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アンタレスは地底を照らす太陽そのものだ。
実在の大火(アンタレス)とは違い、その炎は蒼い。
万華鏡姉妹と共に作り出される美しい光をアンタレスは気に入っていたし、
地底の紛い物の星空の中で自分が一番輝いている事を誇りに思っていた。
そしてその恩恵を受ける住人達の幸せもまた愛していた。
しかし天の蓋が開いた事でアンタレスは本当の太陽を、月を、星を、
紅に輝く蠍火を知ってしまった。
その光を羨んだ。
恋焦がれた。
苛まれた。
そして自分を地底に押し留める縛を払おうと盲目的な暴走は少しずつ始まっていた。
「私も、私だって!もっと高く、もっと明るく・・・・!」

地底の太陽は本体であるアンタレスと彼女を囲む直径20m程の複数の輪、「外環」で構成されている。
外環はアンタレスのエネルギーを受け止め調整する為の装置で、万華鏡の姉妹はこれを介して地表に太陽の恩恵を与えている。
外環の中にエネルギーの塊を残していく事で、また自分の力を極端に抑え込む事で、一応の外出も可能。
しかしながらどちらの効力もせいぜい数日しか持たない。
外環はアンタレスを地底に縛り付ける役目も担っており、突破して地表へ抜け出そうと力を全開にし始めた為に外にも影響が現れたと見られる。


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