名簿/489129

  • 第零章
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     『世界の終端』
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    誰かにとっての終焉は
    誰かにとっての過程でしかない
    さぁ始めよ新参者よ物語れ
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    • 沈み行く大地と剥がれ落ちる空。海は渦を巻いて消失し、形を維持出来ぬ無数のもの達が崩れ、解けて行く。
      エーテルの尽きた世界の行く末は常に崩壊と消失で幕を閉じる。
      産まれては消える無数の世界では生物の細胞が新陳代謝で入れ替わるように、このスペクタクルが繰り返されているのだが。

      ガスマスクを被った軍装の男は、その光景を見ながら思う。
      問題はこの末路が、人為的に成された行為であるということだ、と。 -- 2012-09-22 (土) 22:11:56
      • ……そうか。最後の船団の脱出は完了を確認。これより協力者と共に目標の確保に移る。
        (首元の通信機に応えを返し、嘆息。慣れた手つきで提げた突撃銃の安全装置を解除し、ガスマスクを脱ぎ捨てて傍らの少年へと顔を向ける)
        助けられる分は助けたが……それでも被害は大きい。
        済まなかったな、カイト。本来なら君たちの穏やかな生活を乱したく無かったのだが……
        (深い蒼の切れ長の瞳が、申し訳無いと語っていた) -- ジョシュア 2012-09-22 (土) 22:19:15
      • (崩壊して行く世界を、厳しい表情で見据えていた。何度見ても気分のいい風景ではない)
        (通信機を見て、打ち込みながらなにやら返信をする。自分への連絡も、ジョシュア程ではないが先程から多い)
        (少年にしか見えない、しかし随分と年を経ている。そんな魔剣使いの典型例が振り返る。ジョシュアもその類には入っているだろうが)
        いやいや、さすがにこういう状況ほっぽってたら後味悪いからね。初も快く見送ってくれたよ、お土産は用意するけど
        (事態にそぐわない暢気さで返すのは、余裕の表れか何時も通りの姿勢か。横で人型に具現していた18cmの人影が言葉を繋ぐ)
        『お土産になりそうなものは消滅したがの。エーテル消失による崩壊を見るのは久しぶりじゃな…』
        『して、出るのは我らとお主らだけか?』
        (作戦の確認をするように、万象の意思─フェルミが問いかけた) -- 旅人と魔剣 2012-09-22 (土) 22:29:45
      • 『肯定です。他の人員を割いた所で被害を増やすだけとの予想が立ちました』
        (ジョシュアの肩に座った未神の意思が応え、主もまた頷いた)
        完全崩壊まで残り数時間と言った所か……この先の、神殿……だった場所に目標が居る筈だ。
        さっさと落とし前を着けてやらねばな……行こう。
        (言って、足早に移動を開始する。殆どぶっつけ本番の奇襲ではあったが、旅人への信頼からかその足取りはしっかりしたものである)

        (やがて、件の神殿跡が見えた。沈む大地と砕ける空を背景に、時折空間そのものが歪み、光の粒子となって消え行くその光景は一種幻想的ですらあったが)
        (その中央に佇む男は、滅びの美にそぐわぬ程に凡庸であった) -- ジョシュア 2012-09-22 (土) 22:52:20
      • 『ここまで大事をやらかす相手だとそうもなるか。その為に我らを呼んだんじゃろうしな』
        (通信機をポチポチやっていたカイトが、ようやく通信機を仕舞い頷いた)
        救出された人の一時滞在する世界のアテもなんとかなりそうだ。よし、気を引き締めて行きますか
        (ジョシュアに続いて歩きだす姿に澱みはなく、互いの実力は信頼済み。油断こそないが、不安もない)

        …神殿跡が残るなんて。この世界の髪でも居たのか……ん
        『……居たのう』
        (凡庸な姿で佇む男を見つけ、静かに睨む。姿に惑わされる事は、魔剣使い同士の戦いではあってはならない事だ) -- 旅人と魔剣 2012-09-22 (土) 23:02:51
      • (無精髭に最低限の手入れが成された蓬髪、よれよれのシャツを纏った、しかし眼光だけは嫌に鋭い男であった)
        (何処にでも居そうな、されど何処かズレている。世界移動者であったとしても、凡庸と言えた)
        (手にした直剣を地に突き刺した姿勢のまま、跪いていた男は……二人の魔剣使いの接近に気づいたのかゆっくりと立ち上がり、そちらを見る)
        ……そろそろ来る頃かと思っていた。実験は失敗に終わったが。
        (顕現したアバターに視線を向け、ふむ、と一息)
        望むものでは無いとは言え、副産物としては申し分無い魔剣が釣れたか……
        私をどうにかするつもりであれば、早くした方が良い。思ったよりもこの世界、エーテル枯渇が進んでいたようだ。崩壊が早まっている
        (まるで他人事のように語りながら、直剣を地より引き抜く。異なる理を持つ魔剣使い達には、其処から溢れるエーテルが世界の流す鮮血のようにも見えるかも知れなかった) -- 魔剣使いの男 2012-09-22 (土) 23:14:04
      • (突飛な容姿の者も少なくない中で、更に凡庸。ついでにいえば、着ている物もどこかで見た様な)
        …実験、ね。何の研究だか知らないがやってる事も凡庸だな
        (異世界そのものを実験場にする輩も、それが原因で崩壊させる輩も途絶えた事はない)
        (未然に防がれる事もあれば、こうなってしまう事もまた多い。魔剣使い達の戦いの一端ではある)

        そういう事なら、力を見せて貰おうかな…どうにかしてやるよ
        (甲高い金属音と共に、短い双剣が両の手に収まった、僅かに身を低くする)
        『エーテルの流出が速すぎる…それにあの魔剣は…』
        (一方、フェルミは、それに見覚えがないか記憶を手繰る作業に。最も、彼女の記憶は剥落が多いのだが) -- 旅人と魔剣 2012-09-22 (土) 23:25:43
      • 生憎と悪党の口上を長々と聞いてやる程優しくは無い。報いは受けて貰おうか。
        (突撃銃を構える。何度も死地を超えた旅人を援護する構えである。)
        (合図も無しに、発砲。乾いた音が単発で響き、火焔を纏って凡庸な男へと迫る)
        カイト、合わせ……! -- ジョシュア 2012-09-22 (土) 23:31:00
      • (着弾音は神殿の壁に穴が穿たれるもの。衣擦れの音が、ジョシュアの背後から聞こえる)
        いや、全く言うとおり私は凡庸ではあるが、だからと言って出来る事まで凡庸とは限らんよ
        (つまらなさそうに、旅人と、ジョシュアの背に向けて言葉を吐く)
        (高速移動等ではない。コマ落としのように、立つ位置が変わっていた) -- 魔剣使いの男 2012-09-22 (土) 23:34:10
      • (ジョシュアの銃撃のタイミングは、速すぎるものの感覚で覚えている)
        (それに合わせタイミングを合わせ前に進もうとした所で…)
        ……ッ!?
        (視界に捉えられない移動。空間制御の類なら、予兆があってもいいはずだが…)
        なるほど。逃げを徹されると厄介そうだ
        (振り向きながら、双剣を交差させるように構え直す。ここで捕えておきたいが…無理をするには危険な相手でもあるようだ) -- 旅人と魔剣 2012-09-22 (土) 23:40:13
      • (未神に秘めた能力で、知覚した時には何処に居るかは把握している。振り向いた所で間に合わないなら、と左手が高速で腰のホルスターに収めた銃把をホールド)
        (抜き・振り向き・撃つという三動作を同時に行う。位置が把握出来るのならば、命中は必至であるが)
        (気になるのは、移動中の運動エネルギーの偏移が全く知覚出来なかったと言う事と)
        しかし銃弾には回避が必要、そうだろう……!? -- ジョシュア 2012-09-22 (土) 23:48:11
      • (そして再び、銃弾は空を切る。旅人の眼前に立った男は直剣を構え、無表情に言葉を作る)
        まぁ、そういう事だ。理解した所で当たるとは思わない方が良いがね。
        ともあれ優先順位は
        (斜め上方からの、何の工夫も無い斬撃を旅人へと放つ。教科書通りとは言え干渉力により反動加速を得ているのか、その剣速は人体を両断するに余りある)
        『万象』の方でね。 -- 魔剣使いの男 2012-09-22 (土) 23:56:23
      • 『…斜め上方!』
        ……ッ!
        (いつの間にか、両目の色を赤と青に変えたカイトが、斬撃を噛み合わせるように受け止めた)
        (驚異的な演算能力が、0.1秒後の未来を計算し尽くした結果ではある、が)
        …どこいっても有名人扱いでうんざりなんだが、凡庸さ分けてくれないかな
        (双剣で、相手の剣を抑えながら減らず口を叩く。一度でいい、能力を使わせればそれすら解析できるのに…) -- 旅人と魔剣 2012-09-23 (日) 00:02:28
      • (男の顔に僅かな驚愕の色が浮かぶ。そしてジョシュアと未神は、この時を待っていた)
        (背中を見せた男に向けて胸部に二発、膝裏に二発ずつ。着弾すれば鉛弾は運動エネルギーを総て熱に転化する銃撃を放つ)
        (カイトが反応出来る事を知っていれば、切り結ぶ等という愚行は犯すまい。あとは)能力を使用せざるを得ない状況を作り出せば良い……! -- ジョシュア 2012-09-23 (日) 00:07:53
      • (切り結んだままの姿勢で、男の身体が揺れる。ジョシュアの放った銃弾が着弾し、それが内側から身を灼く)
        (たまらず撃ちぬかれた膝から崩れ、地に伏せる、が……その表情は何の感慨も沸かぬ、無表情に戻っていた)
        ……余録で欲張るとろくな事にはならないか。
        (短く、血塊と共に吐かれた言葉。それは)
        創刻よ、────を、刻め
        (固有能力の発動。)
        (同時に、崩れかけた世界が震える。胎動は間もなく断末魔へと変化して……)
        (気付けば、莫大な量のエーテルを世界そのものから吸い上げ、自らを再構築する男の姿が離れた場所に在った)
        ……まぁ、良い。真実必要な半身を探さねばな……
        (呟くようにそう言って、エーテル光を纏いながら右手の魔剣──創刻を振るう。世界を繋ぐ門が、開かれる) -- 魔剣使いの男 2012-09-23 (日) 00:20:42
      • (ジョシュアの攻撃と同時、僅かに下がり、間合いを取り直して相手の能力を移し取らんと呼吸を合わせ…)
        ……万象よ…っ!?
        (呼吸を、集中を乱す様に世界が揺れる。これ以上この場にいれば、世界移動者もただではすまない)
        『…創刻じゃと? じゃがあれは…!』
        (名前には聞き覚えがあったのか、叫ぶフェルミを余所に、敵が門を開いた)

        時間切れか…!?
        (油断なく構えるが、もろとも門に飛びこむつもりでもなければ、打つ手はこちらも門を開いておくくらいしかない) -- 旅人と魔剣 2012-09-23 (日) 00:32:08
      • ……、貴様の目的は……一体……ッ!?
        (激しくなる振動。構えるカイトとジョシュアの逡巡を打ち破るように、通信が入る)
        『こちらストーク01、”ジャヴェリン”・”トゥーソード”に告ぐ。もう保たねぇーから脱出地点まで急いで下さいや、こいつが最終便ですよ!』
        ……くっ(歯噛みし、頭を振って)
        脱出するぞ、カイト。悔しいがまだ手はある。こちらもこのまま留まっていれば不味い……! -- ジョシュア 2012-09-23 (日) 00:43:02
      • ……。
        (滅び行く世界も、先程まで自らを追い詰めていた魔剣使い達も眼中に無いかのように扉へと消えて行く)
        (門が閉じ、男が完全に消え去ると、最早原型を維持出来ぬ世界の振動は収まる……)
        (数分後には、虚無へと落ちた世界の中心へ捲れるように爆縮が始まるであろう) -- 魔剣使いの男 2012-09-23 (日) 00:48:47
      • (トゥーソードと呼ばれれば、通信を寄こしてきたであろう方角を見る)
        (最初は万象にちなんだ名前も考えられたが、フェルミが微妙に納得しなかったとか)
        …了解。この場で追うよりは、そっちで調べ直しの方がいいですしね
        あの魔剣の能力も含めて…この世界ともお別れか…!
        (魔剣を携えたまま、脱出地点めがけて走りだした) -- 旅人と魔剣 2012-09-23 (日) 00:49:08



      • ……かくて、一つの世界は終わり物語は始まりを告げる。
        銃持つ守護者と万象の旅人は討ち漏らしはしたものの、かの魔剣使いの持つ波長の記録には既の所で成功していたのであるが。
        そこから暫くの時を経て導き出された彼の者の次なる世界は……両の魔剣使いにとって因縁深い世界であった。
        これは偶然の奇縁であるのか、それとも必然の運命であるかは、今の時点では誰にも分からぬ事ではあったが。

        かくして、幕は上がる。 -- 2012-09-23 (日) 00:55:09
  • 第一章
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     『困惑の担い手』
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     唐突すぎて
    なにがなにやら
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    • (確かに『微妙な情報』だとかそんな感じで危険性は提示されていた)
      (ブラックプディング二連戦にコボルドキングの不意打ち。不確定要素が多いとは言え随分と不利な条件での戦い)
      (その結果、冬乃は一人孤立し洞窟をさまよい歩く事となり……)
      うー……まずった。完全にはぐれちゃったし……今の状態で群れに出くわしたらたまったもんじゃないね
      (小声でそうごちる。頼れるのは自分の腕と、背負った魔剣のみ。細心の注意を払う必要のある状況ではあるが、冬乃の心境は楽観的ですらあった)
      まぁ、一人で生き残るならなんとかね……なんとか合流出来ればいいんだけど、さ
      -- 冬乃 2012-10-07 (日) 18:38:52
      • (油断ではなく、積み上げた鍛錬と経験に対する確信があった)
        (……否、それが通じぬ相手が眼前に立ち塞がった時に、それはもう油断となるのかも知れない)

        (何故反応出来たのかも分からない)
        (意識した時には刃同士がかち合う音が、間近で響いていた)
        -- 冬乃 2012-10-07 (日) 19:23:03
      • ……ッ!?
        (一番状況が飲み込めていないのは自分だけであった)
        (凡庸な印象の男が、眼前で刃を構えている)
        な、何……?
        (困惑の声。知覚する前に魔剣を抜き、一撃を防いだのか)
        (攻撃が不可解ならそれを放った人物についても不可解であった。まるで突然眼前に現れたかのような──)
        -- 冬乃 2012-10-07 (日) 19:29:40
      • ……防ぐか。だが、理解は及ばぬと見える
        (凡庸な風体の男であった。何処にでも居そうで、何処にも居なさそうな、そんな印象の薄さがある)
        (よく見ればその手に持つ剣は、冬乃の持つ魔剣とよく似た形で)
        だが二度は無かろう。我が魔剣の片割れ、貰い受けるぞ
        (一方的に物言い、刃を弾く。そして、出現と同じように唐突に、冬乃の視界から消え──) -- 2012-10-07 (日) 19:37:15
      • 『使い手よ、五時の方向だ!』
        (唐突に聞こえた涼やかな、しかし切迫した声。理解より先に身体が動いた)
        (手応えの消失を反発力に、言われた方向へと振り仰ぎ刃を流す)
        (果たして腕に返るのは、鋼の手応えであった)
        また、防げた……ほんと、何だってのよ……っ!
        (困惑の声と共に受けた衝撃を流し、切り返す)
        -- 冬乃 2012-10-09 (火) 15:30:19
      • (一度目は偶然と断ずることも出来よう。だが二度防がれればそれは偶然では済まされぬ)
        (男の攻撃とはつまりそのようなものであった。故に、返す刀で鋭い反撃を受け流すその目に油断は無い)
        (興味は在る。が、それよりも欲する物があった)
        ……。
        (引き絞るように構えた魔剣を、呼気と共に突き出す。狙うは冬乃の喉笛)
        (命を断つべく、攻撃を放つ) -- 2012-10-13 (土) 23:19:28
      • (そして三度目は常識的と言えた。故に、日々道場で実践の技を磨き冒険者として実戦もくぐり抜けた冬乃に防げぬ道理はない)
        ふ……ッ!
        (立てた刃の峰で刺突を打ち払い、反動を殺さず手首を返す。狙うは逆胴。)
        (だが、この斬撃は致死のものに等しい。魔物であれば躊躇いは無いが)
        (今相手取るのは人間。それも、真剣を持っての立合である。それが逡巡を生んだ)
        ……ッ!
        (矢張り、と言うべきか。常の速度より鈍った切り払いが届く前に、先程と同じく視界から男の姿が消失する)

        『……使い手よ。私は魔剣の意志だ。単刀直入に言う』
        『この状況、切り抜けるには私との仮契約が必要だ。命を盾とするようで気は引けるが、了承して欲しい』

        (魔剣の意志と名乗る声。始めて交わす言葉に首を捻りたくなるが今は戦闘の真っ最中である。油断無く気配を探りつつも言葉を返そうとし、そして)『……三時方向!』 -- 冬乃 2012-10-13 (土) 23:28:52

Last-modified: 2012-10-13 Sat 23:29:16 JST (4202d)