ニアが旅だってからもう結構な時間がたった
高値で売れるキノコと金の鉱脈を持ち前のお金にたいする執念でつぎつぎと探し当ててるらしい
時々帰ってきては見たことも無いようなゼロばかりついた値段の料理をごちそうされて
延々と大げさに脚色した武勇伝を語ってくる、…いや大げさではないのかもしれないけど
ニアが語る現実味のない話は、昔の私なら『んなわけないじゃないどうせニアのことだから
道端のキノコやらハッパかけて押し売りでもしてるんじゃないの?』なんて笑い飛ばしながら
しっかり料理はあるだけ食べてそうだけど、…今の私は料理もニアの話にも
気のない感じを誤魔化すため適当に相槌うったり愛想笑いを浮かべたりしているだけ
ニアがくれるっていうお金ももらうにはもらったけど
どう使っていいか分からずに押入れに無造作においたままだ
そもそもこの国のお金じゃないし…