる。 淫気を遮断するスーツは内側に入り込まれたスライムにより淫気を外に逃がすことができない淫獄となって、 「‥ぁ‥ハァ‥‥。だ、だめ‥‥‥あ、頭がぁ‥‥」 装着者の枷となっていた。スライムの粘液の中で苦しそうにもがく姿をマティアスは目を細め顎をしゃくるように撫でていた。
- 聖教者にあるまじき好色の目。シスターが喘ぎスライムの中でもがく姿を彼は鼻で笑っていた。
「拒絶するだけ無駄ですよ。貴方はそのスライムの中から逃げ出すことは出来ません ‥諦めたら如何です? さすれば私も手荒な真似はせず教団の教えを説くことが出来るのですが」 マティアスは右手を差し伸べ、私に従うつもりならその中から救い出してあげましょうと告げる。 スライムの発する媚液にこのまま浸されていて意識を保っていられる保証はなく、この誘惑は紛れもなく今のアリスにとっては助け舟だ。
- アリスは乱れる語気を深く息を吸うことで整え、顔を見上げて彼女は誘惑への返答を行う。
「悪いですけど断らさせて‥いただきます!」 マティアスがおおという感嘆の声をあげ、彼女の目を見れば透き通ったサファイアのような瞳は微塵も淀んではおらず彼女の意思が折れていないことを示していたことだろう。
- 敵に捕らわれていても殉教者としての矜持を捨てず。教義は違えど、聖職者として魔道に墜ちた者への敵意は微塵も衰えていない。
アリスから放たれる意がチリチリとした空気の振動をマティアスの肌に伝え、彼の身が奮える。 だが身の震えは怖れではない。 「‥く、く、ククク」 マティアスは肩で息をするように揺らし、顔をあげれば引き攣った歪な笑みが彼を支配していた。
- マティアスの高笑いにアリスは眉を立てて物議の声をあげる。
「何がおかしいんで‥く、‥‥ぅ!」 同時。アリスを拘束していたスライムの硬度が増して内側に閉じ込めた柔らかな肌を締め付ける。 いいでしょう、と言う声と共に笑いの止まらぬマティアスがアリスの元へと寄るのだった。
- マティアスの指がアリスの顎を挟んで持ち上げれば、男を知らぬ唇の初めてを強引に奪おうとする
アリスはそれに抵抗して身を捩り顔をそむけて抵抗しようとするが、体を拘束するスライムの締め付けがそれを許さなかった 唇が重ねられて男の香気が口内へと入ってくる。それは人にあらず、妖魔の持つ瘴気が混じっていた 清涼な肉体を蝕まんとする更なる淫気に背筋が引き攣り、舌を入れられまいと彼女は健気な抵抗を続ける 蕩けるような口内の痺れ、男の舌が割って入ろう…と、するのではなく。溶けて、口内を文字通り蕩けさせに来たのだ
- 「────── !」
マティアスの舌が溶けて口内を蹂躙する。その感触をアリスは舌や歯茎、ありとあらゆる口の性感にて感じ取っていた 口全体を使ってゼリーを噛んでいるかのような感覚、だがそのゼリーは激しく粘つき男の臭気を万遍なく味合わせる 「んぉ! ん…ぐぅ…ん、んん……」 口内を凌辱される苦しみに堪えるアリス、その瞳で男の舌がゲルとなっている理由もすぐに理解できる事であった
- マティアスという男の表皮、初めはマティアスがかいている汗にも見えた。しかし汗は穴という穴から湧き上がり、瞬く間に男の肌を包み込む
…いや包み込むという表現は正しくないだろう。正確にその現象を捉えるならば外側の表皮が崩れ、内側からゲルとなって全てを溶かしてしまったというべきだ 瞬く間にマティアスという男を構成していた顔のパーツは原型を残すことなくゲルとなって崩れ、アリスの口内へと滑り込んでいくのだ
- この男が自らの肉体をゲルと化させ、自分の中へと入ってきたことでこの男が人間ではなく妖魔、このスライムたちを率いるリーダーなのではないかと
あるいはこのスライムたちがマティアスから切り離された分身なのだろうか? 両者とも肌で直に触れているからこそ、その同質の気配を感じ取ることができた 「ん、んんぅ! ん…ぅ……!」 しかし分かったところで現状を打開する術が見当たらない スライムとなって崩れた男の顔が口内へと入ってくるが、口の中に納められる要領はとうに限界を超えていた しかし口内を滑って入ってくる動きは止まらず、その勢いのままに喉の最奥を叩いて流れ落ちるのだ 「ん! ん、んん・・・!」 スライムと化した男の体液もまた媚薬、喉を焼き痺れで爛れさせるような刺激にアリスは目を剥いて堪える他無い
- 「…どうでしょうか、私を口にしたお味は?」
聞こえるはずのない、頭部を溶かしてしまったマティアスの声が聞こえてしまう その声はマティアスの背、ローブの裏筋より浮き上がった瘤が膨らみ生地を裂けば… 「このような不恰好ですみませんね。何せ私の頭部を、貴方が口にしていらすものですから」 背からマティアスの顔が生えるも、人間の肌はしておらず紫色の半透明さを持ったゲルで構成されていた ローブが背中より裂けたことでマティアスの体もまた露わとなるが、人間としての原型は既に留めてはおらずぶよぶよとしたスライムの肉体が潜んでいた 「これが教団の教え、種としての限界を超えた姿です。…気に行って頂ければ良いのですがね、ヒヒ」
- 悍ましき姿に眉を顰めれば、あの男の所属する教団の危険性を改めて再確認させられる
ふざけないで、と。その瞳が喋ることの出来ない体に代わって訴える しかしその意思がいつまで持つか、体の外側と内側から責められる濃厚なまでの淫気がアリスの理性を苛む 「(どきどきが止まりませんの…。口も喉も、指から手に至るまでが瘴気にまみれて…ん……)」 マティアスはアリスを拘束していたスライムと融合し、一つの塊となると喉を蹂躙するだけでなく体全体をも攻め始めたのだ 指先を包み込むスライムの感触、粘体が爪の合間から体に浸透する体液 グローブとブーツを締め付けていたスライムは広がり、潤滑剤となったゲルはボディインナーのようにその柔肌を包み込んでいく
- ボディスーツの中で膨れ上がるスライム、己をゲルと化したマティアスは丁寧な口調とは対照的に粗暴な手つきでアリスを苦しめる
スライムのインナーが硬度を増せばそれはマティアスの指となり、スーツの内側から腰や太腿といった美肉が揉まれていく 「胸はあまり大きくはありませんが、整ったボディバランスをお持ちのようで。これも日頃の鍛錬のお陰ですかね、シスター?」 スライムとなったマティアスの手が、何本にも枝分かれした指がアリスの体を抱きとめ、その肌に快楽を刷りこませる
- 「(体を揉まれて…。はぁ…ぅ…ん、包まれたら…)」
苦しさから身を捩れば、スーツと肌の間ですれ合うスライムの心地よさに蕩けてしまいそうになる 肌が性感帯となったように痺れては、その表面から浸み込む媚液に胸の高鳴りが早まる 「(いけませんわ…、このまま……では…)」 口の中の圧迫感はなおも続き、マティアスのスライムは喉から体の奥を目指し、内側より飲み込まんとする 自分の内側より感じる妖気の感触に憤りつつも、ずくんずくんと高鳴る鼓動が掻き消してしまう 「(い、いったい・・・この男は何を・・・んぅ…あぁ…するつもりですの…)」
- 「このままじっくり責めてもいいのですが、時間も推していますので巻いていきましょうか」
マティアスの指、肌の上を這うスライムの肉蔦がアリスの尻肉を掴み押し上げる アリスは何をする気と、口にスライムを押し込められたまま後ろを振り向こうとするが見える筈もなく 尻をスライムの手で掴まれ左右に押し分けられてしまう 今まで話していたマティアスの首が溶け、アリスの背後で再構成されればその桃尻を嘲笑する 「素晴らしい…、これぞ神が遣わした奇跡の造形というべきか」
- (「な、何を…」)
妖魔となった男がなぜ自分の尻を見るのかがアリスには理解できなかった 無理やりに女の純潔を散らし、妖魔はそれを悦ぶものだと彼女は経験から予想していたのだが… (「はぁ…う…、な、何を…!」) マティアスは彼女の体では自己主張の強いヒップをスライムの手で押し分け、ひんやりとした感触がその谷間に埋まる アリスは純潔がゆえの経験の浅さから、自らの体についたもう一つの穴。それが性感帯となることを知らなかったのだ (「やめなさい…そんなところを……なめ、舐めて…ん、く…!」)
- スライムに濡れたスーツの光沢は艶めかしく、綺麗な曲線を描いたヒップラインをスライムたちは波打ち穢していた
アリスが肛門に感じた違和感、マティアスは眺めるだけには飽きたらずその顔をお尻の谷間に埋めていた スーツの外側と内側から腰を抱いて押さえ、反発の弾力で押し返そうとする尻肉を抑え込み、マティアスはその異形の舌でアリスの肉体を再び蹂躙する 蛇のようにうねるその舌は谷間によって隠れていた穴を見つけ、まるでノックでもするかのようにその表面を舐めていた
- (「うぅ……あ、…ぁ……な、何が…おきて………ますの?」)
排泄口を舐められるという屈辱行為を与えられているというのに、アリスは胸の鼓動が強まるのと体の火照りを感じてしまっていた 戸惑いを隠す事が出来ず、感じてしまった浅ましき欲情を払拭するように髪をシスターコンフと共に揺らす 「(私が…後ろの穴で感じてしまう…ん…など、あってはなりませんのに……!)」
- 恥辱に耐えるシスターを嘲笑うようにマティアスの行為は続き、アリスの身を拘束するスライムの総量も加速度的に増していた
グローブやブーツ、首筋といった箇所から侵入し続ける妖魔の粘液 アリスが梢に自慢することもあった退魔スーツは妖魔スライムの遊び場となり、内側はその粘液のプールといってもいい惨状だ 快楽に誘うプールでもがき溺れるアリス。だが彼女はその程度では折れない、…それはマティアスも知っていた 「ですので貴方を堕とすよりも先に、その美しい体を利用させて頂こうかと」 マティアスの本性が透ける卑しい笑みを浮かべ、彼は液状となった頭部を勢いよくシスターの尻の割れ目へと挟むのだった シスターはビクリ、と身を仰け反らせる。押しつけられたマティアスの頭部の衝撃に震えてしまい、小ぶりながらも形の整ったバストが上下に弾む 打ちつけられたマティアスの頭部は崩れ、アナルを中心点として臀部を包み込むように押し広がる 傍から見ればいままでと同様の行為だが、当事者であるアリスはこれまで感じたことのない圧迫感を下腹部より得ていた
- (「何かが…! 何かが…私の中に…あぁ…は、入ってきますの……!)」
下腹部が満たされ膨らみ内側から外側へと向けられる圧迫感、だがその正体は外側より注がれるものだった (「な、何で…お尻の穴から…あ、く……入る、なん…ひぅ……」) 強固に施錠されていた後ろのドアをこじ開け、妖魔の粘液が体内へと入ってくる だが退魔力を持ったスーツを破ってマティアスが侵入してくるとは思えない だが侵入していたのはスーツの外側からではなく内側、満たされた粘液が彼女のアナルを目指して殺到していたからだ マティアスの頭部は臀部を抑え、侵入をしやすくするための手段なのだ 口内と肛門による責め具は気丈なアリスと言えど精神に堪え、その額には玉粒の汗が浮かぶほどだった だが屈辱に反目するように心臓の早鐘はスライムの侵食に合わせてリズムを増やし、 …ずくん。ずくん。ずくん。ずくん。ずくん と、警鐘を鳴らす。アリスが噛めぬ歯で堪え、凌ごうとしたとき
────── どくん
スライムを跳ね除けるほどの疼きが、腰より生まれた
- 「──────!? 」
その行動はアリスの意思の下に行われたものではなく、彼女は塞げぬ口で唖然とする他なかった (「なんですの…この……腰から下の…、ん……ひ、ぁ…し、痺れは……)」 下半身の痺れはアリスに驚愕を与え、これまで排泄物を出す事しか考えたことのない器官に"挿れる”という感覚を与えた (「だけど、ん…いかに、……それが…主に対する冒涜的な行為であったとしても……」) ここまでの刺激はないはず、それは無論経験から来るものではない。直観によるものだった 熱に浮かされた腰の疼きが治まるどころか上限を知ることなく高まり続ける
────── どくん
だが鼓動が再び鳴ったのは腰から下ではなく、喉からであった
- 上下で生まれた胎動、ずくんずくんずくんとした胸の鼓動が彼女の理性を削り取る
(「まさかスライムの催淫性とでも!?」)
────── どくん
三度目の鼓動は喉と下半身、両方からであった 「(う、あ…あぁーーーーーーーー!!)」 しかしその鼓動と共に両者が溶鉱炉にでも放り込まれたかのような熱を生み、彼女の体を内側より溶かし始める
- 身を焼かれるような熱に背を強張らせ、文字通りスライムに溶かされているのではと視線を恐る恐る下へと落とす
だがその視界に飛び込んだのは粘液で濡れたボディスーツと、スライムに拘束されたままの四肢が腐食することなくそこにはあった だが熱に溶かされてしまった下半身の感覚は無く、意識しようにも腰から下が自分のものではなくなったように自分の言うことを聞いてくれない
────── どくん
- スライムに冒された部分から生じる鼓動は時間と共に増し、今では腕までもが膨らむ淫熱に溶かされてしまっている
「(このマティアスという男は…、あぁ。ん、くぅ…何をしようと言うんです…の……)」 未知の感覚に焦燥と不安、そして生まれて初めて感じる快楽に酔いしれそうになってしまう 三角形を描いた胸の頂点は乳首が起立し、その周辺もスライムが蛇のように這い身を締め上げている どうにかこの窮地を脱せねば、そう思った矢先のこと
────── どくん
鼓動は身を跳ね上げるような勢いを持って生じ、その衝撃はアリスが口に咥えさせられていたスライムが千切れて外れるほどのものだった 同時に手足の拘束が緩み、口と手足が自由となったことで反撃の兆しを捉える。……筈だった アリスが口の中に残るスライムの欠片をせき込みながら掃出し、久しぶりの第一声を放とうとするが
『 …ぁ…ぃ……いい。き、きもち…いい 』 口から飛び出した一声に、意思が驚いたのだった
- アリスは自分からなぜ甘く気だるい声が出たのか理解できず、彼女は確かに自由になった口で反撃の一声へと転じる筈だった
『 あぁ…はぁ、あぁん…いいですの……きもちいぃ…… 』 やめてと背けたくなる自分の声、アリスはそれを止めることも出来ず意識と感覚のみ知覚できていた 意識から離れて動き出したのは声だけではなかった 「はぁ…あぁ…ん。い、いい…もっと、感じたいの……」 自由になった手がより自分を追い詰めようと、左手は胸を掴み右手は純潔を保ったままの貞操へと伸びる 自慰などをしたことがない体で行われるふしだらな行為。胸を刺激し、膣をスーツの上から撫でれば歓喜の声があがる 『 いい…! すごく、いぃ…あ、ん…最高ですぉ…この"体”が敏感に…あ、くぅ… 』
- こんな自分の声と痴態は見たくはないとアリスは目と耳を塞ぎたくなるが、もう一人の自分がそれを許さず自慰を見せつけ感覚を余すことなく伝える
張りだした乳房と男も知らぬヴァギナが発情し、滴る蜜がスライムと一緒に指へと絡みつく 淫気に浸された身は快感を何倍にも余すことなく伝え、喘ぐ肉体は確実に意思から抵抗の意思を削ぎ取っていた (「こ、こっちまで気持ちいいなんて言ってしまいそう…ん。ですの…」) 全身から湧き上がる性への渇望、淫奔に興じようとする肉体 その中にあってもアリスは自分を見失わず、そしてもう一人の自分が"自分ではない”ことにも着目していた (「さきほどあの男はこうも言ってましたわ。"体を利用させて貰う”と、ならば…!) 意思が肉体が自分のもので無くなっていることに結論を付ける。すると、にたりとアリスの肉体が彼女のものとは思えぬ卑しい笑みを浮かべた
- 『 ─── 今ごろ気付いたんですの? ん、…ふ、ふふ 』
自分ではあるが自分ではない、自分の声で"それは”アリスを笑ったのだ
────── どくん
響くような鼓動と共に腹部のスライムが寄り集まり、スーツの中で膨張していく やがてそれは一つの姿を形作るが、 「…く、ひひ。如何かね? 自分が自分で無くなる、他人に奪われるという感覚は」 腹部のスーツの裏地から浮かび上がったもの、それは自分を拘束していたマティアスであった あの男が頭部を背後に回したように、自分と同化したスライムであるならどこへでも頭部や意識を飛ばせるのだ マティアスは初めから彼女の肉体を奪うつもりでスーツの中をスライムで見たし、体内もスライムで満たして体の主導権を強引に奪ったのだろう
- (「私の体を使って、どうするつもりなんですの!)」
自分の体を奪われたことに憤慨し、削られかけていた精神力に再び活が戻った 『ん、ふふふ。それは秘密ですのよ? 今から明かしてしまっては楽しみが減りますもの』 マティアスが自分の声を使い、あまつさえ自分の口調に合わせてまで喋ることがアリスのプライドを逆撫でさせた 「ふ、ふざけないで!」 その怒声は下水路に響き渡り、一時なりとも体の主導権を取り返されたことに腹部のマティアスが好奇心から来る笑い声をあげていた 「ハハ!素晴らしい、それでこそあのルシアンのエクソシストだよ!だがね…」 『 もう抵抗しても無駄な段階にきてますのよ、ふふ 』
────── どくん、どくん
直後、アリスの意識に高揚感に近い精神の昂ぶりが生まれるのだった
- ────── どくん、どくん
感じた鼓動に合わせてアリスの精神が押し上げられ、この精神の昂ぶりは正常ではないと抵抗するも (「だめ…、な、流される……う、ぁ…」) 『 今、貴方の血液にもスライムが浸透してそれが循環しているの。ふふ、最高でしょう? 何せ、全身が媚薬漬けになるんだから。く、ぷ、あはは! 』 アリスの表情のものとは思えない高笑いを発し、休めていた手を動かせばアリスの精神は更に窮地へと立たされる 『ん、ふ、あ、ぁぁ…。あん……憑依の完了を、ん、ぅ…絶頂で、感じさせてあげますわ 』 ヴァギナの割れ目を撫でるだけだった動きが、指の第一関節をまげてスーツの表生地から押し込めばダイレクトにその刺激がアリスの精神を昂ぶらせた (「く、あ、ふ、あぁ…や、やめ…な、んーーー!)」 肛門筋を広げていたスライムもまた絶頂へと導くべく、腸内と滑り出口である性感帯が粘液によって擦れれば昂ぶる気持ちが血液をより早く循環させ
──────どくん、どくん、どくん
それに乗って流れる悪意がアリスの意識すらも次々と刈り取っていく
- どくん、どくん、どくん、どくん、どくっ、どくっ、どっく ──────
鼓動はもはやリズムではなくピストンのような力強い抽送をもってマティアスの支配を行き渡らせた 『ふふ。どうですの? 最高に気持ちいいでしょう! これが、あ、はぁ…教団の導き、貴方を開放できる手段ですのよ…あ、い、い゛ぃ…」 自慰は激しさを増して愛液とスライムが化合したものを散らし、生じる鼓動のたびに体をびくびくと震わせるアリスの肉体 精神もまた、この暴力的な支配には抗えず… (「だ、駄目ですのよ…だ、駄目ですのに…い、いい……の。気持ちよくなって…あ。い、いい…」) 心の声が支配が与える快楽に抗えず、気丈なアリスの精神が折れようとすると肉体を操るマティアスはトップスピードに乗った 『 あ! あ、あ! い、イク…イク…イっちゃいますのーーーーーー!! 』 絶頂に達したオーガズムは精神を暴風の波へと誘い、催淫性によって齎された快感は何十倍にも増幅されて心を飲み込んだ 薄れゆく意識の中、残された自由の中でアリスの意識は最後の助けを呼ぶのだった
(「────── コズエ…」)
- 絶頂の余韻はアリスの精神を掌握したあとも続き、肉体が痙攣に打ち震えてその快感に酔いしれる
分け身であるスライムをクッションのようにして身を預ければ、アリスの体に憑依したマティアスが絶頂とはまた別の余韻に酔いしれてした 『 ふ、ふふ。これで手駒は揃いましたね。あとは ─── 』 口調を自分のものに戻すとその口に愛液で濡れたグローブの指を運び、新たに自分のものとなった体の味に歓喜するのだった。
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Last-modified: 2014-07-16 Wed 22:52:04 JST (3543d)